JP5038976B2 - 電子写真感光体 - Google Patents

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Description

本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタなどの画像形成装置に使用される電子写真感光体に関する。
上記の画像形成装置では、当該装置に用いられる光源の波長領域に感度を有する種々の感光体が使用されている。その1つはセレンなどの無機材料を感光層に用いた無機感光体であり、他は有機材料を感光層に用いた有機感光体である。有機感光体は、無機感光体に比べて製造が容易であり、かつ電荷発生剤、電荷輸送剤(電子輸送剤・正孔輸送剤)、バインダ樹脂などの材料選択肢が多様で、機能設計の自由度が高いことから、近年、多く使用されるようになっている。
有機感光体には、電荷発生剤を含有した電荷発生層と電荷輸送剤を含有した電荷輸送層との積層構造からなる、いわゆる積層型感光体と、電荷発生剤と電荷輸送剤とを単一層に含有させた、いわゆる単層型感光体とがある。
特許文献1には電子輸送剤として下記式(100)に示されるナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体が開示されている。
[式(100)中、Q1及びQ2は、同一でも異なっていてもよく、分岐鎖アルキル基、未置換直鎖アルキル、未置換環状アルキル、アルキル置換環状アルキル、未置換直鎖不飽和アルキル、アリール基、または炭素数2乃至20のアルキル基、アルコキシ基または水素であって、ここで両方のQ1及びQ2は水素でないものとし、R81、R82、R83及びR84は、同一で異なっていてもよく、水素、炭素数1乃至4のアルキル、炭素数1乃至4のアルコキシ、またはハロゲンである。]
特許文献2には有機溶剤に対する溶解性や、バインダ−樹脂に対する相溶性に優れ、光感度にも優れている下記式(101)に示されるナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体が開示されている。
[式(101)中、R91は水素原子、アルキル基、アルコキシ基、またはハロゲン原子であり、R92及びR93の各々は置換または未置換のアルキル基、アルコキシ基またはアリール基であって、これらは互いに異なっており、R94は水素原子、或いは置換または未置換のアルキル基、アルコキシ基またはアリール基である]
しかし、上記式(100)及び上記式(101)のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体は、感光体を高速の画像形成装置で用いるような、高感度が要求される場合に、光感度が不十分であるという問題があった。
米国特許第4442193号 特開平11−343291号
本発明の課題は、高い感度を有する電子写真感光体を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の置換基を有するナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導を電子輸送剤として使用することにより、電子写真感光体の感度を向上させることができるという新たな事実を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明における電子写真感光体は、導電性基体上に、少なくとも電子輸送剤、電荷発生剤およびバインダ樹脂を含有した感光層が設けられたものであって、前記電子輸送剤が、下記一般式(1)で表される化合物であることを特徴とする。
[式(1)中、Rは炭素数1〜3のアルキル基を有するフェニル基を示し、RはSCまたはNHC13を示す。]
本発明の電子写真感光体は、バインダ樹脂等との相溶性に優れ且つ高い電荷移動度を示す前記一般式(1)で表される化合物を電子輸送剤として使用するので、残留電位を効果的に低下させ、高い感度を得ることができると共に、良好な画像が得られるという効果がある。
本発明の電子写真感光体は、導電性基体上に、少なくとも電子輸送剤、電荷発生剤およびバインダ樹脂を含有し、さらに必要に応じて正孔輸送剤を含有した感光層を設けたものである。この感光層には、単層型感光層と積層型感光層とがあるが、本発明には、いずれの感光層も適用可能である。
<電子輸送剤>
本発明において使用する電子輸送剤は、前記一般式(1)で表される化合物である。この化合物は、溶解性が高いので、バインダ樹脂等との相溶性に優れると共に、長い共役結合を有しているので、高い電荷移動度を示す。
一般式(1)の合成方法を、下記化学反応式(1)に基づいて説明する。
(合成例)反応工程(a)
発煙硝酸(20% SO)に溶解した化合物(A−1)にジブロモイソシアヌル酸(DBI)の発煙硝酸(20%SO溶液)を加え、室温にて3時間攪拌する。反応後、反応溶液を氷にあけて、水を加え、析出した黄色固体をろ別し、洗浄、乾燥させ化合物(A−2)を得る。
反応工程(b)
得られた化合物(A−2)と化合物(A−3)で示されるアニリン誘導体、及び氷酢酸を混ぜ、100〜140℃で1〜10時間攪拌する。反応後、反応液を室温まで冷却し、水、有機溶媒を加え、有機層を抽出する。溶媒を留去後、カラムクロマトグラフィ−にて精製し、化合物(A−4)を得る。
反応工程(c)
上記得られた化合物(A−4)と、エタンチオール/炭酸ナトリウム、または、1-アミノへキサンを加え、室温、窒素雰囲気下で3〜8時間攪拌する。反応後、有機層を水洗、乾燥し溶媒を留去後、カラムクロマトグラフィーにて精製を行い、化合物(1)を得る。
本発明では、上記一般式(1)で表される化合物に加えて、公知の他の電子輸送剤を併用することもできる。これら他の電子輸送剤としては、例えばジフェノキノン誘導体、ベンゾキノン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、マロノニトリル誘導体、チオピラン誘導体、チオキサントン誘導体(2,4,8−トリニトロチオキサントン等)、フルオレノン誘導体(3,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン誘導体等)、アントラセン誘導体、アクリジン誘導体、ジニトロベンゼン、ジニトロアントラセン、ジニトロアクリジン、無水コハク酸誘導体、無水マレイン酸誘導体、ジブロモ無水マレイン酸誘導体等の、電子受容性を有する化合物が挙げられる。
<電荷発生剤>
前記電荷発生剤としては、例えば無金属フタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、α−チタニルフタロシアニン、Y−チタニルフタロシアニン、V−ヒドロキシガリウムフタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、ペリレン系顔料、ビスアゾ顔料、ジオケトピロロピロール顔料、無金属ナフタロシアニン顔料、金属ナフタロシアニン顔料、スクアライン顔料、トリスアゾ顔料、インジゴ顔料、アズレニウム顔料、シアニン顔料、ピリリウム顔料、アンサンスロン顔料、トリフェニルメタン系顔料、スレン顔料、トルイジン系顔料、ピラゾリン系顔料、キナクリドン系顔料といった有機光導電体、セレン、セレン−テルル、セレン−ヒ素、硫化カドミニウム、アモルファスシリコンといった無機光導電材料などが挙げられる。中でも無金属フタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、α−チタニルフタロシアニン、Y−チタニルフタロシアニン、V−ヒドロキシガリウムフタロシアニンが好ましい。これらの電荷発生剤は単独でまたは2種以上をブレンドして用いてもよい。
<バインダ樹脂>
前記バインダ樹脂としては、例えばスチレン系重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、アクリル系重合体、スチレン−アクリル系共重合体、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスルホン、ジアリルフタレート樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂等の熱可塑性樹脂や、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、アルキッド樹脂、ポリウレタン、その他架橋性の熱硬化性樹脂、さらにエポキシ−アクリレート、ウレタン−アクリレート等の光硬化性樹脂等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で使用できるほか、2種以上をブレンドすることもできる。
<正孔輸送剤>
さらに、本発明では正孔輸送剤を感光層に含有させてもよい。特に単層型感光体では、感光層中に正孔輸送剤および電子輸送剤が含有される。前記正孔輸送剤としては、例えばN,N,N’,N’−テトラフェニルベンジジン誘導体、N,N,N’,N’−テトラフェニルフェニレンジアミン誘導体、N,N,N’,N’−テトラフェニルナフチレンジアミン誘導体、N,N,N’,N’−テトラフェニルフェナントリレンジアミン誘導体、2,5−ジ(4−メチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールなどのオキサジアゾール系化合物、9−(4−ジエチルアミノスチリル)アントラセンなどのスチリル系化合物、ポリビニルカルバゾールなどのカルバゾール系化合物、有機ポリシラン化合物、1−フェニル−3−(p−ジメチルアミノフェニル)ピラゾリンなどのピラゾリン系化合物、ヒドラゾン系化合物、インドール系化合物、オキサゾール系化合物、イソオキサゾール系化合物、チアゾール系化合物、チアジゾール系化合物、イミダゾール系化合物、ピラゾール系化合物、トリアゾール系化合物等の含窒素環式化合物や、縮合多環式化合物が挙げられる。
<感光層>
(単層型)
本発明における単層型感光層は、上記した電子輸送剤、電荷発生剤、バインダ樹脂を同一層に含有した単一の感光層で構成されるものである。この単層型感光層は、層構成が簡単で生産性に優れており、層を形成する際の被膜欠陥を抑制でき、層間の界面が少なく光学的特性を向上できるという利点がある。なお、電荷輸送剤には電子輸送剤と正孔輸送剤とがあり、上記したように、特に単層型感光体においては、電子輸送剤と正孔輸送剤とを併用するのが好ましい。
前記単層型感光層の膜厚は5〜100μm、好ましくは10〜50μmである。単層型感光層においては、バインダ樹脂100質量部に対して電荷発生剤を0.1〜50質量部、好ましくは0.5〜30質量部の割合で、電子輸送剤を5〜100質量部、好ましくは10〜80質量部の割合でそれぞれ含有させるのがよい。また、正孔輸送剤を含有させる場合は、バインダ樹脂100質量部に対して5〜500質量部、好ましくは25〜200質量部の割合で含有させるのがよい。
(積層型)
一方、積層型感光層は、導電性基体上に電荷輸送剤を含有する電荷輸送層と、電荷発生剤を含有する電荷発生層とを積層することで構成される。また、電荷発生剤と共に電荷輸送剤を含有させた光導電層を、電荷輸送層、電荷発生層と組み合わせてもよい。積層型感光層は、上記電荷発生層、電荷輸送層などの形成順序と、両層に含有させる電荷輸送剤の種類(電子輸送剤・正孔輸送剤)によって種々の組み合わせが考えられるが、本発明においては、電荷輸送層および光導電層の少なくとも1つに、電子輸送剤として一般式(1)で表される化合物を含有させる必要がある。なお、積層型感光体は、電荷発生や電荷輸送といった機能を各層に分離しているので、構成材料の無駄が少なく、感度を向上させ易いという利点を有する。
前記電荷発生層の膜厚は0.01〜5μm、好ましくは0.1〜3μmであり、電荷輸送層の膜厚は2〜100μm、好ましくは5〜50μmである。積層型感光層のうち電荷発生層においては、バインダ樹脂100質量部に対して電荷発生剤を5〜1000質量部、好ましくは30〜500質量部の割合で含有させるのがよい。また、電荷輸送層においては、バインダ樹脂100質量部に対して電子輸送剤を1〜250質量部、好ましくは5〜150質量部の割合で含有させるのがよい。また、電子輸送剤と正孔輸送剤を併用する場合は、その総量がバインダ樹脂100質量部に対して10〜500質量部、好ましくは30〜200質量部の割合で含有させるのがよい。
感光層には、前記した成分のほかに、画像形成に悪影響を与えない範囲で、種々の添加剤を配合することができる。このような添加剤としては、例えば酸化防止剤、ラジカル捕捉剤、一重項クエンチャー、紫外線吸収剤などの劣化防止剤、軟化剤、可塑剤、表面改質剤、増量剤、増粘剤、分散安定剤、ワックス、アクセプター、ドナーなどが挙げられる。また、感度を向上させるために、例えばテルフェニル、ハロナフトキノン類、アセナフチレン等の公知の増感剤を電荷発生剤と併用してもよい。
<導電性基体>
導電性基体としては、導電性を有する各種の材料が使用可能であり、例えば鉄、アルミニウム、銅、スズ、白金、銀、バナジウム、モリブデン、クロム、カドミウム、チタン、ニッケル、パラジウム、インジウム、ステンレス鋼、真鍮などの金属単体、上記金属が蒸着もしくはラミネートされたプラスチック材料、カーボンブラック等の導電性微粒子が分散されたプラスチック材料、さらにヨウ化アルミニウム、酸化スズ、酸化インジウムなどで被覆されたガラスなどが挙げられる。導電性基体と感光層との間には、感光体の特性を阻害しない範囲でバリア層が形成されていてもよい。また、感光層の表面には保護層が形成されていてもよい。
導電性基体は、使用する画像形成装置の構造に合わせてドラム状、シート状などの形態で使用される。この導電性基体は充分な機械的強度を有しているのが好ましい。単層型の感光層を形成するには、電子輸送剤、電荷発生剤およびバインダ樹脂、さらに必要に応じて正孔輸送剤や他の添加剤を適当な溶媒と共に、ロールミル、ボールミル、アトライタ、ペイントシェーカー、超音波分散機などを用いて混合して分散液を調製し、この分散液を導電性基体上に公知の手段で塗布して乾燥させればよい。また、積層型感光体の電荷発生層および電荷輸送層を形成するには、電荷発生剤、電荷輸送剤を適当なバインダ樹脂および溶媒と共に上記と同一の方法で分散液を調製し、これを公知の手段により塗布して乾燥させればよい。
前記分散液を調製するための溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノールなどのアルコール類、n−ヘキサン、オクタン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素、クロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジオキサン、ジオキソランなどのエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、酢酸エチル、酢酸メチルなどのエステル類、ジメチルホルムアルデヒド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。これらの溶媒は単独で使用するほか、2種以上を混合して用いてもよい。さらに、電荷発生剤および電荷輸送剤の分散性、感光体表面の平滑性を良くするために、界面活性剤、レベリング剤などを使用してもよい。
次に実施例および比較例を挙げて本発明の電子写真感光体を説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明を詳細に説明する。
実施例で使用した電子輸送剤は、以下の2種類である。
(合成例1)反応工程(a)
化合物(A1−1)(1.34g、4.99mmol)を25mlの発煙硝酸(20% SO)に溶解した溶液に、ジブロモイソシアヌル酸(DBI)(3.59g、12.5mmol)の25mlの発煙硝酸(20%SO溶液)を加え、室温にて3時間攪拌した。反応溶液を氷400gにあけ、そこに水600mlを加えた。得られた黄色固体をろ別し、固体を水100mlにて洗浄後、乾燥させ、化合物(A1−2)を得た。(収率93%)
反応工程(b)
得られた化合物(A1−2)(200mg、0.343mmol)と化合物(A1−3)で示される2−エチル−6−メチルアニリン(425mg、3.14mmol)及び氷酢酸(5ml)を混ぜ、120℃で6時間で攪拌した。反応液を室温まで冷却し、水を加え、クロロホルムにて抽出し、クロロホルム層を中和するまで水洗した。溶媒を留去後、カラムクロマトグラフィ−にて精製し、化合物(A1−4)を得た。(収率30%)
反応工程(c)
炭酸ナトリウム(30mg,0.22mmol)と2.5mlのエタンチオールおよび上記得られた化合物(A1−4)(20mg、0.022mmol)、1mlのクロロホルムを加え、室温、窒素雰囲気下5.5時間攪拌した。反応後、塩酸水およびクロロホルムを加えて有機層を中和するまで水洗し、乾燥剤にて溶媒を留去後、カラムクロマトグラフィーにて精製を行い、化合物(1−1)を得た。(収率63%)
(合成例2)合成例1の反応工程(c)において、エタンチオール/炭酸ナトリウムの代わりに1−アミノへキサン10mlを用い、135℃、5.5時間攪拌し合成例1と同様に行い、化合物(1−2)を得た。(収率48%)

比較例で使用した電子輸送剤、実施例および比較例で使用した電荷発生剤、バインダ樹脂および正孔輸送剤は以下の通りである。
<比較例で使用した電子輸送剤>
<電荷発生剤>
<バインダ樹脂>
<正孔輸送剤>
[実施例1〜4]
[比較例1〜2]
<電子写真感光体の作製>
上記の電子輸送剤、電荷発生剤、バインダ樹脂および正孔輸送剤を表1に示す組み合わせで用いた。すなわち、溶媒であるテトラヒドロフラン800質量部に対して、バインダ樹脂(Resin−1:粘度平均分子量50,000のビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂)100重量部、正孔輸送剤(H−1)50重量部、表1に示す電荷発生剤(X−H2PcまたはY−TiOPc)3重量部、および表に示す電子輸送剤(1−1、1−2、ET−1)45重量部を添加した。この混合物を超音波分散機で1時間混合分散して、単層型感光層用の分散液を作製した。ついで、得られた分散液を導電性基材(アルミニウム素管)上にディップコート法にて塗布し、100℃で30分間熱風乾燥して、膜厚30μmの単層型感光層を有する電子写真感光体を得た。
次に、上記で得られた電子写真感光体の感度特性を以下のようにして評価した。すなわち、電子写真感光体について、ドラム感度試験機(GENTEC社製)を用いて、700Vになるように帯電させ、ついでハロゲンランプの光からバンドパスフィルターを用いて取り出した波長780nmの単色光(半値幅:20nm、光量:1.5μJ/cm2)を露光[照射時間:0.08秒(80msec)]した。そして、露光開始から0.33秒(330msec)経過した時点での表面電位(残留電位)を測定し、それを感度とした。結果を表1に示す。
実施例1〜4の感光体は、比較例の感光体に比べて、良好な感度が得られた。一方、比較例1〜2の感光体は感度が200V以上と悪く、さらには結晶化が発生した。

Claims (1)

  1. 導電性基体上に、少なくとも電子輸送剤、電荷発生剤およびバインダ樹脂を含有した感光層が設けられた電子写真感光体であって、
    前記電子輸送剤が、下記一般式(1)で表される化合物であることを特徴とする電子写真感光体。

    [式(1)中、Rは炭素数1〜3のアルキル基を有するフェニル基を示し、R1はSCまたはNHC13を示す。]
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