JP5415063B2 - 難燃性樹脂組成物およびそれからなる成形体 - Google Patents
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Description
しかし、これらの樹脂材料は、再生が困難な石油を原料として製造されており、近年、このような石油を原料とした樹脂製品の大量生産、大量消費が、資源枯渇といった地球環境問題を大きくする要因となっている。また樹脂製品の最終処分の形態として焼却処理した場合、原料が地中の石油であるため、炭素を地表に放出することになり、地球温暖化の問題にもつながる。このような問題から、リサイクルによる再生利用が検討されているが、分別や強度低下の問題や、難燃剤を配合した樹脂の場合には難燃効果が低下してしまうなどの問題があり、現状では技術的に困難である。
また現在、このような電気部品関係には、難燃剤として、臭素系難燃剤やリン系難燃剤などが使用されているが、臭素系難燃剤には焼却時のダイオキシン発生などの環境問題があることから、リン系難燃剤を使用する場合が増えてきている。しかしながら、リン系難燃剤は耐久性が低く、リサイクルが困難な要因ともなっている。さらに、最近では有機リン化合物による健康への影響も懸念されている。
一方、難燃剤として、水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウムなどの金属水酸化物を種々の樹脂に配合する方法が知られている。これらの金属水酸化物は安価であり、ハロゲンやリンとは異なり、環境や人体への影響が少ないものである。
しかしながら、ポリアミド11樹脂やポリアミド1010樹脂に上記金属水酸化物を添加しても難燃性向上の効果がみられず、さらに、金属水酸化物を添加することによって、加工性、表面特性、物性などが低下するという問題があった。
すなわち本発明の要旨は、下記の通りである。
(1)熱可塑性樹脂(A)20〜80質量%と、金属水酸化物(B)10〜70質量%と、炭化促進剤(C)0.5〜10質量%とを含有する樹脂組成物であって、熱可塑性樹脂(A)の一部または全部がポリアミド11樹脂(A1a)および/またはポリアミド1010樹脂(A1b)であり、その含有量が熱可塑性樹脂(A)の10質量%以上であり、金属水酸化物(B)が、水酸化アルミニウムおよび/または水酸化マグネシウムであり、炭化促進剤(C)が、ハロゲン化炭素化合物、微粉カーボン、リン酸エステル、リン酸塩、硫酸塩、芳香族ホスフィン化合物(C1)、テルペン樹脂(C2)、タンニン化合物(C3)から選ばれる一種以上であることを特徴とする樹脂組成物。
(2)炭化促進剤(C)が、芳香族ホスフィン化合物(C1)、テルペン樹脂(C2)およびタンニン化合物(C3)から選ばれる一種以上であることを特徴とする(1)記載の樹脂組成物。
(3)炭化促進剤(C)が、トリフェニルホスフィン、テルペンフェノール樹脂およびタンニン酸から選ばれる一種以上であることを特徴とする(1)記載の樹脂組成物。
(4)熱可塑性樹脂(A)の一部がポリ乳酸樹脂(A2)であり、その含有量が熱可塑性樹脂(A)の5〜70質量%であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の樹脂組成物。
(5)熱可塑性樹脂(A)の一部が変性ポリオレフィン(A3)であり、その含有量が熱可塑性樹脂(A)の5〜70質量%であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の樹脂組成物。
(6)上記(1)〜(5)のいずれかに記載の樹脂組成物を成形してなる成形体。
本発明の樹脂組成物は、熱可塑性樹脂(A)20〜80質量%、金属水酸化物(B)10〜70質量%および炭化促進剤(C)0.5〜10質量%を含む樹脂組成物であって、熱可塑性樹脂(A)としてポリアミド11樹脂(A1a)および/またはポリアミド1010樹脂(A1b)(以下、ポリアミド樹脂(A1)と略する。)を含むものである。
また、ポリアミド1010樹脂(A1b)としては、天然ひまし油を原料とし、セバシン酸とデカンジアミンとを重縮合したものが挙げられる。本発明に用いられるポリアミド1010樹脂(A1b)は、環境負荷を考慮すると、ASTM(D6866)に準拠して測定したバイオマス炭素含有率が50%以上であることが望ましい。
本発明において、ポリアミド樹脂(A1)の含有量は、熱可塑性樹脂(A)の10質量%以上であることが必要である。ポリアミド樹脂(A1)の含有量が10質量%未満では、その優れた機械的性質、熱的特性を充分に生かすことができない場合があり、また植物由来比率も不十分となる。
ポリ乳酸樹脂(A2)としては、耐熱性、成形性の面からポリ(L−乳酸)、ポリ(D−乳酸)、およびこれらの混合物または共重合体を用いることができる。またポリ乳酸樹脂(A2)として、過酸化物および/または(メタ)アクリル酸エステル化合物によって架橋したものを用いることが好ましい。これにより、成形時の結晶化度を向上させ、成形体の耐熱性を改善することができる。
ポリ乳酸樹脂(A2)の含有量は、熱可塑性樹脂(A)の5〜70質量%であることが好ましい。ポリ乳酸樹脂(A2)の含有量が5質量%未満では充分な効果が得られない場合があり、70質量%を超えると、耐熱性や耐久性、耐衝撃性あるいは破断歪が劣る場合がある。
変性ポリオレフィン(A3)としては、市販のものを含め、各種の変性ポリオレフィンを用いることができる。そのうち、耐衝撃性効果の大きさから、特に、変性エチレンおよび/またはプロピレンとαオレフィンとの共重合体や、エチレン成分及び/又はプロピレン成分を主たる構成成分とするオレフィンとα,β−不飽和カルボン酸もしくはその誘導体との共重合物や、上記オレフィンの重合物にα,β−不飽和カルボン酸もしくはその誘導体をグラフトさせたグラフト重合物などが好ましい。ここで変性成分である不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、ナジック酸(エンドシスービシクロ〔2,2〕ヘプトー5−エン−2,3−ジカルボン酸)等が挙げられ、またその誘導体としては、酸ハライド、エステル、アミド、イミド、無水物等が挙げられ、例えば、塩化マレニル、マレイミド、アクリル酸アミド、メタクリル酸アミド、グリシジルメタクリレート、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジメチル、グリシジルマレエート等が挙げられる。これらは1種単独でも2種以上を組み合わせても用いられる。これらの中でも、無水マレイン酸が、反応性が高いため、強度および外観の良好な成形品を得ることができる点で好ましい。市販の変性ポリオレフィンの具体例としては、三井化学社製『タフマー』(変性エチレン・αオレフィン共重合体)などが挙げられる。
変性ポリオレフィン(A3)の含有量は、熱可塑性樹脂(A)の5〜70質量%であることが好ましい。変性ポリオレフィン(A3)の含有量が5質量%未満ではコスト面で効果がなく、また耐衝撃改善の効果が十分に得られない場合がある。一方70質量%を超えると、耐熱性に劣る場合があり、また植物由来度も極端に低下してしまい、環境問題の観点からは好ましくない。
本発明の樹脂組成物において金属水酸化物(B)の含有量は10〜70質量%であることが必要であり、20〜65質量%であることが好ましく、30〜60質量%あることがより好ましい。金属水酸化物(B)の含有量が10質量%未満では十分な難燃性を達成できず、70質量%を超えると機械特性や加工性の低下が起こるため好ましくない。
芳香族ホスフィン化合物(C1)の具体例としては、トリフェニルホスフィン、ジフェニルブチルホスフィン、ジフェニルオクタデシルホスフィン、トリス−(p−トリル)ホスフィン、トリス−(p−ノニルフェニル)ホスフィン、トリス−(ナフチル)ホスフィン、ジフェニル−(ヒドロキシメチル)−ホスフィン、ジフェニル−(アセトキシメチル)−ホスフィン、ジフェニル−(β−エチルカルボキシエチル)−ホスフィン、トリス−(p−クロロフェニル)ホスフィン、トリス−(p−フルオロフェニル)ホスフィン、ジフェニルベンジルホスフィン、ジフェニル−β−シアノエチルホスフィン、ジフェニル−(p−ヒドロキシフェニル)−ホスフィン、ジフェニル−1,4−ジヒドロキシフェニル−2−ホスフィン、フェニルナフチルベンジルホスフィン等が挙げられる。中でも、特にトリフェニルホスフィンが好適に用いられる。
テルペン樹脂の具体例としては、ヤスハラケミカル社製YSレジン(PXタイプ、Dタイプ、Aタイプ)、ダイマロンが挙げられる。変性テルペン樹脂の具体例としては、ヤスハラケミカル社製YSレジン(TOタイプ)が挙げられる。水添テルペン樹脂の具体例としては、ヤスハラケミカル社製クリアロン(Pタイプ、Mタイプ、Kタイプ)が挙げられる。テルペンフェノール樹脂の具体例としては、ヤスハラケミカル社製YSポリスター(2000タイプ、Tタイプ、Sタイプ)やマイテイーエースのGタイプやKタイプが挙げられる。
脂肪酸金属塩(D)の具体例としては、ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸、リノール酸、ラウリン酸、カプリル酸、ベヘニン酸、モンタン酸等の金属塩が挙げられ、金属としては、ナトリウム、カリウム、アルミニウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、バリウム、コバルト、スズ、チタン、鉄等が挙げられる。
脂肪酸金属塩(D)の含有量は、熱可塑性樹脂(A)と金属水酸化物(B)と炭化促進剤(C)の合計100質量部に対して、0.001〜10質量部であることが好ましく、0.01〜1質量部であることがより好ましく、0.02〜0.5質量部であることがさらに好ましい。含有量が0.001質量部未満では十分な効果が発揮されない。一方、含有量が10質量部を超えると流動性が高くなり過ぎ、押出機等で加工する際にせん断による熱可塑性樹脂(A)と金属水酸化物(B)との相溶化が困難となり、また、ポリ乳酸(A2)を含有する場合にはその加水分解を誘起し耐久性の低下につながることがあり好ましくない。
層状珪酸塩(E)の具体例としては、モンモリロナイト、層状フッ素雲母(合成雲母)、タルク、マイカ、クレイなどが挙げられる。寸法安定性などの点から、モンモリロナイトおよび/または層状フッ素雲母(合成雲母)を用いることが好ましい。
層状珪酸塩(E)は、ポリアミド樹脂(A1)の重合時に添加することが最適であるが、それが、困難である場合は、混練前に層状珪酸塩(E)を第4アンモニウム塩あるいはホスホニウム塩で化学修飾しておくことが好ましい。
層状珪酸塩(E)の含有量は、熱可塑性樹脂(A)と金属水酸化物(B)と炭化促進剤(C)の合計100質量部に対して、0.1〜45質量部であることが好ましい。含有量が0.1質量部未満では、充分な効果を得ることができない場合があり、45質量部を超えると、混練/成形時の流動性不良などの悪影響を及ぼす場合がある。
植物由来充填材(F)としては、あらゆる植物由来のものを用いることができる。形態としては、繊維状、粉末状などのあらゆる形態のものを用いることができる。繊維状の充填材としては、例えば、ジュート繊維、ケナフ繊維、竹繊維、麻繊維などを挙げることができ、粉末状の充填材としては、例えば、木粉、竹粉、紙粉、一般セルロース粉などを挙げることができる。
植物由来充填材(F)は、脱リグニン処理されていることが好ましい。脱リグニン処理されていないもの用いた場合は、外観あるいは耐久性の点で悪影響を及ぼす場合がある。脱リグニン処理としては、公知の方法を適宜用いればよく、たとえば水酸化ナトリウム溶液または水酸化カリウム溶液等の強アルカリ溶液による方法、水酸化ナトリウムと硫化ナトリウムを用いて加熱する方法、酸性条件下でモリブデン酸塩と過酸化水素によって処理する方法などが挙げられる。なお、脱リグニン処理に加えてさらに漂白を施すことによりリグニンの発色を抑えることもできる。
植物由来充填材(F)の含有量は、熱可塑性樹脂(A)と金属水酸化物(B)と炭化促進剤(C)の合計100質量部に対して、5〜100質量部であることが好ましい。含有量が5質量部未満では、充分な耐熱性改善効果が得られない場合があり、また植物由来比率に関しても不充分である。一方、含有量が100質量部を超えると、耐衝撃性を低下させる場合がある。
(1)材料
熱可塑性樹脂(A)
・ポリアミド11樹脂(A1a):アルケマ社製 リルサンBMN O
・ポリアミド1010樹脂(A1b):
セバシン酸(豊国製油製)100質量部を熱メタノールに撹拌しながら溶かした。次にデカメチレンジアミン(小倉合成工業製)85質量部をメタノールに溶かし、先のセバシン酸メタノール溶液にゆっくり加えた。すべて加えた後、15分程度撹拌し、析出物をろ過、メタノール洗浄することにより、デカメチレンジアンモニウムセバケートを得た。
次にデカメチレンジアンモニウムセバケート100質量部と水33質量部をオートクレーブに仕込み、窒素置換後、設定温度240℃、25rpmで撹拌しながら加熱を開始した。2MPaの圧力で2時間保持した後、水蒸気を排気して圧力を常圧まで下げた。常圧〜0.02MPaで2〜3時間撹拌した後、1時間静置し、払出した。その後、減圧乾燥しポリアミド1010樹脂を得た。
・ポリ乳酸樹脂(A2a):ユニチカ社製 テラマックTE−4000
・架橋ポリ乳酸樹脂(A2b):
二軸押出機(東芝機械社製TEM37BS型)を用い、ポリ乳酸樹脂(A2a)100質量部を押出機の根元供給口から供給し、バレル温度180℃、スクリュー回転数280rpm、吐出15kg/hの条件で、ベントを効かせながら押出しを実施した。さらに、エチレングリコールジメタクリレート0.1質量部と、過酸化物パーブチルD(日本油脂製)0.2質量部とをシリンダ内に供給した。押出機先端から吐出された樹脂をペレット状にカッティングして樹脂組成物のペレットを得た。得られたペレットを70℃×24時間真空乾燥して、架橋ポリ乳酸樹脂(A2b)を得た。
・変性ポリオレフィン(A3a):
二軸押出機(東芝機械社製TEM37BS型)を用い、ポリエチレン90質量部、無水マレイン酸10質量部を押出機の根元供給口から供給し、バレル温度180℃、スクリュー回転数280rpm、吐出15kg/hの条件で、ベントを効かせながら押出しを実施した。さらに、パーブチルDの0.2質量部をシリンダ内に供給した。押出機先端から吐出された樹脂をペレット状にカッティングして樹脂組成物のペレットを得た。得られたペレットを70℃×24時間真空乾燥して、変性ポリオレフィン(A3a)を得た。
・変性ポリオレフィン(A3b):
三井化学社製 変性エチレン・αオレフィン共重合体 タフマーMH5030
・水酸化アルミニウム(B1):昭和電工社製 ハイジライト
・水酸化マグネシウム(B2):協和化学工業社製 キスマ5E
・芳香族ホスフィン化合物(C1):北興化学社製 トリフェニルホスフィン
・テルペン樹脂(C2):ヤスハラケミカル社製 YSポリスターT160
・タンニン化合物(C3):米山薬品工業社製 タンニン酸
・ステアリン酸マグネシウム:大日化学工業社製 ダイワックス SMO
層状珪酸塩(E):ホージュン社製 エスベンW
植物由来充填材(F)
・ケナフ繊維(F1):
5mm程度の一定長に切断したケナフをターボミル(マツボー社製T−250)にて粉砕・ほぐして、直径20〜50μm、繊維長1〜5mmとした。
・ケナフ繊維(F2):
ケナフ繊維(F1)を水酸化ナトリウム溶液を用いて加圧・加熱処理を施すことによりリグニンを除去した。
(A)曲げ弾性率:
ASTM D790に準拠して測定した。また、試験片は23℃、50%RH雰囲気下で2週間静置したものを用いた。
(B)アイゾット衝撃値:
ASTM D256−56に準拠して測定した。
(C)難燃性:
UL94(米国Under Writers Laboratories Inc.で定められた規格)の方法に従って測定した。なお試験片の厚みは1/16インチ(約1.6mm)とした。難燃性はV−1あるいはV−0であることが好ましい。また、V−2に満たないものは×で評価した。
また、第一接炎後の残炎時間の平均値t1と第二接炎後の残炎時間の平均値t2の合計(t1+t2)を合計残炎時間とした。
(D)耐久性:
127mm×12.7mm×3.2mmの試験片を作製し、60℃、95%RH雰囲気下に250時間保存する試験を行った。試験後23℃、50%RH雰囲気下で2週間静置した試験片について、初期の曲げ強度に対し90%以上の曲げ強度を保持していた場合は◎、60%以上90%未満の場合は○、20%以上60%未満の場合は△、20%未満の場合は×で評価した。なお、曲げ強度は、JIS規格K−7203に準拠して測定した。(E)流動性:
バーフローによる測定法に準じた。すなわち、幅20mm、厚さ2mmのスパイラル状の金型を用い、樹脂温度220℃、金型温度100℃、射出圧力100MPaで射出成形し、流動長を測定した。400mm以上の場合は◎、300mm以上400mm未満の場合は○、200mm以上300mm未満の場合は△、200mm未満の場合は×で評価した。
(F)耐熱性:
ASTM D648に準拠し、荷重0.45MPaで熱変形温度を測定した。
二軸押出機(東芝機械社製TEM37BS型)を用い、熱可塑性樹脂(A)、金属水酸化物(B)、炭化促進剤(C)、脂肪酸金属塩(D)、層状珪酸塩(E)、植物由来充填材(F)を表1および表2に示した割合で押出機の根元供給口から供給して、バレル温度220℃、スクリュー回転数230rpm、吐出20kg/hの条件で、ベントを効かせながら押出しを実施した。押出機先端から吐出された樹脂をペレット状にカッティングして樹脂組成物のペレットを得た。
得られたペレットを90℃×24時間真空乾燥したのち、東芝機械社製IS−80G型射出成形機を用いて、金型表面温度を100℃に調整しながら、一般物性測定用試験片(ASTM型)を作製し、各種測定に供した。
ポリアミド11樹脂(A1a)ペレットを東芝機械社製IS−80G型射出成形機を用いて、金型表面温度を85℃に調整しながら、一般物性測定用試験片(ASTM型)を作製し、各種測定に供した。
金属水酸化物(B)として水酸化アルミニウムを使用した実施例1においては、押出加工時に熱分解による発泡を起こし、樹脂組成物が脆くなったが、実施例2に示すように、水酸化マグネシウムを使用したところ、押出時の発泡は見られず、実施例1よりもアイゾット衝撃値が増大した。
実施例9〜22では脂肪酸金属塩(D)を添加したため、実施例9〜11に示すように金属水酸化物(B)の分散性が改善され、残炎時間が短縮された。
実施例12〜19に示すように、ポリ乳酸樹脂(A2)を用いることで流動性が改善され、またポリ乳酸樹脂(A2)として架橋ポリ乳酸樹脂(A2b)を用いると耐熱性が向上した。加えて変性ポリオレフィン(A3)を用いるとアイゾット衝撃値が明らかに増大し、変性ポリオレフィン(A3)としてタフマー(A3b)を用いると、耐衝撃改良効果がさらに増大した。
実施例20では層状珪酸塩(E)配合したため剛性を示す曲げ弾性率が増大した。
また実施例21、22に示すように、植物由来充填材(F)を配合することでも曲げ弾性率は増大し、加えて植物由来比率が高く耐熱性の高い成形品が得られた。さらに植物由来充填材(F)として脱リグニン処理されたケナフ繊維(F2)を用いると、耐久性の低下を防ぐことができた。
比較例4では炭化促進剤(C)を用いていないために難燃性は著しく低いものであった。比較例5、6では金属水酸化物(B)の添加量が適切でないため、流動性や難燃性が低い結果となった。さらに、比較例7、8では炭化促進剤(C)の添加量が適切でないために難燃性やアイゾット衝撃値が低い結果となった。
Claims (6)
- 熱可塑性樹脂(A)20〜80質量%と、金属水酸化物(B)10〜70質量%と、炭化促進剤(C)0.5〜10質量%とを含有する樹脂組成物であって、熱可塑性樹脂(A)の一部または全部がポリアミド11樹脂(A1a)および/またはポリアミド1010樹脂(A1b)であり、その含有量が熱可塑性樹脂(A)の10質量%以上であり、金属水酸化物(B)が、水酸化アルミニウムおよび/または水酸化マグネシウムであり、炭化促進剤(C)が、ハロゲン化炭素化合物、微粉カーボン、リン酸エステル、リン酸塩、硫酸塩、芳香族ホスフィン化合物(C1)、テルペン樹脂(C2)、タンニン化合物(C3)から選ばれる一種以上であることを特徴とする樹脂組成物。
- 炭化促進剤(C)が、芳香族ホスフィン化合物(C1)、テルペン樹脂(C2)およびタンニン化合物(C3)から選ばれる一種以上であることを特徴とする請求項1記載の樹脂組成物。
- 炭化促進剤(C)が、トリフェニルホスフィン、テルペンフェノール樹脂およびタンニン酸から選ばれる一種以上であることを特徴とする請求項1記載の樹脂組成物。
- 熱可塑性樹脂(A)の一部がポリ乳酸樹脂(A2)であり、その含有量が熱可塑性樹脂(A)の5〜70質量%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物。
- 熱可塑性樹脂(A)の一部が変性ポリオレフィン(A3)であり、その含有量が熱可塑性樹脂(A)の5〜70質量%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂組成物。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂組成物を成形してなる成形体。
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