先ず、本発明における「結晶粒子」と「結晶相関長」について説明を行う。本発明において、フタロシアニン顔料の「結晶粒子」とは、フタロシアニン分子が集合して一体となった、フタロシアニン顔料の1次粒子である。図1に、フタロシアニン顔料の走査型電子顕微鏡(SEM)画像を示した。図1における塊1つ1つが結晶粒子である。詳細は後述するが、本発明において、フタロシアニン顔料の結晶粒子の粒度分布における体積平均直径を「結晶粒子のサイズR」と呼ぶ。また、粒度分布における各結晶粒子の直径を「結晶粒子のサイズRi」と呼ぶ。
本発明において、フタロシアニン顔料の「結晶相関長」とは、上記結晶粒子中におけるフタロシアニンの単結晶とみなせる領域の大きさである。結晶相関長は、局所的な結晶面間隔や結晶面方向の乱れとして定義される結晶歪みと、局所的には結晶歪みを持ちつつも大域的には結晶面間隔や結晶面方向が変わらない領域として定義した結晶子のサイズに依存する(参考文献:中井泉、泉富士夫「粉末X線解析の実際」朝倉書店P.63)。尚、図1のSEM画像からは結晶歪みや結晶子自体を識別することはできない。詳細は後述するが、本発明においては、フタロシアニン顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルから、シェラーの式を用いて算出した値「r」を「結晶相関長」として扱うものとする。
一般に、電子写真感光体の感度は量子効率と光吸収率の積で表される。本発明者らは、多数の実験結果から、量子効率及び光吸収率は前述の結晶粒子の粒度分布に依存性を持っていることを見出した。また、量子効率については前述の結晶相関長にも依存性を持っていることを見出し、結晶粒子の粒度分布と結晶相関長との間の関係を明らかにした。更に、これらの知見を活かして、フタロシアニン顔料を電荷発生物質として、薄膜の電荷発生層に含有させた場合の最適な結晶粒子の粒度分布及び結晶相関長の評価パラメータを見出し、実際に該評価パラメータで評価して作製したフタロシアニン顔料が高い感度を示すことを確認した。以下では、量子効率と光吸収率それぞれについて説明する。
電子写真感光体の電荷発生物質の量子効率ηは電界強度に依存し、その依存性はオンサーガ理論によってよく説明されることが知られている。それによると、十分大きい電界強度における量子効率がηmaxであるような電荷発生物質について、ある電界強度Eにおける量子効率ηは下式(E3)で表される(参考文献:P.M.Borsenberger and A.I.Ateya Hole photogeneration in poly(N−vinylcarbazole)J.Appl.Phys.49(7),July1978 P.4035)。
一方、積層型電子写真感光体の電荷発生層における光吸収率は電荷発生層の膜厚dに依存し、dが十分大きいときにはランベルト・ベールの法則に従う。電荷発生層の吸収係数をαとすると、光吸収率は下式(E6)で表される。
ここで、パラメータ:k=(結晶相関長r)/(結晶粒子のサイズR)について説明する。結晶相関長は結晶歪み及び結晶子間の界面が多い程小さいため、kが小さい程、結晶粒子の単位体積サイズ当たりに存在する結晶歪み及び結晶子間の界面の数は多くなる。したがって、パラメータkは上述した結晶粒子の単位体積当たりの結晶歪み及び結晶子間の界面と高い相関を示すのである。
本発明者らの実験によると、前述の評価パラメータが0.31以上であることが、本発明の効果を得るために必要な条件であることが分かった。評価パラメータが0.31より小さいということは、ΦiまたはΨiあるいはその両方が小さいことを意味している。
フタロシアニン顔料の結晶粒子の粒度分布は、結晶粒子の1次粒径を測定できるのであれば、例えば、動的光散乱法・レーザ回折法・重力沈降法・超音波減衰法・画像イメージング法などを利用して得ればよい。本発明の実施例においては、フタロシアニン顔料の結晶粒子の粒度分布を、SEMによる画像イメージング法により導出した。
具体的には先ず、得られたフタロシアニン顔料自体のSEM画像を用い、画像処理ソフト Photoshop(Adobe製)を用いて結晶粒子(10,000個以上)を抽出する。次いで、各結晶粒子の面積Sを求め、この面積と同面積円の直径(=2×(S/π)1/2)を各結晶粒子のサイズRiとした。
シェラーの式は、Kをシェラー定数(形状因子定数)、λをX線波長[nm](CuKα線を用いたX線回折スペクトルの場合、λ=0.154)、βを積分幅[rad]、θをブラッグ角度としたときに、下記式(E9)で表される。
上記式(E9)において、θは、フタロシアニン顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度のピークを示すブラッグ角度である。係るピークを示すブラッグ角度は、X線回折スペクトルにおける2θが5°〜35°の範囲に含まれることが一般的である。例えば、図2においては、最も高強度のピークを示すブラッグ角度は、2θ=7.5°付近である。更に、積分幅βは、このθ(X線回折スペクトルにおいては2θ)におけるピーク面積を、ピーク高さで除することによって算出される値を、後述の標準試料及び補正式によって補正した値である。ピークの位置、ピーク面積及びピーク高さは、X線回折スペクトルを、ベースラインの除去など適切な処理を施した上でプロファイル関数によりフィッティングし、得られたプロファイルパラメータから求めればよい。この際用いられるプロファイル関数としては、ガウス関数、ローレンツ関数、ピアソンVII関数、フォークト関数、擬フォークト関数、及びこれらの関数を非対称化したものなどが挙げられる(参考文献:中井泉、泉富士夫「粉末X線解析の実際」朝倉書店P.120―123)。
まず、フタロシアニン顔料及び標準試料のX線回折ピークをプロファイルフィッティングして得られたフィッティングパラメータから、それぞれの試料について擬フォークト関数の半値全幅のガウス関数成分XPc,G、Xref,G及びローレンツ関数成分XPc,L、Xref,Lを求める。
例えば本発明の感光体製造例37の場合、形状パラメータηは0.76であった。これは、プロファイル関数である擬フォークト関数がガウス関数よりもローレンツ関数の方に近いことを意味している。プロファイル関数がガウス関数であれば、半値全幅の補正は前述の式(E10)により行う。一方プロファイル関数がローレンツ関数であれば、半値全幅の補正は前述の式(E11)で行うべきである。本発明の半値全幅の補正値はこれら2種類の補正の間の値になっており、そのバランスを形状パラメータηが決めていることになる。
こうすることで、装置由来の積分幅を標準試料によって除いた試料由来の積分幅を取り出すことが出来る。そして、シェラー定数K=1として上記シェラーの式によって算出される値τが、「体積加重平均厚さ」という意味を持ち(参考文献:中井泉、泉富士夫「粉末X線解析の実際」朝倉書店P.81―82)、これを本発明における「結晶相関長r」と定義する。
尚、上述の通り、結晶粒子のサイズR及び結晶相関長rは、体積平均での値を用いているが、これは結晶粒子1個当たり発生するフォトキャリアの数が、結晶粒子の体積に比例すると考えられるからである。
フタロシアニン顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルは、特性粉末X線回折測定によって得られる。測定の際、選択配向の影響を無くすために、キャピラリとして、Boro−Silicateキャピラリ(長さ70mm、肉厚0.01mm、内径0.7mm)(W.Muller製)を用いた(参考文献:中井泉、泉富士夫「粉末X線解析の実際」朝倉書店P.119,140―142)。そして、フタロシアニン顔料をこのキャピラリに詰めて特性粉末X線回折測定を行う一方、空のキャピラリ自体のX線回折測定を行いバックグラウンドデータとした。
電子写真感光体に起因するフォトキャリアの失活やメモリ現象は、フォトキャリア(正孔及び電子)が感光層(電荷発生層)中に滞留することが1つの発生要因である。そして、本発明者らが検討したところ、フタロシアニン顔料の結晶粒子中の結晶歪みが存在する部分及び結晶粒子を構成する結晶子間の界面においてフォトキャリアの滞留が発生し得ることが分かった。したがって、結晶粒子の単位体積当たりの結晶歪み及び結晶子間の界面を減らすことで、フォトキャリアの失活やメモリ現象が抑制される、即ち、光導電体としての機能が高いフタロシアニン顔料が得られるのである。一方で、結晶粒子の単位体積当たりの結晶歪み及び結晶子間の界面を減らし過ぎると、結晶粒子の電気抵抗が低下してしまい、電子写真感光体として求められる帯電性を達成できないことも分かった。
前述の通り、パラメータkは結晶粒子の単位体積当たりの結晶歪み及び結晶子間の界面と高い相関を示す。したがって、kが0.17以上だと、結晶歪み及び結晶子間の界面が少なくなり、この結晶歪み及び結晶子間の界面にフォトキャリアが滞留しにくくなる。一方、kが0.42以下だと、結晶粒子の電気抵抗が高く、結晶粒子自体の帯電性能に優れる。更に、kが0.42以下だと、結晶粒子中の結晶歪み及び結晶子間の界面がある程度多いため、結晶粒子自体が単結晶から遠ざかり、隣接する結晶粒子同士の表面の電気状態が似たものになる確率が低くなる。その結果、結晶粒子同士が凝集せず、電荷集中が抑えられ、電子写真感光体としての帯電性が向上する。
以上の理由により、k=r/Rが0.17以上0.42以下であると、帯電性能の向上やメモリ現象の低減、そしてフォトキャリアの失活を抑制することによる感度向上により、潜像コントラストのS/N比が安定して向上する。
前述の通り、本発明のパラメータはフタロシアニン顔料だけでは決まらず、電荷発生層の構成も関係するが、電子写真特性を満足する範囲内の電荷発生層の構成において本発明のパラメータを満足するフタロシアニン顔料を得るための方法としては、結晶変換工程において、特定のミリング処理により、特定の時間に亘って特定の粉砕力(主に圧縮力、衝撃力、摩擦力、剪断力の4種類の作用からなる)を与える方法が挙げられる。ここで行うミリング処理とは、例えば、ガラスビーズ、スチールビーズ、アルミナボールなどの分散剤とともに、あるいは分散剤を入れずに、サンドミル、ボールミルなどのミリング装置を用いて行う処理である。ミリング処理における粉砕力の強さを弱くしたいときには、マグネティックスターラによる攪拌や超音波分散によって処理してもよい。また、2種類以上の処理法を組み合わせても良い。
本発明者らの検討によると、特に、結晶変換工程の初期段階に強い粉砕力を与え、その後に弱い粉砕力を長い時間与えるような、2段階のミリング処理によって、結晶変換工程の制御を容易にしながら、本発明のフタロシアニン顔料を効率良く得られることを見出した。このような2段階のミリング処理が本発明のフタロシアニン顔料を得るのに適している理由を、本発明者らは以下のように推察している。
結晶変換工程は、結晶粒子の結晶型が顔料全体にわたって変換され終わるまでの初期段階と、結晶型の変化自体は小さいまま、結晶粒子のサイズ及び結晶相関長が変化していく後期段階に分かれる。本発明のフタロシアニン顔料は、従来のフタロシアニン顔料と比較して、結晶粒子のサイズが適切な大きさでそろっていること、及び、結晶粒子のサイズと結晶相関長のバランスが制御されていることを特徴としている。しかし、一般に1段階の結晶変換において、この2つの特徴を満足するような粉砕力を与えることは難しい。なぜなら、結晶粒子のサイズを小さくするためには強い粉砕力を与える必要があるのに対し、結晶相関長を大きくするためには弱い粉砕力を与える必要があるからである。一方、上述の2段階のミリング処理を用いることで、結晶変換工程の初期段階において、結晶粒子のサイズが適切な大きさでそろっていれば、結晶変換工程の後期段階において結晶粒子の粒度分布を維持でき、更に、結晶相関長をゆっくり成長させることで、上述の2つの特徴を両立させることができるのである。このメカニズムからも明らかな通り、上述の2段階のミリング処理と、粉砕力の強弱を逆転させた場合、即ち、結晶変換工程の初期段階に弱い粉砕力を与え、その後に強い粉砕力を長い時間与えるような方法では、本発明のフタロシアニン顔料は得られない。また、結晶粒子の結晶型が顔料全体にわたって変換され終わるまでの初期段階において、結晶粒子のサイズを適切な大きさにそろえることが重要なので、結晶型の変換に必要な溶媒を使わない乾式処理を初期で行うような2段階のミリング処理では、本発明のフタロシアニン顔料は得られない。
電子写真特性を満足する範囲内の電荷発生層の構成において本発明のパラメータを満足するフタロシアニン顔料を得るための方法として、上述の2段階のミリング処理とは別に、ミリング処理後のフタロシアニン顔料に対して遠心分離処理を行うことが有効であることを本発明者らは見出した。ミリング処理と遠心分離処理を組み合わせて用いることが本発明のフタロシアニン顔料を得るのに適している理由を、本発明者らは以下のように推察している。
上述した通り、本発明のフタロシアニン顔料は従来のフタロシアニン顔料と比較して、結晶粒子のサイズが適切な大きさでそろっていること、及び、結晶粒子のサイズと結晶相関長のバランスが制御されていることを特徴としているが、2段階のミリング処理等の結晶変換工程の工夫をしないと、この2つの特徴を満足するような粉砕力を与えることは難しい。しかし、遠心分離処理はフタロシアニン顔料に粉砕力を加えることなく結晶粒子のサイズ分布を制御出来るので、処理前後で前述のk=r/Rはほぼ変化しない。したがって、ミリング処理によって結晶粒子のサイズと結晶相関長のバランスを制御した後、遠心分離処理によって結晶粒子のサイズ分布を単独で最適化することで、本発明のフタロシアニン顔料を効率良く得ることが出来る。また、上述の2段階のミリング処理の後に遠心分離処理を行うことも出来る。
電荷発生層の吸収係数は、該電荷発生層がP・d/R>1を満たす条件下で測定した値を用いる。P・d/R>1が満たされているときには、前述の結晶粒子のサイズRに比べて該電荷発生層の膜厚が十分に大きく、ランベルト・ベールの法則が成り立つからである。実際には、まず、PETフィルム(ポリエチレンテレフタレートのフィルム)上にP・d/R>1を満たす膜厚dの電荷発生層の単層膜を膜厚5水準形成し、それらの透過率をゴニオメータにより測定することで、各膜厚における光透過率を求めた。その際、使用したPETフィルム単体の光透過率の測定値で補正を行った。次に、得られた光透過率の常用対数をとったものを縦軸、電荷発生層の膜厚を横軸にしてデータ点をプロットし、それらを最小二乗法によって直線フィッティングしたときの傾きの絶対値から吸収係数αを得た。例えば本発明の感光体製造例37の場合、吸収係数αは0.0055[nm−1]であった。
また、電子写真感光体の状態から電荷発生層の吸収係数αを求める場合は、以下の様にして行う。まず、電子写真感光体を、フタロシアニン顔料を含有する電荷発生層が表面に出るように加工する。例えば、溶剤などを用いてフタロシアニン顔料を含有する層より上の層を剥離すればよい。そして、その状態での光反射率を測定する。続いて、電荷発生層も同様にして剥離し、電荷発生層の下層が表面に出た状態について、光反射率を測定する。こうして得た2種類の反射率を用いて、電荷発生層単層の光吸収率を算出する。一方で、該電荷発生層の膜厚を後述のFIB−SEMのSlice&Viewによって求める。以上の方法で得た光吸収率の常用対数値と膜厚のデータと、光吸収率100%の常用対数値0と膜厚0の点とを直線で結ぶことによって、その傾きから吸収係数が得られる。
吸収係数αは基本的に電荷発生物質の化学種や結晶型や含有物及び結着樹脂の化学種などによって決定される。即ち、これらが同一で、かつ、dとPも同じであれば、P・d/R>1を満たす条件下で測定した吸収係数も結晶粒子の粒度分布に依らず同一となる。
電荷発生層の全体積に対する電荷発生物質の体積の比率Pは、電荷発生層用塗布液の電荷発生物質及び結着樹脂の仕込み重量比率と、該電荷発生物質として用いるフタロシアニン顔料及び結着樹脂の比重とから算出することが出来る。例えば本発明の感光体製造例37の場合、電荷発生層全重量に対する電荷発生物質の重量比率は2/3であった。ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の比重を1.6、結着樹脂のポリビニルブチラールの比重を1.1として計算するとP=0.58となる。
また、電子写真感光体の状態から電荷発生層の体積比率Pを求めるには、電子写真感光体の電荷発生層をFIB法で取り出し、FIB−SEMのSlice&Viewを行えばよい。FIB−SEMのSlice&Viewのコントラストの違いから、前述のフタロシアニン顔料及び結着樹脂を特定できる。それにより、前述の体積比率Pを求めることが出来る。
体積比率Pは、0.42〜0.72の範囲であることが好ましい。体積比率Pが0.42より小さいと、電荷発生層内の電気導電を担うフタロシアニン顔料が互いに接触しなくなり、導電性が低下して感度やメモリ現象が極端に悪化する。本発明者らは、このP=0.42という値が、フタロシアニン顔料が結着樹脂中に分散されている状態におけるパーコレーション閾値であると推測している。一方、体積比率Pが0.72より大きいと、電荷発生層中のフタロシアニン顔料の分散性が悪化し、フタロシアニン顔料が凝集することによるポチ(青ポチ)やかぶりの発生が問題となる。また、結着樹脂の体積比率が小さくなることによって電荷発生層と接する層との密着性が低下し、電子写真プロセスの中で使用する際に剥がれてしまうなど、耐久性においても問題となる。体積比率Pを前述の範囲内にすることで、電荷発生層の導電性に起因する感度及びメモリ現象抑制と分散性及び耐久性とを両立させることが出来る。
電荷発生層の膜厚dは、前述の通り、FIB−SEMのSlice&Viewによる観察画像から求めればよい。また、より簡便に、電荷発生層の平均比重と重量から膜厚を求める方法も用いることが出来る。本発明の電荷発生層の膜厚は200nm未満であることが前提であるが、繰り返し使用を通じてのかぶり抑制という観点から、160nm未満であることがより好ましい。例えば本発明の感光体製造例37の場合、電荷発生層の膜厚は150nmである。
こうして計算された評価パラメータが0.31以上となるように、結晶粒子の粒度分布及び結晶相関長と結晶粒子サイズの比、そして電荷発生層の吸収係数と電荷発生層全体積に対する電荷発生物質の体積比と200nm未満の膜厚を制御することで、本発明のフタロシアニン顔料と電荷発生層の適切な組み合わせが実現でき、本発明の電子写真感光体を得ることが出来る。
また、支持体の形状としては、例えば、円筒状、フィルム状などが挙げられる。これらの中でも、円筒状のアルミニウム製の支持体が、機械強度、電子写真特性及びコストの点で優れている。また、素管のまま支持体として用いてもよいが、電気的特性の改善や干渉縞の抑制のため素管の表面に対して切削、ホーニング、ブラスト処理などの物理処理や、陽極酸化処理や、酸などを用いた化学処理などを施したものを支持体として用いてもよい。素管に対して切削、ホーニング、ブラスト処理などの物理処理を行うことにより、表面粗さをJIS B0601:2001で規定される十点平均粗さRzjis値で0.8μm以上に処理した支持体は、優れた干渉縞抑制機能を有している。
導電層は、導電性粒子、結着樹脂及び溶剤を分散処理することによって導電層用塗布液を調製し、導電層用塗布液の塗膜を形成し乾燥させることによって得られる。分散方法としては、例えば、ペイントシェーカ、サンドミル、ボールミル、液衝突型高速分散機を用いた方法が挙げられる。
導電性粒子としては、例えば、カーボンブラック、アセチレンブラック、アルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀のような金属粉や、酸化スズ粒子、酸化インジウム粒子、酸化チタン粒子、硫酸バリウム粒子のような金属化合物紛体が挙げられる。結着樹脂としては、例えばポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂及びアルキッド樹脂が挙げられる。溶剤としては、例えばテトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル系溶剤、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、シクロへキサノンなどのケトン系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル系溶剤及びトルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素溶剤が挙げられる。また、必要に応じて、導電層用塗布液に粗し粒子を加えてもよい。
下引き層の材料としては、アクリル樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂、エチルセルロース樹脂、メチルセルロース樹脂、エチレン−アクリル酸コポリマー、エポキシ樹脂、カゼイン樹脂、シリコーン樹脂、ゼラチン樹脂、フェノール樹脂、ブチラール樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアリルエーテル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエチレンオキシド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ユリア樹脂、アガロース樹脂、セルロース樹脂などの樹脂が用いられる。これらの中でも、バリア機能や接着機能の観点から、ポリアミド樹脂が好ましい。
下引き層の膜厚は0.3〜5μmであることが好ましい。また、下引き層にフォトキャリアを支持体側へ流す整流機能を付与させてもよい。負帯電方式の場合、下引き層は、電子輸送物質を含有する電子輸送膜であり、電子を感光層側から支持体側へと流す役割を果たす。具体的には、電子輸送物質又は電子輸送物質を含む組成物を硬化させて得られた硬化膜、電子輸送物質を溶解させた電子輸送膜用塗布液の塗膜を乾燥させて形成された膜、電子輸送性顔料を含有する膜であることが好ましい。これらの中でも、電子輸送物質の電荷発生層への溶出を防ぐ観点から、硬化膜であることがより好ましい。前記硬化膜は、前記組成物中に更に架橋剤を含有し、この組成物を硬化させて得られた硬化膜であることがより好ましく、前記組成物中に架橋剤と樹脂を含有し、この組成物を硬化させて得られた硬化膜であることが更に好ましい。硬化膜の場合、電子輸送物質及び樹脂は、重合性官能基を有する電子輸送性化合物、重合性官能基を有する樹脂であることが好ましい。重合性官能基としては、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基、メトキシ基が挙げられる。また、架橋剤としては、前記重合性官能基を有する電子輸送性化合物、及び前記重合性官能基を有する樹脂の何れか一方あるいは両方と重合又は架橋する化合物を用いることができる。
電荷発生層用塗布液は、電荷発生物質だけを溶剤に加えて分散処理した後に結着樹脂を加えて調製してもよいし、電荷発生物質と結着樹脂を一緒に溶剤に加えて分散処理して調製してもよい。
上記分散の際には、サンドミルやボールミルなどのメディア型分散機や、液衝突型分散機や超音波分散機などの分散機を用いることができる。尚、作製された電子写真感光体の電荷発生層を剥がして粉末とし、その粉末を超音波分散し、粉末X線回折測定を行って前記方法で見積もった結晶相関長を、分散処理して塗布液を調製する前のフタロシアニン顔料について粉末X線回折測定を行って前記方法で見積もった結晶相関長と比較した。その結果、本発明に関わる分散処理条件について、感光体製造例203と感光体製造例204に記載の分散処理方法を除いて、本発明のフタロシアニン顔料の結晶相関長は分散前後で変化しないことを確認している。
電荷発生層に用いられる結着樹脂としては、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノキシ樹脂、アクリル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、ウレタン樹脂、アガロース樹脂、セルロース樹脂、カゼイン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、塩化ビニリデン樹脂、アクリロニトリル共重合体及びポリビニルベンザール樹脂などの樹脂(絶縁性樹脂)が挙げられる。また、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレンなどの有機光導電性ポリマーを用いることもできる。また、結着樹脂は、1種のみを使用してもよく、混合又は共重合体として2種以上を併用してもよい。
電荷発生層用塗布液に用いられる溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、テトラリン、クロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、四塩化炭素、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、ギ酸メチル、ギ酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジオキサン、メチラール、テトラヒドロフラン、水、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、メチルセロソルブ、メトキシプロパノール、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。また、溶剤は、単独又は混合して1種又は2種以上用いることができる。
更に、フタロシアニン顔料が、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料であって、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおけるブラッグ角度2θの7.4°±0.3°及び28.2°±0.3°にピークを示す結晶型の結晶粒子を有することが好ましい。
更に、前記フタロシアニン顔料が、下記式(A1)で示されるアミド化合物をその粒子内に含有する結晶粒子を有することがより好ましい。式(A1)で示されるアミド化合物としては、N−メチルホルムアミド、N−プロピルホルムアミド、又は、N−ビニルホルムアミドが挙げられる。
式(A1)で示されるアミド化合物を結晶粒子内に含有するヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料は、アシッドペースティング法により得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料、及び上記式(A1)で示されるアミド化合物を湿式ミリング処理により結晶変換する工程により得られる。
ミリング処理において分散剤を用いる場合、その分散剤の量は、質量基準でフタロシアニン顔料の10〜50倍が好ましい。また、用いられる溶剤としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、上記式(A1)で示される化合物、N−メチルアセトアミド、N−メチルプロピオアミドなどのアミド系溶剤、クロロホルムなどのハロゲン系溶剤、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶剤、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶剤などが挙げられる。また、溶剤の使用量は、質量基準でフタロシアニン顔料の5〜30倍が好ましい。
また、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおけるブラッグ角度2θの7.4°±0.3°及び28.2°±0.3°にピークを示す結晶型の結晶粒子を有するヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を結晶変換工程で得ようとする場合、溶媒として上記式(A1)で示されるアミド化合物を用いると、結晶型の変換にかかる時間が長くなることを本発明者らは見出した。具体的には、溶媒としてN−メチルホルムアミドを用いた場合、N,N−ジメチルホルムアミドを用いた場合に比べて、結晶変換にかかる時間が数倍増加する。結晶変換に長い時間がかかることによって、結晶型の変換が終わるまでに結晶粒子のサイズを適切な大きさにそろえる時間的猶予が生まれ、本発明のフタロシアニン顔料を得やすくなる。
以上の理由により、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおけるブラッグ角度2θの7.4°±0.3°及び28.2°±0.3°にピークを示す結晶型の結晶粒子を有するヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を用い、かつ、溶媒として上記式(A1)で示されるアミド化合物を用いると、本発明のフタロシアニン顔料が得られる結晶変換工程の条件が広がる。実際、このようなフタロシアニン顔料と溶媒の組み合わせにおいて、特定の粉砕力を特定の時間特定のミリング処理により与えることで、上述した2段階のミリング処理でなくとも本発明のフタロシアニン顔料が得られることを本発明者らは見出した。
本発明のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料が、上記式(A1)で示されるアミド化合物を結晶粒子内に含有しているかどうかについて、得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を1H‐NMR測定のデータを解析することにより決定した。また、1H‐NMR測定の結果をデータ解析することにより、上記式(A1)で示されるアミド化合物の結晶粒子中への含有量を決定した。例えば、上記式(A1)で示されるアミド化合物を溶解できる溶剤によるミリング処理、又はミリング後の洗浄工程を行った場合、得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を1H‐NMR測定する。上記式(A1)で示されるアミド化合物が検出された場合は、上記式(A1)で示されるアミド化合物が結晶内に含有されていると判断することができる。
本発明のフタロシアニン顔料を遠心分離処理によって得る場合、電荷発生層の全体積に対する電荷発生物質の体積の比率Pを制御するためには、例えば感光体製造例107に示したように、フタロシアニン顔料と結着樹脂の混合用液において、フタロシアニン顔料と結着樹脂の重量比を測定しなければならない。フタロシアニン顔料と結着樹脂の混合用液における重量比は、1H‐NMR測定のデータを解析することにより決定した。例えば、フタロシアニン顔料としてヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を用い、結着樹脂としてポリビニルブチラールを用いた場合、1H‐NMR測定のデータにおけるヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料由来のピークとポリビニルブチラール由来のピークを比較することで、重量比を決定することができる。
電荷輸送物質としては、例えば、トリアリールアミン化合物、ヒドラゾン化合物、スチルベン化合物、ピラゾリン化合物、オキサゾール化合物、チアゾール化合物、トリアリルメタン化合物などが挙げられる。また、これらの化合物から誘導される基を主鎖又は側鎖に有するポリマーも挙げられる。これらの中でも電荷輸送物質としては、トリアリールアミン化合物、スチリル化合物又はベンジジン化合物が好ましく、特にトリアリールアミン化合物が好ましい。また、電荷輸送物質は、単独又は混合して1種又は2種以上用いることができる。
電荷輸送層に用いられる結着樹脂としては、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース系樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アガロース樹脂、セルロース樹脂、カゼイン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、塩化ビニリデン樹脂、アクリロニトリル共重合体及びポリビニルベンザール樹脂などの樹脂(絶縁性樹脂)が挙げられる。また、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレンなどの有機光導電性ポリマーを用いることもできる。これらの中でも、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂が好ましい。また、結着樹脂は、1種のみを使用してもよく、混合又は共重合体として2種以上を併用してもよい。その共重合形態は、ブロック共重合体、ランダム共重合体、交互共重合体などの何れの形態であってもよい。また、これらの分子量としては、重量平均分子量(Mw)=10,000〜300,000の範囲が好ましい。
保護層に用いられる樹脂としては、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂(ポリカーボネートZ樹脂、変性ポリカーボネート樹脂など)、ナイロン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリウレタン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体及びスチレン−アクリロニトリル共重合体が挙げられる。
また、保護層に電荷輸送能を持たせるために、電荷輸送能を有するモノマーを種々の重合反応、架橋反応を用いて硬化させることによって保護層を形成してもよい。具体的には、連鎖重合性官能基を有する電荷輸送性化合物を重合又は架橋させ、硬化させることによって保護層を形成することが好ましい。
また、保護層中に導電性粒子や紫外線吸収剤やフッ素原子含有樹脂微粒子などの潤滑性粒子などを含ませてもよい。導電性粒子としては、例えば酸化スズ粒子などの金属酸化物粒子が好ましい。保護層の膜厚は、0.05〜20μmであることが好ましい。
各層の塗布方法としては、浸漬塗布法(ディッピング法)、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ビードコーティング法、ブレードコーティング法及びビームコーティング法などの塗布方法を用いることができる。これらの中でも、効率性及び生産性の観点から、浸漬塗布法が好ましい。
電子写真感光体1の表面は、回転過程において、帯電手段3により、正又は負の所定電位に帯電される。次いで、帯電された電子写真感光体1の表面には、露光手段(不図示)から露光光4が照射され、目的の画像情報に対応した静電潜像が形成される。像露光光4は、例えば、スリット露光やレーザビーム走査露光などの露光手段から出力される、目的の画像情報の時系列電気デジタル画像信号に対応して強度変調された光である。
電子写真感光体1の表面に形成された静電潜像は、現像手段5内に収容されたトナーで現像(正規現像又は反転現像)され、電子写真感光体1の表面にはトナー像が形成される。電子写真感光体1の表面に形成されたトナー像は、転写手段6により、転写材7に転写されていく。このとき、転写手段6には、バイアス電源(不図示)からトナーの保有電荷とは逆極性のバイアス電圧が印加される。また、転写材7が紙である場合、転写材7は給紙部(不図示)から取り出されて、電子写真感光体1と転写手段6との間に電子写真感光体1の回転と同期して給送される。
電子写真感光体1からトナー像が転写された転写材7は、電子写真感光体1の表面から分離された後、定着手段8へ搬送されて、トナー像の定着処理を受けることにより、画像形成物(プリント、コピー)として電子写真装置の外へプリントアウトされる。
転写材7にトナー像を転写した後の電子写真感光体1の表面は、クリーニング手段9により、トナー(転写残りトナー)などの付着物の除去を受けて清浄される。近年開発されているクリーナレスシステムにより、転写残りトナーを直接、現像器などで除去することもできる。更に、電子写真感光体1の表面は、前露光手段(不図示)からの前露光光10により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。尚、帯電手段3が帯電ローラーなどを用いた接触帯電手段である場合は、前露光手段は必ずしも必要ではない。
本発明においては、上述の電子写真感光体1、帯電手段3、現像手段5及びクリーニング手段9などの構成要素のうち、複数の構成要素を容器に納めて一体に支持してプロセスカートリッジを形成する。このプロセスカートリッジを電子写真装置本体に対して着脱自在に構成することができる。例えば、帯電手段3、現像手段5及びクリーニング手段9から選択される少なくとも1つを電子写真感光体1とともに一体に支持してカートリッジ化する。電子写真装置本体のレールなどの案内手段12を用いて電子写真装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ11とすることができる。
露光光4は、電子写真装置が複写機やプリンタである場合には、原稿からの反射光や透過光であってもよい。又は、センサーで原稿を読み取り、信号化し、この信号に従って行われるレーザビームの走査、LEDアレイの駆動もしくは液晶シャッターアレイの駆動などにより放射される光であってもよい。
本発明の電子写真感光体1は、レーザビームプリンタ、CRTプリンタ、LEDプリンタ、FAX、液晶プリンタ及びレーザ製版などの電子写真応用分野にも幅広く適用することができる。
本発明においては、膜厚が200nm未満の薄膜の電荷発生層によって暗減衰の増大が抑えられて帯電性能が向上しVbackが安定化した結果、非画像部のかぶりが抑制された電子写真感光体について、フタロシアニン顔料及び電荷発生層について詳細に検討し、薄膜における感度を向上かつ安定化させることで、かぶりの抑制と合わせて高いレベルの潜像コントラストのS/N比を達成している。ここで、かぶりを抑制して潜像コントラストのS/N比を高めるためには、より直接的に帯電電位の絶対値を大きくして潜像コントラストの絶対値自体を大きくする方法も考えられる。また、感度を向上して潜像コントラストのS/N比を高めることについても、電子写真感光体に印加される電界強度を大きくすることで、オンサーガの式(E3)に従う感度を高める方法が考えられる。
しかしながら、帯電電位の絶対値を大きくすると、あるいは、電界強度を大きくすると、電子写真プロセスの中でリークと呼ばれる感光体の絶縁破壊現象が発生し、画像欠陥を生じるリスクが高くなる。したがって、帯電電位を大きくして潜像コントラストの絶対値自体を大きくするのではなく、帯電性や感度を向上させることで潜像コントラストのS/N比を高め、帯電電位の絶対値自体はむしろ小さく設定することにより、高画質及び高安定とリーク抑制とを両立させることが望ましい。この観点からすると、本発明の該電子写真装置の帯電電位の絶対値は500Vより小さいことが好ましい。
通常、帯電電位の絶対値を小さくすると、露光電位の絶対値の下限が0Vである以上、潜像コントラストの絶対値も小さくならざるを得ない。すると、電子写真感光体の環境や耐久やロット違いによる特性変化に起因して潜像コントラストのS/N比が悪化し、Vbackや現像コントラストが不安定化することで画質が劣化する。しかしながら、本発明の電子写真感光体は潜像コントラストのS/N比が高いため、この感光体を電子写真装置の中で用いることにより、該電子写真装置の帯電電位の絶対値を500Vより小さく設定して高画質及び高安定とリーク抑制とを両立させられるのである。
また、本発明の電子写真感光体は光吸収率を高めることで十分な感度を達成しているため、電子写真装置と電子写真感光体の組み合わせにおいて感光体に印加される電界強度を小さく設定でき、やはり高画質及び高安定とリーク抑制との両立が達成できる。電界強度は31V/μm未満であることが好ましく、21V/μm未満であることがより好ましい。リーク現象は、感光体の絶縁層に局所的に高電界が印加されることによって、確率的に絶縁層が耐え切れなくなり、瞬間的に大電流が流れて絶縁層が電気的に破壊される現象なので、電子写真装置の設定と電子写真感光体の構成から決まる大域的な電界強度を31V/μm未満とすることでリークを抑制できる。更に、電界強度を21V/μm未満とすることで、予期せぬ異物が電子写真感光体表面に付着することによって局所的な電界集中が発生してリークするリスクを低減することが出来る。
以下に、具体的な実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。以下に記載の「部」は、「質量部」を意味する。ただし、本発明は、これらに限定されるものではない。尚、実施例及び比較例の電子写真感光体の各層の膜厚は、渦電流式膜厚計(Fischerscope、フィッシャーインスツルメント社製)を用いる方法、又は、単位面積当たりの質量から比重換算する方法で求めた。
[合成例1]
窒素フローの雰囲気下、オルトフタロニトリル5.46部及びα−クロロナフタレン45部を反応釜に投入した後、加熱し、温度30℃まで昇温させ、この温度を維持した。次に、この温度(30℃)で三塩化ガリウム3.75部を投入した。投入時の混合液の水分濃度は150ppmであった。その後、温度200℃まで昇温させた。次に、窒素フローの雰囲気下、温度200℃で4.5時間反応させた後、冷却し、温度150℃に達したときに生成物を濾過した。得られた濾過物をN,N−ジメチルホルムアミドを用いて温度140℃で2時間分散洗浄した後、濾過した。得られた濾過物をメタノールで洗浄した後、乾燥させ、クロロガリウムフタロシアニン顔料を収率71%で得た。
[合成例2]
前記合成例1で得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料4.65部を、温度10℃で濃硫酸139.5部に溶解させ、攪拌下、氷水620部中に滴下して再析出させて、フィルタープレスを用いて減圧濾過した。このときにフィルターとして、No.5C(アドバンテック社製)を用いた。得られたウエットケーキ(濾過物)を2%アンモニア水で30分間分散洗浄した後、フィルタープレスを用いて濾過した。次いで、得られたウエットケーキ(濾過物)をイオン交換水で分散洗浄した後、フィルタープレスを用いた濾過を3回繰り返した。最後にフリーズドライ(凍結乾燥)を行い、固形分23%のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料(含水ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料)を収率97%で得た。
[合成例3]
前記合成例2で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料6.6kgをハイパー・ドライ乾燥機(商品名:HD−06R、周波数(発振周波数):2455MHz±15MHz、日本バイオコン製)を用いて以下のように乾燥させた。
上記ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を、専用円形プラスチックトレイにフィルタープレスから取り出したままの固まりの状態(含水ケーキ厚4cm以下)で載せ、遠赤外線はオフ、乾燥機の内壁の温度は50℃になるように設定した。そして、マイクロ波照射時は真空ポンプとリークバルブを調整し、真空度を4.0〜10.0kPaに調整した。
先ず、第1工程として、4.8kWのマイクロ波をヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料に50分間照射し、次に、マイクロ波を一旦オフにしてリークバルブを一旦閉じて2kPa以下の高真空にした。この時点でのヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の固形分は88%であった。第2工程として、リークバルブを調整し、真空度(乾燥機内の圧力)を上記設定値内(4.0〜10.0kPa)に調整した。その後、1.2kWのマイクロ波をヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料に5分間照射し、また、マイクロ波を一旦オフにしてリークバルブを一旦閉じて2kPa以下の高真空にした。この第2工程を更に1回繰り返した(計2回)。この時点でのヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の固形分は98%であった。更に第3工程として、第2工程でのマイクロ波の出力を1.2kWから0.8kWに変更した以外は第2工程と同様にしてマイクロ波照射を行った。この第3工程を更に1回繰り返した(計2回)。更に第4工程として、リークバルブを調整し、真空度(乾燥機内の圧力)を上記設定値内(4.0〜10.0kPa)に復圧した。その後、0.4kWのマイクロ波をヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料に3分間照射し、また、マイクロ波を一旦オフにしてリークバルブを一旦閉じて2kPa以下の高真空にした。この第4工程を更に7回繰り返した(計8回)。以上、合計3時間で、含水率1%以下のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料(結晶)を1.52kg得た。
[合成例4]
前記合成例2で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料10部と、濃度35質量%で温度23℃の塩酸200部を混合して、マグネティックスターラで90分撹拌した。塩酸を混合した量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニン1molに対して、塩化水素118molであった。撹拌後、氷水で冷却された1,000部のイオン交換水に滴下して、マグネティックスターラで30分撹拌した。これを減圧濾過した。このときにフィルターとして、No.5C(アドバンテック社製)を用いた。その後、温度23℃のイオン交換水で分散洗浄を4回行った。このようにしてクロロガリウムフタロシアニン顔料9部を得た。
[合成例5]
α−クロロナフタレン100g中、o−フタロジニトリル5.0g、四塩化チタン2.0gを200℃にて3時間加熱攪拌した後、50℃まで冷却して析出した結晶を濾別してジクロロチタニウムフタロシアニンのペーストを得た。次にこれを100℃に加熱したN,N−ジメチルホルムアミド100mLで攪拌洗浄し、次いで60℃のメタノール100mLで2回洗浄を繰り返し濾別した。更にこの得られたペーストを脱イオン水100mL中80℃で1時間攪拌し、濾別して青色のチタニルフタロシアニン顔料を4.3g得た。
次にこの顔料を濃硫酸30mLに溶解させ20℃の脱イオン水300mL中に攪拌下で滴下して再析出し、濾過して十分に水洗した後、非晶質のチタニルフタロシアニン顔料を得た。この非晶質のチタニルフタロシアニン顔料4.0gをメタノール100mL中で室温(22℃)下、8時間懸濁攪拌処理し、濾別して減圧乾燥し、低結晶性のチタニルフタロシアニン顔料を得た。
[合成例6]
1,3−ジイミノイソインドリン30部及び三塩化ガリウム9.1部をジメチルスルホキシド230部に加え、160℃で6時間攪拌しながら反応させて赤紫色顔料を得た。得られた顔料をジメチルスルホキシドで洗浄した後、イオン交換水で洗浄し、乾燥してクロロガリウムフタロシアニン顔料28部を得た。
[合成例7]
前記合成例6で得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料10部を60℃に加熱した硫酸(濃度97%)300部に十分に溶解したものを、25%アンモニア水600部とイオン交換水200部との混合溶液中に滴下した。析出した顔料を濾過により採取し、更にN,N−ジメチルホルムアミド及びイオン交換水で洗浄し、乾燥してヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料8部を得た。
[合成例8]
窒素フローの雰囲気下、α−クロロナフタレン100mLに、三塩化ガリウム10g及びオルトフタロニトリル29.1gを加え、温度200℃で24時間反応させた後、生成物を濾過した。得られたウエットケーキをN,N−ジメチルホルムアミドを用いて温度150℃で30分間加熱撹拌した後、濾過した。得られた濾過物をメタノールで洗浄した後、乾燥させ、クロロガリウムフタロシアニン顔料を収率83%で得た。
上記の方法で得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料2部を、濃硫酸50部に溶解させ、2時間攪拌した後、氷冷しておいた蒸留水170mL及び濃アンモニア水66mLの混合溶液に滴下して、再析出させた。これを蒸留水で十分に洗浄し、乾燥して、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料1.8部を得た。
[合成例9]
窒素フローの雰囲気下、フタロニトリル31.8部、ガリウムトリメトキシド10.1部及びエチレングリコール150mLを、温度200℃で24時間反応させた後、生成物を濾過した。得られたウエットケーキをN,N−ジメチルホルムアミド、メタノールで順次洗浄した後、乾燥させ、ガリウムフタロシアニン顔料25.1部を得た。
上記の方法で得られたガリウムフタロシアニン顔料2部を、濃硫酸50部に溶解させ、2時間攪拌した後、氷冷しておいた蒸留水170mL及び濃アンモニア水66mLの混合溶液に滴下して、再析出させた。これを蒸留水で十分に洗浄し、乾燥して、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料1.8部を得た。
[合成例10]
1,3−ジイミノイソインドリン30部及び三塩化ガリウム9.1部をジメチルスルホキシド230部に加え、160℃で4時間攪拌しながら反応させて赤紫色顔料を得た。得られた顔料をジメチルスルホキシドで洗浄した後、イオン交換水で洗浄し、得られたウエットケーキを80℃において24時間真空乾燥してクロロガリウムフタロシアニン顔料28部を得た。
[感光体製造例1]
<支持体>
直径24mm、長さ257mmのアルミニウムシリンダーを支持体(円筒状支持体)とした。
<導電層>
次に、酸化スズで被覆されている硫酸バリウム粒子(商品名:パストランPC1、三井金属鉱業製)60部、酸化チタン粒子(商品名:TITANIX JR、テイカ製)15部、レゾール型フェノール樹脂(商品名:フェノライト J−325、DIC製、固形分70質量%)43部、シリコーンオイル(商品名:SH28PA、東レ・ダウコーニング製)0.015部、シリコーン樹脂粒子(商品名:トスパール120、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアル・ジャパン合同会社製)3.6部、2−メトキシ−1−プロパノール50部、及び、メタノール50部をボールミルに入れ、20時間分散処理して、導電層用塗布液を調製した。このようにして調整した導電層用塗布液を上述の支持体上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を145℃で1時間加熱し硬化させることにより、膜厚が20μmの導電層を形成した。
<下引き層>
次に、N−メトキシメチル化ナイロン6(商品名:トレジンEF−30T、ナガセケムテックス製)25部をメタノール/n−ブタノール=2/1混合溶液480部に溶解(65℃での加熱溶解)させてなる溶液を冷却した。その後、溶液をメンブランフィルター(商品名:FP−022、孔径:0.22μm、住友電気工業製)で濾過して、下引き層用塗布液を調製した。このようにして調製した下引き層用塗布液を上述の導電層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を温度100℃で10分間加熱乾燥することにより、膜厚が0.5μmの下引き層を形成した。
<電荷発生層>
次に、合成例3で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料0.5部、N−メチルホルムアミド(製品コード:F0059、東京化成工業製)9.5部、直径0.9mmのガラスビーズ15部を室温(23℃)下で6時間、ペイントシェーカ(東洋精機製作所製)を用いてミリング処理した(一段階目)。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用いた。こうしてミリング処理した液をフィルター(品番:N−NO.125T、孔径:133μm、NBCメッシュテック製)で濾過してガラスビーズを取り除いた。この液を室温(23℃)下で40時間、ボールミルでミリング処理した(二段階目)。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用い、容器が1分間に120回転する条件で行った。また、このミリング処理においてガラスビーズ等のメディアは用いなかった。こうして処理した液にN−メチルホルムアミドを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を0.46部得た。
得られた顔料はCuKα線を用いたX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角度2θの7.5°±0.2°、9.9°±0.2°、16.2°±0.2°、18.6°±0.2°、25.2°±0.2°及び28.3°±0.2°にピークを有する。5°〜35°の範囲において最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=31[nm]であった。また、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して2.6質量%であった。
続いて、前記ミリング処理で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料20部、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業製)10部、シクロヘキサノン190部、直径0.9mmのガラスビーズ482部を冷却水温度18℃下で4時間、サンドミル(K−800、五十嵐機械製造(現アイメックス)製、ディスク径70mm、ディスク枚数5枚)を用いて分散処理した。この際、ディスクが1分間に1,800回転する条件で行った。この分散液にシクロヘキサノン444部及び酢酸エチル634部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を上述の下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を100℃で10分間加熱乾燥させることにより、膜厚が150nmの電荷発生層を形成した。
このときの電荷発生層の全体積に対する電荷発生物質の体積の比率Pは、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の比重を1.6、ポリビニルブチラールの比重を1.1として計算すると、P=0.58となる。また、電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=125[nm]であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.25となる。一方、電荷発生層の膜厚d[nm]がP・d/R>1を満たすための条件は、d>216である。そこで、d=220、250、300、350、400の5水準の電荷発生層単層膜をPETフィルム(ポリエチレンテレフタレートのフィルム)上に形成し、補正用のPETフィルム単体試料と合わせて、ゴニオメータを用いて光透過率を測定した。その結果から吸収係数αを計算すると、α=0.0055[nm−1]であった。
また、上記SEM画像から見積もられた粒度分布における各結晶粒子の直径Ri[nm]と上記k=0.25を上記式(E1)に代入して求めたΦiと、各結晶粒子の直径Ri[nm]、上記吸収係数をα=0.0055[nm−1]、上記膜厚d=150[nm]、上記電荷発生層の全体積に対する電荷発生物質の体積の比率P=0.58を上記式(E2)から求めたΨiについて、ΦiとΨiの積を該粒度分布において体積平均したときの値を上記式(E15)により求めると0.34であった。
<電荷輸送層>
次に、電荷輸送物質として、下記式で示されるトリアリールアミン化合物70部、
下記式で示されるトリアリールアミン化合物10部、
ポリカーボネート(商品名:ユーピロンZ−200、三菱エンジニアリングプラスチックス製)100部をモノクロロベンゼン630部に溶解させることによって、電荷輸送層用塗布液を調製した。このようにして調製した電荷輸送層用塗布液を上述の電荷発生層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を温度120℃で1時間加熱乾燥することにより、膜厚が15μmの電荷輸送層を形成した。
導電層、下引き層、電荷発生層及び電荷輸送層の塗膜の加熱処理は、各温度に設定されたオーブンを用いて行った。各層の加熱処理は、以下の感光体製造例でも同様に行った。以上のようにして、円筒状(ドラム状)の感光体製造例1の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を表1に示す。尚、表中における、「HOGaPc」は「ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料」を、「ClGaPc」は「クロロガリウムフタロシアニン顔料」を、「TiOPc」は「チタニルフタロシアニン顔料」を、それぞれ意味する。また、表中の「ΦiΨi」は「ΦiとΨiの積を該粒度分布において体積平均したときの値」を意味する。
[感光体製造例2]
感光体製造例1において、二段階目のボールミルで40時間のミリング処理を100時間に変更したこと以外は、感光体製造例1と同様にして、感光体製造例2の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して2.4質量%であった。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表1に示す。
[感光体製造例3]
感光体製造例1において、二段階目のボールミルで40時間のミリング処理を300時間に変更したこと以外は、感光体製造例1と同様にして、感光体製造例3の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して2.2質量%であった。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表1に示す。
[感光体製造例4]
感光体製造例1において、二段階目のボールミルで40時間のミリング処理を1,000時間に変更したこと以外は、感光体製造例1と同様にして、感光体製造例4の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して2.0質量%であった。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表1に示す。
[感光体製造例5]
感光体製造例1において、二段階目のボールミルで40時間のミリング処理を2,000時間に変更したこと以外は、感光体製造例1と同様にして、感光体製造例5の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して1.9質量%であった。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表1に示す。
[感光体製造例6]
感光体製造例1において、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を得る工程の二段階目のミリング処理を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例1と同様にして、感光体製造例6の電子写真感光体を製造した。
合成例3で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料0.5部、N−メチルホルムアミド(製品コード:F0059、東京化成工業製)9.5部、直径0.9mmのガラスビーズ15部を室温(23℃)下で6時間、ペイントシェーカ(東洋精機製作所製)を用いてミリング処理した(一段階目)。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用いた。こうしてミリング処理した液を、室温(23℃)下で40時間、ボールミルでミリング処理した(二段階目)。この際、容器の中身を取り出すことなく、容器をそのままボールミルにセットし、容器が1分間に120回転する条件で行った。したがって、二段階目のミリング処理において一段階目と同様のガラスビーズを用いた。こうして処理した液をフィルター(品番:N−NO.125T、孔径:133μm、NBCメッシュテック製)で濾過してガラスビーズを取り除いた。この液にN−メチルホルムアミドを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を0.46部得た。
得られた顔料はCuKα線を用いたX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角度2θの7.5°±0.2°、9.9°±0.2°、16.2°±0.2°、18.6°±0.2°、25.2°±0.2°及び28.3°±0.2°にピークを有する。5°〜35°の範囲において最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=27[nm]であった。また、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して2.3質量%であった。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表1に示す。
[感光体製造例7]
感光体製造例6において、二段階目のボールミルで40時間のミリング処理を100時間に変更したこと以外は、感光体製造例6と同様にして、感光体製造例7の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して1.9質量%であった。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表1に示す。
[感光体製造例8]
感光体製造例6において、二段階目のボールミルで40時間のミリング処理を300時間に変更したこと以外は、感光体製造例6と同様にして、感光体製造例8の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して1.5質量%であった。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表1に示す。
[感光体製造例9]
感光体製造例6において、二段階目のボールミルで40時間のミリング処理を1,000時間に変更したこと以外は、感光体製造例6と同様にして、感光体製造例9の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して0.7質量%であった。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表1に示す。
[感光体製造例10]
感光体製造例6において、二段階目のボールミルで40時間のミリング処理を2,000時間に変更したこと以外は、感光体製造例6と同様にして、感光体製造例10の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して0.6質量%であった。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表1に示す。
[感光体製造例11]
感光体製造例8において、電荷発生層の膜厚を150nmから130nmに変更したこと以外は、感光体製造例8と同様にして、感光体製造例11の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表1に示す。
[感光体製造例12]
感光体製造例8において、電荷発生層の膜厚を150nmから170nmに変更したこと以外は、感光体製造例8と同様にして、感光体製造例12の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表1に示す。
[感光体製造例13]
感光体製造例8において、電荷発生層の膜厚を150nmから190nmに変更したこと以外は、感光体製造例8と同様にして、感光体製造例13の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表1に示す。
[感光体製造例14]
感光体製造例8において、ミリング処理で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を用いて電荷発生層用塗布液を調整し、それを浸漬塗布して電荷発生層を形成する工程を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例8と同様にして、感光体製造例14の電子写真感光体を製造した。
感光体製造例8に記載のミリング処理で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料18部、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業製)12部、シクロヘキサノン190部、直径0.9mmのガラスビーズ482部を冷却水温度18℃下で4時間、サンドミル(K−800、五十嵐機械製造(現アイメックス)製、ディスク径70mm、ディスク枚数5枚)を用いて分散処理した。この際、ディスクが1分間に1,800回転する条件で行った。この分散液にシクロヘキサノン444部及び酢酸エチル634部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を上述の下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を100℃で10分間加熱乾燥させることにより、膜厚が190nmの電荷発生層を形成した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表1に示す。
[感光体製造例15]
感光体製造例8において、ミリング処理で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を用いて電荷発生層用塗布液を調整し、それを浸漬塗布して電荷発生層を形成する工程を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例8と同様にして、感光体製造例15の電子写真感光体を製造した。
感光体製造例8に記載のミリング処理で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料22.5部、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業製)7.5部、シクロヘキサノン190部、直径0.9mmのガラスビーズ482部を冷却水温度18℃下で4時間、サンドミル(K−800、五十嵐機械製造(現アイメックス)製、ディスク径70mm、ディスク枚数5枚)を用いて分散処理した。この際、ディスクが1分間に1,800回転する条件で行った。この分散液にシクロヘキサノン444部及び酢酸エチル634部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を上述の下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を100℃で10分間加熱乾燥させることにより、膜厚が150nmの電荷発生層を形成した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表1に示す。
[感光体製造例16]
感光体製造例15において、電荷発生層の膜厚を150nmから190nmに変更したこと以外は、感光体製造例15と同様にして、感光体製造例16の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表1に示す。
[感光体製造例17]
感光体製造例8において、ミリング処理で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を用いて電荷発生層用塗布液を調整し、それを浸漬塗布して電荷発生層を形成する工程を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例8と同様にして、感光体製造例17の電子写真感光体を製造した。
感光体製造例8に記載のミリング処理で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料23.3部、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業製)6.7部、シクロヘキサノン190部、直径0.9mmのガラスビーズ482部を冷却水温度18℃下で4時間、サンドミル(K−800、五十嵐機械製造(現アイメックス)製、ディスク径70mm、ディスク枚数5枚)を用いて分散処理した。この際、ディスクが1分間に1,800回転する条件で行った。この分散液にシクロヘキサノン444部及び酢酸エチル634部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を上述の下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を100℃で10分間加熱乾燥させることにより、膜厚が150nmの電荷発生層を形成した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表1に示す。
[感光体製造例18]
感光体製造例17において、電荷発生層の膜厚を150nmから190nmに変更したこと以外は、感光体製造例17と同様にして、感光体製造例18の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表1に示す。
[感光体製造例19]
感光体製造例8において、ミリング処理で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を用いて電荷発生層用塗布液を調整し、それを浸漬塗布して電荷発生層を形成する工程を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例8と同様にして、感光体製造例19の電子写真感光体を製造した。
感光体製造例8に記載のミリング処理で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料24部、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業製)6部、シクロヘキサノン190部、直径0.9mmのガラスビーズ482部を冷却水温度18℃下で4時間、サンドミル(K−800、五十嵐機械製造(現アイメックス)製、ディスク径70mm、ディスク枚数5枚)を用いて分散処理した。この際、ディスクが1分間に1,800回転する条件で行った。この分散液にシクロヘキサノン444部及び酢酸エチル634部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を上述の下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を100℃で10分間加熱乾燥させることにより、膜厚が150nmの電荷発生層を形成した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表1に示す。
[感光体製造例20]
感光体製造例19において、電荷発生層の膜厚を150nmから190nmに変更したこと以外は、感光体製造例19と同様にして、感光体製造例20の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表1に示す。
[感光体製造例21]
感光体製造例8において、電荷輸送層の膜厚を15μmから11μmに変更したこと以外は、感光体製造例8と同様にして、感光体製造例21の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表1に示す。
[感光体製造例22]
感光体製造例8において、電荷輸送層の膜厚を15μmから13μmに変更したこと以外は、感光体製造例8と同様にして、感光体製造例22の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表1に示す。
[感光体製造例23]
感光体製造例8において、電荷輸送層の膜厚を15μmから17μmに変更したこと以外は、感光体製造例8と同様にして、感光体製造例23の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表1に示す。
[感光体製造例24]
感光体製造例8において、電荷輸送層の膜厚を15μmから20μmに変更したこと以外は、感光体製造例8と同様にして、感光体製造例24の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表1に示す。
[感光体製造例25]
感光体製造例8において、電荷輸送層の膜厚を15μmから23μmに変更したこと以外は、感光体製造例8と同様にして、感光体製造例25の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表1に示す。
[感光体製造例26]
感光体製造例8において、電荷輸送層の膜厚を15μmから27μmに変更したこと以外は、感光体製造例8と同様にして、感光体製造例26の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表1に示す。
[感光体製造例27]
感光体製造例4において、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を得る工程の一段階目のミリング処理を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例4と同様にして、感光体製造例27の電子写真感光体を製造した。
合成例3で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料1部、N−メチルホルムアミド(製品コード:F0059、東京化成工業製)9部、直径0.9mmのガラスビーズ15部を冷却水温度18℃下で30時間、サンドミル(K−800、五十嵐機械製造(現アイメックス)製、ディスク径70mm、ディスク枚数5枚)を用いてミリング処理した(一段階目)。この際、ディスクが1分間に800回転する条件で行った。こうしてミリング処理した液をフィルター(品番:N−NO.125T、孔径:133μm、NBCメッシュテック製)で濾過してガラスビーズを取り除いた。この液を室温(23℃)下で1,000時間、ボールミルでミリング処理した(二段階目)。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用い、容器が1分間に120回転する条件で行った。また、このミリング処理においてガラスビーズ等のメディアは用いなかった。こうして処理した液にN−メチルホルムアミドを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を0.44部得た。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=31[nm]であった。また、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して1.5質量%であった。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表1に示す。
[感光体製造例28]
感光体製造例27において、二段階目のボールミルで1,000時間のミリング処理を2,000時間に変更したこと以外は、感光体製造例27と同様にして、感光体製造例28の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して1.3質量%であった。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表1に示す。
[感光体製造例29]
感光体製造例27において、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を得る工程の二段階目のミリング処理を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例27と同様にして、感光体製造例29の電子写真感光体を製造した。
合成例3で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料1部、N−メチルホルムアミド(製品コード:F0059、東京化成工業製)9部、直径0.9mmのガラスビーズ15部を冷却水温度18℃下で30時間、サンドミル(K−800、五十嵐機械製造(現アイメックス)製、ディスク径70mm、ディスク枚数5枚)を用いてミリング処理した(一段階目)。この際、ディスクが1分間に800回転する条件で行った。こうしてミリング処理した液を、室温(23℃)下で100時間、ボールミルでミリング処理した(二段階目)。この際、サンドミルで処理した液をガラスビーズも含めて容器に写し、容器が1分間に120回転する条件で行った。したがって、二段階目のミリング処理において一段階目と同様のガラスビーズを用いた。また、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用いた。こうして処理した液をフィルター(品番:N−NO.125T、孔径:133μm、NBCメッシュテック製)で濾過してガラスビーズを取り除いた。この液にN−メチルホルムアミドを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を0.45部得た。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=27[nm]であった。また、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して1.7質量%であった。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表1に示す。
[感光体製造例30]
感光体製造例29において、二段階目のボールミルで100時間のミリング処理を300時間に変更したこと以外は、感光体製造例29と同様にして、感光体製造例30の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して1.3質量%であった。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表1に示す。
[感光体製造例31]
感光体製造例29において、二段階目のボールミルで100時間のミリング処理を1,000時間に変更したこと以外は、感光体製造例29と同様にして、感光体製造例31の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して0.8質量%であった。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表1に示す。
[感光体製造例32]
感光体製造例29において、二段階目のボールミルで100時間のミリング処理を2,000時間に変更したこと以外は、感光体製造例29と同様にして、感光体製造例32の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して0.6質量%であった。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表1に示す。
[感光体製造例33]
感光体製造例1において、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を得る工程の二段階目のミリング処理を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例1と同様にして、感光体製造例33の電子写真感光体を製造した。
合成例3で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料0.5部、N−メチルホルムアミド(製品コード:F0059、東京化成工業製)9.5部、直径0.9mmのガラスビーズ15部を室温(23℃)下で6時間、ペイントシェーカ(東洋精機製作所製)を用いてミリング処理した(一段階目)。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用いた。こうしてミリング処理した液をフィルター(品番:N−NO.125T、孔径:133μm、NBCメッシュテック製)で濾過してガラスビーズを取り除いた。この液を室温(23℃)下で100時間、マグネティックスターラでミリング処理した(二段階目)。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用い、回転子が1分間に1,500回転する条件で行った。また、このミリング処理においてガラスビーズ等のメディアは用いなかった。こうして処理した液にN−メチルホルムアミドを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を0.46部得た。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=34[nm]であった。また、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して2.7質量%であった。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表1に示す。
[感光体製造例34]
感光体製造例33において、二段階目のマグネティックスターラで100時間のミリング処理を300時間に変更したこと以外は、感光体製造例33と同様にして、感光体製造例34の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して2.5質量%であった。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表1に示す。
[感光体製造例35]
感光体製造例1において、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を得る工程の二段階目のミリング処理を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例1と同様にして、感光体製造例35の電子写真感光体を製造した。
合成例3で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料0.5部、N−メチルホルムアミド(製品コード:F0059、東京化成工業製)9.5部、直径0.9mmのガラスビーズ15部を室温(23℃)下で6時間、ペイントシェーカ(東洋精機製作所製)を用いてミリング処理した(一段階目)。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用いた。こうしてミリング処理した液をフィルター(品番:N−NO.125T、孔径:133μm、NBCメッシュテック製)で濾過してガラスビーズを取り除いた。この液を室温(23℃)下で10時間、超音波分散機(UT−205、シャープ製)でミリング処理した(二段階目)。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用い、該超音波分散機の出力は100%とした。また、このミリング処理においてガラスビーズ等のメディアは用いなかった。こうして処理した液にN−メチルホルムアミドを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を0.46部得た。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=29[nm]であった。また、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して2.9質量%であった。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表1に示す。
[感光体製造例36]
感光体製造例35において、二段階目の超音波分散機で10時間のミリング処理を30時間に変更したこと以外は、感光体製造例35と同様にして、感光体製造例36の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して2.7質量%であった。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表1に示す。
[感光体製造例37]
感光体製造例1において、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を得る工程を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例1と同様にして、感光体製造例37の電子写真感光体を製造した。
合成例3で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料1部、N−メチルホルムアミド(製品コード:F0059、東京化成工業製)9部、直径0.9mmのガラスビーズ15部を冷却水温度18℃下で70時間、サンドミル(K−800、五十嵐機械製造(現アイメックス)製、ディスク径70mm、ディスク枚数5枚)を用いてミリング処理した。この際、ディスクが1分間に400回転する条件で行った。こうして処理した液にN−メチルホルムアミドを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を0.45部得た。
得られた顔料はCuKα線を用いたX線回折スペクトル(図2)において、ブラッグ角度2θの7.5°±0.2°、9.9°±0.2°、16.2°±0.2°、18.6°±0.2°、25.2°±0.2°及び28.3°±0.2°にピークを有する。5°〜35°の範囲において最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=27[nm]であった。また、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して1.5質量%であった。
このとき得られた電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像を図1に示す。また、このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を表1に示す。
[感光体製造例38]
感光体製造例37において、サンドミルで70時間のミリング処理を100時間に変更したこと以外は、感光体製造例37と同様にして、感光体製造例38の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して0.9質量%であった。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表1に示す。
[感光体製造例39]
感光体製造例37において、電荷発生層の膜厚を150nmから130nmに変更したこと以外は、感光体製造例37と同様にして、感光体製造例39の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表1に示す。
[感光体製造例40]
感光体製造例37において、電荷発生層の膜厚を150nmから170nmに変更したこと以外は、感光体製造例37と同様にして、感光体製造例40の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表1に示す。
[感光体製造例41]
感光体製造例37において、電荷発生層の膜厚を150nmから190nmに変更したこと以外は、感光体製造例37と同様にして、感光体製造例41の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表1に示す。
[感光体製造例42]
感光体製造例37において、ミリング処理で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を用いて電荷発生層用塗布液を調整し、それを浸漬塗布して電荷発生層を形成する工程を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例37と同様にして、感光体製造例42の電子写真感光体を製造した。
感光体製造例37に記載のミリング処理で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料18部、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業製)12部、シクロヘキサノン190部、直径0.9mmのガラスビーズ482部を冷却水温度18℃下で4時間、サンドミル(K−800、五十嵐機械製造(現アイメックス)製、ディスク径70mm、ディスク枚数5枚)を用いて分散処理した。この際、ディスクが1分間に1,800回転する条件で行った。この分散液にシクロヘキサノン444部及び酢酸エチル634部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を上述の下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を100℃で10分間加熱乾燥させることにより、膜厚が190nmの電荷発生層を形成した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表1に示す。
[感光体製造例43]
感光体製造例37において、ミリング処理で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を用いて電荷発生層用塗布液を調整し、それを浸漬塗布して電荷発生層を形成する工程を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例37と同様にして、感光体製造例43の電子写真感光体を製造した。
感光体製造例37に記載のミリング処理で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料22.5部、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業製)7.5部、シクロヘキサノン190部、直径0.9mmのガラスビーズ482部を冷却水温度18℃下で4時間、サンドミル(K−800、五十嵐機械製造(現アイメックス)製、ディスク径70mm、ディスク枚数5枚)を用いて分散処理した。この際、ディスクが1分間に1,800回転する条件で行った。この分散液にシクロヘキサノン444部及び酢酸エチル634部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を上述の下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を100℃で10分間加熱乾燥させることにより、膜厚が150nmの電荷発生層を形成した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表1に示す。
[感光体製造例44]
感光体製造例43において、電荷発生層の膜厚を150nmから190nmに変更したこと以外は、感光体製造例43と同様にして、感光体製造例44の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表1に示す。
[感光体製造例45]
感光体製造例37において、ミリング処理で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を用いて電荷発生層用塗布液を調整し、それを浸漬塗布して電荷発生層を形成する工程を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例37と同様にして、感光体製造例45の電子写真感光体を製造した。
感光体製造例37に記載のミリング処理で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料23.3部、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業製)6.7部、シクロヘキサノン190部、直径0.9mmのガラスビーズ482部を冷却水温度18℃下で4時間、サンドミル(K−800、五十嵐機械製造(現アイメックス)製、ディスク径70mm、ディスク枚数5枚)を用いて分散処理した。この際、ディスクが1分間に1,800回転する条件で行った。この分散液にシクロヘキサノン444部及び酢酸エチル634部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を上述の下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を100℃で10分間加熱乾燥させることにより、膜厚が150nmの電荷発生層を形成した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表1に示す。
[感光体製造例46]
感光体製造例45において、電荷発生層の膜厚を150nmから190nmに変更したこと以外は、感光体製造例45と同様にして、感光体製造例46の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表1に示す。
[感光体製造例47]
感光体製造例37において、ミリング処理で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を用いて電荷発生層用塗布液を調整し、それを浸漬塗布して電荷発生層を形成する工程を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例37と同様にして、感光体製造例47の電子写真感光体を製造した。
感光体製造例37に記載のミリング処理で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料24部、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業製)6部、シクロヘキサノン190部、直径0.9mmのガラスビーズ482部を冷却水温度18℃下で4時間、サンドミル(K−800、五十嵐機械製造(現アイメックス)製、ディスク径70mm、ディスク枚数5枚)を用いて分散処理した。この際、ディスクが1分間に1,800回転する条件で行った。この分散液にシクロヘキサノン444部及び酢酸エチル634部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を上述の下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を100℃で10分間加熱乾燥させることにより、膜厚が150nmの電荷発生層を形成した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表1に示す。
[感光体製造例48]
感光体製造例47において、電荷発生層の膜厚を150nmから190nmに変更したこと以外は、感光体製造例47と同様にして、感光体製造例48の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表1に示す。
[感光体製造例49]
感光体製造例37において、電荷輸送層の膜厚を15μmから11μmに変更したこと以外は、感光体製造例37と同様にして、感光体製造例49の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表1に示す。
[感光体製造例50]
感光体製造例37において、電荷輸送層の膜厚を15μmから13μmに変更したこと以外は、感光体製造例37と同様にして、感光体製造例50の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表1に示す。
[感光体製造例51]
感光体製造例37において、電荷輸送層の膜厚を15μmから17μmに変更したこと以外は、感光体製造例37と同様にして、感光体製造例51の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表1に示す。
[感光体製造例52]
感光体製造例37において、電荷輸送層の膜厚を15μmから20μmに変更したこと以外は、感光体製造例37と同様にして、感光体製造例52の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表1に示す。
[感光体製造例53]
感光体製造例37において、電荷輸送層の膜厚を15μmから23μmに変更したこと以外は、感光体製造例37と同様にして、感光体製造例53の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表1に示す。
[感光体製造例54]
感光体製造例37において、電荷輸送層の膜厚を15μmから27μmに変更したこと以外は、感光体製造例37と同様にして、感光体製造例54の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表1に示す。
[感光体製造例55]
感光体製造例1において、電荷発生層を形成する工程を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例1と同様にして、感光体製造例55の電子写真感光体を製造した。
合成例3で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料0.5部、N,N−ジメチルホルムアミド(製品コード:D0722、東京化成工業製)9.5部、直径0.9mmのガラスビーズ15部を室温(23℃)下で6時間、ペイントシェーカ(東洋精機製作所製)を用いてミリング処理した(一段階目)。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用いた。こうしてミリング処理した液をフィルター(品番:N−NO.125T、孔径:133μm、NBCメッシュテック製)で濾過してガラスビーズを取り除いた。この液を室温(23℃)下で1,000時間、ボールミルでミリング処理した(二段階目)。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用い、容器が1分間に120回転する条件で行った。また、このミリング処理においてガラスビーズ等のメディアは用いなかった。こうして処理した液にN,N−ジメチルホルムアミドを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を0.47部得た。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=36[nm]であった。
続いて、前記ミリング処理で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料20部、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業製)10部、シクロヘキサノン190部、直径0.9mmのガラスビーズ482部を冷却水温度18℃下で4時間、サンドミル(K−800、五十嵐機械製造(現アイメックス)製、ディスク径70mm、ディスク枚数5枚)を用いて分散処理した。この際、ディスクが1分間に1,800回転する条件で行った。この分散液にシクロヘキサノン444部及び酢酸エチル634部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を上述の下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を100℃で10分間加熱乾燥させることにより、膜厚が170nmの電荷発生層を形成した。
このときの電荷発生層の全体積に対する電荷発生物質の体積の比率Pは、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の比重を1.6、ポリビニルブチラールの比重を1.1として計算すると、P=0.58となる。また、電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=148[nm]であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.24となる。一方、電荷発生層の膜厚d[nm]がP・d/R>1を満たすための条件は、d>256である。そこで、d=260、300、350、400、450の5水準の電荷発生層単層膜をPETフィルム(ポリエチレンテレフタレートのフィルム)上に形成し、補正用のPETフィルム単体試料と合わせて、ゴニオメータを用いて光透過率を測定した。その結果から吸収係数αを計算すると、α=0.0042[nm−1]であった。
また、上記SEM画像から見積もられた粒度分布における各結晶粒子の直径Ri[nm]と上記k=0.24を上記式(E1)に代入して求めたΦiと、各結晶粒子の直径Ri[nm]、上記吸収係数をα=0.0042[nm−1]、上記膜厚d=170[nm]、上記電荷発生層の全体積に対する電荷発生物質の体積の比率P=0.58を上記式(E2)から求めたΨiについて、ΦiとΨiの積を該粒度分布において体積平均したときの値を上記式(E15)により求めると0.33であった。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を表2に示す。
[感光体製造例56]
感光体製造例55において、二段階目のボールミルで1,000時間のミリング処理を2,000時間に変更したこと以外は、感光体製造例55と同様にして、感光体製造例56の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表2に示す。
[感光体製造例57]
感光体製造例55において、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を得る工程の二段階目のミリング処理を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例55と同様にして、感光体製造例57の電子写真感光体を製造した。
合成例3で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料0.5部、N,N−ジメチルホルムアミド(製品コード:D0722、東京化成工業製)9.5部、直径0.9mmのガラスビーズ15部を室温(23℃)下で6時間、ペイントシェーカ(東洋精機製作所製)を用いてミリング処理した(一段階目)。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用いた。こうしてミリング処理した液を、室温(23℃)下で300時間、ボールミルでミリング処理した(二段階目)。この際、容器の中身を取り出すことなく、容器をそのままボールミルにセットし、容器が1分間に120回転する条件で行った。したがって、二段階目のミリング処理において一段階目と同様のガラスビーズを用いた。こうして処理した液をフィルター(品番:N−NO.125T、孔径:133μm、NBCメッシュテック製)で濾過してガラスビーズを取り除いた。この液にN,N−ジメチルホルムアミドを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を0.47部得た。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=36[nm]であった。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表2に示す。
[感光体製造例58]
感光体製造例57において、二段階目のボールミルで300時間のミリング処理を1,000時間に変更したこと以外は、感光体製造例57と同様にして、感光体製造例58の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表2に示す。
[感光体製造例59]
感光体製造例57において、二段階目のボールミルで300時間のミリング処理を2,000時間に変更したこと以外は、感光体製造例57と同様にして、感光体製造例59の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表2に示す。
[感光体製造例60]
感光体製造例59において、電荷発生層の膜厚を170nmから190nmに変更したこと以外は、感光体製造例59と同様にして、感光体製造例60の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表2に示す。
[感光体製造例61]
感光体製造例59において、ミリング処理で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を用いて電荷発生層用塗布液を調整し、それを浸漬塗布して電荷発生層を形成する工程を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例59と同様にして、感光体製造例61の電子写真感光体を製造した。
感光体製造例59に記載のミリング処理で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料22.5部、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業製)7.5部、シクロヘキサノン190部、直径0.9mmのガラスビーズ482部を冷却水温度18℃下で4時間、サンドミル(K−800、五十嵐機械製造(現アイメックス)製、ディスク径70mm、ディスク枚数5枚)を用いて分散処理した。この際、ディスクが1分間に1,800回転する条件で行った。この分散液にシクロヘキサノン444部及び酢酸エチル634部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を上述の下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を100℃で10分間加熱乾燥させることにより、膜厚が170nmの電荷発生層を形成した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表2に示す。
[感光体製造例62]
感光体製造例61において、電荷発生層の膜厚を170nmから190nmに変更したこと以外は、感光体製造例61と同様にして、感光体製造例62の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表2に示す。
[感光体製造例63]
感光体製造例59において、ミリング処理で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を用いて電荷発生層用塗布液を調整し、それを浸漬塗布して電荷発生層を形成する工程を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例59と同様にして、感光体製造例63の電子写真感光体を製造した。
感光体製造例59に記載のミリング処理で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料23.3部、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業製)6.7部、シクロヘキサノン190部、直径0.9mmのガラスビーズ482部を冷却水温度18℃下で4時間、サンドミル(K−800、五十嵐機械製造(現アイメックス)製、ディスク径70mm、ディスク枚数5枚)を用いて分散処理した。この際、ディスクが1分間に1,800回転する条件で行った。この分散液にシクロヘキサノン444部及び酢酸エチル634部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を上述の下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を100℃で10分間加熱乾燥させることにより、膜厚が170nmの電荷発生層を形成した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表2に示す。
[感光体製造例64]
感光体製造例63において、電荷発生層の膜厚を170nmから190nmに変更したこと以外は、感光体製造例63と同様にして、感光体製造例64の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表2に示す。
[感光体製造例65]
感光体製造例59において、ミリング処理で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を用いて電荷発生層用塗布液を調整し、それを浸漬塗布して電荷発生層を形成する工程を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例59と同様にして、感光体製造例65の電子写真感光体を製造した。
感光体製造例59に記載のミリング処理で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料24部、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業製)6部、シクロヘキサノン190部、直径0.9mmのガラスビーズ482部を冷却水温度18℃下で4時間、サンドミル(K−800、五十嵐機械製造(現アイメックス)製、ディスク径70mm、ディスク枚数5枚)を用いて分散処理した。この際、ディスクが1分間に1,800回転する条件で行った。この分散液にシクロヘキサノン444部及び酢酸エチル634部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を上述の下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を100℃で10分間加熱乾燥させることにより、膜厚が170nmの電荷発生層を形成した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表2に示す。
[感光体製造例66]
感光体製造例65において、電荷発生層の膜厚を170nmから190nmに変更したこと以外は、感光体製造例65と同様にして、感光体製造例66の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表2に示す。
[感光体製造例67]
感光体製造例59において、電荷輸送層の膜厚を15μmから11μmに変更したこと以外は、感光体製造例59と同様にして、感光体製造例67の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表2に示す。
[感光体製造例68]
感光体製造例59において、電荷輸送層の膜厚を15μmから13μmに変更したこと以外は、感光体製造例59と同様にして、感光体製造例68の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表2に示す。
[感光体製造例69]
感光体製造例59において、電荷輸送層の膜厚を15μmから17μmに変更したこと以外は、感光体製造例59と同様にして、感光体製造例69の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表2に示す。
[感光体製造例70]
感光体製造例59において、電荷輸送層の膜厚を15μmから20μmに変更したこと以外は、感光体製造例59と同様にして、感光体製造例70の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表2に示す。
[感光体製造例71]
感光体製造例59において、電荷輸送層の膜厚を15μmから23μmに変更したこと以外は、感光体製造例59と同様にして、感光体製造例71の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表2に示す。
[感光体製造例72]
感光体製造例59において、電荷輸送層の膜厚を15μmから27μmに変更したこと以外は、感光体製造例59と同様にして、感光体製造例72の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表2に示す。
[感光体製造例73]
感光体製造例1において、電荷発生層を形成する工程を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例1と同様にして、感光体製造例73の電子写真感光体を製造した。
合成例3で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料0.5部、ジメチルスルホキシド(製品コード:D0798、東京化成工業製)9.5部、直径0.9mmのガラスビーズ15部を室温(23℃)下で6時間、ペイントシェーカ(東洋精機製作所製)を用いてミリング処理した(一段階目)。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用いた。こうしてミリング処理した液を、室温(23℃)下で2,000時間、ボールミルでミリング処理した(二段階目)。この際、容器の中身を取り出すことなく、容器をそのままボールミルにセットし、容器が1分間に120回転する条件で行った。したがって、二段階目のミリング処理において一段階目と同様のガラスビーズを用いた。こうして処理した液をフィルター(品番:N−NO.125T、孔径:133μm、NBCメッシュテック製)で濾過してガラスビーズを取り除いた。この液にジメチルスルホキシドを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を0.45部得た。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=36[nm]であった。
続いて、前記ミリング処理で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料20部、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業製)10部、シクロヘキサノン190部、直径0.9mmのガラスビーズ482部を冷却水温度18℃下で4時間、サンドミル(K−800、五十嵐機械製造(現アイメックス)製、ディスク径70mm、ディスク枚数5枚)を用いて分散処理した。この際、ディスクが1分間に1,800回転する条件で行った。この分散液にシクロヘキサノン444部及び酢酸エチル634部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を上述の下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を100℃で10分間加熱乾燥させることにより、膜厚が170nmの電荷発生層を形成した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表2に示す。
[感光体製造例74]
感光体製造例1において、電荷発生層を形成する工程を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例1と同様にして、感光体製造例74の電子写真感光体を製造した。
合成例4で得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料0.5部、N,N−ジメチルホルムアミド(製品コード:D0722、東京化成工業製)10部、直径0.9mmのガラスビーズ15部を室温(23℃)下で1時間、ペイントシェーカ(東洋精機製作所製)を用いてミリング処理した(一段階目)。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用いた。こうしてミリング処理した液をフィルター(品番:N−NO.125T、孔径:133μm、NBCメッシュテック製)で濾過してガラスビーズを取り除いた。この液を室温(23℃)下で100時間、ボールミルでミリング処理した(二段階目)。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用い、容器が1分間に120回転する条件で行った。また、このミリング処理においてガラスビーズ等のメディアは用いなかった。こうして処理した液にN,N−ジメチルホルムアミドを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、クロロガリウムフタロシアニン顔料を0.46部得た。
得られた顔料はCuKα線を用いたX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角度2θ±0.2°の7.4°、16.6°、25.5°及び28.3°にピークを有する。5°〜35°の範囲において最も高強度の回折ピークである7.4°のピークから見積もられた結晶相関長はr=34[nm]であった。
続いて、前記ミリング処理で得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料30部、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業製)10部、シクロヘキサノン253部、直径0.9mmのガラスビーズ643部を冷却水温度18℃下で4時間、サンドミル(K−800、五十嵐機械製造(現アイメックス)製、ディスク径70mm、ディスク枚数5枚)を用いて分散処理した。この際、ディスクが1分間に1,800回転する条件で行った。この分散液にシクロヘキサノン592部及び酢酸エチル845部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を上述の下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を100℃で10分間加熱乾燥させることにより、膜厚が170nmの電荷発生層を形成した。
このときの電荷発生層の全体積に対する電荷発生物質の体積の比率Pは、クロロガリウムフタロシアニン顔料の比重を1.6、ポリビニルブチラールの比重を1.1として計算すると、P=0.67となる。また、電荷発生層中のクロロガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=123[nm]であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.27となる。一方、電荷発生層の膜厚d[nm]がP・d/R>1を満たすための条件は、d>184である。そこで、d=200、250、300、350、400の5水準の電荷発生層単層膜をPETフィルム(ポリエチレンテレフタレートのフィルム)上に形成し、補正用のPETフィルム単体試料と合わせて、ゴニオメータを用いて光透過率を測定した。その結果から吸収係数αを計算すると、α=0.0050[nm−1]であった。
また、上記SEM画像から見積もられた粒度分布における各結晶粒子の直径Ri[nm]と上記k=0.27を上記式(E1)に代入して求めたΦiと、各結晶粒子の直径Ri[nm]、上記吸収係数をα=0.0050[nm−1]、上記膜厚d=170[nm]、上記電荷発生層の全体積に対する電荷発生物質の体積の比率P=0.67を上記式(E2)から求めたΨiについて、ΦiとΨiの積を該粒度分布において体積平均したときの値を上記式(E15)により求めると0.33であった。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を表2に示す。
[感光体製造例75]
感光体製造例74において、二段階目のボールミルで100時間のミリング処理を300時間に変更したこと以外は、感光体製造例74と同様にして、感光体製造例75の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表2に示す。
[感光体製造例76]
感光体製造例74において、クロロガリウムフタロシアニン顔料を得る工程の二段階目のミリング処理を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例74と同様にして、感光体製造例76の電子写真感光体を製造した。
合成例4で得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料0.5部、N,N−ジメチルホルムアミド(製品コード:D0722、東京化成工業製)10部、直径0.9mmのガラスビーズ15部を室温(23℃)下で1時間、ペイントシェーカ(東洋精機製作所製)を用いてミリング処理した(一段階目)。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用いた。こうしてミリング処理した液を、室温(23℃)下で20時間、ボールミルでミリング処理した(二段階目)。この際、容器の中身を取り出すことなく、容器をそのままボールミルにセットし、容器が1分間に120回転する条件で行った。したがって、二段階目のミリング処理において一段階目と同様のガラスビーズを用いた。こうして処理した液をフィルター(品番:N−NO.125T、孔径:133μm、NBCメッシュテック製)で濾過してガラスビーズを取り除いた。この液にN,N−ジメチルホルムアミドを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、クロロガリウムフタロシアニン顔料を0.47部得た。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.4°のピークから見積もられた結晶相関長はr=31[nm]であった。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表2に示す。
[感光体製造例77]
感光体製造例76において、二段階目のボールミルで20時間のミリング処理を40時間に変更したこと以外は、感光体製造例76と同様にして、感光体製造例77の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表2に示す。
[感光体製造例78]
感光体製造例76において、二段階目のボールミルで20時間のミリング処理を100時間に変更したこと以外は、感光体製造例76と同様にして、感光体製造例78の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表2に示す。
[感光体製造例79]
感光体製造例76において、二段階目のボールミルで20時間のミリング処理を300時間に変更したこと以外は、感光体製造例76と同様にして、感光体製造例79の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表2に示す。
[感光体製造例80]
感光体製造例74において、クロロガリウムフタロシアニン顔料を得る工程の二段階目のミリング処理を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例74と同様にして、感光体製造例80の電子写真感光体を製造した。
合成例4で得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料0.5部、N,N−ジメチルホルムアミド(製品コード:D0722、東京化成工業製)10部、直径0.9mmのガラスビーズ15部を室温(23℃)下で1時間、ペイントシェーカ(東洋精機製作所製)を用いてミリング処理した(一段階目)。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用いた。こうしてミリング処理した液をフィルター(品番:N−NO.125T、孔径:133μm、NBCメッシュテック製)で濾過してガラスビーズを取り除いた。この液を室温(23℃)下で40時間、マグネティックスターラでミリング処理した(二段階目)。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用い、回転子が1分間に1,500回転する条件で行った。また、このミリング処理においてガラスビーズ等のメディアは用いなかった。こうして処理した液にN,N−ジメチルホルムアミドを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、クロロガリウムフタロシアニン顔料を0.47部得た。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.4°のピークから見積もられた結晶相関長はr=29[nm]であった。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表2に示す。
[感光体製造例81]
感光体製造例74において、クロロガリウムフタロシアニン顔料を得る工程の二段階目のミリング処理を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例74と同様にして、感光体製造例81の電子写真感光体を製造した。
合成例4で得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料0.5部、N,N−ジメチルホルムアミド(製品コード:D0722、東京化成工業製)10部、直径0.9mmのガラスビーズ15部を室温(23℃)下で1時間、ペイントシェーカ(東洋精機製作所製)を用いてミリング処理した(一段階目)。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用いた。こうしてミリング処理した液をフィルター(品番:N−NO.125T、孔径:133μm、NBCメッシュテック製)で濾過してガラスビーズを取り除いた。この液を室温(23℃)下で5時間、超音波分散機(UT−205、シャープ製)でミリング処理した(二段階目)。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用い、該超音波分散機の出力は100%とした。また、このミリング処理においてガラスビーズ等のメディアは用いなかった。こうして処理した液にN,N−ジメチルホルムアミドを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、クロロガリウムフタロシアニン顔料を0.46部得た。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.4°のピークから見積もられた結晶相関長はr=31[nm]であった。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表2に示す。
[感光体製造例82]
感光体製造例81において、電荷発生層の膜厚を170nmから190nmに変更したこと以外は、感光体製造例81と同様にして、感光体製造例82の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表2に示す。
[感光体製造例83]
感光体製造例81において、ミリング処理で得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料を用いて電荷発生層用塗布液を調整し、それを浸漬塗布して電荷発生層を形成する工程を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例81と同様にして、感光体製造例83の電子写真感光体を製造した。
感光体製造例81に記載のミリング処理で得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料26.7部、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業製)13.3部、シクロヘキサノン253部、直径0.9mmのガラスビーズ643部を冷却水温度18℃下で4時間、サンドミル(K−800、五十嵐機械製造(現アイメックス)製、ディスク径70mm、ディスク枚数5枚)を用いて分散処理した。この際、ディスクが1分間に1,800回転する条件で行った。この分散液にシクロヘキサノン592部及び酢酸エチル845部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を上述の下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を100℃で10分間加熱乾燥させることにより、膜厚が190nmの電荷発生層を形成した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表2に示す。
[感光体製造例84]
感光体製造例81において、ミリング処理で得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料を用いて電荷発生層用塗布液を調整し、それを浸漬塗布して電荷発生層を形成する工程を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例81と同様にして、感光体製造例84の電子写真感光体を製造した。
感光体製造例81に記載のミリング処理で得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料31.1部、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業製)8.9部、シクロヘキサノン253部、直径0.9mmのガラスビーズ643部を冷却水温度18℃下で4時間、サンドミル(K−800、五十嵐機械製造(現アイメックス)製、ディスク径70mm、ディスク枚数5枚)を用いて分散処理した。この際、ディスクが1分間に1,800回転する条件で行った。この分散液にシクロヘキサノン592部及び酢酸エチル845部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を上述の下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を100℃で10分間加熱乾燥させることにより、膜厚が170nmの電荷発生層を形成した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表2に示す。
[感光体製造例85]
感光体製造例84において、電荷発生層の膜厚を170nmから190nmに変更したこと以外は、感光体製造例84と同様にして、感光体製造例85の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表2に示す。
[感光体製造例86]
感光体製造例81において、ミリング処理で得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料を用いて電荷発生層用塗布液を調整し、それを浸漬塗布して電荷発生層を形成する工程を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例81と同様にして、感光体製造例86の電子写真感光体を製造した。
感光体製造例81に記載のミリング処理で得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料32部、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業製)8部、シクロヘキサノン253部、直径0.9mmのガラスビーズ643部を冷却水温度18℃下で4時間、サンドミル(K−800、五十嵐機械製造(現アイメックス)製、ディスク径70mm、ディスク枚数5枚)を用いて分散処理した。この際、ディスクが1分間に1,800回転する条件で行った。この分散液にシクロヘキサノン592部及び酢酸エチル845部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を上述の下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を100℃で10分間加熱乾燥させることにより、膜厚が170nmの電荷発生層を形成した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表2に示す。
[感光体製造例87]
感光体製造例86において、電荷発生層の膜厚を170nmから190nmに変更したこと以外は、感光体製造例86と同様にして、感光体製造例87の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表2に示す。
[感光体製造例88]
感光体製造例81において、電荷輸送層の膜厚を15μmから11μmに変更したこと以外は、感光体製造例81と同様にして、感光体製造例88の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表2に示す。
[感光体製造例89]
感光体製造例81において、電荷輸送層の膜厚を15μmから13μmに変更したこと以外は、感光体製造例81と同様にして、感光体製造例89の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表2に示す。
[感光体製造例90]
感光体製造例81において、電荷輸送層の膜厚を15μmから17μmに変更したこと以外は、感光体製造例81と同様にして、感光体製造例90の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表2に示す。
[感光体製造例91]
感光体製造例81において、電荷輸送層の膜厚を15μmから20μmに変更したこと以外は、感光体製造例81と同様にして、感光体製造例91の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表2に示す。
[感光体製造例92]
感光体製造例81において、電荷輸送層の膜厚を15μmから23μmに変更したこと以外は、感光体製造例81と同様にして、感光体製造例92の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表2に示す。
[感光体製造例93]
感光体製造例81において、電荷輸送層の膜厚を15μmから27μmに変更したこと以外は、感光体製造例81と同様にして、感光体製造例93の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表2に示す。
[感光体製造例94]
感光体製造例74において、電荷発生層を形成する工程を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例74と同様にして、感光体製造例94の電子写真感光体を製造した。
合成例4で得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料0.5部、N−メチルホルムアミド(製品コード:F0059、東京化成工業製)10部、直径0.9mmのガラスビーズ15部を室温(23℃)下で1時間、ペイントシェーカ(東洋精機製作所製)を用いてミリング処理した(一段階目)。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用いた。こうしてミリング処理した液をフィルター(品番:N−NO.125T、孔径:133μm、NBCメッシュテック製)で濾過してガラスビーズを取り除いた。この液を室温(23℃)下で300時間、ボールミルでミリング処理した(二段階目)。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用い、容器が1分間に120回転する条件で行った。また、このミリング処理においてガラスビーズ等のメディアは用いなかった。こうして処理した液にN−メチルホルムアミドを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、クロロガリウムフタロシアニン顔料を0.45部得た。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.4°のピークから見積もられた結晶相関長はr=31[nm]であった。
続いて、前記ミリング処理で得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料30部、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業製)10部、シクロヘキサノン253部、直径0.9mmのガラスビーズ643部を冷却水温度18℃下で4時間、サンドミル(K−800、五十嵐機械製造(現アイメックス)製、ディスク径70mm、ディスク枚数5枚)を用いて分散処理した。この際、ディスクが1分間に1,800回転する条件で行った。この分散液にシクロヘキサノン592部及び酢酸エチル845部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を上述の下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を100℃で10分間加熱乾燥させることにより、膜厚が170nmの電荷発生層を形成した。
このときの電荷発生層の全体積に対する電荷発生物質の体積の比率Pは、クロロガリウムフタロシアニン顔料の比重を1.6、ポリビニルブチラールの比重を1.1として計算すると、P=0.67となる。また、電荷発生層中のクロロガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=135[nm]であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.23となる。一方、電荷発生層の膜厚d[nm]がP・d/R>1を満たすための条件は、d>201である。そこで、d=220、250、300、350、400の5水準の電荷発生層単層膜をPETフィルム(ポリエチレンテレフタレートのフィルム)上に形成し、補正用のPETフィルム単体試料と合わせて、ゴニオメータを用いて光透過率を測定した。その結果から吸収係数αを計算すると、α=0.0050[nm−1]であった。
また、上記SEM画像から見積もられた粒度分布における各結晶粒子の直径Ri[nm]と上記k=0.23を上記式(E1)に代入して求めたΦiと、各結晶粒子の直径Ri[nm]、上記吸収係数をα=0.0050[nm−1]、上記膜厚d=170[nm]、上記電荷発生層の全体積に対する電荷発生物質の体積の比率P=0.67を上記式(E2)から求めたΨiについて、ΦiとΨiの積を該粒度分布において体積平均したときの値を上記式(E15)により求めると0.32であった。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を表2に示す。
[感光体製造例95]
感光体製造例94において、クロロガリウムフタロシアニン顔料を得る工程の二段階目のミリング処理を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例94と同様にして、感光体製造例95の電子写真感光体を製造した。
合成例4で得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料0.5部、N−メチルホルムアミド(製品コード:F0059、東京化成工業製)10部、直径0.9mmのガラスビーズ15部を室温(23℃)下で1時間、ペイントシェーカ(東洋精機製作所製)を用いてミリング処理した(一段階目)。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用いた。こうしてミリング処理した液を、室温(23℃)下で300時間、ボールミルでミリング処理した(二段階目)。この際、容器の中身を取り出すことなく、容器をそのままボールミルにセットし、容器が1分間に120回転する条件で行った。したがって、二段階目のミリング処理において一段階目と同様のガラスビーズを用いた。こうして処理した液をフィルター(品番:N−NO.125T、孔径:133μm、NBCメッシュテック製)で濾過してガラスビーズを取り除いた。この液にN−メチルホルムアミドを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、クロロガリウムフタロシアニン顔料を0.45部得た。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.4°のピークから見積もられた結晶相関長はr=34[nm]であった。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表2に示す。
[感光体製造例96]
感光体製造例74において、クロロガリウムフタロシアニン顔料を得る工程を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例74と同様にして、感光体製造例96の電子写真感光体を製造した。
合成例4で得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料0.5部、ジメチルスルホキシド(製品コード:D0798、東京化成工業製)10部、直径0.9mmのガラスビーズ15部を室温(23℃)下で1時間、ペイントシェーカ(東洋精機製作所製)を用いてミリング処理した(一段階目)。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用いた。こうしてミリング処理した液をフィルター(品番:N−NO.125T、孔径:133μm、NBCメッシュテック製)で濾過してガラスビーズを取り除いた。この液を室温(23℃)下で300時間、ボールミルでミリング処理した(二段階目)。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用い、容器が1分間に120回転する条件で行った。また、このミリング処理においてガラスビーズ等のメディアは用いなかった。こうして処理した液にジメチルスルホキシドを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、クロロガリウムフタロシアニン顔料を0.44部得た。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.4°のピークから見積もられた結晶相関長はr=31(nm)であった。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表2に示す。
[感光体製造例97]
感光体製造例96において、クロロガリウムフタロシアニン顔料を得る工程の二段階目のミリング処理を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例96と同様にして、感光体製造例97の電子写真感光体を製造した。
合成例4で得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料0.5部、ジメチルスルホキシド(製品コード:D0798、東京化成工業製)10部、直径0.9mmのガラスビーズ15部を室温(23℃)下で1時間、ペイントシェーカ(東洋精機製作所製)を用いてミリング処理した(一段階目)。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用いた。こうしてミリング処理した液を、室温(23℃)下で40時間、ボールミルでミリング処理した(二段階目)。この際、容器の中身を取り出すことなく、容器をそのままボールミルにセットし、容器が1分間に120回転する条件で行った。したがって、二段階目のミリング処理において一段階目と同様のガラスビーズを用いた。こうして処理した液にジメチルスルホキシドを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、クロロガリウムフタロシアニン顔料を0.46部得た。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.4°のピークから見積もられた結晶相関長はr=31(nm)であった。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表2に示す。
[感光体製造例98]
感光体製造例97において、二段階目のボールミルで40時間のミリング処理を100時間に変更したこと以外は、感光体製造例97と同様にして、感光体製造例98の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表2に示す。
[感光体製造例99]
感光体製造例97において、二段階目のボールミルで40時間のミリング処理を300時間に変更したこと以外は、感光体製造例97と同様にして、感光体製造例99の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表2に示す。
[感光体製造例100]
感光体製造例1において、電荷発生層を形成する工程を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例1と同様にして、感光体製造例100の電子写真感光体を製造した。
合成例5で得られたチタニルフタロシアニン顔料0.5部、テトラヒドロフラン10部、直径0.9mmのガラスビーズ15部を室温(23℃)下で3時間、ペイントシェーカ(東洋精機製作所製)を用いてミリング処理した(一段階目)。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用いた。こうしてミリング処理した液をフィルター(品番:N−NO.125T、孔径:133μm、NBCメッシュテック製)で濾過してガラスビーズを取り除いた。この液を室温(23℃)下で300時間、ボールミルでミリング処理した(二段階目)。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用い、容器が1分間に120回転する条件で行った。また、このミリング処理においてガラスビーズ等のメディアは用いなかった。こうして処理した液にテトラヒドロフランを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をメタノールと水で十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、チタニルフタロシアニン顔料を0.44部得た。
得られた顔料はCuKα線を用いたX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角度2θ°の27.2°±0.2°にピークを有する。5°〜35°の範囲において最も高強度の回折ピークである27.2°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=36[nm]であった。
続いて、前記ミリング処理で得られたチタニルフタロシアニン顔料12部、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業製)10部、シクロヘキサノン139部、直径0.9mmのガラスビーズ354部を冷却水温度18℃下で4時間、サンドミル(K−800、五十嵐機械製造(現アイメックス)製、ディスク径70mm、ディスク枚数5枚)を用いて分散処理した。この際、ディスクが1分間に1,800回転する条件で行った。この分散液にシクロヘキサノン326部及び酢酸エチル465部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を上述の下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を100℃で10分間加熱乾燥させることにより、膜厚が150nmの電荷発生層を形成した。
このときの電荷発生層の全体積に対する電荷発生物質の体積の比率Pは、チタニルフタロシアニン顔料の比重を1.6、ポリビニルブチラールの比重を1.1として計算すると、P=0.45となる。また、電荷発生層中のチタニルフタロシアニン顔料のSEM画像から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=158[nm]であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.23となる。一方、電荷発生層の膜厚d[nm]がP・d/R>1を満たすための条件は、d>351である。そこで、d=370、400、450、500、550の5水準の電荷発生層単層膜をPETフィルム(ポリエチレンテレフタレートのフィルム)上に形成し、補正用のPETフィルム単体試料と合わせて、ゴニオメータを用いて光透過率を測定した。その結果から吸収係数αを計算すると、α=0.0066[nm−1]であった。
また、上記SEM画像から見積もられた粒度分布における各結晶粒子の直径Ri[nm]と上記k=0.23を上記式(E1)に代入して求めたΦiと、各結晶粒子の直径Ri[nm]、上記吸収係数をα=0.0066[nm−1]、上記膜厚d=150[nm]、上記電荷発生層の全体積に対する電荷発生物質の体積の比率P=0.45を上記式(E2)から求めたΨiについて、ΦiとΨiの積を該粒度分布において体積平均したときの値を上記式(E15)により求めると0.32であった。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を表2に示す。
[感光体製造例101]
感光体製造例100において、二段階目のボールミルで300時間のミリング処理を1,000時間に変更したこと以外は、感光体製造例100と同様にして、感光体製造例101の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表2に示す。
[感光体製造例102]
感光体製造例100において、チタニルフタロシアニン顔料を得る工程の二段階目のミリング処理を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例100と同様にして、感光体製造例102の電子写真感光体を製造した。
合成例5で得られたチタニルフタロシアニン顔料0.5部、テトラヒドロフラン10部、直径0.9mmのガラスビーズ15部を室温(23℃)下で3時間、ペイントシェーカ(東洋精機製作所製)を用いてミリング処理した(一段階目)。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用いた。こうしてミリング処理した液を、室温(23℃)下で300時間、ボールミルでミリング処理した(二段階目)。この際、容器の中身を取り出すことなく、容器をそのままボールミルにセットし、容器が1分間に120回転する条件で行った。したがって、二段階目のミリング処理において一段階目と同様のガラスビーズを用いた。こうして処理した液にテトラヒドロフランを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をメタノールと水で十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、チタニルフタロシアニン顔料を0.45部得た。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである27.2°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=36[nm]であった。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表2に示す。
[感光体製造例103]
感光体製造例102において、二段階目のボールミルで300時間のミリング処理を1,000時間に変更したこと以外は、感光体製造例102と同様にして、感光体製造例103の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表2に示す。
[感光体製造例104]
感光体製造例100において、チタニルフタロシアニン顔料を得る工程を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例100と同様にして、感光体製造例104の電子写真感光体を製造した。
合成例5で得られたチタニルフタロシアニン顔料0.5部、n−ブチルエーテル10部、直径0.9mmのガラスビーズ15部を室温(23℃)下で3時間、ペイントシェーカ(東洋精機製作所製)を用いてミリング処理した(一段階目)。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用いた。こうしてミリング処理した液をフィルター(品番:N−NO.125T、孔径:133μm、NBCメッシュテック製)で濾過してガラスビーズを取り除いた。この液を室温(23℃)下で1,000時間、ボールミルでミリング処理した(二段階目)。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用い、容器が1分間に120回転する条件で行った。また、このミリング処理においてガラスビーズ等のメディアは用いなかった。こうして処理した液にn−ブチルエーテルを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をメタノールと水で十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、チタニルフタロシアニン顔料を0.44部得た。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである27.2°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=36[nm]であった。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表2に示す。
[感光体製造例105]
感光体製造例104において、チタニルフタロシアニン顔料を得る工程の二段階目のミリング処理を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例104と同様にして、感光体製造例105の電子写真感光体を製造した。
合成例5で得られたチタニルフタロシアニン顔料0.5部、n−ブチルエーテル10部、直径0.9mmのガラスビーズ15部を室温(23℃)下で3時間、ペイントシェーカ(東洋精機製作所製)を用いてミリング処理した(一段階目)。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用いた。こうしてミリング処理した液を、室温(23℃)下で300時間、ボールミルでミリング処理した(二段階目)。この際、容器の中身を取り出すことなく、容器をそのままボールミルにセットし、容器が1分間に120回転する条件で行った。したがって、二段階目のミリング処理において一段階目と同様のガラスビーズを用いた。こうして処理した液をフィルター(品番:N−NO.125T、孔径:133μm、NBCメッシュテック製)で濾過してガラスビーズを取り除いた。この液にn−ブチルエーテルを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をメタノールと水で十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、チタニルフタロシアニン顔料を0.44部得た。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである27.2°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=36[nm]であった。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表2に示す。
[感光体製造例106]
感光体製造例105において、二段階目のボールミルで300時間のミリング処理を1,000時間に変更したこと以外は、感光体製造例105と同様にして、感光体製造例106の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表2に示す。
[感光体製造例107]
感光体製造例5において、電荷発生層を形成する工程を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例5と同様にして、感光体製造例107の電子写真感光体を製造した。
感光体製造例5におけるミリング処理で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料25部、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業製)5部、シクロヘキサノン190部を遠心分離用容器に入れ、設定温度18℃下で30分間、高速冷却遠心機(商品名:himac CR22G、日立工機社製)を用いて遠心分離処理した。この際、ローターとして商品名:R14A(日立工機社製)を用い、加速減速は最短時間、1分間に1,800回転する条件で行った。この遠心分離後の上澄み液を速やかに別の遠心分離用容器に収集した。こうして得た溶液を、1分間に8,000回転する条件にしたこと以外は上記と同様にして再び遠心分離処理し、遠心分離後の上澄み液を除いて残った溶液を速やかに別のサンプルびんに収集した。こうして得た溶液のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料とポリビニルブチラールの重量比を、1H−NMR測定によって求めた。また、得た溶液の固形分を、150℃に設定した乾燥機による30分間の乾燥を行い、乾燥前後の重量差を測定する方法で求めた。
続いて、前記遠心分離処理で得られた溶液に対し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料とポリビニルブチラールとシクロヘキサノンの重量比が20:10:190となるようにポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業製)及びシクロヘキサノンを加えた。この溶液220部、直径0.9mmのガラスビーズ482部を冷却水温度18℃下で4時間、サンドミル(K−800、五十嵐機械製造(現アイメックス)製、ディスク径70mm、ディスク枚数5枚)を用いて分散処理した。この際、ディスクが1分間に1,800回転する条件で行った。この分散液にシクロヘキサノン444部及び酢酸エチル634部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を上述の下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を100℃で10分間加熱乾燥させることにより、膜厚が150nmの電荷発生層を形成した。
このときの電荷発生層の全体積に対する電荷発生物質の体積の比率Pは、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の比重を1.6、ポリビニルブチラールの比重を1.1として計算すると、P=0.58となる。また、電荷発生層中のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のSEM画像から見積もられた結晶粒子の粒度分布における体積平均粒径はR=100[nm]であった。得られたrとRからkを計算すると、k=0.35となる。一方、電荷発生層の膜厚d[nm]がP・d/R>1を満たすための条件は、d>172である。そこで、d=200、250、300、350、400の5水準の電荷発生層単層膜をPETフィルム(ポリエチレンテレフタレートのフィルム)上に形成し、補正用のPETフィルム単体試料と合わせて、ゴニオメータを用いて光透過率を測定した。その結果から吸収係数αを計算すると、α=0.0055[nm−1]であった。
また、上記SEM画像から見積もられた粒度分布における各結晶粒子の直径Ri[nm]と上記k=0.35を上記式(E1)に代入して求めたΦiと、各結晶粒子の直径Ri[nm]、上記吸収係数をα=0.0055[nm−1]、上記膜厚d=150[nm]、上記電荷発生層の全体積に対する電荷発生物質の体積の比率P=0.58を上記式(E2)から求めたΨiについて、ΦiとΨiの積を該粒度分布において体積平均したときの値を上記式(E15)により求めると0.41であった。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を表3に示す。
[感光体製造例108]
感光体製造例107の遠心分離処理前において、感光体製造例5におけるミリング処理で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を感光体製造例8におけるミリング処理で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料に変更したこと以外は、感光体製造例107と同様にして、感光体製造例108の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表3に示す。
[感光体製造例109]
感光体製造例107の遠心分離処理前において、感光体製造例5におけるミリング処理で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を感光体製造例37におけるミリング処理で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料に変更したこと以外は、感光体製造例107と同様にして、感光体製造例109の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表3に示す。
[感光体製造例110]
感光体製造例109において、電荷発生層の膜厚を150nmから130nmに変更したこと以外は、感光体製造例109と同様にして、感光体製造例110の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表3に示す。
[感光体製造例111]
感光体製造例109において、電荷発生層の膜厚を150nmから170nmに変更したこと以外は、感光体製造例109と同様にして、感光体製造例111の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表3に示す。
[感光体製造例112]
感光体製造例109において、電荷発生層の膜厚を150nmから190nmに変更したこと以外は、感光体製造例109と同様にして、感光体製造例112の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表3に示す。
[感光体製造例113]
感光体製造例109において、ミリング処理で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を用いて電荷発生層用塗布液を調整し、それを浸漬塗布して電荷発生層を形成する工程を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例109と同様にして、感光体製造例113の電子写真感光体を製造した。
感光体製造例109に記載の遠心分離処理で得られた溶液に対し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料とポリビニルブチラールとシクロヘキサノンの重量比が18:12:190となるようにポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業製)及びシクロヘキサノンを加えた。この溶液220部、直径0.9mmのガラスビーズ482部を冷却水温度18℃下で4時間、サンドミル(K−800、五十嵐機械製造(現アイメックス)製、ディスク径70mm、ディスク枚数5枚)を用いて分散処理した。この際、ディスクが1分間に1,800回転する条件で行った。この分散液にシクロヘキサノン444部及び酢酸エチル634部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を上述の下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を100℃で10分間加熱乾燥させることにより、膜厚が150nmの電荷発生層を形成した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表3に示す。
[感光体製造例114]
感光体製造例113において、電荷発生層の膜厚を150nmから190nmに変更したこと以外は、感光体製造例113と同様にして、感光体製造例114の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表3に示す。
[感光体製造例115]
感光体製造例109において、ミリング処理で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を用いて電荷発生層用塗布液を調整し、それを浸漬塗布して電荷発生層を形成する工程を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例109と同様にして、感光体製造例115の電子写真感光体を製造した。
感光体製造例109に記載の遠心分離処理で得られた溶液に対し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料とポリビニルブチラールとシクロヘキサノンの重量比が22.5:7.5:190となるようにポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業製)及びシクロヘキサノンを加えた。この溶液220部、直径0.9mmのガラスビーズ482部を冷却水温度18℃下で4時間、サンドミル(K−800、五十嵐機械製造(現アイメックス)製、ディスク径70mm、ディスク枚数5枚)を用いて分散処理した。この際、ディスクが1分間に1,800回転する条件で行った。この分散液にシクロヘキサノン444部及び酢酸エチル634部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を上述の下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を100℃で10分間加熱乾燥させることにより、膜厚が150nmの電荷発生層を形成した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表3に示す。
[感光体製造例116]
感光体製造例115において、電荷発生層の膜厚を150nmから190nmに変更したこと以外は、感光体製造例115と同様にして、感光体製造例116の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表3に示す。
[感光体製造例117]
感光体製造例109において、ミリング処理で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を用いて電荷発生層用塗布液を調整し、それを浸漬塗布して電荷発生層を形成する工程を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例109と同様にして、感光体製造例117の電子写真感光体を製造した。
感光体製造例109に記載の遠心分離処理で得られた溶液に対し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料とポリビニルブチラールとシクロヘキサノンの重量比が23.3:6.7:190となるようにポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業製)及びシクロヘキサノンを加えた。この溶液220部、直径0.9mmのガラスビーズ482部を冷却水温度18℃下で4時間、サンドミル(K−800、五十嵐機械製造(現アイメックス)製、ディスク径70mm、ディスク枚数5枚)を用いて分散処理した。この際、ディスクが1分間に1,800回転する条件で行った。この分散液にシクロヘキサノン444部及び酢酸エチル634部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を上述の下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を100℃で10分間加熱乾燥させることにより、膜厚が150nmの電荷発生層を形成した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表3に示す。
[感光体製造例118]
感光体製造例117において、電荷発生層の膜厚を150nmから190nmに変更したこと以外は、感光体製造例117と同様にして、感光体製造例118の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表3に示す。
[感光体製造例119]
感光体製造例109において、ミリング処理で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を用いて電荷発生層用塗布液を調整し、それを浸漬塗布して電荷発生層を形成する工程を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例109と同様にして、感光体製造例119の電子写真感光体を製造した。
感光体製造例109に記載の遠心分離処理で得られた溶液に対し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料とポリビニルブチラールとシクロヘキサノンの重量比が24:6:190となるようにポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業製)及びシクロヘキサノンを加えた。この溶液220部、直径0.9mmのガラスビーズ482部を冷却水温度18℃下で4時間、サンドミル(K−800、五十嵐機械製造(現アイメックス)製、ディスク径70mm、ディスク枚数5枚)を用いて分散処理した。この際、ディスクが1分間に1,800回転する条件で行った。この分散液にシクロヘキサノン444部及び酢酸エチル634部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を上述の下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を100℃で10分間加熱乾燥させることにより、膜厚が150nmの電荷発生層を形成した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表3に示す。
[感光体製造例120]
感光体製造例119において、電荷発生層の膜厚を150nmから190nmに変更したこと以外は、感光体製造例119と同様にして、感光体製造例120の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表3に示す。
[感光体製造例121]
感光体製造例109において、電荷輸送層の膜厚を15μmから11μmに変更したこと以外は、感光体製造例109と同様にして、感光体製造例121の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表3に示す。
[感光体製造例122]
感光体製造例109において、電荷輸送層の膜厚を15μmから13μmに変更したこと以外は、感光体製造例109と同様にして、感光体製造例122の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表3に示す。
[感光体製造例123]
感光体製造例109において、電荷輸送層の膜厚を15μmから17μmに変更したこと以外は、感光体製造例109と同様にして、感光体製造例123の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表3に示す。
[感光体製造例124]
感光体製造例109において、電荷輸送層の膜厚を15μmから20μmに変更したこと以外は、感光体製造例109と同様にして、感光体製造例124の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表3に示す。
[感光体製造例125]
感光体製造例109において、電荷輸送層の膜厚を15μmから23μmに変更したこと以外は、感光体製造例109と同様にして、感光体製造例125の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表3に示す。
[感光体製造例126]
感光体製造例109において、電荷輸送層の膜厚を15μmから27μmに変更したこと以外は、感光体製造例109と同様にして、感光体製造例126の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表3に示す。
[感光体製造例127]
感光体製造例107の遠心分離処理前において、感光体製造例5におけるミリング処理で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を感光体製造例59におけるミリング処理で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料に変更したこと以外は、感光体製造例107と同様にして、感光体製造例127の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表3に示す。
[感光体製造例128]
感光体製造例81において、電荷発生層を形成する工程を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例81と同様にして、感光体製造例128の電子写真感光体を製造した。
感光体製造例81におけるミリング処理で得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料25部、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業製)5部、シクロヘキサノン190部を遠心分離用容器に入れ、設定温度18℃下で30分間、高速冷却遠心機(商品名:himac CR22G、日立工機社製)を用いて遠心分離処理した。この際、ローターとして商品名:R14A(日立工機社製)を用い、加速減速は最短時間、1分間に1,800回転する条件で行った。この遠心分離後の上澄み液を速やかに別の遠心分離用容器に収集した。こうして得た溶液を、1分間に8,000回転する条件にしたこと以外は上記と同様にして再び遠心分離処理し、遠心分離後の上澄み液を除いて残った溶液を速やかに別のサンプルびんに収集した。こうして得た溶液のクロロガリウムフタロシアニン顔料とポリビニルブチラールの重量比を、1H−NMR測定によって求めた。また、得た溶液の固形分を、150℃に設定した乾燥機による30分間の乾燥を行い、乾燥前後の重量差を測定する方法で求めた。
続いて、前記遠心分離処理で得られた溶液に対し、クロロガリウムフタロシアニン顔料とポリビニルブチラールとシクロヘキサノンの重量比が30:10:253となるようにポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業製)及びシクロヘキサノンを加えた。この溶液293部、直径0.9mmのガラスビーズ643部を冷却水温度18℃下で4時間、サンドミル(K−800、五十嵐機械製造(現アイメックス)製、ディスク径70mm、ディスク枚数5枚)を用いて分散処理した。この際、ディスクが1分間に1,800回転する条件で行った。この分散液にシクロヘキサノン592部及び酢酸エチル845部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を上述の下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を100℃で10分間加熱乾燥させることにより、膜厚が170nmの電荷発生層を形成した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表3に示す。
[感光体製造例129]
感光体製造例107の遠心分離処理前において、感光体製造例5におけるミリング処理で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例107と同様にして、感光体製造例129の電子写真感光体を製造した。
合成例3で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料0.5部、N−メチルホルムアミド(製品コード:F0059、東京化成工業製)9.5部を室温(23℃)下で140時間、ボールミルでミリング処理した。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用い、容器が1分間に120回転する条件で行った。また、このミリング処理においてガラスビーズ等のメディアは用いなかった。こうして処理した液にN−メチルホルムアミドを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を0.45部得た。
遠心分離処理前までに得られた顔料はCuKα線を用いたX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角度2θの7.5°±0.2°、9.9°±0.2°、16.2°±0.2°、18.6°±0.2°、25.2°±0.2°及び28.3°±0.2°にピークを有する。5°〜35°の範囲において最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=30[nm]であった。また、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して2.7質量%であった。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表3に示す。
[感光体製造例130]
感光体製造例107の遠心分離処理前において、感光体製造例5におけるミリング処理で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例107と同様にして、感光体製造例130の電子写真感光体を製造した。
合成例3で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料0.5部、N−メチルホルムアミド(製品コード:F0059、東京化成工業製)9.5部、直径0.9mmのガラスビーズ15部を室温(23℃)下で100時間、ボールミルでミリング処理した。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用い、容器が1分間に60回転する条件で行った。こうして処理した液をフィルター(品番:N−NO.125T、孔径:133μm、NBCメッシュテック製)で濾過してガラスビーズを取り除いた。この液にN−メチルホルムアミドを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を0.45部得た。
遠心分離処理前までに得られた顔料はCuKα線を用いたX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角度2θの7.5°±0.2°、9.9°±0.2°、16.2°±0.2°、18.6°±0.2°、25.2°±0.2°及び28.3°±0.2°にピークを有する。5°〜35°の範囲において最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=24[nm]であった。また、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して2.1質量%であった。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表3に示す。
[感光体製造例131]
感光体製造例107の遠心分離処理前において、感光体製造例5におけるミリング処理で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例107と同様にして、感光体製造例131の電子写真感光体を製造した。
合成例3で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料1部、N−メチルホルムアミド(製品コード:F0059、東京化成工業製)9部、直径0.9mmのガラスビーズ15部を冷却水温度18℃下で10時間、サンドミル(K−800、五十嵐機械製造(現アイメックス)製、ディスク径70mm、ディスク枚数5枚)を用いてミリング処理した。この際、ディスクが1分間に400回転する条件で行った。こうして処理した液にN−メチルホルムアミドを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を0.46部得た。
遠心分離処理前までに得られた顔料はCuKα線を用いたX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角度2θの7.5°±0.2°、9.9°±0.2°、16.2°±0.2°、18.6°±0.2°、25.2°±0.2°及び28.3°±0.2°にピークを有する。5°〜35°の範囲において最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=28[nm]であった。また、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して2.7質量%であった。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表3に示す。
[感光体製造例132]
感光体製造例107の遠心分離処理前において、感光体製造例5におけるミリング処理で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例107と同様にして、感光体製造例132の電子写真感光体を製造した。
合成例3で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料0.5部、N,N−ジメチルホルムアミド(製品コード:D0722、東京化成工業製)9.5部、直径0.9mmのガラスビーズ15部を室温(23℃)下で100時間、ボールミルでミリング処理した。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用い、容器が1分間に60回転する条件で行った。こうして処理した液をフィルター(品番:N−NO.125T、孔径:133μm、NBCメッシュテック製)で濾過してガラスビーズを取り除いた。この液にN,N−ジメチルホルムアミドを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を0.48部得た。
遠心分離処理前までに得られた顔料はCuKα線を用いたX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角度2θの7.5°±0.2°、9.9°±0.2°、16.2°±0.2°、18.6°±0.2°、25.2°±0.2°及び28.3°±0.2°にピークを有する。5°〜35°の範囲において最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=24[nm]であった。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表3に示す。
[感光体製造例133]
感光体製造例107の遠心分離処理前において、感光体製造例5におけるミリング処理で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例107と同様にして、感光体製造例133の電子写真感光体を製造した。
合成例3で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料1部、N,N−ジメチルホルムアミド(製品コード:D0722、東京化成工業製)9部、直径0.9mmのガラスビーズ15部を冷却水温度18℃下で30時間、サンドミル(K−800、五十嵐機械製造(現アイメックス)製、ディスク径70mm、ディスク枚数5枚)を用いてミリング処理した。この際、ディスクが1分間に600回転する条件で行った。こうして処理した液をフィルター(品番:N−NO.125T、孔径:133μm、NBCメッシュテック製)で濾過してガラスビーズを取り除いた。この液にN,N−ジメチルホルムアミドを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を0.45部得た。
遠心分離処理前までに得られた顔料はCuKα線を用いたX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角度2θの7.5°±0.2°、9.9°±0.2°、16.2°±0.2°、18.6°±0.2°、25.2°±0.2°及び28.3°±0.2°にピークを有する。5°〜35°の範囲において最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=25[nm]であった。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表3に示す。
[感光体製造例134]
感光体製造例128の遠心分離処理前において、感光体製造例81におけるミリング処理で得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例128と同様にして、感光体製造例134の電子写真感光体を製造した。
合成例4で得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料0.5部、N,N−ジメチルホルムアミド(製品コード:D0722、東京化成工業製)10部、直径0.9mmのガラスビーズ15部を室温(23℃)下で50時間、ペイントシェーカ(東洋精機製作所製)を用いてミリング処理した。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用いた。こうして処理した液をフィルター(品番:N−NO.125T、孔径:133μm、NBCメッシュテック製)で濾過してガラスビーズを取り除いた。この液にN,N−ジメチルホルムアミドを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、クロロガリウムフタロシアニン顔料を0.47部得た。
遠心分離処理前までに得られた顔料はCuKα線を用いたX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角度2θ±0.2°の7.4°、16.6°、25.5°及び28.3°にピークを有する。5°〜35°の範囲において最も高強度の回折ピークである7.4°のピークから見積もられた結晶相関長はr=16[nm]であった。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表3に示す。
[感光体製造例135]
感光体製造例100において、電荷発生層を形成する工程を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例100と同様にして、感光体製造例135の電子写真感光体を製造した。
合成例5で得られたチタニルフタロシアニン顔料0.5部、テトラヒドロフラン10部、直径0.9mmのガラスビーズ15部を冷却水温度18℃下で48時間、サンドミル(K−800、五十嵐機械製造(現アイメックス)製、ディスク径70mm、ディスク枚数5枚)を用いてミリング処理した。この際、ディスクが1分間に500回転する条件で行った。こうして処理した液をフィルター(品番:N−NO.125T、孔径:133μm、NBCメッシュテック製)で濾過してガラスビーズを取り除いた。この液にテトラヒドロフランを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をメタノールと水で十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、チタニルフタロシアニン顔料を0.46部得た。
得られた顔料はCuKα線を用いたX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角度2θ°の27.2°±0.2°にピークを有する。5°〜35°の範囲において最も高強度の回折ピークである27.2°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=34[nm]であった。
得られたチタニルフタロシアニン顔料25部、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業製)5部、シクロヘキサノン190部を遠心分離用容器に入れ、設定温度18℃下で30分間、高速冷却遠心機(商品名:himac CR22G、日立工機社製)を用いて遠心分離処理した。この際、ローターとして商品名:R14A(日立工機社製)を用い、加速減速は最短時間、1分間に1,800回転する条件で行った。この遠心分離後の上澄み液を速やかに別の遠心分離用容器に収集した。こうして得た溶液を、1分間に8,000回転する条件にしたこと以外は上記と同様にして再び遠心分離処理し、遠心分離後の上澄み液を除いて残った溶液を速やかに別のサンプルびんに収集した。こうして得た溶液のチタニルフタロシアニン顔料とポリビニルブチラールの重量比を、1H−NMR測定によって求めた。また、得た溶液の固形分を、150℃に設定した乾燥機による30分間の乾燥を行い、乾燥前後の重量差を測定する方法で求めた。
続いて、前記遠心分離処理で得られた溶液に対し、チタニルフタロシアニン顔料とポリビニルブチラールとシクロヘキサノンの重量比が12:10:139となるようにポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業製)及びシクロヘキサノンを加えた。この溶液161部、直径0.9mmのガラスビーズ354部を冷却水温度18℃下で4時間、サンドミル(K−800、五十嵐機械製造(現アイメックス)製、ディスク径70mm、ディスク枚数5枚)を用いて分散処理した。この際、ディスクが1分間に1,800回転する条件で行った。この分散液にシクロヘキサノン326部及び酢酸エチル465部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を上述の下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を100℃で10分間加熱乾燥させることにより、膜厚が150nmの電荷発生層を形成した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表3に示す。
[感光体製造例136]
感光体製造例107の遠心分離処理前において、感光体製造例5におけるミリング処理で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例107と同様にして、感光体製造例136の電子写真感光体を製造した。
合成例3で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料0.5部、アセトン9.5部を室温(23℃)下で40時間、ボールミルでミリング処理した。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用い、容器が1分間に120回転する条件で行った。また、このミリング処理においてガラスビーズ等のメディアは用いなかった。こうして処理した液にアセトンを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を0.43部得た。
遠心分離処理前までに得られた顔料はCuKα線を用いたX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角度2θの7.5°±0.2°、9.9°±0.2°、16.2°±0.2°、18.6°±0.2°、25.2°±0.2°及び28.3°±0.2°にピークを有する。5°〜35°の範囲において最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=189[nm]であった。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表3に示す。
[感光体製造例137]
感光体製造例1において、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を得る工程を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例1と同様にして、感光体製造例137の電子写真感光体を製造した。
合成例3で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料0.5部、N−メチルホルムアミド(製品コード:F0059、東京化成工業製)9.5部を室温(23℃)下で10時間、ボールミルでミリング処理した。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用い、容器が1分間に120回転する条件で行った。また、このミリング処理においてガラスビーズ等のメディアは用いなかった。こうして処理した液にN−メチルホルムアミドを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を0.46部得た。
得られた顔料はCuKα線を用いたX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角度2θの7.5°±0.2°、9.9°±0.2°、16.2°±0.2°、18.6°±0.2°、25.2°±0.2°及び28.3°±0.2°にピークを有する。5°〜35°の範囲において最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=23[nm]であった。また、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して3.1質量%であった。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表3に示す。
[感光体製造例138]
感光体製造例137において、ボールミルで10時間のミリング処理を20時間に変更したこと以外は、感光体製造例137と同様にして、感光体製造例138の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して3.0質量%であった。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表3に示す。
[感光体製造例139]
感光体製造例137において、ボールミルで10時間のミリング処理を30時間に変更したこと以外は、感光体製造例137と同様にして、感光体製造例139の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して2.8質量%であった。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表3に示す。
[感光体製造例140]
感光体製造例137において、ボールミルで10時間のミリング処理を40時間に変更したこと以外は、感光体製造例137と同様にして、感光体製造例140の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して2.8質量%であった。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表3に示す。
[感光体製造例141]
感光体製造例137において、ボールミルで10時間のミリング処理を100時間に変更したこと以外は、感光体製造例137と同様にして、感光体製造例141の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して2.7質量%であった。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表3に示す。
[感光体製造例142]
感光体製造例129において、遠心分離処理を行わなかったこと以外は、感光体製造例129と同様にして、感光体製造例142の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して2.7質量%であった。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表3に示す。
[感光体製造例143]
感光体製造例137において、ボールミルで10時間のミリング処理を300時間に変更したこと以外は、感光体製造例137と同様にして、感光体製造例143の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して2.6質量%であった。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表3に示す。
[感光体製造例144]
感光体製造例137において、ボールミルで10時間のミリング処理を500時間に変更したこと以外は、感光体製造例137と同様にして、感光体製造例144の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して2.5質量%であった。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表3に示す。
[感光体製造例145]
感光体製造例137において、ボールミルで10時間のミリング処理を1,000時間に変更したこと以外は、感光体製造例137と同様にして、感光体製造例145の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して2.5質量%であった。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表3に示す。
[感光体製造例146]
感光体製造例137において、ボールミルで10時間のミリング処理を2,000時間に変更したこと以外は、感光体製造例137と同様にして、感光体製造例146の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して2.4質量%であった。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表3に示す。
[感光体製造例147]
感光体製造例1において、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を得る工程を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例1と同様にして、感光体製造例147の電子写真感光体を製造した。
合成例3で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料0.5部、N−メチルホルムアミド(製品コード:F0059、東京化成工業製)9.5部、直径0.9mmのガラスビーズ15部を室温(23℃)下で20時間、ペイントシェーカ(東洋精機製作所製)を用いてミリング処理した。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用いた。こうして処理した液をフィルター(品番:N−NO.125T、孔径:133μm、NBCメッシュテック製)で濾過してガラスビーズを取り除いた。この液にN−メチルホルムアミドを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を0.46部得た。
得られた顔料はCuKα線を用いたX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角度2θの7.5°±0.2°、9.9°±0.2°、16.2°±0.2°、18.6°±0.2°、25.2°±0.2°及び28.3°±0.2°にピークを有する。5°〜35°の範囲において最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=15[nm]であった。また、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して1.9質量%であった。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表3に示す。
[感光体製造例148]
感光体製造例147において、ペイントシェーカで20時間のミリング処理を30時間に変更したこと以外は、感光体製造例147と同様にして、感光体製造例148の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して1.4質量%であった。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表3に示す。
[感光体製造例149]
感光体製造例1において、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を得る工程を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例1と同様にして、感光体製造例149の電子写真感光体を製造した。
合成例3で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料0.5部、N−メチルホルムアミド(製品コード:F0059、東京化成工業製)9.5部、直径0.9mmのガラスビーズ15部を室温(23℃)下で5時間、ボールミルでミリング処理した。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用い、容器が1分間に60回転する条件で行った。こうして処理した液をフィルター(品番:N−NO.125T、孔径:133μm、NBCメッシュテック製)で濾過してガラスビーズを取り除いた。この液にN−メチルホルムアミドを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を0.47部得た。
得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=23[nm]であった。また、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して3.1質量%であった。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表3に示す。
[感光体製造例150]
感光体製造例149において、ボールミルで5時間のミリング処理を10時間に変更したこと以外は、感光体製造例149と同様にして、感光体製造例150の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して2.7質量%であった。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表3に示す。
[感光体製造例151]
感光体製造例149において、ボールミルで5時間のミリング処理を30時間に変更したこと以外は、感光体製造例149と同様にして、感光体製造例151の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して2.6質量%であった。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表3に示す。
[感光体製造例152]
感光体製造例130において、遠心分離処理を行わなかったこと以外は、感光体製造例130と同様にして、感光体製造例152の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して2.1質量%であった。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表3に示す。
[感光体製造例153]
感光体製造例131において、遠心分離処理を行わなかったこと以外は、感光体製造例131と同様にして、感光体製造例153の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して2.7質量%であった。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表3に示す。
[感光体製造例154]
感光体製造例37において、サンドミルで70時間のミリング処理を500時間に変更したこと以外は、感光体製造例37と同様にして、感光体製造例154の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して0.8質量%であった。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表3に示す。
[感光体製造例155]
感光体製造例1において、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を得る工程を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例1と同様にして、感光体製造例155の電子写真感光体を製造した。
合成例3で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料0.5部、N−メチルホルムアミド(製品コード:F0059、東京化成工業製)9.5部を室温(23℃)下で1時間、マグネティックスターラでミリング処理した。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用い、回転子が1分間に1,500回転する条件で行った。こうして処理した液にN−メチルホルムアミドを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を0.47部得た。
得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=23[nm]であった。また、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して2.4質量%であった。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表3に示す。
[感光体製造例156]
感光体製造例155において、マグネティックスターラで1時間のミリング処理を5時間に変更したこと以外は、感光体製造例155と同様にして、感光体製造例156の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して2.9質量%であった。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表3に示す。
[感光体製造例157]
感光体製造例155において、マグネティックスターラで1時間のミリング処理を10時間に変更したこと以外は、感光体製造例155と同様にして、感光体製造例157の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して2.8質量%であった。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表3に示す。
[感光体製造例158]
感光体製造例1において、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を得る工程を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例1と同様にして、感光体製造例158の電子写真感光体を製造した。
合成例3で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料0.5部、N−メチルホルムアミド(製品コード:F0059、東京化成工業製)9.5部を室温(23℃)下で1時間、超音波分散機(UT−205、シャープ製)でミリング処理した。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用い、該超音波分散機の出力は100%とした。また、このミリング処理においてガラスビーズ等のメディアは用いなかった。こうして処理した液にN−メチルホルムアミドを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を0.47部得た。
得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=25[nm]であった。また、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して2.7質量%であった。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表3に示す。
[感光体製造例159]
感光体製造例158において、超音波分散機で1時間のミリング処理を5時間に変更したこと以外は、感光体製造例158と同様にして、感光体製造例159の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して2.5質量%であった。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表3に示す。
[感光体製造例160]
感光体製造例158において、超音波分散機で1時間のミリング処理を10時間に変更したこと以外は、感光体製造例158と同様にして、感光体製造例160の電子写真感光体を製造した。得られた顔料の、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して2.3質量%であった。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表3に示す。
[感光体製造例161]
感光体製造例1において、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を得る工程の一段階目と二段階目を入れ替えて以下のように変更したこと以外は、感光体製造例1と同様にして、感光体製造例161の電子写真感光体を製造した。
合成例3で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料0.5部、N−メチルホルムアミド(製品コード:F0059、東京化成工業製)9.5部を室温(23℃)下で40時間、ボールミルでミリング処理した(一段階目)。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用い、容器が1分間に120回転する条件で行った。また、このミリング処理においてガラスビーズ等のメディアは用いなかった。こうしてミリング処理した液に、直径0.9mmのガラスビーズ15部を追加し、室温(23℃)下で6時間、ペイントシェーカ(東洋精機製作所製)を用いてミリング処理した(二段階目)。この際、容器の中身を取り出すことなく、規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)をそのまま用いた。こうして処理した液をフィルター(品番:N−NO.125T、孔径:133μm、NBCメッシュテック製)で濾過してガラスビーズを取り除いた。この液にN−メチルホルムアミドを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を0.46部得た。
得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=26[nm]であった。また、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して2.2質量%であった。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表3に示す。
[感光体製造例162]
感光体製造例6において、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を得る工程の一段階目と二段階目を入れ替えて以下のように変更したこと以外は、感光体製造例6と同様にして、感光体製造例162の電子写真感光体を製造した。
合成例3で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料0.5部、N−メチルホルムアミド(製品コード:F0059、東京化成工業製)9.5部、直径0.9mmのガラスビーズ15部を室温(23℃)下で40時間、ボールミルでミリング処理した(一段階目)。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用い、容器が1分間に120回転する条件で行った。こうしてミリング処理を、室温(23℃)下で6時間、ペイントシェーカ(東洋精機製作所製)を用いてミリング処理した(二段階目)。この際、容器の中身を取り出すことなく、容器をそのままペイントシェーカにセットした。したがって、二段階目のミリング処理において一段階目と同様のガラスビーズを用いた。こうして処理した液をフィルター(品番:N−NO.125T、孔径:133μm、NBCメッシュテック製)で濾過してガラスビーズを取り除いた。この液にN−メチルホルムアミドを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を0.46部得た。
得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=25[nm]であった。また、1H−NMR測定により見積もられたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶粒子内における上記式(A1)で示されるアミド化合物(N−メチルホルムアミド)の含有量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの含有量に対して2.0質量%であった。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表3に示す。
[感光体製造例163]
感光体製造例132において、遠心分離処理を行わなかったこと以外は、感光体製造例132と同様にして、感光体製造例163の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表4に示す。
[感光体製造例164]
感光体製造例1において、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を得る工程を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例1と同様にして、感光体製造例164の電子写真感光体を製造した。
合成例7で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料0.5部、N,N−ジメチルホルムアミド(製品コード:D0722、東京化成工業製)10部、直径0.3mmのガラスビーズ33部を温度25℃下で48時間、ボールミルでミリング処理した。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用い、容器が1分間に60回転する条件で行った。こうして処理した液をフィルター(品番:N−NO.125T、孔径:133μm、NBCメッシュテック製)で濾過してガラスビーズを取り除いた。この液にN,N−ジメチルホルムアミドを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をアセトンで十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を0.46部得た。
得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=13[nm]であった。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表4に示す。
[感光体製造例165]
感光体製造例164において、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を得る工程を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例164と同様にして、感光体製造例165の電子写真感光体を製造した。
合成例7で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料0.5部、N,N−ジメチルホルムアミド(製品コード:D0722、東京化成工業製)7.5部、直径0.9mmのガラスビーズ29部を温度25℃下で48時間、ボールミルでミリング処理した。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用い、容器が1分間に60回転する条件で行った。こうして処理した液をフィルター(品番:N−NO.125T、孔径:133μm、NBCメッシュテック製)で濾過してガラスビーズを取り除いた。この液にN,N−ジメチルホルムアミドを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をアセトンで十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を0.46部得た。
得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=13[nm]であった。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表4に示す。
[感光体製造例166]
感光体製造例165において、ボールミルで48時間のミリング処理を96時間に変更したこと以外は、感光体製造例165と同様にして、感光体製造例166の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表4に示す。
[感光体製造例167]
感光体製造例165において、ボールミルで48時間のミリング処理を192時間に変更したこと以外は、感光体製造例165と同様にして、感光体製造例167の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表4に示す。
[感光体製造例168]
感光体製造例1において、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を得る工程を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例1と同様にして、感光体製造例168の電子写真感光体を製造した。
合成例7で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料0.5部、N,N−ジメチルホルムアミド(製品コード:D0722、東京化成工業製)7.5部、直径1.0mmのガラスビーズ29部を温度25℃下で200時間、ボールミルでミリング処理した。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用い、容器が1分間に60回転する条件で行った。こうして処理した液をフィルター(品番:N−NO.125T、孔径:133μm、NBCメッシュテック製)で濾過してガラスビーズを取り除いた。この液にN,N−ジメチルホルムアミドを30部添加して取り出した後、ポアサイズ1.0μmのセラミック・フィルター上で、アセトン25部で洗浄した。そして、洗浄された濾取物を、光を遮断した乾燥機を用いて80℃で24時間加熱乾燥した後、光を遮断した真空乾燥機を用いて、110℃、−0.98kPaの減圧下で2時間加熱乾燥させて、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を0.46部得た。
得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=16[nm]であった。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表4に示す。
[感光体製造例169]
感光体製造例165において、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を得る工程の直径0.9mmのガラスビーズ29部を直径5.0mmのガラスビーズ29部に変更したこと以外は、感光体製造例165と同様にして、感光体製造例169の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表4に示す。
[感光体製造例170]
感光体製造例1において、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を得る工程を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例1と同様にして、感光体製造例170の電子写真感光体を製造した。
合成例8で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料0.5部、N,N−ジメチルホルムアミド(製品コード:D0722、東京化成工業製)7.5部、直径0.9mmのガラスビーズ29部を温度25℃下で24時間、ボールミルでミリング処理した。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用い、容器が1分間に60回転する条件で行った。こうして処理した液をフィルター(品番:N−NO.125T、孔径:133μm、NBCメッシュテック製)で濾過してガラスビーズを取り除いた。この液にN,N−ジメチルホルムアミドを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物を酢酸n−ブチルで十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を0.45部得た。
得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=13[nm]であった。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表4に示す。
[感光体製造例171]
感光体製造例170において、合成例8で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料0.5部を合成例9で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料0.5部に変更したこと以外は、感光体製造例170と同様にして、感光体製造例171の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表4に示す。
[感光体製造例172]
感光体製造例133において、遠心分離処理を行わなかったこと以外は、感光体製造例133と同様にして、感光体製造例172の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表4に示す。
[感光体製造例173]
感光体製造例1において、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を得る工程を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例1と同様にして、感光体製造例173の電子写真感光体を製造した。
合成例3で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料0.5部、N,N−ジメチルホルムアミド(製品コード:D0722、東京化成工業製)9.5部、直径0.9mmのガラスビーズ15部を室温(23℃)下で4時間、ペイントシェーカ(東洋精機製作所製)を用いてミリング処理した。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用いた。こうして処理した液をフィルター(品番:N−NO.125T、孔径:133μm、NBCメッシュテック製)で濾過してガラスビーズを取り除いた。この液にN,N−ジメチルホルムアミドを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を0.44部得た。
得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=18[nm]であった。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表4に示す。
[感光体製造例174]
感光体製造例1において、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を得る工程を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例1と同様にして、感光体製造例174の電子写真感光体を製造した。
合成例3で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料0.5部、ジメチルスルホキシド(製品コード:D0798、東京化成工業製)9.5部、直径0.9mmのガラスビーズ15部を室温(23℃)下で48時間、ボールミルでミリング処理した。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用い、容器が1分間に60回転する条件で行った。こうして処理した液をフィルター(品番:N−NO.125T、孔径:133μm、NBCメッシュテック製)で濾過してガラスビーズを取り除いた。この液にジメチルスルホキシドを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を0.44部得た。
得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=23[nm]であった。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表4に示す。
[感光体製造例175]
感光体製造例174において、ボールミルで48時間のミリング処理を100時間に変更したこと以外は、感光体製造例174と同様にして、感光体製造例175の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表4に示す。
[感光体製造例176]
感光体製造例174において、ボールミルで48時間のミリング処理を192時間に変更したこと以外は、感光体製造例174と同様にして、感光体製造例176の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表4に示す。
[感光体製造例177]
感光体製造例1において、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を得る工程を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例1と同様にして、感光体製造例177の電子写真感光体を製造した。
合成例7で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料0.5部、N,N−ジメチルホルムアミド(製品コード:D0722、東京化成工業製)8部を温度30℃下で24時間、マグネティックスターラでミリング処理した(一段階目)。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用い、回転子が1分間に1,500回転する条件で行った。こうして処理した液にN,N−ジメチルホルムアミドを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をイオン交換水で十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を0.45部得た。続いて、得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料0.5部、直径5.0mmのジルコニアビーズ5部を室温(23℃)下で5分間、小型振動ミル(MB−0型、中央化工機製)を用いてミリング処理した(二段階目)。この際、容器はアルミナ製ポットを用いた。こうして、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を0.48部得た。
得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=21[nm]であった。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表4に示す。
[感光体製造例178]
感光体製造例177において、二段階目の小型振動ミルで5分間のミリング処理を20分間に変更したこと以外は、感光体製造例177と同様にして、感光体製造例178の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表4に示す。
[感光体製造例179]
感光体製造例177において、二段階目の小型振動ミルで5分間のミリング処理を40分間に変更したこと以外は、感光体製造例177と同様にして、感光体製造例179の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表4に示す。
[感光体製造例180]
感光体製造例177において、二段階目の小型振動ミルで5分間のミリング処理を1時間に変更したこと以外は、感光体製造例177と同様にして、感光体製造例180の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表4に示す。
[感光体製造例181]
感光体製造例177において、二段階目の小型振動ミルで5分間のミリング処理を2時間に変更したこと以外は、感光体製造例177と同様にして、感光体製造例181の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表4に示す。
[感光体製造例182]
感光体製造例177において、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を得る工程の二段階目のミリング処理を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例177と同様にして、感光体製造例182の電子写真感光体を製造した。
合成例7で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料0.5部、N,N−ジメチルホルムアミド(製品コード:D0722、東京化成工業製)8部を温度30℃下で24時間、マグネティックスターラでミリング処理した(一段階目)。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用い、回転子が1分間に1,500回転する条件で行った。こうして処理した液にN,N−ジメチルホルムアミドを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をイオン交換水で十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を0.45部得た。続いて、得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料0.5部、電導度0.1μS/cmのイオン交換水5部を混合してスラリー液を調製し、室温(23℃)下で5分間、超微粒子化乳化分散装置アルティマイザー(スギノマシン製)を用いてミリング処理した(二段階目)。この際、圧力は1,500kg/cm2、吐出量は350mL/minとした。こうして処理したスラリー液から遠心分離により水を除去し真空乾燥させて、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を0.41部得た。
得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=20[nm]であった。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表4に示す。
[感光体製造例183]
感光体製造例182において、二段階目の小型振動ミルで5分間のミリング処理を20分間に変更したこと以外は、感光体製造例182と同様にして、感光体製造例183の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表4に示す。
[感光体製造例184]
感光体製造例182において、二段階目の小型振動ミルで5分間のミリング処理を1時間に変更したこと以外は、感光体製造例182と同様にして、感光体製造例184の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表4に示す。
[感光体製造例185]
感光体製造例134において、遠心分離処理を行わなかったこと以外は、感光体製造例134と同様にして、感光体製造例185の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表4に示す。
[感光体製造例186]
感光体製造例185において、ペイントシェーカで50時間のミリング処理を100時間に変更したこと以外は、感光体製造例185と同様にして、感光体製造例186の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表4に示す。
[感光体製造例187]
感光体製造例74において、クロロガリウムフタロシアニン顔料を得る工程を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例74と同様にして、感光体製造例187の電子写真感光体を製造した。
合成例4で得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料0.5部、ジメチルスルホキシド(製品コード:D0798、東京化成工業製)10部、直径5.0mmのガラスビーズ15部を室温(23℃)下で24時間、ボールミルでミリング処理した。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用い、容器が1分間に120回転する条件で行った。こうして処理した液をフィルター(品番:N−NO.125T、孔径:133μm、NBCメッシュテック製)で濾過してガラスビーズを取り除いた。この液にジメチルスルホキシドを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、クロロガリウムフタロシアニン顔料を0.46部得た。
得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.4°のピークから見積もられた結晶相関長はr=23[nm]であった。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表4に示す。
[感光体製造例188]
感光体製造例74において、クロロガリウムフタロシアニン顔料を得る工程を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例74と同様にして、感光体製造例188の電子写真感光体を製造した。
合成例6で得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料0.5部、直径5.0mmのアルミナビーズ10部を室温(23℃)下で180時間、振動ミル(MB−1型、中央化工機製)を用いてミリング処理した(一段階目)。この際、容器はアルミナ製ポットを用いた。こうして、クロロガリウムフタロシアニン顔料を0.45部得た。続いて、得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料0.5部、ジメチルスルホキシド(製品コード:D0798、東京化成工業製)10部、直径1.0mmのガラスビーズ29部を温度25℃下で72時間、ボールミルでミリング処理した(二段階目)。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用い、容器が1分間に60回転する条件で行った。こうして処理した液をフィルター(品番:N−NO.125T、孔径:133μm、NBCメッシュテック製)で濾過してガラスビーズを取り除いた。この液にジメチルスルホキシドを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をアセトンで十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空減圧下で80℃24時間加熱乾燥させて、クロロガリウムフタロシアニン顔料を0.46部得た。
得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.4°のピークから見積もられた結晶相関長はr=13[nm]であった。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表4に示す。
[感光体製造例189]
感光体製造例188において、二段階目の直径1.0mmのガラスビーズ29部を直径1.5mmのガラスビーズ29部に変更し、ボールミルで72時間のミリング処理を96時間に変更したこと以外は、感光体製造例188と同様にして、感光体製造例189の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表4に示す。
[感光体製造例190]
感光体製造例189において、二段階目のボールミルで96時間のミリング処理を120時間に変更したこと以外は、感光体製造例189と同様にして、感光体製造例190の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表4に示す。
[感光体製造例191]
感光体製造例188において、二段階目のジメチルスルホキシド10部を13部に変更し、直径1.0mmのガラスビーズ29部を直径0.3mmのガラスビーズ37部に変更し、規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)をステンレス製ポット(素材:SUS−304、内容量110mL、入江商会製)に変更したこと以外は、感光体製造例188と同様にして、感光体製造例191の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表4に示す。
[感光体製造例192]
感光体製造例74において、クロロガリウムフタロシアニン顔料を得る工程を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例74と同様にして、感光体製造例192の電子写真感光体を製造した。
合成例10で得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料0.5部、直径5.0mmのアルミナビーズ10部を室温(23℃)下で180時間、振動ミル(MB−1型、中央化工機製)を用いてミリング処理した(一段階目)。この際、容器はアルミナ製ポットを用いた。こうして、クロロガリウムフタロシアニン顔料を0.45部得た。続いて、得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料0.5部、ジメチルスルホキシド(製品コード:D0798、東京化成工業製)50部を恒温槽を用いた温度20℃下で24時間、攪拌槽(傾斜パドル型攪拌翼及び邪魔板を設けた)でミリング処理した(二段階目)。この際、攪拌翼が1分間に250回転する条件で行った。こうして処理した液にジメチルスルホキシドを30部添加した後、乾燥濾過し、濾過器上の濾取物をイオン交換水で十分に洗浄した。更に、攪拌しながら真空減圧下で80℃24時間加熱乾燥し、続いて真空減圧下で150℃5時間加熱乾燥させて、クロロガリウムフタロシアニン顔料を0.46部得た。
得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.4°のピークから見積もられた結晶相関長はr=17[nm]であった。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表4に示す。
[感光体製造例193]
感光体製造例192において、二段階目の恒温槽を用いたミリング処理の温度20℃を28℃に変更したこと以外は、感光体製造例192と同様にして、感光体製造例193の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表4に示す。
[感光体製造例194]
感光体製造例74において、クロロガリウムフタロシアニン顔料を得る工程を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例74と同様にして、感光体製造例194の電子写真感光体を製造した。
合成例10で得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料0.5部、直径5.0mmのアルミナビーズ10部を室温(23℃)下で180時間、振動ミル(MB−1型、中央化工機製)を用いてミリング処理した(一段階目)。この際、容器はアルミナ製ポットを用いた。こうして、クロロガリウムフタロシアニン顔料を0.45部得た。続いて、得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料0.5部、ベンジルアルコール(製品コード:B2378、東京化成工業製)50部を恒温槽を用いた温度5℃下で24時間、攪拌槽(傾斜パドル型攪拌翼及び邪魔板を設けた)でミリング処理した(二段階目)。この際、攪拌翼が1分間に200回転する条件で行った。こうして処理した液を、セラミック・フィルター(製品名:モノリス型セラミック膜フィルター、φ3−37穴、日本ガイシ製)を用いて酢酸エチルにより濾過洗浄し、更に、振動流動式真空乾燥機(VFD型、玉川マシナリー(現三菱マテリアルテクノ)製)を用いて真空減圧下で80℃24時間加熱乾燥し、続いて真空減圧下で150℃5時間加熱乾燥させて、クロロガリウムフタロシアニン顔料を0.47部得た。
得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.4°のピークから見積もられた結晶相関長はr=18[nm]であった。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表4に示す。
[感光体製造例195]
感光体製造例100において、チタニルフタロシアニン顔料を得る工程を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例100と同様にして、感光体製造例195の電子写真感光体を製造した。
合成例5で得られたチタニルフタロシアニン顔料0.5部、テトラヒドロフラン10部、直径0.9mmのガラスビーズ15部を冷却水温度18℃下で1時間、サンドミル(K−800、五十嵐機械製造(現アイメックス)製、ディスク径70mm、ディスク枚数5枚)を用いてミリング処理した。この際、ディスクが1分間に500回転する条件で行った。こうして処理した液をフィルター(品番:N−NO.125T、孔径:133μm、NBCメッシュテック製)で濾過してガラスビーズを取り除いた。この液にテトラヒドロフランを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をメタノールと水で十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、チタニルフタロシアニン顔料を0.45部得た。
得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである27.2°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=23[nm]であった。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表4に示す。
[感光体製造例196]
感光体製造例195において、サンドミルで1時間のミリング処理を5時間に変更したこと以外は、感光体製造例195と同様にして、感光体製造例196の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表4に示す。
[感光体製造例197]
感光体製造例195において、サンドミルで1時間のミリング処理を10時間に変更したこと以外は、感光体製造例195と同様にして、感光体製造例197の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表4に示す。
[感光体製造例198]
感光体製造例195において、サンドミルで1時間のミリング処理を20時間に変更したこと以外は、感光体製造例195と同様にして、感光体製造例198の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表4に示す。
[感光体製造例199]
感光体製造例135において、遠心分離処理を行わなかったこと以外は、感光体製造例135と同様にして、感光体製造例199の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表4に示す。
[感光体製造例200]
感光体製造例195において、サンドミルで1時間のミリング処理を100時間に変更したこと以外は、感光体製造例195と同様にして、感光体製造例200の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表4に示す。
[感光体製造例201]
感光体製造例195において、サンドミルで1時間のミリング処理を300時間に変更したこと以外は、感光体製造例195と同様にして、感光体製造例201の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表4に示す。
[感光体製造例202]
感光体製造例100において、チタニルフタロシアニン顔料を得る工程を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例100と同様にして、感光体製造例202の電子写真感光体を製造した。
合成例5で得られたチタニルフタロシアニン顔料0.5部、n−ブチルエーテル10部、直径0.9mmのガラスビーズ15部を冷却水温度18℃下で20時間、サンドミル(K−800、五十嵐機械製造(現アイメックス)製、ディスク径70mm、ディスク枚数5枚)を用いてミリング処理した。この際、ディスクが1分間に500回転する条件で行った。こうして処理した液をフィルター(品番:N−NO.125T、孔径:133μm、NBCメッシュテック製)で濾過してガラスビーズを取り除いた。この液にn−ブチルエーテルを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をメタノールと水で十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、チタニルフタロシアニン顔料を0.45部得た。
得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである27.2°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=27[nm]であった。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表4に示す。
[感光体製造例203]
感光体製造例100において、電荷発生層を形成する工程を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例100と同様にして、感光体製造例203の電子写真感光体を製造した。
合成例5で得られたチタニルフタロシアニン顔料0.5部、テトラヒドロフラン10部、直径0.9mmのガラスビーズ15部を冷却水温度18℃下で48時間、サンドミル(K−800、五十嵐機械製造(現アイメックス)製、ディスク径70mm、ディスク枚数5枚)を用いてミリング処理した。この際、ディスクが1分間に500回転する条件で行った。こうして処理した液をフィルター(品番:N−NO.125T、孔径:133μm、NBCメッシュテック製)で濾過してガラスビーズを取り除いた。この液にテトラヒドロフランを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をメタノールと水で十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、チタニルフタロシアニン顔料を0.45部得た。
得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである27.2°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=34[nm]であった。
続いて、前記ミリング処理で得られたチタニルフタロシアニン顔料12部、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業製)10部、1,2−ジメトキシエタン/4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン=9/1混合溶液304部、直径0.03mmのジルコニアビーズ716部を冷却水温度10℃下で60分間、ウルトラアペックスミル(UAM−015、寿工業製、ミル容積約0.15L)を用いて分散処理した。この際、ローター周速8m/sec、液流量10kg/hourの条件で行った。こうして分散処理した液をフィルター(品番:N−NO.508S、孔径20μm、NBCメッシュテック製)で濾過してジルコニアビーズを取り除いた。この液を室温(23℃)下で150分間、超音波分散機(UT−205、シャープ製)で分散処理した。この際、容器は規格びん(製品コード:PS−6、柏洋硝子製)を用い、該超音波分散機の出力は100%とした。また、この分散処理においてジルコニアビーズ等のメディアは用いなかった。こうして、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を上述の下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を100℃で10分間加熱乾燥させることにより、膜厚が150nmの電荷発生層を形成した。
このとき得られた電荷発生層を剥がして粉末とし、その粉末を超音波分散し、粉末X線回折測定を行った。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである27.2°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=23[nm]であった。したがって、今の場合、分散処理によってフタロシアニン顔料の結晶相関長は小さくなる。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表4に示す。
[感光体製造例204]
感光体製造例100において、電荷発生層を形成する工程を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例100と同様にして、感光体製造例204の電子写真感光体を製造した。
合成例5で得られたチタニルフタロシアニン顔料0.5部、テトラヒドロフラン10部、直径0.9mmのガラスビーズ15部を冷却水温度18℃下で20時間、サンドミル(K−800、五十嵐機械製造(現アイメックス)製、ディスク径70mm、ディスク枚数5枚)を用いてミリング処理した。この際、ディスクが1分間に500回転する条件で行った。こうして処理した液をフィルター(品番:N−NO.125T、孔径:133μm、NBCメッシュテック製)で濾過してガラスビーズを取り除いた。この液にテトラヒドロフランを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をメタノールと水で十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、チタニルフタロシアニン顔料を0.45部得た。
得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである27.2°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=31[nm]であった。
続いて、前記ミリング処理で得られたチタニルフタロシアニン顔料10部、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBM−1、積水化学工業製)10部、シクロヘキサノン278部直径0.5mmのガラス250部を室温(23℃)下で20時間、ボールミルで分散処理した。この際、容器は規格びん(製品コード:PS−6、柏洋硝子製)を用い、容器が1分間に200回転する条件で行った。こうして、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を上述の下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を100℃で10分間加熱乾燥させることにより、膜厚が150nmの電荷発生層を形成した。
このとき得られた電荷発生層を剥がして粉末とし、その粉末を超音波分散し、粉末X線回折測定を行った。得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである27.2°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=27[nm]であった。したがって、今の場合、分散処理によってフタロシアニン顔料の結晶相関長は小さくなる。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表4に示す。
[感光体製造例205]
感光体製造例136において、遠心分離処理を行わなかったこと以外は、感光体製造例136と同様にして、感光体製造例205の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表4に示す。
[感光体製造例206]
感光体製造例205において、ボールミルで40時間のミリング処理を300時間に変更したこと以外は、感光体製造例205と同様にして、感光体製造例206の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表4に示す。
[感光体製造例207]
感光体製造例1において、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を得る工程を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例1と同様にして、感光体製造例207の電子写真感光体を製造した。
合成例3で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料0.5部、アセトン9.5部を室温(23℃)下で40時間、ボールミルでミリング処理した(一段階目)。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用い、容器が1分間に120回転する条件で行った。また、このミリング処理においてガラスビーズ等のメディアは用いなかった。こうしてミリング処理した液に、直径0.9mmのガラスビーズ15部を追加し、室温(23℃)下で6時間、ペイントシェーカ(東洋精機製作所製)を用いてミリング処理した(二段階目)。この際、容器の中身を取り出すことなく、規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)をそのまま用いた。こうして処理した液をフィルター(品番:N−NO.125T、孔径:133μm、NBCメッシュテック製)で濾過してガラスビーズを取り除いた。この液にアセトンを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を0.43部得た。
得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=53[nm]であった。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表4に示す。
[感光体製造例208]
感光体製造例1において、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を得る工程を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例1と同様にして、感光体製造例208の電子写真感光体を製造した。
合成例3で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料0.5部、アセトン9.5部、直径0.9mmのガラスビーズ15部を室温(23℃)下で24時間、ボールミルでミリング処理した(一段階目)。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用い、容器が1分間に60回転する条件で行った。こうして処理した液にアセトンを30部添加した後、濾過し、濾過器上の濾取物をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。そして、洗浄された濾取物を真空乾燥させて、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を0.43部得た。続いて、得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料0.5部、直径0.9mmのガラスビーズ15部を室温(23℃)下で20分間、ペイントシェーカ(東洋精機製作所製)を用いてミリング処理した(二段階目)。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用いた。こうして、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を0.48部得た。
得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.5°±0.2°のピークから見積もられた結晶相関長はr=77[nm]であった。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表4に示す。
[感光体製造例209]
感光体製造例208において、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を得る工程で用いたアセトンをテトラヒドロフランに変更したこと以外は、感光体製造例208と同様にして、感光体製造例209の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表4に示す。
[感光体製造例210]
感光体製造例74において、クロロガリウムフタロシアニン顔料を得る工程を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例74と同様にして、感光体製造例210の電子写真感光体を製造した。
合成例1で得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料0.5部、直径0.9mmのガラスビーズ15部を室温(23℃)下で20分間、ペイントシェーカ(東洋精機製作所製)を用いてミリング処理した。この際、容器は規格びん(製品名:PS−6、柏洋硝子製)を用いた。こうして、クロロガリウムフタロシアニン顔料を0.47部得た。
得られた顔料の、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおける最も高強度の回折ピークである7.4°のピークから見積もられた結晶相関長はr=100[nm]であった。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表4に示す。
[感光体製造例211]
感光体製造例8において、電荷発生層の膜厚を150nmから100nmに変更したこと以外は、感光体製造例8と同様にして、感光体製造例211の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表4に示す。
[感光体製造例212]
感光体製造例8において、ミリング処理で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を用いて電荷発生層用塗布液を調整し、それを浸漬塗布して電荷発生層を形成する工程を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例8と同様にして、感光体製造例212の電子写真感光体を製造した。
感光体製造例8に記載のミリング処理で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料7.5部、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業製)22.5部、シクロヘキサノン190部、直径0.9mmのガラスビーズ482部を冷却水温度18℃下で4時間、サンドミル(K−800、五十嵐機械製造(現アイメックス)製、ディスク径70mm、ディスク枚数5枚)を用いて分散処理した。この際、ディスクが1分間に1,800回転する条件で行った。この分散液にシクロヘキサノン444部及び酢酸エチル634部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を上述の下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を100℃で10分間加熱乾燥させることにより、膜厚が150nmの電荷発生層を形成した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表4に示す。
[感光体製造例213]
感光体製造例212において、電荷発生層の膜厚を150nmから190nmに変更したこと以外は、感光体製造例212と同様にして、感光体製造例213の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表4に示す。
[感光体製造例214]
感光体製造例8において、ミリング処理で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を用いて電荷発生層用塗布液を調整し、それを浸漬塗布して電荷発生層を形成する工程を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例8と同様にして、感光体製造例214の電子写真感光体を製造した。
感光体製造例8に記載のミリング処理で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料10部、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業製)20部、シクロヘキサノン190部、直径0.9mmのガラスビーズ482部を冷却水温度18℃下で4時間、サンドミル(K−800、五十嵐機械製造(現アイメックス)製、ディスク径70mm、ディスク枚数5枚)を用いて分散処理した。この際、ディスクが1分間に1,800回転する条件で行った。この分散液にシクロヘキサノン444部及び酢酸エチル634部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を上述の下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を100℃で10分間加熱乾燥させることにより、膜厚が150nmの電荷発生層を形成した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表4に示す。
[感光体製造例215]
感光体製造例214において、電荷発生層の膜厚を150nmから190nmに変更したこと以外は、感光体製造例214と同様にして、感光体製造例215の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表4に示す。
[感光体製造例216]
感光体製造例8において、ミリング処理で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を用いて電荷発生層用塗布液を調整し、それを浸漬塗布して電荷発生層を形成する工程を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例8と同様にして、感光体製造例216の電子写真感光体を製造した。
感光体製造例8に記載のミリング処理で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料12部、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業製)18部、シクロヘキサノン190部、直径0.9mmのガラスビーズ482部を冷却水温度18℃下で4時間、サンドミル(K−800、五十嵐機械製造(現アイメックス)製、ディスク径70mm、ディスク枚数5枚)を用いて分散処理した。この際、ディスクが1分間に1,800回転する条件で行った。この分散液にシクロヘキサノン444部及び酢酸エチル634部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を上述の下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を100℃で10分間加熱乾燥させることにより、膜厚が150nmの電荷発生層を形成した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表4に示す。
[感光体製造例217]
感光体製造例216において、電荷発生層の膜厚を150nmから190nmに変更したこと以外は、感光体製造例216と同様にして、感光体製造例217の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表4に示す。
[感光体製造例218]
感光体製造例8において、ミリング処理で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を用いて電荷発生層用塗布液を調整し、それを浸漬塗布して電荷発生層を形成する工程を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例8と同様にして、感光体製造例218の電子写真感光体を製造した。
感光体製造例8に記載のミリング処理で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料13.3部、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業製)16.7部、シクロヘキサノン190部、直径0.9mmのガラスビーズ482部を冷却水温度18℃下で4時間、サンドミル(K−800、五十嵐機械製造(現アイメックス)製、ディスク径70mm、ディスク枚数5枚)を用いて分散処理した。この際、ディスクが1分間に1,800回転する条件で行った。この分散液にシクロヘキサノン444部及び酢酸エチル634部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を上述の下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を100℃で10分間加熱乾燥させることにより、膜厚が150nmの電荷発生層を形成した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表4に示す。
[感光体製造例219]
感光体製造例218において、電荷発生層の膜厚を150nmから190nmに変更したこと以外は、感光体製造例218と同様にして、感光体製造例219の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表4に示す。
[感光体製造例220]
感光体製造例8において、ミリング処理で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を用いて電荷発生層用塗布液を調整し、それを浸漬塗布して電荷発生層を形成する工程を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例8と同様にして、感光体製造例220の電子写真感光体を製造した。
感光体製造例8に記載のミリング処理で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料15部、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業製)15部、シクロヘキサノン190部、直径0.9mmのガラスビーズ482部を冷却水温度18℃下で4時間、サンドミル(K−800、五十嵐機械製造(現アイメックス)製、ディスク径70mm、ディスク枚数5枚)を用いて分散処理した。この際、ディスクが1分間に1,800回転する条件で行った。この分散液にシクロヘキサノン444部及び酢酸エチル634部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を上述の下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を100℃で10分間加熱乾燥させることにより、膜厚が150nmの電荷発生層を形成した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表4に示す。
[感光体製造例221]
感光体製造例220において、電荷発生層の膜厚を150nmから190nmに変更したこと以外は、感光体製造例220と同様にして、感光体製造例221の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表4に示す。
[感光体製造例222]
感光体製造例8において、ミリング処理で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を用いて電荷発生層用塗布液を調整し、それを浸漬塗布して電荷発生層を形成する工程を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例8と同様にして、感光体製造例222の電子写真感光体を製造した。
感光体製造例8に記載のミリング処理で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料18部、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業製)12部、シクロヘキサノン190部、直径0.9mmのガラスビーズ482部を冷却水温度18℃下で4時間、サンドミル(K−800、五十嵐機械製造(現アイメックス)製、ディスク径70mm、ディスク枚数5枚)を用いて分散処理した。この際、ディスクが1分間に1,800回転する条件で行った。この分散液にシクロヘキサノン444部及び酢酸エチル634部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を上述の下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を100℃で10分間加熱乾燥させることにより、膜厚が150nmの電荷発生層を形成した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表4に示す。
[感光体製造例223]
感光体製造例37において、電荷発生層の膜厚を150nmから100nmに変更したこと以外は、感光体製造例37と同様にして、感光体製造例223の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表5に示す。
[感光体製造例224]
感光体製造例37において、ミリング処理で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を用いて電荷発生層用塗布液を調整し、それを浸漬塗布して電荷発生層を形成する工程を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例37と同様にして、感光体製造例224の電子写真感光体を製造した。
感光体製造例37に記載のミリング処理で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料7.5部、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業製)22.5部、シクロヘキサノン190部、直径0.9mmのガラスビーズ482部を冷却水温度18℃下で4時間、サンドミル(K−800、五十嵐機械製造(現アイメックス)製、ディスク径70mm、ディスク枚数5枚)を用いて分散処理した。この際、ディスクが1分間に1,800回転する条件で行った。この分散液にシクロヘキサノン444部及び酢酸エチル634部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を上述の下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を100℃で10分間加熱乾燥させることにより、膜厚が150nmの電荷発生層を形成した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表5に示す。
[感光体製造例225]
感光体製造例224において、電荷発生層の膜厚を150nmから190nmに変更したこと以外は、感光体製造例224と同様にして、感光体製造例225の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表5に示す。
[感光体製造例226]
感光体製造例37において、ミリング処理で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を用いて電荷発生層用塗布液を調整し、それを浸漬塗布して電荷発生層を形成する工程を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例37と同様にして、感光体製造例226の電子写真感光体を製造した。
感光体製造例37に記載のミリング処理で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料10部、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業製)20部、シクロヘキサノン190部、直径0.9mmのガラスビーズ482部を冷却水温度18℃下で4時間、サンドミル(K−800、五十嵐機械製造(現アイメックス)製、ディスク径70mm、ディスク枚数5枚)を用いて分散処理した。この際、ディスクが1分間に1,800回転する条件で行った。この分散液にシクロヘキサノン444部及び酢酸エチル634部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を上述の下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を100℃で10分間加熱乾燥させることにより、膜厚が150nmの電荷発生層を形成した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表5に示す。
[感光体製造例227]
感光体製造例226において、電荷発生層の膜厚を150nmから190nmに変更したこと以外は、感光体製造例226と同様にして、感光体製造例227の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表5に示す。
[感光体製造例228]
感光体製造例37において、ミリング処理で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を用いて電荷発生層用塗布液を調整し、それを浸漬塗布して電荷発生層を形成する工程を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例37と同様にして、感光体製造例228の電子写真感光体を製造した。
感光体製造例37に記載のミリング処理で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料12部、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業製)18部、シクロヘキサノン190部、直径0.9mmのガラスビーズ482部を冷却水温度18℃下で4時間、サンドミル(K−800、五十嵐機械製造(現アイメックス)製、ディスク径70mm、ディスク枚数5枚)を用いて分散処理した。この際、ディスクが1分間に1,800回転する条件で行った。この分散液にシクロヘキサノン444部及び酢酸エチル634部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を上述の下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を100℃で10分間加熱乾燥させることにより、膜厚が150nmの電荷発生層を形成した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表5に示す。
[感光体製造例229]
感光体製造例228において、電荷発生層の膜厚を150nmから190nmに変更したこと以外は、感光体製造例228と同様にして、感光体製造例229の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表5に示す。
[感光体製造例230]
感光体製造例37において、ミリング処理で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を用いて電荷発生層用塗布液を調整し、それを浸漬塗布して電荷発生層を形成する工程を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例37と同様にして、感光体製造例230の電子写真感光体を製造した。
感光体製造例37に記載のミリング処理で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料13.3部、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業製)16.7部、シクロヘキサノン190部、直径0.9mmのガラスビーズ482部を冷却水温度18℃下で4時間、サンドミル(K−800、五十嵐機械製造(現アイメックス)製、ディスク径70mm、ディスク枚数5枚)を用いて分散処理した。この際、ディスクが1分間に1,800回転する条件で行った。この分散液にシクロヘキサノン444部及び酢酸エチル634部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を上述の下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を100℃で10分間加熱乾燥させることにより、膜厚が150nmの電荷発生層を形成した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表5に示す。
[感光体製造例231]
感光体製造例230において、電荷発生層の膜厚を150nmから190nmに変更したこと以外は、感光体製造例228と同様にして、感光体製造例230の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表5に示す。
[感光体製造例232]
感光体製造例37において、ミリング処理で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を用いて電荷発生層用塗布液を調整し、それを浸漬塗布して電荷発生層を形成する工程を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例37と同様にして、感光体製造例232の電子写真感光体を製造した。
感光体製造例37に記載のミリング処理で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料15部、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業製)15部、シクロヘキサノン190部、直径0.9mmのガラスビーズ482部を冷却水温度18℃下で4時間、サンドミル(K−800、五十嵐機械製造(現アイメックス)製、ディスク径70mm、ディスク枚数5枚)を用いて分散処理した。この際、ディスクが1分間に1,800回転する条件で行った。この分散液にシクロヘキサノン444部及び酢酸エチル634部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を上述の下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を100℃で10分間加熱乾燥させることにより、膜厚が150nmの電荷発生層を形成した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表5に示す。
[感光体製造例233]
感光体製造例232において、電荷発生層の膜厚を150nmから190nmに変更したこと以外は、感光体製造例228と同様にして、感光体製造例232の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表5に示す。
[感光体製造例234]
感光体製造例37において、ミリング処理で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を用いて電荷発生層用塗布液を調整し、それを浸漬塗布して電荷発生層を形成する工程を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例37と同様にして、感光体製造例234の電子写真感光体を製造した。
感光体製造例37に記載のミリング処理で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料18部、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業製)12部、シクロヘキサノン190部、直径0.9mmのガラスビーズ482部を冷却水温度18℃下で4時間、サンドミル(K−800、五十嵐機械製造(現アイメックス)製、ディスク径70mm、ディスク枚数5枚)を用いて分散処理した。この際、ディスクが1分間に1,800回転する条件で行った。この分散液にシクロヘキサノン444部及び酢酸エチル634部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を上述の下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を100℃で10分間加熱乾燥させることにより、膜厚が150nmの電荷発生層を形成した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表5に示す。
[感光体製造例235]
感光体製造例59において、電荷発生層の膜厚を170nmから100nmに変更したこと以外は、感光体製造例59と同様にして、感光体製造例235の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表5に示す。
[感光体製造例236]
感光体製造例59において、電荷発生層の膜厚を170nmから130nmに変更したこと以外は、感光体製造例59と同様にして、感光体製造例236の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表5に示す。
[感光体製造例237]
感光体製造例59において、電荷発生層の膜厚を170nmから150nmに変更したこと以外は、感光体製造例59と同様にして、感光体製造例237の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表5に示す。
[感光体製造例238]
感光体製造例59において、ミリング処理で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を用いて電荷発生層用塗布液を調整し、それを浸漬塗布して電荷発生層を形成する工程を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例59と同様にして、感光体製造例238の電子写真感光体を製造した。
感光体製造例59に記載のミリング処理で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料7.5部、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業製)22.5部、シクロヘキサノン190部、直径0.9mmのガラスビーズ482部を冷却水温度18℃下で4時間、サンドミル(K−800、五十嵐機械製造(現アイメックス)製、ディスク径70mm、ディスク枚数5枚)を用いて分散処理した。この際、ディスクが1分間に1,800回転する条件で行った。この分散液にシクロヘキサノン444部及び酢酸エチル634部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を上述の下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を100℃で10分間加熱乾燥させることにより、膜厚が170nmの電荷発生層を形成した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表5に示す。
[感光体製造例239]
感光体製造例238において、電荷発生層の膜厚を170nmから190nmに変更したこと以外は、感光体製造例238と同様にして、感光体製造例239の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表5に示す。
[感光体製造例240]
感光体製造例59において、ミリング処理で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を用いて電荷発生層用塗布液を調整し、それを浸漬塗布して電荷発生層を形成する工程を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例59と同様にして、感光体製造例240の電子写真感光体を製造した。
感光体製造例59に記載のミリング処理で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料10部、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業製)20部、シクロヘキサノン190部、直径0.9mmのガラスビーズ482部を冷却水温度18℃下で4時間、サンドミル(K−800、五十嵐機械製造(現アイメックス)製、ディスク径70mm、ディスク枚数5枚)を用いて分散処理した。この際、ディスクが1分間に1,800回転する条件で行った。この分散液にシクロヘキサノン444部及び酢酸エチル634部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を上述の下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を100℃で10分間加熱乾燥させることにより、膜厚が170nmの電荷発生層を形成した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表5に示す。
[感光体製造例241]
感光体製造例240において、電荷発生層の膜厚を170nmから190nmに変更したこと以外は、感光体製造例240と同様にして、感光体製造例241の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表5に示す。
[感光体製造例242]
感光体製造例59において、ミリング処理で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を用いて電荷発生層用塗布液を調整し、それを浸漬塗布して電荷発生層を形成する工程を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例59と同様にして、感光体製造例242の電子写真感光体を製造した。
感光体製造例59に記載のミリング処理で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料12部、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業製)18部、シクロヘキサノン190部、直径0.9mmのガラスビーズ482部を冷却水温度18℃下で4時間、サンドミル(K−800、五十嵐機械製造(現アイメックス)製、ディスク径70mm、ディスク枚数5枚)を用いて分散処理した。この際、ディスクが1分間に1,800回転する条件で行った。この分散液にシクロヘキサノン444部及び酢酸エチル634部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を上述の下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を100℃で10分間加熱乾燥させることにより、膜厚が170nmの電荷発生層を形成した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表5に示す。
[感光体製造例243]
感光体製造例242において、電荷発生層の膜厚を170nmから190nmに変更したこと以外は、感光体製造例242と同様にして、感光体製造例243の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表5に示す。
[感光体製造例244]
感光体製造例59において、ミリング処理で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を用いて電荷発生層用塗布液を調整し、それを浸漬塗布して電荷発生層を形成する工程を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例59と同様にして、感光体製造例244の電子写真感光体を製造した。
感光体製造例59に記載のミリング処理で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料13.3部、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業製)16.7部、シクロヘキサノン190部、直径0.9mmのガラスビーズ482部を冷却水温度18℃下で4時間、サンドミル(K−800、五十嵐機械製造(現アイメックス)製、ディスク径70mm、ディスク枚数5枚)を用いて分散処理した。この際、ディスクが1分間に1,800回転する条件で行った。この分散液にシクロヘキサノン444部及び酢酸エチル634部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を上述の下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を100℃で10分間加熱乾燥させることにより、膜厚が170nmの電荷発生層を形成した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表5に示す。
[感光体製造例245]
感光体製造例244において、電荷発生層の膜厚を170nmから190nmに変更したこと以外は、感光体製造例244と同様にして、感光体製造例245の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表5に示す。
[感光体製造例246]
感光体製造例59において、ミリング処理で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を用いて電荷発生層用塗布液を調整し、それを浸漬塗布して電荷発生層を形成する工程を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例59と同様にして、感光体製造例246の電子写真感光体を製造した。
感光体製造例59に記載のミリング処理で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料15部、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業製)15部、シクロヘキサノン190部、直径0.9mmのガラスビーズ482部を冷却水温度18℃下で4時間、サンドミル(K−800、五十嵐機械製造(現アイメックス)製、ディスク径70mm、ディスク枚数5枚)を用いて分散処理した。この際、ディスクが1分間に1,800回転する条件で行った。この分散液にシクロヘキサノン444部及び酢酸エチル634部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を上述の下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を100℃で10分間加熱乾燥させることにより、膜厚が170nmの電荷発生層を形成した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表5に示す。
[感光体製造例247]
感光体製造例246において、電荷発生層の膜厚を170nmから190nmに変更したこと以外は、感光体製造例246と同様にして、感光体製造例247の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表5に示す。
[感光体製造例248]
感光体製造例59において、ミリング処理で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を用いて電荷発生層用塗布液を調整し、それを浸漬塗布して電荷発生層を形成する工程を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例59と同様にして、感光体製造例248の電子写真感光体を製造した。
感光体製造例59に記載のミリング処理で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料18部、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業製)12部、シクロヘキサノン190部、直径0.9mmのガラスビーズ482部を冷却水温度18℃下で4時間、サンドミル(K−800、五十嵐機械製造(現アイメックス)製、ディスク径70mm、ディスク枚数5枚)を用いて分散処理した。この際、ディスクが1分間に1,800回転する条件で行った。この分散液にシクロヘキサノン444部及び酢酸エチル634部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を上述の下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を100℃で10分間加熱乾燥させることにより、膜厚が170nmの電荷発生層を形成した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表5に示す。
[感光体製造例249]
感光体製造例248において、電荷発生層の膜厚を170nmから190nmに変更したこと以外は、感光体製造例248と同様にして、感光体製造例249の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表5に示す。
[感光体製造例250]
感光体製造例81において、電荷発生層の膜厚を170nmから100nmに変更したこと以外は、感光体製造例81と同様にして、感光体製造例250の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表5に示す。
[感光体製造例251]
感光体製造例81において、電荷発生層の膜厚を170nmから130nmに変更したこと以外は、感光体製造例81と同様にして、感光体製造例251の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表5に示す。
[感光体製造例252]
感光体製造例81において、電荷発生層の膜厚を170nmから150nmに変更したこと以外は、感光体製造例81と同様にして、感光体製造例252の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表5に示す。
[感光体製造例253]
感光体製造例81において、ミリング処理で得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料を用いて電荷発生層用塗布液を調整し、それを浸漬塗布して電荷発生層を形成する工程を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例81と同様にして、感光体製造例253の電子写真感光体を製造した。
感光体製造例81に記載のミリング処理で得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料7.5部、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業製)22.5部、シクロヘキサノン253部、直径0.9mmのガラスビーズ643部を冷却水温度18℃下で4時間、サンドミル(K−800、五十嵐機械製造(現アイメックス)製、ディスク径70mm、ディスク枚数5枚)を用いて分散処理した。この際、ディスクが1分間に1,800回転する条件で行った。この分散液にシクロヘキサノン592部及び酢酸エチル845部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を上述の下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を100℃で10分間加熱乾燥させることにより、膜厚が170nmの電荷発生層を形成した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表5に示す。
[感光体製造例254]
感光体製造例253において、電荷発生層の膜厚を170nmから190nmに変更したこと以外は、感光体製造例253と同様にして、感光体製造例254の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表5に示す。
[感光体製造例255]
感光体製造例81において、ミリング処理で得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料を用いて電荷発生層用塗布液を調整し、それを浸漬塗布して電荷発生層を形成する工程を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例81と同様にして、感光体製造例255の電子写真感光体を製造した。
感光体製造例81に記載のミリング処理で得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料10部、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業製)20部、シクロヘキサノン253部、直径0.9mmのガラスビーズ643部を冷却水温度18℃下で4時間、サンドミル(K−800、五十嵐機械製造(現アイメックス)製、ディスク径70mm、ディスク枚数5枚)を用いて分散処理した。この際、ディスクが1分間に1,800回転する条件で行った。この分散液にシクロヘキサノン592部及び酢酸エチル845部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を上述の下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を100℃で10分間加熱乾燥させることにより、膜厚が170nmの電荷発生層を形成した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表5に示す。
[感光体製造例256]
感光体製造例255において、電荷発生層の膜厚を170nmから190nmに変更したこと以外は、感光体製造例255と同様にして、感光体製造例256の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表5に示す。
[感光体製造例257]
感光体製造例81において、ミリング処理で得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料を用いて電荷発生層用塗布液を調整し、それを浸漬塗布して電荷発生層を形成する工程を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例81と同様にして、感光体製造例257の電子写真感光体を製造した。
感光体製造例81に記載のミリング処理で得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料12部、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業製)18部、シクロヘキサノン253部、直径0.9mmのガラスビーズ643部を冷却水温度18℃下で4時間、サンドミル(K−800、五十嵐機械製造(現アイメックス)製、ディスク径70mm、ディスク枚数5枚)を用いて分散処理した。この際、ディスクが1分間に1,800回転する条件で行った。この分散液にシクロヘキサノン592部及び酢酸エチル845部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を上述の下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を100℃で10分間加熱乾燥させることにより、膜厚が170nmの電荷発生層を形成した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表5に示す。
[感光体製造例258]
感光体製造例257において、電荷発生層の膜厚を170nmから190nmに変更したこと以外は、感光体製造例257と同様にして、感光体製造例258の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表5に示す。
[感光体製造例259]
感光体製造例81において、ミリング処理で得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料を用いて電荷発生層用塗布液を調整し、それを浸漬塗布して電荷発生層を形成する工程を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例81と同様にして、感光体製造例259の電子写真感光体を製造した。
感光体製造例81に記載のミリング処理で得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料13.3部、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業製)16.7部、シクロヘキサノン253部、直径0.9mmのガラスビーズ643部を冷却水温度18℃下で4時間、サンドミル(K−800、五十嵐機械製造(現アイメックス)製、ディスク径70mm、ディスク枚数5枚)を用いて分散処理した。この際、ディスクが1分間に1,800回転する条件で行った。この分散液にシクロヘキサノン592部及び酢酸エチル845部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を上述の下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を100℃で10分間加熱乾燥させることにより、膜厚が170nmの電荷発生層を形成した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表5に示す。
[感光体製造例260]
感光体製造例259において、電荷発生層の膜厚を170nmから190nmに変更したこと以外は、感光体製造例259と同様にして、感光体製造例260の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表5に示す。
[感光体製造例261]
感光体製造例81において、ミリング処理で得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料を用いて電荷発生層用塗布液を調整し、それを浸漬塗布して電荷発生層を形成する工程を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例81と同様にして、感光体製造例261の電子写真感光体を製造した。
感光体製造例81に記載のミリング処理で得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料15部、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業製)15部、シクロヘキサノン253部、直径0.9mmのガラスビーズ643部を冷却水温度18℃下で4時間、サンドミル(K−800、五十嵐機械製造(現アイメックス)製、ディスク径70mm、ディスク枚数5枚)を用いて分散処理した。この際、ディスクが1分間に1,800回転する条件で行った。この分散液にシクロヘキサノン592部及び酢酸エチル845部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を上述の下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を100℃で10分間加熱乾燥させることにより、膜厚が170nmの電荷発生層を形成した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表5に示す。
[感光体製造例262]
感光体製造例261において、電荷発生層の膜厚を170nmから190nmに変更したこと以外は、感光体製造例261と同様にして、感光体製造例262の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表5に示す。
[感光体製造例263]
感光体製造例81において、ミリング処理で得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料を用いて電荷発生層用塗布液を調整し、それを浸漬塗布して電荷発生層を形成する工程を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例81と同様にして、感光体製造例263の電子写真感光体を製造した。
感光体製造例81に記載のミリング処理で得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料18部、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業製)12部、シクロヘキサノン253部、直径0.9mmのガラスビーズ643部を冷却水温度18℃下で4時間、サンドミル(K−800、五十嵐機械製造(現アイメックス)製、ディスク径70mm、ディスク枚数5枚)を用いて分散処理した。この際、ディスクが1分間に1,800回転する条件で行った。この分散液にシクロヘキサノン592部及び酢酸エチル845部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を上述の下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を100℃で10分間加熱乾燥させることにより、膜厚が170nmの電荷発生層を形成した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表5に示す。
[感光体製造例264]
感光体製造例263において、電荷発生層の膜厚を170nmから190nmに変更したこと以外は、感光体製造例263と同様にして、感光体製造例264の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表5に示す。
[感光体製造例265]
感光体製造例81において、ミリング処理で得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料を用いて電荷発生層用塗布液を調整し、それを浸漬塗布して電荷発生層を形成する工程を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例81と同様にして、感光体製造例265の電子写真感光体を製造した。
感光体製造例81に記載のミリング処理で得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料20部、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業製)10部、シクロヘキサノン253部、直径0.9mmのガラスビーズ643部を冷却水温度18℃下で4時間、サンドミル(K−800、五十嵐機械製造(現アイメックス)製、ディスク径70mm、ディスク枚数5枚)を用いて分散処理した。この際、ディスクが1分間に1,800回転する条件で行った。この分散液にシクロヘキサノン592部及び酢酸エチル845部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を上述の下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を100℃で10分間加熱乾燥させることにより、膜厚が170nmの電荷発生層を形成した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表5に示す。
[感光体製造例266]
感光体製造例109において、電荷発生層の膜厚を150nmから100nmに変更したこと以外は、感光体製造例109と同様にして、感光体製造例266の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表5に示す。
[感光体製造例267]
感光体製造例109において、ミリング処理で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を用いて電荷発生層用塗布液を調整し、それを浸漬塗布して電荷発生層を形成する工程を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例109と同様にして、感光体製造例267の電子写真感光体を製造した。
感光体製造例109に記載の遠心分離処理で得られた溶液に対し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料とポリビニルブチラールとシクロヘキサノンの重量比が7.5:22.5:190となるようにポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業製)及びシクロヘキサノンを加えた。この溶液220部、直径0.9mmのガラスビーズ482部を冷却水温度18℃下で4時間、サンドミル(K−800、五十嵐機械製造(現アイメックス)製、ディスク径70mm、ディスク枚数5枚)を用いて分散処理した。この際、ディスクが1分間に1,800回転する条件で行った。この分散液にシクロヘキサノン444部及び酢酸エチル634部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を上述の下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を100℃で10分間加熱乾燥させることにより、膜厚が150nmの電荷発生層を形成した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表5に示す。
[感光体製造例268]
感光体製造例267において、電荷発生層の膜厚を150nmから190nmに変更したこと以外は、感光体製造例267と同様にして、感光体製造例268の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表5に示す。
[感光体製造例269]
感光体製造例109において、ミリング処理で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を用いて電荷発生層用塗布液を調整し、それを浸漬塗布して電荷発生層を形成する工程を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例109と同様にして、感光体製造例269の電子写真感光体を製造した。
感光体製造例109に記載の遠心分離処理で得られた溶液に対し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料とポリビニルブチラールとシクロヘキサノンの重量比が10:20:190となるようにポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業製)及びシクロヘキサノンを加えた。この溶液220部、直径0.9mmのガラスビーズ482部を冷却水温度18℃下で4時間、サンドミル(K−800、五十嵐機械製造(現アイメックス)製、ディスク径70mm、ディスク枚数5枚)を用いて分散処理した。この際、ディスクが1分間に1,800回転する条件で行った。この分散液にシクロヘキサノン444部及び酢酸エチル634部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を上述の下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を100℃で10分間加熱乾燥させることにより、膜厚が150nmの電荷発生層を形成した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表5に示す。
[感光体製造例270]
感光体製造例269において、電荷発生層の膜厚を150nmから190nmに変更したこと以外は、感光体製造例269と同様にして、感光体製造例270の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表5に示す。
[感光体製造例271]
感光体製造例109において、ミリング処理で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を用いて電荷発生層用塗布液を調整し、それを浸漬塗布して電荷発生層を形成する工程を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例109と同様にして、感光体製造例271の電子写真感光体を製造した。
感光体製造例109に記載の遠心分離処理で得られた溶液に対し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料とポリビニルブチラールとシクロヘキサノンの重量比が12:18:190となるようにポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業製)及びシクロヘキサノンを加えた。この溶液220部、直径0.9mmのガラスビーズ482部を冷却水温度18℃下で4時間、サンドミル(K−800、五十嵐機械製造(現アイメックス)製、ディスク径70mm、ディスク枚数5枚)を用いて分散処理した。この際、ディスクが1分間に1,800回転する条件で行った。この分散液にシクロヘキサノン444部及び酢酸エチル634部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を上述の下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を100℃で10分間加熱乾燥させることにより、膜厚が150nmの電荷発生層を形成した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表5に示す。
[感光体製造例272]
感光体製造例271において、電荷発生層の膜厚を150nmから190nmに変更したこと以外は、感光体製造例271と同様にして、感光体製造例272の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表5に示す。
[感光体製造例273]
感光体製造例109において、ミリング処理で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を用いて電荷発生層用塗布液を調整し、それを浸漬塗布して電荷発生層を形成する工程を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例109と同様にして、感光体製造例273の電子写真感光体を製造した。
感光体製造例109に記載の遠心分離処理で得られた溶液に対し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料とポリビニルブチラールとシクロヘキサノンの重量比が13.3:16.7:190となるようにポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業製)及びシクロヘキサノンを加えた。この溶液220部、直径0.9mmのガラスビーズ482部を冷却水温度18℃下で4時間、サンドミル(K−800、五十嵐機械製造(現アイメックス)製、ディスク径70mm、ディスク枚数5枚)を用いて分散処理した。この際、ディスクが1分間に1,800回転する条件で行った。この分散液にシクロヘキサノン444部及び酢酸エチル634部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を上述の下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を100℃で10分間加熱乾燥させることにより、膜厚が150nmの電荷発生層を形成した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表5に示す。
[感光体製造例274]
感光体製造例273において、電荷発生層の膜厚を150nmから190nmに変更したこと以外は、感光体製造例273と同様にして、感光体製造例274の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表5に示す。
[感光体製造例275]
感光体製造例109において、ミリング処理で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を用いて電荷発生層用塗布液を調整し、それを浸漬塗布して電荷発生層を形成する工程を以下のように変更したこと以外は、感光体製造例109と同様にして、感光体製造例275の電子写真感光体を製造した。
感光体製造例109に記載の遠心分離処理で得られた溶液に対し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料とポリビニルブチラールとシクロヘキサノンの重量比が15:15:190となるようにポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業製)及びシクロヘキサノンを加えた。この溶液220部、直径0.9mmのガラスビーズ482部を冷却水温度18℃下で4時間、サンドミル(K−800、五十嵐機械製造(現アイメックス)製、ディスク径70mm、ディスク枚数5枚)を用いて分散処理した。この際、ディスクが1分間に1,800回転する条件で行った。この分散液にシクロヘキサノン444部及び酢酸エチル634部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を上述の下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を100℃で10分間加熱乾燥させることにより、膜厚が150nmの電荷発生層を形成した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表5に示す。
[感光体製造例276]
感光体製造例275において、電荷発生層の膜厚を150nmから190nmに変更したこと以外は、感光体製造例275と同様にして、感光体製造例276の電子写真感光体を製造した。
このとき得られたフタロシアニン顔料、電荷発生層、及び電子写真感光体の物性値を感光体製造例1と同様にして求めた結果を、表5に示す。
[評価]
感光体製造例1〜276の電子写真感光体を電子写真装置に装着し、1種類以上の帯電電位設定において電子写真特性を評価した結果を、表6〜12の実施例1〜161及び比較例1〜140に示す。本実施例においては、潜像コントラストが290Vより大きいとき、本発明の効果が得られていると判断した。
表6〜12の各実施例及び比較例において、「感光体製造例No.」は評価において使用した感光体製造例を意味し、「k=r/R」及び「ΦiΨi」は使用した感光体製造例のパラメータを意味する。「k=r/R」及び「ΦiΨi」については、表1〜5に示した値と同一である。また、「帯電電位[V]」はその実施例または比較例の評価における帯電電位の設定値であり、「帯電電界強度[V/μm]」は使用した感光体製造例の電荷輸送層膜厚[μm]で該帯電電位[V]を割った値である。「潜像コントラスト[V]」、「かぶり値」、及び「リーク枚数×103[枚]」は電子写真特性であり、それぞれ感度、かぶり抑制効果、及びリーク抑制効果の評価値である。使用した電子写真装置及び電子写真特性の評価の詳細について、以下に述べる。
<評価装置>
感光体製造例1〜276の電子写真感光体の評価方法については、以下の通りである。
評価用の電子写真装置として、ヒューレットパッカード社製のレーザビームプリンタ(商品名:Color Laser Jet CP3525dn)の改造機を用いた。改造点としては、帯電条件とレーザ露光量は可変で作動するようにした。また、上記製造した電子写真感光体をシアン色用のプロセスカートリッジに装着して、シアン色用のプロセスカートリッジのステーションに取り付けた。他の色(マゼンタ、イエロー、ブラック)用のプロセスカートリッジをレーザビームプリンタ本体に装着しなくても作動するようにした。
画像の出力に際しては、シアン色用のプロセスカートリッジのみをレーザビームプリンタ本体に取り付け、シアントナーのみによる単色画像を出力した。
<感度評価>
電子写真感光体の感度は、潜像コントラストとして以下のように評価した。まず、常温常湿環境下(温度23℃、相対湿度50%)で、感光体製造例163の電子写真感光体の帯電電位が−450V、露光電位が−170Vとなるように帯電条件と像露光量を調整した。このときの潜像コントラストは280Vとなる。電位設定の際の電子写真感光体の表面電位の測定には、プロセスカートリッジの現像位置に電位プローブ(商品名:model6000B−8、トレック・ジャパン製)を装着したものを用い、電子写真感光体の長手方向中央部の電位を表面電位計(商品名:model344、トレック・ジャパン製)を使用して測定した。
次に、像露光量を上記調整した値に固定し、感光体製造例1〜276に対して帯電電位を表6〜12に示す値に設定したときの潜像コントラストを測定した。この潜像コントラストが大きいほど、電子写真感光体が高感度であることを意味している。本実施例においては、潜像コントラストが290Vより大きいとき、本発明の効果が得られていると判断した。
<かぶり評価>
電子写真感光体の画像かぶりは、画質(帯電均一性)の観点から、濃度として以下のように評価した。まず、常温常湿環境下(温度23℃、相対湿度50%)で、感光体製造例1〜276に対して帯電電位を表6〜12に示す値に設定し、潜像コントラストが330Vとなるように像露光量を調整した。また、Vbackが150Vとなるように現像電位を調整した。このときの現像コントラストは180Vとなる。この設定で、A4サイズの普通紙に対し、3ドット100スペースの縦線パターンによる画像出力を10,000枚連続して行った。縦線パターンによる画像出力は、3枚の連続出力と6秒間の出力停止を繰り返して行った。
10,000枚耐久後、ベタ白画像を出力して、反射濃度の最悪値F1[%]を測定した。このとき、紙としてA4高白色用紙(商品名:GF−C081A4、キヤノンマーケティングジャパン社製)を用いた。画像出力前のこの紙自体の反射濃度の平均値F0[%]を測定し、F0−F1をかぶり値[%]とした。濃度の測定には、白色光度計(商品名:TC−6DS、東京電色社製)を用いた。数値が小さいほど、かぶり抑制効果が高いことを示す。尚、本発明においては、評価基準のAA〜Dを好ましいレベルとし、Eを許容できないレベルとした。
AA:かぶり値が1.0未満であった
A:かぶり値が1.0以上1.5未満であった
B:かぶり値が1.5以上2.0未満であった
C:かぶり値が2.0以上2.5未満であった
D:かぶり値が2.5以上5.0未満であった
E:かぶり値が5.0以上であった。
<リーク評価>
電子写真感光体のリークは、青ポチリークとして以下のように評価した。まず、低温低湿環境下(温度15℃、相対湿度10%)で、感光体製造例1〜276に対して帯電電位を表6〜12に示す値に設定し、潜像コントラストが330Vとなるように像露光量を調整した。また、Vbackが200Vとなるように現像電位を調整した。このときの現像コントラストは130Vとなる。この設定で、A4サイズの普通紙に対し、3ドット100スペースの縦線パターンによる画像出力を行い、1,000枚通紙する毎に評価用のベタ白画像を1枚出力した。
次に、得られた評価用のベタ白画像について、電子写真感光体1周分に換算した領域に存在する青ポチの個数を数えた。このとき、青ポチの個数が10個以上であるベタ白画像が最初に得られたときの通紙枚数をリーク枚数とした。