JPH09241525A - ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶、その製造方法およびそれを用いた電子写真感光体 - Google Patents

ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶、その製造方法およびそれを用いた電子写真感光体

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JPH09241525A
JPH09241525A JP5282396A JP5282396A JPH09241525A JP H09241525 A JPH09241525 A JP H09241525A JP 5282396 A JP5282396 A JP 5282396A JP 5282396 A JP5282396 A JP 5282396A JP H09241525 A JPH09241525 A JP H09241525A
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JP
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hydroxygallium phthalocyanine
crystal
phthalocyanine crystal
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ray
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JP5282396A
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Hitoshi Takimoto
整 滝本
Kazuya Hongo
和哉 本郷
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Fuji Xerox Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高感度でありながら暗減衰の低い、優れた電
子写真特性を有するヒドロキシガリウムフタロシアニン
結晶、その製造方法およびそれを用いた感度特性、暗減
衰特性、繰り返し特性、環境安定性および画質特性に優
れた電子写真感光体を提供する。 【解決手段】 フタルイミド含有量が3000ppm以
下であるCuKα特性X線に対するブラッグ角度(2θ
±0.2°)の7.5°、9.9°、12.5°、1
6.3°、18.6°、25.1°および28.3°に
強い回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシア
ニン結晶であって、ヒドロキシガリウムフタロシアニン
の前駆体をアシッドペースティングし、次いで、得られ
た結晶を湿式粉砕処理して結晶変換し、さらに塩基性水
溶液で洗浄するか、50℃〜250℃で加熱処理するこ
とにより得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヒドロキシガリウ
ムフタロシアニン結晶、その製造方法およびそれを感光
層中に含有する電子写真感光体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子写真感光体における光導電物質とし
ては、無機系および有機系の種々の光導電物質が知られ
ている。有機光導電物質は、それを電子写真感光体に使
用した場合、膜の透明性、良好な成膜性および可撓性を
有し、無公害であり、コストが比較的低い等の利点を有
しているため、従来から種々のものが提案されている。
また、従来の有機光導電物質について、その感光波長領
域を近赤外線の半導体レーザの波長領域にまで伸ばすこ
とにより、レーザプリンタ、デジタル複写機、ファクシ
ミリ等のデジタル記録用の感光体として使用する要求が
高まっており、半導体レーザ用の有機光導電物質として
幾つかのものが提案されている。特にフタロシアニン化
合物は、その結晶型と電子写真特性について多くの報告
がなされている。
【0003】一般に、フタロシアニン化合物は、その製
造方法または処理方法の相違により、幾つかの結晶型に
分かれること、およびその結晶型が異なるとフタロシア
ニン化合物の光電変換特性に大きな影響を及ぼすことが
知られている。フタロシアニン化合物の結晶特性につい
ては、例えば、無金属フタロシアニンについてみると、
α、β、ε、π、τ、X等の結晶型が知られているが、
光感度の点で十分ではなく、繰り返し特性や環境安定性
も満足なものが得られていなかった。
【0004】一方、ガリウムフタロシアニンに関して
も、その結晶型と電子写真特性について多くの報告がな
されており、特開平5−263007号公報および特開
平7−53892号公報には、多くのブラッグ角度に回
折ピークを有する高感度なヒドロキシガリウムフタロシ
アニン結晶が記載され、さらにそれを用いた電子写真感
光体の感度、繰り返し特性および環境安定性が優れてい
る点について記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶は、高感度にな
るものほど暗減衰が増加する傾向があり、感度特性と暗
減衰を両立させた結晶を得ることが難しく、その改善が
望まれていた。また、従来のヒドロキシガリウムフタロ
シアニン結晶は、結着樹脂との分散性が好ましくないた
め、電子写真特性の画質上、濃度ムラや黒点・白点等の
画質欠陥を生じやすいため、さらなる改善が望まれてい
た。本発明は、従来技術における上記のような問題点を
解消するためになされたものである。
【0006】すなわち、本発明の目的は、高感度であり
ながら暗減衰の低い、優れた電子写真特性を有するヒド
ロキシガリウムフタロシアニン結晶およびその製造方法
を提供することにある。また。本発明の他の目的は、感
度特性、暗減衰特性、繰り返し特性、環境安定性および
画質特性に優れた電子写真感光体を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、ヒドロキ
シガリウムフタロシアニン結晶の電子写真特性について
鋭意研究を重ねた結果、アシッドペースティング法によ
って得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を
湿式粉砕処理して結晶変換する場合、塩基性水溶液で洗
浄、若しくは50℃〜250℃で加熱処理を施すことに
よって、フタルイミド含有量3000ppm以下のヒド
ロキシガリウムフタロシアニン結晶が得られ、それが優
れた特性を示すことを確認し、そしてこのヒドロキシガ
リウムフタロシアニン結晶を電子写真感光体の感光層に
含有させることにより、本発明の上記目的を達成できる
ことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明のヒドロキシガリウムフ
タロシアニン結晶は、フタルイミド含有量が3000p
pm以下であるCuKα特性X線に対するブラッグ角度
(2θ±0.2°)の7.5°、9.9°、12.5
°、16.3°、18.6°、25.1°および28.
3°に強い回折ピークを有することを特徴とする。
【0009】本発明のヒドロキシガリウムフタロシアニ
ン結晶の製造方法は、上記のフタルイミド含有量が30
00ppm以下であるCuKα特性X線に対するブラッ
グ角度(2θ±0.2°)の7.5°、9.9°、1
2.5°、16.3°、18.6°、25.1°および
28.3°に強い回折ピークを有するヒドロキシガリウ
ムフタロシアニン結晶を製造するものであって、その第
1のものは、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの前駆
体をアシッドペースティングし、得られたCuKα特性
X線に対するブラッグ角度(2θ±0.2°)の7.1
°、16.8°、26.6°に回折ピークを有するヒド
ロキシガリウムフタロシアニン結晶を湿式粉砕処理して
結晶変換し、さらに塩基性水溶液で洗浄することを特徴
とし、第2のものは、上記湿式粉砕処理して結晶変換し
た結晶を、50〜250℃で加熱処理することを特徴と
する。また、第3のものは、ヒドロキシガリウムフタロ
シアニンの前駆体をアシッドペースティングし、次いで
析出した結晶を塩基性水溶液で洗浄するかまたは50〜
250℃で加熱処理し、得られたCuKα特性X線に対
するブラッグ角度(2θ±0.2°)の7.1°、1
6.8°、26.6°に回折ピークを有するヒドロキシ
ガリウムフタロシアニン結晶を湿式粉砕処理して結晶変
換することを特徴とする。
【0010】また、本発明の電子写真感光体は、導電性
支持体上に、フタルイミド含有量が3000ppm以下
であるCuKα特性X線に対するブラッグ角度(2θ±
0.2°)の7.5°、9.9°、12.5°、16.
3°、18.6°、25.1°および28.3°に強い
回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン
結晶を含有する感光層を設けたことを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。本発明の上記ヒドロキシガリウムフ
タロシアニン結晶は、次のようにして製造することがで
きる。アシッドペースティングされるヒドロキシガリウ
ムフタロシアニンの前駆体としては、公知の合成方法で
製造されるクロロガリウムフタロシアニン結晶およびガ
リウムフタロシアニン結晶を用いることができる。ま
ず、公知の合成方法で製造されるクロロガリウムフタロ
シアニン結晶を酸またはアルカリ性溶液中で加水分解す
るか、またはアシッドペースティングを行ってヒドロキ
シガリウムフタロシアニン結晶を合成し、精製水により
洗浄する。それにより、CuKα特性X線に対するブラ
ッグ角度(2θ±0.2°)の7.1°、16.8°、
26.6°に回折ピークを有するヒドロキシガリウムフ
タロシアニン結晶が得られる。
【0012】また、上記結晶型を有するヒドロキシガリ
ウムフタロシアニン結晶は、o−フタロジニトリルとガ
リウムトリメトキシドをエチレングリコール中で加熱縮
合することにより、ガリウムフタロシアニン結晶を合成
し、このガリウムフタロシアニン結晶をアシッドペース
ティング処理によってヒドロキシガリウムフタロシアニ
ン結晶とした後、精製水による洗浄を行うことによって
得ることもできる。
【0013】上記の方法により得られたCuKα特性X
線に対するブラッグ角度(2θ±0.2°)の7.1
°、16.8°、26.6°に回折ピークを有するヒド
ロキシガリウムフタロシアニン結晶は、次いで、湿式粉
砕処理または溶剤処理を施して結晶変換を行う。
【0014】上記の加熱処理は、窒素雰囲気下でも真空
下でもよく、加熱温度にあわせて、適切な加熱時間を選
択すればよい。また、湿式粉砕処理は、適当な溶剤の存
在下に実施される。湿式粉砕処理または溶剤処理におい
て使用できる溶剤としては、一般的な有機溶剤および無
機溶剤があげられるが、特に良好な特性を示す溶剤とし
ては、アミド類(N,N−ジメチルホルムアミド、N,
N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン
等)、エステル類(酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸
i−アミル等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケ
トン、シクロヘキサノン等)、ジメチルスルホキシド等
があげられる。処理条件としては、溶剤量はヒドロキシ
ガリウムフタロシアニン結晶1部に対して溶剤1〜20
0部、好ましくは10〜100部の範囲が適当であり、
処理温度は0〜150℃、好ましくは10〜100℃の
範囲が選択される。また、湿式粉砕処理は、ボールミ
ル、サンドミル、コボールミル、ダイノーミル、アトラ
イター、ニーダー等により行うのが好ましい。なお、湿
式粉砕処理を施さずに、単に適当な容器中で放置または
攪拌しながら溶剤処理を行っても結晶変換を行うことが
できる。
【0015】以上の操作により、結晶変換が行われて、
結晶性が良好で、粒径の整った、CuKα特性X線に対
するブラッグ角度(2θ±0.2°)の7.5°、9.
9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1
°および28.3°に強い回折ピークを有するヒドロキ
シガリウムフタロシアニン結晶が得られる。
【0016】得られたヒドロキシガリウムフタロシアニ
ン結晶は、次いで、塩基性水溶液で洗浄するか、また
は、50〜250℃で加熱処理を施す。塩基性水溶液に
よる洗浄を行う場合、塩基性水溶液の塩基として水酸化
ナトリウムまたは水酸化カリウムが使用できる。塩基性
水溶液のpHは微アルカリ性からpH12程度までの範
囲が適当であり、好ましくはpH8〜10の範囲であ
る。また、洗浄方法としては、超音波洗浄、遠心ろ過、
セラミックフィルター、加圧ろ過、吸引ろ過等が使用で
きるが、洗浄効率の点からセラミックフィルターを用い
た洗浄が好ましい。ヒドロキシガリウムフタロシアニン
結晶の洗浄に用いられる塩基性水溶液の使用量は、ヒド
ロキシガリウムフタロシアニン結晶量の10〜200
倍、好ましくは20〜100倍に設定される。また、加
熱処理を行う場合は、上記した場合と同様に、窒素雰囲
気下でも真空下でもよく、加熱温度にあわせて、適切な
加熱時間を選択すればよい。
【0017】上記のようにして得られたCuKα特性X
線に対するブラッグ角度(2θ±0.2°)の7.5
°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、
25.1°および28.3°に強い回折ピークを有する
ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶は、次いで、ヒ
ドロキシガリウムフタロシアニン結晶スラリー中の塩基
を除去するため、有機溶剤または精製水で洗浄が行われ
る。
【0018】有機溶剤としては、メタノール、エタノー
ル、n−プロパノール、n−ブタノール、アセトン、メ
チルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢
酸エチル、酢酸n−ブチル等の通常の有機溶剤が挙げら
れる。洗浄に使用する精製水としては、純水、蒸留水、
イオン交換水等の電導度10.0μS/cm以下、好ま
しくは1.0μS/cm以下のものが使用できる。
【0019】ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の
洗浄に用いられる精製水または有機溶剤の使用量は、溶
剤処理後のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶量の
10〜2000倍、好ましくは100〜1000倍に設
定される。
【0020】上記の場合、湿式粉砕処理による結晶変換
後に、塩基性水溶液で洗浄するか、または、50〜25
0℃で加熱処理を施すが、本発明においては、これらの
塩基性水溶液による洗浄または加熱処理を、結晶変換前
のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶に施してもよ
い。すなわち、上記のガリウムフタロシアニン結晶のア
シッドペースティング処理によって得られた結晶を塩基
性水溶液で洗浄または加熱処理を施し、次いで上記の湿
式粉砕処理または溶剤処理を施してもよい。
【0021】以上詳記した方法によって、結晶中のフタ
ルイミド含有量が3000ppm以下、好ましくは0.
1〜1500ppmの範囲にあるヒドロキシガリウムフ
タロシアニン結晶が得られる。本発明のヒドロキシガリ
ウムフタロシアニン結晶は、その結晶中のフタルイミド
含有量が3000ppm以下であることが必要である。
フタルイミド含有量が3000ppmより高いときは、
暗減衰の増加、帯電性の低下や、塗膜を形成するときの
成膜性が悪化し、画像品質が低下する。
【0022】ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶中
のフタルイミドは、原料に1,3−ジイミノイソインド
リノンを使用した場合、以下のように1,3−ジイミノ
イソインドリノンが加水分解し、生成したフタルイミド
が混入する場合と、アシッドペースティングにおける硫
酸処理の際、ガリウムフタロシアニンから生じた副生物
としてフタルイミドが混入する場合があり、アシッドペ
ースティング直後に得られるCuKα特性X線に対する
ブラッグ角度(2θ±0.2°)の7.1°、16.8
°、26.6°に回折ピークを有するヒドロキシガリウ
ムフタロシアニン結晶には、3000ppmを超えるフ
タルイミドが含まれている。また、フタルイミドと共に
中間体である3−イミノイソインドリノンも混入する。
【0023】ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶中
のフタルイミドは、液体クロマトグラフィー、ガスクロ
マトフィー等を用いて、簡単に検出および定量を行うこ
とができる。ただし、フタルイミドと3−イミノイソイ
ンドリノンの分離は難しく、また、感光体中で同様な働
きをもつと考えられるので、本明細書における「フタル
イミドの含有量」は、フタルイミドと共に3−イミノイ
ソインドリノンをも含むものを意味する。
【0024】次に、本発明の上記ヒドロキシガリウムフ
タロシアニン結晶を電子写真感光体における光導電材料
として使用する場合について説明する。本発明におい
て、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶は、電子写
真感光体の感光層が単層構造のもの、或いは電荷発生層
と電荷輸送層とに機能分離された積層構造のもの等、何
如なるものにも適用することができる。
【0025】導電性支持体としては、従来から使用され
ているものであれば、何如なるものを用いてもよい。ま
た、導電性支持体の表面は、必要に応じて、画質に影響
のない範囲で各種の処理を行うことができる。例えば、
表面の陽極酸化処理、液体ホーニング等による粗面化処
理、薬品処理、着色処理等を行うことができる。
【0026】積層型感光体の場合には、導電性支持体上
に少なくとも電荷発生層と電荷輸送層とが積層された感
光層が設けられるが、その積層の順序はいずれが基体側
にあってもよい。電荷発生層は、本発明の上記ヒドロキ
シガリウムフタロシアニン結晶と適当な結着樹脂溶液と
より構成される。また、電荷発生材料としては、ヒドロ
キシガリウムフタロシアニン結晶のほかに、他の公知の
電荷発生材料を併用してもよい。さらに、結着樹脂とし
ては、公知のものを適宜使用できる。電荷発生材料と結
着樹脂の配合比は、40:1〜1:4、好ましくは2
0:1〜1:2である。電荷発生材料の比率が高すぎる
場合には、塗布溶液の安定性が低下し、低すぎる場合に
は、感度が低下するので、上記の範囲に設定することが
好ましい。また、分散手段としてはサンドミル、コロイ
ドミル、アトライター、ボールミル、ダイノーミル、高
圧ホモジナイザー、超音波分散機、コボールミル、ロー
ルミル等の方法が利用できる。塗布方法としては、ブレ
ードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、ス
プレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコ
ーティング法、カーテンコーティング法等の方法を用い
ることができる。電荷発生層の膜厚は、0.01〜5μ
mの範囲、好ましくは0.03〜2μmの範囲である。
【0027】電荷輸送層は、電荷輸送材料と成膜性樹脂
により構成されるもので、電荷輸送材料は公知のものが
適宜使用できる。成膜性樹脂に用いるものとしては、例
えば、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスチレ
ン、ポリエステル、スチレン−アクリロニトリル共重合
体、ポリスルホン、ポリメタクリル酸エステル、スチレ
ン−メタクリル酸エステル共重合体、ポリオレフィン等
があげられる。電荷輸送材料と成膜性樹脂の配合比(重
量)は、5:1〜1:5、好ましくは3:1〜1:3で
ある。電荷輸送材料の比率が高すぎる場合には、電荷輸
送層の機械的強度が低下し、低過ぎる場合には、感度が
低下するので、上記の範囲に設定するのが好ましい。ま
た、電荷輸送材料が成膜性を有する場合には、上記成膜
性樹脂を省くこともできる。電荷輸送層は、上記電荷輸
送材料と成膜性樹脂とを適当な溶剤に溶解し、塗布する
ことによって形成されるが、これらの塗布方法として
は、電荷発生層について述べたのと同様の方法を用いる
ことができる。電荷輸送層の膜厚は、5〜50μmの範
囲、好ましくは10〜40μmの範囲になるよう形成す
ることが好ましい。
【0028】本発明の電子写真感光体において、感光層
が単層構造である場合には、感光層はヒドロキシガリウ
ムフタロシアニン結晶および電荷輸送材料が成膜性樹脂
に分散された光導電層より形成される。この場合、電荷
輸送材料としては、公知のものが適宜使用でき、また、
成膜性樹脂としては、上記したものと同様なものを使用
することができる。したがって、感光層は上記したいず
れかの方法によって形成することができる。その際、電
荷輸送材料と成膜性樹脂との配合比(重量)は、1:2
0〜5:1に設定するのが好ましく、また、ヒドロキシ
ガリウムフタロシアニン結晶と電荷輸送材料との配合比
(重量)は、1:10〜10:1に設定するのが好まし
い。
【0029】また、本発明の電子写真感光体は、必要に
応じて、感光層と基体の間に下引き層を設けてもよい。
下引き層は、基体からの不必要な電荷の注入を阻止する
ために有効なものであり、感光体の帯電性を向上させる
作用を有しており、また、感光層と基体との接着性をも
向上させる作用を有している。さらに、本発明の電子写
真感光体は、耐刷性を向上させるために、感光層の上に
保護層を設けてもよい。
【0030】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明する。なお、「部」は「重量部」を意味する。
【0031】合成例1(ガリウムフタロシアニンの合
成) o−フタロジニトリル31.8部、ガリウムトリメトキ
シド10.0部、エチレングリコール150部を、窒素
雰囲気下、200℃において24時間反応させた後、生
成物をろ別し、N,N−ジメチルホルムアミドおよびメ
タノールで洗浄し、次いで湿ケーキを50℃、真空下で
50時間乾燥して、ガリウムフタロシアニンの結晶2
5.1部を得た。得られたガリウムフタロシアニン結晶
の粉末X線回折図を図1に示す。
【0032】合成例2(クロロガリウムフタロシアニン
の合成) 1,3−ジイミノイソインドリン30部、三塩化ガリウ
ム9.1部をキノリン230部中に入れ、200℃にお
いて4時間反応させた後、生成物をろ別し、N,N−ジ
メチルホルムアミドおよびメタノールで洗浄し、次いで
湿ケーキを50℃、真空で50時間乾燥した後、クロロ
ガリウムフタロシアニン結晶28部を得た。得られたク
ロロガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折図を図
2に示す。
【0033】作製例1 合成例1で得られたガリウムフタロシアニン結晶5部を
濃硫酸150部に溶解し、2時間攪拌した後、この溶液
を25%アンモニア水450部と蒸留水100部の混合
溶液に滴下して結晶を析出させた。次いで、25部のイ
オン交換水で洗浄し、湿ケーキを50℃、真空下で50
時間乾燥してヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶
4.4部を得た。得られたヒドロキシガリウムフタロシ
アニン結晶の粉末X線回折図を図3に示す。
【0034】得られたヒドロキシガリウムフタロシアニ
ン結晶4部をN,N−ジメチルホルムアミド76部と共
に、ボールミルで24時間湿式粉砕処理を行った。次い
で、得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶中
スラリーを、セラミックフィルターを用いて200部の
0.1N水酸化ナトリウム水溶液、続いて、4000部
のイオン交換水で洗浄し、湿ケーキを50℃、真空下で
50時間乾燥して、ヒドロキシガリウムフタロシアニン
3.7部を得た。フタルイミド含有量は488ppmで
あった。得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結
晶の粉末X線回折図を図4に示す。
【0035】比較作製例1 作製例1と同様にして、図3で示される粉末X線回折図
を有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を得
た。得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶4
部をN,N−ジメチルホルムアミド76部と共に、ボー
ルミルで24時間湿式粉砕処理を行った。次いで、処理
された結晶を20部のイオン交換水で洗浄し、湿ケーキ
を50℃、真空下で50時間乾燥してヒドロキシガリウ
ムフタロシアニン結晶3.8部を得た。フタルイミド含
有量は4580ppmであった。得られたヒドロキシガ
リウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折図は図4と同
一のスペクトルを示した。
【0036】作製例2 比較作製例1で得たヒドロキシガリウムフタロシアニン
結晶を150℃、真空で5時間加熱してヒドロキシガリ
ウムフタロシアニン結晶を作製した。得られたヒドロキ
シガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折図は図4
と同一のスペクトルを示した。フタルイミド含有量は6
04ppmであった。
【0037】作製例3 合成例2で得られたクロロガリウムフタロシアニン結晶
5部を濃硫酸150部に溶解し、2時間攪拌した後、こ
の溶液を25%アンモニア水450部と蒸留水100部
の混合溶液に滴下して結晶を析出させた。次いで、25
部のイオン交換水で洗浄し、湿ケーキを50℃、真空で
50時間乾燥してヒドロキシガリウムフタロシアニン結
晶4.4部を得た。得られたヒドロキシガリウムフタロ
シアニン結晶の粉末X線回折図は図3と同一のスペクト
ルを示した。得られたヒドロキシガリウムフタロシアニ
ン結晶4部をN,N−ジメチルホルムアミド76部とと
もに、ボールミルで24時間湿式粉砕処理を行った。次
いで、得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶
スラリーを、セラミックフィルターを用いて200部の
0.1N水酸化ナトリウム水溶液、続いて、4000部
のイオン交換水で洗浄し、湿ケーキを50℃、真空下で
50時間乾燥してヒドロキシガリウムフタロシアニン結
晶3.7部を得た。得られたヒドロキシガリウムフタロ
シアニン結晶の粉末X線回折図は図4と同一のスペクト
ルを示した。フタルイミド含有量は298ppmであっ
た。
【0038】比較作製例2 作製例1と同様にして、図3で示される粉末X線回折図
を有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を得
た。得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶4
部をN,N−ジメチルホルムアミド76部とともに、ボ
ールミルで24時間湿式粉砕処理を行った。次いで、処
理された結晶を20部のイオン交換水で洗浄し、湿ケー
キを50℃、真空下で50時間乾燥してヒドロキシガリ
ウムフタロシアニン結晶3.8部を得た。得られたヒド
ロキシガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折図は
図4と同一のスペクトルを示した。フタルイミド含有量
は3610ppmであった。
【0039】作製例4 比較作製例2で得たヒドロキシガリウムフタロシアニン
結晶を150℃、真空下で5時間加熱してヒドロキシガ
リウムフタロシアニン結晶を作製した。得られたヒドロ
キシガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折図は図
4と同一のスペクトルを示した。フタルイミド含有量は
363ppmであった。
【0040】作製例5 合成例1で得られたガリウムフタロシアニン結晶9部を
濃硫酸270部に溶解し、2時間攪拌した後、この溶液
を25%アンモニア水810部と蒸留水180部の混合
溶液に滴下して結晶を析出させた。次いで、セラミック
フィルター(商品名:UF巻セラミックフィルター、日
本ガイシ(株)製)を用いて450部の0.1N水酸化
ナトリウム水溶液、続いて8000部のイオン交換水で
洗浄し、湿式ケーキを50℃、真空下で50時間乾燥し
てヒドロキシガリウムフタロシアニン7.8部を得た。
得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の粉末
X線回折図は図3と同一のスペクトルを示した。
【0041】得られたヒドロキシガリウムフタロシアニ
ン結晶6部をN,N−ジメチルホルムアミド114部と
ともに、ボールミルで24時間湿式粉砕処理を行った。
次いで、湿式粉砕後、イオン交換水で洗浄し、湿ケーキ
を50℃、真空で50時間乾燥してヒドロキシガリウム
フタロシアニン結晶5.7部を得た。得られたヒドロキ
シガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折図は図4
と同一のスペクトルを示した。フタルイミド含有量は7
21ppmであった。
【0042】作製例6 合成例1で得られたガリウムフタロシアニン結晶9部を
濃硫酸270部に溶解し、2時間攪拌した後、この溶液
を25%アンモニア水810部と蒸留水180部の混合
溶液に滴下して結晶を析出させた。次いで、セラミック
フィルター(商品名:UF巻セラミックフィルター、日
本ガイシ(株)製)を用いて8000部のイオン交換水
で洗浄し、湿ケーキを50℃、真空下で50時間乾燥し
てヒドロキシガリウムフタロシアニン7.8部を得た。
得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の粉末
X線回折図は図3と同一のスペクトルを示した。
【0043】得られたヒドロキシガリウムフタロシアニ
ン結晶6部を150℃、真空下で5時間加熱した後、
N,N−メチルホルムアミド114部とともに、ボール
ミルで24時間湿式粉砕処理を行った。次いで、湿式粉
砕後、イオン交換水で洗浄し、湿ケーキを50℃、真空
で50時間乾燥してヒドロキシガリウムフタロシアニン
結晶5.7部を得た。得られたヒドロキシガリウムフタ
ロシアニン結晶の粉末X線回折図は図4と同一のスペク
トルを示した。フタルイミド含有量は519ppmであ
った。
【0044】実施例1 まず、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBM
−1、積水化学工業(株)製)8部をn−ブチルアルコ
ール152部に加え、攪拌して溶解し、5重量%のポリ
ビニルブチラール溶液を作製した。次に、トリブトキシ
ジルコニウム・アセチルアセトネートの50%トルエン
溶液(商品名:ZC540、松本交商(株)製)100
部、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン(商品名:
A1100、日本ユニカー(株)製)10部およびn−
ブチルアルコール130部を混合した溶液を、前述のポ
リビニルブチラール溶液中に加え、スターラーで攪拌
し、下引き層形成用の塗布液を作製した。この塗布液を
40mmφ×319mmのアルミパイプ上に浸漬塗布
し、150℃において10分間加熱乾燥し、膜厚1.0
μmの下引き層を形成した。
【0045】一方、ポリビニルブチラール(商品名:エ
スレックBM−S、積水化学工業(株)製)1部を、予
め酢酸n−ブチル49部に溶解した溶液に、作製例1で
得たヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶1部を加
え、5時間サンドミルで分散し、酢酸n−ブチルで希釈
し、固形分濃度3.0重量%の電荷発生層形成用塗布液
を調製した。得られた塗布液を上記した下引き層にリン
グ塗布機によって塗布し、100℃において10分間加
熱乾燥し、膜厚0.20μmの電荷発生層を形成した。
また、分散後の前記ヒドロキシガリウムフタロシアニン
結晶の結晶型をX線回折によって調べたところ、分散前
の結晶型と同一であり、全く変化していないことを確認
した。
【0046】次に、得られた電荷発生層の上に電荷輸送
層を形成させた。すなわち、N,N′−ビス−(p−ト
リル)−N,N′−ビス−(p−エチルフェニル)−
3,3′−ジメチルベンジジン4部を電荷輸送材料と
し、ポリカーボネートZ樹脂6部と共に、モノクロロベ
ンゼン40部に溶解させ、得られた溶液を浸漬塗布装置
によって、上記電荷発生層上に塗布し、115℃で60
分加熱乾燥し、膜厚18μmの電荷輸送層を形成させる
ことにより、電子写真感光体を作製した。
【0047】実施例2 電荷発生材料として、実施例1において作製例1で得た
ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶に代えて、作製
例2で得たヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を使
用した以外は、実施例1と全て同様にして電子写真感光
体を作製した。 実施例3 電荷発生材料として、実施例1において使用する作製例
1で得たヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶に代え
て、作製例3で得たヒドロキシガリウムフタロシアニン
結晶を使用した以外は、実施例1と全て同様にして電子
写真感光体を作製した。
【0048】実施例4 電荷発生材料として、実施例1において使用する作製例
1で得たヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶に代え
て、作製例4で得たヒドロキシガリウムフタロシアニン
結晶を使用した以外は、実施例1と全て同様にして電子
写真感光体を作製した。 実施例5 電荷発生材料として、実施例1において使用する作製例
1で得たヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶に代え
て、作製例5で得たヒドロキシガリウムフタロシアニン
結晶を使用した以外は、実施例1と全て同様にして電子
写真感光体を作製した。 実施例6 電荷発生材料として、実施例1において使用する作製例
1で得たヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶に代え
て、作製例6で得たヒドロキシガリウムフタロシアニン
結晶を使用した以外は、実施例1と全て同様にして電子
写真感光体を作製した。
【0049】比較例1 電荷発生材料として、実施例1において使用する作製例
1で得たヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶に代え
て、比較作製例1で作製したヒドロキシガリウムフタロ
シアニン結晶を使用した以外は、実施例1と全て同様に
して電子写真感光体を作製した。 比較例2 電荷発生材料として、実施例1において使用する作製例
1で得たヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶に代え
て、比較作製例2で作製したヒドロキシガリウムフタロ
シアニン結晶を使用した以外は、実施例1と全て同様に
して電子写真感光体を作製した。
【0050】上記各実施例及び比較例で得られた電子写
真感光体を評価するために、レーザプリンタ(XP−1
1:富士ゼロックス社製)を用いて、以下の測定を行っ
た。この操作は、20℃50%RHの環境下で、グリッ
ド印加電圧−600Vのスコロトロン帯電器で帯電し
(A)、780mmの半導体レーザを用いて、1秒後に
7.0mJ/m2 の光を照射して放電を行い(B)、更
に、3秒後に50mJ/m2 の赤色LED光を照射して
除電を行う(C)というプロセスによって、各部の電位
を測定した。この場合、(A)の電位VH は高い程、感
光体の受容電位が高いために、コントラストを高くする
ことが可能であり、(B)の電位VL は低い程高感度で
あり、(C)VRPの電位は低い程残留電位が少なく、画
像メモリーやカブリが少ない感光体であると評価するこ
とができる。上記の測定を10℃、15%RHおよび3
0℃、85%RHの環境下で行い、それぞれの環境にお
ける各電位の変動を調べ、環境安定性を測定した。ま
た、10,000回の繰り返し帯電・露光後の各部の電
位の測定も行った。さらに、グリッド印加電圧−600
Vのスコロトロン帯電器で帯電した直後の電位(V0 )
と1秒後の電位(V1 )を測定し、暗減衰(V0 −V1
)を求めた。また、これらの電子写真感光体について
は、レーザプリンタ(FX4108:富士ゼロックス社
製)を用いて、30℃、85%RHの環境下で複写する
ことにより、画質の評価を行った。これらの結果を表1
に示す。また、用いた電荷発生材料のフタルイミド含有
量も表1に示す。
【0051】
【表1】 表1から明らかなように、実施例1〜6において作製さ
れた電子写真感光体は、フタルイミド含有量が3000
ppm以下であるヒドロキシガリウムフタロシアニン結
晶を感光層に使用するものであり、良好な帯電性、光感
度および低い残留電位を示し、暗減衰特性、繰り返し特
性、環境安定性に優れていることを示している。一方、
比較例1および2は、フタルイミド含有量が3000p
pm以上であって、電気特性、画像品質が不良であり、
繰り返し特性、環境安定性に劣っていることを示してい
る。
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、ヒドロキシガリウムフ
タロシアニン結晶の重量に対して、フタルイミド含有量
を3000ppm以下に減らすことができるので、得ら
れるヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶は、高感度
でありながら暗減衰の低く、しかも繰り返し特性、環境
安定性に優れたものになる。したがって、本発明によ
り、半導体レーザーを利用するプリンター等の電子写真
感光体用電荷発生材料として極めて有用なヒドロキシガ
リウムフタロシアニン結晶を供給することができる。ま
た、本発明のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を
感光層に含有させた電子写真感光体は、高感度で良好な
暗減衰特性を有し、繰り返し特性、環境安定性の良好な
電子写真特性を示し、優れた画質特性を有するものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 合成例1で得られたガリウムフタロシアニン
の粉末X線回折図を示す。
【図2】 合成例2で得られたクロロガリウムフタロシ
アニンの粉末X線回折図を示す。
【図3】 作製例1における結晶変換前のヒドロキシガ
リウムフタロシアニンの粉末X線回折図を示す。
【図4】 作製例1における結晶変換後のヒドロキシガ
リウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折図を示す。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フタルイミド含有量が3000ppm以
    下であるCuKα特性X線に対するブラッグ角度(2θ
    ±0.2°)の7.5°、9.9°、12.5°、1
    6.3°、18.6°、25.1°および28.3°に
    強い回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシア
    ニン結晶。
  2. 【請求項2】 ヒドロキシガリウムフタロシアニンの前
    駆体をアシッドペースティングし、得られたCuKα特
    性X線に対するブラッグ角度(2θ±0.2°)の7.
    1°、16.8°、26.6°に回折ピークを有するヒ
    ドロキシガリウムフタロシアニン結晶を湿式粉砕処理し
    て結晶変換し、さらに塩基性水溶液で洗浄することによ
    り、フタルイミド含有量が3000ppm以下であるC
    uKα特性X線に対するブラッグ角度(2θ±0.2
    °)の7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、
    18.6°、25.1°および28.3°に強い回折ピ
    ークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を
    得ることを特徴とするヒドロキシガリウムフタロシアニ
    ン結晶の製造方法。
  3. 【請求項3】 ヒドロキシガリウムフタロシアニンの前
    駆体をアシッドペースティングし、得られたCuKα特
    性X線に対するブラッグ角度(2θ±0.2°)の7.
    1°、16.8°、26.6°に回折ピークを有するヒ
    ドロキシガリウムフタロシアニン結晶を湿式粉砕処理し
    て結晶変換し、50℃〜250℃で加熱処理することに
    より、フタルイミド含有量が3000ppm以下である
    CuKα特性X線に対するブラッグ角度(2θ±0.2
    °)の7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、
    18.6°、25.1°および28.3°に強い回折ピ
    ークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を
    得ることを特徴とするヒドロキシガリウムフタロシアニ
    ン結晶の製造方法。
  4. 【請求項4】 ヒドロキシガリウムフタロシアニンの前
    駆体をアシッドペースティングし、次いで析出した結晶
    を塩基性水溶液で洗浄するかまたは50℃〜250℃で
    加熱処理し、得られたCuKα特性X線に対するブラッ
    グ角度(2θ±0.2°)の7.1°、16.8°、2
    6.6°に回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタ
    ロシアニン結晶を湿式粉砕処理して結晶変換することに
    より、フタルイミド含有量が3000ppm以下である
    CuKα特性X線に対するブラッグ角度(2θ±0.2
    °)の7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、
    18.6°、25.1°および28.3°に強い回折ピ
    ークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を
    得ることを特徴とするヒドロキシガリウムフタロシアニ
    ン結晶の製造方法。
  5. 【請求項5】 導電性支持体上に、感光層を設けた電子
    写真感光体において、該感光層がフタルイミド含有量が
    3000ppm以下であるCuKα特性X線に対するブ
    ラッグ角度(2θ±0.2°)の7.5°、9.9°、
    12.5°、16.3°、18.6°、25.1°およ
    び28.3°に強い回折ピークを有するヒドロキシガリ
    ウムフタロシアニン結晶を含有することを特徴とする電
    子写真感光体。
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