JP5132013B2 - オクタフェニルテトラアザポルフィリン、該オクタフェニルテトラアザポルフィリンの製造方法、該オクタフェニルテトラアザポルフィリンを用いた電子写真感光体、該電子写真感光体を備えたプロセスカートリッジおよび電子写真装置 - Google Patents

オクタフェニルテトラアザポルフィリン、該オクタフェニルテトラアザポルフィリンの製造方法、該オクタフェニルテトラアザポルフィリンを用いた電子写真感光体、該電子写真感光体を備えたプロセスカートリッジおよび電子写真装置 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は新規な結晶形を有する2,3,7,8,12,13,17,18−オクタフェニル−5,10,15,20−テトラアザポルフィリン、該オクタフェニルテトラアザポルフィリンの製造方法、該オクタフェニルテトラアザポルフィリンを用いた電子写真感光体、該電子写真感光体を備えたプロセスカートリッジおよび電子写真装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真感光体としては、セレン、硫化カドミウム、酸化亜鉛などの無機光導電性物質が広く用いられていた。一方、有機光導電性物質を用いた電子写真感光体としてはポリ−N−ビニルカルバゾールに代表される光導電性ポリマーや2,5−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールのような手異分子の有機光導電性物質を用いたもの、さらには、かかる有機光導電性物質と各種染料や顔料を組み合わせたものなどが知られている。有機光導電性物質を用いた電子写真感光体は成膜性が良く、塗工によって生産できるため、極めて生産性が高く、安価な電子写真感光体を提供できる利点を有している。また、使用する染料や顔料などの選択により、感色性を自在にコントロールできるなどの利点を有し、これまで幅広い検討がなされてきた。特に最近では、有機光導電性染料や顔料を含有した電荷発生層と光導電性ポリマーや低分子の有機光導電性物質を含有した電荷輸送層を積層した機能分離型感光体の開発により、従来の有機電子写真感光体の欠点とされていた感度や耐久性に著しい改善がなされてきた。
【0003】
アゾ顔料は優れた光導電性を示し、しかもアゾ成分とカプラー成分の組み合わせ方で様々な特性を持った化合物が容易に得られることから、これまで数多くの化合物が提案されており、例えば特開昭54−22834号公報、特開昭58−177955号公報、特開昭58−194035号公報、特開昭61−215556号公報、特開昭61−241763号公報、特開昭63−17456号公報などが挙げられる。しかしながら、従来のアゾ顔料を用いた電子写真感光体は、感度や繰り返し使用時の電位安定性の面で必ずしも充分なものとはいえず、実用化されているのはごくわずかな材料のみである。
【0004】
またフタロシアニン系顔料は着色用途の他、電子写真感光体、太陽電池、センサーなどに用いられる電子材料として注目され検討されているが、本発明のテトラアザポルフィリン系については特開平11−242348号公報にCuおよびTiOテトラアザポルフィリン顔料が開示されている。しかしながら、この顔料の感度は実用的でなく、また無金属の2,3,7,8,12,13,17,18−オクタフェニル−5,10,15,20−テトラアザポルフィリンについて結晶形および該化合物を用いた電子写真感光体についての報告はほとんどされていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、新規な結晶形の2,3,7,8,12,13,17,18−オクタフェニル−5,10,15,20−テトラアザポルフィリンおよび該オクタフェニルテトラアザポルフィリンの製造方法を提供することである。また、本発明の目的は新規な電子写真感光体を提供すること、高感度特性と繰り返し使用時の安定した電位特性を有した電子写真感光体を提供すること、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の5.4°および20.7°にピークを有する結晶形(c)の2,3,7,8,12,13,17,18−オクタフェニル−5,10,15,20−テトラアザポルフィリンから構成される。
また、本発明は、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.5°および20.0°にピークを有する結晶形(d)の2,3,7,8,12,13,17,18−オクタフェニル−5,10,15,20−テトラアザポルフィリンから構成される。
また、本発明は、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の5.4°、19.7°および22.6°にピークを有する結晶形(a1)の2,3,7,8,12,13,17,18−オクタフェニル−5,10,15,20−テトラアザポルフィリンから構成される。
【0007】
また、本発明は、ジフェニルマレオニトリルとマグネシウムを加熱反応させて得た2,3,7,8,12,13,17,18−オクタフェニル−5,10,15,20−テトラアザポルフィリナトマグネシウムを、塩酸水溶液で加熱処理し脱マグネシウム化して得られる2,3,7,8,12,13,17,18−オクタフェニル−5,10,15,20−テトラアザポルフィリンを、ピリジンを用いて精製することによって製造することを特徴とする、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の5.5°および19.7°にピークを有する結晶形(a)の2,3,7,8,12,13,17,18−オクタフェニル−5,10,15,20−テトラアザポルフィリンの製造方法から構成される。
【0008】
また、本発明は、ジフェニルマレオニトリルとマグネシウムを加熱反応させて得た2,3,7,8,12,13,17,18−オクタフェニル−5,10,15,20−テトラアザポルフィリナトマグネシウムを、塩酸水溶液で加熱処理し脱マグネシウム化して得られる2,3,7,8,12,13,17,18−オクタフェニル−5,10,15,20−テトラアザポルフィリンを、ガラスビーズと共に乾式磨砕処理することによって製造することを特徴とする、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の5.5°および19.7°にピークを有する結晶形(a)の2,3,7,8,12,13,17,18−オクタフェニル−5,10,15,20−テトラアザポルフィリンの製造方法から構成される。
【0010】
また、本発明は、2,3,7,8,12,13,17,18−オクタフェニル−5,10,15,20−テトラアザポルフィリナトマグネシウムを、アシッドペースティング法またはアシッドスラリー法で脱マグネシウム化して得られる2,3,7,8,12,13,17,18−オクタフェニル−5,10,15,20−テトラアザポルフィリンを水洗することによって製造することを特徴とする、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の5.6°および20.2°にピークを有する結晶形(b)の2,3,7,8,12,13,17,18−オクタフェニル−5,10,15,20−テトラアザポルフィリンの製造方法から構成される。
【0011】
また、本発明は、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の5.6°および20.2°にピークを有する結晶形(b)の2,3,7,8,12,13,17,18−オクタフェニル−5,10,15,20−テトラアザポルフィリンを、エステル系溶剤、ケトン系溶剤またはアミド系溶剤でミリング処理または攪拌処理することによって製造することを特徴とする、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の5.4°および20.7°にピークを有する結晶形(c)の2,3,7,8,12,13,17,18−オクタフェニル−5,10,15,20−テトラアザポルフィリンの製造方法から構成される。
【0012】
また、本発明は、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の5.6°および20.2°にピークを有する結晶形(b)の2,3,7,8,12,13,17,18−オクタフェニル−5,10,15,20−テトラアザポルフィリンを、エーテル系溶剤でミリング処理または攪拌処理することによって製造することを特徴とする、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.5°および20.0°にピークを有する結晶形(d)の2,3,7,8,12,13,17,18−オクタフェニル−5,10,15,20−テトラアザポルフィリンの製造方法から構成される。
【0013】
また、本発明は、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の5.5°および19.7°にピークを有する結晶形(a)の2,3,7,8,12,13,17,18−オクタフェニル−5,10,15,20−テトラアザポルフィリンを、エーテル系溶剤、アルコール系溶剤または脂肪族ハロゲン系溶剤でミリング処理または攪拌処理することによって製造することを特徴とする、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の15.4°および21.8°にピークを有する結晶形(e)の2,3,7,8,12,13,17,18−オクタフェニル−5,10,15,20−テトラアザポルフィリンの製造方法から構成される。
【0014】
また、本発明は、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の5.5°および19.7°にピークを有する結晶形(a)の2,3,7,8,12,13,17,18−オクタフェニル−5,10,15,20−テトラアザポルフィリンを、N,N−ジメチルホルムアミドおよびN−メチルピロリドンなどのアミド系溶剤またはアセトンおよびメチルエチルケトンなどのケトン系溶剤でミリング処理または攪拌処理することによって製造することを特徴とする、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の6.4°および8.0°にピークを有する結晶形(f)の2,3,7,8,12,13,17,18−オクタフェニル−5,10,15,20−テトラアザポルフィリンの製造方法から構成される。
【0015】
また、本発明は、支持体および該支持体上に形成された感光層を有する電子写真感光体において、該感光層が、本発明の2,3,7,8,12,13,17,18−オクタフェニル−5,10,15,20−テトラアザポルフィリンを含有することを特徴とする電子写真感光体から構成される
【0016】
また、本発明は、前記本発明の電子写真感光体、ならびに、帯電手段、現像手段およびクリーニング手段からなる群より選ばれる少なくとも1つの手段を一体に支持し、電子写真装置本体に着脱可能であることを特徴とするプロセスカートリッジから構成される。
【0017】
また、本発明は、前記本発明の電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段を有することを特徴とする電子写真装置から構成される。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明者は2,3,7,8,12,13,17,18−オクタフェニル−5,10,15,20−テトラアザポルフィリン(以下、8PhHTAPと記す)について研究の結果、X線回折スペクトルが従来公知のいずれのものとも異なる新規な結晶形を見出し、さらに、この結晶形の8PhHTAPを用いた電子写真感光体が優れた電子写真特性を示すことを見出し、本発明に到達したものである。
【0019】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明における8PhHTAPの構造は下記のように表される。
【化1】
Figure 0005132013
ただし、X、X、X、X、X、X、XおよびXはハロゲン原子、アルキル基またはアルコキシ基を表し、n、n、n、n、n、n、nおよびnは0〜5の整数である。
【0020】
上記表現のアルキル基としてはメチル、エチル、プロピル、ブチルなどの基が挙げられ、ハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
【0021】
結晶形(a)はブラッグ角2θ±0.2°の5.5°及び19.7°にピークを有している。
結晶形(b)はブラッグ角2θ±0.2°の5.6°及び20.2°にピークを有している。
結晶形(c)はブラッグ角2θ±0.2°の5.4°及び20.7°にピークを有している。
結晶形(d)はブラッグ角2θ±0.2°の7.5°及び20.0°にピークを有している。
結晶形(e)はブラッグ角2θ±0.2°の15.4°及び21.8°にピークを有している。
結晶形(f)はブラッグ角2θ±0.2°の6.4°及び8.0°にピークを有している。
【0022】
ブラッグ角2θ±0.2°の5.5°および19.7°にピークを有する結晶形(a)を有する8PhHTAPはジフェニルマレオニトリルとマグネシウムを加熱反応させて得た2,3,7,8,12,13,17,18−オクタフェニル−5,10,15,20−テトラアザポルフィリナトマグネシウムを塩酸水溶液で加熱処理し脱マグネシウム化して得た8PhHTAPをピリジンを用いて精製することにより得られる。また、得られた結晶をガラスビーズと共にサンドミルおよびペイントシェーカーなどで乾式磨砕処理することにより本発明結晶を得ることができる。
【0023】
ブラッグ角2θ±0.2°の5.6°および20.2°にピークを有する結晶形(b)を有する8PhHTAPは、前記で得たブラッグ角2θ±0.2°の5.5°および19.7°にピークを有する結晶をクロロベンゼンなどの芳香族ハロゲン系溶剤でミリング処理または攪拌処理することにより得られる。また、2,3,7,8,12,13,17,18−オクタフェニル−5,10,15,20−テトラアザポルフィリナトマグネシウムを硫酸などを用いたアシッドペースティング法またはアシッドスラリー法で脱マグネシウム化して得た8PhHTAPを水洗することにより得られる
【0024】
ブラッグ角2θ±0.2°の5.4°および20.7°にピークを有する結晶形(c)を有する8PhHTAPは、上記アシッドペースティング法で得たブラッグ角2θ±0.2°の5.6°および20.2°にピークを有する結晶を酢酸エチルおよび酢酸ブチルなどのエステル系溶剤、アセトンおよびメチルエチルケトンなどのケトン系溶剤、およびN,N−ジメチルホルムアルデヒドおよびN−メチルピロリドンなどのアミド系溶剤でミリング処理または攪拌処理することにより得られる。
【0025】
ブラッグ角2θ±0.2°の7.5°および20.0°にピークを有する結晶形(d)を有する8PhHTAPは、前記アシッドペースティング法で得たブラッグ角2θ±0.2°の5.6°および20.2°にピークを有する結晶をテトラヒドロフランおよびエチルエーテルなどのエーテル系溶剤でミリング処理または攪拌処理することにより得られる。
【0026】
ブラッグ角2θ±0.2°の15.4°および21.8°にピークを有する結晶形(e)を有する8PhHTAPは、前記乾式磨砕処理することにより得たブラッグ角2θ±0.2°の5.5°および19.7°にピークを有する結晶をテトラヒドロフランおよびエチルエーテルなどのエーテル系溶剤、メタノール、エタノールおよびプロパノールなどのアルコール系溶剤、およびクロロホルムおよび塩化メチレンなどの脂肪族ハロゲン系溶剤でミリング処理または攪拌処理することにより得られる。
【0027】
ブラッグ角2θ±0.2°の6.4°および8.0°にピークを有する結晶形(f)を有する8PhHTAPは、前記乾式磨砕処理することにより得たブラッグ角2θ±0.2°の5.5°および19.7°にピークを有する結晶をN,N−ジメチルホルムアルデヒドおよびN−メチルピロリドンなどのアミド系溶剤またはアセトンおよびメチルエチルケトンなどのケトン系溶剤でミリング処理または攪拌処理することにより得られる。
【0028】
なお、ミリング処理とは、ガラスビーズ、スチルビーズおよびアルミナボールなどの分散メディアと共にサンドミル、ボールミルおよぼペイントシェーカーなどのミリング装置を用いて行う処理をいう。一方、攪拌処理とは、これらの分散メディアを用いずに単に攪拌する処理のことをいう。
【0029】
上記本発明の8PhHTAPは、光導電体としての機能に優れ、電子写真感光体、太陽電池、センサーおよびスイッチング素子などの電子材料に適用することができる。電子写真感光体に適用する場合は、感度の点で特に、結晶形(c)および(d)を有する8PhHTAPが好ましい。
【0030】
以下に、本発明の8PhHTAPを電子写真感光体用の電荷発生材料として適用する場合の例を説明する。
【0031】
図1および図2に電子写真感光体の代表的な層構成を示す。図1は、感光層1が単一層からなり、感光層1が電荷発生材料2と電荷輸送材料(不図示)を同一の層に含有する例を示しており、3は支持体である。図2は、感光層1が電荷発生材料2を含有する電荷発生層4と、電荷輸送材料(不図示)を含有する電荷輸送層5の積層構造である例を示す。なお、電荷発生層4と電荷輸送層5との積層関係は逆であってもよい。本発明においては、図2の構成であることが好ましい。
【0032】
支持体としては導電性を有するものであればよく、アルミニウムおよびステンレスなどの金属や合金あるいは導電送を設けた金属、プラスチックおよび紙などが挙げられ、形状としては円筒状またはフィルム状などが挙げられる。
【0033】
また、支持体と感光層の間にはバリヤー機能と接着機能を持つ下引き層を設けることもできる。下引き層の材料としては、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、メチルセルロース、カゼイン、ポリアミド、にかわおよびゼラチンなどが用いられる。これらは適当な溶剤に溶解して支持体上に塗布される。その膜厚は0.2〜3.0μmであることが好ましい。
【0034】
図1に示すような単一層からなる感光層は、本発明の8PhHTAPである電荷発生材料と電荷輸送材料を適当なバインダー樹脂溶液中に分散および溶解した溶液を塗布、乾燥することによって形成することができる。
【0035】
図2に示すような積層構造からなる感光層の電荷発生層は、本発明の8PhHTAPを電荷発生材料として適当なバインダー樹脂溶液中に分散した分散液を塗布、乾燥することによって形成することができる。
【0036】
用いられるバインダー樹脂としては、例えばポリエステル、アクリル樹脂、ポリビニルカルバゾール、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリビニルブチラール、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、ポリスルホン、ポリアリレートおよび塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体などの樹脂が挙げられる。
【0037】
電荷輸送層は、電荷輸送材料を適当なバインダー樹脂溶液中に溶解した溶液を塗布、乾燥することによって形成することができる。用いられる電荷輸送材料としては、各種のトリアリールアミン系化合物、ヒドラゾン系化合物、スチルベン系化合物、ピラゾリン系化合物、オキサゾール系化合物、チアゾール系化合物およびトリアリルメタン系化合物などが挙げられる。また、バインダー樹脂としては上述した樹脂を用いることができる。
【0038】
これらの層の塗布方法としては、ディッピイング法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ビードコーティング法、ブレードコーティング法およびビームコーティング法などが挙げられる。
【0039】
感光層が単一層の場合、膜厚は5〜40μm、好ましくは10〜30μmが適当であり、積層構造の場合、電荷発生層の膜厚は0.01〜10μm、好ましくは0.05〜5μmの範囲、電荷輸送層の膜厚は5〜40μm、好ましくは10〜30μmの範囲である。
【0040】
さらにこれらの感光層を外部の衝撃から保護するために感光層の表面に保護層を設けてもよい。
【0041】
本発明の8PhHTAPを電荷発生材料として用いる場合、その目的に応じて他の電荷発生材料と混合して用いることもできる。
【0042】
本発明の電子写真感光体は、レーザービームプリンター、LEDプリンター、CRTプリンターなどのプリンターのみならず、通常の電子写真複写機やその他の電子写真応用分野に広く適用することができる。
【0043】
図18に本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを有する電子写真装置の概略構成を示す。図において、6はドラム状の本発明の電子写真感光体であり、軸7を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。感光体6は回転過程において、一次帯電手段8によりその周面に正または負の所定電位の均一帯電を受け、ついでスリット露光やレーザービーム走査露光などの露光手段(不図示)からの露光光9を受ける。こうして感光体6の周面に静電潜像が順次形成されていく。
【0044】
形成された静電潜像は、ついで現像手段10によりトナー現像され、現像されたトナー現像像は、不図示の給紙部から感光体6と転写手段11との間に感光体1の回転と同期取りされて給送された転写材12に、転写手段11により順次転写されていく。像転写を受けた転写材12は感光体面から分離されて像定着手段13へ導入されて像定着を受けることにより複写物(コピー)として装置外へプリントアウトされる。像転写後の感光体6の表面は、クリーニング手段14によって転写残りトナーの除去を受けて清浄面化され、さらに前露光手段(不図示)からの前露光光15により除電処理がされた後、繰り返し画像形成に使用される。なお、一次帯電手段8が帯電ローラーなどを用いた接触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必要ではない。
【0045】
本発明においては、上述の感光体6、一次帯電手段8、現像手段11およびクリーニング手段14などの構成要素のうち、複数のものをプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機やレーザービームプリンターなどの電子写真装置本体に対して着脱可能に構成してもよい。例えば一次帯電手段8、現像手段10およびクリーニング手段14の少なくとも1つを感光体6と共に一体に支持してカートリッジ化し、装置本体のレール17などの案内手段を用いて装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジ16とすることができる。また、露光光9は、電子写真装置が複写機やプリンターである場合には、原稿からの反射光や透過光を用いる、あるいは、センサーで原稿を読み取り、信号化し、この信号に従って行われるレーザービームの走査、LEDアレイの駆動および液晶シャッターアレイの駆動などにより照射される光である。
【0046】
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、これにより本発明が実施例に限定されるものではない。なお、以下の例中におけるに「部」は、「質量部」を示す。
【0047】
なお、X線回折の測定は、CuKα線を用いて次の条件によって行った。
使用測定機:マック・サイエンス社製、全自動X線回折装置MXP18
X線管球:Cu
管電圧:50kV
管電流:300mA
スキャン方法:2θ/θスキャン
スキャン速度:2deg./min
サンプリング間隔:0.020deg
スタート角度(2θ):5deg
ストップ角度(2θ)40deg
ダイバージェンススリット:0.5deg
スキャッタリングスリット:0.5deg
レシービングスリット:0.3mm
湾曲モノクロメーター使用。
【0048】
【実施例】
合成例1
マグネシウム9.2部、ジフェニルマレオニトリル46部を275℃で2時間反応させ、冷却後25%酢酸水溶液500部を投入し加熱還流下2時間攪拌した。不溶物を濾取、熱水洗浄、n−ヘキサン/トルエン=20/1で洗浄後、乾燥し、アルミナカラム(溶媒:トルエン〜酢酸エチル〜ピリジン)にて精製した。ついで10%塩酸および熱水で充分洗浄し、乾燥し、オクタフェニルテトラアザポルフィリナトマグネシウムを5.7部得た。
【0049】
実施例1
合成例1で得られた化合物3.2部を15%塩酸1300部と共に100℃で5時間処理した後、濾別し、さらに15%塩酸500部と共に100℃で5時間処理し、濾取、熱水およびトルエンで充分洗浄した。残さをピリジンでソックスレー洗浄した後、アセトンおよび熱水洗浄、乾燥し、8PhHTAPを1.2部得た。得られた結晶はブラッグ角2θ±0.2°の5.4°19.7°および22.6°にピークを有する結晶形(a)であった。
この8PhHTAPのX線回折図を図3に示す。
この化合物の元素分析値は以下の通りであった。
元素分析 実測値 計算値
C 83.05 83.27
H 4.50 4.59
N 11.88 12・14
【0050】
実施例2
合成例1で得られた化合物5部を5℃の濃硫酸150部に溶解させ、氷水750部中に攪拌下に滴下して再析出させて濾過した。イオン交換水で分散洗浄を4回行った後、40℃で真空乾燥して8PhHTAPを3.5部得た。得られた結晶はブラッグ角2θ±0.2°の5.8°および20.2°にピークを有する結晶形(b)であった。
この8PhHTAPのX線回折図を図4に示す。
この化合物の元素分析値は以下の通りであった。
Figure 0005132013
【0051】
実施例3
実施例1で得られた結晶(結晶形(a))5部、直径1mmのガラスビーズ150部をペイントシェーカーで24時間分散した後、水超音波処理により8PhHTAPを濾別、乾燥した。得られた結晶はブラッグ角2θ±0.2°の5.7°および19.8°にピークを有する結晶形(a)であった。
この8PhHTAPのX線回折図を図5に示す。
【0052】
実施例4
実施例3で得られた結晶(結晶形(a))0.5部、クロロホルム15部、直径1mmのガラスビーズ15部をペイントシェーカーで24時間分散した後、濾別、乾燥した。得られた結晶はブラッグ角2θ±0.2°の15.3°および21.9°にピークを有する結晶形(e)であった。
この8PhHTAPのX線回折図を図6に示す。
【0053】
実施例5
実施例3で得られた結晶(結晶形(a))0.5部、テトラヒドロフラン15部、直径1mmのガラスビーズ15部をペイントシェーカーで24時間分散した後、濾別、乾燥した。得られた結晶はブラッグ角2θ±0.2°の15.5°および21.6°にピークを有する結晶形(e)であった。
この8PhHTAPのX線回折図を図7に示す。
【0054】
参考例6
実施例3で得られた結晶(結晶形(a))0.5部、クロロベンゼン15部、直径1mmのガラスビーズ15部をペイントシェーカーで24時間分散した後、濾別、乾燥した。得られた結晶はブラッグ角2θ±0.2°の5.5°および20.2°にピークを有する結晶形(b)であった。
この8PhHTAPのX線回折図を図8に示す。
【0055】
実施例7
実施例3で得られた結晶(結晶形(a))0.5部、N,N−ジメチルホルムアミド15部、直径1mmのガラスビーズ15部をペイントシェーカーで24時間分散した後、濾別、乾燥した。得られた結晶はブラッグ角2θ±0.2°の6.5°および8.1°にピークを有する結晶形(f)であった。
この8PhHTAPのX線回折図を図9に示す。
【0056】
実施例8
実施例3で得られた結晶(結晶形(a))0.5部、メタノール15部、直径1mmのガラスビーズ15部をペイントシェーカーで24時間分散した後、濾別、乾燥した。得られた結晶はブラッグ角2θ±0.2°の15.5°および21.9°にピークを有する結晶形(e)であった。
この8PhHTAPのX線回折図を図10に示す。
【0057】
実施例9
実施例3で得られた結晶(結晶形(a))0.5部、アセトン15部、直径1mmのガラスビーズ15部をペイントシェーカーで24時間分散した後、濾別、乾燥した。得られた結晶はブラッグ角2θ±0.2°の6.4°および7.9°にピークを有する結晶形(f)であった。
この8PhHTAPのX線回折図を図11に示す。
【0058】
実施例10
実施例2で得られた結晶(結晶形(b))0.5部、N,N−ジメチルホルムアミド15部、直径1mmのガラスビーズ15部をペイントシェーカーで24時間分散した後、濾別、乾燥した。得られた結晶はブラッグ角2θ±0.2°の5.3°および20.6°にピークを有する結晶形(c)であった。
この8PhHTAPのX線回折図を図12に示す。
【0059】
実施例11
実施例2で得られた結晶(結晶形(b))0.5部、メタノール15部、直径1mmのガラスビーズ15部をペイントシェーカーで24時間分散した後、濾別、乾燥した。得られた結晶はブラッグ角2θ±0.2°の5.4°および20.7°にピークを有する結晶形(c)であった。
この8PhHTAPのX線回折図を図13に示す。
【0060】
実施例12
実施例2で得られた結晶(結晶形(b))0.5部、アセトン15部、直径1mmのガラスビーズ15部をペイントシェーカーで24時間分散した後、濾別、乾燥した。得られた結晶はブラッグ角2θ±0.2°の5.5°および20.8°にピークを有する結晶形(c)であった。
この8PhHTAPのX線回折図を図14に示す。
【0061】
実施例13
実施例2で得られた結晶(結晶形(b))0.5部、テトラヒドロフラン15部、直径1mmのガラスビーズ15部をペイントシェーカーで24時間分散した後、濾別、乾燥した。得られた結晶はブラッグ角2θ±0.2°の7.5°および20.0°にピークを有する結晶形(d)であった。
この8PhHTAPのX線回折図を図15に示す。
【0062】
実施例14
アルミ基板上にメトキシメチル化ナイロン(平均分子量32000)5部とアルコール可溶性共重合ナイロン(平均分子量29000)10部をメタノール95部に溶解した液をマイヤーバーで塗布し、乾燥後の膜厚0.5μmの下引き層を形成した。
【0063】
つぎに、実施例1で得た結晶(結晶形(a))の8PhHTAP4部をシクロヘキサノン100部にポリビニルブチラール樹脂(商品名:BX−1、積水化学工業(株)製)2部を溶かした液に加え、ペイントシェーカーで3時間分散し、これに酢酸エチル150部を加えて希釈した。この分散液を下引き層の上に乾燥後の膜厚が0.2μmとなるようにマイヤーバーで塗布し、電荷発生層を形成した。
【0064】
ついで、下記構造式を有するトリフェニルアミン化合物5部
【化2】
Figure 0005132013
とポリカーボネート樹脂(商品名:ユーピロンZ200、三菱ガス化学(株)製)5部をクロロベンゼン35部に溶解し、この液を電荷発生層の上に乾燥後の膜厚が25μmとなるようにマイヤーバーで塗布し、電荷輸送層を形成し、実施例14の電子写真感光体を作成した。
【0065】
参考例15〜22および実施例23〜26
表1に示す実施例または参考例で得た結晶を用いた他は、実施例14と同様にして、参考例15〜22および実施例23〜26の電子写真感光体を作成した。
【0066】
比較例1
電荷発生材料として下記構造式を有する比較化合物Aを用いた他は、実施例14と同様にして、電子写真感光体を作成した。
比較化合物A
【化3】
Figure 0005132013
【0067】
比較例2
電荷発生材料として下記の構造式を有しCuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の21.1に主たる回折ピークを有する比較化合物Bを用いた他は、実施例14と同様にして、電子写真感光体を作成した。この比較化合物BのX線回折図を図16に示す。
比較化合物B
【化4】
Figure 0005132013
【0068】
作成した電子写真感光体についてその電子写真特性を10cmの導電性ガラスを用いて光放電特性を測定することによって評価した。光源としてハロゲンランプを波長403nmまたは682nmの干渉フィルターで単色化したものを用いた。なお、試料である電子写真感光体への初期表面電位は−700Vになるように調整されている。このとき表面電位が半分に減衰するのに必要な露光量E1/2(感度)をそれぞれの波長で測定した。この結果を表1に示す。
【0069】
【表1】
Figure 0005132013
【0070】
これらの結果から、本発明の電子写真感光体はいずれも優れた感度を有していることが知られる。
【0071】
【発明の効果】
本発明の電子写真感光体は高感度、特に半導体レーザー波長領域で高感度特性を維持しつつ画像欠陥の無い画像を提供できるという顕著な効果を奏する。また、この電子写真感光体を有するプロセスカートリッジならびに電子写真装置において、同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 電子写真感光体の感光層が単一層である層構成の概略図。
【図2】 電子写真感光体の感光層が積層構造である層構成の概略図。
【図3】 実施例1で得た8PhHTAPのX線回折図。
【図4】 実施例2で得た8PhHTAPのX線回折図。
【図5】 実施例3で得た8PhHTAPのX線回折図。
【図6】 実施例4で得た8PhHTAPのX線回折図。
【図7】 実施例5で得た8PhHTAPのX線回折図。
【図8】 参考例6で得た8PhHTAPのX線回折図。
【図9】 実施例7で得た8PhHTAPのX線回折図。
【図10】 実施例8で得た8PhHTAPのX線回折図。
【図11】 実施例9で得た8PhHTAPのX線回折図。
【図12】 実施例10で得た8PhHTAPのX線回折図。
【図13】 実施例11で得た8PhHTAPのX線回折図。
【図14】 実施例12で得た8PhHTAPのX線回折図。
【図15】 実施例13で得た8PhHTAPのX線回折図。
【図16】 比較例2で得た8PhTiOTAPのX線回折図
【図17】 本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを有する電子写真装置の概略構成を示す図である。
【符号の説明】
1 感光層
2 電荷発生材料
3 支持体
4 電荷発生層
5 電荷輸送層
6 本発明の電子写真感光体
7 軸
8 一次帯電手段
9 露光光
10 現像手段
11 転写手段
12 転写材
13 像定着手段
14 クリーニング手段
15 前露光光
16 プロセスカートリッジ
17 レール

Claims (24)

  1. CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の5.4°および20.7°にピークを有する結晶形(c)の2,3,7,8,12,13,17,18−オクタフェニル−5,10,15,20−テトラアザポルフィリン。
  2. CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.5°および20.0°にピークを有する結晶形()の2,3,7,8,12,13,17,18−オクタフェニル−5,10,15,20−テトラアザポルフィリン。
  3. CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の5.4°、19.7°および22.6°にピークを有する結晶形(a1)の2,3,7,8,12,13,17,18−オクタフェニル−5,10,15,20−テトラアザポルフィリン。
  4. ジフェニルマレオニトリルとマグネシウムを加熱反応させて得た2,3,7,8,12,13,17,18−オクタフェニル−5,10,15,20−テトラアザポルフィリナトマグネシウムを、塩酸水溶液で加熱処理し脱マグネシウム化して得られる2,3,7,8,12,13,17,18−オクタフェニル−5,10,15,20−テトラアザポルフィリンを、ピリジンを用いて精製することによって製造することを特徴とする、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の5.°19.7°および22.6°にピークを有する結晶形(a)の2,3,7,8,12,13,17,18−オクタフェニル−5,10,15,20−テトラアザポルフィリンの製造方法。
  5. ジフェニルマレオニトリルとマグネシウムを加熱反応させて得た2,3,7,8,12,13,17,18−オクタフェニル−5,10,15,20−テトラアザポルフィリナトマグネシウムを、塩酸水溶液で加熱処理し脱マグネシウム化して得られる2,3,7,8,12,13,17,18−オクタフェニル−5,10,15,20−テトラアザポルフィリンを、ガラスビーズと共に乾式磨砕処理することによって製造することを特徴とする、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の5.5°および19.7°にピークを有する結晶形(a)の2,3,7,8,12,13,17,18−オクタフェニル−5,10,15,20−テトラアザポルフィリンの製造方法。
  6. 前記乾式磨砕処理をサンドミルまたはペイントシェーカーで行う請求項5に記載の2,3,7,8,12,13,17,18−オクタフェニル−5,10,15,20−テトラアザポルフィリンの製造方法。
  7. 2,3,7,8,12,13,17,18−オクタフェニル−5,10,15,20−テトラアザポルフィリナトマグネシウムを、アシッドペースティング法またはアシッドスラリー法で脱マグネシウム化して得られる2,3,7,8,12,13,17,18−オクタフェニル−5,10,15,20−テトラアザポルフィリンを水洗することによって製造することを特徴とする、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の5.6°および20.2°にピークを有する結晶形(b)の2,3,7,8,12,13,17,18−オクタフェニル−5,10,15,20−テトラアザポルフィリンの製造方法。
  8. 前記アシッドペースティング法またはアシッドスラリー法に硫酸を用いることを特徴とする請求項7に記載の2,3,7,8,12,13,17,18−オクタフェニル−5,10,15,20−テトラアザポルフィリンの製造方法。
  9. CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の5.6°および20.2°にピークを有する結晶形(b)の2,3,7,8,12,13,17,18−オクタフェニル−5,10,15,20−テトラアザポルフィリンを、エステル系溶剤、ケトン系溶剤またはアミド系溶剤でミリング処理または攪拌処理することによって製造することを特徴とする、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の5.4°および20.7°にピークを有する結晶形(c)の2,3,7,8,12,13,17,18−オクタフェニル−5,10,15,20−テトラアザポルフィリンの製造方法。
  10. 前記エステル系溶剤が酢酸エチルおよび酢酸ブチルの少なくとも1つである請求項9に記載の2,3,7,8,12,13,17,18−オクタフェニル−5,10,15,20−テトラアザポルフィリンの製造方法。
  11. 前記ケトン系溶剤がアセトンおよびメチルエチルケトンの少なくとも1つである請求項9または10に記載の2,3,7,8,12,13,17,18−オクタフェニル−5,10,15,20−テトラアザポルフィリンの製造方法。
  12. 前記アミド系溶剤がN,N−ジメチルホルムアミドおよびN−メチルピロリドンの少なくとも1つである請求項9〜11のいずれかに記載の2,3,7,8,12,13,17,18−オクタフェニル−5,10,15,20−テトラアザポルフィリンの製造方法。
  13. CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の5.6°および20.2°にピークを有する結晶形(b)の2,3,7,8,12,13,17,18−オクタフェニル−5,10,15,20−テトラアザポルフィリンを、エーテル系溶剤でミリング処理または攪拌処理することによって製造することを特徴とする、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.5°および20.0°にピークを有する結晶形(d)の2,3,7,8,12,13,17,18−オクタフェニル−5,10,15,20−テトラアザポルフィリンの製造方法。
  14. 前記エーテル系溶剤がテトラヒドロフランおよびエチルエーテルの少なくとも1つである請求項13に記載の2,3,7,8,12,13,17,18−オクタフェニル−5,10,15,20−テトラアザポルフィリンの製造方法。
  15. CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の5.5°および19.7°にピークを有する結晶形(a)の2,3,7,8,12,13,17,18−オクタフェニル−5,10,15,20−テトラアザポルフィリンを、エーテル系溶剤、アルコール系溶剤または脂肪族ハロゲン系溶剤でミリング処理または攪拌処理することによって製造することを特徴とする、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の15.4°および21.8°にピークを有する結晶形(e)の2,3,7,8,12,13,17,18−オクタフェニル−5,10,15,20−テトラアザポルフィリンの製造方法。
  16. 前記エーテル系溶剤がテトラヒドロフランおよびエチルエーテルの少なくとも1つである請求項15に記載の2,3,7,8,12,13,17,18−オクタフェニル−5,10,15,20−テトラアザポルフィリンの製造方法。
  17. 前記アルコール系溶剤がメタノール、エタノールおよびプロパノールの少なくとも1つである請求項15に記載の2,3,7,8,12,13,17,18−オクタフェニル−5,10,15,20−テトラアザポルフィリンの製造方法。
  18. 前記脂肪族ハロゲン系溶剤がクロロホルムおよび塩化メチレンの少なくとも1つである請求項15に記載の2,3,7,8,12,13,17,18−オクタフェニル−5,10,15,20−テトラアザポルフィリンの製造方法。
  19. CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の5.5°および19.7°にピークを有する結晶形(a)の2,3,7,8,12,13,17,18−オクタフェニル−5,10,15,20−テトラアザポルフィリンを、アミド系溶剤またはケトン系溶剤でミリング処理または攪拌処理することによって製造することを特徴とする、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の6.4°および8.0°にピークを有する結晶形(f)の2,3,7,8,12,13,17,18−オクタフェニル−5,10,15,20−テトラアザポルフィリンの製造方法。
  20. 前記アミド系溶剤がN,N−ジメチルホルムアミドおよびN−メチルピロリドンの少なくとも1つである請求項19に記載の2,3,7,8,12,13,17,18−オクタフェニル−5,10,15,20−テトラアザポルフィリンの製造方法。
  21. 前記ケトン系溶剤がアセトンおよびメチルエチルケトンの少なくとも1つである請求項19に記載の2,3,7,8,12,13,17,18−オクタフェニル−5,10,15,20−テトラアザポルフィリンの製造方法。
  22. 支持体および該支持体上に形成された感光層を有する電子写真感光体において、該感光層が、請求項1〜3のいずれか1項に記載の2,3,7,8,12,13,17,18−オクタフェニル−5,10,15,20−テトラアザポルフィリンを含有することを特徴とする電子写真感光体。
  23. 請求項22に記載の電子写真感光体、ならびに、帯電手段、現像手段およびクリーニング手段からなる群より選ばれる少なくとも1つの手段を一体に支持し、電子写真装置本体に着脱可能であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  24. 請求項22に記載の電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段を有することを特徴とする電子写真装置。
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