JP3230548B2 - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JP3230548B2
JP3230548B2 JP16976693A JP16976693A JP3230548B2 JP 3230548 B2 JP3230548 B2 JP 3230548B2 JP 16976693 A JP16976693 A JP 16976693A JP 16976693 A JP16976693 A JP 16976693A JP 3230548 B2 JP3230548 B2 JP 3230548B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真感光体に関し、
詳しくはその電荷発生物質として無金属フタロシアニン
顔料と特定の構造のペリレンテトラカルボン酸誘導体顔
料とを同時に含有する電子写真感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真プロセスは静電力による潜像の
可視化を原理として用いたものであるため、そのプロセ
スに用いられる電子写真感光体には良好な帯電性と光照
射による迅速な表面電位の減衰が必要となる。これらプ
ロセス上必要な特性は、固体物性値である暗抵抗の高さ
と良好な量子効率、高い電荷移動度に還元される。これ
らの物性値を満足するものとして、従来、セレン、セレ
ン−テルル合金、砒素セレン等の無機化合物から構成さ
れた電子写真感光体が知られている。一方、2,4,7
−トリニトロ−9−フルオレノン(TNF)とポリ−N
−ビニルカルバゾール(PVK)との電荷移動錯体を用
いた電子写真感光体が光導電性を示すことが発見されて
から、数多くの有機光導電体が開発されてきた。
【0003】例えば、ペリレン系顔料を用いたもの(U
SP 3871882参照)、フタロシアニン系顔料を
用いたもの(特公昭49−4338号、特開昭58−1
82639号、特開昭60−19151号参照)、アゾ
顔料を用いたもの(特公昭55−42380号、特開昭
55−84943号参照)、スクアリウム系染料、多環
キノン系顔料等を用いたものがある。これらの電荷発生
物質のうちペリレン系顔料を用いた感光体は、高速の複
写機用としては感度が低く、また顔料の吸収が600n
mより短波長側に限られているため赤色光には感度がな
くカラー複写機用感光体としては不適当である。一方、
フタロシアニン系顔料は電子写真感度が異なる様々な結
晶型を有するが、高感度結晶型を用いたものでも500
nm付近の光に対して感度が低く、また帯電性等の特性
が温度、湿度などの環境変動、帯電、露光などの使用サ
イクルにより変化しやすい。またアゾ顔料を用いたもの
は電荷発生層製造時に安定な分散性を有する塗布液を作
製するのが難しく、加えて顔料の光安定性が悪く且つ顔
料の高純度化が困難であるなどの欠点を持つている。
【0004】このように、単一顔料を電荷発生物質に用
いた場合、十分な感度、可視域から赤外域までの幅広い
分光感度域が得られないという問題点があった。可視域
から赤外域までの幅広い分光感度域を得る方法としては
従来から、2種以上の電荷発生物質を併用することが提
案され、現在も開発されている。たとえば、横山等は、
電子受容性(n型)顔料と電子供与性(p型)顔料を共
蒸着することで量子効率が向上することを報告している
(Appl.Phys.Lett.,58,1062
(1991))。しかし、バルク層の抵抗が小さいた
め、直接これを電子写真感光体に適用することはできな
い。また、電荷発生物質にペリレンテトラカルボン酸ジ
イミドとX型メタルフリーフタロシアニンとを含有する
電子写真感光体(特開平2−228671)や、アンサ
ンスロン系化合物とオキソチタニルフタロシアニンとを
含有する電子写真感光体(特開平2−222962)等
が提案されているが、未だ十分な感度が得られていな
い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
問題点を解消し、高感度で、電子写真特性の優れた電子
写真感光体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するため鋭意検討した結果、導電性基体上に、少
なくとも電荷発生物質及び電荷輸送物質の双方が含有さ
れてなる積層又は単層感光層を持つ電子写真感光体にお
いて、電荷発生物質として特定な電子受容性(n型)顔
料と特定な電子供与性(p型)顔料を一旦均一な溶解状
態とし、その後貧溶媒で粒子化した混合物を用いること
により上記目的が達成されることを見い出した。すなわ
ち、本発明によれば、導電性基体上に少なくとも電荷発
生物質と電荷輸送物質とが同一層中に含有されている単
層感光層、又は両物質が別々の層に含有されている積層
感光層を有する電子写真感光体において、該電荷発生物
質として無金属フタロシアニン(p型)と下記一般式
(I)で表わされるペリレンテトラカルボン酸ジイミド
化合物(n型)とを一旦均一な溶解状態とし、その後貧
溶媒で粒子化した混合物を用いることを特徴とする電子
写真感光体が提供される。
【化3】 (式中、R1、R2は水素、置換もしくは無置換のアルキ
ル基又は置換もしくは無置換のアリール基を表す。) また、本発明によれば、導電性基体上に少なくとも電荷
発生物質と電荷輸送物質とが同一層中に含有されている
単層感光層、又は両物質が別々の層に含有されている積
層感光層を有する電子写真感光体において、該電荷発生
物質として無金属フタロシアニン(p型)と下記一般式
(II)で表わされるペリレンテトラカルボン酸ジイミ
ダゾール化合物(n型)とを一旦均一な溶解状態とし、
その後貧溶媒で粒子化した混合物を用いることを特徴と
する電子写真感光体が提供される。
【化4】 (式中、X1、X2は、置換もしくは無置換の縮合多環又
はヘテロ環の2価基を表す。) 前記一般式(I)において、R1、R2の置換基として
は、置換基を有していてもよいベンゼン環、ハロゲン原
子、アルコキシ基が挙げられ、また上記アリール基とし
てはフェニル基、ナフチル基などの縮合多環類、ピリジ
ル基などのヘテロ環類が、その置換基としてはアルキル
基、アルコキシ基、ハロゲン原子等が挙げられる。また
一般式(II)において、X1、X2の置換基としては、
アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子等が挙げられ
る。
【0007】本発明は、電荷発生物質として無金属フタ
ロシアニンとペリレンテトラカルボン酸ジイミド化合物
又はペリレンテトラカルボン酸ジイミダゾール化合物と
を一旦均一な溶解状態とし、その後貧溶媒で粒子化した
混合物を用いることを特徴とする。本発明は無金属フタ
ロシアニンとペリレンテトラカルボン酸ジイミド化合物
又はペリレンテトラカルボン酸ジイミダゾール化合物と
を一旦均一な溶解状態とし、その後貧溶媒で粒子化した
混合物を電荷発生物質として用いたことから、高感度で
電子写真特性に優れた電子写真感光体が得られる。
【0008】電荷発生物質として、フタロシアニン顔料
を単独で使用した場合には、後記比較例から明らかなよ
うに、帯電性が悪く、また十分に高い感度を有するもの
が得られず、本発明の目的を達成することができない。
【0009】また、電荷発生物質として、ペリレンテト
ラカルボン酸誘導体を単独で使用した場合にも、後記比
較例から明らかなように、感度が悪く、本発明の所期の
目的を達成することができない。
【0010】無金属フタロシアニンと特定の構造のペリ
レンテトラカルボン酸誘導体の使用割合は1/9〜99
/1、好ましくは5/95〜95/5である。本発明に
おける上記2種顔料の溶解方法としては、濃硫酸、ジク
ロル酢酸、トリフルオロ酢酸等の強酸、あるいはトリエ
チルアミン、トリエタノールアミン等の強塩基に溶解さ
せ、一旦均一な溶解状態とする。続いて、上記溶液を貧
溶媒に注入することにより粒子化がなされる。使用でき
る貧溶媒としては、水、メタノール、エタノール、ヘキ
サン、シクロヘキサン、エーテル、酢酸エチル、1,2
−ジクロルエタン、クロロホルム、ベンゼン、トルエ
ン、テトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、クロルベ
ンゼン、ニトロベンゼン、アセトニトリル、ジメチルホ
ルムアミド、ジメチルスルホキサイド等が挙げられる。
これらは単独あるいは2種以上が混合されていてもよ
い。これらの貧溶媒で粒子化後、更に同種、あるいは別
種の貧溶媒で処理してもよい。これらのうち、好ましい
混合粒子化方法としては、所定量比の無金属フタロシア
ニンと特定の構造のペリレンテトラカルボン酸誘導体の
合計1gを濃硫酸100gに溶解(アシッドペースト処
理)後、1リットルの水中に注入し、析出させ、さらに
水で十分に洗浄後テトラヒドロフランで処理する方法が
挙げられる。このような方法で得られた化合物を電荷発
生物質として用いた電子写真感光体は、従来のものと比
べて高感度で電子写真特性に優れる。これは、本発明で
用いる前記2種顔料の接触面積が増大したことによると
考えられる。
【0011】次に、本発明で用いられる一般式(I)で
表わされるペリレンテトラカルボン酸ジイミド及び一般
式(II)で表わされるペリレンテトラカルボン酸ジイ
ミダゾールの具体例を例示する。
【表1−(1)】
【化5】
【表1−(2)】
【表2】
【化6】
【0012】本発明の電子写真感光体の代表的な層構成
を図1及び図2に示す。図1は感光層が単一層からな
り、感光層が電荷発生物質2と結着剤中に電荷輸送物質
とが分子状に分散されたマトリックス3を表わしてい
る。なお、1は導電性基体である。図2は感光層が電荷
発生層4と、電荷輸送層5の積層構造をとっており、電
荷発生物質2を含有している。
【0013】本発明で用いることができる導電性基体と
しては、アルミニウム、ニッケル、銅、ステンレス等の
金属板、金属ドラムまたは金属箔、アルミニウム、酸化
錫、ヨウ化銅の薄膜を塗布したプラスチックフィルムあ
るいはガラス等が挙げられる。本発明の感光体では帯電
性を改良する目的で感光層と導電性基体の間に下引き層
を設けることができる。これらの材料としては後で記載
する結着剤樹脂の他に、ポリアミド樹脂、ポリビニルア
ルコール、カゼイン、ポリビニルピロリドン等を用いる
ことができる。下引き層の厚さは0.01〜10μm好
ましくは0.1〜5μmくらいが適当である。
【0014】図1に示すような単一層からなる感光層
は、たとえば、前記無金属フタロシアニン顔料とペリレ
ンテトラカルボン酸誘導体を混合した電荷発生物質と電
荷輸送物質(正孔移動物質及びアクセプタ化合物)を適
当な結着剤樹脂溶液中に混合し塗布乾燥することにより
得られる。図2に示すような積層構造からなる感光層の
電荷発生層の形成方法としては、本発明に係る前記顔料
を混合した電荷発生物質を適当な結着剤樹脂溶液ととも
に分散し、塗布・乾燥することによって得られる。
【0015】本発明で用いることができる結着剤樹脂と
しては、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリル樹
脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹
脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹
脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネ
ート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂等の付加重合
型樹脂、重付加型樹脂、重縮合型樹脂、並びにこれらの
繰り返し単位のうち2つ以上を含む共重合体樹脂、例え
ば塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸
ビニル−無水マレイン酸共重合体樹脂を挙げることがで
きる。
【0016】電荷輸送層は主として電荷輸送物質(有機
正孔移動物質)と結着剤樹脂とを溶剤中に溶解させた塗
料を塗工乾燥して形成する。電荷輸送物質には正孔輸送
物質と電子輸送物質がある。
【0017】正孔輸送物質としては、9−エチルカルバ
ゾール−3−アルデビド1−メチル−1−フェニルヒド
ラゾン、9−エチルカルバゾール−3−アルデヒド1,
1−ジフェニルヒドラゾン、4−ジエチルアミノスチレ
ン−β−アルデヒド1−メチル−1−フェニルヒドラゾ
ン、4−メトキシナフタレン−1−アルデヒド1−ベン
ジル−1−フェニルヒドラゾン、4−メトキシベンズア
ルデヒド1−メチル−1−フェニルヒドラゾン、2,4
−ジメトキシベンズアルデヒド1−ベンジル−1−フェ
ニルヒドラゾン、4−ジエチルアミノベンズアルデヒド
1,1−ジフェニルヒドラゾン、4−メトキシベンズア
ルデヒド1−ベンジル−1−(4−メトキシフェニル)
ヒドラゾン、4−ジフェニルアミノベンズアルデヒド1
−ベンジル−1−フェニルヒドラゾン、4−ジベンジル
アミノベンズアルデヒド1,1−ジフェニルヒドラゾン
等のヒドラゾン化合物、1,1−ビス(4−ジベンジル
アミノフェニル)プロパン、トリス(4−ジエチルアミ
ノフェニル)メタン、2,2’−ジメチル−4,4’−
ビス(ジエチルアミノ)−トリフェニルメタン等のトリ
フェニルメタン化合物、またはジフェニルメタン化合
物、9−(4−ジエチルアミノスチリル)アントラセ
ン、9−ブロム−10−(4−ジエチルアミノスチリ
ル)アントラセン、9−(4−ジメチルアミノスチリ
ル)フルオレン、3−(9−フルオレニリデン)−9−
エチルカルバゾール、1,2−ビス(2,4−ジエチル
アミノスチリル)ベンゼン、1,2−ビス(2,4−ジ
メトキシスチリル)ベンゼン、3−スチリル−9−エチ
ルカルバゾール、3−(4−メトキシスチリル)−9−
エチルカルバゾール、4−ジフェニルアミノスチルベ
ン、4−ジベンジルアミノスチルベン、4−ジトリルア
ミノスチルベン、1−(4−ジフェニルアミノスチリ
ル)ナフタレン、1−(4−ジエチルアミノスチリル)
ナフタレン、4’−ジフェニルアミノ−α−フェニルス
チルベン、4’−メチルフェニルアミノ−α−フェニル
スチルベン等のスチルベン化合物、またはアリールビニ
ル化合物、1−フェニル−3−(4−ジエチルアミノス
チリル)−5−(4−ジエチルアミノフェニル)ピラゾ
リン、1−フェニル−3−(4−ジメチルアミノスチリ
ル)−5−(4−ジメチルアミノフェニル)ピラゾリン
等のピラゾリン化合物、2,5−ビス(4−ジエチルア
ミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,
5−ビス〔4−(4−ジエチルアミノスチリル)フェニ
ル〕−1,3,4−オキサジアゾール、2−(9−エチ
ルカルバゾリル−3−)−5−(4−ジエチルアミノフ
ェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−ビニル
−4−(2−クロロフェニル)−5−(4−ジエチルア
ミノフェニル)オキサゾール、2−(4−ジエチルアミ
ノフェニル)−4−フェニルオキサゾール等の複素環化
合物、トリフェニルアミン、トリ−p−トリルアミン、
4,4’−ジメトキシトリフェニルアミン、N,N’−
ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニルベ
ンジジン、1,1−ビス(4−ジ−p−トリフェニルア
ミノフェニル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’−
テトラ(p−トリル)ベンジジン、N,N,N’,N’
−テトラ(p−トリル)−o−フェニレンジアミン、
N,N’−ビス(4−メトキシフェニル)−1−アミノ
ピレン等のトリフェニルアミン化合物、またはトリアリ
ールアミン化合物、などの低分子化合物がある。また、
ポリ−N−ビニルカルバゾール、ハロゲン化ポリ−N−
ビニルカルバゾール、ポリビニルピレン、ポリビニルア
ントラセン、ピレンホルムアルデヒド樹脂、エチルカル
バゾールホルムアルデヒド樹脂、などの高分子化合物も
使用できる。
【0018】電荷輸送物質としては、例えば、クロルア
ニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシ
アノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フル
オレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオ
レノン、ジフェノキノン、2,4,5,7−テトラニト
ロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサント
ン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2
−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロ
ジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、無水コハ
ク酸、無水マレイン酸、フタル酸、テトラクロル無水フ
タル酸、テトラブロム無水フタル酸、4−ニトロ無水フ
タル酸、3−ニトロ無水フタル酸、無水ピロメリット
酸、ピクリン酸、o−ニトロ安息香酸、3,5−ジニト
ロ安息香酸、ペンタフルオロ安息香酸、5−ニトロサリ
チル酸、3,5−ジニトロサリチル酸、o−ジニトロベ
ンゼン、m−ジニトロベンゼン、1,3,5−トリニト
ロベンゼン、p−ニトロベンゾニトリル、ピクリルクロ
ライド、ジクロロジシアノ−p−ベンゾキノン、アント
ラキノン、クロロアントラキノン、ジクロロアントラキ
ノン、ジニトロアントラキノン、9−フルオレニリデン
〔ジシアノメチレンマロノジニトリル〕、2,4,7−
トリニトロ−フルオレニリデンアニリン等、電子親和力
が大きい化合物が挙げられる。
【0019】これらの電荷輸送物質は、単独または2種
以上混合して用いられる。感光層が単一の場合、膜厚は
5〜100μm、好ましくは10〜40μmくらいが適
当である。5μmより薄いと帯電性が低下し、逆に、1
00μmより厚いと感度の低下をもたらす。また感光層
が積層構造の場合、電荷発生層の膜厚は0.01〜10
μm、好ましくは0.05〜5μmの範囲であり、電荷
輸送層の膜厚は5〜40μm、好ましくは10〜30μ
mの範囲にある。
【0020】
【実施例】次に本発明を実施例により、さらに具体的に
説明するが、これにより本発明の態様が限定されるもの
ではない。
【0021】実施例1 無金属フタロシアニン0.3gと前記構造式〔A−1〕
0.1g(混合比:75/25)とを硫酸に溶解した
後、水中にあけて析出させることによって電荷発生物質
を調製した。この電荷発生物質0.25gをポリカーボ
ネートZ(PC−Z)溶液6.25g(テトラヒドロフ
ラン中に2wt%に溶解したもの)とともにボールミリ
ングした後、顔料組成2wt%、PC−Z組成が50w
t%、下記のアクセプタ化合物(III)が18wt
%、下記の正孔移動物質(IV)が30wt%となるよ
う10wt%のPC−Z溶液、アクセプタ化合物、正孔
移動物質を加え感光体の塗布液を作製した。この液をア
ルミニウム基体上に塗布し加熱乾燥して約18μmの単
層型感光体を作製した。
【化7】
【化8】
【0022】実施例2〜3 無金属フタロシアニンと前記構造式〔A−1〕との混合
比を各々50/50、25/75とした以外は実施例1
と同様にして実施例2及び実施例3の感光体を作成し
た。
【0023】比較例1 無金属フタロシアニン0.4gを硫酸に溶解した後、水
中にあけて析出させた化合物を電荷発生物質として用い
る以外は実施例1と同様にして比較例1の感光体を作成
した。
【0024】比較例2 前記構造式〔A−1〕0.4gを硫酸に溶解した後、水
中にあけて析出させた化合物を電荷発生物質として用い
る以外は実施例1と同様にして比較例2の感光体を作成
した。
【0025】実施例1〜3及び比較例1〜2に従って作
成した電子写真感光体を静電試験装置(SP−428:
川口電気社製)を用いて評価した。評価は初めに+16
μAの条件で20秒間のコロナ帯電を行い、20秒間放
置後の表面電位Voを求めた。続いて表面照度が20l
uxとなるような露光(タングステンランプ)を行い、
表面電位が1/2に減衰するのに必要な露光量(E1/
2)を測定した。その結果を表3に示す。また、+6K
Vのコロナ放電を行い感光体表面を帯電させ、その後暗
所にて表面電位を+500Vまで減衰させ、ついで単色
光を照射し感光体の表面電位を光減衰させる。この時、
感光体の表面電位が+500Vから+250Vまで減衰
させるのに要した光のエネルギー、半減露光エネルギー
E1/2(cm2/μJ)を測定した。その結果を表3
に示す。また460〜760nmの範囲での分光感度を
図3に示す。
【表3】
【0026】実施例4 無金属フタロシアニン0.3gと前記構造式〔A−1〕
0.1g(混合比:75/25)とを硫酸に溶解した
後、水中にあけて析出させることによって電荷発生物質
を調製した。この電荷発生物質0.25gをポリカーボ
ネートZ(PC−Z)溶液6.25g(テトラヒドロフ
ラン中に2wt%に溶解したもの)とともにボールミリ
ングし、顔料/PC−Z=2/1となるようテトラヒド
ロフランを加えてアルミニウム基体上に塗布し、乾燥後
膜厚が0.15μmの電荷発生層を形成した。次に実施
例1で用いた正孔移動剤0.5gを10wt%PC−Z
溶液5gとテトラヒドロフラン0.11gとに溶解した
溶液を作成し、電荷発生層状に塗布した。乾燥後膜厚1
8μmの電荷輸送層を形成し、積層型感光体を作製し
た。
【0027】実施例5〜6 無金属フタロシアニンと前記構造式〔A−1〕との混合
比を各々50/50、25/75とした以外は実施例4
と同様にして、実施例5および実施例6の感光体を作成
した。
【0028】比較例3 無金属フタロシアニン0.4gを硫酸に溶解した後、水
中にあけて析出させた化合物を電荷発生物質として用い
る以外は実施例4と同様にして、比較例3の感光体を作
成した。
【0029】比較例4 前記構造式〔A−1〕0.4gを硫酸に溶解した後、水
中にあけて析出させた化合物を電荷発生物質として用い
る以外は実施例4と同様にして、比較例4の感光体を作
成した。
【0030】実施例4〜6及び比較例3〜4に従って作
成した電子写真感光体を静電試験装置(SP−428:
川口電気社製)を用いて評価した。評価は初めに+24
μAの条件で20秒間のコロナ帯電を行い、20秒間放
置後の表面電位Voを求めた。続いて表面照度が20l
uxとなるような露光(タングステンランプ)を行い、
表面電位が1/2に減衰するのに必要な露光量(E1/
2)を測定した。その結果を表4に示す。また、−6K
Vのコロナ放電を行い感光体表面を帯電させ、その後暗
所にて表面電位を−400Vまで減衰させ、ついで単色
光を照射し感光体の表面電位を光減衰させる。この時、
感光体の表面電位が−400Vから+200Vまで減衰
させるのに要した光エネルギー、半減露光エネルギーE
1/2(cm2/μJ)を測定した。その結果を表4に
示す。460〜760nmの範囲での分光感度を図4に
示す。
【表4】
【0031】実施例7 無金属フタロシアニン0.3gと前記構造式〔B−1〕
0.1g(混合比:75/25)とを硫酸に溶解した
後、水中にあけて析出させることによって電荷発生物質
を調製した。この電荷発生物質0.25gをポリカーボ
ネートZ(PC−Z)溶液6.25g(テトラヒドロフ
ラン中に2wt%に溶解したもの)とともにボールミリ
ングした後、顔料組成2wt%、PC−Z組成が50w
t%、実施例1で用いたアクセプタ化合物が18wt
%、実施例1で用いた正孔移動材料が30wt%となる
よう10wt%のPC−Z溶液、アクセプタ化合物、正
孔移動剤を加え感光体の塗布液を作成した。この液をア
ルミニウム基体上に塗布し加熱乾燥して約18μmの単
層型感光体を作製した。
【0032】実施例8〜9 無金属フタロシアニンと前記構造式〔B−1〕との混合
比を各々50/50、25/75とした以外は実施例1
と同様にして実施例8および実施例9の感光体を作成し
た。
【0033】比較例5 前記構造式〔B−1〕0.4gを硫酸に溶解した後、水
中にあけて析出させた化合物を電荷発生物質として用い
る以外は実施例1と同様にして、比較例5の感光体を作
成した。
【0034】実施例7〜9及び比較例5に従って作成し
た電子写真感光体を静電試験装置(SP−428:川口
電気社製)を用いて評価した。評価は初めに+16μA
の条件で20秒間のコロナ帯電を行い、20秒間放置後
の表面電位Voを求めた。続いて表面照度が20lux
となるような露光(タングステンランプ)を行い、表面
電位が1/2に減衰するのに必要な露光量(E1/2)
を測定した。その結果を表5に示す。また、+6KVの
コロナ放電を行い感光体表面を帯電させ、その後暗所に
て表面電位を+500Vまで減衰させ、ついで単色光を
照射し感光体の表面電位を光減衰させる。この時、感光
体の表面電位が+500Vから+250Vまで減衰させ
るのに要した光のエネルギー、半減露光エネルギーE1
/2(cm2/μJ)を測定した。その結果を表5に示
す。460〜840nmの範囲での分光感度を図5に示
す。
【表5】
【0035】実施例10 電荷発生物質は、無金属フタロシアニン0.3gと前記
構造式〔B−1〕0.1g(混合比:75/25)とを
硫酸に溶解した後、水中にあけて析出させることによっ
て電荷発生物質を調製した。この電荷発生物質0.25
gをポリカーボネートZ(PC−Z)溶液6.25g
(テトラヒドロフラン中に2wt%に溶解したもの)と
ともにボールミリングし、顔料/PC−Z=2/1とな
るようテトラヒドロフランを加えてアルミニウム基体上
に塗布し、乾燥後膜厚が0.15μmの電荷発生層を形
成した。次に実施例1で用いた正孔移動剤0.5gを1
0wt%PC−Z溶液5gとテトラヒドロフラン0.1
1gとに溶解した溶液を作成し、電荷発生層状に塗布し
た。乾燥後膜厚18μmの電荷輸送層を形成し、積層型
電子写真感光体を作成した。
【0036】実施例11〜12 無金属フタロシアニンと前記構造式〔B−1〕との混合
比を各々50/50、25/75とした以外は実施例1
0と同様にして、実施例11と実施例12の感光体を作
成した。
【0037】比較例6 前記構造式〔B−1〕0.4gを硫酸に溶解した後、水
中にあけて析出させた化合物を電荷発生物質として用い
る以外は実施例10と同様にして、比較例6の感光体を
作成した。
【0038】実施例10〜12及び比較例6に従って作
成した電子写真感光体を静電試験装置(SP−428:
川口電気社製)を用いて評価した。評価は初めに−24
μAの条件で20秒間のコロナ帯電を行い、20秒間放
置後の表面電位Voを求めた。続いて表面照度が20l
uxとなるような露光(タングステンランプ)を行い、
表面電位が1/2に減衰するのに必要な露光量(E1/
2)を測定した。その結果を表6に示す。また、−6K
Vのコロナ放電を行い感光体表面を帯電させ、その後暗
所にて表面電位を−400Vまで減衰させる。ここで単
色光を照射し感光体の表面電位を光減衰させる。この
時、感光体の表面電位が−400Vから+200Vまで
減衰させるのに要した光エネルギー、半減露光エネルギ
ーE1/2(cm2/μJ)を測定した。その結果を表
6に示す。また460〜840nmの範囲での分光感度
を図6に示す。
【表6】
【0039】
【発明の効果】以上の結果から明らかなように、本発明
の電子写真感光体は無金属フタロシアニンとペリレンテ
トラカルボン酸ジイミド化合物又は、ペリレンテトラカ
ルボン酸ジイミダゾール化合物とを一旦均一な溶解状態
とし、その後、貧溶媒で粒子化した混合物を電荷発生物
質として用いたことから、高感度で電子写真特性に優れ
たものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る単層型電子写真感光体の模式断面
図。
【図2】本発明に係る積層型電子写真感光体の模式断面
図。
【図3】実施例2〜3及び比較例1〜2で得られた電子
写真感光体の分光感度曲線。
【図4】実施例5〜6及び比較例3〜4で得られた電子
写真感光体の分光感度曲線。
【図5】実施例8〜9及び比較例5で得られた電子写真
感光体の分光感度曲線。
【図6】実施例11〜12及び比較例6で得られた電子
写真感光体の分光感度曲線。
【符号の説明】
1 導電性基体 2 電荷発生物質 3 結着剤中に電荷輸送物質が分子状に分散されたマト
リックス 4 電荷発生層 5 電荷輸送層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小島 明夫 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (56)参考文献 特開 平2−228670(JP,A) 特開 平2−228671(JP,A) 特開 平1−118147(JP,A) 特開 昭59−155846(JP,A) 特開 平3−269062(JP,A) 特開 平2−222962(JP,A) 特開 平5−11472(JP,A) 特開 昭63−291061(JP,A) 特開 昭63−180956(JP,A) 特開 平3−35063(JP,A) 特開 平4−204850(JP,A) 特開 昭63−223753(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 5/06

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性基体上に少なくとも電荷発生物質
    と電荷輸送物質とが同一層中に含有されている単層感光
    層、又は両物質が別々の層に含有されている積層感光層
    を有する電子写真感光体において、該電荷発生物質とし
    て無金属フタロシアニン(p型)と下記一般式(I))
    で表わされるペリレンテトラカルボン酸ジイミド化合物
    (n型)とを一旦均一な溶解状態とし、その後貧溶媒で
    粒子化した混合物を用いることを特徴とする電子写真感
    光体。 【化1】 (式中、R1、R2は水素、置換もしくは無置換のアルキ
    ル基又は置換もしくは無置換のアリール基を表す。)
  2. 【請求項2】 導電性基体上に少なくとも電荷発生物質
    と電荷輸送物質とが同一層中に含有されている単層感光
    層、又は両物質が別々の層に含有されている積層感光層
    を有する電子写真感光体において、該電荷発生物質とし
    て無金属フタロシアニン(p型)と下記一般式(II)
    で表わされるペリレンテトラカルボン酸ジイミダゾール
    化合物(n型)とを一旦均一な溶解状態とし、その後貧
    溶媒で粒子化した混合物を用いることを特徴とする電子
    写真感光体。 【化2】 (式中、X1、X2は、置換もしくは無置換の縮合多環又
    はヘテロ環の2価基を表す。)
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