JP2023024116A - 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 Download PDF

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Abstract

【課題】耐久を通じてメモリの発生がなく高いコントラストを維持する電子写真感光体の提供。【解決手段】支持体上に、膜厚が0.2μm以上の電荷発生層及び電荷輸送層を有する電子写真感光体であって、23.5℃50%RHにおいて、該感光体を、(1)表面電位を0Vにし、(2)表面電位の絶対値がVd[V]となるように0.005秒間帯電させ、(3)帯電開始から0.02秒後に波長が805nmで光量がIexp[μJ/cm2]の光で帯電後の該感光体を露光し、(4)帯電開始から0.06秒後に測定して得られる表面電位の絶対値をVexp[V]とした場合に、(1)~(4)の操作及び測定を、Iexpを0.000~1.000μJ/cm2まで0.001μJ/cm2の間隔で変化させながら繰返し行って作成された特定なグラフから得られる再結合定数Peと電界強度Eとの関係式に示す電界強度Eが10~40V/μmにおける一次近似直線の傾きαの絶対値が4×10-3以下である。【選択図】なし

Description

本発明は電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置に関する。
複写機やレーザービームプリンターなどの電子写真装置に用いられる電子写真感光体には、像露光の光に対して十分な感度を有することが求められている。電荷輸送物質として用いられているアゾ顔料およびフタロシアニン顔料は、広い範囲の波長の光に対して高い感度を示すことが知られている。それに加えて、近年ではカラー化に代表されるように高画質化が求められ、カラー化により、写真に代表されるハーフトーン画像やベタ画像が多くなっており、それらの画像品質は年々高まる一方である。
高画質化を進めるにあたり、電子写真感光体に望まれる機能としては高コントラストを初期から耐久寿命までに渡り維持することが求められている。
電子写真用感光体は高感度化の観点からは電荷発生層の膜厚を厚く設計したいが、この場合得られる電子写真感光体はメモリが発生するという欠点を有している。また、電荷輸送層に関しても高感度化の観点からは膜厚を厚く設計する方がよいが、この場合得られる電子写真感光体において残電は大きくなってしまうという欠点を有していると共に、上記メモリも悪化する傾向がある。
一方、環境負荷の低減のため、省エネルギー化が望まれており、その観点から電子写真装置における帯電器に印加する電圧を下げることが考えられるが、印加電圧を下げると電子写真感光体にかかる電界強度が小さくなるため、上記電荷発生層が原因のメモリが更に悪化してしまう。
特許文献1には、電子写真感光体としての量子効率ηと電場Eとの関係において、ηが十分に弱い程度の電界依存性を有する電荷発生層と電荷移動層との組み合せ及び特定の電荷移動層の膜厚を有することにより耐久性並びに感度の優れた電子写真感光体が記載されている。
特許文献2には、露光エネルギーを可変させて露光した際の像担持体上の表面電位を計測し、その表面電位が像担持体の光減衰特性に基づく理論値の1.3倍以上となる露光エネルギーJを照射するよう設定した電子写真装置が記載されている。この電子写真装置においては、再結合割合をコントロールすることで、すなわち像担持体内の電荷(キャリア)生成量を増加させ、キャリアの再結合を増加させることにより、潜像電位の減少を制御し、像担持体上のトナー量を規制することにより、高画質かつ、階調性の優れた画像形成ができる。
特許文献3には、フタロシアニン顔料を用いた電荷発生層を厚い膜で形成した場合に発生する暗減衰の増大に対して、フタロシアニン顔料のπスタック方向・分子軸方向の整列度合い、すなわち結晶相関長の比率と暗減衰とに相関関係があることを発見している。結晶相関長の比率はX線回折スペクトルから得られるパラメーターを用いており、特定の値にすることにより暗減衰が抑制される旨が記載されている。
特開平10-115939号公報 特開2005-091882号公報 特開2018-189957号公報
本発明者らの検討によると、特許文献1に記載の電子写真感光体では、量子効率ηと電場Eとの関係において、電界依存性が小さく感度が良好であるもののメモリは発生していた。これは実施例で開示されている構成の電荷発生層の膜厚が0.4μmであり、電荷発生層中に電荷が溜まることに起因していた。更には電荷輸送層の膜厚が25μm以上であることにより、電荷輸送層の膜厚が厚くなるほど電界強度が小さくなるため、メモリ現象はより顕著に現れていた。
特許文献2には、像担持体内の電荷(キャリア)生成量を増加させ、キャリアの再結合を増加させることにより潜像電位の減少を抑制して、トナー消費量は減らすことが開示されている。しかしメモリ現象に着目すると、キャリアの再結合を増加させた状態、耐久を行うことにより、キャリアの生成、再結合が繰り返され、その結果電荷発生層中に電荷が滞留する割合が増加するために、メモリ現象が耐久履歴を与えることで増加する、という課題があった。
特許文献3には電荷発生層の膜厚を200nmより大きくしても特定の特性を示すフタロシアニン顔料を用いることにより暗減衰を抑制することが開示されている。しかし特に電界強度が低い状況においては、電荷発生層中に滞留する電荷が発生するためにメモリ現象が十分に軽減できるものではなかった。
したがって、本発明の目的は、耐久を通じて、メモリの発生がなく、高いコントラストを維持する電子写真感光体を提供することである。
さらに、本発明の目的は、耐久を通じて、メモリの発生がなく、高いコントラストを維持する電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することである。
上記の目的は以下の本発明によって達成される。
即ち、本発明にかかる電子写真感光体は、支持体、該支持体上の電荷発生層及び該電荷発生層上の電荷輸送層を有し、該電荷発生層の膜厚が0.2μm以上である電子写真感光体であって、
温度23.5[℃]及び相対湿度50[%RH]において、該電子写真感光体を、
(1)該電子写真感光体の表面電位を0[V]にし、
(2)該電子写真感光体の表面電位の絶対値がVd[V]となるように該電子写真感光体を0.005秒間帯電させ、
(3)帯電開始から0.02秒後に、波長が805[nm]で光量がIexp[μJ/cm]の光で帯電後の該電子写真感光体を露光し、
(4)帯電開始から0.06秒後に、露光後の該電子写真感光体の表面電位の絶対値を測定してVexp[V]とした場合に、
(1)~(4)の操作及び測定を、Iexpを0.000[μJ/cm]から1.000[μJ/cm]まで0.001[μJ/cm]の間隔で変化させながら繰り返し行って作成された、横軸が露光光の光量Iexpで縦軸が表面電位の絶対値Vexpであるグラフから得られる再結合定数Peと、電界強度Eと、の関係において、下記式(1)に示す電界強度Eが10~40V/μmにおける一次近似直線の傾きαの絶対値が4×10-3以下であることを特徴とする電子写真感光体である。
Pe=α×E+γ (1)
前記式(1)及び下記式(2)中、Pe及びVrは、それぞれ、前記グラフのVexpがVd/2に低下するまでの範囲の前記グラフのデータ点から下記式(3)を用いて得られた量子効率をηとした場合に、下記式(2)から得られる再結合定数及び残電を表し、Eは、該Vdおよび該電荷輸送層の膜厚から得られる電界強度V/μmを表す。
Figure 2023024116000001
Figure 2023024116000002
前記式(2)および(3)において、eは電荷素量、dは感光層の膜厚、ηは量子効率、εは真空の誘電率、εは比誘電率、hはプランク定数、νは照射光の周波数である。
本発明によれば、耐久を通じて、メモリの発生がなく、高いコントラストを維持できる電子写真感光体を提供することができる。
本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す図である。 ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折図である。 Vdが500VであったときのIexpを0.000[μJ/cm]から1.000[μJ/cm]まで0.001[μJ/cm]の間隔で変化させながら繰り返し行って作成された、横軸がIexpで縦軸がVexpであるグラフの一例である。 縦軸に得られた再結合定数P、横軸に電界強度Eの電界強度10~40V/μmにおける一次近似直線の傾きαを示したグラフの一例である。 (A)ゴースト画像評価の際に用いるゴースト評価用画像を説明するための図である。(B)1ドット桂馬パターン画像を説明する図である。
以下、好適な実施の形態を挙げて、本発明を詳細に説明する。
上記の目的は以下の本発明によって達成される。即ち、本発明は、支持体、該支持体上の電荷発生層及び該電荷発生層上の電荷輸送層を有し、該電荷発生層の膜厚が0.2μm以上である電子写真感光体であって、
温度23.5[℃]及び相対湿度50[%RH]において、該電子写真感光体を、
(1)該電子写真感光体の表面電位を0[V]にし、
(2)該電子写真感光体の表面電位の絶対値がVd[V]となるように該電子写真感光体を0.005秒間帯電させ、
(3)帯電開始から0.02秒後に、波長が805[nm]で光量がIexp[μJ/cm]の光で帯電後の該電子写真感光体を露光し、
(4)帯電開始から0.06秒後に、露光後の該電子写真感光体の表面電位の絶対値を測定してVexp[V]とした場合に、
(1)~(4)の操作及び測定を、Iexpを0.000[μJ/cm]から1.000[μJ/cm]まで0.001[μJ/cm]の間隔で変化させながら繰り返し行って作成された、横軸が露光光の光量Iexpで縦軸が表面電位の絶対値Vexpであるグラフから得られる再結合定数Peと、電界強度Eとの関係において、下記式(1)に示す電界強度Eが10~40V/μmにおける一次近似直線の傾きαの絶対値が4×10-3以下である電子写真感光体を特徴とする。
Pe=α×E+γ (1)
前記式(1)及び下記式(2)中、Pe及びVrは、それぞれ、前記グラフのVdがVd/2に低下するまでの範囲の傾きから得られた量子効率をηとした場合に、下記式(2)から得られる再結合定数及び残電を表し、Eは該Vdおよび該電荷輸送層の膜厚から得られる電界強度V/μmを表す。
Figure 2023024116000003
式(2)において、eは電荷素量、dは感光層の膜厚、εは真空の誘電率、εは比誘電率、hはプランク定数、νは照射光の周波数である。
式(1)を導くための傾きαの求めかたと、式(2)からVr(残電)、η(量子効率)およびPe(再結合定数)を求める際の手順は以下のとおりである。
手順1:電界強度10~40Vの間の数点、任意のVdを設定する(Vd=電界強度E×感光体膜厚)。設定したVdにおいてIexpを0.000[μJ/cm]から1.000[μJ/cm]まで0.001[μJ/cm]の間隔で変化させながら繰り返し行って得られる、横軸が露光光の光量Iexpで縦軸が表面電位の絶対値Vexpであるグラフを作成する。
図3は、Vdが500VであったときのIexpを0.000[μJ/cm]から1.000[μJ/cm]まで0.001[μJ/cm]の間隔で変化させながら繰り返し行って得られる、横軸が露光光の光量Iexpで縦軸が表面電位の絶対値Vexpであるグラフの例である。
手順2:式(2)における量子効率ηは、VexpがVd/2に低下するまでの範囲の前記Iexp-Vexpグラフのデータ点を、ηをフィッティングパラメータとして下記式(3)を用いてフィッティングすることにより求める。
Figure 2023024116000004
手順3:測定した全光量範囲、すなわち、Iexp=0.000~1.000[μJ/cm]の範囲の前記Iexp-Vexpグラフのデータ点を、手順2で求めたηの値を固定し、PおよびVをフィッティングパラメータとして前記式(2)を用いてフィッティングし、再結合定数Pおよび残電Vを決定する。
手順4:Vdを変化させ、手順1~3を繰り返し、電界強度10~40Vの間を変化させた際の量子効率η、再結合定数P、および残電Vを求める。求められた各値から前記式(1)に示す電界強度10~40V/μmにおける一次近似直線の傾きαを求める。
図4は、縦軸に得られた再結合定数P、横軸に電界強度Eとした場合での、電界強度10~40V/μmにおける一次近似直線の傾きαを示したグラフの例である。
電荷発生層の膜厚を厚くしていくとメモリ現象が発生してしまい、耐久履歴を与えることで、更なるメモリの増加が生じる。検討した結果、メモリ現象は電荷発生層の膜厚を厚くしていく事で、また、電界強度を下げていくことで顕著に生じた。電荷発生層中に滞留している電荷がメモリ現象を生じさせる原因と推測できる。
理想的には電荷発生層の膜厚が厚くとも、露光後電荷分離が速やかに行われ、電荷輸送層および下引き層に正負の電荷がスムーズに注入されることで、再結合比率が低く、残電も低いE-Vカーブ特性が得られる。
電荷発生層中における滞留電荷量は再結合比率との相関関係が強いと考え、式(2)で示される再結合定数に着目した。
しかしながら、必ずしも再結合定数が低ければ、メモリ現象の発生が抑制されるわけではなく、その電界依存性を表すαが4×10-3以下であることが必要であった。
電界依存性αが4×10-3以下である場合にメモリ現象が小さくなる理由は以下のように推測される。
メモリの原因となる滞留電荷は、再結合されることなく電荷発生層中に滞留している電荷であり、電界の大きさに依存したる駆動力の大小によって、注入されるか再結合されるか滞留されるかが決まる。
したがって、再結合定数Pの電界依存性が小さいことは、電界を強くした場合に注入される電荷が増加しないことを意味し、耐久履歴を与えてもその変化率は小さい。そのため、再結合定数Pの電界依存性とメモリ現象の間に相関関係がみられる。
また、低電界において本発明の効果は更に発揮される。
電界依存性αの絶対値は2×10-3以下であることがより好ましい。2×10-3より大きいと、耐久履歴を与えた場合に変化率が十分小さくならない場合があった。
電界強度15V/μmにおいて式(2)で示される再結合定数Peが0.7以下であることがより好ましい。0.7より大きいと、低電界において、初期のメモリを小さくする効果が十分に得られない場合があった。
電界強度15V/μmにおいて式(2)で示される量子効率ηが0.4以上であることがより好ましい。0.4より小さいと、低電界において、初期のメモリを小さくする効果が十分に得られない場合があった。
電界強度15V/μmにおいて式(2)で示される残電Vrが20V以下であることがより好ましい。20Vより大きいと、低電界において、初期のメモリを小さくする効果が十分に得られない場合があった。
尚、本発明において、電荷発生層中における滞留電荷量を原因とするメモリ現象は、ゴースト現象(1枚の画像を形成する中で、光が照射された部分が電子写真感光体の次の回転目にハーフトーン画像になる場合において、光が照射された部分のみの濃度が異なって現れる現象)として評価できる。
[電子写真感光体]
本発明の電子写真感光体は、電荷発生層および電荷輸送層を有することを特徴とする。
本発明の電子写真感光体を製造する方法としては、後述する各層の塗布液を調製し、所望の層の順番に塗布して、乾燥させる方法が挙げられる。このとき、塗布液の塗布方法としては、浸漬塗布、スプレー塗布、インクジェット塗布、ロール塗布、ダイ塗布、ブレード塗布、カーテン塗布、ワイヤーバー塗布、リング塗布などが挙げられる。これらの中でも、効率性及び生産性の観点から、浸漬塗布が好ましい。
以下、支持体および各層について説明する。
<支持体>
本発明において、電子写真感光体は、支持体を有する。支持体としては、導電性のもの(導電性支持体)が好ましい。また、支持体の形状としては、円筒状、ベルト状、シート状などが挙げられる。中でも、円筒状支持体であることが好ましい。また、支持体の表面に、陽極酸化などの電気化学的な処理や、ブラスト処理、切削処理などを施してもよい。
支持体の材質としては、金属、樹脂、ガラスなどが好ましい。
金属としては、アルミニウム、鉄、ニッケル、銅、金、ステンレスや、これらの合金などが挙げられる。中でも、アルミニウムを用いたアルミニウム製支持体であることが好ましい。
また、樹脂やガラスには、導電性材料を混合又は被覆するなどの処理によって、導電性を付与してもよい。
<導電層>
本発明において、支持体の上に、導電層を設けてもよい。導電層を設けることで、支持体表面の傷や凹凸を隠蔽することや、支持体表面における光の反射を制御することができる。
導電層は、導電性粒子と、樹脂と、を含有することが好ましい。
導電性粒子の材質としては、金属酸化物、金属、カーボンブラックなどが挙げられる。
金属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化インジウム、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化アンチモン、酸化ビスマスなどが挙げられる。金属としては、アルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などが挙げられる。
これらの中でも、導電性粒子として、金属酸化物を用いることが好ましく、特に、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛を用いることがより好ましい。
導電性粒子として金属酸化物を用いる場合、金属酸化物の表面をシランカップリング剤などで処理したり、金属酸化物にリンやアルミニウムなどの元素やその酸化物をドーピングしたりしてもよい。
また、導電性粒子は、芯材粒子と、その粒子を被覆する被覆層とを有する積層構成としてもよい。芯材粒子としては、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛などが挙げられる。被覆層としては、酸化スズなどの金属酸化物が挙げられる。
また、導電性粒子として金属酸化物を用いる場合、その体積平均粒子径が、1nm以上500nm以下であることが好ましく、3nm以上400nm以下であることがより好ましい。
樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などが挙げられる。
また、導電層は、シリコーンオイル、樹脂粒子、酸化チタンなどの隠蔽剤などを更に含有してもよい。
導電層の平均膜厚は、1μm以上50μm以下であることが好ましく、3μm以上40μm以下であることが特に好ましい。
導電層は、上述の各材料及び溶剤を含有する導電層用塗布液を調製し、この塗膜を支持体上に形成し、乾燥させることで形成することができる。塗布液に用いる溶剤としては、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤などが挙げられる。導電層用塗布液中で導電性粒子を分散させるための分散方法としては、ペイントシェーカー、サンドミル、ボールミル、液衝突型高速分散機を用いた方法が挙げられる。
<下引き層>
本発明において、支持体又は導電層の上に、下引き層を設けてもよい。下引き層を設けることで、層間の接着機能が高まり、電荷注入阻止機能を付与することができる。
下引き層は、樹脂を含有することが好ましい。また、重合性官能基を有するモノマーを含有する組成物を重合することで硬化膜として下引き層を形成してもよい。
樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリビニルフェノール樹脂、アルキッド樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリエチレンオキシド樹脂、ポリプロピレンオキシド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミド酸樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、セルロース樹脂などが挙げられる。
重合性官能基を有するモノマーが有する重合性官能基としては、イソシアネート基、ブロックイソシアネート基、メチロール基、アルキル化メチロール基、エポキシ基、金属アルコキシド基、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基、チオール基、カルボン酸無水物基、炭素-炭素二重結合基などが挙げられる。
これらの中でも、ポリアミド樹脂が好ましく、アルコール系溶剤に可溶なポリアミド樹脂が好ましい。例えば、3元系(6-66-610)共重合ポリアミド、4元系(6-66-610-12)共重合ポリアミド、N-メトキシメチル化ナイロン、重合脂肪酸系ポリアミド、重合脂肪酸系ポリアミドブロック共重合体、ジアミン成分を有する共重合ポリアミドなどが好ましく用いられる。
また、下引き層は、電気特性を高める目的で、電子輸送物質、金属酸化物、金属、導電性高分子などを更に含有してもよい。これらの中でも、電子輸送物質、金属酸化物を用いることが低電界においても電荷発生層中の電荷の引き抜き効果が得られるため好ましい。
電子輸送物質としては、キノン化合物、イミド化合物、ベンズイミダゾール化合物、シクロペンタジエニリデン化合物、フルオレノン化合物、キサントン化合物、ベンゾフェノン化合物、シアノビニル化合物、ハロゲン化アリール化合物、シロール化合物、含ホウ素化合物などが挙げられる。電子輸送物質として、重合性官能基を有する電子輸送物質を用い、上述の重合性官能基を有するモノマーと共重合させることで、硬化膜として下引き層を形成してもよい。
金属酸化物としては、酸化インジウムスズ、酸化スズ、酸化インジウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素などが挙げられる。金属としては、金、銀、アルミなどが挙げられる。
これらの中でも酸化チタンが好ましく、電荷の蓄積の抑制という観点から、結晶構造がルチル型またはアナターゼ型であることが好ましく、光触媒活性の弱いルチル型であることがより好ましい。結晶構造がルチル型である場合、ルチル化率90%以上であることが好ましい。酸化チタン粒子の形状は球形であることが好ましく、その平均一次粒径は、電荷の蓄積の抑制と均一分散性という観点から、10nm以上100nm以下であることが好ましく、30nm以上60nm以下であることがより好ましい。酸化チタン粒子は均一分散性という観点からシランカップリング剤などで処理をしてもよい。
酸化チタン粒子がビニルシランで表面処理されていると、低電界においても電荷発生層中の電荷の引き抜き効果が得られるため好ましい。
また、下引き層は、添加剤を更に含有してもよい。
下引き層の平均膜厚は、0.1μm以上10μm以下であることが好ましく、0.2μm以上5μm以下であることがより好ましく、0.3μm以上3μm以下であることが特に好ましい。
下引き層は、上述の各材料及び溶剤を含有する下引き層用塗布液を調製し、この塗膜を支持体又は導電層の上に形成し、乾燥及び/又は硬化させることで形成することができる。塗布液に用いる溶剤としては、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤などが挙げられる。
<電荷発生層>
電荷発生層は、電荷発生物質と、樹脂と、を含有することが好ましい。
電荷発生物質としては、アゾ顔料、ペリレン顔料、多環キノン顔料、インジゴ顔料、フタロシアニン顔料などが挙げられる。これらの中でも、フタロシアニン顔料が好ましい。フタロシアニン顔料の中でも、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料が好ましい。
ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の中でも、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおけるブラッグ角2θの7.4°±0.3°及び28.2°±0.3°にピークを示す結晶型の結晶粒子を有することが好ましい。図2にヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のX線回折スペクトルの例を示す。
特に厚膜で高感度を達成させ、低電界下における電荷発生層中の滞留電荷を低減させるためには、該7.4°±0.3°におけるピークの角度θ[°]及び積分幅β[°]と、該28.2°±0.3°におけるピークの角度θ[°]及び積分幅β[°]とから下記式(4)で求められるAが0.8以下であるヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を用いることが好ましい。
Figure 2023024116000005
Aが0.8以下であると、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の結晶粒子中に滞留する電荷が低減され、本願の効果が得られやすいと推測している。
更に、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料が、下記式(A1)で示されるアミド化合物をその粒子内に含有する結晶粒子を有することが、より好ましい。式(A1)で示されるアミド化合物としては、N-メチルホルムアミド、N-プロピルホルムアミド、又は、N-ビニルホルムアミドが挙げられる。
Figure 2023024116000006
上記式(A1)中、Rは、メチル基、プロピル基、又はビニル基を示す。
また、前記結晶粒子内に含有される前記式(A1)で示されるアミド化合物の含有量が、前記結晶粒子の含有量に対して、0.1質量%以上3.0質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上1.4質量%以下であることがより好ましい。アミド化合物の含有量が0.1質量%以上3.0質量%以下であることにより、結晶粒子のサイズを適切な大きさで揃えることができる。式(A1)で示されるアミド化合物を結晶粒子内に含有するフタロシアニン顔料は、アシッドペースティング法により得られたフタロシアニン顔料、及び上記式(A1)で示されるアミド化合物を湿式ミリング処理により結晶変換する工程により得られる。
ミリング処理において分散剤を用いる場合、その分散剤の量は、質量基準でフタロシアニン顔料の10~50倍が好ましい。また、用いられる溶剤としては、例えば、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、上記式(A1)で示される化合物、N-メチルアセトアミド、N-メチルプロピオアミドなどのアミド系溶剤、クロロホルムなどのハロゲン系溶剤、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶剤、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶剤などが挙げられる。また、溶剤の使用量は、質量基準でフタロシアニン顔料の5~30倍が好ましい。
本発明の電子写真感光体に含有されるフタロシアニン顔料の粉末X線回折測定は、次の条件で行ったものである。
(粉末X線回折測定)
使用測定機:理学電気(株)製、X線回折装置RINT-TTRII
X線管球:Cu
X線波長:Kα1
管電圧:50KV
管電流:300mA
スキャン方法:2θスキャン
スキャン速度:4.0°/min
サンプリング間隔:0.02°
スタート角度(2θ):5.0°
ストップ角度(2θ):35.0°
ゴニオメータ:ローター水平ゴニオメータ(TTR-2)
アタッチメント:キャピラリ回転試料台
フィルター:なし
検出器:シンチレーションカウンター
インシデントモノクロ:使用する
スリット:可変スリット(平行ビーム法)
カウンターモノクロメータ:不使用
発散スリット:開放
発散縦制限スリット:10.00mm
散乱スリット:開放
受光スリット:開放
電荷発生層中の電荷発生物質の含有量は、電荷発生層の全質量に対して、50質量%以上85質量%以下であることが好ましく、65質量%以上75質量%以下であることがより好ましい。電荷発生層中の電荷発生物質の含有量が50質量%より少ないと電荷発生物質の粒子と粒子の接触が減り特に低電界下において電荷移動が不十分になる場合があり、85質量%より多いと電荷発生物質の粒子間に結着樹脂が十分に存在できなくなることにより、電荷の溜まるポイントになる可能性があるため、電界強度依存性を表す一次近似直線の傾きαが大きくなる場合がある。
樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、セルロース樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂などが挙げられる。これらの中でも、ポリビニルブチラール樹脂がより好ましい。
また、電荷発生層は、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの添加剤を更に含有してもよい。具体的には、ヒンダードフェノール化合物、ヒンダードアミン化合物、硫黄化合物、リン化合物、ベンゾフェノン化合物、などが挙げられる。
本発明の電荷発生層の平均膜厚は、0.2μm以上である。
電荷発生層は、上述の各材料及び溶剤を含有する電荷発生層用塗布液を調製し、この塗膜を支持体又は導電層あるいは下引き層の上に形成し、乾燥させることで形成することができる。塗布液に用いる溶剤としては、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤などが挙げられる。
<電荷輸送層>
電荷輸送層は、電荷輸送物質と、樹脂と、を含有することが好ましい。
電荷輸送物質としては、例えば、多環芳香族化合物、複素環化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、エナミン化合物、ベンジジン化合物、トリアリールアミン化合物や、これらの物質から誘導される基を有する樹脂などが挙げられる。これらの中でも、本願の効果を得るにはイオン化ポテンシャルが5.2eV以上5.4eV以下であることが好ましい。イオン化ポテンシャルが5.2eVより小さいと電界強度依存性を表すαが大きく耐久後にメモリ現象が悪化する場合があり、5.4eVより大きいと、残電が上がる場合があった。
イオン化ポテンシャルの測定は、理研計器(株)製の大気中光電子分光装置(商品名:AC-2)を用いて、電子を放出する閾値エネルギーを測定してイオン化ポテンシャルを測定した。
電荷輸送層中の電荷輸送物質の含有量は、電荷輸送層の全質量に対して、25質量%以上70質量%以下であることが好ましく、30質量%以上55質量%以下であることがより好ましい。
樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂などが挙げられる。これらの中でも、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂が好ましい。ポリエステル樹脂としては、特にポリアリレート樹脂が好ましい。
電荷輸送物質と樹脂との含有量比(質量比)は、4:10~20:10が好ましく、5:10~12:10がより好ましい。
また、電荷輸送層は、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、レベリング剤、滑り性付与剤、耐摩耗性向上剤などの添加剤を含有してもよい。具体的には、ヒンダードフェノール化合物、ヒンダードアミン化合物、硫黄化合物、リン化合物、ベンゾフェノン化合物、シロキサン変性樹脂、シリコーンオイル、フッ素樹脂粒子、ポリスチレン樹脂粒子、ポリエチレン樹脂粒子、シリカ粒子、アルミナ粒子、窒化ホウ素粒子などが挙げられる。
電荷輸送層の平均膜厚は、5μm以上50μm以下であることが好ましく、8μm以上40μm以下であることがより好ましく、10μm以上30μm以下であることが特に好ましい。
電荷輸送層は、上述の各材料及び溶剤を含有する電荷輸送層用塗布液を調製し、この塗膜を電荷発生層の上に形成し、乾燥させることで形成することができる。塗布液に用いる溶剤としては、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤が挙げられる。これらの溶剤の中でも、エーテル系溶剤または芳香族炭化水素系溶剤が好ましい。
<保護層>
本発明において、感光層の上に、保護層を設けてもよい。保護層を設けることで、耐久性を向上することができる。
保護層は、導電性粒子及び/又は電荷輸送物質と、樹脂とを含有することが好ましい。
導電性粒子としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物の粒子が挙げられる。
電荷輸送物質としては、多環芳香族化合物、複素環化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、エナミン化合物、ベンジジン化合物、トリアリールアミン化合物や、これらの物質から誘導される基を有する樹脂などが挙げられる。これらの中でも、トリアリールアミン化合物、ベンジジン化合物が好ましい。
樹脂としては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。中でも、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂が好ましい。
また、保護層は、重合性官能基を有するモノマーを含有する組成物を重合することで硬化膜として形成してもよい。その際の反応としては、熱重合反応、光重合反応、放射線重合反応などが挙げられる。重合性官能基を有するモノマーが有する重合性官能基としては、アクリル基、メタクリル基などが挙げられる。重合性官能基を有するモノマーとして、電荷輸送能を有する材料を用いてもよい。
保護層は、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、レベリング剤、滑り性付与剤、耐摩耗性向上剤、などの添加剤を含有してもよい。具体的には、ヒンダードフェノール化合物、ヒンダードアミン化合物、硫黄化合物、リン化合物、ベンゾフェノン化合物、シロキサン変性樹脂、シリコーンオイル、フッ素樹脂粒子、ポリスチレン樹脂粒子、ポリエチレン樹脂粒子、シリカ粒子、アルミナ粒子、窒化ホウ素粒子などが挙げられる。
保護層の平均膜厚は、0.5μm以上10μm以下であることが好ましく、1μm以上7μm以下であることがより好ましい。
保護層は、上述の各材料及び溶剤を含有する保護層用塗布液を調製し、この塗膜を感光層の上に形成し、乾燥及び/又は硬化させることで形成することができる。塗布液に用いる溶剤としては、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、スルホキシド系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤が挙げられる。
[プロセスカートリッジ、電子写真装置]
本発明のプロセスカートリッジは、これまで述べてきた電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段及びクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とする。
また、本発明の電子写真装置は、これまで述べてきた電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段及び転写手段を有することを特徴とする。
図1に、電子写真感光体を備えたプロセスカートリッジを有する電子写真装置の概略構成の一例を示す。
1は円筒状の電子写真感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。電子写真感光体1の表面は、帯電手段3により、正又は負の所定電位に帯電される。尚、図1においては、ローラ型帯電部材によるローラ帯電方式を示しているが、コロナ帯電方式、近接帯電方式、注入帯電方式などの帯電方式を採用してもよい。帯電された電子写真感光体1の表面には、露光手段(不図示)から露光光4が照射され、目的の画像情報に対応した静電潜像が形成される。電子写真感光体1の表面に形成された静電潜像は、現像手段5内に収容されたトナーで現像され、電子写真感光体1の表面にはトナー像が形成される。電子写真感光体1の表面に形成されたトナー像は、転写手段6により、転写材7に転写される。トナー像が転写された転写材7は、定着手段8へ搬送され、トナー像の定着処理を受け、電子写真装置の外へプリントアウトされる。電子写真装置は、転写後の電子写真感光体1の表面に残ったトナーなどの付着物を除去するための、クリーニング手段9を有していてもよい。また、クリーニング手段を別途設けず、上記付着物を現像手段などで除去する、所謂、クリーナーレスシステムを用いてもよい。電子写真装置は、電子写真感光体1の表面を、前露光手段(不図示)からの前露光光10により除電処理する除電機構を有していてもよい。また、本発明のプロセスカートリッジ11を電子写真装置本体に着脱するために、レールなどの案内手段12を設けてもよい。
本発明の電子写真感光体は、レーザービームプリンター、LEDプリンター、複写機、ファクシミリ、及び、これらの複合機などに用いることができる。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明を更に詳細に説明する。本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって何ら限定されるものではない。尚、以下の実施例の記載において、「部」とあるのは特に断りのない限り質量基準である。
[フタロシアニン顔料の合成]
[合成例1]
窒素フローの雰囲気下、オルトフタロニトリル5.46部及びα-クロロナフタレン45部を反応釜に投入した後、加熱し、温度30℃まで昇温させ、この温度を維持した。次に、この温度(30℃)で三塩化ガリウム3.75部を投入した。投入時の混合液の水分濃度は150ppmであった。その後、温度200℃まで昇温させた。次に、窒素フローの雰囲気下、温度200℃で4.5時間反応させた後、冷却し、温度150℃に達したときに生成物を濾過した。得られた濾過物をN,N-ジメチルホルムアミドを用いて温度140℃で2時間分散洗浄した後、濾過した。得られた濾過物をメタノールで洗浄した後、乾燥させ、クロロガリウムフタロシアニン顔料を収率71%で得た。
[合成例2]
前記合成例1で得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料4.65部を、温度10℃で濃硫酸139.5部に溶解させ、攪拌下、氷水620部中に滴下して再析出させて、フィルタープレスを用いて減圧濾過した。このときにフィルターとして、No.5C(アドバンテック社製)を用いた。得られたウエットケーキ(濾過物)を2%アンモニア水で30分間分散洗浄した後、フィルタープレスを用いて濾過した。次いで、得られたウエットケーキ(濾過物)をイオン交換水で分散洗浄した後、フィルタープレスを用いた濾過を3回繰り返した。最後にフリーズドライ(凍結乾燥)を行い、固形分23%のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料(含水ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料)を収率97%で得た。
[合成例3]
前記合成例2で得られた含水ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料6.6kgをハイパー・ドライ乾燥機(商品名:HD-06R、周波数(発振周波数):2455MHz±15MHz、日本バイオコン製)を用いて以下のように乾燥させた。
上記ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を、専用円形プラスチックトレイにフィルタープレスから取り出したままの固まりの状態(含水ケーキ厚4cm以下)で載せ、遠赤外線はオフ、乾燥機の内壁の温度は50℃になるように設定した。そして、マイクロ波照射時は真空ポンプとリークバルブを調整し、真空度を4.0~10.0kPaに調整した。
先ず、第1工程として、4.8kWのマイクロ波をヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料に50分間照射し、次に、マイクロ波を一旦オフにしてリークバルブを一旦閉じて2kPa以下の高真空にした。この時点でのヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の固形分は88%であった。第2工程として、リークバルブを調整し、真空度(乾燥機内の圧力)を上記設定値内(4.0~10.0kPa)に調整した。その後、1.2kWのマイクロ波をヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料に5分間照射し、また、マイクロ波を一旦オフにしてリークバルブを一旦閉じて2kPa以下の高真空にした。この第2工程を更に1回繰り返した(計2回)。この時点でのヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の固形分は98%であった。更に第3工程として、第2工程でのマイクロ波の出力を1.2kWから0.8kWに変更した以外は第2工程と同様にしてマイクロ波照射を行った。この第3工程を更に1回繰り返した(計2回)。更に第4工程として、リークバルブを調整し、真空度(乾燥機内の圧力)を上記設定値内(4.0~10.0kPa)に復圧した。その後、0.4kWのマイクロ波をヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料に3分間照射し、また、マイクロ波を一旦オフにしてリークバルブを一旦閉じて2kPa以下の高真空にした。この第4工程を更に7回繰り返した(計8回)。以上、合計3時間で、含水率1%以下のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料(結晶)を1.52kg得た。
[合成例4]
1,3-ジイミノイソインドリン30部及び三塩化ガリウム9.1部をジメチルスルホキシド230部に加え、160℃で6時間攪拌しながら反応させて赤紫色顔料を得た。得られた顔料をジメチルスルホキシドで洗浄した後、イオン交換水で洗浄し、乾燥してクロロガリウムフタロシアニン顔料28部を得た。
[合成例5]
前記合成例4で得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料10部を60℃に加熱した硫酸(濃度97%)300部に十分に溶解したものを、25%アンモニア水600部とイオン交換水200部との混合溶液中に滴下した。析出した顔料を濾過により採取し、更にN,N-ジメチルホルムアミド及びイオン交換水で洗浄し、乾燥してヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料8部を得た。
[実施例1]
<支持体>
直径24mm、長さ257mmのアルミニウムシリンダーを支持体(導電性の円筒状の支持体)とした。
<導電層>
基体として、一次粒径の平均が200nmのアナターゼ型酸化チタンを使用し、チタンをTiO換算で33.7部、ニオブをNb換算で2.9部含有するチタンニオブ硫酸溶液を調製した。基体100部を純水に分散して1000部の懸濁液とし、60℃に加温した。チタンニオブ硫酸溶液と10mol/L水酸化ナトリウムとを懸濁液のpHが2~3になるよう3時間かけて滴下した。全量滴下後、pHを中性付近に調製し、ポリアクリルアミド系凝集剤を添加して固形分を沈降させた。上澄みを除去し、ろ過及び洗浄し、110℃で乾燥し、凝集剤由来の有機物をC換算で0.1wt%含有する中間体を得た。この中間体を窒素中750℃で1時間焼成を行った後、空気中450℃で焼成して、酸化チタン粒子1を作製した。得られた粒子は走査電子顕微鏡を用いた粒径測定方法において、平均粒径(平均一次粒径)220nmであった。
続いて、結着材料としてのフェノール樹脂(フェノール樹脂のモノマー/オリゴマー)(商品名:プライオーフェンJ-325、DIC製、樹脂固形分:60%、硬化後の密度:1.3g/cm)50部を、溶剤としての1-メトキシ-2-プロパノール35部に溶解させて溶液を得た。
この溶液に酸化チタン粒子1を60部加え、これを分散媒体として平均粒径1.0mmのガラスビーズ120部を用いた縦型サンドミルに入れ、分散液温度23±3℃、回転数1500rpm(周速5.5m/s)の条件で4時間分散処理を行い、分散液を得た。この分散液からメッシュでガラスビーズを取り除いた。ガラスビーズを取り除いた後の分散液に、レベリング剤としてシリコーンオイル(商品名:SH28 PAINT ADDITIVE、東レ・ダウコーニング製)0.01部、及び、表面粗さ付与材としてシリコーン樹脂粒子(商品名:KMP-590、信越化学工業製、平均粒径:2μm、密度:1.3g/cm)8部を添加して攪拌し、PTFE濾紙(商品名:PF060、アドバンテック東洋製)を用いて加圧ろ過することによって、導電層用塗布液を調製した。
このようにして調製した導電層用塗布液を上述の支持体上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を150℃で20分間加熱し硬化させることにより、膜厚が15μmの導電層を形成した。
<下引き層>
ルチル型酸化チタン粒子(平均一次粒径:50nm、テイカ製)100部をトルエン500部と攪拌混合し、ビニルトリメトキシシラン(商品名:KBM-1003、信越化学製)3.0部を添加し、8時間攪拌した。その後、トルエンを減圧蒸留にて留去し、3時間120℃で乾燥させることによって、ビニルトリメトキシシランで表面処理済みのルチル型酸化チタン粒子を得た。
前記ビニルトリメトキシシランで表面処理済みのルチル型酸化チタン粒子18部、N-メトキシメチル化ナイロン(商品名:トレジンEF-30T、ナガセケムテックス製)4.5部、共重合ナイロン樹脂(商品名:アミランCM8000、東レ製)1.5部を、メタノール90部と1-ブタノール60部の混合溶剤に加えて分散液を調製した。この分散液を、直径1.0mmのガラスビーズを用いて縦型サンドミルにて6時間分散処理を行うことにより下引き層用塗布液を調製した。
下引き層用塗布液を上述の導電層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を温度100℃で10分間加熱乾燥することにより、膜厚が1μmの下引き層を形成した。
<電荷発生層>
次に、合成例3で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料0.5部、N-メチルホルムアミド(製品コード:F0059、東京化成工業製)9.5部、直径0.9mmのガラスビーズ15部を室温(23℃)下で6時間、ペイントシェーカ(東洋精機製作所製)を用いてミリング処理した(一段階目)。この際、容器は規格びん(製品名:PS-6、柏洋硝子製)を用いた。こうしてミリング処理した液をフィルター(品番:N-NO.125T、孔径:133μm、NBCメッシュテック製)で濾過してガラスビーズを取り除いた。この液を室温(23℃)下で40時間、ボールミルでミリング処理した(二段階目)。この際、容器は規格びん(製品名:PS-6、柏洋硝子製)を用い、容器が1分間に120回転する条件で行った。また、このミリング処理においてガラスビーズ等のメディアは用いなかった。こうして処理した液にN-メチルホルムアミドを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を0.46部得た。
得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料はCuKα線を用いたX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角2θの7.4°±0.3°、9.9°±0.3°、16.2°±0.3°、18.6°±0.3°、25.2°±0.3°及び28.2°±0.3°にピークを有する。5°~35°の範囲において最も高強度の回折ピークである7.4°±0.3°、及び28.2°±0.3°のピークから見積もられた結晶相関長はそれぞれr=31[nm]、r=19[nm]であった。したがって式(4)で求められるAの値は0.60である。続いて、前記ミリング処理で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料20部、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX-1、積水化学工業製)10部、シクロヘキサノン190部、直径0.9mmのガラスビーズ482部を冷却水温度18℃下で4時間、サンドミル(K-800、五十嵐機械製造(現アイメックス)製、ディスク径70mm、ディスク枚数5枚)を用いて分散処理した。この際、ディスクが1分間に1,800回転する条件で行った。この分散液にシクロヘキサノン444部及び酢酸エチル634部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を上述の下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を100℃で10分間加熱乾燥させることにより、膜厚が0.23μmの電荷発生層を形成した。
<電荷輸送層>
電荷輸送物質として、下記式(B-1)で示されるイオン化ポテンシャル5.4eVの電荷輸送物質6部、
Figure 2023024116000007
下記式(B-2)で示されるイオン化ポテンシャル5.3eVの電荷輸送物質化合物4部、
Figure 2023024116000008
ポリカーボネート(商品名:ユーピロンZ-400、三菱エンジニアリングプラスチックス製)10部をオルトキシレン25部/安息香酸メチル25部/ジメトキシメタン25部の混合溶剤に溶解させることによって、電荷輸送層用塗布液を調製した。
このようにして調製した電荷輸送層用塗布液を上述の電荷発生層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を温度120℃で30分間加熱乾燥することにより、膜厚が25μmの電荷輸送層を形成した。
このようにして作製した電子写真感光体を用いて、温度23.5℃、相対湿度50%RHの環境下において、Pe、α、η、及びVrを前述の方法で測定し、以下のメモリ評価方法に基づき、電子写真感光体の評価を行った。その結果を、表1に示す。
(メモリの評価)
評価用の電子写真装置として、ヒューレットパッカード社製のレーザービームプリンター(商品名:Laser Jet Enterprise M653)を用意し、前露光をなくし、プロセススピード、帯電ローラへの印加電圧、像露光量を調節できるよう改造した。
改造としては、プロセススピードを200mm/sに変更し、暗部電位が-500Vになるようにし、露光光(画像露光光)の光量が可変となるようにした。
詳しくは以下のとおりである。
温度23℃、湿度50%RHの環境下にて、上記レーザービームプリンターのシアン色用のプロセスカートリッジを改造し、現像位置に電位プローブ(model6000B-8:トレック・ジャパン(株)製)を装着し、ポジゴーストおよび電位変動評価用の電子写真感光体を装着して、電子写真感光体の中央部の電位を表面電位計(model344:トレック・ジャパン(株)製)を使用して測定した。電子写真感光体の表面電位は、暗部電位(Vd)が-500V、明部電位(Vl)が-100Vになるよう、露光光量を設定した。
次いで、上記レーザービームプリンターのシアン色用のプロセスカートリッジに、上述の電子写真感光体を装着して、そのプロセスカートリッジをシアンのプロセスカートリッジのステーションに装着し、画像を出力した。まず、ベタ白画像1枚、ゴースト評価用画像5枚、ベタ黒画像1枚、ゴースト評価用画像5枚の順に連続して画像出力を行った。
ゴースト評価用画像は図5(A)に示すように、画像の先頭部に「白画像」中に四角の「ベタ画像」を出した後、図5(B)に示す「1ドット桂馬パターンのハーフトーン画像」を作成したものである。なお、図5(A)中、「ゴースト」部は、「ベタ画像」に起因するゴーストが出現し得る部分である。
ポジゴーストの評価は、1ドット桂馬パターンのハーフトーン画像の画像濃度と、ゴースト部の画像濃度との濃度差を測定することで行った。分光濃度計(商品名:X-Rite504/508、X-Rite(株)製)で、1枚のゴースト評価用画像中で濃度差を10点測定した。この操作をゴースト評価用画像10枚すべてで行い、合計100点の平均を算出した。ハーフトーン画像の画像濃度とゴースト部の濃度差を元にしたメモリの評価基準は以下の通りである。なお、メモリ評価は、初期メモリと画像出力後の耐久後メモリを評価した。
本発明においては、A、B及びC評価のものを本発明の効果が得られたものとする。評価結果を表1に示す。
A:濃度差0.00以上0.01未満 見た目に差がみられない
B:濃度差0.01以上0.03未満 見た目にほとんど差がみられない
C:濃度差0.03以上0.05未満 見た目にうっすら差がある
D:濃度差0.05以上0.08未満 見た目に明らかな差がある
E:濃度差0.08以上 見た目に大きな差がある
[実施例2]
実施例1の電荷発生層用塗布液の調製において、二段階目のボールミルで40時間のミリング処理を100時間に変更したこと以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、作製した電子写真感光体を用いて、温度23.5℃、相対湿度50%RHの環境下において、Pe、α、η、及びVrを前述の方法で測定し、前述のメモリ評価方法に基づき、電子写真感光体を評価した。結果を、表1に示す。得られたフタロシアニン顔料の式(4)で求められるAの値は0.7であった。
[実施例3]
実施例1の電荷発生層用塗布液の調製において、ミリング処理を以下のように変更したこと以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、作製した電子写真感光体を用いて、温度23.5℃、相対湿度50%RHの環境下において、Pe、α、η、及びVrを前述の方法で測定し、前述のメモリ評価方法に基づき、電子写真感光体を評価した。結果を、表1に示す。
(電荷発生層用塗布液の調製)
合成例3で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料1部を減圧乾燥し、含水率が6000ppmの顔料を得た。次に、得られた顔料を、N-メチルホルムアミド(製品コード:F0059、東京化成工業製)9部、直径0.9mmのガラスビーズ15部を冷却水温度18℃下で43時間、サンドミル(K-800、五十嵐機械製造(現アイメックス)製、ディスク径70mm、ディスク枚数5枚)を用いてミリング処理した。この際、ディスクが1分間に200回転する条件で行った。また、投入前のN-メチルホルムアミドの含水率は1000ppmだったので、系内水分量は1550ppmである。こうして処理した液にN-メチルホルムアミドを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を0.45部得た。得られたフタロシアニン顔料の式(4)で求められるAの値は0.8であった。
[実施例4]
実施例1の電荷発生層用塗布液の調製において、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を得る工程を以下のように変更したこと以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、作製した電子写真感光体を用いて、温度23.5℃、相対湿度50%RHの環境下において、Pe、α、η、及びVrを前述の方法で測定し、前述のメモリ評価方法に基づき、電子写真感光体を評価した。結果を、表1に示す。
(電荷発生層用塗布液の調製)
合成例5で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料0.5部、N,N-ジメチルホルムアミド(製品コード:D0722、東京化成工業製)8部を温度30℃下で24時間、マグネティックスターラでミリング処理した(一段階目)。この際、容器は規格びん(製品名:PS-6、柏洋硝子製)を用い、回転子が1分間に1,500回転する条件で行った。こうして処理した液にN,N-ジメチルホルムアミドを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をイオン交換水で十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を0.45部得た。続いて、得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料0.5部、直径5.0mmのジルコニアビーズ5部を室温(23℃)下で5分間、小型振動ミル(MB-0型、中央化工機製)を用いてミリング処理した(二段階目)。この際、容器はアルミナ製ポットを用いた。こうして、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を0.48部得た。得られたフタロシアニン顔料の式(4)で求められるAの値は0.83であった。
[実施例5]
実施例1の電荷発生層用塗布液の調製において、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を得る工程を以下のように変更したこと以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、作製した電子写真感光体を用いて、温度23.5℃、相対湿度50%RHの環境下において、Pe、α、η、及びVrを前述の方法で測定し、前述のメモリ評価方法に基づき、電子写真感光体を評価した。結果を、表1に示す。
(電荷発生層用塗布液の調製)
合成例3で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料1部、N-メチルホルムアミド(製品コード:F0059、東京化成工業製)9部、直径0.9mmのガラスビーズ15部を冷却水温度18℃下で70時間、サンドミル(K-800、五十嵐機械製造(現アイメックス)製、ディスク径70mm、ディスク枚数5枚)を用いてミリング処理した。この際、ディスクが1分間に400回転する条件で行った。こうして処理した液にN-メチルホルムアミドを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を0.45部得た。得られたフタロシアニン顔料の式(4)で求められるAの値は0.5であった。
[実施例6]
実施例1の電荷発生層用塗布液の調製においてミリング処理で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料20部を25部に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、作製した電子写真感光体を用いて、温度23.5℃、相対湿度50%RHの環境下において、Pe、α、η、及びVrを前述の方法で測定し、前述のメモリ評価方法に基づき、電子写真感光体を評価した。結果を、表1に示す。
[実施例7~9]
実施例1の電荷発生層用塗布液の調製においてミリング処理で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料20部を30部、18部、15部に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、作製した電子写真感光体を用いて、温度23.5℃、相対湿度50%RHの環境下において、Pe、α、η、及びVrを前述の方法で測定し、前述のメモリ評価方法に基づき、電子写真感光体を評価した。結果を、表1に示す。
[実施例10~13]
実施例1の電荷発生層の膜厚を0.23μmから0.20μm、0.25μm、0.30μm、0.40μmに変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、作製した電子写真感光体を用いて、温度23.5℃、相対湿度50%RHの環境下において、Pe、α、η、及びVrを前述の方法で測定し、前述のメモリ評価方法に基づき、電子写真感光体を評価した。結果を、表1に示す。
[実施例14]
実施例1の電荷輸送層用塗布液を以下のように調製した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、作製した電子写真感光体を用いて、温度23.5℃、相対湿度50%RHの環境下において、Pe、α、η、及びVrを前述の方法で測定し、前述のメモリ評価方法に基づき、電子写真感光体を評価した。結果を、表1に示す。
(電荷輸送層用塗布液)
電荷輸送物質として、下記式(B-3)で示されるイオン化ポテンシャル5.5eVの電荷輸送物質10部、
Figure 2023024116000009
ポリカーボネート(商品名:ユーピロンZ-400、三菱エンジニアリングプラスチックス製)10部をオルトキシレン50部/THF25部の混合溶剤に溶解させることによって、電荷輸送層用塗布液を調製した。
[実施例15]
実施例1の電荷輸送層用塗布液を以下のように調製した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、作製した電子写真感光体を用いて、温度23.5℃、相対湿度50%RHの環境下において、Pe、α、η、及びVrを前述の方法で測定し、前述のメモリ評価方法に基づき、電子写真感光体を評価した。結果を、表1に示す。
(電荷輸送層用塗布液)
電荷輸送物質として、下記式(B-4)で示されるイオン化ポテンシャル5.5eVの電荷輸送物質10部、
Figure 2023024116000010
ポリカーボネート(商品名:ユーピロンZ-400、三菱エンジニアリングプラスチックス製)10部をオルトキシレン25部/安息香酸メチル25部/ジメトキシメタン25部の混合溶剤に溶解させることによって、電荷輸送層用塗布液を調製した。
[実施例16]
実施例15の電荷輸送物質(B-4)を電荷輸送物質(B-1)に変更した以外は実施例15と同様にして電子写真感光体を作製し、作製した電子写真感光体を用いて、温度23.5℃、相対湿度50%RHの環境下において、Pe、α、η、及びVrを前述の方法で測定し、前述のメモリ評価方法に基づき、電子写真感光体を評価した。結果を、表1に示す。
[実施例17]
実施例15の電荷輸送物質(B-4)を電荷輸送物質(B-2)に変更した以外は実施例15と同様にして電子写真感光体を作製し、作製した電子写真感光体を用いて、温度23.5℃、相対湿度50%RHの環境下において、Pe、α、η、及びVrを前述の方法で測定し、前述のメモリ評価方法に基づき、電子写真感光体を評価した。結果を、表1に示す。
[実施例18]
実施例1の下引き層用塗布液の調製においてビニルトリメトキシシランで表面処理済みのルチル型酸化チタン粒子12部を18部に変更した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、作製した電子写真感光体を用いて、温度23.5℃、相対湿度50%RHの環境下において、Pe、α、η、及びVrを前述の方法で測定し、前述のメモリ評価方法に基づき、電子写真感光体を評価した。結果を、表1に示す。
[実施例19]
実施例1の下引き層用塗布液を以下のように調製した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、作製した電子写真感光体を用いて、温度23.5℃、相対湿度50%RHの環境下において、Pe、α、η、及びVrを前述の方法で測定し、前述のメモリ評価方法に基づき、電子写真感光体を評価した。結果を、表1に示す。
(下引き層用塗布液)
ルチル型酸化チタン粒子(平均一次粒径:15nm、テイカ製)100部をトルエン500部と攪拌混合し、ビニルトリメトキシシラン(商品名:KBM-1003、信越化学製)9.6部を添加し、8時間攪拌した。その後、トルエンを減圧蒸留にて留去し、3時間120℃で乾燥させることによって、メチルジメトキシシランで表面処理済みのルチル型酸化チタン粒子を得た。
前記メチルジメトキシシランで表面処理済みのルチル型酸化チタン粒子6部、N-メトキシメチル化ナイロン(商品名:トレジンEF-30T、ナガセケムテックス製)4.5部、共重合ナイロン樹脂(商品名:アミランCM8000、東レ製)1.5部を、メタノール90部と1-ブタノール60部の混合溶剤に加えて分散液を調製した。この分散液を、直径1.0mmのガラスビーズを用いて縦型サンドミルにて6時間分散処理を行った。こうしてサンドミル分散処理を行った液に、その後さらに超音波分散機(UT-205、シャープ製)にて1時間分散処理を行うことにより下引き層用塗布液を調製した。
[実施例20]
実施例1の下引き層用塗布液の調製においてビニルトリメトキシシランをメチルジメトキシラン(東芝シリコーン社製「TSL8117」)に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、作製した電子写真感光体を用いて、温度23.5℃、相対湿度50%RHの環境下において、Pe、α、η、及びVrを前述の方法で測定し、前述のメモリ評価方法に基づき、電子写真感光体を評価した。結果を、表1に示す。
[実施例21]
実施例3の下引き層を以下のように作製した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、作製した電子写真感光体を用いて、温度23.5℃、相対湿度50%RHの環境下において、Pe、α、η、及びVrを前述の方法で測定し、前述のメモリ評価方法に基づき、電子写真感光体を評価した。結果を、表1に示す。
(下引き層用塗布液の調製)
N-メトキシメチル化ナイロン(商品名:トレジンEF-30T、ナガセケムテックス製)4.5部、共重合ナイロン樹脂(商品名:アミランCM8000、東レ製)1.5部を、メタノール65部と1-ブタノール30部の混合溶剤に溶解させることによって、下引き層用塗布液を調製した。
下引き層用塗布液を上述の導電層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を温度100℃で10分間加熱乾燥することにより、膜厚が0.4μmの下引き層を形成した。
[実施例22~27]
実施例1の電荷輸送層の膜厚を25μmから、15μm、20μm、23μm、30μm、35μm、40μmに変更した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、作製した電子写真感光体を用いて、温度23.5℃、相対湿度50%RHの環境下において、Pe、α、η、及びVrを前述の方法で測定し、前述のメモリ評価方法に基づき、電子写真感光体を評価した。結果を、表1に示す。
[実施例28]
実施例17の電荷輸送層用塗布液の調製において、ポリカーボネート10部を下記式(C-1)及び下記式(C-2)で示される構造単位を有し、(C-1)と(C-2)のモル比率が5/5である重量平均分子量が120,000であるポリエステル樹脂に変更した以外は実施例17と同様にして電子写真感光体を作製し、作製した電子写真感光体を用いて、温度23.5℃、相対湿度50%RHの環境下において、Pe、α、η、及びVrを前述の方法で測定し、前述のメモリ評価方法に基づき、電子写真感光体を評価した。結果を、表1に示す。
Figure 2023024116000011
Figure 2023024116000012
[比較例1]
実施例21の電荷輸送層用塗布液の調製において、電荷輸送材料(B-1)5部/電荷輸送材料(B-2)5部を下記式(B-5)で示されるイオン化ポテンシャル5.5eVの電荷輸送物質7部、
Figure 2023024116000013
下記式(B-6)で示されるイオン化ポテンシャル5.6eVの電荷輸送物質1部、
Figure 2023024116000014
に変更した以外は実施例21と同様にして電子写真感光体を作製し、作製した電子写真感光体を用いて、温度23.5℃、相対湿度50%RHの環境下において、Pe、α、η、及びVrを前述の方法で測定し、前述のメモリ評価方法に基づき、電子写真感光体を評価した。結果を、表1に示す。
[比較例2]
実施例1の電荷発生層の膜厚を0.23μmから0.15μmに変更し、電荷輸送層用塗布液の調製において、電荷輸送材料(B-5)5部/電荷輸送材料(B-6)5部に変更した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、作製した電子写真感光体を用いて、温度23.5℃、相対湿度50%RHの環境下において、Pe、α、η、及びVrを前述の方法で測定し、前述のメモリ評価方法に基づき、電子写真感光体を評価した。結果を、表1に示す。
[比較例3]
特開平09-114120号公報に記載の実施例2の下引き層、電荷発生層、電荷輸送層を、実施例1に記載の支持体上に作製した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、作製した電子写真感光体を用いて、温度23.5℃、相対湿度50%RHの環境下において、Pe、α、η、及びVrを前述の方法で測定し、前述のメモリ評価方法に基づき、電子写真感光体を評価した。結果を、表1に示す。
[比較例4]
特開平10-069109号公報に記載の実施例1の下引き層、電荷発生層、電荷輸送層を、実施例1に記載の支持体上に作製した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、作製した電子写真感光体を用いて、温度23.5℃、相対湿度50%RHの環境下において、Pe、α、η、及びVrを前述の方法で測定し、前述のメモリ評価方法に基づき、電子写真感光体を評価した。結果を、表1に示す。
[比較例5]
特開平11-184119号公報に記載の実施例2の下引き層、電荷発生層、電荷輸送層を、実施例1に記載の支持体上に作製した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、作製した電子写真感光体を用いて、温度23.5℃、相対湿度50%RHの環境下において、Pe、α、η、及びVrを前述の方法で測定し、前述のメモリ評価方法に基づき、電子写真感光体を評価した。結果を、表1に示す。
[比較例6]
特開平10-1415939号公報に記載の実施例2の下引き層、電荷発生層、電荷輸送層を、実施例1に記載の支持体上に作製した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、作製した電子写真感光体を用いて、温度23.5℃、相対湿度50%RHの環境下において、Pe、α、η、及びVrを前述の方法で測定し、前述のメモリ評価方法に基づき、電子写真感光体を評価した。結果を、表1に示す。
[比較例7]
特開平05-080544号公報に記載の実施例3の電荷発生層、電荷輸送層を、実施例1に記載の支持体上に作製した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、作製した電子写真感光体を用いて、温度23.5℃、相対湿度50%RHの環境下において、Pe、α、η、及びVrを前述の方法で測定し、前述のメモリ評価方法に基づき、電子写真感光体を評価した。結果を、表1に示す。
[比較例8]
特開2001-183852号公報に記載の処方-1の中間層、電荷発生層、電荷輸送層を、実施例1に記載の支持体上に作製した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、作製した電子写真感光体を用いて、温度23.5℃、相対湿度50%RHの環境下において、Pe、α、η、及びVrを前述の方法で測定し、前述のメモリ評価方法に基づき、電子写真感光体を評価した。結果を、表1に示す。
Figure 2023024116000015
1 電子写真感光体
2 軸
3 帯電手段
4 露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 転写材
8 定着手段
9 クリーニング手段
10 前露光光
11 プロセスカートリッジ
12 案内手段

Claims (11)

  1. 支持体、該支持体上の電荷発生層及び該電荷発生層上の電荷輸送層を有し、該電荷発生層の膜厚が0.2μm以上である電子写真感光体であって、
    温度23.5[℃]及び相対湿度50[%RH]において、該電子写真感光体を、
    (1)該電子写真感光体の表面電位を0[V]にし、
    (2)該電子写真感光体の表面電位の絶対値がVd[V]となるように該電子写真感光体を0.005秒間帯電させ、
    (3)帯電開始から0.02秒後に、波長が805[nm]で光量がIexp[μJ/cm]の光で帯電後の該電子写真感光体を露光し、
    (4)帯電開始から0.06秒後に、露光後の該電子写真感光体の表面電位の絶対値を測定してVexp[V]とした場合に、
    (1)~(4)の操作及び測定を、Iexpを0.000[μJ/cm]から1.000[μJ/cm]まで0.001[μJ/cm]の間隔で変化させながら繰り返し行って作成された、横軸が露光光の光量Iexpで縦軸が表面電位の絶対値Vexpであるグラフから得られる再結合定数Peと、電界強度Eと、の関係において、下記式(1)に示す電界強度Eが10~40V/μmにおける一次近似直線の傾きαの絶対値が4×10-3以下である
    ことを特徴とする電子写真感光体。
    Pe=α×E+γ (1)
    (前記式(1)及び下記式(2)中、Pe及びVrは、それぞれ、前記グラフのVexpがVd/2に低下するまでの範囲の前記グラフのデータ点から下記式(3)を用いて得られた量子効率をηとした場合に、下記式(2)から得られる再結合定数及び残電を表し、Eは、該Vdおよび該電荷輸送層の膜厚から得られる電界強度V/μmを表す。
    Figure 2023024116000016
    Figure 2023024116000017
    (前記式(2)および(3)において、eは電荷素量、dは感光層の膜厚、ηは量子効率、εは真空の誘電率、εは比誘電率、hはプランク定数、νは照射光の周波数である。))
  2. 前記一次近似直線の傾きαの絶対値が2×10-3以下である請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 電界強度が15V/μmであるときの前記式(2)から得られる再結合定数Peが0.7以下である請求項1または2に記載の電子写真感光体。
  4. 電界強度が15V/μmであるときの前記式(2)から得られる量子効率ηが0.4以上である請求項1~3のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  5. 電界強度が15V/μmであるときの前記式(2)から得られる残電Vrが20V以下である請求項1~4のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  6. 前記電荷発生層が、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を含有し、
    該ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料が、CuKα線を用いたX線回折スペクトル(ブラッグ角2θ)において、7.4°±0.3°及び28.2°±0.3°にそれぞれピークを有し、
    該7.4°±0.3°におけるピークの角度θ[°]及び積分幅β[°]と、該28.2°±0.3°におけるピークの角度θ[°]及び積分幅β[°]とから式(4)で求められるAが、0.8以下である
    請求項1~5のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
    Figure 2023024116000018
  7. 前記電荷発生層が、電荷発生物質を含有し、
    該電荷発生層の全質量に対する電荷発生物質が、65質量%以上75質量%以下である
    請求項1~6のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  8. 前記電荷輸送層が、電荷輸送物質を含有し、
    該電荷輸送物質のイオン化ポテンシャルが、5.2eV以上5.4eV以下である
    請求項1~6のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  9. 前記電子写真感光体が、前記電荷発生層の直下に下引き層を有し、
    該下引き層が、ビニルシランで表面処理された酸化チタンを含有する
    請求項1~6のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  10. 請求項1~9のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段及びクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置の本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  11. 請求項1~9のいずれか1項に記載の電子写真感光体、並びに、帯電手段、露光手段、現像手段及び転写手段を有する電子写真装置。
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