JP7053210B2 - 人工毛髪用繊維、人工毛髪、頭髪製品 - Google Patents

人工毛髪用繊維、人工毛髪、頭髪製品 Download PDF

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本発明は、頭部に装脱着可能なかつら、ヘアウィッグ、つけ毛等の人工毛髪に用いられる繊維(以下、単に「人工毛髪用繊維」という。)、これを用いた人工毛髪及び頭髪製品に関するものである。
人工毛髪用繊維を構成する素材として、塩化ビニル樹脂がある(特許文献1)。これは、人工毛髪用繊維における塩化ビニル樹脂の加工性、低コスト性等が優れているためである。このような人工毛髪用繊維は、光沢調節等の目的で、捲縮加工によって波形状が付与されることがある(特許文献2)。
塩化ビニル樹脂を素材とした人工毛髪用繊維は、塩化ビニル樹脂のヘアアイロンなどに対する耐熱性が悪く、100℃以上の温度設定が通常であるヘアアイロンなどでカ-ルを行なった場合、繊維の融着、ちぢれなどが生じ、その結果、繊維のいたみ、切れが発生する場合があった。そのため、耐熱性の高いポリエステルをベースとした人工毛髪用繊維が開発されるようになった(特許文献3)。
ポリエステルをベースとした人工毛髪用繊維は、ヘアアイロンを用いて家庭でヘアスタイルを自由に変えることができるという点で優れている。一方、捲縮加工を施した人工毛髪用繊維については、ヘアアイロンを用いてカールを行うと、ヘアアイロンの熱によって繊維の波形状が消失してしまう場合があるという問題がある。従って、ポリエステルをベースとした人工毛髪用繊維では、繊維の波形状を維持しつつ家庭でヘアスタイルを自由に変えることができない。
特許文献4には、形状変形特性及び形状回復特性に優れた、ポリアミドをベースとした人工毛髪用繊維が開示されている。
特開2004-156149号公報 特開2010-47846号公報 特開2008-88584号公報 WO2015/056629
特許文献4のようにポリアミドをベースとした人工毛髪用繊維は、吸湿状態での曲げ剛性が乾燥状態での曲げ剛性よりも小さいために、水で濡らすことによってヘアスタイルを容易に変化させることができ、その後に乾燥させることによって、変化させたヘアスタイルを維持することができるという特徴を有している。このような方法であれば、人工毛髪用繊維に熱を加える必要がないので、繊維の波形状が消失することが抑制されるため、繊維の波形状を維持しつつ家庭でヘアスタイルを自由に変えることが可能になる。
しかし、特許文献4の人工毛髪用繊維は、ヘアアイロンを使用してカールをかけた場合、雰囲気中の湿度によってはカールの保持が悪いといった課題があった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、繊維の波形状を維持しつつ家庭でヘアスタイルを自由に変えることができ、且つヘアアイロンを使用してカールをかけた場合にカールの保持性が優れており、耐熱性にも優れた、人工毛髪用繊維を提供するものである。
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)樹脂組成物で構成された人工毛髪用繊維であって、前記樹脂組成物は、ベース樹脂にポリアミドを含み、前記ポリアミドは、11-アミノウンデカン酸、セバシン酸、及び1,10-デカンジアミンからなる群から選択される少なくとも1種の化合物に由来する第1構造単位を有する第1ポリアミドを含み、前記人工毛髪用繊維は、数式(1)で規定される熱収縮率が0.0~5.0%である、人工毛髪用繊維。
熱収縮率(%)={(熱処理前の長さ)-(155℃×5分熱処理後の長さ)}/(熱処理前の長さ)×100・・・(1)
(2)第1構造単位は、11-アミノウンデカン酸に由来する構造単位を有する、(1)に記載の人工毛髪用繊維。
(3)第1構造単位は、セバシン酸に由来する構造単位を有する、(1)又は(2)に記載の人工毛髪用繊維。
(4)第1構造単位は、1,10-デカンジアミンに由来する構造単位を有する、(1)~(3)の何れか1つに記載の人工毛髪用繊維。
(5)第1ポリアミドは、ナイロン11、ナイロン1010、ナイロン1012、及びナイロン610から選択される少なくとも1種である、(1)~(4)の何れか1つに記載の人工毛髪用繊維。
(6)第1ポリアミドは、炭素数が6以下である、アミノカルボン酸、ジカルボン酸、ジアミン、及びラクタムからなる群から選択される少なくとも1種の化合物に由来する第2構造単位を有する、(1)~(5)の何れか1つに記載の人工毛髪用繊維。
(7)第1ポリアミドは、脂肪族ポリアミドである、(1)~(6)の何れか1つに記載の人工毛髪用繊維。
(8)前記ポリアミドは、第2ポリアミドを含み、第2ポリアミドは、融点が200℃以上であるポリアミドである、(1)~(7)の何れか1つに記載の人工毛髪用繊維。
(9)第2ポリアミドは、脂肪族ポリアミドである、(8)に記載の人工毛髪用繊維。
(10)第2ポリアミドは、ナイロン66である、(8)又は(9)に記載の人工毛髪用繊維。
(11)第1ポリアミドと第2ポリアミドの質量比が10:90~90:10である、(8)~(10)の何れか1つに記載の人工毛髪用繊維。
(12)前記樹脂組成物は、臭素系難燃剤を含む、(1)~(11)の何れか1つに記載の人工毛髪用繊維。
(13)前記臭素系難燃剤の添加量が、前記ベース樹脂100質量部に対して、3~30質量部である、(12)に記載の人工毛髪用繊維。
(14)(1)~(13)に記載の人工毛髪用繊維を含む、人工毛髪。
(15)(14)に記載の人工毛髪を含む、頭髪製品。
本発明の人工毛髪用繊維は、繊維の波形状を維持しつつ家庭でヘアスタイルを自由に変えることができ、且つヘアアイロンを使用してカールをかけた場合のカールの保持性(「アイロンカール保持性」)が優れており、耐熱性にも優れている。
以下、本発明の実施形態について説明する。
1.人工毛髪用繊維
本発明の一実施形態の人工毛髪用繊維は、樹脂組成物で構成されている。以下、各構成について詳細に説明する。
1-1.樹脂組成物
本実施形態の人工毛髪用繊維を構成する樹脂組成物は、ベース樹脂にポリアミドを含み、難燃剤等の添加剤を任意的に含む。
(ベース樹脂)
本実施形態の樹脂組成物のベース樹脂は、ポリアミドを含む。ポリアミドは、吸湿性が高いので、ポリアミドを含むことによって、吸湿によって人工毛髪用繊維の曲げ剛性が低下してスタイリング性が向上する。本実施形態のベース樹脂にはポリアミド以外の樹脂が含まれていてもよいが、ポリアミドが主成分であることが好ましい。ベース樹脂中のポリアミドの割合は、50~100質量%が好ましい。この割合は、60,70,80,90,又は95質量%以上がさらに好ましい。
ポリアミドは、第1ポリアミドを含み、第1ポリアミドは、11-アミノウンデカン酸、セバシン酸、及び1,10-デカンジアミンからなる群から選択される少なくとも1種の化合物に由来する第1構造単位を有する。第1ポリアミドは、11-アミノウンデカン酸、セバシン酸、及び1,10-デカンジアミンからなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含むモノマーの縮合重合によって得ることができる。
以下、11-アミノウンデカン酸に由来する構造単位を「第1A構造単位」、セバシン酸に由来する構造単位を「第1B構造単位」、1,10-デカンジアミンに由来する構造単位を「第1C構造単位」と称する。なお、本件明細書において、「化合物Xに由来する構造単位」とは、化合物Xが縮合重合されたときに得られる構造単位であり、具体的には、化合物Xがラクトンである場合は化合物Xが開環されて得られる構造単位であり、化合物Xがアミノカルボン酸、ジアミン、又はジカルボン酸である場合、化合物Xに含まれるアミノ基から1つの水素原子が除かれ、カルボキシル基からOH基が除かれて得られる構造単位を意味する。
第1A~第1C構造単位は、それぞれ、化学式(1)~(3)で表される。
-NH-(CH10-CO- (1)
-CO-(CH-CO- (2)
-NH-(CH10-NH- (3)
第1構造単位は、隣接するアミド結合間のメチレン基の炭素数が8又は10である。このため、ナイロン6やナイロン66と比較してアミド結合の数が少ない(つまり、数密度が小さい)ため、吸水性が比較的小さい。ナイロン6やナイロン66は吸水性が高すぎるために、アイロンカール保持性が低いので、本実施形態のようにポリアミドが第1構造単位を有する第1ポリアミドを含むことによって人工毛髪用繊維の吸水性を低下させて、アイロンカール保持性を向上させることができる。
第1ポリアミドは、第1構造単位以外の構造単位を含んでもよい。第1構造単位以外の構造単位としては、炭素数が6以下である、アミノカルボン酸、ジカルボン酸、ジアミン、及びラクタムからなる群から選択される少なくとも1種の化合物に由来する第2構造単位が挙げられる。上記炭素数は好ましくは6である。第2構造単位としては、カプロラクタム、ヘキサメチレンジアミン、及びアジピン酸に由来する構造単位が挙げられる。第2構造単位は炭素数が第1構造単位よりも少ないので、その分だけ、耐熱性向上に寄与するアミド結合の数密度が増大する。このため、第1ポリアミドが第2構造単位を含むことによって、第1ポリアミドの耐熱性を向上させることができる。第1ポリアミド中の第1構造単位の割合は、50~100mol%が好ましい。第1ポリアミドは、第1構造単位と第2構造単位のランダム共重合体であっても交互共重合体であってもよい。第1ポリアミドとしては、例えば、11-アミノウンデカン酸と、炭素数が6以下であるアミノカルボン酸又はラクタムをモノマーとするランダム共重合体、セバシン酸と炭素数が6以下であるジアミンをモノマーとする交互共重合体、1,10-デカンジアミンと炭素数が6以下であるジカルボン酸をモノマーとする交互共重合体が挙げられる。
第1ポリアミドは、好ましくは、第1A構造単位を有する。第1ポリアミドが第1A構造単位の繰り返しによって構成される場合(つまり、第1ポリアミドが11-アミノウンデカン酸の単独重合体である場合)、第1ポリアミドは、ナイロン11となる。
第1ポリアミドは、好ましくは、第1B構造単位と第1C構造単位の一方又は両方を有する。第1ポリアミドが第1B構造単位と第1C構造単位を交互に有する場合(つまり、第1ポリアミドがセバシン酸と1,10-デカンジアミンの交互共重合体である場合)、第1ポリアミドは、ナイロン1010となる。
第1ポリアミドは、1,10-デカンジアミン以外のジアミン(「他のジアミン」)に由来する構造単位と、第1B構造単位を交互に有する構造(他のジアミンとセバシン酸の交互共重合体)であってもよい。他のジアミンとしては、例えば、ヘキサメチレンジアミンが挙げられ、この場合、第1ポリアミドは、ナイロン610となる。
第1ポリアミドは、セバシン酸以外の他のジカルボン酸(「他のジカルボン酸」)に由来する構造単位と、第1C構造単位を交互に有する構造(他のジカルボン酸と1,10-デカンジアミンの交互共重合体)であってもよい。他のジカルボン酸としては、例えば、ドデカン二酸が挙げられ、この場合、第1ポリアミドは、ナイロン1012となる。
本実施形態のベース樹脂に含まれるポリアミドとしては、第1ポリアミドのみが含まれていてもよく、第1ポリアミド以外のポリアミド(つまり、第1構造単位を含まないポリアミド)が含まれていてもよい。
第1ポリアミド以外のポリアミドとしては、融点が200℃以上である第2ポリアミドが好ましい。このような第1ポリアミドは、通常、融点が200℃未満であるので、第1ポリアミドと第2ポリアミドをブレンドすることによって、ポリアミド全体の耐熱性を向上させることができる。第2ポリアミドの融点は、好ましくは、210,220,230,240,250,又は260℃である。第2ポリアミドの融点の上限は、特に規定されないが、例えば280℃である。
第2ポリアミドは、例えばナイロン6やナイロン66などの脂肪族ポリアミドであり、高融点であるナイロン66であることが好ましい。
第1ポリアミドと第2ポリアミドの質量比は、好ましくは10~90~90:10であり、さらに好ましくは60:40~90:10である。第2ポリアミドの割合が高い範囲では、第1ポリアミドは、第2ポリアミドの改質剤としても効果を有する。
ポリアミドの重量平均分子量(Mw)は、例えば2万~15万である。Mwが2万以上になると耐ドリップ性が特に良好になる一方、Mwが15万を越えた場合には、材料の溶融粘度が上昇し、繊維化する際の加工性が劣るため、15万以下が好ましい。耐ドリップ性や加工性のバランスを考慮すると、更に好ましくは、Mwが7万~12万である。
(難燃剤)
本発明の人工毛髪用繊維は、難燃剤を含むことが好ましい。難燃剤は、臭素系難燃剤が好ましい。難燃剤の添加量は、ベース樹脂100質量部に対して3~30質量部が好ましく、より好ましくは5~25質量部であり、より好ましくは5~15質量部である。このような場合に、人工毛髪用繊維の外観、スタイリング性、及び難燃性が特に良好になるからである。
臭素系難燃剤としては、例えば臭素化フェノール縮合物、臭素化ポリスチレン樹脂、臭素化ベンジルアクリレート系難燃剤、臭素化エポキシ樹脂、臭素化フェノキシ樹脂、臭素化ポリカーボネート樹脂および臭素含有トリアジン系化合物が挙げられる
(その他の添加剤)
本実施形態で用いられる樹脂組成物には、必要に応じて添加剤、例えば、難燃助剤、微粒子、耐熱剤、光安定剤、蛍光剤、酸化防止剤、静電防止剤、顔料、染料、可塑剤、潤滑剤等を含有させることができる。
1-2.熱収縮率
本実施形態の人工毛髪用繊維は、数式(1)で規定される熱収縮率が0.0~5.0%である。
熱収縮率(%)={(熱処理前の長さ)-(155℃×5分熱処理後の長さ)}/(熱処理前の長さ)×100・・・(1)
従来のポリアミド系人工毛髪用繊維は、155℃といった高温にさらされると収縮する性質を有しているために、繊維が縮れることを防ぐために、捲縮加工は120℃程度の比較的低い温度で行わざるを得なかった。そして、このような低温の捲縮加工は、捲縮加工の保持性が低かったので、捲縮加工によって付与した波形状が消失しやすかった。一方、本実施形態の人工毛髪用繊維は、155℃×5分という熱処理による熱収縮率が小さいので、比較的高温での捲縮加工が可能であり、その場合、人工毛髪用繊維を吸湿させて繰り返しスタイリングを行っても、繊維の波形状が維持されやすい。この熱収縮率は、3%以下がさらに好ましい。
1-3.単繊度
本実施形態の人工毛髪用繊維の単繊度は、20~100デシテックスが好ましく、より好ましくは35~80デシテックスである。単繊度が適度に大きければ、適度な硬さを有し、繊維の波形状の形状保持性が上がり、品質が向上する傾向にある。一方で、単繊度が適度に小さい方が、曲げ剛性が大きくなりすぎず適度な曲げ剛性になるため、柔らかい自然な触感となり編み込み性が良くなる傾向にある。
2.人工毛髪用繊維の製造方法
以下に、人工毛髪用繊維の製造工程の一例を説明する。
本発明の一実施形態の人工毛髪用繊維の製造方法は、溶融紡糸工程と、延伸工程と、熱処理工程を備える。また、必要に応じて捲縮加工工程を行ってもよい。
以下、各工程について詳細に説明する。
2-1.溶融紡糸工程
溶融紡糸工程では、上記の樹脂組成物を溶融紡糸することによって未延伸糸を製造する。具体的には、まず、上述した樹脂組成物を溶融混練する。溶融混練するための装置としては、種々の一般的な混練機を用いることができる。溶融混練としては、たとえば一軸押出機、二軸押出機、ロール、バンバリーミキサー、ニーダーなどがあげられる。これらのうちでは、二軸押出機が、混練度の調整、操作の簡便性の点から好ましい。人工毛髪用繊維は、ポリアミドの種類により適正な温度条件のもと、通常の溶融紡糸法で溶融紡糸することにより製造することができる。
押出機、口金、必要に応じてギヤポンプなどの溶融紡糸装置の温度を例えば200~310℃として溶融紡糸し、冷却用の水を入れた水槽で冷却し、繊度のコントロールを実施しながら、引き取り速度を調整して、未延伸糸が得られる。溶融紡糸装置の温度は、樹脂組成物の組成に応じて、適宜調整することができる。また、水槽による冷却に関らず、冷風での冷却による紡糸も可能である。冷却水槽の温度、冷風の温度、冷却時間、引取速度は、吐出量及び口金の孔数によって適宜調整することができる。
本実施形態における人工毛髪用繊維の単繊度は、20~100デシテックスが好ましく、より好ましくは35~80デシテックスである。この単繊度にするためには、溶融紡糸工程直後の繊維(未延伸糸)の繊度を300デシテックス以下にしておくことが好ましい。未延伸糸の繊度が小さければ、細繊度の人工毛髪用繊維を得る為に延伸倍率を小さくて良く、延伸処理後の人工毛髪用繊維に光沢が発生しにくくなることで、半艶~七部艶状態を維持することが容易になる傾向があるためである。
溶融紡糸に使用するノズルの断面積は特に限定しないが、0.1~2mmであっても良い。また、人工毛髪用としてのカール特性等の品質面を勘案すれば、1個のノズル孔の断面積が0.5mm以下のノズルから溶融・流出せしめることが好ましい。1個のノズル孔の断面積が0.5mmよりも小さければ、細繊度の未延伸糸、または延熱糸とする為の張力が低く抑えられ、残留歪みが減少し、カール保持性などの品質が低下しにくくなるためである。
溶融紡糸の際、ノズル圧力は50MPa以下が好ましい。ノズル圧力が適度に小さければ、押出機のスラスト部にかかる負荷が低くなって、押出機に不具合が生じ難くなる傾向にあり、ターンヘッド、ダイ等の接続部から樹脂漏れが生じにくくなる傾向にあるからである。
溶融紡糸に使用する金型は、円形、繭形、Y形、H形、およびX形からなる群から選ばれる1種以上のノズル形状の紡糸金型を用いても良い。これらの金型は複雑な形状を有しないため、金型通りの繊維を作製しやすい。加えて、これらの金型を用いて作成した繊維は、形状を保持しやすく、また加工することも比較的容易となる。
2-2.延伸工程
延伸工程では、得られた未延伸糸を150~500%延伸して延伸糸を製造する。このような延伸によって、100デシテックス以下の細繊度の延伸糸を得ることができ、かつ繊維の引張強度を向上させることができる。延伸処理は、未延伸糸を一旦ボビンに巻き取ってから溶融紡糸工程とは別の工程にて延伸する2工程法や、ボビンに巻き取ることなく溶融紡糸工程から連続して延伸する直接紡糸延伸法のいずれの方法によってもよい。また、延伸処理は、1度で目的の延伸倍率まで延伸する1段延伸法、又は2回以上の延伸によって目的の延伸倍率まで延伸する多段延伸法で行なわれる。熱延伸処理を行なう場合における加熱手段としては、加熱ローラ、ヒートプレート、スチームジェット装置、温水槽などを使用することができ、これらを適宜併用することもできる。延伸倍率は、200~400%が好ましい。延伸倍率は、適度に大きい方が繊維の強度発現が適度に起こる傾向にあり、適度に小さい方が延伸処理時に糸切れを発生し難くなる傾向にあるためである。
延伸処理の際の温度は、60~120℃が好ましい。延伸処理温度があまりに低いと繊維の強度が低くなると共に糸切れを発生し易くなる傾向にあり、あまりに高いと得られる繊維の触感がプラスチック的な滑り触感になる傾向にあるためである。
2-3.熱処理工程
熱処理工程では、延伸糸に対して155℃以上の熱処理温度で熱処理を行う。この熱処理によって、延伸糸の熱収縮率を低下させることができる。熱処理は、延伸処理の後に連続して行っても、一旦巻き取った後に時間を開けて行うこともできる。熱処理温度を155℃以上としているのは、140℃以上という高い温度で捲縮加工を行った場合の延伸糸の熱収縮を抑制するためである。熱処理温度は、好ましくは160℃以上である。熱処理温度の上限は、特に規定されないが、例えば、180℃である。
2-4.捲縮加工工程
捲縮加工工程では、熱処理後の延伸糸に対して捲縮加工を行う。捲縮加工は、140℃以上であって且つ熱処理温度よりも低い温度で行われる。140℃以上で捲縮加工を行うことによって消失しにくい波形状を人工毛髪用繊維に付与することができる。また、熱処理温度よりも低い温度で捲縮加工を行うことによって、捲縮加工の際の延伸糸の熱収縮を抑制することができる。捲縮加工の温度は、150℃以上が好ましく、155℃以上がさらに好ましい。捲縮加工の温度は、熱処理温度よりも5℃以上低い好ましく、10℃以上低いことがさらに好ましく、15℃以上低いことがさらに好ましい。
捲縮加工としては、ギアークリンプ加工、ウーリー加工法が挙げられ、ギアークリンプ加工が好ましい。ギアークリンプ加工とは、2つの噛み合う高温のギアの間に繊維束を通すことによって捲縮を施す方法である。
3.人工毛髪、頭髪製品
人工毛髪繊維は、単独で頭髪製品(頭飾製品)に用いてもよいが、人毛や他の人工毛髪を混合して用いてもよい。頭髪製品は、ウィッグ(かつら)、ヘアピース、ブレード、エクステンンョンヘアー、人形の頭髪等であり、人工毛髪繊維の用途は特に限定されない。また、頭髪製品以外にも付け髭、付け睫毛、付け眉毛等に用いることもできる。
<実施例・比較例の人工毛髪用繊維の製造>
表1に示す樹脂組成物を構成する各成分をブレンドし、ブレンドした材料は、φ30mm二軸押出機を用いて混練し、紡糸用の樹脂組成物ペレットを得た。
ついで、吸水率が1000ppm以下になる様にペレットを除湿乾燥した後、φ40mm単軸溶融紡糸機を用いて紡糸し、穴径0.5mm/本のダイスから排出した溶融樹脂を、約30℃の水槽を通して冷却しながら、吐出量と巻き取り速度を調整し、設定繊度の未延伸糸を作成した。φ40mm溶融紡糸機の設定温度は、樹脂組成物の組成に応じて、適宜調整した。
得られた未延伸糸を100℃で300%の延伸を行って延伸糸を得て、その後、表1に示す熱処理温度で延伸糸の熱処理を行って、実施例・比較例の人工毛髪用繊維を得た。
Figure 0007053210000001
表1にある素材は、以下のものを採用した。
PA11:アルケマ社製、BMN O TLD
PA610:アルケマ社製、SMVO
PA1010:アルケマ社製、TMNO
PA1012:アルケマ社製、400NN
PA66:デュポン社製、Zytel 42A
PET:三井化学社製、J125S
PVC:大洋塩ビ社製、TH-500
臭素系難燃剤:阪本薬品工業株式会社製、臭素化エポキシ樹脂 SRT-20000
<各種測定・評価>
以下に示す方法で、各種特性・物性の測定及び評価を行った。
(熱収縮率)
熱収縮率は、捲縮加工前の長さ100mmの繊維を155℃のギアオーブン中で5分間熱処理し、熱処理前後の繊維長を測定し、上述した数式(1)に従って算出した。
(アイロンカール保持性)
アイロンカール保持性は、人工毛髪繊維を長さ300mm、重量2.0gに束ねた繊維束サンプルを使用し、26mmφのカールヘアアイロンを用いて、150℃で10秒間加熱し、加熱後カールヘアアイロンから繊維束を取り外し、10秒間室温で放置させた。その後、一方の端を固定して、温度23℃湿度50%の状態で6時間吊るし、6時間後の吊り下げた先端の移動距離で評価した。この移動距離が短いほど、アイロンカール保持性が良好である。
◎:移動距離が10mm未満である。
○:移動距離が10mm以上20mm未満である。
△:移動距離が20mm以上40mm未満である。
×:移動距離が40mm以上である。
(スタイリング性)
スタイリング性は、以下の方法で評価した。長さ200mmの繊維を束ねた繊維束1gを、18mmφのアルミ製筒に巻き付けて両端を固定し、常温の水に10秒浸漬させる。次いで、アルミ筒(繊維を巻き付けたままで)を温度23℃、相対湿度50%の恒温室に6時間放置した。その後、アルミ筒から繊維束を取り外し、一方の端を固定して吊り下げた。その根元から先端までの長さを、カール前の全長(200mm)で割った値で評価した。値が小さいほどカールがかかっている。
◎:0.6未満
〇:0.6以上0.75未満
△:0.75以上0.85未満
×:0.85以上
(耐熱性)
耐熱性は、人工毛髪繊維を長さ300mm、重量2.0gに束ねた繊維束サンプルを使用し、ヘアアイロンで繊維束サンプルの先端を10秒間加熱した時に、先端の縮れを目視により確認することで、評価した。この縮れが生じるヘアアイロンの温度により判定し、次のとおり評価した。
◎:ヘアアイロン180℃の条件で縮れが生じない。
○:ヘアアイロン160℃の条件まで縮れが生じないが、180℃で縮れが生じた。
×:ヘアアイロン160℃の条件で縮れが生じた。
(難燃性)
難燃性は、人工毛髪用繊維を30cmの長さに裁断し、かつ2gになる様な本数に取りわけた繊維束サンプルを使用し、この繊維束の一端を固定して垂直にたらし、その下端に長さ20mmの炎を5秒間接触させた後、離した後の延焼時間を測定して、下記の判定を行った。結果は、3回測定した結果の平均値を使用した。
◎:延焼時間が1秒未満
○:延焼時間が1秒以上5秒未満
△:延焼時間が5秒以上10秒未満
×:延焼時間が10秒以上20秒未満
××:延焼時間が20秒以上
<考察>
全ての実施例では、全ての評価項目において良好な結果が得られた。
比較例1では、比較的低い温度(150℃)で熱処理を行ったために、熱収縮率が大きくなり、耐熱性が悪かった。
比較例2では、ポリアミドが第1構造単位を含まないために、アイロンカール保持性が悪かった。
比較例3では、ベース樹脂がPETであるために、スタイリング性が悪かった。
比較例4では、ベース樹脂がPVCであるために、アイロンカール保持性、スタイリング性、耐熱性が悪かった。

Claims (13)

  1. 樹脂組成物で構成された人工毛髪用繊維であって、
    前記樹脂組成物は、ベース樹脂にポリアミドを含み、
    前記ベース樹脂中の前記ポリアミドの割合は、50~100質量%であり、
    前記ポリアミドは、11-アミノウンデカン酸、セバシン酸、及び1,10-デカンジアミンからなる群から選択される少なくとも1種の化合物に由来する第1構造単位を有する第1ポリアミドを含み、
    前記人工毛髪用繊維は、数式(1)で規定される熱収縮率が0.0~5.0%であり、
    前記ポリアミドは、第2ポリアミドを含み、
    前記第2ポリアミドは、融点が200℃以上であるポリアミドであり、
    前記第1ポリアミドと前記第2ポリアミドの質量比が10:90~90:10である、
    人工毛髪用繊維。
    熱収縮率(%)={(熱処理前の長さ)-(155℃×5分熱処理後の長さ)}/(熱処理前の長さ)×100 ・・・(1)
  2. 第1構造単位は、11-アミノウンデカン酸に由来する構造単位を有する、請求項1に記載の人工毛髪用繊維。
  3. 第1構造単位は、セバシン酸に由来する構造単位を有する、請求項1又は請求項2に記載の人工毛髪用繊維。
  4. 第1構造単位は、1,10-デカンジアミンに由来する構造単位を有する、請求項1~請求項3の何れか1つに記載の人工毛髪用繊維。
  5. 第1ポリアミドは、ナイロン11、ナイロン1010、ナイロン1012、及びナイロン610から選択される少なくとも1種である、請求項1~請求項4の何れか1つに記載の人工毛髪用繊維。
  6. 第1ポリアミドは、炭素数が6以下である、アミノカルボン酸、ジカルボン酸、ジアミン、及びラクタムからなる群から選択される少なくとも1種の化合物に由来する第2構造単位を有する、請求項1~請求項5の何れか1つに記載の人工毛髪用繊維。
  7. 第1ポリアミドは、脂肪族ポリアミドである、請求項1~請求項6の何れか1つに記載の人工毛髪用繊維。
  8. 前記第2ポリアミドは、脂肪族ポリアミドである、請求項1~請求項7の何れか1つに記載の人工毛髪用繊維。
  9. 前記第2ポリアミドは、ナイロン66である、請求項1~請求項8の何れか1つに記載の人工毛髪用繊維。
  10. 前記樹脂組成物は、臭素系難燃剤を含む、請求項1~請求項9の何れか1つに記載の人工毛髪用繊維。
  11. 前記臭素系難燃剤の添加量が、前記ベース樹脂100質量部に対して、3~30質量部である、請求項10に記載の人工毛髪用繊維。
  12. 請求項1~請求項11に記載の人工毛髪用繊維を含む、人工毛髪。
  13. 請求項12に記載の人工毛髪を含む、頭髪製品。
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