JP2000248172A - ポリアミド樹脂組成物、これを用いてなるセルフタップ性を有する部品 - Google Patents

ポリアミド樹脂組成物、これを用いてなるセルフタップ性を有する部品

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JP2000248172A
JP2000248172A JP11049918A JP4991899A JP2000248172A JP 2000248172 A JP2000248172 A JP 2000248172A JP 11049918 A JP11049918 A JP 11049918A JP 4991899 A JP4991899 A JP 4991899A JP 2000248172 A JP2000248172 A JP 2000248172A
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polyamide resin
self
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acid
tapping
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Masaaki Yamazaki
正明 山崎
Katsumi Kuratani
勝己 倉谷
Hiroshi Fujii
弘 藤井
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Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 曲げ強度や引張破断強度等の機械的特性が良
好で、面衝撃性やセルフタップ性に優れ、かつ、成形収
縮率が小さく、表面外観性と吸水時の寸法安定性が改良
された成形品とすることができるポリアミド樹脂組成
物、並びにこれを用いてなるセルフタップ性を有する部
品を提供する。 【解決手段】 結晶性ポリアミド樹脂と非晶性ポリアミ
ド樹脂とからなるポリアミド樹脂28〜78重量%、ガ
ラス繊維20〜70重量%及び酸変性エラストマー2〜
6重量%からなる組成物(ただし、組成物全体を100
重量%とする。)であり、セルフタップ性が下記及び
の特性を有するポリアミド樹脂組成物。 戻しトルク≧15kg・cm 戻しトルク/破壊トルク
≧0.5

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、機械的性質、特に
面衝撃性やセルフタップ性等に優れ、電動工具のハウジ
ング部品や機械部品のケ−シング部品に好適に利用でき
るポリアミド樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリアミド樹脂は、機械的性質、耐熱
性、耐薬品性等に優れたエンジニアリングプラスチック
であり、自動車、家電製品、事務機器、機械等の部品用
射出成形材料として幅広く利用されている。しかし、電
動工具のハウジング部品や機械部品のケ−シング部品等
に使用するには、耐衝撃性が十分でないという問題があ
った。
【0003】従来より、ポリアミド樹脂の耐衝撃性を向
上させる方法として、ポリアミド樹脂にエラストマー成
分を配合させる方法が提案されている。例えば、特公昭
54-4743号公報、特公昭55-44108号公報及び特公昭58-23
850号公報には、無水マレイン酸に代表されるα,β−
不飽和カルボン酸化合物等をグラフトさせたオレフィン
系共重合体を、ポリアミド樹脂に配合させた樹脂組成物
が開示されている。また、特開昭59-56451号公報には、
共役ジエンの水素化重合体もしくは共役ジエンとビニル
系炭化水素の水素化共重合体と無水マレイン酸との共重
合体を、ポリアミド樹脂に配合させた樹脂組成物が開示
されている。しかし、これらの方法では、前記したエラ
ストマー成分の配合量を大きくすると、ポリアミド樹脂
の耐衝撃性は十分に改良されるものの、剛性や耐熱性が
著しく低下し、逆にエラストマー成分の配合量を小さく
すると、剛性や耐熱性は保持されるものの、耐衝撃性が
向上しないという問題点があった。
【0004】一方、本発明者らは、これらの問題点を解
消するものとして、ナイロン6やナイロン66等の結晶性
ポリアミド樹脂に、特定粒径とアスペクト比を有するガ
ラス繊維及び酸変性エラストマ−を特定量配合させたポ
リアミド樹脂組成物を提案した(特開平10−265666号公
報)。この組成物は、剛性や耐熱性を保持して、面衝撃
性やセルフタップ性の改良された成形品を与えるもので
あったが、成形時の収縮性がやや大きいため所定サイズ
の成形品が得られにくく、吸水時の寸法安定性や外観性
の点でも十分といえるものではなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を解消し、ポリアミド樹脂本来の有する剛性等の機械的
強度や耐熱性を保持して、かつ面衝撃性、セルフタップ
性、吸水時の寸法安定性及び外観性が改良された成形品
とすることのできるポリアミド樹脂組成物、並びにこれ
を用いてなるセルフタップ性を有する部品を提供するも
のである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、結晶性ポリアミド
樹脂と非晶性ポリアミド樹脂とからなるポリアミド樹脂
に、ガラス繊維と酸変性エラストマ−とを配合すること
で、上記の目的が達成できることを見出し、本発明に到
達した。
【0007】すなわち、本発明の要旨は次の通りであ
る。 (1) 結晶性ポリアミド樹脂と非晶性ポリアミド樹脂とか
らなるポリアミド樹脂28〜78重量%、ガラス繊維20〜70
重量%及び酸変性エラストマー2〜6重量%からなる組
成物(ただし、組成物全体を 100重量%とする。)であ
り、セルフタップ性が下記及びの特性を有すること
を特徴とするポリアミド樹脂組成物。 戻しトルク≧15kg・cm 戻しトルク/破壊トルク≧0.5 (2) ポリアミド樹脂が、結晶性ポリアミド樹脂/非晶性
ポリアミド樹脂= 99/1〜90/10(重量比) である上記(1)
記載のポリアミド樹脂組成物。 (3) ガラス繊維が、平均直径3〜11μmであり、アスペ
クト比(平均長さ/平均直径)250 〜500 である上記
(1) 又は(2) 記載のポリアミド樹脂組成物。 (4) 上記(1) 〜(3) 記載のポリアミド樹脂組成物を用い
てなるセルタップ性を有する部品。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明におけるポリアミド樹脂は、結晶性ポリア
ミド樹脂と非晶性ポリアミド樹脂とからなり、組成物全
体を 100重量%としたとき、28〜78重量%の範囲とする
ことが必要であり、50〜70重量%の範囲とすることが好
ましい。ポリアミド樹脂の配合量が28重量%未満では、
成形性に劣るものとなる。一方、この配合量が78重量%
を超えると、機械的強度に優れた成形品が得られない。
【0009】ここで、結晶性ポリアミド樹脂とは、示差
走査熱量計を用いて、窒素雰囲気下、16℃/分の昇温速
度で測定したときの融解熱量が1cal/g より大きいもの
であり、非結晶性ポリアミド樹脂とは、示差走査熱量計
を用いて、窒素雰囲気下、16℃/分の昇温速度で測定し
たときの融解熱量が1cal/g 以下のものである。
【0010】そして、結晶性ポリアミド樹脂と非晶性ポ
リアミド樹脂の割合は、重量比で99:1〜90:10 の範囲と
することが好ましく、97:3〜92:8の範囲とすることが特
に好ましい。非結晶性ポリアミド樹脂の割合が1重量%
より小さいと、吸水時の寸法安定性や外観性が改良され
た成形品とすることが難しい。一方、非結晶性ポリアミ
ド樹脂の割合が10重量%より大きくなると、成形品の機
械的強度や耐熱性等が低下する。
【0011】結晶性ポリアミド樹脂としては、ポリカプ
ロアミド(ナイロン6)、ポリテトラメチレンアジパミ
ド(ナイロン46)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナ
イロン66)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン
610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン612)、
ポリウンデカメチレンアジパミド(ナイロン116)、ポリ
ウンデカミド(ナイロン11)、ポリドデカミド(ナイロ
ン12)、ポリビス(4-アミノシクロヘキシル)メタンド
デカミド(ナイロンPACM12)、ポリビス(3-メチル-4-
アミノシクロヘキシル)メタンドデカミド(ナイロンジ
メチルPACM12)、ポリメタキシリレンアジパミド(ナイ
ロンMXD6)、ポリノナメチレンテレフタルアミド(ナイ
ロン9T)、ポリウンデカメチレンテレフタルアミド(ナ
イロン11T)、ポリウンデカメチレンヘキサヒドロテレフ
タルアミド〔ナイロン11T(H)〕の単独重合体もしくは共
重合体、又はこれらの混合体等が挙げられる。その中で
もナイロン6、ナイロン46、ナイロン66、ナイロン 61
0、ナイロン11、ナイロン12の単独重合体もしくは共重
合体が好ましく、ナイロン6、ナイロン66の単独重合体
が特に好ましい。
【0012】非晶性ポリアミド樹脂としては、イソフタ
ル酸/テレフタル酸/ヘキサメチレンジアミンの重縮合
体、イソフタル酸/テレフタル酸/ヘキサメチレンジア
ミン/ビス(3-メチル-4- アミノシクロヘキシル)メタ
ンの重縮合体、イソフタル酸/2,2,4-トリメチルヘキサ
メチレンジアミン/2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジ
アミンの重縮合体、テレフタル酸/2,2,4-トリメチルヘ
キサメチレンジアミン/2,4,4-トリメチルヘキサメチレ
ンジアミンの重縮合体、イソフタル酸/テレフタル酸/
2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジアミン/2,4,4-トリ
メチルヘキサメチレンジアミンの重縮合体、イソフタル
酸/ビス(3-メチル-4- アミノシクロヘキシル)メタン
/ω−ラウロラクタムの重縮合体、テレフタル酸/ビス
(3-メチル-4- アミノシクロヘキシル)メタン/ω−ラ
ウロラクタムの重縮合体等が挙げられる。また、これら
の重縮合体を構成するテレフタル酸成分及び/又はイソ
フタル酸成分のベンゼン環が、アルキル基やハロゲン原
子で置換されたものも含まれる。さらに、これらの非晶
性ポリアミドは2種類以上併用して使用することもでき
る。
【0013】結晶性ポリアミド樹脂及び非晶性ポリアミ
ド樹脂の相対粘度は、溶媒として96重量%濃硫酸を用
い、温度25℃、濃度1g/dlの条件で求めた値で 1.3〜
4.0の範囲にあることが好ましい。この相対粘度が 1.3
未満のものでは、成形品としたときの機械的強度が低下
する。一方、この相対粘度が 4.0を超えるものでは、成
形性が急速に低下する。
【0014】本発明におけるガラス繊維は、溶融混練前
のもので、その平均直径が3〜11μmの範囲にあり、ア
スペクト比(平均長さ/平均直径)が 250〜500 の範囲
にあるものが好ましい。ガラス繊維の平均直径が3μm
未満のものであっても、11μmを超えるものであって
も、面衝撃性やセルフタップ性の改良された成形品にす
ることが難しい。また、アスペクト比が 250未満のもの
では、成形品としたときの機械的強度が十分でなく、一
方、アスペクト比が 500を超えるものでは、成形性が低
下する。さらに、溶融混練前のガラス繊維の平均長さ
は、前記したアスペクト比を満足するものなら特に制限
はされないが、通常は0.75〜5.5 mmの範囲にあるものが
用いられる。
【0015】ガラス繊維の配合量は、組成物全体を 100
重量%としたとき、20〜70重量%の範囲とすることが必
要であり、25〜50重量%の範囲とすることが好ましい。
この配合量が20重量%未満では、衝撃強度が向上しな
い。一方、この配合量が70重量%を超えると成形性が著
しく低下する。
【0016】本発明における酸変性エラストマーは、耐
衝撃性の向上を目的として用いられるものであり、具体
的には、エチレン、プロピレン又はブテンの少なくとも
1種からなるポリオレフィンを不飽和カルボン酸もしく
はその誘導体で変性したもの、ビニル芳香族化合物重合
体ブロックXとオレフィン系化合物重合体ブロックYと
からなるXYXブロック共重合体もしくはXYブロック
共重合体を不飽和カルボン酸もしくはその誘導体で変性
したもの、又はそれらの混合物が用いられる。
【0017】この際、ポリオレフィン、XYXブロック
共重合体又はXYブロック共重合体を不飽和カルボン酸
もしくはその誘導体で変性する際には、ランダム共重合
による方法、グラフト重合による方法のいずれであって
もよい。
【0018】上記のビニル芳香族化合物重合体ブロック
Xの具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、
ビニルキシレン、エチルビニルキシレン、ビニルナフタ
リンの単独重合体又はこれらの共重合体が挙げられる。
【0019】また、上記のオレフィン系化合物重合体ブ
ロックYは、ブタジエン、イソプレン、1,3-ペンタジエ
ン、2,3-ジメチルブタジエン等の共役ジエン系化合物の
重合体又はそれらの不飽和部位の一部もしくは全部が水
素化された重合体のことであり、具体的には、ブタジエ
ン重合体、イソプレン重合体、1,3-ペンタジエン重合
体、2,3-ジメチルブタジエン重合体、エチレン/ブチレ
ン重合体、エチレン/プロピレン重合体又はこれらの混
合物が挙げられる。
【0020】さらに、上記の不飽和カルボン酸もしくは
その誘導体の具体例としては、アクリル酸、メタクリル
酸、マレイン酸、フマル酸等の不飽和モノもしくはジカ
ルボン酸、又はこれらのアミド、エステル、金属塩化合
物もしくは酸無水物が挙げられ、これらは単独あるいは
2種以上併用されていてもよい。
【0021】酸変性エラストマーの具体例としては、無
水マレイン酸変性エチレン/プロプレン共重合体、無水
マレイン酸変性エチレン/ブテン共重合体、無水マレイ
ン酸変性スチレン/イソプレンブロック共重合体、無水
マレイン酸変性スチレン/ブタジエンブロック共重合
体、無水マレイン酸変性スチレン/イソプレン/スチレ
ンブロック共重合体、無水マレイン酸変性スチレン/ブ
タジエン/スチレンブロック共重合体、無水マレイン酸
変性スチレン/エチレン/ブチレン/スチレンブロック
共重合体、無水マレイン酸変性スチレン/エチレン・プ
ロピレン/スチレンブロック共重合体等が挙げられる
が、無水マレイン酸変性エチレン/プロプレン共重合
体、無水マレイン酸変性エチレン/ブテン共重合体が好
ましい。
【0022】酸変性エラストマーの配合量は、組成物全
体を 100重量%としたとき、2〜6重量%の範囲するこ
とが必要である。この配合量が2重量%未満では、耐衝
撃性が向上しない。一方、この配合量が6重量%を超え
ると、セルタップ性が向上しない。
【0023】本発明のポリアミド樹脂組成物は、結晶性
ポリアミド樹脂と非晶性ポリアミド樹脂とからなるポリ
アミド樹脂(以下、両者を含むものを「ポリアミド樹
脂」という。)、ガラス繊維及び酸変性エラストマ−を
上記した範囲で配合してなるもであり、この組成物を用
いて厚み12.7mmの角柱成形品にしたとき、後述する方法
で求めたセルフタップ性が上記及びの特性を有する
ことが必要である。
【0024】ここで、セルフタップ性とは、めすネジを
用いずに成形品のボス部もしくは穴部に、ネジ(セルフ
タップネジ)をネジ切りしながらネジ止めすることであ
る。また、戻しトルクとは、ネジを緩める力のことであ
り、戻しトルクが大きいほどネジ止めが強いことにな
る。さらに、破壊トルクとは、ネジ止めするときに成形
品が破壊するときの力のことであり、破壊トルクが大き
いほど強く締めることができる。
【0025】次に、本発明のポリアミド樹脂組成物の製
造法について説明する。本発明において、ポリアミド樹
脂、ガラス繊維及び酸変性エラストマーを配合する方法
は特に限定されるものではなく、各成分が均一に分散さ
れている状態になればよい。具体的には、ポリアミド樹
脂にガラス繊維及び酸変性エラストマーを加え、タンブ
ラーあるいはヘンシェルミキサーで均一にブレンドした
後、押出機でペレット化すればよい。
【0026】押出機でペレット化する際には、通常は、
ポリアミド樹脂、ガラス繊維及び酸変性エラストマーを
第1供給口から一括供給して溶融混練する方法が採用さ
れる。また、ポリアミド樹脂と酸変性エラストマーを第
1供給口から供給して溶融混練した後、ガラス繊維を第
2供給口から供給して、さらに溶融混練する方法も採用
することもできる。
【0027】ポリアミド樹脂組成物の成形方法として
は、一般には射出成形法が適用され、この方法により、
電動工具のハウジング部品(図1)や機械部品のケ−シ
ング部品等を作製するこができる。
【0028】また、ポリアミド樹脂組成物には、その特
性を大きく損なわない範囲で、顔料、熱安定剤、酸化防
止剤、耐候剤、難燃剤、可塑剤、離型剤、ガラス繊維以
外の強化材等を添加することもできる。
【0029】熱安定剤や酸化防止剤としては、例えばヒ
ンダードフェノール類、リン化合物、ヒンダードアミン
類、イオウ化合物、銅化合物等が用いられる。耐候剤と
しては、例えばベンゾフェノン類、ベンゾトリアゾール
類等が用いられる。難燃剤としては、例えばリン系難燃
剤やハロゲン系難燃剤が用いられる。
【0030】さらに強化材としては、例えばクレー、タ
ルク、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、ワラストナイト、シ
リカ、アルミナ、酸化マグネシウム、珪酸カルシウ
ム、、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カルシウム、
アルミノ珪酸ナトリウム、珪酸マグネシウム、水酸化ア
ルミニウム、水酸化カルシウム、硫酸バリウム、カリウ
ム明バン、ナトリウム明バン、鉄明バン、ガラスバルー
ン、カーボンブラック、酸化亜鉛、三酸化アンチモン、
ほう酸、ほう砂、ほう酸亜鉛、ゼオライト、ハイドロタ
ルサイド、金属繊維、金属ウイスカー、セラミックウイ
スカー、チタン酸カリウムウイスカー、チッ化ホウ素、
マイカ、グラファイト、炭素繊維等が用いられる。
【0031】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。なお、実施例及び比較例における物性値の測
定法は次の通りである。 (a) 相対粘度 96重量%濃硫酸を用い、温度25℃、濃度1g/dlで測定し
た。 (b) 曲げ強度、曲げ弾性率及び曲げ破断歪 厚み 3.2mmの試験片を用い、ASTM−D790に基づいて測定
した。 (c) 引張破断強度及び引張破断伸度 厚み 3.2mmの試験片を用い、ASTM−D638に基づいて測定
した。 (d) アイゾット衝撃強度 厚み 3.2mmのノッチ付き試験片を用い、ASTM−D256に基
づいて測定した。 (e) 面衝撃破壊高さ デュポン式落球衝撃試験法に基づき、重さ 300gの鋼球
を落下した時、クラックや割れが発生する高さを求め
た。 (f) セルフタップ性 東芝機械社製の射出成形機(機種:IE-100E)を使用し、
12.7mm厚の角柱成形品を作製した。 なお、成形条件は次の通りである。 成形温度:5段階設定〔出口〜入口、250/260/250/240/
230(℃) 〕、射出一次圧:800MPa、保圧時間:5秒、金
型温度:100 ℃、冷却時間:25秒 次に、この角柱成形品に 4.6mmφの下穴をドリル加工
し、M5第1種タッピンネジを30kg・cmのトルクで締め
込み、23℃、50%RHに24時間放置後の戻しトルクを、
トルクドライバ(東日製作所社製)にて測定した。同様
にして、 4.6mmφのドリル加工した下穴にM5第1種タ
ッピンネジを締め付け空回りするトルク(破壊トルク)
を、トルクドライバ(東日製作所社製)にて測定した。
なお、戻しトルク、戻しトルク/破壊トルクについて
は、その値が大きいものほどセルフタップ性が良好であ
る。 (g) 成形収縮率 住友重機社製の射出成形機(機種:PROMAT 165/75)を使
用し、サイドゲート法により、100 mmφ×3.2mm 厚の円
板を作製した。なお、成形条件は次の通りである。 成形温度:5段階設定〔出口〜入口、250/260/250/240/
230(℃) 〕、射出一次圧:800MPa、保圧時間:5秒、金
型温度:100 ℃、冷却時間:25秒 次に、このようにして作製した円板について、その流れ
方向と直角方向の収縮率を測定した。 (h) 表面外観性 (g) で作製した円板について、その表面外観を目視観察
し、次のように3段階評価した。 ○:表面外観が良好である。 △:表面外観が中くらいである。 ×:表面外観が不良である。 (i) 吸水時の寸法伸び率 (g) で作製した円板を60℃の温水に24時間浸漬した後、
その流れ方向と直角方向の寸法伸び率を測定した。
【0032】実施例1 結晶性ポリアミド樹脂として相対粘度 2.5のナイロン6
(ユニチカ社製、A1030BRL)63重量%、非晶性ポリアミ
ド樹脂として相対粘度 1.4の非晶性ナイロン(ユニチカ
社製、CX-3000)3重量%、平均直径10μmでアスペクト
比 300のガラス繊維(日本電気硝子社製、T249−GH)30
重量%、及び酸変性エラストマ−として無水マレイン酸
変性エチレン/ブテン共重合体(三井石油化学工業社
製、タフマーMA8510)4重量%をブレンダーで混合し、
シリンダー温度を 250℃に設定した内径35mmの2軸押出
機(池貝鉄工社製、PCM −30)で溶融混練した後、スト
ランド状に押し出してペレットとし、真空乾燥した。な
お、CX-3000 は、イソフタル酸/テレフタル酸/ヘキサ
メチレンジアミン/ビス(3-メチル-4- アミノシクロヘ
キシル)メタンの重縮合である。次に、このペレットを
シリンダー温度を 250℃に設定した射出成形機(東芝機
械社製、IS−80)に供給して各種の試験片を作製し、物
性試験に供した。また、物性試験評価の項目(e) に記載
した方法で角柱成形品を作製し、そのセルフタップ性を
評価した。さらに、物性試験評価の項目(f) に記載した
方法で円板を作製し、その成形収縮率、表面外観性及び
吸水時の寸法伸び率を評価した。
【0033】実施例2 材料の配合割合を表1に示すようにしたこと以外は、実
施例1と同様にして各種の試験片、角柱成形品及び円板
を作製し、物性試験に供した。
【0034】実施例3 相対粘度 2.5のナイロン6樹脂の代わりに、相対粘度
2.7のナイロン66樹脂(デュポン社製、ザイテル 101)
を用いたこと以外は、実施例1と同様にして各種の試験
片、角柱成形品及び円板を作製し、物性試験に供した。
【0035】実施例4 材料の配合割合を表1に示すようにしたこと以外は、実
施例3と同様にして各種の試験片、角柱成形品及び円板
を作製し、物性試験に供した。
【0036】比較例1〜4 材料の配合割合を表1に示すようにしたこと以外は、実
施例1と同様にして各種の試験片、角柱成形品及び円板
を作製し、物性試験に供した。
【0037】実施例1〜4及び比較例1〜4における結
果を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、曲げ強度や引張破断強
度等の機械的特性が良好で、面衝撃性やセルフタップ性
に優れ、かつ、成形収縮率が小さく、表面外観性と吸水
時の寸法安定性が改良された成形品を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】電動工具のハウジング部品の一部である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 53:00) Fターム(参考) 4F072 AA02 AB09 AB14 AB15 AD44 AE03 AF26 AH05 AK16 AL16 4J002 BB203 BB213 BP013 BP033 CL011 CL031 CL032 CL052 DL006 FA046 GM00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結晶性ポリアミド樹脂と非晶性ポリアミ
    ド樹脂とからなるポリアミド樹脂28〜78重量%、ガラス
    繊維20〜70重量%及び酸変性エラストマー2〜6重量%
    からなる組成物(ただし、組成物全体を 100重量%とす
    る。)であり、セルフタップ性が下記及びの特性を
    有することを特徴とするポリアミド樹脂組成物。 戻しトルク≧15kg・cm 戻しトルク/破壊トルク≧0.5
  2. 【請求項2】 ポリアミド樹脂が、結晶性ポリアミド樹
    脂/非晶性ポリアミド樹脂= 99/1 〜90/10(重量比) で
    ある請求項1記載のポリアミド樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 ガラス繊維が、平均直径3〜11μmであ
    り、アスペクト比(平均長さ/平均直径)250 〜500 で
    ある請求項1又は2記載のポリアミド樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3記載のポリアミド樹脂組成
    物を用いてなるセルタップ性を有する部品。
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