JP3454021B2 - オキシチタニウムフタロシアニンの製造方法およびそれを用いた電子写真感光体 - Google Patents

オキシチタニウムフタロシアニンの製造方法およびそれを用いた電子写真感光体

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オキシチタニウム
フタロシアニン(以下、TiOPcと略記する)結晶の
製造方法およびこのTiOPc結晶を用いた電子写真感
光体に関するものであり、さらに詳しくは、ジハロゲノ
チタニウムフタロシアニン(以下、TiX 2 Pcと略記
する)を原料として、特定の処理を施すことによりTi
OPc結晶を製造する方法およびこのTiOPc結晶を
用いた電子写真感光体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】フタロシアニン化合物は良好な光導電性
を有することが見いだされて以来、光電変換材料例えば
電子写真感光体、太陽電池、センサーとして多くの研究
が成されている。また、近年、従来の白色光のかわりに
レーザー光を光源とし、高速化、高画質化、ノンインパ
クト化をメリットとしたレーザービームプリンターの開
発研究が盛んに行われている。特に最近の半導体レーザ
ーの発展は著しく、小型で安定したレーザー発振器の低
価格化が可能となり、電子写真用光源として用いられつ
つある。このような半導体レーザー光源の波長は800
nm前後であることから800nm前後の長波長域に対
し高い感度を有する感光体が強く望まれている。この要
求を満たす有機系光導電材料としては、スクアリック
酸、メチン系色素、シアニン系色素、ピリリウム系色
素、チアピリリウム系色素、ポリアゾ系色素、フタロシ
アニン系色素等が知られている。これらのうち、スクア
リック酸、メチン系色素、シアニン系色素、ピリリウム
系色素、チアピリリウム系色素は分光感度の長波長化が
比較的容易であるが繰り返し使用するような実用上の安
定性に欠けており、ポリアゾ系色素は、吸収の長波長化
が困難であり、かつ製造上難点がある。一方、フタロシ
アニン系色素は、600nm以上の波長域に吸収ピーク
を有し、さらに他の色素より比較的長波長域まで吸収波
長が伸びているものが多いことから長波長光源用電荷発
生剤として期待され広く検討されてきた。
【0003】フタロシアニン類は、中心金属の種類によ
り吸収スペクトルや光導電性が異なるだけでなく、結晶
型に依ってもこれらの物性には差があり同じ中心金属を
持つフタロシアニンでも、特定の結晶型が電子写真感光
体に選択されている例がいくつか報告されている。例え
ばTiOPcには種々の結晶型が存在し、特定の結晶型
の製造方法、また、その結晶型の違いにより帯電性、暗
減衰、感度等に大きな差があることが報告されている。
例えば、特開昭59−49544号公報では、TiOP
cの結晶型としては、ブラッグ角(2θ±0.2°)
9.2°、13.1°、20.7°、26.2°、2
7.1°に強い回折ピークを与えるものが好適であると
記載されており、X線回折スペクトル図が示されてい
る。
【0004】また、特開昭62−256865号公報、
特開昭62−256867号公報、特開昭63−366
号公報では、オルトフタロニトリルと四塩化チタンを縮
合反応してジクロロチタニウムフタロシアニン(以下、
TiCl2 Pcと略記する)を合成し、水で加水分解し
た後、N−メチルピロリドン処理してTiOPcを得る
方法、特開昭61−217050号公報では、TiCl
2 Pcを濃アンモニア水と共に煮沸して加水分解した
後、アセトンを用いてソックスレー抽出器で洗浄してT
iOPcを得る方法、特開平4−224872号公報で
は、アシッドペースィテング処理したアモルファスTi
OPcを水の存在下ケトン系有機溶剤処理してTiOP
cを得る方法が開示されている。
【0005】TiX2 Pcを原料とするTiOPc製造
方法としては、例えば、特開平3−50270号公報に
は、TiCl2 Pcまたはジブロモチタニウムフタロシ
アニン(以下、TiBr2 Pcと略記する)を炭化水
素、エーテル類、エステル類、アルコール類、フェノー
ル類、及びナフトール類以外の有機溶媒と接触させるこ
と、また、特開平4−277562号公報には、TiC
2 PcまたはTiBr 2 Pcを水と接触させた後、水
と芳香族系あるいはハロゲン系有機溶剤と接触させるこ
とにより、特定の結晶型を有するTiOPcを選択的に
製造できるとしている。
【0006】物理的手段を用いて特定の結晶型を有する
TiOPcを製造する方法としては、特開昭64−17
066号公報で、TiOPcをポリエチレングリコール
と共にサンドグラインダー磨砕した後、希硫酸処理して
結晶転移させる方法、また、特開平2−289658号
公報では、ペイントシェーカーで機械的に磨砕したTi
OPcを水に懸濁させた後有機溶剤を加え加熱処理する
製造方法が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来法は縮合反応時の昇温速度、加水分解時あるいは有機
溶剤処理の温度等を微妙に制御する必要があるばかりで
なく、目的物中に2種以上の結晶型が混在する傾向にあ
り実用に適するTiOPc結晶の製造には不適である。
また、硫酸による再結晶あるいは結晶転移は、フタロシ
アニンの硫酸溶液を水で希釈することにより結晶を析出
させるものであり、結晶析出の際に、結晶中に酸成分を
取り込み、残存する酸が電気特性に悪影響を与える等の
問題点がある。
【0008】本発明者らは、かかる問題点を解決すべく
鋭意検討を重ねた結果、TiX2 Pcを原料として、特
定の処理を施すことにより、TiOPc結晶を容易に製
造する方法を見いだし、本発明に到達した。すなわち、
本発明の目的は、光導電体としての機能に優れており、
電子写真感光体、太陽電池、センサー、スイッチング素
子等の電子材料などに適用することができるTiOPc
結晶の工業的規模での生産に有利な製造方法を提供する
ことにある。さらにこのTiOPc結晶を電子写真用感
光体の電荷発生剤として使用することにより、優れた特
性を有する電子写真感光体を提供するという目的も達成
できる。なお、本発明で得られるTiOPcの結晶型
は、CuKα線に対する粉末X線回折スペクトルにおい
て、通常ブラッグ角(2θ±0.2°)27.3°に最
も強い強度の回折ピークを有する。
【0009】
【課題を解決するための手段】かかる本発明の目的は、
TiX2 Pcを原料として、水の存在下磨砕処理するこ
とにより容易に達成でき、好ましくは、その際、脱酸剤
を含有することにより容易に達成できる。ついで、ハロ
ゲン系有機溶剤あるいは水の共存したハロゲン系有機溶
剤と接触させることにより、CuKα線に対する粉末X
線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2
°)27.3°に回折ピークを有するTiOPc結晶を
得ることができる。さらに、導電性支持体上に感光層を
有する電子写真感光体において、感光層に上述のTiO
Pc結晶を含有することによって、800nm前後の長
波長域に高い感度を有し、耐久性の優れた電子写真感光
体を提供するという目的も達成される。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に係るTiOPc結晶は、CuKα線に対する粉
末X線回折スペクトルにおいて、通常ブラッグ角(2θ
±0.2°)27.3°に明瞭なピークを有する。前記
TiOPc結晶は、下記一般式[1]によって表され
る。
【0011】
【化1】
【0012】(式中、Xはハロゲン原子を表し、nは0
から1までの数を表す。) 本発明の原料となるTiX2 Pcは、オルトフタロシア
ニンとチタン化合物から合成できる。即ち、オルトフタ
ロジニトニルとチタンのハロゲン化物を、不活性溶剤中
で加熱し、反応させる。チタン化合物としては、四塩化
チタン、三塩化チタン、四臭化チタンなどを用いること
ができるが、四塩化チタンがコストの面で好ましい。不
活性溶剤としては、トリクロロベンゼン、α−クロロナ
フタレン、β−クロロナフタレン、α−メチルナフタレ
ン、β−メチルナフタレン、メトキシナフタレン、ジフ
ェニルエーテル、ジフェニルメタン、ジフェニルエタ
ン、エチレングリコールジアルキルエーテル、ジエチレ
ングリコールジアルキルエーテル、トリエチレングリコ
ールジアルキルエーテル等の反応に不活性な高沸点有機
溶剤が好ましい。また、上記高沸点溶剤を2種以上混合
して使用してもよい。
【0013】反応温度は通常150〜300℃、特に1
80〜250℃が好ましい。反応後生成したTiX2
cを濾別し、反応に用いた溶剤で洗浄し、反応時に生成
した不純物や、未反応の成分を除く。次にメタノール、
エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール
類、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテ
ル類等の不活性溶剤で洗浄し反応に用いた溶剤を除去す
る。次いで得られたTiX2 Pcを水の存在下、好まし
くは脱酸剤を含有する水の存在下、磨砕処理をする事に
より中間体TiOPc結晶が得られる磨砕処理は、通常
機械的磨砕処理が採用される。脱酸剤としては、塩基性
化合物であればいずれの化合物でも使用することがで
き、たとえば、γ−ピコリン、トリエチルアミン、Na
OH、KOH、Na2 CO3 、CH3 COONa、アン
モニア等が挙げられる。また、これら脱酸剤の量は、T
iX2 Pc1モルに対して、0.1〜100モル、特に
1〜60モルが好ましい。
【0014】TiOPcを機械的磨砕処理する方法とし
ては、公知の方法、例えばボールミル、サンドグライン
ドミル、遊星ミル、ロールミル、ペイントシェーカー、
アトライター、震動ミル、コロイドミル等の方法を用い
ることができる。機械的磨砕処理の温度は、0〜100
℃特に5〜20℃が好ましい。機械的磨砕処理時のTi
2 Pcと脱酸剤を含有する水の使用比に特に制限は無
いが、磨砕効率、操作性等を考慮すれば1:5〜100
の範囲が好ましい。混合溶媒の使用量が低すぎると磨砕
効率が悪くなり、中間体TiOPcの生産速度が低下す
る。また、機械的磨砕処理時間は、脱酸剤の種類と添加
量、TiX2 Pcと水の使用比率によって決まるが、通
常、工業的には、5〜100時間の範囲で適当な時間を
選べば良い。
【0015】TiX2 Pcは、上述のような機械的磨砕
処理を施すと、加水分解が起こり、TiOPcに変換さ
れ、中間体TiOPc結晶が得られる。この中間体Ti
OPc結晶は、図1のごとく、CuKα線に対する粉末
X線回折スペクトルにおいて、通常ブラッグ角(2θ±
0.2°)27.3°に主たる回折ピークを有し、か
つ、5.0°から11.0°の間に7.0°付近にピー
クトップを有するブロードなピンクを有する。この中間
体TiOPc結晶をハロゲン系有機溶剤あるいは水の共
存したハロゲン系有機溶剤と接触させ、目的とするTi
OPc結晶を製造する。
【0016】用いられるハロゲン系有機溶剤としては、
クロルベンゼン、オルトジクロルベンゼン、ブロムベン
ゼン等の芳香族ハロゲン化物、クロロホルム、ジクロル
エタン、ジブロムエタン、テトラクロルエタン、1,4
−ジクロルブタン等が挙げられ、これを単独あるいは2
種以上混合して使用することができる。勿論上記以外の
ハロゲン系有機溶剤でも使用可能である。水の共存した
ハロゲン系有機溶剤で処理する場合、水とハロゲン系有
機溶剤との重量比は1:0.01〜10、好ましくは
1:0.5〜5の範囲である。
【0017】中間体TiOPc結晶とハロゲン系有機溶
剤あるいは水の共存したハロゲン系有機溶剤の使用比に
特に制限は無いが、接触効率、操作性等を考慮すれば
1:3〜200倍量が好ましく、特に1:5〜100倍
量が好適である。中間体TiOPc結晶とハロゲン系有
機溶剤あるいは水の共存したハロゲン系有機溶剤を接触
させる時の温度は任意に選択できるが、50〜200
℃、特に90〜150℃が好ましい。また、中間体Ti
OPc結晶とハロゲン系有機溶剤あるいは水の共存した
ハロゲン系有機溶剤との接触時間は、ハロゲン系有機溶
剤の種類、水とハロゲン系有機溶剤との比率及び接触温
度によって決まるが、通常90〜150℃の場合、1〜
3時間が効果的である。
【0018】中間体TiOPc結晶とハロゲン系有機溶
剤あるいは水の共存したハロゲン系有機溶剤の接触方法
にも特に制限は無いが、攪拌槽で両者を接触混合する方
法が一般的である。また、中間体TiOPc結晶を充填
したカラムにハロゲン系有機溶剤あるいは水の共存した
ハロゲン系有機溶剤を流通させる方法も採用できるが、
要するに両者を接触させる方法であればいかなる方法で
もよい。このようにして得られるTiOPc結晶は、従
来法に認められる他の結晶型のTiOPcは混在せず、
結晶化度も十分に高いのでそのまま実用に供し得るもの
であるが、必要に応じて水、メタノール、アセトン、N
−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、N,N−
ジメチルホルムアミド、トルエン等の溶媒で精製するこ
とも可能である。
【0019】本発明におけるTiOPc結晶は図2に示
すように通常ブラッグ角(2θ±0.2°)27.3°
に主たる回折ピークを有し、通常9.6°、24.1°
にも比較的明瞭なピークを有する。ピークの強度は製造
条件等により変動する場合がある。また、前記TiOP
c結晶は、光導電体としての機能に優れており、例えば
電子写真感光体、太陽電池、センサー、スイッチング素
子等の電子材料などに適用することができる。以下、本
発明のTiOPc結晶を電子写真感光体における電荷発
生材料として適用する場合の例を説明する。
【0020】本発明のTiOPc結晶を分散媒中で分散
処理し、最終的に結着樹脂と混合された状態で感光層を
塗布するための塗布液として調整する。分散媒として
は、種々の溶媒を用いて良い。例えば、ジエチルエーテ
ル、ジメトキシメタン、テトラヒドロフラン、1,2−
ジメトキシエタン等のエーテル類;アセトン、メチルエ
チルケトン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル等の
エステル類;メタノール、エタノール、プロパノール等
のアルコール類を単独あるいは2種以上混合して使用す
ることができる。結着樹脂としてはポリビニルブチラー
ル、ポリビニルアセタール、ポリエステル、ポリカーボ
ネート、ポリスチレン、ポリエステルカーボネート、ポ
リスルホン、ポリイミド、ポリメチルメタクリレート、
ポリ塩化ビニル等のビニル重合体、及びその共重合体、
フェノキシ、エポキシ、シリコーン樹脂等またこれらの
部分的架橋硬化物等を単独あるいは2種以上用いること
ができる。
【0021】TiOPc結晶を分散処理する方法として
は、例えばボールミル、サンドグラインドミル、遊星ミ
ル、ロールミル、ペイントシェーカー、アトライター、
震動ミル、コロイドミル等の公知の方法を用いることが
できる。結着樹脂とTiOPc結晶粒子との混合方法と
しては例えば、TiOPc結晶粒子を分散処理中に結着
樹脂を粉末のままあるいはそのポリマー溶液を加え同時
に分散する方法、分散液を結着樹脂のポリマーの溶液中
に混合する方法、あるいは逆に分散液中にポリマー溶液
を混合する方法等のいずれの方法を用いてもかまわな
い。
【0022】次にここで得られた分散液は、塗布をする
のに適した液物性にするために、種々の溶剤を用いて希
釈してもかまわない、この溶剤としては、例えば前記分
散媒として例示した溶媒を使用することができる。Ti
OPc結晶と結着樹脂との割合は特に制限はないが一般
的には樹脂100重量部に対してTiOPc結晶が5〜
500重量部の範囲より使用される。また、この分散液
において、TiOPc結晶の濃度は、0.1重量%から
10重量%の範囲で使用されることが好ましい。
【0023】また必要に応じて電荷移動剤および電荷発
生剤を含むことができる。電荷移動剤としては例えば、
2,4,7−トリニトロフルオレノン、テトラシアノキ
シジメタン等の電子吸引性物質、カルバゾール、インド
ール、イミダゾール、オキサゾール、オキサジアゾー
ル、ピラゾリン、チアゾールなどの複素環化合物、アニ
リン誘導体、ヒドラゾン化合物、芳香族アミン誘導体、
スチルベン誘導体、あるいはこれらの化合物からなる基
を主鎖もしくは側鎖に有する重合体等の電子供与性物質
が挙げられる。電荷発生剤としては、一般に電子写真感
光体に使用されるものであればさしつかえなく、例え
ば、ビスアゾ化合物、トリスアゾ化合物、ペリレン化合
物、ペリノン化合物、多環キノン化合物、アントラキノ
ン化合物、キナクリドン化合物、スクアリック酸、メチ
ン系色素、シアニン系色素、ピリリウム系色素、チアピ
リリウム系色素、ポリアゾ系色素、フタロシアニン系色
素等が挙げられる。電荷移動剤および電荷発生剤と結着
樹脂の割合は結着樹脂100重量部に対して電荷移動剤
および電荷発生剤が5〜500重量部の範囲より使用さ
れる。
【0024】この様にして調整された分散液を用いて、
導電性支持体上に電荷発生層を形成させ、その上に電荷
移動層を積層させて感光層を形成する、或いは、導電性
支持体上に電荷移動層を形成しその上に前記分散液を用
いて電荷発生層を形成し感光層を形成する、或いは、導
電性支持体上に前記分散液を用いて電荷発生層を形成さ
せ感光層とする等のいずれの構造でも感光層を形成する
ことができる。電荷発生層の膜厚は電荷移動層と積層さ
せて感光層を形成する場合0.1μm〜10μmの範囲
が好適であり電荷移動層の膜厚は5μm〜60μmが好
適である。電荷発生層のみの単独構造で感光層を形成す
る場合の電荷発生層の膜厚は5μm〜60μmの範囲が
好適である。
【0025】電荷移動層を設ける場合、そこに使用され
る電荷移動層としては、前記電荷移動剤として例示した
材料を使用することができる。これら電荷移動剤ととも
に必要に応じて結着樹脂が配合される。結着樹脂として
は、例えば前記結着樹脂として例示したものを使用する
ことができる。感光層には、必要に応じて酸化防止剤、
増感剤等の各種添加剤を含んでいても良い。さらにこれ
らの感光層を外部の衝撃から保護するために感光層表面
に薄い保護層を設けてもよい。
【0026】感光層を設ける導電性支持体としては、ア
ルミニウム、ステンレス鋼、ニッケル等の金属材料、表
面にアルミニウム、銅、パラジウム、酸化スズ、酸化イ
ンジウム等の導電性層を設けたポリエステルフィルム、
紙、ガラス等の絶縁性支持体が使用される。導電性支持
体と感光層の間には通常使用されるような公知のバリア
ー層が設けられていても良い。
【0027】バリアー層としては、例えばアルミニウム
陽極酸化被膜、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム
等の無機層、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリビ
ニルピロリドン、ポリアクリル酸、セルロース類、ゼラ
チン、デンプン、ナイロン、ポリウレタン、ポリイミ
ド、ポリアミド等の有機層、また、導電性粒子例えば酸
化アルミニウム、酸化チタン等を上記有機層に分散した
有機無機複合層が使用される。バリアー層の膜厚は0.
1μmから20μmの範囲が好ましく、0.1μmから
10μmの範囲で使用されるのが最も効果的である。
【0028】これらの感光層、保護層およびバリアー層
の塗布方法としては、デイッピング法、スプレーコーテ
ィング法、スピンナーコーティング法、ブレードコーテ
ィング法等公知の方法を用いることができる。このよう
な電子写真感光体は、レーザービームプリンター、LE
Dプリンター、CRTプリンターなどのプリンターのみ
ならず、通常の電子写真機やその他の電子写真応用分野
に広く適用することができる。
【0029】
【実施例】以下、本発明を実施例により、より詳細に説
明するが、本発明は、その要旨を越えない限り以下の実
施例によって限定されるものではない。 TiCl2 Pcの製造例 温度計、攪拌器、還流冷却器を備えた1L反応フラスコ
に、オルトフタロジニトリル92.0gとメチルナフタ
レン600mlを仕込み、攪拌下四塩化チタン20ml
を滴下する。滴下後昇温し、200〜220℃で5時間
反応させた後放冷し、130℃で熱濾過し、120℃に
加熱したメチルナフタレン400ml続いてメタノール
200mlで洗浄乾燥してTiCl2 Pc結晶の青色粉
末61.3gを得た。得られたTiCl2 Pcの元素分
析値は下記の通りであった。 C H N Cl TiCl2Pc の理論値% 60.88 2.55 17.75 11.23 TiCl2Pc の分析値% 60.86 2.54 17.76 11.01
【0030】実施例1 脱酸剤を含有する水として10%アンモニア水280.
0g(アンモニア:1.6471mol)を用い、これ
とTiCl2 Pc20.0g(0.03168mol)
およびガラスビーズ500mlと共にサンドグラインド
ミルで8時間処理した後、水で中間体TiOPc結晶を
洗い出し、メタノール洗浄をして濾過、乾燥した。ここ
で得られた中間体TiOPc結晶のCukα線に対する
粉末X線回折スペクトルを図1に示す。また、得られた
中間体TiOPc結晶の元素分析値は下記の通りであ
り、加水分解が起こり、TiCl2 PcがTiOPcに
変化したことが確認された。 C H N Cl TiOPc 結晶の理論値% 66.68 2.80 19.44 0 中間体TiOPc 結晶分析値% 66.31 2.54 19.26 0.41
【0031】次に温度計、攪拌器、還流冷却器を備えた
500ml反応フラスコに、中間体TiOPc結晶とオ
ルトジクロルベンゼン200mlを仕込み、100℃に
昇温して3時間攪拌した後、80℃に冷却して濾過し、
得られたケーキをメタノールで洗浄後乾燥してTiOP
c結晶青色粉末を得た。この様にして得られたTiOP
c結晶のCuKα線に対する粉末X線回折スペクトルを
図2に示す。また、得られたTiOPc結晶の元素分析
値は下記の通りであった。 C H N TiOPc 結晶の理論値% 66.68 2.80 19.44 TiOPc 結晶の分析値% 66.41 2.70 19.27
【0032】実施例2 オルトジクロルベンゼンに代えて、水の共存したハロゲ
ン系有機溶剤として水180ml、オルトジクロルベン
ゼン20mlを使用した以外は実施例1と同様に実験を
した。この様にして得られたTiOPc結晶のCuKα
線に対する粉末X線回折スペクトルを図3に示す。
【0033】比較例1〜3 オルトジクロルベンゼンに代えて、ハロゲン系有機溶剤
以外の有機溶剤を用いた他は実施例1と同様に実験をし
た結果、本発明にかかる結晶型のTiOPcは得られな
かった。使用した有機溶媒を表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】比較例4(特開平2−289658号公報
に開示されている製造法) α型TiOPc2.0gをガラスビーズ15mlと共に
ペイントシェーカーで50時間振とうさせた後メタノー
ルでTiOPc結晶を洗い出し、濾過、乾燥した。この
様にして得られたTiOPc結晶のCuKα線に対する
粉末X線回折スペクトルを図4に示す。このTiOPc
結晶を水45mlに懸濁後、オルトジクロルベンゼンを
3mlを加え、60℃で1時間攪拌した後冷却し、メタ
ノール400mlを加え1時間攪拌し、濾過、乾燥し、
TiOPc結晶1.8gを得た。この様にして得られた
TiOPc結晶のCuKα線に対する粉末X線回折スペ
クトルを図5に示す。
【0036】実施例3 実施例1で製造したTiOPc結晶10重量部を1,2
−ジメトキシエタン200重量部と共に、サンドグライ
ンドミルで6時間粉砕、微粒化分散処理を行った。次
に、ポリビニルブチラール(電気化学工業(株)製、商
品名デンカブチラール#6000C)5重量部の10%
1,2−ジメトキシエタン溶液と混合して分散液を調整
した。この分散液をポリエステルフィルム上に蒸着した
アルミニウム蒸着面の上にバーコータにより乾燥後の膜
厚が0.4μmとなるように電荷発生層を設けた。次
に、この電荷発生層の上に、下に示すヒドラゾン化合物
56重量部と
【0037】
【化2】
【0038】下に示すヒドラゾン化合物14重量部、
【0039】
【化3】
【0040】及び下記のシアノ化合物1.5重量部
【0041】
【化4】
【0042】及びポリカーボネート樹脂(三菱化学
(株)製、商品名ノバレックス7030A)100重量
部を1,4−ジオキサン1000重量部に溶解させた液
をフィルムアプリケータにより塗布し、乾燥後の膜厚が
17μmとなるように電荷移動層を設けた。この様にし
て得られた感光体を感光体Aとする。
【0043】実施例4 実施例1において用いたTiOPc結晶に代えて、実施
例2で製造したTiOPc結晶を用いた他は、実施例1
と同様にして感光体を作成した。この様にして得られた
感光体を感光体Bとする。
【0044】比較例5 実施例1において用いたTiOPc結晶に代えて、比較
例4で製造したTiOPc結晶を用いた他は、実施例1
と同様にして感光体を作成した。この様にして得られた
感光体を比較感光体Cとする。
【0045】<評価>得られた感光体は、初期電気特性
として帯電電位、暗減衰、残留電位、半減露光量感度を
静電複写紙試験装置(川口電気製作所製、モデルEPA
−8100)を用いて測定した。すなわち、暗所でコロ
ナ電流が35μAになるように設定した印加電圧による
コロナ放電により感光体を負帯電し、2秒後に780n
m単色光(0.1μW/cm2 )を10秒間連続的に露
光し、表面電位の減衰を測定し、帯電電位、残留電位、
表面電位が−700Vから−350Vに減少するのに要
した露光量(感度)を求めた。その結果を表2に示す。
【0046】
【表2】
【0047】表2より、感光体AおよびBは、比較感光
体Cより780nm単色光に対して高い感度を有し、か
つ、残留電位が低い高性能感光体であることがわかる。
次に、感光体Aおよび比較感光体Cについて、静電複写
紙試験装置(川口電気製作所製、モデルEPA−810
0)を用い、帯電露光繰り返し電位安定性を評価した。
すなわち、暗所でコロナ電流が35μAになるように設
定した印加電圧によるコロナ放電により感光体を負帯電
し、0.5秒後に白色光(400lux)を3秒間連続
的に露光するというサイクルを2000回繰り返し行
い、初期の帯電電位を基準にし、繰り返し後にどの程度
帯電するか(Vo保持率:初期電位/繰り返し後電位)
を求めた。その結果を表3に示す。
【0048】
【表3】
【0049】表3より、感光体Aは、比較感光体Cより
繰り返し使用時の電位安定性に優れている高耐久性感光
体である。
【0050】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明は、ブラッ
グ角(2θ±0.2°)27.3°に主たる回折ピーク
を有するTiOPc結晶を製造する新規な方法を提供す
るものであり、従来法に比べて製造工程も少なく、極め
て容易且つ選択的に特定の結晶型を有するTiOPc結
晶が得られるので、工業的規模での製造も極めて有利で
ある。さらに本発明にかかる製造方法により得られたT
iOPc結晶を電子写真感光体に適用することにより、
800nm前後の長波長域に高い感度を有し、繰り返し
使用時の電位安定性のより優れた高性能高耐久性電子写
真感光体を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた中間体TiOPc結晶の粉
末X線回折スペクトル図。
【図2】実施例1で得られたTiOPc結晶の粉末X線
回折スペクトル図。
【図3】実施例2で得られたTiOPc結晶の粉末X線
回折スペクトル図。
【図4】比較例4で得られたペイントシェーカー後のT
iOPcの粉末X線回折スペクトル図
【図5】比較例4で得られたTiOPc結晶の粉末X線
回折スペクトル図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−277563(JP,A) 特開 平4−277562(JP,A) 特開 平3−258860(JP,A) 特開 平8−134372(JP,A) 特開 平4−266972(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09B 67/50 C07D 487/22 C09B 47/08 C09B 67/12

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジハロゲノチタニウムフタロシアニンを
    水の存在下、磨砕処理することによるオキシチタニウム
    フタロシアニンの製造方法。
  2. 【請求項2】 上記水として、脱酸剤を含有する水を用
    いることを特徴とする請求項1記載のオキシチタニウム
    フタロシアニンの製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2で生成したオキシチタニ
    ウムフタロシアニンを、ハロゲン系有機溶剤あるいは水
    の共存したハロゲン系有機溶剤と接触させることを特徴
    とする、CuKα線に対する粉末X線回折スペクトルに
    おいてブラッグ角(2θ±0.2°)27.3°に回折
    ピークを有するオキシチタニウムフタロシアニンの製造
    方法。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2で生成したオキシチタニ
    ウムフタロシアニンを、ハロゲン系有機溶剤あるいは水
    の共存したハロゲン系有機溶剤と接触させることを特徴
    とする、CuKα線に対する粉末X線回折スペクトルに
    おいて、ブラッグ角(2θ±0.2°)9.6°、2
    4.1°、27.3°に回折ピークを有するオキシチタ
    ニウムフタロシアニンの製造方法。
  5. 【請求項5】 導電性支持体上に感光層を有する電子写
    真感光体において、感光層に請求項3又4記載のオキシ
    チタニウムフタロシアニンを含有することを特徴とする
    電子写真感光体。
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