JP2015187206A - ガリウムフタロシアニン化合物の製造方法、並びに電子写真感光体、電子写真感光体カートリッジ、及び画像形成装置 - Google Patents

ガリウムフタロシアニン化合物の製造方法、並びに電子写真感光体、電子写真感光体カートリッジ、及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】帯電性、感度、すそ電位等の電気特性がより向上したガリウムフタロシアニン化合物の製造方法を提供する。
【解決手段】クロロガリウムフタロシアニン化合物の製造方法であって、クロロガリウムフタロシアニン化合物粗体を合成する第一の工程、前記第一の工程で得られたクロロガリウムフタロシアニン化合物を乾式磨砕する第二の工程、前記第二の工程で得られたクロロガリウムフタロシアニン化合物を、アミド基、スルホキシド基、又は水酸基を有する有機溶剤から選ばれる少なくとも1種類の有機溶剤を用いて洗浄する第三の工程、を含み、前記第二の工程前と前記第三の工程後で、クロロガリウムフタロシアニン化合物のCuKα特性による粉末X線回折スペクトルにおける強い回折ピークが同一であることを特徴とする、クロロガリウムフタロシアニン化合物の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、ガリウムフタロシアニン化合物の製造方法、並びに、該製造方法により製造されたガリウムフタロシアニン化合物を用いた電子写真感光体、該感光体を用いた電子写真感光体カートリッジ、及び該感光体を用いた画像形成装置に関するものである。本発明の製造方法により製造されたガリウムフタロシアニン化合物を用いた電子写真感光体は、電子写真方式のプリンター、ファクシミリ、複写機などに好適に用いることができる。
フタロシアニン化合物は染料、顔料、印刷用インキ、触媒、電子材料等として非常に有用な材料であり、特に近年は電子写真感光体用材料、光記録用材料、光電変換材料として広く研究されており、一部のものについては実用化にまで至っている。
一般にフタロシアニン化合物は、製造方法、製造条件、処理方法等により様々な結晶型を示すことが知られており、この結晶型の違いによりフタロシアニン化合物の光電変換特性が大きく異なることも知られている(例えば、非特許文献1参照)。
光電変換デバイスである電子写真感光体においては、フタロシアニン化合物が非常に有用であることが見出されている。例えば、メタルフリーフタロシアニン、オキシチタニウムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、クロロアルミニウムフタロシアニン、ヒドロキシアルミニウムフタロシアニン、クロロインジウムフタロシアニン、ヒドロキシインジウムフタロシアニン、ジクロロスズフタロシアニン、ジヒドロキシシリコンフタロシアニン等についてはこれまで数多くの研究がなされ、様々な結晶型が報告されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
クロロガリウムフタロシアニンの製造方法としては、例えば、三塩化ガリウムと1,3−ジイミノイソインドリンとをキノリン中で反応させて得られたクロロガリウムフタロシアニンを、乾式磨砕後、溶媒中でボールミリングを行い、このときのボールミリングの処理条件を変えることによって、様々な結晶型のクロロガリウムフタロシアニン化合物を製造している(特許文献1参照)。この製造方法では、乾式磨砕前のクロロガリウムフタロシアニンと溶媒中でのボールミリング後のクロロガリウムフタロシアニンの結晶型は異なる。
また、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの製造方法としては、三塩化ガリウムと1,3−ジイミノイソインドリンとをキノリン中で反応させて得られたクロロガリウムフタロシアニンをアシッドペーストしてヒドロキシガリウムフタロシアニンとした後、溶媒中でミリングを行ったり、あるいは乾式粉砕後に溶媒処理をする等の方法により、様々な結晶型のヒドロキシガリウムフタロシアニン化合物を製造している。この製造方法では、クロロガリウムフタロシアニンの時点では、磨砕処理に続く溶媒処理は行なっておらず、アシッドペーストでヒドロキシガリウムフタロシアニンへと誘導している(特許文献2参照)。
特開平5−98181号公報 特開平5−263007号公報 特開平6−93203号公報
電子写真学会誌,1990.VOL.29.NO.3,250頁〜258頁
しかしながら、これらのガリウムフタロシアニンを用いた電子写真感光体は、電子写真プロセスの高速化、高画質化の観点から見て、その帯電性、感度、すそ電位等といった電気特性面で必ずしも満足できるものではなかった。
本発明は上記の課題に鑑みて創案されたもので、帯電性、感度、すそ電位等の電気特性がより向上したガリウムフタロシアニン化合物の製造方法、該製造方法により製造されたガリウムフタロシアニン化合物を用いた電子写真感光体、該感光体を用いた電子写真カートリッジ、及び画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題に関し鋭意検討した結果、クロロガリウムフタロシアニン化合物を、乾式で磨砕処理した後、特定の有機溶剤を用いて洗浄し、クロロガリウムフタロシアニン化合物の乾式磨砕前と有機溶剤を用いた洗浄後でのCuKα特性による粉末X線回折スペクトルにおける回折ピークが変化しないことより、電子写真感光体に用いた場合に優れた感光体特性を発揮するクロロ又はヒドロキシガリウムフタロシアニン化合物を製造することができることを見出した。これまで知られているクロロガリウムフタロシアニン化合物の製造方法では、溶媒を用いて湿式磨砕を行い、所望の結晶型に変換させることが多かったが、本発明の製造方法では、反応取り出し結晶の結晶型を維持したままで精製し、これを感光体に用いた場合に電気特性を良化させることができた。
すなわち本発明の要旨は以下の11点に存する。
<1>クロロガリウムフタロシアニン化合物の製造方法であって、
クロロガリウムフタロシアニン化合物を合成する第一の工程、
前記第一の工程で得られたクロロガリウムフタロシアニン化合物を乾式磨砕する第二の工程、
前記第二の工程で得られたクロロガリウムフタロシアニン化合物を、アミド基、スルホキシド基、又は水酸基を有する有機溶剤から選ばれる少なくとも1種類の有機溶剤を用いて洗浄する第三の工程、
を含み、
前記第二の工程前と前記第三の工程後で、クロロガリウムフタロシアニン化合物のCuKα特性による粉末X線回折スペクトルにおける強い回折ピークが同一であることを特徴とする、クロロガリウムフタロシアニン化合物の製造方法。
<2>前記有機溶剤が、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、メタノール、及びプロパノールから選ばれる、少なくとも1種類の有機溶剤であることを特徴とする、<1>に記載のクロロガリウムフタロシアニン化合物の製造方法。
<3>前記クロロガリウムフタロシアニン化合物のCuKα特性X線による粉末X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2°)27.1°に最大回折ピークを有する、<1>又は<2>に記載のクロロガリウムフタロシアニン化合物の製造方法。
<4>ヒドロキシガリウムフタロシアニンの製造方法であって、
クロロガリウムフタロシアニン化合物を合成する第一の工程、
前記第一の工程で得られたクロロガリウムフタロシアニン化合物を乾式磨砕する第二の工程、
前記第二の工程で得られたクロロガリウムフタロシアニン化合物を、アミド基、スルホキ
シド基、又は水酸基を有する有機溶剤から選ばれる少なくとも1種類の有機溶剤を用いて洗浄する第三の工程、
前記第三の工程で得られたクロロガリウムフタロシアニン化合物をアシッドペーストすることによりヒドロキシガリウムフタロシアニンを合成する第四の工程、
を含み、
前記第二の工程前と前記第三の工程後で、クロロガリウムフタロシアニン化合物のCuKα特性による粉末X線回折スペクトルにおける強い回折ピークが同一であることを特徴とする、ヒドロキシガリウムフタロシアニン化合物の製造方法。
<5>前記ヒドロキシガリウムフタロシアニン化合物のCuKα特性X線による粉末X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2°)7.4°、9.9°、28.4°に強い回折ピークを有することを特徴とする、<4>に記載のヒドロキシガリウムフタロシアニン化合物の製造方法。
<6>クロロガリウムフタロシアニンであって、CuKα特性による粉末X線回折スペクトルにおける回折ピークが変化しないように、乾式磨砕され、アミド基、スルホキシド基、又は水酸基を有する有機溶剤から選ばれる少なくとも1種類の有機溶剤を用いて洗浄されたものであることを特徴とするクロロガリウムフタロシアニン。
<7>導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体において、<6>に記載のクロロガリウムフタロシアニンを含有することを特徴とする電子写真感光体。
<8><6>に記載のクロロガリウムフタロシアニンから誘導されることを特徴とするヒドロキシガリウムフタロシアニン。
<9>導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体において、<8>に記載のヒドロキシガリウムフタロシアニンを含有することを特徴とする電子写真感光体。
<10><7>又は<9>に記載の電子写真感光体と、前記感光体を帯電させる帯電手段と、帯電した該感光体に対し像露光を行い静電潜像を形成する像露光手段と、この静電潜像をトナーで現像する現像手段と、トナーを被転写体に転写する転写手段のうち、少なくとも一つを有することを特徴とする電子写真感光体カートリッジ。
<11><7>又は<9>に記載の電子写真感光体と、該感光体を帯電させる帯電手段と、帯電した該感光体に対し像露光を行い静電潜像を形成する像露光手段と、この静電潜像をトナーで現像する現像手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
本発明のクロロガリウムフタロシアニン化合物の製造方法によれば、電子写真感光体に用いた場合に、帯電性や感度、残留電位等の電気特性に特に優れた感光体特性を発揮する、ガリウムフタロシアニン化合物を製造することができる。また、この製造方法によって製造したガリウムフタロシアニン化合物を用いることにより、帯電性や感度、すそ電位等の電気特性に特に優れた感光体特性を有する電子写真感光体、並びにそれを用いた電子写真感光体カートリッジ、及び画像形成装置を得ることができる。
本発明の画像形成装置の一実施態様の要部構成を示す概略図である。 製造例2で得られたクロロガリウムフタロシアニン化合物のCuKα特性X線による粉末X線回折スペクトルを示す。 製造例3で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン化合物のCuKα特性X線による粉末X線回折スペクトルを示す。
以下、本発明の実施の形態につき詳細に説明するが、本発明は以下の説明に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、適宜変更して実施することができる。
[クロロガリウムフタロシアニン化合物の製造方法]
以下、本発明のクロロガリウムフタロシアニン化合物の製造方法について詳述する。
本発明は、クロロガリウムフタロシアニン化合物を合成する第一の工程、前記第一の工程で得られたクロロガリウムフタロシアニン化合物を乾式磨砕する第二の工程、前記第二の工程で得られたクロロガリウムフタロシアニン化合物を、アミド基、スルホキシド基、又は水酸基を有する有機溶剤から選ばれる少なくとも1種類の有機溶剤を用いて洗浄する第三の工程、を含み、前記第二の工程前と前記第三の工程後で、クロロガリウムフタロシアニン化合物のCuKα特性による粉末X線回折スペクトルにおける強い回折ピークが同一であるクロロガリウムフタロシアニン化合物の製造方法である。CuKα特性による粉末X線回折スペクトルにおける強い回折ピークが同一であるとは、同一の条件で測定した場合に、強い回折ピークが同じ角度で確認されることであり、結晶型が実質的に一致していること意味する。強い回折ピークとは、最大ピークに対する強度比が10%以上のピークを表す。ジクロロガリウムフタロシアニンの結晶型としては、最大ピークが27.1°であるもの、また、最大ピークが7.3°であるもの等、種々の結晶型がある。第二の工程及び第三の工程によって、結晶型が変化して強い回折ピークが変化しないように、後述するような第二の工程及び第三の工程を経る。
<クロロガリウムフタロシアニン化合物>
クロロガリウムフタロシアニン化合物は、中心金属が塩素化されたガリウムである。クロロガリウムフタロシアニンはフタロシアニン環の一部が置換されていてもよい。置換基としては、例えば、塩素、臭素、ヨウ素、フッ素といったハロゲン原子、メチル基、エチル基等のアルキル基、またはスルホン酸基等が挙げられる。置換基の種類は1種でも複数種でもよく、置換基数は8個以下である。本明細書では、クロロガリウムフタロシアニンに一部、置換ガリウムフタロシアニンが混入している場合も、主成分の名称を取り、クロロガリウムフタロシアニン「化合物」と表記する。クロロガリウムフタロシアニン化合物については、製造のしやすさ、電気特性の観点から、CuKα特性X線による粉末X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2°)27.1°に最大回折ピークを有するクロロガリウムフタロシアニン化合物が好ましい。
<第一の工程>
本発明は、クロロガリウムフタロシアニン化合物を合成する第一の工程を含む。
(クロロガリウムフタロシアニン化合物の合成)
本発明に係る乾式磨砕処理工程前のクロロガリウムフタロシアニン化合物(以下、クロロガリウムフタロシアニン化合物粗体と称することがある)は、公知の製造方法により製造することができる。
フタロシアニン環を形成する化合物としては、反応によりフタロシアニン環を形成しうる化合物であれば特に制限はなく、その具体例としては、フタロニトリル、4−メチルフタロニトリル、4−フルオロフタロニトリル、3−ニトロフタロニトリル等のフタロニトリル類;1,3−ジイミノイソインドリン、1,3−ジイミノ−5−メチルイソインドリン、1,3−ジイミノ−5−フルオロイソインドリン、1,3−ジイミノ−5−ニトロイソインドリン等の1,3−ジイミノイソインドリン類;無水フタル酸、4−メチル無水フタル酸、4−フルオロ無水フタル酸、3−ニトロ無水フタル酸等の無水フタル酸類;フタルイミド、3−メチルフタルイミド、4−フルオロフタルイミド、4−ニトロフタルイミド等のフタルイミド類等が挙げられる。中でもフタロシアニン環を形成する際の反応性の観点からはフタロニトリル類、1,3−ジイミノイソインドリン類、無水フタル酸類が好ましい。さらに、得られる本発明のガリウムフタロシアニン化合物を電子写真感光体に用いた場合には、その感光体特性は製造ルートに大きく依存するため、感光体特性の観点からは、フタロニトリル類、1,3−ジイミノイソインドリン類がより好ましい。
フタロシアニン環形成化合物は、置換基を有していてもよい。置換基の種類は任意であるが、フタロシアニン環を形成する反応に対して不活性である基が好ましい。置換基の具体例としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、ターシャリーブチル基等のアルキル基;ベンジル基等のアラルキル基;フェニル基、ナフチル基等のアリール基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;ニトロ基;メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、ターシャリーブトキシ基、ベンジルオキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基、ナフトキシ基等のアリールオキシ基;メチルチオ基、エチルチオ基、イソプロピルチオ基、ターシャリーブチルチオ基、ベンジルチオ基等のチオアルキル基;フェニルチオ基、ナフチルチオ基等のチオアリール基等が好ましい。さらにこの中でも、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等の炭素数1〜3のアルキル基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子がより好ましい。
ガリウム化合物としては特に制限は無く、その具体例としては、三塩化ガリウム、三臭化ガリウム、三ヨウ化ガリウム、ガリウムトリメトキシド、ガリウムトリエトキシド、ガリウムトリブトキシド、ガリウムトリアセチルアセトネート等が挙げられる。中でも、試薬の汎用性から、三塩化ガリウム、三臭化ガリウム、ガリウムトリメトキシド、ガリウムトリエトキシドが好ましく、得られるガリウムフタロシアニン化合物を電子写真感光体に用いた場合の感光体特性を考慮すると、三塩化ガリウムがより好ましい。
反応溶媒としては、原料であるフタロシアニン環形成化合物とガリウム化合物、及び反応生成物であるフタロシアニン化合物と反応することなく、フタロシアニン環形成反応時に適切な反応温度を確保できる高沸点の溶媒であれば、特に制限は無い。その具体例としては、1−クロロナフタレン、2−クロロナフタレン、1−メチルナフタレン、2−メチルナフタレン、1−ブロモナフタレン、2−メトキシナフタレン、ジフェニルメタン、ジフェニルエタン、1,2−ジクロロベンゼン、2−クロロアニソール、ニトロベンゼン、キノリン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、エチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。中でも得られるガリウムフタロシアニン化合物を電子写真感光体に用いた場合の感光体特性を考慮すると、1−クロロナフタレン、2−クロロナフタレン、ジメチルスルホキシド、スルホランがより好ましい。
なお、これらの反応溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
本発明の製造方法では、フタロシアニン環形成化合物とガリウム化合物とを、反応溶媒中で反応させることができれば具体的な反応条件に制限は無い。フタロシアニン環形成化合物とガリウム化合物との反応時の仕込み比は任意であるが、得られるガリウムフタロシアニン化合物の反応中の分散性等を考慮すると、フタロシアニン環形成化合物がガリウム化合物に対して、モル数で、通常2.0倍以上であり、ガリウム化合物が多すぎるとガリウムフタロシアニン化合物の純度が低下する事から、3.0倍以上が好ましい。また、得られるクロロガリウムフタロシアニン化合物の収率を考慮すると、通常6.0倍以下であり、製造コストを考慮すると5.0倍以下が好ましい。
また、反応の際に用いる反応溶媒の量も任意であるが、少なすぎると得られるクロロガリウムフタロシアニン化合物中に不純物が取り込まれやすくなることから、フタロシアニン環形成化合物1質量部に対して通常2質量部以上であり、得られるクロロガリウムフタロシアニン化合物の分散性を考慮すると3質量部以上が好ましい。また、フタロシアニン環を形成する反応は縮合反応であり、反応系中のフタロシアニン環形成化合物の濃度が低下すると収率が低下する虞があることから、フタロシアニン環形成化合物1質量部に対して通常100質量部以下であり、反応時に溶媒(反応媒質)を用いすぎると生産性が低下する虞があることから、50質量部以下が好ましい。
さらに、反応温度も任意であるが、あまり低温すぎるとフタロシアニン環の形成反応が遅くなることから通常150℃以上であり、得られるクロロガリウムフタロシアニン化合物の収率を考慮すると170℃以上が好ましい。また、過度の高温での反応では反応溶媒が一部分解する虞があることを考慮すると、通常230℃以下であり、あまり反応温度が高すぎると、反応が煩雑になり得られるクロロガリウムフタロシアニン化合物の純度が低下する虞があることから、210℃以下が好ましい。
また、フタロシアニン環形成化合物とガリウム化合物とを反応させる際、収率の向上、反応の促進を目的として、反応溶媒中に他の物質を共存させて反応を行なってもよい。共存させる物質の例としては、4級アンモニウム塩、尿素、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(DBU)等が挙げられる。
さらに、原料として用いるガリウム化合物の中には、空気中の湿分等で分解し、その分解物がガリウムフタロシアニン化合物を電子写真感光体に用いた場合の感光体特性に悪影響を与える場合がある。したがって、前記の分解を防ぐ目的で、不活性ガス存在下、または不活性ガスフロー下で上記の反応を行なうことが好ましい。
クロロガリウムフタロシアニン化合物粗体は、通常、結晶の状態で得られ、反応終了後にある温度で熱時濾過をするか、室温まで降温して濾過することにより、反応系から分取することができる。この分取したクロロガリウムフタロシアニン化合物粗体は、通常、反応系中の不純物を含んだ状態であるため、その不純物を取り除くことが望ましい。不純物の除去の方法は任意であるが、例えば、分取したクロロフタロシアニン化合物粗体を液体で洗浄することにより不純物を除去することができる。洗浄に用いる液体は任意であるが、例えば、有機溶媒、水等を用いることができる。
洗浄に用いる有機溶媒の具体例としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、アニソール、ジメトキシベンゼン、テトラヒドロナフタレン(テトラリン)、メチルナフタレン、ジフェニルメタン等の芳香族系溶媒;ギ酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等の鎖状または環状ケトン系溶媒;ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン等の鎖状または環状エーテル;メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコール、ベンジルアルコール等のアルコール系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、スルホラン、ジメチルスルホキシド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリノン、N−メチル−2−ピロリドン等の非プロトン性極性溶媒などが挙げられる。
なお、前記の有機溶媒、水等の洗浄に用いる液体は1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。また、その洗浄方法についても任意であり、処理温度、処理回数等についても任意である。
<第二の工程>
本発明は前記第一の工程で得られたクロロガリウムフタロシアニン化合物粗体を乾式磨砕する第二の工程を含む。
(乾式磨砕)
本発明では前記ガリウムフタロシアニン化合物粗体を乾式で磨砕処理する。乾式とは液体を使用せず、固体のみの状態であることを指す。使用する装置としては、例えば、自動乳鉢、遊星ミル、ボールミル、ペイントシェーカー、ローラーミル、サンドミル、ニーダー等の装置を用いることが出来るが、これらに限定されるものではない。好ましくはボールミル、ペイントシェーカー、サンドミルであり、より好ましくはボールミル、ペイント
シェーカーである。
乾式磨砕処理時に磨砕メディアを用いる場合、メディア自体が粉体化しなければ特に制限は無く、任意のものを用いることができる。メディアが粉体化してしまうとクロロガリウムフタロシアニン化合物粗体から分取できなくなり、感光体特性に悪影響を及ぼす場合がある。磨砕メディアとしては、例えば、ガラス、スチール、アルミナ、ジルコニア、ステンレス、セラミックス等のビーズやボール等を用いることができる。中でもガラス、ジルコニア、セラミックスのビーズやボールが好ましく、さらにはガラスビーズがより好ましい。また磨砕メディア以外に磨砕後容易に除去することの出来る食塩、ぼう硝等の磨砕助剤を併用して実施することも可能である。
磨砕メディアの密度、粒子径については特に制限は無く、任意のものを用いることができる。クロロガリウムフタロシアニン化合物粗体をペイントシェーカーで磨砕処理するにあたっては、例えば中心粒径(全体の80%以上が含まれる粒径)が0.40mm〜8.00mmのガラスビーズが用いられる。特には0.50mm〜2.80mmのものが、さらに好ましくは0.60mm〜1.40mmのものが用いられる。なお、磨砕メディアや磨砕助剤は、それぞれ1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
クロロガリウムフタロシアニン化合物粗体と磨砕メディアや磨砕助剤の仕込み比についても、特に制限は無く、任意である。例えば、クロロガリウムフタロシアニン化合物粗体1質量部に対して、磨砕メディア0.5質量部以上、好ましくは1質量部以上、また、200質量部以下、好ましくは50質量部以下である。
乾式磨砕の処理時間は、使用する装置、磨砕メディア、磨砕するクロロガリウムフタロシアニン化合物粗体の粒子径、処理量、処理容器の空隙等により最適な時間が異なり、特に制限は無く、任意である。例えばペイントシェーカーで、中心粒径1.0〜1.4mmのガラスビーズを用いて乾式磨砕を実施する場合、処理時間は通常30分以上、好ましくは1時間以上、また、通常48時間以内、好ましくは36時間以内である。磨砕処理後の粒子径が、通常1.0μm以下、好ましくは0.5μm以下であることが好ましい。
この乾式磨砕処理工程では、クロロガリウムフタロシアニン化合物粗体中に取り込まれている副生成物や中間体といった不純物を、後の溶剤洗浄処理で効率的に取り除けるように、クロロガリウムフタロシアニン化合物粗体の粒径を小さく、表面積を大きくすることが必要であり、その上で生産性面を考慮することにより、種々の処理条件を決めることができる。アモルファスにならないように磨砕することが好ましい。粒径を小さくすることは必要であるが、完全にアモルファス状態まで磨砕してしまうと、後述する第三の工程で溶剤に接触した瞬間に新たな結晶型に組み直してしまう場合がある。この場合、組み直した結晶中に不純物を抱き込んでしまい、取り除くことができず、感光体特性が良化しない結果となってしまう虞がある。
<第三の工程>
本発明は前記第二の工程で得られたクロロガリウムフタロシアニン化合物を、アミド基、スルホキシド基、又は水酸基を有する有機溶剤から選ばれる少なくとも1種類の有機溶剤を用いて洗浄する第三の工程を含む。
(洗浄)
本発明では、乾式磨砕処理の後、小粒径となったクロロガリウムフタロシアニン化合物粗体を特定の溶剤を用いて洗浄する。洗浄処理には、アミド基、またはスルホキシド基、または水酸基を有する有機溶剤から選ばれる少なくとも1種の有機溶剤を用いる。これらの溶剤はクロロガリウムフタロシアニン化合物粗体に含有される、副生成物や中間体とい
った不純物を溶解する能力が大きい溶剤であり、洗浄処理することにより不純物を取り除き、クロロガリウムフタロシアニン化合物粗体を精製することができる。この有機溶剤として具体的には、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、メタノール、及びプロパノール等が挙げられる。この中でも好ましい溶剤は、不純物の溶解能とコストの観点から、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、メタノールであり、N−メチル−2−ピロリドン、メタノールが特に好ましい。これらの有機溶剤は1種類でも、2種類以上を任意の組み合わせ、比率で混合した混合溶剤でもよい。また洗浄工程をくりかえす際、同じ溶剤を使用しても、異なる溶剤を使用してもよい。
洗浄の方法としては、クロロガリウムフタロシアニン化合物粗体の前記第二の工程前の結晶型から変わることがなければ、どのような方法でもよい。溶剤洗浄時にミリングを同時に行うと、結晶型が変換してしまう場合があるので、ミリングは行わないほうが好ましい。洗浄方法としては、例えば、クロロガリウムフタロシアニン化合物粗体を濾過器内に入れて濾過器上から有機溶剤をかけ流すかけ洗浄法、室温あるいは加温条件下で有機溶剤に懸濁、撹拌した後、濾過をして分取する懸濁洗浄法、前記の懸濁洗浄法とかけ洗浄法を組み合わせた洗浄法、有機溶剤に浸漬後、濾過をして分取する洗浄法等が挙げられ、好ましくは、洗浄効率、及び操作性の観点から、懸濁洗浄法とかけ洗浄法を組み合わせた洗浄法である。
洗浄する有機溶剤の量も、不純物を溶解できれば特に制限は無く任意であるが、クロロガリウムフタロシアニン化合物粗体1質量部に対して、通常0.5質量部以上、精製の効率を考慮すると、好ましくは5質量部以上であり、また、通常200質量部以下であり、生産性の面を考慮すると、好ましくは100質量部以下である。
洗浄処理温度としては、用いる溶剤または混合溶剤の凝固点以上、沸点以下で行うことが可能であるが、低温では精製の効率が悪い場合もあり、高温では有機溶剤の一部が分解し始める場合もあるため、10℃以上、150℃以下が好ましい。
本発明の洗浄処理においては、乾式磨砕前と磨砕後の溶剤洗浄後でクロロガリウムフタロシアニン化合物の結晶型を変化させずに中間体、副生成物等の不純物を除去し精製する。洗浄時に結晶型が変換してしまうと、上記の不純物を結晶内に取り込んでしまい、取り除くことができずに、その結果、感光体特性が良化しない虞がある。したがって乾式磨砕前と磨砕後の溶剤洗浄後でクロロガリウムフタロシアニン化合物の結晶型を変化させないことが重要である。
洗浄処理後、湿ケーキとして得られるクロロガリウムフタロシアニン化合物は、適宜、常温乾燥、減圧乾燥、熱風乾燥、凍結乾燥等の公知の方法を用いて乾燥させることにより、所望の結晶構造を有するクロロガリウムフタロシアニン化合物として得ることができる。このクロロガリウムフタロシアニン化合物を電荷発生物質として使用することも可能であるし、さらに処理を行い、ヒドロキシガリウムフタロシアニン化合物に誘導した後、電荷発生物質として使用することもできる。
[ヒドロキシガリウムフタロシアニン化合物の製造方法]
以下、ヒドロキシガリウムフタロシアニン化合物の製造方法について詳述する。
ヒドロキシガリウムフタロシアニン化合物の製造方法は、クロロガリウムフタロシアニン化合物を合成する第一の工程、前記第一の工程で得られたクロロガリウムフタロシアニン化合物を乾式磨砕する第二の工程、前記第二の工程で得られたクロロガリウムフタロシアニン化合物を、アミド基、スルホキシド基、又は水酸基を有する有機溶剤から選ばれる少なくとも1種類の有機溶剤を用いて洗浄する第三の工程、第三の工程で得られたクロロ
ガリウムフタロシアニン化合物をアシッドペースト又は加水分解することによりヒドロキシガリウムフタロシアニンを合成する第四の工程、を含み、前記第二の工程前と前記第三の工程後で、クロロガリウムフタロシアニン化合物のCuKα特性による粉末X線回折スペクトルにおける強い回折ピークが同一であるものである。
<ヒドロキシガリウムフタロシアニン化合物>
ヒドロキシガリウムフタロシアニン化合物は、中心金属がヒドロキシ化されたガリウムである。ヒドロキシガリウムフタロシアニンはフタロシアニン環の一部が置換されていてもよい。置換基としては、例えば、塩素、臭素、ヨウ素、フッ素といったハロゲン原子、メチル基、エチル基等のアルキル基、またはスルホン酸基等が挙げられる。置換基の種類は1種でも複数種でもよく、置換基数は8個以下である。本明細書では、ヒドロキシガリウムフタロシアニンに一部、置換ガリウムフタロシアニンが混入している場合も、主成分の名称を取り、ヒドロキシガリウムフタロシアニン「化合物」と表記する。ヒドロキシガリウムフタロシアニン化合物については、電気特性の観点から、CuKα特性X線による粉末X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2°)7.4°、9.9°、28.4°に強い回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン化合物が好ましい。
<第四の工程>
前記クロロガリウムフタロシアニン化合物をアシッドペースト処理、あるいは酸またはアルカリ性溶液中で加水分解することにより、ヒドロキシガリウムフタロシアニン化合物とする。これを溶剤処理して結晶変換することにより、所望の結晶構造を有するヒドロキシガリウムフタロシアニン化合物を得ることができる。この場合、直接溶剤処理をしてもよく、溶剤と共に湿式磨砕処理を行ってもよいし、乾式磨砕を行った後に溶剤処理をしてもよい。
アシッドペースト処理について、使用する酸としては任意であり、例えば、硫酸、塩酸、トリフルオロ酢酸、臭化水素酸等が挙げられる。中でも濃硫酸は溶解度も高く、発煙性もなく取り扱いが容易であるために好ましい。使用する酸の量としては、特に制限は無く任意であるが、例えば、濃硫酸を用いた場合、クロロガリウムフタロシアニン化合物1質量部に対して、通常3質量部以上が用いられるが、溶解性を考慮すると、5質量部以上が好ましく、また、通常100質量部以下で用いられるが、生産性の面を考慮すると、50質量部以下が好ましい。
また処理温度についても、任意であるが、温度が高くなるとクロロガリウムフタロシアニン化合物の分解や酸との反応が起こるため、−10℃以上、50℃以下が好ましく、10℃以下がさらに好ましい。酸の中にクロロガリウムフタロシアニン化合物を溶解、あるいは分散させた後、水やアンモニア水溶液、水酸化ナトリウム水溶液といったアルカリ性水溶液中に放出して再析出させ、水やアルカリ性水溶液で洗浄して低結晶性のヒドロキシガリウムフタロシアニン化合物を得る。
前記低結晶性のヒドロキシガリウムフタロシアニン化合物を溶剤処理して所望の結晶型に変換させる。溶剤処理は適当な容器中で静置あるいは撹拌しながら行ってもよい。あるいは、例えば、ボールミル、アトライター、ロールミル、サンドミル、ホモミキサー等の装置を用いて溶剤の共存下、湿式磨砕してもよい。あるいは、例えば、自動乳鉢、遊星ミル、振動ボールミル、CFミル、ローラーミル、サンドミル、ペイントシェーカー、ニーダー等の装置を用いて、乾式磨砕後に磨砕メディアからヒドロキシガリウムフタロシアニン化合物を分離し、溶剤処理してもよい。
湿式磨砕時、あるいは乾式磨砕時に用いる磨砕メディアに特に制限は無く、任意のもの
を用いることができるが、例えば、ガラスビーズ、スチールビーズ、アルミナビーズ、ジルコニアビーズ、炭化珪素ビーズ、窒化珪素ビーズ、窒化ホウ素ビーズ等の任意の磨砕メディアを用いることができる。さらに、磨砕時に磨砕メディア以外に磨砕後容易に除去することの出来る食塩、ぼう硝等の磨砕助剤を併用して実施することも可能である。なお、磨砕メディアや磨砕助剤は、それぞれ1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
溶剤処理時に用いる溶剤に制限は無く任意の溶剤を用いることができるが、例えば、ペンタン、ヘキサン、オクタン、ノナン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の鎖状及び環状飽和脂肪族系溶媒;トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン、ナフタレン、メチルナフタレン、ジフェニルメタン、ジフェニルエタン、アニソール等の芳香族系溶媒;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロナフタレン等のハロゲン化芳香族系溶媒;メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール等のアルコール系溶媒;グリセリン、エチレングリコール、ポリエチレングリコール等の脂肪族多価アルコール類、;アセトン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン等の鎖状及び環状ケトン系溶媒;ギ酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル系溶媒;塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系溶媒;ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ等の鎖状及び環状エーテル系溶媒;ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリノン、γ−ブチロラクトン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、ヘキサメチルリン酸トリアミド等の非プロトン性極性溶媒;n−ブチルアミン、イソプロパノールアミン、ジエチルアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、トリエチレンジアミン、トリエチルアミン等の含窒素化合物;リグロイン等の鉱油;水などが挙げられる。これらの溶剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。中でも、結晶型の変換時における操作性を考慮すると、飽和脂肪族系溶媒、芳香族系溶媒、アルコール系溶媒、鎖状及び環状ケトン系溶媒、エステル系溶媒、鎖状及び環状エーテル系溶媒、非プロトン性極性溶媒、水などが好ましい。
さらに、溶剤処理時の処理温度としては、用いる溶剤又は混合溶剤の凝固点以上、沸点以下で行なうことが可能であるが、安全性の面から、通常10℃以上、200℃以下の範囲で行なう。また、溶剤の使用量は任意であるが、ヒドロキシガリウムフタロシアニン化合物1質量部に対して、通常0.01質量部以上、生産性を考慮すると0.1質量部以上が好ましく、また、通常200質量部以下、生産性を考慮すると100質量部以下で行なうことが好ましい。
溶剤処理により結晶変換し、湿ケーキとして得られるヒドロキシガリウムフタロシアニン化合物は、適宜、常温乾燥、減圧乾燥、熱風乾燥、凍結乾燥等の公知の方法を用いて乾燥させることにより、所望の結晶構造を有するヒドロキシガリウムフタロシアニン化合物として得ることができる。
[電子写真感光体]
以下、電子写真感光体(以下適宜、「本発明の電子写真感光体」という)について説明する。
本発明の電子写真感光体は、前記製造方法により製造されたクロロガリウムフタロシアニン化合物、又はヒドロキシガリウムフタロシアニン化合物を含有する感光層を備えている。
<導電性支持体>
感光体に用いる導電性支持体としては、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、銅、ニッケル等の金属材料や、金属、カーボン、酸化錫などの導電性粉体を添加して導電性を付与した樹脂材料や、アルミニウム、ニッケル、ITO(酸化インジウム酸化錫合金)等の導電性材料をその表面に蒸着又は塗布した樹脂、ガラス、紙等が主として使用される。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。形態としては、ドラム状、シート状、ベルト状などのものが用いられる。また、金属材料の導電性支持体の上に、導電性・表面性などの制御のためや欠陥被覆のために、適当な抵抗値を有する導電性材料を塗布したものを用いてもよい。
導電性支持体としてアルミニウム合金等の金属材料を用いた場合、基体からのリークによる画像黒点やカブリを防ぐために、ブロッキング層として陽極酸化被膜を施して用いてもよい。陽極酸化被膜を施した場合には、公知の方法により封孔処理を施すのが望ましい。
支持体表面は、平滑であってもよいし、特別な切削方法を用いたり、研磨処理を施したりすることにより、粗面化されていてもよい。また、支持体を構成する材料に適当な粒径の粒子を混合することによって、粗面化されたものであってもよい。また、安価化のためには、切削処理を施さず、引き抜き管をそのまま使用することも可能である。
<下引き層>
導電性支持体と後述する感光層との間には、接着性・ブロッキング性等の改善のため、ブロッキング層として下引き層を設けてもよい。下引き層としては、樹脂や樹脂に金属酸化物等の粒子を分散したものなどが用いられる。これらは単独として用いてもよいし、またはいくつかの樹脂、金属酸化物等の粒子を同時に用いてもよい。
下引き層に用いる金属酸化物粒子の例としては、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化鉄等の1種の金属元素を含む金属酸化物粒子、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等の複数の金属元素を含む金属酸化物粒子などが挙げられる。これらは一種類の粒子を単独で用いても良いし、複数の種類の粒子を混合して用いても良い。これらの金属酸化物粒子の中で、酸化チタン及び酸化アルミニウムが好ましく、特に酸化チタンが好ましい。
酸化チタン粒子は、その表面に、酸化錫、酸化アルミニウム、酸化アンチモン、酸化ジルコニウム、酸化珪素等の無機物、またはステアリン酸、ポリオール、シリコーン等の有機物による処理を施されていてもよい。なお、酸化チタン粒子に施される処理は1種類であってもよく、2種以上の処理を任意の組み合わせ及び程度で施されていてもよい。酸化チタン粒子の結晶型としては、ルチル、アナターゼ、ブルックカイト、アモルファスのいずれも用いることができる。なお酸化チタン粒子はその結晶型が1種類であってもよく、複数の結晶型が任意の組み合わせ及び比率で含まれていてもよい。
また、金属酸化物粒子の粒径としては種々のものが利用できるが、中でも下引き層の原料であるバインダー樹脂等の特性及び液安定性の面から、平均一次粒径として通常1nm以上、好ましくは10nm以上、また、通常100nm以下、好ましくは50nm以下のものが望ましい。
下引き層は、前記金属酸化物粒子をバインダー樹脂に分散した形で形成するのが望ましい。下引き層に用いられるバインダー樹脂の種類としては任意であるが、例えば、エポキシ樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポ
リアクリル酸樹脂などの公知のバインダー樹脂が挙げられる。これらのバインダー樹脂は単独で用いても良く、あるいは2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。また、硬化剤とともに硬化した形で使用してもよい。中でも、アルコール可溶性の共重合ポリアミド、変性ポリアミド等は、良好な分散性、塗布性を示すことから好ましい。
下引き層に用いられるバインダー樹脂に対する金属酸化物粒子の混合比率は任意に選ぶことが可能であるが、通常は10質量%以上、500質量%以下の範囲で使用することが好ましい。下引き層は、適当な溶媒又は分散媒に金属酸化物粒子及びバインダー樹脂を溶解又は分散させた分散液を支持体表面に塗布して形成するが、混合比を上記の範囲とすることにより、分散液の安定性、塗布性を良くすることができる。なお、下引き層形成時に用いる溶媒及び分散媒の種類は、任意である。
下引き層の膜厚は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、電子写真感光体の感光体特性、及び製造時の塗布性を向上させる観点から、通常は0.01μm以上、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは0.25μm以上であり、また、通常30μm以下、好ましくは20μm以下である。
下引き層には、公知の酸化防止剤等を混合してもよく、また、画像欠陥防止などを目的として、顔料粒子、樹脂粒子等を含有させてもよい。
<感光層>
感光層は導電性支持体上、あるいは前記の下引き層等のブロッキング層を有する場合は、その上に形成される。感光層は前記製造方法で製造されたクロロガリウムフタロシアニン化合物又はヒドロキシガリウムフタロシアニン化合物を電荷発生物質として含有する層である。感光層の形式としては、電荷発生物質がバインダー樹脂中に分散された電荷発生層、及び電荷輸送物質がバインダー樹脂中に分散された電荷輸送層を含む、二層以上の層からなる積層構造の機能分離型のもの(以下適宜、「積層型感光層」という)で、その中でも、導電性支持体側から電荷発生層、電荷輸送層をこの順に積層して設ける「順積層型感光層」が多く採用される。「順積層型感光層」はバランスの取れた光導電性を発揮することができる。逆に導電性支持体側から電荷輸送層、電荷発生層をこの順に積層して設ける「逆積層型感光層」もありこれも採用される。また、他にも採用される感光層の形式として、電荷発生物質、電荷輸送物質およびバインダー樹脂を単一の層に含むような「単層型感光層」が挙げられる。
「積層型感光層」
(電荷発生層)
積層型感光層において、電荷発生層は、前記製造方法で製造されたクロロガリウムフタロシアニン化合物、又はヒドロキシガリウムフタロシアニン化合物の少なくとも1種を含有する電荷発生物質とバインダー樹脂を含有する。前記製造方法で製造されたクロロガリウムフタロシアニン化合物又はヒドロキシガリウムフタロシアニン化合物以外の任意の電荷発生物質を含有していてもよく、また、適宜その他の成分を含有していてもよい。
積層型感光体において、電荷発生層の製法は任意であるが、通常は、バインダー樹脂を溶媒等に溶解した溶液に、前記製造方法で製造されたクロロガリウムフタロシアニン化合物又はヒドロキシガリウムフタロシアニン化合物を少なくとも1種含有する電荷発生物質を分散させることにより塗布液を調製し、これを導電性支持体上、あるいは下引き層を設ける場合には下引き層上、あるいは逆積層型感光層の場合には電荷輸送層上に、塗布し、電荷発生物質の微粒子と各種バインダー樹脂とで結着することにより形成される。
電荷発生物質としては、前記製造方法で製造されたクロロガリウムフタロシアニン化合物又はヒドロキシガリウムフタロシアニン化合物を単独で用いてもよいし、複数種のガリ
ウムフタロシアニン化合物を混合して用いてもよいし、他の公知の電荷発生物質(染料、顔料など)と併用してもよい。他のガリウムフタロシアニン化合物や電荷発生物質を併用する場合、それらは粉体又は分散液の状態で混合してもよいし、本発明のガリウムフタロシアニン化合物や他の電荷発生物質それぞれの製造工程(顔料化、結晶化などの各種処理工程を含む)において混合してもよい。このように、それぞれの製造段階で混合する方法としては、酸ペースト処理・磨砕処理・溶剤処理等が知られている。特に、電荷発生物質に共結晶状態を生じさせるためには、特開平10−48859号公報記載のように、2種類の結晶を混合後に機械的に磨砕、不定形化した後に、溶剤処理によって特定の結晶状態に変換する方法が挙げられる。
前記製造方法で製造されたクロロガリウムフタロシアニン化合物又はヒドロキシガリウムフタロシアニン化合物と併用できる電荷発生物質としては、フタロシアニン顔料、アゾ顔料、ジチオケトピロロピロール顔料、スクアレン(スクアリリウム顔料)、キナクリドン顔料、インジゴ顔料、ペリレン顔料、多環キノン顔料、アントアントロン顔料、ベンズイミダゾール顔料等が挙げられる。中でも、光感度の面から、フタロシアニン顔料、アゾ顔料が好ましく使用される。
前記製造方法で製造されたクロロガリウムフタロシアニン化合物又はヒドロキシガリウムフタロシアニン化合物にフタロシアニン顔料を混合する場合、フタロシアニン顔料として、具体的には、無金属フタロシアニンおよび金属含有フタロシアニンが使用される。金属含有フタロシアニンの具体的な例としては、銅、インジウム、ガリウム、錫、チタン、亜鉛、バナジウム、シリコン、ゲルマニウム等の金属、又はその酸化物、ハロゲン化物、水酸化物、アルコキシド等の配位したフタロシアニン類の各種結晶型が使用される。特に、オキシチタニウムフタロシアニン、バナジルフタロシアニン、クロロインジウムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、μ−オキソ−ガリウムフタロシアニン二量体、μ−オキソ−アルミニウムフタロシアニン二量体、及び無金属フタロシアニンが好適に用いられる。中でもオキシチタニウムフタロシアニンが特に好ましい。
積層型感光体における電荷発生層に用いられるバインダー樹脂としては、電荷発生層形成用塗布液に用いられる有機溶媒に可溶であれば、特に限定されるものではない。バインダー樹脂の例としては、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ブチラールの一部がホルマールや、アセタール等で変性された部分アセタール化ポリビニルブチラール樹脂等のポリビニルアセタール系樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、変性エーテル系ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、カゼインや、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ヒドロキシ変性塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、カルボキシル変性塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体等の塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−アルキッド樹脂、シリコン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂等の絶縁性樹脂や、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルペリレン等の有機光導電性ポリマーの中から選択し、用いることが出来るが、これらポリマーに限定されるものではない。また、これらのバインダー樹脂は単独で用いても、2種類以上を任意の組み合わせ及び比率で併用して用いてもよい。
電荷発生層形成用塗布液に用いる溶媒、分散媒としては、バインダー樹脂を溶解するものであれば特に限定されるものでは無く、任意のものを用いることができる。ただし、電
子写真感光体に下引き層を設ける場合には、下引き層を溶解しない溶媒、分散媒が好ましく、また、逆積層型感光層の場合には、電荷輸送層を溶解しない溶媒、分散媒が好ましい。
積層型感光体の電荷発生層においては、前記バインダー樹脂と電荷発生物質との配合比(質量)は任意であるが、バインダー樹脂100質量部に対して通常10質量部以上、好ましくは30質量部以上、また、1000質量部以下、好ましくは500質量部以下の範囲である。電荷発生物質の比率が高過ぎると、電荷発生物質の凝集等により塗布液の安定性が低下する虞があり、一方、電荷発生物質の比率が低過ぎると、感光体としての感度の低下を招く虞があるため、上記範囲で使用することが好ましい。なお電荷発生物質として前記製造方法で製造されたクロロガリウムフタロシアニン化合物又はヒドロキシガリウムフタロシアニン化合物を他の電荷発生物質と併用する場合には、その併用する電荷発生物質と前記製造方法で製造されたクロロガリウムフタロシアニン化合物又はヒドロキシガリウムフタロシアニン化合物との合計が上記範囲になるようにする。
電荷発生物質を溶媒、分散媒中に分散させる方法としては、ボールミル分散法、アトライター分散法、サンドミル分散法等の公知の分散方法を任意に用いることが出来る。なお、分散時には、電荷発生物質の粒子を通常1.0μm以下、好ましくは0.5μm以下、より好ましくは0.3μm以下の粒子サイズに微細化することが有効である。
積層型感光体の電荷発生層の膜厚は、特に制限は無いが、通常0.05μm以上、好ましくは0.10μm以上、また、10μm以下、好ましくは3μm以下である。
(電荷輸送層)
一方、電荷輸送層は、電荷輸送物質を含有するとともに、通常はバインダー樹脂と、必要に応じて使用されるその他の成分とを含有する。このような電荷輸送層は、具体的には、例えば電荷輸送物質とバインダー樹脂とを溶媒または分散媒に溶解又は分散して塗布液を作製し、これを順積層型感光層の場合には電荷発生層上に、また、逆積層型感光層の場合には導電性支持体上に(下引き層を設ける場合は下引き層上に)塗布、乾燥して得ることができる。また、この際使用する溶媒又は分散媒は任意である。
電荷輸送層には、膜強度確保のためバインダー樹脂が使用される。バインダー樹脂としては、特に制限は無く、公知の樹脂を任意に用いることができるが、例えば、ブタジエン樹脂、スチレン樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリル酸エステル樹脂、メタクリル酸エステル樹脂、ビニルアルコール樹脂、エチルビニルエーテル等のビニル化合物の重合体及び共重合体、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、部分変性ポリビニルアセタール、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロースエステル樹脂、フェノキシ樹脂、シリコーン樹脂、シリコン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール樹脂等が挙げられ、これら樹脂は珪素試薬などで修飾されていてもよい。中でも、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂が特に好ましい。
なお、これらは適当な硬化剤を用いて熱、光等により架橋させて用いることもできる。また、バインダー樹脂は1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を任意の組み合わせ及び比率で併用して用いることもできる。
ポリカーボネート樹脂およびポリアリレート樹脂の粘度平均分子量は、特に限定されないが、通常、10,000以上、好ましくは15,000以上、さらに好ましくは20,000以上であり、但し、通常、300,000以下、好ましくは200,000以下、より好ましくは100,000以下である。粘度平均分子量が過度に小さいと、感光層の機械的強度が低下し実用的ではない。また、粘度平均分子量が過度に大きいと、感光層を適当な膜厚に塗布形成する事が困難である。
電荷輸送物質としては特に限定されず、任意の物質を用いることが可能である。公知の電荷輸送物質の例としては、2,4,7−トリニトロフルオレノン等の芳香族ニトロ化合物、テトラシアノキノジメタン等のシアノ化合物、ジフェノキノン等のキノン化合物等の電子吸引性物質、カルバゾール誘導体、インドール誘導体、イミダゾール誘導体、オキサゾール誘導体、ピラゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、ベンゾフラン誘導体等の複素環化合物、アニリン誘導体、ヒドラゾン誘導体、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体、エナミン誘導体、およびこれらの化合物の複数種が結合したもの、あるいはこれらの化合物からなる基を主鎖または側鎖に有する重合体等の電子供与性物質等が挙げられる。これらの中でも、カルバゾール誘導体、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体、エナミン誘導体、およびこれらの化合物の複数種が結合したものが好ましい。これらの電荷輸送物質は、何れか1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
電荷輸送物質の好適な具体例を以下に示す。ただし、この例示化合物は使用し得る電荷輸送物質の具体例であり、それらに限定されるものではなく、本発明の趣旨に反しない限りはいかなる公知の電荷輸送物質を用いてもよい。
バインダー樹脂と電荷輸送物質の割合は任意であるが、通常、バインダー樹脂100質量部に対して10質量部以上、残留電位低減の観点から30質量部以上が好ましく、さらに繰り返し使用時の安定性、電荷移動度の観点から、35質量部以上がより好ましい。また、一方で感光層の熱安定性の観点から、通常は150質量部以下、さらに電荷輸送物質とバインダー樹脂の相溶性の観点から、好ましくは120質量部以下、さらに耐刷性の観
点からは100質量部以下がより好ましく、耐傷性の観点からは80質量部以下がとりわけ好ましい。
積層型感光体において、電荷輸送層の膜厚は特に制限されないが、長寿命、画像安定性の観点、さらには高解像度の観点から、通常5μm以上、好ましくは10μm以上、また、通常50μm以下、好ましくは45μm以下、更に好ましくは40μm以下の範囲とすることが望ましい。
なお、積層型感光体を構成する各層(電荷発生層、電荷輸送層、等)には、成膜性、可撓性、塗布性、耐汚染性、耐ガス性、耐光性などを向上させる目的で、公知の酸化防止剤、可塑剤、紫外線吸収剤、電子吸引性化合物、レベリング剤、可視光遮光剤等の添加物を含有させてもよい。酸化防止剤の例としては、ヒンダードフェノール化合物、ヒンダードアミン化合物などが挙げられる。またレベリング剤の例としては、シリコ−ンオイル、フッ素系オイルなどが挙げられる。
「単層型感光層」
単層型感光層では、前記電荷輸送層と同様の配合割合のバインダー樹脂と電荷輸送物質を主成分とするマトリックス中に、前記電荷発生物質が分散された構成となっている。すなわち、単層型感光層は電荷発生物質及び電荷輸送物質に加えて、積層型感光体の電荷輸送層と同様に、膜強度確保のためにバインダー樹脂を使用して形成する。具体的には、電荷発生物質と電荷輸送物質と各種バインダー樹脂とを溶媒又は分散媒に溶解又は分散して塗布液を作製し、塗布液を導電性支持体上、あるいは下引き層を設ける場合は下引き層上に塗布後、乾燥して得ることができる。
電荷輸送物質及びバインダー樹脂の種類並びにこれらの使用比率は、積層型感光体の電荷輸送層について説明したものと同様である。また、塗布液の作製に使用する溶媒又は分散媒は任意である。通常は、電荷輸送物質及びバインダー樹脂からなる電荷輸送媒体中に、さらに電荷発生物質が分散される。
電荷発生物質は、前記の積層型感光体の電荷発生層についての説明と同様に、少なくとも前記製造方法で製造されたクロロガリウムフタロシアニン化合物又はヒドロキシガリウムフタロシアニン化合物を含有するものであり、公知の任意の電荷発生物質と併用することもできる。ただし、単層型感光体の感光層の場合、電荷発生物質の粒子径を充分に小さくすることが望ましい。具体的には、通常1μm以下、好ましくは0.5μm以下の範囲として用いる。
単層型感光層内に分散される電荷発生物質の量は少なすぎると十分な感度が得られず、多すぎると帯電性および感度の低下を招く虞があるため、通常、単層型感光層全体に対して0.5質量%以上、好ましくは1質量%以上、また、50質量%以下、好ましくは45質量%以下で使用される。また、単層型感光層の膜厚は通常5μm以上、好ましくは10μm以上、また、通常100μm以下、好ましくは50μm以下である。
単層型感光層におけるバインダー樹脂と電荷発生物質との使用比率は、バインダー樹脂100質量部に対して電荷発生物質が通常0.1質量部以上、好ましくは1質量部以上、また、通常30質量部以下、好ましくは10質量部以下の範囲である。
また、単層型感光体も、積層型感光体と同様に、成膜性、可撓性、塗布性、耐汚染性、耐ガス性、耐光性などを向上させる目的で、公知の酸化防止剤、可塑剤、紫外線吸収剤、電子吸引性化合物、レベリング剤、可視光遮光剤等の添加物を含有させてもよい。
<その他の層>
積層型感光体、単層型感光体ともに、上記の感光層を最上層、すなわち表面層としてもよいが、その上にさらに別の層を設け、これを表面層としてもよい。例えば、感光層の損
耗を防止したり、帯電器等から発生する放電生成物等による感光層の劣化を防止・軽減する目的で、保護層を設けても良い。
保護層は導電性材料を適当なバインダー樹脂中に含有させて形成するか、特開平9−190004号公報、特開平10−252377号公報の記載のようなトリフェニルアミン骨格等の電荷輸送能を有する化合物を用いた共重合体を用いて形成することができる。
保護層に用いる導電性材料に制限は無い。例えば、TPD(N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス−(m−トリル)ベンジジン)等の芳香族アミノ化合物、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化錫、酸化チタン、酸化錫−酸化アンチモン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛等の金属酸化物などを用いることが可能であるが、これに限定されるものではない。
保護層に用いるバインダー樹脂にも制限は無く、例えば、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルケトン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、シロキサン樹脂等の公知の樹脂を用いることができ、また、特開平9−190004号公報記載のようなトリフェニルアミン骨格等の電荷輸送能を有する骨格と上記樹脂の共重合体を用いることもできる。
また、感光体表面の摩擦抵抗や、摩耗を低減、トナーの感光体から転写ベルト、紙への転写効率を高める等の目的で、表面層にフッ素系樹脂、シリコーン樹脂、ポリエチレン樹脂等、又はこれらの樹脂からなる粒子や無機化合物の粒子を含有させても良い。あるいは、これらの樹脂や粒子を含む層を新たに表面層として形成しても良い。
<各層の形成方法>
前記した感光体を構成する各層(感光層、下引き層等を含む)の形成方法は任意であるが、通常は、含有させる物質を溶媒または分散媒に、溶解または分散させて得られた塗布液を、公知の塗布方法により、各層ごとに順次塗布・乾燥工程を繰り返すことにより形成される。この際用いる溶媒または分散媒の種類や使用量は特に制限されないが、各層の目的や選択した溶媒、分散媒の性質を考慮して、塗布液の固形分濃度や粘度等の物性が所望の範囲となるように、適宜、調整することが好ましい。
使用可能な溶媒または分散媒の具体例としては、ペンタン、ヘキサン、オクタン、ノナン等の飽和脂肪族系溶媒、トルエン、キシレン、アニソール等の芳香族系溶媒、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロナフタレン等のハロゲン化芳香族系溶媒、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド系溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、2−メトキシエタノール、ベンジルアルコール等のアルコール系溶媒、グリセリン、ポリエチレングリコール等の脂肪族多価アルコール類、アセトン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン等の鎖状、及び環状ケトン系溶媒、ギ酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル系溶媒、塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジメトキシエタン、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ等の鎖状、及び環状エーテル系溶媒、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、スルホラン、ヘキサメチルリン酸トリアミド等の非プロトン性極性溶媒、n−ブチルアミン、イソプロパノールアミン、ジエチルアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、トリエチレンジアミン、トリエチルアミン等の含窒素化合物、リグロイン等の鉱油、水などが挙げられる。なお、溶媒及び分散媒は、それぞれ1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
さらに、各層の形成に用いる塗布液の濃度や粘度は任意であり、形成する層に応じて適当な値に決めればよい。例えば、単層型感光体及び積層型感光体の電荷輸送層の場合には、塗布液の固形分濃度を、通常5質量%以上、好ましくは10質量%以上、また、通常40質量%以下、好ましくは35質量%以下の範囲とする。また塗布液の粘度を、通常10mPa・s以上、好ましくは50mPa・s以上、また、通常1000mPa・s以下、好ましくは500mPa・s以下の範囲とする。
また、積層型感光体の電荷発生層の場合には、塗布液の固形分濃度は、通常0.1質量%以上、好ましくは1質量%以上、また、通常15質量%以下、好ましくは10質量%以下の範囲とする。また、塗布液の粘度は、通常0.01mPa・s以上、好ましくは0.1mPa・s以上、また、通常20mPa・s以下、好ましくは10mPa・s以下の範囲とする。
塗布液の塗布方法に制限は無く、公知の塗布方法を任意に用いることができる。例えば、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、スピナーコーティング法、ビードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、ブレードコーティング法、ローラーコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等が挙げられるが、他の公知のコーティング法を用いることも可能である。中でも浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、ワイヤーバーコーティング法が好ましく、さらには浸漬コーティング法が特に好ましい。
塗布後の乾燥方法も任意であるが、例えば、室温における指触乾燥後、通常30℃以上、200℃以下の温度範囲で、1分から2時間の間、静止又は送風下で加熱乾燥させることが好ましい。また、加熱温度は一定であってもよく、乾燥時に温度を変更させながら加熱を行っても良い。
[カートリッジ、画像形成装置]
次に、本発明の電子写真感光体を用いたドラムカートリッジ、画像形成装置について、装置の一例を示す図1に基づいて説明する。但し、実施の形態は以下の説明に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り任意に変形して実施することができる。
図1に示すように、画像形成装置は、電子写真感光体1、帯電装置2、露光装置3、現像装置4を備えて構成され、さらに必要に応じて転写装置5、クリーニング装置6および定着装置7が設けられる。
図1において、1はドラム状感光体であり、軸を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。感光体1はその回転過程で帯電装置2により、その表面に正または負の所定電位の均一帯電を受け、ついで露光装置3において像露光手段により潜像形成のための露光が行われる。形成された静電潜像は、次に現像装置4でトナー現像され、そのトナー現像像がコロナ転写装置5により給紙部から給送された転写体(紙など)Pに順次転写されていく。像転写された転写体はついで定着装置7に送られ、像定着され、機外へプリントアウトされる。像転写後の感光体1の表面はクリーニング装置6により転写残りのトナーが除去される。また上記の構成に加え、除電工程を行うことができる構成でもよい。
電子写真感光体1は前述した本発明の電子写真感光体であれば特に制限はないが、図1ではその一例として、円筒状の導電性支持体上に前述した本発明のガリウムフタロシアニン化合物を用いて感光層を形成したドラム状の電子写真感光体を示している。
帯電装置2は、電子写真感光体1を帯電させるもので電子写真感光体1の表面を所定電位に均一に帯電する。図1ではローラー型の帯電装置(帯電ローラー)を記載しているが、これ以外にも帯電ブラシや、コロトロン、スコロトロンなどのコロナ帯電装置がよく用いられる。電圧印加された直接帯電部材を感光体の表面に接触させて帯電させる直接帯電
手段の例として、帯電ローラー、帯電ブラシ等の接触帯電器が挙げられる。直接帯電手段としては、気中放電を伴うもの、あるいは気中放電を伴わない注入帯電いずれも可能である。また、帯電時に印可する電圧としては、直流電圧だけの場合、および直流に交流を重畳させて用いることもできる。
露光装置3は、電子写真感光体1に露光を行って電子写真感光体1の感光面に静電潜像を形成することができるものであれば、その種類に特に制限はない。ハロゲンランプ、蛍光灯、レーザー(半導体、He−Ne)、LED、感光体内部露光方式等が用いられるが、デジタル式電子写真方式として、レーザー、LED、光シャッターアレイ等を用いることが好ましい。波長としては780nmの単色光の他、600〜700nm領域のやや短波長寄りの単色光、380〜600nmの短波長の単色光などを用いることができる。
現像装置4は、その種類に特に制限はなく、カスケード現像、1成分絶縁トナー現像、1成分導電トナー現像、二成分磁気ブラシ現像等の乾式現像方式や湿式現像方式等の任意の装置を用いることができる。図1では現像装置4は、現像槽41、アジテータ42、供給ローラー43、現像ローラー44および規制部材45からなり、現像槽41の内部にトナーTを貯留している構成となっている。また、必要に応じ、トナーTを補給する補給装置を現像装置4に付帯させてもよい。この補給装置は、ボトル、カートリッジ等の容器からトナーTを補給することが可能に構成される。
トナーTとしては、粉砕トナーの他に、懸濁造粒、懸濁重合、乳化重合凝集法等のケミカルトナーを用いることができる。特に、ケミカルトナーの場合には、4〜8μm程度の小粒径のものが用いられ、形状も球形に近いものから、ポテト状の球形から外れたものも使用することができる。重合トナーは、帯電均一性、転写性に優れ、高画質化には好適に用いられる。
転写装置5は、その種類に特に制限はなく、コロナ転写、ローラー転写、ベルト転写などの静電転写法、圧力転写法、粘着転写法等を用いた装置が使用できる。図1では一例として、転写チャージャー、転写ローラー、転写ベルト等から構成された転写装置5が電子写真感光体1に対向して配置された図を示している。この転写装置5は、トナーTの帯電電位とは逆極性で所定電圧値(転写電圧)を印加し、電子写真感光体1に形成されたトナー像を記録紙(用紙,媒体)Pに転写するものである。
定着装置7は、その種類に特に制限はなく、熱ローラー定着、フラッシュ定着、オーブン定着、圧力定着、IH定着、ベルト定着、IHF定着等、任意の方式を用いた装置が使用できる。これら定着方式は単独で用いても良く、複数の定着方式を組み合わせた形で使用してもよい。図1では一例として、上部定着部材(加圧ローラー)71および下部定着部材(定着ローラー)72を示した。これらの内部には加熱装置73が備えられている。記録紙P上に転写されたトナーが、所定温度に過熱された上部定着部材71と下部定着部材72の間を通過する際、トナーが溶融状態まで過熱され、通過後冷却されて記録紙上にトナーが定着される。
クリーニング装置6は、その種類に特に制限はなく、ブラシクリーナー、磁気ブラシクリーナー、静電ブラシクリーナー、磁気ローラークリーナー、ブレードクリーナー等、任意のクリーニング装置が用いられる。クリーニング装置6は感光体1に付着している残留トナーを除去するものであるが、感光体表面に残留するトナーが少ない場合は、クリーニング装置6はなくてもかまわない。
除電工程は、電子写真感光体に露光を行うことで電子写真感光体の除電を行う工程であり、省略される場合も多いが、使用される場合には、蛍光灯、LED等が使用され、強度
としては露光光の3倍以上の露光エネルギーが使用される場合が多い。
また、画像形成装置はさらに変形して構成してもよく、例えば、前露光工程、補助帯電工程などの工程を行なうことができる構成としたり、オフセット印刷を行なう構成としたり、更には複数種のトナーを用いたフルカラータンデム方式の構成としてもよい。
なお、電子写真感光体1を、帯電装置2、露光装置3、現像装置4、転写装置5、クリーニング装置6、及び定着装置7のうち1つ又は2つ以上と組み合わせて、一体型のカートリッジ(以下適宜「電子写真感光体カートリッジ」という)として構成し、この電子写真感光体カートリッジを複写機やレーザービームプリンタ等の電子写真装置本体に対して着脱可能な構成にしてもよい。この場合、例えば電子写真感光体1やその他の部材が劣化した場合に、この電子写真感光体カートリッジを画像形成装置本体から取り外し、別の新しい電子写真感光体カートリッジを画像形成装置本体に装着することにより、画像形成装置の保守・管理が容易となる。
以下、製造例、実施例、及び比較例を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。なお、以下の実施例は本発明を詳細に説明するために示すものであり、本発明はその趣旨に反しない限り以下の実施例に限定されるものではない。
<ガリウムフタロシアニンの製造>
[製造例1]
3−ジイミノイソインドリン34.6部及び三塩化ガリウム10.0部を、ジメチルスルホキシド220部中に入れ、160℃にて4時間反応させた。この反応液を50℃まで冷却した後、8質量%次亜塩素酸ナトリウム水溶液10部を滴下し、1時間撹拌後、生成物を濾別した。得られたケーキをN−メチル−2−ピロリドン、水、メタノールで順次、洗浄乾燥することにより、21.2部のクロロガリウムフタロシアニン化合物CG1を得た。得られたクロロガリウムフタロシアニン化合物の粉末X線回折スペクトルを図2に示す。
なお、本実施例及び比較実施例において、粉末X線回折スペクトルの測定条件は、以下のとおりである。
粉末X線回折装置 :PANalytical社製 X‘Pert Pro
X線管球 : CuKα
走査軸 : θ/2θ
スキャン範囲 : 3.0°〜40.0°
ステップ幅:0.033°
スキャンスピード: 0.05°/秒
[製造例2]
製造例1で製造したクロロガリウムフタロシアニン化合物6部を、中心粒径(80%以上が含まれる粒径)が1.0mm〜1.4mmのガラスビーズ(ポッターズ・バロティーニ社製 GB502M)60部と共にポリ瓶に仕込んだものを4本作製し、ペイントシェーカーで24時間振とうして乾式磨砕を行った。水を用いてガラスビーズからクロロガリウムフタロシアニン化合物を剥離し、濾過して得られたケーキを、N−メチル−2−ピロリドン300部を使用して150℃で2時間懸濁洗浄を行い、熱濾過して、N−メチル−2−ピロリドン75部をかけて洗浄した。この熱懸濁洗浄とかけ洗浄を計3回行った。さらに、メタノール300部を用いて還流温度で懸濁洗浄を行い、熱濾過して、メタノール75部をかけて洗浄した。このメタノールによる熱懸濁洗浄とかけ洗浄を計2回行った後、減圧乾燥して、23.1部のジクロロガリウムフタロシアニン化合物CG2を得た。この粉末X線回折スペクトルを測定したところ、図2と同様のスペクトルが得られ、乾式磨
砕前の結晶型を維持していた。
[製造例3]
濃硫酸480部を−10℃まで冷却し、その中へ製造例2で得られたクロロガリウムフタロシアニン化合物(CG2)12部を少量ずつ添加し、同温度で1時間撹拌後、氷水4800部中に5℃以下で滴下した。同温度で1時間撹拌後濾過して、得られたケーキを、水、希アンモニア水、再度水で十分洗浄後、減圧乾燥して粗ヒドロキシガリウムフタロシアニン化合物11部を得た。
この粗ヒドロキシガリウムフタロシアニン化合物2.1部をN,N−ジメチルホルムアミド28.3部と中心粒径が1.0mm〜1.4mmのガラスビーズ(GB502M)85部と共にサンドグラインドミルを用いて30時間湿式磨砕処理を行った。ビーズを分離し、濾過、減圧乾燥して、2.0部のヒドロキシガリウムフタロシアニン化合物CG3を得た。得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン化合物の粉末X線回折スペクトルを図3に示す。
[製造例4]
製造例3において、CG2の代わりに製造例1で製造したクロロガリウムフタロシアニン(CG1)を用いる以外は製造例3と同様にして、2.0部のヒドロキシガリウムフタロシアニン化合物CG4を得た。この粉末X線回折スペクトルを測定したところ、図3と同様のスペクトルが得られた。
[製造例5]
製造例3において、CG2の代わりに製造例1で製造したクロロガリウムフタロシアニン(CG1)を用い、製造例3と同様にアシッドペーストを行って得られた粗ヒドロキシガリウムフタロシアニン化合物のウエットケーキを得た後、N−メチル−2−ピロリドンを用いて150℃にて3回熱懸濁洗浄し、さらにメタノールにて還流温度で熱懸濁洗浄を行い、減圧乾燥した。これを再度、上記条件にてアシッドペーストを行い、粗ヒドロキシガリウムフタロシアニン化合物を得た後、製造例3と同様のサンドグラインドミルによる湿式磨砕処理を経て、2.0部のヒドロキシガリウムフタロシアニン化合物CG5を得た。この粉末X線回折スペクトルを測定したところ、図3と同様のスペクトルが得られた。
製造したガリウムフタロシアニンを表−1にまとめて示す。
<電子写真感光体の製造>
[実施例1]
下引き層用分散液は以下のように作製した。平均一次粒子径40nmのルチル型酸化チタン(石原産業社製「TTO55N」)を、該酸化チタンに対して3質量%のメチルジメトキシシランにより処理した表面処理酸化チタンを、メタノール/1−プロパノールのボールミルにより分散させることにより、疎水化処理酸化チタンの分散スラリーとした。該
分散スラリーと、メタノール/1−プロパノール/トルエンの混合溶媒、及び、ε−カプロラクタム[下記式(A)で表される化合物]/ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン[下記式(B)で表される化合物]/ヘキサメチレンジアミン[下記式(C)で表される化合物]/デカメチレンジカルボン酸[下記式(D)で表される化合物]/オクタデカメチレンジカルボン酸[下記式(E)で表される化合物]の組成モル比率が、60%/15%/5%/15%/5%からなる共重合ポリアミドのペレットとを加熱しながら撹拌、混合してポリアミドペレットを溶解させた後、超音波分散処理を行うことにより、メタノール/1−プロパノール/トルエンの質量比が7/1/2で、疎水性処理酸化チタン/共重合ポリアミドを質量比3/1で含有する、固形分濃度18.0%の下引き層分散液とした。
このようにして得られた下引き層形成用塗布液を、表面にアルミ蒸着したポリエチレンテレフタレートシート(厚さ75μm)上にバーコーターを用いて塗布し、乾燥して、乾燥後の膜厚が1.25μmの下引き層を設けた。
次に、電荷発生層は以下のように塗布液を調製して形成した。製造例2で製造したクロロガリウムフタロシアニン化合物(CG2)0.4部と1,2−ジメトキシエタン30.0部を混合し、サンドグラインドミルにて1時間粉砕して微粒化分散処理を行った。続いて、この液にポリビニルブチラール(電気化学工業(株)製、商品名「デンカブチラール」#6000C)を0.2部添加して、1時間撹拌混合して電荷発生層用塗布液を調製した。この塗布液を、前記下引き層上にバーコーターで塗布して、乾燥後の膜厚が0.4μmとなるように電荷発生層を形成した。
次に電荷輸送層は以下のように塗布液を調製して形成した。電荷輸送物質として下記構造式で示されるCTM(1)を40部、CTM(2)を40部使用し、バインダー樹脂としては下記PCR(1)の繰り返し構造からなるポリカーボネート樹脂100部を使用し、レベリング剤としてシリコーンオイル0.05部を使用し、これらをテトラヒドロフランとトルエンとの混合溶媒(テトラヒドロフラン80質量%、トルエン20質量%)640部に混合して電荷輸送層形成用塗布液を調製した。この電荷輸送層形成用塗布液を、前記電荷発生層上に、乾燥後の膜厚が28μmとなるように塗布し、乾燥して積層型感光層を有する感光体シートを得た。この電子写真感光体を1Aとする。
[比較例1]
実施例1で用いたクロロガリウムフタロシアニン化合物(CG2)の代わりに、製造例1で製造したクロロガリウムフタロシアニン化合物(CG1)を用いた以外は実施例1と同様にして、電子写真感光体1Bを作製した。
[実施例2]
実施例1で用いたクロロガリウムフタロシアニン化合物(CG2)の代わりに、製造例3で製造したヒドロキシガリウムフタロシアニン化合物(CG3)を用いた以外は実施例1と同様にして、電子写真感光体2Aを作製した。
[比較例2]
実施例1で用いたクロロガリウムフタロシアニン化合物(CG2)の代わりに、製造例4で製造したヒドロキシガリウムフタロシアニン化合物(CG4)を用いた以外は実施例1と同様にして、電子写真感光体2Bを作製した。
[比較例3]
実施例1で用いたクロロガリウムフタロシアニン化合物(CG2)の代わりに、製造例5で製造したヒドロキシガリウムフタロシアニン化合物(CG5)を用いた以外は実施例1と同様にして、電子写真感光体3Bを作製した。
<感光体の電気特性の評価>
電子写真学会測定標準に従って作製された電子写真特性評価装置(続電子写真技術の基礎と応用、電子写真学会編、コロナ社、404−405頁記載)を使用し、上記感光体1A、2Aおよび1B〜3Bをアルミニウム製ドラムに貼り付け、ドラムを一定回転数で回転させ、帯電、露光、電位測定、除電のサイクルによる電気特性評価試験を行った。
初期表面電位を−700Vとし、露光は780nm、除電は660nmの単色光を用いた。表面電位を−700Vとするために帯電器にかけた電圧を帯電圧(VG)(−V)として測定した。この帯電圧は値が小さいほど帯電性が高く良好である。780nmの光で露光し、表面電位が−350Vとなる時の照射エネルギー(半減露光エネルギー)を1/2感度(E1/2)(μJ/cm2)として測定した。感度は値が小さいほど高感度で電
気特性が良好である。また、−700Vに帯電した5秒後の表面電位を測定し、その保持率を暗減衰(DDR)(%)とした。暗減衰は値が大きいほど電荷保持能が高く良好であ
る。また、露光後100m秒後の表面電位をVL(−V)として測定した。VLは値が小さいほど良好である。測定環境は、温度25℃、相対湿度50%下で行った。電気特性の評価結果を表−2に示す。
上記、表−2の結果より、同じ電荷発生物質を用いた感光体1Aと1B、及び感光体2Aと2Bを各々比較すると、本発明の乾式磨砕処理後、特定の溶剤で洗浄を行った感光体1Aおよび2Aは、乾式磨砕と磨砕後の洗浄処理を実施しなかった感光体1Bおよび2Bに比べ、帯電圧、暗減衰、1/2感度、及びVLが、どれも良好であった。
また、乾式磨砕後の洗浄処理の代わりに、アシッドペーストを行って洗浄処理を行った感光体3Bは2Aに比べ、帯電圧、1/2感度、及びVLはわずかに劣るレベルであったが、暗減衰は明らかに劣った。アシッドペースト処理よりも、乾式磨砕処理で小粒径化したクロロガリウムフタロシアニン化合物を溶剤洗浄するほうが、電気特性に優れるといえる。
以上の結果より、クロロガリウムフタロシアニン化合物を乾式磨砕処理後、洗浄効果の高い特定溶剤を用いて洗浄することにより、電気特性に悪影響を与える副生成物や中間体といった不純物を結晶中から取り除くことができ、この精製ガリウムフタロシアニン化合物を用いた電子写真感光体の電気特性は良化したと考えられる。
1 感光体(電子写真感光体)
2 帯電装置(帯電ローラ;帯電部)
3 露光装置(露光部)
4 現像装置(現像部)
5 転写装置
6 クリーニング装置(クリーニング部)
7 定着装置
41 現像槽
42 アジテータ
43 供給ローラー
44 現像ローラー
45 規制部材
71 上部定着部材(加圧ローラー)
72 下部定着部材(定着ローラー)
73 加熱装置
T トナー
P 記録紙(用紙,媒体)

Claims (11)

  1. クロロガリウムフタロシアニン化合物の製造方法であって、
    クロロガリウムフタロシアニン化合物を合成する第一の工程、
    前記第一の工程で得られたクロロガリウムフタロシアニン化合物を乾式磨砕する第二の工程、
    前記第二の工程で得られたクロロガリウムフタロシアニン化合物を、アミド基、スルホキシド基、又は水酸基を有する有機溶剤から選ばれる少なくとも1種類の有機溶剤を用いて洗浄する第三の工程、
    を含み、
    前記第二の工程前と前記第三の工程後で、クロロガリウムフタロシアニン化合物のCuKα特性による粉末X線回折スペクトルにおける強い回折ピークが同一であることを特徴とする、クロロガリウムフタロシアニン化合物の製造方法。
  2. 前記有機溶剤が、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、メタノール、及びプロパノールから選ばれる、少なくとも1種類の有機溶剤であることを特徴とする、請求項1に記載のクロロガリウムフタロシアニン化合物の製造方法。
  3. 前記クロロガリウムフタロシアニン化合物のCuKα特性X線による粉末X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2°)27.1°に最大回折ピークを有する請求項1又は2に記載のクロロガリウムフタロシアニン化合物の製造方法。
  4. ヒドロキシガリウムフタロシアニンの製造方法であって、
    クロロガリウムフタロシアニン化合物を合成する第一の工程、
    前記第一の工程で得られたクロロガリウムフタロシアニン化合物を乾式磨砕する第二の工程、
    前記第二の工程で得られたクロロガリウムフタロシアニン化合物を、アミド基、スルホキシド基、又は水酸基を有する有機溶剤から選ばれる少なくとも1種類の有機溶剤を用いて洗浄する第三の工程、
    前記第三の工程で得られたクロロガリウムフタロシアニン化合物をアシッドペーストすることによりヒドロキシガリウムフタロシアニンを合成する第四の工程、
    を含み、
    前記第二の工程前と前記第三の工程後で、クロロガリウムフタロシアニン化合物のCuKα特性による粉末X線回折スペクトルにおける強い回折ピークが同一であることを特徴とする、ヒドロキシガリウムフタロシアニン化合物の製造方法。
  5. 前記ヒドロキシガリウムフタロシアニン化合物のCuKα特性X線による粉末X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2°)7.4°、9.9°、28.4°に強い回折ピークを有することを特徴とする請求項4に記載のヒドロキシガリウムフタロシアニン化合物の製造方法。
  6. クロロガリウムフタロシアニンであって、CuKα特性による粉末X線回折スペクトルにおける回折ピークが変化しないように、乾式磨砕され、アミド基、スルホキシド基、又は水酸基を有する有機溶剤から選ばれる少なくとも1種類の有機溶剤を用いて洗浄されたものであることを特徴とするクロロガリウムフタロシアニン。
  7. 導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体において、請求項6に記載のクロロガリウムフタロシアニンを含有することを特徴とする電子写真感光体。
  8. 請求項6に記載のクロロガリウムフタロシアニンから誘導されることを特徴とするヒドロキシガリウムフタロシアニン。
  9. 導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体において、請求項8に記載のヒドロキシガリウムフタロシアニンを含有することを特徴とする電子写真感光体。
  10. 請求項7又は9に記載の電子写真感光体と、前記感光体を帯電させる帯電手段と、帯電した該感光体に対し像露光を行い静電潜像を形成する像露光手段と、この静電潜像をトナーで現像する現像手段と、トナーを被転写体に転写する転写手段のうち、少なくとも一つを有することを特徴とする電子写真感光体カートリッジ。
  11. 請求項7又は9に記載の電子写真感光体と、該感光体を帯電させる帯電手段と、帯電した該感光体に対し像露光を行い静電潜像を形成する像露光手段と、この静電潜像をトナーで現像する現像手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
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