JP5481960B2 - 電子写真感光体、カートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents

電子写真感光体、カートリッジ及び画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、複写機やプリンター等に用いられる単層型正帯電型電子写真感光体および画像形成装置に関するものである。より詳しくは、塗布液の経時安定性に優れ、長期間に渡って電気特性が良好な状態を安定に保持する点を特長とする、単層型正帯電型電子写真感光体および画像形成装置に関するものである。
電子写真技術は、即時性、高品質の画像が得られることなどから、複写機、各種プリンターなどの分野で広く使われている。電子写真技術の中核となる電子写真感光体(以下適宜「感光体」という)については、無公害で成膜が容易、製造が容易である等の利点を有する有機系の光導電物質を使用した感光体が主に使用されている。
有機系電子写真感光体においては、電荷キャリアの発生と移動の機能を別々の化合物に分担させる、いわゆる機能分離型の感光体が、材料選択の余地が大きく、感光体の特性の制御がし易いことから、開発の主流となっている。また、層構成の観点からは、電荷発生剤と電荷輸送剤とを同一の層中に有する単層型感光体と、別々の層(電荷発生層と電荷輸送層)中に分離、積層する積層型感光体が知られている。
このうち積層型感光体は、感光体設計上からは、層ごとに機能の最適化が計りやすく、特性の制御も容易なことから現行感光体の大部分はこのタイプになっている。このような積層型感光体のほとんどのものは、基体上に少なくとも電荷発生層、電荷輸送層をこの順序で有している。
該電荷輸送層においては、好適な電子輸送材料がきわめて少ないのに対して、正孔輸送材料は特性の良好な材料が数多く知られている。そのため、このような正孔輸送材料を用いた積層型感光体においては、帯電においては負帯電方式が採用される。このような負帯電方式において、負のコロナ放電により感光体を帯電させる場合には発生するオゾンが環境および感光体特性に悪影響を及ぼすことがある。
それに対し、単層型の正帯電感光体を使用する際には、そのようなオゾン発生が低減されることが一つの利点と考えられており、電気特性面では負帯電の積層型感光体より劣るものが多いものの、一部実用化されている。このようなオゾン発生に対する効果の他にも、単層型感光体は、塗布工程が少なくなる、感光層表面近傍で光吸収が起きることから半導体レーザー光に対する干渉縞が生じ難い、等の利点がある。
さらに、単層型感光体では、以上のような利点に加え、感光層の表面近傍で入射光のほとんどが吸収され、電荷が発生するので、照射光の感光層中での拡散がほとんど無視でき、さらに帯電後の表面電荷中和に至るまでの電荷の移動距離が積層型感光体に比べ少ないという利点が挙げられる。このため、単層型感光体では、光および電荷キャリアの拡散による画像ボケが起きづらく、高解像度が期待できるだけでなく、感光層の膜厚をより厚くした場合にも、電荷および入射光の拡散の度合いがさほど変わらず、解像度もあまり低下しない(特許文献1〜5)。
そのような単層型正帯電感光体として、特許文献6,7記載の、チタニルフタロシアニン(別称オキシチタニウムフタロシアニン)顔料、中でもCuKα特性X線による粉末X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2°)27.3°に最大回折ピークを示すチタニルフタロシアニン(通称Y型あるいはD型チタニルフタロシアニン)顔料を使用した感光体が、高感度であることから好適に用いられる。しかし、当該フタロシアニンは、溶液中での分散液の状態での結晶保持性が低く、特にバインダー樹脂を含有しない
分散液中、あるいは水酸基のような顔料への吸着能の大きい極性基を有さないバインダー樹脂を用いた分散液中では、溶媒の影響により結晶が経時的に安定型のβ型(A型)に転移しやすく、塗布液として経時的に感度が低下していくという問題が有った。
特に、単層型感光体の場合には、バインダー樹脂としてポリカーボネート樹脂やポリエステル樹脂のような、水酸基を十分有さない樹脂を用いるため、樹脂が顔料表面に吸着して溶媒の影響を低減するブロッキング効果が十分でない。一方で、電荷発生層と電荷輸送層が積層された積層型感光体の電荷発生層用塗布液でよく用いられるポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール系樹脂のような樹脂を使用すれば、顔料粒子を被覆して溶媒による結晶転移から保護する機能を果たせる。しかし、そのような極性基を多数有する樹脂は1μm以下のごく薄い膜厚では電気特性への影響は小さいが、10μm以上の実用的な膜厚では電気特性が顕著に劣化して使用することができない。即ち、ポリカーボネート樹脂やポリエステル樹脂のような、顔料粒子に対する被覆能力の小さい樹脂を使用した塗布液中でも、安定にY型結晶形を保持することはこれまで困難であった。そのため、生産時には塗布液の経時的な劣化が生じると、一部あるいは全量塗布液を交換する必要が生じ、コスト的にも非常に不利な状況となっていた。
特開昭61−77054号公報 特開昭61−188543号公報 特開平2−228670号公報 特公平7−97223号公報 特公平7−97225号公報 特開2001−33996号公報 特開2001−33997号公報 特開2007−197685号公報
本発明は、このような高感度感光体向けの塗布液の経時劣化抑制という課題を解決すべくなされたものである。即ち、本発明の目的は、電気特性が良好でかつ経時的劣化が少ない塗布液を使用して製造される正帯電型電子写真感光体、並びに、それを用いたカートリッジ及び画像形成装置を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意検討した結果、特定の反応溶媒を使用して製造したチタニルフタロシアニンを、低誘電率の有機溶媒中で分散して調整した塗布液が長期にわたって顕著なY型結晶並びに電気特性安定化効果を示すことを見出し、本発明の
完成に至った。
すなわち本発明の第一の要旨は、単層型正帯電電子写真感光体の 感光層製造用塗布液
であって、該塗布液はポリカーボネート樹脂、又はポリアリレート樹脂の少なくとも1種
を含有し、かつ、原料としてフタロニトリルと四塩化チタンを用い、反応溶媒としてアリール基がアルキリデン基により連結された構造を有するジアリールアルカン溶媒を用い、CuKα特性X線による粉末X線回折スペクトルがブラッグ角(2θ±0.2°)27.3°に最大回折ピークを示すチタニルフタロシアニンを、比誘電率4.0以下の有機溶媒中に分散して調整され、該塗布液を密封状態において55℃で6時間保管したときの、感光体としての半減露光量の変化幅が10%以下であることを特徴とする、単層型正帯電電
子写真感光体の 感光層製造用塗布液に存する(請求項1)。
また、本発明の第二の要旨は、少なくとも導電性支持体と、請求項1に記載の塗布液を使用して製造される 感光層を有することを特徴とする、単層型正帯電電子写真感光体に
存する(請求項2)。
また、本発明の第三の要旨は、請求項に記載の電子写真感光体と、該電子写真感光体を帯電させる帯電部、帯電した該電子写真感光体を露光させ静電潜像を形成する露光部、該電子写真感光体上に形成された静電潜像を現像する現像部、該電子写真感光体上をクリーニングするクリーニング部のうち、少なくとも一つとを備えることを特徴とする電子写真感光体カートリッジ、に存する(請求項3)。
また、本発明の第四の要旨は、請求項に記載の電子写真感光体と、該電子写真感光体を帯電させる帯電装置と、帯電した該電子写真感光体を露光させ静電潜像を形成する露光装置と、該電子写真感光体上に形成された静電潜像を現像する現像装置とを備えることを特徴とする、画像形成装置に存する(請求項4)。
本発明によれば、単層型感光層に特定チタニルフタロシアニンを使用し、かつ特定の有機溶媒中で分散して調整された塗布液を使用することにより、良好な電気特性示し、かつ塗布液が経時的に安定な単層型正帯電電子写真感光体、並びにそれを用いた画像形成装置を得ることが出来る。
本発明の電子写真感光体を備えた画像形成装置の一実施態様の要部構成を示す概略図である。
以下、本発明を実施するための実施の形態について詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において任意に変形して実施することができる。
[I.チタニルフタロシアニン]
本発明に係るチタニルフタロシアニンは、特許文献8においてその製法及び分析方法が開示されている。即ち、CuKα特性X線による粉末X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2°)27.3°に最大回折ピークを示し、置換基を有するチタニルフタロシアニンなどの、各種チタニルフタロシアニン誘導体を含有する組成物であってもよい。置換基で置換されたチタニルフタロシアニンの有する置換基としては、塩素やフッ素などのハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、スルホン基が挙げられるが、好ましくはハロゲン原子を置換基として有するチタニルフタロシアニンを含有する組成物であり、特に好ましくは塩素原子を置換基として有するチタニルフタロシアニンを含有する組成物である。
<チタニルフタロシアニン組成物の製造>
本発明に係るチタニルフタロシアニン組成物は、原料としてフタロニトリルと四塩化チタンを用いるものであって、反応溶媒としてアリール基がアルキリデン基により連結された構造を有するジアリールアルカン溶媒を用いてジクロロチタニウムフタロシアニンを合成した後、該ジクロロチタニウムフタロシアニンを加水分解し、精製することにより、チタニルフタロシアニン中間体を製造し、得られたチタニルフタロシアニン中間体を非晶質化して得られた非晶質化チタニルフタロシアニンを溶媒中で結晶化することにより製造することができる。
チタニルフタロシアニンは、通常、下記一般式[1]のような構造を有するが、原料としてフタロニトリルと四塩化チタンを用いた場合、チタニルフタロシアニンの一部が塩素化された、下記一般式[2]のような塩素化チタニルフタロシアニンとの組成物とすることもできる。
Figure 0005481960
この塩素化チタニルフタロシアニンの含有量は、マススペクトル強度比で測定することができる。この塩素化チタニルフタロシアニンの含有量は結晶型の制御性や光電特性にも関わりがあり、CuKα特性X線による粉末X線回折スペクトルにおいて、27.3°に最大回折ピークを示すチタニルフタロシアニン組成物の場合、この塩素化チタニルフタロシアニンの含有量は、0.007以上、0.070以下が好適である。マススペクトル強度比が小さすぎると、凝集体(結晶に変換する前の、非晶質だがある程度分子が整列した状態)サイズが大きくなり、凝集体表面近傍の分子のわずかな動きをきっかけに結晶の奥深くまで結晶転移が進行し易くなる。そのような場合には、本発明の目的とする準安定な結晶型とは異なる、低感度を示す安定型の結晶型が混入するおそれが高くなり、いったん安定型の結晶型が生成すると、準安定型の高感度を示す結晶型に転移させるのは困難となる。従って、当該チタニルフタロシアニン組成物を電子写真感光体に用いたときに感度低下を引き起こすことになる。一方マススペクトル強度比が大きすぎると、上記凝集体サイズが小さくなり、結晶転移のきっかけとなる表面積が増えるためにチタニルフタロシアニン組成物中間体の結晶型成長が本来の狙い以上に早く進み、いったん非晶質化してから一気に狙いの準安定な結晶型に転移させる操作が困難となるために、光電材料として好適な結晶型にすることができず、高感度な電子写真感光体を得ることができない。
塩素化チタニルフタロシアニンの含有量が、0.007以上、0.070以下であるチタニルフタロシアニン組成物を製造する方法をより具体的に説明する。原料としては、塩素化チタニルフタロシアニンの含有量を容易に制御可能であるという点で、フタロニトリルと四塩化チタンを用いる必要がある。まず、これらの原料を高沸点有機溶媒の存在下で加熱し反応させることにより、ジクロロチタニウムフタロシアニンを得る。このときの高沸点溶媒としては、チタニルフタロシアニン組成物に含まれる塩素化チタニルフタロシアニンの含有量を制御することができ、ハルツ状生成物の量が少なく、収率良くチタニルフタロシアニン組成物を得ることができる溶媒を選択することが重要であるが、フェニル基がアルキリデン基により連結された構造を有するジアリールアルカン溶媒である必要がある。アリール基がアルキリデン基により連結された構造を有するジアリールアルカン溶媒としては、反応温度において液体であるものであればどのようなものも使用することができるが、アリール基としては炭素数14以下のものが好ましく、より好ましくは炭素数10以下のアリール基であり、特にはフェニル基が好ましい。また、アルキリデン基としては、直鎖であっても枝分れ鎖を有していても構わないが、直鎖のものが好ましく、炭素数12以下が好ましく、さらに好ましくは炭素数6以下、より好ましくは炭素数3以下で、特にはメチレン基が好ましい。中でも、より安価に製造することが可能となる点で、ジフェニルメタンを用いることが特に好ましい。
フタロニトリルと四塩化チタンを原料として、フェニル基がアルキリデン基により連結された構造を有するジアリールアルカン溶媒を用いて合成した場合に、塩素化チタニルフタロシアニンの含有量を好適な0.007以上、0.070以下に制御することができ、反応時のハルツ状生成物の量も少なく、収率良くチタニルフタロシアニン組成物を得ることができる。そして、当該チタニルフタロシアニン組成物を電子写真感光体として用いた場合、電気特性のうち、特に感度が向上する。特開2001−181531号公報には、1,3−ジイミノイソインドリンとチタンテトラブトキシドをジフェニルメタン溶媒中で反応させるチタニルフタロシアニンの製造例が記載されているが、塩素源が存在しないため、塩素化チタニルフタロシアニンは存在しない。
原料の四塩化チタンは、原料であるフタロニトリルと反応溶媒との混合体に添加される。この際の添加方法は、四塩化チタンの沸点以下であれば四塩化チタン等は直接添加しても、ジアリールアルカン溶媒と混合して添加しても良く、沸点以上の高温での添加であれば、ジアリールアルカン溶媒と混合して添加する。添加温度は、25℃から反応温度までが好ましいが、四塩化チタンを100℃以下の低温と180℃以上の高温で分割して添加すると、その添加量比によって、塩素化チタニルフタロシアニンの無置換チタニルフタロシアニンに対する割合を制御することができる。高温で添加すると塩素化チタニルフタロシアニンの含有量は少なくなる。
反応温度は、150℃以上が好ましく、さらに好ましくは180℃以上、塩素化チタニルフタロシアニンの含有量を制御するために、より好ましくは190℃以上であって、300℃以下が好ましく、好ましく250℃以下、より好ましくは230℃以下で行われる。
チタニルフタロシアニン組成物に含まれる、塩素化チタニルフタロシアニンの含有量を制御するため、反応温度に到達するための昇温時間は0.5〜4時間が好ましく、より好ましくは0.5〜3時間である。反応継続時間は1〜10時間が好ましく、より好ましくは2〜8時間であり、さらに好ましくは2〜6時間の範囲である。
得られたジクロロチタニウムフタロシアニンは、オキシ化処理を行い、チタニルフタロシアニン組成物中間体とするが、この際に用いられる溶媒としては、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、オクタノール、シクロヘキサノール等のアルコール類、アセトフェノン、シクロヘキサノン、ヘキサンジオン等のケトン類、および水が挙げられ、これらの溶媒の混合物であっても構わない。使用する溶媒は、沸点が100℃以上であることが好ましく、混合溶媒を用いる場合には用いる溶媒のそれぞれが、沸点100℃以上であることが好ましいが、該混合溶媒が共沸混合物となる場合には共沸点温度が100℃以上であれば、沸点が100℃以下の溶媒との混合物でも好ましいものとなる。加水分解処理は、加熱して行なうことが好ましく、通常50℃以上、好ましくは70℃以上、より好ましくは80℃以上で行なうことが好ましい。
得られるチタニルフタロシアニン組成物中間体の結晶型は、種々のものが用いられるが、通常CuKα特性X線による粉末X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2°)7.6°,25.5°,28.6°に強い回折ピークを有する、通称B型(別称α型)と呼ばれるものを用いる。しかしながら、該B型チタニルフタロシアニンには他の結晶型のフタロシアニン類が共存することが多いため、粉末X線回折スペクトルにおいて、他の結晶型のピークが実質上観察されなくなるまで繰り返しオキシ化処理を行うことが好ましい。フタロシアニン類の他の結晶が残存すると、感度低下の要因となる。
本発明において、得られたチタニルフタロシアニン組成物中間体を、機械的磨砕方法により非晶質化する。非晶質化は化学的処理方法であるアシッドペースト法、アシッドスラリー法等で行うことも一般的であるが、これらを用いた場合、フタロシアニン化合物に対して化学的反応を起こしたり、フタロシアニン環の開裂による分子の破壊を起こしたりする可能性があり、その影響で得られるチタニルフタロシアニン組成物の光導電特性に悪影響を及ぼすおそれがある。機械的磨砕は、例えばペイントシェーカー、自動乳鉢、遊星ミル、振動ボールミル、CFミル、ローラーミル、サンドグラインドミル、ニーダー等の装置を用いることができるが、これらに限定されるものではない。磨砕メディアとしては、ガラスビーズ、スチールビーズ、アルミナビーズ、ジルコニアビーズ等の公知の磨砕メディアを用いることができる。また、磨砕時に磨砕メディア以外に磨砕後容易に除去することのできる食塩、ぼう硝等の磨砕助剤を併用して実施することも可能である。また、上記処理法による磨砕は、乾式で磨砕を行っても、溶媒の共存下、湿式で磨砕を行っても良い。
乾式磨砕を行った場合、乾式磨砕後、磨砕メディアから微結晶・アモルファス固体を分離した後、微結晶を溶媒を用い溶媒処理を行うことにより所望の結晶型に変換することができる。結晶型の変換に用いる溶媒には、公知の溶媒のいずれも用いることが可能である。公知の溶媒の例としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、オクタン、ノナン等の飽和脂肪族系溶媒、トルエン、キシレン、メチルナフタレン、ジフェニルメタン、アニソール等の芳香族系溶媒、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロナフタレン等のハロゲン化芳香族系溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール等のアルコール系溶媒、グリセリン、ポリエチレングリコール等の脂肪族多価アルコール類、アセトン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン等の鎖状、及び環状ケトン系溶媒、ギ酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル系溶媒、塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ等の鎖状、及び環状エーテル系溶媒、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、ヘキサメチルリン酸トリアミド等の非プロトン性極性溶媒、n−ブチルアミン、イソプロパノールアミン、ジエチルアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、トリエチレンジアミン、トリエチルアミン等の含窒素化合物、リグロイン等の鉱油、水などが挙げられ、結晶型の変換時の操作性、制御性を考慮すると、飽和脂肪族系溶媒、芳香族系溶媒、ハロゲン化芳香族系溶媒、アルコール系溶媒、鎖状、及び環状ケトン系溶媒、エステル系溶媒、鎖状、及び環状エーテル系溶媒、非プロトン性極性溶媒、水が好ましい。上記溶媒は、単独で用いても2種以上の混合溶媒として用いても良い。処理温度としては、用いる溶媒、混合溶媒の凝固点以上、沸点以下で行うことが可能であるが、安全性の面から、通常10℃以上200℃以下の範囲で行われる。使用溶媒の量としては、フタロシアニン組成物1部に対して、0.1質量部以上、500質量部以下、生産性を考慮すると、1質量部以上、250質量部以下の範囲で行うのが好ましい。
湿式磨砕装置としては、ボールミル、アトライター、ロールミル、サンドミル、ホモミキサー等を用いることができるが、前記手段等に限定されるものではない。湿式磨砕に用いる溶媒としては、公知の溶媒のいずれも用いることが可能である。公知の溶媒の例としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、オクタン、ノナン等の飽和脂肪族系溶媒、トルエン、キシレン、メチルナフタレン、ジフェニルメタン、アニソール等の芳香族系溶媒、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロナフタレン等のハロゲン化芳香族系溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール等のアルコール系溶媒、グリセリン、ポリエチレングリコール等の脂肪族多価アルコール類、アセトン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン等の鎖状、及び環状ケトン系溶媒、ギ酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル系溶媒、塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ等の鎖状、及び環状エーテル系溶媒、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、ヘキサメチルリン酸トリアミド等の非プロトン性極性溶媒、n−ブチルアミン、イソプロパノールアミン、ジエチルアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、トリエチレンジアミン、トリエチルアミン等の含窒素化合物、リグロイン等の鉱油、水などが挙げられ、湿式磨砕時の操作性を考慮すると、飽和脂肪族系溶媒、芳香族系溶媒、ハロゲン化芳香族系溶媒、アルコール系溶媒、鎖状、及び環状ケトン系溶媒、エステル系溶媒、鎖状、及び環状エーテル系溶媒、非プロトン性極性溶媒、水が好ましい。上記溶媒は、単独で用いても2種以上の混合溶媒として用いても良い。使用溶媒の量としては、フタロシアニン組成物1部に対し、1質量部以上200質量部以下、生産性を考慮すると、3質量部以上100質量部以下が好ましい。処理温度としては、溶媒の凝固点以上、沸点以下で行うことができるが、安全性を考慮すると、10℃以上100℃以下が好ましい。湿式磨砕における溶媒処理は、必要に応じてガラスビーズ、アルミナビーズ、スチールビーズ、ジルコニアビーズ等の公知の磨砕メディアを用いてミリング処理を行ってもよい。
湿式磨砕後に行う溶媒処理に用いる溶媒としては、前記乾式磨砕後の結晶変換、結晶制御に用いることが可能である溶媒と同様の溶媒を用いることが可能である。
アモルファス化した後の溶媒処理の方法としては、得られたアモルファス組成物を溶媒中に分散撹拌することにより処理、またはアモルファス組成物を溶媒蒸気に曝すことにより処理を行っても良い。また、溶媒処理は、アモルファス組成物の他に、ガラスビーズ、スチールビーズ、アルミナビーズ等の磨砕メディアと共に溶媒処理をすることも可能である。
<マススペクトル強度比>
マススペクトルによる塩素化チタニルフタロシアニンの無置換チタニルフタロシアニンに対するスペクトル強度比は特許文献8に開示の方法により測定することができる。
本発明のフタロニトリルと四塩化チタンを用い反応溶媒としてジアリールアルカン溶媒を用いた製造方法では、チタニルフタロシアニン組成物に含まれる塩素化チタニルフタロシアニンの含有量を好適な0.007以上、0.070以下に制御することが容易にできる。
<X線回折スペクトル>
チタニルフタロシアニン組成物のCuKα特性X線に対する粉末回折スペクトルは、通常固体の粉末X線回折測定に用いられる方法に従って測定することができる。得られた本発明のチタニルフタロシアニン組成物はCuKα特性X線による粉末X線回折スペクトルにおいてブラッグ角(2θ±0.2°)27.3°に最大回折スペクトルを示す。これらの中でもブラッグ角(2θ±0.2°)26.3°には強い回折ピークを有さないものが好ましい。
本発明のチタニルフタロシアニン組成物を用いた電子写真感光体の感光層のCuKα特性X線に対する薄膜X線回折スペクトルは、粉末状態の配向性を維持して、ブラッグ角(2θ±0.2°)9.0°〜9.8°に少なくとも1つの強い回折ピーク、および27.3°に強い回折ピークを示し、且つ27.3°のピーク強度が9.0°〜9.8°中の最大ピークのピーク強度より10%以上大きく、しかも27.3°のピーク強度が全回折ピーク中で最大の回折ピークである。そして感光層のCuKα特性X線に対する薄膜X線回折スペクトルにおけるブラッグ角(2θ±0.2°)27.3°のピーク強度が9.0°〜9.8°中の最大ピークのピーク強度の115%よりも大きい方が好ましく、より好ましくは、125%よりも大きく、さらに好ましくは、130%よりも大きい。これは高感度となるからである。しかし、大きすぎると、分散に問題が生じる可能性がある為、27.3°のピーク強度が9.0°〜9.8°中の最大ピークのピーク強度の300%よりも小さいものが好ましく、より好ましくは、250%よりも小さく、さらに好ましくは200%よりも小さい。
本発明に係るチタニルフタロシアニン組成物を、電子写真感光体などの光電デバイスに使用する場合には、チタニルフタロシアニン組成物は、通常バインダー樹脂により層状に結着される。該層のCuKα特性X線による回折スペクトルは、該層自体のX線回折スペクトルを得ることができる方法であればどのような方法で測定しても構わないが、一例としては、感光層をガラス面上に形成し測定する方法が挙げられる。より具体的に、電子写真感光体の感光層のCuKα特性X線による回折スペクトルを測定する方法の一例を以下に示す。
1.サンプル作成方法;
無反射カバーガラスに10μm以上の膜厚となるよう感光層形成用塗布液を塗布し乾燥する。
2.測定装置および測定条件;
測定装置としては、人工多層膜ミラーにて単色平行化したCuKα線を線源とした薄膜試料用の回折計(株式会社リガク製 自動X線回折装置 RINT2000)、を用いた。測定条件は、X線出力50kV,250mA、固定入射角(θ)1.0°、走査範囲(2θ)3〜40°、スキャンステップ幅0.05°、入射ソーラースリット5.0°、入射スリット0.1mm、受光ソーラースリット0.1°で回折スペクトルを測定する。
3.ピーク強度について;
ピーク強度とは、得られたスペクトルのチャート上のピークの高さを表す。チタニルフタロシアニンの結晶構造解析によれば、ブラッグ角(2θ±0.2°)27.3°のピークはc軸方向に重なり合ったチタニルフタロシアニンのスタッキング距離を示し、この強度比が大きいほどc軸配向性が高いことが示唆されている。したがって、いわゆるD型チタニルフタロシアニンはc軸配向性を有する結晶と推定できる。しかしながら、従来知られたD型チタニルフタロシアニンは、層中に分散処理されると9.0゜〜9.8°中のピークが最大ピークとなり、感光層中では等方的な配列を示すものであった。これに対し、本発明のチタニルフタロシアニン組成物は、層中に分散された後も27.3゜のピークが最大であって、微細化処理してもc軸配向性が保たれる。そのため、従来のフタロシアニンより高感度を示すものと考えられる。
<チタニルフタロシアニンの結晶安定性>
本発明で使用する、特許文献8に開示の方法により製造されるY型チタニルフタロシアニンは、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール等の吸着性の高い樹脂を使用しない系、例えば有機溶媒を使用した分散液中や、ポリカーボネート、ポリアリレート等の水酸基等の分散安定化に寄与する極性基を有さない樹脂を溶解させた分散液としても経時的に結晶安定性に優れる。このメカニズムは必ずしも明らかではないが、適度な塩素置換体(塩素化チタニルフタロシアニンの含有量を好適な0.007以上、0.070以下)を含有させることにより、Y型チタニルフタロシアニンの結晶が溶媒の影響を受けにくい状態になるためと推定できる。一般に、チタニルフタロシアニンの結晶転移は結晶粒子の表面が溶媒との接触によって配向が変化し、それが結晶内部へとドミノ倒しのように伝播されて起こると考えられる。その際、塩素化チタニルフタロシアニンは結晶成長をある程度阻害すると同時に、安定形であるA型(β型)への結晶転移のきっかけをも阻害すると考えられる。塩素化チタニルフタロシアニンの含有量が0.007未満では結晶が大きく成
長しているため、結晶転移のきっかけとなる表面積が大きい上に、いったん結晶転移が始まると内部にまで容易に転移が伝播し、安定にY型を保持することができない。一方塩素化チタニルフタロシアニンが0.070を越えると、結晶成長自体が大きく阻害されているため、そもそもY型結晶を安定に保持しにくくなる。なかでも、塩素化チタニルフタロシアニンが0.20以上であることが好ましく、0.25以上であることがより好ましい。また、0.50以下であることが好ましく、0.45であることがより好ましい。
上記のような塩素化体の影響以外に、本願のアリールアルカン溶媒を使用した場合には、例えばクロロナフタレン溶媒を使用した場合に比べ、塩素化率が同じであってもY型安定性に優れるため、塩素化体以外の安定化メカニズムも存在すると推定できる。詳細は明らかではないが、例えば結晶中に残存する溶媒分子の影響、結晶の密度への影響、結晶の形状への影響などの要因が考えられる。
以下、本発明に関わる電子写真感光体に関して説明する。
[II.電子写真感光体]
本発明の正帯電型感光体は、特定構造を有する電子輸送剤を含有する感光層を備えるものである。感光層は、通常は導電性支持体(「導電性基体」ともいう)上に設けられる。
ここで、感光層の具体的な構成としては、電荷発生物質と電荷輸送物質とが同一層に存在し、バインダー樹脂中に分散又は溶解された型(単層型、又は、分散型)の感光層となっている。また、単層型の感光層を有する感光体は、いわゆる単層型感光体(又は、分散型感光体)である。そして、本発明に用いる事の出来る電子輸送材料は、上記の単層型感光層に含有されている。
[II−1.導電性支持体]
導電性支持体としては、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、銅、ニッケル等の金属材料や金属、カーボン、酸化錫などの導電性粉体を添加して導電性を付与した樹脂材料やアルミニウム、ニッケル、ITO(酸化インジウム酸化錫合金)等の導電性材料をその表面に蒸着または塗布した樹脂、ガラス、紙などが主として使用される。形態としては、ドラム状、シート状、ベルト状などのものが用いられる。金属材料の導電性支持体の上に、導電性・表面性などの制御のためや欠陥被覆のため、適当な抵抗値を持つ導電性材料を塗布したものでも良い。
導電性支持体としてアルミニウム合金等の金属材料を用いた場合、陽極酸化被膜を施してから用いてもよい。陽極酸化被膜を施した場合、公知の方法により封孔処理を施すのが望ましい。
支持体表面は、平滑であっても良いし、特別な切削方法を用いたり、研磨処理を施したりすることにより、粗面化されていても良い。また、支持体を構成する材料に適当な粒径の粒子を混合することによって、粗面化されたものでも良い。支持体が粗面化されている方が、平滑である場合よりも単層型感光層の接着性が増すため、好ましい。
導電性支持体と感光層との間には、接着性・ブロッキング性等の改善のため、下引き層を設けても良い。
・下引き層
下引き層としては、樹脂、樹脂に金属酸化物等の粒子を分散したものなどが用いられる。下引き層に用いる金属酸化物粒子の例としては、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化鉄等の1種の金属元素を含む金属酸化物粒子、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等の複数の金属元素を含む金属酸化物粒子が挙げられる。一種類の粒子のみを用いても良いし複数の種類の粒子を混合して用いても良い。これらの金属酸化物粒子の中で、酸化チタンおよび酸化アルミニウムが好ましく、特に酸化チタンが好ましい。酸化チタン粒子は、その表面に、酸化錫、酸化アルミニウム、酸化アンチモン、酸化ジルコニウム、酸化珪素等の無機物、またはステアリン酸、ポリオール、シリコーン等の有機物による処理を施されていても良い。酸化チタン粒子の結晶型としては、ルチル、アナターゼ、ブルッカイト、アモルファスのいずれも用いることができる。複数の結晶状態のものが含まれていても良い。
本発明の金属酸化物粒子の粒径としては、種々のものが利用できるが、中でも特性および液の安定性の面から、平均一時粒径として10nm以上100nm以下が好ましく、特に好ましいのは、10nm以上50nm以下である。
下引き層は、金属酸化物粒子をバインダー樹脂に分散した形で形成するのが望ましい。下引き層に用いられるバインダー樹脂としては、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸、セルロース類、ゼラチン、デンプン、ポリウレタン、ポリイミド、ポリアミド等が単独あるいは硬化剤とともに硬化した形で使用できるが、中でも、アルコール可溶性の共重合ポリアミド、変性ポリアミド等は良好な分散性、塗布性を示し好ましい。 なお、下引き層のバインダー樹脂
は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。さらに、バインダー樹脂は、バインダー樹脂のみで用いるほか、硬化剤とともに硬化した形で使用することもできる。
バインダー樹脂に対する無機粒子の混合比は任意に選べるが、10重量%から500重量%の範囲で使用することが、分散液の安定性、塗布性の面で好ましい。
下引き層の膜厚は、任意に選ぶことができるが、感光体特性および塗布性から0.1μm〜20μmが好ましい。また下引き層には、公知の酸化防止剤等を含んでいても良い。
また、本発明の感光体のような単層型感光体の場合は、単層型感光層のみであると支持体との接着性が悪く、使用時に感光層が剥離してしまう可能性があることから、積層型感光体に於ける電荷発生層を、下引き層の代用とすることもできる。この場合は、下引き層として、フタロシアニン顔料やアゾ顔料をバインダー樹脂中に分散して塗布したものなどが好適に用いられる。この場合、特に電気特性が優れる場合があり、好ましい。
[II−3.感光層]
本発明の感光体は単層型感光層を有する。この単層型感光層は、バインダー樹脂中に、電荷輸送物質が溶解または分散され、さらに、電荷発生物質が分散されて構成される。
<電荷発生物質>
本発明では、Y型(D型)チタニルフタロシアニンを電荷発生物質として使用するが、これ以外の電荷発生物質を混合して用いても良い。混合しても良い電荷発生物質の例としては、フタロシアニン顔料、アゾ顔料、ジチオケトピロロピロール顔料、スクアレン(スクアリリウム)顔料、キナクリドン顔料、インジゴ顔料、ペリレン顔料、多環キノン顔料、アントアントロン顔料、ベンズイミダゾール顔料などの有機顔料等各種光導電材料が使用でき、特にフタロシアニン顔料、アゾ顔料が好ましい。
混合しても良いフタロシアニンとしては、具体的には、無金属フタロシアニン、銅、インジウム、ガリウム、錫、チタン、亜鉛、バナジウム、シリコン、ゲルマニウム等の金属、またはその酸化物、ハロゲン化物、水酸化物、アルコキシド等の配位したフタロシアニン類の各種結晶型が使用される。特に、感度の高い結晶型であるX型、τ型無金属フタロシアニン、B型(別称α型)、A型(別称β型)などのチタニルフタロシアニン(別称:チタニルフタロシアニン)、バナジルフタロシアニン、クロロインジウムフタロシアニン、II型等のクロロガリウムフタロシアニン、V型等のヒドロキシガリウムフタロシアニン、G型,I型等のμ−オキソ−ガリウムフタロシアニン二量体、II型等のμ−オキソ−アルミニウムフタロシアニン二量体が好適である。
電荷発生物質としてアゾ顔料を使用する場合には、各種公知のビスアゾ顔料、トリスア
ゾ顔料が好適に用いられる。
電荷発生物質としてY型(D型)チタニルフタロシアニンと混合して使用される顔料としては、使用される露光波長により好ましい材料が決められる場合がある。露光波長が380nm〜500nm程度の短波長領域の場合には、上記アゾ顔料が好適に用いられる。一方、630〜780nm程度の近赤外光を使用する場合には、その領域にも高感度を有するフタロシアニン顔料と、一部のアゾ顔料が好適に使用される。
用いる電荷発生物質の粒子径は充分小さいことが望ましい。具体的には、通常1μm以下、好ましくは0.5μm以下である。
さらに、感光層内に分散される電荷発生物質の量は少なすぎると充分な感度が得られない可能性があり、多すぎると帯電性の低下などの弊害がある。よって、単層型感光層内の電荷発生物質の量は、通常0.5重量%以上、好ましくは1重量%以上、また、通常50重量%以下、好ましくは20重量%以下とする。
<正孔輸送物質>
本発明に用いられる正孔輸送物質としては特に限定されず、任意の物質を用いることが可能である。公知の正孔輸送物質の例としては、カルバゾール誘導体、インドール誘導体、イミダゾール誘導体、オキサゾール誘導体、ピラゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、ベンゾフラン誘導体等の複素環化合物、アニリン誘導体、ヒドラゾン誘導体、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体、エナミン誘導体及びこれらの化合物の複数種が結合したもの、あるいはこれらの化合物からなる基を主鎖又は側鎖に有する重合体等の電子供与性物質などが挙げられる。これらの中でも、カルバゾール誘導体、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体、エナミン誘導体、及びこれらの化合物の複数種が結合したものが好ましい。なお、正孔輸送物質は、何れか1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
好適な正孔輸送物質の構造の一般例を以下に示す。
Figure 0005481960
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(Rは同一でも、それぞれ異なっていても構わない。具体的には、水素原子又は、置換基;置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アリール基等が好ましい。特に好ましくは、メチル基、フェニル基である。また、nは0ないし2の整数である。)
また、好ましい構造の具体例を以下に示す。
Figure 0005481960
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これらの正孔輸送物質のうち、ヒドラゾン系のC−23〜C−25、スチルベン系のC−12〜C−18、C−20、ブタジエン系のC−19、C−21、C−22、ベンジジン系のC−1〜C−5が好ましい。ベンジジン系に関しては、単独では塗布液あるいは感光層中で結晶析出の恐れがあるため、メチル基あるいはメトキシ基を置換基として有する2種以上を混合して用いることがより好ましい。これらのうち、画像メモリー、ゴーストの観点からは、スチルベン系、ベンジジン系がより好ましい。
正孔輸送物質の使用量は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意である。ただし、正孔輸送物質の量は、感光層中のバインダー樹脂100質量部に対して、通常30質量部以上、好ましくは40質量部以上、また、通常200質量部以下、好ましくは150質量部以下である。電荷輸送物質の量は少なすぎると電気特性が悪化する可能性があり、多すぎると塗布膜が脆くなり耐摩耗性が悪化する可能性がある。
<電子輸送物質>
本発明において、電荷輸送材料として、公知の電子輸送材料を併用してもよい。併用する電子輸送材料としては、従前公知の材料であれば特に限定されるものではなく、例えば、2,4,7−トリニトロフルオレノン等の芳香族ニトロ化合物、テトラシアノキノジメタン等のシアノ化合物、ジフェノキノン等のキノン化合物等の電子吸引性物質や、公知の環状ケトン化合物やペリレン顔料(ペリレン誘導体)が挙げられる。電子輸送材料としては、例えば下記の構造からなる化合物を例示できる。
Figure 0005481960
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このうち、好ましい電子輸送材料としては、チタニルフタロシアニンとのエネルギー準位の整合性に優れるペリレン誘導体を挙げることができる。電子輸送材料としてのペリレン誘導体を含有させる場合、ペリレン誘導体の含有割合は特に制限されないが、例えば、感光層中のバインダー樹脂100質量部に対して、好ましくは1質量部以上20質量部以下であり、特に好ましくは2質量部以上10質量部以下である。
<バインダー樹脂>
単層型感光体の場合、電荷発生物質と電荷輸送物質とバインダー樹脂を溶媒に溶解、あるいは分散して得られる塗布液を塗布、乾燥して得ることが出来る。バインダー樹脂とし
ては、例えばブタジエン樹脂、スチレン樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリル酸エステル樹脂、メタクリル酸エステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂(全芳香族ポリエステル樹脂)、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロースエステル樹脂、フェノキシ樹脂、シリコン樹脂、シリコン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール樹脂等があげられる。これらの中で、機械的特性と電気特性、塗布液特性の両立の観点から、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂が好ましい。なお、これら樹脂は珪素試薬などで修飾されていてもよい。
特に、本発明においては、界面重合で得られた一種類以上のポリマーを含有することが好ましい。界面重合とは、互いに混ざり合わない2つ以上の溶媒(多くは、有機溶媒−水
系)の界面で進行される重縮合反応を利用する重合法である。例えば、ジカルボン酸塩化物を有機溶媒に、グリコール成分をアルカリ水等に溶かして、常温で両液を混合させて、2相にわけ、その界面で、重縮合反応を進ませて、ポリマーを生成させる。他の2成分の例としては、ホスゲンとグリコール水溶液などが挙げられる。また、ポリカーボネートオリゴマーを界面重合で縮合する場合のように、2成分をそれぞれ、2相に分けるのではなく、界面を重合の場として、利用する場合もある。
ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂の中でも、下記構造式を有する芳香族ジオール成分が含有されるポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂が感度、残留電位の点から好ましく、なかでも移動度の面からはポリカーボネート樹脂が、耐摩耗性の面からはポリアリレート樹脂がより好ましい。
ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂に好適に用いる事の出来る芳香族ジオール成分の構造を以下に例示する。本例示は、本発明の趣旨を明確にするために行うものであり、本発明の趣旨に反しない限りは例示される構造に限定されるものではない。
Figure 0005481960
また、本願のポリアリレート樹脂に使用するジカルボン酸成分としては、以下構造を用いることが好ましい。
Figure 0005481960
また、上記テレフタル酸とイソフタル酸を併用する際は、テレフタル酸比率が40%以上であることが好ましく、テレフタル酸のモル比が多い方がより好ましい。また、特に以下構造を用いることが感光体耐久性の観点から好ましい。
Figure 0005481960
さらに、感光層は、添加剤を含有していても良い。これらの添加剤は成膜性、可とう性、機械的強度等を改良するために用いられるもので、例えば、可塑剤、残留電位を抑制するための残留電位抑制剤、分散安定性向上のための分散補助剤、塗布性を改善するためのレベリング剤(例えば、シリコ−ンオイル、フッ素系オイル等)、界面活性剤などが挙げられる。なお、添加剤は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
本発明の感光体において感光層の膜厚に制限は無く本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常5μm以上、好ましくは10μm以上、また、通常50μm以下、好ましくは45μm以下である。
なお、本願の感光体は正帯電用の単層型感光体であり、光照射によって、主として感光体表面近傍深さ位置で電荷対が発生する。そのため、電子が表面の正電荷を打ち消すために必要な移動距離が短く、移動中の横方向の拡散が小さくなる。そのため、膜厚が厚くなったとしても画像ボケしにくい特長を有する。また、レーザーのような可干渉光を用いた場合でも、基体まで光が到達し難いことから、干渉縞等の欠陥を生じ難い。また、基体に欠陥が有っても画像に影響し難い点も特長として挙げられる。一方、特開平5−210253号公報の実施例記載の積層型(基体上に電荷発生層と電荷輸送層をこの順に有する)感光体は、上記の電荷の拡散による画像ボケが膜厚が厚くなるほど発生し易くなり、干渉縞、基体の欠陥の観点でも不利である。
一方で、単層型感光体の場合は、電荷発生材料と電子輸送材料の好適な組合せが少なく、積層型感光体と比較しても、材料の選定が困難なケースが多い。これは、正帯電用の積層型感光体(基体上に電荷発生層と電荷輸送層をこの順で有する場合)では、電荷発生材料で発生した正孔が、すぐに基体に逃れるため、正孔輸送材料が必要無いのに対し、正帯電用の単層型感光体では、感光層表面からある程度深い位置(例えば、膜厚25μmの感光体の表面から5μm位置)にある電荷輸送材料で発生した正負の電荷対それぞれを輸送する必要が有り、正孔輸送材料と電子輸送材料の両方が必要である。この場合、正孔輸送材料の運ぶ正孔と、電子輸送材料の運ぶ電子がそれぞれ基体、感光層表面に移動し終わる前に再結合するとその分感度が低下するので、再結合し難い組合せの選定が必要となる。
また、正帯電用の単層型感光体に新規の電子輸送材料を選定する際には、電荷発生材料で発生した電子を電子輸送材料が高効率で受容する必要があり、両者のLUMOレベルが重要となる。この場合、電子輸送材料のLUMO準位が、電荷発生材料のLUMO準位より低いことが好ましい。
<感光層塗布液の製造方法>
単層型感光体の感光層形成のための塗布液は、不溶性成分(電荷発生材料のチタニルフタロシアニンや、電子輸送材料のペリレン顔料等)を公知の手段を用いて溶媒中で微分散し、それ以外の可溶性成分を溶解した溶液と公知の方法を用いて混合、分散する方法が挙げられる。他にも、全ての成分を一括して混合、分散する方法、不溶成分の分散液に可溶成分を添加する、等の任意の方法を用いることが可能である。なお、塗布液調整段階では前述したようなチタニルフタロシアニンの結晶構造変換が起きないような条件とすることが肝要である。特に本願のY型チタニルフタロシアニンは、溶媒接触時に分散処理のような機械的負荷を掛けると安定型のβ型に変換し易く、結果として感光体の感度劣化を招き易いので、条件の選定が重要である。結晶変換には、溶媒の種類と分散条件、保存条件が大きく影響する。
塗布液に使用する溶媒としては、可溶成分を十分溶解した上で、Y型チタニルフタロシアニンの結晶変換を抑制することが求められる。本願発明においては、比誘電率が4.0以下であることが必須であり、3.0以下であることがさらに好ましい(比誘電率の値としては、化学便覧 基礎編、改訂5版、日本化学会編参照)。また、顔料以外の感光層成分に対する溶解性の高い有機溶媒を使用することが好ましい。
比誘電率が4.0以下が好ましい理由は必ずしも明らかではないが、感光層に使用されるバインダー樹脂であるポリカーボネート樹脂やポリアリレート樹脂の比誘電率が3〜4であり、それ以上の比誘電率を有する有機溶媒を使用すると、弱く顔料結晶を取り巻いているバインダー樹脂より優先的に顔料結晶表面に吸着するようになるため、結晶変換の可能性が高まるためと推定できる。比誘電率が4.0以下の溶媒としては、次のものが挙げられる(括弧内の値は比誘電率を表す)。トルエン(2.38)、エチルベンゼン(2.45)、o−キシレン(2.56)、p−キシレン(2.27)、m−キシレン(2.36)、1,3,5−トリメチルベンゼン(2.28)等の芳香族系溶媒、あるいは1,4−ジオキサン(2.22)、ジフェニルエーテル(3.73)、等のエーテル系溶媒、trans−1,2−ジクロロエチレン(2.14)、trans−1,2−ジブロモエチレン(2.88)等のハロゲン化芳香族溶媒が好適に用いられる。このうち、芳香族系溶媒が特に好ましい。なお、塗布液に使用する溶媒は1種類だけでなく、2種類以上を混合して使用してもよい。その際は、比誘電率は重量の加重平均で判断する(例えば、比誘電率2.0の溶媒Aと比誘電率3.0の溶媒Bを20:80の重量比で混合した場合、混合後は比誘電率2.8と考える)。
本願発明のチタニルフタロシアニンを使用した塗布液は、55℃で6時間加温したときの、感光体としての半減露光量の変化幅は、10%以下であることが好ましい。また、好ましくは7%以下、更に好ましくは5%以下である。
上記範囲以下であると、量産塗布ラインで長期間の使用に耐えうることができ、塗布液の経時劣化は、感光体としての電気特性の劣化(指標として、半減露光量の変化を使用)として示される。
[II−4.その他の層]
感光体には、上記の下引き層、感光層のほかにも、その他の層をさらに設けても良い。
例えば、感光層の上に、感光層の損耗を防止したり、帯電器等から発生する放電生成物等による感光層の劣化を防止・軽減する目的で保護層を設けても良い。また、最表面層に
は、感光体表面の摩擦抵抗や、摩耗を軽減する目的で、例えばフッ素系樹脂、シリコーン樹脂等を含有させても良く、さらに、これらの樹脂からなる粒子や、シリカ、アルミナ等の無機化合物の粒子を含有させても良い。
[II−5.各層の形成方法]
下引き層、感光層、保護層などの各層の形成方法に制限は無い。例えば、形成する層に含有させる物質を溶媒に溶解又は分散させて得られた塗布液を、導電性支持体の上に、直接又は他の層を介して順次塗布するなどの公知の方法が適用できる。したがって、例えば、本発明に用いることの出来る電子輸送材料、ポリカーボネート樹脂を含有する感光層の場合、以下の方法により形成することが可能である。即ち、電子輸送材料、電荷発生物質、ポリカーボネート樹脂、並びに、必要に応じて溶媒、併用するバインダー樹脂、添加剤等を含有する塗布液を用意する。そして、当該塗布液を、導電性支持体の上に、直接又は他の層を介して(例えば、下引き層を設ける場合は下引き層上に)塗布する。その後、乾燥により溶媒を除去することにより、感光層を形成することができる。
この際、塗布方法は限定されず任意であり、例えば、浸漬塗布法、スプレー塗布法、ノズル塗布法、バーコート法、ロールコート法、ブレード塗布法などを用いることができる。この中でも、生産性の高さから浸漬塗布方法が好ましい。なお、これらの塗布方法は、1つの方法のみを行なうようにしてもよいが、2以上の方法を組み合わせて行なうようにしてもよい。
[II−6.感光体の帯電型]
本発明の感光体は、後述する画像形成装置に用いられることにより、画像形成の用途に使用されるものである。ただし、本発明の感光体は正帯電型の感光体であり、電子写真プロセスの帯電工程において、正に帯電されて使用されるものである。
[II−7.感光体の露光波長]
本発明の感光体は、画像形成の際には、露光手段から書き込み光によって露光を行なわれて静電潜像を形成されることになる。この際に用いられる書き込み光は静電潜像の形成が可能である限り任意であるが、中でも、露光波長が通常380nm以上、中でも400nm以上、また、通常800nm以下の単色光を用いる。中でも480nm以下の単色光を用いると感光体を、より小さなスポットサイズの光で露光することができ、高解像度で高階調性を有する高品質の画像を形成することができることから、高品質の画像を得たい際に480nm以下の単色光で露光することは好ましい。
[III.画像形成装置]
次に、本発明の電子写真感光体を用いた画像形成装置(本発明の画像形成装置)の実施の形態について、装置の要部構成を示す図1を用いて説明する。但し、実施の形態は以下の説明に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り任意に変形して実施することができる。
図1に示すように、画像形成装置は、電子写真感光体1、帯電装置(帯電手段)2、露光装置(露光手段;像露光手段)3及び現像装置(現像手段)4を備えて構成され、更に、必要に応じて転写装置(転写手段)5、クリーニング装置(クリーニング手段)6及び定着装置(定着手段)7が設けられる。
電子写真感光体1は、上述した本発明の電子写真感光体であれば特に制限はないが、図1ではその一例として、円筒状の導電性支持体の表面に上述した感光層を形成したドラム状の感光体を示している。この電子写真感光体1の外周面に沿って、帯電装置2、露光装置3、現像装置4、転写装置5及びクリーニング装置6がそれぞれ配置されている。
帯電装置2は、電子写真感光体1を正に帯電させるもので、電子写真感光体1の表面を
所定電位に均一帯電させる。図1では帯電装置2の一例としてローラ型の帯電装置(帯電ローラ)を示しているが、他にもコロトロンやスコロトロン等のコロナ帯電装置、帯電ブラシ等の接触型帯電装置などがよく用いられる。
なお、電子写真感光体1及び帯電装置2は、多くの場合、この両方を備えたカートリッジ(本発明の電子写真感光体カートリッジ。以下適宜、「感光体カートリッジ」という)として、画像形成装置の本体から取り外し可能に設計されている。ただし、帯電装置2は、カートリッジとは別体に、例えば、画像形成装置の本体に設けられていてもよい。そして、例えば電子写真感光体1や帯電装置2が劣化した場合に、この感光体カートリッジを画像形成装置本体から取り外し、別の新しい感光体カートリッジを画像形成装置本体に装着することができるようになっている。また、後述するトナーについても、多くの場合、トナーカートリッジ中に蓄えられて、画像形成装置本体から取り外し可能に設計され、使用しているトナーカートリッジ中のトナーが無くなった場合に、このトナーカートリッジを画像形成装置本体から取り外し、別の新しいトナーカートリッジを装着することができるようになっている。更に、電子写真感光体1、帯電装置2、トナーが全て備えられたカートリッジを用いることもある。
露光装置3は、電子写真感光体1に対し露光(像露光)を行なって電子写真感光体1の感光面に静電潜像を形成することができるものであれば、その種類に特に制限はない。具体例としては、ハロゲンランプ、蛍光灯、半導体レーザーやHe−Neレーザー等のレーザー、LED(発光ダイオード)などが挙げられる。また、感光体内部露光方式によって露光を行なうようにしてもよい。露光を行なう際の光は任意であるが一般に単色光が好ましく、例えば、波長(露光波長)が700nm〜850nmの単色光、波長600nm〜700nmのやや短波長寄りの単色光、波長300nm〜500nmの短波長の単色光などで露光を行なえばよい。
現像装置4は、露光した電子写真感光体1上の静電潜像を目に見える像に現像することができるものであれば、その種類に特に制限はない。具体例としては、カスケード現像、一成分導電トナー現像、二成分磁気ブラシ現像などの乾式現像方式や、湿式現像方式などの任意の装置を用いることができる。図1では、現像装置4は、現像槽41、アジテータ42、供給ローラ43、現像ローラ44、及び、規制部材45からなり、現像槽41の内部にトナーTを貯留している構成となっている。また、必要に応じ、トナーTを補給する補給装置(図示せず)を現像装置4に付帯させてもよい。この補給装置は、ボトル、カートリッジなどの容器からトナーTを補給することが可能に構成される。
供給ローラ43は、導電性スポンジ等から形成される。現像ローラ44は、鉄、ステンレス鋼、アルミニウム、ニッケルなどの金属ロール、又はこうした金属ロールにシリコーン樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂などを被覆した樹脂ロールなどからなる。この現像ローラ44の表面には、必要に応じて、平滑加工や粗面加工を加えてもよい。
現像ローラ44は、電子写真感光体1と供給ローラ43との間に配置され、電子写真感光体1及び供給ローラ43に各々当接している。ただし、現像ローラ44と電子写真感光体1とは当接せず、近接していてもよい。供給ローラ43及び現像ローラ44は、回転駆動機構(図示せず)によって回転される。供給ローラ43は、貯留されているトナーTを担持して、現像ローラ44に供給する。現像ローラ44は、供給ローラ43によって供給されるトナーTを担持して、電子写真感光体1の表面に接触させる。
規制部材45は、シリコーン樹脂やウレタン樹脂などの樹脂ブレード、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、真鍮、リン青銅などの金属ブレード、又はこうした金属ブレードに樹脂を被覆したブレード等により形成されている。この規制部材45は、通常、現像ローラ44に当接し、ばね等によって現像ローラ44側に所定の力で押圧(一般的なブレード線
圧は0.05〜5N/cm)される。必要に応じて、この規制部材45に、トナーTとの摩擦帯電によりトナーTに帯電を付与する機能を具備させてもよい。
アジテータ42は必要に応じて設けられ、回転駆動機構によってそれぞれ回転されており、トナーTを攪拌するとともに、トナーTを供給ローラ43側に搬送する。アジテータ42は、羽根形状、大きさ等を違えて複数設けてもよい。
トナーTの種類は任意であり、粉砕法のほか、懸濁重合法や乳化重合法などによる重合トナー等を用いることができる。特に、重合トナーを用いる場合には径が4〜8μm程度の小粒径のものが好ましく、また、トナーの粒子の形状も球形に近いものからポテト上の球形から外れたものまで様々に使用することができる。重合トナーは、帯電均一性、転写性に優れ、高画質化に好適に用いられる。
転写装置5は、その種類に特に制限はなく、コロナ転写、ローラ転写、ベルト転写などの静電転写法、圧力転写法、粘着転写法など、任意の方式を用いた装置を使用することができる。ここでは、転写装置5が電子写真感光体1に対向して配置された転写チャージャー、転写ローラ、転写ベルト等から構成されるものとする。この転写装置5は、トナーTの帯電電位とは逆極性で所定電圧値(転写電圧)を印加し、電子写真感光体1に形成されたトナー像を記録紙(用紙、媒体、被転写体)Pに転写するものである。
クリーニング装置6について特に制限はなく、ブラシクリーナー、磁気ブラシクリーナー、静電ブラシクリーナー、磁気ローラクリーナー、ブレードクリーナーなど、任意のクリーニング装置を用いることができる。クリーニング装置6は、感光体1に付着している残留トナーをクリーニング部材で掻き落とし、残留トナーを回収するものである。但し、感光体表面に残留するトナーが少ないか、殆ど無い場合には、クリーニング装置6は無くても構わない。
定着装置7は、上部定着部材(定着ローラ)71及び下部定着部材(定着ローラ)72から構成され、定着部材71又は72の内部には加熱装置73が備えられている。なお、図1では、上部定着部材71の内部に加熱装置73が備えられた例を示す。上部及び下部の各定着部材71,72は、ステンレス、アルミニウムなどの金属素管にシリコンゴムを被覆した定着ロール、更にテフロン(登録商標)樹脂で被覆した定着ロール、定着シートなどが公知の熱定着部材を使用することができる。更に、各定着部材71,72は、離型性を向上させる為にシリコーンオイル等の離型剤を供給する構成としてもよく、バネ等により互いに強制的に圧力を加える構成としてもよい。
記録紙P上に転写されたトナーは、所定温度に加熱された上部定着部材71と下部定着部材72との間を通過する際、トナーが溶融状態まで熱加熱され、通過後冷却されて記録紙P上にトナーが定着される。
なお、定着装置についてもその種類に特に限定はなく、ここで用いたものをはじめ、熱ローラ定着、フラッシュ定着、オーブン定着、圧力定着など、任意の方式による定着装置を設けることができる。
以上のように構成された電子写真装置では、感光体を正に帯電させる帯電工程と、帯電された感光体に対し露光を行ない静電潜像を形成する露光工程と、静電潜像をトナーで現像する現像工程と、トナーを被転写体に転写する転写工程とを行ない、画像の記録が行なわれる。即ち、まず感光体1の表面(感光面)が、帯電装置2によって所定の正の電位(例えば+600V)に帯電される(帯電工程)。この際、直流電圧により帯電させても良く、直流電圧に交流電圧を重畳させて帯電させてもよい。
続いて、感光体に対して露光を行ない静電潜像を形成する(露光工程)。即ち、帯電さ
れた感光体1の感光面を、記録すべき画像に応じて露光装置3により露光し、感光面に静電潜像を形成する。
そして、その感光体1の感光面に形成された静電潜像の現像を、現像装置4で行なう(現像工程)。現像装置4は、供給ローラ43により供給されるトナーTを、規制部材(現像ブレード)45により薄層化するとともに、所定の極性(ここでは感光体1の帯電電位と同極性であり、正極性)に摩擦帯電させ、現像ローラ44に担持しながら搬送して、感光体1の表面に接触させる。現像ローラ44に担持された帯電トナーTが感光体1の表面に接触すると、静電潜像に対応するトナー像が感光体1の感光面に形成される。
そしてこのトナー像は、転写装置5によって記録紙Pに転写される(転写工程)。この後、転写されずに感光体1の感光面に残留しているトナーが、クリーニング装置6で除去される。
トナー像の記録紙P上への転写後、定着装置7を通過させてトナー像を記録紙P上へ熱定着することで、最終的な画像が得られる。
なお、画像形成装置は、上述した構成に加え、例えば除電工程を行なうことができる構成としても良い。除電工程は、電子写真感光体に露光を行なうことで電子写真感光体の除電を行なう工程であり、除電装置としては、蛍光灯、LED等が使用される。また除電工程で用いる光は、強度としては露光光の3倍以上の露光エネルギーを有する光である場合が多い。
また、画像形成装置は更に変形して構成してもよく、例えば、前露光工程、補助帯電工程などの工程を行なうことができる構成としたり、オフセット印刷を行なう構成としたり、更には複数種のトナーを用いたフルカラータンデム方式の構成としてもよい。
なお、感光体1は、上記のように帯電装置2と組み合わせてカートリッジとして構成するほか、露光装置3、現像装置4、転写装置5、クリーニング装置6、及び定着装置7のうち1つ又は2つ以上と組み合わせて、一体型のカートリッジ(電子写真感光体カートリッジ)として構成し、この電子写真感光体カートリッジを複写機やレーザービームプリンタ等の電子写真装置本体に対して着脱可能な構成にしてもよい。したがって、感光体1は、帯電装置2、露光装置3、現像装置4及び転写装置5の内、少なくとも1つを感光体1と共に一体に支持してカートリッジとすることが出来る。この場合も、上記実施形態で説明したカートリッジと同様に、例えば電子写真感光体1やその他の部材が劣化した場合に、この電子写真感光体カートリッジを画像形成装置本体から取り外し、別の新しい電子写真感光体カートリッジを画像形成装置本体に装着することにより、画像形成装置の保守・管理が容易となる。
以下、実施例を示して本発明の実施の形態をさらに具体的に説明する。ただし、以下の実施例は本発明を詳細に説明するために示すものであり、本発明はその要旨を逸脱しない限り、以下に示した実施例に限定されるものではなく任意に変形して実施することができる。また、以下の製造例、実施例、及び比較例中の「部」の記載は、特に指定しない限り「質量部」を示す。
<製造例1>
窒素雰囲気下、フタロニトリル30.8gをジフェニルメタン109.6ml中に懸濁し、40℃で四塩化チタン7.0gを添加した。約100分間かけて200℃まで昇温後、四塩化チタン4.6gとジフェニルメタン18.4mlの混合液を滴下し、205〜210℃で5時間反応させた。
その後、反応液を約150℃に冷却後、約125℃に熱したN−メチルピロリドン(以下、NMPということがある)194mlを注入、約10分間攪拌後、生成物を130〜
140℃で熱濾過し、NMP、n−ブタノールで順次洗浄した。次いで、n−ブタノール600ml中にて加熱還流を2回繰り返した後、NMP、水、メタノール懸洗を行い、乾燥してB型オキシチタニウムフタロシアニン22gを得た。
このB型オキシチタニウムフタロシアニン20.0gを、ガラスビーズ(φ1.0mm〜φ1.4mm)120mlと共にペイントシェーカーにて20時間振とうし、メタノールでオキシチタニウムフタロシアニンを洗い出し、濾過して無定型のオキシチタニウムフタロシアニンを得た。このオキシチタニウムフタロシアニンを水210mlに懸濁させた後、更にトルエン40mlを添加して60℃にて1時間撹拌し、水をデカンテーションにて廃棄後、メタノール懸洗を行い、濾過、乾燥する結晶変換操作により、目的のオキシチタニウムフタロシアニン組成物19.0gを得た。
得られたオキシチタニウムフタロシアニン組成物の粉末のX線回折スペクトルは、以下のような方法で測定した。測定装置は、CuKα線を線源とした集中光学系の粉末X線回折計であるPANalytical社製のPW1700を使用した。測定条件は、X線出力40kV,30mA、走査範囲(2θ)3〜40°、スキャンステップ幅0.05°、走査速度3.0°/min、発散スリット1.0°、散乱スリット1.0°、受光スリット0.2mmとした。
得られたオキシチタニウムフタロシアニン組成物の、CuKα特性X線による粉末X線回折スペクトルでは、ブラッグ角(2θ±0.2°)27.3°に最大回折ピークが観察された。
得られたオキシチタニウムフタロシアニン組成物のマススペクトルでは、m/z:576に無置換オキシチタニウムフタロシアニンのピーク、m/z:610に塩素化オキシチタニウムフタロシアニンのピークが観察され、無置換オキシチタニウムフタロシアニンのピーク強度に対する塩素化オキシチタニウムフタロシアニンのピーク強度比を5回測定したところ、0.030〜0.041の範囲であった。
<比較製造例1>
窒素雰囲気下、フタロニトリル66.6gを1−クロロナフタレン436ml中に溶解し、200℃で四塩化チタン25.0gと1−クロロナフタレン21mlの混合液を滴下した。205〜210℃で5時間反応させた後、生成物を130〜140℃で熱濾過した。次いで、n−ブタノール580ml中にて加熱還流した後、水、NMP、メタノール懸洗を行い、乾燥してB型オキシチタニウムフタロシアニン48.7gを得た。このB型オキシチタニウムフタロシアニン30.0gをガラスビーズ(φ1.0mm〜φ1.4mm)200mlと共にペイントシェーカーにて20時間振とうし、メタノールでオキシチタニウムフタロシアニンを洗い出し、濾過して無定型のオキシチタニウムフタロシアニンを得た。このオキシチタニウムフタロシアニンを水625mlに懸濁させた後、更にオルトジクロロベンゼン48mlを添加して室温にて1時間撹拌し、水をデカンテーションにて廃棄後、メタノール懸洗を行い、濾過、乾燥する結晶変換操作により、目的のオキシチタニウムフタロシアニン組成物29.0gを得た。
製造例1と同様の方法により得た、該オキシチタニウムフタロシアニン組成物のCuKα特性X線による粉末X線回折スペクトルでは、ブラッグ角(2θ±0.2°)27.3°に最大回折ピークが観察された。このオキシチタニウムフタロシアニン組成物のマススペクトルにおいて、m/z:576の無置換オキシチタニウムフタロシアニンのピークの強度に対する、m/z:610の塩素化オキシチタニウムフタロシアニンのピークの強度比は、5回測定したところ、0.055〜0.057の範囲であった。
<比較製造例2>
窒素雰囲気下、フタロジニトリル66.6gをメチルナフタレン353ml中に懸濁し、室温で四塩化チタン12.5gとメチルナフタレン20mlの混合液を滴下し、205〜210℃で四塩化チタン12.5gとメチルナフタレン20mlの混合液を滴下した以外は製造例1と同様に行い、B型オキシチタニウムフタロシアニン45.7gを得た。
このB型オキシチタニウムフタロシアニン20.0gを製造例1と同様の結晶変換操作によって、目的のオキシチタニウムフタロシアニン19.2gを得た。製造例1と同様の方法により得た、該オキシチタニウムフタロシアニン組成物のX線回折スペクトルでは、ブラッグ角(2θ±0.2°)27.3°に最大回折ピークが観察された。得られたオキシチタニウムフタロシアニン組成物のマススペクトルは、m/z:576の無置換オキシチタニウムフタロシアニンのピーク強度に対する、m/z:610の塩素化オキシチタニウムフタロシアニンのピークの強度比は5回測定したところ、0.001〜0.004の範囲であり、塩素化オキシチタニウムフタロシアニン量は非常に少なかった。
<比較製造例3>
特開平10−7925号公報に記載の「粗TiOPcの製造例(反応溶媒として、メチルナフタレン使用)」、次いで「実施例1」の手順に従って、β型オキシチタニウムフタロシアニン結晶を調製した。得られたβ型オキシチタニウムフタロシアニン結晶50質量部を、−10℃以下に冷却した95%濃硫酸1250質量部中に加えた。この時、硫酸溶液の内温が−5℃を超えないように、ゆっくりと加えた。添加終了後、濃硫酸溶液を−5℃以下で2時間撹拌した。撹拌後、濃硫酸溶液をガラスフィルターで濾過し、不溶分を濾別後、濃硫酸溶液を氷水12500質量部中に放出することにより、オキシチタニウムフタロシアニンを析出させ、放出後1時間撹拌した。撹拌後、溶液を濾別し、得られたウェットケーキを再度、水2500質量部中で1時間洗浄し、濾過を行なった。この洗浄操作を、濾液のイオン伝導度が0.5mS/mになるまで繰り返すことにより、低結晶性オキシチタニウムフタロシアニンのウェットケーキ452質量部を得た(オキシチタニウムフタロシアニン含有率11.1重量%)。得られた低結晶性オキシチタニウムフタロシアニンのウェットケーキ33質量部を水90質量部中に加え、室温で30分撹拌した。その後、オルトジクロロベンゼン13質量部を加え、更に室温で1時間撹拌した。撹拌後、水を分離し、メタノール80質量部を加え、室温で1時間撹拌洗浄した。洗浄後、濾別し、再度メタノール80質量部を加えて1時間撹拌洗浄した後、濾別し、真空乾燥機で加熱乾燥することにより、オキシチタニウムフタロシアニン単独からなる結晶を得た。得られたオキシチタニウムフタロシアニン結晶は、CuKα特性X線(波長1.541Å)に対するブラッグ角(2θ±0.2°)27.2°に主たる回折ピークを有するものであった。このオキシチタニウムフタロシアニン組成物のマススペクトルにおいて、m/z:576の無置換オキシチタニウムフタロシアニンのピークの強度に対する、m/z:610の塩素化オキシチタニウムフタロシアニンのピークの強度比は、5回測定したところ、0.002〜0.004の範囲であった。
<感光体シートの製造>
[感光体製造例1]
下引き層は、次のようにして製造した。
CuKα線によるX線回折においてブラッグ角(2θ±0.2)が27.3゜に強い回折ピークを示すY型チタニルフタロシアニン10質量部を、1,2−ジメトキシエタン
150質量部に加え、サンドグラインドミルにて1時間粉砕分散処理を行い、顔料分散液を調整した。次に、ポリビニルブチラール(電気化学工業(株)製、商品名デンカブチラール#6000C)を10重量% 1,2−ジメトキシエタン100部に溶解して、バインダー溶液を調整した。上記顔料分散液160質量部を、上記バインダー溶液100質量部に混合し、適量の1,2−ジメトキシエタンを加え最終的に固形分濃度4.0%の分散液を調製した。
このようにして得られた下引き層形成用塗布液を、表面にアルミ蒸着したポリエチレンテレフタレートシート上に、乾燥後の膜厚が約0.3μmになるようにワイアバーで塗布、乾燥して下引き層を設けた。
単層型感光層は、次のように製造した。
製造例1で得たチタニルフタロシアニン3質量部をトルエン60質量部と共にサンドグラインドミルにより分散した。同様に、下記構造式(E−1)で示される電子輸送物質7質量部をトルエン140質量部と共にサンドグラインドミルにより分散した。一方、前記構造式(C−23)で示される正孔輸送物質60質量部と、下記構造式(B−1)で示されるバインダー樹脂(粘度平均分子量約40,000)100質量部、および酸化防止剤(チバスペシャルティーケミカルズ社製:商品名IRGANOX1076)16質量部、およびトリ
ベンジルアミン1質量部をトルエン400質量部に溶解し、レベリング剤としてシリコーンオイル(信越シリコーン社製:商品名 KF96)0.05部を加え、これに上記の2
種の顔料分散液を、ホモジナイザーにより均一になるように混合した。このように調製した塗布液を、上述の下引き層上に、乾燥後の膜厚が25μmになるように塗布し、感光体P−1を作製した。
Figure 0005481960
[感光体製造例2]
チタニルフタロシアニンの分散を、サンドグラインドミルに代えて超音波で実施した以外は、感光体製造例1と同様にして、感光体P−2を得た。
[感光体製造例3]
正孔輸送物質として、C−23に代えて前記C−1で表される正孔輸送物質を60質量部と、前記C−3で表される正孔輸送物質を20質量部使用した以外は、感光体製造例1と同様にして、感光体P−3を得た。
[感光体製造例4]
正孔輸送物質として、C−23に代えて前記C−1で表される正孔輸送物質を60質量部と、前記C−5で表される正孔輸送物質を20質量部使用した以外は、感光体製造例1と同様にして、感光体P−4を得た。
[感光体製造例5]
感光体製造例1において、トルエンの代わりにp−キシレンを使用した以外は、感光体製造例1と同様にして、感光体P−5を得た。
[感光体製造例6]
感光体製造例1において、トルエンの代わりに1,4−ジオキサンを使用した以外は、感光体製造例1と同様にして、感光体P−6を得た。
[感光体製造例7]
感光体製造例1において、トルエンの代わりにジフェニルエーテルを使用した以外は、感光体製造例1と同様にして、感光体P−7を得た。
[感光体製造例8]
正孔輸送物質として、C−23に代えて前記C−12で表される正孔輸送物質を使用した以外は、感光体製造例1と同様にして、感光体P−8を得た。
[感光体製造例9]
正孔輸送物質として、C−23に代えて前記C−18で表される正孔輸送物質を使用した以外は、感光体製造例1と同様にして、感光体P−9を得た。
[比較感光体製造例1]
チタニルフタロシアニンとして、比較製造例1で得たチタニルフタロシアニンを用いた以外は、感光体製造例1と同様にして、比較感光体AP−1を得た。
[比較感光体製造例2]
チタニルフタロシアニンとして、比較製造例2で得たチタニルフタロシアニンを用いた以外は、感光体製造例1と同様にして、比較感光体AP−2を得た。
[比較感光体製造例3]
チタニルフタロシアニンとして、比較製造例3で得たチタニルフタロシアニンを用いた以外は、感光体製造例1と同様にして、比較感光体AP−3を得た。
[比較感光体製造例4]
感光体製造例1において、トルエンの代わりにテトラヒドロフランを使用した以外は、感光体製造例1と同様にして、比較感光体AP−4を得た。
[比較感光体製造例5]
感光体製造例1において、トルエンの代わりにアニソールを使用した以外は、感光体製造例1と同様にして、比較感光体AP−5を得た。
[比較感光体製造例6]
感光体製造例1において、トルエンの代わりにジエチルエーテルを使用した以外は、感光体製造例1と同様にして、比較感光体AP−6を得た。
[比較感光体製造例7]
感光体製造例1において、トルエンの代わりにシクロヘキサノンを使用した以外は、感光体製造例1と同様にして、比較感光体AP−7を得た。
[比較感光体製造例8]
製造例1で得たチタニルフタロシアニン3質量部を、トルエン60質量部と共にサンドグラインドミルにより分散した。同様に、上記構造式(E−1)で示される電子輸送物質7質量部をトルエン140質量部と共にサンドグラインドミルにより分散した。一方、前記構造式(C−23)で示される正孔輸送物質60質量部と、上記構造式(B−1)で示されるバインダー樹脂(粘度平均分子量約40,000)100質量部、および酸化防止剤(チバスペシャルティーケミカルズ社製:商品名IRGANOX1076)16質量部、およびト
リベンジルアミン1質量部をトルエン200質量部、およびテトラヒドロフラン200質量部に溶解し、レベリング剤としてシリコーンオイル(信越シリコーン社製:商品名 K
F96)0.05部を加え、これに上記の2種の顔料分散液を、ホモジナイザーにより均一になるように混合した。このように調製した塗布液を、上述の下引き層上に、乾燥後の膜厚が25μmになるように塗布し、比較感光体AP−8を作製した。
<感光体の電気特性試験1>
上記で作製した感光体シートP−1〜P−9、AP−1〜AP−8ついて、以下の電気
特性試験を行なった。
電子写真学会測定標準に従って製造された電子写真特性評価装置(続電子写真技術の基礎と応用、電子写真学会編、コロナ社、404〜405頁記載)を使用し、上記感光体シートを直径80mmのアルミニウム製ドラムに貼り付けて円筒状にし、アルミニウム製ドラムと感光体シートのアルミニウム基体との導通を取った上で、ドラムを一定回転数60rpmで回転させ、帯電、露光、電位測定、除電のサイクルによる電気特性評価試験を行なった。その際、感光体の初期表面電位が+700Vになるように帯電させ、ハロゲンランプの光を干渉フィルターで780nmの単色光としたものをNDフィルターを使用して光量を変化させて表面電位の減衰挙動を測定した。その際の測定値としては、表面電位が半減するのに必要な露光量(半減露光量:E1/2と称する)、1.5μJ/cm2露光した際の表面電位(明電位;VLと称する)、および表面電位の+700Vが5秒後に保持されている割合(暗所保持率;DDRと称する)を求めた。なお、VL測定に際しては、露光から電位測定に要する時間を100msとした。測定環境は、温度25℃、相対湿度50%で行なった。測定結果を表―1に示す。
<感光体の電気特性試験2>
単層型感光層塗布液を、密閉状態で55℃で6時間加温した後、室温に冷却してから塗布した以外は感光体製造例1〜9、比較感光体製造例1〜8と同様に感光体を作製し、上記電気特性試験1と同様に電気特性を評価した。測定結果を併せて表―1に示す。
なお、55℃で6時間加温する操作は、量産塗布ラインで製造した場合の塗布液の経時劣化をシミュレーションするための加速試験であり、この加温で10%以上劣化しなければ、量産塗布ラインで長期間の使用に耐えうると判断できる。測定結果を表―1に示す。
Figure 0005481960
表−1に示すように、P−1〜P−9は加温前の電気特性が良好で、加温後も半減露光量がほとんど変化していないか、変化量が10%以下であるのに対し、AP−1,AP−
2、AP−5、AP−6、AP−8では加温後に電気特性が大きく劣化した。また、AP−3は半減露光量の変化は小さいものの、DDRが小さく、電荷保持能力がそもそも小さい(帯電性が悪い)ことが分かる。また、AP−4、AP−7においては、加温前に室温下で既に電気特性が劣化していたため、加温試験を実施しなかった。
<画像試験1>
直径3cm、長さ24.7cmの表面を切削処理されたアルミニウムチューブ上に、上記感光体製造例1で作製した下引き層(接着層)用塗布液を使用して、乾燥後の膜厚が0.3μmとなるよう浸漬塗布した。この上に上記感光体製造例3と同様に作製した単層感光体用の塗布液を浸漬塗布法により塗布し、乾燥後の感光層膜厚が25μmの電子写真感光体ドラムを作製した。このドラムを、ブラザー工業製モノクロレーザープリンタ HL1240のドラムカートリッジに搭載して画像試験を行ったところ、画像欠陥やノイズの無い、良好な画像が得られた。次いで、2万枚連続印刷(5%印字)を行ったが、ゴースト、カブリ等の画像劣化は見られず、安定した画像が形成された。
なお、当該プリンタに使用されている一成分トナーをシスメックス社製フロー式粒子像分析装置FPIA−2000によって形状解析したところ、50%円形度は1.00であった。また、ベックマン・コールター株式会社製の精密粒度分布測定装置コールター・カウンター マルチサイザー3を使用して粒径解析を行ったところ、体積平均粒径(Dv)は9.1μm、個数平均粒径(DN)は7.7μm、Dv/DNは1.19であった。以上のように、本トナーは形状が真球状で粒径もそろっていた事から、懸濁重合法で製造されたトナーであることが分かる。
<画像試験2>
アルミニウムチューブを、無切削で直径2.4cm、長さ24.5cmのものに変更した以外は、上記画像試験1で作製した場合と同様に、電子写真感光体ドラムを作製した。このドラムを、ブラザー工業製タンデムカラー型レーザープリンタHL4040のドラムカートリッジに搭載して画像試験を行ったところ、どの色でも画像欠陥やノイズの無い、良好な画像が得られた。次いで、1万枚連続プリントを行ったが、ゴースト、カブリ等の画像劣化は見られず、安定した画像が形成された。
<画像試験3>
単層感光体用の塗布液を上記感光体製造例8で製造されたものに変更した以外は、上記画像試験1と同様に感光体ドラムを作成した。このドラムを、ブラザー工業製モノクロレーザープリンタ HL1240のドラムカートリッジに搭載して画像試験を行ったところ、画像欠陥やノイズの無い、良好な画像が得られた。次いで、2万枚連続印刷(5%印字)を行ったが、ゴースト、カブリ等の画像劣化は見られず、安定した画像が形成された。
<画像試験4>
単層感光体用の塗布液を上記感光体製造例1で製造されたものに変更した以外は、上記画像試験1と同様に感光体ドラムを作成した。このドラムを、ブラザー工業製モノクロレーザープリンタ HL1240のドラムカートリッジに搭載して画像試験を行ったところ、画像欠陥やノイズの無い、良好な画像が得られた。次いで、2万枚連続印刷(5%印字)を行ったところ、低濃度のゴーストは観測されたものの、カブリ等の画像劣化は見られず、ほぼ安定した画像が形成された。
<画像試験5>
単層型感光層を、上記AP−3に変更した以外は、上記画像試験1と同様に画像試験を実施した。初期はかぶりがわずかに見られる以外は良好な画質が得られたが、5000枚印刷時にかぶりが目立ち出し、1万枚印刷時にはポジゴーストが発生した。感光体AP−3の帯電性が繰り返し使用によって一層低下したためと思われる。
<画像試験6>
感光層塗布液を、55℃で6時間加温した後に室温まで冷却して使用した以外は上記画像試験1と同様に感光体を作製し、画像評価を実施した。2万枚連続印刷を行ったが、ゴースト、カブリ等の画像劣化は見られず、安定した画像が形成された。
1 感光体
2 帯電装置(帯電ローラ)
3 露光装置
4 現像装置
5 転写装置
6 クリーニング装置
7 定着装置
41 現像槽
42 アジテータ
43 供給ローラ
44 現像ローラ
45 規制部材
71 上部定着部材(加圧ローラ)
72 下部定着部材(定着ローラ)
73 加熱装置
T トナー
P 記録紙(用紙、媒体)

Claims (4)

  1. 単層型正帯電電子写真感光体の 感光層製造用塗布液であって、
    該塗布液はポリカーボネート樹脂、又はポリアリレート樹脂の少なくとも1種を含有し
    、かつ、原料としてフタロニトリルと四塩化チタンを用い、反応溶媒としてアリール基がアルキリデン基により連結された構造を有するジアリールアルカン溶媒を用い、CuKα特性X線による粉末X線回折スペクトルがブラッグ角(2θ±0.2°)27.3°に最大回折ピークを示すチタニルフタロシアニンを、比誘電率4.0以下の有機溶媒中に分散して調整され
    該塗布液を密封状態において55℃で6時間保管したときの、感光体としての半減露光量の変化幅が10%以下であることを特徴とする、
    単層型正帯電電子写真感光体の 感光層製造用塗布液。
  2. 少なくとも導電性支持体と、請求項1に記載の塗布液を使用して製造される 感光層を
    有することを特徴とする、単層型正帯電電子写真感光体
  3. 請求項に記載の電子写真感光体と、該電子写真感光体を帯電させる帯電部、帯電した該電子写真感光体を露光させ静電潜像を形成する露光部、該電子写真感光体上に形成された静電潜像を現像する現像部、該電子写真感光体上をクリーニングするクリーニング部のうち、少なくとも一つとを備えることを特徴とする電子写真感光体カートリッジ。
  4. 請求項に記載の電子写真感光体と、該電子写真感光体を帯電させる帯電装置と、帯電した該電子写真感光体を露光させ静電潜像を形成する露光装置と、該電子写真感光体上に形成された静電潜像を現像する現像装置とを備えることを特徴とする画像形成装置。
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