JP2007199674A - 画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基体上に、電荷発生剤、電荷輸送剤、及び結着樹脂を含む感光層を有する電子写真感光体を搭載した画像形成装置、及びそれを用いた画像形成方法であって、電荷発生剤としてCuKα特性X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角2θ±0.2°=27.2°に最大ピークを有するとともに、示差走査熱量分析において、吸着水の気化に伴なうピーク以外に270〜400℃の範囲内に、1つのピークを有するチタニルフタロシアニン結晶を用いる。
【選択図】図1
Description
また、このような有機感光体に対して、表面を帯電させるための帯電手段と、静電潜像を形成するための露光手段と、この静電潜像を現像バイアス電圧が印加された状態でトナー現像するための現像手段と、さらに形成されたトナー像を転写紙に転写するための転写手段と、を順次配置した画像形成プロセスが実施されている。
さらに、転写手段の下流には、有機感光体上の残留トナーを除去するための、クリーニングブレードを備えたクリーニング手段、及び有機感光体上の残留電荷を除去するための、LED等を使用した除電手段が、それぞれ配置されている。
また、かかるフタロシアニン系顔料には、その化学構造によって、無金属フタロシアニン化合物、銅フタロシアニン化合物、チタニルフタロシアニン化合物等が存在するとともに、それぞれのフタロシアニン化合物が、その製造条件の違いによって種々の結晶型をとり得ることが知られている。
このように結晶型が異なる多数種のフタロシアニン化合物結晶が存在する中で、電荷発生剤として、Y型結晶構造を有するチタニルフタロシアニンを含有した感光体を製造した場合、他の結晶型のチタニルフタロシアニンを使用した場合と比較して、感光体における電気特性が向上することが知られている。
例えば、X線回折スペクトルにおいてCu−Kα線に対するブラッグ角(2θ±0.2゜)=27.3゜に最大回折ピークを有するチタニルフタロシアニンであって、フタロシアニン環を形成し得る有機化合物と、チタン化合物と、を尿素又はアンモニアを添加したジアルキルアミノアルコール中で、130℃、4時間程度の条件で反応させてなるY型結晶の製造方法が開示されている(例えば、特許文献1)。
より具体的には、CuKα特性X線回折スペクトルにおけるピークを所定の範囲に有し、示差走査熱量分析において50〜400℃の範囲内における温度変化のピークを有しないチタニルフタロシアニン結晶の製造方法が開示されている。
すなわち、本発明の目的は、感光層における分散性に優れた電荷発生剤を含有する電子写真感光体を搭載することにより、露光メモリ、黒筋、及び黒点の発生等を抑制した画像形成装置、及びそれを用いた画像形成方法を提供することにある。
すなわち、このような光学特性及び熱特性を有するチタニルフタロシアニン結晶を電荷発生剤として用いた画像形成装置であれば、当該チタニルフタロシアニン結晶の感光層における分散性が良好であるため、露光メモリ、黒筋、及び黒点等の発生を効果的に抑制した良質な画像を形成することができる。
また、かかるチタニルフタロシアニン結晶を電荷発生剤として用いることにより、感光層用塗布液中におけるα型結晶及びβ型結晶への結晶転移を有効に抑制することができる。したがって、貯蔵安定性に優れた感光層用塗布液を得ることができるため、良質な画像が得られる画像形成装置を、安定的かつ安価に製造することができる。
このように構成することにより、画像形成装置を小型化することができるとともに、部品点数を減らしてコストダウンを図ることができる。
なお、本発明の画像形成装置によれば、感光層における電荷発生剤としてのチタニルフタロシアニン結晶の分散性が良好であって、露光メモリの発生を効果的に抑制できることから、除電レスタイプを容易に構成することができる。
このように構成することにより、画像形成装置をより小型化することができるとともに、部品点数を減らして、よりコストダウンを図ることができる。
また、本発明の画像形成装置によれば、感光層における電荷発生剤としてのチタニルフタロシアニン結晶の分散性が良好であるため、感光層における残留電荷が少なく、感光体表面に対して残留トナーが強固に付着することを抑制できる。よって、クリーニング方式を現像同時クリーニング方式にしたとしても、効率的に感光体表面のクリーニングを行うことができる。
このように構成することにより、チャージャ等を用いる非接触方式の転写手段を用いた場合と比較して、転写電流を低く抑えることができるのみならず、オゾン発生量を抑えることもできる。
また、本発明の画像形成装置によれば、感光層における電荷発生剤としてのチタニルフタロシアニン結晶の分散性が良好であるため、転写時における感光体への電流のリークを効果的に抑制し、黒筋及び黒点等の発生を有効に防止することができる。
このように構成することにより、画像形成を高速で行うことができ、画像形成効率を高めることができる。
また、本発明の画像形成装置によれば、感光層における電荷発生剤としてのチタニルフタロシアニン結晶の分散性が良好であるため、繰り返し使用した場合であっても、感光体における感度及び帯電性を良好な状態に保持することができる。
このように構成することにより、正負いずれの帯電型であっても採用することができるとともに、感光体の層構成が簡易となり、生産性を向上させることができる。
すなわち、このような光学特性及び熱特性を有するチタニルフタロシアニン結晶を電荷発生剤として用いた画像形成装置であれば、当該チタニルフタロシアニン結晶の感光層における分散性が良好になるため、露光メモリ、黒筋、及び黒点等の発生を効果的に抑制した良質な画像を形成することができる。
また、上述したように、露光メモリ、黒筋、及び黒点等の発生を効果的に抑制することができる結果、除電手段、クリーニング手段等を省略、もしくは簡略化することが可能となるため、良質な画像を低コストで提供することができる。
以下、本発明の画像形成装置及びそれを用いた画像形成方法について、各構成要件に分けて説明する。
第1の実施形態における画像形成装置の基本的構成として、図1に示すような複写機30を挙げることができる。かかる複写機30は、画像形成ユニット31、排紙ユニット32、画像読取ユニット33、及び原稿給送ユニット34を備えている。また、画像形成ユニット31には、画像形成部31a及び給紙部31bがさらに備えられている。
したがって、図示された例では、原稿給送ユニット34は、原稿載置トレイ34a、原稿給送機構34b、及び原稿排出トレイ34cを有しており、原稿載置トレイ34a上に載置された原稿は、原稿給送機構34bによって画像読取位置Pに送られた後、原稿排出トレイ34cに排出される。
そして、原稿が原稿読取位置Pに送られた段階で、画像読取ユニット33において、光源33aからの光を利用して、原稿上の画像が読み取られる。すなわち、CCD等の光学素子33bを用いて、原稿上の画像に対応した画像信号が形成される。
一方、給紙部31bに積載された記録用紙(以下、単に用紙と呼ぶ。)Sは、一枚ずつ画像形成部31aに送られる。この画像形成部31aには、像担持体である感光体ドラム41が備えられており、さらに、この感光体ドラム41の周囲には、帯電器42、露光器43、現像器44、及び転写ローラ45が、感光体ドラム41の回転方向に沿って配置されている。
また、これらの構成部品のうち、感光体ドラム41は、図中、実線矢印で示す方向に回転駆動されて、帯電器42により、その表面が均一に帯電される。その後、前述の画像信号に基づいて、露光器43により感光体ドラム41に対して露光プロセスが実施され、この感光体ドラム41の表面において静電潜像が形成される。
この静電潜像に基づき、現像器44によりトナーを付着させて現像し、感光体ドラム41の表面にトナー像を形成する。そして、このトナー像は、感光体ドラム41と転写ローラ45とのニップ部に搬送される用紙Sに転写像として転写される。次いで、転写像が転写された用紙Sは、定着ユニット47に搬送されて、定着プロセスが行われる。
また、定着後の用紙Sは、排紙ユニット32に送られることになるが、後処理(例えば、ステイプル処理等)を行う際には、用紙Sは中間トレイ32aに送られた後、後処理が行われる。その後、用紙Sは、画像形成装置の側面に設けられた排出トレイ部(図示せず)に排出される。一方、後処理を行わない場合には、用紙Sは中間トレイ32aの下側に設けられた排紙トレイ32bに排紙される。なお、中間トレイ32a及び排紙トレイ32bは、いわゆる胴内排紙部として構成されている。
通常、このようなクリーナーレスシステムの画像形成装置であれば、紙粉及びシリカ等を完全に回収することが難しく、感光体に紙粉及びシリカの付着が比較的多くなる場合があり、黒点及び黒筋が発生しやすいという問題が生じやすくなる。しかしながら、本発明の画像形成装置によれば、所定のチタニルフタロシアニン結晶を有する電子写真感光体を搭載しているため、現像工程が現像同時クリーニング方式であっても、黒点の発生を効果的に防ぐことができる。したがって、小型化、軽量化、低コスト化等を可能にする、画像形成装置を提供することができる。
本発明の画像形成装置を構成するにあたり、使用される感光体としては、単層型電子写真感光体または積層型電子写真感光体のいずれであってもよい。以下、単層型電子写真感光体及び積層型電子写真感光体について、それぞれ具体的に説明する。
(1)基本的構成
本発明の画像形製装置を構成するにあたり、電子写真感光体が単層型電子写真感光体であることが好ましい。
かかる単層型電子写真感光体の基本的な構成としては、図3(a)に示すように、基体12上に単一の感光層14を設けて単層型電子写真感光体10を構成したものである。
この感光層14は、電荷発生剤としての特定のチタニルフタロシアニン結晶と、電子輸送剤と、正孔輸送剤と、結着樹脂等とを所定の溶媒に溶解または分散させた塗布液を、基体12上に塗布し、乾燥させることで形成することができる。
このような単層型電子写真感光体10は、正負いずれの帯電型であっても採用することができるとともに、感光体の層構成が簡易となり、生産性を向上させることができる。また、層間の界面が少ないことから、光学的特性を向上させることができる。
また、図3(b)に示すように、導電性基体12と感光層14との間に、感光体の特性を阻害しない範囲でバリア層16が形成されている感光体10´でもよい。さらに、図3(c)に示すように、感光層14の表面に、保護層18が形成されている感光体10´´であってもよい。
なお、このような単層型電子写真感光体において、電荷輸送剤としては、電子輸送剤または正孔輸送剤のうち、どちらか一方のみを用いてもよい。
(2)−1 光学特性
本発明を構成するチタニルフタロシアニン結晶は、光学特性として、CuKα特性X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角2θ±0.2°=27.2°に最大のピークを有することを特徴とする(第1の光学特性)。
また、CuKα特性X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角2θ±0.2°=26.2°にピークを有さないことが好ましい(第2の光学特性)。
さらに、CuKα特性X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角2θ±0.2°=7.4°にピークを有さないことが好ましい(第3の光学特性)。
この理由は、かかる第1の光学特性を備えない場合には、このような光学特性を有するチタニルフタロシアニン結晶と比較して、電子写真感光体を作成するための感光層における分散性が著しく低下する場合があるためである。逆に言えば、第1の光学特性、より好ましくは、第2の光学特性及び第3の光学特性を備えることにより、感光層における分散性を向上させることができるためである。また、チタニルフタロシアニン結晶がこれらの特性を有することによって、有機溶媒中における結晶型の安定性を向上させることができるためである。
なお、チタニルフタロシアニン結晶の感光層における分散性は、良質な画像を形成するために必要な要素である。詳細は熱特性の項において記載する。
また、上述したチタニルフタロシアニン結晶の有機溶媒中における安定性は、感光層を形成するための感光層用塗布液を製造する際に、かかる感光層用塗布液中において、当該チタニルフタロシアニン結晶の結晶型が、電気特性に優れたY型から、電気特性に劣るα型及びβ型へと結晶転移することを防止するために必要な要素である。
この理由は、有機溶媒中において7日間浸漬した場合であっても、チタニルフタロシアニン結晶が、上述した特性を保持できることによって、チタニルフタロシアニン結晶の感光層における分散性、及び有機溶媒中における結晶転移を、さらに確実に制御することができるためである。
なお、チタニルフタロシアニン結晶の貯蔵安定性を評価する基準となる有機溶媒への浸漬実験評価は、例えば、電子写真用感光体を作成するための感光層用塗布液を実際に保管する条件と、同一条件で実施することが好ましい。したがって、例えば、温度23±1℃、相対湿度50〜60%RHの条件下で、密閉系中において、チタニルフタロシアニン結晶の貯蔵安定性を評価することが好ましい。
この理由は、かかる有機溶媒を感光層用塗布液における有機溶剤として用いた場合に、特定のチタニルフタロシアニン結晶の安定性をより確実に判断することができるとともに、特定のチタニルフタロシアニン結晶、電荷輸送剤、及び結着樹脂等における相溶性が良好となるためである。したがって、特定のチタニルフタロシアニン結晶及び電荷輸送剤等の特性を、より有効に発揮させる感光体を形成することができ、さらに電気特性及び画像特性に優れた電子写真感光体を、安定して製造することができるためである。
また、本発明を構成する特定のチタニルフタロシアニン結晶は、熱特性として、示差走査熱量分析において、吸着水の気化に伴うピーク以外に270〜400℃の範囲内に、1つのピークを有することを特徴とする。
この理由は、上述した光学特性に加えて、このような熱特性を有するチタニルフタロシアニン結晶を電荷発生剤として用いた画像形成装置であれば、当該チタニルフタロシアニン結晶の感光層における分散性が良好になるため、露光メモリ、黒筋、及び黒点等の発生を効果的に抑制した良質な画像を形成することができるためである。
また、上述した特定のチタニルフタロシアニン結晶を電荷発生剤として用いれば、感光層用塗布液中におけるα型結晶及びβ型結晶への結晶転移を有効に抑制することができる。したがって、貯蔵安定性に優れた感光層用塗布液を得ることができ、良質な画像を効率的に形成できる画像形成装置を、安定して製造することができるためである。
より具体的に説明すると、まず露光メモリに関しては、上述した特定のチタニルフタロシアニン結晶の感光層における分散性が良好となる結果、チタニルフタロシアニン結晶全体としての表面積が増加する。つまり、チタニルフタロシアニン結晶と電荷輸送剤との接触率が向上し、感光層における電荷の残留が抑制され、露光メモリの発生を効果的に抑制することができる。
次に、黒筋、及び黒点に関しては、上述した特定のチタニルフタロシアニン結晶の感光層における分散性が良好になる結果、局所的にチタニルフタロシアニン結晶が凝集して感光層における絶縁性を低下させるといった現象を防止することができる。つまり、感光層全体における絶縁性を向上させることができるため、転写時において転写手段から感光体に対して電流がリークすることを抑制することができ、かかるリークに起因する黒筋及び黒点の発生を抑制することができる。
なお、吸着水の気化にともなうピーク以外のピークであって、270〜400℃の範囲内に現れる1つのピークは、290〜400℃の範囲内に現れることがより好ましく、300〜400℃の範囲内に現れることがさらに好ましい。
第1の光学特性を有するチタニルフタロシアニン結晶は、それ以外の従来のチタニルフタロシアニン結晶と比較して、その結晶成長が抑制される傾向があるため、従来のチタニルフタロシアニン結晶よりも粒径が小さな結晶を形成する傾向がある。このように結晶粒径が小さいことによって、従来のチタニルフタロシアニン結晶と比較して、感光層における分散性を向上させることができる。
また、チタニルフタロシアニン化合物の構造が、下記一般式(1)で表される化合物であることが好ましい。
この理由は、このような構造のチタニルフタロシアニン化合物を用いることによって、感光層における特定のチタニルフタロシアニン結晶の分散性をさらに向上させることができるばかりか、感光層用塗布液中における結晶型の安定性についてもさらに向上させることができるためである。
また、特に、チタニルフタロシアニン化合物の構造が、下記一般式(2)で表されることが好ましい。その中でも特に、下記式(3)で表される無置換のチタニルフタロシアニン化合物であることが好ましい。
この理由は、このような構造のチタニルフタロシアニン化合物を用いることによって、感光層における分散性、及び感光層用塗布液中における結晶型の安定性において、さらに優れた特定のチタニルフタロシアニン結晶をさらに容易に製造することができるためである。
また、感光体における感度領域を調整するために、他の電荷発生剤を併用してもよい。他の電荷発生剤としては、これに限定されるものではないが、例えばセレン、セレン−テルル、セレン−ヒ素、硫化カドミウム、及びアモルファスシリコンなどの無機光導電材料の粉末、アゾ系顔料、ビスアゾ系顔料、ペリレン系顔料、アンサンスロン系顔料、本発明のチタニルフタロシアニン結晶以外の、従来のフタロシアニン系顔料、インジゴ系顔料、トリフェニルメタン系顔料、スレン系顔料、トルイジン系顔料、ピラゾリン系顔料、キナクリドン系顔料、及びジチオケトピロロピロール系顔料などの1種または2種以上が挙げられる。
また、電荷発生剤の添加量としては、後述する結着樹脂100重量部に対して0.1〜50重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、電荷発生剤の添加量をかかる範囲内の値とすることによって、感光体への露光をした際に、当該電荷発生剤が効率的に電荷を発生することができるためである。
すなわち、かかる電荷発生剤の添加量が、結着樹脂100重量部にたいして0.1重量部未満となると、電荷発生量が、感光体上に静電潜像を形成するのに不十分となる場合があるためである。一方、かかる電荷発生剤の添加量が、結着樹脂100重量部に対して50重量部を超えると、感光層用塗布液中に均一に分散することが困難になる場合があるためである。
よって、結着樹脂100重量部に対する電荷発生剤の添加量を、0.5〜30重量部の範囲内の値とすることがより好ましい。
なお、電荷発生剤の添加量は、電荷発生剤として本発明を構成する特定のチタニルフタロシアニン結晶のみを用いる場合は、当該チタニルフタロシアニン結晶の添加量であり、チタニルフタロシアニン結晶と他の電荷発生剤とを併用する場合は、両者の合計の添加量である。
その他、本発明を構成するチタニルフタロシアニン結晶と、他の電荷発生剤とを併用する場合、他の電荷発生剤は、上述した特定のチタニルフタロシアニン結晶の効果を妨げない範囲で少量添加することが好ましい。具体的には、他の電荷発生剤を、特定のチタニルフタロシアニン結晶100重量部に対して、100重量部以下の範囲内の割合で添加することが好ましい。
結着樹脂としては、例えばスチレン系重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、アクリル系重合体、スチレン−アクリル系共重合体、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル、アルキッド樹脂、ポリアミド、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスルホン、ジアリルフタレート樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、及びポリエーテル樹脂などの熱可塑性樹脂や、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、及びその他架橋性の熱硬化性樹脂、さらにエポキシ−アクリレート、及びウレタン−アクリレートなどの光硬化性樹脂などがあげられる。これら結着樹脂は単独で使用できるほか、2種以上を併用することもできる。
(4)−1 種類
電子輸送剤としては、従来公知の種々の電子輸送性化合物がいずれも使用可能である。特にベンゾキノン系化合物、ジフェノキノン系化合物、ナフトキノン系化合物、マロノニトリル、チオピラン系化合物、テトラシアノエチレン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、フルオレノン系化合物(例えば2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノンなど)、ジニトロベンゼン、ジニトロアントラセン、ジニトロアクリジン、ニトロアントラキノン、無水こはく酸、無水マレイン酸、ジブロモ無水マレイン酸、2,4,7−トリニトロフルオレノンイミン系化合物、エチル化ニトロフルオレノンイミン系化合物、トリプトアントリン系化合物、トリプトアントリンイミン系化合物、アザフルオレノン系化合物、ジニトロピリドキナゾリン系化合物、チオキサンテン系化合物、2−フェニル−1,4−ベンゾキノン系化合物、2−フェニル−1,4−ナフトキノン系化合物、5,12−ナフタセンキノン系化合物、α−シアノスチルベン系化合物、4,’−ニトロスチルベン系化合物、及びベンゾキノン系化合物の陰イオンラジカルとカチオンとの塩などの電子吸引性化合物が好適に使用される。これらはそれぞれ単独で使用される他、2種以上を併用することもできる。
中でも特に下記式(4)〜(18)で表される電子輸送剤(ETM−1〜15)が、いずれも本発明としてのチタニルフタロシアニン結晶との相溶性等の相性がよく、かつ電子輸送能に優れた電子輸送剤として、好適に使用される。
また、電子輸送剤の添加量としては、結着樹脂100重量部に対して20〜500重量部の範囲内の値とすることが好ましく、30〜200重量部の範囲内の値とすることがより好ましい。なお、電子輸送剤と、後述の正孔輸送剤とを併用する場合には、その合計量を、結着樹脂100重量部に対して20〜500重量部の範囲内の値とすることが好ましく、30〜200重量部の範囲内の値とすることがより好ましい。
また、電子輸送剤と、後述する正孔輸送剤とを併用して用いる場合、電子輸送剤の添加量を、正孔輸送剤100重量部に対して10〜100重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
(5)−1 種類
また正孔輸送剤としては、従来公知の種々の正孔輸送性化合物がいずれも使用可能である。特にベンジジン系化合物、フェニレンジアミン系化合物、ナフチレンジアミン系化合物、フェナントリレンジアミン系化合物、オキサジアゾール系化合物(例えば2,5−ジ(4−メチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールなど)、スチリル系化合物(例えば9−(4−ジエチルアミノスチリル)アントラセンなど)、カルバゾール系化合物(例えばポリ−N−ビニルカルバゾールなど)、有機ポリシラン化合物、ピラゾリン系化合物(例えば1−フェニル−3−(p−ジメチルアミノフェニル)ピラゾリンなど)、ヒドラゾン系化合物、トリフェニルアミン系化合物、インドール系化合物、オキサゾール系化合、イソオキサゾール系化合物、チアゾール系化合物、チアジアゾール系化合物、イミダゾール系化合物、ピラゾール系化合物、トリアゾール系化合物、ブタジエン系化合物、ピレン−ヒドラゾン系化合物、アクロレイン系化合物、カルバゾール−ヒドラゾン系化合物、キノリン−ヒドラゾン系化合物、スチルベン系化合物、スチルベン−ヒドラゾン系化合物、及びジフェニレンジアミン系化合物などが好適に使用される。これらはそれぞれ単独で使用される他、2種以上を併用することもできる。
中でも下記式(19)〜(45)で表される正孔輸送剤(HTM−1〜27)が、いずれも前述の特定のチタニルフタロシアニン結晶との相溶性等の相性がよく、かつ正孔輸送能に優れた正孔輸送剤として、好適に使用される。
また、正孔輸送剤の添加量としては、結着樹脂100重量部に対して20〜500重量部の範囲内の値とすることが好ましく、30〜200重量部の範囲内の値とすることがより好ましい。なお、正孔輸送剤と、上述の電子輸送剤とを併用する場合には、その合計量を、結着樹脂100重量部に対して20〜500重量部の範囲内の値とすることが好ましく、30〜200重量部の範囲内の値とすることがより好ましい。
また、感光層には、上述の各成分の他に、例えば増感剤、フルオレン系化合物、紫外線吸収剤、可塑剤、界面活性剤、レベリング剤などの種々の添加剤を添加することもできる。また感光体の感度を向上させるために、例えばターフェニル、ハロナフトキノン類、及びアセナフチレンなどの増感剤を、電荷発生剤と併用してもよい。
上述の感光層が形成される基体としては、導電性を有する種々の材料を使用することができる。例えば鉄、アルミニウム、銅、スズ、白金、銀、バナジウム、モリブデン、クロム、カドミウム、チタン、ニッケル、パラジウム、インジウム、ステンレス鋼、及び真鍮などの金属にて形成された基体や、上述の金属が蒸着またはラミネートされたプラスチック材料からなる基体、あるいはヨウ化アルミニウム、酸化スズ、及び酸化インジウムなどで被覆されたガラス製の基体などが例示される。
すなわち、基体自体が導電性を有するか、あるいは基体の表面が導電性を有していればよい。また、基体は、使用に際して、充分な機械的強度を有するものが好ましい。
また、基体の形状は使用する画像形成装置の構造に合わせて、シート状、及びドラム状などのいずれであってもよい。
単層型感光体を製造するにあたり、結着樹脂と、特定の電荷発生剤と、正孔輸送剤と、さらに必要に応じて電子輸送剤と、を溶媒に添加して、分散混合し、感光層用塗布液とする。すなわち、単層型感光体を塗布方法により形成する場合には、電荷発生剤としての特定のチタニルフタロシアニン結晶、電荷輸送剤、及び結着樹脂等を適当な溶剤とともに、公知の方法、例えばロールミル、ボールミル、アトライタ、ペイントシェーカー、及び超音波分散機等を用いて分散混合して分散液を調整し、これを公知の手段により塗布して乾燥させればよい。
また、感光層用塗布液を作るための溶剤としては、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、トルエン、1,4−ジオキサン、及び1−メトキシ−2−プロパノール等の1種または2種以上が挙げられる。
さらに、感光層用塗布液中に、電荷輸送剤や電荷発生剤の分散性や感光体層表面の平滑性を良好なものとするために、界面活性剤やレベリング剤等を添加してもよい。
また、ここで本発明を構成するCuKα特性X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角2θ±0.2°=27.2°に最大のピークを有するとともに、示差走査熱量分析において、吸着水の気化に伴なうピーク以外に270〜400℃の範囲内に、1つのピークを有するチタニルフタロシアニン結晶の製造方法について説明する。
かかるチタニルフタロシアニン結晶の製造方法は、下記工程(a)〜(b)を含むことが好ましい。
(a)o−フタロニトリルまたはその誘導体、もしくは1,3−ジイミノイソインドリンまたはその誘導体1モルに対して、チタンアルコキシドまたは四塩化チタンを0.40〜0.53モルの範囲内の値で添加し、かつ、o−フタロニトリルまたはその誘導体、もしくは1,3−ジイミノイソインドリンまたはその誘導体1モルに対して尿素化合物を0.1〜0.95モルの範囲内の値で添加して反応させ、チタニルフタロシアニン化合物を製造する工程
(b)(a)工程において製造したチタニルフタロシアニン化合物に対して、酸処理を実施し、チタニルフタロシアニン結晶を製造する工程
以下、電荷発生剤の項において既に説明した内容は適宜省略し、上述のチタニルフタロシアニン結晶の製造方法について中心に説明する。
本発明におけるチタニルフタロシアニン化合物の製造方法としては、かかる分子の製造材料としてのo−フタロニトリルまたはその誘導体、もしくは1,3−ジイミノイソインドリンまたはその誘導体と、チタンアルコキシドまたは四塩化チタンと、を尿素化合物の存在下において反応させて、チタニルフタロシアニン化合物を製造することが好ましい。
ここで、式(3)で表されるチタニルフタロシアニン化合物を例にとって、その製造方法を具体的に説明する。
すなわち、式(3)で表されるチタニルフタロシアニン化合物を製造する場合には、下記反応式(1)又は下記反応式(2)に準じて実施することが好ましい。なお、反応式(1)及び反応式(2)においては、チタンアルコキシドとして、一例ではあるが、式(47)で表されるチタンテトラブトキシドを用いている。
なお、式(47)で表されるチタンテトラブトキシド等のチタンアルコキシドの替わりに、四塩化チタンを用いてもよい。
この理由は、式(47)で表されるチタンテトラブトキシド等のチタンアルコキシドまたは四塩化チタンの添加量を、式(46)で表されるo−フタロニトリルまたはその誘導体、もしくは式(48)で表される1,3−ジイミノイソインドリンまたはその誘導体に対して、1/4モル当量を超えた過剰量を添加することにより、後述する尿素化合物との相互作用が効果的に発揮されるためである。なお、かかる相互作用については、尿素化合物の項で詳述する。
したがって、式(47)で表されるチタンテトラブトキシド等のチタンアルコキシドまたは四塩化チタンの添加量を、式(46)で表されるo−フタロニトリルまたは式(48)で表される1,3−ジイミノイソインドリン等1モルに対して、0.43〜0.50モルの範囲内の値とすることがより好ましく、0.45〜0.47モルの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
すなわち、かかる相互作用とは、尿素化合物とチタンアルコキシドまたは四塩化チタンとの反応によって生成するアンモニアが、さらにチタンアルコキシドまたは四塩化チタンと錯体を形成し、かかる物質が反応式(1)及び(2)で表される反応をより促進させる作用である。そして、このような促進作用のもとに、原料物質を反応させることにより、分散性に優れるとともに、有機溶媒中であっても結晶転移しにくいチタニルフタロシアニン結晶を効率的に製造することができる。
この理由は、かかる尿素化合物を、反応式(1)及び(2)中の尿素化合物として用いることにより、反応の過程で生成するアンモニアが、より効率的にチタンアルコキシドまたは四塩化チタンと錯体を形成し、かかる物質が反応式(1)及び(2)で表される反応をさらに促進させるためである。
すなわち、原料物質としてのチタンアルコキシドまたは四塩化チタンと、尿素化合物とが反応して生成するアンモニアが、さらに効率的にチタンアルコキシド等と錯体化合物を形成するためである。したがって、かかる錯体化合物が反応式(1)及び(2)で表される反応をさらに促進させるためである。
なお、かかる錯体化合物は、180℃以上の高温条件で反応させた場合に、特異的に生成しやすいことが判明している。そのため、沸点が180℃以上の含窒素化合物中、例えば、キノリン(沸点::237.1℃)やイソキノリン(沸点:242.5℃)、あるいはこれらの混合物(重量比10:90〜90:10)中で実施することがより有効である。
よって、反応促進剤としてのアンモニアや、それに起因した錯体化合物がさらに生成しやすいことから、上述した尿素化合物の中でも、尿素を用いることがより好ましい。
この理由は、尿素化合物の添加量をかかる範囲内の値とすることにより、上述した尿素化合物の作用をより効率的に発揮させることができるためである。
したがって、かかる尿素化合物の添加量を、o−フタロニトリルまたはその誘導体、もしくは1,3−ジイミノイソインドリンまたはその誘導体1モルに対して、0.3〜0.8モルの範囲内の値とすることがより好ましく、0.4〜0.7モルの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
特に、沸点が180℃以上の含窒素化合物、例えば、キノリンやイソキノリンであれば、原料物質としてのチタンアルコキシドまたは四塩化チタンと、尿素化合物とが反応して生成するアンモニアが、さらに効率的にチタンアルコキシド等と錯体化合物を形成しやすくなることから好適な溶媒である。
したがって、工程(a)における反応温度を180〜250℃の範囲内の値とすることがより好ましく、200〜240℃の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
したがって、工程(a)における反応時間を0.6〜3.5時間の範囲内の値とすることがより好ましく、0.8〜3時間の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
次いで、上述した工程において製造されたチタニルフタロシアニン化合物に対して、後処理としての酸処理を実施し、特定のチタニルフタロシアニン結晶を得ることが好ましい。
また、酸処理を実施する前段階として、上述した反応によって得たチタニルフタロシアニン化合物を水溶性有機溶媒中に加え、加熱下で一定時間、攪拌処理し、ついで当該攪拌処理よりも低温の温度条件下で一定時間、液を静置して安定化処理する酸処理前工程を行うことが好ましい。
また、酸処理前工程に使用する水溶性有機溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、及びイソプロパノールなどのアルコール類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピオン酸、酢酸、N−メチルピロリドン、及びエチレングリコール等の1種または2種以上が挙げられる。なお水溶性有機溶媒には、少量であれば、非水溶性の有機溶媒を添加してもよい。
さらにまた、攪拌処理後の安定化処理の条件も特に限定されないが、およそ10〜50℃程度、特に好ましくは23±1℃前後の温度範囲の一定温度条件下で、5〜15時間程度、液を静置して安定化させるのが好ましい。
すなわち、上述した酸処理前工程で得られたチタニルフタロシアニン結晶を酸に溶解させた後、当該溶液を、水に対して滴下して再結晶させ、次いで得られたチタニルフタロシアニン結晶をアルカリ水溶液中で洗浄することが好ましい。具体的には、得られた粗結晶を酸に溶解し、この溶液を氷冷下の水中に滴下したのち一定時間にわたって攪拌し、さらに10〜30℃の範囲内の温度で静置して再結晶させることが好ましい。次いで、乾燥させず、水が存在した状態において、非水系溶媒中で、30〜70℃で2〜8時間攪拌することが好ましい。
この理由は、かかる強酸を酸処理に用いることによって、不純物を十分に分解することができる一方、特定のチタニルフタロシアニン結晶の分解は抑えることができるためである。よって、より高純度かつ結晶特性に優れたチタニルフタロシアニン結晶を得ることができるためである。
また、洗浄処理に使用するアルカリ水溶液としては、例えばアンモニア水溶液、水酸化ナトリウム水溶液等の一般的なアルカリ水溶液を用いることが好ましい。
この理由は、酸処理後の特定のチタニルフタロシアニン結晶を、かかるアルカリ水溶液を用いて洗浄することによって、当該結晶の環境を酸性から中性とすることができるためである。その結果、次工程における当該結晶の取り扱いが容易となるとともに、当該結晶の安定性を向上させることができるためである。
また、攪拌処理のための非水系溶媒としては、例えばクロロベンゼン、及びジクロロメタン等のハロゲン系溶媒が挙げられる。
(1)基本的構成
図4(a)に示すように、積層型感光体20は、基体12上に、蒸着または塗布等の手段によって、電荷発生剤としての特定のチタニルフタロシアニン結晶を含有する電荷発生層24を形成し、次いでこの電荷発生層24上に、電荷輸送剤等と、結着樹脂を含む感光層用塗布液を塗布し、それを乾燥させて電荷輸送層22を形成することによって作成することができる。
また、上述の構造とは逆に、図4(b)に示すように、基体12上に、電荷輸送層22を形成し、その上に電荷発生層24を形成してもよい。
ただし、電荷発生層24は、電荷輸送層22に比べて膜厚がごく薄いため、その保護のためには、図4(a)に示すように、電荷発生層24の上に電荷輸送層22を形成することがより好ましい。
このように構成することにより、上述したチタニルフタロシアニン結晶と、電荷輸送剤等との相性等を特別に考慮する必要がなく、また、かかるチタニルフタロシアニン結晶に対して相性がよい結着樹脂、及び溶剤等を用いて感光層を構成することができる。よって、かかるチタニルフタロシアニン結晶の特性を、より効果的に発揮させて、電気特性、及び画像特性に優れた電子写真感光体を安定的に得ることができる。
また、このような感光体層が形成される基体としては、上述した単層型感光体の基体と同様のものを用いることができる。
この理由は、かかる中間層25を設けることによって、基体側の電荷が容易に感光体層へ注入されるのを防ぐと共に、感光体層を基体12上に強固に結着させ、基体12における表面上の欠陥を被覆し平滑化することができるためである。
本発明の積層型感光体を構成するにあたり、電荷発生剤、正孔輸送剤、結着樹脂、及びその他の添加剤等の種類については、上述した単層型感光体と基本的に同様の内容とすることができる。
また、本発明の積層型感光体に用いられる電荷発生剤の添加量は、電荷発生層を構成する結着樹脂100重量部に対して、5〜1000重量部の範囲内の値とすることが好ましく、30〜500重量部の範囲内の値とすることがより好ましい。
また、電荷輸送層を構成する電荷輸送剤と結着樹脂とは、電荷の輸送を阻害しない範囲、及び結晶化しない範囲で、種々の割合で配合することができるが、光照射により電荷発生層で生じた電荷が容易に輸送できるように、電荷輸送剤の添加量を、結着樹脂100重量部に対して10〜500重量部の範囲内の値とすることが好ましく、25〜200重量部の範囲内の値とすることがより好ましい。
なお、電荷輸送剤の添加量とは、電子輸送剤の添加量と正孔輸送剤の添加量の合計を示しており、電子輸送剤または正孔輸送剤のどちらかのみが添加されている場合は、添加されている電荷輸送剤のみの添加量を示す。
電荷発生層、電荷輸送層、及び中間層等の製造方法は、それぞれ結着樹脂、及びその他の添加物を適当な分散媒とともに、公知の方法を用いて分散混合して感光層用塗布液を調製し、それぞれ公知の手段で塗布、及び乾燥すればよい。
また、上述した電子写真感光体におけるプロセススピードを100〜250mm/secの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる感光体におけるプロセススピードを100〜250mm/secの範囲内の値とすることによって、画像形成を高速で行うことができ、画像形成効率を高めることができるためである。そして、一方で、感光層における電荷発生剤としてのチタニルフタロシアニン結晶の分散性が良好であるため、繰り返し使用した場合であっても、感光体における感度及び帯電性を良好な状態で保持することができるためである。
しかしながら、本発明においては、感光層における電荷発生剤としてのチタニルフタロシアニン結晶の分散性が良好であるため、チタニルフタロシアニン結晶全体としての表面積が増加する。つまり、チタニルフタロシアニン結晶と電荷輸送剤との接触率が向上し、電荷の輸送が効率的となる。
よって、発生した電荷を速やかに輸送することができるため、感光体におけるプロセススピードが100mm/sec以上であっても十分に対応できる感度を保持することができる。
また、帯電性に関しても、感光層において、チタニルフタロシアニン結晶と電荷輸送剤との接触率が向上するため、露光時に発生した電荷が感光層に残留するのを効果的に抑制することができる。よって、感光層を均一に帯電することができる。
一方、かかる感光体におけるプロセススピードを250mm/secを超えた値とすると、電荷の輸送が間に合わなかったり、ドラム回転数が過度に大きいために画像形成装置の寿命を短縮させたりする場合があるためである。
したがって、かかる感光体におけるプロセススピードを120〜180mm/secの範囲内の値とすることがより好ましく、140〜160mm/secの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
本発明としての画像形成装置を構成する除電手段としては、従来公知の除電手段を用いることができる。例えば、除電ランプ、除電チャージャ等が用いられ、それぞれ露光光源、帯電手段等で使用されるものが利用できる。
一方で、本発明の画像形成装置を構成するにあたり、上述したような除電手段を省略した除電レスタイプであることも好ましい。
この理由は、除電手段を省略した除電レスタイプを採用することにより、画像形成装置を小型化することができるとともに、部品点数を減らしてコストダウンを図ることができるためである。そして、一方で、本発明においては、既に電荷発生剤の項において記載したように、感光層における電荷発生剤としてのチタニルフタロシアニン結晶の分散性が良好であるため、露光メモリの発生を効果的に抑制することができるためである。
さらに、除電手段を省略した除電レスタイプを採用することの利点として、感光体における帯電電位や明電位の繰り返し特性が向上することが挙げられる。
すなわち、除電手段として除電ランプを用いた場合、除電工程によっても、感光層において電位の減衰が生じるため、感光層部に空間電荷が生じ、帯電電位や明電位における繰り返し特性が変化して一定の画像を形成することが困難となる場合があるためである。
よって、本発明においては、除電手段を省略した除電レスタイプであっても露光メモリを効果的に抑制することができるため、画像形成装置の小型化、及びコストダウンが図れるのみならず、除電手段に起因する繰り返し特性の低下についても改善することができる。
本発明としての画像形成装置を構成するクリーニング手段としては、従来公知のクリーニング手段を用いることができる。例えば、ウレタンゴムなどの弾性材料からなる板状のクリーニングブレードのエッジを、電子写真感光体に圧接させて残留トナーを掻取るようなものが挙げられる。また、クリーニング部材をブレードとローラとで構成し、当該ローラとして、その表面に研磨剤を有する研磨剤付ローラ等が挙げられる。
一方で、本発明の画像形成装置を構成するにあたり、上述したような独立したクリーニング手段ではなく、現像手段の一部として構成された現像同時クリーニング方式であることも好ましい。
この理由は、クリーニング手段を現像同時クリーニング方式にすることによって、画像形成装置を小型化することができるとともに、部品点数を減らして、よりコストダウンを図ることができるためである。そして、一方で、本発明においては、上述した電荷発生剤の項において記載したように、感光層における電荷発生剤としてのチタニルフタロシアニン結晶の分散性が良好であるため、感光層における残留電荷が少なく、感光体表面に対して残留トナーが強固に付着することを抑制できるためである。
さらに、現像同時クリーニング方式を採用して、クリーニング工程を簡略化することによって、従来のクリーニングブレードを用いたクリーニング方式における問題点を改善することができるためである。かかる問題点としては、感光体表面に対する、トナー成分等のフィルミング、感光体表面に対するクリーニングブレードの密着性の低下と、それに起因するリーニング不良、及び感光体における静電的安定性や耐久性への悪影響等が挙げられる。
よって、本発明においては、クリーニング手段が現像同時クリーニング方式であっても、残留トナーが強固に感光体表面に対して付着することを抑制することができるため、画像形成装置の小型化、及びコストダウンが図れるのみならず、従来のクリーニング手段に起因するフィルミング等についても改善することができる。
また、本発明の画像形成装置を構成する転写手段が、電子写真感光体に対して接触配置されていることが好ましい。
この理由は、チャージャ等を用いる非接触方式の転写手段を用いた場合と比較して、転写電流を低く抑えることができるのみならず、オゾン発生量を抑えることもできるためである。そして、一方で、本発明においては、既に電荷発生剤の項において記載したように、感光層における電荷発生剤としてのチタニルフタロシアニン結晶の分散性が良好であるため、転写時における感光体への電流のリークを効果的に抑制し、黒筋及び黒点等の発生を防止することができるためである。
すなわち、第1の実施形態において記載したように、黒筋及び黒点の発生は、転写時における感光体への電流のリークによって生じるが、かかる感光体への電流のリークは、非接触方式の転写手段を用いた場合よりも、接触方式の転写手段を用いた場合の方が生じやすい。しかしながら、本発明においては感光層におけるチタニルフタロシアニン結晶の分散性が良好であるため、かかる接触方式の転写手段を用いても、黒筋及び黒点等の発生を抑制して、良質な画像を形成することができるのである。
(1)チタニルフタロシアニンの製造
アルゴン置換したフラスコ中に、o−フタロニトリル22g(0.17モル)と、チタンテトラブトキシド25g(0.073モル)と、尿素2.28g(0.038モル)とキノリン300gとを加え、攪拌しつつ150℃まで昇温した。次に、反応系から発生する蒸気を系外へ留去しながら215℃まで昇温した後、この反応温度を維持しつつさらに2時間、攪拌して反応させた。
反応終了後、150℃まで冷却した時点で反応混合物をフラスコから取り出し、ガラスフィルターによってろ別し、得られた固体をN,N−ジメチルホルムアミド、およびメタノールで順次洗浄したのち真空乾燥して、青紫色の固体24gを得た。
(2)−1 酸処理前工程
上述したチタニルフタロシアニン化合物の製造で得られた青紫色の固体10gを、N,N−ジメチルホルムアミド100ミリリットル中に加え、攪拌しつつ130℃に加熱して2時間、攪拌処理を行った。次に、2時間経過した時点で加熱を停止し、23±1℃まで冷却した後、攪拌を停止し、この状態で12時間、液を静置して安定化処理を行った。次いで、安定化された液をガラスフィルターによってろ別し、得られた固体をメタノールで洗浄した後、真空乾燥して、チタニルフタロシアニン化合物の粗結晶9.83gを得た。
上述した酸処理前工程で得られたチタニルフタロシアニンの粗結晶5gを、濃硫酸100ミリリットルに加えて溶解した。次に、この溶液を、氷冷下の水中に滴下したのち室温で15分間攪拌し、さらに23±1℃付近で30分間、静置して再結晶させた。次に、上述した液をガラスフィルターによって濾別し、得られた固体を洗浄液が中性になるまで水洗した後、乾燥させずに水が存在した状態で、クロロベンゼン200ミリリットル中に分散させて50℃に加熱して10時間攪拌した。次いで、液をガラスフィルターによって濾別したのち、得られた固体を50℃で5時間、真空乾燥させて、式(3)で表される無置換のチタニルフタロシアニンの結晶(青色粉末)4.1gを得た。
(3)−1 CuKα特性X線回折スペクトル測定
また、得られたチタニルフタロシアニン結晶の初期及び保管後のそれぞれにおけるCuKα特性X線回折スペクトル測定を行った。
より具体的には、X線回折装置(理学電機(株)製のRINT1100)のサンプルホルダーに、チタニルフタロシアニン結晶を充填して、下記条件下にて測定を行った。
なお、上述した保管条件としては、製造後60分以内のチタニルフタロシアニン0.3gを、テトラヒドロフラン5g中に分散させ、温度23±1℃、相対湿度50〜60%RHの条件下、密閉系中で7日間保管した。
X線管球:Cu
管電圧:40kV
管電流:30mA
スタート角度:3.0°
ストップ角度:40.0°
走査速度:10°/分
また、示差走査熱量計(理学電機(株)製のTAS−200型、DSC8230D)を用いて、得られたチタニルフタロシアニン結晶の示差走査熱量分析を行った。測定条件は下記の通りである。
サンプルパン:アルミニウム製
昇温速度:20℃/分
また、得られたチタニルフタロシアニン結晶4重量部を、式(19)で表される正孔輸送剤(HTM−1)50重量部と、式(6)で表される電子輸送剤(ETM−3)30重量部と、結着樹脂である粘度平均分子量が30,000であるポリカーボネート(帝人化成(株)製 TS2020)100重量部とを、800重量部のテトラヒドロフランとともに、ボールミルを用いて50時間混合、分散させて感光層用の塗布液を製造した。
次いで、この感光層用塗布液を、基体としての直径30mm、全長254mmのアルミニウム製のドラム状支持体に対し、ディップコート法にて塗布した。その後、100℃で、40分間熱処理して、膜厚25μmの単層型感光層を有する電子写真感光体を作製した。
感光体B〜Hは、感光体Aにおける正孔輸送剤及び電子輸送剤の種類を表1に示すように変えたほかは、感光体Aと同様に製造した。
感光体Iは、感光体Aにおいてチタニルフタロシアニン化合物を製造する際に尿素を用いなかったほかは、感光体Aと同様にチタニルフタロシアニン結晶の製造、評価、及び感光体の製造を行った。
感光体J〜Lは、感光体Iで用いた式(19)で表される正孔輸送剤(HTM−1)のかわりに、それぞれ表1に示す正孔輸送剤を用いたほかは、感光体Iと同様に製造した。
なお、特定のチタニルフタロシアニン結晶のCuKα特性X線回折スペクトルを図5に、示差走査熱量分析チャートを図6に示す。
一方、感光体I〜Lで用いた従来のチタニルフタロシアニン結晶は、ブラッグ角2θ±0.2°=27.2°に最大ピークを有するものの、示差走査熱量分析において、吸着水の気化に伴なうピーク以外に270〜400℃の範囲内に、1つのピークも有しないチタニルフタロシアニン結晶であった。
なお、従来のチタニルフタロシアニン結晶のCuKα特性X線回折スペクトルを図7に、示差走査熱量分析チャートを図8に示す。
すなわち、表2における結晶変化の評価は、チタニルフタロシアニン結晶を、有機溶媒としてのテトラヒドロフラン中に7日間浸漬した後、そのCuKα特性X線回折スペクトル、及び示差走査熱量分析を行って、浸漬前と比較して評価した。
また、分散性の評価は、チタニルフタロシアニン結晶が、有機溶媒としてのテトラヒドロフラン中において、完全に沈殿するまでの時間を測定し、評価した。
1.画像形成装置の作成
得られた感光体Aを、除電手段を除いたプリンタ(京セラミタ製 Antico40)に搭載し、実施例1の画像形成装置とした。
(1)露光メモリ電位の評価
製造した画像形成装置において、感光体における未露光部分の表面電位、及び露光部分の帯電工程実施後の表面電位を測定し、その差を露光メモリ電位として、下記基準に準じて評価した。得られた結果を表3に示す。
◎:メモリ電位が50(V)未満の値である。
○:メモリ電位が50(V)以上、90(V)未満の値である。
△:メモリ電位が90(V)以上、100(V)未満の値である。
×:メモリ電位が100(V)以上の値である。
上述した露光メモリ電位の評価における条件と同条件下において、印写試験を実施し、露光メモリ画像が発生しているか否かを目視により判断し、下記基準に準じて評価した。なお、露光メモリ画像とは、図9に示す画像評価用原稿を使用し、印写試験を実施した場合、強い露光部分(黒ベタ部)の感光体表面電位の低下により、露光部分のゴースト画像がグレー部に発生した場合の画像を示す。得られた結果を表3に示す。
◎:メモリ画像が観察されない。
○:メモリ画像がわずかに観察される。
△:メモリ画像が観察される。
×:メモリ画像が顕著に観察される。
実施例2〜8においては、実施例1において使用した感光体Aのかわりに、感光体B〜Hを使用したほかは、実施例1と同様に画像形成装置を製造し、評価した。得られた結果を表3に示す。
比較例1〜4においては、実施例1において使用した感光体Aのかわりに、感光体I〜Lを使用したほかは、実施例1と同様に画像形成装置を製造し、評価した。得られた結果を表3に示す。
1.画像形成装置の作成
実施例9においては、感光体Aを、除電手段を取り除いたプリンタ(京セラミタ製 DP−560)に搭載し、実施例9の画像形成装置とした。なお、DP−560は、感光体に対して接触転写する転写方式及び現像同時クリーニング方式を採用したプリンタである。
(1)黒点発生数の評価
製造した画像形成装置を用いて、温度40℃、湿度90%の環境下で5000枚印字した後、画像形成装置を6時間放置し、その後A4サイズの白紙1枚に対して印字して、発生した黒点を計数した。また、計数した黒点発生数を、下記基準に準じて評価した。得られた結果を表4に示す。
◎:黒点発生数が100個未満の値である。
○:黒点発生数が100個以上、150個未満の値である。
△:黒点発生数が150個以上、200個未満の値である。
×:黒点発生数が200個以上の値である。
実施例10〜16においては、実施例9において使用した感光体Aのかわりに、感光体B〜Hを使用したほかは、実施例1と同様に画像形成装置を製造して、評価した。得られた結果を表4に示す。
比較例5〜8においては、実施例9において使用した感光体Aのかわりに、感光体I〜Lを使用したほかは、実施例9と同様に画像形成装置を製造し、評価した。得られた結果を表4に示す。
1.画像形成装置の作成
実施例17においては、感光体Aを、プリンタ(京セラミタ製 FS−1020D 改造機)に搭載し、実施例17の画像形成装置とした。なお、FS−1020Dのプロセススピードは132mm/secである。
(1)感度の評価
画像形成装置に搭載した感光体の感度を評価した。
すなわち、製造した画像形成装置を用いて、感光体における露光部の表面電位(V)を測定し、下記の基準に準じて評価した。得られた結果を表5に示す。
◎:露光部の表面電位が90V未満の値である。
○:露光部の表面電位が90V以上、100V未満の値である。
△:露光部の表面電位が100V以上、110V未満の値である。
×:露光部の表面電位が110V以上の値である。
また、画像形成装置において、感光体における感度の繰り返し安定性を評価した。
すなわち、製造した画像形成装置を用いて、露光部における表面電位(V)を測定した後、2時間継続的に印字した。そして、2時間印字後においても同様に、露光部における表面電位(V)を測定した。次に、継続印字前における測定値から継続印字後の測定値を引いて、差を求め、表面電位変化(V)とした。また表面電位変化(V)を下記基準に準じて評価した。得られた結果を表5に示す。
◎:表面電位変化が−20(V)以上の値である。
○:表面電位変化が−40(V)以上、−20(V)未満の値である。
△:表面電位変化が−60(V)以上、−40(V)未満の値である。
×:表面電位変化が−60(V)未満の値である。
実施例18〜24においては、実施例17において使用した感光体Aのかわりに感光体B〜Hを使用したほかは、実施例1と同様に画像形成装置を製造し、評価した。得られた結果を表5に示す。
比較例9〜12においては、実施例17において使用した感光体Aのかわりに、感光体I〜Lを使用したほかは、実施例17と同様に画像形成装置を製造し、評価した。得られた結果を表5に示す。
したがって、本発明の画像形成装置及び画像形成方法は、複写機やプリンタ等の各種画像形成装置における低コスト化、高速化、高性能化等に寄与することが期待される。
12:導電性基体
14:感光層
16:バリア層
20、20´、20´´:積層型感光体
22:電荷輸送層
24:電荷発生層
25:中間層
30:複写機
31:画像形成ユニット
31a:画像形成部
31b:給紙部
32:排紙ユニット
33:画像読取ユニット
33a:光源
33b:光学素子
34:原稿給送ユニット
34a:原稿載置トレイ
34b:原稿給送機構
34c:原稿排出トレイ
41:感光体ドラム
42:帯電器
43:露光源
44:現像器
45:転写ローラ
Claims (7)
- 基体上に少なくとも電荷発生剤、電荷輸送剤、及び結着樹脂からなる感光層を備えた電子写真感光体を有し、当該電子写真感光体の周囲に、少なくとも帯電手段、露光手段、現像手段及び転写手段が順次配置された画像形成装置であって、
前記電荷発生剤として、CuKα特性X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角2θ±0.2°=27.2°に最大ピークを有するとともに、示差走査熱量分析において、吸着水の気化に伴なうピーク以外に270〜400℃の範囲内に、1つのピークを有するチタニルフタロシアニン結晶を用いることを特徴とする画像形成装置。 - 前記画像形成装置が、除電手段を省略した除電レスタイプであることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記画像形成装置におけるクリーニング方式が、現像同時クリーニング方式であることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
- 前記転写手段が、前記電子写真感光体に対して接触配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の画像形成装置。
- 前記電子写真感光体におけるプロセススピードを100〜250mm/secの範囲内の値とすることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
- 前記電子写真感光体が単層型電子写真感光体であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の画像形成装置。
- 基体上に少なくとも電荷発生剤、電荷輸送剤、及び結着樹脂からなる感光層を備えた電子写真感光体を有し、当該電子写真感光体の周囲に、少なくとも帯電手段、露光手段、現像手段及び転写手段が順次配置された画像形成装置を用いた画像形成方法において、
前記電荷発生剤としてCuKα特性X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角2θ±0.2°=27.2°に最大ピークを有するとともに、示差走査熱量分析において、吸着水の気化に伴なうピーク以外に270〜400℃の範囲内に、1つのピークを有するチタニルフタロシアニン結晶を用いることを特徴とする画像形成方法。
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