JPH0862874A - 単層型電子写真感光体 - Google Patents

単層型電子写真感光体

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JPH0862874A
JPH0862874A JP22427494A JP22427494A JPH0862874A JP H0862874 A JPH0862874 A JP H0862874A JP 22427494 A JP22427494 A JP 22427494A JP 22427494 A JP22427494 A JP 22427494A JP H0862874 A JPH0862874 A JP H0862874A
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JP
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organic
electrophotographic photoreceptor
layer type
type electrophotographic
low molecular
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JP22427494A
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Hisao Kurosu
久雄 黒須
Ikuko Yamada
郁子 山田
Akio Kojima
明夫 小島
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 帯電性および感度に優れ、また、複写プロセ
スを繰り返しても静電特性の安定性に富んだ単層型電子
写真感光体を提供する。 【構成】 導電性基体上に、少なくとも電荷発生物質、
有機アクセプター性化合物および正孔輸送物質を含有す
る感光層を設けた単層型電子写真感光体において、正孔
輸送物質として低分子有機正孔輸送物質と有機ポリシラ
ン化合物(好ましくは、下記構造式(II)で表される化合
物)を用いた電子写真感光体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電荷発生物質、有機ア
クセプタ性化合物および正孔輸送物質を含有する単一の
感光層からなる電子写真感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真プロセスは静電力による潜像の
可視化を原理として用いたものであるため、そのプロセ
スの実施に用いられる電子写真感光体には、暗所での良
好な帯電性と光照射による迅速な表面電位の減衰とが要
求される。かかるプロセス上で電子写真感光体に必要な
特性は、固有物性値である暗抵抗の高さと良好な電荷発
生量子効率、高い電荷移動度に換言される。
【0003】これらの物性値を満足するものとして、従
来よりセレン、セレン−テルル合金、砒化セレン等の無
機化合物から構成された感光体が採用され、多くの複写
機で用いられてきた。しかしながら、これらの材料は毒
性が強く、またアモルファス状態で用いられるため取り
扱いが厄介であり、さらに数十μmの厚さに真空蒸着す
る必要からコスト高である等の欠点があり、感光体とし
て未解決の問題を有している。
【0004】これらの欠点を改良および解消するため
に、有機材料を用いた電子写真感光体(OPC)の開発
が積極的になされ実用に供されるようになってきた。実
用化されたOPCのほとんどは、その感光層が電荷発生
機能を有する層(CGL)と電荷輸送機能を有する層
(CTL)とからなる積層型の構成であり、もっぱら負
帯電プロセスに用いられている。
【0005】その理由は、使用される材料を混合し、単
に単層として形成した感光体では、帯電性、感度、静電
的特性の疲労現象が実用の程度以下まで低下する欠点が
露呈してしまう場合が多いのに対し、積層型ではこれら
の欠点が極力抑えられ、かつ、機械的強度に富み、膜厚
の設計が可能なCTLを表面に配置することで、プロセ
スに供された状態で十分な機械的耐久性を感光体に保持
させることが可能となるからである。また高速電子写真
プロセスにおいても支障のない程度の高い電荷移動度を
示す有機材料は、現在のところほとんど正孔移動の性質
のみを有するドナー化合物に限られ、また、静電的性質
の疲労現象を極力抑え、かつ、プロセスに供された状態
で感光体の機械的な耐久性を十分保持させるには、電荷
発生と電荷移動との機能を層ごとに分離した機能分離構
造とし、正孔移動性のCTLを表面に配置した積層型の
感光体が静電特性面では最も合理的なものとされたから
である。
【0006】しかしながら、このような機能分離構造の
電子写真用感光体は、新たな問題を生じさせているのが
実情である。第一には、感光体の負帯電に由来するもの
である。電子写真プロセスにおける信頼性の高い帯電方
式はコロナ放電によるものであり、ほとんどの複写機、
プリンタにはこの方式が採用されている。しかし周知の
ごとく、正極性と比べ負極性のコロナ放電は不安定であ
り、このためスコロトロンによる帯電方式が採用されコ
ストアップの一要因となっている。また、負極性のコロ
ナ放電はオゾンの発生をより多く伴うため、その外部排
出を防ぐべく負帯電方式の複写機、プリンタにはオゾン
フィルタが用いられている。正帯電方式であればオゾン
発生量は非常に少なく抑えられる。また、現状では環境
変動が少なく安定な画像が得られる二成分系現像材のト
ナーは正帯電用であり、この面からも正帯電用の感光体
が望ましい。
【0007】第二には、感光体の積層構造に由来するも
のである。感光体の製造では、真空蒸着法と比べ安価な
溶液塗布法を用いることが可能であるが、このような積
層タイプの感光体を製造するためには少なくとも2回の
塗布操作、通常は感光体の帯電性確保のため基板のすぐ
上(基板と感光層との間)に下引き層を設けてあるため
3回の塗布操作が必要であり、これら複数回の塗布操作
は感光体のコストアップにつながる。さらに、感度およ
び耐久性のバランスを保ち、また、良好な画像を得るた
めCGLの厚さをサブミクロンの範囲で管理することも
製造コストを一層引き上げる要因となっている。
【0008】こうした問題を考慮すると、有機材料を用
いた電子写真感光体としては、正帯電プロセス用の単層
型(感光層が一層からなるタイプのもの)構成が望まし
いことが理解される。さらに、該感光体がそのまま、あ
るいは若干の変更で負帯電プロセスに用いることが可能
であれば、安価で使用環境の自由度が高い利点を有する
感光体を創製することができることも理解される。
【0009】単層型の有機感光体として市販されている
ものとしては、特公昭50−10496号公報記載の
ポリビニルカルバゾールとトリニトロフルオレノンとか
らなる電荷移動錯体感光体、特公昭48−38430
号公報記載のチアピリリウム染料とポリカーボネートと
からなる共晶錯体感光体、特開平2−37354号公
報記載のペリレン系顔料およびヒドラゾンドナーが樹脂
中に分散された感光体等を数えるのみである。このう
ち、、は負帯電プロセスに用いられていたためオゾ
ン発生の欠点を伴っており、また、は感光体の感度が
低いため、高速の複写プロセスには不適な欠点を伴って
いた。
【0010】最近に至って、特開昭61−170747
号公報には、有機ポリシランを正孔輸送材料として含む
感光体が提案されている。この有機ポリシランは溶液か
らの成膜が可能であり、非晶質高分子材料中では、高い
ホールドリフト移動度(〜10-4cm2/V・sec)
を示すことも知られている。
【0011】この有機ポリシラン化合物を用いた単層型
感光体としては、特開平3−256050号公報に、電
荷発生物質としてx−H2Pc、電荷輸送物質としてフ
ェニルメチルポリシランとジフェノキノン誘導体を含有
する組成物からなる単層型感光体が提案されているが、
該感光体は感度の面では良いが、帯電性および繰り返し
時の残留電位の面では充分な特性が得られていない。ま
た、有機ポリシラン化合物を負帯電型積層感光体の電荷
輸送層に用いた例としては、米国特許694,862号
明細書、特開平3−144572号公報、同−1445
73号公報等がある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
状況に鑑みてなされたもので、帯電性および感度に優
れ、また、複写プロセスを繰り返しても静電特性の安定
性に優れた単層型電子写真感光体を提供することを目的
とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、導電性
基体上に、少なくとも電荷発生物質、有機アクセプター
性化合物および正孔輸送物質を含有する感光層を設けた
単層型電子写真感光体において、正孔輸送物質として低
分子有機正孔輸送物質と有機ポリシラン化合物を用いる
ことを特徴とする電子写真感光体が提供される。また、
前記有機ポリシラン化合物が、下記一般式(I)で表さ
れるポリシランであることを特徴とする前記単層型電子
写真感光体が提供される。
【化1】 (式中、R,R′は、アルキル基、シクロアルキル基、
アリール基を表し、互いに同一であっても異なっていて
もよい。nは、重合度を示す。) また、前記有機ポリシラン化合物が、下記一般式(II)
で表されるポリメチルフェニルシラン、又は下記一般式
(III)で表されるポリシクロヘキシルメチルシランで
あることを特徴とする前記単層型電子写真感光体が提供
される。
【化2】
【化3】 (前記式(II)〜(III)中、nは重合度を表す。) 更に、前記単層型電子写真感光体において、低分子有機
正孔輸送物質と有機ポリシラン化合物との配合比が重量
比で23:7〜1:1であることを特徴とする単層型電
子写真感光体が提供される。
【0014】このように本発明の単層型電子写真感光体
は、正孔輸送物質として、低分子有機正孔輸送物質と有
機ポリシラン化合物を併用することを特徴とするもので
あり、帯電性と感度に優れ、低速から高速の複写プロセ
スまで好適であり、また、電荷発生物質を変えることに
より、分光感度域が制御でき、モノクロまたはフルカラ
ー用のアナログ複写機から光書き込み用にLD光を使用
したページプリンタの感光体にまで適用することが可能
となる。また、感光体の帯電性および繰り返し使用時の
静電特性の安定性がにも優れるものである。
【0015】以下、本発明を図面に基づいて、さらに詳
細に説明する。図1は本発明にかかわる感光体の一例を
示しており、1は導電性基体、2は感光層、21は電荷
発生物質、22は結着剤中に有機アクセプター性化合
物、低分子有機正孔輸送物質および有機ポリシラン化合
物とが分散されたマトリックスを表している。本発明の
感光層2においては、前記したように有機ポリシラン化
合物としては、好適には下記構造式(II)〜(III)で
示される化合物が用いられる。
【化2】
【化3】 (前記式(II)〜(III)中、nは重合度を表す。)
【0016】本発明で用いる低分子有機正孔輸送物質と
該有機ポリシラン化合物の感光層(図中、2)全体に占
める量は15重量%以上、好ましくは20〜40重量%
で、低分子有機正孔輸送物質と該有機ポリシラン化合物
との比は、前記したように、23:7〜1:1(重量
比)である。低分子有機正孔輸送物質に対する該有機ポ
リシラン化合物の比がこれより少ないと帯電性が悪くな
り、またこれより多い場合十分な感度が得られない。
【0017】本発明で用いられる低分子有機正孔輸送物
質としては、9−エチルカバゾール−3−アルデヒド1
−メチル−1−フェニルヒドラソン、9−エチルカルバ
ゾール−3−アルデヒド1、1−ジフェニルヒドラゾ
ン、4−ジエチルアミノスチレン−β−アルデヒド1−
メチル−1−フェニルヒドラゾン、4−メトキシナフタ
レン−1−アルデヒド1−ベンジル−1−フェニルヒド
ラゾン、4−メトキシベンズアルデヒド1−メチル−1
−フェニルヒドラゾン、2,4−ジメトキシベンズアル
デヒド1−ベンジル−1−フェニルヒドラゾン、4−ジ
エチルアミノベンズアルデヒド1,1−ジフェニルヒド
ラゾン、4−メトキシベンズアルデヒド1−ベンジル−
1−(4−メトキシフェニル)ヒドラゾン、4−ジフェ
ニルアミノベンズアルデヒド1−ベンジル−1−フェニ
ルヒドラゾン、4−ジベンジルアミノベンズアルデヒド
1,1−ジフェニルヒドラゾン等のヒドラゾン化合物、
1,1−ビス(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパ
ン、トリス(4−ジエチルアミノフェニル)メタン、
2,2’−ジメチル−4,4’−ビス(ジエチルアミ
ノ)−トリフェニルメタン等のトリフェニルメタン化合
物、またはジフェニルメタン化合物、9−(4−ジエチ
ルアミノスチリル)アントラセン、9−ブロム−10−
(4−ジエチルアミノスチリル)アントラセン、9−
(4−ジメチルアミノスチリル)フルオレン、3−(9
−フルオレニリデン)−9−エチルカルバゾール、1,
2−ビス(2,4−ジエチルアミノスチリル)ベンゼ
ン、1,2−ビス(2,4−ジメトキシスチリル)ベン
ゼン、3−スチリル−9−エチルカルバゾール、3−
(4−メトキシスチリル)−9−エチルカルバゾール、
4−ジフェニルアミノスチルベン、4−ジベンジルアミ
ノスチルベン、4−ジトリルアミノスチルベン、1−
(4−ジフェニルアミノスチリル)ナフタレン、1−
(4−ジエチルアミノスチリル)ナフタレン、4’−ジ
フェニルアミノ−α−フェニルスチルベン、4’−メチ
ルフェニルアミノ−α−フェニルスチルベン等のスチル
ベン化合物、またはアリールビニル化合物、1−フェニ
ル−3−(4−ジエチルアミノスチリル)−5−(4−
ジエチルアミノフェニル)ピラゾリン、1−フェニル−
3−(4−ジメチルアミノスチリル)−5−(4−ジメ
チルアミノフェニル)ピラゾリン等のピラゾリン化合
物、2,5−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)−
1.3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス〔4−
(4−ジエチルアミノスチリル)フェニル〕−1,3,
4−オキサジアゾール、2−(9−エチルカルバゾリル
−3−)−5−(4−ジエイルアミノフェニル)1,
3,4−オキサジアゾール、2−ビニル−4−(2−ク
ロロフェニル)−5−(4−ジエチルアミノフェニル)
オキサゾール、2−(4−ジエチルアミノフェニル)−
4−フェニルオキサゾール等の複素環化合物、トリフェ
ニルアミン、トリ−p−トリルアミン、4,4’−ジメ
トキシトリフェニルアミン、N,N’−ビス(3−メチ
ルフェニル)−N,N’−ジフェニルベンジジン、1,
1−ビス(4−ジ−p−トリフェニルアミノフェニル)
シクロヘキサン、N,N,N’,N’−テトラ(p−ト
リル)ベンジジン、N,N,N’,N’−テトラ(p−
トリル)−o−フェニレンジアミン、N,N’−ビス
(4−メトキシフェニル)−1−アミノピレン等のトリ
フェニルアミン化合物、またはトリアリールアミン化合
物の低分子化合物がある。
【0018】本発明の感光層において用いられる有機ア
クセプター性化合物としては、例えば、クロルアニル、
ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキ
ノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノ
ン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノ
ン、ジフェノキノン、2,4,5,7−テトラニトロキ
サントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、
2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−
b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジ
ベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、無水コハク
酸、無水マレイン酸、フタル酸、テトラクロル無水フタ
ル酸、テトラブロム無水フタル酸、4−ニトロ無水フタ
ル酸、3−ニトロ無水フタル酸、無水ピロメリット酸、
ピクリン酸、o−ニトロ安息香酸、3,5−ジニトロ安
息香酸、ペンタフルオロ安息香酸、5−ニトロサリチル
酸、3,5−ジニトロサリチル酸、o−ジニトロベンゼ
ン、m−ジニトロベンゼン、1,3,5−トリニトロベ
ンゼン、p−ニトロベンゾニトリル、ピクリルクロライ
ド、ジクロロジシアノ−p−ベンゾキノン、アントラキ
ノン、クロロアントラキノン、ジクロロアントラキノ
ン、ジニトロアントラキノン、9−フルオレニリデン
〔ジシアノメチレンマロノジニトリル〕、2,4,7−
トリニトロ−フルオレニリデンアニリン、3,5−ジメ
チル−3’,5’−ジ−t−ブチルジフェノキノン等、
電子親和力が大きい化合物が挙げられる。有機アクセプ
ター性化合物の感光層(図中、2)全体に占める量は、
1〜40重量%、好ましくは5〜40重量%である。こ
れらの低分子有機正孔輸送物質または有機アクセプター
性化合物は、単独または2種以上混合して用いられる。
【0019】感光層2における結着剤の役割は、電荷発
生物質21の良好な分散と低分子有機正孔輸送物質およ
び有機アクセプター性化合物の分子状の分散ばかりでな
く、複写プロセスで必要とされる感光層の機械的強度も
担っている。このため結着剤の組成比が低い場合には、
これらの諸特性が損なわれることとなる。従って、感光
層に占める結着剤の量はむやみに低くはできない。これ
らの結着剤の感光層全体に占める割合は30〜90重量
%、好ましくは40〜70重量%が適当である。
【0020】本発明で用いることができる結着剤として
は、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリル樹脂、メ
タクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、エポ
キシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエ
ステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、
シリコーン樹脂、メラミン樹脂等の付加重合型樹脂、重
付加型樹脂、重縮合型樹脂、並びにこれらの繰り返し単
位のうち2つ以上を含む共重合体樹脂、例えば塩化ビニ
ル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無
水マレイン酸共重合体樹脂を挙げることができる。
【0021】本発明の単層型電子写真感光体では電荷発
生物質も必須成分である。本発明で用いることのできる
電荷発生物質としては、ビスアゾ顔料、トリスアゾ顔
料、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、キナクリドン
顔料、インジゴ顔料、多環キノン顔料等が挙げられる。
これらのうち、アゾ顔料の中心骨格としてはカルバゾー
ル基やスチリル基、ジフェニルアミン基、トリフェニル
アミン基のような電子供与性が好ましい。これら電荷発
生物質の感光層2に占める量は、0.1〜40重量%、
好ましくは0.3〜25重量%である。
【0022】本発明の感光層の膜厚は5〜100μm、
好ましくは10〜40μm位が適当である。5μmより
薄いと帯電性が低下し、逆に、100μmより厚いと感
度の低下をもたらす。
【0023】本発明で用いることができる導電性基体と
しては、アルミニウム、ニッケル、銅、ステンレス等の
金属板、金属ドラムあるいは金属箔、アルミニウム、酸
化スズ、ヨウ化銅の薄膜を塗布したプラスチックフィル
ムあるいはガラス等が挙げられる。
【0024】また、本発明の感光体では帯電性を改良す
る目的で感光層と導電性基体の間に下引き層を設けるこ
とができる。これらの材料としては前記結着剤材料の他
に、ポリアミド樹脂、ポリビニルアルコール、カゼイ
ン、ポリビニルピロリドン等を用いることができる。下
引き層の厚さは0.01〜10μm、好ましくは0.1
〜5μm位が適当である。
【0025】本発明の感光体は、所定の材料を有機溶媒
中に溶解またはボールミル、超音波、ホモミキサー等で
分散した塗布液をデイッピング、ブレード、スプレー等
で導電性基体上に塗布することにより作製される。
【0026】
【実施例】次に本発明を実施例により、さらに具体的に
説明するが、これにより本発明の態様が限定されるもの
ではない。
【0027】実施例1 x型無金属フタロシアニン1.0gをポリカーボネート
Z(帝人化成社製PC−Z)溶液10g(テトラヒドロ
フラン中に10重量%の濃度になるように溶解したも
の)、テトラヒドロフラン9gとともにボールミリング
し、さらに10重量%PC−Z溶液20gを加えた後、
顔料組成が2重量%、PC−Z組成が50重量%、下記
構造式(IV)で示される有機アクセプター性化合物が1
8重量%、下記構造式(V)で示される低分子有機正孔
輸送物質が23重量%、ポリフェニルメチルシランが7
重量%となるように10重量%のPC−Z溶液、有機ア
クセプタ−性化合物、低分子有機正孔輸送物質、ポリフ
ェニルメチルシラン、テトラヒドロフランを加え、十分
に撹拌し、感光層形成液を調製した。このようにして調
製した塗布液をアルミニウムを1000Åの厚さに蒸着
した75μm厚のポリエスッテルフィルム上にドクター
ブレードにて塗布し、乾燥後の膜厚が17μmの感光層
を有する単層型電子写真用感光体を作製した。
【化4】
【化5】
【0028】実施例2 実施例1において低分子有機正孔輸送物質を15重量
%、ポリフェニルメチルシランを15重量%とした以外
は実施例1と同様の条件で感光体を作製した。
【0029】実施例3 実施例1において低分子有機正孔輸送物質を8重量%、
ポリフェニルメチルシランを22重量%とした以外は実
施例1と同様の条件で感光体を作製した。
【0030】比較例1 実施例1において低分子有機正孔輸送物質を30重量%
とし、ポリフェニルメチルシランを添加しなかった以外
は実施例1と同様の条件で感光体を作製した。
【0031】比較例2 実施例1においてポリフェニルメチルシランを30重量
%とし、低分子有機正孔輸送物質を添加しなかった以外
は実施例1と同様の条件で感光体を作製した。
【0032】実施例4 実施例1においてポリフェニルメチルシランをポリシク
ロヘキシルメチルシランに代えた以外は実施例1と同様
の条件で感光体を作製した。
【0033】実施例5 実施例4において低分子有機正孔輸送物質を15重量
%、ポリシクロヘキシルメチルシランを15重量%とし
た以外は実施例4と同様の条件で感光体を作製した。
【0034】実施例6 実施例4において低分子有機正孔輸送物質を8重量%、
ポリシクロヘキシルメチルシランを22重量%とした以
外は実施例4と同様の条件で感光体を作製した。
【0035】比較例3 実施例4においてポリシクロヘキシルメチルシランを3
0重量%とし、低分子有機正孔輸送物質を添加しなかっ
た以外は実施例4と同様の条件で感光体を作製した。
【0036】以上のようにして作製した電子写真感光体
を川口電機(株)製の静電複写紙試験装置(SP−42
8)を用いて評価した。評価は初めに+16μAの条件
で20秒間のコロナ帯電を行い(このときの表面電位V
s)、20秒間放置後の表面電位Voを求めた。暗減衰
は、Vo/Vsで評価した。続いて表面照度が20lu
xとなるような露光(タングステンランプ)を30秒間
行い、そのときの表面電位V30を残留電位とし、さらに
表面電位が1/2に減衰するのに必要な露光量
(E1/2)を測定した。さらに、+16μAのコロナ帯
電下、9000luxのタングステンランプを所定時間
照射し続け、電子写真感光体に強制的に光電流疲労を与
えた(感光体に流れるトータル通過電荷量が約25μQ
/cm2)後、上記と同様の測定を行い、帯電電位V
o’、暗減衰(Vo/Vs)’、残留電位V30’、感度
1/2’を求めた。その結果を表1に示す。
【0037】
【表1】 表1より、実施例の電子写真感光体は、感度を損なうこ
となく帯電性に優れ、また、強制光疲労を与えても静電
特性の安定性に優れていることがわかる。
【0038】
【発明の効果】本発明の単層型電子写真感光体は、帯電
性および感度に優れ、また複写プロスを繰り返しても静
電特性の安定性に富んだものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかわる単層型電子写真感光体の一例
を示す概略断面図である。 1 導電性基体 2 感光層 21 電荷発生物質 22 結着剤中に有機アクセプター性化合物、低分子有
機正孔輸送物質および有機ポリシラン化合物とが分散さ
れたマトリックス

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性基体上に、少なくとも電荷発生物
    質、有機アクセプター性化合物および正孔輸送物質を含
    有する感光層を設けた単層型電子写真感光体において、
    正孔輸送物質として低分子有機正孔輸送物質と有機ポリ
    シラン化合物を用いることを特徴とする電子写真感光
    体。
  2. 【請求項2】 前記有機ポリシラン化合物が、下記一般
    式(I)で表されるポリシランであることを特徴とする
    請求項1記載の単層型電子写真感光体。 【化1】 (式中、R,R′は、アルキル基、シクロアルキル基、
    アリール基を表し、互いに同一であっても異なっていて
    もよい。nは、重合度を示す。)
  3. 【請求項3】 有機ポリシラン化合物が、下記一般式
    (II)で表されるポリメチルフェニルシランであること
    を特徴とする請求項2記載の単層型電子写真感光体。 【化2】
  4. 【請求項4】 有機ポリシラン化合物が、下記一般式
    (III)で表されるポリシクロヘキシルメチルシランで
    あることを特徴とする請求項2記載の単層型電子写真感
    光体。 【化3】
  5. 【請求項5】 低分子有機正孔輸送物質と有機ポリシラ
    ン化合物との割合が、重量比で23:7〜1:1である
    ことを特徴とする請求項1、2、3または4記載の単層
    型電子写真感光体。
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