JP2019065285A - 防爆性を有する圧力筐体用ポリアミド樹脂組成物およびそれを成形してなる圧力筐体 - Google Patents
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Abstract
Description
(1)ポリアミド樹脂(A)100重量部に対し、反応性官能基を有するゴム質重合体(B)5〜20重量部、リン系難燃剤(C)20〜60重量部、無機充填材(D)30〜200重量部を含む、圧力筐体用ポリアミド樹脂組成物。
(2)ポリアミド樹脂(A)が、半芳香族共重合ポリアミド樹脂および脂肪族ポリアミド樹脂の混合物である(1)記載の圧力筐体用ポリアミド樹脂組成物。
(3)反応性官能基を有するゴム質重合体(B)が酸変性ポリオレフィンである(1)または(2)記載の圧力筐体用ポリアミド樹脂組成物。
(4)リン系難燃剤(C)が、リン系難燃剤(C)100重量%の内、リン元素を16〜28重量%含有する、(1)〜(3)のいずれかに記載の圧力筐体用ポリアミド樹脂組成物。
(5)無機充填材(D)がガラスフィラーである(1)〜(4)のいずれかに記載の圧力筐体用ポリアミド樹脂組成物。
(6)(1)〜(5)のいずれかに記載の圧力筐体用ポリアミド樹脂組成物を成形してなる圧力筐体。
(7)容積が250cm3以上である(6)記載の圧力筐体。
しては、6−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、パラアミノメチル安息香酸などのアミノ酸、ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタムなどのラクタム、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、1,5−ペンタンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−/2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、メタキシレンジアミン、パラキシレンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクをロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、アミノエチルピペラジンなどの脂肪族、脂環族、芳香族のジアミン、およびアジピン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2−クロロテレフタル酸、2−メチルテレフタル酸、5−メチルイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸などの脂肪族、脂環族、芳香族のジカルボン酸が挙げられ、本発明においては、これらの原料から誘導されるナイロンホモポリマーまたはコポリマーを各々単独または混合物の形で用いることができる。
JIS−K6810に従って98%硫酸での相対粘度を測定した。
引張強度、曲げたわみ、曲げ弾性率、モルホロジー観察用試験片について、以下の条件にて試験片を作成した。各実施例および比較例により得られたペレットは、タバイ社製真空乾燥機(Labostar Vacuum Oven LCV−232)にて80℃で12時間真空乾燥し、日精樹脂工業株式会社製射出成形機(NEX1000)を用いて、シリンダー温度を各ポリアミド樹脂の融点+15℃、金型温度を80℃に設定し、ISO294−1にて規定された条件にて射出成形することにより、ISO試験片(長さ170mm、端部幅20mm、平行部長さ80mm、平行部幅10mm、厚さ4mm)を作製した。
各実施例および比較例により得られたペレットは、タバイ社製真空乾燥機(Labostar Vacuum Oven LCV−232)にて80℃で12時間真空乾燥し、日精樹脂工業株式会社製射出成形機(NEX1000)を用いて、シリンダー温度を各ポリアミド樹脂の融点+15℃、金型温度を80℃に設定し、その他条件は以下の標準方法に従って試験片の作成、材料強度の測定を行った。
引張強さ:ISO 527−1、−2
曲げたわみ:ISO 178
曲げ弾性率:ISO 178。
UL94(米国Under Writer Laboratories Incで定められた規格)の方法に従って、厚み0.3mmにて測定した。
各実施例および比較例により得られたペレットは、タバイ社製真空乾燥機(Labostar Vacuum Oven LCV−232)にて80℃で12時間真空乾燥し、日精樹脂工業株式会社製射出成形機(NEX1000)を用いて、シリンダー温度を各ポリアミド樹脂の融点+15℃、金型温度を80℃に設定し、射出/冷却時間各10秒、スクリュー回転数150rpm、射出速度100mm/sec、射出圧力50MPaの条件で、115×115×2(mm)の鏡面磨き角板(フィルムゲート)を射出成形し、得られた角板の表面で蛍光灯の反射像の鮮明度を肉眼観察し、外観性の指標とした。判断基準は以下の通りである。試験は1回行った。
◎:蛍光灯の反射像がかなり明瞭に観察される。
○:蛍光灯の反射像がやや不明瞭ながらも観察される。
×:蛍光灯の反射像が観察できるが、かなり不明瞭である。
射出成形により得られたISO試験片の断面方向中心部を1〜2mm角に切削し、四酸化ルテニウムで反応性官能基を有するゴム質重合体(B)を染色した。染色した切削片から、0.1μm以下(約80nm)の超薄切片をウルトラミクロトームにより−196℃で切削し、まずは5千倍に拡大して透過型電子顕微鏡で連続相と分散相を評価した。このとき、ポリアミド樹脂(A)は黒〜灰色に観察され、反応性官能基を有するゴム質重合体(B)は白色に観察される。3万5千倍に拡大して反応性官能基を有するゴム質重合体の分散相(B)内の粒子径1〜300nmの微粒子の分散相(B)中における面積を求めた。反応性官能基を有するゴム質重合体の分散相(B)中における微粒子の占める面積は、Scion Corporation社製画像解析ソフト「Scion Image」を使用し算出した。粒子径は、得られた画像から無作為に10個の粒子を選択し、各々の粒子の最大径と最小径を測定して平均値を求め、その後、それら10個の平均値の数平均値を算出することにより求めた。粒子径1〜300nmの微粒子の占める面積は、まず、3万5千倍に拡大したときに画面にうつる分散相(B)を無作為に3個選択する。選択した分散相中における粒子径1〜300nmの微粒子(ポリアミド樹脂(A)と反応性官能基を有するゴム質重合体(B)の反応物)の面積の和から分散相(B)の面積を除することにより求める。これを選択した各分散相(B)で行い、3個の平均を粒子径1〜300nmの微粒子の占める面積とした。この時、分散相(B)と連続相(A)にまたがる微粒子は計測に用いず、分散相中に存在する微粒子のみを測定した。分散相(B)中における粒子径1〜300nmの微粒子の占める面積が15%以上のものは◎、10%以上15%未満のものは○、10%未満のものは×とした。
各実施例・比較例で得られたペレットを用いて作成した箱型成形品でJIS C 0931(1993年制定)にしたがって、爆発強度試験を行った。大気圧での空気との容積比9.8±0.5%メタンガスを充填し、引火させることで爆発させる試験を3個ずつ行い、以下判断基準で防爆性の指標とした。ここでいう割れとは、成形品に欠損が発生する事で、クラックとは、成形品にひびが発生する事をいう。
◎:割れ、クラックが発生しない。
○:割れは発生しないが、クラックが発生するものが1〜3個ある。
△:割れが1〜2個、クラックが0〜3個発生する。
×:3個すべてにおいて割れが発生。
実施例、ならびに比較例で用いた3元共重合ポリアミド樹脂は以下の方法で重合した。ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸の当モル塩75重量部、ヘキサメチレンジアミンとイソフタル酸の当モル塩20重量部、およびεカプロラクタム5重量部をそれぞれ投入し、投入した全量と同量の純水を加え、重合缶内をN2で置換した後、攪拌しながら加熱を開始し、缶内圧力を最大20kg/cm2に調整しながら最終到達温度を270℃とし反応させた。水浴中に吐出したポリマーをストランドカッターでペレタイズした。得られたペレットは95℃熱水中で20時間処理し、未反応モノマーや低重合物を抽出除去した。抽出後のペレットは80℃で50時間以上乾燥し、相対粘度2.0の3元共重合ポリアミド樹脂(半芳香族共重合ポリアミド樹脂)を得た。
実施例、ならびに比較例で用いたポリアミド6樹脂は以下の方法で重合した。ε−カプロラクタム1500g、イオン交換水375gを秤量し、重合缶に仕込み、常圧、窒素フロー下で攪拌しながら最終到達温度260℃とし反応させた。水浴中に吐出したポリマーをストランドカッターでペレタイズした。得られたペレットは95℃熱水中で20時間処理し、未反応モノマーや低重合物を抽出除去した。抽出後のペレットは80℃で50時間以上乾燥し、相対粘度2.4のポリアミド6樹脂を得た。
実施例、ならびに比較例で用いたポリアミド66樹脂は以下の方法で重合した。ヘキサメチレンジアミン、アジピン酸の等モル塩を秤量し、投入した全量と同量の純水を加え、重合缶内をN2で置換した後、攪拌しながら加熱を開始し、缶内圧力を最大20kg/cm2に調整しながら最終到達温度を300℃とし反応させた。水浴中に吐出したポリマーをストランドカッターでペレタイズした。得られたペレットは95℃熱水中で20時間処理し、未反応モノマーや低重合物を抽出除去した。抽出後のペレットは80℃で50時間以上乾燥し、相対粘度2.7のポリアミド66樹脂を得た。
(B−1):無水マレイン酸変性ポリオレフィン(三井化学(株)製“タフマー(登録商標)”MH7010:エチレンを含む共重合体)
(B−2):エチレン/アクリル酸メチル/メタクリル酸グリシジル=70/27/3共重合体、(住友化学(株)製“ボンドファースト(登録商標)” BF−7L)
(B−3):無水マレイン酸変性スチレン・ブタジエン共重合物の水素添加物(旭化成ケミカルズ(株)製“タフテック(登録商標)”M1913)
(C−1):有機リン酸塩(CLARIANT製Exolit OP 1312)、リン含有量19%
(C−2):ポリリン酸メラミン(日産化学工業(株)製PHOSMEL−200)、リン含有量10%
(C−3):臭素化ポリスチレン(アルベマール日本(株)製SAYTEX HP−7010G)
(C’−1):錫酸亜鉛((株)デーケーファイン製Flamtard S)
(C’−2):三酸化アンチモン(日本精鉱(株)製PATOX−MK)
(D−1):ガラスフィラー(日本電気硝子(株)製ECS03T−251H)
(D−2):ガラスフィラー(日本電気硝子(株)製ECS03T−249H)
(D−3):カオリン(BASF社製サチントンNo.5)
(D−4):ガラスフィラー(日本電気硝子(株)製ECS03T−211H)
(D−5)ガラスフィラー(日東紡績(株)製CSG3PA−820S)
(D−6):ガラスフィラー(日東紡績(株)製CS3G−225S)。
表1および2に示すポリアミド樹脂(A)、反応性官能基を有するゴム質重合体(B)を、シリンダー温度を最も融点の高いポリアミド樹脂の融点+15℃、スクリュー回転数を300rpmに設定したコペリオン(株)製ZSK57型2軸押出機(L/D=45)のメインフィーダーから2軸押出機に供給し、溶融混練した。このメインフィーダーはスクリューの全長を1.0としたときの上流側より見て0の位置、つまりスクリューセグメントの上流側の端部の位置に接続されていた。続いて、表に示すリン系難燃剤(C)、難燃助剤(C’)、無機充填材(D)を、サイドフィーダーから2軸押出機に供給し、溶融混練した。ダイから吐出されるガットを即座に水浴にて冷却し、ストランドカッターによりペレット化した。
Claims (7)
- ポリアミド樹脂(A)100重量部に対し、反応性官能基を有するゴム質重合体(B)5〜20重量部、リン系難燃剤(C)20〜60重量部、無機充填材(D)30〜200重量部を含む、圧力筐体用ポリアミド樹脂組成物。
- ポリアミド樹脂(A)が、半芳香族共重合ポリアミド樹脂および脂肪族ポリアミド樹脂の混合物である請求項1記載の圧力筐体用ポリアミド樹脂組成物。
- 反応性官能基を有するゴム質重合体(B)が酸変性ポリオレフィンである請求項1または2記載の圧力筐体用ポリアミド樹脂組成物。
- リン系難燃剤(C)が、リン系難燃剤(C)100重量%の内、リン元素を16〜28重量%含有する、請求項1〜3のいずれかに記載の圧力筐体用ポリアミド樹脂組成物。
- 無機充填材(D)がガラスフィラーである請求項1〜4のいずれかに記載の圧力筐体用ポリアミド樹脂組成物。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の圧力筐体用ポリアミド樹脂組成物を成形してなる圧力筐体。
- 容積が250cm3以上である請求項6記載の圧力筐体。
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