JP3720762B2 - ガリウムフタロシアニン化合物の製造方法、クロロガリウムフタロシアニン結晶の製造方法およびヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の製造方法 - Google Patents

ガリウムフタロシアニン化合物の製造方法、クロロガリウムフタロシアニン結晶の製造方法およびヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の製造方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガリウムフタロシアニンの製造方法、クロロガリウムフタロシアニン結晶の製造方法、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の製造方法、ガリウムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン結晶、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶、電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、フタロシアニン系顔料は着色用途の他、電子写真感光体、太陽電池、センサーなどに用いられる電子材料として注目され、検討されている。
【0003】
また、近年、端末用プリンターとして電子写真技術を応用したプリンターが広く普及してきている。これらは主としてレーザー光を光源とするレーザービームプリンターであり、その光源としてはコスト、装置の大きさなどの点から半導体レーザーが用いられる。現在、主として用いられている半導体レーザーはその発振波長が650〜820nmと長波長のため、これら長波長の光に十分な感度を有する電子写真感光体の開発が進められてきた。
【0004】
電子写真感光体の感度は電荷発生物質の種類によって異なり、長波長光に対して感度を有する電荷発生物質として、近年、アルミニウムフタロシアニン、インジウムフタロシアニン、オキシバナジルフタロシアニン、ガリウムフタロシアニン、マグネシウムフタロシアニン、オキシチタニウムフタロシアニンなどの金属フタロシアニンあるいは無金属フタロシアニンなどについての研究が多くなされている。
【0005】
これらのうち、多くのフタロシアニン化合物では様々な結晶形の存在が知られており、例えばガリウムフタロシアニンでは、特開平5−98181号公報にクロロガリウムフタロシアニン結晶が、特開平5−263007号公報、特開平6−93203号公報、特開平10−67946号公報などに数種類のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶が開示されている。
【0006】
また、フタロシアニンにおいては、結晶形が同じでも使用原料や溶剤といった製造法、および反応温度や仕込み比などの製造条件の差により電子写真感光体として使用する場合、電子写真特性が著しく変化し、特に、感度、帯電性に著しく違いが出ることがわかっている。
【0007】
例えば、オキシチタニウムフタロシアニンの製造の場合、オキシチタニウム化合物を投入する温度が高い程、反応中にタール成分が生成し易く,これを完全に除去できず電子写真特性上で帯電不良という現象を引き起こすため、なるべく低温での投入が望ましい。
【0008】
ガリウムフタロシアニン結晶の製造方法に関しては、特開平8−100134号公報、特開平9−111148号公報、特開平9−124967号公報、特開平10−7927号公報、特開平10−17784号公報などに開示されているが、これらのガリウムフタロシアニン結晶を用いた電子写真感光体は、電子写真プロセスの高速化、あるいは高画質化の観点からみて必ずしも満足できるものでなく、および製造法の収率、製造安定性の面からみても必ずしも満足できるものではなかった。また、特開2000−344778号公報に高収率で安定生産できるガリウムフタロシアニンの製造法を提案しているが、複写機やレーザービームプリンターなどの電子写真装置のさらなる小型化、高画質高速フルカラー化の中でゴースト画像の出ない電子写真感光体が望まれている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、極めて高い光感度を有するガリウムフタロシアニン化合物、クロロガリウムフタロシアニン結晶、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶、および、それらを安定生産できる製造方法を提供すること、そして、それらを用いたゴースト画像の出にくい電子写真感光体、該電子写真感光体を用いたプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、ガリウム化合物とフタロシアニン環を形成する化合物をクロル化芳香族化合物中で反応させてガリウムフタロシアニン化合物を製造する製造方法において、
該フタロシアニン環を形成する化合物と該クロル化芳香族化合物とを混合し、混合液を作製する混合工程と、
該混合工程により作製されたフタロシアニン環を形成する化合物とクロル化芳香族化合物との混合液を50℃を超える温度まで加熱する加熱工程と、
該加熱工程により加熱された50℃を超える温度のフタロシアニン環を形成する化合物とクロル化芳香族化合物との混合液に該ガリウム化合物を投入する投入工程と、
を有することを特徴とするガリウムフタロシアニン化合物の製造方法である。
【0011】
また、本発明は、上記ガリウム化合物を塩化ガリウムとした上記製造方法で製造されたクロロガリウムフタロシアニンをミリング処理により結晶変換させ、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.4°、16.6°、25.5°および28.3°に強いピークを有するクロロガリウムフタロシアニン結晶を得る工程を有することを特徴とするクロロガリウムフタロシアニン結晶の製造方法である。
【0012】
また、本発明は、上記製造方法で製造されたガリウムフタロシアニン化合物をアシッドペースティング法により処理してペースト状の含水ヒドロキシガリウムフタロシアニンを得る工程と、
該含水ヒドロキシガリウムフタロシアニンを乾燥して低結晶性のヒドロキシガリウムフタロシアニンを得る工程と、
該低結晶性のヒドロキシガリウムフタロシアニンをミリング処理により結晶変換させ、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θの7.4°±0.2°および28.2°±0.2°に強いピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を得る工程と、
を有することを特徴とするヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の製造方法である。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
【0017】
ガリウム化合物とフタロシアニン環を形成する化合物をクロル化芳香族化合物中で反応させてガリウムフタロシアニン化合物を製造する際、まず、フタロシアニン環を形成する化合物とクロル化芳香族化合物とを混合し、その混合液を50℃を超える温度まで加熱した後、その50℃を超える温度の混合液にガリウム化合物を投入することで、系内の水分やコンタミに影響されず安定した反応性でガリウムフタロシアニン化合物が得られる。
【0018】
また、このガリウムフタロシアニンを電子写真感光体に用いた場合、極めて高い光感度を有し、ゴースト画像の出にくい電子写真感光体が得られる。50℃以下の場合、反応性、反応収率が系内の水分やコンタミの影響を受けやすく、また、該ガリウムフタロシアニン化合物を電子写真感光体に用いた場合、ゴースト画像が出やすく画像劣化を引き起こしてしまう。
【0019】
ガリウム化合物としては、三塩化ガリウム、三臭化ガリウム、三ヨウ化ガリウムなどのハロゲン化ガリウムや、ガリウムトリメトキサイド、ガリウムトリエトキサイドなどが挙げられる。これらの中でも、ガリウムフタロシアニン化合物を電子写真感光体に用いた場合は、電子写真特性の面から塩化ガリウム、さらには三塩化ガリウムが特に好ましい。
【0020】
フタロシアニン環を形成する化合物としては、フタロニトリル、3―ニトロフタロニトリル、4−ニトロフタロニトリル、3−クロルフタロニトリル、4−クロルフタロニトリル、4−メチルフタロニトリル、1、3−ジイミノイソインドリン、4−クロル−1、3−ジイミノイソインドリン、4−ニトロ−1、3−ジイミノイソインドリンなどが挙げられる。これらの中でも、ガリウムフタロシアニン化合物を電子写真感光体に用いた場合は、電子写真特性の面からフタロニトリルが特に好ましい。
【0021】
クロル化芳香族化合物としては、1−クロルナフタレン、2−クロルナフタレン、1,2−ジクロルベンゼン、2−クロルアニソール、1−ブロモナフタレンなどが挙げられる。これらの中でも、ガリウムフタロシアニン化合物を電子写真感光体に用いた場合は、極めて高い光感度を有し、繰り返し使用時の電位変動が少なく、帯電性が良好で画像欠陥の無い電子写真感光体が得られるため、1−クロルナフタレンが好ましい。
【0022】
ガリウム化合物とフタロシアニン環を形成する化合物をクロル化芳香族化合物中で反応させるときの反応温度としては、通常、170℃以上230℃以下に設定されるが、190℃未満では反応収率が上がりにくく、また、210℃を超える温度では電子写真感光体に用いた場合、光感度低下が起こりやすいため、190℃以上210℃以下の範囲が、反応収率、電子写真特性の両立上好ましい。また、反応時間は1〜8時間の範囲が好ましく、3〜6時間の範囲がより好ましい。
【0023】
フタロシアニン環を形成する化合物とクロル化芳香族化合物との混合液にガリウム化合物を投入する際、該混合液の温度は上述のとおり50℃を超える温度であることが必要であるが、特には55℃以上70℃以下が好ましい。投入温度が高すぎると反応性は低下し、それにより反応収率が低下してしまう。投入温度と反応性には明らかに相関性があり、理由は定かではないが投入温度が高いほど反応性が低くなる。しかし、この反応性と感光体にした時のゴースト画像のレベルとの相関はまだ明確ではないが、投入温度を本願のようにコントロールすることによりゴースト画像の出にくいガリウムフタロシアニン化合物を安定生産できる。
【0024】
なお、本発明で合成されたガリウムフタロシアニンは、下記構造のように表される。
【0025】
【外1】
Figure 0003720762
【0026】
上記式(1)中、R111〜R114、R121〜R124、R131〜R134、R141〜R144は、それぞれ独立して置換基を有してもよく、置換基としては、水素、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキル基、ハロゲン基、ニトロ基、アミノ基、アリル基、アルカノイル基、カルボキシ基、ハロアルカノイル基などが挙げられる。
【0027】
また、Xは軸配位子であり、ハロゲン基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルキル基、アリル基、アミノ基、アルキルチオ基、μ−オキソ錯体などが挙げられる。
【0028】
本発明のガリウムフタロシアニンの置換基はこれらの置換基に限定されるものではないが、光感度の面から考えると、R111〜R114、R121〜R124、R131〜R134、R141〜R144は無置換が好ましく、Xは、ハロゲン原子やヒドロキシ基が好ましく、特には、塩素原子、ヒドロキシ基がより好ましい。
【0029】
さらに、いかなる結晶形でもよいが、その中でもCuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θの7.4°±0.2°、28.2°±0.2°に強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.4°、16.6°、25.5°、28.3°に強いピークを有する結晶形のクロロガリウムフタロシアニンが特に優れた感度特性を有しており好ましい。またその中でも特に、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.5°、28.3°に強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニンが好ましい。
【0030】
次に、上記製造方法で得られたクロロガリウムフタロシアニンをミリング処理により結晶変換させ、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.4°、16.6°、25.5°および28.3°に強いピークを有するクロロガリウムフタロシアニン結晶を得る方法を説明する。
【0031】
ガリウム化合物として塩化ガリウムを用いて反応を行った際に得られる、塩化ガリウムフタロシアニンを乾式ミリングするか、また乾式ミリングに続いて湿式ミリングしてCuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.4°、16.6°、25.5°および28.3°に強いピークを有するクロロガリウムフタロシアニン結晶が得られる。湿式ミリングに用いられる溶剤としては、例えば、ベンジルアルコール、フェネチルアルコールなどの芳香族アルコール系溶剤、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N−メチルプロピオアミドなどのアミド系溶剤、クロロベンゼン、クロロホルムなどのハロゲン系溶剤などが挙げられる。
【0032】
次に、上記製造方法で得られたガリウムフタロシアニンをアシッドペースティング処理した後、ミリング処理により結晶変換させ、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θの7.4°±0.2°および28.2°±0.2°に強いピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を得る方法を説明する。
【0033】
ガリウムフタロシアニンをアシッドペースティング法により処理してペースト状の含水ヒドロキシガリウムフタロシアニンを得る。次に、この含水ヒドロキシガリウムフタロシアニンを乾燥して低結晶性のヒドロキシガリウムフタロシアニンとする。得られた低結晶性のヒドロキシガリウムフタロシアニンを、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N−メチルプロピオアミドなどのアミド系溶剤、クロロホルムなどのハロゲン系溶剤、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶剤、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶剤を用いてミリング処理を行うことにより得られる。
【0034】
本発明におけるミリング処理とは、例えば、ガラスビーズ、スチールビーズ、アルミナボールなどの分散剤と共に、サンドミル、ボールミルなどのミリング装置を用いて行う処理である。ミリング時間は、使用するミリング装置により異なるため一概には言えないが、4〜48時間程度が好ましい。また、4〜8時間おきにサンプルをとりブラッグ角を確認することが好ましい。ミリング処理で用いる分散剤の量は、質量基準でガリウムフタロシアニンの10〜50倍が好ましい。また、湿式ミリングの場合用いられる溶剤の量は、質量基準でガリウムフタロシアニンの10〜30倍が好ましい。
【0035】
また、本発明におけるアシッドペースティング法による処理とは、ガリウムフタロシアニンを酸の中に溶解または分散させた後、大量の水に注加し、再沈したガリウムフタロシアニン固体をアルカリ水溶液、次いで洗液の伝導度が20μS以下になるまでイオン交換水で洗浄を繰り返す処理のことである。
【0036】
ここで用いられる酸としては、例えば、硫酸、塩酸、トリフルオロ酢酸などが挙げられるが、その中でも濃硫酸が好ましい。使用量は、質量基準でガリウムフタロシアニンの10〜40倍が好ましく、酸での溶解または分散温度は50度以下がガリウムフタロシアニンの分解あるいは酸との反応の点で好ましい。
【0037】
本発明のガリウムフタロシアニンの結晶形のX線回折の測定は、CuKα線を用い、次の条件で行ったものである。
【0038】
使用測定機:マック・サイエンス社製、全自動X線回折装置MXP18
X線管球:Cu
管電圧:50KV
管電流:300mA
スキャン方法:2θ/θスキャン
スキャン速度:2deg./min
サンプリング間隔:0.020deg.
スタート角度(2θ):5deg.
ストップ角度(2θ):40deg.
ダイバージェンススリット:0.5deg.
スキャッタリングスリット:0.5deg.
レシービングスリット:0.3deg.
湾曲モノクロメーター使用
次に、以上の製造方法によって得られたガリウムフタロシアニンを電子写真感光体における電荷発生物質として適用する場合を説明する。
【0039】
メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤、トルエン、キシレン、クロルベンゼンなどの芳香族系溶剤、1,4―ジオキサン、テトラヒドロフラン,N,N−ジメチルホルムアミドなどの各種溶剤に、上記ガリウムフタロシアニンの粉末のみ、あるいは、バインダー樹脂を加えて分散液とする。
【0040】
分散手段としてはサンドミル、コロイドミル、アトライター、ボールミルなどの方法が利用できる。
【0041】
バインダー樹脂としては、ポリビニルブチラール、ホルマール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリサルホン樹脂、スチレン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル系樹脂などが用いられる。
【0042】
本発明における電子写真感光体の層構成は、支持体上に電荷発生物質と電荷輸送物質を同時に含有する単一層からなる感光層を有する層構成と、支持体上に電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物質を含有する電荷輸送層を積層する感光層を有する層構成がある。なお、電荷発生層と電荷輸送層の積層関係は逆であってもよい。
【0043】
支持体としては、導電性を有するものであればよく、アルミニウム、ステンレスなどの金属あるいは導電層を設けた金属、プラスチック、紙などが挙げられ、形状としては円筒状またはフィルム状などが挙げられる。
【0044】
支持体と感光層の間にはバリヤー機能と接着機能を持つ下引き層を設けることもできる。下引き層の材料としてはポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、メチルセルロース、カゼイン、ポリアミド、にかわ、ゼラチンなどが用いられる。これらは過当な溶剤に溶解して支持体上に塗布される。その膜厚は0.2〜3.0μmである。
【0045】
単一層からなる感光層を形成する場合、本発明のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の電荷発生物質と電荷輸送物質を過当なバインダー樹脂溶液中に混合して、この混合液を支持体上に塗布乾燥して形成される。
【0046】
積層構造からなる感光層を形成する場合、電荷発生層は、本発明のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を過当なバインダー樹脂溶液と共に分散し、この分散液を塗布乾燥して形成する方法が挙げられるが、蒸着することによって層形成することもできる。
【0047】
電荷輸送層は、主として電荷輸送物質とバインダー樹脂とを溶剤中に溶解させた塗料を塗布乾燥して形成する。電荷輸送物質としては各種のトリアリールアミン系化合物、ヒドラゾン系化合物、スチルベン系化合物、ピラゾリン系化合物、オキサゾール系化合物、チアゾール系化合物、トリアリルメタン系化合物などが挙げられる。
【0048】
各層に用いるバインダー樹脂としては、例えばポリエステル、アクリル樹脂、ポリビニルカルバゾール、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリビニルブチラール、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、ポリサルホン、ポリアリレート、塩化ビニリデン、アクリロニトリル共重合体、ポリビニルベンザールなどの樹脂が用いられる。
【0049】
感光層の塗布方法としては、ディッピング法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ビードコーティング法、ブレードコーティング法、ビームコーティング法などの塗布方法を用いることができる。
【0050】
感光層が単一層の場合、膜厚は5〜40μm、好ましくは10〜30μm、積層構造の場合、電荷発生層の膜厚は0.01〜10μm、好ましくは0.05〜5μm、電荷輸送層の膜厚は5〜40μm、好ましくは10〜30μmの範囲である。
【0051】
電荷発生物質の含有量は、電荷発生層に対して20〜80質量%、さらには30〜70質量%が好ましい。電荷輸送物質の含有量は、電荷輸送層に対して20〜80質量%、さらには30〜70質量%が好ましい。
【0052】
感光層が単一層の場合、電荷発生物質の含有量は、感光層に対して3〜30質量%が好ましい。電荷輸送層の含有量は感光層に対して30〜70質量%が好ましい。
【0053】
本発明のガリウムフタロシアニンを電荷発生物質として用いる場合、その目的に応じて他の電荷発生物質と混合して用いることもできる。この場合、ガリウムフタロシアニンの割合は、全電荷発生物質に対して50質量%以上が好ましい。
【0054】
感光層上には、必要に応じて保護層を設けてもよい。保護層はポリビニルブチラール,ポリエステル,ポリカーボネート(ポリカーボネートZ,変性ポリカーボネートなど),ナイロン,ポリイミド,ポリアリレート,ポリウレタン,スチレン−ブタジエンコポリマー,スチレン−アクリル酸コポリマー,スチレン−アクリロニトリルコポリマーなどの樹脂を適当な有機溶剤によって溶解し、感光層の上に塗布、乾燥して形成できる。保護層の膜厚は、0.05〜20μmが好ましい。また、保護層中に導電性粒子や紫外線吸収剤などを含ませてもよい。導電性粒子としては、例えば酸化錫粒子などの金属酸化物が好ましい。
【0055】
次に、本発明の電子写真感光体を用いた電子写真装置について説明する。
【0056】
図1において、1は本発明のドラム型感光体であり軸1aを中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動する。該感光体1はその回転過程で帯電手段2によりその周面に正または負の所定電位の均一帯電を受け、次いで露光部3にて不図示の像露光手段により光像露光L(スリット露光あるいはレーザービーム走査露光など)を受ける。これにより感光体周面に露光像に対応した静電潜像が順次形成されていく。その静電潜像は、次いで現像手段4でトナー現像され、そのトナー現像像がコロナ転写手段5により不図示の給紙部から感光体1と転写手段5との間に感光体1の回転と同期取りされて給送された転写材9の面に順次転写されていく。像転写を受けた転写材9は感光体面から分離されて像定着手段8へ導入されて像定着を受けて複写物(コピー)として機外へプリントアウトされる。像転写後の感光体1の表面はクリーニング手段6にて転写残りトナーの除去を受けて清浄面化され、前露光手段7により除電処理がされて繰り返して像形成に使用される。
【0057】
また、図2に示す装置では、少なくとも感光体1、帯電手段2および現像手段4を容器20に納めてプロセスカートリッジとし、このプロセスカートリッジを装置本件のレールなどの案内手段12を用いて着脱自在に構成している。クリーニング手段6は容器20内に配置しても配置しなくてもよい。
【0058】
また、図3および図4に示すように、帯電手段として接触帯電手段10を用い、電圧印加された接触帯電手段10を感光体1に接触させることにより感光体1の帯電を行ってもよい(この帯電方法を、以下接触帯電という)。図3および図4に示す装置では、感光体1上のトナー像も接触帯電手段23で転写材9に転写される。即ち、電圧印加された接触帯電手段23を転写材9に接触させることにより感光体1上のトナー像を転写材9に転写させる。
【0059】
さらに、図4に示す装置では、少なくとも感光体1および接触帯電手段10を第1の容器21に納めて第1のプロセスカートリッジとし、少なくとも現像手段4を第2の容器22に納めて第2のプロセスカートリッジとし、これら第1のプロセスカートリッジと、第2のプロセスカートリッジとを着脱自在に構成している。クリーニング手段6は容器21内に配置しても配置しなくてもよい。
【0060】
光像露光Lは、電子写真装置を複写機やプリンターとして使用する場合には、原稿からの反射光や透過光を用いる、あるいは、原稿を読み取り信号化に従って、この信号によりレーザービームの走査、発光ダイオードアレイの駆動、または液晶シャッターアレイの駆動などを行うことにより行われる。
【0061】
本発明の電子写真感光体は電子写真複写機に利用するのみならず、レーザービームプリンター、CRTプリンター、LEDプリンター、液晶プリンター、レーザー製版など電子写真応用分野にも広く用いることができる。
【0062】
また、本発明の製造方法によって得られるガリウムフタロシアニンは、前述の電子写真感光体に限らず、色素増感型太陽電池や光センサーにも用いることもできる。
【0063】
【実施例】
以下、実施例および比較例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0064】
以下に示す「%」および「部」は、それぞれ「質量%」および「質量部」を意味する。
【0065】
(実施例1−1)
窒素フロー下、フタロニトリル5.46部、α−クロロナフタレン45部を反応釜に投入後、加熱し、60℃まで昇温しこの温度をキープした。この時点でフタロニトリルは完全に溶解していた。次にこの温度(60℃)で三塩化ガリウム3.75部を投入(投入時の反応液の水分値は60ppmであった)し、その後、200℃まで昇温した。窒素フロー下、200℃で5時間反応させた後、冷却し150℃に達した時に生成物をろ過した。得られた生成物をN,N−ジメチルホルムアミドを用いて140℃で2時間分散洗浄した後、ろ過し、メタノールで洗浄後乾燥し、クロロガリウムフタロシアニンを4.47部(収率68.0%)得た。得られた結晶の粉末X線回折図を図5に示す。また、このクロロガリウムフタロシアニンの元素分析の結果を以下に示す。
【0066】
【外2】
Figure 0003720762
【0067】
(実施例1−2)
窒素フロー下、フタロニトリル5.46部、α−クロロナフタレン45部を反応釜に投入後、加熱し、70℃まで昇温しこの温度をキープした。この時点でフタロニトリルは完全に溶解していた。次にこの温度(70℃)で三塩化ガリウム3.75部を投入(投入時の反応液の水分値は30ppmであった)し、その後、200℃まで昇温した。窒素フロー下、200℃で5時間反応させた後、冷却し150℃に達した時に生成物をろ過した。得られた生成物をN,N−ジメチルホルムアミドを用いて140℃で2時間分散洗浄した後、ろ過し、メタノールで洗浄後乾燥し、クロロガリウムフタロシアニンを2.4部(収率36.4%)得た。得られた結晶の粉末X線回折図を図6に示す。また、このクロロガリウムフタロシアニンの元素分析の結果を以下に示す。
【0068】
【外3】
Figure 0003720762
【0069】
(実施例1−3)
窒素フロー下、フタロニトリル5.46部、α−クロロナフタレン45部を反応釜に投入後、加熱し、180℃まで昇温しこの温度をキープした。この時点でフタロニトリルは完全に溶解していた。次にこの温度(180℃)で三塩化ガリウム3.75部を投入し、その後、200℃まで昇温した。窒素フロー下、200℃で6時間反応させた後、冷却し150℃に達した時に生成物をろ過した。得られた生成物をN,N−ジメチルホルムアミドを用いて140℃で2時間分散洗浄した後、ろ過し、メタノールで洗浄後乾燥し、クロロガリウムフタロシアニンを2.24部(収率34.0%)得た。得られた結晶の粉末X線回折図を図7に示す。また、このクロロガリウムフタロシアニンの元素分析の結果を以下に示す。
【0070】
【外4】
Figure 0003720762
【0071】
(比較例1−1)
窒素フロー下、フタロニトリル5.46部、α−クロロナフタレン45部を反応釜に投入後、加熱し、30℃まで昇温しこの温度をキープした。この時点でフタロニトリルは完全には溶解していなかった。次にこの温度(30℃)で三塩化ガリウム3.75部を投入し、その後、200℃まで昇温した。窒素フロー下、200℃で3.5時間反応させた後、冷却し150℃に達した時に生成物をろ過した。得られた生成物をN,N−ジメチルホルムアミドを用いて140℃で2時間分散洗浄した後、ろ過し、メタノールで洗浄後乾燥し、クロロガリウムフタロシアニンを4.3部(収率65.6%)得た。得られた結晶の粉末X線回折図を図8に示す。また、このクロロガリウムフタロシアニンの元素分析の結果を以下に示す。
【0072】
【外5】
Figure 0003720762
【0073】
(比較例1−2)
窒素フロー下、フタロニトリル5.46部、α−クロロナフタレン45部を反応釜に投入後、加熱し、50℃まで昇温しこの温度をキープした。この時点でフタロニトリルは完全には溶解していなかった。次にこの温度(50℃)で三塩化ガリウム3.75部を投入し、その後、200℃まで昇温した。窒素フロー下、200℃で2時間反応させた後、冷却し150℃に達した時に生成物をろ過した。得られた生成物をN,N−ジメチルホルムアミドを用いて140℃で2時間分散洗浄した後、ろ過し、メタノールで洗浄後乾燥し、クロロガリウムフタロシアニンを3.76部(収率57.2%)得た。得られた結晶の粉末X線回折図を図9に示す。また、このクロロガリウムフタロシアニンの元素分析の結果を以下に示す。
【0074】
【外6】
Figure 0003720762
【0075】
(実施例1−4)
実施例1−1で得られたクロロガリウムフタロシアニン2.25部を10℃の濃硫酸67.5部に溶解させ、氷水300部中に攪拌下に滴下して再析出させてろ過した。2%アンモニア水で分散洗浄、次いでイオン交換水で分散洗浄を4回行った後、乾燥してヒドロキシガリウムフタロシアニンを2.1部得た。得られた結晶の粉末X線回折図を図10に示す。
【0076】
(実施例1−5、1−6)
実施例1−2および1−3で、それぞれ得られたクロロガリウムフタロシアニンを実施例1−4と同様に処理した。それぞれ得られた結晶の粉末X線回折は図10と同様であった。
【0077】
(比較例1−3、1−4)
比較例1−1および1−2で、それぞれ得られたクロロガリウムフタロシアニンを実施例1−4と同様に処理した。それぞれ得られた結晶の粉末X線回折は図10と同様であった。
【0078】
(実施例1−7)
実施例1−1で得られたクロロガリウムフタロシアニン0.8部を直径1.2mmのガラスビーズ24部と共にサンドミルでミリング処理を10時間行った。次いでベンジルアルコール16部を加えさらにサンドミルでミリング処理を10時間行った。この分散液より固形分を取り出し、メタノールで十分に洗浄、乾燥して、Cukα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.3°、16.5°、25.5°、28.3°に強いピークを有するクロロガリウムフタロシアニン結晶を0.7部得た。得られた結晶の粉末X線回折図を図11に示す。
【0079】
(比較例1−5)
比較例1−1で得られたクロロガリウムフタロシアニンを実施例1−7と同様に処理した。それぞれ得られた結晶の粉末X線回折は図11と同様であった。
【0080】
(実施例1−8)
実施例1−4で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン0.8部、N,N−ジメチルホルムアミド16部を直径1.2mmのガラスビーズ24部と共サンドミルでミリング処理を25℃で8時間行った。この分散液より固形分を取り出し、テトラヒドロフランで十分に洗浄、乾燥して、Cukα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.5°、28.3°に強いピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.7部得た。得られた結晶の粉末X線回折図を図12に示す。
【0081】
(実施例1−9、1−10)
実施例1−5および1−6で、それぞれ得られたヒドロキシガリウムフタロシアニンを実施例1−8と同様に処理した。それぞれ得られた結晶の粉末X線回折は図12と同様であった。
【0082】
(比較例1−6および1−7)
比較例1−3および1−4で、それぞれ得られたヒドロキシガリウムフタロシアニンを実施例1−8と同様に処理した。それぞれ得られた結晶の粉末X線回折は図12と同様であった。
【0083】
(実施例2−1)
10%の酸化アンチモンを含有する酸化スズで被覆した酸化チタン粉体50部、レゾール型フェノール樹脂25部、メチルセロソルブ20部、メタノール5部およびシリコーンオイル(ポリジメチルシロキサンポリオキシアルキレン共重合体、平均分子量3000)0.002部を直径1.2mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で2時間分散して導電層用塗料を調製した。
【0084】
アルミニウムシリンダー(直径30mm)上に、上記塗料を浸漬塗布し、140℃で30分間乾燥させ、膜厚18μmの導電層を形成した。
【0085】
この上に6−66−610−12四元系ポリアミド共重合体樹脂5部をメタノール70部とブタノール25部の混合溶媒に溶解した溶液をディッピング法で塗布乾燥して0.7μm厚の下引き層を設けた。
【0086】
次に、実施例1−7で製造したクロロガリウムフタロシアニン結晶2部とポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業社製)1部をシクロヘキサノン50部に添加し直径1.2mmのガラスビーズを用いたサンドミルで6時間分散し、これに40部のシクロヘキサノンと60部の酢酸エチルを加えて希釈し、これを下引き層上に塗布した後、100℃で10分間乾燥して、膜厚0.15μmの電荷発生層を形成した。
【0087】
次に下記式
【外7】
Figure 0003720762
【0088】
で示される構造を有する電荷輸送物質8部と、下記式
【外8】
Figure 0003720762
【0089】
で示される構造を有する電荷輸送物質1部とポリアリレート樹脂10部をモノクロルベンゼン70部とメチラール30部に溶解した溶液を作成し、電荷発生層上にディッピング法により塗布した。これを110℃の温度で1時間乾燥して18μm厚の電荷輸送層を形成し電子写真感光体を作成した。
【0090】
(実施例2−2〜2−4)
実施例1−8〜1−10で製造したガリウムフタロシアニン結晶を電荷発生物質として用いた他は、実施例2−1と同様にして電子写真感光体を作成した。
【0091】
(比較例2−1〜2−3)
比較例1−5〜1−7で製造したガリウムフタロシアニン結晶を電荷発生物質として用いた他は、実施例2−1と同様にして電子写真感光体を作成した。
【0092】
実施例2−1〜2−4、比較例2−1〜2−3で作成した電子写真感光体を以下の方法で評価した。
【0093】
ヒューレットパッカード社製LBP「レーザージェット4000」(プロセススピード94.2mm/s)を改造し、帯電方式を負帯電で直流電源のみの−1180V印加を行うことで電子写真感光体ドラムの表面電位(Vd)を−630Vに設定した。電子写真感光体の表面電位は、評価機から、現像用カートリッジを抜き取り、そこに電位測定装置を挿入し測定を行った。電位測定装置は、現像用カートリッジの現像位置に電位測定プローブを配置することで構成されており、電子写真感光体に対する電位測定プローブの位置は、ドラム軸方向のほぼ中央、ドラム表面からのギャップを3mmとした。さらに、像露光装置を改造することでレーザー光量を0.32μJ/cmとなるものを用いた。測定はすべて、25℃、相対湿度が50%となる環境で評価を行い、電子写真感光体は、測定の24時間前から、測定環境に放置したものを用いた。この状態で電子写真感光体を帯電した後、レーザー光を照射し2週目以降の明部電位(VL)を測定した。
【0094】
また、ポジゴーストの評価は以下の様に行った。ベタ黒画像を2枚打ち出した後、プリント画像書き出しから感光体1回転の部分に25mm角の正方形のベタ黒部を並べ、感光体2回転目以降に1ドットを桂馬パターンで印字したハーフトーンのテストチャートを打ち出し、ハーフトーンのテストチャート上に表れる、25mm角のベタ黒部の履歴の程度を目視により評価した。ゴーストの程度は以下のようにランク基準に従い、数値化を行った。
【0095】
A:ゴーストは全く見えない。
B:履歴の輪郭が極わずかに見える。
C:履歴の輪郭がうっすら見える。
D:履歴の輪郭がはっきりと見える。
【0096】
なお、上記評価基準のうち、C、D、Eは本発明の効果が十分に得られていないと判断した。
【0097】
評価結果を表1に示す。
【0098】
【表1】
Figure 0003720762
【0099】
【発明の効果】
本発明の製造法は、ガリウムフタロシアニン化合物を安定生産することができ、および該ガリウムフタロシアニン化合物を処理して得られるガリウムフタロシアニン結晶を用いて極めて高い光感度を有し、ゴースト画像の出にくい電子写真感光体が得られるという顕著な効果を奏する。また、プロセスカートリッジおよび電子写真装置に装着して同様に優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真感光体を有する電子写真装置の概略構成の例を示す図である。
【図2】本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の例を示す図である。
【図3】本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の別の例を示す図である。
【図4】本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成のさらに別の例を示す図である。
【図5】実施例1−1で得られた結晶の粉末X線回折図である。
【図6】実施例1−2で得られた結晶の粉末X線回折図である。
【図7】実施例1−3で得られた結晶の粉末X線回折図である。
【図8】比較例1−1で得られた結晶の粉末X線回折図である。
【図9】比較例1−2で得られた結晶の粉末X線回折図である。
【図10】実施例1−4で得られた結晶の粉末X線回折図である。
【図11】実施例1−7で得られた結晶の粉末X線回折図である。
【図12】実施例1−8で得られた結晶の粉末X線回折図である。
【符号の説明】
1 電子写真感光体
1a 軸
2 帯電手段
3 露光部
4 現像手段
5 転写手段
6 クリーニング手段
7 前露光手段
8 定着手段
9 転写材
10 接触帯電手段
12 案内手段
20 容器(プロセスカートリッジ)
21 容器(第1のプロセスカートリッジ)
22 容器(第2のプロセスカートリッジ)
23 転写手段
L 露光光

Claims (6)

  1. ガリウム化合物とフタロシアニン環を形成する化合物をクロル化芳香族化合物中で反応させてガリウムフタロシアニン化合物を製造する製造方法において、
    該フタロシアニン環を形成する化合物と該クロル化芳香族化合物とを混合し、混合液を作製する混合工程と、
    該混合工程により作製されたフタロシアニン環を形成する化合物とクロル化芳香族化合物との混合液を50℃を超える温度まで加熱する加熱工程と、
    該加熱工程により加熱された50℃を超える温度のフタロシアニン環を形成する化合物とクロル化芳香族化合物との混合液に該ガリウム化合物を投入する投入工程と、
    を有することを特徴とするガリウムフタロシアニン化合物の製造方法。
  2. 前記フタロシアニン環を形成する化合物がフタロニトリルである請求項1に記載のガリウムフタロシアニン化合物の製造方法。
  3. 前記50℃を超える温度のフタロシアニン環を形成する化合物とクロル化芳香族化合物との混合液が、55℃以上70℃以下の混合液である請求項1または2に記載のガリウムフタロシアニン化合物の製造方法。
  4. 前記ガリウム化合物が塩化ガリウムであり、得られるガリウムフタロシアニンがクロロガリウムフタロシアニンである請求項1〜3のいずれかに記載のガリウムフタロシアニン化合物の製造方法。
  5. 請求項4に記載の製造方法で製造されたクロロガリウムフタロシアニン化合物をミリング処理により結晶変換させ、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.4°、16.6°、25.5°および28.3°に強いピークを有するクロロガリウムフタロシアニン結晶を得る工程を有することを特徴とするクロロガリウムフタロシアニン結晶の製造方法。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法で製造されたガリウムフタロシアニン化合物をアシッドペースティング法により処理してぺースト状の含水ヒドロキシガリウムフタロシアニンを得る工程と、
    該含水ヒドロキシガリウムフタロシアニンを乾燥して低結晶性のヒドロキシガリウムフタロシアニンを得る工程と、
    該低結晶性のヒドロキシガリウムフタロシアニンをミリング処理により結晶変換させ、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θの7.4°±0.2°および28.2°±0.2°に強いピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を得る工程と、
    を有することを特徴とするヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の製造方法。
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