JP2861090B2 - 電子写真感光体の製造方法 - Google Patents

電子写真感光体の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は特定のオキシチタニウムフタロシアニンの結
晶を電荷発生層に用いた電子写真感光体の製造方法に関
するものである。
(従来の技術) 従来からフタロシアニン類、金属フタロシアニン類は
良好な光導電性を示し、例えば電子写真感光体などに使
用されている。また近年、従来の白色光のかわりにレー
ザー光を光源とし、高速化、高画質、ノンインパクト化
をメリットとしたレーザープリンターが広く普及するに
至り、その要求に耐えうる感光体の開発が盛んである。
特にレーザー光のなかでも近年進展が著しい半導体レー
ザーを光源とする方式が種々試みられており、この場
合、該光源の波長は800nm前後であることから800nm前後
の長波長光に対して高感度な特性を有する感光体が強く
望まれている。この要求を満たす有機系の光導電材料と
しては、スクアリック酸メチン系色素、シアニン系色
素、ピリリウム系色素、チアピリリウム系色素、ポリア
ゾ系色素、フタロシアニン系色素等が知られている。こ
れらのうち、スクアリック酸メチン系色素、シアニン系
色素、ピリリウム系色素、チアピリリウム系色素は分光
感度の長波長化が比較的容易であるが繰返し使用するよ
うな実用上の安定性に欠けており、ポリアゾ色素は吸収
の長波長化が困難であり、かつ製造上難点がある。一方
フタロシアニン系色素は比較的容易に合成できるこ
と、600nm以上の長波長域に吸収ピークを有するこ
と、中心金属や結晶系により分光感度が変化し、半導
体レーザーの波長域で高感度を示すものがいくつか発表
されていることなどから精力的に研究開発が行なわれて
いる。
フタロシアニン類は、中心金属の種類により吸収スペ
クトルや光導電性が異なるだけでなく、結晶形によって
もこれらの物性には差があり同じ中心金属を持つフタロ
シアニンでも、特定の結晶形が電子写真感光体に選択さ
れている例がいくつか報告されている。例えばオキシチ
タニウムフタロシアニンには種々の結晶形が存在し、そ
の結晶形の違いにより帯電性、暗減衰、感度等に大きな
差があることが報告されている。特開昭59−49544号公
報では、オキシチタニウムフタロシアニンの結晶形とし
ては、ブラッグ角(2θ±0.2゜)=9.2゜、13.1゜、2
0.7゜、26.2゜、27.1゜に強い回折ピークを与えるもの
が好適であると記されており、X線回折スペクトル図が
示されている。また特開昭59−166959号公報では、オキ
シチタニウムフタロシアニンの蒸着膜をテトラヒドロフ
ランの飽和蒸気中に1〜24時間放置し、結晶形を変化さ
せて、電荷発生層としている。X線回折スペクトルは、
ピークの数が少なく、かつ幅が広く、ブラッグ角(2
θ)=7.5゜、12.6゜、13.0゜、25.4゜26.2゜、28.6゜
強い回折ピークを示すことが示されている。更に特開64
−17066号公報ではオキシチタニウムフタロシアニンの
結晶形としてはブラッグ角(2θ±0.2゜)の主要ピー
クが少なくとも9.5゜±0.2゜、9.7゜±0.2゜、11.7゜±
0.2゜、15゜±0.2゜、23.5゜±0.2゜、24.1゜±0.2゜2
7.3゜±0.2゜に有するものが好適であると記されてい
る。
本発明者らはこの様なオキシチタニウムフタロシアニ
ンの種々の結晶形について詳細に検討評価を行ったとこ
ろ、特にブラッグ角(2θ±0.2゜)が27.3゜に主たる
回折ピークを示すオキシチタニウムフタロシアニンが非
常に感度が高く、優れた特性を有していることが明らか
になった。このようなX線の回折スペクトルを示すオキ
シチタニウムフタロシアニンを製造する方法はこれまで
に幾つか報告されている。例えば特願昭60−12194号で
はジクロロチタニウムフタロシアニンを、その濾液のpH
が5〜7付近になるまで十分熱水懸濁洗浄することによ
り27.3゜に主たる回折ピークを示すオキシチタニウムフ
タロシアニンが得られることを開示している。
また特開昭63−20365号公報ではα型オキシチタニウ
ムフタロシアニンの水性懸濁液に芳香族炭化水素溶剤を
添加し、加熱処理することにより得る方法を開示してい
る。
更に特開昭64−17066号公報ではα型オキシチタニウ
ムフタロシアニンを磨砕助剤、分散媒とともにサンドグ
ラインダーで磨砕することにより得る方法を開示してい
る。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、このブラッグ角(2θ±0.2゜)が27.
3゜に主たる回折ピークを示すオキシチタニウムフタロ
シアニンは更に詳細に検討した結果、その結晶型は準安
定型であり、電荷発生層を塗布するための分散液を調液
する際、機械的な磨砕力や分散媒等の分散条件により、
他のより安定な結晶型に変化しやすく、本来この結晶型
がもつ良好な電気特性がこの段階で損われてしまうこと
がわかった。そこでこの様な結晶型をもつオキシチタニ
ウムフタロシアニンの結晶型を保持したまま、安定な分
散液を作成するために種々の分散条件について検討を行
なったところ、分散媒として特定のアルコール類を用
い、バインダー樹脂としてポリビニルアセタール樹脂を
用いることにより、他の分散条件が多少変化しても安定
な分散液を作成できることを見出し本発明に至った。
すなわち本発明の要旨は、導電性基体上に、少なくと
も電荷発生層及び電荷移動層を積層してなる電子写真感
光体の製造方法において、該電荷発生層は、そのX線回
折スペクトルにおいてブラッグ角(2θ±0.2゜)が27.
3゜に主たる回折ピークを示すオキシチタニウムフタロ
シアニンの結晶がポリビニルアセタール樹脂に分散され
た層であり、該電荷発生層を形成する方法が、まず第一
に炭素数5以下のアルコール類に該オキシチタニウムフ
タロシアニン結晶を分散し、次いでポリビニルアセター
ル樹脂を混合して得られた塗布液を塗布する方法である
ことを特徴とする電子写真感光体の製造方法にある。
以下本発明を詳細に説明する。
本発明で使用されるオキシチタニウムフタロシアニン
としては、例えば下記一般式(1) (式中、Xはハロゲン原子をあらわし、nは0から1ま
での数を表わす。) で示されるものが挙げられる。
前記一般式(1)において、Xが塩素原子でnが0か
ら0.5までのものが好ましい。本発明に用いるオキシチ
タニウムフタロシアニンは例えば1,2−ジシアノベンゼ
ン(オルソフタロジニトリル)とチタン化合物から例え
ば下記(1)または(2)に示す反応式にしたがって容
易に合成することができる。
すなわち、1,2−ジシアノベンゼンとチタンのハロゲ
ン化物を、不活性溶剤中で加熱し反応させる。チタン化
合物としては、四塩化チタン、三塩化チタン、四臭化チ
タン等を用いることができるが四塩化チタンを用いるこ
とが好ましい。不活性溶剤としてはトリクロロベンゼ
ン、α−クロロナフタレン、β−クロロナフタレン、α
−メチルナフタレン、メトキシナフタレン、ジフェニル
エーテル、ジフェニルメタン、ジフェニルエタン、エチ
レングリコールジアルキルエーテル、ジエチレングリコ
ールジアルキルエーテル、トリエチレングリコールジア
ルキルエーテル等の反応に不活性な高沸点溶剤が好まし
い。反応温度は通常150℃〜300℃、特に180℃〜250℃が
好ましい。反応後生成したジクロロチタニウムフタロシ
アニンを濾別し、反応に用いた溶剤で洗浄し反応時に生
成した不純物や未反応の原料を除く。
次にメタノール、エタノール、イソプロピルアルコー
ル等のアルコール類、テトラヒドロフラン、ジエチルエ
ーテル等のエーテル類等の不活性溶剤で洗浄し反応に用
いた溶剤を除去する。次いで得られたジクロロチタニウ
ムフタロシアニンは加水分解することによりオキシチタ
ニウムフタロシアニンとなる。この様にして生成したオ
キシチタニウムフタロシアニンは例えば酸ペースト法
や、サンドグラインドミル等による機械的磨砕法により
無定形化処理した後、水中に懸濁し、クロルベンゼン、
ジクロルベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化
水素溶媒を添加し加熱処理することにより、そのX線回
折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2゜)が2
7.3゜に主たる回折ピークを示すオキシチタニウムフタ
ロシアニンの結晶を得ることができる。また本発明で使
用される結晶形オキシチタニウムフタロシアニンは、上
記の製造方法により製造される結晶形オキシチタニウム
フタロシアニンのみに限定されるものではなく、例えば
他の結晶形オキシチタニウムフタロシアニンからも適当
な処理により製造可能なのであって、いかなる製造方法
により製造される結晶形オキシチタニウムフタロシアニ
ンであってもそのX線回折スペクトルにおいて、ブラッ
グ角(2θ±0.2゜)が27.3゜に主たる明瞭な回折ピー
クを示す限り包含するものである。
次にこの様な結晶型オキシチタニウムフタロシアニン
は本発明の製造法による、分散媒として炭素数が5以下
のアルコール類を用いて微粒化処理され、最終的にポリ
ビニルアセタール樹脂と混合された状態で電荷発生層を
塗布するための塗布液が調製される。
ここで炭素数が5以下のアルコール類としてはメタノ
ール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、
ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、sec−
ブタノール、アミルアルコール、イソアミルアルコール
等を単独であるいは混合して使用することができる。ポ
リビニルアセタール樹脂としては例えばポリビニルアセ
トアセタール、ポリビニルプロピオナール、ポリビニル
ブチラール、ポリビニルペンタナール等やこれらの共重
合体で、上記アルコール類に可溶なものを使用すること
ができる。オキシチタニウムフタロシアニンを微粒化処
理する方法としては、公知の方法例えばボールミル、サ
ンドグラインドミル、遊星ミル、ロールミル等の方法を
用いることができる。
ポリビニルアセタール樹脂とオキシチタニウムフタロ
シアニン粒子との混合方法としては、例えば微粒子分散
液をポリビニルアセタール樹脂のアルコール溶液中に混
合する方法、或いは逆に微粒子分散液中にポリマー溶液
を混合する方法等いずれの方法を用いてもかまわない。
次にここで得られた分散液は、塗布をするのに適した
液物性にするために、オキシチタニウムフタロシアニン
の結晶形を変化させない限り、種々の溶剤を用いて希釈
してもかまわない。この様な溶剤としては例えばメタノ
ール、エタノール、プロパノール等のアルコール類;ジ
エチルエーテル、ジメトキシメタン、テトラヒドロフラ
ン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル類;アセト
ン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸メチル、酢
酸エチル等のエステル類等を使用することができる。
オキシチタニウムフタロシアニンとポリビニルアセタ
ール樹脂との割合は、特に制限はないが、一般には樹脂
100重量部に対してオキシチタニウムフタロシアニンが3
0から500重量部の範囲より使用される。その電荷発生層
の膜厚は通常0.1μmから1μm,好ましくは0.15μmか
ら0.6μm好適である。
なおこの用にして作成した分散液を薄膜状にしてX線
スペクトルを測定した場合、例えばブラッグ角(2θ±
0.2゜)で9.2゜付近のピーク強度が変化して現れる場合
があるが、これは結晶形の変化を伴うものではなく特に
差し支えない。すなわち27.3゜に主たる明瞭な回折ピー
クを示す限り、他のピークに関してはその強度比が変化
しても特にかまわない。
この様にして調製された電荷発生層を塗布するための
塗布液は導電性支持体上に設けられるが、導電性支持体
としては、アルミニウム、ステンレス鋼、銅、ニッケル
等の金属材料、表面にアルミニウム、銅、パラジウム、
酸化すず、酸化インジウム等の導電性層を設けたポリエ
ステルフイルム、紙、ガラス等の絶縁性支持体が使用さ
れる。導電性支持体と電荷発生層の間には通常使用され
るような公知のバリアー層が設けられていてもよい。
バリアー層としては、例えばアルミニウム陽極酸化被
膜、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム等の無機
層、ポリビニルアルコール、カゼイン.、ポリビニルピ
ロリドン、ポリアクリル酸、セルロース類、ゼラチン、
デンプン、ポリウレタン、ポリイミド、ポリアミド、等
の有機層が使用される。バリアー層の膜厚は0.1μmか
ら20μm,好ましくは0.1μmから10μmの範囲で使用さ
れるのが最も効果的である。
つぎに電荷発生層上に電荷移動層が設けられるがそこ
に使用される電荷移動材料としてはたとえば2,4,7−ト
リニトロフルオレノン、テトラシアノキノジメタンなど
の電子吸引性物質、カルバゾール、インドール、イミダ
ゾール、オキサゾール、ピラゾール、オキサジアゾー
ル、ピラゾリン、チアジアゾール、などの複素環化合
物、アニリン誘導体、ヒドラゾン化合物、芳香族アミン
誘導体、スチルベン誘導体、或いはこれらの化合物から
なる基を主鎖もしくは側鎖に有する重合体などの電子供
与性物質が挙げられる。これらの電荷移動材料とともに
必要に応じてバインダー樹脂が配合される。好ましいバ
インダー樹脂としてはたとえばポリメチルメタクリレー
ト、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等のビニル重合体、
及びその共重合体、ポリカーボネート、ポリエステル、
ポリエステルカーボネート、ポリスルホン、ポリイミ
ド、フェノキシ、エポキシ、シリコーン樹脂等があげら
れ、またこれらの部分的架橋硬化物も使用できる。また
電荷移動層には、必要に応じて酸化防止剤、増感剤等の
各種添加剤を含んでいてもよい。電荷移動層の膜厚は10
〜40μm、好ましくは13〜25μmの厚みで使用されるの
がよい。
(発明の効果) 本発明の製造法によれば、電荷発生層を塗布するため
の塗布液を調製する際オキシチタニウムフタロシアニン
の結晶型を変化させることなく、分散性の良好な塗布性
に優れた塗布液を調製することができる。更に本発明に
より得られる電子写真感光体は、これまでに実用化され
ているものと比較し特に非常に高い感度を示し、かつ残
留電位、帯電性等他の電気特性も良好な特性も示す。
(実施例) 以下に製造例及び実施例により本発明を更に具体的に
説明する。
(製造例) フタロジニトリル97.5gをα−クロロナフタレン750ml
中に加え、次に窒素雰囲気下で四塩化チタン22mlを滴下
した。滴下後、昇温し撹拌しながら200〜220℃で3時間
反応させた後、放冷し100〜130℃で熱時濾加し100℃に
加熱したα−クロロナフタレン200mlで洗浄した。更に2
00mlのN−メチルピロリドンで熱懸洗処理(100℃、1
時間)を3回行なった。続いてメタノール300mlで室温
にて懸洗しさらにメタノール500mlで1時間熱懸洗を3
回行なった。この様にして得られたオキシチタニウムフ
タロシアニンをサンドグラインドミルにて20時間磨砕処
理を行ない、続いて水400ml、オルソジクロロベンゼン4
0mlの懸濁液中に入れ、60℃で1時間加熱処理を行なっ
た。
この様にして得られたオキシチタニウムフタロシアニ
ンのX線回折スペクトルを図−1に示す。図−1から明
らかなように、ブラッグ角(2θ±0.2゜)が27.3゜に
鋭いピークを示していることがわかる。次にオキシチタ
ニウムフタロシアニンの吸収スペクトルを測定するため
に、後述する実施例−1の方法によりオキシチタニウム
フタロシアニンの分散液を調製し、その吸収スペクトル
を測定した結果を図10に示す。
実施例−1 製造例で製造したオキシチタニウムフタロシアニン10
重量部にメタノール200重量部を加え、サンドグライン
ドミルで10時間粉砕、分散処理を行った。次にポリビニ
ルブチラール(電気化学工業(株)製、商品名デンカブ
チラール#−6000C)5重量部の10%メタノール溶液と
混合し分散液を作成した。この様にして得られた分散液
をガラス基板上に乾燥後の膜厚が0.4μmとなるように
電荷発生層を設けたサンプルAを作成した。この状態で
測定したX線回折スペクトルを図−2に示すがまったく
結晶型は変化していないことが判る。次にこの分散液を
ポリエステルフィルム上に蒸着したアルミニウム蒸着面
の上にバーコータにより乾燥後の膜厚が0.4μmとなる
ように電荷発生層を設けた 次にこの電荷発生層の上に、次に示すヒドラゾン化合
物56重量部と 次に示すヒドラゾン化合物14重量部、 及び下記のシアノ化合物1.5重量部 及びポリカーボネート樹脂(三菱化成(株)製、商品
名ノバレックス7030A)100重量部を1,4−ジオキサン100
0重量部に溶解させた液をフィルムアプリケータにより
塗布し、乾燥後の膜厚が17μmとなるように電荷移動層
を設けた。この様にして得られた感光体を感光体Aとす
る。
この感光体の初期電気特性として帯電圧、半減露光感
度及び残留電位を静電複写紙試験装置(川口電気製作所
製、モデルSP−428)により測定した。すなわち、暗所
でコロナ電流が22μAになるように設定した印加電圧に
よるコロナ放電により感光体を負帯電したときの帯電圧
Vo,次いで5.0luxの照度の白色光を連続的に露光し、表
面電位が−450Vから225Vに半減するのに要した露光量
(E1/2),および露光から10秒後の残留電位Vrを測定し
た。その結果を表1に示す。
実施例2〜4 実施例1においてオキシチタニウムフタロシアニンの
分散媒としてメタノールのかわりにエタノール、n−プ
ロパノール、n−ブタノールを用いた以外はすべて実施
例1と同様に行ない、サンプルB,C,D及び感光体B,C,Dを
作成した。サンプルB,C,DのX線回折スペクトルを図−
3,4,5に示すが図−1に示すスペクトルのパターンと比
較しまったく結晶型は変化していないことが判る。次に
これらの分散液の吸収スペクトルを図−11から図13に示
す。また感光体B,C,Dの電気特性の測定結果を表1に示
すがいずれも高い感度を示すことが判る。
比較例1〜4 実施例1においてオキシチタニウムフタロシアニンの
分散媒としてメタノールのかわりに各々1,2−ジメトキ
シエタン、1,4−ジオキサン、メチルエチルケトン、1,2
−ジクロロエタンを用いた以外はすべて実施例1と同様
に行ない、それぞれの分散液、サンプルE,F,G,H及び感
光体E,F,G,Hを作成した。それぞれの分散液の吸収スペ
クトルを図14から図17に、サンプルE,F,G,HのX線回折
スペクトルを図−6,7,8,9に示す。図6及び図7におい
てはいずれも明らかにスペクトルのパターンが変化して
いることが判る。また図8及び図9ではいずれもスペク
トルのパターンが変化していないようであるが、図16及
び図17に示されるそれらの分散液の吸収スペクトルを見
るといずれも680nm付近に特異的なピークが現れ、その
結晶形に何らかの変化が生じていることを示唆してい
る。次に感光体E,F,G,Hの電気特性の測定結果を表1に
示すがいずれも実施例に対し感度は低く、残留電位は高
い結果を示した。
以上の結果から明らかなようにこの様な準安定な結晶
形をもつオキシチタニウムフタロシアニンを、その結晶
形を保持したまま分散する上で本発明の製造方法は非常
に優れた方法であると判断できる。
【図面の簡単な説明】 図−1は製造例で得られたオキシチタニウムフタロシア
ニンのX線回折スペクトル、図−2〜図−9はそれぞ
れ、サンプルA〜HのX線回折スペクトルを示す。ま
た、図−10〜図−13は、それぞれ実施例1〜4で得たオ
キシチタニウムフタロシアニンのアルコール分散液の吸
収スペクトル、図−14〜図−17は、それぞれ比較例1〜
4で得たオキシチタニウムフタロシアニンの分散液の吸
収スペクトルを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−37669(JP,A) 特開 平2−222961(JP,A) 特開 平2−169671(JP,A) 特開 平3−54265(JP,A) 特開 平3−37661(JP,A) 特開 平3−17656(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03G 5/06 370 G03G 5/06 373 G03G 5/05 102

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性基体上に、少なくとも電荷発生層及
    び電荷移動層を積層してなる電子写真感光体の製造方法
    において、 該電荷発生層は、そのX線回折スペクトルにおいてブラ
    ッグ角(2θ±0.2゜)が27.3゜に主たる回折ピークを
    示すオキシチタニウムフタロシアニンの結晶がポリビニ
    ルアセタール樹脂に分散された層であり、 該電荷発生層を形成する方法が、まず第一に炭素数5以
    下のアルコール類に該オキシチタニウムフタロシアニン
    結晶を分散し、次いでポリビニルアセタール樹脂を混合
    して得られた塗布液を塗布する方法であることを特徴と
    する電子写真感光体の製造方法。
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