JP3720763B2 - ガリウムフタロシアニンの製造方法、クロロガリウムフタロシアニン結晶の製造方法およびヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の製造方法 - Google Patents

ガリウムフタロシアニンの製造方法、クロロガリウムフタロシアニン結晶の製造方法およびヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガリウムフタロシアニンの製造方法、クロロガリウムフタロシアニン結晶の製造方法、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の製造方法、ガリウムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン結晶、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶、電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
フタロシアニンは650nm〜800nm付近に最大吸収波長であるHOMO−LUMOバンド(Q帯)を持つ青または緑色の化合物であり、染料、顔料などの着色用途、電子写真感光体、色素増感型太陽電池、ガスセンサー、消臭・抗菌、触媒、癌の光化学治療、光記録材料など、光化学材料としての報告が数多くなされている。
【0003】
特に近年、電子写真技術を用いた端末用プリンター、特に光源としてレーザー光を用いるレーザービームプリンターの需要の高まりから、電子写真感光体材料にフタロシアニンを用いることが多くなってきている。これはコスト的な面と共に装置の大きさなどの点からレーザービームプリンターの光源としては790〜820nmの波長半導体レーザーが用いられ、フタロシアニンがこの波長領域のレーザー光に十分な感度を有し、比較的安価で構造的に強く、さらに光学的安定性に優れた材料であるためである。
【0004】
その中でも、中心金属としてガリウム、軸配位子としてヒドロキシ基(Fuji Xerox Technical Report, 12 (1998))、ハロゲンを有するフタロシアニン誘導体(特開平7−56373号公報、特開平7−102183号公報)が、電子写真特性に優れた材料として注目され、多数の報告がなされている。
【0005】
一方で、ガリウムフタロシアニンの合成としては、フタロニトリル誘導体(Inorg. Chem. 19, 3131 (1980))、1,3−ジイミノイソインドリン誘導体(特開平9−124967号公報、特開平9−302252号公報)などのフタロシアニン前駆体と三ハロゲン化ガリウム(Inorg. Chem. 19, 3131 (1980))または三アルコキシガリウム(特開平6−287465号公報)などのガリウム化合物とを有機溶剤中で反応しガリウムフタロシアニンを得る合成法が報告されている。
【0006】
さらに、本発明のクロロガリウムフタロシアニン化合物の先行技術は、特開平1−221459号公報、特開平5−98181号公報、特開平5−194523号公報、特開平5−247361号公報、特開平6−73303号公報、特開平7−53891号公報および特開平7−207171号公報などに開示されている。
【0007】
また、本発明のヒドロキシガリウムフタロシアニン化合物の先行技術は、特開平5−236007号公報、特開平5−279591号公報、特開平6−93203号公報、特開平6−279698号公報および特開平7−53892号公報などの開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような原材料を特に処理することなく反応に用いた場合、充分な電子写真特性が得られないことが判明した。例えば、非処理原料を用いて合成したガリウムフタロシアニンを電子写真感光体に用いた場合、充分な感度が得られず、画像特性では現在プリンターでよく使用されている暗部電位部分を非現像部とし明部電位部分を現像部分とする現像プロセス(いわゆる反転現像系)を用いて、プリント画像書き出しから電子写真感光体1回転の部分にベタ黒部を、電子写真感光体2回転目以降にハーフトーンを持つような画像を印字した場合、ベタ黒部の履歴がハーフトーン上に浮き出てしまう、いわゆるポジゴーストが現れてしまうことがわかった。
【0009】
本発明の目的は、このような長波長の光線に対して極めて高い光感度を有するガリウムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン結晶、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶、および、それらの製造方法を提供し、ポジゴーストの発生しにくい高品質な画像が得られる電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置を安定して提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題について鋭意検討を行った結果、一般試薬として市販されているフタロシアニン前駆体や反応有機溶剤の含水分が、電位特性悪化あるいは画像悪化の一要因であることが明らかとなった。
【0011】
すなわち、本発明は、ガリウムフタロシアニンの製造方法において、
含水率が0.006質量%以下である、フタロシアニン前駆体と有機溶剤の混合液を調製する混合液調製工程と、
該混合液調製工程によって得られた、含水率が0.006質量%以下の混合液にガリウム化合物を加えて反応させる反応工程と、
を有することを特徴とするガリウムフタロシアニンの製造方法である。
【0012】
また、本発明は、上記ガリウム化合物を塩化ガリウムとした上記製造方法で製造されたクロロガリウムフタロシアニンをミリング処理により結晶変換させ、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.4°、16.6°、25.5°および28.3°に強いピークを有するクロロガリウムフタロシアニン結晶を得る工程を有することを特徴とするクロロガリウムフタロシアニン結晶の製造方法である。
【0013】
また、本発明は、上記製造方法で製造されたガリウムフタロシアニンをアシッドペースティング法により処理してペースト状の含水ヒドロキシガリウムフタロシアニンを得る工程と、
該含水ヒドロキシガリウムフタロシアニンを乾燥して低結晶性のヒドロキシガリウムフタロシアニンを得る工程と、
該低結晶性のヒドロキシガリウムフタロシアニンをミリング処理により結晶変換させ、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θの7.4°±0.2°および28.2°±0.2°に強いピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を得る工程と、
を有することを特徴とするヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の製造方法である。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
【0018】
含水率が0.006質量%以下である、フタロシアニン前駆体と有機溶剤との混合液に、ガリウム化合物を加えて反応させる工程を経て製造されたガリウムフタロシアニンを用いた電子写真感光体は、高い光感度でかつ、ポジゴーストの発生しにくい電子写真感光体となる。
【0019】
より高い光感度を有し、ポジゴーストが出にくい電子写真感光体を得るためには、混合液の含水率を0.0001〜0.003質量%とすることが特に好ましい。
【0020】
なお、本発明で合成されたガリウムフタロシアニンは、下記構造のように表される。
【外1】
Figure 0003720763
【0021】
ただし、R111〜R114、R121〜R124、R131〜R134、R141〜R144は、それぞれ独立して置換基を有してもよく、置換基としては、水素、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキル基、ハロゲン基、ニトロ基、アミノ基、アリル基、アルカノイル基、カルボキシ基、ハロアルカノイル基などが挙げられる。
【0022】
また、Xは軸配位子であり、ハロゲン基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルキル基、アリル基、アミノ基、アルキルチオ基、μ−オキソ錯体などが挙げられる。
【0023】
本発明のガリウムフタロシアニンの置換基はこれらの置換基に限定されるものではないが、光感度の面から考えると、R111〜R114、R121〜R124、R131〜R134、R141〜R144は無置換が好ましく、Xは、ハロゲン原子やヒドロキシ基が好ましく、特には、塩素原子、ヒドロキシ基がより好ましい。
【0024】
本発明に用いられるガリウム化合物としては、ハロゲン化ガリウム、アルコキシガリウム、アルキルガリウム、アリルガリウム、シアン化ガリウム、金属ガリウムなどが挙げられる。本発明に用いられるガリウム化合物はこれらに限定されるものではないが、これらの中でも、電子写真特性、特に光感度の面から、ハロゲン化ガリウムが好ましく、特には塩化ガリウムが好ましく、さらには三塩化ガリウムがより好ましい。
【0025】
本発明に用いられるフタロニトリル前駆体としては、フタロニトリル、1,3−ジイミノイソインドリン、フタル酸、無水フタル酸、フタルイミド、フタル酸ジアミド、o−ジハロゲン化ベンゼン、2−シアノベンザミド、1−イミノ−3−メチルチオイソインドリンなどの各誘導体が挙げられる。本発明で用いられるフタロニトリル前駆体はこれらに限定されるものではないが、電子写真特性、特に光感度の面から、フタロニトリルが好ましい。
【0026】
有機溶剤の例として、ハロゲン化ナフタレン、キノリン、ハロゲン化ベンゼン、ニトロベンゼン、尿素、ナフタレン、アントラセン、ピリジン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアミノエタノール、エチレングリコール、高級アルコールが挙げられる。本発明で用いられる有機溶剤は、これらに限定されるものではないが電子写真特性、特に光感度の面から、ハロゲン化ナフタレンが好ましい。
【0027】
混合液の含水率を低下させる具体的な方法としては、フタロシアニン前駆体と有機溶剤の混合液に乾燥不活性ガスを吹きつける、あるいは、バブリングを行うことが挙げられる。不活性ガスとしては、窒素、アルゴンガス、ヘリウムなどが挙げられる。
【0028】
その他の混合液の含水率を低下させる方法としては、フタロシアニン前駆体を減圧乾燥したり、脱水材存在下で処理を行ったりすることで混合液の含水率を下げる方法や、有機溶剤を脱水材処理または蒸留をすることにより混合液の含水率を下げる方法が挙げられる。いずれの方法を採用したとしても、材料あるいは溶剤に適した方法によって混合液の含水率を0.006質量%以下に下げれば、高い光感度を有し、ポジゴーストが発生しにくいガリウムフタロシアニンを得ることができるが、上記方法によって含水率を0.006質量%以下に下げることが好ましく、その中でも混合液に乾燥不活性ガスを吹きつけて、該混合液の含水率を0.006質量%以下に調整することが好ましく、さらには、乾燥不活性ガスに窒素を用いることがより好ましい。
【0029】
なお、本発明における、反応混合液、フタロシアニン前駆体、有機溶剤の含水率測定は、次の条件で行った。
【0030】
使用測定機:HIRANUMA社製、AQ-6AQUACOUNTER
発生液:RdH Laborchemikalien GmbH&Co. 製 HHIDRANAL-AqlyteRS
対極液:RdH Laborchemikalien GmbH&Co. 製 HIDRANAL-Coulomat
フタロシアニン前駆体の測定は、AQ-6AQUACOUNTER にHIRANUMA社製SE-24AUTOSOLIDEVAPORATORを付属して測定を行った。
【0031】
なお、これらの装置を用いて0.006質量%以下の含水率を測定する場合、反応環境もしくは測定環境により±0.001質量%程度の誤差が発生することが判明している。本発明においては、この誤差を考慮し、3回含水率測定したときに得られる3つの値の平均値をもって含水率とした。
【0032】
上記混合液とガリウム化合物の反応温度としては、通常170℃〜230℃に設定されるが、190℃未満では反応収率が上がりにくく、また210℃を超える温度では電子写真感光体に用いた場合、光感度低下が起こりやすいので、190℃〜210℃の範囲に設定するのが反応収率、電子写真特性が両立できるため好ましい。また、反応時間は、1〜8時間が一般的に設定されるが、6時間以上の長時間に渡り反応を行うと、光感度の悪化が起こりやすいため、より好ましい反応時間は2〜6時間の範囲となる。
【0033】
次に、上記製造方法で得られたクロロガリウムフタロシアニンをミリング処理により結晶変換させ、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.4°、16.6°、25.5°および28.3°に強いピークを有するクロロガリウムフタロシアニン結晶を得る方法を説明する。
【0034】
ガリウム化合物として塩化ガリウムを用いて反応を行った際に得られる、塩化ガリウムフタロシアニンを乾式ミリングするか、また乾式ミリングに続いて湿式ミリングしてCuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.4°、16.6°、25.5°および28.3°に強いピークを有するクロロガリウムフタロシアニン結晶が得られる。湿式ミリングに用いられる溶剤としては、例えば、ベンジルアルコール、フェネチルアルコールなどの芳香族アルコール系溶剤、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N−メチルプロピオアミドなどのアミド系溶剤、クロロベンゼン、クロロホルムなどのハロゲン系溶剤などが挙げられる。
【0035】
次に、上記製造方法で得られたガリウムフタロシアニンをアシッドペースティング処理した後、ミリング処理により結晶変換させ、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θの7.4°±0.2°および28.2°±0.2°に強いピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を得る方法を説明する。
【0036】
ガリウムフタロシアニンをアシッドペースティング法により処理してペースト状の含水ヒドロキシガリウムフタロシアニンを得る。次に、この含水ヒドロキシガリウムフタロシアニンを乾燥して低結晶性のヒドロキシガリウムフタロシアニンとする。得られた低結晶性のヒドロキシガリウムフタロシアニンを、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N−メチルプロピオアミドなどのアミド系溶剤、クロロホルムなどのハロゲン系溶剤、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶剤、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶剤を用いてミリング処理を行うことにより得られる。
【0037】
本発明におけるミリング処理とは、例えば、ガラスビーズ、スチールビーズ、アルミナボールなどの分散剤と共に、サンドミル、ボールミルなどのミリング装置を用いて行う処理である。ミリング時間は、使用するミリング装置により異なるため一概には言えないが、4〜48時間程度が好ましい。また、4〜8時間おきにサンプルをとりブラッグ角を確認することが好ましい。ミリング処理で用いる分散剤の量は、質量基準でガリウムフタロシアニンの10〜50倍が好ましい。また、湿式ミリングの場合用いられる溶剤の量は、質量基準でガリウムフタロシアニンの10〜30倍が好ましい。
【0038】
また、本発明におけるアシッドペースティング法による処理とは、ガリウムフタロシアニンを酸の中に溶解または分散させた後、大量の水に注加し、再沈したガリウムフタロシアニン固体をアルカリ水溶液、次いで洗液の伝導度が20μS以下になるまでイオン交換水で洗浄を繰り返す処理のことである。
【0039】
ここで用いられる酸としては、例えば、硫酸、塩酸、トリフルオロ酢酸などが挙げられるが、その中でも濃硫酸が好ましい。使用量は、質量基準でガリウムフタロシアニンの10〜40倍が好ましく、酸での溶解または分散温度は50度以下がガリウムフタロシアニンの分解あるいは酸との反応の点で好ましい。
【0040】
本発明のガリウムフタロシアニンの結晶形のX線回折の測定は、CuKα線を用い、次の条件で行ったものである。
【0041】
使用測定機:マック・サイエンス社製、全自動X線回折装置MXP18
X線管球:Cu
管電圧:50KV
管電流:300mA
スキャン方法:2θ/θスキャン
スキャン速度:2deg./min
サンプリング間隔:0.020deg.
スタート角度(2θ):5deg.
ストップ角度(2θ):40deg.
ダイバージェンススリット:0.5deg.
スキャッタリングスリット:0.5deg.
レシービングスリット:0.3deg.
湾曲モノクロメーター使用
次に、以上の製造方法によって得られたガリウムフタロシアニンを電子写真感光体における電荷発生物質として適用する場合を説明する。
【0042】
メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤、トルエン、キシレン、クロルベンゼンなどの芳香族系溶剤、1,4―ジオキサン、テトラヒドロフラン,N,N−ジメチルホルムアミドなどの各種溶剤に、上記ガリウムフタロシアニンの粉末のみ、あるいは、バインダー樹脂を加えて分散液とする。
【0043】
分散手段としてはサンドミル、コロイドミル、アトライター、ボールミルなどの方法が利用できる。
【0044】
バインダー樹脂としては、ポリビニルブチラール、ホルマール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリサルホン樹脂、スチレン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル系樹脂などが用いられる。
【0045】
本発明における電子写真感光体の層構成は、支持体上に電荷発生物質と電荷輸送物質を同時に含有する単一層からなる感光層を有する層構成と、支持体上に電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物質を含有する電荷輸送層を積層する感光層を有する層構成がある。なお、電荷発生層と電荷輸送層の積層関係は逆であってもよい。
【0046】
支持体としては、導電性を有するものであればよく、アルミニウム、ステンレスなどの金属あるいは導電層を設けた金属、プラスチック、紙などが挙げられ、形状としては円筒状またはフィルム状などが挙げられる。
【0047】
支持体と感光層の間にはバリヤー機能と接着機能を持つ下引き層を設けることもできる。下引き層の材料としてはポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、メチルセルロース、カゼイン、ポリアミド、にかわ、ゼラチンなどが用いられる。これらは過当な溶剤に溶解して支持体上に塗布される。その膜厚は0.2〜3.0μmである。
【0048】
単一層からなる感光層を形成する場合、本発明のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の電荷発生物質と電荷輸送物質を過当なバインダー樹脂溶液中に混合して、この混合液を支持体上に塗布乾燥して形成される。
【0049】
積層構造からなる感光層を形成する場合、電荷発生層は、本発明のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を過当なバインダー樹脂溶液と共に分散し、この分散液を塗布乾燥して形成する方法が挙げられるが、蒸着することによって層形成することもできる。
【0050】
電荷輸送層は、主として電荷輸送物質とバインダー樹脂とを溶剤中に溶解させた塗料を塗布乾燥して形成する。電荷輸送物質としては各種のトリアリールアミン系化合物、ヒドラゾン系化合物、スチルベン系化合物、ピラゾリン系化合物、オキサゾール系化合物、チアゾール系化合物、トリアリルメタン系化合物などが挙げられる。
【0051】
各層に用いるバインダー樹脂としては、例えばポリエステル、アクリル樹脂、ポリビニルカルバゾール、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリビニルブチラール、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、ポリサルホン、ポリアリレート、塩化ビニリデン、アクリロニトリル共重合体、ポリビニルベンザールなどの樹脂が用いられる。
【0052】
感光層の塗布方法としては、ディッピング法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ビードコーティング法、ブレードコーティング法、ビームコーティング法などの塗布方法を用いることができる。
【0053】
感光層が単一層の場合、膜厚は5〜40μm、好ましくは10〜30μm、積層構造の場合、電荷発生層の膜厚は0.01〜10μm、好ましくは0.05〜5μm、電荷輸送層の膜厚は5〜40μm、好ましくは10〜30μmの範囲である。
【0054】
電荷発生物質の含有量は、電荷発生層に対して20〜80質量%、さらには30〜70質量%が好ましい。電荷輸送物質の含有量は、電荷輸送層に対して20〜80質量%、さらには30〜70質量%が好ましい。
【0055】
感光層が単一層の場合、電荷発生物質の含有量は、感光層に対して3〜30質量%が好ましい。電荷輸送層の含有量は感光層に対して30〜70質量%が好ましい。
【0056】
本発明のガリウムフタロシアニンを電荷発生物質として用いる場合、その目的に応じて他の電荷発生物質と混合して用いることもできる。この場合、ガリウムフタロシアニンの割合は、全電荷発生物質に対して50質量%以上が好ましい。
【0057】
感光層上には、必要に応じて保護層を設けてもよい。保護層はポリビニルブチラール,ポリエステル,ポリカーボネート(ポリカーボネートZ,変性ポリカーボネートなど),ナイロン,ポリイミド,ポリアリレート,ポリウレタン,スチレン−ブタジエンコポリマー,スチレン−アクリル酸コポリマー,スチレン−アクリロニトリルコポリマーなどの樹脂を適当な有機溶剤によって溶解し、感光層の上に塗布、乾燥して形成できる。保護層の膜厚は、0.05〜20μmが好ましい。また、保護層中に導電性粒子や紫外線吸収剤などを含ませてもよい。導電性粒子としては、例えば酸化錫粒子などの金属酸化物が好ましい。
【0058】
図5に本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成を示す。
【0059】
図において、11はドラム状の本発明の電子写真感光体であり、軸12を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。感光体11は、回転過程において、一次帯電手段13によりその周面に正または負の所定電位の均一帯電を受け、次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光などの露光手段(不図示)からの露光光14を受ける。こうして感光体11の周面に静電潜像が順次形成されていく。
【0060】
形成された静電潜像は、次いで、現像手段15によりトナー現像され、現像されたトナー現像像は、不図示の給紙部から電子写真感光体11と転写手段16との間に電子写真感光体11の回転と同期取り出されて給紙された転写材17に、転写手段16により順次転写されていく。
【0061】
像転写を受けた転写材17は、電子写真感光体面から分離されて像定着手段18へ導入されて像定着を受けることにより複写物(コピー)として装置外へプリントアウトされる。
【0062】
像転写後の電子写真感光体11の表面は、クリーニング手段19によって転写残りトナーの除去を受けて清浄面化され、さらに、前露光手段(不図示)からの前露光光20により除電処理された後、繰り返し像形成に使用される。なお、図のように、一次帯電手段13が帯電ローラーなどを用いた接触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必要ではない。
【0063】
本発明においては、上述の電子写真感光体11、一次帯電手段13、現像手段15およびクリーニング手段19などの構成要素のうち、複数のものをプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機やレーザービームプリンターなどの電子写真装置本体に対して着脱可能に構成してもよい。例えば、一次帯電手段13、現像手段15およびクリーニング手段19の少なくとも1つを電子写真感光体11とともに一体に支持してカートリッジ化して、装置本体のレール22などの案内手段を用いて装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジ21とすることができる。
【0064】
また、露光光14は、電子写真装置が複写機やプリンターである場合には、原稿からの反射光や透過光、あるいは、センサーで原稿を読取り、信号化し、この信号にしたがって行われるレーザービームの走査、LEDアレイの駆動および液晶シャッターアレイの駆動などにより照射される光である。
【0065】
本発明の電子写真感光体は電子写真複写機に利用するのみならず、レーザービームプリンター、CRTプリンター、LEDプリンター、液晶プリンター、レーザー製版など電子写真応用分野にも広く用いることができる。
【0066】
また、本発明の製造方法によって得られるガリウムフタロシアニンは、前述の電子写真感光体に限らず、色素増感型太陽電池や光センサーにも用いることもできる。
【0067】
【実施例】
以下、実施例および比較例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0068】
以下に示す「%」および「部」は、それぞれ「質量%」および「質量部」を意味する。
【0069】
1.ガリウムフタロシアニンの製造
(実施例1−1)
フタロニトリル1.5部を10部のα−クロロナフタレンに分散後、ガラス管を用いて乾燥窒素ガスでバブリングしながら、室温で1時間攪拌することで含水率を0.003%の混合液を得た。この段階で、乾燥窒素ガスの流量を下げ、さらにガラス管を反応前分散液から上げ反応系全体を窒素雰囲気下とした。反応前分散液を昇温し、液温が30℃に達した段階で三塩化ガリウム1部を加え、さらに反応液を200℃まで昇温した後、液温を200℃に保ったまま加熱攪拌を5時間行った。反応終了後、液温を130℃とし、熱時濾過を行った。得られた濾物を、10部のN,Nジメチルホルムアミド中、2時間130℃で分散洗浄することで、濃紺色のクロロガリウムフタロシアニン結晶を得た。
【0070】
得られたクロロガリウムフタロシアニンの元素分析結果を表1に示す。粉末X線回折パターンを図1に示す。
【0071】
(実施例1−2)
混合液の含水率が0.001%であること以外は、実施例1と同様な製造方法で図1と同様な粉末X線回折パターンを持つ、クロロガリウムフタロシアニンを製造した。
【0072】
得られたクロロガリウムフタロシアニンの元素分析結果を表1に示す。
【0073】
(実施例1−3)
混合液の含水率が0.006%であること以外は、実施例1と同様な製造方法で図1と同様な粉末X線回折パターンを持つ、クロロガリウムフタロシアニンを製造した。
【0074】
得られたクロロガリウムフタロシアニンの元素分析結果を表1に示す。
【0075】
(実施例1−4)
乾燥アルゴンガスでバブリングを行うことで、混合液の含水率を0.003%としたこと以外は、実施例1と同様な製造方法で図1と同様な粉末X線回折パターンを持つ、クロロガリウムフタロシアニンを製造した。
【0076】
得られたクロロガリウムフタロシアニンの元素分析結果を表1に示す。
【0077】
(実施例1−5)
反応前処理として、モレキュラーシーブによるα−クロロナフタレンの脱水処理とフタロニトリルを30℃で12時間真空乾燥することで、混合液の含水率を0.003%としたこと以外は、実施例1と同様な製造方法で図1と同様な粉末X線回折パターンを持つ、クロロガリウムフタロシアニンを製造した。
【0078】
得られたクロロガリウムフタロシアニンの元素分析結果を表1に示す。
【0079】
(実施例1−6)
反応前処理として、五酸化二リンを乾燥剤として用いたα−クロロナフタレンの蒸留とフタロニトリルを30℃で12時間真空乾燥することで、混合液の含水率を0.003%としたこと以外は、実施例1と同様な製造方法で図1と同様な粉末X線回折パターンを持つ、クロロガリウムフタロシアニンを製造した。
【0080】
得られたクロロガリウムフタロシアニンの元素分析結果を表1に示す。
【0081】
(実施例1−7)
反応前処理として、五酸化二リンによるα−クロロナフタレンの脱水処理とフタロニトリルを30℃で12時間真空乾燥することで、混合液の含水率を0.003%としたこと以外は、実施例1と同様な製造方法で図1と同様な粉末X線回折パターンを持つ、クロロガリウムフタロシアニンを製造した。得られたクロロガリウムフタロシアニンの元素分析結果を表1に示す。
【0082】
(実施例1−8)
フタロシアニン前駆体として1,3−ジイミノイソインドリンを用いたこと以外は、実施例1と同様な製造方法で図1と同様な粉末X線回折パターンを持つ、クロロガリウムフタロシアニンを製造した。得られたクロロガリウムフタロシアニンの元素分析結果を表1に示す。
【0083】
(実施例1−9)
反応溶媒としてキノリンを用いたこと以外は、実施例1と同様な製造方法で図1と同様な粉末X線回折パターンを持つ、クロロガリウムフタロシアニンを製造した。
【0084】
得られたクロロガリウムフタロシアニンの元素分析結果を表1に示す。
【0085】
(比較例1−1)
乾燥窒素バブリングを行わず、混合液の含水率が0.010%であること以外は、実施例1と同様な製造方法で図1と同様な粉末X線回折パターンを持つ、クロロガリウムフタロシアニンを製造した。
【0086】
得られたクロロガリウムフタロシアニンの元素分析結果を表1に示す。
【0087】
(比較例1−2)
乾燥窒素バブリングを行わず、混合液の含水率が0.015%であること以外は、実施例1と同様な製造方法で図1と同様な粉末X線回折パターンを持つ、クロロガリウムフタロシアニンを製造した。
【0088】
得られたクロロガリウムフタロシアニンの元素分析結果を表1に示す。
【0089】
(比較例1−3)
混合液の含水率が0.010%、フタロシアニン前駆体として1,3−ジイミノイソインドリンを用いた以外は、比較例1と同様な製造方法で図1と同様な粉末X線回折パターンを持つ、クロロガリウムフタロシアニンを製造した。
【0090】
得られたクロロガリウムフタロシアニンの元素分析結果を表1に示す。
【0091】
(比較例1−4)
反応溶媒としてキノリンを用い、反応前分散液の含水率を乾燥窒素バブリングにより0.010%とした以外は、比較例1と同様な製造方法で図1と同様な粉末X線回折パターンを持つ、クロロガリウムフタロシアニンを製造した。得られたクロロガリウムフタロシアニンの元素分析結果を表1に示す。
【0092】
【表1】
Figure 0003720763
【0093】
(実施例1−10)
実施例1−1で得られたクロロガリウムフタロシアニン5部を直径1mmのガラスビーズ200部と共に24時間、サンドミルでミリング処理を行った。次いでベンジルアルコール95部を加えさらにサンドミルでミリング処理を24時間行った。この分散液より固形分を取り出し、メタノールで十分に乾燥してCukα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°が7.4°、16.6°、25.5°、28.3°に強いピークを有するクロロガリウムフタロシアニンを得た。
【0094】
得られた粉末X線回折パターンを図2に示す。
【0095】
(実施例1−11)
実施例1−1の方法で得られたクロロガリウムフタロシアニン1部を10℃の濃硫酸30部に溶解し、氷水150部中にこの溶液を滴下して再析出させて濾過した。2%アンモニア水で分散洗浄後、イオン交換水で十分洗浄、乾燥して低結晶性のヒドロキシガリウムフタロシアニンを得た。次に、得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン1部、N,N−ジメチルホルムアミド30部を直径1mmのガラスビーズ43部と共にサンドミルでミリング処理を室温(22℃)下で24時間行った。この分散液より固形分を取り出し、60部のイオン交換水で3回水置換、吸引濾過、30℃で真空乾燥を20時間行うことでブラッグ角2θ±0.2°の7.4°、28.2°に強いピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を得た。
【0096】
得られた粉末X線回折パターンを図3に示す。
【0097】
(実施例1−12)
実施例1−2の製造方法で得られたクロロガリウムフタロシアニンを使用した以外は、実施例1−11と同様な製造方法によって、図3と同様な粉末X線回折パターンを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を得た。
【0098】
(実施例1−13)
実施例1−3の製造方法で得られたクロロガリウムフタロシアニンを使用した以外は、実施例1−11と同様な製造方法によって、図3と同様な粉末X線回折パターンを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を得た。
【0099】
(実施例1−14)
実施例1−4の製造方法で得られたクロロガリウムフタロシアニンを使用した以外は、実施例1−11と同様な製造方法によって、図3と同様な粉末X線回折パターンを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を得た。
【0100】
(実施例1−15)
実施例1−5の製造方法で得られたクロロガリウムフタロシアニンを使用した以外は、実施例1−11と同様な製造方法によって、図3と同様な粉末X線回折パターンを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を得た。
【0101】
(実施例1−16)
実施例1−6の製造方法で得られたクロロガリウムフタロシアニンを使用した以外は、実施例1−11と同様な製造方法によって、図3と同様な粉末X線回折パターンを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を得た。
【0102】
(実施例1−17)
実施例1−7の製造方法で得られたクロロガリウムフタロシアニンを使用した以外は、実施例1−11と同様な製造方法によって、図3と同様な粉末X線回折パターンを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を得た。
【0103】
(実施例1−18)
実施例1−8の製造方法で得られたクロロガリウムフタロシアニンを使用した以外は、実施例1−11と同様な製造方法によって、図3と同様な粉末X線回折パターンを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を得た。
【0104】
(実施例1−19)
実施例1−9の製造方法で得られたクロロガリウムフタロシアニンを使用した以外は、実施例1−11と同様な製造方法によって、図3と同様な粉末X線回折パターンを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を得た。
【0105】
(比較例1−5)
比較例1−1の製造方法で得られたクロロガリウムクロロガリウムフタロシアニンを使用した以外は、実施例1−10と同様な製造方法によって、図2と同様な粉末X線回折パターンを有するクロロガリウムフタロシアニンを得た。
【0106】
(比較例1−6)
比較例1−1の製造方法で得られたクロロガリウムフタロシアニンを使用した以外は、実施例1−11と同様な製造方法によって、図3と同様な粉末X線回折パターンを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を得た。
【0107】
(比較例1−7)
比較例1−2の製造方法で得られたクロロガリウムフタロシアニンを使用した以外は、実施例1−11と同様な製造方法によって、図3と同様な粉末X線回折パターンを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を得た。
【0108】
(比較例1−8)
比較例1−3の製造方法で得られたクロロガリウムフタロシアニンを使用した以外は、実施例1−11と同様な製造方法によって、図3と同様な粉末X線回折パターンを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を得た。
【0109】
(比較例1−9)
比較例1−4の製造方法で得られたクロロガリウムフタロシアニンを使用した以外は、実施例1−11と同様な製造方法によって、図3と同様な粉末X線回折パターンを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を得た。
【0110】
2.電子写真感光体の作製
(実施例2−1)
10%の酢酸アンチモンを含有する酸化スズで被覆した酸化チタン紛体をレゾール型フェノール樹脂に2:1の比率で分散した導電層を15μmの厚さでアルミシリンダー上に塗布した。
【0111】
導電層上にポリアミド(商品名M995、日本リルサン株式会社製)10.0部、ポリアミド(商品名CM−8000、帝国化学産業株式会社製)30.0部、メチルアルコール412部、n−ブチルアルコール206部からなる中間層用塗料を浸漬塗布、100°Cで10分間乾燥して、膜厚0.65μmの中間層を形成した。
【0112】
次に、実施例1−10のクロロガリウムフタロシアニン2部とポリビニルブチラール1部をシクロヘキサノン100部に添加し、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミルで1時間分散した後、濾過、遠心分離により塗料からビーズを除去、これにメチルエチルケトン100部を加えて希釈して電荷発生層用塗料を調製した。下引き層上に、この電荷発生層用塗料を浸漬塗布し、90℃で10分間乾燥して、膜厚0.15μmの電荷発生層を形成した。
【0113】
次に、下記式で示される構造を有する電荷輸送物質10部、
【外2】
Figure 0003720763
【0114】
下記式で示される構造を有するポリアリレート樹脂(重量平均分子量96000)10部、
【外3】
Figure 0003720763
【0115】
モノクロロベンゼン65部、ジメトキシメタン35部の混合溶液に溶解し、塗料を調整した。この塗料を浸漬法で塗布、120℃で1時間乾燥して18μmの電荷輸送層を形成し、ドラム状の電子写真感光体を作成した。
【0116】
(実施例2−2〜2−10)
それぞれ、実施例1−11〜1−19のヒドロキシガリウムフタロシアニンを使用した以外は、実施例2−1と同様な製造方法でドラム状の電子写真感光体を作成した。
【0117】
(比較例2−1)
比較例1−5のクロロガリウムフタロシアニンを使用した以外は、実施例2−1と同様な製造方法でドラム状の電子写真感光体を作成した。
【0118】
(比較例2−2〜2−5)
それぞれ、比較例1−6〜1−9のヒドロキシガリウムフタロシアニンを使用した以外は、実施例2−1と同様な製造方法でドラム状の電子写真感光体を作成した。
【0119】
実施例2−1〜2−10、比較例2−1〜2−5で作成した、電子写真感光体の評価法を以下に説明する。
【0120】
評価には、ヒューレットパッカード社製LBP「レーザージェット4000」プロセススピード94.2mm/s)を改造し、帯電方式を負帯電で直流電源のみの−1180V印加を行うことで電子写真感光体の表面電位(Vd)を−630Vに設定した。
【0121】
電子写真感光体の表面電位は、評価機から、現像用カートリッジを抜き取り、そこに電位測定装置を挿入し測定を行った。電位測定装置は、現像用カートリッジの現像位置に電位測定プローブを配置することで構成されており、電子写真感光体に対する電位測定プローブの位置は、電子写真感光体ドラムの軸方向のほぼ中央、ドラムの表面からのギャップを3mmとした。さらに、像露光装置を改造することでレーザー光量を0.32μJcm−2となるものを用いた。
【0122】
測定はすべて、25℃、相対湿度が50%となる環境で評価を行い、電子写真感光体は、測定の24時間前から、測定環境に放置したものを用いた。この状態で電子写真感光体を帯電した後、レーザー光を照射し2週目以降の明部電位(VL)を測定した。
【0123】
また、ポジゴーストの評価は次のように行った。
【0124】
ベタ黒画像を2枚打ち出した後、プリント画像書き出しから電子写真感光体1回転の部分に25mm角の正方形のベタ黒部を並べ、電子写真感光体2回転目以降に1ドットを桂馬パターンで印字したハーフトーンのテストチャートを打ち出し、ハーフトーンのテストチャート上に表れる、25mm角のベタ黒部の履歴の程度を目視により評価した。ゴーストの程度は以下のようにランク基準に従い、0.5刻みで定量化を行った。
【0125】
A:ゴーストは全く見えない。
B:履歴の輪郭が極わずかに見える。
C:履歴の輪郭がうっすら見える。
D:履歴の輪郭がはっきりと見える。
E:履歴がはっきりと見える。
【0126】
なお、上記評価基準のうち、C、D、Eは本発明の効果が十分に得られていないと判断した。
【0127】
評価結果は表2に示す。
【0128】
【表2】
Figure 0003720763
【0129】
【発明の効果】
本発明の製造方法により製造されたガリウムフタロシアニンを用いた電子写真感光体は、長波長の光線に対して高い光感度となるだけではなく、さらにゴースト画像の出にくい良好な電子写真特性を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のクロロガリウムフタロシアニンの粉末X線回折パターンである。
【図2】実施例10のクロロガリウムフタロシアニンの粉末X線回折パターンである。
【図3】実施例11のクロロガリウムフタロシアニンの粉末X線回折パターンである。
【図4】本発明の電子写真感光体の層構成の1例である。
【図5】本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の例を示す図である。
【符号の説明】
41 支持体
42 導電層
43 下引き層
44 電荷発生層
45 電荷輸送層
11 電子写真感光体
12 軸
13 帯電手段
14 露光光
15 現像手段
16 転写手段
17 転写材
18 定着手段
19 クリーニング手段
20 前露光光
21 プロセスカートリッジ
22 案内手段

Claims (14)

  1. ガリウムフタロシアニンの製造方法において、
    含水率が0.006質量%以下である、フタロシアニン前駆体と有機溶剤の混合液を調製する混合液調製工程と、
    該混合液調製工程によって得られた、含水率が0.006質量%以下の混合液にガリウム化合物を加えて反応させる反応工程と、
    を有することを特徴とするガリウムフタロシアニンの製造方法。
  2. 前記混合液調製工程が、
    フタロシアニン前駆体と有機溶剤を混合する混合工程と、
    該混合工程によって得られた混合液の含水率を0.006質量%以下に調整する混合液含水率調整工程と、
    を有する請求項1に記載のガリウムフタロシアニンの製造方法。
  3. 前記混合液含水率調整工程が、前記混合工程によって得られた混合液に乾燥不活性ガスを吹きつけて、該混合液の含水率を0.006質量%以下に調整する工程である請求項2に記載のガリウムフタロシアニンの製造方法。
  4. 前記混合液含水率調整工程が、前記混合工程によって得られた混合液に乾燥不活性ガスをバブリングして、該混合液の含水率を0.006質量%以下に調整する工程である請求項2に記載のガリウムフタロシアニンの製造方法。
  5. 前記混合液調製工程が、
    前記フタロシアニン前駆体を減圧乾燥するフタロシアニン前駆体減圧乾燥工程と、
    該フタロシアニン前駆体減圧乾燥工程により乾燥したフタロシアニン前駆体と前記有機溶剤とを混合することで、含水率が0.006質量%以下の混合液を作る工程と、
    を有する請求項1に記載のガリウムフタロシアニンの製造方法。
  6. 前記混合液調製工程が、
    前記フタロシアニン前駆体を脱水材存在下で脱水処理を行うフタロシアニン前駆体脱水処理工程と、
    該フタロシアニン前駆体脱水処理工程により脱水したフタロシアニン前駆体と前記有機溶剤とを混合することで、含水率が0.006質量%以下の混合液を作る工程と、
    を有する請求項1に記載のガリウムフタロシアニンの製造方法。
  7. 前記混合液調製工程が、
    前記有機溶剤を脱水材処理する有機溶剤脱水材処理工程と、
    該有機溶剤脱水材処理工程により脱水した有機溶剤と前記フタロシアニン前駆体とを混合することで、含水率が0.006質量%以下の混合液を作る工程と、
    を有する請求項1に記載のガリウムフタロシアニンの製造方法。
  8. 前記混合液調製工程が、
    前記有機溶剤を蒸留する有機溶剤蒸留工程と、
    該有機溶剤蒸留工程により蒸留した有機溶剤と前記フタロシアニン前駆体とを混合することで、含水率が0.006質量%以下の混合液を作る工程と、
    を有する請求項1に記載のガリウムフタロシアニンの製造方法。
  9. 前記含水率調整工程によって得られた混合液の含水率が0.0001〜0.003質量%である請求項1〜8のいずれかに記載のガリウムフタロシアニンの製造方法。
  10. 前記フタロシアニン前駆体がフタロニトリルである請求項1〜9のいずれかに記載のガリウムフタロシアニンの製造方法。
  11. 前記有機溶剤がハロゲン化された芳香族有機溶剤である請求項1〜10のいずれかに記載のガリウムフタロシアニンの製造方法。
  12. 前記ガリウム化合物が塩化ガリウムであり、得られるガリウムフタロシアニンがクロロガリウムフタロシアニンである請求項1〜11のいずれかに記載のガリウムフタロシアニンの製造方法。
  13. 請求項12に記載の製造方法で製造されたクロロガリウムフタロシアニンをミリング処理により結晶変換させ、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.4°、16.6°、25.5°および28.3°に強いピークを有するクロロガリウムフタロシアニン結晶を得る工程を有することを特徴とするクロロガリウムフタロシアニン結晶の製造方法。
  14. 請求項1〜12のいずれかに記載の製造方法で製造されたガリウムフタロシアニンをアシッドペースティング法により処理してぺースト状の含水ヒドロキシガリウムフタロシアニンを得る工程と、
    該含水ヒドロキシガリウムフタロシアニンを乾燥して低結晶性のヒドロキシガリウムフタロシアニンを得る工程と、
    該低結晶性のヒドロキシガリウムフタロシアニンをミリング処理により結晶変換させ、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θの7.4°±0.2°および28.2°±0.2°に強いピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を得る工程と、
    を有することを特徴とするヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の製造方法。
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