JP2008111064A - ポリアミド樹脂組成物及び成形品 - Google Patents

ポリアミド樹脂組成物及び成形品 Download PDF

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敬子 上野
Makoto Kobayashi
誠 小林
Naoya Iwamura
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Abstract

【課題】特定共重合比率のPA66/PA6I/PA6の3元共重合ポリアミド樹脂を含むポリアミド樹脂、難燃剤、アンチモン化合物、無機充填剤を配合することにより、優れた難燃性、剛性、耐衝撃性を同時に満足できるポリアミド樹脂組成物ポリアミド樹脂組成物を提供する。
【解決手段】(a−1)ヘキサメチレンアジパミド単位65〜90重量%、(a−2)ヘキサメチレンイソフタラミド単位5〜30重量%および(a−3)カプロアミド単位1〜14重量%の合計100重量%からなり、(a−2)/(a−3)の共重合重量比1以上を同時に満たす(A−1)3元共重合ポリアミド樹脂を含むポリアミド樹脂(A)100重量部に対して、(B)難燃剤20〜250重量部(C)アンチモン化合物8〜180重量部(D)無機充填剤15〜300重量部配合してなることを特徴とするポリアミド樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、優れた難燃性、剛性、耐衝撃性、成形性を同時に有するポリアミド樹脂組成物、ならびに耐圧力用筐体成形品に関する。
従来、ポリアミド樹脂は、引張、曲げなどの強度、弾性率などの機械的性質に優れ、しかも耐熱性、耐薬品性、難燃性が良好であることから、電気電子部品、自動車用部品、建材部品、機械部品等に広く利用されている。近年、各界において成形性改良や軽量化、環境問題等の観点から金属や熱硬化性樹脂からの熱可塑性樹脂化が進んでおり、難燃性と高い剛性を両立する熱可塑性樹脂が要求されている。
ポリアミド樹脂を難燃化させるために、臭素系難燃剤とアンチモン化合物を使用する技術が一般的に知られているが、汎用的に広く用いられるポリアミド6樹脂やポリアミド66樹脂では、難燃性は満足できるものの、溶融粘度が高すぎるため、無機充填剤を安定して配合することができず、かつ溶融混練時に発生する高いせん断発熱により材料が発泡、劣化し、難燃性と高剛性を両立するための実用的な技術ではなかった。
このような要求に対して、例えば特許文献1では、3元共重合ポリアミド樹脂に無機充填剤を高充填する技術が提案されているが、熱硬化性に匹敵する高剛性を実現する一方、難燃性が不足する欠点があった。特許文献2、3では、ヘキレメチレンテレフタラミド単位を有する半芳香族ポリアミドへ難燃剤及び無機充填剤を高充填する技術が提案されているが、いずれもポリアミド樹脂の融点が高く、熱安定性の観点から使用可能な難燃剤が制限されるという欠点があった。
特開2006−193727号公報(請求項2) 特開2003−176408号公報(請求項1) 特開平4−96970号公報(請求項1)
本発明は優れた難燃性、剛性、耐衝撃性を同時に満足できるポリアミド樹脂組成物、および耐圧力用筐体を提供することを目的とする。
そこで本発明者らは上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定共重合比率のヘキサメチレンアジパミド単位(以下PA66)、ヘキサメチレンイソフタラミド単位(以下PA6I)、カプロアミド単位(以下PA6)からなる3元共重合ポリアミド樹脂を含むポリアミド樹脂に難燃剤、アンチモン化合物、無機充填剤を配合した結果、前記目的を達成し得ることを見いだし本発明に到達した。
すなわち、本発明は
(1)(a−1)ヘキサメチレンアジパミド単位65〜90重量%、(a−2)ヘキサメチレンイソフタラミド単位5〜30重量%および(a−3)カプロアミド単位1〜14重量%の合計100重量%からなり、(a−2)/(a−3)の共重合重量比1以上を同時に満たす(A−1)3元共重合ポリアミド樹脂を含むポリアミド樹脂(A)100重量部に対して、(B)難燃剤20〜250重量部(C)アンチモン化合物8〜90重量部(D)無機充填剤15〜300重量部配合してなることを特徴とするポリアミド樹脂組成物、
(2)ポリアミド樹脂(A)が、前記(A−1)3元共重合ポリアミド樹脂20〜80重量%と(A−2)脂肪族ポリアミド樹脂80〜20重量%を配合してなるポリアミド樹脂(A)である(1)記載のポリアミド樹脂組成物、
(3)(A−2)脂肪族ポリアミド樹脂が、ポリアミド6、ポリアミド66、およびポリアミド610から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする(2)記載のポリアミド樹脂組成物、
(4)(B)難燃剤が臭素系難燃剤であることを特徴とする(1)から(3)のいずれか記載のポリアミド樹脂組成物、
(5)(D)無機充填剤がガラス繊維、炭素繊維、およびワラステナイトから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする(1)から(4)のいずれか記載のポリアミド樹脂組成物、
(6)(1)から(5)のいずれか記載のポリアミド樹脂組成物を射出成形、押出成形、およびブロー成形から選ばれるいずれかの方法で成形してなる成形品、および
(7)(6)記載の成形品が耐圧力用筐体であることを特徴とする成形品、
により構成される。
本発明の樹脂組成物は、特定共重合比率の3元共重合ポリアミド樹脂に難燃剤、アンチモン化合物、無機充填剤を配合することで非常に優れた剛性と難燃性を同時に実現するポリアミド樹脂組成物であり、本発明の樹脂組成物を用いた成形品は高い剛性、耐衝撃性を有することから、ブレーカー、スイッチ、プラグ、リレー、ターミナル等の電気電子部品および自動車用部品、建材関係部品など、耐圧用筐体部品に特に優れるものである。
以下、本発明の実施形態を説明する。本発明において「重量」とは「質量」を意味する。
本発明における(A)ポリアミド樹脂は、3元共重合ポリアミド樹脂を必須成分として含有する。本発明で使用する(A−1)3元共重合ポリアミド樹脂は、ヘキサメチレンアジパミド単位(PA66)とヘキサメチレンイソフタラミド単位(PA6I)とカプロアミド単位(PA6)とからなる3元共重合体であり、ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸の当モル塩、ヘキサメチレンジアミンとイソフタル酸の当モル塩、およびεカプロラクタムを重合缶内で加熱、重合したものであり、その共重合比率は、配合原料の比率である。
本発明における(A−1)3元共重合ポリアミド樹脂は、各繰返し構造単位の共重合割合が、(PA66)65〜90重量%、(PA6I)9〜44重量%、(PA6)2〜12重量%、及び、(PA6I)/(PA6)の共重合比1以上を同時に満たすことを特徴とする。これらの共重合重量比は共重合体を製造する際の原料の割合を調整することにより、達成される。(PA66)単位の共重合比率が65重量%未満では固化が遅すぎであり成形性が損なわれ、90重量%以上では耐衝撃性が損なわれる。また、(PA6)単位が2重量%未満では耐衝撃性が損なわれ、10重量%を超える場合や(PA6I)/(PA6)の共重合比が1未満の場合は引張強度が損なわれる。PA6単位が2重量%未満、および10重量%を超える場合や(PA6I)/(PA6)の共重合比が1未満の場合では到達結晶化度が低いためである。また、PA6成分を持たないPA66とPA6Iの2元共重合ポリアミドでは融点が高すぎるため、溶融混練時に難燃剤を分解させることから、一般的にポリアミドに用いられる難燃剤は配合することができない。
本発明で用いる(A)ポリアミド樹脂は、前記(A−1)3元共重合ポリアミド樹脂の他に、他のポリアミド樹脂を含んでいても良い。
他のポリアミド樹脂としては、(A−2)脂肪族ポリアミド樹脂が好ましく、(A−2)脂肪族ポリアミド樹脂とは、ベンゼン環を有しないポリアミドであり、好ましい脂肪族ポリアミド樹脂としては、ポリアミド6樹脂、ポリアミド66樹脂、ポリアミド610樹脂が挙げられる。ポリアミド6樹脂とは、ε−カプロラクタムを構成成分とするポリアミド、ポリアミド66樹脂とは、ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸の重縮合により得られるポリアミド、ポリアミド610樹脂とは、ヘキサメチレンジアミンとセバシン酸の重縮合により得られるポリアミドである。
更に他のポリアミド樹脂を成形加工性、相溶性などの必要特性に応じて混合物として用いることも実用上好適である。他のポリアミド樹脂の具体的な例としては、ポリペンタメチレンアジパミド(ポリアミド56)、ポリテトラメチレンアジパミド(ポリアミド46)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ポリアミド612)、ポリウンデカンアミド(ポリアミド11)、ポリドデカンアミド(ポリアミド12)、ポリカプロアミド/ポリヘキサメチレンアジパミドコポリマー(ポリアミド6/66)、およびこれらの混合物などが挙げられる。
本発明において(A−1)3元共重合ポリアミド樹脂、および(A−2)脂肪族ポリアミド樹脂の重合度には特に制限がないが、25℃で測定した相対粘度(98%硫酸法)としては、1.5〜4.5の範囲のものが好ましく、より好ましくは1.6〜4.0、特に好ましくは1.8〜3.5の範囲である。1.5以下では靭性が低下し、4.5以上では成形加工性が劣る。
本発明のポリアミド樹脂組成物は、(A−1)3元共重合ポリアミド樹脂および(A−2)脂肪族ポリアミド樹脂の合計100重量部中、(A−1)3元共重合ポリアミド樹脂は20〜80重量部であることが成形性の観点から好ましい。より好ましくは25〜75重量部の範囲である。(A−2)脂肪族ポリアミド樹脂は80〜20重量部であることが成形性の観点から好ましい。より好ましくは75〜25重量部の範囲である。
本発明では(A)ポリアミド樹脂100重量部に対して、(B)難燃剤を20〜250重量部含有する必要がある。20重量部未満では難燃性が不足であり、250重量部以上では耐衝撃性を損なう。難燃性と耐衝撃性のバランスから、好ましくは23〜150重量部の範囲である。その難燃剤の種類には特に制限はないが、臭素系難燃剤が、耐熱性、耐衝撃性の観点から特に好ましい。臭素系難燃剤の具体的な例としては、臭素化ポリスチレン、ポリ臭素化スチレン、臭素化ポリフェニレンエーテル、臭素化エポキシ、臭素化架橋芳香族重合体、臭素化ビスフェノール型エポキシ系重合体、臭素化スチレン無水マレイン酸重合体、ペンタブロモベンジルアクリレート、が挙げられる。ナイロンとの相溶性に優れるという観点から、臭素化ポリスチレン、ポリ臭素化スチレン、臭素化ポリフェニレンエーテルが好ましい。市販される臭素化ポリスチレンの例としては、アルベマール日本社製サイテックスHP7010G、サイテックスHP3010、パイロチェック68PB、マナック社製プラセフティ−1200などが挙げられる。市販されるポリ臭素化スチレンの例としては、グレートレイクスケミカル日本(株)製PDBS−80、PBS−64HWなどが挙げられる。市販される臭素化ポリフェニレンエーテルの例としては、第一工業製薬社製ピロガードSR460B、グレートレイクスケミカル社製PO−64Pなどが挙げられる。その他、リン系難燃剤の具体的例としては、ポリリン酸メラミン、ポリリン酸メラム、ポリリン酸メレム、ポリリン酸アンモニウム、リン酸エステル、縮合型リン酸エステル、芳香族リン酸エステル、ハロゲン化リン酸エステルなど、水酸化金属類系の具体例としては、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛などが挙げられる。
本発明では(A)ポリアミド樹脂100重量部に対して、(C)アンチモン化合物を8〜90重量部含有する必要がある。8重量部未満では難燃性が不足であり、90重量部以上では耐衝撃性を損なう。難燃性と耐衝撃性のバランスから、好ましくは10〜55重量部の範囲である。(C)アンチモン化合物は、臭素系難燃剤との相乗効果により、ポリアミド樹脂組成物や電子部品の難燃性を高めるもので、アンチモン化合物の例としては、三酸化アンチモン、二酸化アンチモン、五酸化アンチモン、アンチモン酸ナトリウムが挙げられる。本発明の目的を損なわない範囲で、ホウ酸亜鉛などを単独または併用してもよい。これらの(C)アンチモン化合物は(B)難燃剤の臭素原子2〜5に対しアンチモン原子1の割合にあるときが適当である。臭素系難燃剤との相乗効果を示すものとして、硼酸亜鉛類が上げられ、本目的を損なわない範囲で単独、もしくは併用することも実用上好ましいが、難燃性、溶融混練の安定性の観点から、アンチモン化合物が好ましく、その中でも三酸化アンチモン、五酸化アンチモンがより好ましい。
本発明では(A)ポリアミド樹脂100重量部に対して、(D)無機充填剤を15〜300重量部含有する必要がある。15重量部未満では機械特性の向上が見られず、300重量部を超えると流動性が損なわれるばかりか機械物性の改良も認められない。成形時の流動性と機械特性のバランスから20〜280重量部の範囲がより好ましい。
本発明に用いる(D)無機充填剤としては、特に限定されるものではないが、繊維状、ウィスカー状等の無機充填剤を用いることが、強化剤としての特性上好ましい。具体的には、無機充填剤としてガラス繊維、PAN系やピッチ系の炭素繊維、ステンレス繊維、アルミニウム繊維や黄銅繊維などの金属繊維、芳香族ポリアミド繊維などの有機繊維、石膏繊維、セラミック繊維、アスベスト繊維、ジルコニア繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、酸化チタン繊維、炭化ケイ素繊維、ロックウール、チタン酸カリウムウィスカー、窒化ケイ素ウィスカー、ワラステナイトなどの繊維状、ウィスカー状および、ガラスビーズ、ガラスバルーン、タルク、硫酸バリウムなどの球状充填材が挙げられる。上記充填材中、ガラス繊維、ワラステナイトおよび導電性が必要な場合にはPAN系の炭素繊維が好ましく使用される。ガラス繊維の種類は、一般に樹脂の強化用に用いるものなら特に限定はなく、例えば長繊維タイプや短繊維タイプのチョップドストランド、ミルドファイバーなどから選択して用いることができる。また、上記の充填材は2種以上を併用して使用することもできる。なお、本発明に使用する上記の充填材はその表面をシラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤などのカップリング剤その他の表面処理剤および膨潤性の層状珪酸塩では有機化オニウムイオンで予備処理することは、より優れた機械的強度を得る意味において好ましい。
また、ガラス繊維はエチレン/酢酸ビニル共重合体などの熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂で被膜あるいは集束されていてもよい。
また、本発明のポリアミド樹脂には、さらに本発明の目的を損なわない範囲で銅系熱安定剤、ヒンダードフェノール系、リン系、イオウ系などの酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、離型剤、帯電防止剤、および染料・顔料を含む着色剤などの通常の添加剤を1種以上添加することができる。
本発明のポリアミド樹脂組成物製造方法は特に制限はなく、例えば共重合ポリアミド樹脂、難燃剤、アンチモン化合物、無機充填剤を単軸または2軸の押出機やニーダー等の混練機を用いて220〜330℃の温度で溶融混練する方法等が挙げられる。
本発明のポリアミド樹脂組成物は、射出成形、押出成形など通常の方法で容易に成形することができ、得られた成形品は、剛性、耐衝撃性、難燃性、成形性に優れ、電気電子部品、自動車部品、建材部品などの耐圧力用筐体に好適である。
本発明のポリアミド組成物は、射出成形、押出成形、ブロー成形のいずれかの方法によって、電気電子部品、自動車部品、建材部品などに成形できる。
本発明のポリアミド樹脂組成物をこれらの部品とすることによって、従来では達成することのできなかった、非常に高い剛性と難燃性を両立できる部品が得られるため、これらの用途に特に好適である。
以下、実施例を挙げてさらに本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。実施例および比較例に用いた測定方法を以下に示す。
(1)材料強度
以下の標準方法に従って測定した。
引張強さ:ISO 527−1、−2
曲げ弾性率:ISO 178
シャルピー衝撃強さ:ISO 179
(2)難燃性
UL94(米国Under Writer Laboratories Incで定められた規格)の方法に従って、 厚み0.75mmにて測定した。
(3)硫酸相対粘度
JIS−K6810に従って98%硫酸での相対粘度を測定した。
(4)ゲートシール時間
射出成形機(東芝機械社製:IS80)を用いて1mmφピンゲート成形品を射出時間を変化させて成形し、成形品の重量変化が無くなる射出時間からゲートシール時間を確認した。ゲートシール時間が短いほど固化が早く、成形性に優れることを示す。
参考例1 共重合ポリアミドの製造
実施例、ならびに比較例で用いた共重合ポリアミド樹脂は以下の方法で重合した。ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸の当モル塩、ヘキサメチレンジアミンとイソフタル酸の当モル塩、およびεカプロラクタムをそれぞれ表に記載の重量比で投入し、投入した全量と同量の純水を加え、重合缶内をNで置換した後、攪拌しながら加熱を開始し、缶内圧力を最大20kg/cmに調整しながら最終到達温度を270℃とし反応させた。水浴中に吐出したポリマーをストランドカッターでペレタイズした。得られたペレットは95℃熱水中で20時間処理し、未反応モノマーや低重合物を抽出除去した。抽出後のペレットは80℃で50時間以上乾燥し、相対粘度2.0の3元共重合ポリアミド樹脂を得た。なお、相対粘度は、上記に示すとおり、JIS―K6810に従い測定した。
参考例2 ポリアミド6樹脂の製造
実施例、ならびに比較例で用いたポリアミド6樹脂は以下の方法で重合した。ε−カプロラクタム(東レ(株)製)1500g、イオン交換水375gを秤量し、重合缶に仕込み、常圧、窒素フロー下で攪拌しながら最終到達温度260℃とし反応させた。水浴中に吐出したポリマーをストランドカッターでペレタイズした。得られたペレットは95℃熱水中で20時間処理し、未反応モノマーや低重合物を抽出除去した。抽出後のペレットは80℃で50時間以上乾燥し、相対粘度2.4のポリアミド66樹脂を得た。なお、相対粘度は、上記に示すとおり、JIS―K6810に従い測定した。
参考例3 ポリアミド66樹脂の製造
実施例、ならびに比較例で用いたポリアミド66樹脂は以下の方法で重合した。ヘキサメチレンジアミン、アジピン酸の等モル塩を秤量し、投入した全量と同量の純水を加え、重合缶内をNで置換した後、攪拌しながら加熱を開始し、缶内圧力を最大20kg/cmに調整しながら最終到達温度を300℃とし反応させた。水浴中に吐出したポリマーをストランドカッターでペレタイズした。得られたペレットは95℃熱水中で20時間処理し、未反応モノマーや低重合物を抽出除去した。抽出後のペレットは80℃で50時間以上乾燥し、相対粘度2.7のポリアミド66樹脂を得た。なお、相対粘度は、上記に示すとおり、JIS―K6810に従い測定した。
参考例4 ポリアミド610樹脂の製造
実施例、ならびに比較例で用いたポリアミド610樹脂は以下の方法で重合した。ヘキサメチレンジアミンとセバシン酸の当モル塩を投入し、投入した全量と同量の純水を加え、重合缶内をNで置換した後、攪拌しながら加熱を開始し、缶内圧力を最大20kg/cmに調整しながら最終到達温度を280℃とし反応させた。水浴中に吐出したポリマーをストランドカッターでペレタイズした。得られたペレットは95℃熱水中で20時間処理し、未反応モノマーや低重合物を抽出除去した。抽出後のペレットは80℃で50時間以上乾燥し、相対粘度2.4のポリアミド610樹脂を得た。なお、相対粘度は、上記に示すとおり、JIS―K6810に従い測定した。
参考例5 成形品の作成
実施例、ならびに比較例で使用した引張強さ、曲げ弾性率の試験用成形品は次の方法で作成した。ISO1874−2に従い、日精樹脂工業(株)製の射出成形機PS60により、シリンダ温度280℃、金型表面温度80℃、スクリュー回転数150rpm、平行部流速200mm/秒、射出/冷却=20/20秒の条件でISO Type−A規格の試験片を成形した。
また、難燃性評価用の試験片は、同じく日精樹脂工業(株)製の射出成形機PS60により、シリンダ温度280℃、金型表面温度80℃、スクリュー回転数150rpm、射出/冷却=6/10秒の条件で、127mm×12.7mm×0.75mmのUL94用燃焼試験片を成形した。
[実施例1]
参考例1に示した重合方法で製造されたヘキサメチレンアジパミド単位(PA66)、ヘキサメチレンイソフタラミド単位(PA6I)、カプロアミド単位(PA6)から成り、重量比がそれぞれ81、15、4重量%である(A−1)3元共重合ポリアミド樹脂:100重量部、(B)臭素化ポリスチレン[アルべマール日本社製サイテックスHP7010G]:42重量部、(C)三酸化アンチモン[日本精鉱(株)製PATOX−MK]:17重量部、ガラス繊維[日本板硝子(株)製:商品名T−289]:159重量部を2軸押出機(東芝機械社製:TEM58)を用いてシリンダ設定温度270℃、スクリュ回転数200rpmの条件下で(A−1)、(B)、(C)をトップフィード(基込めフィード)、(D)をサイドフィードし、溶融混錬した後、ストランド状のガットを成形し、冷却バスで冷却後、カッターで造粒しペレットを得た。得られたペレットを参考例5に示した方法により成形し、前記の測定方法によって諸特性を調べた。その結果を表に示す。
[実施例2、3]
(A−1)3元共重合ポリアミド樹脂が、表に示す共重合重量比である以外は実施例1と同様にしてペレット、成形品を得て諸特性を調べた。その結果を表に示す。
[実施例4〜7]
(A−1)、(B)、(C)、(D)が表1に示す重量部である以外は実施例2と同様にしてペレット、成形品を得て諸特性を調べた。その結果を表に示す。
[実施例8]
参考例1に示した重合方法で製造されたヘキサメチレンアジパミド単位(PA66)、ヘキサメチレンイソフタラミド単位(PA6I)、カプロアミド単位(PA6)から成り、重量比がそれぞれ76、16、8重量%である(A−1)3元共重合ポリアミド樹脂:30重量部、参考例3に示した重合方法で製造された(A−2)ポリアミド66樹脂:70重量部、(B)臭素化ポリスチレン[アルべマール日本社製サイテックスHP7010G]:42重量部、(C)三酸化アンチモン[日本精鉱(株)製PATOX−MK]:17重量部、ガラス繊維[日本板硝子(株)製:商品名T−289]:159重量部を2軸押出機(東芝機械社製:TEM58)を用いてシリンダ設定温度270℃、スクリュ回転数200rpmの条件下で(A−1)、(A−2)、(B)、(C)をトップフィード(基込めフィード)、(D)をサイドフィードし、溶融混錬した後、ストランド状のガットを成形し、冷却バスで冷却後、カッターで造粒しペレットを得た。得られたペレットを参考例5に示した方法により成形し、前記の測定方法によって諸特性を調べた。その結果を表に示す。
[実施例9〜12]
(A−1)、(A−2)、(B)、(C)、(D)が表1に示す重量部である以外は実施例8と同様にしてペレット、成形品を得て諸特性を調べた。その結果を表に示す。
[実施例13]
(A−2)脂肪族ポリアミド樹脂が、参考例4に示した重合方法で製造されたポリアミド6樹脂である以外は実施例10と同様にしてペレット、成形品を得て諸特性を調べた。その結果を表に示す。
[実施例14]
(A−2)脂肪族ポリアミド樹脂が、参考例5に示した重合方法で製造されたポリアミド610樹脂である以外は実施例10と同様にしてペレット、成形品を得て諸特性を調べた。その結果を表に示す。
[実施例15]
難燃剤(B)が臭素化ポリフェニレンエーテル[第一エフアール社製:SR−460B]である以外は実施例2と同様にしてペレット、成形品を得て諸特性を調べた。その結果を表に示す。
[実施例16]
(B)難燃剤がポリ臭素化スチレン[グレートレイクスケミカル日本(株):PDBS−80]である以外は実施例2と同様にしてペレット、成形品を得て諸特性を調べた。その結果を表に示す。
[実施例17]
無機充填剤(D)が炭素繊維[東レ(株)製:商品名TS12]である以外は実施例2と同様にしてペレット、成形品を得て諸特性を調べた。その結果を表に示す。
[実施例18]
無機充填剤(D)がワラステナイト[キンセイマテックス(株)製:商品名FPW400S]である以外は実施例2と同様にしてペレット、成形品を得て諸特性を調べた。その結果を表に示す。
[比較例1〜3]
(A−1)3元共重合ポリアミド樹脂が、表2に示す共重合重量比である以外は実施例1と同様にしてペレット、成形品を得て諸特性を調べた。その結果を表に示す。
[比較例4〜7]
(A−1)、(B)、(C)、(D)が表1に示す重量部である以外は実施例2と同様にしてペレット、成形品を得て諸特性を調べた。その結果を表に示す。
Figure 2008111064
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Figure 2008111064
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実施例1〜18および比較例1〜7より、特定共重合比率のPA66/PA6I/PA6の3元共重合ポリアミド樹脂、難燃剤、アンチモン化合物、無機充填剤を配合することにより、優れた難燃性、剛性、耐衝撃性を同時に満足できるポリアミド樹脂組成物を得られることが確認された。さらに脂肪族ポリアミド樹脂を配合して得られるポリアミド樹脂組成物は、更に加えて優れた成形性を有することが確認された。また、優れた難燃性と高剛性を両立することから、ブレーカー、スイッチ、プラグ、リレー、ターミナル等の電気電子部品および自動車用部品、建材関係部品など、耐圧用筐体部品に特に優れることが確認された。

Claims (7)

  1. (a−1)ヘキサメチレンアジパミド単位65〜90重量%、(a−2)ヘキサメチレンイソフタラミド単位5〜30重量%および(a−3)カプロアミド単位1〜14重量%の合計100重量%からなり、(a−2)/(a−3)の共重合重量比1以上を同時に満たす(A−1)3元共重合ポリアミド樹脂を含むポリアミド樹脂(A)100重量部に対して、(B)難燃剤20〜250重量部(C)アンチモン化合物8〜90重量部(D)無機充填剤15〜300重量部配合してなることを特徴とするポリアミド樹脂組成物。
  2. ポリアミド樹脂(A)が、前記(A−1)3元共重合ポリアミド樹脂20〜80重量%と(A−2)脂肪族ポリアミド樹脂80〜20重量%を配合してなるポリアミド樹脂(A)である請求項1記載のポリアミド樹脂組成物。
  3. (A−2)脂肪族ポリアミド樹脂が、ポリアミド6、ポリアミド66、およびポリアミド610から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項2記載のポリアミド樹脂組成物。
  4. (B)難燃剤が臭素系難燃剤であることを特徴とする請求項1から3のいずれか記載のポリアミド樹脂組成物。
  5. (D)無機充填剤がガラス繊維、炭素繊維、およびワラステナイトから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1から4のいずれか記載のポリアミド樹脂組成物。
  6. 請求項1から5のいずれか記載のポリアミド樹脂組成物を射出成形、押出成形、およびブロー成形から選ばれるいずれかの方法で成形してなる成形品。
  7. 請求項6記載の成形品が耐圧力用筐体であることを特徴とする成形品。
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