JP3369515B2 - フタロシアニン結晶及びその製造方法と、これを含有した電子写真感光体 - Google Patents
フタロシアニン結晶及びその製造方法と、これを含有した電子写真感光体Info
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Description
より合成されたフタロシニン結晶及びその製造方法、及
びこれを含有した高感度な電子写真感光体に関する。
展に伴い、レーザ光やLEDを光源とする高画質・高速
化の可能な電子写真方式の光プリンタが広く普及しつつ
あり、それらの要求に耐える感光体開発が盛んである。
に比較して製造が容易であり、感光体材料の選択肢が多
様で、機能設計の自由度が高いという利点を有すること
から広範に使用されてきている。
とともに同一の感光層中に分散させた単層型感光体と、
電荷発生剤を含有する電荷発生層と電荷輸送剤を含有す
る電荷輸送層とを積層した機能分離型の積層型感光体と
がある。
便さ等の点から、多くは半導体レーザが使用されるが、
現在半導体レーザの発振波長は750nm以上であり、
赤外領域に限定されている。従って、少なくとも750
〜850nmの波長領域に感度を有する有機感光体が必
要である。
る電荷発生剤として、例えば、多環キノン顔料、ピリリ
ウム染料、スクエアリウム顔料、フタロシアニン顔料、
アゾ顔料等が、提案または実用化されてきた。
に使用されているフタロシニン顔料には、中心金属を有
さないメタルフリーフタロシニンと、中心金属を有する
金属フタロシアニンとがあり、またα型、β型、γ型
等、種々の結晶型のものがある。中心金属の有無・種
類、結晶型等は、安定性、吸収スペクトル、感光体の帯
電・感度に大きな影響を及ぼす。
体の更なる高感度化方法として、感光層中に有機アクセ
プター性化合物を添加する方法が検討されている。例え
ば、特開平7−104495には、積層型感光体の電荷
発生層中に有機アクセプター性化合物を含有させる方法
が、特開平6−123984には、単層型感光体の結着
剤中に有機アクセプター性化合物を添加する方法が記載
されている。
製造段階において有機アクセプター性化合物を添加する
方法、すなわち感光層塗布液作製段階において有機アク
セプター性化合物を添加する方法であり、例えば高速の
画像形成装置においては、感光体の光感度が十分でない
という問題があり、一層の光感度向上が望まれている。
な製造方法により合成されたフタロシニン結晶、及びこ
れを含有した極めて高感度な電子写真感光体を提供する
ことである。
を解決すべく鋭意検討した結果、有機アクセプター性化
合物を、単に感光層中に添加するのではなく、顔料化工
程時に有機アクセプター性化合物を添加して製造したフ
タロシアニン結晶を電荷発生剤として含有する感光体が
極めて高感度であることを見出した。
ー性化合物を、単に感光層中に添加するのではなく、顔
料化工程時に有機アクセプター性化合物を添加して製造
したフタロシアニン結晶を電荷発生剤として含有する感
光体が極めて高感度を示す。この理由は以下のように推
測される。
を添加して製造したフタロシアニン結晶においては、フ
タロシアニン分子と有機アクセプター性化合物分子が分
子状態で会合し、そのまま結晶化されるため、感光層中
における両分子の分子間距離が非常に小さく、また両分
子が会合した状態で均一分散される。すなわち、フタロ
シアニン結晶中に有機アクセプター性化合物が含有され
た形態となる。このため、フタロシニン中で発生した電
荷の授受が極めてスムーズに行われるため、感光体が極
めて高感度を示すと考えられる。
に有機アクセプター性化合物を添加する方法では、感光
層中におけるフタロシアニン分子と有機アクセプター性
化合物分子の分子間距離が比較的長く、また有機アクセ
プター性化合物分子の結晶化や分散不良が発生し、電荷
の授受もスムーズでない。
ター性化合物の、参照電極(Ag+/Ag)に対する還
元電位は−1.5V以上、−0.5V以下である必要が
ある。有機アクセプター性化合物の還元電位が−1.5
V未満の場合は、アクセプター性が弱すぎるため感光体
は高感度を示さない。−0.5Vより大きい場合は、フ
タロシアニンと有機アクセプター性化合物間での錯体形
成による熱キャリア増加のため、感光体の帯電性、感度
が極めて悪化する。
位はサイクリックボルタンメトリー測定により求めた。
測定条件を以下に示す。
−アセトニトリル溶液) ・ 試料溶液 電解質:過塩素酸テトラ-n-ブチルアンモニウム(0.
1mol) 測定物質:アクセプター化合物(0.001mol) 溶剤:ジクロロメタン(1L)
ター性化合物の感光層塗布溶媒に対する溶解度は10w
t%未満であることが特に好ましい。溶解度が10wt
%以上であると、感光層塗布液中において、フタロシニ
ン分子と会合していた有機アクセプター性化合物分子が
溶媒中に拡散し易くなり、感光体の増感効果が極めて低
下する。
体は、顔料化工程時に有機アクセプター性化合物を添加
して製造した新規なフタロシアニン結晶を電荷発生剤と
して含有する限り、任意の感光体であってよく、電荷発
生剤と電荷輸送剤とを単一感光層中に含有する単層型感
光体であってもよく、また電荷発生層と電荷輸送層とを
積層した積層型感光体であってもよい。
について詳細に説明する。
使用される電荷発生剤は、少なくとも、顔料化工程時
に、後述する有機アクセプター性化合物を添加して製造
したフタロシアニン結晶を含有していればよく、単独で
使用し得ると共に、他の電荷発生剤と二種類以上をブレ
ンドして使用することができる。
メタルフリーフタロシニン(CGM−1)、アルミニウ
ムフタロシアニン、バナジウムフタロシニン、カドミウ
ムフタロシアニン、アンチモンフタロシニン、クロムフ
タロシニン、銅4−フタロシニン、ゲルマニウムフタロ
シニン、鉄フタロシニン、クロロアルミニウムフタロシ
ニン、チタニルフタロシニン(CGM−2)、クロロイ
ンジウムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシニ
ン、マグネシウムフタロシニン、ジアルキルフタロシニ
ン、テトラメチルフタロシニン、テトラフェニルフタロ
シニン等が挙げられる。また結晶型も、例えば、α型、
β型、γ型、δ型、ε型、σ型、x型、τ型等のものが
何れも使用可能である。
て使用できる他の電荷発生剤としては、従来から感光層
に使用されている種々の電荷発生剤を使用することがで
きる。
ファスシリコン、多環キノン顔料、ピリリウム染料、ス
クエアリウム顔料、フタロシアニン顔料、アゾ顔料、ジ
スアゾ顔料、アンサンスロン顔料、インジゴ顔料、スレ
ン顔料、トルイジン顔料、ピラゾリン顔料、ペリレン顔
料、キナクリドン顔料等が挙げられる。
項1、2記載のように参照電極(Ag+/Ag)に対す
る還元電位が−1.5V以上、−0.5V以下で、 一般式(1):
て、水素原子、ハロゲン原子、または、置換基を有して
もよい、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキ
シ基、アリール基、アラルキル基、シクロアルキル基、
シアノ基、ニトロ基、アミノ基を示す。ただし、R1と
R2またはR3とR4は互いに環を形成してもよい。) 、一般式(2):
R12は、同一または異なって、水素原子、ハロゲン原
子、または、置換基を有してもよい、アルキル基、ハロ
ゲン化アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アラル
キル基、シクロアルキル基、シアノ基、ニトロ基、アミ
ノ基を示す。ただし、R5とR6、R7とR8、R9とR10
またはR11とR12は互いに環を形成してもよい。更に、
A1は置換基を有してもよい飽和または不飽和のアルキ
ル基、アリール基、または置換基を有してもよい複素環
を示す。) 、一般式(3):
て、酸素原子またはC(CN)2を示し、R13、R14お
よびR15は、同一または異なって、水素原子、ハロゲン
原子、または、置換基を有してもよい、アルキル基、ハ
ロゲン化アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アラ
ルキル基、シクロアルキル基、シアノ基、ニトロ基、ア
ミノ基を示す。更に、Y1、Y2は、同一または異なっ
て、炭素原子、酸素原子、窒素原子を示す。) または一般式(4):
子またはC(CN)2を示し、R16、R17およびR18
は、同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、ま
たは、置換基を有してもよい、アルキル基、ハロゲン化
アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アラルキル
基、シクロアルキル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基
を示す。ただし、R16とR17は互いに環を形成してもよ
い。) で表わされるものであり、特に感光層塗布溶媒に対する
溶解度が10wt%未満の化合物が使用される。
ェノキノン誘導体、ナフトキノン誘導体、ジナフトキノ
ン誘導体、ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体
が特に好適に使用される。
独で使用し得ると共に、他の有機アクセプター性化合物
と二種類以上をブレンドして使用することができる。以
下に、有機アクセプター性化合物の具体例を示す。ま
た、還元電位の値と、実施例で使用した感光層塗布溶媒
としてのテトラヒドロフラン(THF)に対する溶解度
も同時に示した。
程時に前記有機アクセプター性化合物を添加することに
より製造されることを特徴とする。
ンと有機アクセプター性化合物が共に溶解する溶媒(ト
リフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸等のトリハロ酢酸、ト
リハロ酢酸/ジクロロメタン混合溶媒、硫酸、等)中
に、20〜50℃の温度にて溶解させ、この溶液を水/
メタノールの混合溶媒等に滴下させて結晶を析出させる
工程を示す。
親和性のある溶媒(メタノール等)にて洗浄し、最終的
には、不純物(酸・アルカリ等)の残留を無くすため、
大量の中性溶剤(水等)によりろ液が中性になるまで洗
浄し、所望の結晶への、乾式または湿式による結晶変換
工程を経た後、真空乾燥等により十分に乾燥させる。
は、前記フタロシアニンに対して0.5wt%以上、1
00wt%以下であることが好ましい。有機アクセプタ
ー性化合物の添加量が0.5wt%未満の場合は増感効
果が小さく、100wt%より多い場合は、感光層塗布
液中において、フタロシニン分子と会合していた有機ア
クセプター性化合物分子が溶媒中に拡散し易くなった
り、また有機アクセプター性化合物単独の結晶も発生し
易くなる。
に用いられる電荷輸送材料としては、従来から感光層に
使用されている種々の電荷輸送材料を使用することがで
きる。
ェニル)−1,3,4−オキサジアゾール等のオキサジ
アゾール系の化合物、9−4−(ジエチルアミノスチリ
ル)アントラセン等のスチリル系化合物、ポリビニルカ
ルバゾール等のカルバゾール系化合物、有機ポリシラン
化合物、1−フェニル−3(p−ジメチルアミノフェニ
ル)ピラゾリン等のピラゾリン系化合物、ヒドラゾン系
化合物、トリフェニルアミン系化合物、インドール系化
合物、オキサゾール系化合物、イソオキサゾール系化合
物、チアゾール系化合物、チアジアゾール系化合物、イ
ミダゾール系化合物、ピラゾール系化合物、トリアゾー
ル系化合物、スチルベン系化合物等の含窒素環式化合物
等のホール輸送剤、または、ピレン系化合物、カルバゾ
ール系化合物、ヒドラゾン系化合物、N,N−ジアルキ
ルアニリン系化合物、ジフェニルアミン系化合物、トリ
フェニルアミン系化合物、トリフェニルアミン系化合
物、トリフェニルメタン系化合物、ナフトキノン系化合
物、ピラゾリン系化合物、スチリル系化合物等の電子輸
送剤があげられる。これらの電荷輸送剤は、単独または
二種類以上をブレンドして使用できる。
体に使用されるバインダー樹脂としては、従来から感光
層に使用されている種々の樹脂を使用することができ
る。
スフェノールZ骨格等を有する種々のポリカーボネート
樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエステル樹脂、更には
スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニ
トリル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、アク
リル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、ポリエ
チレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエ
チレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、アイオノマ
ー、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アルキド樹脂、
ポリアミド、ポリウレタン、ポリスルホン、ジアリルフ
タレート樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹
脂、ポリエーテル樹脂等の熱可塑性樹脂、シリコーン樹
脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミ
ン樹脂、その他架橋性の熱硬化性樹脂、エポキシアクリ
レート、ウレタン−アクリレート等の光硬化型樹脂等の
樹脂があげられる。これらのバインダー樹脂は単独また
は二種類以上をブレンドして使用できる。
ンライト、三菱瓦斯化学(株)社製PCZ等のビスフェ
ノールZ型モノマーとホスゲンとから誘導されるビスフ
ェノールZ型ポリカーボネートである。
は5,000〜200,000、更には15,000〜
100,000が好ましい。
μm、更には10〜50μm程度が好ましい。また、電
荷発生剤はバインダー樹脂重量に対して0.1〜50重
量%、更には0.5〜30重量%、電荷輸送剤は全バイ
ンダー樹脂に対して20〜500重量%、更には30〜
200重量%含有させることが好ましい。単層型の場
合、電荷輸送剤として、ホール輸送剤と電子輸送剤とを
ブレンドして使用するのが特に好ましい。
膜厚は0.01〜5μm、更には0.1〜3μm程度が
好ましく、電荷輸送層の膜厚は2〜100μm、更には
5〜50μm程度が好ましい。また、電荷発生層には電
荷発生材料を全バインダー樹脂重量に対して0.1〜5
0重量%、更には0.5〜30重量%、電荷輸送層には
電荷輸送材料を全バインダー樹脂に対して20〜500
重量%、更には30〜200重量%含有させることが好
ましい。
電のいずれでも適用可能であるが、単層型は正帯電型、
積層型は負帯電型で使用するのが特に好ましい。積層型
を負帯電で使用する場合、一般的に、支持体側から電荷
発生層、電荷輸送層の順に積層される。
写真特性に悪影響を与えない範囲で、従来公知の種々の
添加剤、例えば、酸化防止剤、ラジカル補足剤、一重項
クエンチャー、紫外線吸収剤等の劣化防止剤、軟化剤、
可塑剤、表面改質剤、増量剤、増粘剤、分散安定剤、ワ
ックス、アクセプター、ドナー等を配合することができ
る。また、感光層の感度を向上させるために、例えば、
テルフェニル、ハロナフトキノン類、アセナフチレン等
の公知の増感剤を電荷発生剤と併用してもよい。
を阻害しない範囲で下引き(アンダーコート)層が形成
されていてもよい。また、感光体の表面には、保護(オ
ーバーコート)層が形成されていてもよい。
性を有する種々の材料を使用することができ、例えば、
鉄、アルミニウム、銅、スズ、白金、銀、バナジウム、
モリブデン、クロム、カドミウム、チタン、ニッケル、
パラジウム、インジウム、ステンレス鋼、真鍮等の金属
単体や、上記金属が蒸着またはラミネートされたプラス
チック材料、ヨウ化アルミニウム、酸化スズ、酸化イン
ジウム等で被覆されたガラス等があげられる。
構造に合わせて、シート状、ドラム状等のいずれであっ
てもよく、支持体自体が導電性を有するか、あるいは支
持体の表面が導電性を有していればよい。また、支持体
は使用に際して十分な機械的強度を有するものが好まし
い。
は、前記例示の電荷発生剤、電荷輸送剤、バインダー樹
脂等を適当な溶剤とともに、公知の方法、例えば、ロー
ルミル、ボールミル、アトライタ、ペイントシエーカ
ー、超音波分散機等を用いて分散混合して分散液を調整
し、これを公知の手段により塗布して乾燥させればよ
い。
は、種々の有機溶剤が使用可能であり、例えば、メタノ
ール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等の
アルコール類、n−ヘキサン、オクタン、シクロヘキサ
ン等の脂肪族系炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン等の芳香族系炭化水素、ジクロロメタン、ジクロロエ
タン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼン等の
ハロゲン化炭化水素、ジメチルエーテル、ジエチルエー
テル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチ
ルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等
のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロ
ヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸メチル等の
エステル類、ジメチルホルムアルデヒド、ジメチルホル
ムアミド、ジメチルスルホキシド等があげられる。これ
らの溶剤は単独で、または二種以上ブレンドして用いら
れる。
性、感光層表面の平滑性を良くするために、各種カップ
リング剤、各種界面活性剤、シリコンオイル等のレベリ
ング剤を使用してもよい。
をあげて本発明を説明する。なお、以下の実施形態は本
発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を
限定するものではない。
(CG−1)の合成 アルゴン置換したフラスコ中へ、1,3−ジイミノイソ
インドリン(25g)、チタンテトラブトキシド(1
4.6g)、ジフェニルメタン(300g)を混合し、
150℃まで昇温した。ここで発生する蒸気を反応系外
へ留去しながら、系内温度を200℃まで昇温した。こ
の後、さらに4時間撹拌し反応を行った。
した後、反応混合物をガラスフィルターにて濾過した。
得られた固体を、あらかじめ加熱しておいたジメチルホ
ルムアミド(DMF)で2回洗浄し、さらに、DMF、
メタノールで洗浄し、真空乾燥を行い、チタニルフタロ
シアニン(24g)を得た。
アクセプター性化合物として、前記AC−1(0.2
g)を混合し、ジクロロメタン/トリフルオロ酢酸の混
合溶液(体積比4/1)100mlに溶解させた。この
溶液を、メタノール/水(体積比1/1)1L中へ滴下
させた。滴下終了後、15分間室温にて撹拌し、30分
間静置した後ガラスフィルターにて濾過した。得られた
固体を、ろ液が中性になるまで水洗した後、クロロベン
ゼン200ml中に再分散し、1時間撹拌後ガラスフィ
ルターにて濾過した。得られた固体を50℃で5時間真
空乾燥を行い、チタニルフタロシアニン結晶(CG−
1):4.2gを得た。
ニン結晶(CG−2、−3、−4)の合成 有機アクセプター性化合物として、前記AC−2、AC
−3、AC−4を使用した以外は、合成例1と同様にし
てチタニルフタロシアニン結晶(CG−2、−3、−
4)を得た。
タロシアニン結晶(CG−5、−6、−7、−8)の合
成 有機アクセプター性化合物として、下記AC−5、AC
−6、AC−7、AC−8を使用した以外は、合成例1
と同様にしてチタニルフタロシアニン結晶(CG−5、
−6、−7、−8)を得た。
結晶(CG−9)の合成有機アクセプター性化合物を使
用しない以外は、製造例1と同様にしてチタニルフタロ
シアニン結晶(CG−9)を得た。
ルフタロシアニン結晶(CG−1〜−4)から選択され
た1種(5重量部)、ホール輸送剤としてHT−1〜−
15から選択された1種(70重量部)、電子輸送剤と
して、ET−1〜−3から選択された1種(30重量
部)、バインダー樹脂として重量平均分子量50,00
0のbis−Z型ポリカーボネート樹脂(100重量
部)、テトラヒドロフラン(800重量部)を、超音波
分散機にて分散あるいは溶解させ、単層型感光層用塗布
液を調合した。そしてこの塗布液を、支持体としてのア
ルミニウム素管上にディップコート法にて塗布し、11
0℃、1時間の熱風乾燥を行い、膜厚25μmの単一感
光層を有する単層型感光体を作製した。
ルフタロシアニン結晶(CG−9)を使用した以外は、
実施例1〜144と同様にして単層型感光体を作製し
た。
られたチタニルフタロシアニン結晶(CG−5、−6、
−7、−8)を使用した以外は、実施例1〜144と同
様にして単層型感光体を作製した。
2重量部、感光層塗布液中に直接添加(単純添加)する
以外は、比較例1〜36と同様にして単層型感光体を作
製した。
ルフタロシアニン結晶(CG−1〜−4)から選択され
た1種(250重量部)、バインダー樹脂として重量平
均分子量2,000のポリビニルブチラール(100重
量部)、テトラヒドロフラン(1,500重量部)を、
超音波分散機にて分散させ、電荷発生層用塗布液を作製
した。
15から選択された1種(100重量部)、バインダー
樹脂として重量平均分子量50,000のbis−Z型
ポリカーボネート樹脂(100重量部)、トルエン(1
000重量部)を、超音波分散機にて溶解させ、電荷輸
送層用塗布液を作製した。
き法にて電荷発生層用塗布液を塗布し、110℃、20
分間の熱風乾燥を行い、膜厚0.5μmの電荷発生層を
作製した。次いで、前記電荷発生層上にディップコート
法にて電荷輸送層用塗布液を塗布し、110℃、40分
間の熱風乾燥を行い、膜厚20μmの積層型感光体を作
製した。
ルフタロシアニン結晶(CG−9)を使用した以外は、
実施例146〜205と同様にして積層型感光体を作製
した。
られたチタニルフタロシアニン結晶(CG−5、−6、
−7、−8)を使用した以外は、実施例145〜20.
5と同様にして積層型感光体を作製した。
重量部、電荷発生層用塗布液中に直接添加(単純添加)
する以外は、比較例42〜56と同様にして電荷発生層
用塗布液を作製した。また、電荷発生用塗布液作製以外
は、全て比較例42〜56と同様にして積層型感光体を
作製した。
下記の試験を行ってその特性を評価した。
ック(GENTEC)社製のドラム感度試験機(ジェン
テックシンシア30M)を使用して、各実施例、比較例
の感光体に印加電圧を加えて、その表面を+700Vに
帯電させた。
ンランプの白色光からバンドパスフィルターを使用して
取り出した波長780nmの単色光(半値幅20nm、
光強度15μW)を、上記帯電状態の感光体表面に露光
(露光時間80msec)した。そして、露光開始時点
から330msec経過した時点での表面電位を露光後
電位VL(V)として測定した。すなわち、露光後電位
が小さいほど感光体は高感度である。
面を−700Vに帯電させた以外は、前記単層型感光体
の場合と同様にして初期感度を評価した。
どちらの場合においても、顔料化工程時に、参照電極
(Ag+/Ag)に対する還元電位が−1.5V以上、
−0.5V以下で、感光層塗布溶媒に対する溶解度が1
0wt%未満である有機アクセプター性化合物を添加し
て製造したフタロシアニン結晶を、電荷発生剤として含
有する感光体が、有機アクセプター性化合物を添加せず
に製造したフタロシアニン結晶を電荷発生剤として含有
する感光体よりも高感度であった。
感光層塗布液または電荷発生層用塗布液中に単純添加す
ると、感光層の結晶化や電荷発生剤の分散不良が発生し
易く、また感度も悪化した(表4の比較例41、表6の
比較例61)。
g)に対する還元電位が−1.5V以上、−0.5V以
下で、感光層塗布溶媒に対する溶解度が10wt%未満
である有機アクセプター性化合物を、顔料化工程時に添
加して製造したフタロシアニン結晶を含有する感光体が
極めて高感度となり、例えば高速の画像形成装置におい
ても光感度が十分であり使用可能となる。
と、単層型感光体の露光後電位VL(V)との関係(ホ
ール輸送剤:HT−1、電子輸送剤:ET−1)
解度(wt%)と、単層型感光体の露光後電位V
L(V)との関係(ホール輸送剤:HT−1、電子輸送
剤:ET−1) [ホール輸送剤:HT−1、電子輸送剤:ET−1を使
用した単層型感光体では、VL≦150Vを可、VL>1
50Vを不可とした。図中の二重線は、この境界値を示
す。]
と、単層型感光体の露光後電位VL(V)との関係(ホ
ール輸送剤:HT−1)
解度(wt%)と、積層型感光体の露光後電位V
L(V)との関係(ホール輸送剤:HT−1) [ホール輸送剤:HT−1を使用した積層型感光体で
は、VL≧−150Vを可、VL<−150Vを不可とし
た。図中の二重線は、この境界値を示す。]
光体の相対感度(有機アクセプター性化合物無添加時の
露光後電位を100Vに統一)との関係
光体の相対感度(有機アクセプター性化合物無添加時の
露光後電位を100Vに統一)との関係
Claims (4)
- 【請求項1】参照電極(Ag+/Ag)に対する還元電
位が−1.5V以上、−0.5V以下である 一般式(1): 【化1】 (式中、R1、R2、R3およびR4は、同一または異なっ
て、水素原子、ハロゲン原子、または、置換基を有して
もよい、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキ
シ基、アリール基、アラルキル基、シクロアルキル基、
シアノ基、ニトロ基、アミノ基を示す。ただし、R1と
R2またはR3とR4は互いに環を形成してもよい。) 、一般式(2): 【化2】 (式中、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11および
R12は、同一または異なって、水素原子、ハロゲン原
子、または、置換基を有してもよい、アルキル基、ハロ
ゲン化アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アラル
キル基、シクロアルキル基、シアノ基、ニトロ基、アミ
ノ基を示す。ただし、R5とR6、R7とR8、R9とR10
またはR11とR12は互いに環を形成してもよい。更に、
A1は置換基を有してもよい飽和または不飽和のアルキ
ル基、アリール基、または置換基を有してもよい複素環
を示す。) 、一般式(3): 【化3】 (式中、X1、X2、X3およびX4は、同一または異なっ
て、酸素原子またはC(CN)2を示し、R13、R14お
よびR15は、同一または異なって、水素原子、ハロゲン
原子、または、置換基を有してもよい、アルキル基、ハ
ロゲン化アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アラ
ルキル基、シクロアルキル基、シアノ基、ニトロ基、ア
ミノ基を示す。更に、Y1、Y2は、同一または異なっ
て、炭素原子、酸素原子、窒素原子を示す。) または一般式(4): 【化4】 (式中、X5およびX6は、同一または異なって、酸素原
子またはC(CN)2を示し、R16、R17およびR18
は、同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、ま
たは、置換基を有してもよい、アルキル基、ハロゲン化
アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アラルキル
基、シクロアルキル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基
を示す。ただし、R16とR17は互いに環を形成してもよ
い。) で表わされる有機アクセプター性化合物を、顔料化工程
時に添加して製造することを特徴とするフタロシアニン
結晶。 - 【請求項2】前記有機アクセプター性化合物の感光層塗
布溶媒に対する溶解度が10wt%未満であることを特
徴とする請求項1記載のフタロシアニン結晶。 - 【請求項3】参照電極(Ag+/Ag)に対する還元電
位が−1.5V以上、−0.5V以下である 一般式(1): 【化5】 (式中、R1、R2、R3およびR4は、同一または異なっ
て、水素原子、ハロゲン原子、または、置換基を有して
もよい、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキ
シ基、アリール基、アラルキル基、シクロアルキル基、
シアノ基、ニトロ基、アミノ基を示す。ただし、R1と
R2またはR3とR4は互いに環を形成してもよい。) 、一般式(2): 【化6】 (式中、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11および
R12は、同一または異なって、水素原子、ハロゲン原
子、または、置換基を有してもよい、アルキル基、ハロ
ゲン化アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アラル
キル基、シクロアルキル基、シアノ基、ニトロ基、アミ
ノ基を示す。ただし、R5とR6、R7とR8、R9とR10
またはR11とR12は互いに環を形成してもよい。更に、
A1は置換基を有してもよい飽和または不飽和のアルキ
ル基、アリール基、または置換基を有してもよい複素環
を示す。) 、一般式(3): 【化7】 (式中、X1、X2、X3およびX4は、同一または異なっ
て、酸素原子またはC(CN)2を示し、R13、R14お
よびR15は、同一または異なって、水素原子、ハロゲン
原子、または、置換基を有してもよい、アルキル基、ハ
ロゲン化アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アラ
ルキル基、シクロアルキル基、シアノ基、ニトロ基、ア
ミノ基を示す。更に、Y1、Y2は、同一または異なっ
て、炭素原子、酸素原子、窒素原子を示す。) または一般式(4): 【化8】 (式中、X5およびX6は、同一または異なって、酸素原
子またはC(CN)2を示し、R16、R17およびR18
は、同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、ま
たは、置換基を有してもよい、アルキル基、ハロゲン化
アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アラルキル
基、シクロアルキル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基
を示す。ただし、R16とR17は互いに環を形成してもよ
い。) で表わされる有機アクセプター性化合物を、顔料化工程
時に添加し結晶中に含有させたことを特徴とするフタロ
シアニン結晶の製造方法。 - 【請求項4】請求項1記載のフタロシニン結晶を含有す
ることを特徴とする電子写真感光体。
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