JP4906981B2 - 熱可塑性樹脂組成物およびそれを成形してなる成形体 - Google Patents

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Description

本発明は、石油系製品への依存が低いポリ乳酸を用いながらも、難燃性、耐衝撃性、耐熱性に優れ、多用途の各種製品に用いることができる熱可塑性樹脂組成物および同組成物を成形してなる成形体に関するものである。
近年、環境保全の見地からポリ乳酸をはじめとするバイオマス原料の樹脂が注目されている。ポリ乳酸は、大量生産が可能なためコストも安く、またバイオマス由来の樹脂の中では耐熱性が高いため、自動車部品や機械部品等をはじめとする様々な分野への使用が検討されている。
しかしながら、ポリ乳酸は、難燃性が低く、容易に燃焼してしまうという問題や、また、耐衝撃性能が低く、衝撃により製品が簡単に割れてしまうという欠点があった。
一般に、自動車部品や家電筐体等の分野において、難燃性は、アメリカUL規格サブジェクト94(以下、UL94と略称する。)を基準として評価され、V−1以上が好ましいとされている。
難燃性向上のためには、樹脂組成物にフッ素系化合物を添加することが有効であることが知られている。例えば、特許文献1では、ポリ乳酸、ポリカーボネート、スチレン系相溶化剤、モノカルボジイミド、多価カルボジイミドおよび難燃剤からなる樹脂組成物に、フッ素系化合物を添加することよって、V−1の難燃性能が達成されている。
しかしながら、フッ素系化合物を添加することなしには、未だV−1の難燃性能を達成できていなかった。また、フッ素系化合物を添加すると、成形加工時や焼却時に、有毒ガスが発生するという問題があることも知られている。
また、特許文献2には、ポリ乳酸と芳香族ポリエステルとからなり、かつ難燃剤を有することにより難燃性が付与された樹脂組成物が記載されている。そして特許文献2には、この樹脂組成物は、自動車部品、電気・電子部品等に使用できること、またV−1やV−0の難燃性能が達成できていることが示されている。
しかしながら、上記のように自動車部品、電気・電子部品等に使用できることが記載されているものの、特許文献2に記載の樹脂組成物は、芳香族ポリエステルを用いたものであるため、耐衝撃性能が低く、十分な性能を有するものではなかった。また、ポリ乳酸自体の改質も行われておらず、耐熱性能も十分に満足できるものではなかった。
国際公開第2009/041054号 特開2010−111735号公報
本発明は、上記課題を解決するものであって、フッ素系化合物を用いなくても難燃性に優れ、少なくともV−1の性能を達成することができ、かつ耐衝撃性や耐熱性にも優れており、使用環境が厳しい自動車部品、電気・電子部品にも好適に用いることができ、かつ地球環境にも配慮した熱可塑性樹脂組成物およびそれを成形してなる成形体を提供することにある。
本発明者は上記課題を解決するために検討した結果、樹脂成分としてビスフェノール基を有する非晶性熱可塑性樹脂をポリ乳酸とともに使用すること、アクリル系相溶化剤を用いること、そして特定の難燃剤を2種類併用することにより、難燃性が良好で、耐衝撃性、耐熱性にも優れた樹脂組成物を得ることができることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明の要旨は以下のとおりである。
(1)ポリ乳酸(A)、ビスフェノール基を有する非晶性熱可塑性樹脂(B)、アクリル系相溶化剤(C)および難燃剤(D)を含有する樹脂組成物であり、樹脂組成物中のポリ乳酸(A)の含有量が25〜60質量%、ビスフェノール基を有する非晶性熱可塑性樹脂(B)の含有量が30〜60質量%、アクリル系相溶化剤(C)の含有量が0.5〜20質量%、難燃剤(D)の含有量が5〜30質量%であり、難燃剤(D)が、リン酸エステル系難燃剤(D−1)とホスフィン酸金属塩系難燃剤(D−2)とを含み、リン酸エステル系難燃剤(D−1)とホスフィン酸金属塩系難燃剤(D−2)の質量比率〔(D−1)/(D−2)〕が、10/90〜50/50であることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
(2)ポリ乳酸(A)は、D体含有量が1.0モル%以下であるか、または99.0モル%以上であることを特徴とする(1)記載の熱可塑性樹脂組成物。
(3)ポリ乳酸(A)は、架橋構造が導入されたものであることを特徴とする(1)または(2)記載の熱可塑性樹脂組成物。
(4)ビスフェノール基を有する非晶性熱可塑性樹脂(B)が、ポリカーボネート樹脂(B−1)および/またはポリアリレート樹脂(B−2)であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
(5)リン酸エステル系難燃剤(D−1)が芳香族縮合リン酸エステルであり、かつホスフィン酸金属塩系難燃剤(D−2)がホスフィン酸アルミニウム塩であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
(6)さらに芳香族カルボジイミド化合物(E)を含有し、樹脂組成物中の芳香族カルボジイミド化合物(E)の含有量が0.1〜5質量%であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
(7)芳香族カルボジイミド化合物(E)が、芳香族モノカルボジイミド(E−1)と芳香族多価カルボジイミド(E−2)とであり、芳香族モノカルボジイミド(E−1)と芳香族多価カルボジイミド(E−2)の質量比率〔(E−1)/(E−2)〕が、10/90〜90/10であることを特徴とする(6)記載の熱可塑性樹脂組成物。
(8)上記(1)〜(7)のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物を成形してなる成形体。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、難燃性と耐衝撃性とに優れるビスフェノール基を有する非晶性熱可塑性樹脂とポリ乳酸とを含有するものであるため、ポリ乳酸の欠点である難燃性の低さと耐衝撃性の低さが改良され、難燃性と耐衝撃性とに優れる。そして、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、相溶化剤としてアクリル系相溶化剤を含有するので、ポリ乳酸と、ビスフェノール基を有する非晶性熱可塑性樹脂との相溶性が格段に向上し、ビスフェノール基を有する非晶性熱可塑性樹脂の難燃性と耐衝撃性の高さが十分に発揮される。さらに、難燃剤として特定の難燃剤を併用するため、さらに優れた難燃性が付与され、樹脂組成物は、V−1、V−0レベルの難燃性を有することが可能となる。
また、ポリ乳酸として、D体含有量が特定の範囲を満足するものを用いたり、また架橋構造が導入されたものを用いることにより、ポリ乳酸の耐熱性を向上させることができる。そして、樹脂組成物自体の耐熱性を向上させることが可能となるとともに、難燃性も向上させることが可能となる。
また、芳香族カルボジイミド化合物を含有させることにより、樹脂組成物の耐湿熱性も向上させることが可能となる。
以上のように、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、難燃性、耐衝撃性、耐熱性、さらには耐湿熱性に顕著に優れており、かつ天然物由来の樹脂を利用しているので石油系製品への依存度が低く、地球環境にも配慮したものである。そして、本発明の熱可塑性樹脂組成物は射出成形等により各種成形体とすることができる。
本発明の成形体は、上記のような本発明の樹脂組成物を成形してなるものであるため、各種の機械部品、電気・電子部品、建築部材、自動車部品や日用品等の各種用途に好適に使用することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の熱可塑性樹脂組成物〔以下、組成物(X)と略称することがある。〕は、ポリ乳酸(A)、ビスフェノール基を有する非晶性熱可塑性樹脂(B)、アクリル系相溶化剤(C)および難燃剤(D)を含有する。
まず、ポリ乳酸(A)について説明する。
ポリ乳酸(A)とは、ポリ(L−乳酸)、ポリ(D−乳酸)、これらの混合物または共重合体のことをいう。
ポリ乳酸は脂肪族ポリエステルの中では耐熱性が高いものであるが、さらに耐熱性を向上させるために、ポリ乳酸のD体含有量は、1.0モル%以下であるか、または99.0モル%以上であることが好ましい。中でも、D体含有量が0.1〜0.6モル%であるか、または99.4〜99.9モル%であることが好ましい。
D体含有量が上記の範囲を満足するポリ乳酸(A)は、結晶性に優れることにより、耐熱性が向上し、かつ結晶化速度も向上するので、成形サイクルが短くなり成形性にも優れるものとなる。
ポリ乳酸(A)のD体含有量とは、ポリ乳酸(A)を構成する総乳酸単位のうち、D乳酸単位が占める割合(モル%)をいうものである。したがって、例えば、D体含有量が1.0モル%のポリ乳酸の場合、このポリ乳酸は、D乳酸単位が占める割合が1.0モル%であり、L乳酸単位が占める割合が99.0モル%である。
本発明においては、ポリ乳酸(A)のD体含有量は、ポリ乳酸(A)を分解して得られるL乳酸とD乳酸を全てメチルエステル化し、L乳酸のメチルエステルとD乳酸のメチルエステルとをガスクロマトグラフィー分析機で分析する方法により算出するものである。
このような特定のD体含有量を満足するポリ乳酸(A)としては、市販のものを用いることができる。また、乳酸の環状2量体であるラクチドのうち、D体含有量が十分に低いL−ラクチド、または、L体含有量が十分に低いD−ラクチドを原料に用い、公知の溶融重合法で、あるいは、さらに固相重合法を併用して製造したものを用いることができる。
また、ポリ乳酸(A)として、架橋構造が導入されたものを用いることも好ましい。架橋の形態としては、ポリ乳酸分子同士が直接架橋したものでも、架橋助剤を介して間接的に架橋したものでも、直接架橋と間接架橋が混在したものでもよい。架橋構造が導入されることにより、ポリ乳酸(A)の耐熱性が向上する。
ポリ乳酸(A)に架橋構造を導入する方法としては、電子線を照射する方法、多価イソシアネート化合物等の多官能性化合物を使用する方法、過酸化物を使用する方法等の公知の方法が挙げられる。架橋効率の点で、過酸化物を使用する方法が好ましい。
過酸化物としては、ベンゾイルパーオキサイド、ビス(ブチルパーオキシ)トリメチルシクロヘキサン、ビス(ブチルパーオキシ)シクロドデカン、ブチルビス(ブチルパーオキシ)バレレート、ジクミルパーオキサイド、ブチルパーオキシベンゾエート、ジブチルパーオキサイド、ビス(ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジメチルジ(ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジメチルジ(ブチルパーオキシ)ヘキシン、ブチルパーオキシクメン等が挙げられる。
過酸化物の使用量は、ポリ乳酸(A)100質量部に対して、0.1〜20質量部とすることが好ましく、0.1〜10質量部とすることがより好ましい。10質量部を超えても使用できるが、効果が飽和するばかりか、経済的でない。なお、過酸化物は、架橋する際に分解して消費されるため、ポリ乳酸(A)に添加されても、樹脂組成物中には残存しない場合がある。
架橋効率を上げるために、過酸化物とともに架橋助剤を使用することが好ましい。架橋助剤を用いる場合、その含有量は、過酸化物100質量部に対して、1〜50質量部とすることが好ましく、1〜30質量部とすることがより好ましい。50質量部を超えても使用できるが、効果が飽和するばかりか、経済的でない。
架橋助剤としては、アルコキシ基、ビニル基、(メタ)アクリル基から選ばれる官能基を2個以上有するシラン化合物、(メタ)アクリル酸エステル化合物、脂肪族および芳香族ビニル、芳香族アリル、ビニル複素環式化合物、多官能性(メタ)アクリル系化合物、脂肪族および芳香族多価カルボン酸のポリビニルエステル、ポリアリルエステル、シアヌール酸またはイソシアヌール酸のアリルエステル、マレイミド系化合物、2個以上の三重結合を有する化合物等が挙げられる。中でも架橋反応性の点から、(メタ)アクリル酸エステル化合物が好ましい。
(メタ)アクリル酸エステル化合物としては、分子内に2個以上の(メタ)アクリル基を有するか、または1個以上の(メタ)アクリル基と1個以上のグリシジル基もしくはビニル基を有する化合物が好ましい。これらの化合物は、生分解性樹脂との反応性が高く、モノマーが残りにくく、樹脂の着色も少ない。
(メタ)アクリル酸エステル化合物の具体的な化合物としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、アリロキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、または、これらのアルキレングリコール部が異種のアルキレン基を有するアルキレングリコールの共重合体が挙げられる。
ポリ乳酸(A)に、過酸化物と架橋助剤を用いて架橋反応させる方法としては、一般的な押出機を用いて溶融混練する方法が挙げられる。その場合、あらかじめ過酸化物および/または架橋助剤を媒体に溶解または分散させてもよい。例えば、ポリ乳酸(A)と過酸化物とを溶融混練しながら架橋助剤の溶解液または分散液を注入してもよく、また、ポリ乳酸(A)を溶融混練しながら架橋助剤と過酸化物の溶解液または分散液を注入して溶融混練してもよい。
過酸化物および/または架橋助剤を溶解または分散させる媒体としては、特に限定されないが、本発明の樹脂組成物との相溶性に優れた可塑剤が好ましい。
可塑剤としては、例えば、脂肪族多価カルボン酸エステル誘導体、脂肪族多価アルコールエステル誘導体、脂肪族オキシエステル誘導体、脂肪族ポリエーテル誘導体、脂肪族ポリエーテル多価カルボン酸エステル誘導体等が挙げられる。
可塑剤の具体的な化合物としては、グリセリンジアセトモノラウレート、グリセリンジアセトモノカプレート、ポリグリセリン酢酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸トリグリセライド、ジメチルアジペート、ジブチルアジペート、トリエチレングリコールジアセテート、アセチルリシノール酸メチル、アセチルトリブチルクエン酸、ポリエチレングリコール、ジブチルジグリコールサクシネート、ビス(ブチルジグリコール)アジペート、ビス(メチルジグリコール)アジペート等が挙げられる。
市販品としては、理研ビタミン社製PL−012、PL−019、PL−320、PL−710、アクターシリーズ(M−1、M−2、M−3、M−4、M−107FR)、田岡化学社製のATBC、大八化学社製のBXA、MXA、太陽化学社製のチラバゾールVR−01、VR−05、VR−10P、VR−10P改1、VR−623等が挙げられる。
そして、ポリ乳酸(A)は、D体含有量が1.0モル%以下であるか、または99.0モル%以上であるポリ乳酸に、架橋構造が導入されたものであることがさらに好ましい。
ポリ乳酸(A)として、特定のD体含有量のものや、架橋構造が導入されたものを使用することにより、ポリ乳酸(A)の耐熱性が向上し、さらには組成物(X)の耐熱性が向上する。組成物(X)の耐熱性が向上していることを示す指標としては、下記に示す熱変形温度がある。本発明において、ポリ乳酸(A)として、特定のD体含有量のものや、架橋構造が導入されたものを使用することにより、組成物(X)の熱変形温度を110℃以上とすることが可能となる。熱変形温度が110℃以上であることにより、得られる成形体を使用できる分野や用途が広くなり、各種の自動車部品、電気・電子部品等に用いることが可能となる。
さらに、特定のD体含有量のポリ乳酸(A)や、架橋構造が導入されたポリ乳酸(A)は、結晶性に優れるため、このようなポリ乳酸(A)を用いた組成物(X)を成形体とする際には、高温で成形したり、成形後に熱処理を施すことにより、得られる成形体の結晶性をより向上させることができる。
そして、本発明の組成物(X)において、後述する特定の難燃剤(D)を使用し、かつ、このような結晶性に優れたポリ乳酸(A)を用いると、得られる成形体は、結晶性が向上すると同時に難燃性もより向上する。この理由は明らかではないが、ポリ乳酸の結晶性が向上して結晶構造が変化すると、組成物(X)中に含有されている特定の2種類の難燃剤(D−1)と(D−2)の働きが活性化され、十分に難燃性能が発揮される方向に働くものと想定される。
つまり、本発明において、ポリ乳酸(A)として、特定のD体含有量のものや、架橋構造が導入されたものを使用することにより、組成物(X)は、耐熱性が向上すると同時に難燃性も向上したものとなる。
さらに、ポリ乳酸(A)は、後述の測定方法によるメルトフローレート(以下、MFRと略称する。)が、0.1〜50g/10分であることが好ましく、0.2〜20g/10分がより好ましく、0.5〜15g/10分がさらに好ましい。MFRが50g/10分を超えると、溶融粘度が低すぎて成形物の機械的特性や耐熱性が劣る場合がある。一方、MFRが0.1g/10分未満であると成形加工時の負荷が高くなり、操業性が低下する。
組成物(X)中のポリ乳酸(A)の含有量は、25〜60質量%とすることが必要であり、中でも30〜50質量%が好ましい。ポリ乳酸(A)の含有量が25質量%未満であると、組成物(X)中においてバイオマス原料の樹脂を使用している比率が小さく、環境面でのメリットが小さくなる。一方、含有量が60質量%を超えると、ビスフェノール基を有する非晶性熱可塑性樹脂(B)の割合が少なくなることから、組成物(X)は、耐衝撃性や難燃性に劣ることになる。
次に、ビスフェノール基を有する非晶性熱可塑性樹脂(B)について説明する。
非晶性熱可塑性樹脂とは、以下に示す融点の測定方法により、融点が観測されない熱可塑性樹脂をいう。
(融点の測定方法)
DSC(示差走査熱量測定)装置(パーキンエルマー社製Pyrisl DSC)を用いて、−100℃から300℃まで20℃/分で昇温し、次に−100℃まで50℃/分で降温し、続いて−100℃から300℃まで20℃/分で昇温する。2回目の昇温過程における融解ピークを融点とする。
ビスフェノール基を有する非晶性熱可塑性樹脂(B)〔以下、非晶性熱可塑性樹脂(B)と略称する。〕としては、耐衝撃性や難燃性に優れる点から、ポリカーボネート樹脂(B1)、ポリアリレート樹脂(B2)、ポリカーボネート樹脂(B1)とポリアリレート樹脂(B2)の両者を含有した樹脂(B3)が好ましい。
ポリカーボネート樹脂(B1)について説明する。
ポリカーボネート樹脂(B1)とは、ビスフェノール類残基とカーボネート残基からなる樹脂をいう。
ビスフェノール類としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下、ビスフェノールAと略称する。)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(以下、ビスフェノールTMCと略称する。)、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デカン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロドデカン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4′−ジチオジフェノール、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジクロロジフェニルエーテル、4,4′−ジヒドロキシ−2,5−ジヒドロキシジフェニルエーテル等が挙げられる。中でも、汎用性の点から、ビスフェノールAとビスフェノールTMCが好ましい。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
ポリカーボネート樹脂(B1)は、公知の方法で製造することができる。例えば、ビスフェノール類とホスゲンとを、または、ビスフェノール類とジフェニルカーボネートとを反応させる方法が挙げられる。
ポリカーボネート樹脂(B1)の極限粘度は0.35〜0.64の範囲にあることが好ましい。ポリカーボネート樹脂(B1)の極限粘度が0.35未満であると、得られる成形体の衝撃強度が不足する場合がある。一方、極限粘度が0.64を超えると、樹脂組成物の溶融粘度が高くなり、混練押出しおよび射出成形が困難になる場合がある。
ポリアリレート樹脂(B2)について説明する。
ポリアリレート樹脂(B2)とは、芳香族ジカルボン酸残基とビスフェノール類残基からなる樹脂をいう。
ビスフェノール類としては、ビスフェノールA、ビスフェノールTMC、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4′−ジヒドロキシジフェニルケトン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。中でも、ビスフェノールAとビスフェノールTMCの併用が好ましい。
芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、4、4′−ジカルボキシフェニル等が挙げられる。中でも、溶融加工性、機械的特性の点から、テレフタル酸とイソフタル酸が好ましく、両者の併用がより好ましい。
テレフタル酸とイソフタル酸を併用する場合、両者のモル比率は、特に限定されないが、90/10〜10/90の範囲とすることが好ましく、70/30〜30/70の範囲とすることがより好ましく、50/50とすることがさらに好ましい。両者のモル比率がこの範囲にあると、界面重合する場合、十分に重合度を上げることができる。
ポリアリレート樹脂(B2)の製造方法は特に限定されないが、界面重合法、溶融重合法等が挙げられる。
ポリアリレート樹脂(B2)の極限粘度は0.35〜0.65であることが好ましい。ポリアリレート樹脂(B2)の極限粘度が0.35未満であると、得られる成形体の衝撃強度が不足する場合がある。一方、極限粘度が0.65を超えると溶融粘度が高くなり、射出成形が困難となることがある。
ポリカーボネート樹脂(B1)とポリアリレート樹脂(B2)の両者を含有した樹脂(B3)について説明する。
ポリカーボネート樹脂(B1)とポリアリレート樹脂(B2)の両者を含有した樹脂(B3)としては、ポリカーボネート樹脂(B1)とポリアリレート樹脂(B2)を混合した樹脂、ポリカーボネート樹脂(B1)とポリアリレート樹脂(B2)を共重合した樹脂を含むものである。
ポリカーボネート樹脂(B1)とポリアリレート樹脂(B2)を混合した樹脂としては、ポリカーボネート樹脂(B1)とポリアリレート樹脂(B2)のそれぞれのチップまたはパウダーを単にブレンドしたものでもよい。しかしながら、ポリ乳酸との相溶性を向上させ、物性を向上させる観点からは、ポリカーボネート樹脂(B1)とポリアリレート樹脂(B2)を溶融混練して作製した混合樹脂の方が好ましい。
ポリカーボネート樹脂(B1)とポリアリレート樹脂(B2)の含有比率〔(B1)/(B2)〕は、耐熱性と流動性の点から、70/30〜30/70(質量比)の範囲が好ましい。
両者を含有する樹脂(B3)の極限粘度は、相溶性、機械物性、耐熱性の点から0.55以下が好ましく、衝撃強度の点から0.35以上が好ましい。
組成物(X)中の非晶性熱可塑性樹脂(B)の含有量は、30〜60質量%とすることが必要であり、中でも35〜50質量%が好ましい。非晶性熱可塑性樹脂(B)の含有量が30質量%未満であると、耐衝撃性や難燃性に劣る組成物(X)となる。一方、非晶性熱可塑性樹脂(B)の含有量が60質量%を超えると、ポリ乳酸(A)の比率が少なくなることから、環境面でのメリットが小さくなる。
次に、アクリル系相溶化剤(C)について説明する。
本発明の組成物(X)においては、アクリル系相溶化剤(C)を含有させることで、ポリ乳酸(A)と非晶性熱可塑性樹脂(B)との相溶性が格段に向上する。そして相溶性が向上することで、組成物(X)の耐衝撃性や強度等が向上する。さらに、相溶性が向上することで、ポリ乳酸(A)よりも難燃性能が高い非晶性熱可塑性樹脂(B)の難燃性能が最大限に発揮される。このため、特定の難燃剤を添加することによる難燃性の向上効果と相まって、アクリル系相溶化剤ではない相溶化剤を用いた場合と比べると、組成物(X)の難燃性が飛躍的に向上する。
アクリル系相溶化剤(C)としては、(メタ)アクリル系共重合体、スチレン系モノマーと(メタ)アクリル系モノマーの共重合体、ゴム強化アクリル系化合物、コアシェル型アクリル系化合物、アクリル系オレフィン化合物、およびエポキシ基を有するアクリル系化合物等が挙げられる。中でも、エポキシ基を有するアクリル系化合物が、相溶性を格段に向上させることができるので好ましい。
(メタ)アクリル系共重合体とは、(メタ)アクリル系モノマーを単独で重合したもの、または2種以上の(メタ)アクリル系モノマーを共重合したものである。
(メタ)アクリル系モノマーとしては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸イソボルニル等のアルキル基(シクロアルキル基を含む)の炭素数が1〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー、メタクリル酸フェニル等の(メタ)アクリル酸アリールエステル系モノマー、メタクリル酸ベンジル等の(メタ)アクリル酸アラルキルエステル系モノマー等が挙げられる。
スチレン系モノマーと(メタ)アクリルモノマーの共重合体とは、スチレン系モノマーと前記(メタ)アクリル系共重合体を構成するモノマーを共重合したものである。
スチレン系モノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルキシレン、エチルスチレン、ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、ビニルナフタレン、メトキシスチレン、モノブロムスチレン、ジブロムスチレン、フルオロスチレン、トリブロムスチレンのスチレン誘導体が挙げられる。中でも、スチレン、α―メチルスチレン等が好ましい。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
ゴム強化アクリル系化合物とは、ゴム状重合体の存在下に、(メタ)アクリル系モノマーを共重合したもの、または、2種以上のモノマーを共重合したものである。
ゴム状重合体としては、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ブタジエン・スチレン共重合体、イソプレン・スチレン共重合体、ブタジエン・アクリロニトリル共重合体、ブタジエン・イソプレン・スチレン共重合体、ポリクロロプレン等のジエン系ゴム、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体、エチレン・ブテン・非共役ジエン共重合体等のエチレン−プロピレン系ゴム、ポリブチルアクリレート等のアクリル系ゴム、ポリオルガノシロキサン系ゴム等のシリコン系ゴム、これら2種以上のゴムからなる複合ゴム等が挙げられる。中でも、ジエン系ゴムまたはアクリル系ゴムが好ましい。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
コアシェル型アクリル系化合物とは、内層にゴム層を有し、外層に(メタ)アクリル系樹脂を有する層からなるものである。
コアシェル構造の一例として、コア(内層)は、アクリル成分、シリコーン成分、スチレン成分、ニトリル成分、共役ジエン成分、ウレタン成分またはエチレンプロピレン成分等を重合させたゴム等から構成され、シェル(外層)はメタクリル酸メチル重合体等から構成されるものが挙げられる。
市販品としては、三菱レイヨン製メタブレン、鐘淵化学工業社製カネエース、呉羽化学工業社製パラロイド、ロームアンドハース社製アクリロイド、武田薬品工業社製スタフィロイドまたはクラレ社製パラペットSA等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
アクリル系オレフィン化合物とは、(メタ)アクリル酸エステル重合体がグラフト共重合された変性オレフィン化合物である。市販品としては、日本油脂社製モディパー等が挙げられる。
エポキシ基を有するアクリル系化合物とは、エポキシ基とアクリル基を分子内にそれぞれ1つ以上有する化合物である。
例えば、エポキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマー同士の共重合体、エポキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマーと(メタ)アクリル酸エステルモノマーの共重合体、エポキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマーとスチレンモノマーの共重合体、エポキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステル重合体がスチレン系共重合体にグラフト共重合された化合物、(メタ)アクリル酸エステル重合体がエチレン・グリシジルメタクリレート共重合体にグラフト共重合された化合物、または、コア(内層)がアクリル成分、シリコーン成分、スチレン成分、ニトリル成分、共役ジエン成分、ウレタン成分またはエチレンプロピレン成分等を重合させたゴム等から構成され、シェル(外層)がエポキシ基を有するメタクリル酸メチル共重合体等から構成されるコアシェル構造のもの等が挙げられる。
市販品としては、東亜合成社製ARUFON UG−4000シリーズ、東亞合成社製RESEDA、日本油脂社製モディパーA4200、三菱レイヨン社製メタブレンS−2200等が挙げられる。
組成物(X)中のアクリル系相溶化剤(C)の含有量は、0.5〜20質量%とすることが必要であり、中でも3〜10質量%が好ましい。アクリル系相溶化剤(C)の含有量が0.5質量%未満であると、ポリ乳酸(A)と非晶性熱可塑性樹脂(B)を十分に相溶化させることができない。そして、相溶化させることにより生じる効果、すなわち、耐衝撃性、強度、難燃性の向上効果を奏することが困難となる。一方、含有量が20質量%を超えると、組成物(X)の耐熱性や難燃性が低下するという問題が生じる。
次に、難燃剤(D)について説明する。
一般に、高分子材料の燃焼現象は、燃焼によって燃焼ガスが発生し、その燃焼ガスがさらに燃えることで継続されるとされている。燃焼ガスの発生を効果的に抑制するには、樹脂に応じて難燃剤を選択することが好ましい。ポリ乳酸(A)に対してはホスフィン酸金属塩系難燃剤(D−2)が、また非晶性熱可塑性樹脂(B)に対してはリン酸エステル系難燃剤(D−1)が、それぞれ難燃剤として特に効果的である。さらに両難燃剤を特定の割合で併用することにより、得られる組成物(X)の難燃性を飛躍的に向上させることができる。
したがって、本発明においては、難燃剤(D)として、リン酸エステル系難燃剤(D−1)とホスフィン酸金属塩系難燃剤(D−2)とを併用することが必要である。上記したようなポリ乳酸(A)、非晶性熱可塑性樹脂(B)、アクリル系相溶化剤(C)を特定量含有する組成物において、この2種類の難燃剤を特定の割合で併用することにより、難燃性を飛躍的に向上させることができる。このため、本発明の組成物(X)は、フッ素系化合物等の他の添加剤を加えることなく、V−1レベルやV−0レベルの難燃性を達成することが可能となる。
リン酸エステル系難燃剤(D−1)としては、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、クレジル2,6−キシレニルホスフェート等のリン酸エステル、縮合リン酸エステル、芳香族縮合リン酸エステル等が挙げられる。中でも縮合リン酸エステルが好ましく、さらには芳香族縮合リン酸エステルが好ましい。
上記したようなリン酸エステル系難燃剤の市販品としては、大八化学工業社製TMP、TEP、TPP、TCP、TXP、CDP、PX−110等が挙げられ、縮合リン酸エステルや芳香族縮合リン酸エステルとしては、大八化学社製PX−200、PX−201、PX−202、CR−733S、CR−741、CR−747等が挙げられる。
ホスフィン酸金属塩系難燃剤(D−2)としては、ホスフィン酸カルシウム塩、ホスフィン酸マグネシウム塩、ホスフィン酸亜鉛、ホスフィン酸アルミニウム塩等が挙げられるが、中でもホスフィン酸アルミニウム塩が好ましい。
ホスフィン酸金属塩の市販品としてはクラリアント社のOPシリーズ(OP930、OP935、OP1230、OP1312、OP1240等)等が挙げられる。
また、ホスフィン酸金属塩系難燃剤(D−2)は、平均粒径が小さいものほど難燃性能が向上する。このため、ホスフィン酸金属塩系難燃剤(D−2)の平均粒径は、15μm以下であることが好ましく、中でも10μm以下、さらには2〜5μmであることが好ましい。なお、ホスフィン酸金属塩の平均粒径の測定は、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置LA−910(堀場製作所社製)を用いて行うものである。
組成物(X)中の難燃剤(D)の含有量は、5〜30質量%とすることが必要であり、中でも10〜25質量%が好ましい。なお、本発明における難燃剤(D)の含有量とは、リン酸エステル系難燃剤(D−1)とホスフィン酸金属塩系難燃剤(D−2)の合計量をいうものである。難燃剤(D)の含有量が5質量%未満であると、十分な難燃性を付与することができない。一方、難燃剤(D)の含有量が30質量%を超えると、得られる組成物(X)の耐衝撃性や耐熱性が低下する。
さらに、組成物(X)中に添加するリン酸エステル系難燃剤(D−1)とホスフィン酸金属塩系難燃剤(D−2)の質量比率〔(D−1)/(D−2)〕は、10/90〜50/50であることが必要であり、中でも20/80〜40/60であることが好ましい。つまり、リン酸エステル系難燃剤(D−1)とホスフィン酸金属塩系難燃剤(D−2)の両者を用い、かつ特定の質量比率で用いることにより、得られる組成物(X)の難燃性が飛躍的に向上する。そして難燃剤を添加することにより、組成物(X)の耐熱性が低下することも抑えられる。
したがって、リン酸エステル系難燃剤(D−1)とホスフィン酸金属塩系難燃剤(D−2)の質量比率〔(D−1)/(D−2)〕が上記範囲を満足しない場合は、難燃性の向上効果が不十分となる。リン酸エステル系難燃剤(D−1)の質量比率が高すぎる場合は、組成物(X)の耐熱性も低下する。
本発明の組成物(X)においては、芳香族カルボジイミド化合物(E)をさらに含有させることが好ましい。ポリ乳酸(A)は吸湿性が高く、加水分解しやすいため、ポリ乳酸(A)を含有する組成物(X)は、耐湿熱性が低くなりやすい。しかし、芳香族カルボジイミド化合物(E)を含有させることで、組成物(X)の難燃性を低下させることなく、耐湿熱性を向上させることができ、組成物(X)の汎用性、実用性を高めることができる。なお、カルボジイミド化合物として、脂肪族または脂環族カルボジイミド化合物を含有させると、耐湿熱性を向上させることはできるが、難燃性が低下するため好ましくない。
芳香族カルボジイミド化合物(E)とは、(−N=C=N−)で表されるカルボジイミド基を分子内に有する化合物と芳香族化合物が反応して生成する化合物をいう。なお、カルボジイミド基を分子内に1個有する化合物を芳香族モノカルボジイミド化合物(E−1)と表し、カルボジイミド基を分子内に2個以上有する化合物を芳香族多価カルボジイミド化合物(E−2)と表す。
本発明においては、芳香族カルボジイミド化合物(E)として、芳香族モノカルボジイミド(E−1)と芳香族多価カルボジイミド(E−2)を併用することが好ましい。それぞれを単独で用いる場合よりも得られる組成物(X)の耐湿熱性を向上させることができる。その理由は明らかでないが、以下のように推測できる。
ポリ乳酸分子の加水分解は、ポリ乳酸のカルボン酸末端基により促進されることが知られている。芳香族モノカルボジイミド化合物(E−1)は、分子量が小さく動きやすいため分散性に優れ、すばやくポリ乳酸分子のカルボン酸末端と反応するため、ポリ乳酸分子の末端を封鎖し加水分解を抑制する。一方、芳香族多価カルボジイミド化合物(E−2)は、ポリ乳酸が加水分解して新たに発生したカルボン酸末端と反応し、鎖延長させることによって分子量を増大させ、分子量の低下を抑制する。この2つの効果が相まって、組成物(X)の耐湿熱性が飛躍的に向上すると推測される。
芳香族モノカルボジイミド化合物(E−1)と芳香族多価カルボジイミド化合物(E−2)の質量比率〔(E−1)/(E−2)〕は、10/90〜90/10の範囲とすることが好ましく、30/70〜70/30の範囲とすることがより好ましい。芳香族モノカルボジイミドと芳香族多価カルボジイミドの質量比率をこの範囲にすることで、極めて優れた耐湿熱性を得ることができる。
芳香族モノカルボジイミド化合物としては、N,N′−ジ−p−クロルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−o−クロルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−3,4−ジクロルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−2,5−ジクロルフェニルカルボジイミド、p−フェニレン−ビス−o−トルイルカルボジイミド、p−フェニレン−ビス−ジシクロヘキシルカルボジイミド、p−フェニレン−ビス−ジ−p−クロルフェニルカルボジイミド、エチレン−ビス−ジフェニルカルボジイミド、N,N′−ジフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−2,6−ジメチルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−2,6−ジ−tert−ブチルフェニルカルボジイミド、N−トルイル−N′−フェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−p−ニトロフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−p−アミノフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−p−ヒドロキシフェニルカルボジイミド、N−オクタデシル−N′−フェニルカルボジイミド、N−ベンジル−N′−フェニルカルボジイミド、N−フェニル−N′−トリルカルボジイミド、N,N′−ジ−o−エチルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−p−エチルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−o−イソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−p−イソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−o−イソブチルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−p−イソブチルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−2,6−ジエチルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−2−エチル−6−イソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−2−イソブチル−6−イソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−2,4,6−トリメチルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−2,4,6−トリイソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−2,4,6−トリイソブチルフェニルカルボジイミド等が挙げられる。中でも、湿熱耐久性の点からN,N′−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミドが好ましい。
芳香族多価カルボジイミド化合物としては、ポリ(4,4′−ジフェニルメタンカルボジイミド)、ポリ(3,3′−ジメチル−4,4′−ジフェニルメタンカルボジイミド)、ポリ(ナフチレンカルボジイミド)、ポリ(p−フェニレンカルボジイミド)、ポリ(m−フェニレンカルボジイミド)、ポリ(メチル−ジイソプロピルフェニレンカルボジイミド)、ポリ(トリエチルフェニレンカルボジイミド)、ポリ(トリイソプロピルフェニレンカルボジイミド)、ポリ(1,3,5−トリイソプロピルベンゼン)カルボジイミド、ポリ(1,5−ジイソプロピルベンゼン)カルボジイミド、ポリ(4,4′−メチレンビスシクロヘキシルカルボジイミド)が挙げられる。中でも、ポリ(4,4′−メチレンビスシクロヘキシルカルボジイミド)、ポリ(1,3,5−トリイソプロピルベンゼン)カルボジイミド、ポリ(1,5−ジイソプロピルベンゼン)カルボジイミドが好ましい。
組成物(X)中の芳香族カルボジイミド化合物(E)の含有量は、0.1〜5質量%とすることが好ましく、中でも0.5〜4質量%が好ましい。芳香族カルボジイミド化合物(E)の含有量が0.1質量%未満であると、耐湿熱性がほとんど向上しない。一方、含有量が5質量%を超えると、耐熱性が低下する場合があるので好ましくない。なお、芳香族カルボジイミド化合物(E)として2種類以上のカルボジイミド化合物を用いる場合、組成物(X)中の含有量は、全ての芳香族カルボジイミド化合物の合計量とする。
本発明の組成物(X)は、背景技術の欄に記載した特許文献1において難燃性を向上させるために必須とされているフッ素系化合物を添加することなく、V−1やV−0レベルの難燃性を達成できるものである。前述のように、フッ素系化合物を含有すると、成形加工時や燃焼時に有害ガスが発生するという問題が生じるため、フッ素系化合物は含有しないことが好ましい。より具体的には、本発明の組成物(X)は、フッ素原子の含有量が0.1ppm以下であることが好ましい。フッ素原子の含有量が0.1ppmを超える場合、成形加工時や焼却時における有害ガスの発生の問題が生じるため好ましくない。
本発明の組成物(X)中には、効果を損なわない範囲であれば、ポリ乳酸(A)以外の他の生分解性樹脂が含有されていてもよい。他の生分解性樹脂としては、例えば、ポリ(エチレンサクシネート)、ポリ(ブチレンサクシネート)、ポリ(ブチレンサクシネート−co−ブチレンアジペート)等のジオールとジカルボン酸からなる脂肪族ポリエステル、ポリグリコール酸、ポリ(3−ヒドロキシ酪酸)、ポリ(3−ヒドロキシ吉草酸)、ポリ(3−ヒドロキシカプロン酸)等のポリヒドロキシカルボン酸、ポリ(ε−カプロラクトン)やポリ(δ−バレロラクトン)等のポリ(ω−ヒドロキシアルカノエート)、さらに芳香族成分を含んでいても生分解性を示すポリ(ブチレンサクシネート−co−ブチレンテレフタレート)、ポリ(ブチレンアジペート−co−ブチレンテレフタレート)、ポリエステルアミド、ポリエステルカーボネート、澱粉等の多糖類が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
さらに、本発明の組成物(X)中にはその特性を大きく損なわない範囲内で、熱安定剤、酸化防止剤、耐候剤、耐光剤、顔料、可塑剤、滑剤、離型剤、帯電防止剤、充填材、結晶核剤等を含有していてもよい。
熱安定剤や酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール類、リン化合物、ヒンダードアミン、イオウ化合物、銅化合物、アルカリ金属のハロゲン化物、ビタミンE等が挙げられる。
充填材としては、機械的強度や耐熱性の向上を目的に、ガラス繊維、金属繊維、炭素繊維等の繊維状強化材を用いることが好ましく、中でも、ガラス繊維等を用いることが好ましい。
繊維状強化材以外の充填材としては、タルク、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、ワラストナイト、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、ケイ酸カルシウム、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カルシウム、アルミノ珪酸ナトリウム、珪酸マグネシウム、ガラスバルーン、カーボンブラック、酸化亜鉛、三酸化アンチモン、ゼオライト、ハイドロタルサイト、金属ウイスカー、セラミックウイスカー、チタン酸カリウム、窒化ホウ素、グラファイト等の無機充填材、澱粉、セルロース微粒子、木粉、おから、モミ殻、フスマ等の天然に存在するポリマー等の有機充填材が挙げられる。
次に、本発明の組成物(X)を製造する方法について説明する。
本発明の組成物(X)の製造方法としては、ポリ乳酸(A)、非晶性熱可塑性樹脂(B)、アクリル系相溶化剤(C)、難燃剤(D)を溶融混練する方法が挙げられる。これらを同時に混合する方法、順に混合する方法のいずれであってもよい。芳香族カルボジイミド化合物(E)を含有する場合も、ポリ乳酸(A)、非晶性熱可塑性樹脂(B)、アクリル系相溶化剤(C)、難燃剤(D)とともに同時に添加してもよいし、ポリ乳酸(A)、非晶性熱可塑性樹脂(B)、アクリル系相溶化剤(C)、難燃剤(D)を先に溶融混練しておき、後から添加して混練してもよい。
本発明の組成物(X)は、射出成形、ブロー成形、押出成形、インフレーション成形、およびシート加工後の真空成形、圧空成形、真空圧空成形等の成形方法により、各種成形体とすることができる。
本発明の組成物(X)は、特に、射出成形法に適しており、一般的な射出成形のほか、ガス射出成形、射出プレス成形等に用いることができる。射出成形条件は、熱可塑性樹脂の種類や含有比率によって適宜選択されるが、シリンダ温度は180〜260℃が好ましく、190〜250℃がより好ましい。金型温度は操業性を考慮すると、100℃以下が好ましく、80℃以下がより好ましい。
ただし、ポリ乳酸(A)として、D体含有量が1.0モル%以下であるか、または99.0モル%以上であるものを用いたり、架橋構造が導入されたものを用いる場合は、これらの優れた結晶性能を生かすために、金型温度は比較的高温とすることが好ましく、中でも80〜120℃が好ましい。
成形温度(金型温度)が低すぎると成形体の一部が欠け、不完全な形状の成形体となるという問題が生じやすい。逆に成形温度が高すぎると、組成物(X)が分解しやすくなり、得られる成形体の強度が低下したり、着色したりする等の問題が発生する場合がある。
本発明の成形体は、本発明の組成物(X)を成形してなるものである。そして、上記したような、射出成形、ブロー成形、押出成形、インフレーション成形、およびシート加工後の真空成形、圧空成形、真空圧空成形等の成形方法により、各種成形体としたものが挙げられる。
このような本発明の成形体としては、具体的には、射出成形品、押出成形品、ブロー成形品、フィルム、繊維およびシート等が挙げられる。中でも、射出成形品は薄肉化が可能である。これらの成形体は、難燃性、耐熱性、耐衝撃性に優れた性能を有するため、電気・電子部品、機械部品、光学機器、建築部材、自動車部品および日用品等各種用途に使用することができ、特に電子機器用筐体(ノートパソコン、プロジェクタ、複写機、プリンタ等の筐体)として好適に使用できる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。
1.評価項目
(1)MFR
JIS規格K−7210(試験条件4)にしたがい、190℃、荷重21.2Nで測定した。
(2)融点
DSC(示差走査熱量測定)装置(パーキンエルマー社製Pyrisl DSC)を用いて、−100℃から300℃まで20℃/分で昇温し、次に−100℃まで50℃/分で降温し、続いて−100℃から300℃まで20℃/分で昇温した。2回目の昇温過程における融解ピークを融点とした。
(3)極限粘度
1,1,2,2−テトラクロロエタンを測定溶媒として、濃度1g/dl、温度25℃の条件で測定した。
(4)耐熱性(熱変形温度)
ISO規格75−1、2にしたがい、得られた試験片を用いて、荷重0.45MPaで熱変形温度を測定した。
(5)衝撃強度(シャルピー衝撃強度)
ISO規格179−1eAにしたがい、得られた試験片(V字型切込み付き)を用いて、シャルピー衝撃強度を測定した。
(6)曲げ強度
ISO規格178にしたがい、得られた試験片を用いて、変形速度1mm/分で曲げ強度を測定した。
(7)難燃性
UL94の垂直燃焼試験法にしたがい、得られた試験片(厚み、約1.6mm)を用いて、燃焼試験をおこない、難燃性を評価した。難燃性は、実用上、V−1、V−0が好ましい。
(8)耐湿熱性(強度保持率)
上記(6)同様、ISO規格178にしたがって得られた曲げ強度試験片を用い、温度65℃、湿度90%RHの環境下で500時間処理した後、曲げ強度を測定した。そして、未処理品の曲げ強度((6)で測定した曲げ強度)に対する強度保持率を下記の式で計算した。
強度保持率(%)=(処理後の曲げ強度/未処理品の曲げ強度)×100
2.原料
<(A)ポリ乳酸>
(1)ポリ乳酸(PLA)
・PLA−1 NatureWorks社製3001DK、MFR=10g/10分、融点=168℃、D体含有量=1.4モル%
・PLA−2 トヨタ自動車社製A−1、MFR=2g/10分、融点=172℃、D体含有量=0.6モル%
・PLA−3 トヨタ自動車社製S−12、MFR=8g/10分、融点=176℃、D体含有量=0.1モル%
(2)架橋ポリ乳酸(架橋PLA)
・架橋PLA−1
二軸押出機(東芝機械社製TEM−37BS)を使用し、そのトップフィーダーに、PLA−1を100質量部と、ポリエチレングリコールジメタアクリレート(日本油脂製)1.0質量部、ジ−t−ブチルパーオキサイド(日本油脂製)1.0質量部をグリセリンジアセトモノカプレート2.5質量部に溶解した溶液を注入し、190℃で混練した。吐出された樹脂をペレット状にカッティングして、架橋PLA−1(MFR=1.2g/10分、融点=172℃、D体含有量=1.4モル%)を得た。
・架橋PLA−2
PLA−3を用いた以外は、架橋PLA−1と同様の方法で架橋PLA−2(MFR=1.0g/10分、融点=176℃、D体含有量=0.1モル%)を得た。
<(B)ビスフェノール基を有する非晶性熱可塑性樹脂>
(B−1)ポリカーボネート樹脂
・PC 住友ダウ社製200−13、極限粘度0.49
(B−2)ポリアリレート樹脂
・PAR ユニチカ社製PowderL、極限粘度0.54
<(C)アクリル系相溶化剤>
(エポキシ基を有するアクリル系相溶化剤)
・EA−1 三菱レイヨン社製メタブレンS−2200
・EA−2 東亜合成社製ARUFON UG−40
・EA−3 日本油脂社製モディパーA4200
(エポキシ基を有しないアクリル系相溶化剤)
・A−1 三菱レイヨン社製メタブレンC−223A
・A−2 三菱レイヨン社製アクリペットVH−001(ポリメタクリル酸メチル樹脂)
<スチレン系相溶化剤>
・S−TPE 旭化成ケミカルズ社製タフテックH1041(スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体)
<(D)難燃剤>
(D−1)リン酸エステル系難燃剤
・FR−1 大八化学工業社製PX−200(芳香族縮合リン酸エステル)
・FR−2 大八化学工業社製PX−202(芳香族縮合リン酸エステル)
・FR−3 大八化学工業社製TPP(トリフェニルフォスフェート)
(D−2)ホスフィン酸金属塩系難燃剤
・FR−4 クラリアント社製エクソリットOP1230(ホスフィン酸アルミニウム塩、平均粒径18μm)
・FR−5 クラリアント社製エクソリットOP935(ホスフィン酸アルミニウム塩、平均粒径2.5μm)
なお、FR−4とFR−5の平均粒径の測定は、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置LA−910(堀場製作所社製)を用いて行った。
(リン系難燃剤)
・FR−6 チバスペシャリティケミカルズ社製MELAPUR200/70(ポリリン酸メラミン)
<(E)芳香族カルボジイミド化合物>
(E−1)芳香族モノカルボジイミド
・HMCD ラインケミー社製スタバクゾールI(N,N′−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミド)
(E−2)芳香族ポリカルボジイミド
・HPCD ラインケミー社製スタバクゾールP(ポリ(1,3,5−トリイソプロピルベンゼン)カルボジイミド)
実施例1
二軸押出機(東芝機械社製TEM−37BS)を使用し、そのトップフィーダーに、ポリ乳酸(A)としてPLA−1を30質量部、非晶性熱可塑性樹脂(B)としてPCを41質量部、アクリル系相溶化剤(C)としてEA−1を7質量部、リン酸エステル系難燃剤(D−1)としてFR−1を5質量部、ホスフィン酸金属塩系難燃剤(D−2)としてFR−4を15質量部、芳香族モノカルボジイミド(E−1)としてHMCDを1質量部、および芳香族ポリカルボジイミド(E−2)としてHPCDを1質量部供給し、230℃で溶融混練し、押出した。そして、押出された樹脂をペレット状にカッティングし、組成物(X)を得た。
得られた組成物(X)を、熱風乾燥機で、80℃で5時間乾燥処理した後、射出成形機(東芝機械製IS−80G型)を用いて成形し、各種の性能評価に適したサイズの試験片を得た。いずれの試験片を得る際にも、シリンダ設定温度(射出温度)220℃で溶融して、射出圧力100MPa、射出時間15秒で、80℃(金型温度)の金型に充填し、30秒間保持した後、取り出した。
実施例2〜41、比較例1〜25
組成物(X)を構成する成分の種類や量、および製造条件(溶融混練温度、射出温度)を表1〜3に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして各種の試験片を得た。
実施例、比較例で得られた組成物(X)の組成及び特性値を表1〜3に示す。
Figure 0004906981
Figure 0004906981
Figure 0004906981
実施例1〜41で得られた組成物(X)は、難燃性、耐衝撃性、耐熱性に優れるものであり、また天然物由来のポリ乳酸を利用しているので、石油系製品への依存度が低く、地球環境にも配慮したものであった。
特に、実施例2〜5、17、19〜22、26、28〜34、36、38〜39、41で得られた組成物(X)は、ポリ乳酸(A)が、特定のD体含有量のものであったり、架橋構造が導入されたものであったため、耐熱性(熱変形温度)と難燃性に優れるものであった。
また、実施例18〜19、37〜38で得られた組成物(X)は、ホスフィン酸金属塩系難燃剤(D−2)として平均粒径が小さいものを用いたため、難燃性に優れるものとなった。実施例1〜24、27〜39で得られた組成物(X)は、芳香族カルボジイミド化合物(E)を含有するものであったため、耐湿熱性に優れていた。中でも実施例1〜23、27〜39で得られた組成物(X)は、芳香族モノカルボジイミド(E−1)と芳香族多価カルボジイミド(E−2)とを併用していたため、耐湿熱性が顕著に優れていた。
これに対して、比較例1〜2、24で得られた組成物(X)は、ポリ乳酸(A)の含有量が本発明で規定する量よりも多く、かつ非晶性熱可塑性樹脂(B)の含有量が本発明で規定する量より少なかったため、非晶性熱可塑性樹脂(B)の効果が十分発揮されず、難燃性、耐熱性、耐衝撃性の全てに劣るものであった。比較例3、25で得られた組成物(X)は、非晶性熱可塑性樹脂(B)の含有量が本発明で規定する量より少なかったため、非晶性熱可塑性樹脂(B)の効果が十分発揮されず、難燃性、耐熱性、耐衝撃性の全てに劣るものであった。比較例4、5で得られた組成物(X)は、アクリル系相溶化剤(C)の含有量が本発明で規定する量より少なかったため、ポリ乳酸(A)と非晶性熱可塑性樹脂(B)とが十分に相溶しておらず、耐衝撃性、耐熱性、難燃性に劣るものであり、曲げ強度も低いものであった。また比較例6で得られた組成物(X)は、アクリル系相溶化剤(C)の含有量が本発明で規定する量より多かったため、耐熱性、曲げ強度、難燃性が低下した。さらに比較例7、8で得られた組成物(X)は、相溶化剤としてスチレン系のものを使用したため、アクリル系相溶化剤(C)のような効果は認められず、耐熱性、耐衝撃性、難燃性に劣るものであった。
比較例9〜12で得られた組成物(X)は、リン酸エステル系難燃剤(D−1)とホスフィン酸金属塩系難燃剤(D−2)の質量比率が本発明で規定する範囲を満足しないため、難燃性に劣るものとなった。さらに、リン酸エステル系難燃剤(D−1)の質量比率が高すぎる場合は、耐熱性も低下した。比較例13、14で得られた組成物(X)は、リン酸エステル系難燃剤(D−1)のみを含有するものであったため、難燃性に劣るものであった。比較例15〜16、21で得られた組成物(X)は、リン酸エステル系難燃剤(D−1)とリン系難燃剤を併用したものであったため、難燃性に劣るものであった。比較例17〜18、22で得られた組成物(X)は、ホスフィン酸金属塩系難燃剤(D−2)とリン系難燃剤を併用したものであったため、難燃性に劣るものであった。比較例19〜20、23で得られた組成物(X)は、リン系難燃剤のみを含有するものであったため、難燃性に劣るものであった。

Claims (8)

  1. ポリ乳酸(A)、ビスフェノール基を有する非晶性熱可塑性樹脂(B)、アクリル系相溶化剤(C)および難燃剤(D)を含有する樹脂組成物であり、樹脂組成物中のポリ乳酸(A)の含有量が25〜60質量%、ビスフェノール基を有する非晶性熱可塑性樹脂(B)の含有量が30〜60質量%、アクリル系相溶化剤(C)の含有量が0.5〜20質量%、難燃剤(D)の含有量が5〜30質量%であり、難燃剤(D)が、リン酸エステル系難燃剤(D−1)とホスフィン酸金属塩系難燃剤(D−2)とを含み、リン酸エステル系難燃剤(D−1)とホスフィン酸金属塩系難燃剤(D−2)の質量比率〔(D−1)/(D−2)〕が、10/90〜50/50であることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
  2. ポリ乳酸(A)は、D体含有量が1.0モル%以下であるか、または99.0モル%以上であることを特徴とする請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。
  3. ポリ乳酸(A)は、架橋構造が導入されたものであることを特徴とする請求項1または2記載の熱可塑性樹脂組成物。
  4. ビスフェノール基を有する非晶性熱可塑性樹脂(B)が、ポリカーボネート樹脂(B−1)および/またはポリアリレート樹脂(B−2)であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
  5. リン酸エステル系難燃剤(D−1)が芳香族縮合リン酸エステルであり、かつホスフィン酸金属塩系難燃剤(D−2)がホスフィン酸アルミニウム塩であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
  6. さらに芳香族カルボジイミド化合物(E)を含有し、樹脂組成物中の芳香族カルボジイミド化合物(E)の含有量が0.1〜5質量%であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
  7. 芳香族カルボジイミド化合物(E)が、芳香族モノカルボジイミド(E−1)と芳香族多価カルボジイミド(E−2)とであり、芳香族モノカルボジイミド(E−1)と芳香族多価カルボジイミド(E−2)の質量比率〔(E−1)/(E−2)〕が、10/90〜90/10であることを特徴とする請求項6記載の熱可塑性樹脂組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物を成形してなる成形体。
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