JP2019065285A - 防爆性を有する圧力筐体用ポリアミド樹脂組成物およびそれを成形してなる圧力筐体 - Google Patents

防爆性を有する圧力筐体用ポリアミド樹脂組成物およびそれを成形してなる圧力筐体 Download PDF

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Abstract

【課題】難燃性、高剛性、高靭性、良外観に優れた圧力筐体用ポリアミド樹脂組成物および圧力筐体を得る。【解決手段】ポリアミド樹脂(A)100重量部に対し、反応性官能基を有するゴム質重合体(B)5〜20重量部、リン系難燃剤(C)20〜60重量部、無機充填材(D)30〜200重量部を含む、圧力筐体用ポリアミド樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、優れた剛性、靭性を同時に有する圧力筐体用ポリアミド樹脂組成物およびそれを成形してなる外観および防爆性に優れる圧力筐体に関する。
ポリアミド樹脂は、機械特性、耐熱性、耐薬品性などに優れることから、自動車・車両関連部品、資材・建材部品、スポーツ用品、電気・電子部品などに広く利用されている。これらの用途の中には、高温環境や火源と隣接するものもあり、難燃性を付与させる技術を必要とする場合がある。一般的に難燃性を付与させる際に使用する難燃剤を添加するとポリアミド樹脂は機械特性が低下することが知られており、難燃性と機械特性の両立が強く望まれている。加えて、特に電気設備においては防爆機器を使用するよう要求されている。これは、可燃性ガスや蒸気を含む爆発性ガスが、電気火花や高温度の物体などの点火源に触れると、爆発や火災が起きる可能性が高くなる。そのため、このような環境で使用される電気設備においては、高い防爆性が要求されている。たとえば、優れた難燃性、剛性を同時に満足するポリアミド樹脂として、ヘキサメチレンアジパミド単位、ヘキサメチレンイソフタラミド単位、カプロアミド単位からなる3元共重合アミド樹脂に、難燃剤、アンチモン化合物、無機充填剤を配合してなるポリアミド樹脂組成物が提案されている。(例えば、特許文献1参照)。
また、難燃性、機械強度、耐衝撃性、表面外観等に優れる繊維強化熱可塑性樹脂組成物ペレットとして、熱可塑性樹脂に、断面が扁平形状の強化繊維、難燃剤を含有し、樹脂組成物中の強化繊維の重量平均繊維長が1mm以上の繊維強化難燃性熱可塑性樹脂組成物ペレットが提案されている。(例えば、特許文献2参照)。
また、高靭性、高剛性の機械強度と難燃性を同時に有し、製品の小型化に好適な良外観高剛性筐体を得るために、半芳香族共重合ポリアミド樹脂、脂肪族ポリアミド樹脂、無機充填材、酸変性ポリオレフィン樹脂、臭素化ポリスチレン、三酸化アンチモンを配合してなるポリアミド樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開2008−111064号公報 特開2012−214819号公報 特開2010−168559号公報
しかしながら、前記特許文献1ではポリアミド樹脂組成物を成形してなる成形品の外観評価を実施していない。また、耐圧力用筐体を提供するとの課題について記載はあるが、具体的に圧力用筐体に要求される爆発強度試験等は評価されていない。また、前記ポリアミド樹脂組成物は依然として靭性と剛性のバランスが不十分である。
また、特許文献2に記載された繊維強化難燃性熱可塑性樹脂組成物ペレットでは、圧力筐体への展開の記載もなく、これらの用途で特に要求される爆発強度試験等は評価されていない。また扁平率の高い強化繊維を使用することで、難燃剤を含有する場合であっても、繊維とポリアミドの密着性を低下させないことで成形品の反りを低減する効果はあるが、ペレットの製造がしにくく、材料としては靭性と剛性のバランスが依然として不十分である。
また、特許文献3には、ポリアミド樹脂組成物をブレーカー筐体に用いることが記載されているものの爆発強度試験や爆発引火試験については評価されていない。また依然として材料としては靭性と剛性のバランスが不十分である。
これらの従来技術の課題に鑑み、本発明は、靭性および剛性を高度に両立させる圧力筐体用ポリアミド樹脂組成物およびそれを成形してなる、外観および防爆性に優れる圧力筐体を提供することを課題とする。
本発明者らは、かかる課題を解決するために鋭意検討した結果、以下の構成を見出した。すなわち、本発明は以下のとおりである。
(1)ポリアミド樹脂(A)100重量部に対し、反応性官能基を有するゴム質重合体(B)5〜20重量部、リン系難燃剤(C)20〜60重量部、無機充填材(D)30〜200重量部を含む、圧力筐体用ポリアミド樹脂組成物。
(2)ポリアミド樹脂(A)が、半芳香族共重合ポリアミド樹脂および脂肪族ポリアミド樹脂の混合物である(1)記載の圧力筐体用ポリアミド樹脂組成物。
(3)反応性官能基を有するゴム質重合体(B)が酸変性ポリオレフィンである(1)または(2)記載の圧力筐体用ポリアミド樹脂組成物。
(4)リン系難燃剤(C)が、リン系難燃剤(C)100重量%の内、リン元素を16〜28重量%含有する、(1)〜(3)のいずれかに記載の圧力筐体用ポリアミド樹脂組成物。
(5)無機充填材(D)がガラスフィラーである(1)〜(4)のいずれかに記載の圧力筐体用ポリアミド樹脂組成物。
(6)(1)〜(5)のいずれかに記載の圧力筐体用ポリアミド樹脂組成物を成形してなる圧力筐体。
(7)容積が250cm以上である(6)記載の圧力筐体。
本発明のポリアミド樹脂組成物によれば、靭性および剛性を高度に両立させるポリアミド樹脂組成物を成形してなる、外観および防爆性に優れる圧力筐体を提供することができる。かかる圧力筐体は、高圧衝撃や外部エネルギーに対する防爆性能、成形品外観にも優れる。
本発明の実施形態を詳細に説明する。
本発明で用いられるポリアミド樹脂(A)とは、アミノ酸、ラクタムあるいはジアミンとジカルボン酸を主たる構成成分とするポリアミドである。その主要構成成分の代表例と
しては、6−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、パラアミノメチル安息香酸などのアミノ酸、ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタムなどのラクタム、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、1,5−ペンタンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−/2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、メタキシレンジアミン、パラキシレンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクをロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、アミノエチルピペラジンなどの脂肪族、脂環族、芳香族のジアミン、およびアジピン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2−クロロテレフタル酸、2−メチルテレフタル酸、5−メチルイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸などの脂肪族、脂環族、芳香族のジカルボン酸が挙げられ、本発明においては、これらの原料から誘導されるナイロンホモポリマーまたはコポリマーを各々単独または混合物の形で用いることができる。
本発明の実施形態で用いられるポリアミド樹脂(A)は、剛性および靭性のバランス、圧力筐体の外観向上の観点から、半芳香族共重合ポリアミド樹脂(A−1)および脂肪族ポリアミド樹脂(A−2)の混合物であることが好ましい。
半芳香族共重合ポリアミド樹脂(A−1)は、例えば、脂肪族および/または脂環族ジアミンと芳香族ジカルボン酸、芳香族ジアミンと脂肪族および/または脂環族ジカルボン酸、これらの混合物、またはこれらとラクタムもしくはアミノ酸の重合によって得ることができる。より具体的には、例えば、例えば、ポリカプロアミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミドコポリマー(ナイロン6/6T)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6T)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6I)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン6T/6I)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンセバカミドコポリマー(ナイロン6T/610)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリドデカンアミドコポリマー(ナイロン6T/12)、ポリキシレンアジパミド(ナイロンXD6)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリ−2−メチルペンタメチレンテレフタルアミドコポリマー(ナイロン6T/5MT)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミド/ポリカプロアミドコポリマー(ナイロン66/6I/6)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリカプロアミドコポリマー(ナイロン66/6T/6)などが挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。芳香族ジカルボン酸残基としてイソフタル酸残基および/またはテレフタル酸残基を有するものが好ましい。中でも圧力筐体の外観向上の観点から、ナイロン66/6I/6またはポリアミド66/6T/6Iが特に好ましい。
脂肪族ポリアミド樹脂(A−2)は、150℃以上の融点を有する耐熱性や強度に優れたポリアミド樹脂であり、具体的な例としてはポリカプロアミド(PA6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(PA66)、ポリペンタメチレンアジパミド(PA56)、ポリテトラメチレンアジパミド(PA46)、ポリヘキサメチレンセバカミド(PA610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(PA612)、ポリウンデカンアミド(PA11)、ポリドデカンアミド(PA12)、ポリカプロアミド/ポリヘキサメチレンアジパミドコポリマー(PA6/66)およびこれらの混合物などが挙げられる。中でも、剛性および靭性のバランス、圧力筐体の外観向上の観点、そして成形の容易さからポリアミド6またはポリアミド66が好ましい。
本発明の実施形態で用いられるポリアミド樹脂(A)は、半芳香族共重合ポリアミド樹脂(A−1)および脂肪族ポリアミド樹脂(A−2)の混合物であることが好ましいが、その含有量割合に関して制限は無いが、半芳香族共重合ポリアミド(A−1)および脂肪族ポリアミド(A−2)の合計100重量部に対して半芳香族共重合ポリアミド(A−1)/脂肪族ポリアミド(A−2)は20〜55/80〜45重量部が好ましい。半芳香族共重合ポリアミドが20重量部未満では圧力筐体の表面外観改善が見られず、55重量部を越えると機械強度が低下する。言い換えると、半芳香族共重合ポリアミドが20重量部以上では、成形品の表面外観が改善されるため好ましく、55重量部以下では、成形品の機械強度が保たれるため好ましい。
本発明で使用するポリアミド樹脂(A)の重合度は、特に制限はないが、相対粘度として、1.8〜5.0の範囲であると、成形性、靭性に優れた圧力筐体を得ることができるため好ましい。2.0〜3.5がより好ましい。ここでいう相対粘度とは、ポリアミド樹脂濃度0.01g/mlの98%濃硫酸溶液中、25℃で測定した値をいう。
本発明で用いられる反応性官能基を有するゴム質重合体(B)のゴム質重合体とは、ガラス転移温度が室温より低い重合体であって、分子間の一部が共有結合・イオン結合・ファンデルワールス力・絡み合い等により、互いに拘束されている重合体を指す。ゴム質重合体(B)としては、例えば、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン/ブタジエンのランダム共重合体およびブロック共重合体、該ブロック共重合体の水素添加物、アクリロニトリル/ブタジエン共重合体、ブタジエン/イソプレン共重合体などのジエン系ゴム、エチレン/プロピレンのランダム共重合体およびブロック共重合体、エチレン/ブテンのランダム共重合体およびブロック共重合体、エチレン/α−オレフィンの共重合体、エチレン/アクリル酸エステル、エチレン/メタクリル酸エステルなどのエチレン/不飽和カルボン酸エステル共重合体、ブチルアクリレート/ブタジエン共重合体などのアクリル酸エステル/ブタジエン共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体などのエチレンと脂肪酸ビニルとの共重合体、エチレン/プロピレン/エチリデンノルボルネン共重合体、エチレン/プロピレン/ヘキサジエン共重合体などのエチレン/プロピレン/非共役ジエン3元共重合体、ブチレン/イソプレン共重合体、塩素化ポリエチレン、ポリアミドエラストマー、ポリエステルエラストマーなどの熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。
ゴム質重合体としてはポリオレフィン系樹脂が好ましく、中でも、ポリアミド樹脂(A)との相溶性、剛性と靭性のバランスの観点から、エチレンを重合成分とする共重合体が好ましい。
本発明で用いる反応性官能基を有するゴム質重合体(B)中に存在する反応性官能基は、ポリアミド樹脂(A)の官能基と互いに反応するものであれば特に制限されない。反応性官能基としては、例えば、エポキシ基、酸無水物基、アミノ基、カルボキシル基、カルボキシル金属塩、オキサゾリン基、水酸基、イソシアネート基、メルカプト基、スルホン酸基等が挙げられる。これらを2種以上有してもよい。これらの中でも、エポキシ基、酸無水物基、アミノ基、カルボキシル基、カルボキシル金属塩、オキサゾリン基は反応性が高く、しかも分解、架橋などの副反応が少ないため好ましく用いられる。その中でも、ポリアミド樹脂(A)の末端アミノ基との反応性が高いエポキシ基、酸無水物基、カルボキシル基を有することが好ましい。
前記酸無水物基における酸無水物としては、例えば、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水エンディック酸、無水シトラコン酸、1−ブテン−3,4−ジカルボン酸無水物等を挙げることができる。これらを2種以上併用しても差し支えない。これらのうち、無水マレイン酸、無水イタコン酸が好適に用いられる。
酸無水物基をゴム質重合体に導入する方法としては、通常公知の技術が挙げられ、特に制限はないが、例えば、酸無水物とゴム質重合体の原料である単量体とを共重合する方法、酸無水物をゴム質重合体にグラフトさせる方法などを用いることができる。
また、エポキシ基をゴム質重合体に導入する方法としては、通常公知の技術が挙げられ、特に制限はないが、例えば、エポキシ基を有するビニル系単量体をゴム質重合体の原料である単量体と共重合する方法、エポキシ基を有する重合開始剤または連鎖移動剤を用いてゴム質重合体を重合する方法、エポキシ化合物をゴム質重合体にグラフトさせる方法などを用いることができる。エポキシ基を有するビニル系単量体としては、例えば、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、エタクリル酸グリシジル、イタコン酸グリシジルなどのα,β−不飽和酸のグリシジルエステル化合物などを挙げることができる。
また、オキサゾリン基をゴム質重合体に導入する方法としては、通常公知の技術が挙げられ、特に制限はないが、例えば、オキサゾリン基を有するビニル系単量体をゴム質重合体の原料である単量体と共重合する方法などを用いることができる。オキサゾリン基を有するビニル系単量体としては、例えば、2−イソプロペニル−オキサゾリン、2−ビニル−オキサゾリン、2−アクリロイル−オキサゾリン、2−スチリル−オキサゾリンなどを挙げることができる。
アミノ基をゴム質重合体に導入する方法としては、通常公知の技術が挙げられ、特に制限はないが、例えば、アミノ基を有するビニル系単量体をゴム質重合体の原料である単量体と共重合する方法、アミノ基含有化合物をゴム質重合体にグラフトさせる方法などを用いることができる。
カルボキシル基をゴム質重合体に導入する方法としては、通常公知の技術が挙げられ、特に制限はないが、例えば、カルボキシル基を有する不飽和カルボン酸系単量体をゴム質重合体の原料である単量体と共重合する方法などを用いることができる。不飽和カルボン酸としては、例えば、(メタ)アクリル酸などが挙げられる。
また、前記カルボキシル基の少なくとも一部を金属塩としたカルボキシル金属塩も反応性官能基として有効であり、例えば、(メタ)アクリル酸金属塩などが挙げられる。金属塩の金属は、特に限定されないが、ナトリウムなどのアルカリ金属やマグネシウムなどのアルカリ土類金属、亜鉛などが好ましい。反応性官能基としてカルボキシル金属塩を有するゴム質重合体としては、例えば、エチレン/アクリル酸/アクリル酸金属塩、エチレン/メタクリル酸/メタクリル酸金属塩などのエチレン/不飽和カルボン酸/不飽和カルボン酸金属塩共重合体などが挙げられる。共重合体中の不飽和カルボン酸成分と不飽和カルボン酸金属塩成分の重量比は特に制限されないが、好ましくは95/5〜5/95、より好ましくは90/10〜10/90の範囲である。
反応性官能基を有するゴム質重合体(B)における、一分子鎖当りの官能基の数については、特に制限はないが、通常1〜10個が好ましく、架橋等の副反応を少なくするために1〜5個が好ましい。また、官能基を全く有さない分子鎖が含まれていても構わないが、その割合は少ないほど好ましい。
反応性官能基を有するゴム質重合体(B)の中でも酸変性ポリオレフィンが剛性および靭性のバランスの観点から好ましい。特に無水マレイン酸等の酸無水物とポリエチレンを反応させることによって得られる酸変性ポリオレフィンが好ましい。
また、上記反応性官能基を有するゴム質重合体(B)の含有量は、ポリアミド樹脂(A)100重量部に対して5〜20重量部である。5重量部未満では靭性向上効果が少なく、また防爆性にも劣る。20重量部を超えると、剛性の低下が顕著になり、防爆性にも劣る。成形品の外観、流動性と機械特性のバランスから、好ましくは8〜18重量部の範囲であり、より好ましくは10〜15重量部の範囲である。
本発明で用いられるリン系難燃剤(C)は、リン元素を含有する化合物である。難燃剤としては、リン系難燃剤、窒素系難燃剤、水酸化マグネシウムなどのハロゲン原子を含まない非ハロゲン系難燃剤や、臭素系難燃剤などのハロゲン系難燃剤などを挙げることができるが、本発明においては、リン系難燃剤を用いる。リン系難燃剤を2種以上配合してもよい。また、上記リン系難燃剤と、相乗的に難燃性を向上させる難燃助剤を配合してもよい。難燃助剤としては、例えば、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、四酸化アンチモン、十三酸化六アンチモン、結晶性アンチモン酸、アンチモン酸ナトリウム、アンチモン酸リチウム、アンチモン酸バリウム、リン酸アンチモン、硼酸亜鉛、錫酸亜鉛、塩基性モリブデン酸亜鉛、モリブデン酸カルシウム亜鉛、酸化モリブデン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化鉄、膨潤性黒鉛、カーボンブラック等が挙げられる。これらのうち、三酸化アンチモン、五酸化アンチモンがより好ましい。難燃助剤の配合量は、難燃性をより向上させる観点から、ポリアミド樹脂(A)100重量部に対して、5〜30重量部が好ましい。なお、リン系難燃剤と併用してもよい難燃剤としては、臭素系難燃剤などのハロゲン系難燃剤や窒素系難燃剤が挙げられる。
臭素系難燃剤としては、化学構造中に臭素を含有する化合物であれば特に制限はなく、通常公知の難燃剤を使用することができる。例えば、ヘキサブロモベンゼン、ペンタブロモトルエン、ヘキサブロモビフェニル、デカブロモビフェニル、ヘキサブロモシクロデカン、デカブロモジフェニルエーテル、オクタブロモジフェニルエーテル、ヘキサブロモジフェニルエーテル、ビス(ペンタブロモフェノキシ)エタン、エチレンビス(テトラブロモフタルイミド)、テトラブロモビスフェノールAなどのモノマー系有機臭素化合物、臭素化ポリカーボネート(例えば、臭素化ビスフェノールAを原料として製造されたポリカーボネートオリゴマーあるいはそのビスフェノールAとの共重合物)、臭素化エポキシ化合物(例えば、臭素化ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの反応によって製造されるジエポキシ化合物や臭素化フェノール類とエピクロルヒドリンとの反応によって得られるモノエポキシ化合物)、ポリ(臭素化ベンジルアクリレート)、臭素化ポリフェニレンエーテル、臭素化ビスフェノールA、塩化シアヌールおよび臭素化フェノールの縮合物、臭素化ポリスチレン、ポリ(臭素化スチレン)、架橋臭素化ポリスチレンなどの臭素化ポリスチレン、臭素化ポリジブロモフェニレンオキシド、架橋または非架橋臭素化ポリα−メチルスチレンなどのハロゲン化されたポリマー系臭素化合物などが挙げられる。なかでもエチレンビス(テトラブロモフタルイミド)、臭素化エポキシ化合物、臭素化ポリスチレン、架橋臭素化ポリスチレン、臭素化ポリジブロモフェニレンオキシド、臭素化ポリフェニレンエーテルおよび臭素化ポリカーボネートが好ましく、臭素化ポリスチレン、架橋臭素化ポリスチレンおよび臭素化ポリジブロモフェニレンオキシドがより好ましい。
臭素系難燃剤などのハロゲン系難燃剤は、ハロゲンを多量に含むため環境に対する負荷が大きいことが懸念される。加えて臭気が発生するため、非ハロゲン系難燃剤が好ましい。
非ハロゲン系難燃剤としては、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の水酸化物が挙げられる。水酸化マグネシウムは通常市販されているものを使用でき、粒子径、比表面積、形状など特に限定されるものではないが、粒子径が0.1〜20μm、比表面積が3〜75m/gで、球状、針状または小板状のものが好ましい。水酸化マグネシウムは、表面処理が施されていてもいなくてもよい。表面処理方法としては、例えば、シランカップリング剤、アニオン界面活性剤、多官能性有機酸、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂により被覆する方法などが挙げられる。
窒素系難燃剤としては、トリアジン系化合物とシアヌール酸またはイソシアヌール酸の塩を形成する化合物が挙げられる。トリアジン系化合物とシアヌール酸またはイソシアヌール酸の塩とは、トリアジン系化合物とシアヌール酸またはイソシアヌール酸との付加物であり、通常は1対1(モル比)、場合により2対1(モル比)の組成を有する付加物である。トリアジン系化合物のうち、シアヌール酸またはイソシアヌール酸と塩を形成しないものは除外される。好ましいトリアジン系化合物の例としては、メラミン、モノ(ヒドロキシメチル)メラミン、ジ(ヒドロキシメチル)メラミン、トリ(ヒドロキシメチル)メラミン、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン、2−アミド−4,6−ジアミノ−1,3,5−トリアジンなどが挙げられ、とりわけメラミン、ベンゾグアナミン、アセトグアナミンが好ましい。トリアジン系化合物とシアヌール酸またはイソシアヌール酸との塩の具体例としては、メラミンシアヌレート、モノ(β−シアノエチル)イソシアヌレート、ビス(β−シアノエチル)イソシアヌレート、トリス(β−シアノエチル)イソシアヌレートなどが挙げられ、とりわけメラミンシアヌレートが好ましい。
リン系難燃剤としては、赤燐、ポリリン酸アンモニウム、ポリリン酸メラミンなどのポリリン酸系化合物、(ジ)ホスフィン酸金属塩、ホスファゼン化合物、芳香族リン酸エステル、芳香族縮合リン酸エステル、ハロゲン化リン酸エステルなどが挙げられる。
(ジ)ホスフィン酸塩は、例えば、ホスフィン酸と金属炭酸塩、金属水酸化物又は金属酸化物を使用して水性媒体中で製造される。(ジ)ホスフィン酸塩は、本来モノマー性化合物であるが、反応条件に依存し、環境によっては重合度が1〜3のポリマー性ホスフィン酸塩となる場合もある。ホスフィン酸としては、ジメチルホスフィン酸、エチルメチルホスフィン酸、ジエチルホスフィン酸、メチル−n−プロピルホスフィン酸、メタンジ(メチルホスフィン酸)、ベンゼン−1,4−(ジメチルホスフィン酸)、メチルフェニルホスフィン酸及びジフェニルホスフィン酸等が挙げられる。また、上記のホスフィン酸と反応させる金属成分(M)としては、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、アルミニウムイオン及び/又は亜鉛イオンを含む金属炭酸塩、金属水酸化物又は金属酸化物が挙げられる。ホスフィン酸塩としては、ジメチルホスフィン酸カルシウム、ジメチルホスフィン酸マグネシウム、ジメチルホスフィン酸アルミニウム、ジメチルホスフィン酸亜鉛、エチルメチルホスフィン酸カルシウム、エチルメチルホスフィン酸マグネシウム、エチルメチルホスフィン酸アルミニウム、エチルメチルホスフィン酸亜鉛、ジエチルホスフィン酸カルシウム、ジエチルホスフィン酸マグネシウム、ジエチルホスフィン酸アルミニウム、ジエチルホスフィン酸亜鉛、メチル−n−プロピルホスフィン酸カルシウム、メチル―n−プロピルホスフィン酸マグネシウム、メチル−n−プロピルホスフィン酸アルミニウム、メチル−n−プロピルホスフィン酸亜鉛、メチルフェニルホスフィン酸カルシウム、メチルフェニルホスフィン酸マグネシウム、メチルフェニルホスフィン酸アルミニウム、メチルフェニルホスフィン酸亜鉛、ジフェニルホスフィン酸カルシウム、ジフェニルホスフィン酸マグネシウム、ジフェニルホスフィン酸アルミニウム、ジフェニルホスフィン酸亜鉛等が挙げられる。ジホスフィン酸塩としては、メタンジ(メチルホスフィン酸)カルシウム、メタンジ(メチルホスフィン酸)マグネシウム、メタンジ(メチルホスフィン酸)アルミニウム、メタンジ(メチルホスフィン酸)亜鉛、ベンゼン−1,4−ジ(メチルホスフィン酸)カルシウム、ベンゼン−1,4−ジ(メチルホスフィン酸)マグネシウム、ベンゼン−1,4−ジメチルホスフィン酸)アルミニウム、ベンゼン−1,4−ジ(メチルホスフィン酸)亜鉛等が挙げられる。これらの(ジ)ホスフィン酸塩の中でも、特に、難燃性、電気的特性の観点からエチルメチルホスフィン酸アルミニウム、ジエチルホスフィン酸アルミニウム、ジエチルホスフィン酸亜鉛が好ましい。
ホスフィン酸金属塩の具体的な商品としては、例えば、CLARIANT社製「Exolit OP1230」、「Exolit OP1240」、「Exolit OP1312」、「Exolit OP1314」、「Exolit OP1400」が挙げられる。
また、上記リン系難燃剤(C)の含有量は、ポリアミド樹脂(A)100重量部に対して20〜60重量部である。20重量部未満では難燃性効果が十分でなく、60重量部を超えるとコンパウンド時の加工性が悪化する。難燃性と外観、加工性のバランスから、より好ましくは30〜50重量部の範囲である。
本発明において、リン系難燃剤(C)を添加することで、難燃性を付与するのみでなく、ポリアミド樹脂(A)と反応性官能基を有するゴム質重合体(B)との相溶性を向上させる効果がある。
リン系難燃剤(C)としてとりわけ好ましいものとしては、リン系難燃剤(C)100重量%の内、リン元素を16〜28重量%含有するものが好ましい。16重量%以上では難燃性効果が十分に発揮されやすく、ポリアミド樹脂(A)に対する添加量を増やす必要がないため、外観、機械強度の悪化を抑制できる。28重量%以下ではポリアミド樹脂(A)に対する添加量を大幅に増やす必要がないため、リン系難燃剤(C)がポリアミド樹脂(A)中での分散しやすく、難燃性に偏りが出ることを防ぐ。外観と機械強度、難燃性のバランスから、リン系難燃剤(C)100重量%の内、リン元素18〜23重量%の範囲がより好ましい。
難燃剤中のリンの定量方法は特に制限されるものではなく、公知の方法で測定されればよい。例えば、50〜100mgのサンプルを精秤し、容器に入れる。濃硫酸10mlおよび硝酸2mlを加え蓋をした後、窒素ガスが出なくなるまで還流する。還流したサンプルを室温まで冷却した後、メスフラスコに移し、イオン交換水で250mlとする。この溶液5mlと混合溶液(バナジン酸アンモニウム1.25gを250mlのイオン交換水に溶かし、20mlの硝酸を加えた後総量を500mlとした溶液(a)と、モリブデン酸アンモニウム50gを250mlのイオン交換水に溶かし、50mlの硫酸を加えた後総量を500mlとした溶液(b)を1:1で混合した溶液。)10mlを混合し、1mlの硫酸を添加した後、イオン交換水を加え総量を50mlとする。調製した溶液を室温で15分間放置し、UV/VIS分光系にて、436nmの透過率を測定し、キャリブレーションカーブ(リン酸二水素カリウム溶液(1000μgP/ml)で作成)と比較することで定量出来る。
本発明に用いられる無機充填材(C)の形状は繊維状であっても非繊維状であってもよいが、より高い荷重を発現させるために繊維状のものが好ましい。また繊維状無機充填材と非繊維状無機充填材を組み合わせて用いてもよい。
無機充填材としては、例えば、ガラスフィラー、炭素繊維、チタン酸カリウムウィスカ、酸化亜鉛ウィスカ、硼酸アルミニウムウィスカ、アルミナ繊維、炭化珪素繊維、セラミック繊維、アスベスト繊維、石コウ繊維、金属繊維などの繊維状無機充填材、ワラステナイト、ゼオライト、セリサイト、カオリン、マイカ、クレー、パイロフィライト、ベントナイト、アスベスト、タルク、アルミナシリケートなどの金属珪酸塩、アルミナ、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化鉄などの金属酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイトなどの炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウムなどの金属硫酸塩、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウムなどの金属水酸化物、ガラスビーズ、セラミックビーズ、窒化ホウ素および炭化珪素などの非繊維状無機充填材が挙げられ、これらは中空であってもよい。これら無機充填材を2種以上併用することも可能である。また、これら繊維状および/または非繊維状無機充填材は、イソシアネート系化合物、有機シラン系化合物、有機チタネート系化合物、有機ボラン系化合物、エポキシ化合物などのカップリング剤で予備処理されていてもよい。
上記無機充填材の中でも、ガラスフィラー、炭素繊維、ワラステナイト、カオリン、マイカ、クレー、タルク、アルミナ、ガラスビーズが好ましい。
本発明に用いられるガラスフィラーには特に制限はなく、公知のものが使用できる。ガラス繊維は、所定長さにカットしたチョップドストランド、ロービングストランド、ミルドファイバーなどの形状のものがあり、一般的に、平均繊維径5〜15μmのものが好ましく使用される。チョップドストランドを使用する場合、繊維長に特に制限はないが、押出混練作業性の高いストランド長3mmのガラスフィラーが好ましく使用される。ロービングストランドを使用する場合、押出機にロービングストランドを直接投入する公知の技術により複合することができる。これらのガラスフィラーを2種以上併用してもよい。
本発明に用いられる炭素繊維には特に制限がなく、公知の各種炭素繊維、例えば、ポリアクリロニトリル(PAN)、ピッチ、レーヨン、リグニン、炭化水素ガス等を用いて製造される炭素質繊維や黒鉛質繊維、これらの繊維を金属でコートした繊維などが使用できる。中でも、機械的特性向上が可能なPAN系炭素繊維が好ましく使用できる。炭素繊維は通常、所定長さにカットしたチョップドストランド、ロービングストランド、ミルドファイバーなどの形状があり、直径15μm以下、好ましくは5〜10μmである。チョップドストランドを使用する場合、繊維長に特に制限はないが、押出混練作業性の高いストランド長のものを使用することが好ましい。ロービングストランドを使用する場合、押出機にロービングストランドを直接投入する公知の技術により複合することができる。本発明ではチョップドストランドを用いることが好ましく、チョップド炭素繊維の前駆体である炭素繊維ストランドのフィラメント数は、製造コストおよび生産工程における安定性の観点から、1,000〜150,000本が好ましい。
また、上記無機充填材(D)は、ポリアミド樹脂(A)100重量部に対して30〜200重量部である。30重量部未満では、剛性向上効果が少ないことから防爆性が十分でなく、200重量部以上では、押出加工性が悪く、ポリアミド樹脂組成物の取得が困難になる。剛性と押出加工性のバランスから、より好ましくは70〜170重量部の範囲である。
本発明のポリアミド樹脂組成物は、電子顕微鏡観察において、ポリアミド樹脂(A)が連続相、反応性官能基を有するゴム質重合体(B)が分散相を形成し、無機充填材(D)が連続相および/または分散相に分散し、かつ、反応性官能基を有するゴム質重合体の分散相(B)中に、ポリアミド樹脂(A)と反応性官能基を有するゴム質重合体(B)の反応により生成した化合物により形成される粒子径1〜300nmの微粒子を含有し、分散相(B)中における前記微粒子の占める面積が10%以上であるモルホロジーを有することが好ましい。なお、無機充填材(D)が連続相および/または分散相に分散する状態を、無機充填材(D)が分散相を形成するという場合もある。ポリアミド樹脂(A)と反応性官能基を有するゴム質重合体(B)の反応により生成した化合物は、一般には連続相(A)と分散相(B)の界面に存在するが、ポリアミド樹脂(A)と反応性官能基を有するゴム質重合体(B)の反応量が増えて化合物量が多くなると、その化合物は、連続相(A)および/または分散相(B)の中に引き込まれる現象が起こる。引き込まれた化合物は安定に存在しようとしてミセルを形成し、このミセルが電子顕微鏡観察において粒子径1〜300nmの微粒子として観察される。すなわち粒子径1〜300nmの微粒子の占める面積が大きいことは、ポリアミド樹脂(A)と反応性官能基を有するゴム質重合体(B)の反応量が多いことを示唆する。本発明においては、ポリアミド樹脂(A)と反応性官能基を有するゴム質重合体(B)の反応を進行させて、分散相(B)中における粒子径1〜300nmの微粒子の占める面積を10%以上とすることが好ましい。分散相(B)中における微粒子の占める面積が10%以上である場合、爆発強度試験に合格するだけの剛性と靭性が発現できる。より高度に剛性と靭性を両立するため、分散相(B)中における微粒子の占める面積が15%以上とすることがより好ましい。
モルホロジー観察には、公知の技術が適用できる。一般に、熱可塑性樹脂組成物中のモルホロジーは溶融成形後にも維持されるため、本発明においては、ポリアミド樹脂組成物を射出成形してなる成形品を用いてモルホロジーを観察する。すなわち、次の観察方法が挙げられる。まず、ポリアミド樹脂(A)の融点+25℃のシリンダー温度で射出成形したISO試験片の断面方向中心部を1〜2mm角に切削し、四酸化ルテニウムで反応性官能基を有するゴム質重合体(B)を染色する。染色した切削片から、0.1μm以下(約80nm)の超薄切片をウルトラミクロトームにより−196℃で切削し、まずは5千倍に拡大して透過型電子顕微鏡で連続相と分散相を観察する。このとき、ポリアミド樹脂(A)は黒〜灰色に観察され、反応性官能基を有するゴム質重合体(B)は白色に観察される。ポリアミド樹脂(A)と反応性官能基を有するゴム質重合体(B)の反応により生成した化合物は、黒〜灰色に観察される。
次に、3万5千倍に拡大して、分散相(B)内微粒子の粒子径および分散相(B)中における微粒子の占める面積を求める。粒子径と微粒子の占める面積はScion Corporation社製画像解析ソフト「Scion Image」を使用し算出する。粒子径は、得られた画像から無作為に選択した10個の粒子の粒子径の数平均値とする。なお、各粒子の粒子径は、各粒子の最大径と最小径の平均値とする。
粒子径1〜300nmの微粒子の占める面積は、まず、3万5千倍に拡大したときに画面にうつる分散相(B)を無作為に3個選択する。選択した分散相中における粒子径1〜300nmの微粒子(ポリアミド樹脂(A)と反応性官能基を有するゴム質重合体(B)の反応物)の面積の和から分散相(B)の面積を除することにより求める。これを選択した各分散相(B)で行い、3個の平均を粒子径1〜300nmの微粒子の占める面積とする。この時、分散相(B)と連続相(A)にまたがる微粒子は計測に用いず、分散相中に存在する微粒子のみを測定することとする。
また、本発明のポリアミド樹脂には、さらに本発明の目的を損なわない範囲で酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、結晶核剤、耐候剤、滑剤、離型剤、帯電防止剤、可塑剤、および染料・顔料を含む着色剤などの通常の添加剤を1種以上添加することができる。
かかる各種添加剤類としては、例えば、銅系熱安定剤、ヒンダードフェノール系、リン系、イオウ系などの酸化防止剤、熱安定剤、ベンゾトリアゾール系、フェノール系、リン系などの紫外線吸収剤、芳香族カルボン酸の金属塩、ソルビトール系誘導体、芳香族アミド化合物などの有機核剤、タルク、ワラステナイト、ボロンナイトライドなどの無機核剤を含む結晶核剤、レゾルシノール系、サリシレート系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ヒンダードアミン系などの耐候剤、脂肪族アルコール、脂肪族アミド、脂肪族ビスアミド、エチレンビスステアリルアミドや高級脂肪酸エステルなどの離型剤、p−オキシ安息香酸オクチル、N−ブチルベンゼンスルホンアミドなどの可塑剤、ワックスなどの滑剤、アルキルサルフェート型アニオン系、4級アンモニウム塩型カチオン系、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレートのような非イオン系、ベタイン系両性帯電防止剤、アゾ系、アンスラキノン系、ペリレン系などの染料、アゾ系、アンスラキノン系、フタロシアニン系、キナクリドン系、ペリレン系、カーボンブラック類、二酸化チタン、群青などの顔料を含む着色剤などが挙げられる。
かかる酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、結晶核剤、耐候剤、離型剤、可塑剤、滑剤、帯電防止剤、及び染料・顔料を含む着色剤などの各種添加剤類は2種類以上併用することも可能である。その含有量は、特に制限はないが、ポリアミド樹脂(A)100重量部に対し、0.01〜20重量部が一般的である。
本発明のポリアミド樹脂組成物製造方法は特に制限はなく、例えばポリアミド樹脂(A)、反応性官能基を有するゴム質重合体(B)、リン系難燃剤(C)、無機充填材(D)を単軸または2軸の押出機やニーダー等の混練機を用いて220〜330℃の温度で溶融混練する方法等が挙げられる。また、無機充填材(D)は、その直径に対する長手方向の長さの割合が高いほど高い補強効果が発現するため、樹脂成分が溶融した後に無機充填材(D)を配合する製造方法が好ましい。
本発明のポリアミド樹脂組成物は、射出成形、押出成形、ブロー成形、真空成形、中空成形、回転成形など通常の方法で容易に成形することができ、得られた成形品は、難燃性、高剛性、高靭性、良外観に優れ、電気電子用途、自動車用途など各種用途の圧力筐体に好適である。
本発明の圧力筐体成形品は、JIS C 0931法(1993年制定)爆発強度試験において割れが発生しない事が好ましい。試験方法としては、容積250〜350cmの箱型成形品に、大気圧での空気との容積比9.8±0.5%メタンガスを充填し、引火させることで爆発させる方法が挙げられる。割れが発生する場合、圧力筐体としての性能が不十分であり、安全性を確保する事が出来ない。圧力筐体成形品としては、ブレーカー筐体が挙げられるが、家庭用途の筐体容積が250cm未満の比較的小型の製品においては、内部構造が複雑化しており、外観性、剛性、靭性を高度に両立することが難しい。商業用途や工業用途などの筐体容積が250cm以上の中型以上の製品においては、家庭用途に比べて大きな定格電圧を取り扱うため、成形品内部で発生する圧力上昇は激しく、一般的には爆発に耐え切れず割れが発生してしまうが、本発明の樹脂組成物を用いれば、外観性、剛性、靭性に優れ、成形品内部で瞬間的な圧力上昇が発生した場合にも、割れが発生しない。そのため、成形品破損による破片の飛散を抑制できる。圧力筐体の容積は、300cm以上が好ましい。一方、圧力筐体の容積が6000cmを超えるブレーカー筐体では、爆発による内部圧力の上昇が非常に激しく、成形品の形状を維持することは困難であるため、6000cm以下が好ましい。
なお、本発明における圧力筐体とは、ブレーカーカバーやスイッチカバーなどが挙げられる。
以下、実施例を挙げてさらに本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。実施例および比較例に用いた測定方法を以下に示す。
[硫酸相対粘度]
JIS−K6810に従って98%硫酸での相対粘度を測定した。
[射出成形]
引張強度、曲げたわみ、曲げ弾性率、モルホロジー観察用試験片について、以下の条件にて試験片を作成した。各実施例および比較例により得られたペレットは、タバイ社製真空乾燥機(Labostar Vacuum Oven LCV−232)にて80℃で12時間真空乾燥し、日精樹脂工業株式会社製射出成形機(NEX1000)を用いて、シリンダー温度を各ポリアミド樹脂の融点+15℃、金型温度を80℃に設定し、ISO294−1にて規定された条件にて射出成形することにより、ISO試験片(長さ170mm、端部幅20mm、平行部長さ80mm、平行部幅10mm、厚さ4mm)を作製した。
爆発強度試験用サンプルは以下の条件にて作成した。各実施例および比較例により得られたペレットは、タバイ社製真空乾燥機(Labostar Vacuum Oven LCV−232)にて80℃で12時間真空乾燥し、日精樹脂工業株式会社製射出成形機(NEX1000)を用いて、シリンダー温度を各ポリアミド樹脂の融点+15℃、金型温度を80℃に設定し、それぞれ厚み2mmの容積250cm、容積300cm、容積350cmの箱型形状成形品を作製した。
[材料強度]
各実施例および比較例により得られたペレットは、タバイ社製真空乾燥機(Labostar Vacuum Oven LCV−232)にて80℃で12時間真空乾燥し、日精樹脂工業株式会社製射出成形機(NEX1000)を用いて、シリンダー温度を各ポリアミド樹脂の融点+15℃、金型温度を80℃に設定し、その他条件は以下の標準方法に従って試験片の作成、材料強度の測定を行った。
引張強さ:ISO 527−1、−2
曲げたわみ:ISO 178
曲げ弾性率:ISO 178。
[難燃性]
UL94(米国Under Writer Laboratories Incで定められた規格)の方法に従って、厚み0.3mmにて測定した。
[成形品表面外観]
各実施例および比較例により得られたペレットは、タバイ社製真空乾燥機(Labostar Vacuum Oven LCV−232)にて80℃で12時間真空乾燥し、日精樹脂工業株式会社製射出成形機(NEX1000)を用いて、シリンダー温度を各ポリアミド樹脂の融点+15℃、金型温度を80℃に設定し、射出/冷却時間各10秒、スクリュー回転数150rpm、射出速度100mm/sec、射出圧力50MPaの条件で、115×115×2(mm)の鏡面磨き角板(フィルムゲート)を射出成形し、得られた角板の表面で蛍光灯の反射像の鮮明度を肉眼観察し、外観性の指標とした。判断基準は以下の通りである。試験は1回行った。
◎:蛍光灯の反射像がかなり明瞭に観察される。
○:蛍光灯の反射像がやや不明瞭ながらも観察される。
×:蛍光灯の反射像が観察できるが、かなり不明瞭である。
[モルホロジー観察]
射出成形により得られたISO試験片の断面方向中心部を1〜2mm角に切削し、四酸化ルテニウムで反応性官能基を有するゴム質重合体(B)を染色した。染色した切削片から、0.1μm以下(約80nm)の超薄切片をウルトラミクロトームにより−196℃で切削し、まずは5千倍に拡大して透過型電子顕微鏡で連続相と分散相を評価した。このとき、ポリアミド樹脂(A)は黒〜灰色に観察され、反応性官能基を有するゴム質重合体(B)は白色に観察される。3万5千倍に拡大して反応性官能基を有するゴム質重合体の分散相(B)内の粒子径1〜300nmの微粒子の分散相(B)中における面積を求めた。反応性官能基を有するゴム質重合体の分散相(B)中における微粒子の占める面積は、Scion Corporation社製画像解析ソフト「Scion Image」を使用し算出した。粒子径は、得られた画像から無作為に10個の粒子を選択し、各々の粒子の最大径と最小径を測定して平均値を求め、その後、それら10個の平均値の数平均値を算出することにより求めた。粒子径1〜300nmの微粒子の占める面積は、まず、3万5千倍に拡大したときに画面にうつる分散相(B)を無作為に3個選択する。選択した分散相中における粒子径1〜300nmの微粒子(ポリアミド樹脂(A)と反応性官能基を有するゴム質重合体(B)の反応物)の面積の和から分散相(B)の面積を除することにより求める。これを選択した各分散相(B)で行い、3個の平均を粒子径1〜300nmの微粒子の占める面積とした。この時、分散相(B)と連続相(A)にまたがる微粒子は計測に用いず、分散相中に存在する微粒子のみを測定した。分散相(B)中における粒子径1〜300nmの微粒子の占める面積が15%以上のものは◎、10%以上15%未満のものは○、10%未満のものは×とした。
[防爆性]
各実施例・比較例で得られたペレットを用いて作成した箱型成形品でJIS C 0931(1993年制定)にしたがって、爆発強度試験を行った。大気圧での空気との容積比9.8±0.5%メタンガスを充填し、引火させることで爆発させる試験を3個ずつ行い、以下判断基準で防爆性の指標とした。ここでいう割れとは、成形品に欠損が発生する事で、クラックとは、成形品にひびが発生する事をいう。
◎:割れ、クラックが発生しない。
○:割れは発生しないが、クラックが発生するものが1〜3個ある。
△:割れが1〜2個、クラックが0〜3個発生する。
×:3個すべてにおいて割れが発生。
参考例1((A−1)3元共重合ポリアミド)
実施例、ならびに比較例で用いた3元共重合ポリアミド樹脂は以下の方法で重合した。ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸の当モル塩75重量部、ヘキサメチレンジアミンとイソフタル酸の当モル塩20重量部、およびεカプロラクタム5重量部をそれぞれ投入し、投入した全量と同量の純水を加え、重合缶内をNで置換した後、攪拌しながら加熱を開始し、缶内圧力を最大20kg/cmに調整しながら最終到達温度を270℃とし反応させた。水浴中に吐出したポリマーをストランドカッターでペレタイズした。得られたペレットは95℃熱水中で20時間処理し、未反応モノマーや低重合物を抽出除去した。抽出後のペレットは80℃で50時間以上乾燥し、相対粘度2.0の3元共重合ポリアミド樹脂(半芳香族共重合ポリアミド樹脂)を得た。
参考例2((A−2)ポリアミド6樹脂)
実施例、ならびに比較例で用いたポリアミド6樹脂は以下の方法で重合した。ε−カプロラクタム1500g、イオン交換水375gを秤量し、重合缶に仕込み、常圧、窒素フロー下で攪拌しながら最終到達温度260℃とし反応させた。水浴中に吐出したポリマーをストランドカッターでペレタイズした。得られたペレットは95℃熱水中で20時間処理し、未反応モノマーや低重合物を抽出除去した。抽出後のペレットは80℃で50時間以上乾燥し、相対粘度2.4のポリアミド6樹脂を得た。
参考例3((A−3)ポリアミド66樹脂)
実施例、ならびに比較例で用いたポリアミド66樹脂は以下の方法で重合した。ヘキサメチレンジアミン、アジピン酸の等モル塩を秤量し、投入した全量と同量の純水を加え、重合缶内をNで置換した後、攪拌しながら加熱を開始し、缶内圧力を最大20kg/cmに調整しながら最終到達温度を300℃とし反応させた。水浴中に吐出したポリマーをストランドカッターでペレタイズした。得られたペレットは95℃熱水中で20時間処理し、未反応モノマーや低重合物を抽出除去した。抽出後のペレットは80℃で50時間以上乾燥し、相対粘度2.7のポリアミド66樹脂を得た。
その他、本実施例および比較例に用いた反応性官能基を有するゴム質重合体(B)、リン系難燃剤(C)、難燃助剤(C’)、無機充填材(D)は以下の通りである。
(B−1):無水マレイン酸変性ポリオレフィン(三井化学(株)製“タフマー(登録商標)”MH7010:エチレンを含む共重合体)
(B−2):エチレン/アクリル酸メチル/メタクリル酸グリシジル=70/27/3共重合体、(住友化学(株)製“ボンドファースト(登録商標)” BF−7L)
(B−3):無水マレイン酸変性スチレン・ブタジエン共重合物の水素添加物(旭化成ケミカルズ(株)製“タフテック(登録商標)”M1913)
(C−1):有機リン酸塩(CLARIANT製Exolit OP 1312)、リン含有量19%
(C−2):ポリリン酸メラミン(日産化学工業(株)製PHOSMEL−200)、リン含有量10%
(C−3):臭素化ポリスチレン(アルベマール日本(株)製SAYTEX HP−7010G)
(C’−1):錫酸亜鉛((株)デーケーファイン製Flamtard S)
(C’−2):三酸化アンチモン(日本精鉱(株)製PATOX−MK)
(D−1):ガラスフィラー(日本電気硝子(株)製ECS03T−251H)
(D−2):ガラスフィラー(日本電気硝子(株)製ECS03T−249H)
(D−3):カオリン(BASF社製サチントンNo.5)
(D−4):ガラスフィラー(日本電気硝子(株)製ECS03T−211H)
(D−5)ガラスフィラー(日東紡績(株)製CSG3PA−820S)
(D−6):ガラスフィラー(日東紡績(株)製CS3G−225S)。
(実施例1〜15、比較例1〜10)
表1および2に示すポリアミド樹脂(A)、反応性官能基を有するゴム質重合体(B)を、シリンダー温度を最も融点の高いポリアミド樹脂の融点+15℃、スクリュー回転数を300rpmに設定したコペリオン(株)製ZSK57型2軸押出機(L/D=45)のメインフィーダーから2軸押出機に供給し、溶融混練した。このメインフィーダーはスクリューの全長を1.0としたときの上流側より見て0の位置、つまりスクリューセグメントの上流側の端部の位置に接続されていた。続いて、表に示すリン系難燃剤(C)、難燃助剤(C’)、無機充填材(D)を、サイドフィーダーから2軸押出機に供給し、溶融混練した。ダイから吐出されるガットを即座に水浴にて冷却し、ストランドカッターによりペレット化した。
得られたペレットを用いて材料強度と燃焼性、外観、モルホロジーを評価した。評価結果を表1、2に示す。
Figure 2019065285
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実施例1〜15および比較例1〜10より、ポリアミド樹脂(A)、反応性官能基を有するゴム質重合体(B)、リン系難燃剤(C)および無機充填材(D)を特定量有することにより、靭性および剛性を高度に両立させるポリアミド樹脂組成物を得ることができた。そして、かかるポリアミド樹脂組成物を成形してなる、外観および防爆性に優れる圧力筐体を得ることができた。
特に、実施例1と比較例7の対比から、難燃剤としてリン系難燃剤を含有すると剛性、靭性のバランスに優れ、環境にも配慮され、臭気が発生しない圧力筐体を得ることができた。
また、共重合ポリアミド樹脂の混合物を使用した実施例2は、ポリアミド6樹脂またはポリアミド66樹脂単体の実施例1、実施例7と比べて成形品の表面外観が良い。

Claims (7)

  1. ポリアミド樹脂(A)100重量部に対し、反応性官能基を有するゴム質重合体(B)5〜20重量部、リン系難燃剤(C)20〜60重量部、無機充填材(D)30〜200重量部を含む、圧力筐体用ポリアミド樹脂組成物。
  2. ポリアミド樹脂(A)が、半芳香族共重合ポリアミド樹脂および脂肪族ポリアミド樹脂の混合物である請求項1記載の圧力筐体用ポリアミド樹脂組成物。
  3. 反応性官能基を有するゴム質重合体(B)が酸変性ポリオレフィンである請求項1または2記載の圧力筐体用ポリアミド樹脂組成物。
  4. リン系難燃剤(C)が、リン系難燃剤(C)100重量%の内、リン元素を16〜28重量%含有する、請求項1〜3のいずれかに記載の圧力筐体用ポリアミド樹脂組成物。
  5. 無機充填材(D)がガラスフィラーである請求項1〜4のいずれかに記載の圧力筐体用ポリアミド樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の圧力筐体用ポリアミド樹脂組成物を成形してなる圧力筐体。
  7. 容積が250cm以上である請求項6記載の圧力筐体。
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