JP2009091532A - 難燃性ポリアミド樹脂組成物及び成形品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)キシリレンジアミン系ポリアミド樹脂を60重量%以上含むポリアミド樹脂 20〜70重量%、(B)無機充填材 20〜60重量%、(C)難燃剤((a)特定構造で表されるホスフィン酸塩及び/又は特定構造で表されるジホスフィン酸塩、(b)メラミンとリン酸との反応生成物、(c)硼酸金属塩の各成分の配合重量比率(a)/(b)/(c)/が100〜30/0〜70/0〜20)3〜20重量%の合計100重量部に対して、(D)カルボン酸アミド系ワックス及び/又は脂肪族カルボン酸金属塩を0.01〜1重量部配合してなる難燃性ポリアミド樹脂組成物及び成形品。
【選択図】なし
Description
(A)メタキシリレンジアミン55〜100モル%及びパラキシリレンジアミン45〜0モル%とからなるキシリレンジアミン混合物と、α,ω−直鎖脂肪族二塩基酸との重縮合反応により得られるキシリレンジアミン系ポリアミド樹脂を60重量%以上含むポリアミド樹脂 20〜70重量%、(B)無機充填材 20〜60重量%、(C)次の(a)、(b)及び(c)成分を含む難燃剤 3〜20重量%の合計100重量部に対して、(D)カルボン酸アミド系ワックス及び/又は脂肪族カルボン酸金属塩を0.01〜1重量部配合してなる難燃性ポリアミド樹脂組成物であって、上記(C)難燃剤の各成分の配合重量比率(a)/(b)/(c)/が100〜30/0〜70/0〜20であることを特徴とする難燃性ポリアミド樹脂組成物。
(a)以下の式(I)で表されるホスフィン酸塩及び/又は以下の式(II)で表されるジホスフィン酸塩
(b)メラミンとリン酸との反応生成物
(c)硼酸金属塩
(A)ポリアミド樹脂:
本発明におけるポリアミド樹脂とは、ポリアミド樹脂中の60重量%以上が、メタキシリレンジアミン55〜100モル%及びパラキシレンジアミン45〜0モル%、好ましくはメタキシリレンジアミン60〜100モル%及びパラキシレンジアミン0〜40モル%とからなる混合ジアミンと、α,ω−直鎖脂肪族二塩基酸との重縮合反応により得られるキシリレンジアミン系ポリアミド樹脂(以下、「MXナイロン」と略記することもある)である混合ポリアミド樹脂である。パラキシリレンジアミンの比率を45モル%以下とすることにより、得られるポリアミドの融点を低くすることができ、重合及び成形加工が容易になるため好ましい。特に、パラキシリレンジアミンの比率を10モル%以上45モル%以下とすることにより、結晶化速度を改善でき、後述の成形サイクルを短縮する目的で配合する脂肪族ポリアミド樹脂の配合量を少なくすることができるため、より好ましい。
また、該混合ジアミン中には、上記キシリレンジアミン以外のジアミン、例えば、テトラメチレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン、メタフェニレンジアミン、パラフェニレンジアミン等の芳香族ジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、1,4−ビスアミノメチルシクロヘキサン等の脂環式ジアミン等を含んでいてもよく、該キシリレンジアミン以外のジアミンの割合は、好ましくは全ジアミンの10モル%以下、より好ましくは5モル%以下である。
(A)ポリアミド樹脂中のキシリレンジアミン系ポリアミド樹脂の割合は60重量%以上である必要があり、好ましくは55重量%以上である。このような範囲とすることにより、難燃性、成形性及び機械的物性のバランスを良好に保つことができる。
本発明における無機充填材とは、ガラス系充填材(ガラス繊維、粉砕ガラス繊維(ミルドファイバー)、ガラスフレーク、ガラスビーズ等)、ケイ酸カルシウム系充填材(ワラストナイト等)、マイカ、タルク、カオリン、チタン酸カリウムウィスカー、窒化ホウ素、炭素繊維等、通常熱可塑性樹脂に使用されるものでよく、これらの2種以上を併用してもよい。
ガラス繊維は、一般に樹脂強化用に使用されるものならば特に限定はなく、例えば、長繊維タイプ(ロービング)や短繊維タイプ(チョップドストランド)などから選択して用いることができ、その平均繊維径は6〜15μmが一般的である。また、平均繊維長は、特に制限されないが、0.1〜20mmが好ましく、1〜10mmがより好ましい。平均繊維長を0.1mm以上とすることにより、ガラス繊維による補強効果がより効果的に発現され、平均繊維長を20mm以下とすることにより、(A)ポリアミド樹脂との溶融混練や強化ポリアミド樹脂組成物の成形がより容易になる。
また、上記最大寸法とは、ガラス繊維、粉砕ガラス繊維、ワラストナイト等の繊維状物の場合は繊維方向の最大長、ガラスフレーク、マイカ等の板状物の場合は板の最大直径、ガラスビーズ等の球状物の場合は球の最大径とする。また、最小寸法とは、繊維状物の場合は、繊維に垂直方向の径であり、板状物の場合は板の厚み、球状物の場合は球の最小径とする。この最小寸法を数平均化した値を平均径(d)とする。
本発明における難燃剤に含まれるの成分の一つは、以下の式(I)で表されるホスフィン酸塩及び/又は以下の式(II)で表されるジホスフィン酸塩である。以下、両者を「(ジ)ホスフィン酸塩」と示すことがある。
上記の(ジ)ホスフィン酸塩の中でも、特に、難燃性の観点から、エチルメチルホスフィン酸アルミニウム、ジエチルホスフィン酸アルミニウム、ジエチルホスフィン酸亜鉛が好ましい。
また、ポリリン酸メラミンはポリリン酸とメラミンの等モルの付加塩であってもよく、上記ポリリン酸とメラミンの全てが付加塩を形成しているものには限られず、これらの混合物であってもよい。すなわち、メラミンとの付加塩を形成するポリリン酸として、いわゆる縮合リン酸と呼ばれる鎖状ポリリン酸、環状ポリメタリン酸を用いてもよい。これらポリリン酸の縮合度nには特に制約はなく通常3〜50であるが、得られるポリリン酸メラミン付加塩の耐熱性の点で、ここに用いるポリリン酸の縮合度nは5以上が好ましい。
かかるポリリン酸メラミン付加塩は、メラミンとポリリン酸との混合物を例えば水スラリーとなし、よく混合して両者の反応生成物を微粒子状に形成させた後、このスラリーを濾過、洗浄、乾燥し、さらに必要であれば焼成し、得られた固形物を粉砕して得られる粉末である。
本発明においては、成形品の機械的強度や成形品外観の点で、硼酸金属塩の数平均粒子径が30μm以下であることが好ましく、20μm以下であることがより好ましい。特に、1〜20μmの粉末を用いることにより、機械的衝撃強度が安定するため好ましい。
上記のようなその他の難燃剤及び難燃助剤を含む場合、(C)難燃剤中の(a)、(b)及び(c)成分の合計重量比率は、50重量%以上であることが好ましく、60重量%以上がより好ましく、70重量%以上がさらに好ましい。各成分の合計重量比率を上記範囲にすることにより、難燃性及び電気的特性の改善効果が大きいため好ましい。
高級脂肪族モノカルボン酸としては、炭素数16以上の飽和脂肪族モノカルボン酸及びヒドロキシカルボン酸が好ましく、例えば、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、モンタン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等が挙げられる。
多塩基酸としては、例えば、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ピメリン酸、アゼライン酸等の脂肪族ジカルボン酸及び、フタル酸、テレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸及び、シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキシルコハク酸等の脂環式ジカルボン酸等が挙げられる。
ジアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、ヘキサメチレンジアミン、メタキシリレンジアミン、トリレンジアミン、パラキシリレンジアミン、フェニレンジアミン、イソホロンジアミン等が挙げられる。
成形サイクルを短縮させ成形性を向上させるためには、結晶核剤を添加することが好ましい。結晶核剤としては特に制限はなく、無機核剤、有機核剤等公知のものが使用可能である。無機核剤を使用する場合、平均サイズ(l)が0.005〜10μmのものが好ましく、0.01〜7μmのものがより好ましい。平均サイズを10μm以下とすることにより、重量当たりの結晶核剤としての効果が大きい。
中でも、タルクや窒化ホウ素を添加することがより好ましい。上述の(B)無機充填材として、平均サイズが10μm以上のタルクや窒化ホウ素を配合する場合は、(B)成分の一部、例えば、(B)成分中の0.4〜40重量%程度を、平均サイズの小さいもの、例えば、平均サイズが1〜10μm程度のものに代えてポリアミド樹脂組成物に配合することが好ましい。
結晶核剤は2種以上を併用してもよく、その配合量は、(A)ポリアミド樹脂、(B)無機充填材、及び(C)難燃剤の合計量100重量部に対して0.01〜10重量部が好ましく、0.05〜7重量部がより好ましい。配合量を0.01重量部以上とすることにより、機械的強度や離型性の低下を防ぎ、結晶核剤としての効果を十分に発揮することができ、配合量を10重量部以下とすることにより、異物効果となって成形品の衝撃強度が低下したり、表面外観が悪化したりするのを抑制することができるため好ましい。本発明においては、結晶核剤として、特に窒化ホウ素が、少量の添加でも結晶核剤としての効果が大きく好ましい。
本発明のポリアミド樹脂組成物は、難燃性が極めて高く、機械的特性にも優れ、さらに離型性が改善され薄肉成形性に優れるため、高い難燃性が要求される電気・電子分野のコネクター、ブレーカー、マグネットスイッチ等の各種部品や、自動車分野の電装部品等の材料に好適であり、中でも、薄肉成形性が必要な部品用材料として特に適している。
(A)ポリアミド樹脂:
(A−1)ポリアミドMXD6;メタキシリレンジアミンとアジピン酸とから得られるポリアミド樹脂、三菱ガス化学株式会社製「商品名:MXナイロン6000」、数平均分子量16,000
(A−2)ポリアミドMP6;メタキシリレンジアミンとパラキシリレンジアミンからなる混合キシリレンジアミンとアジピン酸とから得られるポリアミド樹脂、三菱ガス化学株式会社製、「商品名:N−MP6」、数平均分子量16,400
(A−3)ポリアミド66;東レ社製、「商品名:アミランCM3001−N」、数平均分子量17,000
(A−4)ポリアミド6;三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製品「商品名:ノバミッド(登録商標)1007J」、数平均分子量11,000
(B−1)ガラス繊維;日本電気硝子社製「商品名:T296GH」、カット長(平均サイズ)3mm、繊維径(平均径)9.5μm、アミノシラン処理品
(B−2)ワラストナイト;NYCO社製「商品名:NYAD400−10012」、平均サイズ30μm、平均径8μm、アミノシラン処理品
(B−3)タルク;林化成社製「商品名:ミクロンホワイト#5000A」、平均粒子径(D50)4.1μm
(B−4)窒化硼素;電気化学工業社製「商品名:SP−2」、数平均粒子径1μm
(C−a)以下の製造法で得られた1,2−エチルメチルホスフィン酸アルミニウム塩;平均粒子径30〜40μm、リン含有量23重量%
[1,2−エチルメチルホスフィン酸アルミニウム塩の製造法]
2106g(19.5モル)のエチルメチルホスフィン酸を6.5リットルの水に溶解し、507g(6.5モル)の水酸化アルミニウムを激しく撹拌しながら加え、混合物を85℃に加熱した。混合物を80〜90℃で合計65時間撹拌し、その後60℃に冷却し、吸引濾過した。重量が一定となるまで120℃の真空乾燥キャビネット中で乾燥した。得られた微粒子粉末2140gであり、300℃以下では溶融しなかった。
(C−b)ポリリン酸メラミン;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「商品名:melapur 200/70」、数平均粒子径5〜10μm、リン含有量約13重量%、窒素含有量約43重量%
(C−c)硼酸亜鉛、ボラックス・ジャパン社製「商品名:ファイヤーブレイクZB」、2ZnO・3B2O3・3.5H2O、数平均粒子径7〜9μm
(C−d)以下の製造法で得られたフェノキシホスファゼン化合物
[フェノキシホスファゼン化合物の製造法]
撹拌機、温度計及び還流冷却器を備えた容量1リットルの四つ口フラスコに、フェノール123.0g(1.30モル)を入れ、テトラヒドロフラン500ミリリットルを加え、撹拌して均一に溶解した。次に、液温を25℃以下として金属ナトリウム7.6gを投入し、この後1時間を要して内温を62℃まで昇温し、ナトリウムフェノラート溶液を調製した。この反応と並行して、58g(0.5ユニットモル)のジクロロホスファゼンオリゴマー(3量体59重量%、4量体12重量%、5及び6量体11重量%、7量体3重量%、8量体以上15重量%の混合物)を含む20重量%クロロベンゼン溶液290gを、容量2リットルの四つ口フラスコに入れ、この中へ、25℃以下で撹拌下、上記で調製したナトリウムフェノラート溶液を滴下した。滴下終了後、撹拌下71〜73℃の温度範囲で、15時間反応させた。反応終了後、反応混合物を濃縮し、500ミリリットルのクロロベンゼンに再溶解させた後、水洗し、5%水酸化ナトリウム水溶液による洗浄を3回、5%硫酸による洗浄、5%重曹水による洗浄及び水洗をそれぞれ3回、順次行い、濃縮乾固させて淡黄色のワックス状の生成物108gを得た。生成物の収率は98.5%であり、生成物のGPC分析による重量平均分子量はポリスチレン換算で810であり、生成物中の残存塩素量は0.09%であり、リンおよびCHN元素分析法により、生成物は「N=P(OPh)2.00」の化学構造式を有する化合物であることを確認した。なお、−Phはフェニル基である。
(C−e)臭素化ポリスチレン;グレートレイクスケミカル日本社製「商品名:PDBS−80」
(C−f)三酸化アンチモン;日本精鉱社製「商品名:PATOX−M」
(C−g)水酸化マグネシウム;味の素ファインテクノ社製「商品名:ポリセーフMG−2」
(D−1)カルボン酸アミド系ワックス;共栄社化学社製「商品名:WH255」
(D−2)モンタン酸カルシウム、クラリアント・ジャパン社製「商品名:CAV102」
(D−3)ポリエチレン系ワックス;三井化学社製「商品名:ハイワックス110P」
表1、2に示す配合割合で、(B)無機充填材以外をドライブレンド後、日本製鋼所社製2軸押出機「TEX−30HCT」(バレル12ブロック構成)を用いて、シリンダー温度280℃、スクリュー回転数250rpmの条件下、(B)無機充填材はホッパー側から数えて9番目のブロックからサイドフィード方式で供給し溶融混練を行い、ポリアミド樹脂組成物のペレットを製造した。
[難燃性]
得られた樹脂組成物ペレットを80℃で12時間乾燥した後、ファナック社製射出成形機「ROBOSHOTα−100iA」にて、シリンダー温度280℃、金型温度120℃の設定条件で射出成形を行い、5×1/2×1/16インチの大きさの燃焼試験片を作製した。得られた試験片を用い、試験法UL−94規格に準じて難燃性の評価を行った。
[機械的特性]
得られた樹脂組成物ペレットを80℃で12時間乾燥した後、ファナック社製射出成形機「ROBOSHOTα−100iA」にて、シリンダー温度280℃、金型温度120℃の設定条件で射出成形を行い、ISO試験片を作製した。得られた試験片を用い、試験法ISO178規格に準じて曲げ試験を、試験法ISO179規格に準じてノッチ付きシャルピー衝撃試験を行った。
[離型性]
得られた樹脂組成物ペレットを80℃で12時間乾燥した後、ファナック社製射出成形機「ROBOSHOTα−100iA」にて、シリンダー温度280℃、金型温度120℃、射出速度50mm/秒、保持圧力500kgf/cm2、保圧時間5秒の設定条件で、12.6mm×12.6mm×50mmの大きさの角柱成形品をサイドゲートで射出成形した。射出成形に際し、冷却時間の設定を10秒から2秒間隔で短縮していった時の離型不良(ゲート切れや突き出しピンによる成形品の変形)が起こった冷却時間を判定基準とした。離型不良が起こる冷却時間が10秒以上の場合を×、6秒以上10秒未満の場合を△、6秒未満の場合を○とし、評価した。また、得られた成形品の突き出しピンの跡も観察した。突き出しピンが成形品を突き抜けてしまったものを×、突き出しピン跡が凹となったものを△、凹みはないが突き出しピンから若干剥がれにくかったものを○、何ら問題なく金型から離型したものを◎とし、評価した。
[金型汚染]
得られた樹脂組成物ペレットを80℃で12時間乾燥した後、ファナック社製射出成形機「ROBOSHOTα−100iA」にて、シリンダー温度280℃、金型温度120℃の設定条件で100×100×3mmの大きさの試験片を連続100ショット射出成形し、100ショット成形後の金型表面の汚れを観察した。付着物がないものを◎、付着物がほとんどない(付着物が存在している面積が金型表面積の5%未満)ものを○、付着物がやや多い(付着物が存在している面積が金型表面積の5%以上20%未満)ものを△、付着物が多い(付着物が存在している面積が金型表面積の20%以上)ものを×とし、評価した。
[ペレット発生ガス]
得られた樹脂組成物ペレット5gを量り取り、加熱脱着ガスクロマトグラフ(加熱冷却脱着装置:Parkin Elmer社製「ATD400」、GC−MS system 島津製作所社製「QP5050」)で測定を行った。第1ガラス管に量り取ったペレットを詰め、ヘリウムガスを50ml/sで流し、300℃で10分間加熱した。吸着剤TENAXを充填剤した第2ガラス管を−15℃に冷却し、発生したガスを捕集した。さらに、第2ガラス管を急加熱して吸着されたガスを脱離し、GC−MSに導入し、発生ガスの同定を行った。ハロゲン化水素ガスが検出されなかったものを「ND」、検出されたものを「D」と表記した。
比較例1〜3、8及び9は、本発明の離型剤を含まない樹脂組成物の例であるが、このような樹脂組成物は、離型性が劣り、難燃性も低下する場合があることが分かった。特に、比較例2は、本発明の離型剤のかわりにポリエチレン系の離型剤を配合した樹脂組成物の例であるが、本発明の離型剤以外の離型剤を配合した場合では、離型性の改善効果がないことが分かる。
比較例4は、難燃剤の各成分の配合比率が本発明の範囲外の樹脂組成物の例であるが、このような樹脂組成物は、離型性が低下し、金型汚染も発生することが分かった。
比較例5は、本発明の難燃剤を配合せず、本発明で規定する難燃剤とは異なる難燃剤を配合した樹脂組成物の例であるが、このような樹脂組成物は、金型汚染が発生し、ハロゲン化水素ガスも検出された。
比較例6、7、10及び11は、ポリアミド樹脂中のキシリレンジアミン系ポリアミド樹脂の割合が本発明の範囲外である樹脂組成物の例であるが、このような樹脂組成物は、難燃性が満足できないことが分かった。
比較例12は、無機充填材の配合量が本発明の範囲より少ない樹脂組成物の例であるが、このような樹脂組成物は、本発明の難燃性を満足できないことが分かった。
比較例13は、無機充填材の配合量が本発明の範囲を越える樹脂組成物の例であるが、このような樹脂組成物は、溶融混練時に安定した押出ができなかった。
Claims (4)
- (A)メタキシリレンジアミン55〜100モル%及びパラキシリレンジアミン45〜0モル%とからなるキシリレンジアミン混合物と、α,ω−直鎖脂肪族二塩基酸との重縮合反応により得られるキシリレンジアミン系ポリアミド樹脂を60重量%以上含むポリアミド樹脂 20〜70重量%、(B)無機充填材 20〜60重量%、(C)次の(a)、(b)及び(c)成分を含む難燃剤 3〜20重量%の合計100重量部に対して、(D)カルボン酸アミド系ワックス及び/又は脂肪族カルボン酸金属塩を0.01〜1重量部配合してなる難燃性ポリアミド樹脂組成物であって、上記(C)難燃剤の各成分の配合重量比率(a)/(b)/(c)/が100〜30/0〜70/0〜20であることを特徴とする難燃性ポリアミド樹脂組成物。
(a)以下の式(I)で表されるホスフィン酸塩及び/又は以下の式(II)で表されるジホスフィン酸塩
(b)メラミンとリン酸との反応生成物
(c)硼酸金属塩
- (B)無機充填材が、ガラス系充填材及び/又はケイ酸カルシウム系充填材である、請求項1に記載の難燃性ポリアミド樹脂組成物。
- (B)無機充填材中の0.1〜40重量%が、タルク及び/又は窒化ホウ素である、請求項1又は2に記載の難燃性ポリアミド樹脂組成物。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の難燃性ポリアミド樹脂組成物からなる成形品。
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