JP2005194455A - ポリアミド樹脂組成物およびその成形品 - Google Patents

ポリアミド樹脂組成物およびその成形品 Download PDF

Info

Publication number
JP2005194455A
JP2005194455A JP2004003929A JP2004003929A JP2005194455A JP 2005194455 A JP2005194455 A JP 2005194455A JP 2004003929 A JP2004003929 A JP 2004003929A JP 2004003929 A JP2004003929 A JP 2004003929A JP 2005194455 A JP2005194455 A JP 2005194455A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyamide resin
weight
polyamide
resin composition
nylon
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004003929A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Kamishiro
剛 上城
Shoichi Wakatake
昌一 若竹
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP2004003929A priority Critical patent/JP2005194455A/ja
Publication of JP2005194455A publication Critical patent/JP2005194455A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

【課題】結晶化特性、離型性が良好で成形サイクルを短縮することができ、生産性を著しく向上させることができるポリアミド樹脂を提供する。さらに、得られた成形品は良外観で機械特性的にも優れている。
【解決手段】ポリアミド(A)100重量部に対し、エチレンビスオレイン酸アミド(B)0.005〜1重量部、ステアリン酸バリウム(C)0.01〜2重量部からなり、偏光光学顕微鏡で観察した球晶直径の平均値A、標準偏差Bが、次の(1)式を満たすことを特徴とするポリアミド樹脂組成物。
B/A≦0.3 (1)
【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリアミド樹脂とエチレンビスオレイン酸アミド、ステアリン酸バリウムからなる、ハイサイクル性及び機械的性質、特に強度、靭性のバランスに優れたポリアミド樹脂組成物に関するものである。
ポリアミド樹脂は、優れた機械特性をはじめとして、耐摩耗性、電気的特性、耐薬品性及び加工性などを有するため、エンジニアリングプラスチックとして広く用いられている。しかし、産業の高度化に伴ってポリアミド樹脂に要求される諸物性もいっそう向上し、かつ多様化している。
近年、高度化かつ多様化した要求特性の代表的なものにハイサイクル性向上、機械特性の向上などがある。ハイサイクル性が向上すれば、成形周期を短くすることが可能となり、生産性を向上することができる。ハイサイクル性向上の手段として、ポリアミド樹脂の結晶化速度を向上させたり、金型からの離型性を向上させたりすることによって達成が可能である。
これらの要求を満足すべく、種々の検討が行われてきた。例えば、特許文献1には、結晶化速度を向上させるためにポリアミドにタルクなどの無機核剤を添加する方法、特許文献2〜4には、離型性を改善させるためにポリアミドにエチレンビスアミド、ステアリン酸エステル、脂肪族カルボン酸系物質などを配合する方法が提案されている。
特開平7−41669号公報(第1−2頁) 特公昭44−9825号公報(第1頁) 特開昭55−31803号公報(第1頁) 特開昭54−103460号公報(第1−2頁)
しかしながら、上記特許文献1に記載された材料では、結晶化速度が向上するものの、靭性が著しく低下し、特許文献2〜4に記載された材料では、離型性の向上が満足すべきものではない。また、結晶核剤、離型剤の成形時ブレンドを行うと、結晶化特性、離型性に大きなばらつきが生じ、安定した成形性を示す製品を得ることができなかった。
そこで本発明者らは、安定した流動性、結晶性、離型性を有し、優れた機械特性、特に靭性、剛性に優れた射出成形用ポリアミド樹脂組成物の取得を課題として鋭意検討を行なったところ、特定の脂肪酸アミドとステアリン酸バリウムを重合時に添加すると、かかる課題の解決に有効であることを見いだし本発明に到達した。
すなわち本発明は
(1)ポリアミド(A)100重量部に対し、エチレンビスオレイン酸アミド(B)0.005〜1重量部、ステアリン酸バリウム(C)0.01〜2重量部からなり、偏光光学顕微鏡で観察した球晶直径の平均値A、標準偏差Bが下記
B/A≦0.3 (1)
を満たすことを特徴とするポリアミド樹脂組成物
(2)(1)に記載のポリアミド樹脂組成物からなる成形品、
を提供するものである。
本発明のポリアミド組成物は、結晶化特性、離型性が良好で成形サイクルを短縮することができ、生産性を著しく向上させることができる。さらに、得られた成形品は良外観で機械特性的にも優れている。
以下、本発明について詳しく述べる。
以下に本発明の詳細を説明する。なお本発明において「重量」とは「質量」を意味する。
本発明で用いるポリアミド樹脂(A)とは、アミノ酸、ラクタムあるいはジアミンとジカルボン酸を主たる原料とする樹脂である。その原料の代表例としては、6−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、パラアミノメチル安息香酸などのアミノ酸、ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタムなどのラクタム、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、(2,2,4−または2,4,4−)トリメチルヘキサメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、アミノエチルピペラジンなどの脂肪族、脂環族、芳香族のジアミン、およびアジピン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2−クロロテレフタル酸、2−メチルテレフタル酸、5−メチルイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸などの脂肪族、脂環族、芳香族のジカルボン酸が挙げられ、本発明においては、これらの原料から誘導されるポリアミドホモポリマーもしくはコポリマーを各々単独または混合物の形で用いることができる。
本発明において、とくに好適に用いられるポリアミド樹脂は、200℃以上の融点を有する耐熱性や強度に優れたポリアミド樹脂であり、具体的な例としてはポリカプロアミド(ナイロン6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン46)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン612)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド(ナイロン6T)、ポリノナメチレンテレフタルアミド(ナイロン9T)、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド(ナイロン6I)、ポリキシリレンアジパミド(ナイロンXD6)、ポリカプロアミド/ポリヘキサメチレンアジパミドコポリマー(ナイロン6/66)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリカプロアミドコポリマー(ナイロン6T/6)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリドデカンアミドコポリマー(ナイロン6T/12)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6T)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6I)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミド/ポリカプロアミドコポリマー(ナイロン66/6I/6)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6T/6I)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン6T/6I)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリ(2ーメチルペンタメチレン)テレフタルアミドコポリマー(ナイロン6T/M5T)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンセバカミド/ポリカプロアミドコポリマー(ナイロン6T/610/6)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリドデカンアミド/ポリヘキサメチレンアジパミドコポリマー(ナイロン6T/12/66)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリドデカンアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン6T/12/6I)、およびこれらの混合物ないし共重合体などが挙げられる。
とりわけ好ましいものとしては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン6/66コポリマーおよびナイロン66/6I/6コポリマー、ならびにナイロン6T/66コポリマー、ナイロン6T/6Iコポリマー、ナイロン6T/6コポリマー、ナイロン6T/12コポリマー、ナイロン6T/12/66コポリマー、ナイロン6T/12/6Iコポリマーなどのヘキサメチンレテレフタラミド単位を有する共重合体から選ばれる少なくとも一種のポリアミドである。これらのポリアミド樹脂は成形性、耐熱性、靱性、表面性などの必要特性に応じて混合物として用いることも実用上好適である。ここで用いられるポリアミドの重合度についてはとくに限定されないが、JIS−K6810に従って98%硫酸中濃度1%、25℃で測定する相対粘度が1.9〜4.0の範囲のものが好ましく、2.0〜3.5の範囲のものがとくに好ましい。相対粘度がこの範囲に有ると成形性、機械特性に優れ、本発明に好適である。
本発明において、エチレンビスオレイン酸アミドの配合量は、ポリアミド樹脂100重量部に対し、0.005〜1重量部、好ましくは0.05〜0.5重量部である。0.005重量部未満では離型性向上効果が低く、2重量部を越えると離型性の更なる向上効果が得られない上、物性低下や発生ガスによる金型汚れが現れるようになり、好ましくない。
本発明において、ステアリン酸バリウムの配合量は、ポリアミド樹脂100重量部に対し、0.01〜2重量部、好ましくは0.05〜1重量部である。0.01重量部未満では結晶化速度の向上効果が低く、2重量部を越えると結晶化速度の更なる向上効果が得られない上、物性低下や発生ガスによる金型汚れが現れるようになり、好ましくない。
本発明にかかるポリアミド樹脂組成物はの偏光光学顕微鏡で観察した球晶直径の平均値A、標準偏差Bは、次の(1)式を満たすことが必要である。
B/A≦0.3 (1)
離型性改良効果の高いエチレンビスオレイン酸アミド、球晶を微細化させる効果のあるステアリン酸バリウムが均一に分散されていると、離型性のばらつきが少ない上、球晶直径のばらつきが少ない、つまり結晶化速度のばらつきが少ない。このため、B/Aがこの範囲であると、結晶化速度、離型性のばらつきの少ないポリアミド樹脂を得ることができる。B/Aが0.3を超えると、結晶化速度、離型性が大きくばらついてしまい、成形不良を引き起こす可能性があるため、好ましくない。
本発明において、重合時にステアリン酸バリウム0.01〜2重量部を添加すると、エチレンビスオレイン酸アミド、ステアリン酸バリウムが均一に分散した状態になるめ、球晶直径にばらつきがなく、(1)を満たすことができる。
ここで、球晶とは、一つの結晶核を中心として球対称の成長様式で成長した結晶組織のことをいう。
球晶は、本発明のポリアミド樹脂組成物を用いて、円盤成形品を製造し、(φ40mm、肉厚1mm、φ1mmセンターピンゲート)の中心部、肉厚中央部をミクロトームで切り出し、偏光光学顕微鏡で球晶の写真を撮影し、その写真から画像解析装置を用いて球晶直径の平均値A、標準偏差Bを求める。
本発明の組成物の製造方法として1)ポリアミド重合時にエチレンビスオレイン酸アミド、ステアリン酸バリウムを添加する方法、2)重合後のドライブレンドおよびペレット表面に付着させる方法、3)溶融混練による方法、4)エチレンビスオレイン酸アミドとステアリン酸バリウムの濃縮物ペレットを溶融混練により作成し、その濃縮物ペレットをドライブレンドする方法などが挙げられるが、1)の方法で製造することが必要である。1)の方法でステアリン酸バリウム、エチレンビスオレイン酸アミドを添加すると、重合缶内で攪拌を行うことによりステアリン酸バリウム、エチレンビスオレイン酸アミドを均一に分散させることができる上、ポリマーの粘度が比較的低いために更にその効果は高くなる。このため、球晶を微細化させるステアリン酸バリウム、離型効果のあるエチレンビスオレイン酸アミドが均一に分散した状態となるため、結晶化速度、離型性のばらつきのない、成形性のよいポリアミド樹脂を得ることができる。2)または4)の方法では、エチレンビスオレイン酸アミド、ステアリン酸バリウムを分散させる手段が成形機内のみであるため、エチレンビスオレイン酸アミド、ステアリン酸バリウムが均一に分散されず、結晶化速度、離型性が大きくばらついてしまい、成形不良を引き起こす可能性があるため、好ましくない。また、3)の方法では、成形品が黄変してしまい成形品の外観を損ねてしまうため、好ましくない。
本発明の熱可塑性樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で他の成分、例えば耐候剤(レゾルシノール系、サリシレート系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ヒンダードアミン系等)、離型剤及び滑剤(モンタン酸及びその金属塩、そのエステル、そのハーフエステル、ステアリルアルコール、ステアラミド、各種ビスアミド、ビス尿素及びポリエチレンワックス等)、顔料(硫化カドミウム、フタロシアニン、カーボンブラック等)、染料(ニグロシン等)、結晶核剤、可塑剤(p−オキシ安息香酸オクチル、N−ブチルベンゼンスルホンアミド等)、帯電防止剤(アルキルサルフェート型アニオン系帯電防止剤、4級アンモニウム塩型カチオン系帯電防止剤、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレートのような非イオン系帯電防止剤、ベタイン系両性帯電防止剤等)、導電性粒子(カーボンブラック、グラファイト、カーボンナノチューブ等)、強化材(例えば、ガラス繊維、タルク、マイカ、カオリン、ワラステナイト、ガラスフレーク、ガラスビーズ、粘土鉱物等)、難燃剤(例えば、赤燐、メラミンシアヌレート、ポリリン酸アンモニウム、臭素化ポリスチレン、臭素化ポリフェニレンエーテル、臭素化ポリカーボネート、臭素化エポキシ樹脂あるいはこれらの臭素系難燃剤と三酸化アンチモンとの組み合わせ等)、着色防止剤(次亜リン酸塩等)、他の重合体を含有することができる。
本発明により得られる組成物は、ポリアミド樹脂が本来有する優れた特性を損なうことなく、ポリアミド樹脂に不足していた新たな特性が付与された樹脂組成物であり、良好な結晶性や良好な離型性などから、射出成形用途に最も適している。このような射出成形によって得られる製品としては、スイッチ類、超小型スライドスイッチ、DIPスイッチ、スイッチのハウジング、ランプソケット、結束バンド、ガスケット、コネクタ、コネクタのハウジング、コネクタのシェル、ICソケット類、コイルボビン、ボビンカバー、リレー、リレーボックス、コンデンサーケース、モーターの内部部品、小型モーターケース、ギヤ・カム、ダンシングプーリー、スペーサー、インシュレーター、ファスナー、バックル、ワイヤークリップ、自転車用ホイール、キャスター、端子台、電動工具のハウジング、スターターの絶縁部分、キャニスター、ヒューズボックス、エアクリーナーケース、エアコンファン、ターミナルのハウジング、ホイールカバー、ベアリングリテーナー、シリンダーヘッドカバー、インテークマニホールド、ウォターパイプインペラ、クラッチレリーズベアリングハブ、スピーカー振動板、耐熱容器、電子レンジ部品、炊飯器部品、プリンターリボンガイドなどに代表される電気・電子関連部品、自動車・車両関連部品、家庭・事務電気製品部品、コンピュータ関連部品、ファクシミリ・複写機関連部品、機械関連部品などが挙げられ、その他各種用途に有用である。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳述するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例に限定されるものではない。なお、各評価については、次に述べる方法にしたがって測定した。
(1)一般機械特性
以下の標準方法に従って測定した。なお、下記の引張試験、曲げ試験等における試験片は日精樹脂工業射出成形機PS60E9ASEで作成した(シリンダ温度:280℃(N66),260℃(N6)、金型温度:80℃、射出圧力:成形下限圧力+12.8MPa、射出時間:15sec、冷却時間:15sec)。
引張強度、引張伸び
ASTM D638に準拠して行った。1号ダンベル型試験片(試験片厚み:1/8インチ(3.2mm))を用い、試験速度10mm/minで23℃にて試験を行った。
曲げ強度、曲げ弾性率
ASTM D790に準拠して行った。曲げ試験片(試験片厚み:1/4インチ(6.4mm))を用い、試験速度1mm/minで23℃にて試験を行った。
Izod衝撃強度
ASTM D256に準拠して行った。衝撃試験片(試験片厚み:1/8インチ(3.2mm)、カットノッチ)を用いて23℃にて試験を行った。
(2)球晶観察
円盤成形品(φ40mm、肉厚1mm、φ1mmセンターピンゲート)の中心部、肉厚中央部をミクロトームで切り出し、偏光光学顕微鏡で球晶の写真を撮影し、その写真から画像解析装置を用いて球晶直径を20点測定し、平均値A、標準偏差Bを求めた。
(3)結晶性(ゲートシール性)
円盤成形品(φ40mm、肉厚1mm、φ1mmセンターピンゲート)を成形し、樹脂の充填完了からゲートが完全に固化するまでの時間(ゲートシール時間)を測定し、10回の平均と標準偏差を示した。具体的には、射出時間をのばしていったときの成形品重量を測定し、重量が飽和したときの射出時間をゲートシール時間とした。なお、成形品は日精樹脂工業射出成形機PS60E9ASEで作成した(シリンダ温度:280℃(N66),260℃(N6)、金型温度:80℃、射出圧力:成形下限圧力+12.8MPa、射出時間:15sec、冷却時間:15sec)。
(4)離型性
圧力センサー付箱型成形品(寸法:30×30×30mm、成形品厚み:1.5mm)を成形し、突き出しピンによる突き出しの際の離型力を圧力センサーにより測定し、10ショットの平均と標準偏差を示した。なお、成形品は日精樹脂工業射出成形機PS60E9ASEで作成した(シリンダ温度:280℃(N66),260℃(N6)、金型温度:80℃、射出圧力:成形下限圧力+12.8MPa、冷却時間:5sec、エジェクターピン突き出し速度5%)。離型力が低く、各測定での離型力のバラツキが小さいほど離型性がよい。
(5)成形品色調
SMカラーコンピューター SM−5−IS−2Bを用いて、ASTM D638 1号ダンベル型試験片(試験片厚み:1/8インチ(3.2mm))5本を重ね、YI値を測定した。
(6)金型汚れ性
短冊形成形品(寸法:12.7×2.4mm、肉厚0.4mm)について射出成形し、金型表面が汚れるまでのショット数を1000ショットまで確認した(シリンダ温度:280℃(N66)、260℃(N6)、金型温度:80℃、射出圧力:成形下限圧力+12.8MPa、射出時間:15sec、冷却時間:15sec)。
[実施例1〜5][比較例1〜6]
ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸の等モル塩にさらに添加剤を表1の重量比になるように投入し、投入した全原料と同重量の純水を加え、重合缶内を十分窒素置換した後、撹拌しながら加温を開始した。缶内圧力は最大2MPaに調整しながら最終到達温度は270℃とした。目的の相対粘度になるように重合時間を調整し、溶融ポリマーは水浴中に吐出し、ストランドカッターでペレタイズした。得られたペレットを80℃、12時間の条件で真空乾燥した。
得られたペレットを上記の方法によって射出成形し、各測定に用いる試験片を作製し、各特性を測定した。その結果を表1に示す。
実施例1〜5により得られたポリアミド樹脂組成物は、離型力、ゲートシール時間の平均値は満足できる値であり、値のバラツキも小さいことから、成形性のバランスに優れており、ハイサイクル性の要求される製品の製造に好適である。なかでも、実施例2により得られたポリアミド樹脂組成物は、成形性のバランスに最も優れている。
比較例1により得られたポリアミド樹脂組成物は、ゲートシール時間は満足できる値であったが、離型力が大きいことから、ハイサイクル性の要求される製品の製造に不適である。
比較例2により得られたポリアミド樹脂組成物は、離型力、ゲートシール時間は満足できる値であったが、金型の汚れが著しいことから、ハイサイクル性の要求される製品の製造に不適である。
比較例3により得られたポリアミド樹脂組成物は、離型力は満足できる値であったが、ゲートシール時間が長いことから、ハイサイクル性の要求される製品の製造に不適である。
比較例4により得られたポリアミド樹脂組成物は、離型力、ゲートシール時間は満足できる値であったが、金型の汚れが著しいことから、ハイサイクル性の要求される製品の製造に不適である。
比較例5により得られたポリアミド樹脂組成物は、ゲートシール時間は満足できる値であったが、離型力が大きいことから、ハイサイクル性の要求される製品の製造に不適である。
比較例6により得られたポリアミド樹脂組成物は、離型力、ゲートシール時間は満足できる値であったが、引張伸び、Izod衝撃強度の低下が著しいことから、耐衝撃性の要求される製品の製造に不適である。
[実施例6]
ε−カプロアミドにさらにエチレンビスオレイン酸アミド、ステアリン酸バリウムを100:0.3:0.4の重量比になるように投入し、投入した全原料と同重量の純水を加え、重合缶内を十分窒素置換した後、撹拌しながら加温を開始した。缶内圧力は最大2MPaに調整しながら最終到達温度は250℃とした。目的の相対粘度になるように重合時間を調整し、溶融ポリマーは水浴中に吐出し、ストランドカッターでペレタイズした。得られたペレットを80℃、12時間の条件で真空乾燥した。得られたペレットを上記の方法によって射出成形し、各測定に用いる試験片を作製し、各特性を測定した。その結果を表1に示す。
離型力、ゲートシール時間の平均値は満足できる値であり、値のバラツキも小さいことから、成形性のバランスに優れており、ハイサイクル性の要求される製品の製造に好適である。
[比較例7]
ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸の等モル塩を投入し、投入した全原料と同重量の純水を加え、重合缶内を十分窒素置換した後、撹拌しながら加温を開始した。缶内圧力は最大2MPaに調整しながら最終到達温度は270℃とした。目的の相対粘度になるように重合時間を調整し、溶融ポリマーは水浴中に吐出し、ストランドカッターでペレタイズした。得られたペレットを80℃、12時間の条件で真空乾燥してポリアミド1を得た。このポリアミド1 100重量部、エチレンビスオレイン酸アミド0.2重量部、ステアリン酸バリウム0.4重量部を日本製鋼所社製二軸押出機TEX−44で溶融混練後水浴中に吐出し、ストランドカッターでペレタイズした。得られたペレットを80℃、12時間の条件で真空乾燥した。得られたペレットを上記の方法によって射出成形し、各測定に用いる試験片を作製し、各特性を測定した。その結果を表1に示す。
離型力、ゲートシール時間は満足できる値であったが、成形品の黄変が著しいことから、外観の要求される製品の製造に不適である。
[比較例8]
ポリアミド1 100重量部、エチレンビスオレイン酸アミド0.2重量部、ステアリン酸バリウム0.4重量部をドライブレンドした。得られたペレットを上記の方法によって射出成形し、各測定に用いる試験片を作製し、各特性を測定した。その結果を表1に示す。
離型力、ゲートシール時間の平均値は満足できる値であったが、値のバラツキが大きいことから、ハイサイクル性の要求される製品の製造に不適である。
[比較例9]
ポリアミド1 97重量部に、比較例7において製造したポリアミド1 82重量部、エチレンビスオレイン酸アミド(アルフローAD281F、日本油脂(株)製)6重量部、ステアリン酸バリウム(バリウムステアレート、日本油脂(株)製)12重量部を日本製鋼所社製二軸押出機TEX−44で溶融混練後水浴中に吐出し、ストランドカッターでペレタイズして得たペレットを80℃、12時間の条件で真空乾燥し、得たポリアミド23重量部をドライブレンドした。得られたペレットを上記の方法によって射出成形し、各測定に用いる試験片を作製し、各特性を測定した。その結果を表1に示す。
離型力、ゲートシール時間の平均値は満足できる値であったが、値のバラツキが大きいことから、ハイサイクル性の要求される製品の製造に不適である。
Figure 2005194455

Claims (2)

  1. ポリアミド(A)100重量部に対し、エチレンビスオレイン酸アミド(B)0.005〜1重量部、ステアリン酸バリウム(C)0.01〜2重量部からなり、偏光光学顕微鏡で観察した球晶直径の平均値A、標準偏差Bが下記
    B/A≦0.3 (1)
    を満たすことを特徴とするポリアミド樹脂組成物。
  2. 請求項1記載のポリアミド樹脂組成物からなる成形品。
JP2004003929A 2004-01-09 2004-01-09 ポリアミド樹脂組成物およびその成形品 Pending JP2005194455A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004003929A JP2005194455A (ja) 2004-01-09 2004-01-09 ポリアミド樹脂組成物およびその成形品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004003929A JP2005194455A (ja) 2004-01-09 2004-01-09 ポリアミド樹脂組成物およびその成形品

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005194455A true JP2005194455A (ja) 2005-07-21

Family

ID=34818690

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004003929A Pending JP2005194455A (ja) 2004-01-09 2004-01-09 ポリアミド樹脂組成物およびその成形品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005194455A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007170430A (ja) * 2005-12-19 2007-07-05 Nsk Ltd ハイブリッド自動車用転がり軸受
JP2011026573A (ja) * 2009-06-25 2011-02-10 Asahi Kasei Chemicals Corp ポリアミド組成物、ポリアミド組成物のペレット及びポリアミド組成物を含む成形品
WO2013099522A1 (ja) * 2011-12-27 2013-07-04 東レ株式会社 難燃性ポリアミド樹脂組成物およびそれからなる成形品
JP2015199889A (ja) * 2014-04-10 2015-11-12 旭化成ケミカルズ株式会社 成形体

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007170430A (ja) * 2005-12-19 2007-07-05 Nsk Ltd ハイブリッド自動車用転がり軸受
JP2011026573A (ja) * 2009-06-25 2011-02-10 Asahi Kasei Chemicals Corp ポリアミド組成物、ポリアミド組成物のペレット及びポリアミド組成物を含む成形品
WO2013099522A1 (ja) * 2011-12-27 2013-07-04 東レ株式会社 難燃性ポリアミド樹脂組成物およびそれからなる成形品
JPWO2013099522A1 (ja) * 2011-12-27 2015-04-30 東レ株式会社 難燃性ポリアミド樹脂組成物およびそれからなる成形品
JP2015199889A (ja) * 2014-04-10 2015-11-12 旭化成ケミカルズ株式会社 成形体

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5497921B2 (ja) 共重合ポリアミド
EP2871201A1 (en) Polyamide, polyamide composition, and molded article
JP7195850B2 (ja) ポリアミド組成物、成形品及び半芳香族ポリアミド
JP2012062417A (ja) ポリアミド樹脂組成物およびその成形方法
JP2009032639A (ja) 電池ガスケット用ポリアミド樹脂組成物
JP7107646B2 (ja) ポリアミド組成物および成形品
JP5516265B2 (ja) ポリアミド樹脂組成物の成形方法
JP6843698B2 (ja) ポリアミド組成物及び成形品
JP6970524B2 (ja) ポリアミド組成物及び成形品
JP5272282B2 (ja) 車体機構部品用ポリアミド樹脂組成物
JP7513626B2 (ja) 高光沢用途のためのポリアミド成形組成物
JP2005194455A (ja) ポリアミド樹脂組成物およびその成形品
JP6436534B2 (ja) ポリアミドマスターバッチペレット、それを用いたポリアミド樹脂組成物及び成形体
EP1023397A1 (en) Polyamide composition for welding
JP6034074B2 (ja) 共重合ポリアミド
JP6952514B2 (ja) 強化ポリアミド樹脂組成物および成形体
JP5997526B2 (ja) ポリアミド樹脂組成物及び成形品
JP2017061674A (ja) ポリアミド樹脂組成物およびその成形体
JP5965230B2 (ja) ポリアミド樹脂組成物及び成形品
JP2019127500A (ja) ポリアミド組成物及び成形品
JP5803100B2 (ja) ポリアミド樹脂組成物およびそれからなる成形品
JP3407349B2 (ja) ポリアミド樹脂組成物
JPH07207152A (ja) ポリアミド樹脂組成物
JP2005078890A (ja) 電池ガスケット用ポリアミド樹脂組成物
JP2014005343A (ja) 共重合ポリアミド