JPH05134437A - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JPH05134437A
JPH05134437A JP3294628A JP29462891A JPH05134437A JP H05134437 A JPH05134437 A JP H05134437A JP 3294628 A JP3294628 A JP 3294628A JP 29462891 A JP29462891 A JP 29462891A JP H05134437 A JPH05134437 A JP H05134437A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】X線回折スペクトルにおいて、ブラック角(2
θ±0.2°)9.3°、10.6°,13.2°,1
5.1°,15.7°,16.1°,20.8°,2
3.3°,26.3°,27.1°に明瞭な回折ピーク
を少なくとも示し、この内ブラック角26.3°に最大
の回折ピークを与える結晶型を有するオキシチタニウム
フタロシアニンと、ブラック角(2θ±0.2°)2
7.3°に最大の回折ピークを与える結晶型を有するオ
キシチタニウムフタロシアニンとを感光層に含有する電
子写真感光体。 【効果】露光ビームによりスポット露光して静電潜像を
形成する工程と、この静電潜像を現像剤により現像する
工程を用いる画像形成プロセスにおいて、用いる露光量
から画質の鮮鋭度を保つ為必要とされる感度に感光体の
感度を合わせることが可能である、かつ、電気特性の環
境依存性が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特定の結晶型のオキシ
チタニウムフタロシアニンを電荷発生剤に用いた電子写
真感光体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、フタロシアニン類、金属フタ
ロシアニン類は、良好な光導電性を示し、例えば電子写
真感光体などに使用されている。また、近年、従来の白
色光のかわりにレーザー光を光源とし、高速化、高画質
化、ノンインパクト化をメリットとしたレーザービーム
プリンター等が広く普及するに至り、その要求に耐えう
る感光体の研究が盛んに行われている。特に、レーザー
光の中でも近年進展が著しい半導体レーザーを光源とす
る方式が種々試みられており、この場合、該光源の波長
は800nm前後であることから800nm前後の長波
長光に対し高感度な特性を有する感光体が強く望まれて
いる。この要求を満たす有機系光導電材料としては、ス
クアリック酸メチン系色素、シアニン系色素、ピリリウ
ム系色素、チアピリリウム系色素、ポリアゾ系色素、フ
タロシアニン系色素等が知られている。これらのうち、
スクアリック酸メチン系、シアニン系色素、ピリリウム
系色素、チアピリリウム系色素は分光感度の長波長化が
比較的容易であるが繰り返し使用するような実用上の安
定性に欠けており、ポリアゾ系色素は、吸収の長波長化
が困難であり、かつ製造上難点がある。一方フタロシア
ニン系色素は比較的容易に合成できること、600
nm以上の長波長域に吸収ピークを有すること、中心
金属や結晶型により分光感度が変化し、半導体レーザー
の波長域で高感度を示すものがいくつか発表されている
ことなどから精力的に研究開発が行われている。
【0003】フタロシアニン類は、中心金属の種類によ
り吸収スペクトルや光導電性が異なるだけでなく、結晶
型に依ってもこれらの物性には差があり同じ中心金属を
持つフタロシアニンでも、特定の結晶型が電子写真感光
体に選択されている例がいくつか報告されている。例え
ばオキシチタニウムフタロシアニンには種々の結晶型が
存在し、その結晶型の違いにより帯電性、暗減衰、感度
等に大きな差があることが報告されている。特開昭59
−49544号公報では、オキシチタニウムフタロシア
ニンの結晶型としては、ブラッグ角(2θ±0.2°)
=9.2°、13.1°、20.7°、26.2°、2
7.1°に強い回折ピークを与えるものが好適であると
記載されており、X線回折スペクトル図が示されてい
る。また特開昭59−166959号公報では、オキシ
チタニウムフタロシアニンの蒸着膜をテトラヒドロフラ
ンの飽和蒸気中に1〜24時間放置し、結晶形を変化さ
せて、電荷発生層としている。X線回折スペクトルは、
ピークの数が少なく、かつ幅が広く、ブラッグ角(2
θ)=7.5°、12.6°、13.0°、25.4
°、26.2°、28.6°に強い回折ピークを示すこ
とが示されている。
【発明が解決しようとする課題】
【0004】しかしながら、これらの光導電性材料を電
子写真感光体に用いた系では、感度の温度依存性が大き
く、電子写真感光体として十分満足な性能のものは得ら
れていない。また、感光体の感度が一義的に決まるもの
なので、高画質な画像を得るための画像形成プロセス構
築に制約を設けるものであった。更に、近年のレーザー
プリンターの高速化に対しては、これらの感光体の感度
は不十分であり、レーザープリンターの高速化を困難な
ものとしていた。
【0005】
【発明の目的】本発明の目的は、高感度にしてかつ感度
の温度依存性が小さい電子写真感光体を提供することに
ある。本発明の他の目的は、画像形成プロセスにおいて
露光ビームによりスポット露光して静電潜像を形成する
工程と、この静電潜像を現像剤により現像する工程を用
いる画像形成プロセスに用いる電子写真感光体の感度
を、画質が鮮鋭であるようにここで用いる露光ビームの
光量に合わせることが可能である電子写真感光体の提供
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の上記の目的を達
成するためになされたものであり、その要旨は、X線回
折スペクトルにおいて、少なくとも、ブラック角(2θ
±0.2°)9.3°、10.6°、13.2°、1
5.1°、15.7°、16.1°、20.8°、2
3.3°、26.3°、27.1°に明瞭な回折ピーク
を示し、この内ブラック角26.3°に最大の回折ピー
クを与える結晶型を有するオキシチタニウムフタロシア
ニンと、ブラック角(2θ±0.2°)27.3°に最
大の回折ピークを与える結晶型を有するオキシチタニウ
ムフタロシアニンとを感光層に含有することを特徴とす
る電子写真感光体に存する。
【0007】以下本発明を詳細に説明する。本発明で使
用されるオキシチタニウムフタロシアニンとしては、例
えば下記一般式(I)
【0008】
【0009】(式中、Xはハロゲン原子を表し、nは0
から1までの数を表す。)で示されるものが挙げられ
る。前記一般式(I)において、Xが塩素原子でnが0
から0.5までのものが好ましい。本発明の用いるオキ
シチタニウムフタロシアニンは、例えば1、2ジシアノ
ベンゼン(オルソフタロジニトリル)とチタン化合物か
ら例えば下記(1)または(2)に示す反応式にしたが
って容易に合成することができる。
【0010】
【0011】すなわち、1、2−ジシアノベンゼンとチ
タンのハロゲン化物を、不活性溶剤中で加熱し反応させ
る。チタン化合物としては、四塩化チタン、三塩化チタ
ン、四臭化チタン等を用いることができる。不活性溶剤
としてはトリクロロベンゼン、α−クロロナフタレン、
β−クロロナフタレン、α−メチルナフタレン、メトキ
シナフタレン、ジフェニルエーテル、ジフェニルメタ
ン、ジフェニルエタン、エチレングリコールジアルキル
エーテル、ジエチレングリコールジアルキルエーテル、
トリエチレングリコールジアルキルエーテル等の反応に
不活性な高沸点有機溶剤が好ましい。反応温度は通常1
50〜300℃、特に180〜250℃が好ましい。反
応後生成したジクロロチタニウムフタロシアニンを濾別
し、反応に用いた溶剤で洗浄し反応時に生成した不純物
や未反応の原料を除く。
【0012】次にメタノール、エタノール、イソプロピ
ルアルコール等のアルコール類、テトラヒドロフラン、
ジエチルエーテル等のエーテル類等の不活性溶剤で洗浄
し反応に用いた溶剤を除去する。次いで得られたジクロ
ロチタニウムフタロシアニンは加水分解することにより
オキシチタニウムフタロシアニンとなる。
【0013】次いで得られたオキシチタニウムフタロシ
アニンを、例えば特開昭62−67094号公報で開示
している熱水処理や特開平2−215866号公報で開
示している機械的摩砕処理を行うことにより目的の結晶
型を得ることができる。また、本発明で使用される結晶
型オキシチタニウムフタロシアニンは、上記の製造方法
により製造される結晶型オキシチタニウムフタロシアニ
ンのみに限定されるものではなく、例えば、他の結晶型
オキシチタニウムフタロシアニンからも適当な処理によ
り製造可能であって、いかなる製造方法により製造され
るオキシチタニウムフタロシアニンであっても、そのX
線回折スペクトルにおいて、少なくとも、ブラック角
(2θ±0.2°)9.3°、10.6°、13.2
°、15.1°、15.7°、16.1°、20.8
°、23.3°、26.3°、27.1°に明瞭な回折
ピークを示し、この内ブラック角26.3°に最大の回
折ピークを与える結晶型を示し、図1にX線回折スペク
トルを示した結晶型と結晶学的に同じ結晶型に属する限
り包含し(以下、フタロシアニン1と呼ぶ)、又、その
X線回折スペクトルにおいて、ブラック角(2θ±0.
2°)が27.3°に最大の回折ピークを与える結晶型
を示し、図2にX線回折スペクトルを示した結晶型と結
晶学的に同じ結晶型に属する限り包含するものである
(ただし、通常は27.3°以外、9.5°付近24.
1°にも比較的明瞭な回折ピークを示す。以下、フタロ
シアニン2と呼ぶ)。
【0014】これらの結晶型の異なるオキシチタニウム
フタロシアニンを混合して分散媒中で分散処理し、最終
的に結着樹脂と混合された状態で感光層を塗布するため
の塗布液として調整するか、或いは、それぞれの結晶型
のオキシチタニウムフタロシアニンをそれぞれ分散媒中
で分散処理し、さらに結着樹脂と混合された状態に調整
し、それぞれ調整された液を混合して感光層を塗布する
ための塗布液とする。分散媒としては、種々の溶媒を用
いて良い。例えば、ジエチルエーテル、ジメトキシメタ
ン、テトラヒドロフラン、1、2−ジメトキシエタン等
のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン等のケト
ン類;酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類;メタノ
ール、エタノール、プロパノール等のアルコール類を単
独あるいは2種以上混合して使用することができる。
【0015】結着樹脂としてはポリビニルブチラール、
ポリビニルアセタール、ポリエステル、ポリカーボネー
ト、ポリスチレン、ポリエステルカーボネート、ポリス
ルホン、ポリイミド、ポリメチルメタクリレート、ポリ
塩化ビニル等のビニル重合体、及びその共重合体、フェ
ノキシ、エポキシ、シリコーン樹脂等またはこれらの部
分的架橋硬化物等を単独あるいは2種以上用いることが
できる。オキシチタニウムフタロシアニンを分散処理す
る方法としては、公知の方法例えばボールミル、サンド
グラインドミル、遊星ミル、ロールミル等の方法を用い
ることができる。
【0016】結着樹脂とオキシチタニウムフタロシアニ
ン粒子との混合方法としては例えば、オキシチタニウム
フタロシアニン粒子を分散処理中に結着樹脂を粉末のま
まあるいはそのポリマー溶液を加え同時に分散する方
法、分散液を結着樹脂のポリマー溶液中に混合する方
法、あるいは逆に分散液中にポリマー溶液を混合する方
法等のいずれの方法を用いてもかまわない。前記のフタ
ロシアニン1とフタロシアニン2の含有比率は、フタロ
シアニン1が1重量部に対してフタロシアニン2が0.
1重量部〜10重量部の範囲より使用される。それぞれ
の結晶型のオキシチタニウムフタロシアニンを分散媒中
で分散処理し、さらに結着樹脂と混合された状態に調整
し、それぞれ調整された液を混合して感光層を塗布する
ための塗布液とする場合のそれぞれ調整された液の混合
方法は、メカニカルスターラー、ホモミキサー、ホモジ
ナイザーなどを用いて混合する、あるいは、超音波を印
加して混合する、その他、公知のいずれの方法を用いて
も差し支えない。
【0017】次にここで得られた分散液は、塗布をする
のに適した液物性にするために、種々の溶剤を用いて希
釈してもかまわない。この溶剤としては、例えば前記分
散媒として例示した溶媒を使用することができる。オキ
シチタニウムフタロシアニンと結着樹脂との割合は特に
制限はないが一般的には樹脂100重量部に対してオキ
シチタニウムフタロシアニンが5〜500重量部の範囲
より使用される。またこの分散液において、オキシチタ
ニウムフタロシアニンの濃度は0.1重量%から10重
量%の範囲で使用されることが好ましい。また必要に応
じて電荷移動剤を含むことができる。電荷移動剤として
は例えば、2、4、7−トリニトロフルオレノン、テト
ラシアノキノジメタン等の電子吸引性物質、カルバゾー
ル、インドール、イミダゾール、オキサゾール、ピラゾ
リン、オキサジアゾール、ピラゾリン、チアゾールなど
の複素環化合物、アニリン誘導体、ヒドラゾン化合物、
芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導体、あるいはこれ
らの化合物からなる基を主鎖もしくは側鎖に有する重合
体等の電子供与性物質が挙げられる。電荷移動剤と結着
樹脂の割合は結着樹脂100重量部に対して電荷移動剤
が5〜500重量部の範囲より使用される。
【0018】この様にして調整された分散液を用いて、
導電性支持体上に電荷発生層を形成させ、その上に電荷
移動層を積層させて感光層を形成する、或いは、導電性
支持体上に電荷移動層を形成しその上に前記分散液を用
いて電荷発生層を形成し感光層を形成する、或いは、導
電性支持体上に前記分散液を用いて電荷発生層を形成さ
せ感光層とする、のいずれかの構造で感光層を形成する
ことができる。電荷発生層の膜厚は電荷移動層と積層さ
せて感光層を形成する場合0.1μm〜10μmの範囲
が好適であり電荷移動層の膜厚は5μm〜60μmが好
適である。電荷発生層のみの単独構造で感光層を形成す
る場合の電荷発生層の膜厚は5μm〜60μmの範囲が
好適である。
【0019】電荷移動層を設ける場合、そこに使用され
る電荷移動剤としては、前記電荷移動剤として例示した
材料を使用することができる。これら電荷移動剤ととも
に必要に応じて結着樹脂が配合される。結着樹脂として
は、例えば前記結着樹脂として例示した結着樹脂を使用
することができる。感光層には、必要に応じて酸化防止
剤、増感剤等の各種添加剤を含んでいても良い。感光層
は、導電性支持体上に設けられるが、導電性支持体とし
ては、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケル等の金属
材料、表面にアルミニウム、銅、パラジウム、酸化ス
ズ、酸化インジウム等の導電性層を設けたポリエステル
フィルム、紙、ガラス等の絶縁性支持体が使用される。
導電性支持体と感光層の間には通常使用されるような公
知のバリアー層が設けられていても良い。
【0020】バリアー層としては、例えばアルミニウム
陽極酸化被膜、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム
等の無機層、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリビ
ニルピロリドン、ポリアクリル酸、セルロース類、ゼラ
チン、デンプン、ポリウレタン、ポリイミド、ポリアミ
ド、等の有機層が使用される。バリアー層の膜厚は0.
1μmから20μm、好ましくは0.1μmから10μ
mの範囲で使用されるのが最も効果的である。
【0021】
【発明の効果】本発明によれば、露光ビームによりスポ
ット露光して静電潜像を形成する工程と、この静電潜像
を現像剤により現像する工程を用いる画像形成プロセス
において、用いる露光量から画質の鮮鋭度を保つ為必要
とされる感度に感光体の感度を合わせることが可能であ
り、かつ、電気特性の環境依存性が向上する。
【0022】
【実施例】以下、本発明を実施例及び製造例により、よ
り詳細に説明するが、これらに限定されるものではな
い。
【0023】製造例1 フタロジニトリル97.5gをα−クロロナフタレン7
50ml中に加え、次に窒素雰囲気下で四塩化チタン2
2mlを滴下する。滴下後昇温し、撹はんしながら20
0〜220℃で3時間反応させた後、放冷し、100〜
130℃で熱時濾過し、100℃に加熱したα−クロロ
ナフタレン200mlで洗浄した。更に200mlのN
−メチルピロリドンで熱懸洗処理(100℃、1時間)
を3回行った。続いてメタノール300mlで室温にて
懸洗しさらにメタノール500mlで1時間熱懸洗を3
回行った。この様にして得られたオキシチタニウムフタ
ロシアニンのX線回折スペクトルを図1に示す。図1か
ら明らかなように、ブラック角(2θ±0.2°)で4
°から8°には実質的なピークはなく、9.3°、1
0.6°、13.2°、15.1°、15.7°、1
6.1°、20.8°、23.3°、26.3°、2
7.1°に明瞭な回折ピークがあり、この内、26.3
°のピークが最も強い。
【0024】製造例2 製造例1において得られたオキシチタニウムフタロシア
ニンをサンドグラインドミルにて20時間磨砕処理しを
行い、続いて水400ml、オルソジクロロベンゼン4
0mlの懸濁液中に入れ、60℃で1時間加熱処理を行
った。この様にして得られたオキシチタニウムフタロシ
アニンのX線回折スペクトルを図2に示す。図2から明
らかなように、ブラック角(2θ±0.2°)で27.
3°に最大であって、鋭いピークを示していることがわ
かる。
【0025】実施例1 製造例1で製造したオキシチタニウムフタロシアニン
(フタロシアニン1)6重量部、製造例2で製造したオ
キシチタニウムフタロシアニン(フタロシアニン2)4
重量部にn−プロパノール200重量部を加え、サンド
グラインドミルで10時間粉砕、微粒化分散処理を行っ
た。次に、ポリビニルブチラール(電気化学工業(株)
製、商品名デンカブチラール#6000c)5重量部の
10%メタノール溶液と混合して分散液を作成した。次
に、この分散液をポリエステルフィルム上に蒸着したア
ルミニウム蒸着面の上にバーコータにより乾燥後の膜厚
が0.4μmとなるように電荷発生層を設けた。次に、
この電荷発生層の上に、下記の化学式(1)に示すヒド
ラゾン化合物56重量部と下記の化学式(2)に示すヒ
ドラゾン化合物14重量部及び下記の化学式(3)に示
すシアノ化合物1.5重量部
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】及びポリカーボネート樹脂(三菱化成
(株)製、商品名ノバレックス7030A)100重量
部を1、4ジオキサン1000重量部に溶解させた液を
フィルムアプリケータにより塗布し、乾燥後の膜厚が1
7μmとなるように電荷発生層を設ける。この様にして
得られた感光体を感光体Aとする。
【0030】実施例2 実施例1において用いられた2種のオキシチタニウムフ
タロシアニンの混合比に代えて製造例1で製造したオキ
シチタニウムフタロシアニン3重量部、製造例2で製造
したオキシチタニウムフタロシアニン7重量部とした他
は実施例1と同様にして感光体を作成した。この様にし
て得られた感光体を感光体Bとする。
【0031】比較例1 オキシチタニウムフタロシアニンとして製造例1で製造
したオキシチタニウムフタロシアニン10重量部のみを
用いた他は、実施例1と同様にして感光体を作成した。
この様にして得られた感光体を感光体Cとする。
【0032】比較例2オキシチタニウムフタロシアニン
として製造例2で製造したオキシチタニウムフタロシア
ニン10重量部のみを用いた他は、実施例1と同様にし
て感光体を作成した。この様にして得られた感光体を感
光体Dとする。
【0033】評価 得られた感光体は、初期電気特性として半減露光量感度
を静電複写紙試験装置(川口電気製作所製、モデルSP
−428)により、5℃、25℃、35℃の温度条件下
で測定した。すなわち、暗所でコロナ電流が22μAに
なるように設定した印加電圧によるコロナ放電により感
光体を負帯電し、次いで1.0luxの照度の白色光を
連続的に露光し、表面が−450vから−225vに減
少するのに要した露光量(E1/2)を測定した。その
結果を表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】表1より、感光体A、B、Dは高感度であ
り、また、感度の温度依存性が小さく良好な電気特性を
示している、また、感光体Aと感光体Bを比較するとフ
タロシアニン1とフタロシアニン2の含有比率から感度
をコントロールできることを示している。それに対して
感光体Cは感度の温度依存性が大きいことを示してい
る。
【0036】また、市販の種々のレーザープリンタを用
いて画像の鮮鋭度を評価した。感光体A、Bはベタ画
像、線画像、ドットパタン共に良好な画像を得た。また
レーザープリンタの種類によっては、その露光量により
感光体Aの方が、あるいは、感光体Bの方が良好な画像
を得るのに適していた。感光体Cはベタ画像の画像濃度
がでないことが多く、感光体Dは線画像が太り、ドット
パタンがつぶれ解像度が損なわれることが多かった。
【0037】以上の結果から、本発明の感光体は、高感
度にしてかつ感度の温度依存性が小さい電子写真感光体
であり、また感度をコントロールできることから、画像
形成プロセスにおいて露光ビームによりスポット露光し
て静電潜像を形成する工程と、この静電潜像を現像剤に
より現像する工程を用いる画像形成プロセスに用いる際
に感光体の感度を、画質が鮮鋭であるようにここで用い
る露光ビームの光量に合わせることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】製造例1で得られたオキシタニウムフタロシア
ニンのX線回折スペクトル図
【図2】製造例2で得られたオキシチタニウムフタロシ
アニンのX線回折スペクトル図

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】X線回折スペクトルにおいて、少なくと
    も、ブラック角(2θ±0.2°)9.3°、10.6
    °、13.2°、15.1°、15.7°、16.1
    °、20.8°、23.3°、26.3°、27.1°
    に明瞭な回折ピークを示し、この内ブラック角26.3
    °に最大の回折ピークを与える結晶型を有するオキシチ
    タニウムフタロシアニンと、ブラック角(2θ±0.2
    °)27.3°に最大の回折ピークを与える結晶型を有
    するオキシチタニウムフタロシアニンとを感光層に含有
    することを特徴とする電子写真感光体。
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Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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