JP2015210338A - 電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、プロセスカートリッジおよび電子写真装置、ならびに、フタロシアニン結晶、フタロシアニン結晶の製造方法 - Google Patents

電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、プロセスカートリッジおよび電子写真装置、ならびに、フタロシアニン結晶、フタロシアニン結晶の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】膜厚ムラに伴う感度ムラが抑制された電子写真感光体を提供する。【解決手段】支持体および該支持体上に形成された感光層を有する電子写真感光体であって、感光層が、アミド化合物を結晶内に含有するフタロシアニン結晶を含有し、アミド化合物が、下記式(1)で示される化合物、下記式(2)で示される化合物、および下記式(3)で示される化合物からなる群より選択される少なくとも1つの化合物である、電子写真感光体。【選択図】図2

Description

本発明は、電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置、ならびにフタロシアニン結晶、フタロシアニン結晶の製造方法に関する。
現在、電子写真分野における像露光手段としてよく用いられている半導体レーザーの発振波長は、650〜820nmと長波長であるため、これらの長波長の光に高い感度を有する電子写真感光体の開発が進められている。フタロシアニン顔料は、こうした長波長領域までの光に高い感度を有する電荷発生物質として有効である。特にオキシチタニウムフタロシアニンやガリウムフタロシアニンは、優れた感度特性を有しており、これまでに様々な結晶形が報告されている。
しかしながら、感度は、必ずしも電界強度に比例する特性ではないため、感度が感光層の膜厚ムラの影響を受けて感度ムラが生じやすいという課題がある。
特許文献1には、アミド基を有する化合物、スルホキシド基を有する化合物および有機アミンから選択された少なくとも1種の極性有機溶剤を含有することを特徴とするヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶が開示されている。
特開平7−331107号公報
しかしながら、特許文献1に開示されたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶は、上記の課題について、改善の余地があるものであった。
本発明の目的は、膜厚ムラに伴う感度ムラが抑制された電子写真感光体、およびその電子写真感光体の製造方法を提供することである。また、本発明の別の目的は、電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することにある。さらに、本発明の別の目的は、特定のアミド化合物を結晶内に含有するフタロシアニン結晶、およびそのフタロシアニン結晶の製造方法を提供することにある。
本発明は、支持体および該支持体上に形成された感光層を有する電子写真感光体であって、
該感光層が、アミド化合物を結晶内に含有するフタロシアニン結晶を含有し、
該アミド化合物が、下記式(1)で示される化合物、下記式(2)で示される化合物、および下記式(3)で示される化合物からなる群より選択される少なくとも1つの化合物である
ことを特徴とする電子写真感光体である。
Figure 2015210338
また、本発明は、上記電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段およびクリーニング手段からなる群より選ばれる少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジである。
また、本発明は、上記電子写真感光体、ならびに、帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段を有することを特徴とする電子写真装置である。
また、本発明は、アミド化合物を結晶内に含有するフタロシアニン結晶であって、
該アミド化合物が、上記式(1)で示される化合物、上記式(2)で示される化合物、および上記式(3)で示される化合物からなる群より選択される少なくとも1つの化合物であることを特徴とするフタロシアニン結晶である。
また、本発明は、結晶内にアミド化合物を含有するフタロシアニン結晶を製造する方法であって、
該製造方法が、該アミド化合物をフタロシアニンに加えてミリング処理をすることにより、フタロシアニンの結晶変換を行う結晶変換工程を有し、
該アミド化合物が、上記式(1)で示される化合物、上記式(2)で示される化合物、および上記式(3)で示される化合物からなる群より選択される少なくとも1つの化合物である
ことを特徴とするフタロシアニン結晶の製造方法である。
本発明によれば、膜厚ムラに伴う感度ムラが抑制された電子写真感光体、およびその電子写真感光体の製造方法を提供できる。また、本発明によれば、上記電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供できる。
また、本発明によれば、特定のアミド化合物を結晶内に含有するフタロシアニン結晶、およびそのフタロシアニン結晶の製造方法を提供することができる。
電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す図である。 実施例1−1で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折図である。 実施例1−2で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折図である。 実施例1−3で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折図である。 実施例1−4で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折図である。 実施例1−5で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折図である。 実施例1−6で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折図である。 実施例1−7で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折図である。 実施例1−9で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折図である。 実施例1−10で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折図である。
本発明の電子写真感光体は、支持体および該支持体上に形成された感光層を有する。そして、感光層が、アミド化合物を結晶内に含有するフタロシアニン結晶を含有する。そして、アミド化合物を結晶内に含有するフタロシアニン結晶であることを特徴とする。これらのアミド化合物を以下、特定のアミド化合物と称する。
Figure 2015210338
本発明の特定のアミド化合物を結晶内に含有しているフタロシアニン結晶を構成するフタロシアニンとしては、例えば、無金属フタロシアニンや軸配位子を有しても良い金属フタロシアニンなどを用いることができ、置換基を有しても良い。中でも、オキシチタニウムフタロシアニンおよびガリウムフタロシアニンは、感度が高いため、感度ムラを改善する効果が大きく、好ましい。
ガリウムフタロシアニンとしては、例えば、ガリウムフタロシアニン分子のガリウム原子に軸配位子としてハロゲン原子、ヒドロキシ基、または、アルコキシ基を有するものが挙げられる。また、フタロシアニン環にハロゲン原子などの置換基を有していてもよい。
ガリウムフタロシアニン結晶の中でも、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶、ブロモガリウムフタロシアニン結晶、ヨードガリウムフタロシアニン結晶が好ましい。特には、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶が好ましい。ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶とは、ガリウム原子が軸配位子としてヒドロキシ基を有するものである。ブロモガリウムフタロシアニン結晶は、ガリウム原子が軸配位子として臭素原子を有するものである。ヨードガリウムフタロシアニン結晶は、ガリウム原子が軸配位子としてヨウ素原子を有するものである。
ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶は、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.7°、16.5°、24.2°、および27.7°にピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶であることがより好ましい。
感光層において、フタロシアニン結晶内に含有されるアミド化合物の含有量は、フタロシアニン結晶に対して、0.5質量%以上20質量%以下であることが好ましい。より好ましくは、1質量%以上2質量%以下である。
特定のアミド化合物を結晶内に含有するフタロシアニン結晶とは、結晶内に特定のアミド化合物を取込んでいることを意味する。
フタロシアニン結晶内に、特定のアミド化合物を含有していると、光電変換量子効率の電界強度依存性が直線となるため、膜厚ムラに伴う感度ムラが抑制されると考えられる。
結晶内に特定のアミド化合物を含有するフタロシアニン結晶の製造方法について説明する。
アミド化合物を結晶内に含有するフタロシアニン結晶は、アミド化合物をフタロシアニンに加えてミリング処理をすることにより、フタロシアニンの結晶変換を行う結晶変換工程で得られる。ミリング処理に用いるフタロシアニンは、アシッドペースティング法により得られたフタロシアニンであることが好ましい。
ここで行うミリング処理とは、例えば、ガラスビーズ、スチールビーズ、アルミナボールなどの分散剤とともにサンドミル、ボールミルなどのミリング装置を用いて行う処理である。ミリング処理において加える特定のアミド化合物の量は、質量基準でフタロシアニンの5〜30倍が好ましい。
フタロシアニン結晶が特定のアミド化合物を結晶内に含有しているかどうかについて、本発明においては、得られたフタロシアニン結晶をNMR測定のデータを解析することにより決定する。
本発明において、X線回折およびNMRの測定は、次の条件で行ったものである。
[粉末X線回折測定]
使用測定機:理学電気(株)製、X線回折装置RINT−TTRII
X線管球:Cu
管電圧:50KV
管電流:300mA
スキャン方法:2θ/θスキャン
スキャン速度:4.0°/min
サンプリング間隔:0.02°
スタート角度(2θ):5.0°
ストップ角度(2θ):40.0°
アタッチメント:標準試料ホルダー
フィルター:不使用
インシデントモノクロ:使用
カウンターモノクロメーター:不使用
発散スリット:開放
発散縦制限スリット:10.00mm
散乱スリット:開放
受光スリット:開放
平板モノクロメーター:使用
カウンター:シンチレーションカウンター
[NMR測定]
使用測定器:BRUKER製、AVANCEIII 500
溶媒:重硫酸(DSO
積算回数:2000
特定のアミド化合物を結晶内に含有するフタロシアニン結晶は、光導電体としての機能に優れ、電子写真感光体以外にも、太陽電池、センサー、スイッチング素子などに適用することができる。
次に、特定のアミド化合物を結晶内に含有するフタロシアニン結晶を電子写真感光体における電荷発生物質として用いる場合について説明する。
本発明の電子写真感光体は、支持体および該支持体上に形成された感光層を有する。感光層は、電荷発生物質および電荷輸送物質をともに含有する単層型感光層や、電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とに分離した積層型感光層がある。中でも、電荷発生層、電荷発生層上に形成された電荷輸送層を有する積層型感光層が好ましい。
〔支持体〕
支持体としては、導電性を有するもの(導電性支持体)が好ましい。例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、亜鉛、ステンレス、バナジウム、モリブデン、クロム、チタン、ニッケル、インジウム、金および白金などの金属製、合金製の支持体が挙げられる。また、アルミニウム、アルミニウム合金、酸化インジウム、酸化スズおよび酸化インジウム−酸化スズ合金を真空蒸着法によって被膜形成された層を有する樹脂支持体も用いることができる。また、導電性粒子を結着樹脂とともにプラスチックまたは金属、合金の上に被覆した支持体も用いることができる。導電性粒子をプラスチックや紙に含浸させた支持体や、導電性ポリマーを有するプラスチックなどを支持体として用いることができる。支持体の表面には、レーザー光の散乱による干渉縞の抑制などを目的として、切削処理、粗面化処理、アルマイト処理、電解複合研磨処理、湿式ホーニング処理、乾式ホーニング処理などを施してもよい。
支持体と後述の下引き層との間には、レーザー光の散乱による干渉縞の抑制や、支持体の傷の隠蔽(被覆)などを目的として、導電層を設けてもよい。導電層は、カーボンブラック、金属粒子、金属酸化物粒子などの導電性粒子、結着樹脂、および、溶剤を分散処理することによって得られる導電層用塗布液を塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を乾燥させることによって形成することができる。
導電性粒子としては、例えば、アルミニウム粒子、酸化チタン粒子、酸化スズ粒子、酸化亜鉛粒子、カーボンブラック、銀粒子が挙げられる。結着樹脂としては、例えば、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリビニルブチラール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂が挙げられる。導電層用塗布液の溶剤としては、例えば、エーテル系溶剤、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤が挙げられる。
支持体および感光層の間には、バリア機能と接着機能とを持つ下引き層(バリア層、中間層とも呼ばれる。)を設けることもできる。下引き層は、結着樹脂、および溶剤を混合することによって得られる下引き層用塗布液の塗膜を形成し、この塗膜を乾燥させることによって下引き層を形成することができる。
結着樹脂としては、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、メチルセルロース、カゼイン、ポリアミド(ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、共重合ナイロンおよびN−アルコキシメチル化ナイロンなど)、ポリウレタンなどが挙げられる。下引き層の膜厚は、0.1〜10μmであることが好ましく、より好ましくは0.5〜5μmである。下引き層用塗布液の溶剤としては、例えば、エーテル系溶剤、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤が挙げられる。
〔感光層〕
単層型感光層を形成する場合、電荷発生物質としてアミド化合物を結晶内に含有するフタロシアニン結晶、電荷輸送物質、および結着樹脂を溶剤に混合して、感光層用塗布液を調製する。この感光層用塗布液の塗膜を形成し、得られた塗膜を乾燥させることによって単層型感光層を形成することができる。
積層型感光層を形成する場合、電荷発生層は、電荷発生物質としてアミド化合物を結晶内に含有するフタロシアニン結晶、および結着樹脂を溶剤に混合させて電荷発生層用塗布液(感光層用塗布液)を調製する。この電荷発生層用塗布液の塗膜を形成し、得られた塗膜を乾燥させることによって形成することよって電荷発生層を形成することができる。また、蒸着によって電荷発生層を形成することもできる。
単層型感光層または電荷発生層に用いられる結着樹脂としては、例えば、ポリカーボネート、ポリエステル、ブチラール樹脂、ポリビニルアセタール、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、尿素樹脂などが挙げられる。これらの中でも、ブチラール樹脂が好ましい。また、これらの結着樹脂は、1種のみを使用してもよく、混合または共重合体として2種以上を併用してもよい。
単層型感光層用の塗布液、または電荷発生層用塗布液に用いられる溶剤としては、例えば、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤または芳香族炭化水素系溶剤などが挙げられる。また、これらの溶剤は、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
感光層が単層型である場合、電荷発生物質の含有量は、感光層の全質量に対して3〜30質量%であることが好ましい。また、電荷輸送物質の含有量は、感光層の全質量に対して30〜70質量%であることが好ましい。単層型感光層の膜厚は、4〜40μmであることが好ましく、5〜25μmμmであることがより好ましい。
感光層が積層型である場合、電荷発生物質の含有量は、電荷発生層の全質量に対して20〜90質量%であることが好ましく、50〜80質量%であることがより好ましい。電荷発生層の膜厚は、0.01〜10μmであることが好ましく、0.1〜3μmであることがより好ましい。
単層型感光層または電荷発生層に用いられる結着樹脂としては、例えば、ポリエステル、アクリル樹脂、ポリビニルカルバゾール、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリビニルブチラール、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、ポリサルホン、ポリアリレート、塩化ビニリデン、アクリロニトリル共重合体、ポリビニルベンザールなどが挙げられる。これらの中でも、ブチラール樹脂が好ましい。
感光層の塗布方法としては、ディッピング法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ビードコーティング法、ブレードコーティング法、ビームコーティング法などの塗布方法を用いることができる。
本発明においては、特定のアミド化合物を結晶内に含有するフタロシアニン結晶を電荷発生物質として用いるが、他の電荷発生物質と混合して用いることも可能である。この場合、特定のアミド化合物を結晶内に含有するフタロシアニン結晶の含有率は、全電荷発生物質に対して50質量%以上であることが好ましい。
〔電荷輸送層〕
電荷輸送層は、電荷輸送物質および結着樹脂を溶剤に溶解させて得られた電荷輸送層用塗布液を塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を乾燥させることによって形成することができる。
電荷輸送物質としては、例えば、トリアリールアミン化合物、ヒドラゾン化合物、スチルベン化合物、ピラゾリン化合物、オキサゾール化合物、チアゾール化合物、トリアリルメタン化合物などが挙げられる。
電荷輸送層に用いられる結着樹脂としては、例えば、ポリエステル、アクリル樹脂、ポリビニルカルバゾール、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリビニルブチラール、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、ポリサルホン、ポリアリレート、塩化ビニリデン、アクリロニトリル共重合体、ポリビニルベンザールなどの樹脂が用いられる。
電荷輸送物質の含有量は、電荷輸送層の全質量に対して20〜80質量%であることが好ましく、30〜70質量%であることがより好ましい。また、電荷輸送層の膜厚は、4〜40μmであることが好ましく、5〜25μmであることがより好ましい。
感光層上には、必要に応じて保護層を設けてもよい。保護層は、結着樹脂を溶剤に溶解させて得られた保護層用塗布液の塗膜を形成し、この塗膜を乾燥させることによって形成することができる。結着樹脂としては、例えば、ポリビニルブチラール、ポリエステル、ポリカーボネート(ポリカーボネートZ、変性ポリカーボネートなど)、ナイロン、ポリイミド、ポリアリレート、ポリウレタン、スチレン−ブタジエンコポリマー、スチレン−アクリル酸コポリマー、スチレン−アクリロニトリルコポリマーが挙げられる。
また、保護層に電荷輸送能を持たせるために、電荷輸送能(正孔輸送能)を有するモノマーを種々の重合反応、架橋反応を用いて硬化させることによって保護層を形成してもよい。具体的には、連鎖重合性官能基を有する電荷輸送性化合物(正孔輸送性化合物)を重合または架橋させ、硬化させることによって保護層を形成することが好ましい。
保護層の膜厚は、0.05〜20μmであることが好ましい。保護層には、導電性粒子や紫外線吸収剤などを含有させてもよい。導電性粒子としては、例えば、酸化スズ粒子などの金属酸化物粒子が挙げられる。
図1は、本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す図である。
1は円筒状(ドラム状)の電子写真感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度(プロセススピード)をもって回転駆動される。電子写真感光体1の表面は、回転過程において、帯電手段3により、正または負の所定電位に帯電される。次いで、帯電された電子写真感光体1の表面には、像露光手段(不図示)から像露光光4が照射され、目的の画像情報に対応した静電潜像が形成されていく。像露光光4は、例えば、スリット露光やレーザービーム走査露光などの像露光手段から出力される、目的の画像情報の時系列電気デジタル画像信号に対応して強度変調された光である。
電子写真感光体1の表面に形成された静電潜像は、現像手段5内に収容された現像剤(トナー)で現像(正規現像または反転現像)され、電子写真感光体1の表面にはトナー像が形成される。電子写真感光体1の表面に形成されたトナー像は、転写手段6により、転写材7に転写されていく。このとき、転写手段6には、バイアス電源(不図示)からトナーの保有電荷とは逆極性のバイアス電圧が印加される。また、転写材7は転写材供給手段(不図示)から電子写真感光体1の回転と同期して取り出されて、電子写真感光体1と転写手段6との間に給送される。
トナー像が転写された転写材7は、電子写真感光体1の表面から分離されて、定着手段8へ搬送されて、トナー像の定着処理を受け、画像形成物(プリント、コピー)として電子写真装置の外へプリントアウトされる。
トナー像が転写材7に転写された後の電子写真感光体1の表面は、クリーニング手段9により、トナー(転写残りトナー)などの付着物の除去を受けて清浄される。近年、クリーナレスシステムも開発され、転写残りトナーを直接、現像器などで除去することもできる。さらに、電子写真感光体1の表面は、前露光手段(不図示)からの前露光光10により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。なお、帯電手段3が帯電ローラーなどを用いた接触帯電手段である場合は、前露光手段は必ずしも必要ではない。
本発明においては、上述の電子写真感光体1、帯電手段3、現像手段5およびクリーニング手段9などの構成要素のうち、複数の構成要素を容器に納めて一体に支持してプロセスカートリッジを形成してもよい。このプロセスカートリッジを電子写真装置本体に対して着脱自在に構成することができる。例えば、帯電手段3、現像手段5およびクリーニング手段9から選択される少なくとも1つを電子写真感光体1とともに一体に支持してカートリッジ化する。そして、電子写真装置本体のレールなどの案内手段12を用いて電子写真装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ11とすることができる。
像露光光4は、電子写真装置が複写機やプリンターである場合には、原稿からの反射光や透過光であってもよい。または、センサーで原稿を読み取り、信号化し、この信号に従って行われるレーザービームの走査、LEDアレイの駆動もしくは液晶シャッターアレイの駆動などにより放射される光であってもよい。
以下に、具体的な実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。ただし、本発明は、これらに限定されるものではない。なお、実施例および比較例の電子写真感光体の各層の膜厚は、渦電流式膜厚計(Fischerscope、フィッシャーインスツルメント社製)で求め、または、単位面積当たりの質量から比重換算で求めた。
〔実施例1−1〕
特開2011−94101号公報に記載の(合成例1)および(実施例1−1)と同様にて、以下のようにヒドロキシガリウムフタロシアニンを製造した。窒素フローの雰囲気下、フタロニトリル5.46部およびα−クロロナフタレン45部を反応釜に投入した後、加熱し、温度30℃まで昇温させた後、この温度を維持した。次に、この温度(30℃)で三塩化ガリウム3.75部を投入した。投入時の混合液の水分値は150ppmであった。その後、温度200℃まで昇温させた。次に、窒素フローの雰囲気下、温度200℃で4.5時間反応させた後、冷却し、温度150℃に達したときに生成物を濾過した。得られた濾過物をN,N−ジメチルホルムアミドを用いて温度140℃で2時間分散洗浄した後、濾過した。得られた濾過物をメタノールで洗浄した後、乾燥させ、クロロガリウムフタロシアニン顔料を4.65部(収率71%)得た。次に、得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料4.65部を、温度10℃で濃硫酸139.5部に溶解させ、攪拌下、氷水620部中に滴下して再析出させて、フィルタープレスを用いて濾過した。得られたウエットケーキ(濾過物)を2%アンモニア水で分散洗浄した後、フィルタープレスを用いて濾過した。次いで、得られたウエットケーキ(濾過物)をイオン交換水で分散洗浄した後、フィルタープレスを用いた濾過を3回繰り返し、その後、固形分23%のヒドロキシガリウムフタロシアニン(含水ヒドロキシガリウムフタロシアニン)を得た。得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン(含水ヒドロキシガリウムフタロシアニン)6.6kgをハイパー・ドライ乾燥機(商品名:HD−06R、周波数(発振周波数):2455MHz±15MHz、日本バイオコン(株)製)を用いてマイクロ波照射を行い、ヒドロキシガリウムフタロシアニンを乾燥させた。
このようにして得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン0.5部、上記式(1)で示される化合物(製品コード:F0188、東京化成工業(株)製)9.5部を、直径0.8mmのガラスビーズ15部とともにボールミルでミリング処理を室温(23℃)下で120時間行った。この分散液からガリウムフタロシアニン結晶をテトラヒドロフランを用いて取り出し、濾過し、濾過器上をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。濾取物を真空乾燥させて、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.45部得た。得られた結晶の粉末X線回折図を図2に示す。H−NMR測定により、フタロシアニン結晶由来のピークの他に、式(1)で示される化合物由来のピークが観測された。プロトン比率から換算し、フタロシアニン結晶中に式(1)で示される化合物が1.4質量%含有されていることが確認された。式(1)で示される化合物は液体であり、テトラヒドロフランに相溶することから、式(1)で示される化合物はフタロシアニン結晶内に含有されていることが分かる。
〔実施例1−2〕
実施例1−1において、ミリング処理時間を60時間とした以外は実施例1と同様にして、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を得た。得られた結晶の粉末X線回折スペクトルを図3に示す。NMR測定により、式(1)で示される化合物が結晶内に1.78質量%含有されていることが確認された。
〔実施例1−3〕
実施例1−1において、ミリング処理時間を30時間とした以外は実施例1と同様にして、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を得た。得られた結晶の粉末X線回折スペクトルを図4に示す。NMR測定により、式(1)で示される化合物が結晶内に2.01質量%含有されていることが確認された。
〔実施例1−4〕
実施例1−1において、ミリング処理時間を250時間とした以外は実施例1と同様にして、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を得た。得られた結晶の粉末X線回折スペクトルを図5に示す。NMR測定により、式(1)で示される化合物が結晶内に1.10質量%含有されていることが確認された。
〔実施例1−5〕
実施例1−1において、ミリング処理時間を500時間とした以外は実施例1と同様にして、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を得た。得られた結晶の粉末X線回折スペクトルを図6に示す。NMR測定により、式(1)で示される化合物が結晶内に0.88質量%含有されていることが確認された。
〔実施例1−6〕
実施例1−1において、ミリング処理時間を1000時間とした以外は実施例1と同様にして、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を得た。得られた結晶の粉末X線回折スペクトルを図7に示す。NMR測定により、式(1)で示される化合物が結晶内に0.73質量%含有されていることが確認された。
〔実施例1−7〕
実施例1−1において、ボールミルでのミリング処理を、ペイントシェーカー(東洋精機社製)で8時間のミリング処理に変更した以外は、実施例1−1と同様に処理し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を得た。得られた結晶の粉末X線回折図を図8に示す。NMR測定により、式(1)で示される化合物が結晶内に1.04質量%含有されていることが確認された。
〔実施例1−8〕
実施例1−1において、式(1)で示される化合物に変更して上記式(2)で示される化合物(製品コード:D1651、東京化成工業(株)製)を用いた以外は実施例1−1と同様に処理し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を得た。得られた結晶の粉末X線回折図を図9に示す。NMR測定により、式(2)で示される化合物が結晶内には1.31質量%含有されていることが確認された。
〔実施例1−9〕
実施例1−1において、式(1)で示される化合物に変更して上記式(3)で示される化合物(製品コード:D3724、東京化成工業(株)製)を用いた以外は実施例1−1と同様に処理し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を得た。得られた結晶の粉末X線回折図を図10に示す。NMR測定により、式(2)で示される化合物が結晶内に1.73質量%含有されていることが確認された。
〔比較例1−1〕
実施例1−1におけるミリング処理を、特許文献1の実施例1と同様に行い、N,N−ジメチルホルムアミドを含有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を得た。すなわち、実施例1−1におけるマイクロ波乾燥工程後のヒドロキシガリウム結晶2.5部、N,N−ジメチルホルムアミド(製品コード:D0722、東京化成工業(株)製)19部を、直径5mmのガラスビーズ50部とともにボールミルでミリング処理を室温(23℃)下で48時間行った。この分散液からガリウムフタロシアニン結晶をテトラヒドロフランを用いて取り出し、濾過し、濾過器上をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。濾取物を真空乾燥させて、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を2.3部得た。NMR測定により、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶中には、特定のアミド化合物は検出されず、N,N−ジメチルホルムアミドを含有していることが確認された。
〔比較例1−2〕
比較例1−1において、N,N−ジメチルホルムアミドをN,N−ジメチルアセトアミド(製品コード:D0641、東京化成工業(株)製)に変更した以外は、比較例1−1と同様に処理し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を得た。NMR測定により、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶中には、特定のアミド化合物は検出されず、N,N−ジメチルアセトアミドを含有していることが確認された。
〔比較例1−3〕
比較例1−1において、N,N−ジメチルホルムアミドを1−メチル−2−ピロリドン(製品コード:M0418、東京化成工業(株)製)に変更した以外は、比較例1−1と同様に処理し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を得た。NMR測定により、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶中には、特定のアミド化合物が検出されず、1−メチル−2−ピロリドンを含有していることが確認された。
〔実施例2−1〕
酸化スズで被覆した硫酸バリウム粒子(商品名:パストランPC1、三井金属鉱業(株)製)60部、酸化チタン粒子(商品名:TITANIX JR、テイカ(株)製)15部、レゾール型フェノール樹脂(商品名:フェノライト J−325、大日本インキ化学工業(株)製、固形分70質量%)43部、シリコーンオイル(商品名:SH28PA、東レシリコーン(株)製)0.015部、シリコーン樹脂粒子(商品名:トスパール120、東芝シリコーン(株)製)3.6部、2−メトキシ−1−プロパノール50部、メタノール50部からなる溶液を20時間、ボールミルで分散処理することによって、導電層用塗布液を調製した。
この導電層用塗布液を、支持体としてのアルミニウムシリンダー(直径24mm)上に浸漬塗布して塗膜を形成し、この塗膜を30分間140℃で乾燥させることによって、膜厚が15μmの導電層を形成した。
次に、共重合ナイロン樹脂(商品名:アミランCM8000、東レ(株)製)10部およびメトキシメチル化6ナイロン樹脂(商品名:トレジンEF−30T、帝国化学(株)製)30部を、メタノール400部/n−ブタノール200部の混合溶剤に溶解させて、下引き層用塗布液を調製した。
この下引き層用塗布液を導電層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、この塗膜を乾燥させることによって、膜厚が0.5μmの下引き層を形成した。
次に、実施例1−1で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶(電荷発生物質)10部、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)5部、および、シクロヘキサノン250部を、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミルに入れ、1時間分散処理した。分散後、分散液に酢酸エチル250部を加えて希釈することによって、電荷発生層用塗布液を調製した。
この電荷発生層用塗布液を下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、この塗膜を10分間100℃で乾燥させることによって、支持体の上端から30mmの位置と、100mmの位置における膜厚が共に0.16μmの電荷発生層を形成した。
次に、下記式(4)で示される化合物(電荷輸送物質)8部、および、ポリカーボネート(商品名:ユーピロンZ−200、三菱ガス化学(株)製)10部を、モノクロロベンゼン80部に溶解させることによって、電荷輸送層用塗布液を調製した。
Figure 2015210338
この電荷輸送層用塗布液を電荷発生層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を1時間110℃で乾燥させて、支持体の上端から30mmの位置における膜厚が8μmで、100mmの位置における膜厚が13.5μmの膜厚ムラを有する電荷輸送層を形成した。
このようにして、円筒状(ドラム状)の実施例2−1の電子写真感光体を作製した。
〔実施例2−2〜2−9〕
実施例2−1において、電荷発生層用塗布液を調製する際のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を、実施例1−2〜1−9で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶に変更した。それ以外は、実施例2−1と同様にして実施例2−2〜2−9の電子写真感光体を作成した。
〔比較例2−1〜2−3〕
実施例2−1において、電荷発生層用塗布液を調製する際のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を、比較例1−1〜1−3で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶に変更した。それ以外は、実施例2−1と同様にして比較例2−1〜2−3の電子写真感光体を作成した。
〔実施例2−1〜2−9の評価〕
実施例2−1〜2−9の電子写真感光体について、感度評価を行った。
評価用の電子写真装置としては、日本ヒューレットパッカード(株)製のレーザービームプリンター(商品名:Laser Jet P2015dn)を、帯電条件と像露光量は可変で作動するよう改造を施して用いた。
まず、温度23℃/湿度55%RHの常温常湿環境下で、電子写真感光体の支持体上端から100mmの位置における電子写真感光体の周方向の平均電位において、暗部電位が−450V、明部電位が−170Vになるように帯電条件と像露光量を調整した。電位設定の際の円筒状の電子写真感光体の表面電位の測定は、カートリッジを改造し、現像位置に電位プローブ(商品名:model6000B−8、トレック・ジャパン(株)製)を装着する。その後、円筒状の電子写真感光体の中央部の電位を表面電位計(商品名:model344、トレック・ジャパン(株)製)を使用して測定した。
その後、同条件下で電子写真感光体の支持体上端から30mmの位置における明部電位を測定し、100mm位置における明部電位(−170V)との差を測定し、電荷輸送層の膜厚ムラに伴う感度ムラを評価した。評価結果を表1に示す。実施例の電子写真感光体は、比較例の電子写真感光体に対して電位差が小さく感度ムラの小さい感光体が得られていることが示されている。
〔比較例2−1の評価〕
実施例2−1と同様にして、比較例2−1の電子写真感光体について感度評価を行った。評価結果を表1に示す。比較例2−1の電子写真感光体は、実施例に対して感度ムラが大きいことが示されている。
〔比較例2−2の評価〕
100mmの位置における所定の暗部電位(−450V)を得ることができず、実施例2−1と同様の感度評価が出来なかった。
〔比較例2−3の評価〕
実施例2−1と同様にして、比較例2−3の電子写真感光体について感度評価を行った。評価結果を表1に示す。比較例2−3の電子写真感光体は、実施例に対して感度ムラが示されている。
Figure 2015210338
1 電子写真感光体
2 軸
3 帯電手段
4 像露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 転写材
8 像定着手段
9 クリーニング手段
10 前露光光
11 プロセスカートリッジ
12 案内手段

Claims (11)

  1. 支持体および該支持体上に形成された感光層を有する電子写真感光体であって、
    該感光層が、アミド化合物を結晶内に含有するフタロシアニン結晶を含有し、
    該アミド化合物が、下記式(1)で示される化合物、下記式(2)で示される化合物、および下記式(3)で示される化合物からなる群より選択される少なくとも1つの化合物である
    ことを特徴とする電子写真感光体。
    Figure 2015210338
  2. 前記感光層において、前記アミド化合物の含有量が、前記フタロシアニン結晶に対して0.5質量%以上20質量%以下である請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記感光層が、電荷発生層および該電荷発生層上に形成された電荷輸送層を有し、該電荷発生層が、前記フタロシアニン結晶を含有する請求項1または2に記載の電子写真感光体。
  4. 前記フタロシアニン結晶が、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.7°、16.5°、24.2°、および27.7°にピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶である請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段およびクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子写真感光体、ならびに、帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段を有する電子写真装置。
  7. アミド化合物を結晶内に含有するフタロシアニン結晶であって、
    該アミド化合物が、下記式(1)で示される化合物、下記式(2)で示される化合物、および下記式(3)で示される化合物からなる群より選択される少なくとも1つの化合物である
    ことを特徴とするフタロシアニン結晶。
    Figure 2015210338
  8. 結晶内にアミド化合物を含有するフタロシアニン結晶を製造するフタロシアニン結晶の製造方法であって、
    該製造方法が、該アミド化合物をフタロシアニンに加えてミリング処理をすることにより、フタロシアニンの結晶変換を行う結晶変換工程を有し、
    該アミド化合物が、下記式(1)で示される化合物、下記式(2)で示される化合物、および下記式(3)で示される化合物からなる群より選択される少なくとも1つの化合物である
    ことを特徴とするフタロシアニン結晶の製造方法。
    Figure 2015210338
  9. 前記製造方法が、前記結晶変換工程の前に、アシッドペースティング法によって前記フタロシアニンを得る工程を有する請求項8に記載のフタロシアニン結晶の製造方法。
  10. 支持体および該支持体上に形成された感光層を有する電子写真感光体を製造する電子写真感光体の製造方法であって、
    請求項8または9に記載のフタロシアニン結晶の製造方法により、前記フタロシアニン結晶を製造する工程、および
    前記フタロシアニン結晶を含有する感光層用塗布液の塗膜を形成し、該塗膜を乾燥させて該感光層を形成する工程、
    を有することを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
  11. 支持体、該支持体上に形成された電荷発生層および該電荷発生層上に形成された電子写真感光体を製造する電子写真感光体の製造方法であって、
    請求項8または9に記載のフタロシアニン結晶の製造方法により、前記フタロシアニン結晶を製造する工程、および
    前記フタロシアニン結晶を含有する電荷発生層用塗布液の塗膜を形成し、該塗膜を乾燥させて該電荷発生層を形成する工程、
    を有することを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
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