JP2005292817A - 光導電性材料、並びにそれを用いた電子写真感光体、電子写真感光体カートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents
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また、本発明の別の要旨は、導電性支持体上に少なくとも感光層を有する電子写真感光体であって、該感光層が、上述の光導電性材料を含有することを特徴とする、電子写真感光体に存する。
また、本発明の別の要旨は、上述の電子写真感光体と、該電子写真感光体を帯電させる帯電部、帯電した該電子写真感光体を露光させ静電潜像を形成する露光部、及び、該電子写真感光体上に形成された静電潜像を現像する現像部のうち、少なくとも一つとを備えたことを特徴とする電子写真感光体カートリッジに存する。
また、本発明の別の要旨は、上述の電子写真感光体と、該電子写真感光体を帯電させる帯電部と、帯電した該電子写真感光体を露光させ静電潜像を形成する露光部と、該電子写真感光体上に形成された静電潜像を現像する現像部とを備えたことを特徴とする画像形成装置に存する。
〔ピリジノポルフィラジン化合物〕
本発明の光導電性材料は、下記一般式(1)で示されるピリジノポルフィラジン化合物を含む組成物からなる。
本発明の光導電性材料は、通常、一般式(1)のピリジノポルフィラジン化合物の他に、フタロシアニン及び/又はその類縁体からなる群より選ばれる化合物(以下「フタロシアニン化合物」と略す)を含有する。その例としては、無金属フタロシアニン、金属フタロシアニン、テトラアザポルフィリン及びその金属錯化合物、ポルフィリン及びその金属錯化合物が挙げられる。中でも、電気特性、工業的生産性、製品安定性の面で実績がある無金属フタロシアニン、金属フタロシアニンは好ましく、その中でも無金属フタロシアニン又は中心金属がTi、Ga、In、V、Si、Sn、Alのフタロシアニンがより好ましく、無金属フタロシアニン又は中心金属がTi、Ga、Inのフタロシアニンを使用することが更に好ましく、中心金属がTiのフタロシアニン(チタニルフタロシアニン)を使用することが特に好ましい。なお、これらのフタロシアニン化合物は、公知の一般的な合成法によって製造することが可能である。
本発明の光導電性材料は、一般式(1)のピリジノポルフィラジン化合物(テトラピリジノポルフィラジン化合物)を含む組成物であり、更に、フタロシアニン化合物を構成成分とすることが好ましい。更にその他の成分を含んでいても良いが、通常は、実質的にこれらの化合物(テトラピリジノポルフィラジン化合物及びフタロシアニン化合物)のみから構成されることが好ましい。ここで、「実質的にこれらの化合物のみから構成される」とは、本発明の光導電性材料の好ましい特性を損なわない限りにおいて、他の微量成分を含有していても構わないという意である。
本発明の光導電性材料は、一般式(1)のピリジノポルフィラジン化合物を含有していれば、その存在状態に特に制限はない。例としては、上述の組成物の成分となる各々の化合物(通常は、一般式(1)のピリジノポルフィラジン化合物と、フタロシアニン化合物)の粒子が単に混合体として存在する状態、分子レベルで混合されて分子配列が規則性を有さない無定形状態、分子レベルで混合されて分子配列が規則性を有する共結晶状態などが挙げられる。但し、通常は無定形状態又は共結晶状態であることが好ましい。特に、無定形状態は一般的に安定性に乏しい部分があるため、共結晶状態であることがより好ましい。なお、本発明の光導電性材料は単一の存在状態を取っていてもよく、複数の存在状態を併せ持っていてもよい。
まず、本発明の光導電性材料が組成物を構成する各成分の粉末同士の混合体である場合には、光導電性材料の粉末X線回折スペクトルパターンは、各成分の粉末が示す粉末X線回折スペクトルパターンを足し合わせた形のパターンとして現れる。
さらに、本発明の光導電性材料が共結晶状態である場合には、組成物を構成する各成分の何れかの粉末が示す粉末X線回折スペクトルパターンと実質的に同一の粉末X線回折スペクトルパターンを主として示すが、いずれの結晶型にも属さない新規の粉末X線回折スペクトルパターンを示すこともある。
本発明の光導電性材料を製造する際には、上述の組成物を構成する各成分(通常は、一般式(1)のピリジノポルフィラジン化合物と、フタロシアニン化合物)を混合して製造する。但し、上述の組成物の成分となる各々の化合物を、単に粒子状に混合するのではなく、分子レベルで規則性のある構造を有するようにする必要がある。特に、本発明の光導電性材料は、上述のように、混合前の組成物の各構成成分単独の結晶型とは異なる新たな結晶型を示すか、組成物の主たる構成成分が単独の場合に示すX線回折スペクトルパターンとその組成物のX線回折スペクトルパターンとが実質的に同一であるような、混晶性の組成物とすることが好ましい。
以下、各工程について説明する。
一般的な無定形化の手法としては、酸に各々の化合物を溶解して、次に貧溶媒を使用して再析出させた後に溶剤処理するアシッドペースト法やアシッドスラリー法等の化学的処理法と、磨砕法等の機械的・物理的力を用いる機械的処理法とが挙げられるが、本発明では、各成分の無定形化の手法として、アシッドペースト法やアシッドスラリー法等の化学的処理法ではなく、機械的湿式粉砕、機械的乾式粉砕などの機械的粉砕処理による手法(機械的粉砕法)を用いることを特徴とする。アシッドペースト法やアシッドスラリー法等の化学的処理法を用いると、原料となる各成分に対して化学的反応を引き起したり、フタロシアニン環の開裂による分子の破壊を起こしたり、用いた濃硫酸に起因する不純物が残存したりする可能性がある。このため、得られる光導電性材料に酸の影響が残り易く、その光導電特性に悪影響を及ぼす虞がある。また、大量の酸を用いることから、廃酸の処理等で環境負荷が大きい。以上の理由から、本発明では機械的粉砕法を採用する。
乾式で機械的粉砕処理を行なう場合、通常0℃以上、好ましくは10℃以上、また、通常150℃以下、好ましくは100℃以下である。
無定形化工程の後、無定形化された各成分の混合固体(以下、この状態を「無定形固体」という。)を、更に分子レベルで規則性のある共結晶状態へと誘導するべく、共結晶化工程を行なうことが好ましい。
また、溶媒の使用量としては、無定形固体1重量部に対して通常0.01重量部以上、生産性を考慮すると好ましくは0.1重量部以上、また、通常500重量部以下、生産性を考慮すると250重量部以下である。
本発明の光導電性材料は、ペーパーライクディスプレイ等の各種の画像表示デバイス、光情報記録媒体、太陽電池用材料、光導電性材料として用いることが可能であるが、特に電子写真感光体の感光体材料としての使用が好ましい。本発明の光導電性材料を電子写真感光体の感光層に含有させることにより、環境変動による帯電減衰の光量依存性が小さくなる。これによって、画像特性の環境依存性が小さくなるので、従来の感光体で見られた使用環境に由来する画像カブリ等が見られない点で明白な効果をもたらすものである。また、これは感光体の性能のみならず、装置側での補正機構に過大に依存する必要が無くなる点で、画像形成装置設計上大きな効果がある。また、本発明の光導電性材料を用いた電子写真用感光体は高感度で、その特性バランスも良好である。
即ち、本発明の光導電性材料は、実質的に、ピリジン環を4つ有するピリジノポルフィラジン化合物(テトラピリジノポルフィラジン化合物)とフタロシアニン化合物のみからなり、1〜3のピリジン環を有するピリジノポルフィラジン化合物(モノ、ジ、又はトリピリジノポルフィラジン化合物)を含んでいない。また、機械的磨砕法を用いて微細化及びアモルファス化を行なうことにより製造される。これによって、結晶型の均一性が向上することにより、電荷発生効率を向上させているものと推測される。
本発明の電子写真感光体は、導電性支持体(基体)上に、上述した本発明の光導電性材料を含有する感光層を設けたものであれば、その構造は特に制限されない。
導電性支持体について特に制限は無いが、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、銅、ニッケル等の金属材料や、金属、カーボン、酸化錫などの導電性粉体を添加して導電性を付与した樹脂材料や、アルミニウム、ニッケル、ITO(酸化インジウム酸化錫)等の導電性材料をその表面に蒸着又は塗布した樹脂、ガラス、紙等が主として使用される。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。導電性支持体の形態としては、ドラム状、シート状、ベルト状などのものが用いられる。更には、金属材料の導電性支持体の上に、導電性・表面性などの制御や欠陥被覆のために、適当な抵抗値を有する導電性材料を塗布したものを用いても良い。
導電性支持体と後述する感光層との間には、接着性・ブロッキング性等の改善のため、下引き層を設けても良い。下引き層としては、樹脂、樹脂に金属酸化物等の粒子を分散したものなどが用いられる。
下引き層には、公知の酸化防止剤等を混合しても良い。画像欠陥防止などを目的として、顔料粒子、樹脂粒子等を含有させ用いても良い。
感光層の形式としては、電荷発生物質と電荷輸送物質とが同一層に存在し、バインダ樹脂中に分散された単層型と、電荷発生物質がバインダ樹脂中に分散された電荷発生層及び電荷輸送物質がバインダ樹脂中に分散された電荷輸送層の二層からなる機能分離型(積層型)とが挙げられるが、何れの形式であってもよい。本発明の光導電性材料は、電荷発生物質の少なくとも1種として含有されることになる。
積層型感光体(機能分離型感光体)の場合、電荷発生層は、電荷発生物質をバインダ樹脂で結着することにより形成される。
積層型感光体の電荷輸送層は、電荷輸送物質を含有するとともに、通常はバインダ樹脂と、必要に応じて使用されるその他の成分とを含有する。このような電荷輸送層は、具体的には、例えば電荷輸送物質等とバインダ樹脂とを溶剤に溶解又は分散して塗布液を作製し、これを順積層型感光層の場合には電荷発生層上に、また、逆積層型感光層の場合には導電性支持体上に(下引き層を設ける場合は下引き層上に)塗布、乾燥して得ることができる。
単層型感光体の感光層は、電荷発生物質と電荷輸送物質に加えて、積層型感光体の電荷輸送層と同様に、膜強度確保のためにバインダ樹脂を使用して形成する。具体的には、電荷発生物質と電荷輸送物質と各種バインダ樹脂とを溶剤に溶解又は分散して塗布液を作製し、導電性支持体上(下引き層を設ける場合は下引き層上)に塗布、乾燥して得ることができる。
単層型感光層の膜厚は、通常5μm以上、好ましくは10μm以上、また、通常100μm以下、好ましくは50μm以下の範囲である。
積層型感光体、単層型感光体ともに、感光層又はそれを構成する各層には、成膜性、可撓性、塗布性、耐汚染性、耐ガス性、耐光性などを向上させる目的で、周知の酸化防止剤、可塑剤、紫外線吸収剤、電子吸引性化合物、レベリング剤、可視光遮光剤などの添加物を含有させても良い。
また、積層型感光体、単層型感光体ともに、上記手順により形成された感光層を最上層、即ち表面層としてもよいが、その上に更に別の層を設け、これを表面層としてもよい。
保護層は、導電性材料を適当なバインダ樹脂中に含有させて形成するか、特開平9−190004号、特開平10−252377号各公報に記載のトリフェニルアミン骨格等の電荷輸送能を有する化合物を用いた共重合体を用いることができる。
これらの感光体を構成する各層は、含有させる物質を溶剤に溶解又は分散させて得られた塗布液を、支持体上に浸漬塗布、スプレー塗布、ノズル塗布、バーコート、ロールコート、ブレード塗布等の公知の方法により、各層ごとに順次塗布・乾燥工程を繰り返すことにより形成される。
次に、本発明の電子写真感光体を用いた画像形成装置(本発明の画像形成装置)の実施の形態について、装置の要部構成を示す図1を用いて説明する。但し、実施の形態は以下の説明に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り任意に変形して実施することができる。
なお、定着装置についてもその種類に特に限定はなく、ここで用いたものをはじめ、熱ローラ定着、フラッシュ定着、オーブン定着、圧力定着など、任意の方式による定着装置を設けることができる。
トナー像の記録紙P上への転写後、定着装置7を通過させてトナー像を記録紙P上へ熱定着することで、最終的な画像が得られる。
<比較製造例1>
特開平2−308863号公報の「実施例」中、[I.チタニルフタロシアニンの製造]の欄に記載の方法に準拠して、フタロニトリル40g及び四塩化チタン18gをα−クロロナフタレン400ml中で反応させることにより、図2に示す粉末X線回折スペクトルを有するB型チタニルフタロシアニン14gを得た(比較製造例1の光導電性材料)。
2,3−ジシアノピリジン7.74g、テトラブトキシチタン9.2g、及び尿素2gを、1−オクタノール20mlに加えて混合し、還流下で5時間反応させた。反応後、得られた固体を濾過し、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、続いて水で洗浄した。その後、95%N−メチルピロリドン(NMP)水溶液60mlで2回懸洗し、更に同量の水、続いて同量のメタノールで懸洗してから、固体を乾燥させることにより、図3に示す粉末X線回折スペクトルを有するオキシチタニウムテトラピリジノポルフィラジン4.8gを得た(比較製造例2の光導電性材料)。
特開平2−289658号公報の「実施例2」記載の方法に準拠して、比較製造例1で製造したB型チタニルフタロシアニン10gを処理することにより、図4に示す粉末X線回折スペクトルを有するD型チタニルフタロシアニン8gを得た(比較製造例3の光導電性材料)。
比較製造例1で得られたB型チタニルフタロシアニン4g、及び、比較製造例2で得られたオキシチタニウムテトラピリジノポルフィラジン1gを、粒径φ1mmのガラスビーズ200gとともに、250mlポリエチレン製の瓶の中に充填し、染料分散試験器(ペイントシェーカー)で20時間振盪処理し、無定形化した。処理後、得られたフタロシアニン組成物とガラスビーズの混合物を、DMF100mlとともに4時間攪拌し、ガラスビーズと固体を分離した後、固体を濾別し、THFで洗浄し、乾燥することにより、図5に示す粉末X線回折スペクトルを有するフタロシアニン組成物を得た(製造例1の光導電性材料)。
製造例1において、比較製造例1のB型チタニルフタロシアニンを4.8g、比較製造例2のオキシチタニウムテトラピリジノポルフィラジンを0.2gとした以外は、製造例1と同様の手順により、図6に示す粉末X線回折スペクトルを有するフタロシアニン組成物を得た(製造例2の光導電性材料)。
特開2000−212462号公報の「実施例6」記載の方法に準拠し、オルトフタロニトリル17.5g、2,3−ジシアノピリジン2.5g、テトラブトキシチタン15g、尿素4.8g、及び1−オクタノール25gを使用して、チタニルフタロシアニン及びその誘導体からなる組成物(チタニルフタロシアニンと、モノ、ジ、トリ、及びテトラピリジノポルフィラジン化合物との混合組成物)を得た。更に、得られた組成物5gを、該公報の「実施例8」記載の方法(アシッドペースト経由法)に従って処理することにより、図7に示す粉末X線回折スペクトルを有するフタロシアニン組成物を得た(比較製造例4の光導電性材料)。
比較製造例4において、オルトフタロニトリルの使用量を19.5g、2,3−ジシアノピリジンの使用量を0.5gにそれぞれ変更した以外は、比較製造例4と同様の手順により、図8に示す粉末X線回折スペクトルを有するフタロシアニン組成物を得た(比較製造例5の光導電性材料)。
比較製造例1で得られたB型チタニルフタロシアニンと、比較製造例2で得られたオキシチタニウムテトラピリジノポルフィラジンとを、重量比5:1で混合したもの30gを、0度の硫酸480mlに30分かけて加えた。その後、1時間攪拌し、3000gの氷冷水に滴下し、更に30分攪拌後、濾過することにより、湿ケーキを得た。この湿ケーキを5000mlの水に加えて30分懸洗した後、濾過して湿ケーキを回収し、この懸洗,濾過の操作を繰り返し3回行なった。次に、この湿ケーキの一部64g(固形分濃度14.3%)と、水73g、THF630gとを混合し、4時間攪拌後、濾過、乾燥することにより、図9に示す粉末X線回折スペクトルを有するフタロシアニン組成物を得た(比較製造例6の光導電性材料)。
特開2000−212462号公報の「実施例1」記載の方法に準拠し、オルトフタロニトリル17.5g、2,3−ジシアノピリジン2.5g、テトラブトキシチタン15g、尿素4g、及び1−オクタノール25gを使用して、チタニルフタロシアニン及びその誘導体からなる組成物(チタニルフタロシアニンと、モノ、ジ、トリ、及びテトラピリジノポルフィラジン化合物との混合組成物)を得た。この組成物3gを、粒径φ1mmのガラスビーズ120gとともに、250mlポリエチレン製の瓶の中に充填し、染料分散試験器(ペイントシェーカー)で15時間振盪処理し、無定形化した。処理後、得られたフタロシアニン組成物とガラスビーズの混合物を、NMP100mlとともに4時間攪拌し、ガラスビーズと固体を分離した後、固体を濾別し、水、トルエンの順に洗浄し、乾燥させることにより、図10に示す粉末X線回折スペクトルを示すフタロシアニン組成物を得た(比較製造例7の光導電性材料)。
<実施例1>
製造例1の光導電性材料4g、4−メチル−4メトキシ−2−ペンタノン30g、1,2−ジメトキシエタン270gを混合し、サンドグラインダーで2時間粉砕処理をした後、バインダ樹脂としてのポリビニルブチラール(電気化学工業社製、商品名「デンカブチラール#6000C」)1g、及び、フェノキシ樹脂(ユニオンカーバイド社製、商品名「PKHH」)1gを加え、更にサンドグラインダーで1時間粉砕処理をすることにより、電荷発生層用塗布液を得た。この塗布液を、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み75μm)の表面にアルミニウム蒸着膜(厚み70nm)を形成した導電性支持体上に、乾燥後の膜厚が0.4μmとなるように塗布し、乾燥させて電荷発生層を形成した。
実施例1で使用した光導電性材料(製造例1の光導電性材料)の代わりに、製造例2並びに比較製造例1〜7の光導電性材料を用い、実施例1と同様の手順により、電子写真感光体A2及びB1〜B7を作製した。
各実施例及び各比較例において使用した光導電性材料と、作製された感光体との対応を下の表1に示す。
実施例1,2及び比較例1〜7にて作製した電子写真感光体の電子写真特性を、下記の方法にて評価した。
どの程度変わるかその変動率を比較した。なお、露光−電位測定に要する時間を100msとした。測定環境は、温度25℃、相対湿度50%の環境(以下「N環境」と記す。)、及び、温度5℃、相対湿度10%の環境(以下「L環境」と記す。)の下で行なった。N環境に対するL環境の感度(半減露光量:E1/2)の変動割合をΔE1/2(%)とした。N環境でのE1/2を表2に、変動割合ΔE1/2を表3に示す。変動割合の値が小さいほど、帯電減衰の光量依存性が環境によって影響を受け難く、安定した特性を示すと言える。なお、上記ΔE1/2は下記の式により表わされる。
ΔE1/2:100×|1−{(L環境のE1/2)/(N環境のE1/2)}|
<画像試験−1>
表面を陽極酸化し、封孔処理を施した直径3cm、長さ25.4cmのアルミニウムチューブ上に、実施例1と同様の手順で、電荷発生層用塗布液及び電荷輸送層用塗布液を浸漬塗布法により順次塗布、乾燥することにより、電荷発生層の膜厚が0.3μm、電荷輸送層の膜厚が25μmの、電荷発生層に製造例1の光導電性材料を含有する電子写真感光体ドラムを作製した。
画像試験−1で使用した感光体の組成を比較実施例3と同様にした以外は、画像試験−1と同様の手順で、電荷発生層に比較製造例3の光導電性材料を含有する電子写真感光体ドラムを作製した。画像試験−1と同様の手順で、気温25℃、湿度50%の条件下で画像試験を行なったところ、画像欠陥やノイズの無い、良好な画像が得られた。一方、気温5℃、湿度10%の条件下で同様の画像試験を行なったところ、画像濃度がやや薄くなってしまう変化が見られ、また画像のコントラストに変化が見られた。両者の比較から、環境により画像に変化が生じてしまうことが判明した。
2 帯電装置(帯電ローラ)
3 露光装置
4 現像装置
5 転写装置
6 クリーニング装置
7 定着装置
41 現像槽
42 アジテータ
43 供給ローラ
44 現像ローラ
45 規制部材
71 上部定着部材(定着ローラ)
72 下部定着部材(定着ローラ)
73 加熱装置
T トナー
P 記録紙(用紙,媒体)
Claims (5)
- 該組成物が、上記一般式(1)のピリジノポルフィラジン化合物の他に、実質的にチタニルフタロシアニンのみを含んでなる
ことを特徴とする、請求項1記載の光導電性材料。 - 導電性支持体上に少なくとも感光層を有する電子写真感光体であって、
該感光層が、請求項1又は請求項2に記載の光導電性材料を含有する
ことを特徴とする、電子写真感光体。 - 請求項3記載の電子写真感光体と、
該電子写真感光体を帯電させる帯電部、帯電した該電子写真感光体を露光させ静電潜像を形成する露光部、及び、該電子写真感光体上に形成された静電潜像を現像する現像部のうち、少なくとも一つとを備えた
ことを特徴とする、電子写真感光体カートリッジ。 - 請求項3記載の電子写真感光体と、
該電子写真感光体を帯電させる帯電部と、
帯電した該電子写真感光体を露光させ静電潜像を形成する露光部と、
該電子写真感光体上に形成された静電潜像を現像する現像部とを備えた
ことを特徴とする、画像形成装置。
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JP4419873B2 (ja) | 2010-02-24 |
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