JP2009032639A - 電池ガスケット用ポリアミド樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】電池ガスケットの液漏れに影響する耐アルカリ性と耐湿熱性に優れるとともに、成形時におけるフローマークや湯じわ、ボイドなどの応力集中箇所を形成せず、集電棒の圧入に耐える強度を具備させることができ、また金型汚れが少ないことを特徴とする電池ガスケット用ポリアミド樹脂組成物を提供する。
【解決手段】(A)ポリアミド100重量部に対して(B)脂肪酸金属塩0.01〜0.05重量部に対して(C)脂肪酸アミド0.1〜0.4重量部、(D)脂肪酸エステル0.02〜0.1重量部を含有することを特徴とする電池ガスケット用ポリアミド樹脂組成物。
【選択図】 なし
【解決手段】(A)ポリアミド100重量部に対して(B)脂肪酸金属塩0.01〜0.05重量部に対して(C)脂肪酸アミド0.1〜0.4重量部、(D)脂肪酸エステル0.02〜0.1重量部を含有することを特徴とする電池ガスケット用ポリアミド樹脂組成物。
【選択図】 なし
Description
本発明は、電池に使用されるガスケット用材料に関する。
電池ガスケットは、電池の気密、液密、および正・負極間の絶縁を保つために使用されており、性能上、安全上において非常に重要な役割を果たしている。電池ガスケット材料に必要とされる特性として機械的強度、耐熱性、耐湿熱性、耐クリープ性、耐薬品性等が挙げられ、これらのバランスに優れるポリアミドが主に用いられている。
これらの要求を満足すべく、種々の検討が行われてきた。例えば、特許文献1〜4には、電池ガスケット(ガスケット)にポリアミド樹脂を使用し、電池の気密、液密、電極の絶縁を保っていることが開示されている。
また、電池ガスケット成形品は小型であり、0.5mm以下の薄肉部を有する特有の形状をしているため、金型の汚れが原因で充填不良、変形などの成形不良を発生しやすい。このことに対しては、特許文献4で酸化防止剤を特定のものとすることで解消している。
特開2001−202935号公報
特開2005−79021号公報
特開平9−27305号公報
特開2005−78890号公報
しかしながら、電池性能の向上、使用環境の多様化により、ガスケット材料に求められる要求性能も高くなり、上記特許文献1〜4に記載されたような現状の材料では不十分になる可能性がある。例えば、ポリアミド樹脂の耐アルカリ性、耐湿熱性は、ガスケットに必要な特性として必ずしも十分に満足するものではなく、高温、長期の湿熱下においては脆化が生じ、ガスケットのクラックによる液漏れが発生する可能性は十分に考えられる。
本発明の課題は、上記の問題点を解決し、耐アルカリ性と耐湿熱性を向上させるとともに、成形時におけるフローマークや湯じわ、ボイドなどの応力集中箇所を形成せず、集電棒の圧入に耐える強度を具備させることができ、また離型性に優れ、金型汚れが少ないポリアミド樹脂からなる電池ガスケット用材料を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ポリアミド100重量部に対して特定範囲の添加剤を含有させることにより、本発明の課題が解決されることを見いだし本発明に到達した。
すなわち、本発明は、
(1)(A)ポリアミド100重量部に対して、(B)脂肪酸金属塩0.01〜0.05重量部、(C)エチレンビスステアリン酸アマイド0.1〜0.4重量部、(D)モンタン酸エステル0.02〜0.1重量部を配合してなることを特徴とする電池ガスケット用ポリアミド樹脂組成物、
(2)前記(A)ポリアミド樹脂がポリヘキサメチレンセバカミドまたはポリヘキサメチレンドデカミドである請求項1記載の電池ガスケット用ポリアミド樹脂組成物、
(3)前記(B)脂肪酸金属塩がバリウム塩であることを特徴とする電池ガスケット用ポリアミド樹脂組成物を提供するものである。
(1)(A)ポリアミド100重量部に対して、(B)脂肪酸金属塩0.01〜0.05重量部、(C)エチレンビスステアリン酸アマイド0.1〜0.4重量部、(D)モンタン酸エステル0.02〜0.1重量部を配合してなることを特徴とする電池ガスケット用ポリアミド樹脂組成物、
(2)前記(A)ポリアミド樹脂がポリヘキサメチレンセバカミドまたはポリヘキサメチレンドデカミドである請求項1記載の電池ガスケット用ポリアミド樹脂組成物、
(3)前記(B)脂肪酸金属塩がバリウム塩であることを特徴とする電池ガスケット用ポリアミド樹脂組成物を提供するものである。
本発明によれば、成形時におけるフローマークや湯じわ、ボイドなどの応力集中箇所を形成せず、集電棒の圧入に耐える強度を具備させることができ、耐アルカリ性にも優れた電池パッキン用ポリアミド樹脂組成物を提供する。
次に、本発明についてさらに具体的に説明する。
本発明で用いる(A)ポリアミド樹脂とは、アミノ酸、ラクタムあるいはジアミンとジカルボン酸を主たる原料とする樹脂である。その原料の代表例としては、6−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、パラアミノメチル安息香酸などのアミノ酸、ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタムなどのラクタム、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、(2,2,4−または2,4,4−)トリメチルヘキサメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、アミノエチルピペラジンなどの脂肪族、脂環族、芳香族のジアミン、およびアジピン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2−クロロテレフタル酸、2−メチルテレフタル酸、5−メチルイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸などの脂肪族、脂環族、芳香族のジカルボン酸が挙げられ、本発明においては、これらの原料から誘導されるポリアミドホモポリマーもしくはコポリマーを各々単独または混合物の形で用いることができる。
本発明において、とくに好適に用いられる(A)ポリアミド樹脂は、200℃以上の融点を有する耐熱性や強度に優れたポリアミド樹脂であり、具体的な例としてはポリカプロアミド(ナイロン6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン46)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン612)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド(ナイロン6T)、ポリノナメチレンテレフタルアミド(ナイロン9T)、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド(ナイロン6I)、ポリキシリレンアジパミド(ナイロンXD6)、ポリカプロアミド/ポリヘキサメチレンアジパミドコポリマー(ナイロン6/66)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリカプロアミドコポリマー(ナイロン6T/6)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリドデカンアミドコポリマー(ナイロン6T/12)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6T)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6I)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミド/ポリカプロアミドコポリマー(ナイロン66/6I/6)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6T/6I)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン6T/6I)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリ(2ーメチルペンタメチレン)テレフタルアミドコポリマー(ナイロン6T/M5T)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンセバカミド/ポリカプロアミドコポリマー(ナイロン6T/610/6)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリドデカンアミド/ポリヘキサメチレンアジパミドコポリマー(ナイロン6T/12/66)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリドデカンアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン6T/12/6I)およびこれらの混合物ないし共重合体などが挙げられる。
とりわけ好ましいものとしては、ナイロン610、ナイロン612から選ばれる少なくとも一種のポリアミドである。これらは例えばナイロン6やナイロン66に比べて吸水率が低いために、アルカリ性の電解液に対して優れた耐性を有することや、ナイロン11に比べて射出成形において優れた成形性を有する点から好ましい、また、耐熱性、靱性、表面性などの必要特性に応じて、ナイロン610とナイロン612の混合物として用いることも実用上好適である。
ポリアミド樹脂の重合度にはとくに制限がないが、ポリアミド樹脂1重量%の98%濃硫酸溶液中、オストワルド粘度計を用いて25℃で測定した相対粘度が1.9〜4.0の範囲のものが好ましく、2.0〜3.5の範囲のものが特に好ましい。相対粘度がこの範囲に有ると成形性、機械特性に優れ、本発明に好適である。
本発明で用いる(B)肪酸金属塩は、炭素数6〜40の脂肪酸のアルカリ金属塩もしくはアルカリ土類金属塩が好ましく、具体的にはステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸リチウム、モンタン酸ナトリウム、モンタン酸カルシウムなどが挙げられる。
上記のうち、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウムを好ましく用いることができ、なかでもステアリン酸バリウムがポリアミド樹脂の結晶化を促進し、強度向上が期待できることから、もっとも好ましい。なお、本発明において上記脂肪酸金属塩は、1種類で用いてもよいし、2種類以上を組み合せて用いてもよい。
また、(B)脂肪酸金属塩の配合量は、ポリアミド樹脂100重量部に対して、0.01重量部以上0.05重量部以下であることが必要である。とりわけ0.02重量部以上0.04重量部以下が最も好ましい。0.01重量部未満であると、射出成形の離型時に成形品が変形あるいは欠損することがあり、また0.05重量部を越えると、集電棒の圧入時に割れが発生することがある。
本発明で用いる(C)脂肪酸アミドは、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マーガリン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、n−トリデシレン酸、n−ペンタデシレン酸、デセン酸、オレイン酸、エルシン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタン酸などのC8からC22の飽和または不飽和脂肪酸のアミド化合物を使用できる。具体的には、メチレンビス脂肪酸アミド、エチレンビス脂肪酸アミドが挙げられ、エチレンビス脂肪酸アマイドとしては、パルミチン酸、マーガリン酸、ステアリン酸、オレイン酸などのC16からC18の飽和または不飽和脂肪酸のエチレンビスアミド化合物を使用できる。なかでもエチレンビスステアリン酸アミドがもっとも好ましい。なお、本発明において上記脂肪酸アミドは、1種類で用いてもよいし、2種類以上を組み合せて用いてもよい。
また、(C)脂肪酸アミドの配合量は、ポリアミド樹脂100重量部に対して、0.1重量部以上0.4重量部以下が必要であり、0.2重量部以上0.3重量部以下がさらに好ましい。
0.1重量部未満であると、射出成形の離型時に成形品が変形あるいは欠損することがあり、また0.4重量部を越えると、成形時に金型表面に汚れが形成し、これによる転写不良から成形品の外観不良に至る。
本発明で用いる(D)脂肪酸エステルとしては、ステアリン酸エステル、オレイン酸エステル、リノール酸エステル、リノレン酸エステル、アジピン酸エステル、ベヘン酸エステル、アラキジン酸エステル、モンタン酸エステル、イソステアリン酸エステル、重合酸のエステル、また脂肪族部分鹸化エステルとしてモンタン酸部分鹸化エステルなどが挙げられる。
上記のうち、モンタン酸エステル、モンタン酸部分鹸化エステルが好ましく用いることができ、なかでもモンタン酸部分鹸化エステルがもっとも好ましい。なお、本発明において上記脂肪酸エステルは1種類で用いてもよいし、2種類以上を組み合せて用いてもよい。
また、(D)脂肪酸エステルの配合量は、ポリアミド樹脂100重量部に対して、0.02重量部以上0.1重量部以下が好ましく、0.04重量部以上0.08重量部以下がさらに好ましい。0.02重量部未満であると、射出成形の離型時に成形品が変形あるいは欠損することがあり、また0.1重量部を越えると、成形時に金型表面に汚れが形成し、これによる転写不良から成形品の外観不良に至る。
本発明で用いるポリアミド樹脂組成物には本発明の効果を損なわない範囲で他の成分、例えば結晶核剤(タルク、シリカ、グラファイトなどの無機微粒子、酸化マグネシウム、酸化アルミニウムなどの金属酸化物、カプロラクタム二量体などのポリアミドオリゴマー、耐候剤(レゾルシノール系、サリシレート系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ヒンダードアミン系等)、顔料(硫化カドミウム、フタロシアニン、カーボンブラック、メタリック顔料等)、染料(ニグロシン等)、可塑剤(p−オキシ安息香酸オクチル、N−ブチルベンゼンスルホンアミド等)、帯電防止剤(アルキルサルフェート型アニオン系帯電防止剤、4級アンモニウム塩型カチオン系帯電防止剤、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレートのような非イオン系帯電防止剤、ベタイン系両性帯電防止剤等)、難燃剤(例えば、赤燐、メラミンシアヌレート、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の水酸化物、ポリリン酸アンモニウム、臭素化ポリスチレン、臭素化PPO、臭素化PC、臭素化エポキシ樹脂あるいはこれらの臭素系難燃剤と三酸化アンチモンとの組み合わせ等)、他の重合体(ポリエステル、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルスルフォン、ABS樹脂、SAN樹脂、ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、SBS、SEBS、各種エラストマー等)を添加することができる。
本発明で用いるポリアミド樹脂組成物を得る方法については特に制限はなく、ポリアミド樹脂と各種添加剤のドライブレンドする方法、ポリアミド重合時に添加する方法、各種添加剤をマスターバッチとして、ポリアミド樹脂とペレットブレンドする方法、ポリアミド樹脂と各種添加剤を溶融混練して得る方法が好適である。
上記ポリアミド重合時に各種添加剤を添加する方法には、ポリアミドプレポリマーの加熱処理初期に原料と同時に仕込む方法、加熱処理途中で添加する方法、加熱処理後、常圧重合装置投入前に添加する方法などが挙げられるが、特に制限はない。各種添加剤は、そのまま添加しても良いし、少量の溶剤に溶解して添加してもかまわない。
また、ポリアミド樹脂と各種添加剤を溶融混練する方法には特に制限はなく、ポリアミド樹脂の溶融状態下で機械的剪断を行うことができればよい。その処理方法もバッチ式または連続式のいずれでも良いが、連続的に製造できる連続式の方が作業効率の面から好ましい。具体的な混練装置にも制限はないが、押出機、特に二軸押出機が生産性の面で好ましい。また、溶融混練時に発生する水分や、低分子量の揮発成分を除去する目的で、ベント口を設けることも好んで用いられる。供給の方法も特に制限はないが、二軸押出機を用いる場合には、(A)ポリアミド樹脂と(B)各種添加剤をあらかじめブレンダー等で混合しておき、それを押出機のフィード口から供給する方法が好ましい。
本発明のガスケット材料は、プレス成形、射出成形、押出成形、ブロー成形など一般に知られているプラスチック成形法によって成形することにより得ることができる。
本発明のポリアミド樹脂組成物は耐アルカリ性、圧入特性が特に優れているため、ニッケルマンガン電池、酸化銀電池、アルカリボタン電池、空気亜鉛電池、アルカリ電池、マンガン乾電池等の一次電池、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池等の二次電池のような電解液にアルカリ溶液を使用する電池用ガスケットに極めて優れた性能を発揮する。
以下、実施例、比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例により限定されるものではない。
評価方法
(1)一般機械特性
以下の標準方法に従って測定した。
(1)一般機械特性
以下の標準方法に従って測定した。
引張強さ、引張破断伸び
ASTM D638に従って行った。4号ダンベル型試験片(試験片厚み:1/16インチ(1.6mm)を用い、試験速度50mm/minで試験を行った。
ASTM D638に従って行った。4号ダンベル型試験片(試験片厚み:1/16インチ(1.6mm)を用い、試験速度50mm/minで試験を行った。
曲げ強さ、曲げ弾性率
ASTM D790に従って行った。曲げ試験片(試験片厚み:1/8インチ(3.2mm))を用い、試験速度1mm/minで試験を行った。
ASTM D790に従って行った。曲げ試験片(試験片厚み:1/8インチ(3.2mm))を用い、試験速度1mm/minで試験を行った。
アイゾット衝撃強さ
ASTM D256に従って行った。衝撃試験片(試験片厚み:1/8インチ(3.2mm)、モールドノッチ)を用いて試験を行った。
ASTM D256に従って行った。衝撃試験片(試験片厚み:1/8インチ(3.2mm)、モールドノッチ)を用いて試験を行った。
(2)耐湿熱性
ASTM D638に従って行った。4号ダンベル型試験片(試験片厚み:1/16インチ(1.6mm))を80℃、95%RHにて500時間処理し、引張強さ、引張破断伸び、表面クラックの有無について評価した。
ASTM D638に従って行った。4号ダンベル型試験片(試験片厚み:1/16インチ(1.6mm))を80℃、95%RHにて500時間処理し、引張強さ、引張破断伸び、表面クラックの有無について評価した。
(3)耐アルカリ性
ASTM D638に従って行った。4号ダンベル型試験片(試験片厚み:1/16インチ(1.6mm))を30wt%の水酸化カリウム水溶液80℃にて2000時間浸漬し、引張強さ、引張破断伸び、表面クラックの有無について評価した。
ASTM D638に従って行った。4号ダンベル型試験片(試験片厚み:1/16インチ(1.6mm))を30wt%の水酸化カリウム水溶液80℃にて2000時間浸漬し、引張強さ、引張破断伸び、表面クラックの有無について評価した。
(4)圧入特性
実施例で得られるポリアミド樹脂組成物の蓋型成形品(ガスケットモデル成形品。図1参照。穴径1.00mmの貫通穴を有するボス部あり。)のボス部へ外径1.05mmの金属棒を圧入して、ボス部の割れ発生率を確認した。本評価では成形品100個で確認し、割れ発生数を表1、2に記載した。
実施例で得られるポリアミド樹脂組成物の蓋型成形品(ガスケットモデル成形品。図1参照。穴径1.00mmの貫通穴を有するボス部あり。)のボス部へ外径1.05mmの金属棒を圧入して、ボス部の割れ発生率を確認した。本評価では成形品100個で確認し、割れ発生数を表1、2に記載した。
(5)ガスケット耐久性
片方を閉口したステンレス製円筒型容器(電池本体モデル外殻品。図2参照。)に10wt%の水酸化カリウム水溶液を充満させ、実施例で得られたポリアミド樹脂組成物の蓋型成形品(前記(4)項記載のガスケットモデル成形品)をカシメにより封をすることで液漏れ試験用サンプル(模擬電池)を作成した。これを80℃乾熱下で250h処理し、液の漏れ具合について確認した。本評価では成形品100個で確認し、液漏れ発生数を表1、2に記載した。
片方を閉口したステンレス製円筒型容器(電池本体モデル外殻品。図2参照。)に10wt%の水酸化カリウム水溶液を充満させ、実施例で得られたポリアミド樹脂組成物の蓋型成形品(前記(4)項記載のガスケットモデル成形品)をカシメにより封をすることで液漏れ試験用サンプル(模擬電池)を作成した。これを80℃乾熱下で250h処理し、液の漏れ具合について確認した。本評価では成形品100個で確認し、液漏れ発生数を表1、2に記載した。
(6)成形性
日精樹脂工業射出成形機PS60E9ASEで試験片をシリンダー温度280℃、金型温度80℃に設定し、1000ショットの連続成形を行い、離型性や成形品外観(湯じわ、フローマークなど)など量産生産性評価を行った。
日精樹脂工業射出成形機PS60E9ASEで試験片をシリンダー温度280℃、金型温度80℃に設定し、1000ショットの連続成形を行い、離型性や成形品外観(湯じわ、フローマークなど)など量産生産性評価を行った。
評価結果は○:700ショットで問題なし、△:500〜700ショットで不具合傾向あり、×:500ショット未満で不具合発生と分類した。
[参考例1]
ナイロン610
ヘキサメチレンジアミンとセバシン酸の等モル塩を投入し、投入した全原料と同重量の純水を加え、重合缶内を十分窒素置換した後、撹拌しながら加温を開始した。缶内圧力は最大2MPaに調整しながら最終到達温度は270℃とした。目的の相対粘度になるように重合時間を調整し、溶融ポリマーは水浴中に吐出し、ストランドカッターでペレタイズした。得られたペレットを80℃、12時間の条件で真空乾燥した。
ナイロン610
ヘキサメチレンジアミンとセバシン酸の等モル塩を投入し、投入した全原料と同重量の純水を加え、重合缶内を十分窒素置換した後、撹拌しながら加温を開始した。缶内圧力は最大2MPaに調整しながら最終到達温度は270℃とした。目的の相対粘度になるように重合時間を調整し、溶融ポリマーは水浴中に吐出し、ストランドカッターでペレタイズした。得られたペレットを80℃、12時間の条件で真空乾燥した。
なお、相対粘度はポリアミド樹脂1重量%の98%濃硫酸溶液中、オストワルド粘度計を用いて25℃で測定した。
[参考例2]
ナイロン612
ヘキサメチレンジアミンとドデカン酸の等モル塩を投入し、投入した全原料と同重量の純水を加え、重合缶内を十分窒素置換した後、撹拌しながら加温を開始した。缶内圧力は最大2MPaに調整しながら最終到達温度は270℃とした。目的の相対粘度になるように重合時間を調整し、溶融ポリマーは水浴中に吐出し、ストランドカッターでペレタイズした。得られたペレットを80℃、12時間の条件で真空乾燥した。
ナイロン612
ヘキサメチレンジアミンとドデカン酸の等モル塩を投入し、投入した全原料と同重量の純水を加え、重合缶内を十分窒素置換した後、撹拌しながら加温を開始した。缶内圧力は最大2MPaに調整しながら最終到達温度は270℃とした。目的の相対粘度になるように重合時間を調整し、溶融ポリマーは水浴中に吐出し、ストランドカッターでペレタイズした。得られたペレットを80℃、12時間の条件で真空乾燥した。
なお、相対粘度はポリアミド樹脂1重量%の98%濃硫酸溶液中、オストワルド粘度計を用いて25℃で測定した。
[参考例3]
ナイロン66
ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸の等モル塩を投入し、投入した全原料と同重量の純水を加え、重合缶内を十分窒素置換した後、撹拌しながら加温を開始した。缶内圧力は最大2MPaに調整しながら最終到達温度は270℃とした。目的の相対粘度になるように重合時間を調整し、溶融ポリマーは水浴中に吐出し、ストランドカッターでペレタイズした。得られたペレットを80℃、12時間の条件で真空乾燥した。
ナイロン66
ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸の等モル塩を投入し、投入した全原料と同重量の純水を加え、重合缶内を十分窒素置換した後、撹拌しながら加温を開始した。缶内圧力は最大2MPaに調整しながら最終到達温度は270℃とした。目的の相対粘度になるように重合時間を調整し、溶融ポリマーは水浴中に吐出し、ストランドカッターでペレタイズした。得られたペレットを80℃、12時間の条件で真空乾燥した。
なお、相対粘度はポリアミド樹脂1重量%の98%濃硫酸溶液中、オストワルド粘度計を用いて25℃で測定した。
[実施例1〜6、比較例1〜6]
参考例1〜3で得られた各材料を表1、2に示す割合でドライブレンドし、日精樹脂工業射出成形機PS60E9ASEで試験片をシリンダー温度280℃、金型温度80℃で射出成形し、各特性評価を行った。使用した添加剤類は以下の通りである。
参考例1〜3で得られた各材料を表1、2に示す割合でドライブレンドし、日精樹脂工業射出成形機PS60E9ASEで試験片をシリンダー温度280℃、金型温度80℃で射出成形し、各特性評価を行った。使用した添加剤類は以下の通りである。
脂肪酸金属塩
「Ba−St」(ステアリン酸バリウム):日東化成工業株式会社製
「ステアリン酸カルシウム」:川村化成工業株式会社製
「アルステ#30」(ステアリン酸アルミニウム):川村化成工業株式会社製。
「Ba−St」(ステアリン酸バリウム):日東化成工業株式会社製
「ステアリン酸カルシウム」:川村化成工業株式会社製
「アルステ#30」(ステアリン酸アルミニウム):川村化成工業株式会社製。
脂肪酸アミド
「EBS−SF」(エチレンビスステアリン酸アミド):ライオン株式会社製。
「EBS−SF」(エチレンビスステアリン酸アミド):ライオン株式会社製。
脂肪酸エステル
「Licowax OP」(モンタン酸部分鹸化エステルワックス):
クラリアントジャパン株式会社製
「Licowax OP」(モンタン酸部分鹸化エステルワックス):
クラリアントジャパン株式会社製
1:ボス部
2:薄肉円盤部
3:蓋型成形品(ガスケットモデル)
4:電池本体モデル外殻品
2:薄肉円盤部
3:蓋型成形品(ガスケットモデル)
4:電池本体モデル外殻品
Claims (3)
- (A)ポリアミド100重量部に対して、(B)脂肪酸金属塩0.01〜0.05重量部、(C)脂肪酸アミド0.1〜0.4重量部、(D)脂肪酸エステル0.02〜0.1重量部を配合してなることを特徴とする電池ガスケット用ポリアミド樹脂組成物。
- 前記(A)ポリアミド樹脂がポリヘキサメチレンセバカミドまたはポリヘキサメチレンドデカミドである請求項1記載の電池ガスケット用ポリアミド樹脂組成物。
- 前記(B)脂肪酸金属塩がバリウム塩であることを特徴とする請求項1または2記載の電池ガスケット用ポリアミド樹脂組成物。
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