JP2008019294A - 難燃性ポリ乳酸樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐熱性に優れた難燃性ポリ乳酸樹脂組成物を得る。
【解決手段】ポリ乳酸樹脂を主成分とするとともに、(メタ)アクリル酸エステル化合物0.01〜5質量%と、リン酸系化合物10〜35質量%とを含み、これらポリ乳酸樹脂と(メタ)アクリル酸エステル化合物とリン酸系化合物とが0.001質量%以上の過酸化物とともに溶融混練されたものであり、メルトフローレートが5g/10分以下である。または、ポリ乳酸樹脂を主成分とするとともに、有機結晶核剤0.1〜5質量%と、可塑剤1〜10質量%と、リン酸系化合物10〜35質量%とを含み、メルトフローレートが5g/10分以下である。あるいは、リン酸系化合物10〜35質量%に代えて、有機リン化合物10〜35質量%と、反応性有機リン化合物0.01質量%以上とを含み、過酸化物の配合量は0.001質量%以上である。
【選択図】なし

Description

本発明は難燃性ポリ乳酸樹脂組成物に関する。
樹脂製の成形品を得るための原料として、一般的に、ポリプロピレン(PP)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)、ポリアミド(PA6、PA66)、ポリエステル(PET、PBT)、ポリカーボネート(PC)等の樹脂が使用されている。しかしながら、このような樹脂から製造された成形品は、成形性、機械的強度に優れているが、廃棄する際、ゴミの量を増すうえに、自然環境下で殆ど分解されないために、埋設処理しても半永久的に地中に残留する。
一方、近年、環境保全の見地から、生分解性樹脂が注目されている。生分解性樹脂の中でもポリ乳酸、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートなどは、大量生産可能なためコストも安く、有用性が高い。そのうち、ポリ乳酸は、既にトウモロコシやサツマイモ等の植物を原料として製造可能となっており、しかも、使用後に焼却されても、これらの植物の生育時に吸収した二酸化炭素を考慮すると、炭素の収支として中立であることから、特に、地球環境への負荷の低い樹脂とされている。
しかしながら、ポリ乳酸を電気製品の筺体等に利用する場合、そのままでは、その燃焼性により、安全上問題がある。加えて、電気製品の筺体等の用途には、多くの場合、少なくとも100℃前後の耐熱性が必要である。このため、難燃性および耐熱性を兼ね備えたものが求められている。
すでに、特許文献1において、ポリ乳酸樹脂に有機充填剤および難燃剤を添加し、金型温度90℃で射出成形することにより、V−2〜V−0の難燃性、および、100℃前後の荷重たわみ温度(0.45MPa)が得られることが記載されている。一方、特許文献2においては、ポリ乳酸樹脂に表面処理を施した水酸化物を添加することで、難燃性、および、50℃以上の荷重たわみ温度(1.8MPa)が得られることが記載されている。
特開2005−023260号公報 特開2005−139441号公報
しかしながら、特許文献1記載の例においては、有機充填剤として古紙粉末を20%以上添加することで耐熱性を向上させているため、混錬や成形の際の溶融時に熱により変色することが免れず、色調の調整が難しい。また、特許文献2のものでは、得られた難燃性はV−2以上であり、電気製品の筺体等の用途に際しては不充分なレベルである。
本発明は、このような課題を解決しようとするものであり、耐熱性に優れた難燃性ポリ乳酸樹脂組成物を得ることを目的とする。
この目的を達成するため第1の本発明は、ポリ乳酸樹脂を主成分とするとともに、(メタ)アクリル酸エステル化合物0.01〜5質量%と、リン酸系化合物10〜35質量%とを含み、これらポリ乳酸樹脂と(メタ)アクリル酸エステル化合物とリン酸系化合物とが0.001質量%以上の過酸化物とともに溶融混練されたものであり、メルトフローレートが5g/10分以下であることを特徴とする難燃性ポリ乳酸樹脂組成物を要旨とするものである。
第2の本発明は、ポリ乳酸樹脂を主成分とするとともに、有機結晶核剤0.1〜5質量%と、可塑剤1〜10質量%と、リン酸系化合物10〜35質量%とを含み、メルトフローレートが5g/10分以下であることを特徴とする難燃性ポリ乳酸樹脂組成物を要旨とするものである。
上記第1および第2の本発明においては、リン酸系化合物が芳香族縮合リン酸エステルであることが好適である。
第3の本発明は、ポリ乳酸樹脂を主成分とするとともに、(メタ)アクリル酸エステル化合物0.01〜5質量%と、有機リン化合物10〜35質量%と、反応性有機リン化合物0.01質量%以上とを含み、これらポリ乳酸樹脂と(メタ)アクリル酸エステル化合物と有機リン化合物と反応性有機リン化合物とが0.001質量%以上の過酸化物とともに溶融混練されたものであり、メルトフローレートが5g/10分以下であることを特徴とする難燃性ポリ乳酸樹脂組成物を要旨とするものである。
第4の本発明は、ポリ乳酸樹脂を主成分とするとともに、有機結晶核剤0.1〜5質量%と、可塑剤1〜10質量%と、有機リン化合物10〜35質量%と、反応性有機リン化合物0.01質量%以上とを含み、メルトフローレートが5g/10分以下であることを特徴とする難燃性ポリ乳酸樹脂組成物を要旨とするものである。
上記第3および第4の本発明においては、有機リン化合物が芳香族系縮合リン酸エステルであることが好適である。
また上記第3および第4の本発明においては、反応性有機リン化合物が、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナントレン−10−オキサイドと、下式に示す化合物(m、nは1〜5の整数)と、3−(ヒドロキシメチルホスフィニル)プロパン酸と、3−(ヒドロキシメチルホスフィニル)プロパン酸のエチレングリコールエステルとのいずれかであることが好適である。
Figure 2008019294
第1〜第4の本発明においては、加水分解抑制剤を0.05〜8質量%含むことが好適であり、無機充填材を5〜35質量%含むことが好適である。
すなわち本発明は、ポリ乳酸樹脂を主成分とするとともに、(メタ)アクリル酸エステル化合物0.01〜5質量%と、リン酸系化合物10〜35質量%とを含み、これらポリ乳酸樹脂と(メタ)アクリル酸エステル化合物とリン酸系化合物とが0.001質量%以上の過酸化物とともに溶融混練されたものであり、かつメルトフローレートが5g/10分以下であることにより、またポリ乳酸樹脂を主成分とするとともに、有機結晶核剤0.1〜5質量%と、可塑剤1〜10質量%と、リン酸系化合物10〜35質量%とを含み、メルトフローレートが5g/10分以下であることにより、あるいは、ポリ乳酸樹脂を主成分とするとともに、(メタ)アクリル酸エステル化合物0.01〜5質量%と、有機リン化合物10〜35質量%と、反応性有機リン化合物0.01質量%以上とを含み、これらポリ乳酸樹脂と(メタ)アクリル酸エステル化合物と有機リン化合物と反応性有機リン化合物とが0.001質量%以上の過酸化物とともに溶融混練されたものであり、かつメルトフローレートが5g/10分以下であることにより、またポリ乳酸樹脂を主成分とするとともに、有機結晶核剤0.1〜5質量%と、可塑剤1〜10質量%と、有機リン化合物10〜35質量%と、反応性有機リン化合物0.01質量%以上とを含み、メルトフローレートが5g/10分以下であることにより、ポリ乳酸樹脂組成物の耐熱性の向上を図ることができることができることを見出したことによりなされたものである。そして本発明によれば、難燃性および耐熱性に優れた樹脂組成物を提供することができ、この樹脂組成物を電気製品の筐体などに用いることで、低環境負荷材料であるポリ乳酸樹脂の使用範囲を大きく広げることができ、産業上の利用価値をきわめて高くすることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の樹脂組成物は、ポリ乳酸樹脂を主成分とするものである。このポリ乳酸樹脂としては、耐熱性、成形性の面からポリ(L−乳酸)、ポリ(D−乳酸)、およびこれらの混合物または共重合体を用いることができるが、生分解性および成形加工性の観点からは、ポリ(L−乳酸)を主体とすることが好ましい。
ポリ(L−乳酸)を主体とするポリ乳酸樹脂は、光学純度によってその融点が異なるが、本発明においては、成形体の機械的特性や耐熱性を考慮すると、融点を160℃以上とすることが好ましい。ポリ(L−乳酸)を主体とするポリ乳酸樹脂において、融点を160℃以上とするためには、D−乳酸成分の割合を約3モル%未満とすればよい。
ポリ乳酸樹脂の、190℃、荷重21.2Nにおけるメルトフローレート(例えば、JIS規格K−7210(試験条件4)による値)は通常0.1〜50g/10分、好ましくは0.2〜20g/10分、最適には0.5〜10g/10分である。メルトフローレートが50g/10分を超える場合は、溶融粘度が低すぎて成形体の機械的特性や耐熱性が劣る場合がある。また、メルトフローレートが0.1g/10分未満の場合は、成形加工時の負荷が高くなって、操業性が低下することがある。
ポリ乳酸樹脂は、公知の溶融重合法で、あるいは、さらに固相重合法を併用して、製造される。ポリ乳酸樹脂のメルトフローレートを上述の所定の範囲に調節する方法として、メルトフローレートが大きすぎる場合は、少量の鎖長延長剤、例えば、ジイソシアネート化合物、ビスオキサゾリン化合物、エポキシ化合物、酸無水物等を用いて樹脂の分子量を増大させる方法が挙げられる。逆に、メルトフローレートが小さすぎる場合は、メルトフローレートの大きなポリエステル樹脂や低分子量化合物と混合する方法が挙げられる。
第1および第3の本発明の樹脂組成物においては、(メタ)アクリル酸エステル化合物が、樹脂組成物の結晶化を促進し、耐熱性を改善することを目的として、配合される。(メタ)アクリル酸エステル化合物は、ポリ乳酸樹脂との反応性が高く、モノマーが残りにくく、かつ、毒性が少なく、樹脂の着色も少ないことから、分子内に2個以上の(メタ)アクリル基を有するか、または、1個以上の(メタ)アクリル基と1個以上のグリシジル基もしくはビニル基を有する化合物であることが好ましい。具体的な化合物としては、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート、グリセロールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、アリロキシポリエチレングリコールモノアクリレート、アリロキシ(ポリ)エチレングリコールモノメタクリレート、(ポリ)エチレングリコールジメタクリレート、(ポリ)エチレングリコールジアクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジメタクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジアクリレート、(ポリ)テトラメチレングリコールジメタクリレートが挙げられる。これらのアルキレングリコール部が様々な長さのアルキレンの共重合体であってもよい。さらに、ブタンジオールメタクリレート、ブタンジオールアクリレート等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステル化合物の添加量は、0.01〜5質量%であることが必要で、好ましくは0.05〜1質量%である。0.01質量%未満では目的とする耐熱性が得られず、また、5質量%を超えて添加すると混練時の操業性が低下する。
第1および第2の本発明における難燃剤としてのリン酸系化合物としては、その難燃効果の高さから、芳香族縮合リン酸エステルを用いることが好ましい。リン酸系化合物の添加量は、10〜35質量%であることが必要で、好ましくは15〜30質量%である。10質量%未満では目的とする難燃性が得られず、また35質量%を超えて添加すると成形性が著しく低下する。
第1および第3の本発明の樹脂組成物における過酸化物は、(メタ)アクリル酸エステル化合物とポリ乳酸との反応を促進し、耐熱性を改善することを目的として配合されるものである。この過酸化物としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ビス(ブチルパーオキシ)トリメチルシクロヘキサン、ビス(ブチルパーオキシ)シクロドデカン、ブチルビス(ブチルパーオキシ)バレレート、ジクミルパーオキサイド、ブチルパーオキシベンゾエート、ジブチルパーオキサイド、ビス(ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジメチルジ(ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジメチルジ(ブチルパーオキシ)ヘキシン、ブチルパーオキシクメンなどが挙げられる。
過酸化物の添加量は、0.001〜10質量%であることが好ましい。0.001質量%未満では目的とする耐熱性が得られず、また、10質量%を超えて添加すると混練時の操業性が低下する場合がある。なお、過酸化物は、樹脂との溶融混練の際に分解するため、たとえ配合時に使用されていても、得られたポリ乳酸樹脂組成物中には含まれていない場合がある。
第2および第4の本発明における有機結晶核剤は、樹脂組成物の結晶化を促進し、耐熱性を改善することを目的として配合されるものであり、具体的な化合物としては、例えば、伊藤製油社製の、N,N’−エチレンビス−12−ヒドロキシステアリン酸アミドや、N,N’,N”−トリシクロヘキシルトリメシン酸アミドなどが挙げられる。
有機結晶核剤の添加量は、0.1〜5質量%であることが必要で、好ましくは0.5〜3質量%である。0.1質量%未満では目的とする耐熱性が得られず、また、5質量%を超えて添加すると混練時の操業性が低下する。
第2および第4の本発明における可塑剤は、有機結晶核剤のポリ乳酸樹脂への分散を促進することを目的として配合されるものである。このような可塑剤としては、例えば、脂肪族多価カルボン酸エステル誘導体、脂肪族多価アルコールエステル誘導体、脂肪族オキシエステル誘導体、脂肪族ポリエーテル誘導体、脂肪族ポリエーテル多価カルボン酸エステル誘導体などが挙げられる。
可塑剤の添加量は、1〜10質量%であることが必要である。1質量%未満では目的とする効果が得られず、10質量%を超えて添加すると、混練時の操業性が低下する。
第3および第4の本発明における有機リン化合物としては、第1および第2の本発明におけるリン酸系化合物と同様に、その難燃効果の高さから、芳香族系縮合リン酸エステルを用いることが好ましい。例えば、レゾルシノールビス(ジ−2、6−キシレニル)フォスフェートなどが挙げられる。
有機リン化合物の添加量は、10〜35質量%であることが必要で、好ましくは12〜30質量%である。10質量%未満では、目的とする難燃性が得られず、また、35質量%を超えて添加すると、成形性が著しく低下する。
第3および第4の本発明における反応性有機リン化合物は、その反応性によりポリ乳酸と化学的に結合して高い難燃効果を発揮させることで、有機リン化合物の難燃効果との相乗効果を得ることを目的として配合されるものである。有機リン化合物に対する併用効果の高さから、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナントレン−10−オキサイド、下式に示す化合物(m、nは1〜5の整数)、3−(ヒドロキシメチルホスフィニル)プロパン酸、あるいは、3−(ヒドロキシメチルホスフィニル)プロパン酸のエチレングリコールエステルを用いることが好ましい。
Figure 2008019294
反応性有機リン化合物の添加量は、0.01質量%以上であることが必要である。0.01質量%未満では目的とする難燃性が得られない。
本発明の樹脂組成物には、樹脂組成物の耐久性の向上、特に高温度高湿度下での物性性能の維持を目的として、加水分解抑制剤を配合させることができる。加水分解抑制剤として用いることができる具体的な物質としては、カルボジイミド化合物をはじめ、種々のものを挙げることができる。特に、イソシアネート基を含有するカルボジイミド化合物を用いることが好適である。イソシアネート基を含有するカルボジイミド化合物としては、分子中に1個以上のカルボジイミド基を有する化合物にイソシアネート基が導入された構造であれば特に限定されず、そのカルボジイミド骨格としては、N,N´−ジ−o−トリイルカルボジイミド、N,N´−ジオクチルデシルカルボジイミド、N,N´−ジ−2,6−ジメチルフェニルカルボジイミド、N−トリイル−N´−シクロヘキシルカルボジイミド、N−トリイル−N´−フェニルカルボジイミド、N,N´−ジ−p−ニトロフェニルカルボジイミド、N,N´−ジ−p−ヒドロキシフェニルカルボジイミド、N,N´−ジ−シクロヘキシルカルボジイミド、N,N´−ジ−p−トリイルカルボジイミド、p−フェニレン−ビス−ジ−o−トリイルカルボジイミド、4,4’−ジシクロヘキシルメタンカルボジイミド、テトラメチルキシリレンカルボジイミド、N,N−ジメチルフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミドなどが例示される。
加水分解抑制剤の添加量は、0.05〜8質量%が好ましく、0.3〜5質量%がより好ましい。0.05質量%未満では目的とする耐久性が得られない場合があり、また、8質量%を超えて添加すると色調が大きく損なわれる場合がある。
本発明の樹脂組成物には、無機充填材を配合させることができる。無機充填材としては、特に限定されないが、タルク、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、ワラストナイト、シリカ、アルミナ、マグネシア、ケイ酸カルシウム、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カルシウム、アルミノ珪酸ナトリウム、珪酸マグネシウム、ガラスバルーン、カーボンブラック、酸化亜鉛、三酸化アンチモン、ゼオライト、ハイドロタルサイト、金属繊維、金属ウイスカー、セラミックウイスカー、チタン酸カリウム、窒化ホウ素、グラファイト、炭素繊維等が例示される。
無機充填材の添加量は、5〜35質量%が好ましく、10〜30質量%がより好ましい。5質量%未満では、目的とする成形性あるいは耐熱性が得られない場合があり、35質量%を超えて添加すると、混錬時の操業性が低下する場合がある。
本発明の樹脂組成物には、その特性を大きく損なわない限りにおいて、顔料、熱安定剤、酸化防止剤、耐候剤、滑剤、離型剤、帯電防止剤等を添加することができる。第1および第3の本発明の樹脂組成物には、さらに可塑剤や結晶核材を添加することができる。熱安定剤や酸化防止剤としては、たとえばヒンダードフェノール類、ヒンダードアミン、イオウ化合物、銅化合物、アルカリ金属のハロゲン化物が挙げられる。無機結晶核材としては、カオリン等が挙げられ、有機結晶核材としては、ソルビトール化合物、安息香酸およびその化合物の金属塩、リン酸エステル金属塩、ロジン化合物等が挙げられる。なお、本発明の樹脂組成物にこれらを混合する方法は特に限定されない。
本発明の樹脂組成物は、190℃、荷重21.2Nにおけるメルトフローレート(例えば、ISO1133による値)が5g/10分以下であることが、結晶化の促進による成形性の確保および耐熱性の付与の点から必要である。メルトフローレートが5g/10分を超えると、成形時の操業性が低下するとともに耐熱性が低下する。メルトフローレートの下限は、特に限定しないが、混練時のスクリュートルクの増大を防止するためには0.01g/10分以上であることが好ましい。
本発明の樹脂組成物の主成分であるポリ乳酸のメルトフローレートは、上述のように通常0.1〜50g/10分であるが、このようなポリ乳酸を用いた樹脂組成物のメルトフローレートを上記のように5g/10分とするためには、混練時に(メタ)アクリル酸エステル化合物および過酸化物と充分に反応させるか、あるいは、有機結晶核剤および可塑剤を組成物全体に充分に浸透させることが必要になる。
ポリ乳酸樹脂と(メタ)アクリル酸エステル化合物、過酸化物、有機結晶核剤、可塑剤、リン酸系化合物、有機リン化合物、反応性有機リン化合物、加水分解抑制剤、あるいは、無機充填材とを混合する手段は、特に限定されないが、一軸あるいは二軸の押出機を用いて溶融混練する方法を挙げることができる。混練状態をよくする意味で、二軸の押出機を使用することが好ましい。混練温度は(ポリ乳酸樹脂の融点+5℃)〜(ポリ乳酸樹脂の融点+100℃)の範囲が、また、混練時間は20秒〜30分が好ましい。この範囲より低温や短時間であると、混練や反応が不充分となることがあり、逆に、高温や長時間であると樹脂の分解や着色が起きることがある。配合に際しては、ドライブレンドする方法や、ポリ乳酸樹脂以外の成分を粉体フィーダーを用いて供給する方法が好ましい。
本発明の樹脂組成物は、射出成形、ブロー成形、押出成形、インフレーション成形、および、シート加工後の真空成形、圧空成形、真空圧空成形等の成形方法により、各種成形体とすることができる。とりわけ、射出成形法を採ることが好ましく、一般的な射出成形法のほか、ガス射出成形、射出プレス成形等も採用できる。本発明の樹脂組成物に適した射出成形条件の一例を挙げれば、シリンダ温度を樹脂組成物の融点または流動開始温度以上、好ましくは170〜250℃、最適には170〜230℃の範囲とし、また、金型温度は樹脂組成物の(融点−20℃)以下とするのが適当である。成形温度が低すぎると、成形品にショートが発生するなど操業性が不安定になったり、過負荷に陥ったりしやすく、逆に、成形温度が高すぎると、樹脂組成物が分解し、得られる成形体の強度が低下したり、着色する等の問題が発生しやすい。
本発明の樹脂組成物は、成形の際に結晶化を促進させることにより、その耐熱性をさらに高めることができる。このための方法としては、例えば、射出成形時に金型内で結晶化を促進させる方法があり、その場合には、樹脂組成物の(ガラス転移温度+20℃)以上、(融点−20℃)以下に保たれた金型内で、一定時間、成形品を保持した後、金型より取り出す方法が好適である。また、このような方法をとらずに金型より取り出された成形品であっても、あらためて、ガラス転移温度以上、(融点−20℃)以下で熱処理することにより、結晶化を促進することができる。
本発明の樹脂組成物を用いた成形体の具体例としては、パソコン筐体部品および筐体、携帯電話筐体部品および筐体、その他OA機器筐体部品等の電化製品用樹脂部品や、バンパー、インストルメントパネル、コンソールボックス、ガーニッシュ、ドアトリム、天井、フロア、エンジン周りのパネル等の自動車用樹脂部品等が挙げられる。また、フィルム、シート、中空成形品などとすることもできる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。
以下の実施例および比較例の樹脂組成物の評価に用いた測定法は次のとおりである。
(1)熱変形温度:
ISO 75に準拠し、荷重0.45MPaで熱変形温度すなわち荷重たわみ温度を測定した。熱変形温度は80℃以上であることが好ましい。
(2)難燃性:
UL94に準拠して測定した。試験片は、1.5mm厚のものを用いた。難燃性は、V−0、または、V−1であることが好ましい。実施例17〜38、比較例9〜21については、接炎1回目および2回目を合わせた残炎時間の平均値も測定した。
(3)曲げ強度:
ISO178に準拠して測定した。曲げ強度は50MPa以上であることが好ましい。
(4)メルトフローレート:
ISO1133に準拠して測定した。メルトフローレートは5以下であることが必要である。
以下の実施例、比較例に用いた各種原料は次の通りである。
(1)ポリ乳酸樹脂:カーギルダウ社製 『6201D』((L−乳酸)/(D−乳酸)=99モル%/1モル%)
(2)(メタ)アクリル酸エステル化合物:日本油脂社製 エチレングリコールジメタクリレート 『ブレンマーPDE−50』(以下「EGDM」と称す。)
(3)リン酸系化合物、有機リン化合物:大八化学社製 芳香族縮合リン酸エステル 『PX200』、および、クラリアント社製 ポリリン酸アンモン 『AP422』
(4)反応性有機リン化合物:
(i)三光化学社製 9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナントレン−10−オキサイド 『HCA』
(ii)下式に示す化合物(以下「PPQ−E」と称す)
Figure 2008019294
(iii)クラリアント社製 3−(ヒドロキシメチルホスフィニル)プロパン酸 『ホスホラン』
(iv)シクロフォスファゼンオリゴマー(以下「シクロ」と称す)
(5)加水分解抑制剤:日清紡社製 イソシアネート変性カルボジイミド 『LA−1』(イソシアネート基含有率1〜3%、以下「カルボジイミド」と称す)
(6)無機充填材:林化成社製 微粉タルク 『MW−HST』(以下「微粉タルク」と称す。)
(7)過酸化物:日本油脂社製 ジ−t−ブチルパーオキサイド 『パーブチルD』
(8)有機結晶核剤:伊藤製油社製 N,N’−エチレンビス−12−ヒドロキシステアリン酸アミド 『T−530SF』
(9)可塑剤: 理研ビタミン社製 グリセリンジアセトモノカプレート 『PL−019』
[第1の本発明の実施例、比較例]
実施例1
二軸押出機(東芝機械社製 TEM37BS型)を用い、6201D 53質量部、PX200 23質量部、カルボジイミド1.0質量部、微粉タルク23質量部をドライブレンドして押出機の根元供給口から供給し、バレル温度180℃、スクリュー回転数240rpm、吐出量15kg/hの条件で、ベントを効かせながら押出しを実施した。さらに、EGDM 0.08質量部、および、パーブチルD 0.2質量部をシリンダ内に供給した。押出機先端から吐出された樹脂をペレット状にカッティングして樹脂組成物のペレットを得た。この時、吐出された樹脂のメルトフローレートを測定した。
得られたペレットを70℃×24時間真空乾燥したのち、東芝機械社製 IS−80G型射出成形機を用いて、金型表面温度を105℃に調整しながら、一般物性測定用試験片(ASTM型)を複数作製し、各種測定に供した。また、作成した複数の試験片の一部は、60℃95%RHの高温高湿度環境に20日間曝し、曲げ強度を測定した。
実施例2〜8、比較例1〜5
実施例1に比べて、6201D、EGDM、パーブチルD、リン酸系化合物、カルボジイミド、微粉タルクの量、種類を変えた。そして、それ以外は実施例1と同様にして樹脂組成物ペレットを得て、これを射出成形して試験片を作成し、その試験片を用いて各種物性を測定した。
実施例1〜8、比較例1〜5の評価結果をまとめて表1に示す。
Figure 2008019294
表1から明らかなように、実施例1〜8においては、難燃性および耐熱性に優れた樹脂組成物が得られた。
比較例1においては、リン酸系化合物の配合量が少なかったため、難燃性に劣る結果となった。比較例2においては、リン酸系化合物の配合量が多かったため、成形が困難であった。比較例3においては、EGDMの配合量が少なかったため、やはり、成形が困難であった。比較例4においては、EGDMの配合量が多かったため、混練が困難であった。比較例5においては、パーブチルDの配合量が少なかったため、成形が困難であった。
実施例1〜5、7、8においては、リン酸系化合物として芳香族縮合リン酸エステルを用いたため、そうでなかった実施例6と比較して、難燃性において、より好適な結果が得られた。
実施例1〜3、5、6、8においては、加水分解抑制剤として用いたカルボジイミドの配合量が適当であったため、そうでなかった実施例4、7と比較して、耐久性、あるいは、色調において、より好適な結果が得られた。
実施例1〜4、6、7においては、無機充填材として用いた微粉タルクの配合量が適当であったため、そうでなかった実施例5、8と比較して、成形性、耐熱性、あるいは、混練時の操業性において、より好適な結果が得られた。
[第2の本発明の実施例、比較例]
実施例9
二軸押出機(東芝機械社製 TEM37BS型)を用い、6201D 52質量部、T−530SF 2質量部、PX200 23質量部、カルボジイミド1.0質量部、微粉タルク23質量部をドライブレンドして押出機の根元供給口から供給し、バレル温度180℃、スクリュー回転数240rpm、吐出量15kg/hの条件で、ベントを効かせながら押出しを実施した。さらに、PL−019 4質量部をシリンダ内に供給した。押出機先端から吐出された樹脂をペレット状にカッティングして樹脂組成物のペレットを得た。この時、吐出された樹脂のメルトフローレートを測定した。
このペレットを70℃×24時間真空乾燥したのち、東芝機械社製 IS−80G型射出成形機を用いて、金型表面温度を105℃に調整しながら、一般物性測定用試験片(ASTM型)を複数作製し、各種測定に供した。また、複数の試験片の一部は、60℃95%RHの高温高湿度環境に20日間曝し、曲げ強度を測定した。
実施例10〜16、比較例6〜9
実施例9に比べて、6201D、T−530SF、PL−019、リン酸系化合物、カルボジイミド、微粉タルクの量、種類を変えた。そして、それ以外は実施例9と同様にして樹脂組成物ペレットを得て、これを射出成形して試験片を作成し、その試験片を用いて各種物性を測定した。
実施例9〜16、比較例6〜9の評価結果をまとめて表2に示す。
Figure 2008019294
表2から明らかなように、実施例9〜16においては、難燃性、および、耐熱性に優れた樹脂組成物が得られた。
比較例6においては、リン酸系化合物の配合量が少なかったため、難燃性に劣る結果となった。比較例7においては、リン酸系化合物の配合量が多かったため、成形が困難であった。比較例8においては、T−530SF、PL−019の配合量が少なかったため、やはり、成形が困難であった。比較例9においては、T−530SF、PL−019の配合量が多かったため、混練が困難であった。
実施例9〜13、15、16においては、リン酸系化合物として芳香族縮合リン酸エステルを用いたため、そうでなかった実施例14と比較して、難燃性において、より好適な結果が得られた。
実施例9〜11、13、14、16においては、加水分解抑制剤として用いたカルボジイミドの配合量が適当であったため、そうでなかった実施例12、15と比較して、耐久性あるいは色調において、より好適な結果が得られた。
実施例9〜12、14、15においては、無機充填材として用いた微粉タルクの配合量が適当であったため、そうでなかった実施例13、16と比較して、成形性、耐熱性、混練時の操業性において、より好適な結果が得られた。
[第3の本発明の実施例、比較例]
実施例17
二軸押出機(東芝機械社製 TEM37BS型)を用い、6201D 50質量部、PX−200 28質量部、HCA 2.0質量部、カルボジイミド0.1質量部、微粉タルク20質量部をドライブレンドして押出機の根元供給口から供給し、バレル温度180℃、スクリュー回転数280rpm、吐出量15kg/hの条件で、ベントを効かせながら押出しを実施した。さらに、EGDM 0.10質量部およびパーブチルD 0.2質量部をシリンダ内に供給した。押出機先端から吐出された樹脂をペレット状にカッティングして樹脂組成物のペレットを得た。この時、吐出された樹脂のメルトフローレートを測定した。
得られたペレットを70℃×24時間真空乾燥したのち、東芝機械社製 IS−80G型射出成形機を用いて、金型表面温度を105℃に調整しながら、一般物性測定用試験片(ASTM型)を複数作製し、各種測定に供した。また、複数の試験片の一部は、60℃95%RHの高温高湿度環境に20日間曝し、曲げ強度を測定した。
実施例18〜27、比較例10〜15
実施例17に比べ、6201D、EGDM、パーブチルD、有機リン化合物、反応性有機リン化合物、カルボジイミド、微粉タルクの量、種類を変えた。そして、それ以外は実施例17と同様にして樹脂組成物ペレットを得て、これを射出成形して試験片を作成し、その試験片を用いて各種物性を測定した。
実施例17〜27、比較例10〜15の評価結果をまとめて表3に示す。
Figure 2008019294
表3から明らかなように、実施例17〜27においては、難燃性および耐熱性に優れた樹脂組成物が得られた。
比較例10においては、反応性有機リン化合物の配合量が少なかったため、難燃性に劣る結果となった。比較例11においては、有機リン化合物の配合量が少なかったため、やはり難燃性に劣る結果となった。比較例12においては、有機リン化合物の配合量が多かったため、成形が困難であった。比較例13においては、EGDMの配合量が少なかったため、成形が困難であった。比較例14においては、EGDMの配合量が多かったため、混練が困難であった。比較例15においては、パーブチルDの配合量が少なかったため、成形が困難であった。
実施例17〜21、23、24、26、27においては、有機リン化合物として芳香族系縮合リン酸エステルを用い、反応性有機リン化合物として、HCA、PPQ−E、ホスホランを用いたため、そうでなかった実施例22、25と比較して、難燃性においてより好適な結果が得られ、加えて、燃焼時の平均残炎時間も3秒未満の短時間であった。このように燃焼時の平均残炎時間が短かったため、電気製品等の筺体として利用した場合に引火の恐れがないなど、安全上優れたものであった。
実施例17〜19、21、22、24〜27においては、加水分解抑制剤として用いたカルボジイミドの配合量が適当であったため、そうでなかった実施例20、23と比較して、耐久性、あるいは、色調において、より好適な結果が得られた。
実施例17〜20、22、23、25〜27においては、無機充填材として用いた微粉タルクの配合量が適当であったため、そうでなかった実施例21あるいは24と比較して、成形性、混練時の操業性において、より好適な結果が得られた。
[第4の本発明の実施例、比較例]
実施例28
二軸押出機(東芝機械社製 TEM37BS型)を用い、6201D 48質量部、T−530SF 1.5質量部、PX−200 28質量部、HCA 2.0質量部、カルボジイミド0.1質量部、微粉タルク16質量部をドライブレンドして押出機の根元供給口から供給し、バレル温度180℃、スクリュー回転数280rpm、吐出量15kg/hの条件で、ベントを効かせながら押出しを実施した。さらに、PL-019 4質量部をシリンダ内に供給した。押出機先端から吐出された樹脂をペレット状にカッティングして樹脂組成物のペレットを得た。この時、吐出された樹脂のメルトフローレートを測定した。
得られたペレットを70℃×24時間真空乾燥したのち、東芝機械社製 IS−80G型射出成形機を用いて、金型表面温度を105℃に調整しながら、一般物性測定用試験片(ASTM型)を複数作製し、各種測定に供した。また、複数の試験片の一部は、60℃95%RHの高温高湿度環境に20日間曝し、曲げ強度を測定した。
実施例29〜38、比較例16〜22
実施例27に比べ、6201D、T−530SF、PL−019、有機リン化合物、反応性有機リン化合物、カルボジイミド、微粉タルクの量、種類を変えた。そして、それ以外は実施例27と同様にして樹脂組成物ペレットを得て、これを射出成形して試験片を作成し、その試験片を用いて各種物性を測定した。
実施例28〜38、比較例16〜22の評価結果をまとめて表4に示す。
Figure 2008019294
表4から明らかなように、実施例28〜38においては、難燃性および耐熱性に優れた樹脂組成物が得られた。
比較例16においては、反応性有機リン化合物の配合量が少なかったため、難燃性に劣る結果となった。比較例17においては、有機リン化合物の配合量が少なかったため、やはり難燃性に劣る結果となった。比較例18においては、有機リン化合物の配合量が多かったため、成形が困難であった。比較例19においては、T−530SFの配合量が少なかったため、成形が困難であった。比較例20においては、T−530SFの配合量が多かったため、混練が困難であった。比較例21においては、PL−019の配合量が少なかったため、成形が困難であった。比較例22においては、PL−019の配合量が多かったため、混練が困難であった。
実施例28〜32、34、35、37、38においては、有機リン化合物として芳香族系縮合リン酸エステルを用い、反応性有機リン化合物としてHCA、PPQ−E、ホスホランを用いたため、そうでなかった実施例33、36と比較して、難燃性において、より好適な結果が得られ、加えて、燃焼時の平均残炎時間も3秒未満の短時間であった。
実施例28〜30、32、33、35〜38においては、加水分解抑制剤として用いたカルボジイミドの配合量が適当であったため、そうでなかった実施例31、34と比較して、耐久性、色調において、より好適な結果が得られた。
実施例28〜31、33、34、36〜38においては、無機充填材として用いた微粉タルクの配合量が適当であったため、そうでなかった実施例32、35と比較して、成形性、混練時の操業性において、より好適な結果が得られた。

Claims (9)

  1. ポリ乳酸樹脂を主成分とするとともに、(メタ)アクリル酸エステル化合物0.01〜5質量%と、リン酸系化合物10〜35質量%とを含み、これらポリ乳酸樹脂と(メタ)アクリル酸エステル化合物とリン酸系化合物とが0.001質量%以上の過酸化物とともに溶融混練されたものであり、メルトフローレートが5g/10分以下であることを特徴とする難燃性ポリ乳酸樹脂組成物。
  2. ポリ乳酸樹脂を主成分とするとともに、有機結晶核剤0.1〜5質量%と、可塑剤1〜10質量%と、リン酸系化合物10〜35質量%とを含み、メルトフローレートが5g/10分以下であることを特徴とする難燃性ポリ乳酸樹脂組成物。
  3. リン酸系化合物が芳香族縮合リン酸エステルであることを特徴とする請求項1または2記載の難燃性ポリ乳酸樹脂組成物。
  4. ポリ乳酸樹脂を主成分とするとともに、(メタ)アクリル酸エステル化合物0.01〜5質量%と、有機リン化合物10〜35質量%と、反応性有機リン化合物0.01質量%以上とを含み、これらポリ乳酸樹脂と(メタ)アクリル酸エステル化合物と有機リン化合物と反応性有機リン化合物とが0.001質量%以上の過酸化物とともに溶融混練されたものであり、メルトフローレートが5g/10分以下であることを特徴とする難燃性ポリ乳酸樹脂組成物。
  5. ポリ乳酸樹脂を主成分とするとともに、有機結晶核剤0.1〜5質量%と、可塑剤1〜10質量%と、有機リン化合物10〜35質量%と、反応性有機リン化合物0.01質量%以上とを含み、メルトフローレートが5g/10分以下であることを特徴とする難燃性ポリ乳酸樹脂組成物。
  6. 有機リン化合物が芳香族系縮合リン酸エステルであることを特徴とする請求項4または5記載の難燃性ポリ乳酸樹脂組成物。
  7. 反応性有機リン化合物が、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナントレン−10−オキサイドと、下式に示す化合物(m、nは1〜5の整数)と、3−(ヒドロキシメチルホスフィニル)プロパン酸と、3−(ヒドロキシメチルホスフィニル)プロパン酸のエチレングリコールエステルとのいずれかであることを特徴とする請求項4から6までのいずれか1項記載の難燃性ポリ乳酸樹脂組成物。
    Figure 2008019294
  8. 加水分解抑制剤を0.05〜8質量%含むことを特徴とする請求項1から7までのいずれか1項記載の難燃性ポリ乳酸樹脂組成物。
  9. 無機充填材を5〜35質量%含むことを特徴とする請求項1から8までのいずれか1項記載の難燃性ポリ乳酸樹脂組成物。
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