JP2007197685A - オキシチタニウムフタロシアニン組成物とその製造方法、電子写真感光体、および該感光体を用いた画像形成装置 - Google Patents

オキシチタニウムフタロシアニン組成物とその製造方法、電子写真感光体、および該感光体を用いた画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】電子ペーパー、有機電界発光素子、電子写真感光体などに用いる光電材料として適用した場合に好適な性能を有するオキシチタニウムフタロシアニン組成物とその製造方法、電気特性のうち特に感度に優れ、しかも残留電位の低い電子写真感光体、および該感光体を用いた画像形成装置を提供する。
【解決手段】CuKα特性X線による粉末X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2°)27.3°に最大回折ピークを示すオキシチタニウムフタロシアン組成物の製造方法であって、原料としてフタロニトリルと四塩化チタンを使用し、反応溶媒としてアリール基がアルキリデン基により連結された構造を有するジアリールアルカン溶媒を用いて、機械的磨砕処理により製造することを特徴とする、オキシチタニウムフタロシアニン組成物の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、特に電子写真感光体に用いた際に、感度および残留電位に優れたオキシチタニウムフタロシアニン組成物とその製造方法、それを用いた電子写真感光体、および該感光体を用いた画像形成装置に関するものである。
長波長の光に対して高感度な光導電特性を有するフタロシアニン類は、優れた光導電性材料として盛んに研究されてきた。特に電子写真用感光体、電子写真方式による製版材料、イメージセンサーなどの光電変換材料に好適に用いることができ、長波長の半導体レーザーや発光ダイオード用の電子写真感光体の電荷発生物質として利用されている。
フタロシアニン類は、中心金属の種類により吸収スペクトルや、光導電性などの物性が異なるだけでなく、結晶型によっても物性が大きく変化することが知られており、フタロシアニン類の中でも特にオキシチタニウムフタロシアニンは、高感度な光導電特性を有し、種々の結晶型のものが知られている。それらの中でも、CuKα特性X線に対する回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2°)27.3°に明瞭なピークを有する、いわゆるD型の結晶型のオキシチタニウムフタロシアニンが特に感度に優れることが知られている(例えば、特許文献1 参照)。
オキシチタニウムフタロシアニンの製造法については様々なものが知られており、アリール基がアルキリデン基により連結された構造を有するジアリールアルカン溶媒中で反応を行なう例としては、ジフェニルメタンを反応溶媒として用いた例もあるが、原料として1,3−ジイミノイソインドリンとチタンテトラブトキシドを用いており、電気特性のうち特に感度の面で十分な性能のものではなかった(例えば、特許文献2 参照)。また、他に知られる製造方法では、原料としてフタロニトリルと四塩化チタンを用いているが、CuKα特性X線に対する粉末X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2°)27.3°に明瞭なピークを有する、いわゆるD型の結晶型のオキシチタニウムフタロシアニンの製造については記載がなく、記載されるオキシチタニウムフタロシアニンの感度は不十分なものであった(例えば、特許文献3 参照)。また、他にも、原料としてフタロニトリル、四塩化チタン、反応溶媒としてジフェニルメタンを用い、CuKα特性X線に対する粉末X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2°)27.3°に最大ピークを有する結晶型のオキシチタニウムフタロシアニンを製造した例もあるが、非晶質化の際に硫酸を用いたアシッドペースト法を用いており、本発明の非晶質化を機械的磨砕処理によって行う製造方法とは異なる(例えば、特許文献4 参照)。
特開平2−8256号公報 特許3463032号公報 特開2001−115054号公報 特開2006−154749号公報
種々の結晶構造が知られているオキシチタニウムフタロシアニンは、光電材料、特に電子写真感光体用の電荷発生物質として有用なものであり、特に、CuKα特性X線に対する粉末X線回折スペクトルにおけるブラッグ角(2θ±0.2°)27.3°に明瞭な回折ピークを有する結晶構造のオキシチタニウムフタロシアニンは、D型と呼ばれ、電子写真感光体の感光層に用いた場合特に感度に優れた感光体を与えることが知られているが、近年の画像形成速度の高速化等で感光体に要求される特性の向上要求に際して、その要求を十分に満足することができない場合があった。
本発明の目的は、電子ペーパー、有機電界発光素子、電子写真感光体などに用いる光電材料として適用した場合に好適な性能を有するオキシチタニウムフタロシアニン組成物とその製造方法、電気特性のうち特に感度に優れ、しかも残留電位の低い電子写真感光体、および該感光体を用いた画像形成装置を提供することにある。
本発明者らは、CuKα特性X線による粉末X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2°)27.3°に最大回折ピークを示すオキシチタニウムフタロシアニン組成物を、原料としてフタロニトリル、および四塩化チタンを用い、反応溶媒としてアリール基がアルキリデン基により連結された構造を有するジアリールアルカン溶媒を用いて、機械的磨砕処理を行って製造することにより、光電特性に優れたオキシチタニウムフタロシアニンを再現よく製造できることを見いだし、更に、これを用いた電子写真感光体が、特に感度および残留電位に優れていることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第一の要旨は、CuKα特性X線による粉末X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2°)27.3°に最大回折ピークを示すオキシチタニウムフタロシアン組成物の製造方法において、原料としてフタロニトリルと四塩化チタンを使用し、反応溶媒としてアリール基がアルキリデン基により連結された構造を有するジアリールアルカン溶媒を用いて、機械的磨砕処理により製造することを特徴とする、オキシチタニウムフタロシアニン組成物の製造方法に存し、本発明の第二の要旨は、CuKα特性X線による粉末X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2°)27.3°に最大回折ピークを示すオキシチタニウムフタロシアニンであって、原料としてフタロニトリルと四塩化チタンを使用し、反応溶媒としてアリール基がアルキリデン基により連結された構造を有するジアリールアルカン溶媒を用いて、機械的磨砕処理により製造されたことを特徴とする、オキシチタニウムフタロシアン組成物に存し、本発明の第三の要旨は、該オキシチタニウムフタロシアニン組成物を用いた電子写真感光体に存し、本発明の第四の要旨は、該電子写真感光体を用いた画像形成装置に存する。
本発明に係るオキシチタニウムフタロシアニンの製造法によれば、電子ペーパー、有機電界発光素子や電子写真感光体などに用いられる光電材料として好適なオキシチタニウムフタロシアニン組成物を、効率よく、再現よく、製造することができる。特に該オキシチタニウムフタロシアニン組成物を電子写真感光体に用いることにより、特に高感度で残留電位の低い電子写真感光体を提供することができ、好適な画像形成が可能な画像形成装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態につき詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は本発明の実施形態の代表例であって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変形して実施することができる。
本発明に係るオキシチタニウムフタロシアニン組成物は、CuKα特性X線による粉末X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2°)27.3°に最大回折ピークを示すものである。該オキシチタニウムフタロシアニン組成物は、置換基を有するオキシチタニウムフタロシアニンなどの、各種オキシチタニウムフタロシアニン誘導体を含有していてもよい。置換基で置換されたオキシチタニウムフタロシアニンの有する置換基としては、塩素やフッ素などのハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、スルホン基が挙げられるが、好ましくはハロゲン原子を置換基として有するオキシチタニウムフタロシアニンを含有する組成物であり、特に好ましくは塩素原子を置換基として有するオキシチタニウムフタロシアニンを含有する組成物である。
<オキシチタニウムフタロシアニン組成物の製造>
本発明に係るオキシチタニウムフタロシアニン組成物は、原料としてフタロニトリルと四塩化チタンを用いるものであって、反応溶媒としてアリール基がアルキリデン基により連結された構造を有するジアリールアルカン溶媒を用いてジクロロチタニウムフタロシアニンを合成した後、該ジクロロチタニウムフタロシアニンを加水分解し、精製することにより、オキシチタニウムフタロシアニン中間体を製造し、得られたオキシチタニウムフタロシアニン中間体を非晶質化して得られた非晶質化オキシチタニウムフタロシアニンを溶媒中で結晶化することにより製造することができる。
オキシチタニウムフタロシアニンは、通常、下記一般式[1]のような構造を有するが、原料としてフタロニトリルと四塩化チタンを用いた場合、オキシチタニウムフタロシアニンの一部が塩素化された、下記一般式[2]のような塩素化オキシチタニウムフタロシアニンとの組成物とすることもできる。
Figure 2007197685
この塩素化オキシチタニウムフタロシアニンの含有量は、マススペクトル強度比で測定することができる。この塩素化オキシチタニウムフタロシアニンの含有量は結晶型の制御性や光電特性にも関わりがあり、CuKα特性X線による粉末X線回折スペクトルにおいて、27.3°に最大回折ピークを示すオキシチタニウムフタロシアニン組成物の場合、この塩素化オキシチタニウムフタロシアニンの含有量は、0.007以上0.070以下が好適である。このマススペクトル強度比は0.015以上が好ましく、さらに好ましくは0.020以上である。また同様に0.060以下が好ましく、さらに好ましくは0.055以下である。マススペクトル強度比が小さすぎるとオキシチタニウムフタロシアニン組成物を製造する際に、本発明の目的とする結晶型とは異なる結晶型が混入する虞があり、そのような場合には当該オキシチタニウムフタロシアニン組成物を電子写真感光体に用いたときに感度低下を引き起こすことがある。またマススペクトル強度比が大きすぎるとオキシチタニウムフタロシアニン組成物中間体の結晶型成長が進み、非晶質化が困難となるために光電材料として好適な結晶型にすることができず、例えば電子写真感光体に用いた場合では高感度な電子写真感光体を得ることができない。
塩素化オキシチタニウムフタロシアニンの含有量が、0.007以上0.070以下であるオキシチタニウムフタロシアニン組成物を製造する方法をより具体的に説明する。原料としては、塩素化オキシチタニウムフタロシアニンの含有量を容易に制御可能であるという点で、フタロニトリルと四塩化チタンを用いる必要がある。まず、これらの原料を高沸点有機溶媒の存在下で加熱し反応させることにより、ジクロロチタニウムフタロシアニンを得る。このときの高沸点溶媒としては、オキシチタニウムフタロシアニン組成物に含まれる塩素化オキシチタニウムフタロシアニンの含有量を制御することができ、ハルツ状生成物の量が少なく、収率良くオキシチタニウムフタロシアニン組成物を得ることができる溶媒を選択することが重要であるが、フェニル基がアルキリデン基により連結された構造を有するジアリールアルカン溶媒である必要がある。アリール基がアルキリデン基により連結された構造を有するジアリールアルカン溶媒としては、反応温度において液体であるものであればどのようなものも使用することができるが、アリール基としては炭素数14以下のものが好ましく、より好ましくは炭素数10以下のアリール基であり、特にはフェニル基が好ましい。また、アルキリデン基としては、直鎖であっても枝分れ鎖を有していても構わないが、直鎖のものが好ましく、通常炭素数12以下であり、好ましくは炭素数6以下、より好ましくは炭素数3以下で、特にはメチレン基が好ましい。中でも、より安価に製造することが可能となる点で、ジフェニルメタンを用いることが特に好ましい。
フタロニトリルと四塩化チタンを原料として、フェニル基がアルキリデン基により連結された構造を有するジアリールアルカン溶媒を用いて合成した場合に、塩素化オキシチタニウムフタロシアニンの含有量を好適な0.007以上0.070以下に制御することができ、反応時のハルツ状生成物の量も少なく、収率良くオキシチタニウムフタロシアニン組成物を得ることができる。そして、当該オキシチタニウムフタロシアニン組成物を電子写真感光体として用いた場合、電気特性のうち、特に感度が向上する。特許第3463032号には、1,3−ジイミノイソインドリンとチタンテトラブトキシドをジフェニルメタン溶媒中で反応させるオキシチタニウムフタロシアニンの製造例が記載されているが、塩素源が存在しないため、塩素化オキシチタニウムフタロシアニンは存在しない。
原料の四塩化チタンは、通常、原料であるフタロニトリルと反応溶媒との混合体に添加される。この際の添加方法は、四塩化チタンの沸点以下であれば四塩化チタン等は直接添加しても、ジアリールアルカン溶媒と混合して添加しても良く、沸点以上の高温での添加であれば、ジアリールアルカン溶媒と混合して添加する。添加温度は、25℃から反応温度までが好ましいが、四塩化チタンを100℃以下の低温と180℃以上の高温で分割して添加すると、その添加量比によって、塩素化オキシチタニウムフタロシアニンの無置換オキシチタニウムフタロシアニンに対する割合を制御することができる。高温で添加すると塩素化オキシチタニウムフタロシアニンの含有量は少なくなる。
反応温度は、通常150℃以上、好ましくは180℃以上、塩素化オキシチタニウムフタロシアニンの含有量を制御するために、より好ましくは190℃以上であって、通常300℃以下、好ましく250℃以下、より好ましくは230℃以下で行われる。
オキシチタニウムフタロシアニン組成物に含まれる、塩素化オキシチタニウムフタロシアニンの含有量を制御するため、反応温度に到達するための昇温時間は0.5〜4時間が好ましく、より好ましくは0.5〜3時間である。反応継続時間は1〜10時間が好ましく、より好ましくは2〜8時間であり、さらに好ましくは2〜6時間の範囲である。
得られたジクロロチタニウムフタロシアニンは、加水分解処理を行い、オキシチタニウムフタロシアニン組成物中間体とするが、この際に用いられる溶媒としては、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、オクタノール、シクロヘキサノール等のアルコール類、アセトフェノン、シクロヘキサノン、ヘキサンジオン等のケトン類、および水が挙げられ、これらの溶媒の混合物であっても構わない。使用する溶媒は、沸点が100℃以上であることが好ましく、混合溶媒を用いる場合には用いる溶媒のそれぞれが、沸点100℃以上であることが好ましいが、該混合溶媒が共沸混合物となる場合には共沸点温度が100℃以上であれば、沸点が100℃以下の溶媒との混合物でも好ましいものとなる。加水分解処理は、加熱して行なうことが好ましく、通常50℃以上、好ましくは70℃以上、より好ましくは80℃以上で行なうことが好ましい。
得られるオキシチタニウムフタロシアニン組成物中間体の結晶型は、種々のものが用いられるが、通常CuKα特性X線による粉末X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2°)7.6°,25.5°,28.6°に強い回折ピークを有する、通常B型と呼ばれるものである。しかしながら、該B型オキシチタニウムフタロシアニンには他の結晶型のフタロシアニン類が共存することが多いため、粉末X線回折スペクトルにおいて、他の結晶型のピークが実質上観察されなくなるまで繰り返し加水分解処理を行うことが好ましい。フタロシアニン類の他の結晶が残存すると、感度低下の要因となる。
得られたオキシチタニウムフタロシアニン組成物中間体を、機械的磨砕方法により非晶質化する。非晶質化は化学的処理方法であるアシッドペースト法、アシッドスラリー法等で行うことも一般的であるが、これらを用いた場合、フタロシアニン化合物に対して化学的反応を起こしたり、フタロシアニン環の開裂による分子の破壊が起こる可能性があり、その影響で得られるオキシチタニウムフタロシアニン組成物の光導電特性に悪影響を及ぼすおそれがある。機械的磨砕は、例えばペイントシェーカー、自動乳鉢、遊星ミル、振動ボールミル、CFミル、ローラーミル、サンドグラインドミル、ニーダー等の装置を用いることができるが、これらに限定されるものではない。磨砕メディアとしては、ガラスビーズ、スチールビーズ、アルミナビーズ、ジルコニアビーズ等の公知の磨砕メディアを用いることができる。また、磨砕時に磨砕メディア以外に磨砕後容易に除去することのできる食塩、ぼう硝等の磨砕助剤を併用して実施することも可能である。また、上記処理法による磨砕は、乾式で磨砕を行っても、溶剤の共存下、湿式で磨砕を行っても良い。
乾式磨砕を行った場合、乾式磨砕後、磨砕メディアから微結晶・アモルファス固体を分離した後、微結晶を溶媒を用い溶媒処理を行うことにより所望の結晶型に変換することができる。結晶型の変換に用いる溶媒には、公知の溶媒のいずれも用いることが可能である。公知の溶媒の例としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、オクタン、ノナン等の飽和脂肪族系溶媒、トルエン、キシレン、メチルナフタレン、ジフェニルメタン、アニソール等の芳香族系溶媒、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロナフタレン等のハロゲン化芳香族系溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール等のアルコール系溶媒、グリセリン、ポリエチレングリコール等の脂肪族多価アルコール類、アセトン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン等の鎖状、及び環状ケトン系溶媒、ギ酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル系溶媒、塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ等の鎖状、及び環状エーテル系溶媒、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、ヘキサメチルリン酸トリアミド等の非プロトン性極性溶媒、n−ブチルアミン、イソプロパノールアミン、ジエチルアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、トリエチレンジアミン、トリエチルアミン等の含窒素化合物、リグロイン等の鉱油、水などが挙げられ、結晶型の変換時の操作性、制御性を考慮すると、飽和脂肪族系溶媒、芳香族系溶媒、ハロゲン化芳香族系溶媒、アルコール系溶媒、鎖状、及び環状ケトン系溶媒、エステル系溶媒、鎖状、及び環状エーテル系溶媒、非プロトン性極性溶媒、水が好ましい。上記溶剤は、単独で用いても2種以上の混合溶剤として用いても良い。処理温度としては、用いる溶媒、混合溶媒の凝固点以上、沸点以下で行うことが可能であるが、安全性の面から、通常10℃以上200℃以下の範囲で行われる。使用溶媒の量としては、フタロシアニン組成物1部に対して、0.1重量部以上500重量部以下、生産性を考慮すると、1重量部以上250重量部以下の範囲で行うのが好ましい。
湿式磨砕装置としては、ボールミル、アトライター、ロールミル、サンドミル、ホモミキサー等を用いることができるが、前記手段等に限定されるものではない。湿式磨砕に用いる溶剤としては、公知の溶媒のいずれも用いることが可能である。公知の溶媒の例としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、オクタン、ノナン等の飽和脂肪族系溶媒、トルエン、キシレン、メチルナフタレン、ジフェニルメタン、アニソール等の芳香族系溶媒、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロナフタレン等のハロゲン化芳香族系溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール等のアルコール系溶媒、グリセリン、ポリエチレングリコール等の脂肪族多価アルコール類、アセトン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン等の鎖状、及び環状ケトン系溶媒、ギ酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル系溶媒、塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ等の鎖状、及び環状エーテル系溶媒、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、ヘキサメチルリン酸トリアミド等の非プロトン性極性溶媒、n−ブチルアミン、イソプロパノールアミン、ジエチルアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、トリエチレンジアミン、トリエチルアミン等の含窒素化合物、リグロイン等の鉱油、水などが挙げられ、湿式磨砕時の操作性を考慮すると、飽和脂肪族系溶媒、芳香族系溶媒、ハロゲン化芳香族系溶媒、アルコール系溶媒、鎖状、及び環状ケトン系溶媒、エステル系溶媒、鎖状、及び環状エーテル系溶媒、非プロトン性極性溶媒、水が好ましい。上記溶剤は、単独で用いても2種以上の混合溶剤として用いても良い。使用溶剤の量としては、フタロシアニン組成物1部に対し、1重量部以上200重量部以下、生産性を考慮すると、3重量部以上100重量部以下が好ましい。処理温度としては、溶剤の凝固点以上、沸点以下で行うことができるが、安全性を考慮すると、10℃以上100℃以下が好ましい。湿式磨砕における溶剤処理は、必要に応じてガラスビーズ、アルミナビーズ、スチールビーズ、ジルコニアビーズ等の公知の磨砕メディアを用いてミリング処理を行ってもよい。
湿式磨砕後に行う溶剤処理に用いる溶剤としては、前記乾式磨砕後の結晶変換、結晶制御に用いることが可能である溶剤と同様の溶剤を用いることが可能である。
アモルファス化した後の溶剤処理の方法としては、得られたアモルファス組成物を溶媒中に分散撹拌することにより処理、またはアモルファス組成物を溶媒蒸気に曝すことにより処理を行っても良い。また、溶媒処理は、アモルファス組成物の他に、ガラスビーズ、スチールビーズ、アルミナビーズ等の磨砕メディアと共に溶剤処理をすることも可能である。
<スペクトル強度比>
マススペクトルによる塩素化オキシチタニウムフタロシアニンの無置換オキシチタニウムフタロシアニンに対するスペクトル強度比は例えば以下の方法により測定することができる。
・測定用試料の調製;
オキシチタニウムフタロシアニン組成物0.50gをガラスビーズ(粒径φ1.0mm〜φ1.4mm)30g、シクロヘキサノン10gと共に50mlガラス容器に入れ、ペイントシェーカーで3時間振とうし、オキシチタニウムフタロシアニン分散液を作製する。この分散液1μlを10mlサンプルびんに採取し、クロロホルム5mlを加えて1時間超音波発振装置にて分散し、測定用の10ppm分散液を調製する。
・測定装置および測定条件;
マススペクトルの測定装置には、JEOL製 JMS−700を使用し、イオン化モード:DCI(−),反応ガス:イソブタン(イオン化室圧力1×10−5Torr),昇温条件:0→0.95A(1A/min),加速電圧:8.0KV,質量分析能:2000,スキャン法:MF−Linear,スキャン質量範囲:500〜680,全質量範囲スキャン時間:0.8秒,くり返し時間:0.5秒(スキャン時間0.05秒、待ち時間0.45秒)の測定条件で測定する。
・塩素化オキシチタニウムフタロシアニンの強度比;
測定用分散液1μlをDCIプローブのフィラメントに塗布し、マススペクトル測定を上記条件で実施した。得られたマススペクトルにおいて塩素化オキシチタニウムフタロシアニンの分子イオンに相当するm/Z:610および無置換オキシチタニウムフタロシアニンの分子イオンに相当するm/Z:576のイオンクロマトから得られるピーク面積の比([610]ピーク面積/[576]ピーク面積)をスペクトル強度比として算出する。
本発明のフタロニトリルと四塩化チタンを用い反応溶媒としてジアリールアルカン溶媒を用いた製造方法では、オキシチタニウムフタロシアニン組成物に含まれる塩素化オキシチタニウムフタロシアニンの含有量を好適な0.007以上0.070以下に制御することが容易にできる。
<X線回折スペクトル>
オキシチタニウムフタロシアニン組成物のCuKα特性X線に対する粉末回折スペクトルは、通常固体の粉末X線回折測定に用いられる方法に従って測定することができる。得られた本発明のオキシチタニウムフタロシアニン組成物はCuKα特性X線による粉末X線回折スペクトルにおいてブラッグ角(2θ±0.2°)27.3°に最大回折スペクトルを示す。これらの中でもブラッグ角(2θ±0.2°)26.3°には強い回折ピークを有さないものが好ましい。
本発明のオキシチタニウムフタロシアニン組成物を用いた電子写真感光体の感光層のCuKα特性X線に対する薄膜X線回折スペクトルは、粉末状態の配向性を維持して、ブラッグ角(2θ±0.2°)9.0°〜9.8°に少なくとも1つの強い回折ピーク、および27.3°に強い回折ピークを示し、且つ27.3°のピーク強度が9.0°〜9.8°中の最大ピークのピーク強度より10%以上大きく、しかも27.3°のピーク強度が全回折ピーク中で最大の回折ピークである。そして感光層のCuKα特性X線に対する薄膜X線回折スペクトルにおけるブラッグ角(2θ±0.2°)27.3°のピーク強度が9.0°〜9.8°中の最大ピークのピーク強度の115%よりも大きい方が好ましく、より好ましくは、125%よりも大きく、さらに好ましくは、130%よりも大きい。これは高感度となるからである。しかし、大きすぎると、分散に問題が生じる可能性がある為、27.3°のピーク強度が9.0°〜9.8°中の最大ピークのピーク強度の300%よりも小さいものが好ましく、より好ましくは、250%よりも小さく、さらに好ましくは200%よりも小さい。
本発明に係るオキシチタニウムフタロシアニン組成物を、電子写真感光体などの光電デバイスに使用する場合には、オキシチタニウムフタロシアニン組成物は、通常バインダー樹脂により層状に結着される。該層のCuKα特性X線による回折スペクトルは、該層自体のX線回折スペクトルを得ることができる方法であればどのような方法で測定しても構わないが、一例としては、感光層をガラス面上に形成し測定する方法が挙げられる。より具体的に、電子写真感光体の感光層のCuKα特性X線による回折スペクトルを測定する方法の一例を以下に示す。
1.サンプル作成方法;
無反射カバーガラスに10μm以上の膜厚となるよう感光層形成用塗布液を塗布し乾燥する。
2.測定装置および測定条件;
測定装置としては、人工多層膜ミラーにて単色平行化したCuKα線を線源とした薄膜試料用の回折計(株式会社リガク製 自動X線回折装置 RINT2000)、を用いた。測定条件は、X線出力50kV,250mA、固定入射角(θ)1.0°、走査範囲(2θ)3〜40°、スキャンステップ幅0.05°、入射ソーラースリット5.0°、入射スリット0.1mm、受光ソーラースリット0.1°で回折スペクトルを測定する。
3.ピーク強度について;
ピーク強度とは、得られたスペクトルのチャート上のピークの高さを表す。オキシチタニウムフタロシアニンの結晶構造解析によれば、ブラッグ角(2θ±0.2°)27.3°のピークはc軸方向に重なり合ったオキシチタニウムフタロシアニンのスタッキング距離を示し、この強度比が大きいほどc軸配向性が高いことが示唆されている。したがって、いわゆるD型オキシチタニウムフタロシアニンはc軸配向性を有する結晶と推定できる。しかしながら、従来知られたD型オキシチタニウムフタロシアニンは、層中に分散処理されると9.0゜〜9.8°中のピークが最大ピークとなり、感光層中では等方的な配列を示すものであった。これに対し、本発明のオキシチタニウムフタロシアニン組成物は、層中に分散された後も27.3゜のピークが最大であって、微細化処理してもc軸配向性が保たれる。そのため、従来のフタロシアニンより高感度を示すものと考えられる。
<電子写真感光体>
本発明に係るオキシチタニウムフタロシアニン組成物の産業上の利用可能性として、電子写真感光体への適用がある。本発明の電子写真感光体は、導電性支持体上に、本発明に係るオキシチタニウムフタロシアニン組成物を含有する感光層を設けたものであれば、その詳細な構成は制限されない。以下、代表的な構成について説明する。
<導電性支持体>
本発明で用いる導電性支持体としては、周知の電子写真感光体に採用されているものがいずれも使用できる。具体的には例えば、アルミニウム、ステンレス鋼、銅、ニッケル等の金属材料からなるドラム、シートあるいはこれらの金属箔のラミネート物、蒸着物、あるいは表面にアルミニウム、銅、パラジウム、酸化すず、酸化インジウム等の導電性層を設けたポリエステルフィルム、紙等の絶縁性支持体が挙げられる。更に、金属粉末、カーボンブラック、ヨウ化銅、高分子電解質等の導電性物質を適当なバインダーとともに塗布して導電処理したプラスチックフィルム、プラスチックドラム、紙、紙管等が挙げられる。また、金属粉末、カーボンブラック、炭素繊維等の導電性物質を含有し、導電性となったプラスチックのシートやドラムが挙げられる。そして、酸化スズ、酸化インジウム等の導電性金属酸化物で導電処理したプラスチックフィルムやベルトが挙げられる。
なかでもアルミニウム等の金属のエンドレスパイプが好ましい支持体である。アルミニウムまたはその合金のエンドレスパイプは、押し出し、引き抜き、しごき等の加工により成形される。成形したものをそのまま用いても良いし、更に切削、研削、研磨などの加工を加えたものでも良い。導電性支持体の表面には、画質に影響のない範囲で、例えば酸化処理や薬品処理等の各種の処理を施すことができる。
<ブロッキング層>
導電性基体と感光層との間には、通常使用されるような公知のブロッキング層が設けられていてもよい。ブロッキング層としては、例えばアルミニウムの陽極酸化被膜、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム等の無機層、ポリビニルメチルエーテル、ポリ−N−ビニルイミダゾール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、メチルセルロース、エチレン−アクリル酸共重合体、ポリエチレン、ポリエステル、フェノール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エポキシ樹脂、ポリビニルピリジン、ポリウレタン、ポリグルタミン酸、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、セルロース類、ゼラチン、デンプン、ポリウレタン、ポリイミド、ポリアミド等の有機層が使用される。有機層をブロッキング層として用いる場合には、単独あるいはチタニア、アルミナ、シリカ、酸化ジルコニウム等の金属酸化物あるいは銅、銀、アルミニウム等の金属微粉末を分散させてもよい。
また、ブロッキング層には、特にレーザー露光における干渉縞を防ぐ目的で、アルミナ、チタニア、シリカ等の金属酸化物微粒子や、使用するレーザー光波長を吸収することのできる有機または無機の色素、顔料粒子等を含有させてもよい。
これらのブロッキング層の膜厚は便宜設定できるが、通常0.05μm以上20μm以下、好ましくは0.1μm以上10μm以下の範囲である。
バインダー樹脂に対する、金属酸化物粒子または、色素、顔料粒子の含有割合は特に制限はないが、バインダー100重量部に対して、40重量部以上400重量部以下の範囲で使用することが、ブロッキング層を塗布する際の分散安定性、保存安定性、塗布性等の面で好ましい。
<感光層>
電子写真感光体の感光層は、電荷発生物質、電荷輸送物質およびバインダー樹脂を単一の層に含むような単層構造(以下、単層型感光体ということがある)でもよいし、電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物質を含有する電荷輸送層を積層した積層構造(以下、積層型感光体ということがある)でも構わない。該感光層は、本発明に係るオキシチタニウムフタロシアニン組成物を、他の電荷発生物質、電荷輸送物質、バインダー樹脂、溶媒等の他の原料とともに、サンドグラインドミル、ボールミル、アトライター、超音波発信装置等の分散機で分散させる等の公知の分散方法により得られた感光層形成用塗布液を、導電性支持体上に塗布し乾燥することによって形成することができる。特に、オキシチタニウムフタロシアニンとバインダー樹脂を含有する液を、サンドグラインドミル、および/または超音波発振装置により処理することにより得られる前記塗布液を導電性支持体上に塗布し乾燥することによって感光層を形成するのが好ましい。
・電荷発生物質;
電荷発生物質としては、本発明に係るオキシチタニウムフタロシアニン組成物を用いるが、本発明に係るオキシチタニウムフタロシアニン組成物とは異なる、公知の他の電荷発生物質を併用しても構わない。併用する電荷発生物質としては、例えば、フタロシアニン顔料、アゾ顔料、キナクリドン顔料、インジゴ顔料、ペリレン顔料、多環キノン顔料、アントアントロン顔料、ベンズイミダゾール顔料、スクワリウム顔料などの各種光導電性材料が挙げられる。
・電荷輸送物質;
電荷輸送物質としては、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルピレン、ポリグリシジルカルバゾール、ポリアセナフチレン等の高分子化合物、またはインドール誘導体、イミダゾール誘導体、ピラゾール誘導体、ピラゾリン誘導体、オキサジアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、チアジアゾール誘導体等の複素環化合物、アニリン誘導体、ヒドラゾン誘導体、カルバゾール誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体、アリールアミン誘導体等の低分子化合物、もしくはこれらが複数結合されたものが使用でき、これらの中でも、ヒドラゾン誘導体、カルバゾール誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体、アリールアミン誘導体、もしくはこれらが複数結合されたものが好適に用いられる。これらの電荷輸送物質は、単独でも、いくつかを混合して用いてもよい。
・積層型感光体;
積層型感光体の電荷発生層に用いられるバインダー樹脂に制限はなく、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ビニルアルコール、エチルビニルエーテル等のビニル化合物の重合体または共重合体、ポリビニルアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、セルロースエーテル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ケイ素樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。バインダー樹脂は、これらの樹脂の中の1種だけを用いても良いし、2種類以上の混合物であっても構わない。これらの樹脂の中でも、ポリビニルアセタール樹脂、フェノキシ樹脂が好適に用いられる。
電荷発生層形成用塗布液に用いる溶剤としては、メタノール、エタノール、プロパノールのようなアルコール類、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンのようなエーテル類、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノンのようなケトン類、トルエン、キシレンのような炭化水素類、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等の塩素化炭化水素類等が挙げられる。これらの溶媒の中から1種だけを用いても良いし、2種類以上の混合物であっても構わない。これらの溶媒の中でも、1,2−ジメトキシエタン、4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノンが好ましい。本発明のオキシチタニウムフタロシアニン組成物の結晶安定性を高めるからである。
電荷発生物質とバインダー樹脂の割合は、特に制限はないが、一般には電荷発生物質100重量部に対し、5重量部以上500重量部以下、好ましくは20重量部以上300重量部以下である。
電荷発生層の膜厚は、通常0.05μm以上5μm以下、好ましくは0.1μm以上2μm以下である。
積層型感光体の電荷輸送層は、前記電荷輸送物質とバインダーポリマーを溶媒に溶解して得られる塗布液を電荷発生層の上に塗布乾燥して得ることができる。
バインダーポリマーとしては、前記電荷輸送物質と相溶性が良く、塗膜形成後に電荷輸送物質が結晶化したり、相分離することのないポリマーが好ましい。それらの例としては、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ビニルアルコール、エチルビニルエーテル等のビニル化合物の重合体および共重合体、ポリビニルアセタール、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリウレタン、セルロースエステル、セルロースエーテル、フェノキシ樹脂、ケイ素樹脂、エポキシ樹脂および、上記記載の低分子化合物の電荷移動材料を主鎖または/および側鎖に導入した重合体等が挙げられる。これらの中でも、耐摩耗性などの機械的特性、溶液中での電荷輸送物質とバインダーポリマーの相溶性の点でポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂が好適に用いられる。
電荷輸送層形成用塗布液に用いる溶剤としては、メタノール、エタノール、プロパノールのようなアルコール類、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンのようなエーテル類、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノンのようなケトン類、トルエン、キシレンのような炭化水素類、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等の塩素化炭化水素類等が挙げられる。これらの溶媒の中から1種だけを用いても良いし、2種類以上の混合物であっても構わない。これらの溶媒の中でも、トルエン、テトラヒドロフランが好ましい。
バインダー樹脂と電荷輸送物質との割合は、バインダー樹脂に対して電荷輸送物質が少なすぎると電気特性が悪化するため、通常10重量部以上、好ましくは20重量部以上であり、特に好ましくは30重量部以上で用いられる。また、電荷輸送物質が多すぎると電荷輸送層の硬度が下がり、使用時の摩耗が大きくなったり、表面が傷つき画像欠陥が発生しやすくなることから、通常200重量部以下、好ましくは100重量部以下であり、特に好ましくは80重量部以下である。
電荷輸送層の膜厚は、通常10μm以上50μm以下、好ましくは13μm以上35μm以下の範囲で使用される。
電荷輸送層は必要に応じて電子吸引性化合物を添加しても良い。電子吸引性化合物としては、テトラシアノキノジメタン、ジシアノキノメタン、ジシアノキノビニル基を有する芳香族エステル類等のシアノ化合物、2,4,6−トリニトロフルオレノン等のニトロ化合物、ペリレン等の縮合多環芳香族化合物、ジフェノキノン誘導体、キノン類、アルデヒド類、ケトン類、エステル類、酸無水物、フタリド類、置換および無置換サリチル酸の金属錯体、置換および無置換サリチル酸の金属塩、芳香族カルボン酸の金属錯体、芳香族カルボン酸の金属塩が挙げられる。好ましくは、シアノ化合物、ニトロ化合物、縮合多環芳香族化合物、ジフェノキノン誘導体、置換および無置換サリチル酸の金属錯体、置換および無置換サリチル酸の金属塩、芳香族カルボン酸の金属錯体、芳香族カルボン酸の金属塩を用いるのがよい。
・単層型感光体;
単層型感光体の場合には、感光材料がバインダーに分散してなる公知のものが使用される。例えば、電荷発生物質を主成分として、バインダー樹脂に分散させたもの、電荷発生物質および電荷輸送物質を主成分として、バインダー樹脂に分散させたものが用いられる。これらの場合、電荷発生物質、電荷輸送物質およびバインダー樹脂には、積層型感光層で使用可能な公知のものが使用でき、中でもポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂が好適に用いられる。
また、感光層形成用塗布液の溶媒には、積層型感光層の電荷輸送層形成用に用いることのできる溶媒類を同様に好適に用いることができる。
例えば、電荷発生物質および電荷輸送物質を主成分として、バインダー樹脂に分散させたものの場合には、積層型感光体の電荷輸送層のような配合比の電荷輸送媒体中に、電荷発生物質が分散される。この場合の電荷発生物質の粒子径は充分小さいことが必要であり、好ましくは1μm以下、より好ましくは0.5μm以下で使用される。感光層内に分散される電荷発生物質の量は、少な過ぎると充分な感度が得られない一方で、多過ぎると帯電性の低下・感度の低下などの弊害があることから、通常0.5重量%以上、好ましくは1重量%以上、また、通常50重量%以下、好ましくは20重量%以下の範囲で使用される。単層型感光層の膜厚は、通常5μm以上、好ましくは10μm以上、また、通常100μm以下、好ましくは50μm以下の範囲である。
本発明の電子写真用感光体の感光層は成膜性、可とう性、塗布性、機械的強度、滑り性、オゾン,NOx等の耐ガス特性を向上させるために可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、無機粒子、樹脂粒子、ワックス、シリコーンオイル、レベリング剤を含有していてもよい。
<その他の機能層>
感光層の上に、機械的特性の向上およびオゾン,NOx等の耐ガス特性向上のために、オーバーコート層を用いても良い。更に必要に応じて、接着層、中間層、透明絶縁層等を有していてもよい。更に、ブロッキング層と感光層の間に更に中間層を設けても良い。
<層形成法>
ブロッキング層および感光層は、塗布液をスプレー法、スパイラル法、リング法、浸漬法等により導電性支持体上に塗布して形成させる。
スプレー法に用いるスプレーとしては、エアスプレー、エアレススプレー、静電エアスプレー、静電エアレススプレー、回転霧化式静電スプレー、ホットスプレー、ホットエアレススプレー等が挙げられる。膜厚を均一とするには、再公表平1−805198号公報に記載されている回転霧化式静電スプレーを用いる方法が好ましい。
スパイラル法としては、特開昭52−119651号公報に記載されている注液塗布機又はカーテン塗布機を用いた方法、特開平1−231966号公報に記載されている微小開口部から塗料を筋状に連続して飛翔させる方法、特開平3−193161号公報に開示されているマルチノズル体を用いた方法等が挙げられる。
浸漬法を以下に説明する。有機導電性化合物、バインダー、溶媒等を用いて好適な全固形分濃度が1%以上であってより好ましくは40%以下の、かつ粘度が通常1mPa・s〜700mPa・s以下、好ましくは1mPa・s〜500mPa・s以下の感光層塗布液を調製する。ここで、実質的に塗布液の粘度はバインダーポリマーの種類及びその分子量により決まるが、あまり分子量が低い場合にはポリマー自身の機械的強度が低下するためこれを損わない程度の分子量を持つバインダーポリマーを使用することが好ましい。この様にして調製された塗布液を用いて浸漬塗布法により感光層が形成される。 その後塗膜を乾燥させ、必要且つ充分な乾燥が行われる様に乾燥温度時間を調整すると良い。乾燥温度は通常100〜250℃好ましくは、110〜170℃さらに好ましくは、115〜140℃の範囲である。乾燥方法としては、熱風乾燥機、蒸気乾燥機、赤外線乾燥機及び遠赤外線乾燥機等を用いることができる。
このようにして得られる電子写真用感光体は高感度で、残留電位が低く帯電性が高く、かつ、繰返しによる変動が小さく、特に、マシン内で発生するガスやメンテナンス時の外光による画質低下が少ない、高性能高耐久感光体として用いることができる。又、750〜850nmあるいは580〜700nmの領域の感度が高いことから、特に該領域の半導体レーザーダイオードによる露光手段を持った半導体レーザープリンター用感光体に適している。
<画像形成装置>
次に、本発明の電子写真感光体を用いた画像形成装置(本発明の画像形成装置)の実施の形態について、装置の要部構成を示す図1を用いて説明する。但し、実施の形態は以下の説明に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り任意に変形して実施することができる。
図1に示すように、画像形成装置は、電子写真感光体1,帯電装置2,露光装置3及び現像装置4を備えて構成され、更に、必要に応じて転写装置5,クリーニング装置6及び定着装置7が設けられる。
電子写真感光体1は、上述した本発明の電子写真感光体であれば特に制限はないが、図1ではその一例として、円筒状の導電性支持体の表面に上述した感光層を形成したドラム状の感光体を示している。この電子写真感光体1の外周面に沿って、帯電装置2,露光装置3,現像装置4,転写装置5及びクリーニング装置6がそれぞれ配置されている。
帯電装置2は、電子写真感光体1を帯電させるもので、電子写真感光体1の表面を所定電位に均一帯電させる。帯電装置としては、コロトロンやスコロトロン等のコロナ帯電装置、電圧印加された直接帯電部材を感光体表面に接触させて帯電させる直接帯電装置(接触型帯電装置)帯電ブラシ等の接触型帯電装置などがよく用いられる。直接帯電手段の例としては、帯電ローラ、帯電ブラシ等の接触帯電器などが挙げられる。なお、図1では、帯電装置2の一例としてローラ型の帯電装置(帯電ローラ)を示している。直接帯電手段として、気中放電を伴う帯電、あるいは気中放電を伴わない注入帯電いずれも可能である。また、帯電時に印可する電圧としては、直流電圧だけの場合、及び直流に交流を重畳させて用いることもできる。
露光装置3は、電子写真感光体1に露光を行なって電子写真感光体1の感光面に静電潜像を形成することができるものであれば、その種類に特に制限はない。具体例としては、ハロゲンランプ、蛍光灯、半導体レーザーやHe−Neレーザー等のレーザー、LEDなどが挙げられる。また、感光体内部露光方式によって露光を行なうようにしてもよい。露光を行なう際の光は任意であるが、例えば波長が780nmの単色光、波長600nm〜700nmのやや短波長寄りの単色光、波長380nm〜500nmの短波長の単色光などで露光を行なえばよい。
現像装置4は、その種類に特に制限はなく、カスケード現像、一成分絶縁トナー現像、一成分導電トナー現像、二成分磁気ブラシ現像などの乾式現像方式や、湿式現像方式などの任意の装置を用いることができる。図1では、現像装置4は、現像槽41、アジテータ42、供給ローラ43、現像ローラ44、及び、規制部材45からなり、現像槽41の内部にトナーTを貯留している構成となっている。また、必要に応じ、トナーTを補給する補給装置(図示せず)を現像装置4に付帯させてもよい。この補給装置は、ボトル、カートリッジなどの容器からトナーTを補給することが可能に構成される。
供給ローラ43は、導電性スポンジ等から形成される。現像ローラ44は、鉄、ステンレス鋼、アルミニウム、ニッケルなどの金属ロール、又はこうした金属ロールにシリコン樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂などを被覆した樹脂ロールなどからなる。この現像ローラ44の表面には、必要に応じて、平滑加工や粗面加工を加えてもよい。
現像ローラ44は、電子写真感光体1と供給ローラ43との間に配置され、電子写真感光体1及び供給ローラ43に各々当接している。供給ローラ43及び現像ローラ44は、回転駆動機構(図示せず)によって回転される。供給ローラ43は、貯留されているトナーTを担持して、現像ローラ44に供給する。現像ローラ44は、供給ローラ43によって供給されるトナーTを担持して、電子写真感光体1の表面に接触させる。
規制部材45は、シリコーン樹脂やウレタン樹脂などの樹脂ブレード、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、真鍮、リン青銅などの金属ブレード、又はこうした金属ブレードに樹脂を被覆したブレード等により形成されている。この規制部材45は、現像ローラ44に当接し、ばね等によって現像ローラ44側に所定の力で押圧(一般的なブレード線圧は5〜500g/cm)される。必要に応じて、この規制部材45に、トナーTとの摩擦帯電によりトナーTに帯電を付与する機能を具備させてもよい。
アジテータ42は、回転駆動機構によってそれぞれ回転されており、トナーTを攪拌するとともに、トナーTを供給ローラ43側に搬送する。アジテータ42は、羽根形状、大きさ等を違えて複数設けてもよい。
転写装置5は、その種類に特に制限はなく、コロナ転写、ローラ転写、ベルト転写などの静電転写法、圧力転写法、粘着転写法など、任意の方式を用いた装置を使用することができる。ここでは、転写装置5が電子写真感光体1に対向して配置された転写チャージャー,転写ローラ,転写ベルト等から構成されるものとする。この転写装置5は、トナーTの帯電電位とは逆極性で所定電圧値(転写電圧)を印加し、電子写真感光体1に形成されたトナー像を記録紙(用紙,媒体)Pに転写するものである。
クリーニング装置6について特に制限はなく、ブラシクリーナー、磁気ブラシクリーナー、静電ブラシクリーナー、磁気ローラクリーナー、ブレードクリーナーなど、任意のクリーニング装置を用いることができる。クリーニング装置6は、感光体1に付着している残留トナーをクリーニング部材で掻き落とし、残留トナーを回収するものである。但し、感光体表面に残留するトナーが少ないか、殆ど無い場合には、クリーニング装置6は無くても構わない。
定着装置7は、上部定着部材(定着ローラ)71及び下部定着部材(定着ローラ)72から構成され、定着部材71又は72の内部には加熱装置73が備えられている。なお、図1では、上部定着部材71の内部に加熱装置73が備えられた例を示す。上部及び下部の各定着部材71,72は、ステンレス,アルミニウムなどの金属素管にシリコンゴムを被覆した定着ロール、更にテフロン(登録商標)樹脂で被覆した定着ロール、定着シートなどが公知の熱定着部材を使用することができる。更に、各定着部材71,72は、離型性を向上させる為にシリコーンオイル等の離型剤を供給する構成としてもよく、バネ等により互いに強制的に圧力を加える構成としてもよい。
記録紙P上に転写されたトナーは、所定温度に加熱された上部定着部材71と下部定着部材72との間を通過する際、トナーが溶融状態まで熱加熱され、通過後冷却されて記録紙P上にトナーが定着される。
なお、定着装置についてもその種類に特に限定はなく、ここで用いたものをはじめ、熱ローラ定着、フラッシュ定着、オーブン定着、圧力定着など、任意の方式による定着装置を設けることができる。
以上のように構成された電子写真装置では、次のようにして画像の記録が行なわれる。即ち、まず感光体1の表面(感光面)が、帯電装置2によって所定の電位(例えば−600V)に帯電される。この際、直流電圧により帯電させても良く、直流電圧に交流電圧を重畳させて帯電させてもよい。
続いて、帯電された感光体1の感光面を、記録すべき画像に応じて露光装置3により露光し、感光面に静電潜像を形成する。そして、その感光体1の感光面に形成された静電潜像の現像を、現像装置4で行なう。
現像装置4は、供給ローラ43により供給されるトナーTを、規制部材(現像ブレード)45により薄層化するとともに、所定の極性(ここでは感光体1の帯電電位と同極性であり、負極性)に摩擦帯電させ、現像ローラ44に担持しながら搬送して、感光体1の表面に接触させる。
現像ローラ44に担持された帯電トナーTが感光体1の表面に接触すると、静電潜像に対応するトナー像が感光体1の感光面に形成される。そしてこのトナー像は、転写装置5によって記録紙Pに転写される。この後、転写されずに感光体1の感光面に残留しているトナーが、クリーニング装置6で除去される。
トナー像の記録紙P上への転写後、定着装置7を通過させてトナー像を記録紙P上へ熱定着することで、最終的な画像が得られる。
なお、画像形成装置は、上述した構成に加え、例えば除電工程を行なうことができる構成としても良い。除電工程は、電子写真感光体に露光を行なうことで電子写真感光体の除電を行なう工程であり、除電装置としては、蛍光灯、LED等が使用される。また除電工程で用いる光は、強度としては露光光の3倍以上の露光エネルギーを有する光である場合が多い。
また、画像形成装置は更に変形して構成してもよく、例えば、前露光工程、補助帯電工程などの工程を行なうことができる構成としたり、オフセット印刷を行なう構成としたり、更には複数種のトナーを用いたフルカラータンデム方式の構成としてもよい。
なお、電子写真感光体1を、帯電装置2、露光装置3、現像装置4、転写装置5、クリーニング装置6、及び定着装置7のうち1つ又は2つ以上と組み合わせて、一体型のカートリッジ(以下適宜「電子写真感光体カートリッジ」という)として構成し、この電子写真感光体カートリッジを複写機やレーザービームプリンタ等の電子写真装置本体に対して着脱可能な構成にしてもよい。この場合、例えば電子写真感光体1やその他の部材が劣化した場合に、この電子写真感光体カートリッジを画像形成装置本体から取り外し、別の新しい電子写真感光体カートリッジを画像形成装置本体に装着することにより、画像形成装置の保守・管理が容易となる。
以下、実施例によって、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例によって制限されるものではない。
<製造例1>
窒素雰囲気下、フタロニトリル66.6gをジフェニルメタン353ml中に懸濁し、40℃で四塩化チタン15.0gとジフェニルメタン25mlの混合液を添加した。約1時間かけて205〜210℃まで昇温後、四塩化チタン10.0gとジフェニルメタン16mlの混合液を滴下し、205〜210℃で5時間反応させた。生成物を130〜140℃で熱濾過後、N−メチルピロリドン(以下、NMPということがある)、n−ブタノールで順次洗浄した。次いで、n−ブタノール600ml中にて加熱還流した後、NMP、水、メタノール懸洗を行い、乾燥してB型オキシチタニウムフタロシアニン47.0gを得た。このB型オキシチタニウムフタロシアニン20.0gを、ガラスビーズ(φ1.0mm〜φ1.4mm)120mlと共にペイントシェーカーにて25時間振とうし、メタノールでオキシチタニウムフタロシアニンを洗い出し、濾過して無定型のオキシチタニウムフタロシアニンを得た。このオキシチタニウムフタロシアニンを水210mlに懸濁させた後、更にトルエン40mlを添加して60℃にて1時間撹拌し、水をデカンテーションにて廃棄後、メタノール懸洗を行い、濾過、乾燥する結晶変換操作により、目的のオキシチタニウムフタロシアニン組成物19.0gを得た。
得られたオキシチタニウムフタロシアニン組成物の粉末のX線回折スペクトルは、以下のような方法で測定した。測定装置は、CuKα線を線源とした集中光学系の粉末X線回折計であるPANalytical社製のPW1700を使用した。測定条件は、X線出力40kV,30mA、走査範囲(2θ)3〜40°、スキャンステップ幅0.05°、走査速度3.0°/min、発散スリット1.0°、散乱スリット1.0°、受光スリット0.2mmとした。
得られたオキシチタニウムフタロシアニン組成物の、CuKα特性X線による粉末X線回折スペクトルを図2に示す。このX線回折スペクトルでは、ブラッグ角(2θ±0.2°)27.3°に最大回折ピークが観察された。
得られたオキシチタニウムフタロシアニン組成物のマススペクトルを図3に示すが、マススペクトルではm/z:576に無置換オキシチタニウムフタロシアニンのピーク、m/z:610に塩素化オキシチタニウムフタロシアニンのピークが観察され、無置換オキシチタニウムフタロシアニンのピーク強度に対する塩素化オキシチタニウムフタロシアニンのピーク強度比を5回測定したところ、0.026〜0.029の範囲であった。
<製造例2>
40℃で四塩化チタン18.8gとジフェニルメタン31mlの混合液を添加し、205〜210℃での滴下量を四塩化チタン6.2gとジフェニルメタン10mlの混合液にした以外は製造例1と同様に行い、B型オキシチタニウムフタロシアニン46.8gを得た。このB型オキシチタニウムフタロシアニン20.0gを製造例1と同様の結晶変換操作によって、目的のオキシチタニウムフタロシアニン組成物17.6gを得た。製造例1と同様の方法により、該オキシチタニウムフタロシアニン組成物のCuKα特性X線による粉末X線回折スペクトルを得たところ、ブラッグ角(2θ±0.2°)27.3°に最大回折ピークが観察された。該オキシチタニウムフタロシアニン組成物のマススペクトルにおいて、m/Z:576の無置換オキシチタニウムフタロシアニンのピーク強度に対する、m/z:610の塩素化オキシチタニウムフタロシアニンのピーク強度比を5回測定したところ、0.039〜0.043の範囲であった。
<製造例3>
40℃で四塩化チタン12.5gとジフェニルメタン21mlの混合液を添加し、205〜210℃での滴下量を四塩化チタン12.5gとジフェニルメタン21mlの混合液にした以外は、製造例1と同様に行い、B型オキシチタニウムフタロシアニン44.6gを得た。このB型オキシチタニウムフタロシアニン20.0gを、製造例1と同様の結晶変換操作によって、目的のオキシチタニウムフタロシアニン組成物16.1gを得た。製造例1と同様の方法により、該オキシチタニウムフタロシアニン組成物のCuKα特性X線による粉末X線回折スペクトルを得たところ、ブラッグ角(2θ±0.2°)27.3°に最大回折ピークが観察された。該オキシチタニウムフタロシアニン組成物のマススペクトルにおいて、m/z:576の無置換オキシチタニウムフタロシアニンのピークの強度に対する、m/z:610の塩素化オキシチタニウムフタロシアニンのピークの強度比は、5回測定したところ、0.020〜0.022の範囲であった。
<製造例4>
40℃で四塩化チタン22.5gとジフェニルメタン37mlの混合液を添加し、205〜210℃での滴下量を四塩化チタン2.5gとジフェニルメタン4mlの混合液にした以外は、製造例1と同様に行い、B型オキシチタニウムフタロシアニン48.2gを得た。このB型オキシチタニウムフタロシアニン20.0gを、製造例1と同様の結晶変換操作によって、目的のオキシチタニウムフタロシアニン組成物18.3gを得た。製造例1と同様の方法により、該オキシチタニウムフタロシアニン組成物のCuKα特性X線による粉末X線回折スペクトルを得たところ、ブラッグ角(2θ±0.2°)27.3°に最大回折ピークが観察された。該オキシチタニウムフタロシアニン組成物のマススペクトルにおいて、m/z:576の無置換オキシチタニウムフタロシアニンのピークの強度に対する、m/z:610の塩素化オキシチタニウムフタロシアニンのピークの強度比は、5回測定したところ、0.049〜0.053の範囲であった。
<製造例5>
40℃で四塩化チタン7.5gとジフェニルメタン12mlの混合液を添加し、205〜210℃での滴下量を四塩化チタン17.5gとジフェニルメタン29mlの混合液にした以外は製造例1と同様に行い、B型オキシチタニウムフタロシアニン42.7gを得た。このB型オキシチタニウムフタロシアニン20.0gを、製造例1と同様の結晶変換操作により処理し、オキシチタニウムフタロシアニン組成物18.2gを得た。製造例1と同様の方法により、該オキシチタニウムフタロシアニン組成物のCuKα特性X線による粉末X線回折スペクトルを得たところ、ブラッグ角(2θ±0.2°)27.3°に最大回折ピークが観察されたが、26.2°のピークが27.3°のピークに対してピーク強度で11.4%存在した。また、得られたオキシチタニウムフタロシアニン組成物のマススペクトルにおいて、m/z:576の無置換オキシチタニウムフタロシアニンのピークの強度に対する、m/z:610の塩素化オキシチタニウムフタロシアニンのピークの強度比は、5回測定したところ、0.012〜0.014の範囲であった。
<製造例6>
40℃で四塩化チタン2.5gとジフェニルメタン4mlの混合液を添加し、205〜210℃での滴下量を四塩化チタン22.5gとジフェニルメタン37mlの混合液にした以外は製造例1と同様に行い、B型オキシチタニウムフタロシアニン33.5gを得た。このB型オキシチタニウムフタロシアニン15.0gを製造例1と同様の結晶変換操作により処理し、オキシチタニウムフタロシアニン組成物12.8gを得た。製造例1と同様の方法により得た、該オキシチタニウムフタロシアニン組成物のCuKα特性X線による粉末X線回折スペクトルを図4に示す。このX線スペクトルでは、ブラッグ角(2θ±0.2°)27.3°に最大回折ピークが観察されたが、26.2°のピークも同時に存在した。このオキシチタニウムフタロシアニン組成物の粉末X線回折スペクトルでは、26.2°のピークが27.3°のピークに対してピーク強度で14.2%存在した。また、得られたオキシチタニウムフタロシアニン組成物のマススペクトルを図5に示す。このマススペクトルでの、m/z:576の無置換オキシチタニウムフタロシアニンのピークの強度に対する、m/z:610の塩素化オキシチタニウムフタロシアニンのピークの強度比は、5回測定したところ、0.0071〜0.0085の範囲であった。
<製造例7>
40℃で四塩化チタン25.0gとジフェニルメタン41mlの混合液を添加し、205〜210℃での滴下を行わない以外は製造例1と同様に行い、B型オキシチタニウムフタロシアニン43.7gを得た。このB型オキシチタニウムフタロシアニン20.0gを製造例1と同様の結晶変換操作によって、目的のオキシチタニウムフタロシアニン組成物18.9gを得た。製造例1と同様の方法により、該オキシチタニウムフタロシアニン組成物のCuKα特性X線による粉末X線回折スペクトルを図6に示す。このX線回折スペクトルではブラッグ角(2θ±0.2°)27.3°に最大回折ピークが観察された。得られたオキシチタニウムフタロシアニン組成物のマススペクトルを図7に示すが、m/Z:576の無置換オキシチタニウムフタロシアニンのピーク強度に対する、m/z:610の塩素化オキシチタニウムフタロシアニンのピーク強度比は、5回測定したところ、0.059〜0.061の範囲であった。
<比較製造例1>
窒素雰囲気下、フタロニトリル66.6gを1−クロロナフタレン436ml中に溶解し、200℃で四塩化チタン25.0gと1−クロロナフタレン21mlの混合液を滴下した。205〜210℃で5時間反応させた後、生成物を130〜140℃で熱濾過した。次いで、n−ブタノール580ml中にて加熱還流した後、水、NMP、メタノール懸洗を行い、乾燥してB型オキシチタニウムフタロシアニン48.7gを得た。このB型オキシチタニウムフタロシアニン30.0gをガラスビーズ(φ1.0mm〜φ1.4mm)200mlと共にペイントシェーカーにて20時間振とうし、メタノールでオキシチタニウムフタロシアニンを洗い出し、濾過して無定型のオキシチタニウムフタロシアニンを得た。このオキシチタニウムフタロシアニンを水625mlに懸濁させた後、更にオルトジクロロベンゼン48mlを添加して室温にて1時間撹拌し、水をデカンテーションにて廃棄後、メタノール懸洗を行い、濾過、乾燥する結晶変換操作により、目的のオキシチタニウムフタロシアニン組成物29.0gを得た。製造例1と同様の方法により得た、該オキシチタニウムフタロシアニン組成物のCuKα特性X線による粉末X線回折スペクトルを図8に示す。このX線回折スペクトルでは、ブラッグ角(2θ±0.2°)27.3°に最大回折ピークが観察された。このオキシチタニウムフタロシアニン組成物のマススペクトルを図9に示すが、該オキシチタニウムフタロシアニン組成物のマススペクトルにおいて、m/z:576の無置換オキシチタニウムフタロシアニンのピークの強度に対する、m/z:610の塩素化オキシチタニウムフタロシアニンのピークの強度比は、5回測定したところ、0.055〜0.057の範囲であった。
<比較製造例2>
窒素雰囲気下、フタロジニトリル66.6gをメチルナフタレン353ml中に懸濁し、室温で四塩化チタン12.5gとメチルナフタレン20mlの混合液を滴下し、205〜210℃で四塩化チタン12.5gとメチルナフタレン20mlの混合液を滴下した以外は製造例1と同様に行い、B型オキシチタニウムフタロシアニン45.7gを得た。このB型オキシチタニウムフタロシアニン20.0gを製造例1と同様の結晶変換操作によって、目的のオキシチタニウムフタロシアニン19.2gを得た。製造例1と同様の方法により得た、該オキシチタニウムフタロシアニン組成物のCuKα特性X線による粉末X線回折スペクトルを図10に示す。このX線回折スペクトルでは、ブラッグ角(2θ±0.2°)27.3°に最大回折ピークが観察された。得られたオキシチタニウムフタロシアニン組成物のマススペクトルを図11に示すが、m/Z:576の無置換オキシチタニウムフタロシアニンのピーク強度に対する、m/z:610の塩素化オキシチタニウムフタロシアニンのピークの強度比は5回測定したところ、0.001〜0.004の範囲であり、塩素化オキシチタニウムフタロシアニン量は非常に少なかった。
<比較製造例3>
製造例1と同様にして合成したB型オキシチタニウムフタロシアニン25.0gを−5℃以下に冷却した95重量%硫酸625g中にゆっくり添加し、撹拌溶解した。添加終了後、−5℃以下で2時間撹拌し、グラスフィルターで濾過して不溶物を濾別した。この硫酸溶液を氷水6250g中に放出し、結晶を析出させた。1時間撹拌後、結晶を濾過し、次いで洗浄液が中性になるまで水洗を繰り返し、無定型のオキシチタニウムフタロシアニンのウエットケーキを得た。このウエットケーキを水260mlに懸濁させた後、更にトルエン50mlを添加して60℃にて1時間撹拌し、水をデカンテーションにて廃棄後、メタノール懸洗を行い、濾過、乾燥して目的のオキシチタニウムフタロシアニン組成物22.0gを得た。製造例1と同様の方法により得た、該オキシチタニウムフタロシアニン組成物のCuKα特性X線による粉末X線回折スペクトルを図17に示す。このX線回折スペクトルでは、ブラッグ角(2θ±0.2°)27.3°に最大回折ピークが観察された。
<比較製造例4>
比較製造例3と同様にして合成した無定型のオキシチタニウムフタロシアニンのウエットケーキに、1,2−ジクロロエタン625mlを添加して室温にて2時間撹拌後、更にメタノール1000mlを添加し、室温にて1時間撹拌後、濾過した。これをメタノール懸洗し、濾過、乾燥して目的のオキシチタニウムフタロシアニン組成物22.4gを得た。製造例1と同様の方法により、該オキシチタニウムフタロシアニン組成物のCuKα特性X線による粉末X線回折スペクトルを得たところ、ブラッグ角(2θ±0.2°)27.3°に最大回折ピークが観察された。
<比較製造例5>
窒素雰囲気下、フタロジニトリル66.6gをジフェニルエーテル353ml中に懸濁し、40℃で四塩化チタン25.0gを滴下し、205〜210℃で5時間反応させた。生成物を130〜140℃で熱濾過したところ、この粗ジクロロチタニウムフタロシアニンの時点で22.6g、ジフェニルメタン溶媒の半量以下しかなく低収率であった。
<比較製造例6>
窒素雰囲気下、フタロジニトリル66.6gをスルホラン353ml中に懸濁し、40℃で四塩化チタン25.0gを滴下し、205〜210℃で5時間反応させた。生成物を130〜140℃で熱濾過したところ、この粗ジクロロチタニウムフタロシアニンの時点で22.0g、ジフェニルメタン溶媒の半量以下しかなく低収率であった。
<実施例1>
二軸延伸ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム(厚み75μm)の表面にアルミニウム蒸着層(厚み70nm)を形成した導電性支持体を用い、その支持体のアルミニウム蒸着層上に、下記の下引き層用分散液をバーコーターにより、乾燥後の膜厚が1.25μmとなるように塗布し、乾燥させて下引き層を形成した。
下引き層用分散液は、次のようにして製造した。即ち、平均一次粒子径40nmのルチル型酸化チタン(石原産業社製「TTO55N」)と、該酸化チタンに対して3重量%のメチルジメトキシシラン(東芝シリコーン社製「TSL8117」)とを、高速流動式混合混練機((株)カワタ社製「SMG300」)に投入し、回転周速34.5m/秒で高速混合して得られた表面処理酸化チタンを、メタノール/1−プロパノールの混合溶媒中でボールミルにより分散させることにより、疎水化処理酸化チタンの分散スラリーとした。該分散スラリーと、メタノール/1−プロパノール/トルエンの混合溶媒、及び、ε−カプロラクタム[下記式(A)で表わされる化合物]/ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン[下記式(B)で表わされる化合物]/ヘキサメチレンジアミン[下記式(C)で表わされる化合物]/デカメチレンジカルボン酸[下記式(D)で表わされる化合物]/オクタデカメチレンジカルボン酸[下記式(E)で表わされる化合物]の組成モル比率が、75%/9.5%/3%/9.5%/3%からなる共重合ポリアミドのペレットとを加熱しながら撹拌、混合してポリアミドペレットを溶解させた後、超音波分散処理を行なうことにより、メタノール/1−プロパノール/トルエンの重量比が7/1/2で、疎水性処理酸化チタン/共重合ポリアミドを重量比3/1で含有する、固形分濃度18.0%の下引き層用分散液とした。
Figure 2007197685
電荷発生物質として、製造例1で製造した、図2に示すCuKα特性X線に対する粉末X線回折スペクトルパターンを有するオキシチタニウムフタロシアニン組成物20重量部と1,2−ジメトキシエタン280重量部を混合し、サンドグラインドミルで2時間分散して分散液を作製した。続いて、前記分散液、ポリビニルブチラール(電気化学工業(株)製、商品名「デンカブチラール」#6000C)の2.5重量%1,2−ジメトキシエタン溶液400重量部、および1,2−ジメトキシエタン170重量部を混合して電荷発生層用塗布液を調製した。
この電荷発生層用塗布液を無反射カバーガラスに乾燥後の膜厚が10μm以上となるよう塗布し、室温にて乾燥させて、感光層のX線回折スペクトル測定用サンプルを作製した。
測定装置として、人工多層膜ミラーにて単色平行化したCuKα線を線源とした薄膜試料用の回折計(株式会社リガク製 自動X線回折装置 RINT2000)、を用いた。測定条件は、X線出力50kV,250mA、固定入射角(θ)1.0°、走査範囲(2θ)3〜40°、スキャンステップ幅0.05°、入射ソーラースリット5.0°、入射スリット0.1mm、受光ソーラースリット0.1°で、この感光層のX線回折スペクトル測定用サンプルのCuKα特性X線によるX線回折スペクトルを測定した。このX線回折スペクトルを図12に示す。このX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2°)27.3°のピーク強度は9.5°のピーク強度に対して72%大きかった。
次に、前記下引き層上に、この電荷発生層用塗布液を、乾燥後の膜厚が0.4μmとなるようにバーコーターで塗布し、乾燥して電荷発生層を形成した。
この電荷発生層上に、電荷輸送物質として以下に示す構造を主体とする、特開2002−080432公報記載の組成物(A)を50重量部、下記構造のバインダー樹脂(A)(粘度平均分子量、40000)100重量部、およびレベリング剤としてシリコーンオイル0.05重量部をテトラヒドロフラン/トルエン(重量比8/2)混合溶媒640重量部に溶解させた液を乾燥後の膜厚が25μmとなるように塗布し、125℃で20分間乾燥して、電荷輸送層を設けて電子写真感光体を作製した。この感光体を感光体1Aとする。
Figure 2007197685
<実施例2>
電荷発生物質として、製造例2で得られたオキシチタニウムフタロシアニン組成物20重量部を用いた他は実施例1と同様にして電荷発生層用塗布液を作製した。この電荷発生層用塗布液を無反射カバーガラスに乾燥後の膜厚が10μm以上となるよう塗布し、室温にて乾燥させて、感光層のX線回折スペクトル測定用サンプルを作製して、実施例1と同様にしてX線回折スペクトルを測定した。このX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2°)27.3°のピーク強度は9.6°のピーク強度に対して56%大きかった。 さらに該電荷発生層用塗布液を用いた他は、実施例1と同様の操作を行い、感光体2Aを作製した。
<実施例3>
電荷発生物質として、製造例3で得られたオキシチタニウムフタロシアニン組成物20重量部と、1,2−ジメトキシエタン280重量部を混合し、超音波発振装置(BRANSON社製SH1216−40−18、動作周波数40kHz、超音波出力750W)を用いて1時間分散処理して分散液を作製した。該分散液と、10重量部のポリビニルブチラール(電気化学工業(株)製、商品名「デンカブチラール」#6000C)、253重量部の1,2−ジメトキシエタン、85重量部の4−メチル−4−メトキシ−2−ペンタノンを混合し、さらに1,2−ジメトキシエタン527重量部で希釈し、得られた液を超音波発振装置で1時間分散して電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を無反射カバーガラスに乾燥後の膜厚が10μm以上となるよう塗布し、室温にて乾燥させて、感光層のX線回折スペクトル測定用サンプルを作製して、実施例1と同様にしてX線回折スペクトルを測定した。このX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2°)27.3°のピーク強度は9.6°のピーク強度に対して100%大きかった。また、該電荷発生層用塗布液を用いて実施例1と同様の操作を行い、感光体3Aを作製した。
<実施例4>
電荷発生物質として、製造例4で得られたオキシチタニウムフタロシアニン組成物20重量部を用いた他は実施例1と同様にして感光層のX線回折スペクトルを測定し、感光体4Aを作製した。このX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2°)27.3°のピーク強度は9.6°のピーク強度に対して32%大きかった。
<実施例5>
電荷発生物質として、製造例5で得られたオキシチタニウムフタロシアニン組成物20重量部を用いた他は実施例1と同様にして感光層のX線回折スペクトルを測定し、感光体5Aを作製した。このX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2°)27.3°のピーク強度は9.6°のピーク強度に対して55%大きかった。26.2°のピーク強度は製造時の粉末X線回折スペクトルと比較すると大きくなった。
<実施例6>
電荷発生物質として、製造例6で得られた図4に示すCuKα特性X線に対する粉末X線回折スペクトルパターンを有するオキシチタニウムフタロシアニン組成物20重量部を用いた他は実施例1と同様にして感光層のX線回折スペクトルを測定し、感光体6Aを作製した。このX線回折スペクトルを図13に示す。このX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2°)27.3°のピーク強度は9.6°のピーク強度に対して52%大きかった。26.2°のピーク強度は製造時の粉末X線回折スペクトル図4と比較すると大きくなった。
<実施例7>
電荷発生物質として、製造例7で得られた図5に示すCuKα特性X線に対する粉末X線回折スペクトルパターンを有するオキシチタニウムフタロシアニン組成物20重量部を用いた他は実施例1と同様にして感光層のX線回折スペクトルを測定し、感光体7Aを作製した。このX線回折スペクトルを図14に示す。このX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2°)27.3°のピーク強度は9.6°のピーク強度に対して27%大きかった。
<比較実施例1>
電荷発生物質として、比較製造例1で得られた図8に示すCuKα特性X線に対する粉末X線回折スペクトルパターンを有するオキシチタニウムフタロシアニン組成物20重量部を用いた他は実施例1と同様の操作を行った。この感光層のX線回折スペクトルを図15に示す。このX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2°)27.3°のピーク強度は9.3°のピーク強度より小さくなり85%しかなかった。さらに実施例1と同様の操作を行い、感光体1Bを作製した。
<比較実施例2>
電荷発生物質として、比較製造例2で得られた図10に示すCuKα特性X線に対する粉末X線回折スペクトルパターンを有するオキシチタニウムフタロシアニン組成物20重量部を用いた他は実施例1と同様の操作を行った。この感光層のX線回折スペクトルを図16に示す。このX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2°)27.3°のピーク強度は9.3°のピーク強度より小さくなり66%しかなかった。さらに実施例1と同様の操作を行い、感光体2Bを作製した。
<比較実施例3>
電荷発生物質として、比較製造例3で得られた図17に示すCuKα特性X線に対する粉末X線回折スペクトルパターンを有するオキシチタニウムフタロシアニン組成物20重量部を用いた他は実施例1と同様の操作を行った。この感光層のX線回折スペクトルを図18に示す。このX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2°)27.3°のピーク強度は9.3°のピーク強度より小さくなり63%しかなかった。さらに実施例1と同様の操作を行い、感光体3Bを作製した。
<比較実施例4>
電荷発生物質として、比較製造例4で得られたオキシチタニウムフタロシアニン組成物20重量部を用いた他は実施例1と同様の操作を行った。この感光層のX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2°)27.3°のピーク強度は9.3°のピーク強度より小さくなり60%しかなかった。さらに実施例1と同様の操作を行い、感光体4Bを作製した。
<感光体の電気特性評価>
得られた感光体1A〜7Aおよび感光体1B〜3Bを電子写真学会測定標準に従って作製された電子写真特性評価装置(続電子写真技術の基礎と応用、電子写真学会編、コロナ社、404〜405頁記載)に装着し、帯電、露光、電位測定、除電のサイクルによる電気特性の評価を行った。
気温25℃、湿度50%の条件下で感光体の初期表面電位が−700Vとなるように帯電させ、ハロゲンランプの光を干渉フィルターで780nmの単色光とした光を照射して、表面電位が−350Vとなる時の照射エネルギー(μJ/cm)を感度とした。また、除電光に660nmのLED光を約8μJ/cmの強度で照射した時の表面電位を測定し、これを残留電位(−V)とした。その結果を表1に示す。
Figure 2007197685
表1に示した結果のように、反応溶媒として、アリール基がアルキリデン基により連結された構造を有するジアリールアルカンであるジフェニルメタンを用いて、機械的磨砕処理により製造したオキシチタニウムフタロシアニン組成物を用いて作製した感光体1A〜7Aは、クロロナフタレンや、メチルナフタレンを反応溶媒として製造したオキシチタニウムフタロシアニン組成物を用いて作製した感光体1B、2B、ジフェニルメタンを反応溶媒として酸ペースト処理により製造したオキシチタニウムフタロシアニン組成物を用いて作製した感光体3B、4Bに比べ、感度、残留電位共に、良好な結果が得られた。
CuKα特性X線による粉末X線回折スペクトルにおいてブラッグ角(2θ±0.2°)27.3°に最大回折ピークを示すオキシチタニウムフタロシアン組成物であって、原料としてフタロニトリルと四塩化チタンを使用し、反応溶媒としてアリール基がアルキリデン基により連結された構造を有するジアリールアルカン溶媒を用いて、機械的磨砕処理により製造したオキシチタニウムフタロシアン組成物を用いることにより、プリンター、ファクシミリ、複写機等の電子写真装置に適用可能で、高感度、低残留電位で高性能な電子写真感光体を提供することができる。
本発明の画像形成装置の一実施態様の要部構成を示す概略図である。 製造例1で得られたD型オキシチタニウムフタロシアニン組成物の粉末X線回折スペクトルである。 製造例1で得られたD型オキシチタニウムフタロシアニン組成物のマススペクトルである。 製造例6で得られたD型オキシチタニウムフタロシアニン組成物の粉末X線回折スペクトルである。 製造例6で得られたD型オキシチタニウムフタロシアニン組成物のマススペクトルである。 製造例7で得られたD型オキシチタニウムフタロシアニン組成物の粉末X線回折スペクトルである。 製造例7で得られたD型オキシチタニウムフタロシアニン組成物のマススペクトルである。 比較製造例1で得られたD型オキシチタニウムフタロシアニン組成物の粉末X線回折スペクトルである。 比較製造例1で得られたD型オキシチタニウムフタロシアニン組成物のマススペクトルである。 比較製造例2で得られたD型オキシチタニウムフタロシアニン組成物の粉末X線回折スペクトルである。 比較製造例2で得られたD型オキシチタニウムフタロシアニン組成物のマススペクトルである。 製造例1で得られたD型オキシチタニウムフタロシアニン組成物の薄膜X線回折スペクトルである。 実施例6で得られたD型オキシチタニウムフタロシアニン組成物の薄膜X線回折スペクトルである。 実施例7で得られたD型オキシチタニウムフタロシアニン組成物の薄膜X線回折スペクトルである。 比較実施例1で得られたD型オキシチタニウムフタロシアニン組成物の薄膜X線回折スペクトルである。 比較実施例2で得られたD型オキシチタニウムフタロシアニン組成物の薄膜X線回折スペクトルである。 比較実施例3で得られたD型オキシチタニウムフタロシアニン組成物の粉末X線回折スペクトルである。 比較実施例3で得られたD型オキシチタニウムフタロシアニン組成物の薄膜X線回折スペクトルである。
符号の説明
1 感光体
2 帯電装置(帯電ローラ)
3 露光装置
4 現像装置
5 転写装置
6 クリーニング装置
7 定着装置
41 現像槽
42 アジテータ
43 供給ローラ
44 現像ローラ
45 規制部材
71 上部定着部材(定着ローラ)
72 下部定着部材(定着ローラ)
73 加熱装置
T トナー
P 記録紙

Claims (4)

  1. CuKα特性X線による粉末X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2°)27.3°に最大回折ピークを示すオキシチタニウムフタロシアン組成物の製造方法において、原料としてフタロニトリルと四塩化チタンを使用し、反応溶媒としてアリール基がアルキリデン基により連結された構造を有するジアリールアルカン溶媒を用いて、機械的磨砕処理により製造することを特徴とする、オキシチタニウムフタロシアニン組成物の製造方法。
  2. CuKα特性X線による粉末X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2°)27.3°に最大回折ピークを示すオキシチタニウムフタロシアニンであって、原料としてフタロニトリルと四塩化チタンを使用し、反応溶媒としてアリール基がアルキリデン基により連結された構造を有するジアリールアルカン溶媒を用いて、機械的磨砕処理により製造されたことを特徴とする、オキシチタニウムフタロシアン組成物。
  3. 導電性支持体上に、感光層を有する電子写真感光体において、該感光層が請求項2に記載のオキシチタニウムフタロシアニン組成物を含有することを特徴とする、電子写真感光体。
  4. 請求項3に記載の電子写真感光体と、該電子写真感光体を帯電させる帯電装置と、帯電した該電子写真感光体を露光させ静電潜像を形成する露光装置と、該電子写真感光体上に形成された静電潜像を現像する現像装置とを備えることを特徴とする、画像形成装置。
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