JP2016110059A - 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】電位変動を極力抑えた高品質な画像を出力可能な電子写真感光体、ならびに、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供すること。【解決手段】本発明の電子写真感光体は、支持体と、支持体上に電荷発生層と、電荷発生層上に電荷輸送層とを有する電子写真感光体を、電荷発生層が、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N−プロピルホルムアミド、N−ビニルホルムアミド及びN−メチルピロリドンから選択された少なくとも1種をガリウムフタロシアニンに対して0.1質量%以上2.0質量%以下で含有するガリウムフタロシアニン結晶を含有し、電荷輸送層が、式(1)で示される化合物を含有する構成とする。【選択図】なし
Description
本発明は、電子写真感光体、電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置に関する。
現在、電子写真感光体としては、支持体上に感光層を設け、感光層が電荷発生機能(電荷発生層)と電荷輸送機能(電荷輸送層)とをそれぞれ別々の物質(層)に分担させた機能分離型積層構造を有する電子写真感光体が一般的である。
電荷発生機能を有する電荷発生材料としては、像露光手段としてよく用いられている半導体レーザーの発振波長が650〜820nmと長波長であるため、これらの長波長の光に高い感度を有する電荷発生材料の開発が進められている。
フタロシアニン顔料は、こうした長波長領域までの光に高い感度を有する電荷発生物質として有効であり、特にオキシチタニウムフタロシアニンやガリウムフタロシアニンは、優れた感度特性を有しており、これまでに様々な結晶形や改良製法が報告されている。
特許文献1には、極性有機溶剤を含有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶が開示されている。N,N−ジメチルホルムアミドなどの極性有機溶剤を変換溶剤に使用することにより、極性有機溶剤が結晶内に取り込まれ、優れた感度特性を有する結晶が得られている。しかしながら、その反面、生成したフォトキャリアが感光層に残存しやすく、一種のメモリーとして、電位変動を起こしやすい場合があるという課題があった。
電荷発生機能を有する電荷発生材料としては、像露光手段としてよく用いられている半導体レーザーの発振波長が650〜820nmと長波長であるため、これらの長波長の光に高い感度を有する電荷発生材料の開発が進められている。
フタロシアニン顔料は、こうした長波長領域までの光に高い感度を有する電荷発生物質として有効であり、特にオキシチタニウムフタロシアニンやガリウムフタロシアニンは、優れた感度特性を有しており、これまでに様々な結晶形や改良製法が報告されている。
特許文献1には、極性有機溶剤を含有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶が開示されている。N,N−ジメチルホルムアミドなどの極性有機溶剤を変換溶剤に使用することにより、極性有機溶剤が結晶内に取り込まれ、優れた感度特性を有する結晶が得られている。しかしながら、その反面、生成したフォトキャリアが感光層に残存しやすく、一種のメモリーとして、電位変動を起こしやすい場合があるという課題があった。
一方、電荷輸送機能を分担する電荷輸送層に対しては、電荷輸送機能を有し、更に、電子写真感光体の最表面に位置する場合は、機械的強度が高く、放電劣化が少ないという特性が求められている。電荷輸送層は樹脂を用いて形成されるために、高モビリティーな電荷輸送材料の開発、および機械的強度と放電に強い樹脂の開発が進められている。
特に、繰り返し使用時における削れによって電荷輸送層が薄くなりその結果、感光体容量の変化による電位変動が生じることがあった。また、放電によって電荷発生材料、電荷輸送材料、および樹脂が劣化し、その結果、電位変動が生じることがあった。
特許文献2および特許文献3には、耐ガス性を有する添加剤を加えることにより電位変動を抑えられるとの報告がある。
また、電荷輸送層にトナーの転写効率を上げる目的で離型剤、削れを防止する目的でフィラー、および電子写真感光体表面の潤滑性を上げる目的で滑剤を添加することが知られている。しかしながら、これら添加剤の添加により電位変動が大きくなる場合があることが特許文献4で報告されている。
特に、繰り返し使用時における削れによって電荷輸送層が薄くなりその結果、感光体容量の変化による電位変動が生じることがあった。また、放電によって電荷発生材料、電荷輸送材料、および樹脂が劣化し、その結果、電位変動が生じることがあった。
特許文献2および特許文献3には、耐ガス性を有する添加剤を加えることにより電位変動を抑えられるとの報告がある。
また、電荷輸送層にトナーの転写効率を上げる目的で離型剤、削れを防止する目的でフィラー、および電子写真感光体表面の潤滑性を上げる目的で滑剤を添加することが知られている。しかしながら、これら添加剤の添加により電位変動が大きくなる場合があることが特許文献4で報告されている。
上述した通り、電子写真感光体に関して、様々な改善が試みられている。中でも、近年のさらなる高速プリント対応、フルカラー化、色味変動の抑制の観点から更なる電位変動に関する特性の改善が望まれている。
本発明の目的は、電位変動を極力抑えて高品質な画像を出力可能に資する電子写真感光体を提供することにある。また、本発明の他の目的は、上記電子写真感光体を有する電子写真装置、プロセスカートリッジを提供することにある。
本発明の目的は、電位変動を極力抑えて高品質な画像を出力可能に資する電子写真感光体を提供することにある。また、本発明の他の目的は、上記電子写真感光体を有する電子写真装置、プロセスカートリッジを提供することにある。
本発明によれば、支持体と、該支持体上に設けられた電荷発生層と、該電荷発生層上に設けられた電荷輸送層とを有する電子写真感光体において、
該電荷発生層が、極性溶剤を結晶内に含有するガリウムフタロシアニン結晶を含有し、
該極性溶剤が、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N−プロピルホルムアミド、N−ビニルホルムアミド及びN−メチルピロリドンからなる群から選択される少なくとも1種であり、
該極性溶剤を含有するガリウムフタロシアニン結晶は、該極性溶剤をガリウムフタロシアニンに対して0.1質量%以上2.0質量%以下含有し、
該電荷輸送層が、下記式(1)で示される化合物を含有する
ことを特徴とする電子写真感光体が提供される。
該電荷発生層が、極性溶剤を結晶内に含有するガリウムフタロシアニン結晶を含有し、
該極性溶剤が、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N−プロピルホルムアミド、N−ビニルホルムアミド及びN−メチルピロリドンからなる群から選択される少なくとも1種であり、
該極性溶剤を含有するガリウムフタロシアニン結晶は、該極性溶剤をガリウムフタロシアニンに対して0.1質量%以上2.0質量%以下含有し、
該電荷輸送層が、下記式(1)で示される化合物を含有する
ことを特徴とする電子写真感光体が提供される。
(上記構造中、a部位はA構造との結合位置を示す。b部位はB構造との結合位置を示す。c部位はC構造との結合位置を示す。R1〜R6はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、またはアルキル基を示す。mは1または2を示す。)
また、本発明によれば、上記電子写真感光体と、該電子写真感光体の表面を帯電するための帯電手段、該電子写真感光体の表面に形成された静電潜像をトナーで現像してトナー像を形成するための現像手段、および、該トナー像が転写材に転写された後の該電子写真感光体の表面のトナーを除去するためのクリーニング手段からなる群より選ばれる少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジが提供される。
また、本発明によれば、上記電子写真感光体、ならびに、該電子写真感光体の表面を帯電するための帯電手段、帯電された該電子写真感光体の表面に像露光光を照射して静電潜像を形成するための像露光手段、該電子写真感光体の表面に形成された静電潜像をトナーで現像してトナー像を形成するための現像手段、および、該電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を転写材に転写するための転写手段を有する電子写真装置が提供される。
また、本発明によれば、上記電子写真感光体、ならびに、該電子写真感光体の表面を帯電するための帯電手段、帯電された該電子写真感光体の表面に像露光光を照射して静電潜像を形成するための像露光手段、該電子写真感光体の表面に形成された静電潜像をトナーで現像してトナー像を形成するための現像手段、および、該電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を転写材に転写するための転写手段を有する電子写真装置が提供される。
本発明によれば、電位変動を抑制して高品質な画像を出力可能に資する電子写真感光体、ならびに、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することができる。
本発明の電子写真感光体は、支持体と、該支持体上に電荷発生層と電荷輸送層とを有する。該電荷発生層は、極性溶剤を結晶内に含有するガリウムフタロシアニン結晶(以下、極性溶剤含有ガリウムフタロシアニン結晶という)を含む。このガリウムフタロシアニン結晶に含まれる極性溶剤は、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N−プロピルホルムアミド、N−ビニルホルムアミド及びN−メチルピロリドンからなる群から選択される少なくとも1種である。極性溶剤含有ガリウムフタロシアニン結晶は、極性溶剤を、ガリウムフタロシアニンに対して0.1質量%以上2.0質量%以下含有する。なお、この極性溶剤の含有割合は、2種以上の極性溶剤を含む場合は、各極性溶剤の合計量に基づく含有割合である。
また、電荷輸送層は、下記式(1)で示される化合物を含有する。
また、電荷輸送層は、下記式(1)で示される化合物を含有する。
式(1)中、A、B、およびCは先に挙げた各構造式で表され、各構造式中のa部位はA構造との結合位置を示す。b部位はB構造との結合位置を示す。c部位はC構造との結合位置を示す。R1〜R6はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、またはアルキル基を示す。nは2または3を示す。
なお、前記式(1)における複数個の(A−B)−は、同一構造であってもよい。
極性溶剤含有ガリウムフタロシアニン結晶における極性溶剤の含有量は、ガリウムフタロシアニンに対して0.1質量%以上1.9質量%以下であることが好ましく、更には、0.2質量%以上1.9質量%以下であることがより好ましく、0.3質量%以上1.5質量%以下であることが特に好ましい。
極性溶剤が、N−メチルホルムアミド、N−プロピルホルムアミド、N−メチルピロリドンおよびN−ビニルホルムアミドからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
前記式(1)中R1〜R6におけるハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子を挙げることができる。また、アルコキシ基としては炭素数1〜5、好ましくは炭素数1〜3のアルコキシ基を挙げることかできる。また、アルキル基としては炭素数1〜5、好ましくは炭素数1〜3のアルキル基を挙げることができる。
前記式(1)中のR1〜R6が、それぞれ独立に、水素原子、またはメチル基であることが好ましい。
また、前記式(1)中のBが、下記構造のいずれか1つであることが好ましい。
極性溶剤含有ガリウムフタロシアニン結晶における極性溶剤の含有量は、ガリウムフタロシアニンに対して0.1質量%以上1.9質量%以下であることが好ましく、更には、0.2質量%以上1.9質量%以下であることがより好ましく、0.3質量%以上1.5質量%以下であることが特に好ましい。
極性溶剤が、N−メチルホルムアミド、N−プロピルホルムアミド、N−メチルピロリドンおよびN−ビニルホルムアミドからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
前記式(1)中R1〜R6におけるハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子を挙げることができる。また、アルコキシ基としては炭素数1〜5、好ましくは炭素数1〜3のアルコキシ基を挙げることかできる。また、アルキル基としては炭素数1〜5、好ましくは炭素数1〜3のアルキル基を挙げることができる。
前記式(1)中のR1〜R6が、それぞれ独立に、水素原子、またはメチル基であることが好ましい。
また、前記式(1)中のBが、下記構造のいずれか1つであることが好ましい。
(上記構造中、R3〜R6はそれぞれ独立に、水素原子、またはアルキル基を示す。a及びc部位はそれぞれ、前記式(1)中のA及びC構造との結合位置を表す。)
また、前記式(1)中のCが、下記構造のいずれか1つであることも好ましい。
また、前記式(1)中のCが、下記構造のいずれか1つであることも好ましい。
上記各構造式中のb部位は前記式(1)のB構造との結合位置を示す。
前記式(1)の化合物は、その1種を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
以下に、本発明の電子写真感光体に含有される式(1)で示される化合物の好ましい具体例(例示化合物)を示すが、本発明は、これらに限定されるものではない。
前記式(1)の化合物は、その1種を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
以下に、本発明の電子写真感光体に含有される式(1)で示される化合物の好ましい具体例(例示化合物)を示すが、本発明は、これらに限定されるものではない。
ガリウムフタロシアニン結晶とは、中心金属にガリウムを有するフタロシアニン化合物の結晶である。ガリウムフタロシアニン結晶の中でも、優れた感度を有する、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶、クロロガリウムフタロシアニン結晶、ブロモガリウムフタロシアニン結晶、ヨードガリウムフタロシアニン結晶が、本発明が有効に作用する。ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶とは、ガリウム原子に軸配位子としてヒドロキシ基を有するものである。クロロガリウムフタロシアニン結晶とは、ガリウム原子に軸配位子として塩素原子を有するものである。ブロモガリウムフタロシアニン結晶とは、ガリウム原子に軸配位子として臭素原子を有するものである。ヨードガリウムフタロシアニン結晶とは、ガリウム原子に軸配位子としてヨウ素原子を有するものである。特に、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶、クロロガリウムフタロシアニン結晶が好ましい。
さらに、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の中でも、CuKα線のX線回折におけるブラッグ角2θにおいて7.4°±0.3°および28.3°±0.3°にピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶であることが高感度の点でより好ましい。また、クロロガリウムフタロシアニン結晶の中でも、CuKα線のX線回折におけるブラッグ角2θにおいて7.4°±0.2°、16.6°±0.2°、25.5°±0.2°および28.3°±0.2°にピークを有するクロロガリウムフタロシアニン結晶であることが高感度の点でより好ましい。
さらに、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の中でも、CuKα線のX線回折におけるブラッグ角2θにおいて7.4°±0.3°および28.3°±0.3°にピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶であることが高感度の点でより好ましい。また、クロロガリウムフタロシアニン結晶の中でも、CuKα線のX線回折におけるブラッグ角2θにおいて7.4°±0.2°、16.6°±0.2°、25.5°±0.2°および28.3°±0.2°にピークを有するクロロガリウムフタロシアニン結晶であることが高感度の点でより好ましい。
極性溶剤含有ガリウムフタロシアニン結晶の製造方法について説明する。
極性溶剤含有ガリウムフタロシアニン結晶は、低結晶性のガリウムフタロシアニン原料に極性溶剤を含んだ溶剤を用いて湿式ミリング処理することにより結晶変換する工程で得ることができる。低結晶性のガリウムフタロシアニン原料としては、アシッドペースティング法、または乾式ミリング処理により得られたものが好ましく用いられる。
ここで行うミリング処理とは、例えば、ガラスビーズ、スチールビーズ、アルミナボールなどのミリング用の媒体としての分散剤とともにサンドミル、ボールミルなどのミリング装置を用いて行う処理である。ミリング時間は、30〜3000時間程度が好ましい。特に好ましい方法は、10〜100時間おきにサンプルをとり、NMR測定によりガリウムフタロシアニン結晶中の極性溶剤の含有量を確認することである。ミリング処理で用いる分散剤の量は、質量基準でガリウムフタロシアニンの10〜50倍が好ましい。
極性溶剤の使用量は、質量基準でガリウムフタロシアニンの5〜30倍が好ましい。
極性溶剤含有ガリウムフタロシアニン結晶が極性溶剤を結晶内に含有しているかどうかについて、本発明においては、得られたガリウムフタロシアニン結晶をNMR測定することにより決定した。
極性溶剤含有ガリウムフタロシアニン結晶は、低結晶性のガリウムフタロシアニン原料に極性溶剤を含んだ溶剤を用いて湿式ミリング処理することにより結晶変換する工程で得ることができる。低結晶性のガリウムフタロシアニン原料としては、アシッドペースティング法、または乾式ミリング処理により得られたものが好ましく用いられる。
ここで行うミリング処理とは、例えば、ガラスビーズ、スチールビーズ、アルミナボールなどのミリング用の媒体としての分散剤とともにサンドミル、ボールミルなどのミリング装置を用いて行う処理である。ミリング時間は、30〜3000時間程度が好ましい。特に好ましい方法は、10〜100時間おきにサンプルをとり、NMR測定によりガリウムフタロシアニン結晶中の極性溶剤の含有量を確認することである。ミリング処理で用いる分散剤の量は、質量基準でガリウムフタロシアニンの10〜50倍が好ましい。
極性溶剤の使用量は、質量基準でガリウムフタロシアニンの5〜30倍が好ましい。
極性溶剤含有ガリウムフタロシアニン結晶が極性溶剤を結晶内に含有しているかどうかについて、本発明においては、得られたガリウムフタロシアニン結晶をNMR測定することにより決定した。
本発明の電子写真感光体に含まれる極性溶剤含有ガリウムフタロシアニン結晶のX線回折およびNMRの測定は、次の条件で行ったものである。
[粉末X線回折測定]
使用測定機:理学電気(株)製、X線回折装置RINT−TTRII
X線管球:Cu
管電圧:50KV
管電流:300mA
スキャン方法:2θ/θスキャン
スキャン速度:4.0°/minute
サンプリング間隔:0.02°
スタート角度(2θ):5.0°
ストップ角度(2θ):40.0°
アタッチメント:標準試料ホルダー
フィルター:不使用
インシデントモノクロ:使用
カウンターモノクロメーター:不使用
発散スリット:開放
発散縦制限スリット:10.00mm
散乱スリット:開放
受光スリット:開放
平板モノクロメーター:使用
カウンター:シンチレーションカウンター
[NMR測定]
使用測定器:BRUKER製、AVANCEIII 500
溶媒:重硫酸(D2SO4)
[粉末X線回折測定]
使用測定機:理学電気(株)製、X線回折装置RINT−TTRII
X線管球:Cu
管電圧:50KV
管電流:300mA
スキャン方法:2θ/θスキャン
スキャン速度:4.0°/minute
サンプリング間隔:0.02°
スタート角度(2θ):5.0°
ストップ角度(2θ):40.0°
アタッチメント:標準試料ホルダー
フィルター:不使用
インシデントモノクロ:使用
カウンターモノクロメーター:不使用
発散スリット:開放
発散縦制限スリット:10.00mm
散乱スリット:開放
受光スリット:開放
平板モノクロメーター:使用
カウンター:シンチレーションカウンター
[NMR測定]
使用測定器:BRUKER製、AVANCEIII 500
溶媒:重硫酸(D2SO4)
本発明の電子写真感光体は、電荷発生層に、特定量の極性溶剤を含有するガリウムフタロシアニン結晶を含有し、電荷輸送層に前記式(1)で示される化合物を含有する。上記ガリウムフタロシアニン結晶に含有される極性溶剤を特定量とすることで、電荷発生層中のフォトキャリアの流れを向上させてフォトキャリアの滞留を抑制すると本発明者らは考えている。その結果として、フォトキャリアの滞留を抑制することによって、電位変動の抑制効果を向上させることができると考えている。さらに、電荷輸送層に式(1)で示される化合物を含有させて、上記の電荷発生層を組み合わせることによって、より一層の電位変動の抑制効果を向上させることができると考えている。
本発明の電子写真感光体は、支持体上に設けられた電荷発生層、および電荷発生層上に設けられた電荷輸送層を有する。
本発明に用いられる支持体は、導電性を有するもの(導電性支持体)が好ましい。例えば、アルミニウムやステンレスなどの金属や合金、あるいは導電層を設けた金属、合金、プラスチックおよび紙などが挙げられる。支持体の形状としては円筒状またはフィルム状などが挙げられる。
本発明において、支持体と電荷発生層の間には、バリア機能と接着機能を持つ中間層(下引き層とも呼ばれる。)を設けることもできる。
中間層の材料としては、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、メチルセルロース、カゼイン、ポリアミド、にかわおよびゼラチンなどが用いられる。これらは、適当な溶剤に溶解させて支持体上に塗布される。また、抵抗制御剤として金属酸化物を添加することもある。
中間層の膜厚は0.3〜5.0μmであることが好ましい。
さらに、支持体と中間層との間に、支持体のムラや欠陥の被覆、干渉縞防止を目的とした導電層を設けることが好適である。
導電層は、カーボンブラック、金属粒子および金属酸化物などの導電性粒子を、結着樹脂中に分散して形成することができる。
導電層の膜厚は5〜40μmであることが好ましく、特には10〜30μmであることが好ましい。
本発明の電子写真感光体は、支持体上に設けられた電荷発生層、および電荷発生層上に設けられた電荷輸送層を有する。
本発明に用いられる支持体は、導電性を有するもの(導電性支持体)が好ましい。例えば、アルミニウムやステンレスなどの金属や合金、あるいは導電層を設けた金属、合金、プラスチックおよび紙などが挙げられる。支持体の形状としては円筒状またはフィルム状などが挙げられる。
本発明において、支持体と電荷発生層の間には、バリア機能と接着機能を持つ中間層(下引き層とも呼ばれる。)を設けることもできる。
中間層の材料としては、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、メチルセルロース、カゼイン、ポリアミド、にかわおよびゼラチンなどが用いられる。これらは、適当な溶剤に溶解させて支持体上に塗布される。また、抵抗制御剤として金属酸化物を添加することもある。
中間層の膜厚は0.3〜5.0μmであることが好ましい。
さらに、支持体と中間層との間に、支持体のムラや欠陥の被覆、干渉縞防止を目的とした導電層を設けることが好適である。
導電層は、カーボンブラック、金属粒子および金属酸化物などの導電性粒子を、結着樹脂中に分散して形成することができる。
導電層の膜厚は5〜40μmであることが好ましく、特には10〜30μmであることが好ましい。
電荷発生層は、電荷発生物質を含む層であり、少なくとも電荷発生物質(電荷発生材料)及び結着樹脂を用いて形成することができる。例えば、支持体上に電荷発生層用塗布液を浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を乾燥させることによって形成することができる。電荷発生層用塗布液は、例えば、電荷発生物質及び極性溶剤含有ガリウムフタロシアニン結晶を、結着樹脂とともに溶剤に分散させることによって調製することができる。
電荷発生層の膜厚は、0.05〜1μmであることが好ましく、0.1〜0.3μmであることがより好ましい。
電荷発生層における極性溶剤含有ガリウムフタロシアニン結晶の含有量は、電荷発生層の全質量に対して40質量%以上85質量%以下であることが好ましく、60質量%以上80質量%以下であることがより好ましい。
電荷発生層に用いる結着樹脂としては、例えば、ポリエステル、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリビニルブチラール、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、ポリサルホン、アクリロニトリル共重合体およびポリビニルベンザールなどの樹脂が挙げられる。これらの中でも、極性溶剤含有ガリウムフタロシアニン結晶を分散させる樹脂としては、ポリビニルブチラール、ポリビニルベンザールが好ましい。これらの樹脂の1種または2種以上の組合せを用いることができる。
電荷発生層の膜厚は、0.05〜1μmであることが好ましく、0.1〜0.3μmであることがより好ましい。
電荷発生層における極性溶剤含有ガリウムフタロシアニン結晶の含有量は、電荷発生層の全質量に対して40質量%以上85質量%以下であることが好ましく、60質量%以上80質量%以下であることがより好ましい。
電荷発生層に用いる結着樹脂としては、例えば、ポリエステル、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリビニルブチラール、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、ポリサルホン、アクリロニトリル共重合体およびポリビニルベンザールなどの樹脂が挙げられる。これらの中でも、極性溶剤含有ガリウムフタロシアニン結晶を分散させる樹脂としては、ポリビニルブチラール、ポリビニルベンザールが好ましい。これらの樹脂の1種または2種以上の組合せを用いることができる。
電荷輸送層は、電荷輸送機能を有する層であり、前記式(1)で示される化合物を更に含有する。電荷輸送層は、例えば、前記式(1)で示される化合物、電荷輸送物質(電荷輸送材料)及び結着樹脂を溶剤中に溶解させた電荷輸送層用塗布液を支持体上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を乾燥させて形成することができる。また、電荷輸送層にトナーの転写効率を上げる目的で、離型剤、汚れなどを防止する目的で指紋付着防止剤、削れを防止する目的でフィラー、および電子写真感光体表面の潤滑性を上げる目的で滑剤などから選択した添加剤の少なくとも1種を添加しても良い。
電荷輸送層の膜厚は、5〜40μmであることが好ましく、特には10〜25μmであることが好ましい。
電荷輸送層における前記式(1)で示される化合物の含有量は、電荷輸送層の全質量に対して0.1質量%以上20質量%以下であることが好ましく、1質量%以上10質量%以下であることがより好ましい。
電荷輸送物質の含有量は、電荷輸送層の全質量に対して20〜80質量%であることが好ましく、特には30〜60質量%であることが好ましい。
電荷輸送物質としては、各種のトリアリールアミン化合物、ヒドラゾン化合物、スチルベン化合物、ピラゾリン化合物、オキサゾール化合物、チアゾール化合物およびトリアリルメタン化合物などが挙げられる。これらの中でも電荷輸送物質としては、トリアリールアミン化合物が好ましい。電荷輸送物質の1種または2種以上の組合せを用いることができる。
電荷輸送層に用いる結着樹脂としては、例えば、ポリエステル、アクリル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリサルホン、ポリアリレート、およびアクリロニトリル共重合体などの樹脂が挙げられる。これらの中でも、ポリカーボネート、ポリアリレートが好ましい。これらの樹脂の1種または2種以上の組合せを用いることができる。
電荷輸送層の膜厚は、5〜40μmであることが好ましく、特には10〜25μmであることが好ましい。
電荷輸送層における前記式(1)で示される化合物の含有量は、電荷輸送層の全質量に対して0.1質量%以上20質量%以下であることが好ましく、1質量%以上10質量%以下であることがより好ましい。
電荷輸送物質の含有量は、電荷輸送層の全質量に対して20〜80質量%であることが好ましく、特には30〜60質量%であることが好ましい。
電荷輸送物質としては、各種のトリアリールアミン化合物、ヒドラゾン化合物、スチルベン化合物、ピラゾリン化合物、オキサゾール化合物、チアゾール化合物およびトリアリルメタン化合物などが挙げられる。これらの中でも電荷輸送物質としては、トリアリールアミン化合物が好ましい。電荷輸送物質の1種または2種以上の組合せを用いることができる。
電荷輸送層に用いる結着樹脂としては、例えば、ポリエステル、アクリル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリサルホン、ポリアリレート、およびアクリロニトリル共重合体などの樹脂が挙げられる。これらの中でも、ポリカーボネート、ポリアリレートが好ましい。これらの樹脂の1種または2種以上の組合せを用いることができる。
各層の塗布方法としては、浸漬塗布法(ディッピング法)、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ビードコーティング法、ブレードコーティング法およびビームコーティング法などから選択した塗布方法を用いることができる。
図1は、本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す図である。この電子写真装置は、円筒状(ドラム状)の電子写真感光体1を有する。電子写真感光体1は、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度(プロセススピード)をもって回転駆動される。電子写真感光体1の表面は、回転過程において、帯電手段3により、正または負の所定電位に帯電される。次いで、帯電された電子写真感光体1の表面には、像露光手段(不図示)から像露光光4が照射され、目的の画像情報に対応した静電潜像が形成されていく。像露光光4は、例えば、スリット露光やレーザービーム走査露光などの像露光手段から出力される、目的の画像情報の時系列電気デジタル画像信号に対応して強度変調された光である。
電子写真感光体1の表面に形成された静電潜像は、現像手段5内に収容されたトナーで現像(正規現像または反転現像)され、電子写真感光体1の表面にはトナー像が形成される。電子写真感光体1の表面に形成されたトナー像は、転写手段6により、転写材7に転写されていく。このとき、転写手段6には、バイアス電源(不図示)からトナーの保有電荷とは逆極性のバイアス電圧が印加される。また、転写材7が紙である場合、転写材7は給紙部(不図示)から取り出されて、電子写真感光体1と転写手段6との間に電子写真感光体1の回転と同期して給送される。
電子写真感光体1からトナー像が転写された転写材7は、電子写真感光体1の表面から分離されて、像定着手段8へ搬送されて、トナー像の定着処理を受けることにより、画像形成物(プリント、コピー)として電子写真装置の外へプリントアウトされる。
転写材7にトナー像を転写した後の電子写真感光体1の表面は、クリーニング手段9により、トナー(転写残りトナー)などの付着物の除去を受けて清浄される。近年、クリーナレスシステムも開発され、転写残りトナーを直接、現像器などで除去することもできる。さらに、電子写真感光体1の表面は、前露光手段(不図示)からの前露光光10により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。なお、帯電手段3が帯電ローラーなどを用いた接触帯電手段である場合は、前露光手段は必ずしも必要ではない。
本発明においては、上述の電子写真感光体1、帯電手段3、現像手段5およびクリーニング手段9などの構成要素のうち、複数の構成要素を1つの容器に納めて一体に支持してプロセスカートリッジを形成する。そして、このプロセスカートリッジを電子写真装置本体に対して着脱自在に構成することができる。例えば、帯電手段3、現像手段5およびクリーニング手段9から選択される少なくとも1つを電子写真感光体1とともに一体に支持してカートリッジ化して、電子写真装置本体のレールなどの案内手段12を用いて電子写真装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ11とすることができる。
像露光光4は、電子写真装置が複写機やプリンターである場合には、原稿からの反射光や透過光であってもよい。または、センサーで原稿を読み取り、信号化し、この信号に従って行われるレーザービームの走査、LEDアレイの駆動もしくは液晶シャッターアレイの駆動などにより放射される光であってもよい。
本発明の電子写真感光体1は、レーザービームプリンター、CRTプリンター、LEDプリンター、FAX、液晶プリンターおよびレーザー製版などの電子写真応用分野にも幅広く適用することができる。
電子写真感光体1の表面に形成された静電潜像は、現像手段5内に収容されたトナーで現像(正規現像または反転現像)され、電子写真感光体1の表面にはトナー像が形成される。電子写真感光体1の表面に形成されたトナー像は、転写手段6により、転写材7に転写されていく。このとき、転写手段6には、バイアス電源(不図示)からトナーの保有電荷とは逆極性のバイアス電圧が印加される。また、転写材7が紙である場合、転写材7は給紙部(不図示)から取り出されて、電子写真感光体1と転写手段6との間に電子写真感光体1の回転と同期して給送される。
電子写真感光体1からトナー像が転写された転写材7は、電子写真感光体1の表面から分離されて、像定着手段8へ搬送されて、トナー像の定着処理を受けることにより、画像形成物(プリント、コピー)として電子写真装置の外へプリントアウトされる。
転写材7にトナー像を転写した後の電子写真感光体1の表面は、クリーニング手段9により、トナー(転写残りトナー)などの付着物の除去を受けて清浄される。近年、クリーナレスシステムも開発され、転写残りトナーを直接、現像器などで除去することもできる。さらに、電子写真感光体1の表面は、前露光手段(不図示)からの前露光光10により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。なお、帯電手段3が帯電ローラーなどを用いた接触帯電手段である場合は、前露光手段は必ずしも必要ではない。
本発明においては、上述の電子写真感光体1、帯電手段3、現像手段5およびクリーニング手段9などの構成要素のうち、複数の構成要素を1つの容器に納めて一体に支持してプロセスカートリッジを形成する。そして、このプロセスカートリッジを電子写真装置本体に対して着脱自在に構成することができる。例えば、帯電手段3、現像手段5およびクリーニング手段9から選択される少なくとも1つを電子写真感光体1とともに一体に支持してカートリッジ化して、電子写真装置本体のレールなどの案内手段12を用いて電子写真装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ11とすることができる。
像露光光4は、電子写真装置が複写機やプリンターである場合には、原稿からの反射光や透過光であってもよい。または、センサーで原稿を読み取り、信号化し、この信号に従って行われるレーザービームの走査、LEDアレイの駆動もしくは液晶シャッターアレイの駆動などにより放射される光であってもよい。
本発明の電子写真感光体1は、レーザービームプリンター、CRTプリンター、LEDプリンター、FAX、液晶プリンターおよびレーザー製版などの電子写真応用分野にも幅広く適用することができる。
以下に、具体的な実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。ただし、本発明は、これらに限定されるものではない。以下に記載の「部」は、「質量部」を意味する。なお、実施例および比較例の電子写真感光体の各層の膜厚は、渦電流式膜厚計(Fischerscope、フィッシャーインスツルメント社製)で求め、または、単位面積当たりの質量から比重換算で求めた。
〔合成例1〕
窒素フローの雰囲気下、フタロニトリル5.46部およびα−クロロナフタレン45部を反応釜に投入した後、加熱し、温度30℃まで昇温させた後、この温度を維持した。次に、この温度(30℃)で三塩化ガリウム3.75部を投入した。投入時の混合液の水分値は150ppmであった。その後、温度200℃まで昇温させた。次に、窒素フローの雰囲気下、温度200℃で4.5時間反応させた後、冷却し、温度150℃に達したときに生成物を濾過した。得られた濾過物をN,N−ジメチルホルムアミドを用いて温度140℃で2時間分散洗浄した後、濾過した。得られた濾過物をメタノールで洗浄した後、乾燥させ、クロロガリウムフタロシアニン顔料を4.65部(収率71%)得た。
〔合成例1〕
窒素フローの雰囲気下、フタロニトリル5.46部およびα−クロロナフタレン45部を反応釜に投入した後、加熱し、温度30℃まで昇温させた後、この温度を維持した。次に、この温度(30℃)で三塩化ガリウム3.75部を投入した。投入時の混合液の水分値は150ppmであった。その後、温度200℃まで昇温させた。次に、窒素フローの雰囲気下、温度200℃で4.5時間反応させた後、冷却し、温度150℃に達したときに生成物を濾過した。得られた濾過物をN,N−ジメチルホルムアミドを用いて温度140℃で2時間分散洗浄した後、濾過した。得られた濾過物をメタノールで洗浄した後、乾燥させ、クロロガリウムフタロシアニン顔料を4.65部(収率71%)得た。
〔合成例2〕
合成例1で得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料4.65部を、温度10℃で濃硫酸139.5部に溶解させ、攪拌下、氷水620部中に滴下して再析出させて、フィルタープレスを用いて濾過した。得られたウエットケーキ(濾過物)を2%アンモニア水で分散洗浄した後、フィルタープレスを用いて濾過した。次いで、得られたウエットケーキ(濾過物)をイオン交換水で分散洗浄した後、フィルタープレスを用いた濾過を3回繰り返し、その後、固形分23%のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料(含水ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料)を得た。
次に、得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料(含水ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料)6.6kgをハイパー・ドライ乾燥機(商品名:HD−06R、周波数(発振周波数):2455MHz±15MHz、日本バイオコン(株)製)を用いて以下のように乾燥させた。
得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を、専用円形プラスチックトレイにフィルタープレスより取り出したままの固まりの状態(含水ケーキ厚4cm以下)で載せ、遠赤外線はオフ、乾燥機の内壁の温度は50℃になるように設定した。そして、マイクロ波照射時は真空ポンプとリークバルブを調整し、真空度を4.0〜10.0kPaに調整した。
まず、第1工程として、4.8kWのマイクロ波をヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料に50分間照射し、次に、マイクロ波を一旦切ってリークバルブを一旦閉じて2kPa以下の高真空にした。この時点でのヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の固形分は88質量%であった。
第2工程として、リークバルブを調整し、真空度(乾燥機内の圧力)を前記設定値内(4.0〜10.0kPa)に調整した後、1.2kWのマイクロ波をヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料に5分間照射し、また、マイクロ波を一旦切ってリークバルブを一旦閉じて2kPa以下の高真空にした。この第2工程をさらに1回繰り返した(計2回)。この時点でのヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の固形分は98質量%であった。
さらに第3工程として、第2工程でのマイクロ波を1.2kWから0.8kWに代えた以外は第2工程と同様にしてマイクロ波照射を行った。この第3工程をさらに1回繰り返した(計2回)。
さらに第4工程として、リークバルブを調整し、真空度(乾燥機内の圧力)を前記設定値内(4.0〜10.0kPa)に復圧した後、0.4kWのマイクロ波をヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料に3分間照射し、また、マイクロ波を一旦切ってリークバルブを一旦閉じて2kPa以下の高真空にした。この第4工程をさらに7回繰り返した(計8回)。
以上、合計3時間で、含水率1質量%以下のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を1.52kg得た。
合成例1で得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料4.65部を、温度10℃で濃硫酸139.5部に溶解させ、攪拌下、氷水620部中に滴下して再析出させて、フィルタープレスを用いて濾過した。得られたウエットケーキ(濾過物)を2%アンモニア水で分散洗浄した後、フィルタープレスを用いて濾過した。次いで、得られたウエットケーキ(濾過物)をイオン交換水で分散洗浄した後、フィルタープレスを用いた濾過を3回繰り返し、その後、固形分23%のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料(含水ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料)を得た。
次に、得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料(含水ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料)6.6kgをハイパー・ドライ乾燥機(商品名:HD−06R、周波数(発振周波数):2455MHz±15MHz、日本バイオコン(株)製)を用いて以下のように乾燥させた。
得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を、専用円形プラスチックトレイにフィルタープレスより取り出したままの固まりの状態(含水ケーキ厚4cm以下)で載せ、遠赤外線はオフ、乾燥機の内壁の温度は50℃になるように設定した。そして、マイクロ波照射時は真空ポンプとリークバルブを調整し、真空度を4.0〜10.0kPaに調整した。
まず、第1工程として、4.8kWのマイクロ波をヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料に50分間照射し、次に、マイクロ波を一旦切ってリークバルブを一旦閉じて2kPa以下の高真空にした。この時点でのヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の固形分は88質量%であった。
第2工程として、リークバルブを調整し、真空度(乾燥機内の圧力)を前記設定値内(4.0〜10.0kPa)に調整した後、1.2kWのマイクロ波をヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料に5分間照射し、また、マイクロ波を一旦切ってリークバルブを一旦閉じて2kPa以下の高真空にした。この第2工程をさらに1回繰り返した(計2回)。この時点でのヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の固形分は98質量%であった。
さらに第3工程として、第2工程でのマイクロ波を1.2kWから0.8kWに代えた以外は第2工程と同様にしてマイクロ波照射を行った。この第3工程をさらに1回繰り返した(計2回)。
さらに第4工程として、リークバルブを調整し、真空度(乾燥機内の圧力)を前記設定値内(4.0〜10.0kPa)に復圧した後、0.4kWのマイクロ波をヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料に3分間照射し、また、マイクロ波を一旦切ってリークバルブを一旦閉じて2kPa以下の高真空にした。この第4工程をさらに7回繰り返した(計8回)。
以上、合計3時間で、含水率1質量%以下のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を1.52kg得た。
〔調製例1〕
合成例2で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料0.5部、および、N,N−ジメチルホルムアミド10部を、直径0.8mmのガラスビーズ20部とともにボールミルでミリング処理を室温(23℃)下、120rpmの条件で400時間行った。こうして得られた分散液からガリウムフタロシアニン結晶をN,N−ジメチルホルムアミドを用いて取り出し、濾過し、濾過器上をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。濾取物を真空乾燥させて、極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.45部得た。得られた結晶の粉末X線回折図を図2に示す。
また、NMR測定により、調製例1で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶内に、プロトン比率から換算し、N,N−ジメチルホルムアミドが1.4質量%含有されていることが確認された。N,N−ジメチルホルムアミドはテトラヒドロフランに相溶することから、N,N−ジメチルホルムアミドは結晶内に含有することが分かる。
〔調製例2〕
調製例1において、ミリング処理時間を400時間から2000時間に代えた。それ以外は、調製例1と同様に処理し、極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.43部得た。得られた極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折は、図2と同様であった。
また、NMR測定により、調製例2で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶内に、プロトン比率から換算し、N,N−ジメチルホルムアミドが0.8質量%含有されていることが確認された。
〔調製例3〕
調製例1において、N,N−ジメチルホルムアミド10部をジメチルスルホキシド10部に、ミリング処理時間を400時間から100時間に代えた。それ以外は、調製例1と同様に処理し、極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.40部得た。こうして得られた極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折は、図2と同様であった。
また、NMR測定により、調製例3で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶内に、プロトン比率から換算し、ジメチルスルホキシドが2.0質量%含有されていることが確認された。
合成例2で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料0.5部、および、N,N−ジメチルホルムアミド10部を、直径0.8mmのガラスビーズ20部とともにボールミルでミリング処理を室温(23℃)下、120rpmの条件で400時間行った。こうして得られた分散液からガリウムフタロシアニン結晶をN,N−ジメチルホルムアミドを用いて取り出し、濾過し、濾過器上をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。濾取物を真空乾燥させて、極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.45部得た。得られた結晶の粉末X線回折図を図2に示す。
また、NMR測定により、調製例1で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶内に、プロトン比率から換算し、N,N−ジメチルホルムアミドが1.4質量%含有されていることが確認された。N,N−ジメチルホルムアミドはテトラヒドロフランに相溶することから、N,N−ジメチルホルムアミドは結晶内に含有することが分かる。
〔調製例2〕
調製例1において、ミリング処理時間を400時間から2000時間に代えた。それ以外は、調製例1と同様に処理し、極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.43部得た。得られた極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折は、図2と同様であった。
また、NMR測定により、調製例2で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶内に、プロトン比率から換算し、N,N−ジメチルホルムアミドが0.8質量%含有されていることが確認された。
〔調製例3〕
調製例1において、N,N−ジメチルホルムアミド10部をジメチルスルホキシド10部に、ミリング処理時間を400時間から100時間に代えた。それ以外は、調製例1と同様に処理し、極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.40部得た。こうして得られた極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折は、図2と同様であった。
また、NMR測定により、調製例3で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶内に、プロトン比率から換算し、ジメチルスルホキシドが2.0質量%含有されていることが確認された。
〔調製例4〕
調製例3において、ミリング処理時間を100時間から2000時間に代えた。それ以外は、調製例3と同様に処理し、極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.39部得た。得られた極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折は、図2と同様であった。
また、NMR測定により、調製例4で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶内に、プロトン比率から換算し、ジメチルスルホキシドが0.7質量%含有されていることが確認された。
〔調製例5〕
調製例1において、N,N−ジメチルホルムアミド10部をN−メチルホルムアミド10部に、ミリング処理時間を400時間から200時間に代えた。それ以外は、調製例1と同様に処理し、極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.45部得た。得られた極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折は、図2と同様であった。
また、NMR測定により、調製例5で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶内に、プロトン比率から換算し、N−メチルホルムアミドが1.2質量%含有されていることが確認された。
〔調製例6〕
調製例5において、ミリング処理時間を200時間から1000時間に代えた。それ以外は、調製例5と同様に処理し、極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.43部得た。得られた極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折は、図2と同様であった。
また、NMR測定により、調製例6で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶内に、プロトン比率から換算し、N−メチルホルムアミドが0.5質量%含有されていることが確認された。
調製例3において、ミリング処理時間を100時間から2000時間に代えた。それ以外は、調製例3と同様に処理し、極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.39部得た。得られた極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折は、図2と同様であった。
また、NMR測定により、調製例4で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶内に、プロトン比率から換算し、ジメチルスルホキシドが0.7質量%含有されていることが確認された。
〔調製例5〕
調製例1において、N,N−ジメチルホルムアミド10部をN−メチルホルムアミド10部に、ミリング処理時間を400時間から200時間に代えた。それ以外は、調製例1と同様に処理し、極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.45部得た。得られた極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折は、図2と同様であった。
また、NMR測定により、調製例5で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶内に、プロトン比率から換算し、N−メチルホルムアミドが1.2質量%含有されていることが確認された。
〔調製例6〕
調製例5において、ミリング処理時間を200時間から1000時間に代えた。それ以外は、調製例5と同様に処理し、極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.43部得た。得られた極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折は、図2と同様であった。
また、NMR測定により、調製例6で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶内に、プロトン比率から換算し、N−メチルホルムアミドが0.5質量%含有されていることが確認された。
〔調製例7〕
調製例1において、N,N−ジメチルホルムアミド10部をN−n−プロピルホルムアミド10部に、ミリング処理時間を400時間から300時間に代えた。それ以外は、調製例1と同様に処理し、極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.45部得た。得られた極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折は、図2と同様であった。
また、NMR測定により、調製例7で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶内に、プロトン比率から換算し、N−n−プロピルホルムアミドが1.6質量%含有されていることが確認された。
〔調製例8〕
調製例7において、ミリング処理時間を300時間から1000時間に代えた。それ以外は、調製例7と同様に処理し、極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.43部得た。得られた極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折は、図2と同様であった。
また、NMR測定により、調製例8で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶内に、プロトン比率から換算し、N−n−プロピルホルムアミドが0.9質量%含有されていることが確認された。
〔調製例9〕
調製例1において、N,N−ジメチルホルムアミド10部をN−ビニルホルムアミド10部に、ミリング処理時間を400時間から200時間に代えた。それ以外は、調製例1と同様に処理し、極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.45部得た。得られた極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折は、図2と同様であった。
また、NMR測定により、調製例9で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶内に、プロトン比率から換算し、N−ビニルホルムアミドが1.8質量%含有されていることが確認された。
調製例1において、N,N−ジメチルホルムアミド10部をN−n−プロピルホルムアミド10部に、ミリング処理時間を400時間から300時間に代えた。それ以外は、調製例1と同様に処理し、極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.45部得た。得られた極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折は、図2と同様であった。
また、NMR測定により、調製例7で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶内に、プロトン比率から換算し、N−n−プロピルホルムアミドが1.6質量%含有されていることが確認された。
〔調製例8〕
調製例7において、ミリング処理時間を300時間から1000時間に代えた。それ以外は、調製例7と同様に処理し、極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.43部得た。得られた極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折は、図2と同様であった。
また、NMR測定により、調製例8で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶内に、プロトン比率から換算し、N−n−プロピルホルムアミドが0.9質量%含有されていることが確認された。
〔調製例9〕
調製例1において、N,N−ジメチルホルムアミド10部をN−ビニルホルムアミド10部に、ミリング処理時間を400時間から200時間に代えた。それ以外は、調製例1と同様に処理し、極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.45部得た。得られた極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折は、図2と同様であった。
また、NMR測定により、調製例9で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶内に、プロトン比率から換算し、N−ビニルホルムアミドが1.8質量%含有されていることが確認された。
〔調製例10〕
調製例9において、ミリング処理時間を200時間から600時間に代えた。それ以外は、調製例9と同様に処理し、極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.45部得た。得られた極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折は、図2と同様であった。
また、NMR測定により、調製例10で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶内に、プロトン比率から換算し、N−ビニルホルムアミドが1.5質量%含有されていることが確認された。
〔調製例11〕
調製例1において、N,N−ジメチルホルムアミド10部をN−メチル−2−ピロリドン10部に、ミリング処理時間を400時間から800時間に代えた。それ以外は、調製例1と同様に処理し、極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.44部得た。得られた極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折は、図2と同様であった。
また、NMR測定により、調製例11で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶内に、プロトン比率から換算し、N−メチル−2−ピロリドンが1.4質量%含有されていることが確認された。
〔調製例12〕
合成例1で得られたクロロガリウムフタロシアニン0.5部、および、直径0.8mmのガラスビーズ20部とともにボールミルで乾式ミリング処理を室温(23℃)下で40時間行った。そこにN,N−ジメチルホルムアミド10部を加え湿式ミリング処理を室温(23℃)下で100時間行った。
この分散液からガリウムフタロシアニン結晶をN,N−ジメチルホルムアミドを用いて取り出し、濾過し、濾過器上の濾取物をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。洗浄された濾取物を真空乾燥させて、極性溶剤含有クロロガリウムフタロシアニン結晶を0.44部得た。得られた結晶の粉末X線回折図を図3に示す。
また、NMR測定により、調製例12で得られたクロロガリウムフタロシアニン結晶内に、プロトン比率から換算し、N,N−ジメチルホルムアミドが1.0質量%含有されていることが確認された。
〔調製例13〕
調製例12において、N,N−ジメチルホルムアミド10部をN−メチルホルムアミド10部に代えた。それ以外は、調製例12と同様に処理し、クロロガリウムフタロシアニン結晶を0.45部得た。得られたクロロガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折は、図3と同様であった。
また、NMR測定により、調製例13で得られたクロロガリウムフタロシアニン結晶内に、プロトン比率から換算し、N−メチルホルムアミドが1.5質量%含有されていることが確認された。
〔調製例14〕
調製例1において、N,N−ジメチルホルムアミド10部をジメチルスルホキシド10部に、ミリング処理時間を400時間から140時間に代えた以外は、調製例1と同様に処理し、極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.41部得た。こうして得られた極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折は、図2と同様であった。
また、NMR測定により、調製例14で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶内に、プロトン比率から換算し、ジメチルスルホキシドが1.9質量%含有されていることが確認された。
調製例9において、ミリング処理時間を200時間から600時間に代えた。それ以外は、調製例9と同様に処理し、極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.45部得た。得られた極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折は、図2と同様であった。
また、NMR測定により、調製例10で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶内に、プロトン比率から換算し、N−ビニルホルムアミドが1.5質量%含有されていることが確認された。
〔調製例11〕
調製例1において、N,N−ジメチルホルムアミド10部をN−メチル−2−ピロリドン10部に、ミリング処理時間を400時間から800時間に代えた。それ以外は、調製例1と同様に処理し、極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.44部得た。得られた極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折は、図2と同様であった。
また、NMR測定により、調製例11で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶内に、プロトン比率から換算し、N−メチル−2−ピロリドンが1.4質量%含有されていることが確認された。
〔調製例12〕
合成例1で得られたクロロガリウムフタロシアニン0.5部、および、直径0.8mmのガラスビーズ20部とともにボールミルで乾式ミリング処理を室温(23℃)下で40時間行った。そこにN,N−ジメチルホルムアミド10部を加え湿式ミリング処理を室温(23℃)下で100時間行った。
この分散液からガリウムフタロシアニン結晶をN,N−ジメチルホルムアミドを用いて取り出し、濾過し、濾過器上の濾取物をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。洗浄された濾取物を真空乾燥させて、極性溶剤含有クロロガリウムフタロシアニン結晶を0.44部得た。得られた結晶の粉末X線回折図を図3に示す。
また、NMR測定により、調製例12で得られたクロロガリウムフタロシアニン結晶内に、プロトン比率から換算し、N,N−ジメチルホルムアミドが1.0質量%含有されていることが確認された。
〔調製例13〕
調製例12において、N,N−ジメチルホルムアミド10部をN−メチルホルムアミド10部に代えた。それ以外は、調製例12と同様に処理し、クロロガリウムフタロシアニン結晶を0.45部得た。得られたクロロガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折は、図3と同様であった。
また、NMR測定により、調製例13で得られたクロロガリウムフタロシアニン結晶内に、プロトン比率から換算し、N−メチルホルムアミドが1.5質量%含有されていることが確認された。
〔調製例14〕
調製例1において、N,N−ジメチルホルムアミド10部をジメチルスルホキシド10部に、ミリング処理時間を400時間から140時間に代えた以外は、調製例1と同様に処理し、極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.41部得た。こうして得られた極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折は、図2と同様であった。
また、NMR測定により、調製例14で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶内に、プロトン比率から換算し、ジメチルスルホキシドが1.9質量%含有されていることが確認された。
〔比較調製例1〕
調製例1において、ミリング処理時間を400時間から48時間に代えた。それ以外は、調製例1と同様に処理し、極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.46部得た。
また、NMR測定により、比較調製例1で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶内に、プロトン比率から換算し、N,N−ジメチルホルムアミドが2.1質量%含有されていることが確認された。
〔比較調製例2〕
調製例3において、ミリング処理時間を100時間から48時間に代えた。それ以外は、調製例3と同様に処理し、極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.41部得た。
また、NMR測定により、比較調製例2で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶内に、プロトン比率から換算し、ジメチルスルホキシドが2.1質量%含有されていることが確認された。
〔比較調製例3〕
調製例11において、ミリング処理時間を800時間から48時間に代えた。それ以外は、調製例11と同様に処理し、極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.44部得た。
また、NMR測定により、比較調製例3で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶内に、プロトン比率から換算し、N−メチル−2−ピロリドンが3.0質量%含有されていることが確認された。
調製例1において、ミリング処理時間を400時間から48時間に代えた。それ以外は、調製例1と同様に処理し、極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.46部得た。
また、NMR測定により、比較調製例1で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶内に、プロトン比率から換算し、N,N−ジメチルホルムアミドが2.1質量%含有されていることが確認された。
〔比較調製例2〕
調製例3において、ミリング処理時間を100時間から48時間に代えた。それ以外は、調製例3と同様に処理し、極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.41部得た。
また、NMR測定により、比較調製例2で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶内に、プロトン比率から換算し、ジメチルスルホキシドが2.1質量%含有されていることが確認された。
〔比較調製例3〕
調製例11において、ミリング処理時間を800時間から48時間に代えた。それ以外は、調製例11と同様に処理し、極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.44部得た。
また、NMR測定により、比較調製例3で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶内に、プロトン比率から換算し、N−メチル−2−ピロリドンが3.0質量%含有されていることが確認された。
〔実施例1〕
以下の各成分からなる溶液を20時間、ボールミルで分散処理することによって、導電層用塗布液を調製した。
・酸化スズで被覆した硫酸バリウム粒子(商品名:パストランPC1、三井金属鉱業(株)製)60部
・酸化チタン粒子(商品名:TITANIX JR、テイカ(株)製)15部
・レゾール型フェノール樹脂(商品名:フェノライト J−325、大日本インキ化学工業(株)製、固形分70質量%)43部
・シリコーンオイル(商品名:SH28PA、東レシリコーン(株)製)0.015部
・シリコーン樹脂(商品名:トスパール120、東芝シリコーン(株)製)3.6部
・2−メトキシ−1−プロパノール 50部
・メタノール 50部
この導電層用塗布液を、支持体としてのアルミニウムシリンダーの外周面上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を30分間140℃で乾燥させることによって、膜厚が15μmの導電層を形成した。
次に、共重合ナイロン樹脂(商品名:アミランCM8000、東レ(株)製)10部およびメトキシメチル化6ナイロン樹脂(商品名:トレジンEF−30T、帝国化学(株)製)30部を、メタノール400部/n−ブタノール200部の混合溶剤に溶解させることによって、下引き層用塗布液を調製した。
この下引き層用塗布液を導電層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を乾燥させることによって、膜厚が0.7μmの下引き層を形成した。
次に、調製例1で得られた極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶(電荷発生物質)10部、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)5部、および、シクロヘキサノン250部を、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミルに入れ、6時間分散処理し、これに酢酸エチル250部を加えて希釈することによって、電荷発生層用塗布液を調製した。
この電荷発生層用塗布液を下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を10分間100℃で乾燥させることによって、膜厚が0.22μmの電荷発生層を形成した。
次に、以下の各成分を、o−キシレン70部およびジメトキシメタン20部の混合溶媒に溶解させることによって、電荷輸送層用塗布液を調製した。
・下記式(CTM−1)で示される化合物(電荷輸送物質)6部
・下記式(CTM−2)で示される化合物(電荷輸送物質)3部
・例示化合物(1)1部
・指紋付着防止剤(商品名:オプツールDAC-HP、ダイキン工業社製)0.03部
・フッ素系表面改質剤(商品名:FA−E−50、日産化学工業社製)0.07部
・下記式(PcSi−1)で示される滑剤 0.1部
・ポリカーボネート(商品名:ユーピロンZ−200、三菱ガス化学(株)製)10部
以下の各成分からなる溶液を20時間、ボールミルで分散処理することによって、導電層用塗布液を調製した。
・酸化スズで被覆した硫酸バリウム粒子(商品名:パストランPC1、三井金属鉱業(株)製)60部
・酸化チタン粒子(商品名:TITANIX JR、テイカ(株)製)15部
・レゾール型フェノール樹脂(商品名:フェノライト J−325、大日本インキ化学工業(株)製、固形分70質量%)43部
・シリコーンオイル(商品名:SH28PA、東レシリコーン(株)製)0.015部
・シリコーン樹脂(商品名:トスパール120、東芝シリコーン(株)製)3.6部
・2−メトキシ−1−プロパノール 50部
・メタノール 50部
この導電層用塗布液を、支持体としてのアルミニウムシリンダーの外周面上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を30分間140℃で乾燥させることによって、膜厚が15μmの導電層を形成した。
次に、共重合ナイロン樹脂(商品名:アミランCM8000、東レ(株)製)10部およびメトキシメチル化6ナイロン樹脂(商品名:トレジンEF−30T、帝国化学(株)製)30部を、メタノール400部/n−ブタノール200部の混合溶剤に溶解させることによって、下引き層用塗布液を調製した。
この下引き層用塗布液を導電層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を乾燥させることによって、膜厚が0.7μmの下引き層を形成した。
次に、調製例1で得られた極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶(電荷発生物質)10部、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)5部、および、シクロヘキサノン250部を、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミルに入れ、6時間分散処理し、これに酢酸エチル250部を加えて希釈することによって、電荷発生層用塗布液を調製した。
この電荷発生層用塗布液を下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を10分間100℃で乾燥させることによって、膜厚が0.22μmの電荷発生層を形成した。
次に、以下の各成分を、o−キシレン70部およびジメトキシメタン20部の混合溶媒に溶解させることによって、電荷輸送層用塗布液を調製した。
・下記式(CTM−1)で示される化合物(電荷輸送物質)6部
・下記式(CTM−2)で示される化合物(電荷輸送物質)3部
・例示化合物(1)1部
・指紋付着防止剤(商品名:オプツールDAC-HP、ダイキン工業社製)0.03部
・フッ素系表面改質剤(商品名:FA−E−50、日産化学工業社製)0.07部
・下記式(PcSi−1)で示される滑剤 0.1部
・ポリカーボネート(商品名:ユーピロンZ−200、三菱ガス化学(株)製)10部
この電荷輸送層用塗布液を電荷発生層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を1時間125℃で乾燥させることによって、膜厚が15.5μmの電荷輸送層を形成した。
このようにして、円筒状(ドラム状)の実施例1の電子写真感光体を作製した。
〔実施例2〕
実施例1において、電荷発生層用塗布液を調製する際の調製例1で得られた極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を調製例2で得られた極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶に変更した。また、電荷輸送層用塗布液を調製する際の例示化合物(1)を例示化合物(6)に変更した。それ以外は、実施例1と同様にして実施例2の電子写真感光体を作製した。
〔実施例3〕
実施例1において、電荷発生層用塗布液を調製する際の調製例1で得られた極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を調製例3で得られた極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶に変更した。また、電荷輸送層用塗布液を調製する際の例示化合物(1)を例示化合物(9)に変更した。それ以外は、実施例1と同様にして実施例3の電子写真感光体を作製した。
〔実施例4〕
実施例3において、電荷発生層用塗布液を調製する際の調製例1で得られた極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を調製例4で得られた極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶に変更した。それ以外は、実施例3と同様にして実施例4の電子写真感光体を作製した。
このようにして、円筒状(ドラム状)の実施例1の電子写真感光体を作製した。
〔実施例2〕
実施例1において、電荷発生層用塗布液を調製する際の調製例1で得られた極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を調製例2で得られた極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶に変更した。また、電荷輸送層用塗布液を調製する際の例示化合物(1)を例示化合物(6)に変更した。それ以外は、実施例1と同様にして実施例2の電子写真感光体を作製した。
〔実施例3〕
実施例1において、電荷発生層用塗布液を調製する際の調製例1で得られた極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を調製例3で得られた極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶に変更した。また、電荷輸送層用塗布液を調製する際の例示化合物(1)を例示化合物(9)に変更した。それ以外は、実施例1と同様にして実施例3の電子写真感光体を作製した。
〔実施例4〕
実施例3において、電荷発生層用塗布液を調製する際の調製例1で得られた極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を調製例4で得られた極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶に変更した。それ以外は、実施例3と同様にして実施例4の電子写真感光体を作製した。
〔実施例5〕
実施例1において、電荷発生層用塗布液を調製する際の調製例1で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を調製例5で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶に変更した。それ以外は、実施例1と同様にして実施例5の電子写真感光体を作製した。
〔実施例6〕
実施例1において、電荷発生層用塗布液を調製する際の調製例1で得られた極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を調製例6で得られた極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶に変更した。また、電荷輸送層用塗布液を調製する際の例示化合物(1)を例示化合物(25)に変更した。それ以外は、実施例1と同様にして実施例6の電子写真感光体を作製した。
〔実施例7〕
実施例1において、電荷発生層用塗布液を調製する際の調製例1で得られた極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を調製例7で得られた極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶に変更した。また、電荷輸送層用塗布液を調製する際の例示化合物(1)を例示化合物(13)に変更した。それ以外は、実施例1と同様にして実施例7の電子写真感光体を作製した。
〔実施例8〕
実施例1において、電荷発生層用塗布液を調製する際の調製例1で得られた極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を調製例8で得られた極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶に変更した。また、電荷輸送層用塗布液を調製する際の例示化合物(1)を例示化合物(5)に変更した。それ以外は、実施例1と同様にして実施例8の電子写真感光体を作製した。
実施例1において、電荷発生層用塗布液を調製する際の調製例1で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を調製例5で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶に変更した。それ以外は、実施例1と同様にして実施例5の電子写真感光体を作製した。
〔実施例6〕
実施例1において、電荷発生層用塗布液を調製する際の調製例1で得られた極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を調製例6で得られた極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶に変更した。また、電荷輸送層用塗布液を調製する際の例示化合物(1)を例示化合物(25)に変更した。それ以外は、実施例1と同様にして実施例6の電子写真感光体を作製した。
〔実施例7〕
実施例1において、電荷発生層用塗布液を調製する際の調製例1で得られた極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を調製例7で得られた極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶に変更した。また、電荷輸送層用塗布液を調製する際の例示化合物(1)を例示化合物(13)に変更した。それ以外は、実施例1と同様にして実施例7の電子写真感光体を作製した。
〔実施例8〕
実施例1において、電荷発生層用塗布液を調製する際の調製例1で得られた極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を調製例8で得られた極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶に変更した。また、電荷輸送層用塗布液を調製する際の例示化合物(1)を例示化合物(5)に変更した。それ以外は、実施例1と同様にして実施例8の電子写真感光体を作製した。
〔実施例9〕
実施例1において、電荷発生層用塗布液を調製する際の調製例1で得られた極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を調製例9で得られた極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶に変更した。また、電荷輸送層用塗布液を調製する際の例示化合物(1)を例示化合物(26)に変更した。それ以外は、実施例1と同様にして実施例9の電子写真感光体を作製した。
〔実施例10〕
実施例1において、電荷発生層用塗布液を調製する際の調製例1で得られた極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を調製例10で得られた極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶に変更した。また、電荷輸送層用塗布液を調製する際の例示化合物(1)1部を例示化合物(22)0.3部に変更した。それ以外は、実施例1と同様にして実施例10の電子写真感光体を作製した。
〔実施例11〕
実施例1において、電荷発生層用塗布液を調製する際の調製例1で得られた極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を調製例11で得られた極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶に変更した。また、電荷輸送層用塗布液を調製する際の例示化合物(1)を例示化合物(15)に変更した。それ以外は、実施例1と同様にして実施例11の電子写真感光体を作製した。
〔実施例12〕
実施例1において、電荷発生層用塗布液を調製する際の調製例1で得られた極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を調製例12で得られた極性溶剤含有クロロガリウムフタロシアニン結晶に変更した。また、電荷輸送層用塗布液を調製する際の例示化合物(1)1部を例示化合物(18)0.3部に変更した。それ以外は、実施例1と同様にして実施例12の電子写真感光体を作製した。
〔実施例13〕
実施例1において、電荷発生層用塗布液を調製する際の調製例1で得られた極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を調製例13で得られた極性溶剤含有クロロガリウムフタロシアニン結晶に変更した。また、電荷輸送層用塗布液を調製する際の例示化合物(1)1部を例示化合物(19)0.3部に変更した。それ以外は、実施例1と同様にして実施例13の電子写真感光体を作製した。
〔実施例14〕
実施例3において、電荷発生層用塗布液を調製する際の調製例3で得られた極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を調製例14で得られた極性溶剤含有ヒドロキシガリウム結晶に変更した以外は、実施例3と同様にして実施例14の電子写真感光体を作製した。
実施例1において、電荷発生層用塗布液を調製する際の調製例1で得られた極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を調製例9で得られた極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶に変更した。また、電荷輸送層用塗布液を調製する際の例示化合物(1)を例示化合物(26)に変更した。それ以外は、実施例1と同様にして実施例9の電子写真感光体を作製した。
〔実施例10〕
実施例1において、電荷発生層用塗布液を調製する際の調製例1で得られた極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を調製例10で得られた極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶に変更した。また、電荷輸送層用塗布液を調製する際の例示化合物(1)1部を例示化合物(22)0.3部に変更した。それ以外は、実施例1と同様にして実施例10の電子写真感光体を作製した。
〔実施例11〕
実施例1において、電荷発生層用塗布液を調製する際の調製例1で得られた極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を調製例11で得られた極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶に変更した。また、電荷輸送層用塗布液を調製する際の例示化合物(1)を例示化合物(15)に変更した。それ以外は、実施例1と同様にして実施例11の電子写真感光体を作製した。
〔実施例12〕
実施例1において、電荷発生層用塗布液を調製する際の調製例1で得られた極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を調製例12で得られた極性溶剤含有クロロガリウムフタロシアニン結晶に変更した。また、電荷輸送層用塗布液を調製する際の例示化合物(1)1部を例示化合物(18)0.3部に変更した。それ以外は、実施例1と同様にして実施例12の電子写真感光体を作製した。
〔実施例13〕
実施例1において、電荷発生層用塗布液を調製する際の調製例1で得られた極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を調製例13で得られた極性溶剤含有クロロガリウムフタロシアニン結晶に変更した。また、電荷輸送層用塗布液を調製する際の例示化合物(1)1部を例示化合物(19)0.3部に変更した。それ以外は、実施例1と同様にして実施例13の電子写真感光体を作製した。
〔実施例14〕
実施例3において、電荷発生層用塗布液を調製する際の調製例3で得られた極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を調製例14で得られた極性溶剤含有ヒドロキシガリウム結晶に変更した以外は、実施例3と同様にして実施例14の電子写真感光体を作製した。
〔比較例1〕
実施例1において、電荷発生層用塗布液を調製する際の調製例1で得られた極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を比較調製例1で得られた極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶に変更した。また、電荷輸送層用塗布液を調製する際の例示化合物(1)を加え無かったこと以外は、実施例1と同様にして比較例1の電子写真感光体を作製した。
〔比較例2〕
実施例1において、電荷発生層用塗布液を調製する際の調製例1で得られた極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を比較調製例2で得られた極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶に変更した。また、電荷輸送層用塗布液を調製する際の例示化合物(1)を加え無かったこと以外は、実施例1と同様にして比較例2の電子写真感光体を作製した。
〔比較例3〕
実施例1において、電荷発生層用塗布液を調製する際の調製例1で得られた極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を比較調製例3で得られた極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶に変更した。また、電荷輸送層用塗布液を調製する際の例示化合物(1)を加え無かったこと以外は、実施例1と同様にして比較例3の電子写真感光体を作製した。
〔比較例4〕
実施例3において、電荷輸送層用塗布液を調製する際の例示化合物(9)を加え無かったこと以外は、実施例3と同様にして比較例4の電子写真感光体を作製した。
〔比較例5〕
実施例3において、電荷発生層用塗布液を調製する際の調製例1で得られた極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を比較調製例2で得られた極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶に変更した。それ以外は、実施例3と同様にして比較例5の電子写真感光体を作製した。
〔比較例6〕
実施例12において、電荷輸送層用塗布液を調製する際の例示化合物(18)を加え無かったこと以外は、実施例12と同様にして比較例6の電子写真感光体を作製した。
以上の実施例2〜14及び比較例1〜6においては、極性溶剤含有フタロシアニン結晶及び式(1)の化合物にかかる材料変更を行う以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。この材料変更を表1及び表2に示す。
実施例1において、電荷発生層用塗布液を調製する際の調製例1で得られた極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を比較調製例1で得られた極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶に変更した。また、電荷輸送層用塗布液を調製する際の例示化合物(1)を加え無かったこと以外は、実施例1と同様にして比較例1の電子写真感光体を作製した。
〔比較例2〕
実施例1において、電荷発生層用塗布液を調製する際の調製例1で得られた極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を比較調製例2で得られた極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶に変更した。また、電荷輸送層用塗布液を調製する際の例示化合物(1)を加え無かったこと以外は、実施例1と同様にして比較例2の電子写真感光体を作製した。
〔比較例3〕
実施例1において、電荷発生層用塗布液を調製する際の調製例1で得られた極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を比較調製例3で得られた極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶に変更した。また、電荷輸送層用塗布液を調製する際の例示化合物(1)を加え無かったこと以外は、実施例1と同様にして比較例3の電子写真感光体を作製した。
〔比較例4〕
実施例3において、電荷輸送層用塗布液を調製する際の例示化合物(9)を加え無かったこと以外は、実施例3と同様にして比較例4の電子写真感光体を作製した。
〔比較例5〕
実施例3において、電荷発生層用塗布液を調製する際の調製例1で得られた極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を比較調製例2で得られた極性溶剤含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶に変更した。それ以外は、実施例3と同様にして比較例5の電子写真感光体を作製した。
〔比較例6〕
実施例12において、電荷輸送層用塗布液を調製する際の例示化合物(18)を加え無かったこと以外は、実施例12と同様にして比較例6の電子写真感光体を作製した。
以上の実施例2〜14及び比較例1〜6においては、極性溶剤含有フタロシアニン結晶及び式(1)の化合物にかかる材料変更を行う以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。この材料変更を表1及び表2に示す。
〔実施例1〜14および比較例1〜6の評価〕
実施例1〜14および比較例1〜6の電子写真感光体について、10,000枚繰り返し使用時の明部電位の変動(電位変動)について行った。
評価装置としては、HP製レーザービームプリンターCP−4525を、電子写真感光体の帯電電位(暗部電位)を調整できるように改造して用いた。評価は、温度23℃、相対湿度50%環境下で行った。
<電位変動評価>
評価装置の780nmのレーザー光源の露光量(画像露光量)については、電子写真感光体の表面での光量が0.37μJ/cm2となるように設定した。電子写真感光体の表面電位(暗部電位および明部電位)の測定は、電子写真感光体の端部から130mmの位置に電位測定用プローブが位置するように固定された冶具と現像器とを交換して、現像器位置で行った。電子写真感光体の非露光部の暗部電位が−500Vとなるように設定し、レーザー光を照射して暗部電位から光減衰させた明部電位を測定した。また、A4サイズの普通紙を用い、連続して画像出力を10,000枚行い、その前後での明部電位の変動量を評価した。テストチャートは、印字比率4%のものを用いた。結果を表3中の電位変動に示す。
実施例1〜14および比較例1〜6の電子写真感光体について、10,000枚繰り返し使用時の明部電位の変動(電位変動)について行った。
評価装置としては、HP製レーザービームプリンターCP−4525を、電子写真感光体の帯電電位(暗部電位)を調整できるように改造して用いた。評価は、温度23℃、相対湿度50%環境下で行った。
<電位変動評価>
評価装置の780nmのレーザー光源の露光量(画像露光量)については、電子写真感光体の表面での光量が0.37μJ/cm2となるように設定した。電子写真感光体の表面電位(暗部電位および明部電位)の測定は、電子写真感光体の端部から130mmの位置に電位測定用プローブが位置するように固定された冶具と現像器とを交換して、現像器位置で行った。電子写真感光体の非露光部の暗部電位が−500Vとなるように設定し、レーザー光を照射して暗部電位から光減衰させた明部電位を測定した。また、A4サイズの普通紙を用い、連続して画像出力を10,000枚行い、その前後での明部電位の変動量を評価した。テストチャートは、印字比率4%のものを用いた。結果を表3中の電位変動に示す。
1 電子写真感光体
2 軸
3 帯電手段
4 像露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 転写材
8 像定着手段
9 クリーニング手段
10 前露光光
11 プロセスカートリッジ
12 案内手段
2 軸
3 帯電手段
4 像露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 転写材
8 像定着手段
9 クリーニング手段
10 前露光光
11 プロセスカートリッジ
12 案内手段
Claims (10)
- 支持体と、該支持体上に設けられた電荷発生層と、該電荷発生層上に設けられた電荷輸送層とを有する電子写真感光体において、
該電荷発生層が、極性溶剤を結晶内に含有するガリウムフタロシアニン結晶を含有し、
該極性溶剤が、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N−プロピルホルムアミド、N−ビニルホルムアミド及びN−メチルピロリドンからなる群から選択される少なくとも1種であり、
該極性溶剤を含有するガリウムフタロシアニン結晶は、該極性溶剤をガリウムフタロシアニンに対して0.1質量%以上2.0質量%以下含有し、
該電荷輸送層が、下記式(1)で示される化合物を含有する
ことを特徴とする電子写真感光体。
(式(1)中、A、B、およびCは、それぞれ独立して下記構造のいずれかを示し、nは2または3を示す。)
(上記構造中、a部位はA構造との結合位置を示す。b部位はB構造との結合位置を示す。c部位はC構造との結合位置を示す。R1〜R6はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、またはアルキル基を示す。mは1または2を示す。) - 前記極性溶剤を含有するガリウムフタロシアニン結晶は、前記極性溶剤をガリウムフタロシアニンに対して0.1質量%以上1.9質量%以下含有する請求項1に記載の電子写真感光体。
- 前記極性溶剤を含有するガリウムフタロシアニン結晶は、前記極性溶剤をガリウムフタロシアニンに対して0.3質量%以上1.5質量%以下含有する請求項2に記載の電子写真感光体。
- 前記極性溶剤がN−メチルホルムアミド、N−プロピルホルムアミド、およびN−ビニルホルムアミドからなる群から選択される少なくとも1種である請求項1〜3のいずれか一項に記載の電子写真感光体。
- 前記式(1)中のR1〜R6が、それぞれ独立に、水素原子、またはメチル基である請求項1〜4のいずれか一項に記載の電子写真感光体。
- 前記ガリウムフタロシアニン結晶が、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶またはクロロガリウムフタロシアニン結晶である請求項1〜7のいずれか一項に記載の電子写真感光体。
- 請求項1〜8のいずれか一項に記載の電子写真感光体と、該電子写真感光体の表面を帯電するための帯電手段、該電子写真感光体の表面に形成された静電潜像をトナーで現像してトナー像を形成するための現像手段、および、該トナー像が転写材に転写された後の該電子写真感光体の表面のトナーを除去するためのクリーニング手段からなる群より選ばれる少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
- 請求項1〜8のいずれか一項に記載の電子写真感光体、ならびに、該電子写真感光体の表面を帯電するための帯電手段、帯電された該電子写真感光体の表面に像露光光を照射して静電潜像を形成するための像露光手段、該電子写真感光体の表面に形成された静電潜像をトナーで現像してトナー像を形成するための現像手段、および、該電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を転写材に転写するための転写手段を有することを特徴とする電子写真装置。
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