JP3646383B2 - ジハロゲノチタニウムフタロシアニンの製造方法およびこれを原料としたオキシチタニウムフタロシアニンならびにそれを用いた電子写真感光体 - Google Patents

ジハロゲノチタニウムフタロシアニンの製造方法およびこれを原料としたオキシチタニウムフタロシアニンならびにそれを用いた電子写真感光体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は種々の電子材料特に電子写真感光体の光電変換材料として優れた特性を有するオキシチタニウムフタロシアニン(以下、「TiOPc」と略記する)の前駆体であるジハロゲノチタニウムフタロシアニン(以下、「TiX2 Pc」と略記する)の製造方法およびこのTiX2 Pcを用いて得られるTiOPcならびにこのTiOPcを用いた電子写真感光体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
フタロシアニン化合物は良好な光導電性を有することが見いだされて以来、光電変換材料例えば電子写真感光体、太陽電池、センサーとして多くの研究がなされている。
また、近年、従来の白色光のかわりにレーザー光を光源とし、高速化、高画質化、ノンインパクト化をメリットとしたレーザービームプリンターの開発研究が盛んに行われている。特に最近の半導体レーザーの発展は著しく、小型で安定したレーザー発振器の低価格化が可能となり、電子写真用光源として用いられつつある。このような半導体レーザー光源の波長は800nm前後であることから800nm前後の長波長域に対し高い感度を有する感光体が強く望まれている。この要求を満たす有機系光導電材料としては、スクアリック酸、メチン系色素、シアニン系色素、ピリリウム系色素、チアピリリウム系色素、ポリアゾ系色素、フタロシアニン系色素等が知られている。これらのうち、スクアリック酸、メチン系色素、シアニン系色素、ピリリウム系色素、チアピリリウム系色素は分光感度の長波長化が比較的容易であるが繰り返し使用するような実用上の安定性に欠けており、ポリアゾ系色素は、吸収の長波長化が困難であり、かつ製造上難点がある。一方、フタロシアニン系色素は、600nm以上の波長域に吸収ピークを有し、さらに他の色素より比較的長波長域まで吸収波長が伸びているものが多いことから長波長光源用電荷発生剤として期待され広く検討されてきた。
【0003】
フタロシアニン類は、中心金属の種類により吸収スペクトルや光導電性が異なるだけでなく、結晶型によってもこれらの物性には差があり同じ中心金属を持つフタロシアニンでも、特定の結晶型が電子写真感光体に選択されている例がいくつか報告されている。例えばTiOPcには種々の結晶型が存在し、その結晶型の違いにより帯電性、暗減衰、感度等に大きな差があることが報告されている。特開昭59−49544号公報では、TiOPcの結晶型としては、ブラッグ角(2θ±0.2°)=9.2°、13.1°、20.7°、26.2°、27.1°に強い回折ピークを与えるものが好適であると記載されており、X線回折スペクトル図が示されている。また特開昭59−166959号公報では、TiOPcの蒸着膜をテトラヒドロフランの飽和蒸気中に1〜24時間放置し、結晶型を変化させて、電荷発生層としている。このTiOPcのX線回折スペクトルは、ピークの数が少なく、かつ幅が広く、ブラッグ角(2θ)=7.5°、12.6°、13.0°、25.4°、26.2°、28.6°に強い回折ピークを示すことが示されている。
【0004】
本発明者は、TiOPcの製造方法について種々検討した結果、X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2°)9.3°、10.6°、13.2°、15.2°、20.8°、26.3°に主たる回折ピークを有するTiOPc(以下、「β型TiOPc」と略記する)および7.6°、10.2°、22.3°、25.3、28.6°に主たる回折ピークを有するTiOPc(以下、「α型TiOPc」と略記する)、さらには、7.0°、15.6°、23.4°、25.6°に主たる回折ピークを有するTiOPcの結晶型の存在を確認し、それらの製造方法を提案した(特開昭62−256865号、特開昭62−256867号、特開昭63−366号公報等参照)。
上記TiOPcを製造するには、オルトフタロジニトリルと四塩化チタンを適当な溶媒中で反応させ、まず、ジクロロチタニウムフタロシアニン(以下、「TiCl2 Pc」と略記する)を製造した後、このTiCl2 Pcを加水分解してTiOPcを得ている。通常の反応で得られたTiOPcは不純物を多く含有し、そのままでは目的とする電子写真用感光体とするのは困難であり、かつTiOPcは通常の溶媒に対して不溶性であるためTiCl2 Pcの段階または次のTiOPcの段階で煩雑な精製工程を必要とし、ややもすると再現性に乏しい問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前述した従来法における適当な溶媒はα−クロロナフタレン、キノリン、α−メチルナフタレン等の反応に不活性の溶媒であるが、反応で副成する不純物はこれら不活性溶媒には、通常、溶解性が低くTiOPc中に含有されてしまうため、熱時に素早く濾過して分取する操作を行なう等特に量産化において大きな問題を抱えている。また、熱時に濾過しても濾過中に冷えて目づまりを起こし非常に長い濾過時間を必要とする。ひいては含有された不純物がその次の洗浄ではなかなか洗いきれず、このTiCl2 Pcから得られたTiOPcを電子写真感光体に適用した場合、感度、帯電性、暗減衰、耐久性、即ち繰り返し使用による電位の安定性等の点で十分でなかった。
【0006】
本発明は、前述の様な製造上の問題点を解決したTiX2 Pcの製造方法ならびにこのTiX2 Pcから得られた電子材料として優れた特性を有するTiOPcを提供することを主たる目的とする。
また、本発明のもう一つの目的は、800nm前後の長波長域に高い感度を有し、繰り返し使用による電位の安定性のより優れた電子写真感光体を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前述の様な製造上の問題点を解決し、優れた特性を有する電子写真感光体を提供すべく鋭意検討した結果、TiX2 Pcを製造する際、反応後の熱時に反応に供したと異なる不純物を良く溶かす異種の溶媒を加えることあるいは、反応溶媒として異種の溶媒を少なくとも2種混合したものを用いることで、従来行なわれていた方法では容易には得られなかったTiOPcを極めて容易に得る方法を見いだし、本発明に到達した。
【0008】
すなわち、本発明の第一の要旨は、ジハロゲノチタニウムフタロシアニンを製造する際、オルトフタロジニトリルとチタン化合物との反応終了後に、反応系に反応に用いたと別種の溶媒を反応系温度が150〜200℃で加えジハロゲノチタニウムフタロシアニンを取りだすことを特徴とするジハロゲノチタニウムフタロシアニンの製造方法に存する。さらに、本発明の第二の要旨は、ジハロゲノチタニウムフタロシアニンを製造する際、オルトフタロジニトリルとチタン化合物との反応の反応溶媒として少なくとも2種の反応に不活性な混合溶媒を用いることを特徴とするジハロゲノチタニウムフタロシアニンの製造方法に存する。さらに、本発明の第三の要旨は、前記製造方法で得られたジハロゲノチタニウムフタロシアニンを原料として得られるオキシチタニウムフタロシアニンに存する。また、本発明の第四の要旨は、導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体において、感光層に前記オキシチタニウムフタロシアニンを含有することを特徴とする電子写真感光体に存する。
【0009】
【発明の実施の形態】
具体的には、TiX2 Pcを製造する際、反応終了後未だ反応液が冷却されない熱い中にジメチルホルムアミド(以下、「DMF」と略記)、N−メチルピロリドン(以下、「NMP」と略記)等の溶媒を加えること、あるいは、単独では収量が悪いが不純物は少なくなる溶媒(例えばアルキルナフタレン類)と、収率はよいが不純物が十分に除去することが難しい溶媒(例えばDMF、NMP)を、それぞれ混合して用いることで、反応時に副成した不純物を溶解してしまい、従来必要だった熱濾過等煩雑な操作を取ることはなく冷時に濾過しても非常に純粋なTiX2 Pcを高収率で得ることができるTiX2 Pcの製造方法を提供でき、さらに、導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体において、感光層に上述の様にして得られたTiOPcを含有することによって、800nm前後の長波長域に高い感度を有し、耐久性の優れた電子写真感光体を提供することもできる。
【0010】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で目的とするTiOPcは、すべての結晶型に係るもので、たとえば前述したα型、β型さらにはD型と称される結晶型も対象とし、これら種々の結晶型のTiOPcを得るための前駆体ともいうべき下記一般式〔1〕で表されるTiX2 Pcを高純度、高収率で得ることが重要である。
【0011】
【化1】
Figure 0003646383
【0012】
(式中、Xはハロゲン原子を表し、nは0又は1の数を表す。)
本発明に係るTiOPcの製造方法を具体的例を挙げて記載する。
原料は通常、オルトフタロジニトリルとチタン化合物で、これらを、不活性溶媒中で加熱し、反応させる。
チタン化合物としては、四塩化チタン、三塩化チタン、四臭化チタンなどを用いることができるが、四塩化チタンがコストの面で好ましい。不活性溶剤としては、トリクロロベンゼン、α−クロロナフタレン、β−クロロナフタレン、α−メチルナフタレン、メトキシナフタレン、ジフェニルエーテル、ジフェニルメタン、ジフェニルエタン、エチレングリコールジアルキルエーテル、ジエチレングリコールジアルキルエーテル、トリエチレングリコールジアルキルエーテル等の反応に不活性な高沸点有機溶剤が好ましい。このうちアルキルナフタレンが好適である。
【0013】
異種の溶媒を混合して用いる場合は、前述の不活性溶媒の中から2〜4種の混合が可能であり、2種の混合がより好ましい。混合割合は、任意でよいが、一方に対し、他の溶媒20〜80重量%が好ましい。
反応温度は、通常、150〜300℃、特に180〜250℃が好ましい。
反応後、生成したTiX2 Pcを通常、濾別し、反応時に生成した不純物や、未反応の成分を除く。あるいは反応後、反応系中に反応に用いたと異なる溶媒を加える場合、反応に用いた溶媒の10〜80%を反応系温度が200℃以下、収率を考えると150〜200℃の間で加えることが好ましく、そのまま又は完全に冷えてから濾別する。加える溶媒としては好適なものは、DMF、NMP等が挙げられる。
【0014】
次に必要に応じて、得られたTiX2 Pcをメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル類等の不活性溶媒で洗浄し反応に用いた溶剤を除去する。
こうして得られるTiOPcは不純物が少なく、十分に高い純度を有し、そのまま実用に供しえるものであるが、必要に応じて水、メタノール、アセトン、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド等の溶媒で精製してもよい。
以上の方法で得られたTiX2 PcをTiOPcへ変換する方法は公知の方法で可能であるが、たとえば、特開平4−246472号、特開平4−246473号、特開平4−266972号、特開平4−277563号、特開平4−278839号各公報等に開示された技術で目的とする結晶型を容易に製造することができる。
前記TiOPc結晶は、例えば光導電体としての機能に優れており、電子写真感光体、太陽電池、センサー、スイッチング素子等の電子材料などに適用することができる。
以下、本発明のTiOPc結晶を電子写真感光体における電荷発生材料として適用する場合を例にとって説明する。
【0015】
本発明のTiOPc結晶を分散媒中で分散処理し、最終的に結着樹脂と混合された状態で感光層を塗布するための塗布液として調整する。
分散媒としては、種々の溶媒を用いて良い。例えば、ジエチルエーテル、ジメトキシメタン、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類;メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類を単独あるいは2種以上混合して使用することができる。
【0016】
結着樹脂としてはポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエステルカーボネート、ポリスルホン、ポリイミド、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル等のビニル重合体、及びその共重合体、フェノキシ、エポキシ、シリコーン樹脂等またこれらの部分的架橋硬化物等を単独あるいは2種以上用いることができる。
【0017】
TiOPc結晶を分散処理する方法としては、公知の方法例えばボールミル、サンドグラインドミル、遊星ミル、ロールミル等の方法を用いることができる。
結着樹脂とTiOPc粒子との混合方法としては例えば、TiOPc粒子を分散処理中に結着樹脂を粉末のままあるいはそのポリマー溶液を加え同時に分散する方法、分散液を結着樹脂のポリマー溶液中に混合する方法、あるいは逆に分散液中にポリマー溶液を混合する方法等のいずれの方法を用いてもかまわない。
【0018】
次にここで得られた分散液は、塗布をするのに適した液物性にするために、種々の溶剤を用いて希釈してもかまわない。この溶剤としては、例えば前記分散媒として例示した溶媒を使用することができる。TiOPcと結着樹脂との割合は特に制限はないが一般的には樹脂100重量部に対してTiOPcが5〜500重量部の範囲より使用される。また、この分散液において、TiOPcの濃度は、0.1重量%から10重量%の範囲で使用されることが好ましい。
【0019】
また必要に応じて電荷移動材料およびその他の電荷発生材料を含むことができる。電荷移動材料としては例えば、2,4,7−トリニトロフルオレノン、テトラシアノキシジメタン等の電子吸引性物質、カルバゾール、インドール、イミダゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、ピラゾリン、チアゾールなどの複素環化合物、アニリン誘導体、ヒドラゾン化合物、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導体、あるいはこれらの化合物からなる基を主鎖もしくは側鎖に有する重合体等の電子供与性物質が挙げられる。電荷発生材料としては、一般に電子写真感光体に使用されるものであればさしつかえなく、例えば、ビスアゾ化合物、トリスアゾ化合物、ペリレン化合物、ペリノン化合物、多環キノン化合物、アントラキノン化合物、キナクリドン化合物、スクアリック酸、メチン系色素、シアニン系色素、ピリリウム系色素、チアピリリウム系色素、ポリアゾ系色素、TiOPc以外のフタロシアニン系色素等が挙げられる。電荷移動材料および電荷発生材料と結着樹脂の割合は結着樹脂100重量部に対して電荷移動材料および電荷発生材料が5〜500重量部の範囲より使用される。
【0020】
この様にして調整された分散液を用いて、導電性支持体上に電荷発生層を形成させ、その上に電荷移動層を積層させて感光層を形成する、或いは、導電性支持体上に電荷移動層を形成しその上に前記分散液を用いて電荷発生層を形成し感光層を形成する、或いは、導電性支持体上に前記分散液を用いて電荷発生層を形成させ感光層とする、のいずれかの構造で感光層を形成することができる。電荷発生層の膜厚は電荷移動層と積層させて感光層を形成する場合0.1μm〜10μmの範囲が好適であり電荷移動層の膜厚は5μm〜60μmが好適である。電荷発生層のみの単独構造で感光層を形成する場合の電荷発生層の膜厚は5μm〜60μmの範囲が好適である。
【0021】
電荷移動層を設ける場合、そこに使用される電荷移動材料としては、前記電荷移動材料として例示した材料を使用することができる。これら電荷移動材料とともに必要に応じて結着樹脂が配合される。結着樹脂としては、例えば前記結着樹脂として例示したものを使用することができる。感光層には、必要に応じて酸化防止剤、増感剤等の各種添加剤を含んでいても良い。
さらにこれらの感光層を外部の衝撃から保護するために感光層表面に薄い保護層を設けてもよい。
【0022】
感光層を設ける導電性支持体としては、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケル等の金属材料、表面にアルミニウム、銅、パラジウム、酸化スズ、酸化インジウム等の導電性層を設けたポリエステルフィルム、紙、ガラス等の絶縁性支持体が使用される。導電性支持体と感光層の間には通常使用されるような公知のバリアー層が設けられていても良い。
【0023】
バリアー層としては、例えばアルミニウム陽極酸化被膜、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム等の無機層、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、セルロース類、ゼラチン、デンプン、ポリウレタン、ポリイミド、ポリアミド、等の有機層が使用される。バリアー層の膜厚は0.1μmから20μmの範囲が好ましく、0.1μmから10μmの範囲で使用されるのが最も効果的である。
【0024】
これらの感光層、保護層およびバリアー層の塗布方法としては、ディッピング法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ブレードコーティング法等公知の方法を用いることができる。
このような電子写真感光体は、レーザービームプリンター、LEDプリンター、CRTプリンターなどのプリンターのみならず、通常の電子写真機やその他の電子写真応用分野に広く適用することができる。
【0025】
【実施例】
以下、本発明を実施例により、より詳細に説明するが、本発明は、その要旨を越えない限り以下の実施例によって限定されるものではない。
実施例1
温度計、撹拌器、還流冷却器を備えた1L反応フラスコに、オルトフタロジニトリル92.0gとα−メチルナフタレン600mlを仕込み、撹拌下、四塩化チタン20mlを滴下した。滴下後昇温し、200〜220℃で5時間反応させた後放冷し、180℃でDMFを200ml加え、撹拌した後濾過し、メタノール200mlで洗浄乾燥してTiCl2 Pcの粉末61.3gを得た。
得られたTiCl2 Pcは、極めてきれいな青色粉末であった。
さらに得られたTiCl2 Pcを用いて特開平4−246473号公報に開示された方法により、X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2°)9.3°、10.6°、13.2°、15.2°、20.8°、26.3°に主たる回折ピークを有するβ型TiOPcを得た。
【0026】
実施例2
実施例1において、反応後、DMFの替わりに、160℃でNMPを200ml加えること以外は実施例1と同様にしてTiCl2 Pcを得た。この様にして得られたTiCl2 Pcは、極めてきれいな青色粉末であった。さらに得られたTiCl2 Pcを用いて特開平4−266972号公報に開示された方法により、X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2°)27.3°に主たる回折ピークを有するD型TiOPcを得た。
【0027】
実施例3
温度計、撹拌器、還流冷却器を備えた1L反応フラスコに、オルトフタロジニトリル92.0gとα−メチルナフタレン300ml、2,3−ジクロロトルエン300mlを仕込み、撹拌下四塩化チタン20mlを滴下した。滴下後昇温し、200〜220℃で5時間反応させた後放冷し、130℃で熱濾過し、メタノール200mlで洗浄乾燥してTiCl2 Pcの粉末62.3gを得た。
得られたTiCl2 Pcは、極めてきれいな青色粉末であった。
さらに得られたTiCl2 Pcを用いて特開平4−246473号公報に開示された方法により、X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2°)9.3°、10.6°、13.2°、15.2°、20.8°、26.3°に主たる回折ピークを有するβ型TiOPcを得た。
【0028】
実施例4
実施例3において、α−メチルナフタレン300ml、2,3−ジクロロトルエン300mlの替わりに、ジメチルナフタレン420ml、ジフェニルエーテル180mlを用いた以外は実施例3と同様にしてTiCl2 Pcを得た。この様にして得られたTiCl2 Pcは、極めてきれいな青色粉末であった。
さらに得られたTiCl2 Pcを用いて特開平4−266972号公報に開示された方法により、X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2°)27.3°に主たる回折ピークを有するD型TiOPcを得た。
【0029】
比較例1
温度計、撹拌器、還流冷却器を備えた1L反応フラスコに、オルトフタロジニトリル92.0gとα−クロロナフタレン600mを仕込み、撹拌下四塩化チタン20mlを滴下した。滴下後昇温し、200〜220℃で5時間反応させた後放冷し、130℃で熱濾過し、メタノール200mlで洗浄乾燥してTiCl2 Pcの粉末60.3gを得た。
この熱濾過は、非常に長時間を要した上、このTiCl2 Pcは、極めて汚く、黒色であり、明らかにTiCl2 Pc以外の不純物を多く含むものであった。
【0030】
【発明の効果】
本発明は、極めて容易に高純度、高収率でTiX2 Pcを製造する方法を提供するものであり、工業的規模の製造も極めて有利である。さらにこのTiCl2 Pcを用いて種々の電子材料特に電子写真感光体の光電変換材料として優れた特性を有するTiOPcを提供できる。さらにまた、このTiCl2 Pcを用いて得られるTiOPcを電子写真感光体に適用することにより、800nm前後の長波長域に高い感度を有し、繰り返し使用による電位安定性の優れた電子写真感光体を提供することができる。

Claims (4)

  1. ジハロゲノチタニウムフタロシアニンを製造する際、オルトフタロジニトリルとチタン化合物との反応終了後に、反応系にジメチルホルムアミドまたはN−メチルピロリドンを反応系温度が150〜200℃で加えた後にジハロゲノチタニウムフタロシアニンを取りだすことを特徴とするジハロゲノチタニウムフタロシアニンの製造方法。
  2. ジハロゲノチタニウムフタロシアニンを製造する際、オルトフタロジニトリルとチタン化合物との反応の反応溶媒として、アルキルナフタレンとジクロロトルエンの混合溶媒、またはアルキルナフタレンとジフェニルエーテルの混合溶媒を用いることを特徴とするジハロゲノチタニウムフタロシアニンの製造方法。
  3. 請求項1または請求項2のいずれかに記載のジハロゲノチタニウムフタロシアニンを原料として得られるオキシチタニウムフタロシアニン。
  4. 導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体において、感光層に請求項3に記載のオキシチタニウムフタロシアニンを含有することを特徴とする電子写真感光体。
JP32872895A 1995-12-18 1995-12-18 ジハロゲノチタニウムフタロシアニンの製造方法およびこれを原料としたオキシチタニウムフタロシアニンならびにそれを用いた電子写真感光体 Expired - Fee Related JP3646383B2 (ja)

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