以下、好適な実施の形態を挙げて、本発明を詳細に説明する。本発明者らは、フタロシアニン顔料の光導電体としての機能を更に向上し、更に、フタロシアニン顔料を電荷発生物質として用いた電子写真感光体に起因するゴースト現象の抑制効果を、更に高いレベルで達成するための方法を検討した。詳細を以下に示す。
先ず、本発明における「結晶粒子」と「結晶相関長」について説明を行う。本発明において、フタロシアニン顔料の「結晶粒子」とは、フタロシアニン分子が集合して一体となった、フタロシアニン顔料の1次粒子である。図1に、フタロシアニン顔料の走査型電子顕微鏡(SEM)画像を示した。図1における塊1つ1つが結晶粒子である。詳細は後述するが、本発明における「結晶粒子のサイズR」は、フタロシアニン顔料の結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径を意味する。
一方、本発明において、フタロシアニン顔料の「結晶相関長」とは、上記結晶粒子中におけるフタロシアニンの単結晶とみなせる領域の大きさである。結晶相関長は、局所的な結晶面間隔や結晶面方向の乱れとして定義される結晶歪みと、局所的には結晶歪みを持ちつつも大域的には結晶面間隔や結晶面方向が変わらない領域として定義した結晶子のサイズに依存する(参考文献:中井泉、泉富士夫「粉末X線解析の実際」朝倉書店P.63)。尚、図1のSEM画像からは結晶歪みや結晶子自体を識別することはできない。詳細は後述するが、本発明においては、フタロシアニン顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルから、シェラーの式を用いて算出した値「r」を「結晶相関長」として扱うものとする。
上述の通り、電子写真感光体に起因するゴースト現象は、フォトキャリア(正孔及び電子)が感光層(電荷発生層)中に滞留することが1つの発生要因である。そして、本発明者らが検討したところ、フタロシアニン顔料の結晶粒子中の結晶歪みが存在する部分および結晶粒子を構成する結晶子間の界面においてフォトキャリアの滞留が発生し得ることが分かった。したがって、結晶粒子の単位体積当たりの結晶歪みおよび結晶子間の界面を減らすことで、ゴースト現象の抑制効果が向上する、即ち、光導電体としての機能が高いフタロシアニン顔料が得られるのである。一方で、結晶粒子の単位体積当たりの結晶歪みおよび結晶子間の界面を減らし過ぎると、結晶粒子の電気抵抗が低下してしまい、電子写真感光体として求められる帯電性を達成できないことも分かった。
以上の知見を通し、本発明者らが実験を重ねたところ、上記結晶粒子の単位体積当たりの結晶歪みおよび結晶子間の界面と相関の高いパラメータである、k=(結晶相関長r)/(結晶粒子のサイズR)を、0.17以上0.42以下という特定の範囲内とすることで、光導電体としての機能が高いフタロシアニン顔料が得られることが分かった。即ち、kが0.17以上0.42以下であるフタロシアニン顔料を電荷発生物質として用いることで、帯電性を維持しながら、高いレベルのゴースト現象の抑制効果を達成可能な電子写真感光体が得られることが分かった。
ここで、パラメータ:k=(結晶相関長r)/(結晶粒子のサイズR)について、説明をする。結晶相関長は結晶歪みおよび結晶子間の界面が多い程小さいため、kが小さい程、結晶粒子の単位体積サイズ当たりに存在する結晶歪みおよび結晶子間の界面の数は多くなる。したがって、パラメータkは上述した結晶粒子の単位体積当たりの結晶歪みおよび結晶子間の界面と高い相関を示すのである。
本発明者らの実験によると、パラメータkが、0.17以上0.42以下であることが、本発明の効果を得るために必要な条件であることが分かった。kが0.17より小さいと、結晶歪みおよび結晶子間の界面が多くなり、この結晶歪みおよび結晶子間の界面に滞留するフォトキャリアの量が、最終的に得られる画像中にゴースト現象として認識されるレベルを超えてしまう。一方、kが0.42より大きくなると、上述の通り、結晶粒子の電気抵抗が、電子写真感光体として求められる帯電性を達成できないレベルまで低下してしまう。更に、kが0.42より大きいと、結晶粒子中の結晶歪みおよび結晶子間の界面が少なくなるため、結晶粒子自体が単結晶に近づくことにより、隣接する結晶粒子同士の表面の電気状態が似たものになる確率が高まる。その結果、結晶粒子同士が凝集し、電荷集中が発生やすくなり、電子写真感光体としての帯電性が低下する場合もある。
更に、本発明者らが検討したところ、パラメータkが、0.17以上0.42以下である場合でも、結晶粒子のサイズRが大き過ぎると、電荷集中が発生やすくなり、電子写真感光体としての帯電性が低下することも見出した。本発明者らの実験によると、Rが400nmより大きくなると、電子写真感光体として求められる帯電性を達成できないレベルの電荷集中が発生してしまうことが分かった。
以上の通り、パラメータ:k=(結晶相関長r)/(結晶粒子のサイズR)が0.17以上0.42以下であること、及び、結晶粒子のサイズRが400nm以下であることを同時に満足するフタロシアニン顔料が光導電体としての機能が高く、係るフタロシアニン顔料を電荷発生物質として用いた電子写真感光体が、帯電性を維持しながら、高いレベルのゴースト現象の抑制効果を達成可能となるのである。
結晶粒子のサイズRは、結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径である。フタロシアニン顔料の結晶粒子の粒度分布は、結晶粒子の1次粒径を測定できるのであれば、例えば、動的光散乱法・レーザ回折法・重力沈降法・超音波減衰法・画像イメージング法などを利用して得ればよい。本発明の実施例においては、フタロシアニン顔料の結晶粒子の粒度分布を、SEMによる画像イメージング法により導出した。
具体的には先ず、得られたフタロシアニン顔料自体のSEM画像を用い、画像処理ソフト Photoshop(Adobe製)を用いて結晶粒子(10,000個以上)を抽出する。次いで、各結晶粒子の面積Sを求め、この面積と同面積円の直径(=2×(S/π)1/2)を各結晶粒子のサイズRiとした。
シェラーの式は、Kをシェラー定数(形状因子定数)、λをX線波長(nm)(CuKα線を用いたX線回折スペクトルの場合、λ=0.154)、βを積分幅(rad)、θをブラッグ角度としたときに、下記式で表される。
上記式において、θは、フタロシアニン顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度のピークを示すブラッグ角度である。係るピークを示すブラッグ角度は、X線回折スペクトルにおける2θが5°〜35°の範囲に含まれることが一般的である。例えば、図2においては、最も高強度のピークを示すブラッグ角度は、2θ=7.5°付近である。更に、積分幅βは、このθ(X線回折スペクトルにおいては2θ)におけるピーク面積を、ピーク高さで除することによって算出される値を、後述の標準試料および補正式によって補正した値である。ピークの位置、ピーク面積及びピーク高さは、X線回折スペクトルを、ベースラインの除去など適切な処理を施した上でプロファイル関数によりフィッティングし、得られたプロファイルパラメータから求めればよい。この際用いられるプロファイル関数としては、ガウス関数、ローレンツ関数、ピアソンVII関数、フォークト関数、擬フォークト関数、及びこれらの関数を非対称化したものなどが挙げられる(参考文献:中井泉、泉富士夫「粉末X線解析の実際」朝倉書店P.120―123)。
まず、フタロシアニン顔料および標準試料のX線回折ピークをプロファイルフィッティングして得られたフィッティングパラメータから、それぞれの試料について擬フォークト関数の半値全幅のガウス関数成分XPc,G、Xref,Gおよびローレンツ関数成分XPc,L、Xref,Lを求める。
例えば本発明の実施例4の場合、形状パラメータηは0.76であった。これは、プロファイル関数である擬フォークト関数がガウス関数よりもローレンツ関数の方に近いことを意味している。プロファイル関数がガウス関数であれば、半値全幅の補正は
により求める。こうすることで、装置由来の積分幅を標準試料によって除いた試料由来の積分幅を取り出すことが出来る。そして、シェラー定数K=1として上記シェラーの式によって算出される値τが、「体積加重平均厚さ」という意味を持ち(参考文献:中井泉、泉富士夫「粉末X線解析の実際」朝倉書店P.81―82)、これを本発明における「結晶相関長r」と定義する。
尚、上述の通り、結晶粒子のサイズR及び結晶相関長rは、体積平均での値を用いているが、これはゴースト現象の発生に影響する、結晶粒子1個当たり発生するフォトキャリアの量が、結晶粒子の体積に比例すると考えられるからである。
フタロシアニン顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルは、特性粉末X線回折測定によって得られる。測定の際、選択配向の影響を無くすために、キャピラリとして、Boro−Silicateキャピラリ(長さ70mm、肉厚0.01mm、内径0.7mm)(W.Muller製)を用いた(参考文献:中井泉、泉富士夫「粉末X線解析の実際」朝倉書店P.119,140―142)。そして、フタロシアニン顔料をこのキャピラリに詰めて特性粉末X線回折測定を行う一方、空のキャピラリ自体のX線回折測定を行いバックグラウンドデータとした。
電子写真感光体への露光電位を揃えた上でゴースト現象の抑制効果を評価する場合、光メモリーに対する光感度の割合(S/N比)が低くなると、ゴースト現象の抑制効果は小さくなる。サイズRiが小さい結晶粒子が多くなると、結晶粒子の内部の結晶相関長も小さくならざるを得ず、その結果、光感度が低下する。また、サイズRiが大きい結晶粒子が多くなると、結晶粒子内をキャリアが移動する際に遭遇する結晶歪みおよび結晶子間の界面の頻度が増加してしまう上に、励起子が拡散できる長さや結晶粒子が励起光を吸収できる割合に上限があるために、トラップサイトが増大するほどには感度は向上せず、S/N比が低下する。即ち、サイズRiが小さ過ぎる結晶粒子や大き過ぎる結晶粒子が少ない方が、S/N比の低下が抑制され、ゴースト現象の抑制効果が向上するのである。本発明者らの実験の結果、体積頻度が80%以上となる結晶粒子のサイズRiが、60nm以上200nmとすることで、より高いレベルのゴースト現象の抑制効果が得られることが分かった。
本発明のパラメータを満足するフタロシアニン顔料、即ち、k=r/Rが0.17以上0.42以下であり、Rが400nm以下であるフタロシアニン顔料を得るための方法としては、結晶変換工程において、特定のミリング処理により、特定の時間に亘って特定の粉砕力(主に圧縮力、衝撃力、摩擦力、剪断力の4種類の作用からなる)を与える方法が挙げられる。ここで行うミリング処理とは、例えば、ガラスビーズ、スチールビーズ、アルミナボールなどの分散剤とともに、あるいは分散剤を入れずに、サンドミル、ボールミルなどのミリング装置を用いて行う処理である。ミリング処理におえる粉砕力の強さを弱くしたいときには、マグネティックスターラによる攪拌や超音波分散によって処理してもよい。また、2種類以上の処理法を組み合わせても良い。
本発明者らの検討によると、特に、結晶変換工程の初期段階に強い粉砕力を与え、その後に弱い粉砕力を長い時間与えるような、2段階のミリング処理によって、結晶変換工程の制御を容易にしながら、本発明のフタロシアニン顔料を効率良く得られることを見出した。このような2段階のミリング処理が本発明のフタロシアニン顔料を得るのに適している理由を、本発明者らは以下のように推察している。
結晶変換工程は、結晶粒子の結晶型が顔料全体にわたって変換され終わるまでの初期段階と、結晶型の変化自体は小さいまま、結晶粒子のサイズ及び結晶相関長が変化していく後期段階に分かれる。本発明のフタロシアニン顔料は、従来のフタロシアニン顔料と比較して、結晶粒子のサイズが小さいこと、及び、結晶相関長が大きいことを特徴としている。しかし、一般に1段階の結晶変換において、この2つの特徴を満足するような粉砕力を与えることは難しい。なぜなら、結晶粒子のサイズを小さくするためには強い粉砕力を与える必要があるのに対し、結晶相関長を大きくするためには弱い粉砕力を与える必要があるからである。一方、上述の2段階のミリング処理を用いることで、結晶変換工程の初期段階において、結晶粒子のサイズが十分小さくなっていれば、結晶変換工程の後期段階において、弱い粉砕力でも結晶粒子のサイズを小さくできる、更に、結晶相関長をゆっくり成長させることで、上述の2つの特徴を両立させることができるのである。このメカニズムからも明らかな通り、上述の2段階のミリング処理と、粉砕力の強弱を逆転させた場合、即ち、結晶変換工程の初期段階に弱い粉砕力を与え、その後に強い粉砕力を長い時間与えるような方法では、本発明のフタロシアニン顔料は得られない。また、結晶粒子の結晶型が顔料全体にわたって変換され終わるまでの初期段階において、結晶粒子のサイズを小さくすることが重要なので、結晶型の変換に必要な溶媒を使わない乾式処理を初期で行うような2段階のミリング処理では、本発明のフタロシアニン顔料は得られない。
また、支持体の形状としては、例えば、円筒状、フィルム状などが挙げられる。これらの中でも、円筒状のアルミニウム製の支持体が、機械強度、電子写真特性及びコストの点で優れている。また、素管のまま支持体として用いてもよいが、電気的特性の改善や干渉縞の抑制のため素管の表面に対して切削、ホーニング、ブラスト処理などの物理処理や、陽極酸化処理や、酸などを用いた化学処理などを施したものを支持体として用いてもよい。素管に対して切削、ホーニング、ブラスト処理などの物理処理を行うことにより、表面粗さをJIS B0601:2001で規定される十点平均粗さRzjis値で0.8μm以上に処理した支持体は、優れた干渉縞抑制機能を有している。
導電層は、導電性粒子、結着樹脂及び溶剤を分散処理することによって導電層用塗布液を調製し、導電層用塗布液の塗膜を形成し乾燥させることによって得られる。分散方法としては、例えば、ペイントシェーカ、サンドミル、ボールミル、液衝突型高速分散機を用いた方法が挙げられる。
導電性粒子としては、例えば、カーボンブラック、アセチレンブラック、アルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀のような金属粉や、酸化スズ粒子、酸化インジウム粒子、酸化チタン粒子、硫酸バリウム粒子のような金属化合物紛体が挙げられる。結着樹脂としては、例えばポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂及びアルキッド樹脂が挙げられる。溶剤としては、例えばテトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル系溶剤、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、シクロへキサノンなどのケトン系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル系溶剤及びトルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素溶剤が挙げられる。また、必要に応じて、導電層用塗布液に粗し粒子を加えてもよい。
下引き層の材料としては、アクリル樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂、エチルセルロース樹脂、メチルセルロース樹脂、エチレン−アクリル酸コポリマー、エポキシ樹脂、カゼイン樹脂、シリコーン樹脂、ゼラチン樹脂、フェノール樹脂、ブチラール樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアリルエーテル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエチレンオキシド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ユリア樹脂、アガロース樹脂、セルロース樹脂などの樹脂が用いられる。これらの中でも、バリア機能や接着機能の観点から、ポリアミド樹脂が好ましい。
下引き層の膜厚は0.3〜5μmであることが好ましい。また、下引き層にフォトキャリアを支持体側へ流す整流機能を付与させてもよい。負帯電方式の場合、下引き層は、電子輸送物質を含有する電子輸送膜であり、電子を感光層側から支持体側へと流す役割を果たす。具体的には、電子輸送物質又は電子輸送物質を含む組成物を硬化させて得られた硬化膜、電子輸送物質を溶解させた電子輸送膜用塗布液の塗膜を乾燥させて形成された膜、電子輸送性顔料を含有する膜であることが好ましい。これらの中でも、電子輸送物質の電荷発生層への溶出を防ぐ観点から、硬化膜であることがより好ましい。前記硬化膜は、前記組成物中に更に架橋剤を含有し、この組成物を硬化させて得られた硬化膜であることがより好ましく、前記組成物中に架橋剤と樹脂を含有し、この組成物を硬化させて得られた硬化膜であることが更に好ましい。硬化膜の場合、電子輸送物質及び樹脂は、重合性官能基を有する電子輸送性化合物、重合性官能基を有する樹脂であることが好ましい。重合性官能基としては、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基、メトキシ基が挙げられる。また、架橋剤としては、前記重合性官能基を有する電子輸送性化合物、及び前記重合性官能基を有する樹脂の何れか一方あるいは両方と重合又は架橋する化合物を用いることができる。
電荷輸送物質としては、例えば、トリアリールアミン化合物、ヒドラゾン化合物、スチルベン化合物、ピラゾリン化合物、オキサゾール化合物、チアゾール化合物、トリアリルメタン化合物などが挙げられる。また、これらの化合物から誘導される基を主鎖又は側鎖に有するポリマーも挙げられる。これらの中でも電荷輸送物質としては、トリアリールアミン化合物、スチリル化合物又はベンジジン化合物が好ましく、特にトリアリールアミン化合物が好ましい。また、電荷輸送物質は、単独又は混合して1種又は2種以上用いることができる。
感光層が単層型感光層である場合、単層型感光層は、まず、電荷発生物質としての本発明のフタロシアニン顔料、電荷輸送物質及び結着樹脂を溶剤に分散させて単層型感光層用塗布液を調製し、単層型感光層用塗布液の塗膜を形成し乾燥させることによって得られる。上記分散の際には、サンドミルやボールミルなどのメディア型分散機や、液衝突型分散機や超音波分散機などの分散機を用いることができる。
感光層に用いられる結着樹脂としては、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、アクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、尿素樹脂などが挙げられる。また、結着樹脂は、1種のみを使用してもよく、混合又は共重合体として2種以上を併用してもよい。
感光層用の塗布液に用いられる溶剤としては、例えば、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤又は芳香族炭化水素系溶剤などが挙げられる。また、溶剤は、単独又は混合して1種又は2種以上用いることができる。
感光層が単層型感光層である場合、電荷発生物質の含有量は、感光層の全質量に対して3〜30質量%であることが好ましい。また、電荷輸送物質の含有量は、感光層の全質量に対して30〜70質量%であることが好ましい。単層型感光層の膜厚は、5〜40μmであることが好ましく、10〜30μmであることがより好ましい。
電荷発生層用塗布液は、電荷発生物質だけを溶剤に加えて分散処理した後に結着樹脂を加えて調製してもよいし、電荷発生物質と結着樹脂を一緒に溶剤に加えて分散処理して調製してもよい。
上記分散の際には、サンドミルやボールミルなどのメディア型分散機や、液衝突型分散機や超音波分散機などの分散機を用いることができる。尚、作製された電子写真感光体の電荷発生層を剥がして粉末とし、その粉末を超音波分散し、粉末X線回折測定を行って前記方法で見積もった結晶相関長を、分散処理して塗布液を調製する前のフタロシアニン顔料について粉末X線回折測定を行って前記方法で見積もった結晶相関長と比較した。その結果、本発明に関わる分散処理条件について、比較例67と比較例68に記載の分散処理方法を除いて、本発明のフタロシアニン顔料の結晶相関長は分散前後で変化しないことを確認している。
電荷発生層に用いられる結着樹脂としては、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノキシ樹脂、アクリル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、ウレタン樹脂、アガロース樹脂、セルロース樹脂、カゼイン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、塩化ビニリデン樹脂、アクリロニトリル共重合体及びポリビニルベンザール樹脂などの樹脂(絶縁性樹脂)が挙げられる。また、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレンなどの有機光導電性ポリマーを用いることもできる。また、結着樹脂は、1種のみを使用してもよく、混合又は共重合体として2種以上を併用してもよい。
電荷発生層用塗布液に用いられる溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、テトラリン、クロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、四塩化炭素、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、ギ酸メチル、ギ酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジオキサン、メチラール、テトラヒドロフラン、水、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、メチルセロソルブ、メトキシプロパノール、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。また、溶剤は、単独又は混合して1種又は2種以上用いることができる。
更に、フタロシアニン顔料が、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料であって、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおけるブラッグ角度2θの7.4°±0.3°及び28.2°±0.3°にピークを示す結晶型の結晶粒子を有することが好ましい。また、フタロシアニン顔料が、クロロガリウムフタロシアニン顔料であって、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおけるブラッグ角度2θ±0.2°の7.4°、16.6°、25.5°及び28.3°にピークを示す結晶型の結晶粒子を有することが好ましい。また、フタロシアニン顔料が、チタニルフタロシアニン顔料であって、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおけるブラッグ角度2θの27.2°±0.2°にピークを示す結晶型の結晶粒子を有することが好ましい。これらの中でも、上記ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料であることが特に好ましい。
更に、前記フタロシアニン顔料が、下記式(A1)で示されるアミド化合物をその粒子内に含有する結晶粒子を有することが好ましい。式(A1)で示されるアミド化合物としては、N−メチルホルムアミド、N−プロピルホルムアミド、又は、N−ビニルホルムアミドが挙げられる。
また、前記結晶粒子内に含有される前記式(A1)で示されるアミド化合物の含有量が、前記結晶粒子の含有量に対して、0.1質量%以上3.0質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上1.4質量%以下であることがより好ましい。アミド化合物の含有量が0.1質量%以上3.0質量%以下であることにより、結晶粒子の微細化が抑えられ、結晶粒子の粒度分布の標準偏差が小さくなるため、上述した結晶粒子の粒度分布における、サイズが60nm以上200nm以下である結晶粒子の体積頻度vが80%程度となる従来の粉砕や分散の条件においても、k及びアミド化合物の含有量が上記条件を満たすときには、体積頻度vが85%を超える。また、アミド化合物の含有量が0.1質量%以上1.4質量%以下であることにより、体積頻度vが90%を超える。
式(A1)で示されるアミド化合物を結晶粒子内に含有するヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料は、アシッドペースティング法により得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料、及び上記式(A1)で示されるアミド化合物を湿式ミリング処理により結晶変換する工程により得られる。
ミリング処理において分散剤を用いる場合、その分散剤の量は、質量基準でフタロシアニン顔料の10〜50倍が好ましい。また、用いられる溶剤としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、上記式(A1)で示される化合物、N−メチルアセトアミド、N−メチルプロピオアミドなどのアミド系溶剤、クロロホルムなどのハロゲン系溶剤、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶剤、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶剤などが挙げられる。また、溶剤の使用量は、質量基準でフタロシアニン顔料の5〜30倍が好ましい。
また、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおけるブラッグ角度2θの7.4°±0.3°及び28.2°±0.3°にピークを示す結晶型の結晶粒子を有するヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を結晶変換工程で得ようとする場合、溶媒として上記式(A1)で示されるアミド化合物を用いると、結晶型の変換にかかる時間が長くなることを本発明者らは見出した。具体的には、溶媒としてN−メチルホルムアミドを用いた場合、N,N−ジメチルホルムアミドを用いた場合に比べて、結晶変換にかかる時間が数倍増加する。結晶変換に長い時間がかかることによって、結晶型の変換が終わるまでに結晶粒子のサイズを小さくするための時間的猶予が生まれ、本発明のフタロシアニン顔料を得やすくなる。
以上の理由により、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおけるブラッグ角度2θの7.4°±0.3°及び28.2°±0.3°にピークを示す結晶型の結晶粒子を有するヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を用い、かつ、溶媒として上記式(A1)で示されるアミド化合物を用いると、本発明のフタロシアニン顔料が得られる結晶変換工程の条件が広がる。実際、このようなフタロシアニン顔料と溶媒の組み合わせにおいて、特定の粉砕力を特定の時間特定のミリング処理により与えることで、上述した2段階のミリング処理でなくとも本発明のフタロシアニン顔料が得られることを本発明者らは見出した。
本発明のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料が、上記式(A1)で示されるアミド化合物を結晶粒子内に含有しているかどうかについて、得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を1H‐NMR測定のデータを解析することにより決定した。また、1H‐NMR測定の結果をデータ解析することにより、上記式(A1)で示されるアミド化合物の結晶粒子中への含有量を決定した。例えば、上記式(A1)で示されるアミド化合物を溶解できる溶剤によるミリング処理、又はミリング後の洗浄工程を行った場合、得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を1H‐NMR測定する。上記式(A1)で示されるアミド化合物が検出された場合は、上記式(A1)で示されるアミド化合物が結晶内に含有されていると判断することができる。
電荷輸送物質としては、例えば、トリアリールアミン化合物、ヒドラゾン化合物、スチルベン化合物、ピラゾリン化合物、オキサゾール化合物、チアゾール化合物、トリアリルメタン化合物などが挙げられる。また、これらの化合物から誘導される基を主鎖又は側鎖に有するポリマーも挙げられる。これらの中でも電荷輸送物質としては、トリアリールアミン化合物、スチリル化合物又はベンジジン化合物が好ましく、特にトリアリールアミン化合物が好ましい。また、電荷輸送物質は、単独又は混合して1種又は2種以上用いることができる。
電荷輸送層に用いられる結着樹脂としては、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース系樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アガロース樹脂、セルロース樹脂、カゼイン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、塩化ビニリデン樹脂、アクリロニトリル共重合体及びポリビニルベンザール樹脂などの樹脂(絶縁性樹脂)が挙げられる。また、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレンなどの有機光導電性ポリマーを用いることもできる。これらの中でも、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂が好ましい。また、結着樹脂は、1種のみを使用してもよく、混合又は共重合体として2種以上を併用してもよい。その共重合形態は、ブロック共重合体、ランダム共重合体、交互共重合体などの何れの形態であってもよい。また、これらの分子量としては、重量平均分子量(Mw)=10,000〜300,000の範囲が好ましい。
保護層に用いられる樹脂としては、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂(ポリカーボネートZ樹脂、変性ポリカーボネート樹脂など)、ナイロン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリウレタン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体及びスチレン−アクリロニトリル共重合体が挙げられる。
また、保護層に電荷輸送能を持たせるために、電荷輸送能を有するモノマーを種々の重合反応、架橋反応を用いて硬化させることによって保護層を形成してもよい。具体的には、連鎖重合性官能基を有する電荷輸送性化合物を重合又は架橋させ、硬化させることによって保護層を形成することが好ましい。
また、保護層中に導電性粒子や紫外線吸収剤やフッ素原子含有樹脂微粒子などの潤滑性粒子などを含ませてもよい。導電性粒子としては、例えば酸化スズ粒子などの金属酸化物粒子が好ましい。保護層の膜厚は、0.05〜20μmであることが好ましい。
各層の塗布方法としては、浸漬塗布法(ディッピング法)、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ビードコーティング法、ブレードコーティング法及びビームコーティング法などの塗布方法を用いることができる。これらの中でも、効率性及び生産性の観点から、浸漬塗布法が好ましい。
電子写真感光体1の表面は、回転過程において、帯電手段3により、正又は負の所定電位に帯電される。次いで、帯電された電子写真感光体1の表面には、露光手段(不図示)から露光光4が照射され、目的の画像情報に対応した静電潜像が形成される。像露光光4は、例えば、スリット露光やレーザビーム走査露光などの露光手段から出力される、目的の画像情報の時系列電気デジタル画像信号に対応して強度変調された光である。
電子写真感光体1の表面に形成された静電潜像は、現像手段5内に収容されたトナーで現像(正規現像又は反転現像)され、電子写真感光体1の表面にはトナー像が形成される。電子写真感光体1の表面に形成されたトナー像は、転写手段6により、転写材7に転写されていく。このとき、転写手段6には、バイアス電源(不図示)からトナーの保有電荷とは逆極性のバイアス電圧が印加される。また、転写材7が紙である場合、転写材7は給紙部(不図示)から取り出されて、電子写真感光体1と転写手段6との間に電子写真感光体1の回転と同期して給送される。
電子写真感光体1からトナー像が転写された転写材7は、電子写真感光体1の表面から分離された後、定着手段8へ搬送されて、トナー像の定着処理を受けることにより、画像形成物(プリント、コピー)として電子写真装置の外へプリントアウトされる。
転写材7にトナー像を転写した後の電子写真感光体1の表面は、クリーニング手段9により、トナー(転写残りトナー)などの付着物の除去を受けて清浄される。近年開発されているクリーナレスシステムにより、転写残りトナーを直接、現像器などで除去することもできる。更に、電子写真感光体1の表面は、前露光手段(不図示)からの前露光光10により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。尚、帯電手段3が帯電ローラーなどを用いた接触帯電手段である場合は、前露光手段は必ずしも必要ではない。
本発明においては、上述の電子写真感光体1、帯電手段3、現像手段5及びクリーニング手段9などの構成要素のうち、複数の構成要素を容器に納めて一体に支持してプロセスカートリッジを形成する。このプロセスカートリッジを電子写真装置本体に対して着脱自在に構成することができる。例えば、帯電手段3、現像手段5及びクリーニング手段9から選択される少なくとも1つを電子写真感光体1とともに一体に支持してカートリッジ化する。電子写真装置本体のレールなどの案内手段12を用いて電子写真装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ11とすることができる。
露光光4は、電子写真装置が複写機やプリンタである場合には、原稿からの反射光や透過光であってもよい。又は、センサーで原稿を読み取り、信号化し、この信号に従って行われるレーザビームの走査、LEDアレイの駆動もしくは液晶シャッターアレイの駆動などにより放射される光であってもよい。
本発明の電子写真感光体1は、レーザビームプリンタ、CRTプリンタ、LEDプリンタ、FAX、液晶プリンタ及びレーザ製版などの電子写真応用分野にも幅広く適用することができる。
以下に、具体的な実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。以下に記載の「部」は、「質量部」を意味する。ただし、本発明は、これらに限定されるものではない。尚、実施例及び比較例の電子写真感光体の各層の膜厚は、渦電流式膜厚計(Fischerscope、フィッシャーインスツルメント社製)を用いる方法、又は、単位面積当たりの質量から比重換算する方法で求めた。
[合成例1]
窒素フローの雰囲気下、オルトフタロニトリル5.46部及びα−クロロナフタレン45部を反応釜に投入した後、加熱し、温度30℃まで昇温させ、この温度を維持した。次に、この温度(30℃)で三塩化ガリウム3.75部を投入した。投入時の混合液の水分濃度は150ppmであった。その後、温度200℃まで昇温させた。次に、窒素フローの雰囲気下、温度200℃で4.5時間反応させた後、冷却し、温度150℃に達したときに生成物を濾過した。得られた濾過物をN,N−ジメチルホルムアミドを用いて温度140℃で2時間分散洗浄した後、濾過した。得られた濾過物をメタノールで洗浄した後、乾燥させ、クロロガリウムフタロシアニン顔料を収率71%で得た。
[合成例2]
前記合成例1で得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料4.65部を、温度10℃で濃硫酸139.5部に溶解させ、攪拌下、氷水620部中に滴下して再析出させて、フィルタープレスを用いて減圧濾過した。このときにフィルターとして、No.5C(アドバンテック社製)を用いた。得られたウエットケーキ(濾過物)を2%アンモニア水で30分間分散洗浄した後、フィルタープレスを用いて濾過した。次いで、得られたウエットケーキ(濾過物)をイオン交換水で分散洗浄した後、フィルタープレスを用いた濾過を3回繰り返した。最後にフリーズドライ(凍結乾燥)を行い、固形分23%のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料(含水ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料)を収率97%で得た。
[合成例3]
前記合成例2で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料6.6kgをハイパー・ドライ乾燥機(商品名:HD−06R、周波数(発振周波数):2455MHz±15MHz、日本バイオコン製)を用いて以下のように乾燥させた。
上記ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を、専用円形プラスチックトレイにフィルタープレスから取り出したままの固まりの状態(含水ケーキ厚4cm以下)で載せ、遠赤外線はオフ、乾燥機の内壁の温度は50℃になるように設定した。そして、マイクロ波照射時は真空ポンプとリークバルブを調整し、真空度を4.0〜10.0kPaに調整した。
先ず、第1工程として、4.8kWのマイクロ波をヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料に50分間照射し、次に、マイクロ波を一旦オフにしてリークバルブを一旦閉じて2kPa以下の高真空にした。この時点でのヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の固形分は88%であった。第2工程として、リークバルブを調整し、真空度(乾燥機内の圧力)を上記設定値内(4.0〜10.0kPa)に調整した。その後、1.2kWのマイクロ波をヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料に5分間照射し、また、マイクロ波を一旦オフにしてリークバルブを一旦閉じて2kPa以下の高真空にした。この第2工程を更に1回繰り返した(計2回)。この時点でのヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の固形分は98%であった。更に第3工程として、第2工程でのマイクロ波の出力を1.2kWから0.8kWに変更した以外は第2工程と同様にしてマイクロ波照射を行った。この第3工程を更に1回繰り返した(計2回)。更に第4工程として、リークバルブを調整し、真空度(乾燥機内の圧力)を上記設定値内(4.0〜10.0kPa)に復圧した。その後、0.4kWのマイクロ波をヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料に3分間照射し、また、マイクロ波を一旦オフにしてリークバルブを一旦閉じて2kPa以下の高真空にした。この第4工程を更に7回繰り返した(計8回)。以上、合計3時間で、含水率1%以下のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料(結晶)を1.52kg得た。
[合成例4]
前記合成例2で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料10部と、濃度35質量%で温度23℃の塩酸200部を混合して、マグネティックスターラで90分撹拌した。塩酸を混合した量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニン1molに対して、塩化水素118molであった。撹拌後、氷水で冷却された1000部のイオン交換水に滴下して、マグネティックスターラで30分撹拌した。これを減圧濾過した。このときにフィルターとして、No.5C(アドバンテック社製)を用いた。その後、温度23℃のイオン交換水で分散洗浄を4回行った。このようにしてクロロガリウムフタロシアニン顔料9部を得た。
[合成例5]
α−クロロナフタレン100g中、o−フタロジニトリル5.0g、四塩化チタン2.0gを200℃にて3時間加熱攪拌した後、50℃まで冷却して析出した結晶を濾別してジクロロチタニウムフタロシアニンのペーストを得た。次にこれを100℃に加熱したN,N−ジメチルホルムアミド100mLで攪拌洗浄し、次いで60℃のメタノール100mLで2回洗浄を繰り返し濾別した。更にこの得られたペーストを脱イオン水100mL中80℃で1時間攪拌し、濾別して青色のチタニルフタロシアニン顔料を4.3g得た。
次にこの顔料を濃硫酸30mLに溶解させ20℃の脱イオン水300mL中に攪拌下で滴下して再析出し、濾過して十分に水洗した後、非晶質のチタニルフタロシアニン顔料を得た。この非晶質のチタニルフタロシアニン顔料4.0gをメタノール100mL中で室温(22℃)下、8時間懸濁攪拌処理し、濾別して減圧乾燥し、低結晶性のチタニルフタロシアニン顔料を得た。
[合成例6]
1,3−ジイミノイソインドリン30部及び三塩化ガリウム9.1部をジメチルスルホキシド230部に加え、160℃で6時間攪拌しながら反応させて赤紫色顔料を得た。得られた顔料をジメチルスルホキシドで洗浄した後、イオン交換水で洗浄し、乾燥してクロロガリウムフタロシアニン顔料28部を得た。
[合成例7]
前記合成例6で得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料10部を60℃に加熱した硫酸(濃度97%)300部に十分に溶解したものを、25%アンモニア水600部とイオン交換水200部との混合溶液中に滴下した。析出した顔料を濾過により採取し、更にN,N−ジメチルホルムアミド及びイオン交換水で洗浄し、乾燥してヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料8部を得た。
[合成例8]
窒素フローの雰囲気下、α−クロロナフタレン100mLに、三塩化ガリウム10g及びオルトフタロニトリル29.1gを加え、温度200℃で24時間反応させた後、生成物を濾過した。得られたウエットケーキをN,N−ジメチルホルムアミドを用いて温度150℃で30分間加熱撹拌した後、濾過した。得られた濾過物をメタノールで洗浄した後、乾燥させ、クロロガリウムフタロシアニン顔料を収率83%で得た。
上記の方法で得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料2部を、濃硫酸50部に溶解させ、2時間攪拌した後、氷冷しておいた蒸留水170mL及び濃アンモニア水66mLの混合溶液に滴下して、再析出させた。これを蒸留水で十分に洗浄し、乾燥して、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料1.8部を得た。
[合成例9]
窒素フローの雰囲気下、フタロニトリル31.8部、ガリウムトリメトキシド10.1部及びエチレングリコール150mLを、温度200℃で24時間反応させた後、生成物を濾過した。得られたウエットケーキをN,N−ジメチルホルムアミド、メタノールで順次洗浄した後、乾燥させ、ガリウムフタロシアニン顔料25.1部を得た。
上記の方法で得られたガリウムフタロシアニン顔料2部を、濃硫酸50部に溶解させ、2時間攪拌した後、氷冷しておいた蒸留水170mL及び濃アンモニア水66mLの混合溶液に滴下して、再析出させた。これを蒸留水で十分に洗浄し、乾燥して、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料1.8部を得た。
[合成例10]
1,3−ジイミノイソインドリン30部及び三塩化ガリウム9.1部をジメチルスルホキシド230部に加え、160℃で4時間攪拌しながら反応させて赤紫色顔料を得た。得られた顔料をジメチルスルホキシドで洗浄した後、イオン交換水で洗浄し、得られたウエットケーキを80℃において24時間真空乾燥してクロロガリウムフタロシアニン顔料28部を得た。
[実施例1]
<支持体>
直径24mm、長さ257mmのアルミニウムシリンダーを支持体(円筒状支持体)とした。
<導電層>
次に、酸化スズで被覆されている硫酸バリウム粒子(商品名:パストランPC1、三井金属鉱業製)60部、酸化チタン粒子(商品名:TITANIX JR、テイカ製)15部、レゾール型フェノール樹脂(商品名:フェノライト J−325、DIC製、固形分70質量%)43部、シリコーンオイル(商品名:SH28PA、東レ・ダウコーニング製)0.015部、シリコーン樹脂粒子(商品名:トスパール120、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアル・ジャパン合同会社製)3.6部、2−メトキシ−1−プロパノール50部、及び、メタノール50部をボールミルに入れ、20時間分散処理して、導電層用塗布液を調製した。このようにして調整した導電層用塗布液を上述の支持体上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を145℃で1時間加熱し硬化させることにより、膜厚が20μmの導電層を形成した。
<下引き層>
次に、N−メトキシメチル化ナイロン6(商品名:トレジンEF−30T、ナガセケムテックス製)25部をメタノール/n−ブタノール=2/1混合溶液480部に溶解(65℃での加熱溶解)させてなる溶液を冷却した。その後、溶液をメンブランフィルター(商品名:FP−022、孔径:0.22μm、住友電気工業製)で濾過して、下引き層用塗布液を調製した。このようにして調製した下引き層用塗布液を上述の導電層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を温度100℃で10分間加熱乾燥することにより、膜厚が0.5μmの下引き層を形成した。
<電荷発生層>
次に、合成例3で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料0.5部、N−メチルホルムアミド(製品コード:F0059、東京化成工業製)9.5部、直径0.9mmのガラスビーズ15部を室温(23℃)下で6時間、ペイントシェーカ(東洋精機製作所製)を用いてミリング処理した(一段階目)。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用いた。こうしてミリング処理した液をフィルター(品番:N−NO.125T、孔径:133μm、NBCメッシュテック製)で濾過してガラスビーズを取り除いた。この液を室温(23℃)下で40時間、ボールミルでミリング処理した(二段階目)。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用い、容器が1分間に120回転する条件で行った。また、このミリング処理においてガラスビーズ等のメディアは用いなかった。こうして処理した液にN−メチルホルムアミドを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を0.46部得た。
得られた顔料はCuKα線を用いたX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角度2θの7.5°±0.2°、9.9°±0.2°、16.2°±0.2°、18.6°±0.2°、25.2°±0.2°及び28.3°±0.2°にピークを有する。5°〜35°の範囲において最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=31(nm)であった。また、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して2.6質量%であった。
続いて、前記ミリング処理で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料20部、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業製)10部、シクロヘキサノン190部、直径0.9mmのガラスビーズ482部を冷却水温度18℃下で4時間、サンドミル(K−800、五十嵐機械製造(現アイメックス)製、ディスク径70mm、ディスク枚数5枚)を用いて分散処理した。この際、ディスクが1分間に1,800回転する条件で行った。この分散液にシクロヘキサノン444部及び酢酸エチル634部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を上述の下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を100℃で10分間加熱乾燥させることにより、膜厚が0.16μmの電荷発生層を形成した。
このときの電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=125(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は88%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.25となる。
<電荷輸送層>
次に、電荷輸送物質として、下記式で示されるトリアリールアミン化合物70部、
下記式で示されるトリアリールアミン化合物10部、
ポリカーボネート(商品名:ユーピロンZ−200、三菱エンジニアリングプラスチックス製)100部をモノクロロベンゼン630部に溶解させることによって、電荷輸送層用塗布液を調製した。このようにして調製した電荷輸送層用塗布液を上述の電荷発生層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を温度120℃で1時間加熱乾燥することにより、膜厚が19μmの電荷輸送層を形成した。
導電層、下引き層、電荷発生層及び電荷輸送層の塗膜の加熱処理は、各温度に設定されたオーブンを用いて行った。各層の加熱処理は、以下の実施例でも同様に行った。以上のようにして、円筒状(ドラム状)の実施例1の電子写真感光体を製造した。
[実施例2]
実施例1において、二段階目のボールミルで40時間のミリング処理を100時間に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=31(nm)であった。また、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して2.4質量%であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=118(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は89%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.26となる。
[実施例3]
実施例1において、二段階目のボールミルで40時間のミリング処理を300時間に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例3の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=34(nm)であった。また、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して2.2質量%であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=111(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は90%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.30となる。
[実施例4]
実施例1において、二段階目のボールミルで40時間のミリング処理を1,000時間に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例4の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=34(nm)であった。また、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して2.0質量%であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=105(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は91%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.32となる。
[実施例5]
実施例1において、二段階目のボールミルで40時間のミリング処理を2,000時間に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例5の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=36(nm)であった。また、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して1.9質量%であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=102(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は92%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.35となる。
[実施例6]
実施例1において、一段階目のペイントシェーカで6時間のミリング処理を3時間に変更し、二段階目のボールミルで40時間のミリング処理を10時間に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例6の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=27(nm)であった。また、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して3.2質量%であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=148(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は77%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.18となる。
[実施例7]
実施例6において、二段階目のボールミルで10時間のミリング処理を20時間に変更したこと以外は、実施例6と同様にして、実施例7の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=27(nm)であった。また、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して3.1質量%であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=145(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は79%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.19となる。
[実施例8]
実施例6において、二段階目のボールミルで10時間のミリング処理を40時間に変更したこと以外は、実施例6と同様にして、実施例8の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=29(nm)であった。また、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して2.7質量%であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=138(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は83%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.21となる。
[実施例9]
実施例6において、二段階目のボールミルで10時間のミリング処理を100時間に変更したこと以外は、実施例6と同様にして、実施例9の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=31(nm)であった。また、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して2.4質量%であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=133(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は85%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.23となる。
[実施例10]
実施例6において、二段階目のボールミルで10時間のミリング処理を300時間に変更したこと以外は、実施例6と同様にして、実施例10の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=31(nm)であった。また、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して2.3質量%であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=121(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は88%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.26となる。
[実施例11]
実施例6において、二段階目のボールミルで10時間のミリング処理を1,000時間に変更したこと以外は、実施例6と同様にして、実施例11の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=34(nm)であった。また、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して2.1質量%であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=115(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は89%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.29となる。
[実施例12]
実施例6において、二段階目のボールミルで10時間のミリング処理を2,000時間に変更したこと以外は、実施例6と同様にして、実施例12の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=34(nm)であった。また、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して2.0質量%であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=110(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は90%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.31となる。
[実施例13]
実施例1において、一段階目のペイントシェーカで6時間のミリング処理を1時間に変更し、二段階目のボールミルで40時間のミリング処理を20時間に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例13の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=25(nm)であった。また、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して3.2質量%であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=143(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は77%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.17となる。
[実施例14]
実施例13において、二段階目のボールミルで20時間のミリング処理を40時間に変更したこと以外は、実施例13と同様にして、実施例14の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=27(nm)であった。また、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して2.8質量%であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=141(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は81%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.19となる。
[実施例15]
実施例13において、二段階目のボールミルで20時間のミリング処理を100時間に変更したこと以外は、実施例13と同様にして、実施例15の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=27(nm)であった。また、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して2.7質量%であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=140(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は83%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.19となる。
[実施例16]
実施例13において、二段階目のボールミルで20時間のミリング処理を300時間に変更したこと以外は、実施例13と同様にして、実施例16の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=29(nm)であった。また、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して2.4質量%であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=139(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は85%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.21となる。
[実施例17]
実施例13において、二段階目のボールミルで20時間のミリング処理を1,000時間に変更したこと以外は、実施例13と同様にして、実施例17の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=31(nm)であった。また、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して2.2質量%であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=137(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は87%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.23となる。
[実施例18]
実施例13において、二段階目のボールミルで20時間のミリング処理を2,000時間に変更したこと以外は、実施例13と同様にして、実施例18の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=31(nm)であった。また、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して2.0質量%であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=135(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は88%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.23となる。
[実施例19]
実施例1において、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を得る工程の二段階目のミリング処理を以下のように変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例19の電子写真感光体を製造した。
合成例3で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料0.5部、N−メチルホルムアミド(製品コード:F0059、東京化成工業製)9.5部、直径0.9mmのガラスビーズ15部
を室温(23℃)下で6時間、ペイントシェーカ(東洋精機製作所製)を用いてミリング処理した(一段階目)。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用いた。こうしてミリング処理した液を、室温(23℃)下で40時間、ボールミルでミリング処理した(二段階目)。この際、容器の中身を取り出すことなく、容器をそのままボールミルにセットし、容器が1分間に120回転する条件で行った。したがって、二段階目のミリング処理において一段階目と同様のガラスビーズを用いた。こうして処理した液にN−メチルホルムアミドを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を0.46部得た。得られた顔料はCuKα線を用いたX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角度2θの7.5°±0.2°、9.9°±0.2°、16.2°±0.2°、18.6°±0.2°、25.2°±0.2°及び28.3°±0.2°にピークを有する。5°〜35°の範囲において最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=27(nm)であった。また、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して2.3質量%であった。
一方、このときの電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=121(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は89%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.22となる。
[実施例20]
実施例19において、二段階目のボールミルで40時間のミリング処理を100時間に変更したこと以外は、実施例19と同様にして、実施例20の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=29(nm)であった。また、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して1.9質量%であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=110(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は90%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.26となる。
[実施例21]
実施例19において、二段階目のボールミルで40時間のミリング処理を300時間に変更したこと以外は、実施例19と同様にして、実施例21の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=29(nm)であった。また、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して1.5質量%であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=93(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は91%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.31となる。
[実施例22]
実施例19において、二段階目のボールミルで40時間のミリング処理を1,000時間に変更したこと以外は、実施例19と同様にして、実施例22の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=31(nm)であった。また、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して0.7質量%であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=83(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は93%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.38となる。
[実施例23]
実施例19において、二段階目のボールミルで40時間のミリング処理を2,000時間に変更したこと以外は、実施例19と同様にして、実施例23の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=34(nm)であった。また、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して0.6質量%であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=81(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は95%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.41となる。
[実施例24]
実施例1において、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を得る工程の一段階目のミリング処理を以下のように変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例24の電子写真感光体を製造した。
合成例3で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料1部、N−メチルホルムアミド(製品コード:F0059、東京化成工業製)9部、直径0.9mmのガラスビーズ15部を冷却水温度18℃下で30時間、サンドミル(K−800、五十嵐機械製造(現アイメックス)製、ディスク径70mm、ディスク枚数5枚)を用いてミリング処理した(一段階目)。この際、ディスクが1分間に800回転する条件で行った。こうしてミリング処理した液をフィルター(品番:N−NO.125T、孔径:133μm、NBCメッシュテック製)で濾過してガラスビーズを取り除いた。この液を室温(23℃)下で40時間、ボールミルでミリング処理した(二段階目)。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用い、容器が1分間に120回転する条件で行った。また、このミリング処理においてガラスビーズ等のメディアは用いなかった。こうして処理した液にN−メチルホルムアミドを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を0.45部得た。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=27(nm)であった。また、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して2.1質量%であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=131(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は86%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.21となる。
[実施例25]
実施例24において、二段階目のボールミルで40時間のミリング処理を100時間に変更したこと以外は、実施例24と同様にして、実施例25の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=29(nm)であった。また、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して2.0質量%であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=125(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は87%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.23となる。
[実施例26]
実施例24において、二段階目のボールミルで40時間のミリング処理を300時間に変更したこと以外は、実施例24と同様にして、実施例26の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=31(nm)であった。また、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して1.8質量%であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=115(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は88%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.27となる。
[実施例27]
実施例24において、二段階目のボールミルで40時間のミリング処理を1,000時間に変更したこと以外は、実施例24と同様にして、実施例27の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=31(nm)であった。また、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して1.5質量%であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=111(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は90%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.28となる。
[実施例28]
実施例24において、二段階目のボールミルで40時間のミリング処理を2,000時間に変更したこと以外は、実施例24と同様にして、実施例28の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=34(nm)であった。また、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して1.3質量%であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=110(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は93%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.31となる。
[実施例29]
実施例24において、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を得る工程の二段階目のミリング処理を以下のように変更したこと以外は、実施例24と同様にして、実施例29の電子写真感光体を製造した。
合成例3で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料1部、N−メチルホルムアミド(製品コード:F0059、東京化成工業製)9部、直径0.9mmのガラスビーズ15部を冷却水温度18℃下で30時間、サンドミル(K−800、五十嵐機械製造(現アイメックス)製、ディスク径70mm、ディスク枚数5枚)を用いてミリング処理した(一段階目)。この際、ディスクが1分間に800回転する条件で行った。こうしてミリング処理した液を、室温(23℃)下で40時間、ボールミルでミリング処理した(二段階目)。この際、サンドミルで処理した液をガラスビーズも含めて容器に写し、容器が1分間に120回転する条件で行った。したがって、二段階目のミリング処理において一段階目と同様のガラスビーズを用いた。また、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用いた。こうして処理した液をフィルター(品番:N−NO.125T、孔径:133μm、NBCメッシュテック製)で濾過してガラスビーズを取り除いた。この液にN−メチルホルムアミドを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を0.45部得た。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=25(nm)であった。また、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して2.0質量%であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=124(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は85%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.20となる。
[実施例30]
実施例29において、二段階目のボールミルで40時間のミリング処理を100時間に変更したこと以外は、実施例29と同様にして、実施例30の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=27(nm)であった。また、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して1.7質量%であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=115(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は88%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.23となる。
[実施例31]
実施例29において、二段階目のボールミルで40時間のミリング処理を300時間に変更したこと以外は、実施例29と同様にして、実施例31の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=29(nm)であった。また、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して1.3質量%であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=95(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は91%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.31となる。
[実施例32]
実施例29において、二段階目のボールミルで40時間のミリング処理を1,000時間に変更したこと以外は、実施例29と同様にして、実施例32の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=31(nm)であった。また、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して0.8質量%であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=87(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は92%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.36となる。
[実施例33]
実施例29において、二段階目のボールミルで40時間のミリング処理を2,000時間に変更したこと以外は、実施例29と同様にして、実施例33の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=34(nm)であった。また、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して0.6質量%であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=84(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は94%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.40となる。
[実施例34]
実施例1において、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を得る工程の二段階目のミリング処理を以下のように変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例34の電子写真感光体を製造した。
合成例3で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料0.5部、N−メチルホルムアミド(製品コード:F0059、東京化成工業製)9.5部、直径0.9mmのガラスビーズ15部を室温(23℃)下で6時間、ペイントシェーカ(東洋精機製作所製)を用いてミリング処理した(一段階目)。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用いた。こうしてミリング処理した液をフィルター(品番:N−NO.125T、孔径:133μm、NBCメッシュテック製)で濾過してガラスビーズを取り除いた。この液を室温(23℃)下で10時間、マグネティックスターラでミリング処理した(二段階目)。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用い、回転子が1分間に1,500回転する条件で行った。また、このミリング処理においてガラスビーズ等のメディアは用いなかった。こうして処理した液にN−メチルホルムアミドを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を0.46部得た。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=29(nm)であった。また、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して3.2質量%であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=132(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は77%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.22となる。
[実施例35]
実施例34において、二段階目のマグネティックスターラで10時間のミリング処理を20時間に変更したこと以外は、実施例34と同様にして、実施例35の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=31(nm)であった。また、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して3.1質量%であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=128(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は79%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.24となる。
[実施例36]
実施例34において、二段階目のマグネティックスターラで10時間のミリング処理を40時間に変更したこと以外は、実施例34と同様にして、実施例36の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=34(nm)であった。また、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して2.8質量%であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=126(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は81%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.27となる。
[実施例37]
実施例34において、二段階目のマグネティックスターラで10時間のミリング処理を100時間に変更したこと以外は、実施例34と同様にして、実施例37の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=34(nm)であった。また、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して2.7質量%であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=125(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は82%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.27となる。
[実施例38]
実施例34において、二段階目のマグネティックスターラで10時間のミリング処理を300時間に変更したこと以外は、実施例34と同様にして、実施例38の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=34(nm)であった。また、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して2.5質量%であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=122(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は85%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.28となる。
[実施例39]
実施例1において、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を得る工程の二段階目のミリング処理を以下のように変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例39の電子写真感光体を製造した。
合成例3で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料0.5部、N−メチルホルムアミド(製品コード:F0059、東京化成工業製)9.5部、直径0.9mmのガラスビーズ15部を室温(23℃)下で6時間、ペイントシェーカ(東洋精機製作所製)を用いてミリング処理した(一段階目)。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用いた。こうしてミリング処理した液をフィルター(品番:N−NO.125T、孔径:133μm、NBCメッシュテック製)で濾過してガラスビーズを取り除いた。この液を室温(23℃)下で1時間、超音波分散機(UT−205、シャープ製)でミリング処理した(二段階目)。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用い、該超音波分散機の出力は100%とした。また、このミリング処理においてガラスビーズ等のメディアは用いなかった。こうして処理した液にN−メチルホルムアミドを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を0.46部得た。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=27(nm)であった。また、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して3.3質量%であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=143(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は74%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.19となる。
[実施例40]
実施例39において、二段階目の超音波分散機で1時間のミリング処理を3時間に変更したこと以外は、実施例39と同様にして、実施例40の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=27(nm)であった。また、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して3.1質量%であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=139(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は76%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.19となる。
[実施例41]
実施例39において、二段階目の超音波分散機で1時間のミリング処理を10時間に変更したこと以外は、実施例39と同様にして、実施例41の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=29(nm)であった。また、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して2.9質量%であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=137(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は82%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.21となる。
[実施例42]
実施例39において、二段階目の超音波分散機で1時間のミリング処理を30時間に変更したこと以外は、実施例39と同様にして、実施例42の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=29(nm)であった。また、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して2.7質量%であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=134(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は83%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.22となる。
[実施例43]
実施例1において、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を得る工程を以下のように変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例43の電子写真感光体を製造した。合成例3で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料1部、N−メチルホルムアミド(製品コード:F0059、東京化成工業製)9部、直径0.9mmのガラスビーズ15部を冷却水温度18℃下で70時間、サンドミル(K−800、五十嵐機械製造(現アイメックス)製、ディスク径70mm、ディスク枚数5枚)を用いてミリング処理した。この際、ディスクが1分間に400回転する条件で行った。こうして処理した液にN−メチルホルムアミドを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を0.45部得た。得られた顔料はCuKα線を用いたX線回折スペクトル(図2)において、ブラッグ角度2θの7.5°±0.2°、9.9°±0.2°、16.2°±0.2°、18.6°±0.2°、25.2°±0.2°及び28.3°±0.2°にピークを有する。5°〜35°の範囲において最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=27(nm)であった。また、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して1.5質量%であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像(図1)から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=122(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は86%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.22となる。
[実施例44]
実施例43において、サンドミルで70時間のミリング処理を100時間に変更したこと以外は、実施例43と同様にして、実施例44の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=27(nm)であった。また、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して0.9質量%であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=143(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は91%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.19となる。
[実施例45]
実施例1において、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を得る工程を以下のように変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例45の電子写真感光体を製造した。
合成例3で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料0.5部、N,N−ジメチルホルムアミド(製品コード:D0722、東京化成工業製)9.5部、直径0.9mmのガラスビーズ15部を室温(23℃)下で6時間、ペイントシェーカ(東洋精機製作所製)を用いてミリング処理した(一段階目)。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用いた。こうしてミリング処理した液をフィルター(品番:N−NO.125T、孔径:133μm、NBCメッシュテック製)で濾過してガラスビーズを取り除いた。この液を室温(23℃)下で40時間、ボールミルでミリング処理した(二段階目)。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用い、容器が1分間に120回転する条件で行った。また、このミリング処理においてガラスビーズ等のメディアは用いなかった。こうして処理した液にN,N−ジメチルホルムアミドを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を0.48部得た。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=31(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=158(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は77%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.19となる。
[実施例46]
実施例45において、二段階目のボールミルで40時間のミリング処理を100時間に変更したこと以外は、実施例45と同様にして、実施例46の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=31(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=155(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は78%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.20となる。
[実施例47]
実施例45において、二段階目のボールミルで40時間のミリング処理を300時間に変更したこと以外は、実施例45と同様にして、実施例47の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=34(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=152(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は80%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.22となる。
[実施例48]
実施例45において、二段階目のボールミルで40時間のミリング処理を1,000時間に変更したこと以外は、実施例45と同様にして、実施例48の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=36(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=148(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は81%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.24となる。
[実施例49]
実施例45において、二段階目のボールミルで40時間のミリング処理を2,000時間に変更したこと以外は、実施例45と同様にして、実施例49の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=36(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=147(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は81%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.25となる。
[実施例50]
実施例45において、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を得る工程の二段階目のミリング処理を以下のように変更したこと以外は、実施例45と同様にして、実施例50の電子写真感光体を製造した。
合成例3で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料0.5部、N,N−ジメチルホルムアミド(製品コード:D0722、東京化成工業製)9.5部、直径0.9mmのガラスビーズ15部を室温(23℃)下で6時間、ペイントシェーカ(東洋精機製作所製)を用いてミリング処理した(一段階目)。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用いた。こうしてミリング処理した液を、室温(23℃)下で40時間、ボールミルでミリング処理した(二段階目)。この際、容器の中身を取り出すことなく、容器をそのままボールミルにセットし、容器が1分間に120回転する条件で行った。したがって、二段階目のミリング処理において一段階目と同様のガラスビーズを用いた。こうして処理した液をフィルター(品番:N−NO.125T、孔径:133μm、NBCメッシュテック製)で濾過してガラスビーズを取り除いた。この液にN,N−ジメチルホルムアミドを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を0.48部得た。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=31(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=148(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は78%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.21となる。
[実施例51]
実施例50において、二段階目のボールミルで40時間のミリング処理を100時間に変更したこと以外は、実施例50と同様にして、実施例51の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=34(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=147(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は79%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.23となる。
[実施例52]
実施例50において、二段階目のボールミルで40時間のミリング処理を300時間に変更したこと以外は、実施例50と同様にして、実施例52の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=36(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=143(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は81%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.25となる。
[実施例53]
実施例50において、二段階目のボールミルで40時間のミリング処理を1,000時間に変更したこと以外は、実施例50と同様にして、実施例53の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=36(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=140(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は81%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.26となる。
[実施例54]
実施例50において、二段階目のボールミルで40時間のミリング処理を2,000時間に変更したこと以外は、実施例50と同様にして、実施例54の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=39(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=136(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は82%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.28となる。
[実施例55]
実施例1において、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を得る工程を以下のように変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例55の電子写真感光体を製造した。
合成例3で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料0.5部、ジメチルスルホキシド(製品コード:D0798、東京化成工業製)9.5部、直径0.9mmのガラスビーズ15部を室温(23℃)下で6時間、ペイントシェーカ(東洋精機製作所製)を用いてミリング処理した(一段階目)。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用いた。こうしてミリング処理した液をフィルター(品番:N−NO.125T、孔径:133μm、NBCメッシュテック製)で濾過してガラスビーズを取り除いた。この液を室温(23℃)下で100時間、ボールミルでミリング処理した(二段階目)。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用い、容器が1分間に120回転する条件で行った。また、このミリング処理においてガラスビーズ等のメディアは用いなかった。こうして処理した液にジメチルスルホキシドを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を0.47部得た。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=32(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=168(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は73%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.19となる。
[実施例56]
実施例55において、二段階目のボールミルで100時間のミリング処理を300時間に変更したこと以外は、実施例55と同様にして、実施例56の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=31(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=166(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は75%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.19となる。
[実施例57]
実施例55において、二段階目のボールミルで100時間のミリング処理を1,000時間に変更したこと以外は、実施例55と同様にして、実施例57の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=34(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=164(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は78%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.20となる。
[実施例58]
実施例55において、二段階目のボールミルで100時間のミリング処理を2,000時間に変更したこと以外は、実施例55と同様にして、実施例58の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=36(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=163(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は79%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.22となる。
[実施例59]
実施例55において、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を得る工程の二段階目のミリング処理を以下のように変更したこと以外は、実施例55と同様にして、実施例59の電子写真感光体を製造した。
合成例3で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料0.5部、ジメチルスルホキシド(製品コード:D0798、東京化成工業製)9.5部、直径0.9mmのガラスビーズ15部を室温(23℃)下で6時間、ペイントシェーカ(東洋精機製作所製)を用いてミリング処理した(一段階目)。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用いた。こうしてミリング処理した液を、室温(23℃)下で40時間、ボールミルでミリング処理した(二段階目)。この際、容器の中身を取り出すことなく、容器をそのままボールミルにセットし、容器が1分間に120回転する条件で行った。したがって、二段階目のミリング処理において一段階目と同様のガラスビーズを用いた。こうして処理した液をフィルター(品番:N−NO.125T、孔径:133μm、NBCメッシュテック製)で濾過してガラスビーズを取り除いた。この液にジメチルスルホキシドを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を0.47部得た。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=31(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=162(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は72%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.19となる。
[実施例60]
実施例59において、二段階目のボールミルで40時間のミリング処理を100時間に変更したこと以外は、実施例59と同様にして、実施例60の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=31(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=161(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は74%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.19となる。
[実施例61]
実施例59において、二段階目のボールミルで40時間のミリング処理を300時間に変更したこと以外は、実施例59と同様にして、実施例61の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=34(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=158(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は76%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.21となる。
[実施例62]
実施例59において、二段階目のボールミルで40時間のミリング処理を1,000時間に変更したこと以外は、実施例59と同様にして、実施例62の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=34(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=155(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は79%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.22となる。
[実施例63]
実施例59において、二段階目のボールミルで40時間のミリング処理を2,000時間に変更したこと以外は、実施例59と同様にして、実施例63の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=36(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=151(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は81%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.24となる。
[実施例64]
実施例1において、電荷発生層を形成する工程を以下のように変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例64の電子写真感光体を製造した。
合成例4で得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料0.5部、N,N−ジメチルホルムアミド(製品コード:D0722、東京化成工業製)10部、直径0.9mmのガラスビーズ15部
を室温(23℃)下で1時間、ペイントシェーカ(東洋精機製作所製)を用いてミリング処理した(一段階目)。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用いた。こうしてミリング処理した液をフィルター(品番:N−NO.125T、孔径:133μm、NBCメッシュテック製)で濾過してガラスビーズを取り除いた。この液を室温(23℃)下で20時間、ボールミルでミリング処理した(二段階目)。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用い、容器が1分間に120回転する条件で行った。また、このミリング処理においてガラスビーズ等のメディアは用いなかった。こうして処理した液にN,N−ジメチルホルムアミドを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、クロロガリウムフタロシアニン顔料を0.47部得た。
得られた顔料はCuKα線を用いたX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角度2θ±0.2°の7.4°、16.6°、25.5°及び28.3°にピークを有する。5°〜35°の範囲において最も高強度の回折ピークである7.4°のピークから見積もられた結晶相関長はr=29(nm)であった。続いて、前記ミリング処理で得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料30部、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業製)10部、シクロヘキサノン253部、直径0.9mmのガラスビーズ643部を冷却水温度18℃下で4時間、サンドミル(K−800、五十嵐機械製造(現アイメックス)製、ディスク径70mm、ディスク枚数5枚)を用いて分散処理した。この際、ディスクが1分間に1,800回転する条件で行った。この分散液にシクロヘキサノン592部及び酢酸エチル845部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を上述の下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を100℃で10分間加熱乾燥させることにより、膜厚が0.19μmの電荷発生層を形成した。
このときの電荷発生層中のクロロガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=132(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は79%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.22となる。
[実施例65]
実施例64において、二段階目のボールミルで20時間のミリング処理を40時間に変更したこと以外は、実施例64と同様にして、実施例65の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.4°のピークから見積もられた結晶相関長はr=31(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のクロロガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=128(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は81%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.24となる。
[実施例66]
実施例64において、二段階目のボールミルで20時間のミリング処理を100時間に変更したこと以外は、実施例64と同様にして、実施例66の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.4°のピークから見積もられた結晶相関長はr=34(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のクロロガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=123(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は82%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.27となる。
[実施例67]
実施例64において、二段階目のボールミルで20時間のミリング処理を300時間に変更したこと以外は、実施例64と同様にして、実施例67の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.4°のピークから見積もられた結晶相関長はr=34(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のクロロガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=120(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は84%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.28となる。
[実施例68]
実施例64において、クロロガリウムフタロシアニン顔料を得る工程の二段階目のミリング処理を以下のように変更したこと以外は、実施例64と同様にして、実施例68の電子写真感光体を製造した。
合成例4で得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料0.5部、N,N−ジメチルホルムアミド(製品コード:D0722、東京化成工業製)10部、直径0.9mmのガラスビーズ15部
を室温(23℃)下で1時間、ペイントシェーカ(東洋精機製作所製)を用いてミリング処理した(一段階目)。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用いた。こうしてミリング処理した液を、室温(23℃)下で20時間、ボールミルでミリング処理した(二段階目)。この際、容器の中身を取り出すことなく、容器をそのままボールミルにセットし、容器が1分間に120回転する条件で行った。したがって、二段階目のミリング処理において一段階目と同様のガラスビーズを用いた。こうして処理した液をフィルター(品番:N−NO.125T、孔径:133μm、NBCメッシュテック製)で濾過してガラスビーズを取り除いた。この液にN,N−ジメチルホルムアミドを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、クロロガリウムフタロシアニン顔料を0.47部得た。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.4°のピークから見積もられた結晶相関長はr=31(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のクロロガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=127(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は81%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.25となる。
[実施例69]
実施例68において、二段階目のボールミルで20時間のミリング処理を40時間に変更したこと以外は、実施例68と同様にして、実施例69の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.4°のピークから見積もられた結晶相関長はr=34(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のクロロガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=124(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は83%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.27となる。
[実施例70]
実施例68において、二段階目のボールミルで20時間のミリング処理を100時間に変更したこと以外は、実施例68と同様にして、実施例70の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.4°のピークから見積もられた結晶相関長はr=36(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のクロロガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=120(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は86%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.30となる。
[実施例71]
実施例68において、二段階目のボールミルで20時間のミリング処理を300時間に変更したこと以外は、実施例68と同様にして、実施例71の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.4°のピークから見積もられた結晶相関長はr=36(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のクロロガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=118(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は88%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.31となる。
[実施例72]
実施例64において、クロロガリウムフタロシアニン顔料を得る工程の二段階目のミリング処理を以下のように変更したこと以外は、実施例64と同様にして、実施例72の電子写真感光体を製造した。
合成例4で得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料0.5部、N,N−ジメチルホルムアミド(製品コード:D0722、東京化成工業製)10部、直径0.9mmのガラスビーズ15部を室温(23℃)下で1時間、ペイントシェーカ(東洋精機製作所製)を用いてミリング処理した(一段階目)。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用いた。こうしてミリング処理した液をフィルター(品番:N−NO.125T、孔径:133μm、NBCメッシュテック製)で濾過してガラスビーズを取り除いた。この液を室温(23℃)下で10時間、マグネティックスターラでミリング処理した(二段階目)。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用い、回転子が1分間に1,500回転する条件で行った。また、このミリング処理においてガラスビーズ等のメディアは用いなかった。こうして処理した液にN,N−ジメチルホルムアミドを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、クロロガリウムフタロシアニン顔料を0.47部得た。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.4°のピークから見積もられた結晶相関長はr=27(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のクロロガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=135(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は78%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.20となる。
[実施例73]
実施例72において、二段階目のマグネティックスターラで10時間のミリング処理を20時間に変更したこと以外は、実施例72と同様にして、実施例73の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.4°のピークから見積もられた結晶相関長はr=29(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のクロロガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=133(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は80%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.22となる。
[実施例74]
実施例72において、二段階目のマグネティックスターラで10時間のミリング処理を40時間に変更したこと以外は、実施例72と同様にして、実施例74の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.4°のピークから見積もられた結晶相関長はr=29(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のクロロガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=130(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は82%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.22となる。
[実施例75]
実施例64において、クロロガリウムフタロシアニン顔料を得る工程の二段階目のミリング処理を以下のように変更したこと以外は、実施例64と同様にして、実施例75の電子写真感光体を製造した。
合成例4で得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料0.5部、N,N−ジメチルホルムアミド(製品コード:D0722、東京化成工業製)10部、直径0.9mmのガラスビーズ15部
を室温(23℃)下で1時間、ペイントシェーカ(東洋精機製作所製)を用いてミリング処理した(一段階目)。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用いた。こうしてミリング処理した液をフィルター(品番:N−NO.125T、孔径:133μm、NBCメッシュテック製)で濾過してガラスビーズを取り除いた。この液を室温(23℃)下で1時間、超音波分散機(UT−205、シャープ製)でミリング処理した(二段階目)。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用い、該超音波分散機の出力は100%とした。また、このミリング処理においてガラスビーズ等のメディアは用いなかった。こうして処理した液にN,N−ジメチルホルムアミドを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、クロロガリウムフタロシアニン顔料を0.47部得た。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.4°のピークから見積もられた結晶相関長はr=29(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のクロロガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=134(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は81%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.22となる。
[実施例76]
実施例75において、二段階目の超音波分散機で1時間のミリング処理を5時間に変更したこと以外は、実施例75と同様にして、実施例76の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.4°のピークから見積もられた結晶相関長はr=31(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のクロロガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=127(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は82%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.25となる。
[実施例77]
実施例64において、クロロガリウムフタロシアニン顔料を得る工程を以下のように変更したこと以外は、実施例64と同様にして、実施例77の電子写真感光体を製造した。
合成例4で得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料0.5部、N−メチルホルムアミド(製品コード:F0059、東京化成工業製)10部、直径0.9mmのガラスビーズ15部を室温(23℃)下で1時間、ペイントシェーカ(東洋精機製作所製)を用いてミリング処理した(一段階目)。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用いた。こうしてミリング処理した液をフィルター(品番:N−NO.125T、孔径:133μm、NBCメッシュテック製)で濾過してガラスビーズを取り除いた。この液を室温(23℃)下で20時間、ボールミルでミリング処理した(二段階目)。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用い、容器が1分間に120回転する条件で行った。また、このミリング処理においてガラスビーズ等のメディアは用いなかった。こうして処理した液にN−メチルホルムアミドを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、クロロガリウムフタロシアニン顔料を0.46部得た。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.4°のピークから見積もられた結晶相関長はr=27(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のクロロガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=144(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は74%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.19となる。
[実施例78]
実施例77において、二段階目のボールミルで20時間のミリング処理を40時間に変更したこと以外は、実施例77と同様にして、実施例78の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.4°のピークから見積もられた結晶相関長はr=27(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のクロロガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=141(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は77%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.19となる。
[実施例79]
実施例77において、二段階目のボールミルで20時間のミリング処理を100時間に変更したこと以外は、実施例77と同様にして、実施例79の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.4°のピークから見積もられた結晶相関長はr=29(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のクロロガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=139(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は79%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.21となる。
[実施例80]
実施例77において、二段階目のボールミルで20時間のミリング処理を300時間に変更したこと以外は、実施例77と同様にして、実施例80の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.4°のピークから見積もられた結晶相関長はr=31(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のクロロガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=135(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は82%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.23となる。
[実施例81]
実施例77において、クロロガリウムフタロシアニン顔料を得る工程の二段階目のミリング処理を以下のように変更したこと以外は、実施例77と同様にして、実施例81の電子写真感光体を製造した。
合成例4で得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料0.5部、N−メチルホルムアミド(製品コード:F0059、東京化成工業製)10部、直径0.9mmのガラスビーズ15部を室温(23℃)下で1時間、ペイントシェーカ(東洋精機製作所製)を用いてミリング処理した(一段階目)。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用いた。こうしてミリング処理した液を、室温(23℃)下で20時間、ボールミルでミリング処理した(二段階目)。この際、容器の中身を取り出すことなく、容器をそのままボールミルにセットし、容器が1分間に120回転する条件で行った。したがって、二段階目のミリング処理において一段階目と同様のガラスビーズを用いた。こうして処理した液をフィルター(品番:N−NO.125T、孔径:133μm、NBCメッシュテック製)で濾過してガラスビーズを取り除いた。この液にN−メチルホルムアミドを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、クロロガリウムフタロシアニン顔料を0.46部得た。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.4°のピークから見積もられた結晶相関長はr=29(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のクロロガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=140(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は78%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.21となる。
[実施例82]
実施例81において、二段階目のボールミルで20時間のミリング処理を40時間に変更したこと以外は、実施例81と同様にして、実施例82の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.4°のピークから見積もられた結晶相関長はr=29(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のクロロガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=137(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は79%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.21となる。
[実施例83]
実施例81において、二段階目のボールミルで20時間のミリング処理を100時間に変更したこと以外は、実施例81と同様にして、実施例83の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.4°のピークから見積もられた結晶相関長はr=31(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のクロロガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=135(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は81%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.23となる。
[実施例84]
実施例81において、二段階目のボールミルで20時間のミリング処理を300時間に変更したこと以外は、実施例81と同様にして、実施例84の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.4°のピークから見積もられた結晶相関長はr=34(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のクロロガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=131(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は83%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.26となる。
[実施例85]
実施例64において、クロロガリウムフタロシアニン顔料を得る工程を以下のように変更したこと以外は、実施例64と同様にして、実施例85の電子写真感光体を製造した。
合成例4で得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料0.5部、ジメチルスルホキシド(製品コード:D0798、東京化成工業製)10部、直径0.9mmのガラスビーズ15部を室温(23℃)下で1時間、ペイントシェーカ(東洋精機製作所製)を用いてミリング処理した(一段階目)。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用いた。こうしてミリング処理した液をフィルター(品番:N−NO.125T、孔径:133μm、NBCメッシュテック製)で濾過してガラスビーズを取り除いた。この液を室温(23℃)下で20時間、ボールミルでミリング処理した(二段階目)。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用い、容器が1分間に120回転する条件で行った。また、このミリング処理においてガラスビーズ等のメディアは用いなかった。こうして処理した液にジメチルスルホキシドを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、クロロガリウムフタロシアニン顔料を0.46部得た。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.4°のピークから見積もられた結晶相関長はr=27(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のクロロガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=142(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は77%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.19となる。
[実施例86]
実施例85において、二段階目のボールミルで20時間のミリング処理を40時間に変更したこと以外は、実施例85と同様にして、実施例86の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.4°のピークから見積もられた結晶相関長はr=29(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のクロロガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=138(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は79%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.21となる。
[実施例87]
実施例85において、二段階目のボールミルで20時間のミリング処理を100時間に変更したこと以外は、実施例85と同様にして、実施例87の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.4°のピークから見積もられた結晶相関長はr=31(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のクロロガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=135(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は81%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.23となる。
[実施例88]
実施例85において、二段階目のボールミルで20時間のミリング処理を300時間に変更したこと以外は、実施例85と同様にして、実施例88の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.4°のピークから見積もられた結晶相関長はr=31(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のクロロガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=131(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は84%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.24となる。
[実施例89]
実施例85において、クロロガリウムフタロシアニン顔料を得る工程の二段階目のミリング処理を以下のように変更したこと以外は、実施例85と同様にして、実施例89の電子写真感光体を製造した。
合成例4で得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料0.5部、ジメチルスルホキシド(製品コード:D0798、東京化成工業製)10部、直径0.9mmのガラスビーズ15部を室温(23℃)下で1時間、ペイントシェーカ(東洋精機製作所製)を用いてミリング処理した(一段階目)。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用いた。こうしてミリング処理した液を、室温(23℃)下で20時間、ボールミルでミリング処理した(二段階目)。この際、容器の中身を取り出すことなく、容器をそのままボールミルにセットし、容器が1分間に120回転する条件で行った。したがって、二段階目のミリング処理において一段階目と同様のガラスビーズを用いた。こうして処理した液にジメチルスルホキシドを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、クロロガリウムフタロシアニン顔料を0.46部得た。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.4°のピークから見積もられた結晶相関長はr=29(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のクロロガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=138(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は82%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.21となる。
[実施例90]
実施例89において、二段階目のボールミルで20時間のミリング処理を40時間に変更したこと以外は、実施例89と同様にして、実施例90の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.4°のピークから見積もられた結晶相関長はr=31(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のクロロガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=133(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は84%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.23となる。
[実施例91]
実施例89において、二段階目のボールミルで20時間のミリング処理を100時間に変更したこと以外は、実施例89と同様にして、実施例91の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.4°のピークから見積もられた結晶相関長はr=34(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のクロロガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=130(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は85%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.26となる。
[実施例92]
実施例89において、二段階目のボールミルで20時間のミリング処理を300時間に変更したこと以外は、実施例89と同様にして、実施例92の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.4°のピークから見積もられた結晶相関長はr=34(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のクロロガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=122(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は86%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.28となる。
[実施例93]
実施例1において、電荷発生層を形成する工程を以下のように変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例93の電子写真感光体を製造した。
合成例5で得られたチタニルフタロシアニン顔料0.5部、テトラヒドロフラン10部、直径0.9mmのガラスビーズ15部を室温(23℃)下で3時間、ペイントシェーカ(東洋精機製作所製)を用いてミリング処理した(一段階目)。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用いた。こうしてミリング処理した液をフィルター(品番:N−NO.125T、孔径:133μm、NBCメッシュテック製)で濾過してガラスビーズを取り除いた。この液を室温(23℃)下で40時間、ボールミルでミリング処理した(二段階目)。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用い、容器が1分間に120回転する条件で行った。また、このミリング処理においてガラスビーズ等のメディアは用いなかった。こうして処理した液にテトラヒドロフランを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をメタノールと水で十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、チタニルフタロシアニン顔料を0.44部得た。得られた顔料はCuKα線を用いたX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角度2θ°の27.2°±0.2°にピークを有する。5°〜35°の範囲において最も高強度の回折ピークである27.2°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=31(nm)であった。
続いて、前記ミリング処理で得られたチタニルフタロシアニン顔料12部、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業製)10部、シクロヘキサノン139部、直径0.9mmのガラスビーズ354部を冷却水温度18℃下で4時間、サンドミル(K−800、五十嵐機械製造(現アイメックス)製、ディスク径70mm、ディスク枚数5枚)を用いて分散処理した。この際、ディスクが1分間に1,800回転する条件で行った。この分散液にシクロヘキサノン326部及び酢酸エチル465部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を上述の下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を100℃で10分間加熱乾燥させることにより、膜厚が0.14μmの電荷発生層を形成した。
このときの電荷発生層中のチタニルフタロシアニン顔料のSEM画像から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=168(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は74%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.19となる。
[実施例94]
実施例93において、二段階目のボールミルで40時間のミリング処理を100時間に変更したこと以外は、実施例93と同様にして、実施例94の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである27.2°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=34(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のチタニルフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=164(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は79%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.20となる。
[実施例95]
実施例93において、二段階目のボールミルで40時間のミリング処理を300時間に変更したこと以外は、実施例93と同様にして、実施例95の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである27.2°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=36(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のチタニルフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=158(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は83%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.23となる。
[実施例96]
実施例93において、二段階目のボールミルで40時間のミリング処理を1,000時間に変更したこと以外は、実施例93と同様にして、実施例96の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである27.2°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=36(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のチタニルフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=154(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は85%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.23となる。
[実施例97]
実施例93において、チタニルフタロシアニン顔料を得る工程の二段階目のミリング処理を以下のように変更したこと以外は、実施例93と同様にして、実施例97の電子写真感光体を製造した。
合成例5で得られたチタニルフタロシアニン顔料0.5部、テトラヒドロフラン10部、直径0.9mmのガラスビーズ15部を室温(23℃)下で3時間、ペイントシェーカ(東洋精機製作所製)を用いてミリング処理した(一段階目)。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用いた。こうしてミリング処理した液を、室温(23℃)下で40時間、ボールミルでミリング処理した(二段階目)。この際、容器の中身を取り出すことなく、容器をそのままボールミルにセットし、容器が1分間に120回転する条件で行った。したがって、二段階目のミリング処理において一段階目と同様のガラスビーズを用いた。こうして処理した液にテトラヒドロフランを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をメタノールと水で十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、チタニルフタロシアニン顔料を0.45部得た。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである27.2°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=31(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のチタニルフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=160(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は76%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.20となる。
[実施例98]
実施例97において、二段階目のボールミルで40時間のミリング処理を100時間に変更したこと以外は、実施例97と同様にして、実施例98の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである27.2°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=34(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のチタニルフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=150(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は81%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.22となる。
[実施例99]
実施例97において、二段階目のボールミルで40時間のミリング処理を300時間に変更したこと以外は、実施例97と同様にして、実施例99の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである27.2°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=36(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のチタニルフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=146(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は85%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.25となる。
[実施例100]
実施例97において、二段階目のボールミルで40時間のミリング処理を1,000時間に変更したこと以外は、実施例97と同様にして、実施例100の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである27.2°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=39(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のチタニルフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=141(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は88%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.27となる。
[実施例101]
実施例93において、チタニルフタロシアニン顔料を得る工程を以下のように変更したこと以外は、実施例93と同様にして、実施例101の電子写真感光体を製造した。
合成例5で得られたチタニルフタロシアニン顔料0.5部、n−ブチルエーテル10部、直径0.9mmのガラスビーズ15部を室温(23℃)下で3時間、ペイントシェーカ(東洋精機製作所製)を用いてミリング処理した(一段階目)。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用いた。こうしてミリング処理した液をフィルター(品番:N−NO.125T、孔径:133μm、NBCメッシュテック製)で濾過してガラスビーズを取り除いた。この液を室温(23℃)下で40時間、ボールミルでミリング処理した(二段階目)。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用い、容器が1分間に120回転する条件で行った。また、このミリング処理においてガラスビーズ等のメディアは用いなかった。こうして処理した液にn−ブチルエーテルを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をメタノールと水で十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、チタニルフタロシアニン顔料を0.44部得た。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである27.2°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=31(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のチタニルフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=165(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は73%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.19となる。
[実施例102]
実施例101において、二段階目のボールミルで40時間のミリング処理を100時間に変更したこと以外は、実施例101と同様にして、実施例102の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである27.2°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=34(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のチタニルフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=163(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は78%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.21となる。
[実施例103]
実施例101において、二段階目のボールミルで40時間のミリング処理を300時間に変更したこと以外は、実施例101と同様にして、実施例103の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである27.2°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=34(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のチタニルフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=156(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は83%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.22となる。
[実施例104]
実施例101において、二段階目のボールミルで40時間のミリング処理を1,000時間に変更したこと以外は、実施例101と同様にして、実施例104の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである27.2°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=36(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のチタニルフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=154(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は84%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.23となる。
[実施例105]
実施例101において、チタニルフタロシアニン顔料を得る工程の二段階目のミリング処理を以下のように変更したこと以外は、実施例101と同様にして、実施例105の電子写真感光体を製造した。
合成例5で得られたチタニルフタロシアニン顔料0.5部、n−ブチルエーテル10部、直径0.9mmのガラスビーズ15部を室温(23℃)下で3時間、ペイントシェーカ(東洋精機製作所製)を用いてミリング処理した(一段階目)。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用いた。こうしてミリング処理した液を、室温(23℃)下で40時間、ボールミルでミリング処理した(二段階目)。この際、容器の中身を取り出すことなく、容器をそのままボールミルにセットし、容器が1分間に120回転する条件で行った。したがって、二段階目のミリング処理において一段階目と同様のガラスビーズを用いた。こうして処理した液をフィルター(品番:N−NO.125T、孔径:133μm、NBCメッシュテック製)で濾過してガラスビーズを取り除いた。この液にn−ブチルエーテルを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をメタノールと水で十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、チタニルフタロシアニン顔料を0.44部得た。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである27.2°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=34(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のチタニルフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=158(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は75%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.21となる。
[実施例106]
実施例105において、二段階目のボールミルで40時間のミリング処理を100時間に変更したこと以外は、実施例105と同様にして、実施例106の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである27.2°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=36(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のチタニルフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=151(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は81%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.24となる。
[実施例107]
実施例105において、二段階目のボールミルで40時間のミリング処理を300時間に変更したこと以外は、実施例105と同様にして、実施例107の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである27.2°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=36(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のチタニルフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=148(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は83%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.24となる。
[実施例108]
実施例105において、二段階目のボールミルで40時間のミリング処理を1,000時間に変更したこと以外は、実施例105と同様にして、実施例108の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである27.2°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=39(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のチタニルフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=144(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は84%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.27となる。
[比較例1]
実施例1において、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を得る工程を以下のように変更したこと以外は、実施例1と同様にして、比較例1の電子写真感光体を製造した。
合成例3で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料0.5部、N−メチルホルムアミド(製品コード:F0059、東京化成工業製)9.5部を室温(23℃)下で10時間、ボールミルでミリング処理した。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用い、容器が1分間に120回転する条件で行った。また、このミリング処理においてガラスビーズ等のメディアは用いなかった。こうして処理した液にN−メチルホルムアミドを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を0.46部得た。得られた顔料はCuKα線を用いたX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角度2θの7.5°±0.2°、9.9°±0.2°、16.2°±0.2°、18.6°±0.2°、25.2°±0.2°及び28.3°±0.2°にピークを有する。5°〜35°の範囲において最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=23(nm)であった。また、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して3.1質量%であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=241(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は41%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.10となる。
[比較例2]
比較例1において、ボールミルで10時間のミリング処理を20時間に変更したこと以外は、比較例1と同様にして、比較例2の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=25(nm)であった。また、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して3.0質量%であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=242(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は38%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.10となる。
[比較例3]
比較例1において、ボールミルで10時間のミリング処理を30時間に変更したこと以外は、比較例1と同様にして、比較例3の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=25(nm)であった。また、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して2.8質量%であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=244(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は37%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.10となる。
[比較例4]
比較例1において、ボールミルで10時間のミリング処理を40時間に変更したこと以外は、比較例1と同様にして、比較例4の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=27(nm)であった。また、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して2.8質量%であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=245(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は35%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.11となる。
[比較例5]
比較例1において、ボールミルで10時間のミリング処理を100時間に変更したこと以外は、比較例1と同様にして、比較例5の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=27(nm)であった。また、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して2.7質量%であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=247(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は34%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.11となる。
[比較例6]
比較例1において、ボールミルで10時間のミリング処理を140時間に変更したこと以外は、比較例1と同様にして、比較例6の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=30(nm)であった。また、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して2.7質量%であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=248(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は33%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.12となる。
[比較例7]
比較例1において、ボールミルで10時間のミリング処理を300時間に変更したこと以外は、比較例1と同様にして、比較例7の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=29(nm)であった。また、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して2.6質量%であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=282(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は24%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.10となる。
[比較例8]
比較例1において、ボールミルで10時間のミリング処理を500時間に変更したこと以外は、比較例1と同様にして、比較例8の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=29(nm)であった。また、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して2.5質量%であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=353(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は18%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.08となる。
[比較例9]
比較例1において、ボールミルで10時間のミリング処理を1,000時間に変更したこと以外は、比較例1と同様にして、比較例9の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=31(nm)であった。また、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して2.5質量%であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=382(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は14%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.08となる。
[比較例10]
比較例1において、ボールミルで10時間のミリング処理を2,000時間に変更したこと以外は、比較例1と同様にして、比較例10の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=34(nm)であった。また、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して2.4質量%であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=403(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は10%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.08となる。
[比較例11]
実施例1において、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を得る工程を以下のように変更したこと以外は、実施例1と同様にして、比較例11の電子写真感光体を製造した。
合成例3で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料0.5部、N−メチルホルムアミド(製品コード:F0059、東京化成工業製)9.5部、直径0.9mmのガラスビーズ15部
を室温(23℃)下で20時間、ペイントシェーカ(東洋精機製作所製)を用いてミリング処理した。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用いた。こうして処理した液をフィルター(品番:N−NO.125T、孔径:133μm、NBCメッシュテック製)で濾過してガラスビーズを取り除いた。この液にN−メチルホルムアミドを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を0.46部得た。得られた顔料はCuKα線を用いたX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角度2θの7.5°±0.2°、9.9°±0.2°、16.2°±0.2°、18.6°±0.2°、25.2°±0.2°及び28.3°±0.2°にピークを有する。5°〜35°の範囲において最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=15(nm)であった。また、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して1.9質量%であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=115(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は68%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.13となる。
[比較例12]
比較例11において、ペイントシェーカで20時間のミリング処理を30時間に変更したこと以外は、比較例11と同様にして、比較例12の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=15(nm)であった。また、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して1.4質量%であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=109(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は63%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.13となる。
[比較例13]
実施例1において、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を得る工程を以下のように変更したこと以外は、実施例1と同様にして、比較例13の電子写真感光体を製造した。
合成例3で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料0.5部、N−メチルホルムアミド(製品コード:F0059、東京化成工業製)9.5部、直径0.9mmのガラスビーズ15部を室温(23℃)下で5時間、ボールミルでミリング処理した。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用い、容器が1分間に60回転する条件で行った。こうして処理した液をフィルター(品番:N−NO.125T、孔径:133μm、NBCメッシュテック製)で濾過してガラスビーズを取り除いた。この液にN−メチルホルムアミドを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を0.47部得た。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=23(nm)であった。また、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して3.1質量%であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=163(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は67%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.14となる。
[比較例14]
比較例13において、ボールミルで5時間のミリング処理を10時間に変更したこと以外は、比較例13と同様にして、比較例14の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=23(nm)であった。また、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して2.7質量%であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=164(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は75%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.14となる。
[比較例15]
比較例13において、ボールミルで5時間のミリング処理を30時間に変更したこと以外は、比較例13と同様にして、比較例15の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=24(nm)であった。また、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して2.6質量%であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=159(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は81%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.15となる。
[比較例16]
比較例13において、ボールミルで5時間のミリング処理を100時間に変更したこと以外は、比較例13と同様にして、比較例16の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=24(nm)であった。また、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して2.1質量%であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=153(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は86%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.16となる。
[比較例17]
実施例43において、サンドミルで70時間のミリング処理を10時間に変更したこと以外は、実施例43と同様にして、比較例17の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=28(nm)であった。また、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して2.7質量%であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=181(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は65%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.15となる。
[比較例18]
実施例43において、サンドミルで70時間のミリング処理を500時間に変更したこと以外は、実施例43と同様にして、比較例18の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=27(nm)であった。また、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して0.8質量%であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=174(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は74%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.15となる。
[比較例19]
実施例1において、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を得る工程を以下のように変更したこと以外は、実施例1と同様にして、比較例19の電子写真感光体を製造した。
合成例3で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料0.5部、N−メチルホルムアミド(製品コード:F0059、東京化成工業製)9.5部を室温(23℃)下で1時間、マグネティックスターラでミリング処理した。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用い、回転子が1分間に1,500回転する条件で行った。こうして処理した液にN−メチルホルムアミドを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を0.47部得た。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=23(nm)であった。また、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して2.4質量%であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=214(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は43%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.11となる。
[比較例20]
比較例19において、マグネティックスターラで1時間のミリング処理を5時間に変更したこと以外は、比較例19と同様にして、比較例20の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=25(nm)であった。また、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して2.9質量%であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=205(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は49%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.12となる。
[比較例21]
比較例19において、マグネティックスターラで1時間のミリング処理を10時間に変更したこと以外は、比較例19と同様にして、比較例21の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=25(nm)であった。また、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して2.8質量%であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=201(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は53%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.12となる。
[比較例22]
実施例1において、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を得る工程を以下のように変更した25こと以外は、実施例1と同様にして、比較例22の電子写真感光体を製造した。
合成例3で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料0.5部、N−メチルホルムアミド(製品コード:F0059、東京化成工業製)9.5部を室温(23℃)下で1時間、超音波分散機(UT−205、シャープ製)でミリング処理した。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用い、該超音波分散機の出力は100%とした。また、このミリング処理においてガラスビーズ等のメディアは用いなかった。こうして処理した液にN−メチルホルムアミドを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を0.47部得た。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=25(nm)であった。また、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して2.7質量%であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=220(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は44%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.11となる。
[比較例23]
比較例22において、超音波分散機で1時間のミリング処理を5時間に変更したこと以外は、比較例22と同様にして、比較例23の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=25(nm)であった。また、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して2.5質量%であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=210(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は50%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.12となる。
[比較例24]
比較例22において、超音波分散機で1時間のミリング処理を10時間に変更したこと以外は、比較例22と同様にして、比較例24の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=25(nm)であった。また、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して2.3質量%であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=202(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は51%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.12となる。
[比較例25]
実施例1において、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を得る工程の一段階目と二段階目を入れ替えて以下のように変更したこと以外は、実施例1と同様にして、比較例25の電子写真感光体を製造した。
合成例3で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料0.5部、N−メチルホルムアミド(製品コード:F0059、東京化成工業製)9.5部を室温(23℃)下で40時間、ボールミルでミリング処理した(一段階目)。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用い、容器が1分間に120回転する条件で行った。また、このミリング処理においてガラスビーズ等のメディアは用いなかった。こうしてミリング処理した液に、直径0.9mmのガラスビーズ15部を追加し、室温(23℃)下で6時間、ペイントシェーカ(東洋精機製作所製)を用いてミリング処理した(二段階目)。この際、容器の中身を取り出すことなく、規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)をそのまま用いた。こうして処理した液をフィルター(品番:N−NO.125T、孔径:133μm、NBCメッシュテック製)で濾過してガラスビーズを取り除いた。この液にN−メチルホルムアミドを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を0.46部得た。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=26(nm)であった。また、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して2.2質量%であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=211(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は71%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.12となる。
[比較例26]
実施例19において、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を得る工程の一段階目と二段階目を入れ替えて以下のように変更したこと以外は、実施例19と同様にして、比較例26の電子写真感光体を製造した。
合成例3で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料0.5部、N−メチルホルムアミド(製品コード:F0059、東京化成工業製)9.5部、直径0.9mmのガラスビーズ15部を室温(23℃)下で40時間、ボールミルでミリング処理した(一段階目)。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用い、容器が1分間に120回転する条件で行った。こうしてミリング処理を、室温(23℃)下で6時間、ペイントシェーカ(東洋精機製作所製)を用いてミリング処理した(二段階目)。この際、容器の中身を取り出すことなく、容器をそのままペイントシェーカにセットした。したがって、二段階目のミリング処理において一段階目と同様のガラスビーズを用いた。こうして処理した液をフィルター(品番:N−NO.125T、孔径:133μm、NBCメッシュテック製)で濾過してガラスビーズを取り除いた。この液にN−メチルホルムアミドを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を0.46部得た。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=25(nm)であった。また、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して2.0質量%であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=171(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は79%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.15となる。
[比較例27]
実施例45において、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を得る工程を以下のように変更したこと以外は、実施例45と同様にして、比較例27の電子写真感光体を製造した。
合成例3で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料0.5部、N,N−ジメチルホルムアミド(製品コード:D0722、東京化成工業製)9.5部、直径0.9mmのガラスビーズ15部を室温(23℃)下で100時間、ボールミルでミリング処理した。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用い、容器が1分間に60回転する条件で行った。こうして処理した液をフィルター(品番:N−NO.125T、孔径:133μm、NBCメッシュテック製)で濾過してガラスビーズを取り除いた。この液にN,N−ジメチルホルムアミドを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を0.48部得た。得られた顔料はCuKα線を用いたX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角度2θの7.5°±0.2°、9.9°±0.2°、16.2°±0.2°、18.6°±0.2°、25.2°±0.2°及び28.3°±0.2°にピークを有する。5°〜35°の範囲において最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=24(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=154(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は76%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.16となる。
[比較例28]
実施例45において、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を得る工程を以下のように変更したこと以外は、実施例45と同様にして、比較例28の電子写真感光体を製造した。
合成例7で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料0.5部、N,N−ジメチルホルムアミド(製品コード:D0722、東京化成工業製)10部、直径0.3mmのガラスビーズ33部を温度25℃下で48時間、ボールミルでミリング処理した。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用い、容器が1分間に60回転する条件で行った。こうして処理した液をフィルター(品番:N−NO.125T、孔径:133μm、NBCメッシュテック製)で濾過してガラスビーズを取り除いた。この液にN,N−ジメチルホルムアミドを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をアセトンで十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を0.46部得た。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=13(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=98(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は83%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.13となる。
[比較例29]
比較例28において、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を得る工程を以下のように変更したこと以外は、比較例28と同様にして、比較例29の電子写真感光体を製造した。
合成例7で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料0.5部、N,N−ジメチルホルムアミド(製品コード:D0722、東京化成工業製)7.5部、直径0.9mmのガラスビーズ29部を温度25℃下で48時間、ボールミルでミリング処理した。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用い、容器が1分間に60回転する条件で行った。こうして処理した液をフィルター(品番:N−NO.125T、孔径:133μm、NBCメッシュテック製)で濾過してガラスビーズを取り除いた。この液にN,N−ジメチルホルムアミドを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をアセトンで十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を0.46部得た。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=13(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=101(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は81%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.13となる。
[比較例30]
比較例29において、ボールミルで48時間のミリング処理を96時間に変更したこと以外は、比較例29と同様にして、比較例30の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=12(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=91(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は86%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.13となる。
[比較例31]
比較例29において、ボールミルで48時間のミリング処理を192時間に変更したこと以外は、比較例29と同様にして、比較例31の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=16(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=121(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は84%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.13となる。
[比較例32]
比較例29において、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を得る工程を以下のように変更したこと以外は、比較例29と同様にして、比較例32の電子写真感光体を製造した。
合成例7で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料0.5部、N,N−ジメチルホルムアミド(製品コード:D0722、東京化成工業製)7.5部、直径1.0mmのガラスビーズ29部を温度25℃下で200時間、ボールミルでミリング処理した。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用い、容器が1分間に60回転する条件で行った。こうして処理した液をフィルター(品番:N−NO.125T、孔径:133μm、NBCメッシュテック製)で濾過してガラスビーズを取り除いた。この液にN,N−ジメチルホルムアミドを30部添加して取り出した後、ポアサイズ1.0μmのセラミック・フィルタ上で、アセトン25部で洗浄した。そして、洗浄された濾取物を、光を遮断した乾燥機を用いて80℃で24時間加熱乾燥した後、光を遮断した真空乾燥機を用いて、110℃、−0.98kPaの減圧下で2時間加熱乾燥させて、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を0.46部得た。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=16(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=125(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は84%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.13となる。
[比較例33]
比較例29において、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を得る工程の直径0.9mmのガラスビーズ29部を直径5.0mmのガラスビーズ29部に変更したこと以外は、比較例29と同様にして、比較例33の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=13(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=172(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は78%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.08となる。
[比較例34]
実施例45において、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を得る工程を以下のように変更したこと以外は、実施例45と同様にして、比較例34の電子写真感光体を製造した。
合成例8で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料0.5部、N,N−ジメチルホルムアミド(製品コード:D0722、東京化成工業製)7.5部、直径0.9mmのガラスビーズ29部を温度25℃下で24時間、ボールミルでミリング処理した。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用い、容器が1分間に60回転する条件で行った。こうして処理した液をフィルター(品番:N−NO.125T、孔径:133μm、NBCメッシュテック製)で濾過してガラスビーズを取り除いた。この液にN,N−ジメチルホルムアミドを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物を酢酸n−ブチルで十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を0.45部得た。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=13(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=115(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は81%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.11となる。
[比較例35]
比較例34において、合成例8で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料0.5部を合成例9で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料0.5部に変更したこと以外は、比較例34と同様にして、比較例35の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=13(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=118(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は80%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.11となる。
[比較例36]
実施例45において、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を得る工程を以下のように変更したこと以外は、実施例45と同様にして、比較例36の電子写真感光体を製造した。
合成例3で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料1部、N,N−ジメチルホルムアミド(製品コード:D0722、東京化成工業製)9部、直径0.9mmのガラスビーズ15部を冷却水温度18℃下で30時間、サンドミル(K−800、五十嵐機械製造(現アイメックス)製、ディスク径70mm、ディスク枚数5枚)を用いてミリング処理した。この際、ディスクが1分間に600回転する条件で行った。こうして処理した液をフィルター(品番:N−NO.125T、孔径:133μm、NBCメッシュテック製)で濾過してガラスビーズを取り除いた。この液にN,N−ジメチルホルムアミドを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を0.45部得た。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=25(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=158(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は77%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.16となる。
[比較例37]
実施例45において、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を得る工程を以下のように変更したこと以外は、実施例45と同様にして、比較例37の電子写真感光体を製造した。
合成例3で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料0.5部、N,N−ジメチルホルムアミド(製品コード:D0722、東京化成工業製)9.5部、直径0.9mmのガラスビーズ15部を室温(23℃)下で4時間、ペイントシェーカ(東洋精機製作所製)を用いてミリング処理した。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用いた。こうして処理した液をフィルター(品番:N−NO.125T、孔径:133μm、NBCメッシュテック製)で濾過してガラスビーズを取り除いた。この液にN,N−ジメチルホルムアミドを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を0.44部得た。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=18(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=123(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は71%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.14となる。
[比較例38]
実施例55において、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を得る工程を以下のように変更したこと以外は、実施例55と同様にして、比較例38の電子写真感光体を製造した。
合成例3で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料0.5部、ジメチルスルホキシド(製品コード:D0798、東京化成工業製)9.5部、直径0.9mmのガラスビーズ15部を室温(23℃)下で48時間、ボールミルでミリング処理した。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用い、容器が1分間に60回転する条件で行った。こうして処理した液をフィルター(品番:N−NO.125T、孔径:133μm、NBCメッシュテック製)で濾過してガラスビーズを取り除いた。この液にジメチルスルホキシドを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を0.44部得た。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=23(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=183(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は63%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.13となる。
[比較例39]
比較例38において、ボールミルで48時間のミリング処理を100時間に変更したこと以外は、比較例38と同様にして、比較例39の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=23(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=178(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は66%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.13となる。
[比較例40]
比較例38において、ボールミルで48時間のミリング処理を192時間に変更したこと以外は、比較例38と同様にして、比較例40の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=23(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=176(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は67%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.13となる。
[比較例41]
実施例45において、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を得る工程を以下のように変更したこと以外は、実施例45と同様にして、比較例41の電子写真感光体を製造した。
合成例7で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料0.5部、N,N−ジメチルホルムアミド(製品コード:D0722、東京化成工業製)8部を温度30℃下で24時間、マグネティックスターラでミリング処理した(一段階目)。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用い、回転子が1分間に1,500回転する条件で行った。こうして処理した液にN,N−ジメチルホルムアミドを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をイオン交換水で十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を0.45部得た。続いて、得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料0.5部、直径5.0mmのジルコニアビーズ5部を室温(23℃)下で5分間、小型振動ミル(MB−0型、中央化工機製)を用いてミリング処理した(二段階目)。この際、容器はアルミナ製ポットを用いた。こうして、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を0.48部得た。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=21(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=248(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は54%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.09となる。
[比較例42]
比較例41において、二段階目の小型振動ミルで5分間のミリング処理を20分間に変更したこと以外は、比較例41と同様にして、比較例42の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=21(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=194(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は59%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.11となる。
[比較例43]
比較例41において、二段階目の小型振動ミルで5分間のミリング処理を40分間に変更したこと以外は、比較例41と同様にして、比較例43の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=17(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=142(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は63%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.12となる。
[比較例44]
比較例41において、二段階目の小型振動ミルで5分間のミリング処理を1時間に変更したこと以外は、比較例41と同様にして、比較例44の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=8(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=112(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は67%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.07となる。
[比較例45]
比較例41において、二段階目の小型振動ミルで5分間のミリング処理を2時間に変更したこと以外は、比較例41と同様にして、比較例45の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=5(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=104(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は70%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.05となる。
[比較例46]
比較例41において、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を得る工程の二段階目のミリング処理を以下のように変更したこと以外は、比較例41と同様にして、比較例46の電子写真感光体を製造した。
合成例7で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料0.5部、N,N−ジメチルホルムアミド(製品コード:D0722、東京化成工業製)8部を温度30℃下で24時間、マグネティックスターラでミリング処理した(一段階目)。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用い、回転子が1分間に1,500回転する条件で行った。こうして処理した液にN,N−ジメチルホルムアミドを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をイオン交換水で十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を0.45部得た。続いて、得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料0.5部、電導度0.1μS/cmのイオン交換水5部を混合してスラリー液を調製し、室温(23℃)下で5分間、超微粒子化乳化分散装置アルティマイザー(スギノマシン製)を用いてミリング処理した(二段階目)。この際、圧力は1,500kg/cm2、吐出量は350mL/minとした。こうして処理したスラリー液から遠心分離により水を除去し真空乾燥させて、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を0.41部得た。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=20(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=153(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は70%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.13となる。
[比較例47]
比較例46において、二段階目の小型振動ミルで5分間のミリング処理を20分間に変更したこと以外は、比較例46と同様にして、比較例47の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=18(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=131(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は74%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.14となる。
[比較例48]
比較例46において、二段階目の小型振動ミルで5分間のミリング処理を1時間に変更したこと以外は、比較例46と同様にして、比較例48の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=7(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=98(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は82%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.07となる。
[比較例49]
実施例64において、クロロガリウムフタロシアニン顔料を得る工程を以下のように変更したこと以外は、実施例64と同様にして、比較例49の電子写真感光体を製造した。
合成例4で得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料0.5部、N,N−ジメチルホルムアミド(製品コード:D0722、東京化成工業製)10部、直径0.9mmのガラスビーズ15部を室温(23℃)下で50時間、ペイントシェーカ(東洋精機製作所製)を用いてミリング処理した。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用いた。こうして処理した液をフィルター(品番:N−NO.125T、孔径:133μm、NBCメッシュテック製)で濾過してガラスビーズを取り除いた。この液にN,N−ジメチルホルムアミドを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、クロロガリウムフタロシアニン顔料を0.47部得た。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.4°のピークから見積もられた結晶相関長はr=16(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のクロロガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=114(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は51%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.14となる。
[比較例50]
比較例49において、ペイントシェーカで50時間のミリング処理を100時間に変更したこと以外は、比較例49と同様にして、比較例50の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.4°のピークから見積もられた結晶相関長はr=15(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のクロロガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=105(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は42%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.14となる。
[比較例51]
実施例85において、クロロガリウムフタロシアニン顔料を得る工程を以下のように変更したこと以外は、実施例85と同様にして、比較例51の電子写真感光体を製造した。
合成例4で得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料0.5部、ジメチルスルホキシド(製品コード:D0798、東京化成工業製)10部、直径5.0mmのガラスビーズ15部を室温(23℃)下で24時間、ボールミルでミリング処理した。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用い、容器が1分間に120回転する条件で行った。こうして処理した液をフィルター(品番:N−NO.125T、孔径:133μm、NBCメッシュテック製)で濾過してガラスビーズを取り除いた。この液にジメチルスルホキシドを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、クロロガリウムフタロシアニン顔料を0.46部得た。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.4°のピークから見積もられた結晶相関長はr=23(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のクロロガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=184(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は64%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.12となる。
[比較例52]
実施例85において、クロロガリウムフタロシアニン顔料を得る工程を以下のように変更したこと以外は、実施例85と同様にして、比較例52の電子写真感光体を製造した。
合成例6で得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料0.5部、直径5.0mmのアルミナビーズ10部を室温(23℃)下で180時間、振動ミル(MB−1型、中央化工機製)を用いてミリング処理した(一段階目)。この際、容器はアルミナ製ポットを用いた。こうして、クロロガリウムフタロシアニン顔料を0.45部得た。続いて、得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料0.5部、ジメチルスルホキシド(製品コード:D0798、東京化成工業製)10部、直径1.0mmのガラスビーズ29部を温度25℃下で72時間、ボールミルでミリング処理した(二段階目)。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用い、容器が1分間に60回転する条件で行った。こうして処理した液をフィルター(品番:N−NO.125T、孔径:133μm、NBCメッシュテック製)で濾過してガラスビーズを取り除いた。この液にジメチルスルホキシドを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をアセトンで十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空減圧下で80℃24時間加熱乾燥させて、クロロガリウムフタロシアニン顔料を0.46部得た。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.4°のピークから見積もられた結晶相関長はr=13(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のクロロガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=103(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は74%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.13となる。
[比較例53]
比較例52において、二段階目の直径1.0mmのガラスビーズ29部を直径1.5mmのガラスビーズ29部に変更し、ボールミルで72時間のミリング処理を96時間に変更したこと以外は、比較例52と同様にして、比較例53の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.4°のピークから見積もられた結晶相関長はr=13(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のクロロガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=138(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は77%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.10となる。
[比較例54]
比較例53において、二段階目のボールミルで96時間のミリング処理を120時間に変更したこと以外は、比較例53と同様にして、比較例54の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.4°のピークから見積もられた結晶相関長はr=12(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のクロロガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=153(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は68%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.08となる。
[比較例55]
比較例52において、二段階目のジメチルスルホキシド10部を13部に変更し、直径1.0mmのガラスビーズ29部を直径0.3mmのガラスビーズ37部に変更し、規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)をステンレス製ポット(素材:SUS−304、内容量110mL、入江商会製)に変更したこと以外は、比較例52と同様にして、比較例55の電子写真感光体を製造した。
得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.4°のピークから見積もられた結晶相関長はr=12(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のクロロガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=88(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は63%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.13となる。
[比較例56]
比較例52において、クロロガリウムフタロシアニン顔料を得る工程を以下のように変更したこと以外は、比較例52と同様にして、比較例56の電子写真感光体を製造した。
合成例10で得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料0.5部、直径5.0mmのアルミナビーズ10部を室温(23℃)下で180時間、振動ミル(MB−1型、中央化工機製)を用いてミリング処理した(一段階目)。この際、容器はアルミナ製ポットを用いた。こうして、クロロガリウムフタロシアニン顔料を0.45部得た。続いて、得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料0.5部、ジメチルスルホキシド(製品コード:D0798、東京化成工業製)50部を恒温槽を用いた温度20℃下で24時間、攪拌槽(傾斜パドル型攪拌翼及び邪魔板を設けた)でミリング処理した(二段階目)。この際、攪拌翼が1分間に250回転する条件で行った。こうして処理した液にジメチルスルホキシドを30部添加した後、乾燥濾過し、濾過器上の濾取物をイオン交換水で十分に洗浄した。更に、攪拌しながら真空減圧下で80℃24時間加熱乾燥し、続いて真空減圧下で150℃5時間加熱乾燥させて、クロロガリウムフタロシアニン顔料を0.46部得た。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.4°のピークから見積もられた結晶相関長はr=17(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のクロロガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=132(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は63%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.13となる。
[比較例57]
比較例56において、二段階目の恒温槽を用いたミリング処理の温度20℃を28℃に変更したこと以外は、比較例56と同様にして、比較例57の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.4°のピークから見積もられた結晶相関長はr=18(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のクロロガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=153(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は63%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.12となる。
[比較例58]
比較例56において、クロロガリウムフタロシアニン顔料を得る工程の二段階目を以下のように変更したこと以外は、比較例56と同様にして、比較例58の電子写真感光体を製造した。
合成例10で得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料0.5部、直径5.0mmのアルミナビーズ10部を室温(23℃)下で180時間、振動ミル(MB−1型、中央化工機製)を用いてミリング処理した(一段階目)。この際、容器はアルミナ製ポットを用いた。こうして、クロロガリウムフタロシアニン顔料を0.45部得た。続いて、得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料0.5部、 ベンジルアルコール(製品コード:B2378、東京化成工業製)50部を恒温槽を用いた温度5℃下で24時間、攪拌槽(傾斜パドル型攪拌翼及び邪魔板を設けた)でミリング処理した(二段階目)。この際、攪拌翼が1分間に200回転する条件で行った。こうして処理した液を、セラミック・フィルタ(製品名:モノリス型セラミック膜フィルタ、φ3−37穴、日本ガイシ製)を用いて酢酸エチルにより濾過洗浄し、更に、振動流動式真空乾燥機(VFD型、玉川マシナリー(現三菱マテリアルテクノ)製)を用いて真空減圧下で80℃24時間加熱乾燥し、続いて真空減圧下で150℃5時間加熱乾燥させて、クロロガリウムフタロシアニン顔料を0.47部得た。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.4°のピークから見積もられた結晶相関長はr=18(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のクロロガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=128(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は63%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.14となる。
[比較例59]
実施例93において、チタニルフタロシアニン顔料を得る工程を以下のように変更したこと以外は、実施例93と同様にして、比較例59の電子写真感光体を製造した。
合成例5で得られたチタニルフタロシアニン顔料0.5部、テトラヒドロフラン10部、直径0.9mmのガラスビーズ15部を冷却水温度18℃下で1時間、サンドミル(K−800、五十嵐機械製造(現アイメックス)製、ディスク径70mm、ディスク枚数5枚)を用いてミリング処理した。この際、ディスクが1分間に500回転する条件で行った。こうして処理した液をフィルター(品番:N−NO.125T、孔径:133μm、NBCメッシュテック製)で濾過してガラスビーズを取り除いた。この液にテトラヒドロフランを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をメタノールと水で十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、チタニルフタロシアニン顔料を0.45部得た。
得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである27.2°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=23(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のチタニルフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=248(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は64%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.09となる。
[比較例60]
比較例59において、サンドミルで1時間のミリング処理を5時間に変更したこと以外は、比較例59と同様にして、比較例60の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである27.2°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=27(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のクロロガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=238(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は69%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.11となる。
[比較例61]
比較例59において、サンドミルで1時間のミリング処理を10時間に変更したこと以外は、比較例59と同様にして、比較例61の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである27.2°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=29(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のクロロガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=230(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は71%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.13となる。
[比較例62]
比較例59において、サンドミルで1時間のミリング処理を20時間に変更したこと以外は、比較例59と同様にして、比較例62の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである27.2°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=31(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のクロロガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=221(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は74%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.14となる。
[比較例63]
比較例59において、サンドミルで1時間のミリング処理を48時間に変更したこと以外は、比較例59と同様にして、比較例63の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである27.2°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=34(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のクロロガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=210(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は75%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.16となる。
[比較例64]
比較例59において、サンドミルで1時間のミリング処理を100時間に変更したこと以外は、比較例59と同様にして、比較例64の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである27.2°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=34(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のクロロガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=205(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は77%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.16となる。
[比較例65]
比較例59において、サンドミルで1時間のミリング処理を300時間に変更したこと以外は、比較例59と同様にして、比較例65の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである27.2°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=33(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のクロロガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=201(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は78%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.16となる。
[比較例66]
実施例101において、チタニルフタロシアニン顔料を得る工程を以下のように変更したこと以外は、実施例101と同様にして、比較例66の電子写真感光体を製造した。
合成例5で得られたチタニルフタロシアニン顔料0.5部、n−ブチルエーテル10部、直径0.9mmのガラスビーズ15部を冷却水温度18℃下で20時間、サンドミル(K−800、五十嵐機械製造(現アイメックス)製、ディスク径70mm、ディスク枚数5枚)を用いてミリング処理した。この際、ディスクが1分間に500回転する条件で行った。こうして処理した液をフィルター(品番:N−NO.125T、孔径:133μm、NBCメッシュテック製)で濾過してガラスビーズを取り除いた。この液にn−ブチルエーテルを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をメタノールと水で十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、チタニルフタロシアニン顔料を0.45部得た。 得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである27.2°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=27(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のチタニルフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=181(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は66%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.15となる。
[比較例67]
比較例63において、電荷発生層を形成する工程を以下のように変更したこと以外は、比較例63と同様にして、比較例67の電子写真感光体を製造した。
合成例5で得られたチタニルフタロシアニン顔料0.5部、テトラヒドロフラン10部、直径0.9mmのガラスビーズ15部を冷却水温度18℃下で48時間、サンドミル(K−800、五十嵐機械製造(現アイメックス)製、ディスク径70mm、ディスク枚数5枚)を用いてミリング処理した。この際、ディスクが1分間に500回転する条件で行った。こうして処理した液をフィルター(品番:N−NO.125T、孔径:133μm、NBCメッシュテック製)で濾過してガラスビーズを取り除いた。この液にテトラヒドロフランを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をメタノールと水で十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、チタニルフタロシアニン顔料を0.45部得た。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである27.2°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=34(nm)であった。続いて、前記ミリング処理で得られたチタニルフタロシアニン顔料12部、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業製)10部、1,2−ジメトキシエタン/4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン=9/1混合溶液304部、直径0.03mmのジルコニアビーズ716部を冷却水温度10℃下で60分間、ウルトラアペックスミル(UAM−015、寿工業製、ミル容積約0.15L)を用いて分散処理した。この際、ロータ周速8m/sec、液流量10kg/hourの条件で行った。こうして分散処理した液をフィルター(品番:N−NO.508S、孔径20μm、NBCメッシュテック製)で濾過してジルコニアビーズを取り除いた。この液を室温(23℃)下で150分間、超音波分散機(UT−205、シャープ製)で分散処理した。この際、容器は規格びん(製品コード:PS−6、柏洋硝子製)を用い、該超音波分散機の出力は100%とした。また、この分散処理においてジルコニアビーズ等のメディアは用いなかった。こうして、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を上述の下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を100℃で10分間加熱乾燥させることにより、膜厚が0.14μmの電荷発生層を形成した。
このとき得られた電荷発生層を剥がして粉末とし、その粉末を超音波分散し、粉末X線回折測定を行った。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである27.2°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=23(nm)であった。したがって、今の場合、分散処理によってフタロシアニン顔料の結晶相関長は小さくなる。
一方、このとき得られた電荷発生層中のチタニルフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=155(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は81%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.15となる。
[比較例68]
比較例62において、電荷発生層を形成する工程を以下のように変更したこと以外は、比較例62と同様にして、比較例68の電子写真感光体を製造した。
合成例5で得られたチタニルフタロシアニン顔料0.5部、テトラヒドロフラン10部、直径0.9mmのガラスビーズ15部を冷却水温度18℃下で20時間、サンドミル(K−800、五十嵐機械製造(現アイメックス)製、ディスク径70mm、ディスク枚数5枚)を用いてミリング処理した。この際、ディスクが1分間に500回転する条件で行った。こうして処理した液をフィルター(品番:N−NO.125T、孔径:133μm、NBCメッシュテック製)で濾過してガラスビーズを取り除いた。この液にテトラヒドロフランを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をメタノールと水で十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、チタニルフタロシアニン顔料を0.45部得た。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである27.2°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=31(nm)であった。続いて、前記ミリング処理で得られたチタニルフタロシアニン顔料10部、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBM−1、積水化学工業製)10部、シクロヘキサノン278部直径0.5mmのガラス250部を室温(23℃)下で20時間、ボールミルで分散処理した。この際、容器は規格びん(製品コード:PS−6、柏洋硝子製)を用い、容器が1分間に200回転する条件で行った。こうして、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を上述の下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を100℃で10分間加熱乾燥させることにより、膜厚が0.14μmの電荷発生層を形成した。
このとき得られた電荷発生層を剥がして粉末とし、その粉末を超音波分散し、粉末X線回折測定を行った。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである27.2°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=27(nm)であった。したがって、今の場合、分散処理によってフタロシアニン顔料の結晶相関長は小さくなる。
一方、このとき得られた電荷発生層中のチタニルフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=201(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は68%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.13となる。
[比較例69]
実施例1において、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を得る工程を以下のように変更したこと以外は、実施例1と同様にして、比較例69の電子写真感光体を製造した。
合成例3で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料0.5部、アセトン9.5部を室温(23℃)下で40時間、ボールミルでミリング処理した。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用い、容器が1分間に120回転する条件で行った。また、このミリング処理においてガラスビーズ等のメディアは用いなかった。こうして処理した液にアセトンを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を0.43部得た。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=189(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=383(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は12%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.49となる。
[比較例70]
比較例69において、ボールミルで40時間のミリング処理を300時間に変更したこと以外は、比較例69と同様にして、比較例70の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=265(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=425(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は8%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.62となる。
[比較例71]
比較例69において、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を得る工程を以下のように変更したこと以外は、比較例69と同様にして、比較例71の電子写真感光体を製造した。
合成例3で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料0.5部、アセトン9.5部を室温(23℃)下で40時間、ボールミルでミリング処理した(一段階目)。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用い、容器が1分間に120回転する条件で行った。また、このミリング処理においてガラスビーズ等のメディアは用いなかった。こうしてミリング処理した液に、直径0.9mmのガラスビーズ15部を追加し、室温(23℃)下で6時間、ペイントシェーカ(東洋精機製作所製)を用いてミリング処理した(二段階目)。この際、容器の中身を取り出すことなく、規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)をそのまま用いた。こうして処理した液をフィルター(品番:N−NO.125T、孔径:133μm、NBCメッシュテック製)で濾過してガラスビーズを取り除いた。この液にアセトンを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を0.43部得た。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=53(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=325(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は31%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.16となる。
[比較例72]
比較例69において、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を得る工程を以下のように変更したこと以外は、比較例69と同様にして、比較例72の電子写真感光体を製造した。
合成例3で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料0.5部、アセトン9.5部、直径0.9mmのガラスビーズ15部を室温(23℃)下で24時間、ボールミルでミリング処理した(一段階目)。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用い、容器が1分間に60回転する条件で行った。こうして処理した液にアセトンを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を0.43部得た。続いて、得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料0.5部、直径0.9mmのガラスビーズ15部を室温(23℃)下で20分間、ペイントシェーカ(東洋精機製作所製)を用いてミリング処理した(二段階目)。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用いた。こうして、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を0.48部得た。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=77(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=102(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は44%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.76となる。
[比較例73]
比較例72において、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を得る工程で用いたアセトンをテトラヒドロフランに変更したこと以外は、比較例72と同様にして、比較例73の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=72(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=105(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は45%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.69となる。
[比較例74]
実施例64において、クロロガリウムフタロシアニン顔料を得る工程を以下のように変更したこと以外は、実施例64と同様にして、比較例74の電子写真感光体を製造した。
合成例1で得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料0.5部、直径0.9mmのガラスビーズ15部を室温(23℃)下で20分間、ペイントシェーカ(東洋精機製作所製)を用いてミリング処理した。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用いた。こうして、クロロガリウムフタロシアニン顔料を0.47部得た。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.4°のピークから見積もられた結晶相関長はr=100(nm)であった。
一方、このとき得られた電荷発生層中のクロロガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像写真から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=128(nm)であった。また、該粒度分布における直径60(nm)以上200(nm)以下の範囲の体積頻度は56%であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.78となる。
[評価]
上記で作製した電子写真感光体について、常温常湿環境下(温度23℃、相対湿度50%)及び低温低湿環境下(温度15℃、相対湿度10%)でゴースト現象抑制効果の評価を行った。
評価用の電子写真装置として、ヒューレットパッカード社製のレーザビームプリンタ(商品名:Color Laser Jet CP3525dn)の改造機を用いた。改造点としては、前露光を点灯せず、帯電条件とレーザ露光量は可変で作動するようにした。また、上記製造した電子写真感光体をシアン色用のプロセスカートリッジに装着して、シアン色用のプロセスカートリッジのステーションに取り付けた。他の色(マゼンタ、イエロー、ブラック)用のプロセスカートリッジをレーザビームプリンタ本体に装着しなくても作動するようにした。
画像の出力に際しては、シアン色用のプロセスカートリッジのみをレーザビームプリンタ本体に取り付け、シアントナーのみによる単色画像を出力した。
電子写真感光体の表面電位は、初期暗部電位が−650V、明部電位が−105Vとなるように設定した。電位設定の際の電子写真感光体の表面電位の測定には、プロセスカートリッジの現像位置に電位プローブ(商品名:model6000B−8、トレック・ジャパン製)を装着したものを用い、電子写真感光体の長手方向中央部の電位を表面電位計(商品名:model344、トレック・ジャパン製)を使用して測定した。
先ず、常温常湿環境下で、ゴーストの評価を行った。その後、同環境下で1,000枚の通紙耐久試験を行い、耐久試験直後でのゴーストの評価を行った。
次に、電子写真感光体を評価用の電子写真装置とともに15℃/10%RHの低温低湿環境下で3日間放置した後、ゴーストの評価を行った。そして、同環境下で1,000枚の通紙耐久試験を行い、耐久試験直後でのゴーストの評価を行った。
通紙耐久試験時は、印字率1%のE文字画像を、A4サイズの普通紙にシアン単色で形成した。 ゴースト評価用画像は、図5に示すように、画像の先頭部のベタ白領域302中にベタ301で四角の画像を出した後、1ドット桂馬パターンのハーフトーン画像304を出力することによって形成した。先ず、1枚目にベタ白画像を出力し、その後、ゴースト評価用画像を連続して5枚出力し、次に、ベタ画像を1枚出力した後、再度ゴースト評価用画像を5枚出力する、という順番で画像出力を行い、合計10枚のゴースト評価用画像で評価した。
ゴーストの評価は、1ドット桂馬パターン画像濃度とゴースト部303(ゴーストが生じうる部分)の画像濃度との濃度差を、分光濃度計(商品名:X−Rite504/508、X−Rite製)で測定することで行った。1枚のゴースト評価用画像で10点測定し、それら10点の平均をとって1枚の結果とした。そして、10枚のゴースト評価用画像すべてを同様に測定した後、それらの平均値を求め、表中の「濃度差」とした。この濃度差は、値が小さいほど、ゴースト現象が抑制されていることを意味する。表中、「初期」とは、常温常湿環境下又は低温低湿環境下での1,000枚の通紙耐久試験を行う前における濃度差を意味し、「耐久後」とは、常温常湿環境下又は低温低湿環境下での1,000枚の通紙耐久試験を行った後における濃度差を意味する。
尚、表中における、「HOGaPc」は「ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料」を、「ClGaPc」は「クロロガリウムフタロシアニン顔料」を、「TiOPc」は「チタニルフタロシアニン顔料」を、それぞれ意味する。