JP2007297581A - 強靭性に優れたポリアミド系樹脂組成物及びその成形体 - Google Patents

強靭性に優れたポリアミド系樹脂組成物及びその成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】従来にない高い強靭性のポリアミド系樹脂組成物、特に無機強化剤や難燃剤が配合されても高いタフネスを発現できるポリアミド系樹脂組成物を得ることを課題とする。
【達成手段】結晶性ポリアミド樹脂(A)30〜70質量%、ポリアミド樹脂(A)より低融点でかつ低吸水性のポリアミド樹脂(B)30〜5質量%、ポリアミド樹脂と反応する官能基を有する熱可塑性エラストマー(C)1〜15質量%、さらには複合難燃剤(D)、無機強化剤(E)、カップリング剤(F)などを含有するポリアミド系樹脂組成物であり、複合難燃剤(D)としては、リン系難燃剤(D1)と少なくとも1つのアミノ基を有するシアナミド誘導体又は該シアナミド誘導体とリン酸類との反応生成物(D2)とを含むことが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は強靭性に優れたポリアミド系樹脂組成物に関するものであり、非強化剤系、強化剤系及び非ハロゲン系難燃性のポリアミド系樹脂組成物に関する。詳しくは強化剤や難燃剤が多量添加されたポリアミド樹脂組成物であっても、高いタフネスと良好な外観特性を持つポリアミド系樹脂組成物に関するものである。
従来からポリアミド樹脂は、靭性が高い樹脂であるため、エンジニアリングプラスチックとして電気・電子機器、自動車、機械、日用品などの各種部品や成形品に使用されている。また、ポリアミド樹脂の欠点の改善、剛性の付与、難燃性の付与などのために、ポリアミド樹脂に種々の樹脂、無機強化剤、難燃剤などを配合することが行われている。しかしながら、これらの添加剤を配合すると、ポリアミド樹脂が本来持つ特性が損なわれたり、新たな問題が発生したりするのが実情である。
例えば、ポリアミド樹脂の難燃化の場合、塩素や臭素系のハロゲン系難燃剤を使用することがあるが、燃焼時に有毒ガスであるハロゲン系ガスを発生したり、また樹脂加工時に混練機や成形機等の加工機械を腐食するという問題を有している。
また、ポリアミド樹脂に対する非ハロゲン系難燃剤として、トリアジン系化合物、例えばメラミンやメラミンシアヌレート等が使用されることがあるが、これらのトリアジン系化合物は難燃効果が低くポリアミド樹脂に高度の難燃性を付与するには大量のトリアジン化合物を添加する必要がある。加えて、これらのトリアジン系化合物を用いた難燃化は、ドリップを抑えることは難しい難燃剤である。またトリアジン系化合物を配合した難燃性ポリアミド樹脂組成物からなる成形品は長時間経過すると、メラミン等の難燃剤が成形品の表面にブリードし、成形品表面が白くなるという問題点があった。さらに、ポリアミド樹脂が本来有する強靭性を損なってしまうという欠点がある。
特公昭54−2666号公報 特公昭58−35541号公報
非ハロゲン系難燃剤として赤リンはポリアミド樹脂の難燃剤として有効であり、トリアジン系化合物等の非ハロゲン系難燃剤より少量の配合でポリアミド樹脂を難燃化できる。しかしながら赤リンはポリアミド樹脂組成物との混練加工時に摩擦による発火事故を起こすことがある。また赤リンはその特性から微粒子に粉砕することが困難であり、比較的大きな粒径分布があり、そのため物性が大きく低下しポリアミド樹脂が本来有する強靭性を損なってしまうという欠点がある。
また、赤リンを使用した場合、顔料を添加しない場合の成形品の色が赤褐色となり、着色が難しいという欠点がある。
特開昭63−243158号公報
近年燐と窒素を含む混合物がポリアミド樹脂等の難燃化に極めて有効であると言われている。例えばホスフィン酸塩と窒素系の塩基等を組合わせた複合系難燃剤である。これらの複合系難燃剤はポリアミド樹脂に対する配合量が比較的少なくて高度の難燃効果が得られる。また難燃剤の配合量が比較的少ないため物性は良好と言われている。しかしながらこれらの複合系難燃剤による難燃性ポリアミド樹脂組成物は非難燃のポリアミド樹脂組成物と比較した場合、破断伸度等の強靭性がかなり低下し、脆い材料となり、ポリアミド樹脂が本来有する強靭性が損なわれ、さらなる改良の余地があった。
特開2000−219772号公報 特開2001−72978号公報 特許第3044209号公報
本発明は、従来にない高い強靭性を持つポリアミド系樹脂組成物、ポリアミド樹脂が本来有する強靭性、特に破断伸度等を保持しつつ、高い剛性や高度な難燃性などを付与したポリアミド系樹脂組成物を得ることを課題とするものである。
本発明者等は、上記課題を解決する為に鋭意研究をした結果、特定のポリアミド樹脂とポリアミド樹脂と反応する官能基を有する熱可塑性エラストマーとを配合することにより、さらには、リン系と窒素系との複合系の難燃剤を配合して結晶性ポリアミド樹脂を難燃化するに際し、少量の結晶性ポリアミド樹脂より柔軟性が高いポリアミド樹脂とポリアミド樹脂と反応性の極性基を持ったエラストマー材料とを配合することにより、ポリアミド樹脂組成物中の相溶性が著しく向上すること見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、第1には、結晶性ポリアミド樹脂(A)30〜85質量%、ポリアミド樹脂(A)より低融点でかつ低吸水性のポリアミド樹脂(B)50〜5質量%、ポリアミド樹脂と反応する官能基を有する熱可塑性エラストマー(C)1〜20質量%及びカップリング剤(F)を0〜2.0質量%を含有し、引張破断伸度が100%以上で、引張タフネスが9000MPa・%以上であることを特徴とする強靭性に優れたポリアミド系樹脂組成物である。
第2には、結晶性ポリアミド樹脂(A)30〜70質量%、ポリアミド樹脂(A)より低融点でかつ低吸水性のポリアミド樹脂(B)30〜5質量%、ポリアミド樹脂と反応する官能基を有する熱可塑性エラストマー(C)1〜15質量%及び無機強化剤(E)5〜60質量%及びカップリング剤(F)を0〜2.0質量%を含有し、引張破断伸度が10%以上で、引張タフネスが600MPa・%以上であることを特徴とする強靭性に優れたポリアミド系樹脂組成物である。
第3には、結晶性ポリアミド樹脂(A)30〜70質量%、ポリアミド樹脂(A)より低融点でかつ低吸水性のポリアミド樹脂(B)30〜5質量%、ポリアミド樹脂と反応する官能基を有する熱可塑性エラストマー(C)1〜15質量%及び複合難燃剤(D)15〜50質量%を含有するポリアミド系樹脂組成物であり、複合難燃剤(D)がリン系難燃剤(D1)と少なくとも1つのアミノ基を有するシアナミド誘導体又は該シアナミド誘導体とリン酸類との反応生成物(D2)とを含むことを特徴とする強靭性に優れた難燃性ポリアミド系樹脂組成物である。
第4には、複合難燃剤(D)のリン系難燃剤(D1)が、下記の式(I)で表されるホスフィン酸塩(D1a)及び下記の式(II)で表されるジホスフィン酸塩(D1b) の少なくとも一方であり、少なくとも1つのアミノ基を有するシアナミド誘導体又は該シアナミド誘導体とリン酸類との反応生成物(D2)が、メラミンの縮合生成物(D2a)、メラミン又はメラミンの縮合生成物とリン酸の反応生成物(D2b)及びメラミンとリン酸縮合物の反応生成物(D2c)のうちの少なくとも1種を含むことを特徴とする第3に記載の強靭性に優れた難燃性ポリアミド系樹脂組成物である。
Figure 2007297581
Figure 2007297581
[式(I)、(II)中R及びRは同一か又は異なり、線状又は分岐状のC〜C−アルキル及び/又はアリールであり、Rは線状又は分岐状のC〜C10−アルキレン、C〜C10−アリーレン、C〜C10−アルキルアリーレン又はC〜C10−アリーレンアルキルであり、Mは、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、アルミニウムイオン及び/又は亜鉛イオンであり、mは、2又は3であり、nは、1又は3であり、xは1又は2である。]
第5には、前記ポリアミド樹脂(A)が、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミドMXD6及びポリアミド6のうちの1種又は2種以上である第1〜4に記載の強靭性に優れたポリアミド系樹脂組成物である。
第6には、前記ポリアミド樹脂(B)が、ポリアミド11及びポリアミド12の少なくとも一方である第1〜5のいずれかに記載の強靭性に優れたポリアミド系樹脂組成物である。
第7には、第1〜6のいずれかに記載のポリアミド系樹脂組成物を用いた成形体である。
本発明のポリアミド系樹脂組成物は、無機強化剤が配合されていない系では、引張破断伸度が100%以上で、引張タフネスが9000MPa・%以上であるという従来にない高度なタフネスを実現でき、無機強化剤配合系であっても、引張破断伸度が10%以上で、引張タフネスが600MPa・%以上である高いタフネスを実現できる。
また、本発明の難燃性ポリアミド系樹脂組成物は、結晶性ポリアミド樹脂にアミド結合の数が少ないポリアミド樹脂とポリアミド樹脂と反応する官能基を持つエラストマーとを配合し、かつ、特定の非ハロゲン系の複合難燃剤を配合しているため、1/32インチ厚みのUL94の難燃規格において、V0の高度の難燃性でありながら、破断伸度が20%以上の強靭性を実現することができる。
本発明によれば、従来の難燃性ポリアミド系樹脂組成物では得られない強靭性と高度の難燃性、特にノンドリップ性を併せ持つ成形体を製造することが可能となった。
以下に本発明を具体的に説明する。
本発明のポリアミド系樹脂組成物は、無機強化剤が配合されていない系では、引張破断伸度が100%以上で、引張タフネスが9000MPa・%以上であるという従来にない高度なタフネスを実現でき、無機強化材配合系であっても、引張破断伸度が10%以上で、引張タフネスが600MPa・%以上である高いタフネスを発現できる。
さらに、無機強化剤が配合されていない系では、引張破断伸度が200%以上で、引張タフネスが10000MPa・%以上であることが好ましく、無機強化材配合系では、引張破断伸度が15%以上で、引張タフネスが800MPa・%以上であることが好ましい。
なお、本発明における引張タフネスとは、テストピースの引張破断試験(ISO−527に準じる)において求められた引張破断強度と引張破断伸度との積であり、ほぼ破断仕事量に相当するものである。
本発明における結晶性ポリアミド樹脂(A)とは、分子中にアミド結合(−CONH−)を有するポリアミド樹脂のうち、ポリアミド分子中におけるアミド結合間の分子鎖長が短くアミド基数が多い樹脂であり、かつDSC測定において結晶の融解による吸熱ピークを持つ結晶性のポリアミド樹脂である。具体的にはナイロン3、ナイロン4、ナイロン5、ナイロン6、ナイロン7、ナイロン8、ナイロン66、ナイロン46、ナイロン6T、ナイロン6I、ナイロンMXD6等のナイロン重合体又はこれらを成分とする結晶性の共重合体、もしくはこれらのブレンド物等を例示することが出来るが、これらに限定されるものではない。本発明においてはナイロン6およびナイロン66が特に好ましい。
これらの結晶性ポリアミド樹脂の数平均分子量は7000〜30000のものが好ましく用いられる。数平均分子量が7000以下ではタフネスが低下して好ましくない。また30000以上では流動性が低下して好ましくない。これらの結晶性ポリアミド樹脂の配合量は30〜70質量%である。
本発明におけるポリアミド樹脂(A)より低融点でかつ低吸水性のポリアミド樹脂(B)とは、ポリアミド分子中におけるアミド結合間の分子鎖長がポリアミド樹脂(A)より長くアミド基数が少ない樹脂であり、ポリアミド分子100原子中におけるアミド基数で表記すると11.5未満であり、ポリアミド樹脂(A)よりアミド結合密度が少なく疎水性が高いポリアミド樹脂である。具体的には、例えばナイロン9、ナイロン10、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン610、ナイロン612等の重合体又はこれらを成分とする共重合体、もしくはこれらのブレンド物等を例示することが出来る。本発明においては、特にナイロン11およびナイロン12などの柔軟性が高いポリアミド樹脂が好ましい。
これらのアミド結合密度が少ないポリアミド樹脂(B)の数平均分子量は7000〜30000のものが好ましく用いられる。数平均分子量が7000以下ではタフネスが低下して好ましくない。また30000以上では流動性が低下して好ましくない。これらのアミド結合の数が少ないポリアミド樹脂(B)の配合量は5〜30質量%である。好ましくは10〜25質量%である。
本発明のポリアミド樹脂と反応する官能基を有する熱可塑性エラストマー(C)における熱可塑性エラストマーとは、スチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマーなどである。
スチレン系熱可塑性エラストマーとしては、スチレン/ブタジエン/スチレンブロック共重合体(SBS)とその水素添加物であるスチレン/エチレン・ブチレン/スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン/ブタジエン共重合体(SBR)とその水素添加物であるスチレン/エチレン/ブチレン共重合体(HSBR)、スチレン/イソプレン/スチレンブロック共重合体(SIS)とその水素添加物であるスチレン/エチレン・プロピレン/スチレンブロック共重合体(SEPS)等を挙げることが出来るがこれらに限定されるものではない。
また、オレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、エチレン/プロピレン/ジェンゴム(EPDM)、エチレン/プロピレンゴム(EPR)、エチレン/エチレンアクリルゴム(EEA)、ブチルゴム(IIR)等のゴムおよび動的架橋したオレフィン系熱可塑性エラストマーおよび柔軟性のあるエチレン系の共重合体等を挙げることができるがこれらに限定されるものではない。
ポリアミド系熱可塑性エラストマーとしては、結晶性で溶融温度の高いポリアミドをハードセグメントとし、ガラス転移温度の低いポリエーテルやポリエステルをソフトセグメントとするポリエーテルエステルアミドやポリエステルアミドである。
また、ポリエステル系熱可塑性エラストマーとしては、結晶性で溶融温度の高いポリエステルをハードセグメントとし、ガラス転移温度の低いポリエーテルやポリエステルをソフトセグメントとするポリエーテルポリエステルやポリエステルポリエステルのブロック共重合体である。
さらに、ポリウレタン系熱可塑性エラストマーとしては、結晶性で溶融温度の高いポリエステルをハードセグメントとし、ガラス転移温度の低いポリエーテルやポリエステルをソフトセグメントとするポリエーテルポリウレタンやポリエステルポリウレタンである。
これらの熱可塑性エラストマーの中で、燃焼時のドリップ抑制効果の点でスチレン系熱可塑性エラストマーが好ましく、SEBSが特に好ましい。
本発明のポリアミド樹脂と反応する官能基を有する熱可塑性エラストマー(C)におけるポリアミド樹脂と反応しうる官能基とは、ポリアミド樹脂の末端基であるアミノ基、カルボキシル基および主鎖のアミド基のいずれかと反応しうる基であり、具体的にはカルボン酸基、酸無水物基、エポキシ基、オキサゾリン基、アミノ基、イソシアネート基等が例示される。
中でもカルボン酸基、酸無水物基、エポキシ基、オキサゾリン基、イソシアネート基は、複合難燃剤(D)の構成成分である下記に示した少なくとも1つのアミノ基を有するシアナミド誘導体又は該シアナミド誘導体とリン酸類との反応生成物(D2)との反応性があるため好ましい。これらの中で酸無水物基が最も反応性に優れているので好ましい。
これらの官能基の含有量は熱可塑性エラストマーに対して0.05〜8質量%、好ましくは0.1〜5質量%である。これらの官能基を有する熱可塑性エラストマーの製造法は、熱可塑性エラストマーを製造する工程で上記の官能基を持つ化合物を反応させる方法や熱可塑性エラストマーのペレットと官能基を持つ化合物等を混合し、押出機等で混錬して反応させる方法等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
本発明におけるポリアミド樹脂と反応する官能基を有する熱可塑性エラストマー(C)の配合量は1〜15質量%、好ましくは3〜12質量%である。配合量が15質量%より多いと、ポリアミド樹脂組成物での難燃性が低下し、複合難燃剤の配合量を増加する必要があり、好ましくない。また配合量が1質量%未満ではポリアミド系樹脂組成物の強靭性が低下して好ましくない。
本発明における無機強化剤(E)とは、板状晶をしたタルク、マイカ、未焼成クレー類、不定形及び球状をした炭酸カルシウム、焼成クレー、シリカ、ガラスビーズ、一般的に使用されているワラストナイト及び針状ワラストナイト、ガラス繊維、炭素繊維、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム等のウィスカー類、平均粒径は4〜20μm程度、カット長は35〜80μm程度のガラス短繊維であるミルドファイバー等が挙げられ、特に限定されるものではないが成形品外観の面では、タルク、強度、剛性向上の面ではガラス繊維が最も優れており、強度・剛性・成形品表面光沢の面ではガラス繊維と板状晶強化材であるタルク及び/又はマイカが最も優れている。なおマイカとしては金雲母、絹雲母等があるが、樹脂の着色性の自由度の面(カラーリング性)より、絹雲母が好ましい。
本発明における複合難燃剤(D)とは、リン系難燃剤(D1)と少なくとも1つのアミノ基を有するシアナミド誘導体又は該シアナミド誘導体とリン酸類との反応生成物(D2)とを含むものである。
本発明におけるリン系難燃剤(D1)とは、脂肪族リン酸エステル、芳香族リン酸エステル、脂肪族亜リン酸エステル、芳香族亜リン酸エステル、縮合リン酸エステルなどのリン酸エステル類、ホスフィン酸エステル、ホスフィン酸塩類などである。配合量が比較的少なくて高度の難燃効果が得られる点でホスフィン酸塩類が好ましい。
ホスフィン酸塩類としては、下記の式(I)で表されるホスフィン酸塩(D1a)及び下記の式(II)で表されるジホスフィン酸塩(D1b) の少なくとも一方である。
Figure 2007297581
Figure 2007297581
[式(I)、(II)中R及びRは同一か又は異なり、線状又は分岐状のC〜C−アルキル及び/又はアリールであり、Rは線状又は分岐状のC〜C10−アルキレン、C〜C10−アリーレン、C〜C10−アルキルアリーレン又はC〜C10−アリーレンアルキルであり、Mは、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、アルミニウムイオン及び/又は亜鉛イオンであり、mは、2又は3であり、nは、1又は3であり、xは1又は2である。]
式(I)、(II)において、R及びRは、好ましくは同一か又は異なり、線状もしくは分岐状のC〜C−アルキル及び/又はアリールであり、特に好ましくは、同一か又は異なり、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル及び/又はフェニルである。
は、線状又は分岐状のC〜C10−アルキレン、C〜C10−アリーレン、C〜C10−アルキルアリーレン又はC〜C10−アリールアルキレンであり、好ましくは、メチレン、エチレン、n−プロピレン、イソプロピレン、n−ブチレン、tert−ブチレン、n−ペンチレン、n−オクチレン、n−ドデシレン、あるいはフェニレン、又はナフチレン、あるいはメチルフェニレン、エチルフェニレン、tert−ブチルフェニレン、メチルナフチレン、エチルナフチレン、又はtert−ブチルナフチレン、あるいはフェニルメチレン、フェニルエチレン、フェニルプロピレン、又はフェニルブチレンである。
Mは、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、アルミニウムイオン、亜鉛イオンであり、好ましくは、アルミニウムイオン又は亜鉛イオン又はカルシウムイオンである。
以下に使用する“ホスフィン酸塩”という用語は、ホスフィン酸塩及びジホスフィン酸塩並びにこれらのポリマーを包括する。このホスフィン酸塩は、水性媒体中で製造されるものであり、そして本質的にモノマー性の化合物である。その反応条件に依存して、ポリマー性のホスフィン酸塩も或る環境化に形成し得る。
ホスフィン酸塩の一成分として好適なホスフィン酸は、例えば、ジメチルホスフィン酸、エチルメチルホスフィン酸、ジエチルホスフィン酸、メチル−n−プロピレンホスフィン酸、メタン−1,2−ジ(メチルホスフィン酸)、ベンゼン−1,4−(ジメチルホスフィン酸)メチルフェニルホスフィン酸及びジフェニルホスフィン酸である。
本発明におけるホスフィン酸塩は、ヨーロッパ特許出願公開第699708号明細書に記述されているような公知の方法で製造することができる。ホスフィン酸を、例えば水溶液中で、金属炭酸塩、金属水酸化物、又は金属酸化物と反応させて製造する。
本発明における少なくとも1つのアミノ基を有するシアナミド誘導体又は該シアナミド誘導体とリン酸類との反応生成物(D2)とは、アミノ基と−N=C=N−又は−N=C(−N<)2で表されるユニットを有する化合物であり、アミノ基含有トリアジン類(メラミン、メラム、メレム、メロン、グアナミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミンなどのアミノ基含有1,3,5−トリアジン類、3−アミノ−1,2,4−トリアジンなどのアミノ基含有1,2,4−トリアジン類など)、アミノ基含有トリアゾール類(2,5−ジアミノ−1,3,4−トリアゾールなどのアミノ基含有1,3,4−トリアゾール類など)などの環状シアナミド誘導体;グアニジン類[グアニジン、グアニジン誘導体(ジシアンジアミド、グアニル尿素など)など]などの非環状シアナミド誘導体などが挙げられる。好ましいシアナミド誘導体は、アミノ基含有1,3,5−トリアジン類、グアニジン又はその誘導体であり、特にメラミンなどである。メラミンの場合、メラミンシアヌレートも誘導体の1つとして使用することができる。このようなシアナミド誘導体は、1種で又は2種以上組み合わせて使用できる。
本発明における上記シアナミド誘導体と反応させるリン酸類とは、非縮合リン酸(オルトリン酸、メタリン酸、亜リン酸(ホスホン酸)、次亜リン酸(ホスフィン酸)など)、ポリリン酸などの無機リン酸である。ポリリン酸としては、ピロリン酸、三リン酸、四リン酸などの縮合リン酸類が含まれる。
本発明における少なくとも1つのアミノ基を有するシアナミド誘導体又は該シアナミド誘導体とリン酸類との反応生成物(D2)として好ましいのは、メラミンの縮合生成物(D2a)、メラミン又はメラミンの縮合生成物とリン酸の反応生成物(D2b)及びメラミンとリン酸縮合物の反応生成物(D2c)のうちの少なくとも1種を含むものであり、より好ましくは、メラミンポリホスフェート、メレムポリホスフェート、メラムポリホスフェート、ジメラミンピロホスフェートであり、特に好ましいのは、縮合度が2以上、特に10以上50以下のより長い鎖長を有するメラミンポリホスフェートである。
本発明の複合難燃剤(D)における上記(D1)、(D2)の配合割合は広い範囲で変えることができるが、複合難燃剤全体に対して上記(D1)成分の配合割合は30〜90質量%で、上記(D2)成分の配合割合は10〜70質量%が好ましいが、より好ましくは、(D1)が40〜80質量%、(D2)が20〜60%、さらに好ましくは、(D1)が50〜70質量%、(D2)が30〜50質量%である。
本発明における複合難燃剤(D)の配合量は、難燃性ポリアミド系樹脂組成物の組成や目標とする難燃特性によって大幅に異なるが、一般的に15〜50質量%である。好ましくは20〜45質量%である。15質量%未満では目標とする高度な難燃性が得られない。また50質量%より多いと物性が低下し問題となる。また経済的にも好ましくない。
なお、目的とする難燃性を損なわない範囲において、剛性を高めるために、前記の無機強化剤(E)を配合することは何ら差し支えない。
本発明におけるカップリング剤(F)とは、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等いずれを使用してもよいが、ポリアミド樹脂の末端基であるカルボキシル基やアミノ基と化学的に反応することが出来るカップリング剤が好ましく、例えばアミノシランカップリング剤およびエポキシシランカップリング剤が挙げられる。これらのカップリング剤はポリアミド樹脂の末端基であるカルボキシル基やアミノ基と化学的に反応することが出来るため、複合難燃剤のポリアミド樹脂中での均一分散性に優れ、特に好ましい。カップリング剤(F)の配合量は、ポリアミド系樹脂組成物中で0.05〜2.0質量%であることが好ましい。配合量が0.05質量%未満では、複合難燃剤とポリアミド樹脂との濡れ性、混和性が充分でないため物性の向上はほとんどなく、また2.0質量%を超えると、物性改良効果が限界に近くなり経済的でない。
本発明の強靭性に優れたポリアミド系組成物には、上述した(A)〜(F)の他に、通常のポリアミド系樹脂組成物に用いられる耐候性改良剤であるカーボンブラックや銅酸化物および/又はハロゲン化アルカリ金属、光又は熱安定剤としてフェノール系酸化防止剤やリン系酸化防止剤、離型剤、結晶核剤、滑材、帯電防止剤、顔料、染料等を配合しても良い。
本発明の強靭性に優れた難燃性ポリアミド系樹脂組成物の製造する方法としては特に限定されるものではなく、混練装置として一般の単軸押出機や二軸押出機、加圧ニーダー等が使用できるが、本発明においては二軸押出機が特に好ましい。
一実施様態としては、前記(A)〜(F)、および用途によっては酸化防止剤や離型剤および顔料等を混合し、二軸押出機に投入する。二軸押出機によって均一に混練することにより強靭性と難燃性に優れたポリアミド系樹脂組成物を製造することが出来る。二軸押出機の混練温度は220〜300℃で混練時間は2〜15分程度が好ましい。
押出機から押し出されたストランドは急冷されてペレット化され、乾燥されたペレットは、通常の成形機や押出機によって、各種成形体に成形することができる。各種成形体は、強靭性と高度の難燃性とを併せ持つ電気、電子部品などの各種部品や製品となる。
以上のように、本発明のポリアミド系樹脂組成物は、引張破断伸度が100%以上で、引張タフネスが9000MPa・%以上であるという従来にない高度なタフネスを実現でき、無機強化材配合系であっても、引張破断伸度が10%以上で、引張タフネスが600MPa・%以上である高いタフネスを実現できる。
さらに、本発明は結晶性ポリアミド樹脂の非ハロゲン系難燃剤による難燃化に際し、難燃剤の構成成分の1つとして、少なくとも1つのアミノ基を有するシアナミド誘導体又は該シアナミド誘導体とリン酸類との反応生成物を選定し、かつアミド結合の数が少ない低吸水性のポリアミド樹脂とポリアミド樹脂と反応する官能基を持つ熱可塑性エラストマーを配合することにより、非強化難燃材料の強靭性を示す最も重要な物性の一つである引張破断伸度を著しく高くすることが可能となった。一般的に引張破断伸度が20%以上ある材料は折り曲げても破断しない強靭性を示す。
本発明の非強化難燃性ポリアミド系樹脂組成物は、従来の非強化難燃性ポリアミド樹脂組成物では得られない強靭性と高度の難燃性、特にノンドリップ性をも併せ持つ製品をも製造することが可能となった。
本発明のこのような顕著な効果が発現される理由は、ポリアミド樹脂と反応する官能基を持つ熱可塑性エラストマー(C)が、ポリアミド樹脂の(A)、(B)の相溶化剤として作用し、さらには、複合難燃剤(D)のうちの少なくとも1つのアミノ基を有するシアナミド誘導体又は該シアナミド誘導体とリン酸類との反応生成物(D2)とそれぞれ反応し、これらの反応物が系の相溶化剤として作用しているためであると考えられる。
以下に実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら制限されるものではない。
また以下に実施例、比較例において示した各特性、物性値は、下記の試験方法で測定した。
(1)引張破断強度、引張破断伸度、引張弾性率;ISO−527に準じて測定した。
(2)シャルピー衝撃強度;ISO−179に準じて測定した。
(3)燃焼性;試験片厚さ1/16インチ及び1/32インチについて、UL94垂直燃焼試験法に準じて評価した。
(4)融点;DSC法による溶融ピーク温度を測定した。
(5)吸水率;ASTM D 570(23℃水中、24Hr)に準じて測定した。
実施例、比較例で使用した原材料は以下のとおりである。
・結晶性ポリアミド樹脂(A):ナイロン6(融点:225℃、吸水率1.8%、東洋紡ナイロンT−850、東洋紡績社製)、ナイロン66(融点:265℃、吸水率1.2%、Ultramid A5、BASFジャパン社製)。
・ポリアミド樹脂(B):ナイロン11(融点:185℃、吸水率0.4%、RILSAN B OTL 10415、アトフィナ社製)、ナイロン12(融点:176℃、吸水率0.3%、ダイアミドL−1801、ダイセルデグサ社製)
・熱可塑性エラストマー(C):マレイン酸変性SEBS(タフテック M−1943、旭化成ケミカルズ社製)、マレイン酸変性EPR(タフマー 5010、三井化学社製)、マレイン酸変性EEA(ボンダイン AX8390、住友化学工業社製)
・(D1)のリン系難燃剤:ホスフィン酸塩(エクソリットOP1230:クラリアントジャパン社製)。
・(D2)のアミノ基含有難燃剤:メラミンポリフォスフェート(MELAPURE 200/70:チバスペシャリティケミカルズ社製)
・酸化防止剤:イルガノックスB1171(チバスペシャリティケミカルズ社製)。
・離型剤:リコルブWE40(クラリアントジャパン社製)
・黒顔料:PAB−8K470(住化カラー社製)
(実施例1〜6、比較例1〜4)
予備乾燥した各原料を表1に示す割合で、さらに、該原料の総量100質量部に対して、酸化防止剤としてイルガノックスB1171(チバスペシャリティケミカルズ社製)0.4質量部、離型剤としてリコルブWE40(クラリアントジャパン社製)0.3質量部、黒顔料としてPAB−8K470(住友カラー社製)0.8質量部を混合し、2軸押出機(東芝機械株式会社製、TEMφ35)のホッパーに投入した。二軸押出機の混練温度はナイロン6を用いた場合210〜270℃であり、ナイロン66の場合250〜290℃である。押出機から押し出されたストランドは急冷してストランドカッターでペレット化した。乾燥して得られたポリアミド系樹脂組成物のペレットは射出成形機で物性評価用テストピースを成形した。成形機のシリンダー温度はナイロン6の場合230〜280℃、金型温度は60℃であり、ナイロン66の場合シリンダー温度は270〜300℃、金型温度は60℃である。
評価結果は表1に示す。
Figure 2007297581
(実施例7〜16、比較例5〜12)
実施例1と同様にして、表2及び表3に示す配合組成の強化剤入りポリアミド系樹脂組成物を得て、実施例1と同様にして評価した。評価結果を表2及び表3に示す。
Figure 2007297581
Figure 2007297581
(実施例17〜22、比較例13〜21)
実施例1と同様にして、表4及び表5に示す配合組成の難燃剤入りポリアミド系樹脂組成物を得て、実施例1と同様にして評価した。評価結果を表4及び表5に示す。
Figure 2007297581
Figure 2007297581
特に、実施例17、18および実施例20、21はいずれも厚みが1/32インチでV−0という高度な難燃性で、かつノンドリップという優れた難燃特性を示し、しかも引張破断伸度が20%以上であり、高度な難燃性と強靭性を兼ね備えた非強化難燃性ポリアミド樹脂組成物が得られた。
比較例13、18の変性熱可塑性エラストマー(C)およびポリアミド樹脂(B)が配合されない場合、比較例14、19のポリアミド樹脂(B)のみが配合されない場合、比較例15、20、21の変性熱可塑性エラストマー(C)のみが配合されない場合及び比較例5のポリアミド樹脂(B)の代わりに別のポリアミド樹脂(A)を配合した場合のいずれの比較例においても、引張破断伸度が5%未満であり、強靭性が不足しており、折り曲げれば破断する脆い成形品しか得られなかった。また比較例13、18では燃焼時にドリップするという問題もあった。比較例14、19では難燃性がランクの低いV−2でかつドリップ現象も起こした。
本発明は、従来にない高い強靭性を持つポリアミド系樹脂組成物、ポリアミド樹脂が本来有する強靭性、特に引張破断伸度等を保持しつつ、高い剛性や高度な難燃性などを付与したポリアミド系樹脂組成物であるため、エンジニアリングプラスチックとして電気・電子機器、自動車、機械、日用品などの各種部品や成形品に使用可能である。
特に、難燃性ポリアミド系樹脂組成物は、優れた強靭性と高度な難燃特性を併せ持つ非ハロゲン系の難燃性成形材料であり、1/32インチの厚みでUL94規格のV0クラスの高度の難燃性を示すことができ、肉薄の電子部品から肉厚の電気部品まで難燃性が必要なあらゆる分野の製品に適用可能であり、幅広い分野で使用することが出来るエンジニアリングプラスチックであり、産業界に寄与すること大である。

Claims (7)

  1. 結晶性ポリアミド樹脂(A)30〜85質量%、ポリアミド樹脂(A)より低融点でかつ低吸水性のポリアミド樹脂(B)50〜5質量%、ポリアミド樹脂と反応する官能基を有する熱可塑性エラストマー(C)1〜20質量%及びカップリング剤(F)を0〜2.0質量%を含有し、引張破断伸度が100%以上で、引張タフネス(引張破断強度と引張破断伸度との積)が9000MPa・%以上であることを特徴とする強靭性に優れたポリアミド系樹脂組成物。
  2. 結晶性ポリアミド樹脂(A)30〜70質量%、ポリアミド樹脂(A)より低融点でかつ低吸水性のポリアミド樹脂(B)30〜5質量%、ポリアミド樹脂と反応する官能基を有する熱可塑性エラストマー(C)1〜15質量%及び無機強化剤(E)5〜60質量%及びカップリング剤(F)を0〜2.0質量%を含有し、引張破断伸度が10%以上で、引張タフネスが600MPa・%以上であることを特徴とする強靭性に優れたポリアミド系樹脂組成物。
  3. 結晶性ポリアミド樹脂(A)30〜70質量%、ポリアミド樹脂(A)より低融点でかつ低吸水性のポリアミド樹脂(B)30〜5質量%、ポリアミド樹脂と反応する官能基を有する熱可塑性エラストマー(C)1〜15質量%、複合難燃剤(D)15〜50質量%及びカップリング剤(F)0〜2.0質量%を含有するポリアミド系樹脂組成物であり、複合難燃剤(D)がリン系難燃剤(D1)と少なくとも1つのアミノ基を有するシアナミド誘導体又は該シアナミド誘導体とリン酸類との反応生成物(D2)とを含むことを特徴とする強靭性に優れた難燃性ポリアミド系樹脂組成物。
  4. 複合難燃剤(D)のリン系難燃剤(D1)が、下記の式(I)で表されるホスフィン酸塩(D1a)及び下記の式(II)で表されるジホスフィン酸塩(D1b) の少なくとも一方であり、少なくとも1つのアミノ基を有するシアナミド誘導体又は該シアナミド誘導体とリン酸類との反応生成物(D2)が、メラミンの縮合生成物(D2a)、メラミン又はメラミンの縮合生成物とリン酸の反応生成物(D2b)及びメラミンとリン酸縮合物の反応生成物(D2c)のうちの少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項3に記載の強靭性に優れた難燃性ポリアミド系樹脂組成物。
    Figure 2007297581
    Figure 2007297581
    [式(I)、(II)中R及びRは同一か又は異なり、線状又は分岐状のC〜C−アルキル及び/又はアリールであり、Rは線状又は分岐状のC〜C10−アルキレン、C〜C10−アリーレン、C〜C10−アルキルアリーレン又はC〜C10−アリーレンアルキルであり、Mは、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、アルミニウムイオン及び/又は亜鉛イオンであり、mは、2又は3であり、nは、1又は3であり、xは1又は2である。]
  5. 前記ポリアミド樹脂(A)が、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミドMXD6及びポリアミド6Tのうちの1種又は2種以上である請求項3又は4に記載の強靭性に優れたポリアミド系樹脂組成物。
  6. 前記ポリアミド樹脂(B)が、ポリアミド11及びポリアミド12の少なくとも一方である請求項1〜5のいずれかに記載の強靭性に優れたポリアミド系樹脂組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のポリアミド系樹脂組成物を用いた成形体。
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