JP2004145284A - チタニルフタロシアニン化合物、電子写真感光体および画像形成装置 - Google Patents

チタニルフタロシアニン化合物、電子写真感光体および画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】良好な感度特性を有する感光層を安定して形成することが可能な、貯蔵安定性に優れた塗工液を製造しうる、新規なチタニルフタロシアニンと、それを用いた感度特性に優れた電子写真感光体とを提供する。
【解決手段】チタニルフタロシアニンは、下記(a)または(b)の特徴を有する。
(a) CuKα特性X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角2θ±0.2°=27.2°に最大のピークを有するとともに、7.4°にピークを有さず、示差走査熱量分析において、吸着水の気化に伴なうピーク以外は50℃から400℃まで温度変化のピークを有さない。
(b) 有機溶媒中に7日間、浸漬したのち回収した結晶が、CuKα特性X線回折スペクトルにおいて、少なくともブラッグ角2θ±0.2°=27.2°に最大ピークを有するとともに、7.4°にピークをない。
電子写真感光体は、上記チタニルフタロシアニンを含む感光層を有する。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、チタニルフタロシアニン化合物から形成される新規なチタニルフタロシアニン化合物、当該化合物を電荷発生剤として用いた電子写真感光体、および当該感光体を用いる静電式複写機、レーザープリンタ、ファクシミリ、およびこれらの機能を併せ持つ複合装置などの画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
静電式複写機、レーザープリンタ、ファクシミリなどの画像形成装置には電子写真感光体が使用される。
【0003】
電子写真感光体としては、下記の各成分を組み合わせて形成するいわゆる有機感光体が広く使用されている。
・光照射により電荷(正孔と電子)を発生する電荷発生剤。
・発生した電荷を輸送する電荷輸送剤。電荷輸送剤は、電荷のうち正孔を輸送する正孔輸送剤と、電子を輸送する電子輸送剤に大別される。
・成膜性を有する結着樹脂。
【0004】
有機感光体は、無機半導体材料を用いた無機感光体に比べて製造が容易であるという利点を有している。
【0005】
また有機感光体は、上記電荷発生剤、電荷輸送剤、結着樹脂などの材料の選択肢が多様であり、機能設計の自由度が大きいという利点もある。
【0006】
上記有機感光体は、導電性基体上に、単層型もしくは積層型の感光層を形成することで構成される。
【0007】
このうち単層型感光層は、電荷発生剤、電荷輸送剤(正孔輸送剤および/または電子輸送剤)および結着樹脂を同一の層に含有する光導電層単独で構成されるものである。
【0008】
また積層型感光層は、電荷発生剤を含有する電荷発生層、電荷輸送剤(正孔輸送剤または電子輸送剤)を含有する電荷輸送層、上記光導電層の内、少なくと2種類の層を積層することで形成される。
【0009】
電荷発生剤としては、感光体の感度域に応じて種々の顔料が使用される。例えば半導体レーザーや赤外線LEDなどから照射される赤外ないし近赤外の波長の光に感応する感光体用の電荷発生剤としては、フタロシアニン系顔料が広く使用される。
【0010】
上記フタロシアニン系顔料には、その化学構造によって無金属フタロシアニン化合物、銅フタロシアニン化合物、チタニルフタロシアニン化合物などがある。また、そのそれぞれが種々の結晶型をとりうる。
【0011】
このため、電荷発生剤として優れた、最適な結晶を見出すべく、種々のフタロシアニン化合物の、種々の結晶型を有する結晶が、多くの研究者によって検討されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
例えば特許文献1には、チタニルフタロシアニンの、Y型の結晶型を有する化合物が、同じチタニルフタロシアニンの、他の結晶型を有する化合物に比べて電荷発生剤としての感度特性に優れ、電子写真感光体の感度向上に寄与しうることが示されている。
【0013】
上記Y型のチタニルフタロシアニン化合物を電荷発生剤として使用した単層型感光層用の、もしくは積層型感光層のうち電荷発生層用の塗工液は、当該結晶を他の成分とともに有機溶媒に加えて、均一に分散することで製造される。
【0014】
そして上記塗工液を、その製造直後、およそ60分以内の時点で下地上に塗布し、乾燥して形成した層は、上記公報に記載のとおり感度特性に優れたものとなる。
【0015】
ところが上記塗工液を、製造後に一定期間(例えば24時間)、貯蔵したのち下地上に塗布し、乾燥して形成した層は、上記製造直後の塗工液を使用して形成した層に比べて、その感度特性が著しく低下するという問題を生じることが、本発明者らの検討によって明らかとなった。
【0016】
つまり上記公報に記載のY型のチタニルフタロシアニン化合物を用いて製造した塗工液は貯蔵安定性が悪いため、良好な感度特性を有する感光層を安定して形成できないという問題を有することが判明した。
【0017】
また、特許文献2には、塗布液製造後、24時間経過しても感度特性の良好な電子写真感光体が開示されている。
【0018】
しかしながら、感光体の生産時に、塗布装置内の塗布液の循環時間、銘柄切り替えに伴う塗布液の保管などを考慮すると、更なる貯蔵安定性(例えば7日間)が必要となる。
【0019】
本発明の主たる目的は、良好な感度特性を有する感光層を安定して形成することが可能な、貯蔵安定性に優れた塗工液を製造しうる、新規なチタニルフタロシアニンを提供することにある。
【0020】
本発明の他の目的は、上記チタニルフタロシアニンを用いた、感度特性に優れた電子写真感光体を提供することにある。
【0021】
本発明の他の目的は、上記電子写真感光体を搭載した、かぶりの無い良好な画像を得ることができる画像形成装置を提供することにある。
【0022】
【特許文献1】特許第2907121号公報
【0023】
【特許文献2】特開2001−181531号公報
【0024】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明者らは、前記公報に記載の、従来のチタニルフタロシアニンを用いた塗工液の貯蔵安定性が悪化する原因について検討を行った。その結果、下記の事実を見出した。
【0025】
すなわち従来のチタニルフタロシアニンは、塗工液に含まれる、テトラヒドロフランなどの有機溶媒中での安定性が悪い。このため塗工液を一定期間に亘って貯蔵した際に、その結晶型が、感度特性のよくない型に徐々に変化する結晶転移を起こしやすいと考えられる。このため、かかる塗工液を使用して形成した層は、製造後、時間がたつほど、良好な感度特性が得られなくなる傾向を示す。
【0026】
そこで本発明者らは、チタニルフタロシアニンの、有機溶媒中での安定性を向上すべく、その物性について検討した。
【0027】
その結果、下記の物性を満足するチタニルフタロシアニン結晶が、後述する実施例、比較例の結果からも明らかなように、従来のチタニルフタロシアニンに比べて有機溶媒中での安定性に優れており、結晶転移を起こしにくいため、貯蔵安定性に優れた塗工液を形成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0028】
すなわち、本発明のチタニルフタロシアニンは、CuKα特性X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角2θ±0.2°=27.2°に最大のピークを有するとともに、7.4°にピークを有さず、示差走査熱量分析において、吸着水の気化に伴なうピーク以外は50℃から400℃まで温度変化のピークを有さないことを特徴とする。
【0029】
本発明の電子写真感光体は、導電性基体上に上記本発明のチタニルフタロシアニンを含有する感光層を有することを特徴とする。
【0030】
本発明の画像形成装置は、本発明の電子写真感光体と、前記感光体を一定方向に駆動する駆動手段と、前記感光体の駆動方向に沿って帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段がこの順に設けられていることを特徴とする。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を説明する。
〈チタニルフタロシアニン〉
本発明のチタニルフタロシアニンは、CuKα特性X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角2θ±0.2°=27.2°に最大のピークを有するとともに、7.4°にピークを有さず、示差走査熱量分析において、吸着水の気化に伴なうピーク以外は50℃から400℃まで温度変化のピークを有さない。
【0032】
さらに、本発明のチタニルフタロシアニンは、有機溶媒中に7日間、浸漬したのち回収した結晶が、CuKα特性X線回折スペクトルにおいて、少なくともブラッグ角2θ±0.2°=27.2°に最大ピークを有するとともに、7.4°にピークを有さないことが好ましい。
【0033】
また、上記回収したチタニルフタロシアニンは、示差走査熱量分析において、吸着水の気化に伴なうピーク以外は50℃から400℃まで温度変化のピークを有さないことが好ましい。
【0034】
上記チタニルフタロシアニンとしては、一般式(1):
【0035】
【化2】
Figure 2004145284
【0036】
〔式中、X, X, XおよびXは同一または異なって、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、シアノ基、またはニトロ基を示し、a, b, cおよびdは同一または異なって0〜4の整数を示す。〕
で表される分子構造であることが好ましい。
【0037】
以上に加えて、CuKα特性X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角2θ±0.2°=26.2°にピークを有さないチタニルフタロシアニンがより一層好ましい。
【0038】
前記(b)においてチタニルフタロシアニンを浸漬する有機溶媒としては、前述したテトラヒドロフランの他、トルエン、ジクロロメタン、1,4−ジオキサンなどの1種または2種以上が挙げられる。
【0039】
結晶の安定性を評価する基準となる有機溶媒中への浸漬は、塗工液を実際に保管する際と同じ条件下で行えばよい。例えば温度23±1℃、相対湿度50〜60%の条件下の、密閉系中で放置するのがよい。
【0040】
前記一般式(1)中のX〜Xに相当するハロゲン原子としてはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素などが挙げられる。またアルキル基としては、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシルなどの、炭素数1〜6のアルキル基が挙げられる。さらにアルコキシ基としては、例えばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシなどの、炭素数1〜6のアルコキシ基が挙げられる。
【0041】
上記チタニルフタロシアニンの好適な例としては、前記一般式(1)中のX〜Xがいずれも同じ基Xで、かつその置換数を示すa〜dがいずれも同じ数eである、一般式(11):
【0042】
【化3】
Figure 2004145284
【0043】
〔式中、Xはハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、シアノ基、またはニトロ基を示し、eは0〜4の整数を示す。〕
で表される化合物が挙げられる。中でもeが0である、式(11−1):
【0044】
【化4】
Figure 2004145284
【0045】
で表される無置換のチタニルフタロシアニンが最も好適に使用される。
【0046】
前記一般式(11)で表され、かつ前述した(a)または(b)の物性を満足するチタニルフタロシアニンを製造するには、まず下記反応工程式:
【0047】
【化5】
Figure 2004145284
【0048】
〔式中、Xおよびeは前記と同じである。またRは、前記と同じ炭素数1〜6のアルキル基を示し、特にn−ブチルが好ましい。〕
に示すように、フタロニトリルまたはその誘導体(11a)とチタンアルコキシド(11b)とを反応させるか、あるいは下記反応工程式:
【0049】
【化6】
Figure 2004145284
【0050】
〔式中、Xおよびeは前記と同じである。またRは、前記と同じ炭素数1〜6のアルキル基を示し、特にn−ブチルが好ましい。〕
に示すように、1,3−ジイミノインドリンまたはその誘導体(11c)とチタンアルコキシド(11b)とを反応させるなどして、チタニルフタロシアニン化合物(11)を合成する。
【0051】
上記反応に用いる溶媒としては、例えばキシレン、ナフタレン、メチルナフタレン、テトラリン、ニトロベンゼンなどの炭化水素系溶剤、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、ジブロモベンゼン、クロロナフタレンなどのハロゲン化炭化水素系溶剤、ヘキサノール、オクタノール、デカノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、ジエチレンクリコールなどのアルコール系溶剤、シクロヘキサノン、アセトフェノン、1−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなどのケトン系溶剤、ホルムアミド、アセトアミドなどのアミド系溶剤、ピコリン、キノリン、イソキノリンなどの窒素含有溶剤の内、1種または2種以上の任意の組み合わせが挙げられる。
【0052】
次にこのチタニルフタロシアニン (11)を水溶性有機溶媒中に加え、加熱下で一定時間、かく拌処理し、ついで当該かく拌処理よりも低温の温度条件下で一定時間、液を静置して安定化処理する顔料化前処理を行う。
【0053】
顔料化前処理に使用する水溶性有機溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピオン酸、酢酸、N−メチルピロリドン、エチレングリコール等の1種または2種以上が挙げられる。なお水溶性有機溶媒には、少量であれば、非水溶性の有機溶媒を添加してもよい。
【0054】
顔料化前処理のうちかく拌処理の条件は特に限定されないが、およそ70〜200℃程度の温度範囲の一定温度条件下で、1〜3時間程度のかく拌処理を行うのが好ましい。
【0055】
またかく拌処理後の安定化処理の条件も特に限定されないが、およそ10〜50℃程度、特に好ましくは23±1℃前後の温度範囲の一定温度条件下で、5〜10時間程度、液を静置して安定化させるのが好ましい。
【0056】
次に、上記顔料化前処理の終了後、水溶性有機溶媒を除去して得たチタニルフタロシアニン化合物の粗結晶を、さらに常法に従って溶媒に溶解したのち貧溶媒中に滴下して再結晶させる。次いで、水の存在下、適当な有機溶媒中に分散し、30℃〜100℃程度で加温しながら、5〜60h処理し、ろ過、乾燥などの工程を経て顔料化する。そうすると、前述した(a)(b)の物性を満足する、本発明のチタニルフタロシアニンが製造される。
【0057】
上記粗結晶を溶解する溶媒としては、例えばジクロロメタン、クロロホルム、臭化エチル、臭化ブチル等のハロゲン化炭化水素類、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリブロモ酢酸等のトリハロ酢酸類、および硫酸等の内、1種または2種以上の任意の組み合わせが挙げられる。
【0058】
再結晶のための貧溶媒としては、例えば水が挙げられる他、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類やアセトン、ジオキサン等の水溶性有機溶媒が挙げられ、これらがそれぞれ1種単独で、もしくは2種以上の任意の組み合わせで使用される。
【0059】
また、再結晶したチタニルフタロシアニンを分散する有機溶媒としては、例えばトルエン、キシレン、エチルベンゼン、ニトロベンゼン等の炭化水素系容剤、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、1,2−ジブロモエタン等のハロゲン化炭化水素系溶剤、メタノール、イソプロパノール、ブタノール、オクタノール等のアルコール系溶剤、エチルエーテル、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤の内、1種または2種以上の任意の組み合わせが挙げられる。
【0060】
本発明のチタニルフタロシアニンは、下記の方法で製造することもできる。
【0061】
すなわち上記顔料化前処理後、水溶性有機溶媒を除去して得たチタニルフタロシアニン化合物の粗結晶を、まずアシッドペースト法によって処理する。具体的には、上記粗結晶を酸に溶解し、この溶液を氷冷下の水中に滴下したのち一定時間にわたってかく拌し、さらに23±1℃付近で静置して再結晶させる。
【0062】
次に、上記の処理をして得た低結晶性チタニルフタロシアニンをろ過し、水洗した後、乾燥させずに水が存在した状態で、水の存在下、適当な有機溶媒中に分散し、30℃〜100℃程度で加温しながら、5〜60h処理する。
【0063】
そして処理後の個体をろ別し、乾燥すると、前述した(a)(b)の物性を満足する、本発明のチタニルフタロシアニンが得られる。
【0064】
アシッドペースト法に使用する酸としては、例えば濃硫酸、スルホン酸等が挙げられる。またミリング処理に使用する非水系溶媒は前記と同様である。
〈電子写真感光体とその製造方法〉
本発明の電子写真感光体は、上記本発明のチタニルフタロシアニンを電荷発生剤として含有する感光層を、導電性基体上に設けたことを特徴とするものである。
【0065】
上記感光層は上記本発明のチタニルフタロシアニンを含有するので、感光体の製造後も安定に結晶型を維持する。よって、本発明の電子写真感光体は、経時的に安定して良好な感度特性を保持しうるものとなる。
【0066】
感光層には、前述したようにいわゆる単層型感光層と積層型感光層とがあるが、本発明はこのいずれにも適用可能である。
【0067】
このうち単層型感光層は、電荷発生剤であるチタニルフタロシアニン、電荷輸送剤および結着樹脂を同一の層に含有する光導電層単独で構成されるものである。感光層の形成は、電荷発生剤を電荷輸送剤(正孔輸送剤と電子輸送剤があるが、詳細については後述する。)および結着樹脂とともに適当な有機溶媒に溶解または分散して塗工液を作製し、塗布などの手段によって支持基体上に塗布した後、乾燥させることで形成される。
【0068】
この単層型感光層は、層構成が簡単で生産性に優れており、層を形成する際の皮膜欠陥を抑制でき、層間の界面が少なく光学的特性を向上できるという利点がある。
【0069】
電荷輸送剤としては、電子輸送剤および正孔輸送剤のうちのいずれか一方または両方が使用できる。特に上記両輸送剤を併用した単層型の感光層は、単独の構成で正負いずれの帯電にも対応できるという利点がある。
【0070】
電子輸送剤としては、電荷発生剤であるチタニルフタロシアニンとのマッチングがよく、当該チタニルフタロシアニンで発生した電子を結晶から引き抜いて、効率よく輸送できるものが望ましい。同様に正孔輸送剤としても、上記チタニルフタロシアニンとのマッチングがよく、当該チタニルフタロシアニンで発生した正孔を結晶から引き抜いて、効率よく輸送できるものが望ましい。
【0071】
また電子輸送剤と正孔輸送剤とが共存する系では、両者が電荷移動錯体を形成して、感光層全体での電荷輸送能の低下を引き起こし、感光体の感度が低下するのを防止すべく、両輸送剤の組み合わせについても配慮する必要がある。つまり両輸送剤を、正孔輸送および電子輸送が効率よく起こる高濃度で同一層中に含有させても、層中で電荷移動錯体が形成されず、正孔輸送剤は正孔を、電子輸送剤は電子を、それぞれ効率よく輸送できる、両者の組み合わせを選択するのが望ましい。
【0072】
一方、積層型感光層は、支持基体上に電荷輸送剤を含有する電荷輸送層と、電荷発生剤を含有する電荷発生層とを積層することで構成される。また、電荷発生剤とともに電荷輸送剤を含有させた光導電層を、電荷輸送層、電荷発生層と組み合わせても良い。各層はCVD法などの気相成長法または塗布などの方法によって形成することができる。
【0073】
積層型感光層は、上記電荷発生層、電荷輸送層、光導電層の形成順序と、電荷輸送層に使用する電荷輸送剤の種類によって、正負いずれの帯電型となるかが選択される。
【0074】
ただし電荷発生層は、電荷輸送層に比べて膜厚がごく薄いため、その保護のためには、導電性基体上に電荷発生層を形成し、その上に電荷輸送層または光導電層を形成するのが好ましい。
【0075】
例えば、導電性基体上に電荷発生層を形成し、その上に電荷輸送層を形成した層構成において、電荷輸送層の電荷輸送剤として正孔輸送剤を使用した場合には、感光層は負帯電型となる。この場合、電荷発生層には電子輸送剤を含有させてもよい。電荷発生層に含有させる電子輸送剤としては、電荷発生剤であるチタニルフタロシアニンとのマッチングがよく、当該チタニルフタロシアニンで発生した電子を結晶から引き抜いて、効率よく輸送できるものが望ましい。
【0076】
一方、上記の層構成において、電荷発生層の電荷輸送剤として電子輸送剤を使用した場合には、感光層は正帯電型となる。この場合、電荷発生層には正孔輸送剤を含有させてもよい。電荷発生層に含有させる正孔輸送剤としては、電荷発生剤であるチタニルフタロシアニンとのマッチングがよく、当該チタニルフタロシアニンで発生した正孔を結晶から引き抜いて、効率よく輸送できるものが望ましい。
【0077】
電子輸送剤としては、従来公知の種々の電子輸送性化合物がいずれも使用可能である。
【0078】
特にベンゾキノン系化合物、ジフェノキノン系化合物、ナフトキノン系化合物、マロノニトリル、チオピラン系化合物、テトラシアノエチレン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、フルオレノン系化合物〔例えば2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノンなど〕、ジニトロベンゼン、ジニトロアントラセン、ジニトロアクリジン、ニトロアントラキノン、無水こはく酸、無水マレイン酸、ジブロモ無水マレイン酸、2,4,7−トリニトロフルオレノンイミン系化合物、エチル化ニトロフルオレノンイミン系化合物、トリプトアントリン系化合物、トリプトアントリンイミン系化合物、アザフルオレノン系化合物、ジニトロピリドキナゾリン系化合物、チオキサンテン系化合物、2−フェニル−1,4−ベンゾキノン系化合物、2−フェニル−1,4−ナフトキノン系化合物、5,12−ナフタセンキノン系化合物、α−シアノスチルベン系化合物、4,’−ニトロスチルベン系化合物、ならびに、ベンゾキノン系化合物の陰イオンラジカルとカチオンとの塩などの電子吸引性化合物が好適に使用される。これらはそれぞれ単独で使用される他、2種以上を併用することもできる。
【0079】
中でも特に下記式(ET−1)〜(ET−15)で表される化合物が、いずれも前記チタニルフタロシアニン結晶とのマッチングがよく、かつ電子輸送能に優れた電子輸送剤として、好適に使用される。
【0080】
【化7】
Figure 2004145284
【0081】
【化8】
Figure 2004145284
【0082】
【化9】
Figure 2004145284
【0083】
【化10】
Figure 2004145284
【0084】
【化11】
Figure 2004145284
【0085】
また正孔輸送剤としては、従来公知の種々の正孔輸送性化合物がいずれも使用可能である。特にベンジジン系化合物、フェニレンジアミン系化合物、ナフチレンジアミン系化合物、フェナントリレンジアミン系化合物、オキサジアゾール系化合物〔例えば2,5−ジ(4−メチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールなど〕、スチリル系化合物〔例えば9−(4−ジエチルアミノスチリル)アントラセンなど〕、カルバゾール系化合物〔例えばポリ−N−ビニルカルバゾールなど〕、有機ポリシラン化合物、ピラゾリン系化合物〔例えば1−フェニル−3−(p−ジメチルアミノフェニル)ピラゾリンなど〕、ヒドラゾン系化合物、トリフェニルアミン系化合物、インドール系化合物、オキサゾール系化合、イソオキサゾール系化合物、チアゾール系化合物、チアジアゾール系化合物、イミダゾール系化合物、ピラゾール系化合物、トリアゾール系化合物、ブタジエン系化合物、ピレン−ヒドラゾン系化合物、アクロレイン系化合物、カルバゾール−ヒドラゾン系化合物、キノリン−ヒドラゾン系化合物、スチルベン系化合物、スチルベン−ヒドラゾン系化合物、およびジフェニレンジアミン系化合物などが好適に使用される。これらはそれぞれ単独で使用される他、2種以上を併用することもできる。
【0086】
中でも特に下記式(HT−1)〜(HT−19)で表される化合物が、いずれも前記チタニルフタロシアニン結晶とのマッチングがよく、かつ正孔輸送能に優れた正孔輸送剤として、好適に使用される。
【0087】
【化12】
Figure 2004145284
【0088】
【化13】
Figure 2004145284
【0089】
【化14】
Figure 2004145284
【0090】
【化15】
Figure 2004145284
【0091】
【化16】
Figure 2004145284
【0092】
【化17】
Figure 2004145284
【0093】
【化18】
Figure 2004145284
【0094】
結着樹脂としては、例えばスチレン系重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、アクリル系重合体、スチレン−アクリル系共重合体、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル、アルキッド樹脂、ポリアミド、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスルホン、ジアリルフタレート樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂などの熱可塑性樹脂や、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂その他架橋性の熱硬化性樹脂、さらにエポキシ−アクリレート、ウレタン−アクリレートなどの光硬化性樹脂などがあげられる。これら結着樹脂は単独で使用できるほか、2種以上を併用することもできる。
【0095】
感光層には、上記各成分の他に、例えば増感剤、フルオレン系化合物、紫外線吸収剤、可塑剤、界面活性剤、レベリング剤などの種々の添加剤を添加することもできる。また感光体の感度を向上させるために、例えばターフェニル、ハロナフトキノン類、アセナフチレンなどの増感剤を、電荷発生剤と併用してもよい。
【0096】
また感光体の感度領域を調整するために、他の電荷発生剤を併用してもよい。他の電荷発生剤としては、これに限定されないが例えばセレン、セレン−テルル、セレン−ヒ素、硫化カドミウム、a−シリコンなどの無機光導電材料の粉末、アゾ系顔料、ビスアゾ系顔料、ペリレン系顔料、アンサンスロン系顔料、本発明のチタニルフタロシアニン結晶以外の、従来のフタロシアニン系顔料、インジゴ系顔料、トリフェニルメタン系顔料、スレン系顔料、トルイジン系顔料、ピラゾリン系顔料、キナクリドン系顔料、ジチオケトピロロピロール系顔料などの1種または2種以上があげられる。
【0097】
積層型の感光体において、電荷発生層を構成する電荷発生剤と結着樹脂とは、種々の割合で配合することができるが、結着樹脂100重量部に対して、電荷発生剤を5〜1000重量部、特に30〜500重量部、配合するのが好ましい。
【0098】
なお上記電荷発生剤の配合量は、電荷発生剤として、前記チタニルフタロシアニンを単独で用いる場合は、当該チタニルフタロシアニンの配合量であり、チタニルフタロシアニンと他の電荷発生剤とを併用する場合は、両者の合計の配合量である。
【0099】
チタニルフタロシアニンと他の電荷発生剤とを併用する場合、他の電荷発生剤は、前述したチタニルフタロシアニンの効果を妨げない範囲で少量、配合するのが好ましい。具体的には、他の電荷発生剤を、チタニルフタロシアニン100重量部に対して、30重量部以下の割合で配合するのが好ましい。
【0100】
電荷輸送層を構成する電荷輸送剤と結着樹脂とは、電荷の輸送を阻害しない範囲および結晶化しない範囲で、種々の割合で配合することができるが、光照射により電荷発生層で生じた電荷が容易に輸送できるように、結着樹脂100重量部に対して、電荷輸送剤を10〜500重量部、特に25〜200重量部の割合で配合するのが好ましい。
【0101】
積層型の感光層の厚みは、電荷発生層が0.01〜5μm程度、特に0.1〜3μm程度に形成されるのが好ましく、電荷輸送層が2〜100μm、特に5〜50μm程度に形成される好ましい。
【0102】
単層型の感光体において、光導電層は結着樹脂100重量部に対して電荷発生剤は0.1〜50重量部、特に0.5〜30重量部、電荷輸送剤は20〜500重量部、特に30〜200重量部、配合するのが適当である。光導電層を積層型の感光体に用いる場合も同様である。
【0103】
なお、上記電荷発生剤の配合量は、前記と同様に、電荷発生剤として本発明のチタニルフタロシアニンのみを用いる場合は、当該チタニルフタロシアニンの配合量であり、チタニルフタロシアニンと他の電荷発生剤とを併用する場合は、両者の合計の配合量である。
【0104】
チタニルフタロシアニンと他の電荷発生剤とを併用する場合、他の電荷発生剤は、前述したチタニルフタロシアニンの効果を妨げない範囲で少量、配合するのが好ましい。具体的には、他の電荷発生剤を、チタニルフタロシアニン100重量部に対して、100重量部以下の割合で配合するのが好ましい。
【0105】
また電荷輸送剤の配合量は、当該電荷輸送剤として、電子輸送剤、正孔輸送剤のうちのいずれか一方のみを使用する場合は、当該輸送剤のみの配合量であり、電子輸送剤と正孔輸送剤とを併用する場合は、両者の合計の配合量である。
【0106】
また電子輸送剤と正孔輸送剤とを併用する場合、電子輸送剤は、正孔輸送剤100重量部に対して、10〜100重量部の割合で配合するのが好ましい。
【0107】
単層型の感光層の厚みは5〜100μm、特に10〜50μm程度に形成されるのが好ましい。
【0108】
単層型の感光層を有する感光体にあっては、導電性基体と感光層との間に、また、積層型の感光層を有する感光体にあっては、導電性基体と電荷発生層との間や、導電性基体と電荷輸送層との間、または電荷発生層と電荷輸送層との間に、感光体の特性を阻害しない範囲でバリア層が形成されていてもよい。また上記単層型または積層型の感光層を有する感光体の表面には、保護層が形成されていてもよい。
【0109】
上記各層が形成される導電性基体としては、導電性を有する種々の材料を使用することができる。例えば鉄、アルミニウム、銅、スズ、白金、銀、バナジウム、モリブデン、クロム、カドミウム、チタン、ニッケル、パラジウム、インジウム、ステンレス鋼、真鍮などの金属にて形成された導電性基体や、上記金属が蒸着またはラミネートされたプラスチック材料からなる基体、あるいはヨウ化アルミニウム、酸化スズ、酸化インジウムなどで被覆されたガラス製の基体などが例示される。
【0110】
要するに基体自体が導電性を有するか、あるいは基体の表面が導電性を有していればよい。また、導電性基体は、使用に際して、充分な機械的強度を有するものが好ましい。
【0111】
導電性基体の形状は使用する画像形成装置の構造に合わせて、シート状、ドラム状などのいずれであってもよい。
【0112】
感光体を構成する各層を、塗布の方法により形成する場合には、前記例示の電荷発生剤、電荷輸送剤、結着樹脂などを、前述したテトラヒドロフランなどの有機溶媒とともに、公知の方法、例えば、ロールミル、ボールミル、アトライタ、ペイントシェーカーあるいは超音波分散器などを用いて分散混合して塗工液を調整し、これを公知の手段により塗布、乾燥すればよい。
【0113】
単層型感光層、および積層型感光層のうち電荷発生層などの、チタニルフタロシアニン結晶を含む層用の塗工液をつくるための有機溶媒としては、前述したようにテトラヒドロフラン、トルエン、ジクロロメタン、1,4−ジオキサンなどの1種または2種以上があげられる。
【0114】
またその他の層用の塗工液を作るための有機溶媒としては、上記各種溶媒の他に、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノールなどのアルコール類、n−ヘキサン、オクタン、シクロヘキサンなどの脂肪族系炭化水素、ベンゼン、キシレンなどの芳香族炭化水素、ジクロロエタン、四塩化炭素、クロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、酢酸エチル、酢酸メチルなどのエステル類、ジメチルホルムアルデヒド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどの1種または2種以上があげられる。
【0115】
さらに、電荷輸送剤や電荷発生剤の分散性、感光層表面の平滑性をよくするため、塗工液には界面活性剤、レベリング剤などを添加してもよい。
〈画像形成装置〉
図1は本発明で実施した画像形成装置の一例を模式的に示したものである。1は上述の電子写真感光体(支持基体10上に感光層11が形成されている。)であって、その軸心13が駆動手段14とギア、プーリを介して接続されており一方向(矢印Aの向き)に定速度で回転するようになっている。この感光体1の周辺にはその駆動方向、つまり回転方向に沿って主帯電手段2、露光手段3、現像手段4、転写手段5がこの順序で設けられている。また、図1に示されるように必要に応じて分離手段6、除電手段7、クリーニング手段9が設けられていてもよい。
【0116】
さらに、本発明の画像形成装置には、定着手段12が設置されており、トナー像が転写された転写媒体8に対して、トナー像の定着を施すようになっている。
【0117】
当該画像形成装置は、感度特性に優れた本発明の電子写真感光体を搭載するため、通常の使用において、画像かぶりの発生が効果的に抑制される。
【0118】
画像の形成の際は、まず帯電手段2により感光体1表面は一様に帯電される。次いで、露光手段3より露光軸31に沿って感光体1表面が露光され、原稿画像に対応した静電潜像が形成される。当該画像形成装置は上述の電子写真感光体を用いているので、感光体1の接地部に対する電位(以下、表面電位と記述する。)は素早く明電位の値まで低下する。そして、露光されなかった非画像領域は表面電位の低下がほとんど無く暗電位の値で安定する。
【0119】
その後、現像手段4により静電潜像に対応する部分にトナーが付着して現像される。そして、転写手段5により、搬送(矢印Bの向き)されてくる転写媒体8上に感光体1表面のトナー像が転写される。転写後の転写媒体8は、分離手段6で感光体1から分離された後、定着手段12によりトナー定着される。
【0120】
転写後、転写媒体8に転写しきれず感光体1表面に残ったトナーは、クリーニング手段9によって除去される。その後、感光体1表面の残留電位は除電手段7からの除電光71により除去され、再び帯電手段2により帯電される。
【0121】
帯電手段2としては従来公知の例えば、感光体1の表面に近接して設けられるチャージワイヤーに高電圧を掛けてコロナ放電を行なう方法や、導電性ローラーや帯電ブラシなどの帯電部材を感光体1表面に接触させて感光体1に電荷を与える方法等が適用される。主帯電部での表面電位を一定に保つために、帯電部材を感光体1表面に接触させる方法または、前記主帯電器のチャージワイヤーと感光体1との間にグリッド電極を設けて、コロナ放電を行なう方法を用いることが好ましい。
【0122】
帯電手段2から感光体1に印加される主帯電電圧は、感光体1やトナーの特性、現像条件等によって異なるが、例えば一般的な正帯電型感光体の場合、感光体1表面の接地部に対する電位差が+300V〜+1000Vになるように設定すればよい。
【0123】
露光手段3としては、感光体1が感度を示す波長のレーザー光が一般的に用いられる。具体的には、電荷発生剤であるチタニルフタロシアニンが吸収を示す波長(600nm〜850nm程度)の光を用いればよい。
【0124】
露光量は、できる限り明電位が低い値になるよう設定される方がよい。具体的には、感光体1の明電位を、主帯電された感光体1の接地部に対する電位と同極性とし、加えて、好ましくは0〜50V、更に好ましくは0〜10Vにするよう、露光量が設定されるのがよい。
【0125】
現像手段4としては、従来公知の接触または非接触現像装置を用いることができる他、乾式、湿式のいずれの方法によるものでもよい。現像手段4に用いられる現像剤は、一成分系、二成分系のどちらでもよい。
【0126】
転写手段5としては、従来公知の接触転写あるいは非接触転写方式のいずれも適用可能である。具体的には、チャージャー、ローラー、ブラシ、プレート等により、転写媒体8を介して感光体1に転写電圧が印加される。
【0127】
分離手段6としては、帯電手段2と同様に、チャージワイヤーによるコロナ放電によるもの、導電性ローラーを用いるもの等が使用でき、中でもコロナ放電によるものが好適に用いられる。分離手段6により感光体1に印加される分離電圧は、一般的に交流である。
【0128】
除電手段7を設ける場合は、従来公知の例えば、LEDアレイ、蛍光管などの除電ランプを使用することができる。当該除電ランプは、感光体1が感度を持つ波長で、感光体1表面の残留電荷を除去できるのに十分な光量を照射するものを用いれば良い。
【0129】
クリーニング手段9を設ける場合は、従来公知の例えばブレード方式、ファーブラシ方式、ローラクリーニング方式等が簡単な機構でトナー除去効率の良いものとして用いることができる。
【0130】
定着手段12としては、従来公知の例えば熱定着、圧力定着、熱圧力定着、ブラッシュ定着などを用いれば良い。
【0131】
【実施例】
以下に本発明を、製造例、実施例、および比較例に基づいて説明する。
〈製造例1〉
(チタニルフタロシアニンの合成)
アルゴン置換したフラスコ中に、o−フタロニトリル25gと、チタンテトラブトキシド28gと、キノリン300gとを加え、かく拌しつつ150℃まで昇温した。
【0132】
つぎに、反応系から発生する蒸気を系外へ留去しながら215℃まで昇温したのち、この温度を維持しつつさらに2時間、かく拌して反応させた。
【0133】
反応終了後、150℃まで冷却した時点で反応混合物をフラスコから取り出し、ガラスフィルターによってろ別し、得られた固体をN,N−ジメチルホルムアミド、およびメタノールで順次洗浄したのち真空乾燥して、青紫色の固体24gを得た。(顔料化前処理)
上記チタニルフタロシアニン化合物の合成で得られた青紫色の固体10gを、N,N−ジメチルホルムアミド100ミリリットル中に加え、かく拌しつつ130℃に加熱して2時間、かく拌処理を行った。
【0134】
つぎに、2時間経過した時点で加熱を停止し、23±1℃まで冷却したのちかく拌も停止し、この状態で12時間、液を静置して安定化処理を行った。
【0135】
そして安定化された液をガラスフィルターによってろ別し、得られた固体をメタノールで洗浄したのち真空乾燥して、チタニルフタロシアニン化合物の粗結晶9.83gを得た。
(顔料化処理)
上記顔料化前処理で得られたチタニルフタロシアニンの粗結晶5gを、濃硫酸100ミリリットルに加えて溶解した。
【0136】
次にこの溶液を、氷冷下の水中に滴下したのち室温で15分間かく拌し、さらに23±1℃付近で30分間、静置して再結晶させた。
【0137】
次に上記液をガラスフィルターによって濾別し、得られた固体を洗浄液が中性になるまで水洗したのち、乾燥させずに水が存在した状態で、クロロベンゼン200ミリリットル中に分散させて50℃に加熱して10時間、かく拌した。
【0138】
そして液をガラスフィルターによって濾別したのち、得られた固体を50℃で5時間、真空乾燥させて、前記式(11−1)で表される無置換のチタニルフタロシアニンの結晶(青色粉末)4.1gを得た。
〈製造例2〉
前記製造例1と同様にして合成した、顔料化前処理を行なう前の、非結晶性のチタニルフタロシアニン2gをガラスビーカに入れ、ジエチレングリコールジメチルエーテルを、総量が200ミリリットルになるまで加えた。
【0139】
次いでこれを、23±1℃で24時間、攪拌してチタニルフタロシアニンの結晶を得た。
〈製造例3〉
前記製造例1と同様にして合成した、顔料化前処理後のチタニルフタロシアニンの粗結晶5gを、ジクロロメタンとトリフルオロ酢酸との混合溶媒(体積比4:1)100ミリリットルに加えて溶解した。
【0140】
次にこの溶液を、メタノールと水の混合貧溶媒(体積比1:1)中に滴下したのち、室温で15分間、かく拌し、さらに23±1℃付近で30分間、静置して再結晶させた。
【0141】
次に上記液をガラスフィルターによって濾別し、得られた固体を洗浄液が中性になるまで水洗したのち、乾燥させずに水が存在した状態で、クロロベンゼン200ミリリットル中に分散させて室温で1時間、かく拌した。
【0142】
そして液をガラスフィルターによって濾別したのち、得られた固体を50℃で5時間、真空乾燥させて、前記式(11−1)で表される無置換のチタニルフタロシアニンの結晶(青色粉末)4.2gを得た。
〈CuKα特性X線回折スペクトル測定〉
上記各製造例で得られた、チタニルフタロシアニン0.5gを、X線回折装置〔理学電機(株)製のRINT1100〕のサンプルホルダーに充てんして初期測定を行った。
【0143】
ついで各結晶0.5gをそれぞれ、後述する実施例において塗工液に使用したテトラヒドロフラン5g中に分散させ、温度23±1℃、相対湿度50〜60%の条件下、密閉系中で7日間、保管したのちテトラヒドロフランを除去して再測定を行った。
【0144】
なお測定の条件は、初期測定、再測定ともに下記のとおりとした。
【0145】
X線管球:Cu
管電圧:40kV
管電流:30mA
スタート角度:3.0°
ストップ角度:40.0°
走査速度:10°/min.
〈示差走査熱量分析〉
示差走査熱量計〔理学電機(株)製のTAS−200型、DSC8230D〕を用いて、各製造例で得られたチタニルフタロシアニン結晶の示差走査熱量分析を行った。測定条件は下記のとおり。
【0146】
サンプルパン:Al
昇温速度:20℃/min.
以上の測定結果を図2〜図10に示す。なお各製造例の、各図との対応は表1のとおりである。
【0147】
【表1】
Figure 2004145284
【0148】
上記製造例1で得られた製造後60分以内のチタニルフタロシアニンは、図3に示すようにブラッグ角度2θ±0.2°=27.2°に強いピークを有するとともに、7.4°および26.2°にピークを有さないことが確認された。
【0149】
また上記製造例1のチタニルフタロシアニンをテトラヒドロフラン中に7日間、浸漬しても、図4に示すようにブラッグ角度2θ±0.2°=7.4°および26.2°にピークが発生していないことから、浸漬前と同様の結晶型を維持していることが確認された。
【0150】
さらに製造例1のチタニルフタロシアニンは、図2に示すように、吸着水の気化に伴なう90℃付近のピーク以外は50℃から400℃まで温度変化のピークを示さないことから、結晶転移を生じない安定したものであることが確認された。
【0151】
製造例2で得られた製造後60分以内のチタニルフタロシアニンについても、図6に示すようにブラッグ角度2θ±0.2°=27.2°に強いピークを有するとともに、7.4°および26.2°にピークを有さないことが確認された。
【0152】
しかしながら、上記製造例2のチタニルフタロシアニンをテトラヒドロフラン中に7日間、浸漬すると、図7に示すようにブラッグ角度2θ±0.2°=27.2°のピークが小さくなり、代わって26.2°に強いピークが発生したことから、結晶型が転移していることが確認された。
【0153】
さらに上記製造例2のチタニルフタロシアニンを示差走査熱量分析したところ、図5に示すように吸着水の気化に伴なう90℃付近のピークの他に、247〜260℃の付近にピークを示しており、結晶転移を生じるものであることが確認された。
【0154】
製造例3で得られた製造後60分以内のチタニルフタロシアニンは、図9よりブラッグ角度2θ±0.2°=27.2°に強いピークを有するとともに、7.4°および26.2°にピークを有さないこと、図8より吸着水の気化に伴なう90℃付近のピーク以外は50℃から400℃まで温度変化のピークを示さないことが確認された。
【0155】
しかしながら、上記製造例3のチタニルフタロシアニンをテトラヒドロフラン中に7日間、浸漬すると、図10に示すようにブラッグ角度2θ±0.2°=7.4°にピークが発生することから、結晶型が転移していることが確認された。
〈単層型電子写真感光体〉
(実施例1〜36)
前記製造例1で得たチタニルフタロシアニンを、電荷発生剤として使用した。
【0156】
そして上記チタニルフタロシアニン5重量部と、正孔輸送剤としての前記式(HT−1)〜(HT−19)のいずれかで表される1種の化合物70重量部と、電子輸送剤としての前記式(ET−1)〜(ET−6)のいずれかで表される1種の化合物30重量部と、結着樹脂であるポリカーボネート100重量部とを、800重量部のテトラヒドロフランとともに、超音波分散機を用いて混合、分散させて単層型感光層用の塗工液を製造した。
【0157】
ついでこの塗工液を製造直後、およそ60分以内に、導電性基材である、厚み1mmのアルミニウム基板上に、ワイヤーバーを用いて塗布し、110℃で30分間、熱風乾燥して、膜厚25μmの単層型感光層を有する電子写真感光体を作製した。
【0158】
また上記塗工液を温度23±1℃、相対湿度50〜60%の密閉系中で7日間、貯蔵し、次いで超音波分散機で再分散させた後、同様に厚み1mmのアルミニウム基板上に、ワイヤーバーを用いて塗布し、110℃で30分間、熱風乾燥して、膜厚25μmの単層型感光層を有する電子写真感光体を作製した。
(比較例1、3、5、7、9、11、13)
前記製造例2で得たチタニルフタロシアニンを電荷発生剤として使用し、表2および表3に記載の正孔輸送剤および電子輸送剤を用いたこと以外は実施例1と同様にして、単層型感光層用の塗工液を製造した。
【0159】
そしてこの塗工液を製造直後、およそ60分以内に、導電性基材である、厚み1mmのアルミニウム基板上に、ワイヤーバーを用いて塗布し、110℃で30分間、熱風乾燥して、膜厚25μmの単層型感光層を有する電子写真感光体を作製した。
【0160】
また上記塗工液を温度23±1℃、相対湿度50〜60%の密閉系中で7日間、貯蔵し、次いで超音波分散機で再分散させた後、同様に厚み1mmのアルミニウム基板上に、ワイヤーバーを用いて塗布し、110℃で30分間、熱風乾燥して、膜厚25μmの単層型感光層を有する電子写真感光体を作製した。
(比較例2、4、6、8、10、12、14)
前記製造例3で得たチタニルフタロシアニンを電荷発生剤として使用し、表2および表3に記載の正孔輸送剤および電子輸送剤を用いたこと以外は実施例1と同様にして、単層型感光層用の塗工液を製造した。
【0161】
そしてこの塗工液を製造直後、およそ60分以内に、導電性基材である、厚み1mmのアルミニウム基板上に、ワイヤーバーを用いて塗布し、110℃で30分間、熱風乾燥して、膜厚25μmの単層型感光層を有する電子写真感光体を作製した。
【0162】
また上記塗工液を温度23±1℃、相対湿度50〜60%の密閉系中で7日間、貯蔵し、次いで超音波分散機で再分散させた後、同様に厚み1mmのアルミニウム基板上に、ワイヤーバーを用いて塗布し、110℃で30分間、熱風乾燥して、膜厚25μmの単層型感光層を有する電子写真感光体を作製した。
(感度特性試験1)
上記各実施例、比較例で作製した電子写真感光体を、ドラム感度試験機を用いて、コロナ放電により、表面電位+700Vに帯電させた。
【0163】
次いでバンドパスフィルターを用いて波長780nm、半値幅20nmに単色化した光強度8μW/cmの光を、上記電子写真感光体の表面に1.5秒間、露光しつつ、上記の露光開始から0.5秒後の表面電位を露光後電位として測定した。
【0164】
そして各実施例、比較例で作製した電子写真感光体のうち、前述した製造直後の塗工液を用いて感光層を形成したものの露光後電位Vr1(V)と、7日間、貯蔵後の塗工液を用いて感光層を形成したものの露光後電位Vr2(V)との露光後電位差ΔVr(V)(= Vr2−Vr1)によって、各感光体の感度特性を評価した。
(帯電性試験)
上記各実施例1、比較例8で作製した電子写真感光体を、ドラム感度試験機を用いて、コロナ放電により、表面電位+800Vに帯電させた。
【0165】
次いでバンドパスフィルターを用いて波長780nm、半値幅20nmに単色化した光強度8μW/cmの光を、上記電子写真感光体の表面に1.5秒間、露光した。
【0166】
上記と同様の帯電および露光を500回繰り返し、500回目の表面電位V0(V)を測定した。
【0167】
結果を表2〜表5に示す。
【0168】
【表2】
Figure 2004145284
【0169】
【表3】
Figure 2004145284
【0170】
【表4】
Figure 2004145284
【0171】
【表5】
Figure 2004145284
【0172】
表2より、同一の電子輸送剤を使用した場合、製造例1の、本発明のチタニルフタロシアニンを使用した実施例の電子写真感光体は、露光後電位差ΔVrが殆ど無かった。すなわち、製造直後の塗工液を用いて単層型感光層を形成した感光体の露光後電位Vr1と、製造後7日間に亘って貯蔵した塗工液を使用して単層型感光層を形成した感光体の露光後電位Vr2とが殆ど変化していなかった。
【0173】
これに対し、製造例2および3のチタニルフタロシアニンを使用した比較例の電子写真感光体は、露光後電位差ΔVrが大きな値となっていた。すなわち、製造後7日間に亘って貯蔵した塗工液を使用して単層型感光層を形成した感光体の露光後電位Vr2(V)が、製造直後の塗工液を用いて単層型感光層を形成した感光体の露光後電位Vr1(V)に比べて著しく増加していた。
【0174】
表3より、同一の正孔輸送剤を用いた感光体同士の比較でも、製造例1による実施例の感光体は露光後電位差ΔVrが殆ど無く、製造例2および3による比較例の感光体よりも、露光後電位差ΔVrが大きい結果となった。
【0175】
表4より、正孔輸送剤および電子輸送剤の種類によって初期の露光後電位Vr1は色々な値を採るが、製造例1のチタニルフタロシアニンを用いることにより、7日間貯蔵後の露光後電位Vr2は殆ど変化しないことがわかった。
【0176】
以上より、製造例1のチタニルフタロシアニンを使用すれば、塗工液製造後の経過期間にかかわらず常に安定して、良好な感度特性を有する感光体を製造できることが確認された。逆に、製造例2および3のチタニルフタロシアニンは、塗工液の貯蔵によって感光体の感度特性が著しく低下することがわかった。
【0177】
また、表5より、製造例1の本発明の本発明のチタニルフタロシアニンを使用した実施例1の電子写真感光体は、帯電、露光を繰り返しても表面電位の変化が小さく、優れた繰り返し特性を示すことが確認された。
【0178】
これに対し、製造例3のチタニルフタロシアニンを使用した比較例8の電子写真感光体は、帯電、露光を500回繰り返した後、表面電位が著しく降下しており、繰り返し安定性に乏しいことがわかった。
〈積層型電子写真感光体〉
(実施例37〜55)
前記製造例1で得たチタニルフタロシアニンを、電荷発生剤として使用した。
【0179】
そして上記チタニルフタロシアニン2.5重量部と、結着樹脂であるポリビニルブチラール1重量部とを、15重量部のテトラヒドロフランとともに、超音波分散機を用いて混合、分散させて、積層型感光層のうち電荷発生層用の塗工液を得た。
【0180】
次いでこの塗工液を製造直後、およそ60分以内に、導電性基材である、厚み1mmのアルミニウム基板上に、ワイヤーバーを用いて塗布し、110℃で30分間、熱風乾燥して、膜厚0.5μmの電荷発生層を形成した。
【0181】
また正孔輸送剤としての、前記式(HT−1)〜(HT−19)のいずれかで表される1種の化合物11重量部と、結着樹脂であるポリカーボネート1重量部とを、10重量部のトルエンとともに、超音波分散機を用いて混合、分散させて、電荷輸送層用の塗布液を得た。そしてこの塗布液を、上記電荷発生層上に、ワイヤーバーを用いて塗布し、110℃で30分間、熱風乾燥して、膜厚20μmの電荷輸送層を形成して、積層型感光層を有する電子写真感光体を製造した。
【0182】
また一方、上記塗工液を温度23±1℃、相対湿度50〜60%の密閉系中で7日間、貯蔵し、次いで超音波分散機で再分散させた後、同様に厚み1mmのアルミニウム基板上に、ワイヤーバーを用いて塗布し、110℃で30分間、熱風乾燥して、膜厚0.5μmの電荷発生層を形成した。
【0183】
そしてこの電荷発生層上に、前記と同じ電荷輸送層用の塗布液を、ワイヤーバーを用いて塗布し、110℃で30分間、熱風乾燥して、膜厚20μmの電荷輸送層を形成して、積層型感光層を有する電子写真感光体を製造した。
(比較例15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41)
前記製造例2で得たチタニルフタロシアニンを電荷発生剤として使用し、表6および表7に記載の正孔輸送剤を用いたこと以外は実施例37と同様にして、積層型感光層のうち電荷発生層用の塗工液を製造した。
【0184】
そしてこの電荷発生層用の塗工液を製造直後、およそ60分以内に、導電性基材である、厚み1mmのアルミニウム基板上に、ワイヤーバーを用いて塗布し、110℃で30分間、熱風乾燥して、膜厚0.5μmの電荷発生層を形成し、その上に前記と同じ電荷輸送層用の塗布液を、ワイヤーバーを用いて塗布し、110℃で30分間、熱風乾燥して、膜厚20μmの電荷輸送層を形成して、積層型感光層を有する電子写真感光体を製造した。
【0185】
また一方、上記塗工液を温度23±1℃、相対湿度50〜60%の密閉系中で7日間、放置して超音波分散機で再分散させた後、同様に厚み1mmのアルミニウム基板上に、ワイヤーバーを用いて塗布し、110℃で30分間、熱風乾燥して、膜厚0.5μmの電荷発生層を形成した。
【0186】
そしてこの電荷発生層上に、前記と同じ電荷輸送層用の塗布液を、ワイヤーバーを用いて塗布し、110℃で30分間、熱風乾燥して、膜厚20μmの電荷輸送層を形成して、積層型感光層を有する電子写真感光体を製造した。
(比較例16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42)
前記製造例3で得たチタニルフタロシアニンを電荷発生剤として使用し、表6および表7に記載の正孔輸送剤を用いたこと以外は実施例37と同様にして、積層型感光層のうち電荷発生層用の塗工液を製造した。
【0187】
そしてこの電荷発生層用の塗工液を製造直後、およそ60分以内に、導電性基材である、厚み1mmのアルミニウム基板上に、ワイヤーバーを用いて塗布し、110℃で30分間、熱風乾燥して、膜厚0.5μmの電荷発生層を形成し、その上に前記と同じ電荷輸送層用の塗布液を、ワイヤーバーを用いて塗布し、110℃で30分間、熱風乾燥して、膜厚20μmの電荷輸送層を形成して、積層型感光層を有する電子写真感光体を製造した。
【0188】
また一方、上記塗工液を温度23±1℃、相対湿度50〜60%の密閉系中で7日間、放置して超音波分散機で再分散させた後、同様に厚み1mmのアルミニウム基板上に、ワイヤーバーを用いて塗布し、110℃で30分間、熱風乾燥して、膜厚0.5μmの電荷発生層を形成した。
【0189】
そしてこの電荷発生層上に、前記と同じ電荷輸送層用の塗布液を、ワイヤーバーを用いて塗布し、110℃で30分間、熱風乾燥して、膜厚20μmの電荷輸送層を形成して、積層型感光層を有する電子写真感光体を製造した。
(感度特性試験2)
上記各実施例、比較例で作製した電子写真感光体を、ドラム感度試験機を用いて、コロナ放電により、表面電位−700Vに帯電させた。
【0190】
ついでバンドパスフィルターを用いて波長780nm、半値幅20nmに単色化した光強度8μW/cmの光を、上記電子写真感光体の表面に1.5秒間、露光しつつ、上記の露光開始から0.5秒後の表面電位を露光後電位として測定した。
【0191】
そして各実施例、比較例で作製した電子写真感光体のうち、製造直後の塗工液を用いて電荷発生層を形成したものの露光後電位Vr1(V)と、24時間、貯蔵後の塗工液を用いて電化発生層を形成したものの露光後電位Vr2(V) との露光後電位差ΔVr(V)(= Vr2−Vr1)によって、各感光体の感度特性を評価した。
【0192】
結果を表10、11に示す。
【0193】
【表6】
Figure 2004145284
【0194】
【表7】
Figure 2004145284
【0195】
【表8】
Figure 2004145284
【0196】
表6および7より、同一の正孔輸送剤を使用した場合、製造例1の、本発明のチタニルフタロシアニンを使用した実施例の電子写真感光体は、露光後電位差ΔVrが殆ど無かった。すなわち、製造直後の塗工液を用いて積層型感光層を形成した感光体の露光後電位Vr1と、製造後7日間に亘って貯蔵した塗工液を使用して積層型感光層を形成した感光体の露光後電位Vr2とが殆ど変化していなかった。
【0197】
これに対し、製造例2および3のチタニルフタロシアニンを使用した比較例の電子写真感光体は、露光後電位差ΔVrが大きな値となっていた。すなわち、製造後7日間に亘って貯蔵した塗工液を使用して単層型感光層を形成した感光体の露光後電位Vr2(V)が、製造直後の塗工液を用いて単層型感光層を形成した感光体の露光後電位Vr1(V)に比べて著しく増加していた。
【0198】
表8より、正孔輸送剤の種類によって初期の露光後電位Vr1は色々な値を採るが、製造例1のチタニルフタロシアニンを用いることにより、7日間貯蔵後の露光後電位Vr2は殆ど変化しないことがわかった。
【0199】
以上より、製造例1のチタニルフタロシアニンを使用すれば、塗工液製造後の経過期間にかかわらず常に安定して、良好な感度特性を有する感光体を製造できることが確認された。逆に、製造例2および3のチタニルフタロシアニンは、塗工液の貯蔵によって感光体の感度特性が著しく低下することがわかった。
【0200】
前記実施例1で製造した単層型電子写真感光体からそれぞれ感光層を剥離し、常温、常湿条件下でテトラヒドロフランに溶解した。
【0201】
次いで、この溶液をろ過してチタニルフタロシアニンを単離した後、単離直後、および単離したチタニルフタロシアニンをテトラヒドロフラン中に分散させて、湿度23±1℃、相対湿度50〜60%の常温、常湿条件下、密閉系中で7日間、浸漬して回収した後の、それぞれの時点のサンプルにおける、CuKα特性X線回折スペクトルを、前記と同様にして測定した。
【0202】
以上の測定結果を図11、図12に示す。なお、各サンプルの各図との対応は下記の通りである。
【0203】
【表9】
Figure 2004145284
【0204】
図11、図12の結果より、実施例1の単層型電子写真感光体から単離されたチタニルフタロシアニンは、単離直後および7日間浸漬後のいずれにおいても、ブラッグ角2θ±0.2°=27.2°に強いピークを有するものの、7.4°および26.2°にはピークが見られなかった。このことから、実施例1の感光体で使用した製造例1のチタニルフタロシアニンは感光体の製造後も安定に結晶系を維持できることが確認された。
【0205】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明のチタニルフタロシアニンは、良好な感度特性を有する感光層を安定して形成することが可能な、貯蔵安定性に優れた塗工液を製造できるものであることがわかった。
【0206】
また、本発明の電子写真感光体は、上記チタニルフタロシアニンを用いるため、感度特性に優れる。
【0207】
さらに、本発明の画像形成装置は、上記電子写真感光体を搭載することから、かぶりの無い良好な画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置の一例を示す模式図である。
【図2】本発明の製造例1で得たチタニルフタロシアニンを示差走査熱量分析した結果を示すグラフである。
【図3】上記製造例1のチタニルフタロシアニンの、合成直後の時点でのCuKα特性X線回折スペクトルを示すグラフである。
【図4】上記製造例1のチタニルフタロシアニンを、テトラヒドロフラン中に7日間、浸漬したのち、再び測定したCuKα特性X線回折スペクトルを示すグラフである。
【図5】製造例2で得たチタニルフタロシアニンを示差走査熱量分析した結果を示すグラフである。
【図6】上記製造例2のチタニルフタロシアニンの、合成直後の時点でのCuKα特性X線回折スペクトルを示すグラフである。
【図7】上記製造例2のチタニルフタロシアニンを、テトラヒドロフラン中に7日間、浸漬したのち、再び測定したCuKα特性X線回折スペクトルを示すグラフである。
【図8】製造例3で得たチタニルフタロシアニンを示差走査熱量分析した結果を示すグラフである。
【図9】上記製造例3のチタニルフタロシアニンの、合成直後の時点でのCuKα特性X線回折スペクトルを示すグラフである。
【図10】上記製造例3のチタニルフタロシアニンを、テトラヒドロフラン中に7日間時間、浸漬したのち、再び測定したCuKα特性X線回折スペクトルを示すグラフである。
【図11】実施例1で製造した感光体の感光層から単離した、製造例1のチタニルフタロシアニンの、単離直後の時点でのCuKα特性X線回折スペクトルを示すグラフである。
【図12】上記単離した製造例1のチタニルフタロシアニンをテトラヒドロフラン中に7日間、浸漬した後、再び測定したCuKα特性X線回折スペクトルを示すグラフである。

Claims (7)

  1. CuKα特性X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角2θ±0.2°=27.2°に最大のピークを有するとともに、7.4°にピークを有さず、示差走査熱量分析において、吸着水の気化に伴なうピーク以外は50℃から400℃まで温度変化のピークを有さないことを特徴とするチタニルフタロシアニン。
  2. 有機溶媒中に7日間、浸漬したのち回収した結晶が、CuKα特性X線回折スペクトルにおいて、少なくともブラッグ角2θ±0.2°=27.2°に最大ピークを有するとともに、7.4°にピークを有さないことを特徴とする請求項1に記載のチタニルフタアロシアニン。
  3. 前記有機溶媒が、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、トルエンおよび1,4−ジオキサンからなる群より選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項2に記載のチタニルフタロシアニン。
  4. 一般式(1):
    Figure 2004145284
    〔式中、X, X, XおよびXは同一または異なって、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、シアノ基、またはニトロ基を示し、a, b, cおよびdは同一または異なって0〜4の整数を示す。〕
    で表されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のチタニルフタロシアニン。
  5. CuKα特性X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角2θ±0.2°=26.2°にピークを有さないことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のフタロシアニン。
  6. 導電性基体上に請求項1〜5に記載のチタニルフタロシアニンを含有する感光層を有することを特徴とする電子写真感光体。
  7. 請求項6に記載の電子写真感光体と、前記感光体を一定方向に駆動する駆動手段と、前記感光体の駆動方向に沿って帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段がこの順に設けられていることを特徴とする画像形成装置。
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