JP5803100B2 - ポリアミド樹脂組成物およびそれからなる成形品 - Google Patents

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本発明は、成形性に優れ、グローワイヤー特性、靭性、難燃性、電気特性に優れるポリアミド樹脂組成物およびそれからなる成形品に関する。
従来、ポリアミド樹脂は、機械特性、耐熱性、難燃性、電気特性や成形加工性等に優れている事から電気分野において広く用いられており、特にコネクター用途には不可欠な樹脂である。しかし、近年では製品の小型化に伴い、コネクターも小型化、薄肉化が進んでおり、樹脂に求められる難燃性の要求が厳しくなり、高度な難燃化技術が求められるようになっている。なかでも、グローワイヤー着火温度については、IEC60335−1規格(「家庭用及び類似用途の電気機器安全性」)の改訂により、要求温度が725℃から775℃に変更され、また、用いられる製品厚みを超えず最も製品厚みに近い厚みで試験する事が規定された。また、電気特性の指標としてIEC60112に規定されている耐トラッキング指数がよく用いられ、600V以上が要求されている。この改訂により、従来用いられている難燃性ポリアミド樹脂では不十分であることが明確となった。
これらの課題を解決する為に、特許文献1ではトリアジン系難燃剤を多量に添加する事により、グローワイヤー着火温度775℃を達成し、耐トラッキング指数も600Vを達成したと報告されているが、トリアジン系化合物の多量添加により機械特性に劣っており、特にコネクター用途には必須とされる靭性が著しく失われる課題がある。また、特許文献2にはオレフィン樹脂を用いて靭性を付与する技術を紹介しているが、重要な難燃性がV−2であり、著しく難燃性に欠如している課題がある。さらに、特許文献3では、ホスフィン酸塩、ホウ酸亜鉛等を配合する事により、優れたグローワイヤー特性を達成したと報告しているが、靭性などの機械特性の点で不十分であった。
特開2008−239896号公報 特開2009−275121号公報 特表2008−512525号公報
本発明は、成形性に優れ、グローワイヤー特性、靭性、難燃性、電気特性に優れる難燃性ポリアミド樹脂組成物およびこれからなる成形品を提供する。
そこで本発明者らは上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の共重合ポリアミド樹脂に、トリアジン化合物を配合することによって、前記目的を達成し得ることを見いだし本発明に至った。
すなわち本発明は、以下のとおりである。
(1)(A1)(a1)カプロアミド単位50重量%以上98重量%未満および(a2)ヘキサメチレンアジパミド単位2重量%以上50重量%未満の共重合ポリアミドならびに(A2)(a1)カプロアミド単位2重量%以上50重量%未満および(a2)ヘキサメチレンアジパミド単位50重量%以上98重量%未満の共重合ポリアミドを含む(A)ポリアミド樹脂100重量部に対して、(B)トリアジン系化合物を10〜30重量部配合してなり、前記(A1)と(A2)の重量比((A1)/(A2))が15/85以上であることを特徴とするポリアミド樹脂組成物
(2)前記(A1)と(A2)の重量比が、(A1)/(A2)=15/85〜85/15である()記載のポリアミド樹脂組成物。
)(A)ポリアミド樹脂が、さらに(A3)ポリヘキサメチレンアジパミド樹脂を含むことを特徴とする(1)または(2)記載のポリアミド樹脂組成物。
)前記(A1)と(A3)の重量比が、(A1)/(A3)=10/90〜90/10である()記載のポリアミド樹脂組成物。
)トリアジン系化合物がメラミンシアヌレートであることを特徴とする(1)〜()のいずれか記載のポリアミド樹脂組成物。
)トリアジン系化合物の平均粒子径が15μm以下であることを特徴とする(1)〜()のいずれか記載のポリアミド樹脂組成物。
)(A)ポリアミド樹脂100重量部に対して、(C)ジアミン化合物と脂肪酸化合物との重縮合物を0.1〜1.0重量部配合してなることを特徴とする(1)〜()のいずれか記載のポリアミド樹脂組成物。
)(1)〜()いずれか記載のポリアミド樹脂組成物を、射出成形、押出成形、ブロー成形から選ばれる少なくとも1種の方法で成形してなる成形品。
)成形品が、筐体、外装部品またはコネクターであることを特徴とする()記載の成形品。
10)IEC60695−2−13に準拠した試験において、グローワイヤー着火温度が、製品厚み0.75mm、1.5mm、3mmのすべてにおいて775℃以上である()または()記載の成形品。
本発明によれば、特定の共重合ポリアミド樹脂にトリアジン系化合物を配合する事により、溶融時の粘度低下効果を引き起こし成形性に優れるだけでなく、高い難燃性、優れたグローワイヤー性、優れた耐トラッキング性を有するポリアミド樹脂組成物を提供できる。さらに、結晶化度、結晶化速度を抑制する効果により、優れた金型転写性を有する事から製品外観に優れ、更には特に靭性に優れるポリアミド樹脂組成物を提供できる。
以下、本発明の実施形態を説明する。本発明において「重量」とは「質量」を意味する。
本発明で用いられる(A)ポリアミド樹脂とは、(A1)(a1)カプロアミド単位50重量%以上98重量%未満および(a2)ヘキサメチレンアジパミド単位2重量%以上50重量%未満の共重合ポリアミドを含むことが重要である。(a1)カプロアミド単位と(a2)ヘキサメチレンアジパミド単位の共重合比率は(a1)/(a2)=70/30〜99/1(重量比)が好ましく、さらに好ましくは(a1)/(a2)=90/10〜97/3(重量比)である。(a1)カプロアミド単位を多く含むポリアミドを使用することにより、後に述べる(B)トリアジン系化合物を多量に配合した場合でも靭性低下が抑えられ、且つ外観が損なわれない。
さらに本発明では(A1)に(A2)(a1)カプロアミド単位2重量%以上50重量%未満および(a2)ヘキサメチレンアジパミド単位50重量%以上98重量%以下の共重合ポリアミドを配合することが好ましい。(A2)を配合することにより、溶融粘度を低下させる事ができる。また、吸水時にも靱性を損なうことなく難燃剤の高配合が可能となり、成形品の外観も良好となる。(a1)カプロアミド単位と(a2)ヘキサメチレンアジパミド単位の共重合比率は(a1)/(a2)=30/70〜1/99(重量比)が好ましく、さらに好ましくは(a1)/(a2)=10/90〜1/99(重量比)である。
(A1)と(A2)を併用する場合の配合比率に特に制限は無いが、(A1)/(A2)=15/85〜85/15が好ましく、さらに好ましくは(A1)/(A2)=20/80〜80/20である。
また本発明では(A1)に(A3)ヘキサメチレンアジパミド樹脂を配合することが好ましい。(A3)を配合する事により、グローワイヤー性を損なうことなく、結晶化特性が改善される事により離型性をはじめとする成形性が大幅に向上する。(A1)と(A3)を併用する場合の配合比率(重量比)に特に制限は無いが(A1)/(A3)=10/90〜90/10が好ましく、さらに好ましくは(A1)/(A3)=15/85〜85/15である。
好ましい(A)共重合ポリアミド樹脂としては、(A1)(a1)カプロアミド単位50重量%以上98重量%以下および(a2)ヘキサメチレンアジパミド単位2重量%以上50重量%未満の共重合ポリアミド樹脂、(A2)(a1)カプロアミド単位2重量%以上50重量%未満および(a2)ヘキサメチレンアジパミド単位50重量%以上98重量%以下の共重合ポリアミド樹脂を含む樹脂が挙げられる。また、(A1)(a1)カプロアミド単位50重量%以上98重量%以下および(a2)ヘキサメチレンアジパミド単位2重量%以上50重量%未満の共重合ポリアミド樹脂、(A3)ポリヘキサメチレンアジパミド樹脂を含むものも好ましい。(A3)ポリヘキサメチレンアジパミド樹脂を含む事により、結晶化特性が改善され成形性が大幅に改善するだけでなく、耐熱性が大幅に向上する。成形加工性、相溶性などの必要特性に応じて、更に他のポリアミド樹脂を加えて混合物として用いることも実用上好適である。
他のポリアミド樹脂の具体的な例は、アミノ酸、ラクタムあるいはジアミンとジカルボン酸を主たる構成成分とするポリアミドである。その主要構成成分の代表例としては、6−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、パラアミノメチル安息香酸などのアミノ酸、ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタムなどのラクタム、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、1,5−ペンタンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−/2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、メタキシレンジアミン、パラキシレンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、アミノエチルピペラジンなどの脂肪族、脂環族、芳香族のジアミン、およびアジピン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2−クロロテレフタル酸、2−メチルテレフタル酸、5−メチルイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸などの脂肪族、脂環族、芳香族のジカルボン酸が挙げられ、本発明においては、これらの原料から誘導されるナイロンホモポリマーまたはコポリマーを各々単独または混合物の形で用いることができる。
本発明において、他のポリアミド樹脂としては、150℃以上の融点を有する耐熱性や強度に優れたポリアミド樹脂が好ましい。具体的な例としては、ポリカプロアミド(ナイロン6)、ポリペンタメチレンアジパミド(ナイロン56)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン46)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン612)、ポリウンデカンアミド(ナイロン11)、ポリドデカンアミド(ナイロン12)、ポリカプロアミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミドコポリマー(ナイロン6/6T)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6I)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン6T/6I)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリドデカンアミドコポリマー(ナイロン6T/12)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6T/6I)、ポリキシリレンアジパミド(ナイロンXD6)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリ−2−メチルペンタメチレンテレフタルアミドコポリマー(ナイロン6T/M5T)、ポリノナメチレンテレフタルアミド(ナイロン9T)およびこれらの混合物などが挙げられる。
本発明で用いるポリアミド樹脂の分子量は特に制限はないが、98%濃硫酸中に1g/dlの濃度で溶解した溶液の相対粘度が25℃で1.8〜5.0の範囲であることが好ましい。得られる樹脂組成物の流動性の観点からより好ましくは1.8〜4.0の範囲である。
本発明では(A)ポリアミド樹脂100重量部に対して、(B)トリアジン系化合物を10〜30重量部含有することが必要である。トリアジン系化合物を配合することで高いグローワイヤー性、難燃性が得られる。
本発明に用いる(B)トリアジン系化合物とは、トリアジン骨格を有する、窒素元素を含有する化合物であり、熱可塑性樹脂に配合して難燃性を付与することが可能な難燃剤として知られている化合物である。具体的な例としては、メラミン、メレム、メラム、メロン、およびこれらとシアヌール酸の塩、シアヌール酸、およびこれらの混合物が挙げられる。塩の代表例としては、メラミンシアヌレートが挙げられる。本発明で使用する(B)トリアジン系化合物としては、耐熱性、ポリアミド樹脂との混合性の良さから、メラミンシアヌレートがとりわけ好ましい。(B)トリアジン系化合物の平均粒子径は、15μm以下が好ましく、更に好ましくは10μm以下、とりわけ好ましくは5μm以下である。平均粒子径が15μm以下であれば、吸水時の靭性がより向上する。なお、平均粒子径はJIS K 5600−9−3(2006年)に準じて測定をした値から算出した数平均粒子径である。
本発明では(A)ポリアミド樹脂100重量部に対して、(C)ジアミン化合物と脂肪酸化合物との重縮合物を0.1〜1.0重量部配合することが実用上好ましい。ジアミン化合物と脂肪酸化合物との重縮合物を配合することで離型性が大幅に改善され、より薄型、複雑形状の成形品を容易に得ることができる。成形品の外観と機械特性、グローワイヤー性のバランスから、より好ましくは0.3〜0.9重量部の範囲である。ジアミン化合物としては、例えば、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、1,5−ペンタンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−/2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、メタキシレンジアミン、パラキシレンジアミンなどが挙げられ、エチレンジアミンが好ましい。脂肪酸化合物としては、例えば、セバシン酸、ステアリン酸、アジピン酸、スペリン酸、アゼライン酸などが挙げられ、セバシン酸、ステアリン酸が好ましい。
本発明のポリアミド樹脂組成物には、さらに本発明の目的を損なわない範囲で他のポリマー、銅系熱安定剤、ヒンダードフェノール系、リン系、イオウ系などの酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、他の離型剤、帯電防止剤、および染料・顔料を含む着色剤などの通常の添加剤を1種以上添加することができる。
本発明のポリアミド樹脂組成物からは、優れたグローワイヤー性を有する成形品が得られる。具体的にはIEC60695−2−13に準拠した試験において、グローワイヤー着火温度が、製品厚み0.75mm、1.5mm、3mmにおいて775℃以上であることが好ましく、より好ましくは800℃以上であり、さらに好ましくは825℃以上である。グローワイヤー着火温度とは、GW−IT(Glow Wire Ignition Temperature)と呼ばれ、所望の温度に昇温したワイヤーを規定厚みを有した樹脂成形品に押し当て、着火しない若しくは着火後5秒以内に消火する温度のことである。
本発明のポリアミド樹脂組成物の製造方法は特に制限はなく、例えば単軸または2軸の押出機やニーダー等の混練機を用いて220〜330℃の温度で溶融混練する方法等が挙げられる。また、(B)トリアジン系化合物などの難燃剤は、その分散性が良好なほど高い難燃効果が発現するため、樹脂成分と同時に配合する製造方法が好ましい。
本発明のポリアミド樹脂組成物は、射出成形、押出成形、ブロー成形など通常の方法で容易に成形することができ、得られた成形品は、成形性に優れ、グローワイヤー特性、靭性、難燃性、電気特性に優れ、電気電子部品、自動車部品等に好適である。また、電気電子部品に求められる特性である、グローワイヤー特性、靭性、難燃性、電気特性に特に優れることから、コネクター部品に好適である。
本発明のポリアミド樹脂組成物を成形してなる成形品をこれらの部品とすることによって、従来では達成することのできなかった、優れた成形性、外観と、高い難燃性、優れたグローワイヤー性、優れた耐トラッキング性を有する部品が得られるためこれらの用途に好適である。
本発明のポリアミド樹脂組成物を用いた成形品は、液晶テレビ、プラズマディスプレー、PDA、小型テレビ、ラジオ、ノートパソコン、パソコン、プリンター、スキャナー、パソコン周辺機器、ビデオデッキ、DVDデッキ、CDデッキ、MDデッキ、DATデッキ、アンプ、カセットデッキ、ポータブルCDプレーヤー、ポータブルMDプレーヤー、デジタルカメラ、家庭用電話、オフィス用電話、玩具、医療機器、炊飯器部品、電子レンジ部品、音響部品、照明部品、冷蔵庫部品、エアコン部品、ファクシミリ部品、コピー機部品に用いられるコネクターに特に好適である
以下、実施例を挙げてさらに本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。実施例および比較例に用いた測定方法を以下に示す。
(1)靱性
ISO1874−2に従い、実施例および比較例で得られたペレットを、日精樹脂工業(株)製の射出成形機PS60により、シリンダ温度300℃、金型表面温度100℃、スクリュー回転数150rpm、平行部流速200mm/秒、射出/冷却=20/20秒の条件で射出成形し、ISO Type−A規格の試験片を成形し、得られた試験片をアルミの防湿袋に真空密閉した。この試験片を用いて、以下の標準方法に従って測定した。
引張り破断ひずみ:ISO 527−1、−2
なお、3%吸水時の物性は、試験片を60℃温水中に浸漬し、試験片の重量変化により吸水率を求め、その値が3%となった時点で同様に測定した。
(2)難燃性
実施例および比較例で得られたペレットを用いて、UL94(米国Under Writer Laboratories Incで定められた規格)の方法に従って測定した。
(3)グローワイヤー着火温度(GW−IT)
実施例および比較例で得られたペレットを、日精樹脂工業(株)製の射出成形機NEX1000により、シリンダ温度280℃、金型表面温度80℃、スクリュー回転数150rpm、射出圧力100MPa、射出速度100mm/秒、射出/冷却=20/20秒の条件で射出成形し、80×80×相応厚み(mm)の試験片を成形した。得られた試験片を用いて、IEC60695−2−13に準拠し、80×80×相応厚み(mm)の成形品にて測定した。
(4)耐トラッキング性
実施例および比較例で得られたペレットを、日精樹脂工業(株)製の射出成形機NEX1000により、シリンダ温度280℃、金型表面温度80℃、スクリュー回転数150rpm、射出圧力100MPa、射出速度100mm/秒、射出/冷却=20/20秒の条件で射出成形し、80×80×3mmの試験片を成形した。得られた試験片を用いて、UL746Aに準拠して測定した。
(5)離型性
実施例および比較例で得られたペレットを、射出成形機NEX1000により、シリンダ温度280℃、金型表面温度80℃、スクリュー回転数150rpm、射出圧力100MPa、射出速度100mm/秒、射出/冷却=20/20秒の条件で射出成形し、25×25×25(mm)、肉厚1mmの箱型成形品を成形した。離型時にかかるエジェクタプレートへの負荷をロードセルで測定し、この数値を離型力とした。
参考例1 (A1)共重合ポリアミド樹脂
ε−カプロラクタム95.0重量%とヘキサメチレンジアミンとアジピン酸の塩5.0重量%とを純水に溶解し、水分を1重量%添加したものを重合用の原料とし、得られた原料を重合塔に送った。重合塔上部、中間部、下部に取り付けられたヒーターにより重合塔の温度を加熱調整しながら、原料を反応させた。水浴中に吐出したポリマーをストランドカッターでペレタイズし、得られたペレットを95℃/20h/浴比20倍にて熱水抽出を行い、未反応原料とオリゴマーを除去した。抽出後80℃/30h減圧乾燥し、(A1)共重合ポリアミド樹脂を得た。JIS−K6810に従った98%硫酸での相対粘度:2.75であった。
参考例2 (A2)共重合ポリアミド樹脂
ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸の当モル塩97.0重量%、およびε−カプロラクタム3.0重量%を重合缶に投入し、水分量が45重量%となるように水分を加え、重合缶内をNで置換した後、260℃まで昇温した。ついで1.7MPaにて1h制圧・重合後、吐出・カッティングし(A2)共重合ポリアミド樹脂を得た。JIS−K6810に従った98%硫酸での相対粘度:2.60であった。
参考例3 (A3)ポリヘキサメチレンアジパミド樹脂
ポリアミド66(東レ株式会社製“アミラン”(登録商標)CM3001N:96%硫酸法粘度値145ml/g)を使用した。
参考例4 (B)トリアジン系化合物
イタルマッチ社製:MC25(メラミンシアヌレート)を用いた。なお、JIS K 5600−9−3に準じて平均粒子径(数平均値)を測定したところ、4μmであった。
参考例5 大粒径メラミンシアヌレート
市場より入手したメラミンシアヌレートを目開き15μmのメッシュを用いて振動篩にて篩い分けし、メッシュ上に残ったものを用いた。
参考例6 (C)ジアミン化合物と脂肪酸化合物との重縮合物
共栄社化学社製:WH215(エチレンジアミンとセバシン酸、ステアリン酸との重縮合物)を用いた。
比較例7〜9
参考例1に示した(A1)共重合ポリアミド樹脂、参考例4に示した(B)トリアジン系化合物を、表1に示す配合量2軸押出機(東芝機械社製:TEM58)を用いてシリンダ設定温度290℃、スクリュー回転数200rpmの条件下でトップフィード(基込めフィード)し、溶融混練し、ストランド状のガットを成形し、冷却バスで冷却後、カッターで造粒しペレットを得た。得られたペレットを用いて、前記の評価方法によって諸特性を調べた。その結果を表1に示す。
[実施例4〜12、比較例13
参考例1に示した(A1)共重合ポリアミド樹脂、参考例2に示した(A2)共重合ポリアミド樹脂、参考例4に示した(B)トリアジン系化合物を表1〜2に示す配合量で、比較例7と同様にしてペレットを得て諸特性を調べた。その結果を表1〜2に示す。
比較例10
参考例4に示した(B)トリアジン系化合物を参考例5に示した大粒径メラミンシアヌレートに変更した以外は比較例8と同様にしてペレットを得て諸特性を調べた。その結果を表2に示す。
比較例11
参考例1に示した(A1)共重合ポリアミド樹脂、参考例3に示した(A3)ポリヘキサメチレンアジパミド樹脂、参考例4に示した(B)トリアジン系化合物を表2に示す配合量で、比較例7と同様にしてペレットを得て諸特性を調べた。その結果を表2に示す。
[実施例16〜17]
参考例1に示した(A1)共重合ポリアミド樹脂、参考例2に示した(A2)共重合ポリアミド樹脂、参考例4に示した(B)トリアジン系化合物、参考例6に示した(C)ジアミン化合物と脂肪酸化合物との重縮合物を表2に示す配合量で、実施例1と同様にしてペレットを得て諸特性を調べた。その結果を表2に示す。
比較例12
参考例1に示した(A1)共重合ポリアミド樹脂、参考例3に示した(A3)ポリヘキサメチレンアジパミド樹脂、参考例4に示した(B)トリアジン系化合物、参考例6に示した(C)ジアミン化合物と脂肪酸化合物との重縮合物を表2に示す配合量で、比較例7と同様にしてペレットを得て諸特性を調べた。その結果を表2に示す。
[比較例1〜2]
参考例1に示した(A1)共重合ポリアミド樹脂、参考例4に示した(B)トリアジン系化合物を表3に示す配合量で、比較例7と同様にしてペレットを得て諸特性を調べた。その結果を表3に示す。
[比較例3〜4]
参考例2に示した(A2)共重合ポリアミド樹脂、参考例4に示した(B)トリアジン系化合物を表3に示す配合量で、比較例7と同様にしてペレットを得て諸特性を調べた。その結果を表3に示す。
[比較例5]
参考例1に示した(A1)共重合ポリアミド樹脂、参考例3に示した(A3)ポリヘキサメチレンアジパミド樹脂、参考例4に示した(B)トリアジン系化合物を表3に示す配合量で、比較例7と同様にしてペレットを得て諸特性を調べた。その結果を表3に示す。
[比較例6]
参考例3に示した(A3)ヘキサメチレンアジパミド樹脂、参考例4に示した(B)トリアジン系化合物を表3に示す配合量で、比較例7と同様にしてペレットを得て諸特性を調べた。その結果を表3に示す。
Figure 0005803100
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Figure 0005803100

Claims (10)

  1. (A1)(a1)カプロアミド単位50重量%以上98重量%未満および(a2)ヘキサメチレンアジパミド単位2重量%以上50重量%未満の共重合ポリアミドならびに(A2)(a1)カプロアミド単位2重量%以上50重量%未満および(a2)ヘキサメチレンアジパミド単位50重量%以上98重量%未満の共重合ポリアミドを含む(A)ポリアミド樹脂100重量部に対して、(B)トリアジン系化合物を10〜30重量部配合してなり、前記(A1)と(A2)の重量比((A1)/(A2))が15/85以上であることを特徴とするポリアミド樹脂組成物。
  2. 前記(A1)と(A2)の重量比が、(A1)/(A2)=15/85〜85/15である請求項1記載のポリアミド樹脂組成物。
  3. (A)ポリアミド樹脂が、さらに(A3)ポリヘキサメチレンアジパミド樹脂を含むことを特徴とする請求項1または2記載のポリアミド樹脂組成物。
  4. 前記(A1)と(A3)の重量比が、(A1)/(A3)=10/90〜90/10である請求項3記載のポリアミド樹脂組成物。
  5. トリアジン系化合物がメラミンシアヌレートであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載のポリアミド樹脂組成物。
  6. トリアジン系化合物の平均粒子径が15μm以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか記載のポリアミド樹脂組成物。
  7. (A)ポリアミド樹脂100重量部に対して、(C)ジアミン化合物と脂肪酸化合物との重縮合物を0.1〜1.0重量部配合してなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか記載のポリアミド樹脂組成物。
  8. 請求項1〜7いずれか記載のポリアミド樹脂組成物を、射出成形、押出成形、ブロー成形から選ばれる少なくとも1種の方法で成形してなる成形品。
  9. 成形品が、筐体、外装部品またはコネクターであることを特徴とする請求項8記載の成形品。
  10. IEC60695−2−13に準拠した試験において、グローワイヤー着火温度が、製品厚み0.75mm、1.5mm、3mmのすべてにおいて775℃以上である請求項8または9記載の成形品。
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