JP5038976B2 - 電子写真感光体 - Google Patents
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Description
特許文献2には有機溶剤に対する溶解性や、バインダ−樹脂に対する相溶性に優れ、光感度にも優れている下記式(101)に示されるナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体が開示されている。
しかし、上記式(100)及び上記式(101)のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体は、感光体を高速の画像形成装置で用いるような、高感度が要求される場合に、光感度が不十分であるという問題があった。
<電子輸送剤>
本発明において使用する電子輸送剤は、前記一般式(1)で表される化合物である。この化合物は、溶解性が高いので、バインダ樹脂等との相溶性に優れると共に、長い共役結合を有しているので、高い電荷移動度を示す。
発煙硝酸(20% SO3)に溶解した化合物(A−1)にジブロモイソシアヌル酸(DBI)の発煙硝酸(20%SO3溶液)を加え、室温にて3時間攪拌する。反応後、反応溶液を氷にあけて、水を加え、析出した黄色固体をろ別し、洗浄、乾燥させ化合物(A−2)を得る。
反応工程(b)
得られた化合物(A−2)と化合物(A−3)で示されるアニリン誘導体、及び氷酢酸を混ぜ、100〜140℃で1〜10時間攪拌する。反応後、反応液を室温まで冷却し、水、有機溶媒を加え、有機層を抽出する。溶媒を留去後、カラムクロマトグラフィ−にて精製し、化合物(A−4)を得る。
反応工程(c)
上記得られた化合物(A−4)と、エタンチオール/炭酸ナトリウム、または、1-アミノへキサンを加え、室温、窒素雰囲気下で3〜8時間攪拌する。反応後、有機層を水洗、乾燥し溶媒を留去後、カラムクロマトグラフィーにて精製を行い、化合物(1)を得る。
<電荷発生剤>
前記電荷発生剤としては、例えば無金属フタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、α−チタニルフタロシアニン、Y−チタニルフタロシアニン、V−ヒドロキシガリウムフタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、ペリレン系顔料、ビスアゾ顔料、ジオケトピロロピロール顔料、無金属ナフタロシアニン顔料、金属ナフタロシアニン顔料、スクアライン顔料、トリスアゾ顔料、インジゴ顔料、アズレニウム顔料、シアニン顔料、ピリリウム顔料、アンサンスロン顔料、トリフェニルメタン系顔料、スレン顔料、トルイジン系顔料、ピラゾリン系顔料、キナクリドン系顔料といった有機光導電体、セレン、セレン−テルル、セレン−ヒ素、硫化カドミニウム、アモルファスシリコンといった無機光導電材料などが挙げられる。中でも無金属フタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、α−チタニルフタロシアニン、Y−チタニルフタロシアニン、V−ヒドロキシガリウムフタロシアニンが好ましい。これらの電荷発生剤は単独でまたは2種以上をブレンドして用いてもよい。
<バインダ樹脂>
前記バインダ樹脂としては、例えばスチレン系重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、アクリル系重合体、スチレン−アクリル系共重合体、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスルホン、ジアリルフタレート樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂等の熱可塑性樹脂や、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、アルキッド樹脂、ポリウレタン、その他架橋性の熱硬化性樹脂、さらにエポキシ−アクリレート、ウレタン−アクリレート等の光硬化性樹脂等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で使用できるほか、2種以上をブレンドすることもできる。
<正孔輸送剤>
さらに、本発明では正孔輸送剤を感光層に含有させてもよい。特に単層型感光体では、感光層中に正孔輸送剤および電子輸送剤が含有される。前記正孔輸送剤としては、例えばN,N,N’,N’−テトラフェニルベンジジン誘導体、N,N,N’,N’−テトラフェニルフェニレンジアミン誘導体、N,N,N’,N’−テトラフェニルナフチレンジアミン誘導体、N,N,N’,N’−テトラフェニルフェナントリレンジアミン誘導体、2,5−ジ(4−メチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールなどのオキサジアゾール系化合物、9−(4−ジエチルアミノスチリル)アントラセンなどのスチリル系化合物、ポリビニルカルバゾールなどのカルバゾール系化合物、有機ポリシラン化合物、1−フェニル−3−(p−ジメチルアミノフェニル)ピラゾリンなどのピラゾリン系化合物、ヒドラゾン系化合物、インドール系化合物、オキサゾール系化合物、イソオキサゾール系化合物、チアゾール系化合物、チアジゾール系化合物、イミダゾール系化合物、ピラゾール系化合物、トリアゾール系化合物等の含窒素環式化合物や、縮合多環式化合物が挙げられる。
<感光層>
(単層型)
本発明における単層型感光層は、上記した電子輸送剤、電荷発生剤、バインダ樹脂を同一層に含有した単一の感光層で構成されるものである。この単層型感光層は、層構成が簡単で生産性に優れており、層を形成する際の被膜欠陥を抑制でき、層間の界面が少なく光学的特性を向上できるという利点がある。なお、電荷輸送剤には電子輸送剤と正孔輸送剤とがあり、上記したように、特に単層型感光体においては、電子輸送剤と正孔輸送剤とを併用するのが好ましい。
(積層型)
一方、積層型感光層は、導電性基体上に電荷輸送剤を含有する電荷輸送層と、電荷発生剤を含有する電荷発生層とを積層することで構成される。また、電荷発生剤と共に電荷輸送剤を含有させた光導電層を、電荷輸送層、電荷発生層と組み合わせてもよい。積層型感光層は、上記電荷発生層、電荷輸送層などの形成順序と、両層に含有させる電荷輸送剤の種類(電子輸送剤・正孔輸送剤)によって種々の組み合わせが考えられるが、本発明においては、電荷輸送層および光導電層の少なくとも1つに、電子輸送剤として一般式(1)で表される化合物を含有させる必要がある。なお、積層型感光体は、電荷発生や電荷輸送といった機能を各層に分離しているので、構成材料の無駄が少なく、感度を向上させ易いという利点を有する。
<導電性基体>
導電性基体としては、導電性を有する各種の材料が使用可能であり、例えば鉄、アルミニウム、銅、スズ、白金、銀、バナジウム、モリブデン、クロム、カドミウム、チタン、ニッケル、パラジウム、インジウム、ステンレス鋼、真鍮などの金属単体、上記金属が蒸着もしくはラミネートされたプラスチック材料、カーボンブラック等の導電性微粒子が分散されたプラスチック材料、さらにヨウ化アルミニウム、酸化スズ、酸化インジウムなどで被覆されたガラスなどが挙げられる。導電性基体と感光層との間には、感光体の特性を阻害しない範囲でバリア層が形成されていてもよい。また、感光層の表面には保護層が形成されていてもよい。
化合物(A1−1)(1.34g、4.99mmol)を25mlの発煙硝酸(20% SO3)に溶解した溶液に、ジブロモイソシアヌル酸(DBI)(3.59g、12.5mmol)の25mlの発煙硝酸(20%SO3溶液)を加え、室温にて3時間攪拌した。反応溶液を氷400gにあけ、そこに水600mlを加えた。得られた黄色固体をろ別し、固体を水100mlにて洗浄後、乾燥させ、化合物(A1−2)を得た。(収率93%)
反応工程(b)
得られた化合物(A1−2)(200mg、0.343mmol)と化合物(A1−3)で示される2−エチル−6−メチルアニリン(425mg、3.14mmol)及び氷酢酸(5ml)を混ぜ、120℃で6時間で攪拌した。反応液を室温まで冷却し、水を加え、クロロホルムにて抽出し、クロロホルム層を中和するまで水洗した。溶媒を留去後、カラムクロマトグラフィ−にて精製し、化合物(A1−4)を得た。(収率30%)
反応工程(c)
炭酸ナトリウム(30mg,0.22mmol)と2.5mlのエタンチオールおよび上記得られた化合物(A1−4)(20mg、0.022mmol)、1mlのクロロホルムを加え、室温、窒素雰囲気下5.5時間攪拌した。反応後、塩酸水およびクロロホルムを加えて有機層を中和するまで水洗し、乾燥剤にて溶媒を留去後、カラムクロマトグラフィーにて精製を行い、化合物(1−1)を得た。(収率63%)
比較例で使用した電子輸送剤、実施例および比較例で使用した電荷発生剤、バインダ樹脂および正孔輸送剤は以下の通りである。
<比較例で使用した電子輸送剤>
[比較例1〜2]
<電子写真感光体の作製>
上記の電子輸送剤、電荷発生剤、バインダ樹脂および正孔輸送剤を表1に示す組み合わせで用いた。すなわち、溶媒であるテトラヒドロフラン800質量部に対して、バインダ樹脂(Resin−1:粘度平均分子量50,000のビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂)100重量部、正孔輸送剤(H−1)50重量部、表1に示す電荷発生剤(X−H2PcまたはY−TiOPc)3重量部、および表に示す電子輸送剤(1−1、1−2、ET−1)45重量部を添加した。この混合物を超音波分散機で1時間混合分散して、単層型感光層用の分散液を作製した。ついで、得られた分散液を導電性基材(アルミニウム素管)上にディップコート法にて塗布し、100℃で30分間熱風乾燥して、膜厚30μmの単層型感光層を有する電子写真感光体を得た。
Claims (1)
- 導電性基体上に、少なくとも電子輸送剤、電荷発生剤およびバインダ樹脂を含有した感光層が設けられた電子写真感光体であって、
前記電子輸送剤が、下記一般式(1)で表される化合物であることを特徴とする電子写真感光体。
[式(1)中、Rは炭素数1〜3のアルキル基を有するフェニル基を示し、R1はSC2H5またはNHC6H13を示す。]
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