JP2012132027A - 難燃性ポリアミド樹脂組成物および成形品 - Google Patents

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Abstract

【課題】難燃性、機械的特性および電気的特性に総合的に優れた、電気・電子分野部品や車両電装部品に好適な、難燃性ポリアミド樹脂組成物およびそれからなる成形品を提供すること。
【解決手段】(A)ポリアミド樹脂、(B)リン系難燃剤、および(C)長手方向の中央部がくびれた形状であるまゆ形断面を有するガラス繊維と結晶核剤を含有してなる難燃性ポリアミド樹脂組成物であって、該組成物中の含有量が、それぞれ、(A)ポリアミド樹脂が15〜78重量%、(B)リン系難燃剤が2〜20重量%、(C)長手方向の中央部がくびれた形状であるまゆ形断面を有するガラス繊維が20〜65重量%である難燃性ポリアミド樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、ガラス繊維強化難燃性ポリアミド樹脂組成物およびそれからなる成形品に関する。特に、電気・電子分野のコネクター、ブレーカー、マグネットスイッチ等の各種部品や、自動車分野の電装部品等の材料に適した難燃性ポリアミド樹脂組成物に関する。とりわけ、本発明は、特にガラス繊維を高濃度で配合した場合においても、難燃性、機械的特性および電気的特性に総合的に優れ、さらに、燃焼時に腐食性の高いハロゲン化水素ガスの発生がなく成形加工性に優れる、ガラス繊維強化難燃性ポリアミド樹脂組成物に関する。
従来、ポリアミド樹脂は、機械的強度、耐熱性などに優れることから、自動車部品、機械部品、電気・電子部品等の分野で使用されている。特に、電気・電子部品用途において、難燃性に対する要求レベルがますます高くなり、本来ポリアミド樹脂の有する自己消火性よりもさらに高度な難燃性が要求されている。このため、難燃レベルの高度化検討、具体的には、アンダーライターズ・ラボラトリーのUL94規格V−0レベルに適合する材料の検討が数多くなされてきており、特にガラス繊維を高濃度で配合した組成物に対しても、時代の趨勢として、非ハロゲンタイプ難燃剤を使用した開発の要望が強くなってきている。また、これらの用途においては、欧州IEC規格に代表される耐トラッキング性に対する要求もますます高くなっている。
特許文献1では、シアヌル酸メラミンおよび/またはその誘導体と無機充填剤からなる、機械的物性、熱的物性、難燃性の良好なポリアミド樹脂組成物が開示されている。しかし、その難燃性はUL94規格V−2レベルであり、より高度な難燃性、具体的には、V−1レベル以上の樹脂組成物は開示されていない。
特許文献2は、第1の成分として、特定構造で表されるホスフィン酸塩および/または特定構造で表されるジホスフィン酸塩および/またはこれらのポリマーを含む成分と、第2の成分として、メラミンの縮合生成物および/またはメラミンとリン酸との反応生成物および/またはメラミンの縮合生成物とリン酸との反応生成物および/またはこれらの混合物を含む難燃剤コンビネーションに関する発明であり、熱可塑性ポリマーを難燃化するために該難燃剤コンビネーションを使用する方法が記載されている。実施例においては、ガラス繊維30%含有強化ポリアミド樹脂に、ホスフィン酸塩(第1の成分)とメラミンポリホスフェート(第2の成分)からなる難燃剤コンビネーションを配合した、難燃性UL94規格V−0レベル(厚み1/16インチ)を満足するポリアミド樹脂組成物が例示されている。
しかし、実施例で例示されているポリアミド樹脂組成物は、難燃性に関するデータのみであり、機械的特性、電気的特性等の他の特性については述べられていない。
また、特許文献3においては、特許文献2に記載の難燃剤コンビネーション(第1の成分と第2の成分をそれぞれ1〜30重量%)と、5〜40重量%の無機充填材(ガラス繊維、ウォラストナイト、タルク、焼成カオリン、マイカ等)を配合した難燃ポリアミド樹脂組成物が開示されており、実施例においては、ガラス繊維を20重量%および30重量%含有したポリアミド樹脂組成物が、優れた難燃性および耐トラッキング性を発揮できることが記載されているが、該樹脂組成物は、難燃剤の配合により機械的強度が低下する場合がある。また、ガラス繊維の断面形状についての記述はない。
また、特許文献4には、(a)芳香族ポリアミド樹脂100重量部に、(b)架橋ホスファゼン化合物0.1〜100重量部、(c)無機繊維状物質1〜60重量部および(d)水酸化マグネシウム1〜60重量部を配合してなる難燃性芳香族ポリアミド樹脂組成物が開示されている。該特許文献4の請求項1では、(c)無機繊維状物質の配合量が(a)芳香族ポリアミド樹脂100重量部に対し1〜60重量部と規定されているが、その実施例においては、(c)成分の配合量は7重量部程度であり、高濃度で配合した場合の例は具体的に記載されていない。
さらには、(c)成分としてガラス繊維を使用した例の記載もない。また、実施例には、難燃性に関するデータは示されているものの、機械的強度に関するデータは示されておらず、該特許文献4に記載の技術を用いて製造した樹脂組成物は機械的強度が低下する場合があり、該技術を用いても、難燃性と機械的強度の両立は難しい。
特許文献5では、強化繊維の代表であるガラス繊維の断面形状を扁平なものとすることにより、円形断面のガラス繊維に比べ比表面積が増大しマトリックス樹脂組成物との接着効果が増大し、また、成形体中の繊維長を長くすること(平均繊維長は、円形断面形状の場合0.47mmに対し、まゆ型断面形状では0.57mm)によって、機械的強度が改善することが示されている。しかし、特許文献5では、PBT樹脂、AS樹脂、ABS樹脂に対して適用した例のみが例示されているだけであり、これらの樹脂組成物は、円形断面ガラス繊維に比べ、引張強度、表面平滑性の向上や反りの防止には効果はあるものの、衝撃強度に関しては、特に熱可塑性樹脂としてポリアミド樹脂を用いた場合は、円形断面のガラス繊維を用いた場合と同程度であり、実成形品としての耐衝撃性は不十分である。また、難燃剤を配合した場合の具体的な例示もなく、ガラス繊維の断面形状と難燃性との関係についての記述はない。
特許文献6には、(A)結晶性熱可塑性ポリエステル樹脂、(B)長さ方向に直角の断面の長径(断面の最長の直線距離)と短径(長径と直角方向の最長の直線距離)の比が1.5〜5の間にある扁平な断面形状を有するガラス繊維1〜60重量%(組成物中)、(C)ハロゲン含有有機難燃剤0.5〜25重量%(組成物中)、(D)無機系難燃助剤0.1〜20重量%(組成物中)からなる難燃性ポリエステル樹脂組成物が開示されている。しかし、該技術においては(C)ハロゲン含有有機難燃剤を使用しており、難燃剤配合により耐衝撃性等の機械的強度が低下したり、燃焼時にハロゲン化水素ガスが発生したりする場合があり、金型汚染や、優れた外観の成形品が得られないという問題が残る。さらに、該特許文献6には、ガラス繊維の断面形状と難燃性との関係についての記述もない。
特開昭54−16565公報 特開2001−72978公報 特開2004−292755公報 特開2001−131409公報 特開昭62−268612公報 特公平7−21105公報
本発明は、上記のような状況に鑑みなされたものであり、その目的は、難燃性と機械的特性および電気的特性に総合的に優れ、燃焼時に腐食性の高いハロゲン化水素ガスの発生がなく成形加工性に優れた難燃性ポリアミド樹脂組成物およびそれからなる成形品を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を行った結果、断面が非円形であるガラス繊維を配合することにより、ポリアミド樹脂にガラス繊維を配合した場合、特に、樹脂組成物中の20重量%以上の高濃度で配合した場合に、難燃剤配合による機械的強度の低下を引き起こすことなく、かつ、UL94規格V−0レベルの高度な難燃性を達成することが可能になることを見出し、本発明に到達したものである。
即ち、本発明の要旨は、
(A)ポリアミド樹脂、(B)リン系難燃剤、および(C)非円形断面を有するガラス繊維を含有してなる難燃性ポリアミド樹脂組成物であって、該組成物中の含有量が、それぞれ、(A)ポリアミド樹脂が15〜78重量%、(B)リン系難燃剤が2〜20重量%、(C)非円形断面を有するガラス繊維が20〜65重量%である難燃性ポリアミド樹脂組成物にある。
本発明のポリアミド樹脂組成物は、燃焼時に腐食性の高いハロゲン化水素ガスの発生がなく、ガラス繊維を配合した場合、特に、ガラス繊維を高濃度で配合した場合に、難燃性、機械的特性および電気的特性に総合的に優れるため、電気・電子機器分野のコネクター、ブレーカー、マグネットスイッチ等の各種部品や、自動車等の車両分野の電装部品等の用途に好適である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で使用される(A)ポリアミド樹脂は、その分子中に酸アミド基(−CONH−)を有する、加熱溶融できるポリアミド重合体である。具体的には、ラクタムの重縮合物、ジアミン化合物とジカルボン酸化合物との重縮合物、ω−アミノカルボン酸の重縮合物等の各種ポリアミド樹脂、またはそれ等の共重合ポリアミド樹脂やブレンド物等である。
ポリアミド樹脂の重縮合の原料であるラクタムとしては、例えば、ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタム等が挙げられる。
ジアミン化合物としては、例えば、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、(2,2,4−または2,4,4−)トリメチルヘキサメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、メタキシリレンジアミン(MXDA)、パラキシリレンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、アミノエチルピペラジン等の脂肪族、脂環式、芳香族のジアミン等が挙げられる。
ジカルボン酸化合物としては、例えば、アジピン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2−クロロテレフタル酸、2−メチルテレフタル酸、5−メチルイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸等の脂肪族、脂環式、芳香族のジカルボン酸等が挙げられる。
ω−アミノカルボン酸としては、例えば、6−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、パラアミノメチル安息香酸等のアミノ酸が挙げられる。
これらの原料から重縮合されてなるポリアミド樹脂の具体例としては、ポリアミド4、ポリアミド6、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド46、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリヘキサメチレンテレフタラミド(ポリアミド6T)、ポリヘキサメチレンイソフタラミド(ポリアミド6I)、ポリメタキシリレンアジパミド(ポリアミドMXD6)、ポリメタキシリレンドデカミド、ポリアミド9T、ポリアミド9MT等が挙げられる。本発明においては、これらポリアミドホモポリマーもしくはコポリマーを、各々単独または混合物の形で用いることができる。
上述のようなポリアミド樹脂の中でも、成形性、耐熱性の観点から、ポリアミド6、ポリアミド66、またはα,ω−直鎖脂肪族二塩基酸とキシリレンジアミンとの重縮合で得られるキシリレンジアミン系ポリアミド樹脂(MXナイロン)がより好ましく使用される。これらの中でも、さらにMXナイロンが、耐熱性、難燃性の観点から好ましい。また、(a)ポリアミド樹脂が混合物である場合は、(a)ポリアミド樹脂中のMXナイロンの比率が50重量%以上であることが好ましく、80重量%以上であることがより好ましい。
MXナイロンは、ポリアミド66、ポリアミド6、ポリアミド46、ポリアミド9T等の脂肪族系ポリアミド樹脂に比べ結晶化速度がやや遅いため、MXナイロンを使用する場合は、成形サイクルを短縮するために、MXナイロンに脂肪族系ポリアミド樹脂を配合して用いることが好ましい。
上記成形サイクル短縮の目的で配合する場合に用いられる脂肪族系ポリアミド樹脂としては、ポリアミド66、ポリアミド6、ポリアミド46、ポリアミド9T等の結晶化速度の速いポリアミド樹脂や、ポリアミド66/6T、66/6T/6I等の高融点のポリアミド樹脂が挙げられ、経済性の観点からポリアミド66またはポリアミド6が好ましい。成形性および物性のバランスから、その脂肪族系ポリアミド樹脂の含有率は、全ポリアミド樹脂中の50重量%未満が好ましい。脂肪族系ポリアミド樹脂の含有率を50重量%未満にすることにより、耐熱性を良好に保つことができる。
MXナイロンの原料であるα,ω−直鎖脂肪族二塩基酸の中では、炭素数6〜20のα,ω−直鎖脂肪族二塩基酸、例えば、アジピン酸、セバシン酸、スベリン酸、ドデカン二酸、エイコジオン酸等が好適に使用できる。これらのα,ω−直鎖脂肪族二塩基酸の中でも、成形性、成形品性能等のバランスを考慮すると、アジピン酸が特に好適である。
MXナイロンのもうひとつの原料に使用するキシリレンジアミンとは、メタキシリレンジアミン、もしくはパラキシリレンジアミンとメタキシリレンジアミンとの混合キシリレンジアミンである。混合キシリレンジアミン中のメタキシリレンジアミンとパラキシリレンジアミンのモル比率(メタキシリレンジアミン/パラキシリレンジアミン)は55/45〜100/0が好ましく、70/30〜100/0がより好ましい。パラキシリレンジアミンのモル比率を45モル%未満とすることにより、ポリアミド樹脂の融点を低く保ち、MXナイロンの重合やMXナイロンを含む組成物の成形加工が容易になるため好ましい。特に、パラキシリレンジアミンの比率を10モル%以上とすることにより、ポリアミド樹脂の結晶化速度を速くすることができ、脂肪族系ポリアミド樹脂の含有量を減少することができるためさらに好ましい。
ポリアミド樹脂の数平均分子量は、好ましくは6,000〜40,000であり、より好ましくは10,000〜20,000である。当該分子量を6,000以上とすることにより、ポリアミド樹脂組成物の脆化を防ぐことができ、40,000以下とすることにより、ポリアミド樹脂組成物の成形時の流動性を良好とすることができ成形加工が容易となるため好ましい。
ポリアミド樹脂のアミノ末端濃度は、重合体分子量の観点から、好ましくは10〜140meq/kg、より好ましくは30〜100meq/kgである。また、ポリアミド樹脂の末端カルボキシル基濃度は、重合体分子量の観点から、好ましくは10〜140meq/kg、より好ましくは30〜100meq/kgである。
本発明で使用する(B)リン系難燃剤とは、リン原子を含有する難燃剤であり、例えば、(a)メラミンとリン酸との反応生成物、(b)(ジ)ホスフィン酸塩、(c)ホスファゼン化合物等を挙げることができる。これらの難燃剤は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
(a)メラミンとリン酸との反応生成物とは、メラミンまたはメラミンの縮合生成物と、リン酸、ピロリン酸、もしくはポリリン酸との実質的に等モルの反応生成物から得られるものを意味し、製法には特に制約はない。通常、リン酸メラミンを窒素雰囲気下、加熱縮合して得られるポリリン酸メラミン(化学式「(C366・HPO3n」(ここでnは縮合度を表す))を挙げることができる。
ここでリン酸メラミンを構成するリン酸としては、具体的にはオルトリン酸、亜リン酸、次亜リン酸、メタリン酸、ピロリン酸、三リン酸、四リン酸等が挙げられるが、特にオルトリン酸、ピロリン酸を用いたメラミンとの付加物を縮合したポリリン酸メラミンが難燃剤としての効果が高く、好ましい。特に耐熱性の点から、かかるポリリン酸メラミンの縮合度nは5以上が好ましい。
また、ポリリン酸メラミンはポリリン酸とメラミンの等モルの付加塩であっても良く、上記ポリリン酸とメラミンの全てが付加塩を形成しているものには限られず、これらの混合物であってもよい。すなわち、メラミンとの付加塩を形成するポリリン酸としては、いわゆる縮合リン酸と呼ばれる鎖状ポリリン酸、環状ポリメタリン酸を用いてもよい。これらポリリン酸の縮合度nには特に制約はなく通常3〜50であるが、得られるポリリン酸メラミン付加塩の耐熱性の点で、ここに用いるポリリン酸の縮合度nは5以上が好ましい。かかるポリリン酸メラミン付加塩は、メラミンとポリリン酸との混合物を例えば水スラリーとなし、よく混合して両者の反応生成物を微粒子状に形成させた後、このスラリーを濾過、洗浄、乾燥し、さらに必要であれば焼成し、得られた固形物を粉砕して得られる粉末である。
また、該ポリリン酸メラミンは、リン酸とメラミン縮合生成物の付加塩であってもよく、上記リン酸とメラミン縮合生成物の全てが付加塩を形成しているものには限られず、これらの混合物であってもよい。リン酸と付加塩を形成するメラミン縮合生成物としては、メレム、メラム、メロン等が挙げられる。
本発明においては、成形品の機械的強度や外観の点で、ポリリン酸メラミンの重量平均粒径が好ましくは100μm以下、より好ましくは50μm以下になるように粉砕した粉末を用いるのが好ましい。特に、0.5〜20μmの粉末を用いることにより、高い難燃性を発現するばかりでなく、成形品の強度が著しく向上するのでさらに好ましい。また、ポリリン酸メラミンは必ずしも完全に純粋である必要はなく、未反応のメラミン、メラミン縮合物、あるいはリン酸、ポリリン酸が多少残存していてもよい。さらに、ポリリン酸メラミン中のリン原子の含有量は8〜18重量%であるものが、成形加工時に成形金型に汚染性物質が付着する現象が少なく特に好ましい。
この(a)メラミンとリン酸との反応生成物の含有量は、本発明の組成物中の2〜12重量%であることが好ましく、3〜10重量%がより好ましい。(a)成分の含有量を2重量%以上とすることにより難燃性を十分に改良することができ、12重量%以下とすることにより、ガスの発生を低減でき、押出加工や成形加工時にトラブルの発生を回避できるので好ましい。
本発明に用いられる(b)(ジ)ホスフィン酸塩とは、下記式(I)で表されるホスフィン酸塩および/または下記式(II)で表されるジホスフィン酸塩であり、例えば、ホスフィン酸と金属炭酸塩、金属水酸化物または金属酸化物を用いて水性媒体中で製造されたものが挙げられる。該(ジ)ホスフィン酸塩は、本質的にモノマー性化合物であるが、反応条件に依存して、環境によっては縮合度が1〜3のポリマー性ホスフィン酸塩となる場合もある。
Figure 2012132027
Figure 2012132027
(一般式(I)および(II)において、R1およびR2は、それぞれ、線状もしくは分枝状の炭素数1〜6(「C1〜C6」と記載する。以下同様)のアルキル基および/またはC6〜C10のアリール基、R3は線状もしくは分枝状のC1〜C10のアルキレン基、C6〜C10のアリーレン基、C7〜C10のアルキルアリーレン基またはC7〜C10のアリールアルキレン基、MはCa、Mg、Alおよび/またはZn、mはMの価数を表し、2n=mxであり、nは1または3、xは1または2である。)
ここで、mまたはnが2以上の場合、それぞれの、R1〜R3は同一であっても良いし異なっていても良い。
ホスフィン酸としては、例えば、ジメチルホスフィン酸、エチルメチルホスフィン酸、ジエチルホスフィン酸、メチル−n−プロピルホスフィン酸、メタンジ(メチルホスフィン酸)、ベンゼン−1,4−ジ(メチルホスフィン酸)、メチルフェニルホスフィン酸及びジフェニルホスフィン酸等が挙げられる。また金属成分(M)としてはカルシウムイオン、マグネシウムイオン、アルミニウムイオンおよび/または亜鉛イオン等が挙げられる。
ホスフィン酸塩としては、ジメチルホスフィン酸カルシウム、ジメチルホスフィン酸マグネシウム、ジメチルホスフィン酸アルミニウム、ジメチルホスフィン酸亜鉛、エチルメチルホスフィン酸カルシウム、エチルメチルホスフィン酸マグネシウム、エチルメチルホスフィン酸アルミニウム、エチルメチルホスフィン酸亜鉛、ジエチルホスフィン酸カルシウム、ジエチルホスフィン酸マグネシウム、ジエチルホスフィン酸アルミニウム、ジエチルホスフィン酸亜鉛、メチル−n−プロピルホスフィン酸カルシウム、メチル−n−プロピルホスフィン酸マグネシウム、メチル−n−プロピルホスフィン酸アルミニウム、メチル−n−プロピルホスフィン酸亜鉛、メチルフェニルホスフィン酸カルシウム、メチルフェニルホスフィン酸マグネシウム、メチルフェニルホスフィン酸アルミニウム、メチルフェニルホスフィン酸亜鉛、ジフェニルホスフィン酸カルシウム、ジフェニルホスフィン酸マグネシウム、ジフェニルホスフィン酸アルミニウム、ジフェニルホスフィン酸亜鉛等が挙げられる。
ジホスフィン酸塩としては、メタンジ(メチルホスフィン酸)カルシウム、メタンジ(メチルホスフィン酸)マグネシウム、メタンジ(メチルホスフィン酸)アルミニウム、メタンジ(メチルホスフィン酸)亜鉛、ベンゼン−1,4−ジ(メチルホスフィン酸)カルシウム、ベンゼン−1,4−ジ(メチルホスフィン酸)マグネシウム、ベンゼン−1,4−ジ(メチルホスフィン酸)アルミニウム、ベンゼン−1,4−ジ(メチルホスフィン酸)亜鉛等が挙げられる。
これら、(ジ)ホスフィン酸塩の中でも、特に、難燃性、電気特性の観点から、エチルメチルホスフィン酸アルミニウム、ジエチルホスフィン酸アルミニウム、ジエチルホスフィン酸亜鉛が好ましい。
本発明においては、成形品の機械的強度や外観の点で、(ジ)ホスフィン酸塩の重量平均粒径が100μm以下、好ましくは80μm以下になるように粉砕した粉末を用いるのが好ましい。特に、0.5〜50μmの粉末を用いることにより、高い難燃性を発現するばかりでなく成形品の強度が著しく向上するのでより好ましい。さらに、(ジ)ホスフィン酸塩中のリン原子の割合は5〜40重量%のものが、成形加工時に成形金型に汚染物質が附着する現象が少なく特に好ましい。該(ジ)ホスフィン酸塩は難燃剤として作用するが、(a)メラミンとリン酸との反応生成物と併用することで、優れた難燃性と優れた電気特性を発現することができる。
この(b)(ジ)ホスフィン酸塩成分の含有量は、本発明の組成物中の3〜12重量%であることが好ましく、5〜10重量%がより好ましい。(b)成分の含有量を3重量%以上とすることにより、難燃性を十分に改良することができ、12重量%以下とすることにより、離型不良やモールドデポジットの発生を抑止し、成形加工が容易になるため好ましい。
本発明において用いられる(c)ホスファゼン化合物は分子中に−P=N−結合を有する有機化合物、好ましくは、下記一般式(III)で表される環状フェノキシホスファゼン、下記一般式(IV)で表される鎖状フェノキシホスファゼン、ならびに、下記一般式(III)および下記一般式(IV)からなる群より選択される少なくとも一種のフェノキシホスファゼンが、下記一般式(V)で表される架橋基によって架橋されてなる架橋フェノキシホスファゼン化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物である。(c)ホスファゼン化合物は難燃化効果が高く、特に後述の硼酸金属塩と併用することにより、少ない含有量でも優れた難燃性を発揮することができため、難燃剤の配合によって起こり得る機械的強度の低下やガスの発生を抑制しやすい傾向にあり好ましい。
Figure 2012132027
(一般式(III)において、mは3〜25の整数であり、Phはフェニル基を示す。)
Figure 2012132027
(一般式(IV)において、X1は−N=P(OPh)3基、または、−N=P(O)OPh基であり、Y1は−P(OPh)4基、または、−P(O)(OPh)2基であり、nは3〜10000の整数であり、Phはフェニル基を示す。)
Figure 2012132027
(一般式(V)において、Aは−C(CH32−、−SO2−、−S−、または−O−であり、qは0または1である。)
一般式(III)で表される環状フェノキシホスファゼン化合物としては、例えば、塩化アンモニウムと五塩化リンとを120〜130℃の温度で反応させて得られる環状および直鎖状のクロロホスファゼン混合物から、ヘキサクロロシクロトリホスファゼン、オクタクロロシクロテトラホスファゼン、デカクロロシクロペンタホスファゼン等の環状のクロルホスファゼンを取り出した後にフェノキシ基で置換して得られる、フェノキシシクロトリホスファゼン、オクタフェノキシシクロテトラホスファゼン、デカフェノキシシクロペンタホスファゼン等の化合物が挙げられる。また、該環状フェノキシホスファゼン化合物は、一般式(III)中のmが3〜8の整数である化合物が好ましい。
一般式(IV)で表される鎖状フェノキシホスファゼン化合物としては、例えば、上記の方法で得られるヘキサクロロシクロトリホスファゼンを220〜250℃の温度で開還重合し、得られた重合度3〜10000の直鎖状ジクロロホスファゼンをフェノキシ基で置換することにより得られる化合物が挙げられる。該直鎖状フェノキシホスファゼン化合物の、一般式(IV)中のnは、好ましくは3〜1000、より好ましくは3〜100、さらに好ましくは3〜25である。
架橋フェノキシホスファゼン化合物としては、例えば、4,4'−スルホニルジフェニレン(ビスフェノールS残基)の架橋構造を有する化合物、2,2−(4,4'−ジフェニレン)イソプロピリデン基の架橋構造を有する化合物、4,4'−オキシジフェニレン基の架橋構造を有する化合物、4,4'−チオジフェニレン基の架橋構造を有する化合物等の、4,4'−ジフェニレン基の架橋構造を有する化合物等が挙げられる。架橋フェノキシホスファゼン化合物中のフェニレン基の含有量は、一般式(III)で表される環状ホスファゼン化合物および/または一般式(IV)で表される鎖状フェノキシホスファゼン化合物中の全フェニル基およびフェニレン基数を基準として、通常50〜99.9%、好ましくは70〜90%である。また、該架橋フェノキシホスファゼン化合物は、その分子内にフリーの水酸基を有しない化合物であることが特に好ましい。
上記環状フェノキシホスファゼン化合物および鎖状フェノキシホスファゼン化合物は、例えば、H.R.Allcook著「Phosphorus−Nitrogen Compounds(Academic Press,(1972))」、J.E.Mark、H.R.Allcook、R.West著「Inorganic Polymers(Prentice−Hall International、Inc.(1992))」に記載されている方法によって合成することができる。
この(c)ホスファゼン化合物の含有量は、本発明の組成物中の1〜8重量%であることが好ましく、1.5〜6重量%がより好ましい。(b)成分の含有量を1重量%以上とすることにより、難燃性を十分に改良することができ、8重量%以下とすることにより、機械的強度を良好に保つことができるため好ましい。
本発明においては、(B)リン系難燃剤として、(a)メラミンとリン酸との反応生成物および(b)(ジ)ホスフィン酸塩を併用することが好ましく、両成分の合計含有量は本発明の組成物中の2〜12重量%であることが好ましく、3〜10重量%がさらに好ましい。また、両成分の含有重量比率は、(a)/(b)=40/60〜60/40であることが好ましい。このような含有重量比率とすることにより、難燃性、耐トラッキング性を効果的に改善でき、成形時のガスの発生が少なく好ましい。
本発明においては、成形時のガスやモールドデポジットの発生、難燃剤のブリードアウトを抑制するために、(B)リン系難燃剤との相溶性に優れた、ポリアミド樹脂以外の次のような熱可塑性樹脂を1種類以上配合することが好ましい。
ポリアミド樹脂以外の熱可塑性樹脂としては、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)等のオレフィン系樹脂、スチレン系重合体、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリフェニレンスルホン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、ノボラックフェノール樹脂、液晶樹脂が例示され、(B)リン系難燃剤、特に(c)ホスファゼン化合物との相溶性の観点から、スチレン系重合体、ポリカーボネート系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂が好ましく、ポリフェニレンエーテル系樹脂またはポリフェニレンエーテル系樹脂とスチレン系重合体の混合樹脂が特に好ましい。
ポリフェニレンエーテル系樹脂としては、例えば、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エ−テル、ポリ(2,6−ジエチル−1,4−フェニレン)エ−テル、ポリ(2,6−ジプロピル−1,4−フェニレン)エ−テル、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレン)エ−テル、ポリ(2−メチル−6−プロピル−1,4−フェニレン)エ−テル等が挙げられ、特に、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エ−テルが好ましい。
スチレン系重合体としては、例えば、一般用ポリスチレン(GPPS)、ゴム強化ポリスチレン(HIPS)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン共重合体(MBS樹脂)等のスチレン系樹脂の他、スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレン共重合体(SEPS)等のスチレン系エラストマーが挙げられ、好ましくはスチレン系エラストマーである。
ポリフェニレンエーテル系樹脂とスチレン系重合体を併用する場合は、両者の含有重量比率(ポリフェニレンエーテル系樹脂/スチレン系重合体)が99/1〜20/80であることが好ましく、97/3〜40/60がより好ましい。このような含有重量比率とすることにより、十分な難燃性を確保でき、成形時の流動性も良好であり、かつ難燃剤のブリードアウトを十分に抑制することができる。
これらの熱可塑性樹脂は、ポリアミド樹脂との相溶性を高めるために、例えば、マレイン酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸や、これらの酸無水物またはこれらの誘導体を用いて酸変性されていてもよい。この酸変性は、ポリアミド樹脂に混練する前に事前に行うことに限定されるものではなく、ポリアミド樹脂の混練時にこれらの変性剤を配合して変性してもよい。
これらのポリアミド樹脂以外の熱可塑性樹脂の含有量は、本発明の組成物中の0.5〜5重量%であることが好ましく、0.8〜3重量%がより好ましい(ただし、全成分の合計を100重量%とする)。含有量を0.5重量%以上とすることにより、モールドデポジットの発生や、難燃剤のブリードアウトを十分に抑制することができ、含有量を5重量%以下とすることにより、耐トラッキング特性の低下を抑制し、また生産性も向上させることができるので好ましい。
(B)リン系難燃剤の含有量は、本発明の組成物中の2〜20重量%であり、好ましくは2〜15重量%、さらに好ましくは2〜10重量%である。含有量を2重量%以上とすることにより、難燃性を優れたものとすることができ、20重量%以下とすることにより、機械的強度の低下を抑制し、離型不良や金型汚染等のトラブルの発生を回避することができる。
本発明の組成物には、本発明の目的を阻害しない範囲内で、(B)リン系難燃剤以外の難燃剤、例えば、トリアジン系、金属水和物系、シリコーン系等の難燃剤を配合することができる。これらの中で、好ましくはトリアジン系難燃剤であり、さらに好ましくはシアヌル酸メラミンである。
これら、その他の難燃剤成分の含有量は、添加する場合、本発明の組成物中の0.5〜10重量%であることが好ましく、0.5〜8重量%であることがより好ましい(ただし、全成分の合計を100重量%とする)。含有量を0.5重量%以上とすることにより十分な難燃性を発現することができ、10重量%以下とすることにより、成形時の樹脂の分解を抑制することができるため好ましい。もちろん、本発明の組成物において、その他の難燃剤を添加しなくてもよいことは言うまでもない。
また、本発明の組成物には、難燃性を高めるために難燃助剤を配合してもよい。好ましい難燃助剤としては、例えば、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、硫化亜鉛、酸化鉄、酸化硼素、硼酸金属塩等が挙げられ、これらの中でも、水酸化マグネシウム、硼酸金属塩が好ましく、特に硼酸亜鉛が好ましい。
本発明において、難燃助剤として使用してもよい硼酸金属塩とは、通常用いる処理条件下で安定的であり、揮発成分のないものが好ましい。硼酸金属塩としては硼酸のアルカリ金属塩(四硼酸ナトリウム、メタ硼酸カリウム等)あるいはアルカリ土類金属塩(硼酸カルシウム、オルト硼酸マグネシウム、オルト硼酸バリウム、硼酸亜鉛等)等が挙げられる。これらの中でも好ましくは、2ZnO・3B23・xH2O(x=3.3〜3.7)で示される水和硼酸亜鉛塩であり、好ましくは、2ZnO・3B23・3.5H2Oで示されるものであり、より好ましくは260℃またはそれより高い温度まで安定なものである。
本発明においては、成形品の機械的強度や成形品外観の点で、硼酸金属塩の重量平均粒径が、30μm以下のものが好ましく、20μm以下のものがより好ましい。特に、1〜20μmの粉末を用いることにより、機械的強度が安定するため好ましい。
硼酸金属塩の含有量は、本発明の組成物中の、例えば、6重量%以下であることが好ましい(ただし、全成分の合計を100重量%とする)。含有量を6重量%以下とすることにより、成形時の樹脂の分解を抑制することができる。難燃性と電気特性、機械的特性のバランスの点から、より好ましくは1〜6重量%、さらに好ましくは2〜5重量%である。また、該硼酸金属塩を上記範囲内で配合した場合は、(B)リン系難燃剤の含有量を削減して離型性を向上させることができるため好ましい。
本発明で用いられる(C)非円形断面を有するガラス繊維は、断面が従来一般的であった円形ではなく、非円形な形状であることを特徴としている。一般に、ガラス繊維のような繊維状の強化充填材を配合した樹脂組成物は、繊維状強化充填材を配合しない樹脂組成物に比べ、難燃性評価において燃焼時間が増大し、例えば、UL94規格のV−0レベルをクリアすることが困難になる。ところが、意外にも、ガラス繊維の断面形状が本発明の如く非円形である場合には、円形断面のガラス繊維を配合した場合に比べ、燃焼時間の増大を抑制することができるため、難燃剤の含有量も抑えることが可能になり、ガラス繊維強化ポリアミド樹脂組成物本来の機械的性質をほとんど犠牲にすることなく、目的の難燃性を達成できることが判明した。
ガラス繊維の断面形状が燃焼時間に影響を与える理由については定かでないが、その理由の一つとして、例えば、非円形断面形状のガラス繊維は、円形断面形状のガラス繊維に比べ比表面積が大きい、つまり、ガラス繊維とポリアミド樹脂成分との接触面積が大きいため、燃焼時にガラス繊維を介して熱が広く拡散しやすくなるためではないかと想像される。ガラス繊維の含有量が多い場合、具体的には、本発明の組成物中の20重量%以上、さらには30重量%以上の場合は、この熱の遮断効果が大きいため、非円形断面のガラス繊維を配合した場合に、UL94規格のV−0レベルの達成が容易となる。
かかる目的で使用する(C)非円形断面形状を有するガラス繊維とは、繊維の長さ方向に直角の断面において、その断面の外周長さが、同じ断面積の円形断面を有するガラス繊維断面の外周長さに対して1.05〜1.8倍である断面形状を有するガラス繊維であり、さらに好ましくは1.1〜1.6倍である。ここで円形断面に対する外周長の倍率は、例えば、正方形断面では1.13であり、正三角形断面では1.28、縦横比が4の長方形断面では1.41と計算される。具体的な断面形状としては、特許文献5(特開昭62−268612公報)の第1図の(イ)に示されているような長手方向の中央部がくびれた形状であるまゆ形、(ロ)に示されているような断面の重心に対して対称の位置に略平行である部分を有する形状である長円形、(ハ)に示されているような楕円形、または半円、円弧形、若しくは矩形であって、特に、まゆ形、長円形および楕円形に属するものが好ましい。上記外周長の倍率を1.05以上とすることにより、燃焼時間の短縮に対する効果を大きくすることができ、倍率を1.8以下とすることにより、非円形断面を有するガラス繊維の製造が容易になる。
(C)非円形断面を有するガラス繊維の断面積は、好ましくは2×10-5〜8×10-3mm2、より好ましくは8×10-5〜8×10-3mm2、さらに好ましくは8×10-5〜8×10-4mm2である。断面積を2×10-5mm2以上とすることにより、ガラス繊維の製造および成形に用いる樹脂組成物ペレット製造時の取り扱いが容易になるため好ましい。さらに、上記断面積範囲内のガラス繊維を用いた場合、ポリアミド樹脂との接触面積が大きくなり、十分な補強効果を得ることができる。
なお、ガラス繊維断面の外周長さ、断面積は、樹脂組成物の製造に用いるガラス繊維の断面を適当な倍率で顕微鏡観察し、得られた画像を画像解析ソフト、例えば、プラネトロン社製「Image−Pro Plus」等の画像解析ソフトを用い、1000〜2000本のガラス繊維について実寸を測定し、得られた値を数平均化することにより得ることができる。
(C)非円形断面を有するガラス繊維の長さは任意であり、成形品の機械的性質と変形との兼ね合いにより適宜選択できる。成形品の変形量を小さくする為には成形品中のガラス繊維の平均繊維長が短い方が好ましく、高い機械的強度を発揮するためには、平均繊維長は長い方が好ましい。成形品中の平均繊維長は要求される性能に応じて適宜調整することが可能であり、平均繊維長を調整する方法としては、例えば、樹脂組成物の製造に用いるガラス繊維の平均繊維長の選択、スクリュー構成、スクリューやシリンダー内壁の加工、ノズル径、金型構造等の成形機条件の選択、可塑化、計量、射出時等の成形条件の調整、成形材料への滑剤や可塑剤の添加等、種々の方法が挙げられる。成形品中のガラス繊維の平均繊維長は、通常は30〜2000μm、好ましくは50〜1000μm、より好ましくは100〜600μmである。平均繊維長を30μm以上とすることにより、ガラス繊維による補強効果がより効果的に発揮され、平均繊維長を2000μm以下とすることにより、成形品の反りや収縮による変形を少なくすることができ、ポリアミド樹脂との溶融混練や強化ポリアミド樹脂組成物の成形がより容易になる。該ガラス繊維は、例えば、長繊維タイプ(ロービング)や短繊維タイプ(チョップドストランド)等から選択して用いることができる。
成形品中の平均繊維長の測定は、例えば、600℃の電気炉内で樹脂組成物を2〜3時間灰化し、樹脂成分のみを燃焼させた後に残存するガラス繊維に対して行うことができる。灰化後残存するガラス繊維を破損しないようにピンセット等を用い中性表面活性剤水溶液中に広げ分散させ、分散水溶液を、ピペットを用いてスライドグラス上に移し、顕微鏡で20倍と40倍の倍率で観察し、得られた画像に対し、画像解析ソフト、例えば、プラネトロン社製「Image−Pro Plus」を用い、1000〜2000本のガラス繊維について測定を行う。得られた繊維長の数平均値を平均繊維長とした。
さらに、本発明で用いる(C)非円形断面を有するガラス繊維は、その取り扱い性およびポリアミド樹脂とガラス繊維の密着性の見地から、使用にあたって、必要ならば収束剤及び/または表面処理剤で処理されていることが好ましい。該集束剤および/または表面処理剤としては、例えば、エポキシ系化合物、イソシアネート系化合物、シラン系化合物、チタネート系化合物等、公知の集束剤、表面処理剤の使用が可能であり、その付着量は、ガラス繊維重量の10重量%以下が好ましく、0.05〜5重量%がより好ましい。付着量を10重量%以下とすることにより、必要十分な効果が得られ、経済的である。ガラス繊維はこれらの化合物により、あらかじめ表面処理または収束処理を施して用いてもよいし、本発明の樹脂組成物製造の際に、未処理のガラス繊維とは別に、上記処理剤を添加して表面処理することもできる。
かかる(C)非円形断面を有するガラス繊維は、例えば、溶融ガラスを吐出するために使用するブッシングとして、長円形、楕円形、矩形スリット状等の適当な孔形状を有するノズルを用いて紡糸することにより製造することができる。又、各種の断面形状(円形断面を含む)を有する近接して設けられた複数のノズルから溶融ガラスを紡出し、紡出された溶融フィラメントを互いに接合して単一のフィラメントとすることによっても製造できる。このような製造技術については、例えば特開平7−291649公報、特開2000−344541公報等において開示されている。
(C)非円形断面を有するガラス繊維の含有量は、本発明の組成物中の20〜65重量%であり、好ましくは30〜60重量%、より好ましくは35〜60重量%である。含有量を20重量%以上とすることにより、燃焼時間を効果的に短縮することができ、含有量を65重量%未満とすることにより、ポリアミド樹脂組成物の成形加工が容易になる。
また、本発明においては、本発明の組成物の特性を阻害しない範囲内で、上述の必須成分以外に、例えば、タルクなどの結晶核剤、ハロゲン化銅系(例えば、ヨウ化銅、塩化銅、臭化銅)および/またはハロゲン化アルカリ金属系(例えば、ヨウ素カリウム、臭化カリウム等)等の安定剤や、ヒンダードフェノール系、ホスファイト系等の酸化防止剤、ワラストナイト等の非円形断面を有するガラス繊維以外の無機充填材、離型剤、顔料、染料、帯電防止剤、紫外線吸収剤、耐衝撃改良材(例えば、ポリエステル系、ポリオレフィン系、変性、未変性のスチレン系以外のエラストマー等)およびその他の周知の添加剤を配合することができる。
本発明においては、上述の添加剤の中でも、結晶化速度を上げ成形性を改良するため、結晶核剤を配合することが好ましい。結晶核剤としては、通常、タルク、窒化ホウ素等の無機系の結晶核剤が挙げられるが、有機系の結晶核剤を配合してもよい。結晶核剤の含有量は、本発明の組成物中の0.1〜1.0重量%が好ましく、0.2〜0.5重量%がより好ましい(ただし、全成分の合計を100重量%とする)。含有量を0.1重量%以上とすることにより結晶核剤としての効果を十分に発揮することができ、含有量を1.0重量%以下とすることにより、必要以上に添加することなく異物効果による強度や衝撃値の低下を防ぐことができ、低コストで好ましい。
本発明の組成物は、成形時の離型性を向上させるため、離型剤を配合することが好ましい。離型剤としては、本発明の組成物の難燃性を低下させ難いものが好ましく、例えば、カルボン酸アミド系ワックスやビスアミド系ワックス、長鎖脂肪酸金属塩等が挙げられる。
カルボン酸アミド系ワックスは、高級脂肪族モノカルボン酸と多塩基酸の混合物とジアミン化合物との脱水反応によって得られる。
高級脂肪族モノカルボン酸としては、炭素数16以上の飽和脂肪族モノカルボン酸およびヒドロキシカルボン酸が好ましく、例えば、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、モンタン酸、12−ヒドロキシステアリン酸などが挙げられる。
多塩基酸としては、二塩基酸以上のカルボン酸で、例えば、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ピメリン酸、アゼライン酸等の脂肪族ジカルボン酸および、フタル酸、テレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸および、シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキシルコハク酸等の脂環式ジカルボン酸等が挙げられる。
ジアミン化合物としては、例えば、エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、ヘキサメチレンジアミン、メタキシリレンジアミン、トリレンジアミン、パラキシリレンジアミン、フェニレンジアミン、イソホロンジアミン等が挙げられる。
本発明におけるカルボン酸アミド系ワックスは、その製造に使用する高級脂肪族モノカルボン酸に対して、多塩基酸の混合割合を変えることにより、軟化点を任意に調整することができる。多塩基酸の混合割合は、高級脂肪族モノカルボン酸2モルに対して、0.18〜1モルの範囲が好適である。また、ジアミン化合物の使用量は、高級脂肪族モノカルボン酸2モルに対して1.5〜2モルの範囲が好適であり、使用する多塩基酸の量に従って変化する。
ビスアミド系ワックスとしては、例えば、N,N'−メチレンビスステアリン酸アミドおよびN,N'−エチレンビスステアリン酸アミドのようなジアミン化合物と脂肪酸の化合物、あるいはN,N'−ジオクタデシルテレフタル酸アミド等のジオクタデシル二塩基酸アミドを挙げることができる。
長鎖脂肪酸金属塩とは、炭素数16〜36の長鎖脂肪酸の金属塩で、例えば、ステアリン酸カルシウム、モンタン酸カルシウム、モンタン酸ナトリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸リチウム等が挙げられる。
離型剤の含有量は、本発明の組成物中の、例えば、0.001〜1重量%、好ましくは0.005〜0.7重量%である(ただし、全成分の合計を100重量%とする)。含有量を0.001重量%以上とすることにより、十分な離型効果を発揮し成形性を高めることができ、1重量%以下とすることにより、樹脂組成物中の難燃剤の分散性を高め、難燃性、電気的特性の低下を抑止することができる。
(A)ポリアミド樹脂に、(B)リン系難燃剤、(C)非円形断面を有するガラス繊維、および、必要に応じて配合されるその他の成分を配合する方法としては、最終成形品を成形する直前までの任意の段階で、周知の種々の手段によって行うことができる。最も簡便な方法は、ポリアミド樹脂とリン系難燃剤、ガラス繊維、および必要に応じて配合されるその他の成分を単にドライブレンドする方法である。さらには、上記ドライブレンド物を溶融混合押出にてペレットとする方法も簡便で好ましい。また、溶融混合押出に際しては、ポリアミド樹脂と難燃剤、および必要に応じて配合されるその他の成分を押出機のホッパー口から一括で供給し、ガラス繊維をサイドフィード口より供給するのが、ガラス繊維の破損を低減し安定した混合ができるのでより好ましい。別の方法としては、ポリアミド樹脂の一部に所定の配合比率より多いリン系難燃剤またはガラス繊維を練り込んだマスターペレットを予め調整し、これを残りの成分とドライブレンドしたのち溶融混合押出することによっても、本発明の組成物を得ることができる。
溶融混合押出の方法は、公知の如何なる方法であってもよい。例えば、短軸や2軸の押出機、好ましくはベント式押出機、バンバリーミキサーまたはこれに類似した装置を使用し溶融混合押出をすることができる。ベント式押出機には、樹脂組成物中に含まれるガス(空気や水分)を除去し、ガラス繊維と樹脂との密着性を向上させる効果と、オリゴマー等の成形時の不具合発生の原因となる成分を除去する効果がある。本発明においては、ベント式押出機を用いて、樹脂組成物中の水分率を0.2重量%以下とすることが好ましい。このような水分率とすることにより、成形時のガス発生による金型汚染を抑制しやすい傾向になり、優れた外観の成形品を得ることがより容易になる。
本発明の組成物を用いて、コネクターやブレーカー部品等の電気電子部品や、自動車電装部品等の成形品を製造するにあたっては、前記ドライブレンド物やペレット等のポリアミド樹脂組成物を射出成形機等の各種成形機に供給して金型に流し込み、冷却、取り出しをするという常法により実施することができる。
本発明の組成物は、燃焼時に腐食性の高いハロゲン化水素ガスの発生がなく、ガラス繊維を配合した場合、特に、本発明の組成物中に30重量%以上の高濃度で配合した場合に、難燃性、機械的特性および電気的特性の全てに優れるため、電気・電子機器分野のコネクター、ブレーカー、マグネットスイッチ等の各種部品や、自動車等の車両分野の電装部品等の用途に好適である。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に制限されるものではない。なお、以下の記載の例における、使用した各成分の特性、および得られた組成物の評価試験方法は次の通りである。
<実施例に使用した成分>
(A)ポリアミド樹脂:
(A−1)ポリアミドMXD6;三菱ガス化学株式会社製「商品名:MXナイロン6000」、数平均分子量16,000
(A−2)ポリアミド66;デュポン社製「商品名:ザイテル101」、数平均分子量 20,000
(B)難燃剤:
(B−a)ポリリン酸メラミン;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「商品名:melapur 200/70」、重量平均粒径5〜10μm、リン含有量約13重量%、窒素含有量約43重量%
(B−b)以下の製造法で得られた1,2−エチルメチルホスフィン酸アルミニウム塩、重量平均粒径30〜40μm、リン含有量約23重量%
[1,2−エチルメチルホスフィン酸アルミニウム塩の製造法]
2106g(19.5モル)のエチルメチルホスフィン酸を6.5リットルの水に溶解し、507g(6.5モル)の水酸化アルミニウムを激しく撹拌しながら加え、混合物を85℃に加熱した。混合物を80〜90℃で合計65時間撹拌し、その後60℃に冷却し、吸引濾過した。重量が一定となるまで120℃の真空乾燥キャビネット中で乾燥した後に得られた微粒子粉末は2140gであり、300℃以下では溶融しなかった。
(B−c)以下の製造法で得られたフェノキシホスファゼン化合物
[フェノキシホスファゼン化合物の製造法]
撹拌機、温度計および還流冷却器を備えた容量1リットルの四つ口フラスコに、フェノール123.0g(1.30モル)を入れ、テトラヒドロフラン500ミリリットルを加え、撹拌して均一に溶解した。次に、液温を25℃以下として金属ナトリウム7.6gを投入し、この後1時間を要して内温を62℃まで昇温し、ナトリウムフェノラート溶液を調製した。この反応と並行して、58g(0.5ユニットモル)のジクロロホスファゼンオリゴマー(3量体59重量%、4量体12重量%、5および6量体11重量%、7量体3重量%、8量体以上15重量%の混合物)を含む20重量%クロロベンゼン溶液290gを、容量2リットルの四つ口フラスコに入れ、この中へ、25℃以下で撹拌下、上記で調製したナトリウムフェノラート溶液を滴下した。滴下終了後、撹拌下71〜73℃の温度範囲で、15時間反応させた。反応終了後、反応混合物を濃縮し、500ミリリットルのクロロベンゼンに再溶解させた後、水洗し、5%水酸化ナトリウム水溶液による洗浄を3回、5%硫酸による洗浄、5%重曹水による洗浄および水洗をそれぞれ3回、順次行い、濃縮乾固させて淡黄色のワックス状の生成物108gを得た。生成物の収率は98.5%であり、生成物のGPC分析による重量平均分子量はポリスチレン換算で810であり、生成物中の残存塩素量は0.09%であり、リンおよびCHN元素分析法により、生成物は「N=P(OPh)2.00」の化学構造式を有する化合物であることを確認した。なお、−Phはフェニル基である。
(B−d)臭素化ポリスチレン;グレートレイクスケミカル日本社製「商品名:PDBS−80」
(C)ガラス繊維:
(C−1)非円形断面ガラス繊維;日東紡社製「商品名:CSG3PA820」、長径28μm、短径7μmの長円形断面を有するガラス繊維、断面積19.5×10-5mm2、断面外周長さ70μm、同断面積の円形断面ガラス繊維の外周長さに対する倍率1.4、(なお、上記「長径」とは、長円形断面における最長の直線距離を示し、「短径」とは、長円径断面における最小の直線距離を示す。これらの直線距離は、顕微鏡観察により得られた画像から実寸を測定することにより求めた。)、平均繊維長3mm
(C−2)円形断面ガラス繊維;日本電気硝子社製「商品名:T283」、平均繊維径13μm、断面積13.3×10-5mm2、平均繊維長3mm
難燃助剤:
硼酸亜鉛;ボラックス・ジャパン社製「商品名:ファイヤーブレイクZB」、2ZnO・3B23・3.5H2O、重量平均粒径7〜9μm
三酸化アンチモン;日本精鉱社製「商品名:パトックスM」
その他の成分:
以下の製造法で得られた変性ポリフェニレンエーテル樹脂(変性PPE)、SEBS含有量13重量%
[変性ポリフェニレンエーテル樹脂の製造法]
ポリフェニレンエーテル樹脂(ポリキシレノールシンガポール社製「商品名:PX100L」、温度30℃、クロロホルム中で測定した固有粘度が0.3dl/gの、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル)100重量部と無水マレイン酸(試薬一級)0.8重量部とスチレン系樹脂(スチレン系化合物/共役ジエン系化合物ブロック共重合体の水素添加物(シェル社製「商品名:クレイトンG1652」、数平均分子量49,000)15重量部をスーパーミキサーで十分に混合し、得られた混合物を二軸押出機(日本製鋼所社製「TEX30XCT」)を用いて溶融混練し、ペレット化し作製した。
離型剤:
カルボン酸アミド系ワックス;共栄社化学社製「商品名:WH255」
モンタン酸カルシウム;クラリアントジャパン社製「商品名:リコモントCAV102」
結晶核剤:
タルク、林化成社製「商品名:ミクロンホワイト#5000A」
<評価方法>
[難燃性]
下記記載の方法で作製した5×1/2×1/16インチの大きさの燃焼試験片について、試験法UL−94規格に準じて行った。
[機械的強度]
下記記載の方法で作製したISO試験片を用い、ISO178規格に準拠して曲げ試験(曲げ強さおよび曲げ弾性率)を、ISO179規格に準拠してシャルピー衝撃試験(ノッチ付、ノッチなし)を行った。
[耐トラッキング性]
下記記載の方法で作製した100×100×3mmの大きさの試験片について、試験法IEC60112規格に準拠して測定を行った。印加電圧を25V毎に変化させて測定を行い、絶縁破壊を起こさない最高電圧の値で耐トラッキング性を評価した。
[金型汚染]
下記記載の方法で100×100×3mmの大きさの試験片を連続100ショット成形し、100ショット成形後の金型表面の汚れを観察した。付着物がないものを◎、付着物がほとんどない(付着物が存在している面積が金型表面積の5%未満)ものを○、付着物がやや多い(付着物が存在している面積が金型表面積の5%以上20%未満)ものを△、付着物が多い(付着物が存在している面積が金型表面積の20%以上)ものを×とし、評価した。
[ペレット発生ガス]
下記記載の方法で製造した組成物のペレット5gを量り取り、加熱脱着ガスクロマトグラフ(加熱冷却脱着装置:Parkin Elmer社製、「ATD400」、GC−MS system 島津製作所社製「QP5050」)で測定を行った。第1ガラス管に量り取ったペレットを詰め、ヘリウムガスを50ml/sで流し、300℃で10分間加熱した。吸着剤TENAXを充填した第2ガラス管を−15℃に冷却し、発生したガスを捕集した。さらに、第2ガラス管を急加熱して吸着されたガスを脱離し、GC−MSに導入し、発生ガスの同定を行った。ハロゲン化水素ガスが検出されなかったものを「無」、検出されたものを「有」と表記した。
<実施例1〜14および比較例1〜8>
表1〜3に示す配合割合で、ガラス繊維以外をドライブレンド後、日本製鋼所社製ベント式2軸押出機「TEX30HCT」(バレル12ブロック構成)を用いて、シリンダー温度280℃、スクリュー回転数200rpmの条件下、ガラス繊維はホッパー側から数えて9番目のブロックからサイドフィード方式で供給し溶融混練を行い、ポリアミド樹脂組成物のペレットを製造した。得られた樹脂組成物ペレットを80℃で12時間乾燥した後、ファナック社製、射出成形機「ROBOSHOTα−100iA」にて、シリンダー温度を280℃、金型温度120℃設定で射出成形を行い、上記それぞれの試験片を作製した。得られた試験片を用い上記の評価を行った。評価結果を表1〜3に示す。
Figure 2012132027
Figure 2012132027
Figure 2012132027
表1〜3から、本発明の組成物は、金型汚染や発生ガスもなく、難燃性、機械的強度、耐トラッキング性の全てに優れていることが分かる。
実施例1と比較例1、実施例8と比較例2、実施例10と比較例3、実施例13と比較例4との比較から、ガラス繊維の断面形状を非円形にすることにより、機械的強度を損なうことなく難燃性を向上させることができることが分かる。
実施例14、比較例5および比較例6の結果から、ガラス繊維の含有量が15重量%と本発明の範囲より低い場合は、断面形状が非円形であるガラス繊維を用いても、難燃性はV−2からV−1への向上にとどまるのみで、V−0レベルは達成できないことが分かる。つまり、本発明で規定する難燃剤の含有量の範囲内でV−0レベルの難燃性が達成可能なガラス繊維の含有量は、ポリアミド樹脂組成物中の20重量%以上の場合であることが確認された。
ハロゲン系難燃剤を使用した比較例7および比較例8は、十分な機械的特性、難燃性が得られるものの、燃焼時に腐食性の高いハロゲン化水素ガスが発生した。
本発明は、以上詳細に説明したとおり、次のような有利な効果が期待でき、産業上の利用価値は極めて高い。
即ち、本発明の組成物は、燃焼時に腐食性の高いハロゲン化水素ガスの発生がなく、ガラス繊維を高濃度で配合した場合においても、難燃性、機械的特性および電気的特性の全てに優れるため、高い難燃性および電気的特性が要求される、コネクターやブレーカー部品等の電気・電子機器分野の各種部品や、自動車等の車両分野の電装部品等の用途に好適である。また、本発明の樹脂組成物は、ハロゲン化水素ガスの発生がないため、これら部品の廃棄時の環境保全に対する効果が大きい。

Claims (1)

  1. (A)ポリアミド樹脂、(B)リン系難燃剤、および(C)長手方向の中央部がくびれた形状であるまゆ形断面を有するガラス繊維と結晶核剤を含有してなる難燃性ポリアミド樹脂組成物であって、該組成物中の含有量が、それぞれ、(A)ポリアミド樹脂が15〜78重量%、(B)リン系難燃剤が2〜20重量%、(C)長手方向の中央部がくびれた形状であるまゆ形断面を有するガラス繊維が20〜65重量%である難燃性ポリアミド樹脂組成物。
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