JP2005292817A - 光導電性材料、並びにそれを用いた電子写真感光体、電子写真感光体カートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents

光導電性材料、並びにそれを用いた電子写真感光体、電子写真感光体カートリッジ及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 高感度で使用環境の影響を受け難く、特性バランスが良好な電子写真用感光体を得ることができる、優れた光導電性材料を提供する。
【解決手段】 下記一般式[1]に示されるピリジノポルフィラジン化合物を含む組成物からなり、機械的粉砕処理を経て製造される。
Figure 2005292817

(一般式[1]中、Am、Bm、Cm、Dm(mは1から4の整数を表わす。)は、各々独立に、水素原子と結合した炭素原子、又は、窒素原子を表わす。ただし、mが同じAm、Bm、Cm、Dmからなる群の中で、いずれか1つのみが窒素原子を表わす。Mは金属原子を表わし、Xは配位子を表わし、nは1又は2を表わす。)
【選択図】 なし

Description

本発明は光導電性材料、並びにそれを用いた電子写真感光体、電子写真感光体カートリッジ及び画像形成装置に関する。より詳しくは、高感度で使用環境の影響を受け難く、特性バランスが良好な電子写真感光体を得ることができる、優れた光導電性材料に関すると共に、この光導電性材料を感光層に含有する、高感度且つ高性能の電子写真感光体、電子写真感光体カートリッジ及び画像形成装置に関する。
従来、電子写真感光体の感光層には、セレン、硫化カドミウム、酸化亜鉛、アモルファスシリコン等の無機系の光導電性物質が広く用いられてきたが、近年、有機系の光導電性物質を電子写真用感光体の感光層に用いる研究が進んでおり、既にその幾つかが実用化されている。
有機系の光導電性物質は、無機系の光導電性物質に比し、軽量である、成膜が容易である、感光体の製造が容易である、種類によっては透明な感光体を製造できる材料が無公害である、等の利点を有する。
最近では、電荷キャリヤーの発生の機能と移動の機能とを別々の化合物に分担させる、いわゆる機能分離型の感光体が、高感度化に有効であることから開発の主流となっており、このタイプの感光体に有機系光導電性物質を用いた感光体の実用化も行なわれている。
キャリヤー発生材料としての有機系光導電性物質としては、無金属フタロシアニン、金属含有フタロシアニンなどのフタロシアニン系材料、ペリノン系顔料、インジゴ、チオインジゴ、キナクリドン、ペリレン系顔料、アントラキノン系顔料、アゾ系顔料、ビスアゾ系顔料、トリスアゾ系顔料、テトラキス系アゾ顔料、シアニン系顔料、多環キノン、ピリリウム塩、チオピリリウム塩、アントアントロン、ピラントロン等の各種有機顔料及び染料が知られている。
特に、フタロシアニン系材料は長波長領域での感度が高いことから注目されており、種々のものが開発されている(例えば特許文献1〜3参照)。
特開平2−8256号公報 特開平5−263007号公報 特開2000−212462号公報
しかしながら、機器の高性能化への要請、並びに小型化や省エネルギー化に対する要請から、感光材料の更なる高感度化が期待される一方で、種々の使用環境における感度、応答性、残留電位等の特性の変動が少なく、これらのバランスの取れた材料が必要となってきている。
本発明は上記課題に鑑みてなされたもので、その目的は、高感度で使用環境の影響を受け難く、特性バランスが良好な電子写真用感光体を得ることができる、優れた光導電性材料を提供すること、並びに、該光導電性材料を感光層に含有する、高感度且つ高性能の電子写真感光体、電子写真感光体カートリッジ及び画像形成装置を提供することに存する。
本発明者らはこれらの目的を満足し得る有機系光導電性化合物について鋭意研究したところ、特定構造のピリジノポルフィラジン化合物を含む組成物からなり、且つ、機械的粉砕処理を経て製造される材料が好適であることを見出して、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は、下記一般式[1]に示されるピリジノポルフィラジン化合物を含む組成物からなり、機械的粉砕処理を経て製造されることを特徴とする、光導電性材料に存する。
Figure 2005292817
(一般式[1]中、Am、Bm、Cm、Dm(mは1から4の整数を表わす。)は、各々独立に、水素原子と結合した炭素原子、又は、窒素原子を表わす。ただし、mが同じAm、Bm、Cm、Dmからなる群の中では、いずれか1つの基のみが窒素原子を表わす。Mは金属原子を表わし、Xは配位子を表わし、nは1又は2を表わす。)
また、本発明の別の要旨は、導電性支持体上に少なくとも感光層を有する電子写真感光体であって、該感光層が、上述の光導電性材料を含有することを特徴とする、電子写真感光体に存する。
また、本発明の別の要旨は、上述の電子写真感光体と、該電子写真感光体を帯電させる帯電部、帯電した該電子写真感光体を露光させ静電潜像を形成する露光部、及び、該電子写真感光体上に形成された静電潜像を現像する現像部のうち、少なくとも一つとを備えたことを特徴とする電子写真感光体カートリッジに存する。
また、本発明の別の要旨は、上述の電子写真感光体と、該電子写真感光体を帯電させる帯電部と、帯電した該電子写真感光体を露光させ静電潜像を形成する露光部と、該電子写真感光体上に形成された静電潜像を現像する現像部とを備えたことを特徴とする画像形成装置に存する。
本発明の光導電性材料によれば、高感度で使用環境の影響を受け難く、特性バランスが良好な、優れた電子写真用感光体、電子写真感光体カートリッジ及び画像形成装置が実現される。
以下、本発明の実施形態につき詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨に反しない限りにおいて種々変形して実施することができる。
[1.光導電性材料]
〔ピリジノポルフィラジン化合物〕
本発明の光導電性材料は、下記一般式(1)で示されるピリジノポルフィラジン化合物を含む組成物からなる。
Figure 2005292817
一般式[1]中、Am、Bm、Cm、Dm(mは1から4の整数を表わす。)は、各々独立に、水素原子と結合した炭素原子、又は、窒素原子を表す。但し、mが同じAm、Bm、Cm、Dmからなる群の中では、いずれか1つの基のみが窒素原子を表わし、その他の基は水素原子と結合した炭素原子を表わす。即ち、Am、Bm、Cm、Dmを含む4つの6員環が何れもピリジン環を形成することから、一般式[1]の化合物は、テトラピリジノポルフィラジン化合物ということができる。
Mは、金属原子を表わす。金属原子の種類は特に制限されないが、長周期型周期表の3A、4A、4B又は5B族に属する元素が好ましい。その具体例としてはTi、Ga、In、V、Si、Sn、Al等が挙げられるが、中でもTi、Ga、Inが好ましく、特にTiが好ましい。
Xは、金属原子Mに結合する配位子を表わす。配位子の種類は特に制限されないが、通常は金属原子Mの種類及び価数に応じて異なるものが選択される。一般的な例としては、酸素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、アルコキシ基等が挙げられる。中でも酸素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子が好ましく、特に酸素原子が好ましい。
nは、金属原子Mに対する配位子Xの配位する個数を表わす。nは金属原子M及び配位子Xの種類によって異なるが、通常は1又は2である。
また、一般式[1]のピリジノポルフィラジン化合物は、置換基を有していてもよい。置換基の種類としては、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基等が挙げられる。中でもハロゲン原子、アルキル基が好ましく、特にハロゲン原子が好ましい。これらの置換基の結合位置も特に制限されないが、通常はピリジノポルフィラン化合物の六員環部分に結合していることが好ましい。
一般式[1]のピリジノポルフィラジン化合物は、例えば、一般的なフタロシアニン化合物の合成法に準じた方法によって製造される。例えば、中心金属がチタン原子の場合を例にとると、チタン源をアルコキシチタン化合物とし、ジシアノピリジン化合物、尿素を長鎖アルコール中で加熱することによって製造する方法や、チタン源をハロゲン化チタン化合物とし、ジシアノピリジン化合物をクロロナフタレン溶媒、キノリン溶媒中で加熱することにより製造する方法が適用可能である。これらの合成法を主として、適宜反応条件を工夫することで、選択する金属源にGa、Si、Sn、V、Al、Inなどの化合物を適用したり、ジシアノピリジン化合物の代わりに、ピリジンジカルボン酸、ピリジンジカルボン酸アミド、ピリジンジカルボン酸無水物、あるいはピリジンジカルボン酸モノアミドなどを適用することができる。
なお、一般式[1]のピリジノポルフィラジン化合物には、各ピリジン環の窒素原子の位置(Am、Bm、Cm、Dmの何れか)によって、構造異性体が存在する。本発明で使用するピリジノポルフィラジン化合物は、これらの構造異性体の何れかに限定されるものではなく、何れか1種の単体でも2種以上の混合物でもよい。混合物の場合、構造異性体の組み合わせや組成も特に限定されない。
但し、上述の製造方法において用いる原料の種類を選択することにより、ピリジン環のAm、Dmの位置に窒素原子が存在する構造と、Bm、Cmの位置に窒素原子が存在する構造とを、ある程度製造し分けることが可能である。具体的には、原料の一つであるジシアノピリジン化合物の異性体のうち、2,3−ジシアノピリジン化合物のみを使用すると、全てのピリジン環の窒素原子がAm、Dmの位置に存在する構造のピリジノポルフィラジン化合物が、また、3,4−ジシアノピリジン化合物のみを使用すると、全てのピリジン環の窒素原子がBm、Cmの位置に存在する構造のピリジノポルフィラジン化合物が、それぞれ得られることになる。勿論、これらのジシアノピリジン化合物を適宜併用することにより、窒素原子がAm、Dmの位置に存在するピリジン環とBm、Cmの位置に存在するピリジン環とが共存するピリジノポルフィラジン化合物を得ることも可能である。
〔フタロシアニン化合物〕
本発明の光導電性材料は、通常、一般式(1)のピリジノポルフィラジン化合物の他に、フタロシアニン及び/又はその類縁体からなる群より選ばれる化合物(以下「フタロシアニン化合物」と略す)を含有する。その例としては、無金属フタロシアニン、金属フタロシアニン、テトラアザポルフィリン及びその金属錯化合物、ポルフィリン及びその金属錯化合物が挙げられる。中でも、電気特性、工業的生産性、製品安定性の面で実績がある無金属フタロシアニン、金属フタロシアニンは好ましく、その中でも無金属フタロシアニン又は中心金属がTi、Ga、In、V、Si、Sn、Alのフタロシアニンがより好ましく、無金属フタロシアニン又は中心金属がTi、Ga、Inのフタロシアニンを使用することが更に好ましく、中心金属がTiのフタロシアニン(チタニルフタロシアニン)を使用することが特に好ましい。なお、これらのフタロシアニン化合物は、公知の一般的な合成法によって製造することが可能である。
〔各成分の組成〕
本発明の光導電性材料は、一般式(1)のピリジノポルフィラジン化合物(テトラピリジノポルフィラジン化合物)を含む組成物であり、更に、フタロシアニン化合物を構成成分とすることが好ましい。更にその他の成分を含んでいても良いが、通常は、実質的にこれらの化合物(テトラピリジノポルフィラジン化合物及びフタロシアニン化合物)のみから構成されることが好ましい。ここで、「実質的にこれらの化合物のみから構成される」とは、本発明の光導電性材料の好ましい特性を損なわない限りにおいて、他の微量成分を含有していても構わないという意である。
本発明の光導電性材料における、一般式(1)のピリジノポルフィラジン化合物の割合は、通常0.1重量%以上、好ましくは0.5重量%以上、更に好ましくは1重量%以上である。ピリジノポルフィラジン化合物の割合が少な過ぎると、光導電性材料として充分な特性を得ることができない。但し、ピリジノポルフィラジン化合物の割合が多過ぎると、特性の向上が頭打ちとなる上に、製造コストが高くなってしまい好ましくないので、その上限は通常80重量%以下、好ましくは60重量%以下、更に好ましくは50重量%以下である。
〔光導電性材料の存在状態〕
本発明の光導電性材料は、一般式(1)のピリジノポルフィラジン化合物を含有していれば、その存在状態に特に制限はない。例としては、上述の組成物の成分となる各々の化合物(通常は、一般式(1)のピリジノポルフィラジン化合物と、フタロシアニン化合物)の粒子が単に混合体として存在する状態、分子レベルで混合されて分子配列が規則性を有さない無定形状態、分子レベルで混合されて分子配列が規則性を有する共結晶状態などが挙げられる。但し、通常は無定形状態又は共結晶状態であることが好ましい。特に、無定形状態は一般的に安定性に乏しい部分があるため、共結晶状態であることがより好ましい。なお、本発明の光導電性材料は単一の存在状態を取っていてもよく、複数の存在状態を併せ持っていてもよい。
以下、本発明の光導電性材料が示す粉末X線回折スペクトルパターンの具体例を挙げる。
まず、本発明の光導電性材料が組成物を構成する各成分の粉末同士の混合体である場合には、光導電性材料の粉末X線回折スペクトルパターンは、各成分の粉末が示す粉末X線回折スペクトルパターンを足し合わせた形のパターンとして現れる。
また、本発明の光導電性材料が無定形状態である場合には、光導電性材料の粉末X線回折スペクトルパターンには明確なピークは現れない。
さらに、本発明の光導電性材料が共結晶状態である場合には、組成物を構成する各成分の何れかの粉末が示す粉末X線回折スペクトルパターンと実質的に同一の粉末X線回折スペクトルパターンを主として示すが、いずれの結晶型にも属さない新規の粉末X線回折スペクトルパターンを示すこともある。
なお、本発明の光導電性材料が複数の存在状態を併せ持っている場合には、その粉末X線回折スペクトルパターンは、個々の存在状態に応じた粉末X線回折スペクトルパターンが組み合わされたパターンを取る。
〔光導電性材料の製法〕
本発明の光導電性材料を製造する際には、上述の組成物を構成する各成分(通常は、一般式(1)のピリジノポルフィラジン化合物と、フタロシアニン化合物)を混合して製造する。但し、上述の組成物の成分となる各々の化合物を、単に粒子状に混合するのではなく、分子レベルで規則性のある構造を有するようにする必要がある。特に、本発明の光導電性材料は、上述のように、混合前の組成物の各構成成分単独の結晶型とは異なる新たな結晶型を示すか、組成物の主たる構成成分が単独の場合に示すX線回折スペクトルパターンとその組成物のX線回折スペクトルパターンとが実質的に同一であるような、混晶性の組成物とすることが好ましい。
このため、本発明では、分子レベルで規則性のある構造を形成するために、各成分を混合してこれを分子配列の規則性の無い無定形状態にする工程(無定形化工程)と、得られた無定形固体を分子レベルで規則性のある共結晶状態へと誘導する工程(共結晶化工程)とを行なうことにより、光導電性材料を製造する。なお、後述のように、これらの工程は同時に実施することも可能である。
以下、各工程について説明する。
<無定形化工程>
一般的な無定形化の手法としては、酸に各々の化合物を溶解して、次に貧溶媒を使用して再析出させた後に溶剤処理するアシッドペースト法やアシッドスラリー法等の化学的処理法と、磨砕法等の機械的・物理的力を用いる機械的処理法とが挙げられるが、本発明では、各成分の無定形化の手法として、アシッドペースト法やアシッドスラリー法等の化学的処理法ではなく、機械的湿式粉砕、機械的乾式粉砕などの機械的粉砕処理による手法(機械的粉砕法)を用いることを特徴とする。アシッドペースト法やアシッドスラリー法等の化学的処理法を用いると、原料となる各成分に対して化学的反応を引き起したり、フタロシアニン環の開裂による分子の破壊を起こしたり、用いた濃硫酸に起因する不純物が残存したりする可能性がある。このため、得られる光導電性材料に酸の影響が残り易く、その光導電特性に悪影響を及ぼす虞がある。また、大量の酸を用いることから、廃酸の処理等で環境負荷が大きい。以上の理由から、本発明では機械的粉砕法を採用する。
機械的粉砕処理に用いる装置に制限はなく、公知の装置を任意に用いることができる。例としては自動乳鉢、遊星ミル、振動ボールミル、CFミル、ローラーミル、サンドミル、ニーダー、ボールミル、アトライター、ロールミル、ホモミキサー等の装置を用いることが出来る。なお、これらの方法は1種を単独で行なってもよく、2種以上を任意の組み合わせで行なってもよい。
また、機械的粉砕処理として摩砕処理を行なう場合、磨砕メディアとしては、ガラスビーズ、スチールビーズ、アルミナビーズ、ジルコニアビーズ、炭化ケイ素ビーズ、窒化ケイ素ビーズ、窒化ホウ素ビーズ等の公知の磨砕メディアを用いることが出来る。また、磨砕処理時に磨砕メディア以外に磨砕後容易に除去することの出来る食塩、ぼう硝等の磨砕助剤を併用して実施することも可能である。
なお、機械的粉砕処理は乾式条件下で行なっても、湿式条件下で行なってもよい。
乾式で機械的粉砕処理を行なう場合、通常0℃以上、好ましくは10℃以上、また、通常150℃以下、好ましくは100℃以下である。
湿式で機械的粉砕処理を行なう場合、用いる溶剤には特に制限はない。具体例としては、ペンタン、ヘキサン、オクタン、ノナン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の鎖状又は環状飽和脂肪族系溶媒;トルエン、キシレン、ナフタレン、テトラヒドロナフタレン、メチルナフタレン、ジフェニルメタン、アニソール等の芳香族系溶媒;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロナフタレン等のハロゲン化芳香族系溶媒;メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール等のアルコール系溶媒;エチレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール等の脂肪族多価アルコール類;アセトン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン等の鎖状又は環状ケトン系溶媒;ギ酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル系溶媒;塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系溶媒;ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキサリン、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ等の鎖状又は環状エーテル系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、スルフォラン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリノン、2−ブチロラクトン、ヘキサメチルリン酸トリアミド等の非プロトン性極性溶媒;n−ブチルアミン、イソプロパノールアミン、ジエチルアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、トリエチレンジアミン、トリエチルアミン等の含窒素化合物、リグロイン等の鉱油;水などが挙げられる。中でも、処理時の操作性を考慮すると、鎖状又は環状飽和脂肪族系溶媒;芳香族系溶媒;アルコール系溶媒;鎖状又は環状ケトン系溶媒;エステル系溶媒;鎖状又は環状エーテル系溶媒;非プロトン性極性溶媒;水が好ましい。また、これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
さらに、機械的粉砕処理に使用する溶剤の量としては、上述の組成物を構成する成分の合計重量1重量部に対し、下限は通常0.01重量部以上であり、生産性を考慮すると0.1重量部以上が好ましい。また、上限は、通常200重量部以下であり、生産性を考慮すると100重量部以下が好ましい。
また、機械的粉砕処理時の温度としては、下限は通常溶剤の凝固点以上であり、安全性を考慮すると10℃以上が好ましい。また、上限は溶剤の沸点以下であり、安全性を考慮すると200℃以下が好ましく、より好ましくは150℃以下である。
<共結晶化工程>
無定形化工程の後、無定形化された各成分の混合固体(以下、この状態を「無定形固体」という。)を、更に分子レベルで規則性のある共結晶状態へと誘導するべく、共結晶化工程を行なうことが好ましい。
共結晶化の手法に特に制限はないが、通常は無定形化工程により得られる無定形固体を溶媒処理し、所望の結晶型に変換することにより行なう。なお、無定形化工程において、機械的粉砕処理として摩砕処理を行なった場合は、無定形固体を摩砕メディアから分離してから溶媒処理を行なってもよく、摩砕メディアとともに溶剤処理を行なってもよい。さらに、溶媒処理の具体的方法としては、無定形固体を溶媒中に分散撹拌することにより処理してもよく、無定形固体を溶媒蒸気に曝すことにより処理してもよい。更には、無定形化工程と共結晶化工程とを同時に実施することも可能である。
溶媒処理に用いる溶媒の具体例としては、ペンタン、ヘキサン、オクタン、ノナン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の鎖状又は環状飽和脂肪族系溶媒;トルエン、キシレン、ナフタレン、テトラヒドロナフタレン、メチルナフタレン、ジフェニルメタン、アニソール等の芳香族系溶媒;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロナフタレン等のハロゲン化芳香族系溶媒;メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール等のアルコール系溶媒;エチレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール等の脂肪族多価アルコール類;アセトン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン等の鎖状又は環状ケトン系溶媒;ギ酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル系溶媒;塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系溶媒;ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキサリン、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ等の鎖状又は環状エーテル系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、スルフォラン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリノン、2−ブチロラクトン、ヘキサメチルリン酸トリアミド等の非プロトン性極性溶媒;n−ブチルアミン、イソプロパノールアミン、ジエチルアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、トリエチレンジアミン、トリエチルアミン等の含窒素化合物;リグロイン等の鉱油;水などが挙げられる。中でも、結晶型の変換時の操作性を考慮すると、鎖状又は環状飽和脂肪族系溶媒;芳香族系溶媒;アルコール系溶媒;鎖状又は環状ケトン系溶媒;エステル系溶媒;鎖状又は環状エーテル系溶媒;非プロトン性極性溶媒;水が好ましい。なお、これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
溶媒処理時の処理温度としては、下限は通常、用いる溶媒の凝固点以上であり、安全性の面から、好ましくは10℃以上である。また、上限は通常、用いる溶媒の沸点以下であり、安全性の面から、好ましくは200℃以下である。
また、溶媒の使用量としては、無定形固体1重量部に対して通常0.01重量部以上、生産性を考慮すると好ましくは0.1重量部以上、また、通常500重量部以下、生産性を考慮すると250重量部以下である。
なお、無定形化工程において湿式摩砕処理を行なった場合には、必要に応じて、溶媒処理時にガラスビーズ、アルミナビーズ、スチールビーズ、ジルコニアビーズ、炭化ケイ素ビーズ、窒化ケイ素ビーズ、窒化ホウ素ビーズ等の公知の磨砕メディアを用いてミリング処理を行なってもよい。
共結晶化工程では、溶媒処理後、得られた本発明の光導電性材料から溶媒処理に用いた溶媒を乾燥・除去する。乾燥方法に制限はなく、常温乾燥、減圧乾燥、熱風乾燥、凍結乾燥等の公知の方法を用いて乾燥することが出来る。
〔その他〕
本発明の光導電性材料は、ペーパーライクディスプレイ等の各種の画像表示デバイス、光情報記録媒体、太陽電池用材料、光導電性材料として用いることが可能であるが、特に電子写真感光体の感光体材料としての使用が好ましい。本発明の光導電性材料を電子写真感光体の感光層に含有させることにより、環境変動による帯電減衰の光量依存性が小さくなる。これによって、画像特性の環境依存性が小さくなるので、従来の感光体で見られた使用環境に由来する画像カブリ等が見られない点で明白な効果をもたらすものである。また、これは感光体の性能のみならず、装置側での補正機構に過大に依存する必要が無くなる点で、画像形成装置設計上大きな効果がある。また、本発明の光導電性材料を用いた電子写真用感光体は高感度で、その特性バランスも良好である。
本発明の光導電性材料によってこの様な効果が得られる理由は定かではないが、以下のように推測される。
即ち、本発明の光導電性材料は、実質的に、ピリジン環を4つ有するピリジノポルフィラジン化合物(テトラピリジノポルフィラジン化合物)とフタロシアニン化合物のみからなり、1〜3のピリジン環を有するピリジノポルフィラジン化合物(モノ、ジ、又はトリピリジノポルフィラジン化合物)を含んでいない。また、機械的磨砕法を用いて微細化及びアモルファス化を行なうことにより製造される。これによって、結晶型の均一性が向上することにより、電荷発生効率を向上させているものと推測される。
[2.電子写真感光体]
本発明の電子写真感光体は、導電性支持体(基体)上に、上述した本発明の光導電性材料を含有する感光層を設けたものであれば、その構造は特に制限されない。
<導電性支持体>
導電性支持体について特に制限は無いが、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、銅、ニッケル等の金属材料や、金属、カーボン、酸化錫などの導電性粉体を添加して導電性を付与した樹脂材料や、アルミニウム、ニッケル、ITO(酸化インジウム酸化錫)等の導電性材料をその表面に蒸着又は塗布した樹脂、ガラス、紙等が主として使用される。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。導電性支持体の形態としては、ドラム状、シート状、ベルト状などのものが用いられる。更には、金属材料の導電性支持体の上に、導電性・表面性などの制御や欠陥被覆のために、適当な抵抗値を有する導電性材料を塗布したものを用いても良い。
また、導電性支持体としてアルミニウム合金等の金属材料を用いた場合、陽極酸化被膜を施してから用いても良い。陽極酸化被膜を施した場合には、公知の方法により封孔処理を施すのが望ましい。
支持体表面は、平滑であっても良いし、特別な切削方法を用いたり、研磨処理を施したりすることにより、粗面化されていても良い。また、支持体を構成する材料に適当な粒径の粒子を混合することによって、粗面化されたものでも良い。また、安価化のためには、切削処理を施さず、引き抜き管をそのまま使用することも可能である。
<下引き層>
導電性支持体と後述する感光層との間には、接着性・ブロッキング性等の改善のため、下引き層を設けても良い。下引き層としては、樹脂、樹脂に金属酸化物等の粒子を分散したものなどが用いられる。
下引き層に用いる金属酸化物粒子の例としては、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化鉄等の1種の金属元素を含む金属酸化物粒子、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等の複数の金属元素を含む金属酸化物粒子などが挙げられる。これらは一種類の粒子を単独で用いても良いし、複数の種類の粒子を混合して用いても良い。これらの金属酸化物粒子の中で、酸化チタン及び酸化アルミニウムが好ましく、特に酸化チタンが好ましい。酸化チタン粒子は、その表面に、酸化錫、酸化アルミニウム、酸化アンチモン、酸化ジルコニウム、酸化珪素等の無機物、又はステアリン酸、ポリオール、シリコン等の有機物による処理を施されていても良い。酸化チタン粒子の結晶型としては、ルチル、アナターゼ、ブルッカイト、アモルファスのいずれも用いることができる。また、複数の結晶状態のものが含まれていても良い。
また、金属酸化物粒子の粒径としては種々のものが利用できるが、中でも特性及び液の安定性の面から、平均一次粒径として通常1nm以上、好ましくは10nm以上、また、通常100nm以下、好ましくは50nm以下のものが望ましい。
下引き層は、金属酸化物粒子をバインダ樹脂に分散した形で形成するのが望ましい。下引き層に用いられるバインダ樹脂としては、エポキシ樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアクリル酸樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、水溶性ポリエステル樹脂、ニトロセルロース等のセルロースエステル樹脂、セルロースエーテル樹脂、カゼイン、ゼラチン、ポリグルタミン酸、澱粉、スターチアセテート、アミノ澱粉、ジルコニウムキレート化合物、ジルコニウムアルコキシド化合物等の有機ジルコニウム化合物、チタニルキレート化合物、チタニルアルコキシド化合物等の有機チタニル化合物、シランカップリング剤などの公知のバインダ樹脂が挙げられる。これらは単独で用いても良く、或いは2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。また、硬化剤とともに硬化した形で使用してもよい。中でも、アルコール可溶性の共重合ポリアミド、変性ポリアミド等は、良好な分散性、塗布性を示すことから好ましい。
下引き層に用いられるバインダ樹脂に対する無機粒子の使用比率は任意に選ぶことが可能であるが、分散液の安定性、塗布性の観点から、通常は10重量%以上、500重量%以下の範囲で使用することが好ましい。
下引き層の膜厚は、任意に選ぶことができるが、感光体特性及び塗布性を向上させる観点から、通常は0.1μm以上、20μm以下の範囲が好ましい。
下引き層には、公知の酸化防止剤等を混合しても良い。画像欠陥防止などを目的として、顔料粒子、樹脂粒子等を含有させ用いても良い。
<感光層>
感光層の形式としては、電荷発生物質と電荷輸送物質とが同一層に存在し、バインダ樹脂中に分散された単層型と、電荷発生物質がバインダ樹脂中に分散された電荷発生層及び電荷輸送物質がバインダ樹脂中に分散された電荷輸送層の二層からなる機能分離型(積層型)とが挙げられるが、何れの形式であってもよい。本発明の光導電性材料は、電荷発生物質の少なくとも1種として含有されることになる。
また、積層型感光層としては、導電性支持体側から電荷発生層、電荷輸送層をこの順に積層して設ける順積層型感光層と、逆に電荷輸送層、電荷発生層の順に積層して設ける逆積層型感光層とがあり、いずれを採用することも可能であるが、最もバランスの取れた光導電性を発揮できる順積層型感光層が好ましい。
(電荷発生層)
積層型感光体(機能分離型感光体)の場合、電荷発生層は、電荷発生物質をバインダ樹脂で結着することにより形成される。
電荷発生物質としては、本発明の光導電性材料が用いられる。本発明の光導電性材料は、何れか1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせで混合状態又は混晶状態として用いても良い。更には、本発明の光導電性材料1種又は2種以上を、他の公知の電荷発生物質1種又は2種以上と組み合わせて、混合状態又は混晶状態として用いても良い。
本発明の光導電性材料との組み合わせで用いる電荷発生物質としては、セレニウム及びその合金、硫化カドミウム、その他の無機系光導電材料と、有機顔料等の有機系光導電材料とが挙げられるが、有機系光導電材料の方が好ましく、特に有機顔料が好ましい。有機顔料の具体例としては、フタロシアニン顔料、アゾ顔料、ジチオケトピロロピロール顔料、スクアレン(スクアリリウム顔料)、キナクリドン顔料、インジゴ顔料、ペリレン顔料、多環キノン顔料、アントアントロン顔料、ベンズイミダゾール顔料等が挙げられる。
上記例示の有機顔料の中でも、本発明の光導電性材料との組み合わせで用いる電荷発生物質としては、特にフタロシアニン顔料又はアゾ顔料が好ましい。フタロシアニン顔料は、波長600〜900nmの比較的長波長のレーザー光に対して高感度の感光体が得られる点で、また、アゾ顔料は、白色光及び波長300〜500nmの比較的短波長のレーザー光に対し十分な感度を持つ点で、それぞれ優れている。
本発明の光導電性材料2種以上を組み合わせて用いる場合、又は、本発明の光導電性材料1種又は2種以上を他の電荷発生物質1種又は2種以上と組み合わせて用いる場合、その混合方式は特に制限されず、それぞれの構成要素を粉体の状態、又は分散液の状態から混合して用いても良いし、顔料化、結晶化等のフタロシアニン化合物の製造・処理工程において混合状態を生じさせたものでも良い。このような処理方法としては、酸ペースト処理・磨砕処理・溶剤処理等が知られている。また、混晶状態を生じさせるためには、特開平10−48859号公報記載のように、2種類の結晶を混合後に機械的に磨砕、不定形化した後に、溶剤処理によって特定の結晶状態に変換する方法が挙げられる。
電荷発生層に用いるバインダ樹脂は特に制限されないが、例としては、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ブチラールの一部がホルマールや、アセタール等で変性された部分アセタール化ポリビニルブチラール樹脂等のポリビニルアセタール系樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、変性エーテル系ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、カゼインや、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ヒドロキシ変性塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、カルボキシル変性塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体等の塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−アルキッド樹脂、シリコン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂等の絶縁性樹脂や、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルペリレン等の有機光導電性ポリマーなどが挙げられる。これらのバインダ樹脂は、何れか1種を単独で用いても良く、2種類以上を任意の組み合わせで混合して用いても良い。
電荷発生層は、具体的に、上述のバインダ樹脂を有機溶剤に溶解した溶液に、本発明の光導電性材料及び場合によって用いられるその他の電荷発生物質を分散させて塗布液を調整し、これを導電性支持体上に(下引き層を設ける場合は下引き層上に)塗布することにより形成される。
塗布液の作製に用いられる溶剤としては、バインダ樹脂を溶解させるものであれば特に制限されないが、例えば、ペンタン、ヘキサン、オクタン、ノナン等の飽和脂肪族系溶媒、トルエン、キシレン、アニソール等の芳香族系溶媒、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロナフタレン等のハロゲン化芳香族系溶媒、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド系溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール等のアルコール系溶媒、グリセリン、ポリエチレングリコール等の脂肪族多価アルコール類、アセトン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン等の鎖状又は環状ケトン系溶媒、ギ酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル系溶媒、塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ等の鎖状又は環状エーテル系溶媒、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、スルフォラン、ヘキサメチルリン酸トリアミド等の非プロトン性極性溶媒、n−ブチルアミン、イソプロパノールアミン、ジエチルアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、トリエチレンジアミン、トリエチルアミン等の含窒素化合物、リグロイン等の鉱油、水などが挙げられる。これらは何れか1種を単独で用いても良く、2種以上を併用して用いてもよい。なお、上述の下引き層を設ける場合には、この下引き層を溶解しないものが好ましい。
電荷発生層において、バインダ樹脂と電荷発生物質との配合比(重量)は、バインダ樹脂100重量部に対して電荷発生物質が通常10重量部以上、好ましくは30重量部以上、また、通常1000重量部以下、好ましくは500重量部以下の範囲であり、その膜厚は通常0.05μm以上、好ましくは0.1μm以上、また、通常10μm以下、好ましくは5μm以下の範囲である。電荷発生物質の比率が高過ぎると、電荷発生物質の凝集等により画像欠陥が発生するおそれがある一方、電荷発生物質の比率が低過ぎると、感光体としての感度の低下を招くおそれがある。
電荷発生物質を分散させる方法としては、ボールミル分散法、アトライター分散法、サンドミル分散法等の公知の分散法を用いることができる。この際、粒子を0.5μm以下、好ましくは0.3μm以下、より好ましくは0.15μm以下の範囲の粒子サイズに微細化することが有効である。
(電荷輸送層)
積層型感光体の電荷輸送層は、電荷輸送物質を含有するとともに、通常はバインダ樹脂と、必要に応じて使用されるその他の成分とを含有する。このような電荷輸送層は、具体的には、例えば電荷輸送物質等とバインダ樹脂とを溶剤に溶解又は分散して塗布液を作製し、これを順積層型感光層の場合には電荷発生層上に、また、逆積層型感光層の場合には導電性支持体上に(下引き層を設ける場合は下引き層上に)塗布、乾燥して得ることができる。
電荷輸送物質としては特に限定されず、任意の物質を用いることが可能である。公知の電荷輸送物質の例としては、2,4,7−トリニトロフルオレノン等の芳香族ニトロ化合物、テトラシアノキノジメタン等のシアノ化合物、ジフェノキノン等のキノン化合物等の電子吸引性物質、カルバゾール誘導体、インドール誘導体、イミダゾール誘導体、オキサゾール誘導体、ピラゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、ベンゾフラン誘導体等の複素環化合物、アニリン誘導体、ヒドラゾン誘導体、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体、エナミン誘導体及びこれらの化合物の複数種が結合したもの、あるいはこれらの化合物からなる基を主鎖又は側鎖に有する重合体等の電子供与性物質等が挙げられる。これらの中でも、カルバゾール誘導体、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体、エナミン誘導体、及びこれらの化合物の複数種が結合したものが好ましい。これらの電荷輸送物質は、何れか1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせで併用しても良い。
好適な電荷輸送物質の構造の具体例を以下に示す。但し、これら具体例は例示のために記すものであり、本発明の趣旨に反しない限りはいかなる電荷輸送物質を用いても良い。
Figure 2005292817
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バインダ樹脂は膜強度確保のために使用される。電荷輸送層のバインダ樹脂としては、例えばブタジエン樹脂、スチレン樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリル酸エステル樹脂、メタクリル酸エステル樹脂、ビニルアルコール樹脂、エチルビニルエーテル等のビニル化合物の重合体及び共重合体、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、部分変性ポリビニルアセタール、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロースエステル樹脂、フェノキシ樹脂、シリコン樹脂、シリコン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール樹脂等が挙げられる。中でも、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂が好ましい。これらのバインダ樹脂は、適当な硬化剤を用いて熱、光等により架橋させて用いることもできる。これらのバインダ樹脂は、何れか1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせで用いても良い。
バインダ樹脂と電荷輸送物質との割合は、バインダ樹脂100重量部に対して電荷輸送物質を20重量部以上の比率で使用する。中でも、残留電位低減の観点から30重量部以上が好ましく、更には、繰り返し使用した際の安定性や電荷移動度の観点から40重量部以上がより好ましい。一方、感光層の熱安定性の観点から、電荷輸送物質を通常は150重量部以下の比率で使用する。中でも、電荷輸送材料とバインダ樹脂との相溶性の観点から110重量部以下が好ましく、耐刷性の観点から80重量部以下がより好ましく、耐傷性の観点から70重量部以下が最も好ましい。
電荷輸送層の膜厚は特に制限されないが、長寿命、画像安定性の観点、更には高解像度の観点から、通常5μm以上、好ましくは10μm以上、また、通常50μm以下、好ましくは45μm以下、更には30μm以下の範囲とする。
(単層型感光体の感光層)
単層型感光体の感光層は、電荷発生物質と電荷輸送物質に加えて、積層型感光体の電荷輸送層と同様に、膜強度確保のためにバインダ樹脂を使用して形成する。具体的には、電荷発生物質と電荷輸送物質と各種バインダ樹脂とを溶剤に溶解又は分散して塗布液を作製し、導電性支持体上(下引き層を設ける場合は下引き層上)に塗布、乾燥して得ることができる。
電荷輸送物質及びバインダ樹脂の種類並びにこれらの使用比率は、積層型感光体の電荷輸送層について説明したものと同様である。これらの電荷輸送物質及びバインダ樹脂からなる電荷輸送媒体中に、さらに電荷発生物質が分散される。
電荷発生物質は、積層型感光体の電荷発生層について説明したものと同様のものが使用できる。但し、単層型感光体の感光層の場合、電荷発生物質の粒子径を充分に小さくする必要がある。具体的には、通常1μm以下、好ましくは0.5μm以下の範囲とする。
単層型感光層内に分散される電荷発生物質の量は、少な過ぎると充分な感度が得られない一方で、多過ぎると帯電性の低下、感度の低下などの弊害があることから、単層型感光層全体に対して通常0.5重量%以上、好ましくは1重量%以上、また、通常50重量%以下、好ましくは20重量%以下の範囲で使用される。
また、単層型感光層におけるバインダ樹脂と電荷発生物質との使用比率は、バインダ樹脂100重量部に対して電荷発生物質が通常0.1重量部以上、好ましくは1重量部以上、また、通常30重量部以下、好ましくは10重量部以下の範囲とする。
単層型感光層の膜厚は、通常5μm以上、好ましくは10μm以上、また、通常100μm以下、好ましくは50μm以下の範囲である。
(その他)
積層型感光体、単層型感光体ともに、感光層又はそれを構成する各層には、成膜性、可撓性、塗布性、耐汚染性、耐ガス性、耐光性などを向上させる目的で、周知の酸化防止剤、可塑剤、紫外線吸収剤、電子吸引性化合物、レベリング剤、可視光遮光剤などの添加物を含有させても良い。
また、積層型感光体、単層型感光体ともに、上記手順により形成された感光層を最上層、即ち表面層としてもよいが、その上に更に別の層を設け、これを表面層としてもよい。
例えば、感光層の損耗を防止したり、帯電器等から発生する放電生成物等による感光層の劣化を防止・軽減する目的で、保護層を設けても良い。
保護層は、導電性材料を適当なバインダ樹脂中に含有させて形成するか、特開平9−190004号、特開平10−252377号各公報に記載のトリフェニルアミン骨格等の電荷輸送能を有する化合物を用いた共重合体を用いることができる。
保護層に用いる導電性材料としては、TPD(N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス−(m−トリル)ベンジジン)等の芳香族アミノ化合物、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化錫、酸化チタン、酸化錫−酸化アンチモン、酸化アルミ、酸化亜鉛等の金属酸化物などを用いることが可能であるが、これに限定されるものではない。
保護層に用いるバインダ樹脂としては、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルケトン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、シロキサン樹脂等の公知の樹脂を用いることができ、また、特開平9−190004号公報、特開平10−252377号公報の記載のようなトリフェニルアミン骨格等の電荷輸送能を有する骨格と上記樹脂の共重合体を用いることもできる。
保護層の電気抵抗は、通常109Ω・cm以上、1014Ω・cm以下の範囲とする。電気抵抗が前記範囲より高くなると、残留電位が上昇しカブリの多い画像となってしまう一方、前記範囲より低くなると、画像のボケ、解像度の低下が生じてしまう。また、保護層は像露光の際に照射される光の透過を実質上妨げないように構成されなければならない。
また、感光体表面の摩擦抵抗や、摩耗を低減、トナーの感光体から転写ベルト、紙への転写効率を高める等の目的で、表面層にフッ素系樹脂、シリコン樹脂、ポリエチレン樹脂等、又はこれらの樹脂からなる粒子や無機化合物の粒子を、表面層に含有させても良い。或いは、これらの樹脂や粒子を含む層を新たに表面層として形成しても良い。
<各層の形成方法>
これらの感光体を構成する各層は、含有させる物質を溶剤に溶解又は分散させて得られた塗布液を、支持体上に浸漬塗布、スプレー塗布、ノズル塗布、バーコート、ロールコート、ブレード塗布等の公知の方法により、各層ごとに順次塗布・乾燥工程を繰り返すことにより形成される。
塗布液の作製に用いられる溶媒又は分散媒に特に制限は無いが、具体例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、2−メトキシエタノール等のアルコール類、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル類、ギ酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、テトラクロロエタン、1,2−ジクロロプロパン、トリクロロエチレン等の塩素化炭化水素類、n−ブチルアミン、イソプロパノールアミン、ジエチルアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、トリエチレンジアミン等の含窒素化合物類、アセトニトリル、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶剤類等が挙げられる。また、これらは1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
溶媒又は分散媒の使用量は特に制限されないが、各層の目的や選択した溶媒・分散媒の性質を考慮して、塗布液の固形分濃度や粘度等の物性が所望の範囲となるように適宜調整するのが好ましい。
例えば、単層型感光体、及び機能分離型感光体の電荷輸送層層の場合には、塗布液の固形分濃度を通常5重量%以上、好ましくは10重量%以上、また、通常40重量%以下、好ましくは35重量%以下の範囲とする。また、塗布液の粘度を通常10cps以上、好ましくは50cps以上、また、通常500cps以下、好ましくは400cps以下の範囲とする。
また、積層型感光体の電荷発生層の場合には、塗布液の固形分濃度は通常0.1重量%以上、好ましくは1重量%以上、また、通常15重量%以下、好ましくは10重量%以下の範囲とする。また、塗布液の粘度は通常0.01cps以上、好ましくは0.1cps以上、また、通常20cps以下、好ましくは10cps以下の範囲とする。
塗布液の塗布方法としては、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、スピナーコーティング法、ビードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、ブレードコーティング法、ローラーコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等が挙げられるが、他の公知のコーティング法を用いることも可能である。
塗布液の乾燥は、室温における指触乾燥後、通常30℃以上、200℃以下の温度範囲で1分から2時間の間、静止又は送風下で加熱乾燥させることが好ましい。また、加熱温度は一定であってもよく、乾燥時に温度を変更させながら加熱を行なっても良い。
[3.画像形成装置]
次に、本発明の電子写真感光体を用いた画像形成装置(本発明の画像形成装置)の実施の形態について、装置の要部構成を示す図1を用いて説明する。但し、実施の形態は以下の説明に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り任意に変形して実施することができる。
図1に示すように、画像形成装置は、電子写真感光体1,帯電装置2,露光装置3及び現像装置4を備えて構成され、更に、必要に応じて転写装置5,クリーニング装置6及び定着装置7が設けられる。
電子写真感光体1は、上述した本発明の電子写真感光体であれば特に制限はないが、図1ではその一例として、円筒状の導電性支持体の表面に上述した感光層を形成したドラム状の感光体を示している。この電子写真感光体1の外周面に沿って、帯電装置2,露光装置3,現像装置4,転写装置5及びクリーニング装置6がそれぞれ配置されている。
帯電装置2は、電子写真感光体1を帯電させるもので、電子写真感光体1の表面を所定電位に均一帯電させる。帯電装置としては、コロトロンやスコロトロン等のコロナ帯電装置、電圧印加された直接帯電部材を感光体表面に接触させて帯電させる直接帯電装置(接触型帯電装置)帯電ブラシ等の接触型帯電装置などがよく用いられる。直接帯電手段の例としては、帯電ローラ、帯電ブラシ等の接触帯電器などが挙げられる。なお、図1では、帯電装置2の一例としてローラ型の帯電装置(帯電ローラ)を示している。直接帯電手段として、気中放電を伴う帯電及び気中放電を伴わない注入帯電のいずれも可能である。また、帯電時に印加する電圧としては、直流電圧だけでもよく、直流に交流を重畳させて用いることもできる。
露光装置3は、電子写真感光体1に露光を行なって電子写真感光体1の感光面に静電潜像を形成することができるものであれば、その種類に特に制限はない。具体例としては、ハロゲンランプ、蛍光灯、半導体レーザーやHe−Neレーザー等のレーザー、LEDなどが挙げられる。また、感光体内部露光方式によって露光を行なうようにしてもよい。露光を行なう際の光は任意であるが、例えば波長が780nmの単色光、波長600nm〜700nmのやや短波長寄りの単色光、波長380nm〜500nmの短波長の単色光などで露光を行なえばよい。
現像装置4は、その種類に特に制限はなく、カスケード現像、一成分絶縁トナー現像、一成分導電トナー現像、二成分磁気ブラシ現像などの乾式現像方式や、湿式現像方式などの任意の装置を用いることができる。図1では、現像装置4は、現像槽41、アジテータ42、供給ローラ43、現像ローラ44、及び、規制部材45からなり、現像槽41の内部にトナーTを貯留している構成となっている。また、必要に応じ、トナーTを補給する補給装置(図示せず)を現像装置4に付帯させてもよい。この補給装置は、ボトル、カートリッジなどの容器からトナーTを補給することが可能に構成される。
供給ローラ43は、導電性スポンジ等から形成される。現像ローラ44は、鉄,ステンレス鋼,アルミニウム,ニッケルなどの金属ロール、又はこうした金属ロールにシリコン樹脂,ウレタン樹脂,フッ素樹脂などを被覆した樹脂ロールなどからなる。この現像ローラ44の表面には、必要に応じて、平滑加工や粗面加工を加えてもよい。
現像ローラ44は、電子写真感光体1と供給ローラ43との間に配置され、電子写真感光体1及び供給ローラ43に各々当接している。供給ローラ43及び現像ローラ44は、回転駆動機構(図示せず)によって回転される。供給ローラ43は、貯留されているトナーTを担持して、現像ローラ44に供給する。現像ローラ44は、供給ローラ43によって供給されるトナーTを担持して、電子写真感光体1の表面に接触させる。
規制部材45は、シリコン樹脂やウレタン樹脂などの樹脂ブレード、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、真鍮、リン青銅などの金属ブレード、又はこうした金属ブレードに樹脂を被覆したブレード等により形成されている。この規制部材45は、現像ローラ44に当接し、ばね等によって現像ローラ44側に所定の力で押圧(一般的なブレード線圧は5〜500g/cm)される。必要に応じて、この規制部材45に、トナーTとの摩擦帯電によりトナーTに帯電を付与する機能を具備させてもよい。
アジテータ42は、回転駆動機構によってそれぞれ回転されており、トナーTを攪拌するとともに、トナーTを供給ローラ43側に搬送する。アジテータ42は、羽根形状、大きさ等を違えて複数設けてもよい。
トナーとしては、粉砕トナーの他に、懸濁造粒、懸濁重合、乳化重合凝集法等のケミカルトナーを用いることができる。特に、ケミカルトナーの場合には、4〜8μm程度の小粒径のものが用いられ、形状も球形に近いものから、ポテト状、ラグビーボール状等の球形から外れたものも使用することができる。重合トナーは、帯電均一性、転写性に優れ、高画質化には好適に用いられる。
トナーTの種類は任意であり、粉状トナーのほか、懸濁造粒、懸濁重合、乳化重合凝集法等のケミカルトナーを用いることができる。ケミカルトナーの場合には、4〜8μm程度の小粒径のものが好ましく、また、トナー粒子の形状も、球形に近いものから、球形から外れたラグビーボール状やポテト状のものまで、様々な形状のものを使用することができる。特に重合トナーは、帯電均一性、転写性に優れ、高画質化に好適に用いられる。
転写装置5は、その種類に特に制限はなく、コロナ転写、ローラ転写、ベルト転写などの静電転写法、圧力転写法、粘着転写法など、任意の方式を用いた装置を使用することができる。ここでは、転写装置5が電子写真感光体1に対向して配置された転写チャージャー,転写ローラ,転写ベルト等から構成されるものとする。この転写装置5は、トナーTの帯電電位とは逆極性で所定電圧値(転写電圧)を印加し、電子写真感光体1に形成されたトナー像を記録紙(用紙,媒体)Pに転写するものである。
クリーニング装置6について特に制限はなく、ブラシクリーナー、磁気ブラシクリーナー、静電ブラシクリーナー、磁気ローラクリーナー、ブレードクリーナー等、任意のクリーニング装置を用いることができる。クリーニング装置6は、感光体1に付着している残留トナーをクリーニング部材で掻き落とし、残留トナーを回収するものである。なお、残留トナーが少ないか、ほとんどない場合には、クリーニング装置6はなくても構わない。
定着装置7は、上部定着部材(定着ローラ)71及び下部定着部材(定着ローラ)72から構成され、定着部材71又は72の内部には加熱装置73が備えられている。なお、図1では、上部定着部材71の内部に加熱装置73が備えられた例を示す。上部及び下部の各定着部材71,72は、ステンレス,アルミニウムなどの金属素管にシリコンゴムを被覆した定着ロール、更にフッ素樹脂で被覆した定着ロール、定着シートなどが公知の熱定着部材を使用することができる。更に、各定着部材71,72は、離型性を向上させる為にシリコーンオイル等の離型剤を供給する構成としてもよく、バネ等により互いに強制的に圧力を加える構成としてもよい。
記録紙P上に転写されたトナーは、所定温度に加熱された上部定着部材71と下部定着部材72との間を通過する際、トナーが溶融状態まで熱加熱され、通過後冷却されて記録紙P上にトナーが定着される。
なお、定着装置についてもその種類に特に限定はなく、ここで用いたものをはじめ、熱ローラ定着、フラッシュ定着、オーブン定着、圧力定着など、任意の方式による定着装置を設けることができる。
以上のように構成された電子写真装置では、次のようにして画像の記録が行なわれる。即ち、まず感光体1の表面(感光面)が、帯電装置2によって所定の電位(例えば−600V)に帯電される。この際、直流電圧により帯電させても良く、直流電圧に交流電圧を重畳させて帯電させてもよい。
続いて、帯電された感光体1の感光面を、記録すべき画像に応じて露光装置3により露光し、感光面に静電潜像を形成する。そして、その感光体1の感光面に形成された静電潜像の現像を、現像装置4で行なう。
現像装置4は、供給ローラ43により供給されるトナーTを、規制部材(現像ブレード)45により薄層化するとともに、所定の極性(ここでは感光体1の帯電電位と同極性であり、負極性)に摩擦帯電させ、現像ローラ44に担持しながら搬送して、感光体1の表面に接触させる。
現像ローラ44に担持された帯電トナーTが感光体1の表面に接触すると、静電潜像に対応するトナー像が感光体1の感光面に形成される。そしてこのトナー像は、転写装置5によって記録紙Pに転写される。この後、転写されずに感光体1の感光面に残留しているトナーが、クリーニング装置6で除去される。
トナー像の記録紙P上への転写後、定着装置7を通過させてトナー像を記録紙P上へ熱定着することで、最終的な画像が得られる。
なお、画像形成装置は、上述した構成に加え、例えば除電工程を行なうことができる構成としても良い。除電工程は、電子写真感光体に露光を行なうことで電子写真感光体の除電を行なう工程であり、除電装置としては、蛍光灯、LED等が使用される。また除電工程で用いる光は、強度としては露光光の3倍以上の露光エネルギーを有する光である場合が多い。
また、画像形成装置は更に変形して構成してもよく、例えば、前露光工程、補助帯電工程などの工程を行なうことができる構成としたり、オフセット印刷を行なう構成としたり、更には複数種のトナーを用いたフルカラータンデム方式の構成としてもよい。
なお、電子写真感光体1を、帯電装置2、露光装置3、現像装置4、転写装置5、クリーニング装置6、及び定着装置7のうち1つ又は2つ以上と組み合わせて、一体型のカートリッジ(以下適宜「電子写真感光体カートリッジ」という)として構成し、この電子写真感光体カートリッジを複写機やレーザービームプリンタ等の電子写真装置本体に対して着脱可能な構成にしてもよい。この場合、例えば電子写真感光体1やその他の部材が劣化した場合に、この電子写真感光体カートリッジを画像形成装置本体から取り外し、別の新しい電子写真感光体カートリッジを画像形成装置本体に装着することにより、画像形成装置の保守・管理が容易となる。
以下、製造例,実施例及び比較例を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。なお、以下の実施例は本発明を詳細に説明するために示すものであり、本発明はその趣旨に反しない限り以下の実施例に限定されるものではない。
〔光導電性材料の製造〕
<比較製造例1>
特開平2−308863号公報の「実施例」中、[I.チタニルフタロシアニンの製造]の欄に記載の方法に準拠して、フタロニトリル40g及び四塩化チタン18gをα−クロロナフタレン400ml中で反応させることにより、図2に示す粉末X線回折スペクトルを有するB型チタニルフタロシアニン14gを得た(比較製造例1の光導電性材料)。
<比較製造例2>
2,3−ジシアノピリジン7.74g、テトラブトキシチタン9.2g、及び尿素2gを、1−オクタノール20mlに加えて混合し、還流下で5時間反応させた。反応後、得られた固体を濾過し、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、続いて水で洗浄した。その後、95%N−メチルピロリドン(NMP)水溶液60mlで2回懸洗し、更に同量の水、続いて同量のメタノールで懸洗してから、固体を乾燥させることにより、図3に示す粉末X線回折スペクトルを有するオキシチタニウムテトラピリジノポルフィラジン4.8gを得た(比較製造例2の光導電性材料)。
<比較製造例3>
特開平2−289658号公報の「実施例2」記載の方法に準拠して、比較製造例1で製造したB型チタニルフタロシアニン10gを処理することにより、図4に示す粉末X線回折スペクトルを有するD型チタニルフタロシアニン8gを得た(比較製造例3の光導電性材料)。
<製造例1>
比較製造例1で得られたB型チタニルフタロシアニン4g、及び、比較製造例2で得られたオキシチタニウムテトラピリジノポルフィラジン1gを、粒径φ1mmのガラスビーズ200gとともに、250mlポリエチレン製の瓶の中に充填し、染料分散試験器(ペイントシェーカー)で20時間振盪処理し、無定形化した。処理後、得られたフタロシアニン組成物とガラスビーズの混合物を、DMF100mlとともに4時間攪拌し、ガラスビーズと固体を分離した後、固体を濾別し、THFで洗浄し、乾燥することにより、図5に示す粉末X線回折スペクトルを有するフタロシアニン組成物を得た(製造例1の光導電性材料)。
<製造例2>
製造例1において、比較製造例1のB型チタニルフタロシアニンを4.8g、比較製造例2のオキシチタニウムテトラピリジノポルフィラジンを0.2gとした以外は、製造例1と同様の手順により、図6に示す粉末X線回折スペクトルを有するフタロシアニン組成物を得た(製造例2の光導電性材料)。
<比較製造例4>
特開2000−212462号公報の「実施例6」記載の方法に準拠し、オルトフタロニトリル17.5g、2,3−ジシアノピリジン2.5g、テトラブトキシチタン15g、尿素4.8g、及び1−オクタノール25gを使用して、チタニルフタロシアニン及びその誘導体からなる組成物(チタニルフタロシアニンと、モノ、ジ、トリ、及びテトラピリジノポルフィラジン化合物との混合組成物)を得た。更に、得られた組成物5gを、該公報の「実施例8」記載の方法(アシッドペースト経由法)に従って処理することにより、図7に示す粉末X線回折スペクトルを有するフタロシアニン組成物を得た(比較製造例4の光導電性材料)。
<比較製造例5>
比較製造例4において、オルトフタロニトリルの使用量を19.5g、2,3−ジシアノピリジンの使用量を0.5gにそれぞれ変更した以外は、比較製造例4と同様の手順により、図8に示す粉末X線回折スペクトルを有するフタロシアニン組成物を得た(比較製造例5の光導電性材料)。
<比較製造例6>
比較製造例1で得られたB型チタニルフタロシアニンと、比較製造例2で得られたオキシチタニウムテトラピリジノポルフィラジンとを、重量比5:1で混合したもの30gを、0度の硫酸480mlに30分かけて加えた。その後、1時間攪拌し、3000gの氷冷水に滴下し、更に30分攪拌後、濾過することにより、湿ケーキを得た。この湿ケーキを5000mlの水に加えて30分懸洗した後、濾過して湿ケーキを回収し、この懸洗,濾過の操作を繰り返し3回行なった。次に、この湿ケーキの一部64g(固形分濃度14.3%)と、水73g、THF630gとを混合し、4時間攪拌後、濾過、乾燥することにより、図9に示す粉末X線回折スペクトルを有するフタロシアニン組成物を得た(比較製造例6の光導電性材料)。
<比較製造例7>
特開2000−212462号公報の「実施例1」記載の方法に準拠し、オルトフタロニトリル17.5g、2,3−ジシアノピリジン2.5g、テトラブトキシチタン15g、尿素4g、及び1−オクタノール25gを使用して、チタニルフタロシアニン及びその誘導体からなる組成物(チタニルフタロシアニンと、モノ、ジ、トリ、及びテトラピリジノポルフィラジン化合物との混合組成物)を得た。この組成物3gを、粒径φ1mmのガラスビーズ120gとともに、250mlポリエチレン製の瓶の中に充填し、染料分散試験器(ペイントシェーカー)で15時間振盪処理し、無定形化した。処理後、得られたフタロシアニン組成物とガラスビーズの混合物を、NMP100mlとともに4時間攪拌し、ガラスビーズと固体を分離した後、固体を濾別し、水、トルエンの順に洗浄し、乾燥させることにより、図10に示す粉末X線回折スペクトルを示すフタロシアニン組成物を得た(比較製造例7の光導電性材料)。
〔電子写真感光体の製造〕
<実施例1>
製造例1の光導電性材料4g、4−メチル−4メトキシ−2−ペンタノン30g、1,2−ジメトキシエタン270gを混合し、サンドグラインダーで2時間粉砕処理をした後、バインダ樹脂としてのポリビニルブチラール(電気化学工業社製、商品名「デンカブチラール#6000C」)1g、及び、フェノキシ樹脂(ユニオンカーバイド社製、商品名「PKHH」)1gを加え、更にサンドグラインダーで1時間粉砕処理をすることにより、電荷発生層用塗布液を得た。この塗布液を、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み75μm)の表面にアルミニウム蒸着膜(厚み70nm)を形成した導電性支持体上に、乾燥後の膜厚が0.4μmとなるように塗布し、乾燥させて電荷発生層を形成した。
この上に、特開2002−80432号公報の実施例1に従って製造された下記構造式(A)で表わされる電荷輸送物質50重量部、及び、下記構造式(B)で表わされるポリカーボネート樹脂(m:n=5:5、粘度平均分子量30000)100重量部を、テトラヒドロフラン500重量部に溶解して調製した混合溶液を、乾燥後の膜厚が20μmとなるように塗布し、乾燥して電荷輸送層を形成することにより、電子写真感光体A1を作製した。
Figure 2005292817
Figure 2005292817
<実施例2、比較例1〜7>
実施例1で使用した光導電性材料(製造例1の光導電性材料)の代わりに、製造例2並びに比較製造例1〜7の光導電性材料を用い、実施例1と同様の手順により、電子写真感光体A2及びB1〜B7を作製した。
各実施例及び各比較例において使用した光導電性材料と、作製された感光体との対応を下の表1に示す。
Figure 2005292817
[感光体の特性試験]
実施例1,2及び比較例1〜7にて作製した電子写真感光体の電子写真特性を、下記の方法にて評価した。
電子写真学会測定標準に従って作製された電子写真特性評価装置(続電子写真技術の基礎と応用、電子写真学会編、コロナ社、404〜405頁記載)を使用し、電子写真感光体をアルミニウム製ドラムに貼り付けて円筒状にし、アルミニウム製ドラムと感光体のアルミニウム基体との導通を取った上で、ドラムを一定回転数で回転させ、帯電、露光、電位測定、除電のサイクルによる電気特性評価試験を行なった。その際、初期表面電位を−700Vとし、露光は780nm、除電は660nmの単色光を用いた。
露光後の感光体表面電位の光量依存性を示す指標として、表面電位を−350Vまで半減させるのに必要な露光量(半減露光量:E1/2と記す)を測定し、それが環境によって
どの程度変わるかその変動率を比較した。なお、露光−電位測定に要する時間を100msとした。測定環境は、温度25℃、相対湿度50%の環境(以下「N環境」と記す。)、及び、温度5℃、相対湿度10%の環境(以下「L環境」と記す。)の下で行なった。N環境に対するL環境の感度(半減露光量:E1/2)の変動割合をΔE1/2(%)とした。N環境でのE1/2を表2に、変動割合ΔE1/2を表3に示す。変動割合の値が小さいほど、帯電減衰の光量依存性が環境によって影響を受け難く、安定した特性を示すと言える。なお、上記ΔE1/2は下記の式により表わされる。
ΔE1/2:100×|1−{(L環境のE1/2)/(N環境のE1/2)}|
Figure 2005292817
Figure 2005292817
〔画像形成試験〕
<画像試験−1>
表面を陽極酸化し、封孔処理を施した直径3cm、長さ25.4cmのアルミニウムチューブ上に、実施例1と同様の手順で、電荷発生層用塗布液及び電荷輸送層用塗布液を浸漬塗布法により順次塗布、乾燥することにより、電荷発生層の膜厚が0.3μm、電荷輸送層の膜厚が25μmの、電荷発生層に製造例1の光導電性材料を含有する電子写真感光体ドラムを作製した。
この電子写真感光体ドラムを、レーザープリンタ(ヒューレットパッカード社製レーザージェット4(LJ4))のカートリッジ(電子写真感光体カートリッジ)に装着して、該レーザープリンタに搭載し、気温25℃、湿度50%条件下で画像試験を行なったところ、画像欠陥やノイズの無い、良好な画像が得られた。また、気温5℃、湿度10%の条件下で同様の画像試験を行なったところ、画像欠陥やノイズの無い、良好な画像が得られた。両者の条件において画像濃度の変化もほとんどなく、環境が変動したことによる画像の変化はほとんどなかった。
<画像試験−2>
画像試験−1で使用した感光体の組成を比較実施例3と同様にした以外は、画像試験−1と同様の手順で、電荷発生層に比較製造例3の光導電性材料を含有する電子写真感光体ドラムを作製した。画像試験−1と同様の手順で、気温25℃、湿度50%の条件下で画像試験を行なったところ、画像欠陥やノイズの無い、良好な画像が得られた。一方、気温5℃、湿度10%の条件下で同様の画像試験を行なったところ、画像濃度がやや薄くなってしまう変化が見られ、また画像のコントラストに変化が見られた。両者の比較から、環境により画像に変化が生じてしまうことが判明した。
本発明の光導電性材料によれば、高感度で使用環境の影響を受け難く、特性バランスが良好な、優れた電子写真用感光体、電子写真感光体カートリッジ及び画像形成装置が実現される。従って、電子写真技術を用いた複写機、プリンタ、ファクス等の各種電子写真デバイスの用途に、好適に使用することができる。
本発明の画像形成装置の要部構成を示す模式図である。 比較製造例1の光導電性材料の粉末X線回折スペクトルである。 比較製造例2の光導電性材料の粉末X線回折スペクトルである。 比較製造例3の光導電性材料の粉末X線回折スペクトルである。 製造例1の光導電性材料の粉末X線回折スペクトルである。 製造例2の光導電性材料の粉末X線回折スペクトルである。 比較製造例4の光導電性材料の粉末X線回折スペクトルである。 比較製造例5の光導電性材料の粉末X線回折スペクトルである。 比較製造例6の光導電性材料の粉末X線回折スペクトルである。 比較製造例7の光導電性材料の粉末X線回折スペクトルである。
符号の説明
1 感光体
2 帯電装置(帯電ローラ)
3 露光装置
4 現像装置
5 転写装置
6 クリーニング装置
7 定着装置
41 現像槽
42 アジテータ
43 供給ローラ
44 現像ローラ
45 規制部材
71 上部定着部材(定着ローラ)
72 下部定着部材(定着ローラ)
73 加熱装置
T トナー
P 記録紙(用紙,媒体)

Claims (5)

  1. 下記一般式[1]に示されるピリジノポルフィラジン化合物を含む組成物からなり、機械的粉砕処理を経て製造される
    ことを特徴とする、光導電性材料。
    Figure 2005292817
    (一般式[1]中、Am、Bm、Cm、Dm(mは1から4の整数を表わす。)は、各々独立に、水素原子と結合した炭素原子、又は、窒素原子を表わす。ただし、mが同じAm、Bm、Cm、Dmからなる群の中で、いずれか1つのみが窒素原子を表わす。Mは金属原子を表わし、Xは配位子を表わし、nは1又は2を表わす。)
  2. 該組成物が、上記一般式(1)のピリジノポルフィラジン化合物の他に、実質的にチタニルフタロシアニンのみを含んでなる
    ことを特徴とする、請求項1記載の光導電性材料。
  3. 導電性支持体上に少なくとも感光層を有する電子写真感光体であって、
    該感光層が、請求項1又は請求項2に記載の光導電性材料を含有する
    ことを特徴とする、電子写真感光体。
  4. 請求項3記載の電子写真感光体と、
    該電子写真感光体を帯電させる帯電部、帯電した該電子写真感光体を露光させ静電潜像を形成する露光部、及び、該電子写真感光体上に形成された静電潜像を現像する現像部のうち、少なくとも一つとを備えた
    ことを特徴とする、電子写真感光体カートリッジ。
  5. 請求項3記載の電子写真感光体と、
    該電子写真感光体を帯電させる帯電部と、
    帯電した該電子写真感光体を露光させ静電潜像を形成する露光部と、
    該電子写真感光体上に形成された静電潜像を現像する現像部とを備えた
    ことを特徴とする、画像形成装置。
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