JP2015028182A - ポリカーボネートポリオール組成物および方法 - Google Patents

ポリカーボネートポリオール組成物および方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ポリカーボネートポリオールの重合系、重合方法及び組成物、ポリウレタン組成物を提供する。
【解決手段】COとエポキシドの共重合のための重合系であって、1)永久配位子セットおよび重合開始剤である少なくとも1つの配位子を有する金属配位化合物を含む触媒と、2)重合を開始することができる2つ以上の部位を有する鎖移動剤とを含む重合系及びポリカーボネートポリオールを合成するための方法であり、ポリマー鎖が高いパーセンテージの−OH末端基および高いパーセンテージのカーボネート結合を有することを特徴とするポリカーボネートポリオール組成物を包含し、組成物は、これら組成物が、複数の個々のポリカーボネート鎖に結合した多官能性部分が埋め込まれているポリマー鎖を含有することをさらに特徴とする。
【選択図】なし

Description

優先権の主張
本出願は、2008年9月8日に出願された米国仮特許出願番号61/095,178号に対して優先権を主張し、この全体の内容が本明細書中で参考として援用される。
背景
脂肪族ポリカーボネート(APC)は、コポリマー、中でも例えば軟質ウレタンフォーム、ウレタンコーティング、硬質ウレタンフォーム、ウレタン/ウレアエラストマーおよびプラスチック、接着剤、ポリマーコーティングおよび界面活性剤などを構成するためのポリオール構成単位として有用である。このようなAPCの例として、ポリ(プロピレンカーボネート)(PPC)、ポリ(エチレンカーボネート)(PEC)、ポリ(ブチレンカーボネート)(PBC)およびポリ(シクロヘキセンカーボネート)(PCHC)ならびにこれらのうちの2つ以上のコポリマーが挙げられる。
これらの用途に有用であるために、すべてのポリカーボネートポリマー鎖末端がヒドロキシル基で終端することが好ましい。このようなヒドロキシル基は、架橋反応の反応部分としての役割を果たすか、または、その上にコポリマーの他のブロックを構成することができる部位として作用する。APC上の鎖末端部分がヒドロキシ基で終端しないと、このブロックコポリマーの不完全な架橋または終端が生じることになり、問題である。このような用途で使用する脂肪族ポリカーボネートポリオール樹脂に対する典型的な仕様は、少なくとも98%または場合によっては99%を超える鎖末端が、ヒドロキシル基で終端することである。加えて、これら用途には、通常、比較的低分子量のオリゴマー(例えば、約500〜約15,000g/molの間の数平均分子量(M)を有するポリマー)が要求される。また、ポリオールが、狭く定義された分子量分布を有することも望ましく、例えば、約2未満の多分散指数が望ましいが、より狭い分布(すなわちPDI<1.2)が有利となり得る。さらに、ある特定の用途には、エーテル結合によるコンタミネーションがわずかしかない、またはまったくないポリオールポリカーボネートが望ましい。
スキーム1が示すように、二酸化炭素およびエポキシドを共重合することによって、脂肪族ポリカーボネートを合成するのが便利である。

現在では、このような合成に利用される触媒系、すなわち、亜鉛またはアルミニウム塩をベースとする不均一系触媒系、二重金属シアン化物(DMC)触媒、および遷移金属またはアルミニウムの配位錯体をベースとする均一触媒はいくつか存在する。
不均一性亜鉛またはアルミニウム塩を用いた触媒系を代表するものは、1960年代に最初にInoueにより記載されたもの(例えば、特許文献1および特許文献2に記載)である。数年に渡りこれらの触媒にさらなる改善が施された(例えば、非特許文献1および非特許文献2に記載)。しかしながら、これらの触媒系は、一般的に、多くの用途で要求される低分子量および狭い多分散性を有するポリオール樹脂を生成するのに適していない。触媒は、活性が比較的低く、広範な多分散性を有する、高分子量ポリマーを生成する。さらに、これらの触媒で生成されたポリカーボネートは、鎖内に有意な比率でエーテル結合を有し、このエーテル結合は、ある特定の用途には望ましくない可能性もある。
エポキシドとCOを重合するための第2の種類の触媒は、二重金属シアン化物(DMC)触媒である。このような触媒の例として、特許文献3において、KruperおよびSmartにより報告されたものが挙げられる。Inoueタイプの触媒と比較して、このDMC系は、低分子量ポリマーの生成により適しており、生成される鎖はヒドロキシル末端基を有する鎖が大半を占める。しかし、これらの触媒は、高い比率のエーテル結合を有するポリマーを生成し、これらのポリマーが作り出す物質はそれ自体、より厳密には脂肪族ポリカーボネートというより、ポリカーボネート−ポリエーテルコポリマーとみなされる。
より最近になって開発された種類の触媒は、アルミニウムまたは様々な遷移金属の配位錯体、特にコバルト、クロムおよびマンガンの錯体をベースとするものである。このような触媒の例は、特許文献4および特許文献5において開示されている。場合によっては、これらの触媒系は、高活性であり、多分散性が狭く、カーボネート結合のパーセンテージが高く、位置選択性が良い(例えば、一置換エポキシドの組込みに対して頭−尾の比が高い)脂肪族ポリカーボネートを提供することが可能である。しかし、標準的な条件下での高い変換率で、これらの触媒は、多くのポリオール用途には適さない高分子量ポリマーを生成する。さらに、これらの系を用いて、高いパーセンテージのヒドロキシル末端基を有するポリカーボネートポリオールを合成することは実行可能ではない。
ヒドロキシル末端基がないのは、ポリマー鎖成長が開始される間、触媒錯体の金属中心に結合したアニオン(複数可)が、ポリマー鎖に共有結合するという事実が原因である。これは、これらの反応に使用される、場合によって存在する任意のカチオン性共触媒に結合したアニオンについても同じである。理論に拘束されることも、これによって、本発明の範囲を制限することも希望しないが、スキーム2に示された順序は、

で示されている触媒錯体に結合したアニオン(−Xで示されている)がポリカーボネート鎖に共有結合するようになる理由をおそらく示す、反応順序を描写したものである。

これらの触媒に通常使用される対イオン−Xとして、ハライド、スルホネート、フェノレート、カルボキシレートおよびアジドが挙げられる。これらのアニオンの1つが、エポキシド環を開環した時点で重合が開始するので、各ポリマー鎖の一方の末端(開始末端)は、必ず非ヒドロキシル部分、例えば、それぞれハロゲン、アルキルスルホネート、フェニルエーテル、アシル基またはアジドなどでキャップされる。
ポリオール樹脂を生成するためのこれらの触媒系の使用が好まれない他の要素とは、高い変換率になった場合これら触媒系は、高分子量のポリマーを生成するという事実である。典型的な分子量は、20,000から400,000g/molの範囲であり、この数値は、大部分のポリオール樹脂の用途に対し望まれる分子量の範囲よりもだいぶ上である。より低分子量の物質を生成する潜在的な戦略として挙げられるのは、低い変換率で重合を停止すること、高い触媒濃度を使用すること、高分子量のポリマーをより短い鎖へと分解すること、または重合中に連鎖移動剤(CTA)、例えばアルコールを使用することである。低い変換率で反応を停止すること、または触媒濃度を増加させることは、望ましくない。これは、コストを考慮したこと、さらに粗ポリマー内の触媒由来の混入物の濃度が増加することによって、精製がさらに困難となるという理由からである。より高い分子量のポリマーを分解して、低分子量樹脂を生成することは、多分散性の増加をもたらし、製造工程にさらなるステップを加え、環状の副生成物によるコンタミネーションを引き起こすことになる。連鎖移動剤をうまく使用することによって、コストまたはコンタミネーションを有意に増加させることなくポリマーの分子量を低下させることができる。しかし、連鎖移動剤により開始されるポリマー鎖は、1つの末端が依然として非ヒドロキシル部分(すなわち、CTAとして使用されるアルコールに相当するエーテル)でキャップされるので、この戦略では、非ヒドロキシル末端基の問題は緩和されない。
米国特許第3,900,424号明細書 米国特許第3,953,383号明細書 米国特許第4,500,704号明細書 米国特許第6,870,004号明細書 米国特許第7,304,172号明細書
W. Kuranら、Chem. Macromol. Chem. Phys.、1976年、177巻、11〜20頁 Goreckiら、J. Polym. Sci. Part C、1985年、23巻、299〜304頁
このように、カーボネート含有量の高いポリカーボネートポリオールを効率的に生成することが可能な触媒および方法が依然として要求されている。
一態様において、本開示は、1)永久配位子セット、および重合開始剤である少なくとも1つの配位子を有する金属配位化合物を含む金属錯体と、2)重合を開始することができる部位を2つ以上有する連鎖移動剤とを含むCOとエポキシドとの共重合のための重合系を包含する。
一部の実施形態では、重合開始剤である配位子は、重合を開始することが可能な2つ以上の部位を有し、これが異なることにより、−OH末端基の比率が極めて高いポリカーボネートポリオールがもたらされる。特定の実施形態では、連鎖移動剤および重合開始剤である配位子は、同じ分子(または同じ分子のイオンの形態)である。
特定の実施形態では、重合系は、共触媒をさらに含む。一部の実施形態では、共触媒は、カチオン性有機分子である。特定の実施形態では、カチオン性共触媒の電荷の平衡を保つために存在するアニオンは、重合を開始できる2つ以上の部位を有する重合開始剤でもある。特定の実施形態では、重合開始剤である配位子、および共触媒の対イオンは、同じ分子である。特定の実施形態では、連鎖移動剤、重合開始剤である配位子、および共触媒に結合したアニオンは、同じ分子(または同じ分子のイオンの形態)である。
一部の実施形態では、本開示は、ポリカーボネートポリオールの合成のための方法を包含する。一部の実施形態では、方法は、1)1つまたは複数のエポキシドと、重合を開始することが可能な2つ以上の部位を有する少なくとも1つの連鎖移動剤とを含む反応混合物を提供するステップと、2)この反応混合物を、永久配位子セットと、重合開始剤である少なくとも1つの配位子とを有する金属配位化合物を含む金属錯体に接触させるステップと、3)形成したポリカーボネートポリオールの平均分子量に対して十分な時間の長さだけ、この重合反応を進行させることによって、所望の値を達成するステップとを含む。一部の実施形態では、方法は、反応混合物を共触媒に接触させることをさらに含む。
一部の実施形態では、本開示は、ポリマー鎖が、高いパーセンテージの−OH末端基および高いパーセンテージのカーボネート結合を有することを特徴とする、ポリカーボネートポリオール組成物を包含する。このような組成物は、ポリマー鎖が、これらの中に、複数の個別のポリカーボネート鎖と結合している多官能性部分を含有することをさらに特徴とする。特定の実施形態では、ポリカーボネートポリオール組成物は、以下の特徴のうちの1つまたは複数を有することをさらに特徴とする:少なくとも10:1のカーボネート−エーテル結合比、少なくとも5:1の頭−尾比、または2未満の多分散指数。この態様の特定の実施形態では、ポリマー組成物は、ポリマーが鎖内に埋め込まれた異なる多官能性重合開始剤の存在により、またはポリマー鎖上に存在する末端基の違いにより区別される、複数の種類のポリマー鎖を含有することをさらに特徴とする。
特定の実施形態では、本開示のポリカーボネートポリオール組成物は、2つ以上の鎖の種類の混合物を含有することをさらに特徴とし、これらの中で、鎖の異なる鎖の種類は、埋め込まれた多官能性重合開始剤の個性(identity)の違い、埋め込まれた多官能性重合開始剤の欠如、またはある特定の鎖上の非ヒドロキシル末端基の存在により互いに区別される。
定義
特定の官能基および化学的用語の定義が、以下により詳細に記載されている。本発明の目的のため、化学元素は、Periodic Table of the Elements、CAS version、Handbook of Chemistry and
Physics、第75版、内表紙に従い特定され、特定の官能基は、本明細書中で記載の通り、一般的に定義される。さらに、有機化学の一般的原理、ならびに特定の官能基の部分および反応性は、それぞれ全体の内容が本明細書に参照により組み込まれている、Organic Chemistry、Thomas Sorrell、University Science Books、Sausalito、1999年、Smith and March March’s Advanced Organic Chemistry、第5版、John Wiley & Sons、Inc.、New York、2001年、Larock、Comprehensive Organic Transformations、VCH Publishers、Inc.、New York、1989年、Carruthers、Some Modern Methods of
Organic Synthesis、第3版、Cambridge University Press、Cambridge、1987年に記載されている。
本発明のある化合物は、1つまたは複数の不斉中心を含むことができ、したがって、例えば、鏡像異性体および/またはジアステレオマーなど様々な立体異性の形態で存在することができる。したがって、本発明の化合物および組成物は、個々の鏡像異性体、ジアステレオマーまたは幾何異性体の形態であってよく、または立体異性体の混合物の形態であってよい。特定の実施形態では、本発明の化合物は、エナンチオピュアな化合物である。ある他の実施形態では、鏡像異性体またはジアステレオマーの混合物が提供される。
さらに、ある特定の化合物は、本明細書中に記載されている通り、特に指定しない限り、ZまたはE異性体のいずれかとして存在することのできる1つまたは複数の二重結合を有し得る。本発明は、個々の異性体として、他の異性体を実質的に含まない化合物、あるいは、様々な異性体の混合物として、例えば、鏡像異性体のラセミ混合物をさらに包含する。上述の化合物それ自体に加えて、本発明は、1つまたは複数の化合物を含む組成物も包含する。
本明細書で使用する場合、「異性体」という用語は、任意およびすべての幾何異性体および立体異性体を含む。例えば、本発明の範囲内に入るような「異性体」として、シス異性体およびトランス異性体、E異性体およびZ異性体、R鏡像異性体およびS鏡像異性体、ジアステレオマー、(D)異性体、(L)異性体、これらのラセミ混合物、ならびにこれらの他の混合物が挙げられる。例えば、立体異性体は、一部の実施形態では、1つまたは複数の対応する立体異性体を実質的に含まずに提供されてもよく、これを「立体化学的に富化されている」と呼んでもよい。
ある特定の鏡像異性体が好ましい場合、これは、一部の実施形態では、反対の鏡像異性体を実質的に含まずに提供されてもよく、これを「光学的に富化されている」と呼んでもよい。「光学的に富化されている」とは、本明細書で使用する場合、この化合物は著しく大きな割合の1つの鏡像異性体から構成されることを意味する。特定の実施形態では、化合物は、少なくとも約90重量%の好ましい鏡像異性体で構成される。他の実施形態では、化合物は、少なくとも約95重量%、98重量%、または99重量%の好ましい鏡像異性体で構成される。好ましい鏡像異性体は、キラル高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)ならびにキラル塩の形成および結晶化を含めた、当業者には公知の任意の方法により、ラセミ混合物から単離することができ、または不斉合成により調製することができる。例えば、Jacquesら、Enantiomers、Racemates and Resolutions(Wiley Interscience、New York、1981年)、Wilen、S.H.ら、Tetrahedron 33巻:2725頁(1977年)、Eliel、E.L. Stereochemistry of Carbon Compounds (McGraw−Hill、NY、1962年)、Wilen、S.H. Tables of Resolving Agents and Optical Resolutions 268頁(E.L. Eliel、Ed.、Univ. of Notre Dame Press、Notre Dame、1972年)を参照されたい。
「ハロ」および「ハロゲン」という用語は、本明細書で使用する場合、フッ素(フルオロ、−F)、塩素(クロロ、−Cl)、臭素(ブロモ、−Br)、およびヨウ素(ヨード、−I)から選択される原子を指す。
「脂肪族」または「脂肪族基」という用語は、本明細書で使用する場合、直鎖状の鎖(すなわち、非分枝鎖)、分枝鎖または環状(縮合、架橋およびスピロ縮合した多環式を含む)であってよく、完全に飽和していてもよく、または1つもしくは複数の不飽和の単位を含有していてもよいが、芳香族ではない炭化水素の部分を意味する。特に指定しない限り、脂肪族基は、1〜30個の炭素原子を含有する。特定の実施形態では、脂肪族基は、1〜12個の炭素原子を含有する。特定の実施形態では、脂肪族基は、1〜8個の炭素原子を含有する。特定の実施形態では、脂肪族基は、1〜6個の炭素原子を含有する。一部の実施形態では、脂肪族基は、1〜5個の炭素原子を含有し、一部の実施形態では、脂肪族基は、1〜4個の炭素原子を含有し、さらに他の実施形態では、脂肪族基は、1〜3個の炭素原子を含有し、また他の実施形態では、脂肪族基は、1または2個の炭素原子を含有する。適切な脂肪族基として、直鎖または分枝鎖の、アルキル、アルケニルおよびアルキニル基、ならびにこれらの混成物、例えば(シクロアルキル)アルキル、(シクロアルケニル)アルキルまたは(シクロアルキル)アルケニルが挙げられるが、これらに限らない。
「不飽和の」という用語は、本明細書で使用する場合、1つまたは複数の二重結合または三重結合を有する部分を意味する。
「脂環式」、「炭素環」または「炭素環の」という用語は、単独で使用する場合、または、より大きい部分の一部として使用する場合、本明細書中に記載されているように、3から12員を有する、飽和または部分的に不飽和の環状脂肪族の単環式環系または多環式環系を指し、脂肪族環系は、上で定義され、本明細書中に記載されているように、場合によって置換されている。脂環式の基として、制限なしで、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘプチル、シクロヘプテニル、シクロオクチル、シクロオクテニル、ノルボルニル、アダマンチルおよびシクロオクタジエニルが挙げられる。一部の実施形態では、シクロアルキルは、3〜6個の炭素を有する。「脂環式」、「炭素環」または「炭素環の」という用語はまた、1つまたは複数の芳香環または非芳香環に縮合している脂肪族環、例えばデカヒドロナフチルまたはテトラヒドロナフチル(ラジカルまたは結合点が脂肪族環上にある)を含む。特定の実施形態では、「3から8員の炭素環」という用語は、3から8員の飽和または部分的に不飽和の単環式炭素環を指す。特定の実施形態では、「3から14員の炭素環」および「C3〜14炭素環」という用語は、3から8員の飽和もしくは部分的に不飽和の単環式炭素環、または7から14員の飽和もしくは部分的に不飽和の多環式炭素環を指す。特定の実施形態では、「C3〜20炭素環」という用語は、3から8員の飽和もしくは部分的に不飽和の単環式炭素環、または7から20員の飽和もしくは部分的に不飽和の多環式炭素環を指す。
「アルキル」という用語は、本明細書で使用する場合、1〜6個の間の炭素原子を含有する脂肪族部分から、単一の水素原子を除去することにより誘導される飽和、直鎖状または分枝鎖の炭化水素ラジカルを指す。特に指定しない限り、アルキル基は、1〜12個の炭素原子を含有する。特定の実施形態では、アルキル基は、1〜8個の炭素原子を含有する。特定の実施形態では、アルキル基は、1〜6個の炭素原子を含有する。一部の実施形態では、アルキル基は、1〜5個の炭素原子を含有し、一部の実施形態では、アルキル基は、1〜4個の炭素原子を含有し、また他の実施形態では、アルキル基は、1〜3個の炭素原子を含有し、また他の実施形態では、アルキル基は、1〜2個の炭素原子を含有する。アルキルラジカルの例として、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチル、sec−ペンチル、イソ−ペンチル、tert−ブチル、n−ペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、sec−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−デシル、n−ウンデシル、ドデシルなどが挙げられるが、これらに限らない。
「アルケニル」という用語は、本明細書で使用する場合、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有する直鎖状または分枝鎖の脂肪族の部分から、単一の水素原子を除去することにより誘導される一価の基を意味する。特に指定しない限り、アルケニル基は、2〜12個の炭素原子を含有する。特定の実施形態では、アルケニル基は、2〜8個の炭素原子を含有する。特定の実施形態では、アルケニル基は、2〜6個の炭素原子を含有する。一部の実施形態では、アルケニル基は、2〜5個の炭素原子を含有し、一部の実施形態では、アルケニル基は、2〜4個の炭素原子を含有し、また他の実施形態では、アルケニル基は、2〜3個の炭素原子を含有し、また他の実施形態では、アルケニル基は、2個の炭素原子を含有する。アルケニル基として、例えば、エテニル、プロペニル、ブテニル、1−メチル−2−ブテン−1−イルなどが挙げられる。
「アルキニル」という用語は、明細書で使用する場合、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を有する直鎖状または分枝鎖の脂肪族の部分から、単一の水素原子を除去することにより誘導される一価の基を指す。特に指定しない限り、アルキニル基は、2〜12個の炭素原子を含有する。特定の実施形態では、アルキニル基は、2〜8個の炭素原子を含有する。特定の実施形態では、アルキニル基は、2〜6個の炭素原子を含有する。一部の実施形態では、アルキニル基は、2〜5個の炭素原子を含有し、一部の実施形態では、アルキニル基は、2〜4個の炭素原子を含有し、また他の実施形態では、アルキニル基は、2〜3個の炭素原子を含有し、また他の実施形態では、アルキニル基は、2個の炭素原子を含有する。代表的なアルキニル基として、エチニル、2−プロピニル(プロパルギル)、1−プロピニルなどが挙げられるが、これらに限らない。
「アリール」という用語は、単独で、または「アラルキル」、「アラルコキシ」もしくは「アリールオキシアルキル」などのように、より大きい部分の一部として使用される場合、合計5から20の環員を有する単環式および多環式の環系を指し、この系内で、少なくとも1つの環は、芳香族であり、この系内の各環は、3から12の環員を含有する。「アリール」という用語は、「アリール環」という用語と交換可能に使用してもよい。本発明の特定の実施形態では、「アリール」は、これらに限らないが、フェニル、ビフェニル、ナフチル、アントラシルなどを含む芳香環系を指し、これらは、1つまたは複数の置換基を有し得る。本明細書中で使用する場合、同様に「アリール」という用語の範囲内に含まれるのは、芳香環が、1つまたは複数の追加の環に縮合している基、例えばベンゾフラニル、インダニル、フタルイミジル、ナフトイミジル(naphthimidyl)、フェナントリイジニル(phenantriidinyl)、またはテトラヒドロナフチルなどである。特定の実施形態では、「6から10員のアリール」および「C6〜10アリール」という用語は、フェニルまたは8から10員の多環式アリール環を指す。特定の実施形態では、「6から12員のアリール」という用語は、フェニルまたは8から12員の多環式アリール環を指す。特定の実施形態では、「C6〜14アリール」という用語は、フェニルまたは8−から14員の多環式アリール環を指す。
「ヘテロアリール」および「heteroar−」という用語、例えば、「ヘテロアラルキル」、または「ヘテロアラルコキシ」などの用語は、単独で、またはより大きい部分の一部として使用する場合、5から14個の環原子、好ましくは5、6または9個の環原子を有し、環状の配列内で共有されている6、10または14個のπの電子を有し、炭素原子に加えて、1から5個のヘテロ原子を有する基を指す。「ヘテロ原子」という用語は、窒素、酸素または硫黄を指し、窒素または硫黄の任意の酸化型、および塩基性窒素の任意の四級化された形態を含む。ヘテロアリール基として、制限なしで、チエニル、フラニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリジニル、プリニル、ナフチリジニル、ベンゾフラニルおよびプテリジニルが挙げられる。「ヘテロアリール」および「heteroar−」という用語はまた、本明細書で使用する場合、芳香族複素環が、1つまたは複数のアリール環、脂環式環またはヘテロシクリル環に縮合している基を含み、この環内で、ラジカルまたは結合点は、芳香族複素環の上にある。非制限的な例として、インドリル、イソインドリル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、ジベンゾフラニル、インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、4H−キノリジニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニルおよびピリド[2,3−b]−1,4−オキサジン−3(4H)−オンが挙げられる。ヘテロアリール基は、単環式または二環式であってよい。「ヘテロアリール」という用語は、「ヘテロアリール環」、「ヘテロアリール基」、または「ヘテロ芳香族」という用語と交換可能に使用されてもよく、これらの用語のいずれかは、場合によって置換されている環を含む。「ヘテロアラルキル」という用語は、ヘテロアリールで置換されたアルキル基を指し、この中で、アルキルおよびヘテロアリール部分は、独立して、場合によって置換されている。特定の実施形態では、「5から10員のヘテロアリール」という用語は、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1から3個のヘテロ原子を有する、5から6員のヘテロアリール環、または窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1から4個のヘテロ原子を有する、8から10員の二環式ヘテロアリール環を指す。特定の実施形態では、「5から12員のヘテロアリール」という用語は、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1から3個のヘテロ原子を有する、5から6員のヘテロアリール環、または窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1から4個のヘテロ原子を有する、8から12員の二環式ヘテロアリール環を指す。
本明細書で使用する場合、「複素環」、「ヘテロシクリル」、「複素環ラジカル」および「複素環式環」という用語は、交換可能に使用され、飽和または部分的に不飽和のいずれかであり、炭素原子に加えて、1つまたは複数の、好ましくは1から4個の、ヘテロ原子(上で定義された通り)を有する、安定した5から7員の単環式、または7〜14員の多環式複素環の部分を指す。複素環の環原子と関連し使用される場合、「窒素」という用語は、置換された窒素を含む。例えば、酸素、硫黄または窒素から選択される0〜3個のヘテロ原子を有する、飽和または部分的に不飽和の環において、窒素は、N(3,4−ジヒドロ−2H−ピロリルの場合のように)、NH(ピロリジニルの場合のように)、またはNR(N置換されたピロリジニルの場合のように)であってよい。一部の実施形態では、「3から7員の複素環」という用語は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1から2個のヘテロ原子を有する、3から7員の飽和または部分的に不飽和の単環式複素環式環を指す。一部の実施形態では、「3から8員の複素環」という用語は、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1から2個のヘテロ原子を有する、3から8員の飽和または部分的に不飽和の単環式複素環式環を指す。一部の実施形態では、「3から12員の複素環」という用語は、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1から2個のヘテロ原子を有する、3から8員の飽和もしくは部分的に不飽和の単環式複素環式環、または窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、7から12員の飽和もしくは部分的に不飽和の多環式複素環式環を指す。一部の実施形態では、「3から14員の複素環」という用語は、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1から2個のヘテロ原子を有する、3から8員の飽和もしくは部分的に不飽和の単環式複素環式環、または窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、7から14員の飽和もしくは部分的に不飽和の多環式複素環式環を指す。
複素環式環は、任意のヘテロ原子または炭素原子においてペンダント基に結合し、これによって安定した構造がもたらされ得、この環原子のいずれかは、場合によって置換されていることができる。このような飽和または部分的に不飽和の複素環ラジカルの例として、制限なしで、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、ピロリジニル、ピロリドニル、ピペリジニル、ピロリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、デカヒドロキノリニル、オキサゾリジニル、ピペラジニル、ジオキサニル、ジオキソラニル、ジアゼピニル、オキサゼピニル、チアゼピニル、モルホリニルおよびキヌクリジニルが挙げられる。「複素環」、「ヘテロシクリル」、「ヘテロシクリル環」、「複素環基」、「複素環の部分」および「複素環ラジカル」という用語は、交換可能に本明細書中で使用され、ヘテロシクリル環が、1つまたは複数のアリール環、ヘテロアリール環または脂環式環に縮合している基、例えばインドリニル、3H−インドリル、クロマニル、フェナントリジニルまたはテトラヒドロキノリニルなども含み、ラジカルまたは結合点は、ヘテロシクリル環上にある。ヘテロシクリル基は、単環式または二環式であってよい。「ヘテロシクリルアルキル」という用語は、ヘテロシクリルで置換されたアルキル基を指し、この中で、アルキルおよびヘテロシクリルの部分は、独立して、場合によって置換されている。
本明細書で使用する場合、「部分的に不飽和の」という用語は、少なくとも1つの二重結合または三重結合を含む環部分を指す。「部分的に不飽和の」という用語は、複数の不飽和の部位を有する環を包含することを意図するが、本明細書中で定義された、アリールまたはヘテロアリール部分を含むことは意図していない。
当業者であれば、本明細書中に記載されている化合物および合成の方法は、様々な保護基を利用し得ることを理解されよう。「保護基」という用語は、本明細書で使用する場合、特定の官能基部分、例えば、O、SまたはNを、遮蔽または遮断し、必要に応じて、多官能基化合物の別の反応部位で反応を選択的に行うことを可能とすることを意味する。適切な保護基は、当分野で周知であり、その全体が本明細書に参照により組み込まれている、Protecting Groups in Organic Synthesis、T. W. Greene and P. G. M. Wuts、第3版、John Wiley & Sons、1999年に詳細に記載されているものを含む。特定の実施形態では、保護基が、好収率で選択的に反応することによって、計画された反応に対して安定性のある、保護された基質が得られ、保護基は、他の官能基を攻撃しない、容易に入手可能な、好ましくは無毒性の試薬により、選択的に除去可能であることが好ましく、保護基は、分離可能な誘導体を形成し(より好ましくは、新しい不斉中心を生成することなく)、保護基は、最小の追加の官能性を有することによって、追加の反応部位を回避することが好ましい。本明細書中で詳しく記載されているように、酸素、硫黄、窒素および炭素保護基を利用し得る。ヒドロキシル保護基の非限定的な例として、メチル、メトキシルメチル(MOM)、メチルチオメチル(MTM)、t−ブチルチオメチル、(フェニルジメチルシリル)メトキシメチル(SMOM)、ベンジルオキシメチル(BOM)、p−メトキシベンジルオキシメチル(PMBM)、(4−メトキシフェノキシ)メチル(p−AOM)、グアヤコールメチル(GUM)、t−ブトキシメチル、4−ペンテニルオキシメチル(POM)、シロキシメチル、2−メトキシエトキシメチル(MEM)、2,2,2−トリクロロエトキシメチル、ビス(2−クロロエトキシ)メチル、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル(SEMOR)、テトラヒドロピラニル(THP)、3−ブロモテトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、1−メトキシシクロヘキシル、4−メトキシテトラヒドロピラニル(MTHP)、4−メトキシテトラヒドロチオピラニル、4−メトキシテトラヒドロチオピラニルS,S−ジオキシド、1−[(2−クロロ−4−メチル)フェニル]−4−メトキシピペリジン−4−イル(CTMP)、1,4−ジオキサン−2−イル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフラニル、2,3,3a,4,5,6,7,7a−オクタヒドロ−7,8,8−トリメチル−4,7−メタノベンゾフラン−2−イル、1−エトキシエチル、1−(2−クロロエトキシ)エチル、1−メチル−1−メトキシエチル、1−メチル−1−ベンジルオキシエチル、1−メチル−1−ベンジルオキシ−2−フルオロエチル、2,2,2−トリクロロエチル、2−トリメチルシリルエチル、2−(フェニルセレニル)エチル、t−ブチル、アリル、p−クロロフェニル、p−メトキシフェニル、2,4−ジニトロフェニル、ベンジル、p−メトキシベンジル、3,4−ジメトキシベンジル、o−ニトロベンジル、p−ニトロベンジル、p−ハロベンジル、2,6−ジクロロベンジル、p−シアノベンジル、p−フェニルベンジル、2−ピコリル、4−ピコリル、3−メチル−2−ピコリルN−オキシド、ジフェニルメチル、p,p’−ジニトロベンズヒドリル、5−ジベンゾスベリル、トリフェニルメチル、α−ナフチルジフェニルメチル、p−メトキシフェニルジフェニルメチル、ジ(p−メトキシフェニル)フェニルメチル、トリ(p−メトキシフェニル)メチル、4−(4’−ブロモフェナシルオキシフェニル)ジフェニルメチル、4,4’,4’’−トリス(4,5−ジクロロフタルイミドフェニル)メチル、4,4’,4’’−トリス(レブリノイルオキシフェニル)メチル、4,4’,4’’−トリス(ベンゾイルオキシフェニル)メチル、3−(イミダゾール−1−イル)ビス(4’,4’’−ジメトキシフェニル)メチル、1,1−ビス(4−メトキシフェニル)−1’−ピレニルメチル、9−アントリル、9−(9−フェニル)キサンテニル、9−(9−フェニル−10−オキソ)アントリル、1,3−ベンゾジチオラン−2−イル、ベンゾイソチアゾリルS,S−ジオキシド、トリメチルシリル(TMS)、トリエチルシリル(TES)、トリイソプロピルシリル(TIPS)、ジメチルイソプロピルシリル(IPDMS)、ジエチルイソプロピルシリル(DEIPS)、ジメチルテキシルシリル、t−ブチルジメチルシリル(TBDMS)、t−ブチルジフェニルシリル(TBDPS)、トリベンジルシリル、トリ−p−キシリルシリル、トリフェニルシリル、ジフェニルメチルシリル(DPMS)、t−ブチルメトキシフェニルシリル(TBMPS)、ホルメート、ベンゾイルホルメート、アセテート、クロロアセテート、ジクロロアセテート、トリクロロアセテート、トリフルオロアセテート、メトキシアセテート、トリフェニルメトキシアセテート、フェノキシアセテート、p−クロロフェノキシアセテート、3−フェニルプロピオネート、4−オキソペンタノエート(レブリネート)、4,4−(エチレンジチオ)ペンタノエート(レブリノイルジチオアセタール)、ピバロエート、アダマントエート、クロトネート、4−メトキシクロトネート、ベンゾエート、p−フェニルベンゾエート、2,4,6−トリメチルベンゾエート(メシトエート)、アルキルメチルカルボネート、9−フルオレニルメチルカルボネート(Fmoc)、アルキルエチルカルボネート、アルキル2,2,2−トリクロロエチルカルボネート(Troc)、2−(トリメチルシリル)エチルカルボネート(TMSEC)、2−(フェニルスルホニル)エチルカルボネート(Psec)、2−(トリフェニルホスホニオ)エチルカルボネート(Peoc)、アルキルイソブチルカルボネート、アルキルビニルカルボネート アルキルアリルカルボネート、アルキルp−ニトロフェニルカルボネート、アルキルベンジルカルボネート、アルキルp−メトキシベンジルカルボネート、アルキル3,4−ジメトキシベンジルカルボネート、アルキルo−ニトロベンジルカルボネート、アルキルp−ニトロベンジルカルボネート、アルキルS−ベンジルチオカルボネート、4−エトキシ−1−ナフチルカルボネート、メチルジチオカルボネート、2−ヨードベンゾエート、4−アジドブチレート、4−ニトロ−4−メチルペンタノエート、o−(ジブロモメチル)ベンゾエート、2−ホルミルベンゼンスルホネート、2−(メチルチオメトキシ)エチル、4−(メチルチオメトキシ)ブチレート、2−(メチルチオメトキシメチル)ベンゾエート、2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシアセテート、2,6−ジクロロ−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノキシアセテート、2,4−ビス(1,1−ジメチルプロピル)フェノキシアセテート、クロロジフェニルアセテート、イソブチレート、モノスクシノエート、(E)−2−メチル−2−ブテノエート、o−(メトキシカルボニル)ベンゾエート、α−ナフトエート、ニトレート、アルキルN,N,N’,N’−テトラメチルホスホロジアミデート、アルキルN−フェニルカルバメート、ボレート、ジメチルホスフィノチオイル、アルキル2,4−ジニトロフェニルスルフェネート、スルフェート、メタンスルホネート(メシレート)、ベンジルスルホネート、およびトシレート(Ts)が挙げられる。1,2−または1,3−ジオールを保護するための保護基として、メチレンアセタール、エチリデンアセタール、1−t−ブチルエチリデンケタール、1−フェニルエチリデンケタール、(4−メトキシフェニル)エチリデンアセタール、2,2,2−トリクロロエチリデンアセタール、アセトニド、シクロペンチリデンケタール、シクロヘキシリデンケタール、シクロヘプチリデンケタール、ベンジリデンアセタール、p−メトキシベンジリデンアセタール、2,4−ジメトキシベンジリデンケタール、3,4−ジメトキシベンジリデンアセタール、2−ニトロベンジリデンアセタール、メトキシメチレンアセタール、エトキシメチレンアセタール、ジメトキシメチレンオルトエステル、1−メトキシエチリデンオルトエステル、1−エトキシエチリジンオルトエステル(1−ethoxyethylidine ortho ester)、1,2−ジメトキシエチリデンオルトエステル、α−メトキシベンジリデンオルトエステル、1−(N,N−ジメチルアミノ)エチリデン誘導体、α−(N,N’−ジメチルアミノ)ベンジリデン誘導体、2−オキサシクロペンチリデンオルトエステル、ジ−t−ブチルシリレン基(DTBS)、1,3−(1,1,3,3−テトライソプロピルジシロキサニリデン)誘導体(TIPDS)、テトラ−t−ブトキシジシロキサン−1,3−ジイリデン誘導体(TBDS)、環状カルボネート、環状ボロネート、エチルボロネート、およびフェニルボロネートが挙げられる。アミノ保護基として、メチルカルバメート、エチルカルバメート、9−フルオレニルメチルカルバメート(Fmoc)、9−(2−スルホ)フルオレニルメチルカルバメート、9−(2,7−ジブロモ)フルオロエニルメチルカルバメート、2,7−ジ−t−ブチル−[9−(10,10−ジオキソ−10,10,10,10−テトラヒドロチオキサンチル)]メチルカルバメート(DBD−Tmoc)、4−メトキシフェナシルカルバメート(Phenoc)、2,2,2−トリクロロエチルカルバメート(Troc)、2−トリメチルシリルエチルカルバメート(Teoc)、2−フェニルエチルカルバメート(hZ)、1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチルカルバメート(Adpoc)、1,1−ジメチル−2−ハロエチルカルバメート、1,1−ジメチル−2,2−ジブロモエチルカルバメート(DB−t−BOC)、1,1−ジメチル−2,2,2−トリクロロエチルカルバメート(TCBOC)、1−メチル−1−(4−ビフェニリル)エチルカルバメート(Bpoc)、1−(3,5−ジ−t−ブチルフェニル)−1−メチルエチルカルバメート(t−Bumeoc)、2−(2’−および4’−ピリジル)エチルカルバメート(Pyoc)、2−(N,N−ジシクロヘキシルカルボキサミド)エチルカルバメート、t−ブチルカルバメート(BOC)、1−アダマンチルカルバメート(Adoc)、ビニルカルバメート(Voc)、アリルカルバメート(Alloc)、1−イソプロピルアリルカルバメート(Ipaoc)、シンナミルカルバメート(Coc)、4−ニトロシンナミルカルバメート(Noc)、8−キノリルカルバメート、N−ヒドロキシピペリジニルカルバメート、アルキルジチオカルバメート、ベンジルカルバメート(Cbz)、p−メトキシベンジルカルバメート(Moz)、p−ニトベンジルカルバメート、p−ブロモベンジルカルバメート、p−クロロベンジルカルバメート、2,4−ジクロロベンジルカルバメート、4−メチルスルフィニルベンジルカルバメート(Msz)、9−アントリルメチルカルバメート、ジフェニルメチルカルバメート、2−メチルチオエチルカルバメート、2−メチルスルホニルエチルカルバメート、2−(p−トルエンスルホニル)エチルカルバメート、[2−(1,3−ジチアニル)]メチルカルバメート(Dmoc)、4−メチルチオフェニルカルバメート(Mtpc)、2,4−ジメチルチオフェニルカルバメート(Bmpc)、2−ホスホニオエチルカルバメート(Peoc)、2−トリフェニルホスホニオイソプロピルカルバメート(Ppoc)、1,1−ジメチル−2−シアノエチルカルバメート、m−クロロ−p−アシルオキシベンジルカルバメート、p−(ジヒドロキシボリル)ベンジルカルバメート、5−ベンゾイソオキサゾリルメチルカルバメート、2−(トリフルオロメチル)−6−クロモニルメチルカルバメート(Tcroc)、m−ニトロフェニルカルバメート、3,5−ジメトキシベンジルカルバメート、o−ニトロベンジルカルバメート、3,4−ジメトキシ−6−ニ


トロベンジルカルバメート、フェニル(o−ニトロフェニル)メチルカルバメート、フェノチアジニル−(10)−カルボニル誘導体、N’−p−トルエンスルホニルアミノカルボニル誘導体、N’−フェニルアミノチオカルボニル誘導体、t−アミルカルバメート、S−ベンジルチオカルバメート、p−シアノベンジルカルバメート、シクロブチルカルバメート、シクロヘキシルカルバメート、シクロペンチルカルバメート、シクロプロピルメチルカルバメート、p−デシルオキシベンジルカルバメート、2,2−ジメトキシカルボニルビニルカルバメート、o−(N,N−ジメチルカルボキサミド)ベンジルカルバメート、1,1−ジメチル−3−(N,N−ジメチルカルボキサミド)プロピルカルバメート、1,1−ジメチルプロピニルカルバメート、ジ(2−ピリジル)メチルカルバメート、2−フラニルメチルカルバメート、2−ヨードエチルカルバメート、イソボルニルカルバメート、イソブチルカルバメート、イソニコチニルカルバメート、p−(p’−メトキシフェニルアゾ)ベンジルカルバメート、1−メチルシクロブチルカルバメート、1−メチルシクロヘキシルカルバメート、1−メチル−1−シクロプロピルメチルカルバメート、1−メチル−1−(3,5−ジメトキシフェニル)エチルカルバメート、1−メチル−1−(p−フェニルアゾフェニル)エチルカルバメート、1−メチル−1−フェニルエチルカルバメート、1−メチル−1−(4−ピリジル)エチルカルバメート、フェニルカルバメート、p−(フェニルアゾ)ベンジルカルバメート、2,4,6−トリ−t−ブチルフェニルカルバメート、4−(トリメチルアンモニウム)ベンジルカルバメート、2,4,6−トリメチルベンジルカルバメート、ホルムアミド、アセトアミド、クロロアセトアミド、トリクロロアセトアミド、トリフルオロアセトアミド、フェニルアセトアミド、3−フェニルプロパンアミド、ピコリンアミド、3−ピリジルカルボキサミド、N−ベンゾイルフェニルアラニル誘導体、ベンズアミド、p−フェニルベンズアミド、o−ニトフェニルアセトアミド、o−ニトロフェノキシアセトアミド、アセトアセトアミド、(N’−ジチオベンジルオキシカルボニルアミノ)アセトアミド、3−(p−ヒドロキシフェニル)プロパンアミド、3−(o−ニトロフェニル)プロパンアミド、2−メチル−2−(o−ニトロフェノキシ)プロパンアミド、2−メチル−2−(o−フェニルアゾフェノキシ)プロパンアミド、4−クロロブタンアミド、3−メチル−3−ニトロブタンアミド、o−ニトロシンナミド、N−アセチルメチオニン誘導体、o−ニトロベンズアミド、o−(ベンゾイルオキシメチル)ベンズアミド、4,5−ジフェニル−3−オキサゾリン−2−オン、N−フタルイミド、N−ジチアスクシンイミド(Dts)、N−2,3−ジフェニルマレイミド、N−2,5−ジメチルピロール、N−1,1,4,4−テトラメチルジシリルアザシクロペンタン付加体(STABASE)、5−置換1,3−ジメチル−1,3,5−トリアザシクロヘキサン−2−オン、5−置換1,3−ジベンジル−1,3,5−トリアザシクロヘキサン−2−オン、1−置換3,5−ジニトロ−4−ピリドン、N−メチルアミン、N−アリルアミン、N−[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチルアミン(SEM)、N−3−アセトキシプロピルアミン、N−(1−イソプロピル−4−ニトロ−2−オキソ−3−ピロオリン−3−イル)アミン、第四級アンモニウム塩、N−ベンジルアミン、N−ジ(4−メトキシフェニル)メチルアミン、N−5−ジベンゾスベリルアミン、N−トリフェニルメチルアミン(Tr)、N−[(4−メトキシフェニル)ジフェニルメチル]アミン(MMTr)、N−9−フェニルフルオレニルアミン(PhF)、N−2,7−ジクロロ−9−フルオレニルメチレンアミン、N−フェロセニルメチルアミノ(Fcm)、N−2−ピコリルアミノN’−オキシド、N−1,1−ジメチルチオメチレンアミン、N−ベンジリデンアミン、N−p−メトキシベンジリデンアミン、N−ジフェニルメチレンアミン、N−[(2−ピリジル)メシチル]メチレンアミン、N−(N’,N’−ジメチルアミノメチレン)アミン、N,N’−イソプロピリデンジアミン、N−p−ニトロベンジリデンアミン、N−サリチリデンアミン、N−5−クロロサリチリデンアミン、N−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)フェニルメチレンアミン、N−シクロヘキシリデンアミン、N−(5,5−ジメチル−3−オキソ−1−シクロヘキセニル)アミン、N−ボラン誘導体、N−ジフェニルボロン酸誘導体、N−[フェニル(ペンタカルボニルクロム−またはタングステン)カルボニル]アミン、N−銅キレート、N−亜鉛キレート、N−ニトロアミン、N−ニトロソアミン、アミンN−オキシド、ジフェニルホスフィンアミド(Dpp)、ジメチルチオホスフィンアミド(Mpt)、ジフェニルチオホスフィンアミド(Ppt)、ジアルキルホスホルアミデート、ジベンジルホスホルアミデート、ジフェニルホスホルアミデート、ベンゼンスルフェンアミド、o−ニトロベンゼンスルフェンアミド(Nps)、2,4−ジニトロベンゼンスルフェンアミド、ペンタクロロベンゼンスルフェンアミド、2−ニトロ−4−メトキシベンゼンスルフェンアミド、トリフェニルメチルスルフェンアミド、3−ニトロピリジンスルフェンアミド(Npys)、p−トルエンスルホンアミド(Ts)、ベンゼンスルホンアミド、2,3,6,−トリメチル−4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Mtr)、2,4,6−トリメトキシベンゼンスルホンアミド(Mtb)、2,6−ジメチル−4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Pme)、2,3,5,6−テトラメチル−4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Mte)、4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Mbs)、2,4,6−トリメチルベンゼンスルホンアミド(Mts)、2,6−ジメトキシ−4−メチルベンゼンスルホンアミド(iMds)、2,2,5,7,8−ペンタメチルクロマン−6−スルホンアミド(Pmc)、メタンスルホンアミド(Ms)、β−トリメチルシリルエタンスルホンアミド(SES)、9−アントラセンスルホンアミド、4−(4’,8’−ジメトキシナフチルメチル)ベンゼンスルホンアミド(DNMBS)、ベンジルスルホンアミド、トリフルオロメチルスルホンアミド、およびフェナシルスルホンアミドが挙げられる。代表的な保護基は、本明細書中で詳しく記述されているが、本発明は、これらの保護基に限定されることを意図せずに、むしろ、様々なさらなる同等の保護基が、上記基準を用いて容易に特定でき、本発明の方法において利用できることを理解されたい。さらに、Greene
and Wuts(前掲)に様々な保護基が記載されている。
本明細書中に記載されているように、本発明の化合物は、「場合によって置換されている」部分を含有することができる。一般的に、「置換されている」という用語は、「場合によって」という用語が前に付いているかいないかにかかわらず、指定した部分の1つまたは複数の水素が適切な置換基で置き換えられていることを意味する。特に指定しない限り、「場合によって置換されている」基は、基の置換可能な各位置で適切な置換基を有することができ、任意の所与の構造の1つを超える位置が、特定された基から選択される1つを超える置換基で置換されていてもよい場合、置換基は、すべての位置で、同一であるか、または異なるかのいずれかであってよい。本発明で想定される置換基の組合せは、安定した、または化学的に実現可能な化合物を形成することになるものが好ましい。「安定した」という用語は、本明細書で使用する場合、これらの生成、検出、特定の実施形態では、これらの回収、精製ならびに本明細書中に開示されている1つまたは複数の目的のための使用を可能とする条件に曝された場合、実質的に変質しない化合物を指す。
「場合によって置換されている」基の置換可能な炭素原子上の適切な一価の置換基は、独立して、ハロゲン;−(CH0〜4R°;−(CH0〜4OR°;−O−(CH0〜4C(O)OR°;−(CH0〜4CH(OR°)、−(CH0〜4SR°;R°で置換されていてもよい−(CH0〜4Ph;R°で置換されていてもよい−(CH0〜4O(CH0〜1Ph;R°で置換されていてもよい−CH=CHPh;−NO;−CN;−N;−(CH0〜4N(R°);−(CH0〜4N(R°)C(O)R°;−N(R°)C(S)R°;−(CH0〜4N(R°)C(O)NR°;−N(R°)C(S)NR°;−(CH0〜4N(R°)C(O)OR°;−N(R°)N(R°)C(O)R°;−N(R°)N(R°)C(O)NR°;−N(R°)N(R°)C(O)OR°;−(CH0〜4C(O)R°;−C(S)R°;−(CH0〜4C(O)OR°;−(CH0〜4C(O)N(R°);−(CH0〜4C(O)SR°;−(CH0〜4C(O)OSiR°;−(CH0〜4OC(O)R°;−OC(O)(CH0〜4SR−、SC(S)SR°;−(CH0〜4SC(O)R°;−(CH0〜4C(O)NR°;−C(S)NR°;−C(S)SR°;−SC(S)SR°、−(CH0〜4OC(O)NR°;−C(O)N(OR°)R°;−C(O)C(O)R°;−C(O)CHC(O)R°;−C(NOR°)R°;−(CH0〜4SSR°;−(CH0〜4S(O)R°;−(CH0〜4S(O)OR°;−(CH0〜4OS(O)R°;−S(O)NR°;−(CH0〜4S(O)R°;−N(R°)S(O)NR°;−N(R°)S(O)R°;−N(OR°)R°;−C(NH)NR°;−P(O)R°;−P(O)R°;−OP(O)R°;−OP(O)(OR°);SiR°、−(C1〜4直鎖もしくは分枝鎖のアルキレン)O−N(R°)、または−(C1〜4直鎖もしくは分枝鎖のアルキレン)C(O)O−N(R°)であり、各R°は、以下に定義された通り置換されていてもよく、独立して水素、C1〜8脂肪族、−CHPh、−O(CH0〜1Ph、または窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する、5〜6員の飽和、部分的に不飽和もしくはアリールの環であり、または、上記の定義にかかわらず、独立して出現する2つのR°が、介在する原子(複数可)と一緒になって、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子(以下に定義された通り置換されていてもよい)を有する、3〜12員の飽和、部分的に不飽和もしくはアリールの単環式もしくは多環式の環を形成する。
R°(または独立して出現する2つのR°と介在する原子が一緒になって形成される環)上の適切な一価の置換基は、独立して、ハロゲン、−(CH0〜2、−(ハロR)、−(CH0〜2OH、−(CH0〜2OR、−(CH0〜2CH(OR;−O(ハロR)、−CN、−N、−(CH0〜2C(O)R、−(CH0〜2C(O)OH、−(CH0〜2C(O)OR、−(CH0〜4C(O)N(R°);−(CH0〜2SR、−(CH0〜2SH、−(CH0〜2NH、−(CH0〜2NHR、−(CH0〜2NR 、−NO、−SiR 、−OSiR 、−C(O)SR、−(C1〜4直鎖もしくは分枝鎖のアルキレン)C(O)ORまたは−SSR(式中、各Rは、非置換であるか、または「ハロ」が前に付いている場合、1つまたは複数のハロゲンのみで置換されており、独立して、C1〜4脂肪族、−CHPh、−O(CH0〜1Ph、または窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する、5〜6員の飽和、部分的に不飽和もしくはアリールの環から選択される)である。R°の飽和した炭素原子上の適切な二価の置換基は、=Oおよび=Sを含む。
「場合によって置換されている」基の飽和した炭素原子上の適切な二価の置換基として、=O、=S、=NNR 、=NNHC(O)R、=NNHC(O)OR、=NNHS(O)、=NR、=NOR、−O(C(R ))2〜3O−または−S(C(R ))2〜3S−(式中、それぞれ独立しているRは、水素、以下に定義された通り置換されていてもよいC1〜6脂肪族、または、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する、非置換の5〜6員の飽和、部分的に不飽和もしくはアリールの環から選択される)が挙げられる。「場合によって置換されている」基の近接する置換可能な炭素に結合している適切な二価の置換基として、−O(CR 2〜3O−(式中、それぞれ独立しているRは、水素、以下に定義された通り置換されていてもよいC1〜6脂肪族、または窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する、非置換の5〜6員の飽和、部分的に不飽和もしくはアリールの環から選択される)が挙げられる。
の脂肪族基上の適切な置換基として、ハロゲン、−R、−(ハロR)、−OH、−OR、−O(ハロR)、−CN、−C(O)OH、−C(O)OR、−NH、−NHR、−NR または−NO(式中、各Rは、非置換であるか、または、「ハロ」が前に付いている場合、1つまたは複数のハロゲンのみで置換されており、独立して、C1〜4脂肪族、−CHPh、−O(CH0〜1Phであるか、または窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する、5〜6員の飽和、部分的に不飽和もしくはアリールの環である)が挙げられる。
「場合によって置換されている」基の置換可能な窒素上の適切な置換基として、−R、−NR 、−C(O)R、−C(O)OR、−C(O)C(O)R、−C(O)CHC(O)R、−S(O)、−S(O)NR 、−C(S)NR 、−C(NH)NR または−N(R)S(O)(各Rは、独立して、水素、以下に定義された通り置換されていてもよいC1〜6脂肪族、非置換の−OPhであるか、または窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する、非置換の5〜6員の飽和、部分的に不飽和もしくはアリールの環であるか、または、上記の定義にかかわらず、2つの独立して出現するRが、介在する原子(複数可)と一緒になって、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する、非置換の3〜12員の飽和、部分的に不飽和、もしくはアリールの単環式もしくは二環式の環を形成する)が挙げられる。
の脂肪族基上の適切な置換基は、独立して、ハロゲン、−R、−(ハロR)、−OH、−OR、−O(ハロR)、−CN、−C(O)OH、−C(O)OR、−NH、−NHR、−NR または−NO(式中、各Rは、非置換であるか、または、「ハロ」が前に付いている場合、1つもしくは複数のハロゲンでのみで置換されており、独立して、C1〜4脂肪族、−CHPh、−O(CH0〜1Phであるか、または窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する、5〜6員の飽和、部分的に不飽和もしくはアリールの環である)である。
本明細書で使用する場合、「互変異性体」という用語は、少なくとも1つの水素原子の正式な移動および少なくとも1つのイオン価の変化(例えば、一重結合から二重結合、三重結合から一重結合、または逆もまた同じ)により生成する2つ以上の相互変換可能な化合物を含む。互変異性体の正確な比率は、温度、溶媒およびpHを含めたいくつかの要素に依存する。互変異性化(すなわち、互変異性体のペアを提供する反応)は、酸または塩基で触媒されてもよい。代表的な互変異性化として、ケトからエノール、アミドからイミド、ラクタムからラクチム、エナミンからイミン、およびエナミンから(異なる)エナミンへの互変異性化が挙げられる。
本明細書で使用する場合、「触媒」という用語は、それ自体は消費もされず、永久的な化学変化を受けもしない一方で、その存在により、化学反応の速度および/または程度を増加させる物質を指す。
I.本発明の重合系
一態様において、本発明は、−OH末端基が高い比率を占めるポリカーボネートポリオール樹脂を生成するための、COとエポキシドとの共重合のための重合系を提供する。重合系は、1)永久配位子セット、および重合開始剤である少なくとも1つの配位子を含む金属錯体と、2)ポリマー鎖を開始することが可能な複数の部位を有する連鎖移動剤とを含む。一部の実施形態では、重合系は、共触媒をさらに含む。特定の実施形態では、重合開始剤である配位子は、複数のポリマー開始部位を有する。
I.a.連鎖移動剤
本発明に適した連鎖移動剤として、エポキシドと二酸化炭素との共重合における鎖成長を開始することが可能な2つ以上の部位を有する任意の化合物が挙げられる。このような化合物は、重合を妨害する他の官能基を有していないことが好ましい。
適切な連鎖移動剤は、広範な化学構造を有し得る。一般的に、唯一の必要条件とは、連鎖移動剤の各分子は、2つ以上のポリカーボネート鎖を開始することが可能なことであり、これは、以下を含めたいくつかの機序により起こり得る:エポキシドモノマーの開環、二酸化炭素分子と反応させて、ポリマー鎖成長を持続することが可能な部分を生成する、またはこれらの組合せ。一部の実施形態では、連鎖移動剤は、独立して、二酸化炭素またはエポキシドと反応可能な2つ以上の官能基を有することができ、これらの例として、分子に限らないが、例えば二酸、グリコール、ジオール、トリオール、ヒドロキシ酸、アミノ酸、アミノアルコール、ジチオール、メルカプトアルコール、糖類、カテコール、ポリエーテルなどが挙げられる。一部の実施形態では、連鎖移動剤は、それ自体が複数回反応することによって、1つを超えるポリマー鎖を開始することができる多重活性官能基を含んでいてもよい。後者の例として、複数回反応することが可能な単一の原子を有する官能基、例えばアンモニア、第一アミンおよび水、ならびに1つを超える求核性原子を有する官能基、例えばアミジン(amindines)、グアニジン、ウレア、ボロン酸などが挙げられるが、これらに限らない。
特定の実施形態では、本開示の連鎖移動剤は、構造Y−A−(Y)(式中、各−Y基は、独立して、エポキシドCOコポリマーの鎖成長を開始することが可能な官能基であり、各Y基は、同じでも異なっていてもよく、
−A−は、共有結合または多価の化合物であり、
nは、1〜10の間の整数(1と10を含む)である)を有する。
一部の実施形態では、各Y基は、独立して、−OH、−C(O)OH、−C(OR)OH、−OC(R)OH、−NHR、−NHC(O)R、−NHC=NR;−NRC=NH;−NRC(NR )=NH;−NHC(NR )=NR;−NHC(O)OR、−NHC(O)NR ;−C(O)NHR、−C(S)NHR、−OC(O)NHR、−OC(S)NHR、−SH、−C(O)SH、−B(OR)OH、−P(O)(R(OR(O)H、−OP(O)(R(OR(O)H、−N(R)OH、−ON(R)H;=NOH、=NN(R)Hからなる群から選択され、Rはそれぞれ、独立して−Hであるか、または、C1〜20脂肪族、C1〜20ヘテロ脂肪族、3から12員の複素環、および6から12員のアリールからなる群から選択される、場合によって置換されているラジカルであり、aおよびbは、それぞれ独立して、0または1であり、cは0、1または2であり、dは、0または1であり、a、bおよびcの和は1または2である。一部の実施形態では、上記官能基のいずれかにおいて結合している酸性の水素原子は、本発明から逸脱することなしに、金属原子または有機カチオンで置き換えられていてもよい(例えば、−C(O)OHの代わりに−C(O)ONa、−C(O)O(R)、−C(O)O(Ca2+0.5、−C(O)OPPN、または−SHの代わりに−SNaなどであってよい)。このような代替物は、本明細書中に具体的に含まれており、このような塩を使用する代替実施形態は、本明細書中の開示および実施例により暗示により包含される。
一部の実施形態では、1つまたは複数のY基は、ヒドロキシルまたはヒドロキシ塩である。特定の実施形態では、各ヒドロキシル基は、第一級または第二級アルコールである。他の実施形態では、ヒドロキシル基は、芳香環または芳香族複素環に結合している。特定の実施形態では、ヒドロキシル基はフェノールである。一部の実施形態では、ヒドロキシル基は、ベンジル位の、アリル位のまたはプロパルギル位のものである。他の実施形態では、ヒドロキシル基は、炭水化物の一部である。他の実施形態では、ヒドロキシル基は、ポリマーまたはオリゴマー、例えば、ポリエーテル、ポリエステル、ポリビニルアルコールまたはヒドロキシ官能化した、もしくはヒドロキシ終端したポリオレフィンなどの一部である。
一部の実施形態では、連鎖移動剤は多価アルコールである。特定の実施形態では、多価アルコールはジオールである一方、他の実施形態ではこの多価アルコールはトリオール、テトラオールまたはより高級のポリオールである。特定の実施形態では、nは1であり(すなわち、2つのY基が存在する)、両方のY基は、ヒドロキシル基である(すなわち、連鎖移動剤はジオール)。一部の実施形態では、2つのヒドロキシル基は、隣接する炭素の上に存在する(すなわち、連鎖移動剤はグリコール)。
一部の実施形態では、2つのヒドロキシル基は、非隣接する炭素上に存在する。特定の実施形態では、2つのヒドロキシル基は、鎖の反対の末端上に存在する(すなわち、連鎖移動剤は、α−ωジオール)。特定の実施形態では、このようなα−ωジオールとして、CからC20の脂肪族鎖が挙げられる(すなわち、−A−は、場合によって置換されているC3〜20脂肪族鎖)。特定の実施形態では、このようなα−ωジオールは、ポリエーテルを含む(すなわち−A−は、ポリエーテル鎖)。特定の実施形態では、このようなα−ωジオールは、ヒドロキシ末端ポリオレフィンを含む(すなわち、−A−はポリオレフィン鎖)。特定の実施形態では、このようなα−ωジオールは、パラホルムアルデヒドを含む(すなわち、−A−は、ポリオキシメチレン鎖)。
特定の実施形態では、−A−は、共有結合である。例えば、Y−A−(Y)がシュウ酸の場合、−A−は、共有結合である。
一部の実施形態では、ジオールの一方の−OH基は、フェノール性のものであり、他方は、脂肪族である。他の実施形態では、各ヒドロキシ基は、フェノール性のものである。特定の実施形態では、連鎖移動剤は、場合によって置換されているカテコール、レゾルシノールまたはヒドロキノン誘導体である。
一部の実施形態では、Y−基が−OHの場合、−OH基は、カルボニル基のエノール互変異性体である。一部の実施形態では、Y基が−OHの場合、−OH基は、カルボニル水和物またはヘミアセタールである。
他の実施形態では、nが1の場合、1つのY基のみが−OHであり、他方のY基は、−C(O)OH、−C(OR)OH、−OC(R)OH、−NHR、−NHC(O)R、−NHC(O)OR、−C(O)NHR、−C(S)NHR、−OC(O)NHR、−OC(S)NHR、−SH、−C(O)SH、−B(OR)OH、−P(O)(R(OROH、−OP(O)(R(OROH、−N(R)OH、−ON(R)H;=NOH、=NN(R)Hからなる群から選択される。特定の実施形態では、nは1であり、一方のY基が−OHであり、他方のY基は、−SH、−C(O)OH、−NHRおよび−C(O)NHRからなる群から選択される。特定の実施形態では、nは1であり、一方のY基は−OHであり、他方のY基は、−C(O)OHである。他の実施形態では、nが1の場合、一方のY基は、−OHであり、他方のY基は、−SHである。他の実施形態では、nが1の場合、一方のY基は−OHであり、一方のY基は−NHRである。特定の実施形態では、nは2であり、各Y基は、−OHである(すなわち、連鎖移動剤は、トリオール)。特定の実施形態では、nが2の場合、2つのY基は、−OHであり、第3のY基は、−SH、−C(O)OH,−NHRおよび−C(O)NHRからなる群から選択される。他の実施形態では、nが2の場合、1つのY基のみが−OHであり、他の2つのY基は、独立して、−SH、−C(O)OH、−NHRおよび−C(O)NHRからなる群から選択される。
一部の実施形態では、ポリアルコール連鎖移動剤は、天然物質、例えば、糖アルコール、炭水化物、糖類、多糖、デンプン、デンプン誘導体、リグニン、リグナン、部分的に加水分解したトリグリセリドなど、ならびにこれらの物質のうちの任意の公知の誘導体を包含する。特定の実施形態では、連鎖移動剤はデンプンである。特定の実施形態では、連鎖移動剤はイソソルビドである。
他の実施形態では、連鎖移動剤の少なくとも1つのY基は、アミンである。一部の実施形態では、少なくとも1つのY基は、第一級アミンである。他の実施形態では、少なくとも1つのY基は、第二級アミンである。特定の実施形態では、少なくとも1つのY基は、アニリンまたはアニリン誘導体である。一部の実施形態では、少なくとも1つのY基は、複素環の一部であるN−H基である。
特定の実施形態では、連鎖移動剤は、ポリアミンである。一部の実施形態では、連鎖移動剤は、ジアミンである。他の実施形態では、連鎖移動剤は、トリアミン、テトラアミンまたはより高級のアミンオリゴマーである。
特定の実施形態では、少なくとも1つのY基は、アミンであり、1つまたは複数の追加のY基は、独立して、−OH、−C(O)OH、−C(OR)OH、−OC(R)OH、−NHC(O)R、−NHC(O)OR、−C(O)NHR、−C(S)NHR、−OC(O)NHR、−OC(S)NHR、−SH、−C(O)SH、−B(OR)OH、−P(O)(R(OROH、−OP(O)(R(OROH、−N(R)OH、−ON(R)H;=NOH、=NN(R)Hからなる群から選択される。特定の実施形態では、少なくとも1つのY基は、アミンであり、1つまたは複数の追加のY基は、独立して、−OH、−SH、−C(O)OHおよび−C(O)NHRからなる群から選択される。一部の実施形態では、連鎖移動剤は、アミノアルコールである。一部の実施形態では、連鎖移動剤は、アミノ酸である。一部の実施形態では、連鎖移動剤は、アミノチオールである。一部の実施形態では、連鎖移動剤は、アミノアミドである。
一部の実施形態では、少なくとも1つのY基は、カルボン酸またはその塩である。一部の実施形態では、存在するすべてのY基は、そのカルボン酸塩であり、他の実施形態では、1つまたは複数のカルボン酸Y基は、共重合を開始することができる1つまたは複数の他の官能基と共に存在する。特定の実施形態では、少なくとも1つのY基は、安息香酸誘導体である。
特定の実施形態では、連鎖移動剤は、二酸、三酸またはより高級のポリ酸である。一部の実施形態では、連鎖移動剤は、二酸である。特定の実施形態では、nは1であり、存在する両方のY基は、カルボン酸である。特定の実施形態では、二酸は、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸である。特定の実施形態では、二酸は、マレイン酸、コハク酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸またはアゼライン酸である。一部の実施形態では、連鎖移動剤は、三酸である。特定の実施形態では、三酸は、クエン酸、イソクエン酸、シス−またはトランス−アコニット酸、プロパン−1,2,3−トリカルボン酸またはトリメシン酸である。
特定の実施形態では、少なくとも1つのY基は、カルボン酸またはカルボキシレートであり、1つまたは複数の追加のY基は、独立して、−OH、−C(OR)OH、−OC(R)OH、−NHR、−NHC(O)R、−NHC(O)OR、−C(O)NHR、−C(S)NHR、−OC(O)NHR、−OC(S)NHR、−SH、−C(O)SH、−B(OR)OH、−P(O)(R(OROH、−OP(O)(R(OROH、−N(R)OH、−ON(R)H;=NOH、=NN(R)Hからなる群から選択される。特定の実施形態では、少なくとも1つのY基は、カルボン酸であり、1つまたは複数の追加のY基は、独立して、−OH、−SH、−NHRおよび−C(O)NHRからなる群から選択される。
一部の実施形態では、連鎖移動剤は、アミノ酸である。特定の実施形態では、アミノ酸連鎖移動剤は、天然アミノ酸を含む。特定の実施形態では、アミノ酸鎖移動酸は、ペプチドを含む。一部の実施形態では、ペプチドは、2〜約20の間のアミノ酸残基を含有する。他の実施形態では、その連鎖移動剤は、チオール酸である。
一部の実施形態では、その連鎖移動剤は、ヒドロキシ酸である。一部の実施形態では、ヒドロキシ酸は、α−ヒドロキシ酸である。特定の実施形態では、αヒドロキシ酸は、グリコール酸、DL乳酸、D乳酸、L乳酸、クエン酸およびマンデル酸からなる群から選択される。一部の実施形態では、ヒドロキシ酸は、β−ヒドロキシ酸である。特定の実施形態では、βヒドロキシ酸は、3−ヒドロキシプロピオン酸、DL3−ヒドロキシ酪酸(butryic)、D−3ヒドロキシ酪酸、L3−ヒドロキシ酪酸、DL−3−ヒドロキシ吉草酸、D−3−ヒドロキシ吉草酸、L−3−ヒドロキシ吉草酸、サリチル酸、およびサリチル酸の誘導体からなる群から選択される。一部の実施形態では、ヒドロキシ酸は、α−ωヒドロキシ酸である。特定の実施形態では、α−ωヒドロキシ酸は、場合によって置換されているC3〜20脂肪族のα−ωヒドロキシ酸からなる群から選択される。特定の実施形態では、α−ωヒドロキシ酸は、ポリエステルオリゴマーエステルである。
一部の実施形態では、1つまたは複数のY基がカルボキシル基の場合、連鎖移動剤は、カルボン酸塩として提供される。特定の実施形態では、カルボン酸塩は、IまたはII族の金属塩である。一部の実施形態では、カルボン酸塩は、アンモニウム塩である。特定の実施形態では、アンモニウムカチオンは、NH である。一部の実施形態では、アンモニウムカチオンは、プロトン化された第一級、第二級、または第三級アミンである。一部の実施形態では、塩は、第四級アンモニウム塩である。一部の実施形態では、塩の第四級アンモニウムカチオンは、テトラメチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、またはテトラヘキシルアンモニウムアンモニウム(trahexylammonium ammonium)である。特定の実施形態では、カルボン酸塩は、ホスホニウムカルボキシレートである。
他の実施形態では、連鎖移動剤の少なくとも1つのY基は、チオールである。一部の実施形態では、少なくとも1つのY基は、第一級チオールである。他の実施形態では、少なくとも1つのY基は、第二級または第三級のチオールである。特定の実施形態では、少なくとも1つのY基は、チオフェノールまたはチオフェノール誘導体である。
特定の実施形態では、連鎖移動剤は、ポリチオールである。一部の実施形態では、連鎖移動剤は、ジチオールである。一部の実施形態では、連鎖移動剤は、トリチオール、より高級のチオールオリゴマーである。
特定の実施形態では、少なくとも1つのY基は、チオールであり、1つまたは複数の追加のY基は、独立して、−OH、−C(O)OH、−C(OR)OH、−OC(R)OH、−NHR、−NHC(O)R、−NHC(O)OR、−C(O)NHR、−C(S)NHR、−OC(O)NHR、−OC(S)NHR、−C(O)SH、−B(OR)OH、−P(O)(R(OROH、−OP(O)(R(OROH、−N(R)OH、−ON(R)H;=NOH、=NN(R)Hからなる群から選択される。特定の実施形態では、少なくとも1つのY基は、チオールであり、1つまたは複数の追加のY基は、独立して、−OH、−NHR、−C(O)OH、および−C(O)NHRからなる群から選択される。一部の実施形態では、連鎖移動剤は、チオアルコールである。一部の実施形態では、連鎖移動剤は、アミノチオールである。一部の実施形態では、連鎖移動剤は、チオールカルボン酸である。
特定の実施形態では、連鎖移動剤のY基は、活性のあるNH含有官能基である。特定の実施形態では、NH含有官能基の窒素原子は、求核性である。特定の実施形態では、活性のあるNH含有官能基は、C結合したアミド、N結合したアミド、O結合したカルバメート、N結合したカルバメート、ウレア、グアニジン、アミジン、ヒドラゾンおよびNまたはC結合したチオアミドからなる群から選択される。特定の実施形態では、1つまたは複数のY基は、第一級アミドである。
特定の実施形態では、本発明の重合系は、連鎖移動剤を1つしか含まないが、その一方で、他の実施形態では、2つ以上の連鎖移動剤の混合物が使用される。
特定の実施形態では、本発明の重合系は、連鎖移動剤が溶解する溶媒を含む。特定の実施形態では、連鎖移動剤は、エポキシドへの可溶性に乏しいが、エポキシドと反応混合物に加えた別の溶媒との混合物には可溶性である。特定の実施形態では、重合系に加える溶媒は、エステル、ニトリル、ケトン、芳香族炭化水素、エーテル、アミンおよびこれらのうちの2つ以上の組合せからなる群から選択される。
一部の実施形態では、重合開始剤として、それ自体複数回反応することによって、1つを超えるポリマー鎖を開始することができる、多重活性のある官能基を含む。このような多重活性のある官能基のうちの1つのサブセットは、同じ原子の位置で複数回反応する。このような基の例として、これらに限らないが、アンモニア、第一級アミン、硫化水素および水が挙げられ、これらすべては、最初の添加後も求核性のままなので、再び反応して追加のポリマー鎖を開始することができる。多重活性のある官能基の別のサブセットは、官能基中の異なる原子において反応することによって、多重の鎖を開始することができる。このような基の例として、グアニジン、ウレア、ボロン酸、ヒドロキシルアミンおよびアミジンが挙げられるが、これらに限らない。
一部の実施形態では、連鎖移動剤は、単一の多重活性官能基を含有し得る。一部の実施形態では、連鎖移動剤は、上に記載の1つまたは複数のY−基に加えて、単一の多重活性官能基を含有し得る。特定の実施形態では、連鎖移動剤は、2つ以上の多重活性官能基を含有し得る。特定の実施形態では、連鎖移動剤は、2つ以上の多重活性官能基を、本明細書中で上に記載されている1つまたは複数のY基と組み合せて含有し得る。
I.b金属中心の触媒
特定の実施形態では、提供される金属錯体は、遷移金属触媒である。したがって、一部の実施形態では、本発明の重合系は、二酸化炭素とエポキシドとの共重合を触媒することが可能な遷移金属触媒を組み込んでいる。特定の実施形態では、重合系は、その全体がそれぞれ、本明細書中に参照によりここで組み込まれている、米国特許番号第7,304,172号、および第6,870,004号、PCT出願番号WO2008136591A1、WO2008150033A1、PCT/US09/042926およびPCT/US09/054773、ならびに中国特許出願番号CN200710010706、および200810229276において開示された触媒のいずれかを含む。
特定の実施形態では、本発明の重合系は、L−M−(L(式中、Lは、永久配位子セットであり、Mは、金属原子であり、Lは、重合開始剤である配位子であり、mは、存在する開始配位子の数を表す、0〜2の間の整数(0と2を含む)である)で示された金属錯体を含む。
I.b.1金属原子
一部の実施形態では、金属原子Mは、周期表の3〜13族(3と13を含む)から選択される。特定の実施形態では、Mは、周期表の5〜12族(5と12を含む)から選択される遷移金属である。一部の実施形態では、Mは、周期表の4〜11族(4と11を含む)から選択される遷移金属である。特定の実施形態では、Mは、周期表の5〜10族(5と10を含む)から選択される遷移金属である。特定の実施形態では、Mは、周期表族の7〜9族(7と9を含む)から選択される遷移金属である。一部の実施形態では、Mは、Cr、Mn、V、Fe、Co、Mo、W、Ru、AlおよびNiからなる群から選択される。一部の実施形態では、Mは、コバルト、クロム、アルミニウム、チタン、ルテニウムおよびマンガンからなる群から選択される金属原子である。一部の実施形態では、Mは、コバルトである。一部の実施形態では、Mは、クロムである。一部の実施形態では、Mは、アルミニウムである。
特定の実施形態では、金属錯体は、亜鉛、コバルト、クロム、アルミニウム、チタン、ルテニウムまたはマンガン錯体である。特定の実施形態では、金属錯体は、アルミニウム錯体である。他の実施形態では、金属錯体は、クロム錯体である。また他の実施形態では、金属錯体は、亜鉛錯体である。ある他の実施形態では、金属錯体は、チタン錯体である。さらなる他の実施形態では、金属錯体は、ルテニウム錯体である。特定の実施形態では、金属錯体は、マンガン錯体である。特定の実施形態では、金属錯体は、コバルト錯体である。金属錯体がコバルト錯体の、特定の実施形態では、コバルト金属は、+3の酸化状態を有する(すなわち、Co(III))。他の実施形態では、コバルト金属は、+2の酸化状態を有する(すなわち、Co(II))。
I.b.2永久配位子セット
永久配位子セット「L」は、触媒のサイクルを通して、金属中心に配位したままである1つまたは複数の配位子を含む。これは、例えば触媒のサイクルに関与し得る、または重合条件下で交換され得る重合開始剤、モノマー分子、ポリマー鎖および溶媒分子などの他の配位子とは対照的である。
特定の実施形態では、永久配位子セットは、触媒作用の間金属中心に結合したままの単一の多座配位子を含む。一部の実施形態では、永久配位子セットは、触媒作用の間金属中心に結合したままの2つ以上の配位子を含む。一部の実施形態では、金属錯体は、単一の四座配位子に配位している金属原子を含み、その一方で、他の実施形態では、金属錯体は、個々の永久的配位子を複数含有するキレートを含む。特定の実施形態では、金属錯体は、2つの二座配位子を含有する。一部の実施形態では、金属錯体は、三座配位子を含有する。
様々な実施形態では、本発明の金属錯体に適した四座配位子として、サレン誘導体1、サラン配位子の誘導体2、ビス−2−ヒドロキシベンズアミド誘導体3、Trost配位子の誘導体4、ポルフィリン誘導体5、テトラベンゾポルフィリン配位子の誘導体6、コロール配位子の誘導体7、フタロシアニネート誘導体8およびジベンゾテトラメチルテトラアザ[14]アヌレン(tmtaa)誘導体9または9’を挙げることができるが、これらに限らない。

(式中、
Qはそれぞれ、独立して、OまたはSであり、
およびR1’は、独立して、−H、場合によって置換されているCからC12の脂肪族、場合によって置換されている3から14員の炭素環、場合によって置換されている3から14員の複素環およびR21からなる群から選択され、
およびR2’は、独立して、−H、場合によって置換されているCからC12の脂肪族、場合によって置換されている3から14員の炭素環、場合によって置換されている3から14員の複素環、R14、R20およびR21からなる群から選択され、
およびR3’は、独立して、−H、場合によって置換されているCからC12の脂肪族、場合によって置換されている3から14員の炭素環、場合によって置換されている3から14員の複素環およびR21からなる群から選択され、
はそれぞれ、独立して、−H、場合によって置換されているCからC12の脂肪族、場合によって置換されている3から14員の炭素環、場合によって置換されている3から14員の複素環、R20およびR21からなる群から選択され、2つ以上のR基は、介在する原子と一緒になって、1つまたは複数の場合によって置換されている環を形成してもよく、2つのR基が同じ炭素原子に結合している場合、これらは、これらが結合している前記炭素原子と一緒になって、場合によって置換されている3から8員のスピロ環式環、カルボニル、オキシム、ヒドラゾンおよびイミンからなる群から選択される部分を形成してもよく、
はそれぞれ、独立して、場合によって置換されているCからC12の脂肪族、場合によって置換されている3から14員の炭素環、場合によって置換されている3から14員の複素環、R20およびR21からなる群から選択され、2つ以上のR基は、介在する原子と一緒になって、1つまたは複数の場合によって置換されている環を形成してもよく、

は、共有結合で2個の窒素原子を結合している、場合によって置換されている部分を表し、
[R2’およびR3’]、[RおよびR]、[RおよびR]ならびに[R1’およびR2’]のいずれかは、場合によって、介在する原子と一緒になって、1つまたは複数の環を形成してもよく、この環はさらに、R14、R20およびR21から選択される1つまたは複数の基で置換されていてもよく、
14はそれぞれ、独立して、ハロゲン、場合によって置換されているCからC12の脂肪族、場合によって置換されている3から14員の炭素環、場合によって置換されている3から14員の複素環、−OR10;−OC(O)R13;−OC(O)OR13;−OC(O)NR1112;−CN;−CNO;−C(R13(3〜z);−C(O)R13;−C(O)OR13;−C(O)NR1112;−NR1112;−NR11C(O)R13;−NR11C(O)OR13;−NR11SO13;−N111213;−P(R11 −P(R11=N=P(R11;−As111213;−NCO;−N;−NO;−S(O)13;および−SONR1112からなる群から選択され、
20はそれぞれ、独立して、ハロゲン;−OR10;−OC(O)R13;−OC(O)OR13;−N(R11 −P(R11 −P(R11=N=P(R11;−As111213;−OC(O)NR1112;−CN;−CNO;−C(O)R13;−C(O)OR13;−C(O)NR1112;−C(R13(3−z);−NR1112;−NR11C(O)R13;−NR11C(O)OR13;−NCO;−NR11SO13;−S(O)13;−S(O)NR1112;−NO;−N;および−Si(R13(3〜z)[(CH14からなる群から選択され、
21はそれぞれ、独立して、−(CH20、−(CH−Z’’−(CH20、−C(R17(3〜z)、−(CHC(R17(3〜z)、−(CH−Z’’−(CHC(R17(3〜z)、−(CH−Z’’−R16からなる群から選択され、
は、任意のアニオンであり、
Z’’は、−(CH=CH)−;−(CH≡CH)−;−C(O)−;−C(=NOR11)−;−C(=NNR1112)−;−O−;−OC(O)−;−C(O)O−;−OC(O)O−;−N(R11)−;−N(C(O)R13)−;−C(O)NR13−;−N(C(O)R13)O−;−NR13C(O)R13N−;−S(O)−;ポリエーテルおよびポリアミンからなる群から選択される、二価のリンカーであり、
10はそれぞれ、独立して、−H、場合によって置換されているC1〜12脂肪族、場合によって置換されている3から14員の炭素環、場合によって置換されている3から14員の複素環、−S(O)13、−Si(R15、−C(O)R13およびヒドロキシル保護基からなる群から選択され、
11およびR12はそれぞれ、独立して、−H、場合によって置換されているCからC12の脂肪族、場合によって置換されている3から14員の炭素環、場合によって置換されている3から14員の複素環からなる群から選択され、2つ以上のR11またはR12基は、場合によって、介在する原子と一緒になって、場合によって置換されている3から10員の環を形成することができ、
13はそれぞれ、独立して、−H、場合によって置換されているCからC12の脂肪族、場合によって置換されている3から14員の炭素環および場合によって置換されている3から14員の複素環からなる群から選択され、同じ分子上の2つ以上のR13基は、場合によって、一緒になって、環を形成してもよく、
15はそれぞれ、独立して、場合によって置換されているC1〜12脂肪族、場合によって置換されている3から14員の炭素環および場合によって置換されている3から14員の複素環からなる群から選択され、
aは、1、2、3または4であり、
kはそれぞれ、独立して、1から8の整数(1と8を含む)であり、
mは0または1から8の整数(1と8を含む)であり、
qは、0または1から5の整数(1と5を含む)であり、
xは、0、1または2であり、
zは、1、2または3である)。
錯体1から4の特定の実施形態では、

は、C3〜14炭素環、C6〜10アリール基、3から14員の複素環および5から10員のヘテロアリール基、ポリエーテル基または場合によって置換されているC2〜20脂肪族基からなる群から選択され、この中で、1つまたは複数のメチレン単位は、場合によっておよび独立して、−NR−、−N(R)C(O)−、−C(O)N(R)−、−OC(O)N(R)−、−N(R)C(O)O−、−OC(O)O−、−O−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−S−、−SO−、−SO−、−C(=S)−、−C(=NR)−、−C(=NOR)−または−N=N−により置き換えられている。
一部の実施形態では、金属錯体1から9’上の1つまたは複数の置換基は、活性化部分

(式中、

は、C、O、N、SおよびSiからなる群から選択される1つまたは複数の原子を含有する共有結合リンカーを表し、「Z」は、エポキシドCO共重合において共触媒活性を有する活性化官能基であり、pは、所与の活性化部分上に存在する個々の活性化官能基の数を示す1から4の整数である)である。
特定の実施形態では、リンカー部分

は、同時係属PCT出願番号PCT/US09/54773に記載の通りである。一部の実施形態では、活性化部分上に存在する1つまたは複数のZ基(複数可)は、独立して、PPN誘導体(−PR=N=PR)、アンモニウム塩、ホスホニウム塩、場合によって置換されているN結合イミダゾリウム基、場合によって置換されているN結合チアゾリウム基または場合によって置換されているN結合オキサゾリウム基からなる群から選択される。特定の実施形態では、Z基は、場合によって置換されているN結合ピペリジンまたはN結合ピロリジンである。一部の実施形態では、Z基は、場合によって置換されているグアニジンである。他の実施形態では、Z基は、PCT/US09/54773に記載のもののうちのいずれかである。
一部の実施形態では、提供される金属錯体は、

(式中、
M、L、m、R、R1′、R、R2’、R、R3’およびR11は、上で定義された通りである)からなる群から選択される構造を有する。
一部の実施形態では、永久配位子セットは、サレン配位子である。特定の実施形態では、金属錯体は、メタロサレネートである。特定の実施形態では、金属錯体は、コバルトサレン錯体である。特定の実施形態では、金属錯体は、クロムサレン錯体である。他の実施形態では、金属錯体は、アルミニウムサレン錯体である。
特定の実施形態では、本発明の金属錯体は、式:
(式中、
Mは、金属原子であり、
は、エポキシドを開環することが可能な求核剤であり、
mは、0〜2の整数(0と2を含む)であり

は、永久配位子セット
(式中、

は、以前に定義された通りであり、各R’は、フェニル環上に場合によって存在する1つまたは複数の置換基を独立して表す)である)を有する。
特定の実施形態では、各R’は、独立して、R基または

の基(式中、2つ以上の隣接するR’基は、一緒になって、0から4個のヘテロ原子を含有する、場合によって置換されている飽和、部分的に不飽和または芳香族の3から12員の環を形成することができる)である。
特定の実施形態では、

の部分は、

(式中、
およびR’は、以前に定義された通りであり、
Yは、−N(R11)−、−O−、−S(O)−、−(CH−、−C(O)−、−C(=NOR10)−、−C(R2〜x−、ポリエーテル、場合によって置換されている3から8員の炭素環、および場合によって置換されている3から8員の複素環からなる群から選択される二価のリンカーであり、
qは、0または1から5の整数(1と5を含む)であり、
xは、0、1または2である)からなる群から選択される。
特定の実施形態では、提供される金属錯体は、

(式中、
M、R、R’、Lおよびmは、上に定義された通りであり、
4a、R4a’、R5a、R5a’、R6a、R6a’、R7aおよびR7a’は、それぞれ独立して、水素、

の基、ハロゲン、−NO、−CN、−SR13、−S(O)R13、−S(O)13、−NR11C(O)R13、−OC(O)R13、−CO13、−NCO、−N、−OR10、−OC(O)NR1112、−Si(R13、−NR1112、−NR11C(O)R13および−NR11C(O)OR13であるか、またはC1〜20脂肪族、C1〜20ヘテロ脂肪族、6から10員のアリール、5から10員のヘテロアリールおよび3から7員の複素環からなる群から選択される、場合によって置換されているラジカルであり、[R1aおよびR4a]、[R1a’およびR4A’]ならびに2つの任意の隣接するR4a、R4a’、R5a、R5a’、R6a、R6a’、R7aおよびR7a’基は、介在する原子と一緒になって、1つまたは複数のヘテロ原子を場合によって含有する、1つまたは複数の場合によって置換されている環を形成することができ、
nは、0または1から8の整数(1と8を含む)であり、
pは、0または1から4の整数(1と4を含む)である)からなる群から選択される構造を有する。
一部の実施形態では、R1a、R1a’、R4a、R4a’、R6a、およびR6a’は、それぞれ−Hである。一部の実施形態では、R5a、R5a’、R7aおよびR7a’は、それぞれ場合によって置換されているC〜C12脂肪族である。一部の実施形態では、R4a、R4a’、R5a、R5a’、R6a、R6a’、R7a、およびR7a’は、それぞれ独立して、−H、−SiR、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、イソアミル、t−アミル、テキシルおよびトリチルからなる群から選択される。一部の実施形態では、R1a、R1a’、R4a、R4a’、R6a、およびR6a’は、それぞれ−Hである。一部の実施形態では、R7aは、−H、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、イソアミル、t−アミル、テキシルおよびトリチルからなる群から選択される。一部の実施形態では、R5aおよびR7aは、独立して、−H、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、イソアミル、t−アミル、テキシルおよびトリチルからなる群から選択される。特定の実施形態では、1つまたは複数のR5a、R5a’、R7aおよびR7a’は、

の基である。一部の実施形態では、R5aおよびR5a’は、それぞれ、

の基である。一部の実施形態では、R5aは、

の基であり、R5a’は、C1〜8脂肪族である。一部の実施形態では、R7aおよびR7a’は、それぞれ、

の基である。一部の実施形態では、R7aは、

の基であり、およびR7a’は、C1〜8脂肪族である。
特定の実施形態では、提供される金属錯体は、

(式中、R1aからR7a’は、上で定義された通りである)からなる群から選択される構造を有する。
特定の実施形態では、提供される金属錯体は、

(式中、R5a、R5a’、R7a、およびR7a’は、上で定義された通りである)からなる群から選択される構造を有する。特定の実施形態では、上記錯体上のサリチルアルデヒド(salicaldehyde)部分上の置換基の各ペアは、同じである(すなわち、R5aとR5a’は同じであり、R7aとR7a’は同じである)。他の実施形態では、R5aとR5a’またはR7aとR7aのうちの少なくとも1つは、互いに異なる。
特定の実施形態では、金属錯体は、式III

を有する。
特定の実施形態では、金属錯体は、式IV

を有する。
特定の実施形態では、金属錯体は、式V

(式中、
、R、L、mおよびqは、上記に記載の通りであり、
、R4’、R、R5’、R、R6’、RおよびR7’は、それぞれ独立して、−H、−R20、−R21、場合によって置換されているC〜C12脂肪族、場合によって置換されている3から14員の炭素環、および場合によって置換されている3から14員の複素環からなる群から選択され、
[RおよびR]、[R1′およびR4’]ならびに任意の2つの隣接するR、R4’、R、R5’、R、R6’、R、およびR7’基は、場合によって、介在する原子と一緒になって、1つまたは複数のR20基で場合によって置換されている1つまたは複数の環を形成することができる)
を有する。
特定の実施形態では、金属錯体が式IIIを有する場合、R、R1′、R、R4’、R、およびR6’は、それぞれ−Hである。特定の実施形態では、金属錯体が式IIIを有する場合、R、R5’、RおよびR7’は、それぞれ場合によって置換されているC〜C12脂肪族である。
特定の実施形態では、金属錯体が式IIIを有する場合、R、R4’、R、R5’、R、R6’、RおよびR7’は、それぞれ独立して−H、−Si(R13、−Si[(CH22(R13(3〜z)、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、イソアミル、t−アミル、テキシル、トリチル、−C(CH)Ph、−(CHC[(CH22(3〜z)および−Si(R13(3〜z)[(CH22(式中、pは、0から12の整数(0と12を含む)であり、R22は、複素環、アミン、グアニジン、−N(R11、−P(R11、−P(R11=N=P(R11、−As(R11、および場合によって置換されているピリジニウムからなる群から選択される)からなる群から選択される。
特定の実施形態では、金属錯体が式IIIを有する場合、Rは、−H、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、イソアミル、t−アミル、テキシルおよびトリチルからなる群から選択され、Rは、−(CHCH(3〜z)[(CH22および−Si(R13(3〜z)[(CH22からなる群から選択される。
特定の実施形態では、金属錯体が式IVを有する場合、R、R1′、R、R4’、RおよびR6’は、それぞれ−Hである。特定の実施形態では、錯体が式IVのメタロサレネート錯体である場合、R、R5’、RおよびR7’は、それぞれ、場合によって置換されているC〜C12脂肪族である。
特定の実施形態では、金属錯体が式IVを有する場合、R、R4’、R、R5’、R、R6’、R、およびR7’は、それぞれ独立して、−H、−Si(R13、−Si(R13(3〜z)[(CH22、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、イソアミル、t−アミル、テキシル、トリチル,−(CHC[(CH22(3〜z)からなる群から選択される。
特定の実施形態では、金属錯体が式IVを有する場合、Rは、−H、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、イソアミル、t−アミル、テキシル、およびトリチルからなる群から選択され、Rは、−(CHCH(3〜z)[(CH22および−Si(R13(3〜z)[(CH22からなる群から選択される。
特定の実施形態では、金属錯体が式Vを有する場合、R、R1′、R、R4’、R、およびR6’は、それぞれ−Hである。特定の実施形態では、錯体が式Vのメタロサレネート錯体の場合、R、R5’、RおよびR7’は、それぞれ場合によって置換されているC〜C12脂肪族である。
特定の実施形態では、金属錯体が式Vを有する場合、R、R4’、R、R5’、R、R6’、R、およびR7’は、それぞれ独立して、−H、−Si(R13、−Si[(CH21(R13(3〜z)、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、イソアミル、t−アミル、テキシル、トリチル、−(CHCH(3〜z)[(CH22および−Si(R13(3〜z)[(CH22からなる群から選択される。
特定の実施形態では、金属錯体が式Vを有する場合、Rは、−H、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、イソアミル、t−アミル、テキシルおよびトリチルからなる群から選択され、Rは、−(CHCH(3〜z)[(CH22および−Si(R13(3〜z)[(CH22からなる群から選択される。
一部の実施形態では、金属錯体は、構造L−M−(L(式中、L−Mは、

からなる群から選択される)を有する。
他の実施形態では、永久配位子セットは、ポルフィリン環を含み、L−Mは、構造:

(式中、
M、L、R、およびRは、上記に定義された通りであり、任意の2つの隣接するRまたはR基は、一緒になって、1つまたは複数のR20基で場合によって置換されている1つまたは複数の環を形成することができる)を有する。
特定の実施形態では、永久配位子セットがポルフィリン環を含む場合、Mは、コバルト、クロム、アルミニウム、チタン、ルテニウムおよびマンガンからなる群から選択される金属原子である。
上述のように、本明細書中の一部の実施形態では、永久配位子セットは、複数の別個の配位子を含み得る。特定の実施形態では、永久配位子セットは、2つの二座配位子を含む。特定の実施形態では、このような二座配位子は、構造

(式中、RおよびR11は、本明細書中で上に定義された通りである。このような2つの配位子を有する金属錯体は、いくつかの配列のうちの1つの形をとることができ、本開示は、可能な配列のいずれかを有する錯体、ならびに2つ以上の幾何異性体の混合物を包含する)を有することができる。
特定の実施形態では、2つの二座配位子を含む金属錯体は、
(式中、各

は、配位子

を表す)からなる群から選択される構造を有することができる。
I.a.3開始配位子
本明細書中で上に記載されている金属原子および永久配位子セットに加えて、本発明の重合系に適した金属錯体は、1つまたは複数の開始配位子−Lを場合によって含む。一部の実施形態では、これらの配位子は、重合開始剤として作用し、成長するポリマー鎖の一部となる。特定の実施形態では、1つの開始配位子が存在する(すなわちm=1)。他の実施形態では、2つの開始配位子が存在する(すなわちm=2)。特定の実施形態では、開始配位子は、存在しなくてもよい(すなわちm=0)。特定の実施形態では、金属錯体は、開始配位子なしで反応混合物に加えられてもよいが、1つまたは2つの開始配位子を含む種をその場で形成することができる。
特定の実施形態では、−Lは、任意のアニオンである。特定の実施形態では、−Lは、求核剤である。一部の実施形態では、開始配位子−Lは、エポキシドを開環することが可能な求核剤である。一部の実施形態では、重合開始剤Lは、アジド、ハライド、アルキルスルホネート、カルボキシレート、アルコキシドおよびフェノレートからなる群から選択される。
一部の実施形態では、開始配位子として、−OR、−SR、−OC(O)R、−OC(O)OR、−OC(O)N(R、−NRC(O)R、−CN、ハロ(例えば、−Br、−I、−Cl)、−Nおよび−OSO(式中、各Rは、独立して、水素、場合によって置換されている脂肪族、場合によって置換されているヘテロ脂肪族、場合によって置換されているアリールおよび場合によって置換されているヘテロアリールから選択され、2つのR基は、一緒になって、1つまたは複数の追加のヘテロ原子を場合によって含有する、場合によって置換されている環を形成することができる)が挙げられるが、これらに限らない。
特定の実施形態では、−Lは、−OC(O)R(式中、Rは、場合によって置換されている脂肪族、フッ化脂肪族、場合によって置換されているヘテロ脂肪族、場合によって置換されているアリール、フッ化アリールおよび場合によって置換されているヘテロアリールから選択される)である。
特定の実施形態では、−Lは、−OC(O)R(式中、Rは、場合によって置換されている脂肪族である)である。特定の実施形態では、−Lは、−OC(O)R(式中、Rは、場合によって置換されているアルキルまたはフルオロアルキルである)である。特定の実施形態では、−Lは、−OC(O)CHまたは−OC(O)CFである。
さらに、特定の実施形態では、−Lは、−OC(O)R(式中、Rは、場合によって置換されているアリール、フルオロアリールまたはヘテロアリールである)である。特定の実施形態では、−Lは、−OC(O)R(式中、Rは、場合によって置換されているアリールである)である。特定の実施形態では、−Lは、−OC(O)R(式中、Rは、場合によって置換されているフェニルである)である。特定の実施形態では、−Lは、−OC(O)Cまたは−OC(O)Cである。
特定の実施形態では、−Lは、−OR(式中、Rは、場合によって置換されている脂肪族、場合によって置換されているヘテロ脂肪族、場合によって置換されているアリールおよび場合によって置換されているヘテロアリールから選択される)である。
例えば、特定の実施形態では、−Lは、−OR(式中、Rは、場合によって置換されているアリールである)である。特定の実施形態では、−Lは、−OR(式中、Rは、場合によって置換されているフェニルである)である。一部の実施形態では、−Lは、2,4−ジニトロフェノレートアニオンである。特定の実施形態では、−Lは−OCである。
特定の実施形態では、−Lはハロである。特定の実施形態では、−Lは−Brである。特定の実施形態では、−Lは−Clである。特定の実施形態では、−Lは−Iである。
特定の実施形態では、−Lは−O(SO)Rである。特定の実施形態では−Lは−OTsである。特定の実施形態では−Lは−OSOMeである。特定の実施形態では−Lは−OSOCFである。
一部の実施形態では、金属錯体L−M−(Lは、各配位子が、2つ以上のポリマー鎖を開始することが可能であることを特徴とする1つまたは複数の開始配位子−Lを含む。一部の実施形態では、開始配位子は、連鎖移動剤に適していると上に記載されている分子のいずれかである。特定の実施形態では、開始配位子は、本明細書中で上に記載されているいずれかの連鎖移動剤由来のアニオンである。
一部の実施形態では、重合開始剤−Lは、式−Q’−A’−(Z’)の化合物
(式中、
−Q’−は、カルボキシまたはアルコキシ基であり、
−A’−は、共有結合または多価の部分であり、
各Z’は、独立して、ポリマー鎖を開始することができる官能基であり、
nは、1および10の間の整数(1と10を含む)である)を含む。
特定の実施形態では、重合開始剤が、式−Q’−A’(Z’)を有する化合物を含む場合、各−Z’は、−OH、−C(O)OH、−C(OR)OH、−OC(R)OH、−NHR、−NHC(O)R、−NHC=NR;−NRC=NH;−NRC(NR )=NH;−NHC(NR )=NR;−NHC(O)OR、−NHC(O)NR 、−C(O)NHR、−C(S)NHR、−OC(O)NHR、−OC(S)NHR、−SH、−C(O)SH、−B(OR)OH、−P(O)(R(OR(OH)、−OP(O)(R(OR(OH)、−N(R)OH、−ON(R)H;=NOH、=NN(R)Hからなる群から独立して選択される官能基であり、Rはそれぞれ、独立して、−Hであるか、またはC1〜20脂肪族、C1〜20ヘテロ脂肪族、3から12員の複素環および6から12員のアリールからなる群から選択される、場合によって置換されているラジカルであり、aおよびbは、それぞれ独立して0または1であり、cは、0、1または2であり、dは、0または1であり、a、bおよびcの和は、1または2であり、
−A’−は、a)C〜C20脂肪族、b)C〜C20炭素環、c)3から12員の複素環、d)糖類、e)オリゴ糖、f)多糖およびg)ポリマー鎖からなる群から選択され、(a)から(g)のいずれかは、1つまたは複数のR20基で場合によって置換されている。
特定の実施形態では、重合開始剤が、式−Q’−A’−(Z’)を有する化合物を含む場合、各−Z’は、独立して、−OHおよび−C(O)OH−からなる群から選択される。
一部の実施形態では、−A’−は共有結合である。
特定の実施形態では重合開始剤が、式−Q’−A’−(Z’)を有する化合物を含む場合、−A’−は、C2〜20脂肪族の基であり、nは、1から5の整数である。
特定の実施形態では、重合開始剤が、式−Q’−A’(Z’)を有する化合物を含む場合、−A’−は、C2−12脂肪族基であり、nは、1から3の整数である。
特定の実施形態では、重合開始剤が、式−Q’−A’(Z’)を有する化合物を含む場合、Q’は−OC(O)−であり、−A’−はC2〜20脂肪族基であり、Z’は−OHであり、nは1から3の整数である。
特定の実施形態では、重合開始剤が金属原子を配位することが可能な1つを超える部位を有する場合、単一の重合開始剤が、複数の金属錯体で共有されていてもよい(各金属錯体は1つの金属原子および永久配位子セットを含む)。例えば、Lが二酸の場合、二酸の各カルボキシル基は、別個の金属錯体の金属原子に配位されていてもよい(すなわち、式L−M−OC−A’−CO−M−L(式中、A’、M、およびLは以前に定義された通りである)を有する二量体または擬似二量体の錯体)。同様に、三酸を1、2または3つの金属中心に配位してもよく、またはヒドロキシ酸、ジアルコキシド酸、アミノ酸または他の多官能性化合物は、2つ以上のL−M基と配位結合することができる。
特定の実施形態では、開始配位子は、2から4個のカルボキシル基を有するポリカルボン酸である。特定の実施形態では、開始配位子は、C2〜20二酸である。特定の実施形態では、開始配位子は、I−1からI−24からなる群から選択される。

特定の実施形態では、複数のポリマー開始部位を有する開始配位子は、ヒドロキシ酸であってよい。特定の実施形態では、ヒドロキシ酸は、

からなる群から選択される。
特定の実施形態では、複数のポリマー開始部位を有する重合開始剤は、多価フェノール誘導体である。特定の実施形態では、重合開始剤は、

からなる群から選択される。
一部の実施形態では、開始配位子は、ポリアルコールである。特定の実施形態では、ポリアルコールは、ジオールである。適切なジオールとして、1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオール、2−ブチル−2−エチルプロパン−1,3−ジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、2,2,4,4−テトラメチルシクロブタン−1,3−ジオール、1,3−シクロペンタンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、および1,4−シクロヘキサンジエタノールが挙げられるが、これらに限らない。
一部の実施形態では、開始配位子は、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコール、より高級のポリ(エチレングリコール)、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコールおよびより高級のポリ(プロピレングリコール)からなる群から選択される化合物由来のアルコキシドである。一部の実施形態では、より高級のポリ(エチレングリコール)化合物は、220から約2000g/molの数平均分子量を有する。一部の実施形態では、より高級のポリ(プロピレングリコール)化合物は、234から約2000g/molの数平均分子量を有するものである。
一部の実施形態では、適切なジオールとして、4,4’−(1−メチルエチリデン)ビス[シクロヘキサノール]、2,2’−メチレンビス[フェノール]、4,4’−メチレンビス[フェノール]、4,4’−(フェニルメチレン)ビス[フェノール]、4,4’−(ジフェニルメチレン)ビス[フェノール]、4,4’−(1,2−エタンジイル)ビス[フェノール]、4,4’−(1,2−シクロヘキサンジイル)ビス[フェノール]、4,4’−(1,3−シクロヘキサンジイル)ビス[フェノール]、4,4’−(1,4−シクロヘキサンジイル)ビス[フェノール]、4,4’−エチリデンビス[フェノール]、4,4’−(1−フェニルエチリデン)ビス[フェノール]、4,4’−プロピリデンビス[フェノール]、4,4’−シクロヘキシリデンビス[フェノール]、4,4’−(1−メチルエチリデン)ビス[フェノール]、4,4’−(1−メチルプロピリデン)ビス[フェノール]、4,4’−(1−エチルプロピリデン)ビス[フェノール]、4,4’−シクロヘキシリデンビス[フェノール]、4,4’−(2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン−3,9−ジイルジ−2、1−エタンジイル)ビス[フェノール]、1,2−ベンゼンジメタノール、1,3−ベンゼンジメタノール、1,4−ベンゼンジメタノール、4,4’−[1,3−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビス[フェノール]、4,4’−[1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビス[フェノール]、フェノールフタレイン、4,4’−(1−メチリデン)ビス[2−メチルフェノール]、4,4’−(1−メチルエチリデン)ビス[2−(1−メチルエチル)フェノール]、2,2’−メチレンビス[4−メチル−6−(1−メチルエチル)フェノール]が挙げられる。
一部の実施形態では、ポリオールは、トリオールである。適切なトリオールとして、500未満の分子量を有する脂肪族トリオール、例えばトリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセロール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、ヘキサヒドロ−1,3,5−トリス(ヒドロキシエチル)−s−トリアジン、6−メチルヘプタン−1,3,5−トリオール、ポリプロピレンオキシドトリオールおよびポリエステルトリオールなどを挙げることができるが、これらに限らない。
特定の実施形態では、ポリオールは、テトラオールである。適切なテトラオールの例として、エリスリトール、ペンタエリスリトール、2,2’−ジヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオールおよび2,2’−(オキシジメチレン)ビス−(2−エチル−1,3−プロパンジオール)が挙げられるが、これらに限らない。
特定の実施形態では、金属配位錯体は、

からなる群から選択される。
一部の実施形態では、金属配位錯体は、式XLIXからLIVの化合物から選択される。

一部の実施形態では、本発明の重合系は、少なくとも1つの共触媒をさらに含む。一部の実施形態では、共触媒は、アミン、グアニジン、アミジン、ホスフィン、窒素含有複素環、アンモニウム塩、ホスホニウム塩、アルソニウム塩、ビスホスフィンアンモニウム塩、および上記のうちの任意の2つ以上の組合せからなる群から選択される。
共触媒が「オニウム」塩の実施形態では、塩の電荷の平衡を保つために必ずアニオンが存在する。特定の実施形態では、これは任意のアニオンである。特定の実施形態では、アニオンは求核剤である。一部の実施形態では、アニオンはエポキシドを開環することが可能な求核剤である。一部の実施形態では、アニオンは、アジド、ハライド、アルキルスルホネート、カルボキシレート、アルコキシドおよびフェノレートからなる群から選択される。
一部の実施形態では、イオン性共触媒は、−OR、−SR、−OC(O)R、−OC(O)OR、−OC(O)N(R、−NRC(O)R、−CN、ハロ(例えば、−Br、−I、−Cl)、−N、および−OSO(式中、各Rは、独立して、水素、場合によって置換されている脂肪族、場合によって置換されているヘテロ脂肪族、場合によって置換されているアリールおよび場合によって置換されているヘテロアリールから選択され、2つのR基は、一緒になって、1つまたは複数の追加のヘテロ原子を場合によって含有する場合によって置換されている環を形成することができる)からなる群から選択されるアニオンを含む。
特定の実施形態では、共触媒アニオンは、−OC(O)R(式中、Rは、場合によって置換されている脂肪族、フッ化脂肪族、場合によって置換されているヘテロ脂肪族、場合によって置換されているアリール、フッ化アリール、および場合によって置換されているヘテロアリールから選択される)である。
特定の実施形態では、共触媒アニオンは、−OC(O)R(式中、Rは、場合によって置換されている脂肪族である)である。特定の実施形態では、共触媒アニオンは、−OC(O)R(式中、Rは、場合によって置換されているアルキルおよびフルオロアルキルである)である。特定の実施形態では、共触媒アニオンは、−OC(O)CHまたは−OC(O)CFである。
さらに、特定の実施形態では、共触媒アニオンは、−OC(O)R、(式中、Rは、場合によって置換されているアリール、フルオロアリールまたはヘテロアリールである)である。特定の実施形態では、共触媒アニオンは、−OC(O)R(式中、Rは、場合によって置換されているアリールである)である。特定の実施形態では、共触媒アニオンは、−OC(O)R(式中、Rは、場合によって置換されているフェニルである)である。特定の実施形態では、共触媒アニオンは、−OC(O)Cまたは−OC(O)Cである。
特定の実施形態では、共触媒アニオンは、−OR(式中、Rは、場合によって置換されている脂肪族、場合によって置換されているヘテロ脂肪族、場合によって置換されているアリールおよび場合によって置換されているヘテロアリールから選択される)である。
例えば、特定の実施形態では、共触媒アニオンは、−OR(式中、Rは、場合によって置換されているアリールである)である。特定の実施形態では、共触媒アニオンは、−OR(式中、Rは、場合によって置換されているフェニルである)である。特定の実施形態では、共触媒アニオンは、−OCまたは−OC(2,4−NO)である。
特定の実施形態では、共触媒アニオンは、ハロである。特定の実施形態では、共触媒アニオンは、−Brである。特定の実施形態では、共触媒アニオンは、−Clである。特定の実施形態では、共触媒アニオンは、−Iである。
特定の実施形態では、共触媒アニオンは、−O(SO)Rである。特定の実施形態では共触媒アニオンは、−OTsである。特定の実施形態では共触媒アニオンは、−OSOMeである。特定の実施形態では共触媒アニオンは、−OSOCFである。一部の実施形態では、共触媒アニオンは、2,4−ジニトロフェノレートアニオンである。
特定の実施形態では、本発明の重合系は、2つ以上の部位での重合を開始することが可能であることを特徴とする対イオンを有するカチオン性共触媒を含む。一部の実施形態では、対イオンは、開始配位子(L)に適していると上に記載された分子のいずれかである。特定の実施形態では、アニオンは、本明細書中で上に記載されている連鎖移動剤のうちいずれかから由来のものである。
一部の実施形態では、イオン性共触媒のアニオンは、式Q’−A’(Z’)
(式中、
Q’−は、カルボキシまたはアルコキシ基であり、
−A’−は、共有結合または多価の部分であり、
各Z’は、独立して、ポリマー鎖を開始することができる官能基であり、
nは、1〜10の間の整数(1と10を含む)である)のアニオンを含む。
特定の実施形態では、イオン性共触媒のアニオンが多官能性化合物である場合、多官能性化合物が、1種類を超えるカチオン性共触媒の対イオンとなること、または共触媒カチオンと金属錯体の両方に結合することが可能である。例えば、共触媒がアンモニウム塩であり、対イオンが二酸の場合、二酸は、二重に脱プロトン化していてもよく、2つのアンモニウムカチオン:N C−A’−CO におそらく結合していてもよい。同様に、2つのPPN+カチオンは、単一の二酸に結合していてもよい。あるいは、二酸は、共触媒のカチオンと金属錯体:N C−A’−CO −Lの両方に結合していてもよい。当分野の技術者であれば、多くのこのような変法が可能であることは明白であり、記載されているイオン化合物および配位錯体は、平衡状態にあってよいことを理解されたい。このようであるため、重合反応中、異なる時点で存在する活性のある種は変化し得る。場合によっては、多官能性化合物のモノ塩を生成する公知の方法を使用することによって、重合系の化学量論に影響を与えることができる。
特定の実施形態では、カチオン性共触媒の電荷の平衡を保つために存在するアニオンおよび金属錯体上の開始配位子は、同じ化合物になるように選択される。特定の実施形態では、開始配位子、カチオン性共触媒上に存在する対イオンおよび連鎖移動剤は、同じ分子となるように選択される。例えば、本実施形態の一例では、グリコール酸を連鎖移動剤として使用する場合、金属錯体は、開始配位子Lとしてグリコール酸を含むように選択され、グリコール酸対イオンを含むカチオン性共触媒(例えばテトラブチルアンモニウムグリコール酸)を共触媒として使用できる。本発明のこのような実施形態では、実質的にすべての鎖が同じ化学的構造を有するので、極めて均質のポリカーボネートポリオール組成物が提供される。これらの組成物およびこれらを生成するための方法の詳細は、本明細書中で以下により詳細に記載される。
Ic.重合系の化学量論
重合系の各成分を詳細に記載したので、ここでは、これら成分の相対比に注目する。特定の実施形態では、金属錯体L−M−(Lおよび連鎖移動剤Y−A−(Y)は、所望の分子量のポリカーボネートポリオールを達成しながら、エポキシドモノマーの変換を最大にするよう選択された定義比率で存在する。実施形態では、共触媒が存在する場合、金属錯体と、共触媒と、連鎖移動剤との間の比率は、所望の分子量のポリカーボネートポリオールを達成しながら、エポキシドモノマーの変換を最大にするよう選択される。
一部の実施形態では、金属錯体および連鎖移動剤は、約1:10から約1:1000の範囲のモル比で存在する。特定の実施形態では、比率は、約1:50〜約1:500の間である。特定の実施形態では、比率は、約1:50〜約1:250の間である。特定の実施形態では、比率は、約1:20〜約1:100の間である。特定の実施形態では、比率は、約1:100〜約1:250の間である。一部の実施形態では、金属錯体および連鎖移動剤は、1:1000を超えるモル比で存在する。一部の実施形態では、金属錯体および連鎖移動剤は、1:1000未満のモル比で存在する。
一部の実施形態では、金属錯体および共触媒は、約0.1:1から約1:10の範囲のモル比で存在する。特定の実施形態では、比率は、約0.5:1から約5:1である。他の実施形態では、比率は、約1:1から約4:1である。特定の実施形態では、金属錯体と共触媒の間の比率は、約1:1である。他の実施形態では、金属錯体と共触媒との間のモル比は、約1:2である。
II.ポリカーボネートポリオール組成物
上に記載の通り、今までに、カーボネート結合の高い含有量、高いパーセンテージのヒドロキシル末端基および低分子量(例えば約20kg/mol未満)という特徴を組み合せた、脂肪族ポリカーボネートポリオール樹脂を生成するために利用可能な方法は存在しなかった。一態様において、本発明は、これらの新規な物質を包含する。
一部の実施形態では、本発明は、ポリマー鎖が、>90%のカーボネート含有量を有し、少なくとも90%の末端基がヒドロキシル基であることを特徴とする、約400と約20,000の間の分子量数を有するエポキシドCOコポリマーを包含する。
特定の実施形態では、本発明のエポキシドCOコポリマーのポリカーボネート鎖のカーボネート結合含有量は、少なくとも90%である。一部の実施形態では、92%を超える結合が、カーボネート結合である。特定の実施形態では、少なくとも95%の結合が、カーボネート結合である。特定の実施形態では、少なくとも97%の結合が、カーボネート結合である。一部の実施形態では、98%を超える結合が、カーボネート結合であり、一部の実施形態では、少なくとも99%の結合が、カーボネート結合である。一部の実施形態では、本質的にすべての結合が、カーボネート結合である(すなわち、典型的な方法、例えばHまたは13C NMRスペクトロスコピーなどにより検出可能なカーボネート結合しか本質的には存在しない)。
特定の実施形態では、本発明のエポキシドCOコポリマーのポリカーボネート鎖のエーテル結合含有量は、10%未満である。一部の実施形態では、8%未満の結合がエーテル結合である。特定の実施形態では、5%未満の結合がエーテル結合である。特定の実施形態では、3%以下の結合がエーテル結合である。一部の実施形態では、2%未満の結合がエーテル結合であり、一部の実施形態では1%未満の結合がエーテル結合である。一部の実施形態では、本質的にどの結合もエーテル結合ではない(すなわち、Hまたは13C NMRスペクトロスコピーなどの典型的な方法で検出可能なエーテル結合は本質的に存在しない)。
一部の実施形態では、本発明のエポキシドCOコポリマーは、約400から約400,000g/molの範囲の平均分子量数を有する。一部の実施形態では、本発明のエポキシドCOコポリマーは、約400から約20,000g/molの範囲の平均分子量数を有する。一部の実施形態では、コポリマーは、約500〜約5,000g/molの間のMnを有する。他の実施形態では、コポリマーは、約800〜約4,000g/molの間のMnを有する。一部の実施形態では、コポリマーは、約1,000〜約3,000g/molの間のMnを有する。一部の実施形態では、コポリマーは、約1,000g/molのMnを有する。一部の実施形態では、コポリマーは、約2,000g/molのMnを有する。一部の実施形態では、コポリマーは、約3,000g/molのMnを有する。特定の実施形態では、本発明のエポキシドCOコポリマーは、約10から約200の繰返し単位を有する。他の実施形態では、コポリマーは、約20から約100繰返し単位を有する。
一部の実施形態では、本発明のCOエポキシドコポリマーは、COおよび1種類のエポキシドから形成される。他の実施形態では、コポリマーは、2つ以上の種類のエポキシドを組み込む。一部の実施形態では、コポリマーは、1つのエポキシドと共により少ない量の1つまたは複数の追加のエポキシドを主に組み込む。特定の実施形態では、2つ以上のエポキシドが存在する場合、コポリマーは、鎖内のエポキシド部分の位置に関してランダムである。他の実施形態では、2つ以上のエポキシドが存在する場合、コポリマーは、異なるエポキシドの組込みに関してテーパーコポリマーである。一部の実施形態では、2つ以上のエポキシドが存在する場合、コポリマーは、異なるエポキシドの組込みに関してブロックコポリマーである。
特定の実施形態では、ポリマー鎖は、埋め込まれた重合開始剤を含有してもよく、または非ポリカーボネートセグメントを有するブロックコポリマーであってよい。これらの実施形態のある特定の例において、ポリマー鎖の定められたカーボネート総含有量は、上に記載の、定められたカーボネート含有量制限よりも、低くてもよい。これらの場合、カーボネート含有量とは、ポリマー組成物のエポキシドCOコポリマー部分のみを指す。換言すれば、本発明のポリマーは、中に埋め込まれた、または付随しているポリエステル、ポリエーテルまたはポリエーテル−ポリカーボネート部分を含有し得る。このような部分の非カーボネート結合は、上に記載のカーボネートおよびエーテル結合の制限に含まれていない。
特定の実施形態では、本発明のポリカーボネートポリオールは、狭い多分散性を有することをさらに特徴とする。特定の実施形態では、提供されるポリマー組成物のPDIは、2未満である。一部の実施形態では、PDIは、1.5未満である。他の実施形態では、PDIは、約1.4未満である。特定の実施形態では、PDIは、約1.2未満である。他の実施形態では、PDIは、約1.1未満である。特定の実施形態では、ポリカーボネートポリオール組成物は、単一モード(unimoldal)の分子量分布を有することをさらに特徴とする。
特定の実施形態では、本発明のポリカーボネートポリオールは、C2対称ではないエポキシド由来の繰返し単位を含有する。これらの場合、エポキシドは、いくつかの配向のうちの1つで、成長するポリマー鎖に組み込まれ得る。このような場合において隣接するモノマーが鎖を形成する場合の位置化学は、組成物の尾−頭比率で特徴づけられる。本明細書で使用する場合、「尾−頭」という用語は、プロピレンオキシドに対して以下の図に示されているように、ポリマー鎖において置換されたエポキシドが鎖を形成する場合の位置化学を指す。

特定の実施形態では、開示は、平均して、隣接するエポキシドモノマー単位間の約80%を超える結合が、尾−頭結合であることを特徴とする、ポリカーボネートポリオール組成物を包含する。特定の実施形態では、平均して、隣接するエポキシドモノマー単位間の85%を超える結合が、尾−頭結合である。特定の実施形態では、平均して、隣接するエポキシドモノマー単位間の90%を超える結合が、尾−頭結合である。特定の実施形態では、隣接するエポキシドモノマー単位間の95%を超える結合が、尾−頭結合である。特定の実施形態では、隣接するエポキシドモノマー単位間の99%を超える結合が、尾−頭結合である。
特定の実施形態では、本発明のポリカーボネートポリオールは、キラル中心を含有するエポキシド由来の繰返し単位を含有する。これらの場合、エポキシドは、隣接するモノマー単位に対して、定義された配向に成長するポリマー鎖へ組み込まれ得る。特定の実施形態では、隣接する立体中心は、ポリマー鎖内でランダムに配置される。特定の実施形態では、本発明のポリカーボネートポリオールは、アタクチックである。他の実施形態では、約60%を超える隣接するモノマー単位は、同じ立体化学を有する。特定の実施形態では、約75%を超える隣接するモノマー単位は、同じ立体化学を有する。特定の実施形態では、約85%を超える隣接するモノマー単位は、同じ立体化学を有する。特定の実施形態では、約95%を超える隣接するモノマー単位は、同じ立体化学を有する。特定の実施形態では、本発明のポリカーボネートポリオールは、アイソタクチックである。他の実施形態では、約60%を超える隣接するモノマー単位は、反対の立体化学を有する。特定の実施形態では、約75%を超える隣接するモノマー単位は、反対の立体化学を有する。特定の実施形態では、約85%を超える隣接するモノマー単位は、反対の立体化学を有する。特定の実施形態では、約95%の隣接するモノマー単位は、反対の立体化学を有する。特定の実施形態では、本発明のポリカーボネートポリオールは、シンジオタクチックである。
特定の実施形態では、キラルなエポキシドが本発明のポリカーボネートポリオール組成物に組み込まれる場合、ポリマーの鏡像異性が高められる。他の実施形態では、キラルなエポキシドが本発明のポリカーボネートポリオール組成物に組み込まれる場合、ポリマーの鏡像異性は高められない。
特定の実施形態では、本発明のポリカーボネートポリオールに組み込まれるエポキシドモノマーは、構造:

(式中、R21、R22、R23およびR24は、それぞれ独立して、−H、ならびにC1〜30脂肪族、C6〜14アリール、3から12員の複素環および5から12員のヘテロアリールから選択される場合によって置換されている基からなる群から選択され、R21、R22、R23およびR24のうちの任意の2つ以上は、介在する原子と一緒になって、1つまたは複数のヘテロ原子を場合によって含有する、1つまたは複数の場合によって置換されている3から12員の環を形成することができる)を有する。
特定の実施形態では、本発明のポリカーボネートポリオールは、

(式中、各Rは、独立して、場合によって置換されている脂肪族、場合によって置換されているヘテロ脂肪族、場合によって置換されているアリールフルオロアルキル、および場合によって置換されているヘテロアリールから選択される)からなる群から選択される1つまたは複数のエポキシドを組み込んでいる。
特定の実施形態では、本発明のポリカーボネートポリオールは、ポリ(エチレンカーボネート)を含む。他の実施形態では、本発明のポリカーボネートポリオールは、ポリ(プロピレンカーボネート)を含む。他の実施形態では、本発明のポリカーボネートポリオールは、ポリ(シクロヘキセンカーボネート)を含む。他の実施形態では、本発明のポリカーボネートポリオールは、ポリ(エピクロロヒドリンカーボネート)を含む。特定の実施形態では、本発明のポリカーボネートポリオールは、グリシジルエーテルまたはグリシジルエステルを組み込む。特定の実施形態では、本発明のポリカーボネートポリオールは、フェニルグリシジルエーテルを組み込む。特定の実施形態では、本発明のポリカーボネートポリオールは、t−ブチルグリシジルエーテルを組み込む。
一部の実施形態では、本発明のポリカーボネートポリオールは、ポリ(プロピレン−co−エチレンカーボネート)を含む。特定の実施形態では、本発明のポリカーボネートポリオールは、約0.1から約10%のC〜C30エポキシドを組み込んでいるポリ(プロピレンカーボネート)を含む。特定の実施形態では、本発明のポリカーボネートポリオールは、約0.1から約10%のグリシジルエーテルを組み込んでいるポリ(プロピレンカーボネート)を含む。特定の実施形態では、本発明のポリカーボネートポリオールは、約0.1から約10%のグリシジルエステルを組み込んでいるポリ(プロピレンカーボネート)を含む。特定の実施形態では、本発明のポリカーボネートポリオールは、約0.1から約10%のグリシジルエーテルを組み込んでいるポリ(エチレンカーボネート)を含む。特定の実施形態では、本発明のポリカーボネートポリオールは、約0.1から約10%のグリシジルエステルを組み込んでいるポリ(エチレンカーボネート)を含む。特定の実施形態では、本発明のポリカーボネートポリオールは、約0.1から約10%のC〜C30エポキシドを組み込んでいるポリ(エチレンカーボネート)を含む。
特定の実施形態では、本発明のポリカーボネートポリオールに組み込まれるエポキシドモノマーは、天然物質由来のエポキシド、例えばエポキシ化樹脂または油などを含む。このようなエポキシドの例として、エポキシ化ダイズ油、エポキシ化アマニ油、エポキシ化オクチルソヤート、エポキシ化PGDO、メチルエポキシソヤート、ブチルエポキシソヤート、エポキシ化オクチルソヤート、メチルエポキシリンシーデート、ブチルエポキシリンシーデートおよびオクチルエポキシリンシーデートが挙げられるが、これらに限らない。これらおよび同様の物質は、Arkema Inc.から、Vikoflex(登録商標)という商品名で市販されている。このような市販のVikoflex(登録商標)物質の例として、Vikoflex 7170 Epoxidized Soybean Oil、Vikoflex 7190 Epoxidized Linseed、Vikoflex 4050 Epoxidized Octyl Soyate、Vikoflex 5075 Epoxidized PGDO、Vikoflex 7010 Methyl Epoxy Soyate、Vikoflex 7040 Butyl Epoxy Soyate、Vikoflex 7080 Epoxidized Octyl Soyate、Vikoflex 9010 Methyl Epoxy Linseedate、Vikoflex 9040 Butyl Epoxy LinseedateおよびVikoflex 9080 Octyl Epoxy Linseedateが挙げられる。特定の実施形態では、本発明のポリカーボネートポリオールは、エポキシ化脂肪酸を組み込んでいる。
本発明の特定の実施形態では、本発明のポリカーボネートポリオールは、アルファオレフィン由来のエポキシドを組み込んでいる。このようなエポキシドの例として、C10アルファオレフィン、C12アルファオレフィン、C14アルファオレフィン、C16アルファオレフィン、C18アルファオレフィン、C20〜C24アルファオレフィン、C24〜C28アルファオレフィンおよびC30+アルファオレフィン由来のものが挙げられるが、これらに限らない。これらおよび同様の物質は、Arkema Inc.から、Vikolox(登録商標)という商品名で市販されている。市販のVikolox(登録商標)物質には、以下の表4で表されているものが挙げられる。特定の実施形態では、アルファオレフィン由来の提供された脂肪族ポリカーボネートは、他のよりシンプルなエポキシドモノマーを組み込んでいるヘテロポリマーであり、これらは、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、ヘキセンオキシド、シクロペンテンオキシドおよびシクロヘキセンオキシドなどが挙げられるが、これらだけに限らない。これらのヘテロポリマーとして、ランダムコポリマー、テーパーコポリマーおよびブロックコポリマーを挙げることができる。

特定の実施形態では、本開示は、複数のポリマー鎖の種類を含む脂肪族ポリカーボネート組成物を包含する。特定の実施形態では、これらの異なる鎖の種類は、1つを超える種類の開始部分に由来する。これらの組成物は、以下により詳細に記載される。それぞれの場合、ポリカーボネート鎖は、COおよび1つまたは複数のエポキシドの交互共重合から生じる1つまたは複数のポリマー単位を含有する。本発明の組成物に存在し得るいくつかの鎖の種類についての以下の記述において、これらの交互コポリマー単位は、−Tで表示され、この中で各−Tは、

(式中、
Eは、エポキシド由来の場合によって置換されているC単位であり、Eは、1種類のエポキシド、または2種類以上のエポキシドの混合物由来のモノマー単位を表してもよく、pは、約5から約10,000の範囲である)からなる群から独立して選択される式を有するポリカーボネート鎖である。
一部の実施形態では、本発明で包含されるポリマー、−E−は、

(式中、R21、R22、R23、およびR24は、上に定義された通りである)である。
特定の実施形態では、−E−は、

からなる群およびこれらのうちの任意の2つ以上の混合物から選択される。
特定の実施形態では、−E−は、エポキシ化樹脂または油など、天然物質由来の単位を含む。特定の実施形態では、−E−は、C12−30アルファオレフィン由来の単位を含む。
一部の実施形態では、−E−は,エチレンオキシド由来の−CHCH−単位から主になる。特定の実施形態では、−E−は、他のエポキシド由来のより複雑な−E−基の量と組み合せて、エチレンオキシド由来の単位を含む。
他の実施形態では、−E−は、プロピレンオキシド由来の−CHCH(CH)−基から主になる。特定の実施形態では、−E−は、エチレンオキシド由来の−E−基と組み合せて、プロピレンオキシド由来の単位を含む。特定の実施形態では、−E−は、他のエポキシド由来のより複雑な−E−基のより少ない量と組み合せて、プロピレンオキシド由来の単位を含む。
特定の実施形態では、上に記載のポリカーボネートポリオール組成物は、いくつかの鎖の種類の混合物を含む。一般的に、これらの鎖の種類は、2つの種類に分割することができる。すなわち、第1の分類は、2つ以上の−OH末端基を有するPで表示された鎖を含み、Pで表示された第2の分類の鎖は、1つの鎖につき−OH末端基を1つしか有していない。上述のように、一部の実施形態では、本発明の組成物は、−OH基で終端するポリマー鎖末端を少なくとも90%有する。よって、第1の分類の鎖は、全般的に、組成物中に存在する鎖の大部分を占める。
所与の組成物のポリマー鎖は、反応混合物中に存在するいくつかの異なる鎖の開始部分のそれぞれから生じ得る。ある特定の場合、これらの鎖の各種類は、他の鎖の開始部分に由来する混合物中に存在する他の鎖の種類からこれを区別する異なる構造を有することになる。いくつかの鎖の種類のそれぞれの構造を、以下に記載し、これらの成分が存在し得る比率を次いで記載する。
本発明の脂肪族ポリカーボネート組成物は、本明細書中で上に記載されている連鎖移動剤由来のポリマー鎖を含む。特定の実施形態では、これらのポリマー鎖は、Pで表示される。一部の実施形態では、連鎖移動剤が上に記載の式Y−A−(Y)を有する場合、P型のポリマー鎖は、式T−Y−A−(Y−T)(式中、Y、Aおよびnは、連鎖移動剤の記述において上に定義された通りであり、各−Tは、Y基に共有結合した脂肪族ポリカーボネート鎖であり、−Tは、上に定義された通りである)を有する。
型の鎖はまた、本明細書中で上に記載されている多官能性の開始配位子Lに由来していてもよい。特定の実施形態では、開始配位子が上に記載の式Q’−A’−(Z’)を有する場合、このような鎖は、式T−Q’−A’(Z’−T)(式中、Q’、A’、Z’およびnは、開始配位子の記述において上で定義された通りであり、各−Tは、Q’またはZ’基に共有結合した脂肪族ポリカーボネート鎖であり、−Tは、上で定義された通りである)を有する。
さらに、P型の鎖は、共触媒上に存在するアニオンから生じ得る。特定の実施形態では、アニオンが上に記載の式Q’−A’−(Z’)を有する場合、このような鎖は、式T−Q’−A’(Z’−T)、(式中、Q’、A’、Z’およびnは、共触媒アニオンの記述において、上で定義された通りであり、各−Tは、Q’またはZ’基に共有結合した脂肪族ポリカーボネート鎖であり、−Tは上で定義された通りである)を有する。
鎖のさらなる分類は、反応混合物中に存在する水から生じ得る。ある状況では、重合条件下で水がエポキシドを開環し、反応混合物中に存在する1つまたは複数のエポキシドに対応するグリコールの生成をもたらす。特定の実施形態では、このグリコール(または、1つを超える種類のエポキシドが存在する場合には、グリコール混合物)は、構造:

(式中、−E−は、エポキシド由来の場合によって置換されているC単位(式中、Eは、単一の種類のエポキシド由来の、または2つ以上の種類のエポキシドの混合物由来のモノマー単位を表してもよく、
pは、約5から約10,000の範囲である)を有するP1a型の鎖の形成をもたらすことになる。
一部の実施形態では、鎖Pのこれら各生成源は、異なる構造を有していてもよく、組成物は、いくつかの種類のP鎖(例えば、連鎖移動剤由来のP型、多官能性開始配位子由来のP1’型、および共触媒上に存在する多官能性アニオン由来のP1”型)を含み得る。特定の実施形態では、連鎖移動剤、開始配位子、および共触媒アニオンは、同じ構造(または同じ構造のイオンの形態)を有し得る。これらの場合では、ポリマー組成物は、1種類のP鎖しか含んでいなくてもよく、または水が存在する場合、単一の種類のP鎖といくらかの量のP1aの混合物とを含んでいてもよい。特定の実施形態では、反応混合物中に存在するエポキシドに対応するグリコールを連鎖移動剤として使用してもよく、この場合、連鎖移動剤から生じるポリマー鎖Pと、水から生じるP1aとは区別不能となる。ある特定の他の実施形態では、重合混合物から水を厳密に排除してもよく、この場合P1a型の鎖は、実質的に存在しないことになる。
さらに、特定の実施形態では本発明のポリマー組成物は、P型のポリマー鎖を含む。これらの鎖は、OH末端基を1つだけ有する。P型の鎖は、金属錯体上に存在する単官能性開始配位子またはイオンの共触媒上に存在する単官能性アニオンから発生し得る。ある特定の場合、このような鎖はまた、反応混合物中に不純物として存在するアルコールまたはハライドイオンなどの擬似生成源からも発生し得る。特定の実施形態では、P型の鎖は、

(式中、
Xは、1つのポリマー鎖を開始することが可能な、結合型アニオンであり、
Eは、エポキシド由来の、場合によって置換されているC単位であり、Eは、1種類のエポキシド由来、または2つ以上の種類のエポキシドの混合物由来のモノマー単位を表してもよく、
pは、約5から約10,000の範囲である)からなる群から選択される式を有する。
型のポリマー鎖の特定の実施形態では、Xは、ハロゲン原子、アジド、エステル基、エーテル基またはスルホン酸エステル基を含む。
一部の実施形態では、本発明のポリマー組成物は、少なくとも90%の鎖末端が−OHであることを特徴とする。特定の実施形態では、ポリマー組成物における少なくとも90%の鎖は、P型である。特定の実施形態では、P型の鎖は、本質的にすべて同じである。他の実施形態では、2つ以上の異なる種類のP鎖が存在する。特定の実施形態では、いくつかの種類のP鎖が存在するが、少なくとも80%のP鎖は、1つの構造を有し、より少ない量の1つまたは複数のP鎖の種類が、残り20%を占める。
特定の実施形態では、本発明のポリマー組成物は、95%を超えるP型の鎖を含む。他の実施形態では、本発明のポリマー組成物は、97%を超えるP型の鎖を含む。特定の実施形態では、本発明のポリマー組成物は、99%を超えるP型の鎖を含む。
特定の実施形態では、少なくとも90%の鎖末端が−OH基であることを特徴とする本発明のポリマー組成物は、例えば、3つ以上のポリマー鎖を開始することが可能な連鎖移動剤が使用される場合のように、90%未満のP型の鎖を有する混合物を含んでもよいことに注意されたい。例えば、トリオールが連鎖移動剤として使用される場合、80%の鎖がトリオール(1つの鎖につき3つの−OH末端基)による開始から生じ、残りの20%の鎖が、−OH末端基を1つだけ有するとすれば、全体として組成物は、90%を超える(92.3%)OH末端基を依然として含有することになる。
特定の実施形態では、本発明のポリマー組成物は、ジオール連鎖移動剤由来のP型の鎖を含む。特定の実施形態では、これらの鎖は、式:

(式中、Eおよびpは、上に定義された通りであり、−A−は、C2〜30脂肪族、C2〜30ヘテロ脂肪族、6から12員のアリール、3から12員の複素環、5から12員のヘテロアリールからなる群から選択される、場合によって置換されているラジカルである)を有する。
他の実施形態では、−A−は、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリエーテル、ポリカーボネート、ポリオキシメチレンおよびこれらのうちの2つ以上の混合物からなる群から選択されるポリマーである。
特定の実施形態では、本発明のポリマー組成物は、ヒドロキシ酸連鎖移動剤由来のP型鎖を含む。特定の実施形態では、これらの鎖は、式:

(式中、Eおよびpは、上で定義された通りであり、−A−は、C2〜30脂肪族、C2〜30ヘテロ脂肪族、6から12員のアリール、3から12員の複素環、5から12員のヘテロアリールからなる群から選択される、場合によって置換されているラジカルである)を有する。
特定の実施形態では、本発明のポリマー組成物は、二酸の連鎖移動剤由来のP型鎖を含む。特定の実施形態では、これらの鎖は、式:

(式中、Eおよびpは、上で定義された通りであり、−A−は、共有結合であるか、またはC2〜30脂肪族、C2〜30ヘテロ脂肪族、6から12員のアリール、3から12員の複素環、5から12員のヘテロアリールからなる群から選択される、場合によって置換されているラジカルである)を有する。
特定の実施形態では、本発明のポリマー組成物は、三官能性の連鎖移動剤由来のP型の鎖を含む。特定の実施形態では、これらの鎖は、式:

(式中、Eおよびpは、上で定義された通りであり、各zは、独立して0または1であり、−A−は、C3〜30脂肪族、C2〜30ヘテロ脂肪族、6から12員のアリール、3から12員の複素環、5から12員のヘテロアリールからなる群から選択される、場合によって置換されているラジカルである)を有する。
別の態様において、本発明は、上記ポリカーボネートポリオールポリマーのいずれかを架橋することによって作製された物質を包含する。特定の実施形態では、このような架橋結合した物質は、ポリウレタンを含む。特定の実施形態では、このようなポリウレタンは、熱可塑性物質、フォーム、コーティング剤および接着剤を包含する。
III.ポリカーボネートポリオールを作製する方法
第3の態様で、本発明は、ポリカーボネートポリオールを生成するための方法を包含する。
一部の実施形態では方法は、a)COエポキシドコポリマーの鎖成長を補助することが可能な複数の部位を有する、1つまたは複数のエポキシドおよび1つまたは複数の連鎖移動剤を含む反応混合物を提供するステップと、b)反応混合物を金属錯体に接触させるステップであって、この金属錯体が、永久配位子セット、および二酸化炭素の存在下で重合開始剤である少なくとも1つの配位子を有する金属配位化合物を含むステップと、c)所望の分子量のポリマーが形成されるまで重合反応を進行させるステップと、d)重合を終了させるステップとを含む。
III.a.エポキシド
一部の実施形態では、ステップ(a)で提供されるエポキシドモノマーは、ポリマー組成物に関して本明細書中で上に記載したエポキシドのいずれかを含む。
一部の実施形態では、上に記載の方法のステップ(a)で提供されるエポキシドモノマーは、構造:

(式中、R21、R22、R23およびR24は、それぞれ独立して、−H、ならびにC1〜30脂肪族、C6〜14アリール、3から12員の複素環および5から12員のヘテロアリールから選択される場合によって置換されている基からなる群から選択され、R21、R22、R23およびR24のうちの任意の2つ以上が、介在する原子と一緒になって、1つまたは複数のヘテロ原子を場合によって含有する、1つまたは複数の場合によって置換されている3から12員の環を形成することができる)を有する。
特定の実施形態では、反応混合物は、

(式中、各Rは、独立して、場合によって置換されている脂肪族、場合によって置換されているヘテロ脂肪族、場合によって置換されているアリールおよび場合によって置換されているヘテロアリールから選択される)からなる群から選択される1つまたは複数のエポキシドを含む。
特定の実施形態では、反応混合物は、エチレンオキシドを含む。他の実施形態では、反応混合物は、プロピレンオキシドを含む。他の実施形態では、反応混合物は、シクロヘキセンオキシドを含む。他の実施形態では、反応混合物は、エピクロロヒドリンを含む。特定の実施形態では、反応混合物は、グリシジルエーテルまたはグリシジルエステルを含む。特定の実施形態では、反応混合物は、フェニルグリシジルエーテルを含む。特定の実施形態では、反応混合物は、t−ブチルグリシジルエーテルを含む。
特定の実施形態では、反応混合物は、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドを含む。特定の実施形態では、反応混合物は、プロピレンオキシドを、約0.1から約10%のC〜C30エポキシドと共に含む。特定の実施形態では、反応混合物は、プロピレンオキシドを、約0.1から約10%のグリシジルエーテルと共に含む。特定の実施形態では、反応混合物は、プロピレンオキシドを、約0.1から約10%のグリシジルエステルと共に含む。特定の実施形態では、反応混合物は、エチレンオキシドを、約0.1から約10%のグリシジルエーテルと共に含む。特定の実施形態では、反応混合物は、エチレンオキシドを、約0.1から約10%のグリシジルエステルと共に含む。特定の実施形態では、反応混合物は、エチレンオキシドを約0.1から約10%のC〜C30エポキシドと共に含む。
特定の実施形態では、反応混合物は、エポキシ化樹脂または油など、天然物質由来のエポキシドを含む。このようなエポキシドの例として、エポキシ化ダイズ油、エポキシ化アマニ油、エポキシ化オクチルソヤート、エポキシ化PGDO、メチルエポキシソヤート、ブチルエポキシソヤート、エポキシ化オクチルソヤート、メチルエポキシリンシーデート、ブチルエポキシリンシーデートおよびオクチルエポキシリンシーデートが挙げられるが、これらに限らない。これらおよび同様の物質が、Arkema Inc.から、Vikoflex(登録商標)の商品名で市販されている。このような市販のVikoflex(登録商標)物質の例として、Vikoflex 7170 Epoxidized Soybean Oil、Vikoflex 7190 Epoxidized Linseed、Vikoflex 4050 Epoxidized Octyl Soyate、Vikoflex 5075 Epoxidized PGDO、Vikoflex
7010 Methyl Epoxy Soyate、Vikoflex 7040 Butyl Epoxy Soyate、Vikoflex 7080 Epoxidized Octyl Soyate、Vikoflex 9010 Methyl Epoxy Linseedate、Vikoflex 9040 Butyl Epoxy
Linseedate、およびVikoflex 9080 Octyl Epoxy
Linseedateが挙げられる。特定の実施形態では、本発明のポリカーボネートポリオールは、エポキシ化された脂肪酸を組み込んでいる。
本発明の特定の実施形態では、反応混合物は、アルファオレフィン由来のエポキシドを含む。このようなエポキシドの例として、C10アルファオレフィン、C12アルファオレフィン、C14アルファオレフィン、C16アルファオレフィン、C18アルファオレフィン、C20〜C24アルファオレフィン、C24〜C28アルファオレフィンおよびC30+アルファオレフィン由来のものが挙げられるが、これらに限らない。これらおよび同様の物質は、Vikolox(登録商標)という商品名でArkema Inc.から市販されている。市販のVikolox(登録商標)物質として、以下の表4に表されているものが挙げられる。特定の実施形態では、アルファオレフィンを含めた反応混合物はまた、他のより単純なエポキシドモノマーを含み、この他のより単純なエポキシドモノマーとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、ヘキセンオキシド、シクロペンテンオキシドおよびシクロヘキセンオキシドなどが挙げられるが、これらだけに限らない。
III.b.連鎖移動剤
特定の実施形態では、上記方法のステップ(a)において提供される連鎖移動剤は、本明細書中で上に記載されている連鎖移動剤のいずれか、またはこれらのうちの2つ以上の混合物である。
一部の実施形態では、上記方法のステップ(a)で提供される連鎖移動剤は、1つまたは複数の多価アルコールを含む。特定の実施形態では、多価アルコールはジオールである。特定の実施形態では、ジオールとして、1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオール、2−ブチル−2−エチルプロパン−1,3−ジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、2,2,4,4−テトラメチルシクロブタン−1,3−ジオール、1,3−シクロペンタンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、および1,4−シクロヘキサンジエタノールが挙げられるが、これらに限らない。
ポリアルキレングリコールの他の例として、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、より高級のポリ(エチレングリコール)、例えば220から約2000g/molの数平均分子量を有するもの、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、およびより高級のポリ(プロピレングリコール)、例えば234から約2000g/molの数平均分子量を有するものが挙げられる。
特定の実施形態では、ジオール連鎖移動剤として、ヒドロキシル終端ポリオレフィンが挙げられる。このような物質として、Krasol(登録商標)という商品名でSartomer Inc.から販売されているポリマーが挙げられる。他の実施形態では、ジオール連鎖移動剤として、ヒドロキシル終端ポリイソブチレン(PIB−ジオールおよび−トリオール)、例えばMitsubish Chemical Co.からのPolytail(登録商標)HまたはPolytail(登録商標)HAを挙げることができる。他の例として、ヒドロキシル終端ポリブタジエンスチレン(polybutadienelstyrene)(HTBS)が挙げられる。
ステップ(a)で提供され得る、適切なジオールのさらに他の例として、4,4’−(1−メチルエチリデン)ビス[シクロヘキサノール]、2,2’−メチレンビス[フェノール]、4,4’−メチレンビス[フェノール]、4,4’−(フェニルメチレン)ビス[フェノール]、4,4’−(ジフェニルメチレン)ビス[フェノール]、4,4’−(1,2−エタンジイル)ビス[フェノール]、4,4’−(1,2−シクロヘキサンジイル)ビス[フェノール]、4,4’−(1,3−シクロヘキサンジイル)ビス[フェノール]、4,4’−(1,4−シクロヘキサンジイル)ビス[フェノール]、4,4’−エチリデンビス[フェノール]、4,4’−(1−フェニルエチリデン)ビス[フェノール]、4,4’−プロピリデンビス[フェノール]、4,4’−シクロヘキシリデンビス[フェノール]、4,4’−(1−メチルエチリデン)ビス[フェノール]、4,4’−(1−メチルプロピリデン)ビス[フェノール]、4,4’−(1−エチルプロピリデン)ビス[フェノール]、4,4’−シクロヘキシリデンビス[フェノール]、4,4’−(2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン−3,9−ジイルジ−2,1−エタンジイル)ビス[フェノール]、1,2−ベンゼンジメタノール、1,3−ベンゼンジメタノール、1,4−ベンゼンジメタノール、4,4’−[1,3−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビス[フェノール]、4,4’−[1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビス[フェノール]、フェノールフタレイン、4,4’−(1−メチリデン)ビス[2−メチルフェノール]、4,4’−(1−メチルエチリデン)ビス[2−(1−メチルエチル)フェノール]、2,2’−メチレンビス[4−メチル−6−(1−メチルエチル)フェノール]が挙げられる。
特定の実施形態では、ステップ(a)で提供される連鎖移動剤は、多価フェノール誘導体である。特定の実施形態では、重合開始剤は、

からなる群から選択される。
一部の実施形態では、上記方法のステップ(a)における連鎖移動剤として提供される多価アルコールは、トリオール、テトラオールまたはより高級のポリオールである。適切なトリオールとして、500未満の分子量を有する脂肪族トリオール、例えばトリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセロール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、ヘキサヒドロ−1,3,5−トリス(ヒドロキシエチル)−s−トリアジン、6−メチルヘプタン−1,3,5−トリオール、ポリプロピレンオキシドトリオールおよびポリエステルトリオールを挙げることができるが、これらに限らない。
ある他の実施形態では、ポリオールはテトラオールである。適切なテトラオールの例として、エリスリトール、ペンタエリスリトール、2,2’−ジヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、および2,2’−(オキシジメチレン)ビス−(2−エチル−1,3−プロパンジオール)が挙げられるが、これらに限らない。
さらなる他の実施形態では、ポリオールは炭水化物である。適切な炭水化物の例として、糖アルコール、単糖、二糖、オリゴ糖および多糖ならびにより高級のオリゴマー、例えばデンプンおよびデンプン誘導体などが挙げられる。
一部の実施形態では、ジオールの一方の−OH基はフェノール性であり、他方は脂肪族である。他の実施形態では、各ヒドロキシ基は、フェノール性である。特定の実施形態では、連鎖移動剤は、場合によって置換されているカテコール、レゾルシノールまたはヒドロキノン誘導体である。
一部の実施形態では、Y−基が−OHの場合、−OH基は、カルボニル基のエノール互変異性体である。一部の実施形態では、Y基が−OHの場合、−OH基はカルボニル水和物またはヘミアセタールである。
特定の実施形態では、ステップ(a)で提供される連鎖移動剤として、ヒドロキシ酸が挙げられる。特定の実施形態では、連鎖移動剤として、二酸が挙げられる。特定の実施形態では、連鎖移動剤として、

からなる群から選択される化合物が挙げられる。
特定の実施形態では、二酸連鎖移動剤として、カルボキシ終端ポリオレフィンポリマーが挙げられる。特定の実施形態では、カルボキシ終端ポリオレフィンは、例えばNippon Soda Co. Ltd.で製造されたNISSO−PB Cシリーズ樹脂などの物質が挙げられる。
特定の実施形態では、提供される連鎖移動剤はヒドロキシ酸である。特定の実施形態では、ヒドロキシ酸は、

からなる群から選択される。
特定の実施形態では、提供される連鎖移動剤として酸性官能基が挙げられ、この化合物は塩として提供される。特定の実施形態では、カルボン酸連鎖移動剤は、アンモニウム塩として提供される。
III.c.重合触媒
一部の実施形態では、提供される金属錯体は、重合触媒である。特定の実施形態では、上に記載の方法のステップ(b)において、反応混合物を接触させる重合触媒として、本明細書中で以前に記載の1つまたは複数の触媒のいずれかが挙げられる。
特定の実施形態では、ステップ(b)の金属錯体は、式L−M−(L(式中、Lは永久配位子セットであり、Mは金属原子であり、Lは、重合開始剤である配位子であり、mは、存在する開始配位子の数を表す、0および2の間の整数(0と2を含む)である)を有する。
特定の実施形態では、この方法のステップ(b)で使用される金属錯体は、

(式中、
M、R、R’、L、mR4a、R4a’、R5a、R5a’、R6a、R6a’、R7aおよびR7aは、上で定義された通りである)からなる群から選択される構造を有する。
特定の実施形態では、ステップ(b)で使用される金属錯体は、

(式中、R1aからR7a’は、上で定義された通りである)からなる群から選択される構造を有する。
特定の実施形態では、ステップ(b)で使用される金属錯体は、

(式中、R5a、R5a’、R7a、およびR7a’は、上で定義された通りである)からなる群から選択される構造を有する。特定の実施形態では、上の錯体のサリチルアルデヒド部分上の置換基の各ペアは、同じである(すなわちR5aとR5a’は同じであり、R7aとR7a’は同じである)。他の実施形態では、R5aとR5a’またはR7aとR7aのうちの少なくとも1つは、互いに異なる。
特定の実施形態では、この方法のステップ(b)で使用される金属錯体は、式III:

を有する。
特定の実施形態では、この方法のステップ(b)で使用される金属錯体は、式IV:
を有する。
特定の実施形態では、この方法のステップ(b)で使用される金属錯体は、式V:

(式中、
、R、L、m、q、R、R4’、R、R5’、R、R6’、RおよびR7’は、上に記載の通りであり、[RとR]、[R1′とR4’]ならびに任意の2つの隣接するR、R4’、R、R5’、R、R6’、RおよびR7’基は、場合によって、介在する原子と一緒になって、1つまたは複数のR20基で場合によって置換されている1つまたは複数の環を形成する)を有する。
特定の実施形態では、提供される金属錯体が式IIIを有する場合、R、R1′、R、R4’、R、およびR6’はそれぞれ−Hである。特定の実施形態では、金属錯体が式IIIを有する場合、R、R5’、RおよびR7’は、それぞれ場合によって置換されているC〜C12脂肪族である。
提供される金属錯体が式IIIを有するある特定の方法では、R、R4’、R、R5’、R、R6’、RおよびR7’は、それぞれ独立して、−H、−Si(R13、−Si[(CH22(R13(3〜z)、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、イソアミル、t−アミル、テキシル、トリチル、−C(CH)Ph、−(CHC[(CH22(3〜z)および−Si(R13(3〜z)[(CH22(式中、pは0から12の整数(0と12を含む)であり、R22は、複素環、アミン、グアニジン、−N(R11、−P(R11、−P(R11=N=P(R11、−AS(R11、および場合によって置換されているピリジニウムからなる群から選択される)からなる群から選択される。
提供される金属錯体が式IIIを有するある特定の方法では、Rは、−H、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、イソアミル、t−アミル、テキシルおよびトリチルからなる群から選択され、Rは、−(CHCH(3〜z)[(CH22および−Si(R13(3〜z)[(CH22からなる群から選択される。
提供される金属錯体が式IVを有するある特定の方法では、R、R1’、R、R4’、RおよびR6’は、それぞれ−Hである。特定の実施形態では、錯体が式IVのメタロサレネート錯体である場合、R、R5’、RおよびR7’は、それぞれ場合によって置換されているC〜C12脂肪族である。
金属錯体が式IVを有するある特定の方法では、R、R4’、R、R5’、R、R6’、RおよびR7’は、それぞれ独立して、−H、−Si(R13、−Si(R13(3〜z)[(CH22、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、イソアミル、t−アミル、テキシル、トリチル、−(CHC[(CH22(3〜z)からなる群から選択される。
金属錯体が式IVを有するある特定の方法では、Rは、−H、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、イソアミル、t−アミル、テキシルおよびトリチルからなる群から選択され、Rは、−(CHCH(3〜z)[(CH22および−Si(R13(3〜z)[(CH22からなる群から選択される。
金属錯体が式Vを有する方法では、R、R1’、R、R4’、RおよびR6’はそれぞれ−Hである。特定の実施形態では、錯体が式Vのメタロサレネート錯体である場合、R、R5’、RおよびR7’はそれぞれ場合によって置換されているC〜C12脂肪族である。
金属錯体が式Vを有するある特定の方法では、R、R4’、R、R5’、R、R6’、RおよびR7’は、それぞれ独立して、−H、−Si(R13、−Si[(CH21(R13(3〜z)、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、イソアミル、t−アミル、テキシル、トリチル、−(CHCH(3〜z)[(CH22および−Si(R13(3〜z)[(CH22からなる群から選択される。
金属錯体が式Vを有するある特定の方法では、Rは、−H、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、イソアミル、t−アミル、テキシルおよびトリチルからなる群から選択され、Rは、−(CHCH(3〜z)[(CH22および−Si(R13(3〜z)[(CH22からなる群から選択される。
一部の実施形態では、金属錯体は、構造L−M−(L(式中、L−Mは、

からなる群から選択される)を有する。
重合において金属錯体の濃度を、エポキシドと比べて低レベルで維持することが一般的に望ましい。特定の実施形態では、金属錯体のエポキシドに対するモル比は、約1:100から約1:1,000,000の範囲である。特定の実施形態では、比率は、約1:5,000から約1:500,000の範囲である。一部の実施形態では、比率は、約1:10,000から約1:200,000の範囲である。他の実施形態では、比率は、約1:20,000から約1:100,000の範囲である。
III.d.共触媒
一部の実施形態では、本発明の方法は、少なくとも1つの共触媒の使用を含む。一部の実施形態では、共触媒は、ステップ(b)で現れる。特定の実施形態では、共触媒は、本発明の重合系の記述において、上に記載の共触媒の種のうちのいずれか1つまたは複数である。特定の実施形態では、共触媒は、アミン、グアニジン、アミジン、ホスフィン、窒素含有複素環、アンモニウム塩、ホスホニウム塩、アルソニウム塩、ビスホスフィンアンモニウム塩、および上記のうちの任意の2つ以上の組合せからなる群から選択される。特定の実施形態では、共触媒は、金属錯体の永久配位子セットに共有結合により結合している。
方法が「オニウム」塩である共触媒を含む実施形態では、塩の電荷の平衡を保つためのアニオンが必ず存在する。特定の実施形態では、これは任意のアニオンである。特定の実施形態では、アニオンは求核剤である。一部の実施形態では、アニオンは、エポキシドの開環が可能な求核剤である。一部の実施形態では、アニオンは、アジド、ハライド、アルキルスルホネート、カルボキシレート、アルコキシドおよびフェノレートからなる群から選択される。特定の実施形態では、方法は、金属錯体上の開始配位子、およびカチオン性共触媒の電荷の平衡を保つために存在するアニオンが同じ分子であるように触媒および共触媒を選択することを含む。
III.e.反応条件
特定の実施形態では、上記方法うちの任意のステップは、1つまたは複数の溶媒をさらに含む。ある他の実施形態では、重合ステップは、溶媒の添加なしで、ニートのエポキシドで実施される。
ある特定の方法では、重合溶媒が存在する場合、溶媒は有機溶媒である。特定の実施形態では、溶媒は炭化水素である。特定の実施形態では、溶媒は芳香族炭化水素である。特定の実施形態では、溶媒は脂肪族炭化水素である。特定の実施形態では、溶媒はハロゲン化した炭化水素である。
特定の実施形態では、溶媒はエーテルである。特定の実施形態では、溶媒はエステルである。特定の実施形態ではその溶媒はケトンである。
特定の実施形態では、適切な溶媒として、塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、プロピレンカーボネート、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、ニトロメタン、カプロラクトン、1,4−ジオキサンおよび1,3−ジオキサンが挙げられるが、これらに限らない。
ある他の実施形態では、適切な溶媒として、酢酸メチル、酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、プロピレンオキシド、テトラヒドロフラン(Tretrahydrofuran)、モノグリム、トリグリム、プロピオニトリル、1−ニトロプロパン、シクロヘキサノンが挙げられるが、これらに限らない。
特定の実施形態では、上記方法のいずれかは、約0.5Mから約20Mの間の濃度の量で存在する脂肪族オキシドまたはニート濃度の脂肪族オキシドを含む。特定の実施形態では、脂肪族オキシドは、約0.5Mから約2Mの間の量で存在する。特定の実施形態では、脂肪族オキシドは、約2Mから約5Mの間の量で存在する。特定の実施形態では、脂肪族オキシドは、約5Mから約20Mの間の量で存在する。特定の実施形態では、脂肪族オキシドは、約20Mの量で存在する。特定の実施形態では、液体の脂肪族オキシドは、反応溶媒を含む。
特定の実施形態では、COは、約30psiから約800psiの間の圧力で存在する。特定の実施形態では、COは、約30psiから約500psiの間の圧力で存在する。特定の実施形態では、COは、約30psiから約400psiの間の圧力で存在する。特定の実施形態では、COは、約30psiから約300psiの間の圧力で存在する。特定の実施形態では、COは、約30psiから約200psiの間の圧力で存在する。特定の実施形態では、COは、約30psiから約100psiの間の圧力で存在する。特定の実施形態では、COは、約30psiから約80psiの間の圧力で存在する。特定の実施形態では、COは、約30psiの圧力で存在する。特定の実施形態では、COは、約50psiの圧力で存在する。特定の実施形態では、COは、約100psiの圧力で存在する。特定の実施形態では、COは超臨界状態にある。
上記方法の特定の実施形態では、反応は、約0℃から約150℃の間の温度で行う。特定の実施形態では、反応は、約23℃から約100℃の間の温度で行う。特定の実施形態では、反応は、約23℃および約80℃の間の温度で行う。特定の実施形態では、反応は、約23℃から約50℃の間の温度で行う。
特定の実施形態では、上記方法のいずれかの重合ステップは、約20%未満の量で、副生成物として環状カーボネートを生成する。特定の実施形態では、環状カーボネートは、約15%未満の量で、副生成物として生成される。特定の実施形態では、環状カーボネートは、約10%未満の量で、副生成物として生成される。特定の実施形態では、環状カーボネートは、約5%未満の量で、副生成物として生成される。特定の実施形態では、環状カーボネートは、約1%未満の量で、副生成物として生成される。特定の実施形態では、反応は、いかなる検出可能な副生成物も生成しない(例えば、H−NMRおよび/または液体クロマトグラフィー(LC)で検出可能なようなもの)。
特定の実施形態では、重合時間は、約30分間〜約48時間の間である。一部の実施形態では、反応は、24時間より短い時間進行させることができる。一部の実施形態では、反応は、12時間より短い時間進行させることができる。一部の実施形態では、反応は、約4〜約12時間の間進行させることができる。
特定の実施形態では、重合反応は、形成したポリマーの数平均分子量が約500〜約400,000g/molの間になるまで進行させることができる。特定の実施形態では、数平均分子量を500〜40,000g/molの間の値に到達させることができる。他の実施形態では、数平均分子量は、500〜20,000g/molの間の値に到達させることができる。特定の実施形態では、数平均分子量は、500〜10,000g/molの間の値に到達させることができる。他の実施形態では、数平均分子量は、500〜5,000g/molの間の値に到達させることができる。他の実施形態では、数平均分子量は、500〜2,500g/molの間の値に到達させることができる。他の実施形態では、数平均分子量は、1,000〜5,000g/molの間の値に到達させることができる。
特定の実施形態では、提供される方法は、反応物をサンプリングし、所与の時点でのポリマーの分子量を求めるステップをさらに含む。特定の実施形態では、このサンプリングおよび分子量測定は、2つ以上の時間の間隔をおいて実施される。特定の実施形態では、経過時間と共に増加する分子量のプロットを作成し、この方法は、所望の分子量のポリマーが現れることになる時間を、プロットにより求めるステップをさらに含む。特定の実施形態では、重合が終了する時間は、この方法により求められる。
特定の実施形態では、提供されたエポキシドの約20%〜約100%が消費されるまで重合反応は進行する。特定の実施形態では、変換は約40%〜約90%の間である。特定の実施形態では、変換は少なくとも50%である。他の実施形態では、変換は、少なくとも60%、少なくとも80%または少なくとも85%である。特定の実施形態では、少なくとも80%の提供されたエポキシドがポリマーに変換される。
特定の実施形態では、方法は、触媒、連鎖移動剤およびエポキシド基質を提供する比率を選択するステップをさらに含む。特定の実施形態では、これらの比率は、選択された時間の長さで所望の分子量のポリオールを得ながら、高いエポキシド変換率を得られるように選択される。一部の実施形態では、この比率の選択は、i)反応が実行される所望の時間の長さを選択するサブステップと、ii)重合反応が実行される、選択された時間の長さに、反応条件下での触媒のターンオーバー頻度を掛けるサブステップと、iii)この結果に、エポキシドの所望のモル変換率%を掛けるサブステップと、iv)この結果の逆数を、反応に使用する、触媒のエポキシドに対する比率として用いるサブステップとを含む。一部の実施形態では、連鎖移動剤の触媒に対する比率は、以下の追加のステップにより求められる:v)上記ステップ(iii)からの値を用いて、この結果に、ポリカーボネートの繰返し単位の分子量を掛けるステップと、vi)ポリオールに対して所望する分子量を選択し、ステップ(v)からの結果をこの数で割るステップと、vii)1つの触媒分子につき生成される鎖の数を、ステップ(vi)の結果から引き、この結果をステップ(1)で使用する連鎖移動剤の触媒に対する比率として用いるステップ。
上に記載の方法のステップが明確となるよう、以下の例を提供する。1000h−1のTOFを有する触媒であって、1つの触媒分子につき2つのポリマー鎖を生成する触媒を用いたプロピレンオキシドとCOの共重合において、2,000g/molのMnを有するポリマーが生成するものとし、提供されるエポキシドの80%が、10時間という反応時間の間に変換されることが所望されるのであれば、必要な比率を得るため以下のステップを実施する。
まず、時間の間隔として10時間を選択することを実施し、10時間という選択された間隔に、1000hr−1というTOFを掛けるステップ(ii)を実施することにより、1つの触媒分子につき10,000のターンオーバーを得て、次にこの数に所望の80%変換率(ステップ(iii))を掛け、次いで逆数をとる(ステップ(iv))ことによって、触媒のエポキシドに対する比率である1:8,000に対応する1.25x10−4の値を得る。
次に連鎖移動剤の添加量を決定するステップに移るが、ステップ(iv)では、ステップ(iii)の結果に、ポリカーボネートの繰返し単位の分子量を掛け(この場合C=102g/mol)、所望のMnである2,000で割ることによって、408という値を得る。この結果から、1つの触媒につき2つの鎖を引き、その結果、連鎖移動剤の触媒に対する比率である406:1を得る。したがって、この例に対して、触媒とエポキシドと連鎖移動剤とのモル比は、約1:8,000:406であるべきである。
上に記載の方法は、ある特定の面で単純化されていることを理解されたい。例えば、記載の計算は、反応速度は、重合が持続している間線形であると仮定されている。記載の計算はまた、鎖開始剤の塊が、ポリマー鎖の分子量に与える影響も免除している。特定の実施形態では、特に、ポリエーテルなどのポリマー連鎖移動剤が使用される場合、または非常に低分子のオリゴマーが生成される場合、開始剤の塊がポリマーのMnに与える影響は有意となり得る。この影響を考慮して追加の連鎖移動剤を加えることができること、より具体的には、上に記載の計算は、この影響を考慮して修正することができることを、当業者であれば理解されよう。同様に、より詳細な動力学データを使用することによって、反応が進行するにつれて、経時的な反応速度の変化を考慮に入れることができる。例えば、エポキシドの混合物が存在する場合、繰返し単位の分子量は、混合物中に存在するエポキシドの分子量の加重平均を用いて概算することができる。すべてのエポキシドは、同じ効率でポリマーに組み込まれ得ないので、同様の条件下で作製されたコポリマーを分析して、異なるモノマーが組み込まれるモルパーセントを求めることによって(例えばNMRスペクトロスコピーを用いて)、この概算をさらに精巧にすることができる。これらおよび他の修正は、当分野の技術者により容易に理解され、本明細書中に提供されている方法により具体的に包含される。
特定の実施形態では、連鎖移動剤の触媒に対する比率が増加するにつれて、ある触媒のターンオーバー頻度が減少することが判明している。この効果は、約100:1より高い比率において、特に顕著である。これらの場合には、上に記載の方法は、所与の時間間隔において期待されるMnおよびモノマー変換率を生み出すことができない。このような場合、上に記載の計算を実施する前に、様々な連鎖移動剤比率で触媒のTOFを測定することが必要となり得る。一般的に、このような場合には、使用される触媒と連鎖移動剤の比率で、触媒活性の低下に比例する量だけ反応間隔を延ばす必要があるか、または一部の実施形態では、触媒添加量を、埋め合わせ分だけ増加させる必要がある。
上述のように、記載された方法の反応混合物中に存在する水は、連鎖移動剤としても作用することができる。特定の実施形態では、上に記載の計算は、(好ましくは使用するエポキシド、連鎖移動剤および任意の溶媒を反応容器に仕込んだ後であるが、触媒の添加前に)反応物の含水量を測定する方法を含む。次いで水の触媒に対するモル当量を計算し、これに応じて触媒に対する連鎖移動剤の比率を減少させることができる。これを行わない場合、および有意な水が存在する場合、Mnは所与の%変換率において予想されるものより低くなる。
IV.より高い分子量のポリマー
本開示は、本明細書中で上に記載されているポリカーボネートポリオール由来のより高い分子量のポリマーを包含する。特定の実施形態では、このようなより高い分子量のポリマーは、ポリオールを適切な架橋剤と反応させることによって形成する。特定の実施形態では、ヒドロキシル基に対する反応性を有する官能基を含む架橋剤が、例えば、エポキシおよびイソシアネート基から選択される。特定の実施形態では、このような架橋剤は、ポリイソシアネートである。
一部の実施形態では、二官能基またはより高級の官能基のイソシアネートは、ジ−イソシアネート、ジイソシアネートのビウレットおよびシアヌレート、ならびにポリオールへのジイソシアネート付加反応物から選択される。適切なジイソシアネートは、一般的に4から22個の炭素原子を有する。ジイソシアネートは、通常、脂肪族、脂環式および芳香族ジイソシアネート、例えば1,4−ジイソシアナトブタン、1,6−ジイソシアナトヘキサン、1,6−ジイソシアナト−2,2,4−トリメチルヘキサン、1,6−ジイソシアナト−2,4,4−トリメチルヘキサン、1,2−、1,3−および1,4−ジイソシアナトシクロヘキサン、2,4−および2,6−ジイソシアナト−1−メチルシクロヘキサン、4,4’−ビス(イソシアナトシクロヘキシル)メタン、イソホロンジイソシアネート(=1−イソシアナト−3,3,5−トリメチル−5−イソシアナトメチルシクロヘキサン)、2,4−および2,6−トリレンジイソシアネート、テトラメチレン−p−キシリレンジイソシアネート(=1,4−ビス(2−イソシアナトプロパ−2−イル)ベンゼン)、4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン、好ましくは1,6−ジイソシアナトヘキサンジイソシアナトヘキサンおよびイソホロンジイソシアネート、およびこれらの混合物から選択される。
特定の実施形態では、架橋化合物は、脂肪族ジイソシアネートのシアヌレートおよびビウレットを含む。特定の実施形態では、架橋化合物は、ジ−イソシアヌレートおよびイソホロンジイソシアネートのビウレット、ならびに1,6−ジイソシアナトヘキサンのイソシアネートおよびビウレットである。ポリオールへのジイソシアネート付加反応物の例は、グリセロール、トリメチロールエタンおよびトリメチロールプロパンへの上述のジイソシアネート付加反応物、例えば、トリメチロールプロパンへのトリレンジイソシアネート付加反応物、またはトリメチルプロパンおよび/またはグリセロールへの1,6−ジイソシアナトヘキサンまたはイソホロンジイソシアネート付加反応物である。
一部の実施形態では、使用するポリイソシアネートは、例えば、芳香族ポリイソシアネート、例えばトリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートまたはポリメチレンポリフェニルイソシアネートなど、脂肪族ポリイソシアネート、例えばヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、リジンジイソシアネートまたはテトラメチルキシリレンジイソシアネートなど、脂環式ポリイソシアネート、例えばイソホロンジイソシアネートなど、またはこれらの改質生成物であってよい。
一部の実施形態では、ポリイソシアネートの改質生成物は、低分子量ジオールと低分子量トリオールの反応生成物であるプレポリマー改質生成物、水との反応生成物であるビュレット生成物、またはイソシアヌレート骨格を有する三量体である。
イソシアネート基末端プレポリマーは、化学量論的に過剰の量のポリイソシアネートをポリオール組成物に反応させることによって生成され得る。イソシアネート基末端プレポリマーは、60から100℃の温度で、1から30時間の間、乾性窒素流内で、溶媒の存在下でまたは不在下で、および場合によってウレタン形成触媒の存在下で、ポリオール組成物とポリイソシアネートを、熱的に反応させることによって生成され得る。一部の実施形態では、ウレタン形成触媒は、スズ、鉛またはチタンの有機金属化合物である。一部の実施形態では、ウレタン形成触媒は、有機スズ化合物、例えばジラウリン酸ジブチルスズ、ジオクタン酸ジブチルまたはオクタン酸スズなどである。
本発明のイソシアネート基末端プレポリマーは、当分野では公知の、当業者に精通した使用のために用いることができる。一部の実施形態では、イソシアネート基末端プレポリマーは、空気中の水分との反応により硬化する湿気硬化性組成物、ポリアミン、ポリオールもしくは低分子量ポリオールなどの硬化剤と反応することになる2液硬化性組成物、流し込成形用ポリウレタンエラストマー、または他の用途に使用することができる。
本発明はまた、上記ポリオール組成物をポリイソシアネートと反応させることによって得たポリウレタン樹脂を提供する。このようなポリウレタン樹脂は、公知の方法で生成され得、ポリアミンもしくは低分子ポリオールなどの硬化剤、または上述のウレタン形成触媒を場合によって使用してもよい。
ポリウレタンの生成において、従来技術において十分に記載されている従来の技法を用いて、本発明のポリオールを、ポリイソシアネートと反応させてもよい。生成物を、均質性または微孔性のエラストマー、軟質または硬質フォーム、接着剤、コーティング剤または他の形態にするかに応じて、反応混合物には、従来からの他の添加剤、例えば鎖増量剤、例えば1,4−ブタンジオールまたはヒドラジンなど、触媒、例えば三級アミンまたはスズ化合物など、界面活性剤、例えばシロキサン−オキシアルキレンコポリマーなど、発泡剤、例えば水およびトリクロロフルオロメタンなど、架橋剤、例えばトリエタノールアミンなど、充填剤、顔料、難燃剤などを含有させることができる。
ポリオール樹脂のイソシアネート反応性の基と、架橋剤のイソシアネート基との間の反応を促進するために、公知の触媒、例えば、ジラウリン酸ジブチルスズ、オクタン酸スズ(II)、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]−オクタン、またはアミン、例えばトリエチルアミンなどを使用することが可能である。これらは通常、架橋剤の重量に対して、10−5から10−2gの量で使用される。
架橋密度は、ポリイソシアネートの官能性、ポリオール樹脂に対するポリイソシアネートのモル比を変えることにより、またはイソシアネート基に反応する単官能性化合物、例えば一価アルコール、例えばエチルヘキサノールまたはプロピルヘプタノールなどの追加の使用により、制御され得る。
架橋剤は一般的に、NCO:OHの当量比0.5から2、好ましくは0.75から1.5および最も好ましくは0.8から1.2に相当する量で使用される。
適切な架橋剤は、分子内に少なくとも2つのエポキシド基を有するエポキシ化合物、および予備的伸長により形成されるその伸長産物(エポキシ樹脂に対するプレポリマー、例えばUllmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry、第6版、2000年、「Epoxy Resin」の章の「Electronic Release」に記載のもの)でもある。分子内に少なくとも2つのエポキシド基を有するエポキシ化合物は、特に、以下を含む:
(i)少なくとも2つのカルボキシル基を有する化合物、例えば脂肪族または芳香族ポリカルボン酸と、エピクロロヒドリンまたはβ−メチルエピクロロヒドリンを反応させることによって取得可能なポリグリシジルおよびポリ(β−メチルグリシジル)エステル。反応は、好ましくは、塩基の存在下で実施される。適切な脂肪族ポリカルボン酸は、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、二量体化または三量体化したリノレン酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸または4−メチルヘキサヒドロフタル酸である。適切な芳香族ポリカルボン酸は、例えば、フタル酸、イソフタル酸またはテレフタル酸である。
(ii)ポリグリシジルまたはポリ(β−メチルグリシジル)エーテル、例えば、非環状アルコール、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリ(オキシエチレン)グリコール、プロパン−1,2−ジオール、ポリ(オキシプロピレン)グリコール、プロパン−1,3−ジオール、ブタン−1,4−ジオール、ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール、ペンタン−1,5−ジオール、ヘキサン−1,6−ジオール、ヘキサン−2,4,6−トリオール、グリセロール、1,1,1−トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなどから誘導されるもの、または環状アルコール、例えば1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)メタンまたは2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンなどから誘導されるもの、または芳香環などを含むもの、例えばN,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アニリンまたはp,p−ビス(2−ヒドロキシエチルアミノ)ジフェニルメタンなど。グリシジルエーテルはまた、単環式フェノール、例えばレゾルシノールまたはヒドロキノン由来のもの、または多環式フェノール、例えばビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパンから誘導されるもの、またはアルデヒド、例えばホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、クロラールまたはフルフラールなどを、フェノール類、例えばフェノール、4−クロロフェノール、2−メチルフェノール、4−tert−ブチルフェノールまたはビスフェノールなどと縮合することによって取得できるノボラックから誘導されるものであってよい。
(iii)エピクロロヒドリンの反応生成物を、少なくとも2つのアミン水素原子を有するアミン、例えばアニリン、n−ブチルアミン、ビス(4−アミノフェニル)メタン、m−キシリレンジアミンまたはビス(4−メチルアミノフェニル)メタンなどで、脱塩化水素することによって取得可能なポリ(N−グリシジル)化合物。ポリ(N−グリシジル)化合物として、トリグリシジルイソシアヌレート、アルキレンウレア、例えばエチレンウレアまたは1,3−プロピレンウレアなどのN,N’−ジグリシジル誘導体、およびヒダントイン、例えば5,5−ジメチルヒダントインなどのジグリシジル誘導体なども挙げられる。
(iv)ポリ(S−グリシジル)化合物、例えば、エタン−1,2−ジチオールまたはビス(4−メルカプトメチルフェニル)エーテルなどのジチオールから誘導されるジ−S−グリシジル誘導体。
(v)脂環式エポキシ化合物、例えばビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、2,3−エポキシシクロペンチルグリシジルエーテル、1,2−ビス(2,3−エポキシシクロペンチルオキシ)エタンまたは3,4−エポキシシクロヘキシルメチル3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートなど、または混合した脂環式脂肪族エポキシ化合物、例えばリモネンジエポキシドなど。
一部の実施形態では、本開示は、本発明のポリオール樹脂を用いて形成されたより高い分子量のポリマーを包含し、このより高い分子量のポリマーは、(メタ)アクリロイルおよび/またはビニル芳香族単位を含む硬化ポリマーをさらに含む。硬化は、(メタ)アクリル系モノマーまたはビニル芳香族モノマーをフリーラジカル重合化することによって取得可能である。適切なモノマーの例は、スチレン、環アルキレート化スチレンであり、好ましくはC1〜4アルキルラジカルを有するもの、例えばa−メチルスチレン、p−メチルスチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドまたはメタクリルアミド、アルキルアクリレートおよびアルキルメタクリレートなどで、アルキルラジカル内に1から4個の炭素原子を有するもの、特にメチルメタクリレートである。+20℃より高い、好ましくは+50℃より高いガラス転移温度を有するポリマーまたはコポリマーを生成させるモノマーおよびモノマー混合物を用いることが好ましい。
(メタ)アクリルモノマーまたはビニル芳香族モノマーに加えて、硬化ポリマーには、様々なモノマーが含まれる。(メタ)アクリルモノマーまたはビニル芳香族モノマーは、一般的に、構成モノマーの少なくとも20重量%、好ましくは少なくとも50重量%、特に少なくとも70重量%を構成する。
包含されるより高い分子量のポリマー組成物は、通例の助剤、例えば充填剤、希釈剤または安定剤をさらに含んでもよい。
適切な充填剤は、例えば、シリカ、コロイド性シリカ、炭酸カルシウム、カーボンブラック、二酸化チタン、雲母などである。
適切な希釈剤は、例えば、ポリブテン、液体ポリブタジエン、水素添加ポリブタジエン、パラフィン油、ナフテネート(naphthenenates)、アタクチックなポリプロピレン、フタル酸ジアルキル、反応性希釈剤、例えば、アルコールおよびオリゴイソブテンなどである。
適切な安定剤は、例えば、2−ベンゾチアゾリルスルフィド、ベンゾチアゾール、チアゾール、ジメチルアセチレンジカルボキシレート、ジエチルアセチレンジカルボキシレート、BHT、ブチルヒドロキシアニソール、ビタミンEなどである。
本発明のポリオールから得ることができるさらなるより高い分子量のポリマー物質として、ポリオールのエチレン性不飽和誘導体を重合化することによって作製されるビニル類ポリマーが挙げられる。このような誘導体は、例えば、ポリオールを、エチレン性不飽和カルボン酸、例えばアクリル酸、メタクリル酸およびイタコン酸またはそのエステル形成誘導体と反応させることによって得ることができる。
ポリオールのエチレン性不飽和誘導体を形成する別の有用な方法は、前記ポリオールを、有機ポリイソシアネート、例えば上述されているものなどと反応させ、次いで、得たイソシアネート基末端生成物を、ヒドロキシアルキルアクリレートまたはヒドロキシアルキルメタクリレート、例えば2−ヒドロキシエチルまたは2−ヒドロキシプロピル化合物と反応させることである。あるいは、ポリオールを、ジイソシアネートとヒドロキシアルキル(hydroxalkyl)アクリレートまたはヒドロキシアルキルメタクリレートと反応させることによって得たイソシアナト−アクリレートと反応させてもよい。
好ましくはコモノマー、例えばアクリロニトリル、スチレン、エチルアクリレート、ブチルアクリレートまたはメチルメタクリレートなどの存在下で、従来技術においてビニル重合に対して十分に記載されている条件を用いて、フッ化ポリオールのエチレン性不飽和誘導体を、重合してもよい。有用なプラスチック成型品は、このように作製してもよい。
本発明のポリオールから得られるさらなるより高い分子量のポリマー物質として、ポリオールのエポキシ誘導体から、従来の方法で調製されるエポキシ樹脂が挙げられる。このような誘導体は、例えば、塩基の存在下、ポリオールをエピクロロヒドリンと反応させることによって得ることができる。
提供されたポリカーボネートポリオールおよび/またはポリウレタン組成物を含む製造品は、当分野において記載の公知の方法および手順を用いて作製され得る。当業者であれば、本開示を読んだ後、周知のプロトコルおよび技法を用いてこのような製品を製造することができる。
(実施例1)
本実施例は、本発明の重合系を、連鎖移動剤Y−A−(Y)および触媒L−M−(Lと共に、共触媒PPN+Cl−を利用して、使用することを実証している
(式中、
nは1であり、
各−Yは−OHであり、
−A−は、

であり、
−Lは、salcy配位子

であり、
−M−はCo(III)であり、
−Lは、連鎖移動剤−Q’−A’(Z’)(式中、Q’はCOOであり、−A−は−CH−であり、Z’は−OHである)であり、
nは1である)。

24mgの触媒E1(0.04mmol)、0.45g(3.1mmol)の1,4−シクロヘキサンジメタノールおよび20mg(0.04mmol)のPPNClを、Fisher−Potterビン内で、真空下で保持した。このビンに窒素を充填し、20mlのプロピレンオキシドを加えた。ビンを100 psi COで加圧した。30℃で41時間経過後、ビンを開放し、メタノールに注ぎ入れることで、ポリマーを単離した。GPC分析は、M=4460、M=4610、PDI=1.035のポリマーの生成を示した。このポリマーのカーボネート含有量は、>97%である。
こうして得たポリカーボネートポリオール組成物は、主に3種類のポリマー鎖からなる:シクロヘキサンジメタノールによる開始から生じた鎖P、グリコール酸(L)による開始から生じた鎖P1’およびPPN共触媒上のクロリド対イオンから生じた鎖P

(式中、各pは平均して約20〜21である)。
この特定の組成物において、PとP1’とPの比率は、約89:1:1である。このポリカーボネートポリオール組成物は、約99%のOH末端基を含有する。
(実施例2)
本実施例は、本発明の重合系を、連鎖移動剤Y−A−(Y)および触媒L−M−(Lと共に、共触媒PPN+Cl−を利用して、使用することを実証している
(式中、
nは3であり、
各−Yは−OHであり、
−A−は、

であり、
−Lは、salcy配位子
であり、
−M−はCo(III)であり、
−Lはトリフルオロアセテートである)。

51mgの触媒E2(0.07mmol)、0.5g(1.4mmol)のプロポキシ化されたペンタエリスリトールおよび41mg(0.08mmol)のPPNClを、Fisher−Potterビン内で、真空下で保持した。このビンに窒素を充填し、20mlのプロピレンオキシドを加えた。ビンを100 psi COで加圧した。30℃で22時間経過後、ビンを開放し、メタノールに注ぎ入れることで、ポリマーを単離した。GPC分析は、M=13660、M=15420、PDI=1.129のポリマーの生成を示した。このポリマーのカーボネート含有量は、>97%である。
こうして得たポリカーボネートポリオール組成物は、主に3種類のポリマー鎖からなる:プロポキシ化されたペンタエリスリトールによる開始から生じた鎖P1a、トリフルオロアセテート(L)による開始から生じた鎖P2aおよびPPN共触媒上のクロリド対イオンから生じた鎖P

(式中、各pは、平均して約30〜32である)。
この特定の組成物において、P1aとP2aとPの比率は、約20:1:1である。ポリカーボネートポリオール組成物は、約97%のOH末端基を含有する。
(実施例3)
530g/molのMnを有するポリ(カプロラクトン)ジオールを連鎖移動剤として使用した以外は、実施例2と同様の条件を用いて、実施例3を実施した。
(実施例4)
400g/molのMnを有するポリ(エチレングリコール)を連鎖移動剤として使用した以外は、実施例3と同様の条件を用いて、実施例4を実施した。
(実施例5)
760g/molのMnを有するポリ(プロピレングリコール)を連鎖移動剤として使用した以外は、実施例3と同様の条件を用いて、実施例5を実施した。
(実施例6)
1,2−シクロヘキサンジオールを連鎖移動剤として使用した以外は、実施例3と同様の条件を用いて、実施例6を実施した。
(実施例7)
本実施例は、本発明の重合系を、連鎖移動剤Y−A−(Y)および触媒L−M−(Lと共に、共触媒PPN+Cl−を利用して、使用することを実証している
(式中、
nは1であり、
各−Yは−OHであり、
−A−は、

であり、
−Lは、salcy配位子

であり、
−M−はCo(III)であり、
−Lはトリフルオロアセテートである)。
オーブン乾燥したガラス容器に11.5mgの触媒E2(0.016mmol)および9.2mgのPPNCl(0.016mmol)を仕込んだ。容器を窒素でパージし、1,4ブタンジオール(0.073g、0.8mmol)を乾性THF(0.5mL)中溶液として加えた。次いでプロピレンオキシド(4.5mL、64mmol)を加えた。反応容器を300psigの乾性二酸化炭素ガスで加圧し、30℃で3時間撹拌した。この反応を酸でクエンチし、25mLのアセトンで希釈し、濃縮することによって、2.6gの粗ポリマーを産出した。このポリマーは、4072g/molのMn、1.04のPDIを有していた。ポリマーは、検出可能なエーテル結合を含有せず、98%を超える−OH末端基を含有した。
こうして得たポリカーボネートポリオール組成物は、主に3種類のポリマー鎖からなる:1,4ブタンジオールによる開始から生じた鎖P1a、トリフルオロアセテート(L)による開始から生じた鎖P2aおよびPPN共触媒上のクロリド対イオンから生じた鎖P

(式中、各pは、平均して約20である)。
この特定の組成物において、P1aとP2aとPの比率は、約50:1:1である。
(実施例8)
本実施例は、本発明の重合系を、連鎖移動剤Y−A−(Y)および触媒L−M−(Lと共に、共触媒PPN+Cl−を利用して、使用することを実証している
(式中、
nは1であり、
各−Yは−OHであり、
−A−は、

であり、
−Lは、salcy配位子

であり、
−M−はCo(III)であり、
−Lはトリフルオロアセテートである)。
オーブン乾燥したガラス容器に11.5mgの触媒E2(0.016mmol)および9.2mgのPPNCl(0.016mmol)を仕込んだ。容器を窒素でパージし、1,4プロパンジオール(0.061g、0.8mmol)を乾性THF(0.5mL)中溶液として加えた。次いでプロピレンオキシド(4.5mL、64mmol)を加えた。反応容器を300psigの乾性二酸化炭素ガスで加圧し、30℃で3×時間撹拌した。この反応を酸でクエンチし、25mLのアセトンで希釈し、濃縮することによって、2.7gの粗ポリマーを産出した。このポリマーは、4336g/molのMn、1.04のPDIを有していた。ポリマーは、検出可能なエーテル結合を含有せず、98%を超える−OH末端基を含有した。
こうして得たポリカーボネートポリオール組成物は、主に3種類のポリマー鎖からなる:1,3プロパンジオールによる開始から生じた鎖P1a、トリフルオロアセテート(L)による開始から生じた鎖P2aおよびPPN共触媒上のクロリド対イオンから生じた鎖P

(式中、各pは、平均して約21である)。
この特定の組成物において、P1aとP2aとPの比率は、約50:1:1である。
(実施例9)
本実施例は、本発明の重合系を、連鎖移動剤Y−A−(Y)および触媒L−M−(Lと共に、共触媒PPN+Cl−を利用して、使用することを実証している
(式中、
nは1であり、
各−Yは−OHであり、
−A−は、

であり、
−Lは、salcy配位子

であり、
−M−はCo(III)であり、
−Lはトリフルオロアセテートである)。
オーブン乾燥したガラス容器に11.5mgの触媒E2(0.016mmol)および9.2mgのPPNCl(0.016mmol)を仕込んだ。容器を窒素でパージし、1,4ブテンジオール(0.079g、0.8mmol)を乾性THF(0.5mL)中溶液として加えた。次いでプロピレンオキシド(4.5mL、64mmol)を加えた。反応容器を300psigの乾性二酸化炭素ガスで加圧し、30℃で3時間撹拌した。この反応を酸でクエンチし、25mLのアセトンで希釈し、濃縮することによって、1.5gの粗ポリマーを産出した。このポリマーは、2431g/molのMn、1.06のPDIを有していた。ポリマーは、検出可能なエーテル結合を含有せず、98%を超える−OH末端基を含有した。
こうして得たポリカーボネートポリオール組成物は、主に3種類のポリマー鎖からなる:1,4ブテンジオールによる開始から生じた鎖P1a、トリフルオロアセテート(L)による開始から生じた鎖P2aおよびPPN共触媒上のクロリド対イオンから生じた鎖P

(式中、各pは、平均して約12である)。
この特定の組成物において、P1aとP2aとPの比率は、約50:1:1である。
(実施例10)
本実施例は、本発明の重合系を、連鎖移動剤Y−A−(Y)および触媒L−M−(Lと共に、共触媒PPN+Cl−を利用して、使用することを実証している
(式中、
nは1であり、
各−Yは−COHであり、
−A−は、

であり、
−Lは、salcy配位子

であり、
−M−はCo(III)であり、
−Lはトリフルオロアセテートである)。
オーブン乾燥したガラス容器に11.5mgの触媒E2(0.016mmol)、9.2mgのPPNCl(0.016mmol)、コハク酸(0.095g、0.8mmol)および0.5mLのTHFを仕込んだ。次いでプロピレンオキシド(4.5mL、64mmol)を加えた。反応容器を300psigの乾性二酸化炭素ガスで加圧し、30℃で3時間撹拌した。この反応を酸でクエンチし、25mLのアセトンで希釈し、濃縮することによって、3.0gの粗ポリマーを産出した。このポリマーは、13,933g/molのMn、1.04のPDIを有していた。ポリマーは、検出可能なエーテル結合を含有せず、98%を超える−OH末端基を含有した。
こうして得たポリカーボネートポリオール組成物は、主に3種類のポリマー鎖からなる:コハク酸による開始から生じた鎖P1a、トリフルオロアセテート(L)による開始から生じた鎖P2aおよびPPN共触媒上のクロリド対イオンから生じた鎖P

(式中、各pは、平均して約68である)。
この特定の組成物において、P1aとP2aとPの比率は、約50:1:1である。
(実施例11)
本実施例は、本発明の重合系を、連鎖移動剤Y−A−(Y)および触媒L−M−(Lと共に、共触媒PPN+Cl−を利用して、使用することを実証している
(式中、
nは1であり、
各−Yは−COHであり、
−A−は、

であり、
−Lは、salcy配位子
であり、
−M−はCo(III)であり、
−Lはトリフルオロアセテートである)。
オーブン乾燥したガラス容器に11.5mgの触媒E2(0.016mmol)、9.2mgのPPNCl(0.016mmol)、アジピン酸(0.12g、0.8mmol)および0.5mLのTHFを仕込んだ。次いでプロピレンオキシド(4.5mL、64mmol)を加えた。反応容器を300psigの乾性二酸化炭素ガスで加圧し、30℃で3時間撹拌した。この反応を酸でクエンチし、25mLのアセトンで希釈し、濃縮することによって、3.0gの粗ポリマーを産出した。このポリマーは、13,933g/molのMn、1.04のPDIを有していた。ポリマーは、検出可能なエーテル結合を含有せず、98%を超える−OH末端基を含有した。
こうして得たポリカーボネートポリオール組成物は、主に3種類のポリマー鎖からなる:アジピン酸による開始から生じた鎖P1a、トリフルオロアセテート(L)による開始から生じた鎖P2aおよびPPN共触媒上のクロリド対イオンから生じた鎖P

(式中、各pは、平均して約68である)。
この特定の組成物において、P1aとP2aとPの比率は、約50:1:1である。
(実施例12)
本実施例は、本発明の重合系を、連鎖移動剤Y−A−(Y)および触媒L−M−(Lと共に、共触媒PPN+Cl−を利用して、使用することを実証している
(式中、
nは1であり、
各−Yは−COHであり、
−A−は、

であり、
−Lは、salcy配位子

であり、
−M−はCo(III)であり、
−Lはトリフルオロアセテートである)。
オーブン乾燥したガラス容器に11.5mgの触媒E2(0.016mmol)、9.2mgのPPNCl(0.016mmol)、テレフタル酸(0.13g、0.8mmol)および0.5mLのTHFを仕込んだ。次いでプロピレンオキシド(4.5mL、64mmol)を加えた。反応容器を300psigの乾性二酸化炭素ガスで加圧し、30℃で3時間撹拌した。この反応を酸でクエンチし、25mLのアセトンで希釈し、濃縮することによって、1.52gの粗ポリマーを産出した。このポリマーは、13,621g/molのMn、1.35のPDIを有していた。ポリマーは、検出可能なエーテル結合を含有せず、98%を超える−OH末端基を含有した。
こうして得たポリカーボネートポリオール組成物は、主に3種類のポリマー鎖からなる:テレフタル酸による開始から生じた鎖P1a、トリフルオロアセテート(L)による開始から生じた鎖P2aおよびPPN共触媒上のクロリド対イオンから生じた鎖P

(式中、各pは、平均して約68である)。
この特定の組成物において、P1aとP2aとPの比率は、約50:1:1である。
(実施例13)
本実施例は、本発明の重合系を、連鎖移動剤Y−A−(Y)および触媒L−M−(Lと共に、共触媒PPN+Cl−を利用して、使用することを実証している
(式中、
nは1であり、
各−Yは−COHであり、
−A−は、

であり、
−Lは、salcy配位子

であり、
−M−はCo(III)であり、
−Lはトリフルオロアセテートである)。
オーブン乾燥したガラス容器に11.5mgの触媒E2(0.016mmol)、9.2mgのPPNCl(0.016mmol)、マレイン酸(0.095g、0.8mmol)および0.5mLのTHFを仕込んだ。次いでプロピレンオキシド(4.5mL、64mmol)を加えた。反応容器を300psigの乾性二酸化炭素ガスで加圧し、30℃で3時間撹拌した。この反応を酸でクエンチし、25mLのアセトンで希釈し、濃縮することによって、3.3gの粗ポリマーを産出した。このポリマーは、5919g/molのMn、1.03のPDIを有していた。ポリマーは、検出可能なエーテル結合を含有せず、98%を超える−OH末端基を含有した。
こうして得たポリカーボネートポリオール組成物は、主に3種類のポリマー鎖からなる:コハク酸による開始から生じた鎖P1a、トリフルオロアセテート(L)による開始から生じた鎖P2aおよびPPN共触媒上のクロリド対イオンから生じた鎖P

(式中、各pは、平均して約29である)。
この特定の組成物において、P1aとP2aとPの比率は、約50:1:1である。
(実施例14)
本実施例は、本発明の重合系を、連鎖移動剤Y−A−(Y)および触媒L−M−(Lと共に、共触媒PPN+Cl−を利用して、使用することを実証している
(式中、
nは1であり、
各−Yは−OHであり、
−A−は、

であり、
−Lは、salcy配位子

であり、
−M−はCo(III)であり、
−Lはトリフルオロアセテートである)。
オーブン乾燥したガラス容器に11.5mgの触媒E2(0.016mmol)および9.2mgのPPNCl(0.016mmol)を仕込んだ。容器を窒素でパージし、イソソルビド(0.12g、0.8mmol)を乾性THF(0.5mL)中溶液として加えた。次いでプロピレンオキシド(4.5mL、64mmol)を加えた。反応容器を300psigの乾性二酸化炭素ガスで加圧し、30℃で3時間撹拌した。この反応を酸でクエンチし、25mLのアセトンで希釈し、濃縮することによって、1.53gの粗ポリマーを産出した。このポリマーは、2342g/molのMn、1.05のPDIを有していた。ポリマーは、検出可能なエーテル結合を含有せず、98%を超える−OH末端基を含有した。
こうして得たポリカーボネートポリオール組成物は、主に3種類のポリマー鎖からなる:イソソルビドによる開始から生じた鎖P1a、トリフルオロアセテート(L)による開始から生じた鎖P2aおよびPPN共触媒上のクロリド対イオンから生じた鎖P

(式中、各pは、平均して約11である)。
この特定の組成物において、P1aとP2aとPの比率は、約50:1:1である。
(実施例14)
本実施例は、本発明の重合系を、連鎖移動剤Y−A−(Y)および触媒L−M−(Lと共に、共触媒PPN+Cl−を利用して、使用することを実証している
(式中、
nは1であり、
各−Yは−OHであり、
−A−は、

(式中、n’は、10〜30であり、平均MWは、600g/molである)
であり、
−Lは、salcy配位子

であり、
−M−はCo(III)であり、
−Lはトリフルオロアセテートである)。
オーブン乾燥したガラス容器に11.5mgの触媒E2(0.016mmol)、9.2mgのPPNCl(0.016mmol)、パラホルムアルデヒド(24mg、0.04mmol)および乾性THF(0.5mL)を仕込んだ。次いでプロピレンオキシド(4.5mL、64mmol)を加えた。反応容器を300psigの乾性二酸化炭素ガスで加圧し、30℃で3時間撹拌した。この反応を酸でクエンチし、25mLのアセトンで希釈し、濃縮することによって、1.0gの粗ポリマーを産出した。このポリマーは、13,262g/molのMn、1.18のPDIを有していた。
こうして得たポリカーボネートポリオール組成物は、主に3種類のポリマー鎖からなる:イソソルビドによる開始から生じた鎖P1a、トリフルオロアセテート(L)による開始から生じた鎖P2aおよびPPN共触媒上のクロリド対イオンから生じた鎖P

(式中、n’は、10〜30であり、各pは、平均して約60である)。
この特定の組成物において、P1aとP2aとPの比率は、約2:1:1である。
(実施例15)
本実施例は、本発明の重合系を、連鎖移動剤Y−A−(Y)および触媒L−M−(Lと共に使用することを実証している
(式中、
nは1であり、
各−Yは−OHであり、
−A−は、

(異性体の混合物)であり、
−Lは、

(式中、各Xは、トリフルオロアセテートである)
であり、
−M−はCo(III)であり、
−Lはトリフルオロアセテートである)。
グローブボックスの中で、触媒(5.4mg、1.0当量)を、オーブン乾燥した20mLガラスライナーに仕込んだ。このライナーをステンレススチール製高圧反応器に挿入した。システムを5回Nでパージし、COで2回パージした。COの正の流れの下で、ジプロピレングリコール(75μL)のプロピレンオキシド(5mL、25,000当量)中溶液を反応容器に仕込んだ。反応物を50Cに加熱し、次いで二酸化炭素(300psi)で加圧し、撹拌した。
6時間後、反応物を排出し、酸性メタノール(0.2mL)でクエンチした。この反応物を室温まで冷却し、生成したポリマーをアセトン(5mL)で希釈し、ホイルパンに移した。未反応のプロピレンオキシドおよびアセトンを蒸発により取り除くことによって、2.19gのオフホワイト色ポリマーを生成した(M=5,600、M/M=1.03)。
こうして得たポリカーボネートポリオール組成物は、主に2種類のポリマー鎖からなる:ジプロピレングリコールによる開始から生じた鎖Pおよびトリフルオロアセテート(LおよびXから)による開始から生じた鎖P

(式中、各pは平均して約27である)。
この特定の組成物において、PとPの比率は、約4:1である。
他の実施形態
前述されているものは、本発明のある非限定的な実施形態の記述である。したがって、本明細書中に記載された本発明の実施形態は、本発明の原理の応用を単に例示したものにすぎないことを理解されたい。例示された実施形態の詳細への本明細書中での参照は、特許請求の範囲を制限することを意図せず、請求項自体が、本発明に必要不可欠とみなされている特徴を列挙するものである。
本発明は、例えば以下の項目を提供する。
(項目1)
CO とエポキシドとの共重合のための重合系であって、
永久配位子セットおよび重合開始剤である少なくとも1つの配位子を含む金属錯体と、
エポキシドとCO との共重合を開始することが可能な複数の部位を有する連鎖移動剤とを含む重合系。
(項目2)
前記連鎖移動剤が、構造Y−A−(Y) n
(式中、各−Y基は、独立して、エポキシドCO コポリマーの鎖成長を開始することが可能な官能基であり、各Y基は、同じでも異なっていてもよく、
−A−は、共有結合または多価の部分であり、
nは、1〜10の間の整数(1と10を含む)である)を有する、項目1に記載の重合系。
(項目3)
各Y基が、独立して、−OH、−C(O)OH、−C(OR )OH、−OC(R )OH、−NHR 、−NHC(O)R 、−NHC=NR ;−NR C=NH;−NR C(NR )=NH;−NHC(NR )=NR ;−NHC(O)OR 、−NHC(O)NR ;−C(O)NHR 、−C(S)NHR 、−OC(O)NHR 、−OC(S)NHR 、−SH、−C(O)SH、−B(OR )OH、−P(O) (R (OR (O) H、−OP(O) (R (OR (O) H、−N(R )OH、−ON(R )H;=NOH、=NN(R )Hからなる群から選択され、R がそれぞれ、独立して、−Hであるか、またはC 1〜20 脂肪族、C 1〜20 ヘテロ脂肪族、3から12員の複素環および6から12員のアリールからなる群から選択される、場合によって置換されているラジカルであり、aおよびbが、それぞれ独立して0または1であり、cが、0、1または2であり、dが、0または1であり、a、b、およびcの和が、1または2であり、上記官能基のうちのいずれかに結合した酸性水素原子が、金属原子または有機カチオンで置き換えられてもよい、項目2に記載の重合系。
(項目4)
各Y基が、独立して、−OHおよび−C(O)OHからなる群から選択される、項目2に記載の重合系。
(項目5)
−A−が、C 2〜30 脂肪族、C 2〜30 ヘテロ脂肪族、6から12員のアリール、3から12員の複素環、5から12員のヘテロアリール、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリエーテル、ポリカーボネート、ポリオキシメチレンおよびこれらのうちの2つ以上の混合物からなる群から選択される、場合によって置換されているラジカルである、項目2に記載の重合系。
(項目6)
nが、1から4である、項目2に記載の重合系。
(項目7)
nが、1である、項目2に記載の重合系。
(項目8)
nが、2である、項目2に記載の重合系。
(項目9)
nが、3である、項目2に記載の重合系。
(項目10)
前記連鎖移動剤が、多価アルコールである、項目1に記載の重合系。
(項目11)
前記連鎖移動剤が、ジオールである、項目1に記載の重合系。
(項目12)
前記連鎖移動剤が、1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオール、2−ブチル−2−エチルプロパン−1,3−ジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、2,2,4,4−テトラメチルシクロブタン−1,3−ジオール、1,3−シクロペンタンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、および1,4−シクロヘキサンジエタノールからなる群から選択される、項目1に記載の重合系。
(項目13)
前記連鎖移動剤が、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、より高級のポリ(エチレングリコール)、好ましくは、220から約2000g/molの数平均分子量を有するもの、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコールおよびより高級のポリ(プロピレングリコール)、好ましくは、234から約2000g/molの数平均分子量を有するものからなる群から選択される、項目1に記載の重合系。
(項目14)
前記連鎖移動剤が、4,4’−(1−メチルエチリデン)ビス[シクロヘキサノール]、2,2’−メチレンビス[フェノール]、4,4’−メチレンビス[フェノール]、4,4’−(フェニルメチレン)ビス[フェノール]、4,4’−(ジフェニルメチレン)ビス[フェノール]、4,4’−(1,2−エタンジイル)ビス[フェノール]、4,4’−(1,2−シクロヘキサンジイル)ビス[フェノール]、4,4’−(1,3−シクロヘキサンジイル)ビス[フェノール]、4,4’−(1,4−シクロヘキサンジイル)ビス[フェノール]、4,4’−エチリデンビス[フェノール]、4,4’−(1−フェニルエチリデン)ビス[フェノール]、4,4’−プロピリデンビス[フェノール]、4,4’−シクロヘキシリデンビス[フェノール]、4,4’−(1−メチルエチリデン)ビス[フェノール]、4,4’−(1−メチルプロピリデン)ビス[フェノール]、4,4’−(1−エチルプロピリデン)ビス[フェノール]、4,4’−シクロヘキシリデンビス[フェノール]、4,4’−(2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン−3,9−ジイルジ−2、1−エタンジイル)ビス[フェノール]、1,2−ベンゼンジメタノール、1,3−ベンゼンジメタノール、1,4−ベンゼンジメタノール、4,4’−[1,3−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビス[フェノール]、4,4’−[1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビス[フェノール]、フェノールフタレイン、4,4’−(1−メチリデン)ビス[2−メチルフェノール]、4,4’−(1−メチルエチリデン)ビス[2−(1−メチルエチル)フェノール]、および2,2’−メチレンビス[4−メチル−6−(1−メチルエチル)フェノールからなる群から選択される、項目1に記載の重合系。
(項目15)
前記連鎖移動剤が、



からなる群から選択される、項目1に記載の重合系。
(項目16)
前記連鎖移動剤が、1,3プロパンジオール、1,4ブタンジオール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、およびイソソルビドからなる群から選択される、項目1に記載の重合系。
(項目17)
前記連鎖移動剤が、ヒドロキシ酸である、項目1に記載の重合系。
(項目18)
ヒドロキシ酸が、α−ヒドロキシ酸である、項目17に記載の重合系。
(項目19)
前記ヒドロキシ酸が、グリコール酸、DL乳酸、D乳酸、L乳酸、クエン酸およびマンデル酸からなる群から選択される、項目18に記載の重合系。
(項目20)
前記ヒドロキシ酸が、ベータ−ヒドロキシ酸である、項目17に記載の重合系。
(項目21)
前記ヒドロキシ酸が、3−ヒドロキシプロピオン酸、DL3−ヒドロキシ酪酸、D−3ヒドロキシ酪酸、L3−ヒドロキシ酪酸、DL−3−ヒドロキシ吉草酸、D−3−ヒドロキシ吉草酸、L−3−ヒドロキシ吉草酸、サリチル酸およびサリチル酸の誘導体からなる群から選択される、項目20に記載の重合系。
(項目22)
前記ヒドロキシ酸が、α−ωヒドロキシ酸である、項目17に記載の重合系。
(項目23)
前記ヒドロキシ酸が、場合によって置換されているC 3〜20 脂肪族α−ωヒドロキシ酸およびポリエステルオリゴマーエステルからなる群から選択される、項目17に記載の重合系。
(項目24)
前記ヒドロキシ酸が、

からなる群から選択される、項目17に記載の重合系。
(項目25)
前記連鎖移動剤が、ポリカルボン酸である、項目1に記載の重合系。
(項目26)
前記連鎖移動剤が、二酸である、項目1に記載の重合系。
(項目27)
前記連鎖移動剤が、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、コハク酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸およびアゼライン酸からなる群から選択される、項目26に記載の重合系。
(項目28)
前記連鎖移動剤が、

からなる群から選択される、項目1に記載の重合系。
(項目29)
前記金属錯体が、式L −M−(L (式中、L は永久配位子セットであり、Mは金属原子であり、L は重合開始剤である配位子であり、mは、存在する開始配位子の数を表す、0〜2の整数(0と2を含む)である)を有する、項目1に記載の重合系。
(項目30)
Mが、周期表3〜13族(3と13を含む)から選択される、項目29に記載の重合系。
(項目31)
Mが、周期表5〜12族(5と12を含む)から選択される、項目29に記載の重合系。
(項目32)
Mが、Cr、Mn、V、Fe、Co、Mo、W、Ru、Al、およびNiからなる群から選択される、項目29に記載の重合系。
(項目33)
Mが、Crである、項目29に記載の重合系。
(項目34)
Mが、Mnである、項目29に記載の重合系。
(項目35)
Mが、Coである、項目29に記載の重合系。
(項目36)
「L −M」が、

(式中、Qはそれぞれ、独立してOまたはSであり、
およびR 1’ は、独立して、−H、場合によって置換されているC からC 12 の脂肪族、場合によって置換されている3から14員の炭素環、場合によって置換されている3から14員の複素環およびR 21 からなる群から選択され、
およびR 2’ は、独立して、−H、場合によって置換されているC からC 12 の脂肪族、場合によって置換されている3から14員の炭素環、場合によって置換されている3から14員の複素環、R 14 、R 20 およびR 21 からなる群から選択され、
、およびR 3’ は、独立して、−H、場合によって置換されているC からC 12 の脂肪族、場合によって置換されている3から14員の炭素環、場合によって置換されている3から14員の複素環およびR 21 からなる群から選択され、
はそれぞれ、独立して、−H、場合によって置換されているC からC 12 の脂肪族、場合によって置換されている3から14員の炭素環、場合によって置換されている3から14員の複素環、R 20 およびR 21 からなる群から選択され、2つ以上のR 基は、介在する原子と一緒になって、1つまたは複数の場合によって置換されている環を形成してもよく、2つのR 基が同じ炭素原子に結合している場合、これらは、これらが結合している前記炭素原子と一緒になって、場合によって置換されている3から8員のスピロ環式環、カルボニル、オキシム、ヒドラゾンおよびイミンからなる群から選択される部分を形成してもよく、
はそれぞれ、独立して、場合によって置換されているC からC 12 の脂肪族、場合によって置換されている3から14員の炭素環、場合によって置換されている3から14員の複素環、R 20 およびR 21 からなる群から選択され、2つ以上のR 基は、介在する原子と一緒になって、1つまたは複数の場合によって置換されている環を形成してもよく、
は、共有結合で2個の窒素原子を結合している、場合によって置換されている部分を表し、
[R 2’ およびR 3’ ]、[R およびR ]、[R およびR ]ならびに[R1’およびR 2’ ]のいずれかは、場合によって、介在する原子と一緒になって、1つまたは複数の環を形成してもよく、この環は、R 14 、R 20 およびR 21 から選択される1つまたは複数の基で置換されていてもよく、
14 はそれぞれ、独立して、ハロゲン、場合によって置換されているC からC 12 の脂肪族、場合によって置換されている3から14員の炭素環、場合によって置換されている3から14員の複素環、−OR 10 ;−OC(O)R 13 ;−OC(O)OR 13 ;−OC(O)NR 11 12 ;−CN;−CNO;−C(R 13 (3−z) ;−C(O)R 13 ;−C(O)OR 13 ;−C(O)NR 11 12 ;−NR 11 12 ;−NR 11 C(O)R 13 ;−NR 11 C(O)OR 13 ;−NR 11 SO 13 ;−N 11 12 13 ;−P (R 11 −P(R 11 =N =P(R 11 ;−As 11 12 13 ;−NCO;−N ;−NO ;−S(O) 13 ;および−SO NR 11 12 からなる群から選択され、
20 はそれぞれ、独立して、ハロゲン;−OR 10 ;−OC(O)R 13 ;−OC(O)OR 13 ;−N (R 11 −P (R 11 −P(R 11 =N =P(R 11 ;−As 11 12 13 ;−OC(O)NR 11 12 ;−CN;−CNO;−C(O)R 13 ;−C(O)OR 13 ;−C(O)NR 11 12 ;−C(R 13 (3−z) ;−NR 11 12 ;−NR 11 C(O)R 13 ;−NR 11 C(O)OR 13 ;−NCO;−NR 11 SO 13 ;−S(O) 13 ;−S(O) NR 11 12 ;−NO ;−N ;および−Si(R 13 (3−z) [(CH 14 からなる群から選択され、
21 はそれぞれ、独立して、−(CH 20 、−(CH −Z−(CH 20 、−C(R 17 (3〜z) 、−(CH C(R 17 (3〜z) 、−(CH −Z−(CH C(R 17 (3〜z) 、−(CH −Z−R 16
からなる群から選択され、
は、任意のアニオンであり、
Zは、−(CH=CH) −;−(CH≡CH) −;−C(O)−;−C(=NOR 11 )−;−C(=NNR 11 12 )−;−O−;−OC(O)−;−C(O)O−;−OC(O)O−;−N(R 11 )−;−N(C(O)R 13 )−;−C(O)NR 13 −;−N(C(O)R 13 )O−;−NR 13 C(O)R 13 N−;−S(O) −;ポリエーテルおよびポリアミンからなる群から選択される、二価のリンカーであり、
10 はそれぞれ、独立して、−H、場合によって置換されているC 1〜12 脂肪族、場合によって置換されている3から14員の炭素環、場合によって置換されている3から14員の複素環、−S(O) 13 、−Si(R 15 、−C(O)R 13 およびヒドロキシル保護基からなる群から選択され、
11 およびR 12 はそれぞれ、独立して、−H、場合によって置換されているC からC 12 の脂肪族、場合によって置換されている3から14員の炭素環、場合によって置換されている3から14員の複素環からなる群から選択され、2つ以上のR 11 またはR 12 基は、場合によって、介在する原子と一緒になって、場合によって置換されている3から10員の環を形成することができ、
13 はそれぞれ、独立して、−H、場合によって置換されているC からC 12 の脂肪族、場合によって置換されている3から14員の炭素環および場合によって置換されている3から14員の複素環からなる群から選択され、同じ分子上の2つ以上のR 13 基は、場合によって、一緒になって、環を形成してもよく、
15 はそれぞれ、独立して、場合によって置換されているC 1〜12 脂肪族、場合によって置換されている3から14員の炭素環および場合によって置換されている3から14員の複素環からなる群から選択され、
aは、1、2、3または4であり、
kは、独立してそれぞれ、1から8の整数(1と8を含む)であり、
mは0または1から8の整数(1と8を含む)であり、
qは、0または1から5の整数(1と5を含む)であり、
xは、0、1または2であり、
zは、1、2または3である)からなる群から選択される式を有する、項目29に記載の重合系。
(項目37)
−Mが、

からなる群から選択される式を有する、項目36に記載の重合系。
(項目38)
−M−(L が、

(式中、
4a 、R 4a’ 、R 5a 、R 5a’ 、R 6a 、R 6a’ 、R 7a およびR 7a’ は、それぞれ独立して、水素、

の基、ハロゲン、−NO 、−CN、−SR 13 、−S(O)R 13 、−S(O) 13 、−NR 11 C(O)R 13 、−OC(O)R 13 、−CO 13 、−NCO、−N 、−OR 10 、−OC(O)NR 11 12 、−Si(R 13 、−NR 11 12 、−NR 11 C(O)R 13 および−NR 11 C(O)OR 13 であるか、またはC 1〜20 脂肪族、C 1〜20 ヘテロ脂肪族、6から10員のアリール、5から10員のヘテロアリールおよび3から7員の複素環からなる群から選択される、場合によって置換されているラジカルであり、[R 1a およびR 4a ]、[R 1a’ およびR 4A’ ]ならびに2つの任意の隣接するR 4a 、R 4a’ 、R 5a 、R 5a’ 、R 6a 、R 6a’ 、R 7a およびR 7a’ 基は、介在する原子と一緒になって、1つまたは複数のヘテロ原子を場合によって含有する、1つまたは複数の場合によって置換されている環を形成することができ、
nは、0または1から8の整数(1と8を含む)であり、
pは、0または1から4の整数(1と4を含む)であり、

の基は、C、O、N、SおよびSiからなる群から選択される、1つまたは複数の原子を含有する、共有結合のリンカー

を含み、「Z」は、エポキシドCO 共重合において共触媒活性を有する活性化官能基であり、pは、所与の

の基上に存在する個々の活性化官能基Zの数を表す1から4の整数である)
からなる群から選択される式を有する、項目29に記載の重合系。
(項目39)
1a 、R 1a’ 、R 4a 、R 4a’ 、R 6a およびR 6a’ が、それぞれ−Hである、項目38に記載の重合系。
(項目40)
5a 、R 5a’ 、R 7a およびR 7a’ が、それぞれ、場合によって置換されているC 〜C 12 脂肪族である、項目38に記載の重合系。
(項目41)
4a 、R 4a’ 、R 5a 、R 5a’ 、R 6a 、R 6a’ 、R 7a およびR 7a’ が、それぞれ独立して、−H、−SiR 、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、イソアミル、t−アミル、テキシルおよびトリチルからなる群から選択される、項目38に記載の重合系。
(項目42)
7a が、−H、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、イソアミル、t−アミル、テキシルおよびトリチルからなる群から選択される、項目38に記載の重合系。
(項目43)
1つまたは複数のR 5a 、R 5a’ 、R 7a およびR 7a’ が、
の基である、項目38に記載の重合系。
(項目44)
5a およびR 5a’ が、それぞれ、
の基である、項目38に記載の重合系。
(項目45)
5a が、
の基であり、R 5a’ が、C 1〜8 脂肪族である、項目38に記載の重合系。
(項目46)
−M−(L が、
からなる群から選択される式を有する、項目38に記載の重合系。
(項目47)
−M−がコバルトである、項目46に記載の重合系。
(項目48)
前記開始配位子(L )が任意のアニオンである、項目29に記載の重合系。
(項目49)
前記開始配位子(L )が、アジド、ハライド、アルキルスルホネート、カルボキシレート、アルコキシドおよびフェノレートからなる群から選択される、項目29に記載の重合系。
(項目50)
前記開始配位子(L )が、−OR 、−SR 、−OC(O)R 、−OC(O)OR 、−OC(O)N(R 、−NR C(O)R 、−CN、ハロ(例えば、−Br、−I、−Cl)、−N および−OSO (式中、各R は、独立して、水素、場合によって置換されている脂肪族、場合によって置換されているヘテロ脂肪族、場合によって置換されているアリールおよび場合によって置換されているヘテロアリールから選択され、2つのRx基は、一緒になって、1つまたは複数の追加のヘテロ原子を場合によって含有する、場合によって置換されている環を形成することができる)からなる群から選択される、項目29に記載の重合系。
(項目51)
前記開始配位子(L )が、−OC(O)R (式中、R は、場合によって置換されている脂肪族、フッ化脂肪族、場合によって置換されているヘテロ脂肪族、場合によって置換されているアリール、フッ化アリール、および場合によって置換されているヘテロアリールから選択される)である、項目29に記載の重合系。
(項目52)
前記開始配位子(L )が、式−Q’−A’(Z’) (式中、
−Q’−は、カルボキシまたはアルコキシ基であり、
−A’−は、多価の部分であり、
各Z’は、独立して、ポリマー鎖を開始することができる官能基であり、
nは、1および10の間の整数(1と10を含む)である)の化合物を含む、項目29に記載の重合系。
(項目53)
重合開始剤である前記配位子および前記連鎖移動剤が、同じ化合物または同じ分子のイオン形態である、項目1に記載の重合系。
(項目54)
前記連鎖移動剤が、前記金属錯体に対して、少なくとも10:1のモル比で存在する、項目1に記載の重合系。
(項目55)
前記連鎖移動剤が、前記金属錯体に対して、約10:1および約1000:1の間のモル比で存在する、項目1に記載の重合系。
(項目56)
前記連鎖移動剤が、前記金属錯体に対して、約1:50および約1:500の間のモル比で存在する、項目1に記載の重合系。
(項目57)
前記連鎖移動剤が、前記金属錯体に対して、約1:50および約1:250の間のモル比で存在する、項目1に記載の重合系。
(項目58)
前記連鎖移動剤が、前記金属錯体に対して、約1:20および約1:100の間のモル比で存在する、項目1に記載の重合系。
(項目59)
前記連鎖移動剤が、前記金属錯体に対して、約1:100および約1:250の間のモル比で存在する、項目1に記載の重合系。
(項目60)
共触媒をさらに含む、項目1に記載の重合系。
(項目61)
前記共触媒が、アミン、グアニジン、アミジン、ホスフィン、窒素含有複素環、アンモニウム塩、ホスホニウム塩、アルソニウム塩、ビスホスフィンアンモニウム塩およびこれらのうちの任意の2つ以上の組合せからなる群から選択される、項目60に記載の重合系。
(項目62)
前記共触媒が、「オニウム」塩を含む、項目60に記載の重合系。
(項目63)
前記「オニウム」塩が、多官能性重合開始剤である対イオンを含む、項目62に記載の重合系。
(項目64)
多官能性重合開始剤である前記対イオンおよび前記連鎖移動剤が、同じ化合物または同じ化合物のイオン形態である、項目63に記載の重合系。
(項目65)
多官能性重合開始剤である前記対イオン、および前記連鎖移動剤、および重合開始剤である前記配位子が、同じ化合物または同じ化合物のイオン形態である、項目63に記載の重合系。
(項目66)
前記共触媒が、前記金属錯体に対して、約0.1:1から約10:1のモル比で存在する、項目60に記載の重合系。
(項目67)
前記共触媒が、前記金属錯体に対して、約0.5:1から約5:1のモル比で存在する、項目60に記載の重合系。
(項目68)
前記共触媒が、前記金属錯体に対して、約1:1から約4:1のモル比で存在する、項目60に記載の重合系。
(項目69)
前記共触媒が、前記金属錯体に対して、約1:1のモル比で存在する、項目60に記載の重合系。
(項目70)
前記共触媒が、前記金属錯体に対して、約2:1のモル比で存在する、項目60に記載の重合系。
(項目71)
高いパーセンテージの−OH末端基を有する、脂肪族ポリカーボネートポリオールを合成するための方法であって、
a)二酸化炭素の存在下で、1つまたは複数のエポキシドを含む反応混合物を、項目1から70のいずれかに記載の重合系に接触させるステップと、
b)所望の分子量の脂肪族ポリカーボネートポリオールが形成されるまで、重合反応を進行させるステップと、
c)重合を終了させるステップと
を含む方法。
(項目72)
前記反応混合物中の少なくとも50%のエポキシドが脂肪族ポリカーボネートポリオールへと変換される、項目71に記載の方法。
(項目73)
連鎖移動剤の金属錯体に対するモル比が、約10:1と1,000:1の間である、項目71に記載の方法。
(項目74)
連鎖移動剤の金属錯体に対するモル比が、約40:1と400:1の間である、項目71に記載の方法。
(項目75)
形成された前記ポリカーボネートポリオールの末端基の少なくとも90%が、OH基である、項目71に記載の方法。
(項目76)
形成された前記ポリカーボネートポリオールの末端基の少なくとも95%が、OH基である、項目71に記載の方法。
(項目77)
形成された前記ポリカーボネートポリオールの末端基の少なくとも97%が、OH基である、項目71に記載の方法。
(項目78)
形成された前記ポリカーボネートポリオールの末端基の少なくとも98%が、OH基である、項目71に記載の方法。
(項目79)
形成された前記ポリカーボネートポリオールの末端基の少なくとも99%が、OH基である、項目71に記載の方法。
(項目80)
形成された前記ポリカーボネートポリオールのPDIが、1.6未満である、項目71に記載の方法。
(項目81)
形成された前記ポリカーボネートポリオールのPDIが、1.2未満である、項目71に記載の方法。
(項目82)
前記金属錯体により形成された結合の80%超が、カーボネート結合である、項目71に記載の方法。
(項目83)
前記金属錯体により形成された結合の90%超が、カーボネート結合である、項目71に記載の方法。
(項目84)
前記金属錯体により形成された結合の95%超がカーボネート結合である、項目71に記載の方法。
(項目85)
前記ポリカーボネートポリオールが、約300g/molと約20,000g/molの間の平均分子量数を有する、項目71に記載の方法。
(項目86)
前記エポキシドが、プロピレンオキシドを含む、項目71に記載の方法。
(項目87)
前記ポリカーボネートポリオールの頭−尾比率が、80%を超える、項目86に記載の方法。
(項目88)
前記ポリカーボネートポリオールの頭−尾比率が、90%を超える、項目86に記載の方法。
(項目89)
前記ポリカーボネートポリオールの頭−尾比率が、95%を超える、項目86に記載の方法。
(項目90)
約5%未満の環状カーボネートが形成される、項目71に記載の方法。
(項目91)
前記連鎖移動剤が、水、多価アルコール、ポリ酸、ヒドロキシ酸、第一級アミン、ポリアミン、アミノアルコール、アミノ酸、アルデヒド水和物、ケトン水和物、ホルムアルデヒド、多価チオール、ヒドロキシチオール、アミノチオールおよびメルカプト酸、ボロン酸、ならびにこれらのうちの任意の2つ以上の混合物からなる群から選択される、項目71に記載の方法。
(項目92)
前記連鎖移動剤が、水、多価アルコール、ポリ酸およびヒドロキシ酸、ならびにこれらのうちの任意の2つ以上の混合物からなる群から選択される、項目71に記載の方法。
(項目93)
前記重合に使用される連鎖移動剤の金属錯体に対するモル比を計算するステップをさらに含む方法であって、前記計算が、i)前記重合反応が実行される所望の時間の長さを選択するサブステップと、ii)前記重合反応を実行する前記選択された時間の長さに、前記反応条件下での前記金属錯体のターンオーバー頻度を掛けるサブステップと、iii)この結果に、エポキシドの所望のモル変換率%を掛けるサブステップと、iv)この結果の逆数を、前記反応に使用する、金属錯体のエポキシドに対する比率として用いるサブステップとを含む、項目71に記載の方法。
(項目94)
前記重合に使用される重合金属錯体に対する連鎖移動剤の比率を計算するステップをさらに含む方法であって、計算が、v)ステップ(iii)からの値を用いて、この結果に、前記ポリカーボネートの繰返し単位の分子量を掛けるサブステップと、vi)前記ポリオールに対して所望の分子量を選択し、ステップ(v)からの前記結果をこの数で割るサブステップと、vii)1つの金属錯体分子につき生成される鎖の数を、ステップ(vi)の前記結果から引き、前記結果を、連鎖移動剤のステップ(a)で使用した金属錯体に対する比率として用いるサブステップとを含む、項目93に記載の方法。
(項目95)
前記反応混合物中に存在する水の量を測定するステップと、前記水の測定の結果から決定した量だけ、前記反応混合物に加える連鎖移動剤の量を減少させるステップとをさらに含む、項目71に記載の方法。
(項目96)
ステップ(b)の前に前記反応混合物を乾燥させるステップをさらに含む、項目71に記載の方法。
(項目97)
前記反応混合物中に形成された前記ポリマーの分子量を2つ以上の時点で測定するステップと、所望の分子量のポリマーが形成される時間を推定するステップと、前記推定された時点で前記重合反応を終了させるステップとをさらに含む、項目71に記載の方法。
(項目98)
前記ポリマーの分子量が、ゲル浸透クロマトグラフィーで決定される、項目97に記載の方法。
(項目99)
CO とエポキシドとの共重合のための触媒であって、前記触媒は、
a)複数のポリマー開始部位を有する重合開始剤である、少なくとも1つの配位子と、b)重合開始剤ではない少なくとも1つの配位子と
を有する、金属配位化合物を含む、触媒。
(項目100)
エポキシドCO コポリマーを含むポリカーボネートポリオール組成物であって、前記コポリマーが、
約400と約20,000の間のMnを有し、
90%を超えるカーボネート結合を有し、
少なくとも90%の末端基がヒドロキシル基である
ことを特徴とする組成物。
(項目101)
92%を超えるカーボネート結合を含む、項目100に記載のポリカーボネートポリオール組成物。
(項目102)
95%を超えるカーボネート結合を含む、項目100に記載のポリカーボネートポリオール組成物。
(項目103)
97%を超えるカーボネート結合を含む、項目100に記載のポリカーボネートポリオール組成物。
(項目104)
99%を超えるカーボネート結合を含む、項目100に記載のポリカーボネートポリオール組成物。
(項目105)
約500と約5,000g/molの間のMnを有する、項目100に記載のポリカーボネートポリオール組成物。
(項目106)
約800と約4,000g/molの間のMnを有する、項目100に記載のポリカーボネートポリオール組成物。
(項目107)
約1,000と約3,000g/molの間のMnを有する、項目100に記載のポリカーボネートポリオール組成物。
(項目108)
約1,000g/molのMnを有する、項目100に記載のポリカーボネートポリオール組成物。
(項目109)
約2,000g/molのMnを有する、項目100に記載のポリカーボネートポリオール組成物。
(項目110)
約1,000g/molのMnを有する、項目100に記載のポリカーボネートポリオール組成物。
(項目111)
約2,000g/molのMnを有する、項目100に記載のポリカーボネートポリオール組成物。
(項目112)
約4,000g/molのMnを有する、項目100に記載のポリカーボネートポリオール組成物。
(項目113)
約8,000g/molのMnを有する、項目100に記載のポリカーボネートポリオール組成物。
(項目114)
式T−Y−A−(Y−T) (式中、
各−Tは、

(式中、
Eは、場合によって置換されている、エポキシド由来のC 単位であり、Eは、1種類のエポキシド由来の、または2つ以上の種類のエポキシドの混合物由来のモノマー単位を表してもよく、
pは、約5から約10,000の範囲である)、
からなる群から独立して選択される式を有するポリカーボネート鎖であり、
各−Y基は、独立して、エポキシドCO コポリマーの鎖成長を開始することが可能な官能基であり、 各Y基は、同じでも異なっていてもよく、
−A−は、共有結合または多価の部分であり、
nは、1と10の間の整数(1と10を含む)である)
を有する、P と表されたポリマー鎖を含む、項目100に記載のポリカーボネートポリオール組成物。
(項目115)

(式中、
Xは、1つだけのポリマー鎖を開始することが可能なアニオンの結合型である)
からなる群から選択される式を有する、P と表されたポリマー鎖をさらに含む、項目114に記載のポリカーボネートポリオール組成物。
(項目116)
ポリマー鎖のP ポリマー鎖に対する比率が、9:1を超える、項目115に記載のポリカーボネートポリオール組成物。
(項目117)
ポリマー鎖のP ポリマー鎖に対する比率が、20:1を超える、項目115に記載のポリカーボネートポリオール組成物。
(項目118)
ポリマー鎖のP ポリマー鎖に対する比率が、40:1を超える、項目115に記載のポリカーボネートポリオール組成物。
(項目119)
ポリマー鎖のP ポリマー鎖に対する比率が、100:1を超える、項目115に記載のポリカーボネートポリオール組成物。
(項目120)
式:

を有する、P 1a と表されたポリマー鎖をさらに含む、項目114から119のいずれかに記載のポリカーボネートポリオール組成物。
(項目121)
ポリマー鎖の、P 1a ポリマー鎖に対する比率が、20:1を超える、項目120のいずれかに記載のポリカーボネートポリオール組成物。
(項目122)
各Eが、

(式中、R 21 、R 22 、R 23 およびR 24 は、それぞれ独立して、−H、ならびにC 1〜30 脂肪族、C 6〜14 アリール、3から12員の複素環および5から12員のヘテロアリールから選択される、場合によって置換されている基からなる群から選択され、R 21 、R 22 、R 23 およびR 24 のうちの任意の2つ以上が、介在する原子と一緒になって、1つまたは複数のヘテロ原子を場合によって含有する、1つまたは複数の場合によって置換されている3から12員の環を形成することができる)である、項目114から119のいずれかに記載のポリカーボネートポリオール組成物。
(項目123)
−E−が、

およびこれらのうちの任意の2つ以上の混合物からなる群から選択される、項目122に記載のポリカーボネートポリオール組成物。
(項目124)
−E−が、エチレンオキシド由来の−CH CH −単位を主に含む、項目122に記載のポリカーボネートポリオール組成物。
(項目125)
−E−が、エチレンオキシド由来の単位を、他のエポキシド由来のより複雑な−E−基の量と組合せて含む、項目122に記載のポリカーボネートポリオール組成物。
(項目126)
−E−が、プロピレンオキシド由来の−CH CH(CH )−基を含む、項目122に記載のポリカーボネートポリオール組成物。
(項目127)
−E−が、プロピレンオキシド由来の単位を、−E−基由来のエチレンオキシドと組み合せて含む、項目122に記載のポリカーボネートポリオール組成物。
(項目128)
−E−が、プロピレンオキシド由来の単位を、他のエポキシド由来のより複雑な−E−基のより少ない量と組み合せて含む、項目122に記載のポリカーボネートポリオール組成物。
(項目129)
−E−が、プロピレンオキシド由来の単位を、グリシジルエステル由来の単位と組み合せて含む、項目122に記載のポリカーボネートポリオール組成物。
(項目130)
−E−が、プロピレンオキシド由来の単位を、グリシジルエーテル由来の単位と組み合せて含む、項目122に記載のポリカーボネートポリオール組成物。
(項目131)
−E−が、プロピレンオキシド由来の単位を、C 6〜30 アルファオレフィンのエポキシド由来の単位と組み合せて含む、項目122に記載のポリカーボネートポリオール組成物。
(項目132)
型の鎖が、式:

を有する、項目114に記載のポリカーボネートポリオール組成物。
(項目133)
型の鎖が、式:
を有する、項目114に記載のポリカーボネートポリオール組成物。
(項目134)
型の鎖が、式:
を有する、項目114に記載のポリカーボネートポリオール組成物。
(項目135)
型の鎖が、式:
(式中、各zは、独立して0または1である)
を有する、項目114に記載のポリカーボネートポリオール組成物。
(項目136)
−A−が、ポリオレフィン、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリカーボネートポリエーテルおよびポリオキシメチレンからなる群から選択されるポリマー鎖またはオリゴマーを含む、項目114に記載のポリカーボネートポリオール組成物。
(項目137)
−A−が、糖アルコール、炭水化物、単糖、多糖、デンプン、デンプン誘導体、リグニン、リグナン、部分的に加水分解したトリグリセリド、およびこれらの物質のうちの任意の誘導体からなる群から選択される化合物由来の骨格を含む、項目114に記載のポリカーボネートポリオール組成物。
(項目138)
1つまたは複数のイソシアネートと、項目100から119のいずれかに記載の1つまたは複数の脂肪族ポリカーボネートポリオールとの反応により形成されるポリウレタン組成物。
(項目139)
項目100から119のいずれか一項に記載のポリカーボネートポリオール組成物を含む製造品。
(項目140)
項目138に記載のポリウレタン組成物を含む製造品。

Claims (1)

  1. 明細書に記載の発明
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