JP2019035042A - 振動溶着用ポリアミド樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】溶着性、軽量性、耐衝撃性に優れた振動用着用ポリアミド樹脂組成物の提供。
【解決手段】ポリアミド樹脂(A)100重量部に対して、変性ポリオレフィン樹脂(B)8重量部以上17重量部以下と、未変性ポリオレフィン樹脂(C)21重量部以上50重量部以下を含有する、振動溶着用ポリアミド樹脂組成物。
【選択図】なし
【解決手段】ポリアミド樹脂(A)100重量部に対して、変性ポリオレフィン樹脂(B)8重量部以上17重量部以下と、未変性ポリオレフィン樹脂(C)21重量部以上50重量部以下を含有する、振動溶着用ポリアミド樹脂組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は、ポリアミド樹脂に変性ポリオレフィン樹脂および未変性ポリオレフィン樹脂を特定量含有する振動溶着用ポリアミド樹脂組成物に関する。より詳しくは、溶着性、軽量性、耐衝撃性に優れた振動溶着用ポリアミド樹脂組成物およびそれを用いて得られる成形品に関する。
ポリアミド樹脂は、機械特性、耐熱性、耐薬品性などに優れることから、自動車・車両関連部品、資材・建材部品、電気・電子部品などに広く利用されている。近年の樹脂材料の高性能化および成形加工技術の進展に伴い、大型または複雑形状な部品の製造は振動溶着などの後加工技術を組み合わせることが必要となる。特に振動溶着にて一体とした成形品は、応力が集中する振動溶着部で破断し易く、内容物の漏洩防止、外気の混入防止等の目的で、溶着性が要求される。加えて、自動車・車両関連部品では金属材料代替の需要が多く、樹脂材料に軽量性や耐衝撃性が要求される。
ポリアミド樹脂の軽量性、耐衝撃性を向上させる手法として、ポリオレフィン樹脂との溶融混練・押出が一般的に用いられる。しかし、ポリアミド樹脂とポリオレフィン樹脂界面への応力集中が大きく、従来の技術では振動溶着部分の強度が不十分であり、溶着性、軽量性、耐衝撃性を満足することが困難であった。
低温時の耐衝撃性および燃料バリア性を両立させる技術に関して、例えば、ポリアミド樹脂、変性ポリオレフィン樹脂、未変性ポリオレフィン樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂からなり、分散相を形成するポリフェニレンスルフィド樹脂の粒子径が1nm以上300nm以下である熱可塑性樹脂組成物(例えば、特許文献1参照)が提案されている。
一方、低温時の耐衝撃性および視認性を向上させる技術に関して、ポリアミド樹脂、変性ポリオレフィン樹脂、未変性ポリオレフィン樹脂、シランカップリング剤からなる熱可塑性樹脂組成物(例えば、特許文献2参照)が提案されている。
特許文献1に記載された熱可塑性樹脂組成物は、低温時の耐衝撃性および燃料バリア性、特許文献2に記載された熱可塑性樹脂組成物は、低温時の耐衝撃性および視認性を向上させることが記載されている。しかし、いずれの文献においても、軽量性は考慮されておらず、また依然として振動溶着性に劣るという課題がある。また、ポリオレフィン樹脂の種類や含有量が溶着性に影響を与える思想は記載されていない。
本発明は、上記のような実情に鑑み、ポリアミド樹脂、変性ポリオレフィン樹脂、未変性ポリオレフィン樹脂を含有することにより溶着性、軽量性、耐衝撃性に優れる、振動溶着用ポリアミド樹脂組成物およびそれを用いて得られる成形品を提供することにある。
すなわち、本発明は、
(1)ポリアミド樹脂(A)100重量部に対して、変性ポリオレフィン樹脂(B)8重量部以上17重量部以下と、未変性ポリオレフィン樹脂(C)21重量部以上50重量部以下を含有する、振動溶着用ポリアミド樹脂組成物。
(2)変性ポリオレフィン樹脂(B)に対する未変性ポリオレフィン樹脂(C)の重量比率(C/B)が1.2以上3.0以下であることを特徴とする請求項1に記載の振動溶着用ポリアミド樹脂組成物。
(3)請求項1または2に記載の振動溶着用ポリアミド樹脂組成物を含む成形品
(4)請求項3に記載の成形品同士を振動溶着した成形品、
を提供するものである。
(1)ポリアミド樹脂(A)100重量部に対して、変性ポリオレフィン樹脂(B)8重量部以上17重量部以下と、未変性ポリオレフィン樹脂(C)21重量部以上50重量部以下を含有する、振動溶着用ポリアミド樹脂組成物。
(2)変性ポリオレフィン樹脂(B)に対する未変性ポリオレフィン樹脂(C)の重量比率(C/B)が1.2以上3.0以下であることを特徴とする請求項1に記載の振動溶着用ポリアミド樹脂組成物。
(3)請求項1または2に記載の振動溶着用ポリアミド樹脂組成物を含む成形品
(4)請求項3に記載の成形品同士を振動溶着した成形品、
を提供するものである。
本発明の振動溶着用ポリアミド樹脂組成物によれば、溶着性、軽量性、耐衝撃性に優れる成形品を得ることができる。
本発明に用いられる振動溶着用ポリアミド樹脂組成物は、ポリアミド樹脂(A)および変性ポリオレフィン樹脂(B)、未変性ポリオレフィン樹脂(C)を含む。機械特性に優れたポリアミド樹脂とともに、低密度および靭性に優れた変性ポリオレフィン樹脂と未変性ポリオレフィン樹脂を含むことで、溶着性、軽量性、耐衝撃性を向上させることができる。
本発明で用いるポリアミド樹脂(A)とは、アミド結合を有する高分子からなる樹脂のことであり、アミノ酸、ラクタムあるいはジアミンとジカルボン酸を主たる原料とするものである。その原料の代表例としては、6−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、パラアミノメチル安息香酸などのアミノ酸、ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタムなどのラクタム、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−/2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミンなどの脂肪族ジアミン、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミンなどの芳香族ジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、アミノエチルピペラジンなどの脂環族ジアミン、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸などの脂肪族ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2−クロロテレフタル酸、2−メチルテレフタル酸、5−メチルイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸などが挙げられる。本発明においては、これらの原料から誘導されるポリアミドホモポリマーまたはコポリマーを2種以上併用してもよい。
本発明において、特に有用なポリアミド樹脂は、150℃以上の結晶融解温度を有するポリアミド樹脂である。かかるポリアミド樹脂は、耐熱性や機械的強度に優れる。150℃以上の結晶融解温度を有するポリアミド樹脂の具体的な例としては、ポリカプロアミド(ポリアミド6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ポリアミド66)、ポリペンタメチレンアジパミド(ポリアミド56)、ポリテトラメチレンアジパミド(ポリアミド46)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ポリアミド610)、ポリペンタメチレンセバカミド(ポリアミド510)、ポリテトラメチレンセバカミド(ポリアミド410)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ポリアミド612)、ポリウンデカンアミド(ポリアミド11)、ポリドデカンアミド(ポリアミド12)、ポリカプロアミド/ポリヘキサメチレンアジパミドコポリマー(ポリアミド6/66)、ポリカプロアミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミドコポリマー(ポリアミド6/6T)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミドコポリマー(ポリアミド66/6T)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ポリアミド66/6I)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミド/ポリカプロアミドコポリマー(ポリアミド66/6I/6)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ポリアミド6T/6I)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリデカンアミドコポリマー(ポリアミド6T/12)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ポリアミド66/6T/6I)、ポリキシリレンアジパミド(ポリアミドXD6)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリ−2−メチルペンタメチレンテレフタルアミドコポリマー(ポリアミド6T/M5T)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリペンタメチレンテレフタルアミドコポリマー(ポリアミド6T/5T)、ポリペンタメチレンテレフタルアミド/ポリペンタメチレンアジパミドコポリマー(5T/56)、ポリノナメチレンテレフタルアミド(ポリアミド9T)、ポリデカメチレンテレフタルアミド(ポリアミド10T)およびこれらの共重合体などが挙げられる。
とりわけ好ましいものとしては、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド56、ポリアミド610、ポリアミド510、ポリアミド410、ポリアミド612、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド6/66、ポリアミド66/6T、ポリアミド6T/6I、ポリアミド66/6I/6、ポリアミド6T/5T、ポリアミド10Tなどを挙げることができる。必要特性に応じて2種以上用いることもできる。
これらのポリアミド樹脂の中で、成形性、耐熱性、靱性などの観点からポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド6/66、ポリアミド66/6I/6、ポリアミド10Tが好ましい。溶着性、軽量性、耐衝撃性の観点からポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド6/66、ポリアミド66/6I/6が更に好ましい。
ポリアミド樹脂(A)の末端基濃度に特に制限はないが、末端アミノ基濃度が1.5×10−5mol/g以上であるものが、変性ポリオレフィン樹脂との反応性の面で好ましい。ここでいう末端アミノ基濃度とは、85%フェノール−エタノール溶液にポリアミド樹脂を溶解し、チモールブルーを指示薬として使用し、塩酸水溶液で滴定することで測定できる。
ポリアミド樹脂(A)の重合度に特に制限はないが、ISO307に準拠して測定した粘度数として、75ml/g以上250ml/g以下の範囲が好ましい。粘度数が前述の範囲のポリアミド樹脂を用いることで、成形性および機械的強度に優れた振動溶着用ポリアミド樹脂組成物を得ることができる。
本発明において、ポリオレフィン樹脂とは、一般的にガラス転移温度が室温より低い重合体を含有し、分子間の一部が共有結合・イオン結合・ファンデルワールス力・絡み合い等により、互いに拘束されている重合体のことを指す。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ1−ブテン、ポリ1−ペンテン、ポリブタジエン、ポリイソプレンなどの単独重合体、スチレン−ブタジエンのランダム共重合体およびブロック共重合体、該ブロック共重合体の水素添加物、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ブタジエン−イソプレン共重合体などのジエン系ゴム、エチレン−不飽和カルボン酸エステル共重合体、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセン、9−メチル−1−デセン、11−メチル−1−ドデセン、12−エチル−1−テトラデセ等のα−オレフィンが共重合してなるものが挙げられる。
これらの中でも、ポリアミド樹脂の溶着性、軽量性、耐衝撃性向上の観点から、ポリエチレン単独重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合体が好ましく、特にエチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体が好ましい。
本発明において、変性ポリオレフィン樹脂(B)とは、前記ポリオレフィン樹脂の分子中に反応性官能基を有する樹脂である、未変性ポリオレフィン樹脂(C)とは、反応性官能基を有さないポリオレフィン樹脂のことを指す。言い換えると、前記ポリオレフィン樹脂のことを指す。反応性官能基としては、酸無水物基、エポキシ基、アミノ基、カルボキシル基、カルボキシル金属塩およびオキサゾリン基からなる群より選ばれる少なくとも1種の反応性官能基が挙げられる。とりわけエポキシ基、酸無水物基、カルボキシル金属塩はポリアミド樹脂と反応性が高く、しかも分解、架橋などの副反応が少ないため好ましく用いられる。
前記記載の酸無水物基を構成する酸無水物としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸が好適に用いられる。酸無水物基をポリオレフィン樹脂に導入する場合、その方法としては、通常公知の技術で行うことができ、特に制限はないが、例えば、酸無水物とポリオレフィン樹脂の原料である単量体とを共重合する方法、酸無水物をポリオレフィン樹脂にグラフトさせる方法などを用いることができる。
エポキシ基をポリオレフィン樹脂に導入する場合、その方法としては、通常公知の技術で行うことができ、特に制限はないが、例えば、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、エタクリル酸グリシジル、イタコン酸グリシジルなどのα,β−不飽和酸のグリシジルエステル化合物などのエポキシ基を有するビニル系単量体をポリオレフィン樹脂の原料である単量体と共重合する方法、エポキシ基を有する重合開始剤または連鎖移動剤を用いてポリオレフィン樹脂を重合する方法、エポキシ化合物をポリオレフィン樹脂にグラフトさせる方法などを用いることができる。
アミノ基をポリオレフィン樹脂に導入する場合、その方法としては、通常公知の技術で行うことができ、特に制限はないが、例えば、アミノ化合物とポリオレフィン樹脂の原料である単量体とを共重合する方法、アミノ基をポリオレフィン樹脂にグラフトさせる方法などを用いることができる。
カルボキシル基をポリオレフィン樹脂に導入する場合、その方法としては、通常公知の技術で行うことができ、特に制限はないが、例えば、カルボキシル基を有する不飽和カルボン酸系単量体をポリオレフィン樹脂の原料である単量体と共重合する方法などを用いることができる。不飽和カルボン酸の具体的な例としては、(メタ)アクリル酸などが挙げられる。
また、前記カルボキシル基の一部を金属塩としたカルボキシル金属塩も反応性官能基として有効であり、例えば、(メタ)アクリル酸金属塩などが挙げられる。金属塩の金属は、特に限定されないが、好ましくは、ナトリウムなどのアルカリ金属やマグネシウムなどのアルカリ土類金属、亜鉛などが挙げられる。
オキサゾリン基をポリオレフィン樹脂に導入する場合、その方法としては、通常公知の技術で行うことができ、特に制限はないが、例えば、2−イソプロペニル−オキサゾリン、2−ビニル−オキサゾリン、2−アクリロイル−オキサゾリン、2−スチリル−オキサゾリンなどのオキサゾリン基を有するビニル系単量体をゴム質重合体の原料である単量体と共重合する方法などを用いることができる。
変性ポリオレフィン樹脂における、一分子鎖当りの官能基の数については、特に制限はないが、通常1〜10個が好ましく、架橋等の副反応を少なくする為に1〜5個がより好ましい。また、官能基を全く有さない分子が含まれていても構わないが、その割合は少ない程好ましい。
本発明において用いられる振動溶着用ポリアミド樹脂組成物は変性ポリオレフィン樹脂と未変性ポリオレフィン樹脂の両方を含むことで優れた溶着性、軽量性、耐衝撃性を満足することができる。変性ポリオレフィン樹脂のみを用いる場合は、ポリアミド樹脂と過剰に反応し、ゲルや炭化物などの異物や流動性の低下が生じるため好ましくない。また、配合量が少ない場合は、前記した過剰反応は抑制できるが軽量性に優れない。一方、未変性ポリオレフィン樹脂のみを用いる場合は、ポリアミド樹脂と相溶しないため、溶着性、耐衝撃性に優れない。本発明は、変性ポリオレフィン樹脂と未変性ポリオレフィン樹脂を特定量含有することにより、溶着性、軽量性、耐衝撃性を向上することができることを見出したものである。
本発明に用いられる変性ポリオレフィン樹脂(B)の含有量は、ポリアミド樹脂(A)100重量部に対して、8重量部以上17重量部以下である。11重量部以上17重量部以下が好ましい。変性ポリオレフィン樹脂(B)の含有量が8重量部未満の場合は溶着性、軽量性、耐衝撃性に優れない。17重量部を超える場合は溶融混練や成形滞留時にポリアミド樹脂と変性ポリオレフィン樹脂が過剰に反応し、ゲル、炭化物などの異物や流動性の低下が生じるため好ましくない。
また、本発明に用いられる未変性ポリオレフィン樹脂(C)の含有量は、ポリアミド樹脂(A)100重量部に対して、21重量部以上50重量部以下である。21重量部以上35重量部以下が好ましく、21重量部以上30重量部以下がより好ましい。未変性ポリオレフィン樹脂(C)の含有量が21重量部未満の場合は軽量性、耐衝撃性に優れない。50重量部を超える場合は溶着性に好ましくない。
加えて、変性ポリオレフィン樹脂(B)に対する未変性ポリオレフィン樹脂(C)の重量比率(C/B)は1.2以上3.0以下が好ましく、1.2以上2.5以下がより好ましい。変性ポリオレフィン樹脂と未変性ポリオレフィン樹脂の含有量、および変性ポリオレフィン樹脂に対する未変性ポリオレフィン樹脂の重量比率を前記範囲とすることにより、ポリアミド樹脂と変性ポリオレフィン樹脂の過剰反応の抑制、およびポリアミド樹脂と未変性ポリオレフィン樹脂が相溶しつつ、振動溶着用ポリアミド樹脂組成物を低密度化できるため、優れた溶着性を満足しつつ、軽量性、耐衝撃性に優れた振動溶着用ポリアミド樹脂組成物を得ることができる。
本発明に用いられる未変性ポリオレフィン樹脂(C)のISO178に準拠して測定した曲げ弾性率は、1000MPa以下が好ましく、600MPa以下がより好ましく、300MPa以下が更に好ましい。また、未変性ポリオレフィン樹脂(C)に対するポリアミド樹脂(A)の曲げ弾性率比率(A/C)は2.0以上が好ましく、3.5以上がより好ましく、7.0以上が更に好ましく、12.0以上が最も好ましい。前記範囲とすることにより、ポリアミド樹脂とポリオレフィン樹脂の界面に生じる応力を好ましく分散できるため、溶着性、耐衝撃性に優れた振動溶着用ポリアミド樹脂組成物を得ることができる。
本発明において用いられる振動溶着用ポリアミド樹脂組成物は、その特性を損なわない範囲で、必要に応じて、その他の成分を含有しても構わない。
例えば、その特性を損なわない範囲で、必要に応じて、他の熱可塑性樹脂類を含有してもよい。かかる熱可塑性樹脂類としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ乳酸樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリスルホン樹脂、四フッ化ポリエチレン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリチオエーテルケトン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリスチレン樹脂やABS樹脂等のスチレン系樹脂、ポリアルキレンオキサイド樹脂等が挙げられる。かかる熱可塑性樹脂類を2種以上併用することも可能である。かかる熱可塑性樹脂類を用いる場合、ポリアミド樹脂(A)と変性ポリオレフィン樹脂(B)と未変性ポリオレフィン樹脂(C)の合計100重量部に対して、5重量部以下が好ましく、3重量部以下がより好ましく、1重量部以下が更に好ましい。5重量部以下であれば、本発明に用いられる振動溶着用ポリアミド樹脂組成物本来の特性が損なわれない。
また、その特性を損なわない範囲で、必要に応じて、各種充填材を含有してもよい。充填材の形状としては繊維状であっても非繊維状であってもよく、繊維状の充填材と非繊維状充填材を組み合わせて用いてもよい。かかる充填材としては、ガラス繊維、ガラスミルドファイバー、炭素繊維、チタン酸カリウムウィスカ、酸化亜鉛ウィスカ、硼酸アルミニウムウィスカ、アラミド繊維、アルミナ繊維、炭化珪素繊維、セラミック繊維、アスベスト繊維、石コウ繊維、金属繊維などの繊維状充填剤、ワラステナイト、ゼオライト、セリサイト、カオリン、マイカ、クレー、パイロフィライト、ベントナイト、アスベスト、タルク、アルミナシリケートなどの珪酸塩、アルミナ、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化鉄などの金属化合物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイトなどの炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウムなどの硫酸塩、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウムなどの水酸化物、ガラスビーズ、セラミックビーズ、窒化ホウ素および炭化珪素などの非繊維状充填剤が挙げられ、これらは中空であってもよく、さらにはこれら充填剤を2種類以上併用することも可能である。また、これら繊維状および/または非繊維状充填材をイソシアネート系化合物、有機シラン系化合物、有機チタネート系化合物、有機ボラン系化合物、エポキシ化合物などのカップリング剤で予備処理して使用することは、より優れた機械特性を得る意味において好ましい。
機械的強度および寸法安定性等を向上させるため、かかる充填剤を用いる場合、その含有量は特に制限はないが、ポリアミド樹脂(A)と変性ポリオレフィン樹脂(B)と未変性ポリオレフィン樹脂(C)の合計100重量部に対して、5〜200重量部が好ましい。
また、その特性を損なわない範囲で、必要に応じて、各種添加剤を含有してもよい。かかる各種添加剤類としては、例えば、結晶核剤、着色防止剤、ヒンダードフェノール、ヒンダードアミン、ヒドロキノン系、ホスファイト系およびこれらの置換体、ハロゲン化銅、ヨウ化化合物などの酸化防止剤や熱安定剤、レゾルシノール系、サリシレート系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ヒンダードアミン系などの耐候剤、脂肪族アルコール、脂肪族アミド、脂肪族ビスアミド、エチレンビスステアリルアミドや高級脂肪酸エステルなどの離型剤、p−オキシ安息香酸オクチル、N−ブチルベンゼンスルホンアミドなどの可塑剤、滑剤、アルキルサルフェート型アニオン系帯電防止剤、4級アンモニウム塩型カチオン系帯電防止剤、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレートのような非イオン系帯電防止剤、ベタイン系両性帯電防止剤、メラミンシアヌレート、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の水酸化物、ポリリン酸アンモニウム、臭素化ポリスチレン、臭素化ポリフェニレンオキシド、臭素化ポリカーボネート、臭素化エポキシ樹脂あるいはこれらの臭素系難燃剤と三酸化アンチモンとの組み合わせなどの難燃剤、発泡剤などが挙げられる。
かかる酸化防止剤や熱安定剤としては、ヒンダードフェノール系化合物、リン系化合物が好ましく用いられ、ヒンダードフェノール系化合物の具体例としては、トリエチレングリコール−ビス[3−t−ブチル−(5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N、N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナミド)、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ペンタエリスリチルテトラキス[3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−s−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、n−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−フェニル)プロピオネート、3,9−ビス[2−(3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ)−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼンなどが挙げられる。
中でも、エステル型高分子ヒンダードフェノールタイプが好ましく、具体的には、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ペンタエリスリチルテトラキス[3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、3,9−ビス[2−(3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ)−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンなどが好ましく用いられる。
かかる酸化防止剤や熱安定剤のリン系化合物の具体例としては、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト、ビス(2,4−ジ−クミルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビスフェニレンホスファイト、ジ−ステアリルペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト、トリフェニルホスファイト、3,5−ジ−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスフォネートジエチルエステルなどが挙げられる。
各種添加剤類は2種類以上併用することも可能である。その含有量は、特に制限はないが、ポリアミド樹脂(A)と変性ポリオレフィン樹脂(B)と未変性ポリオレフィン樹脂(C)の合計100重量部に対して、0.01〜20重量部が好ましい。
これらの熱可塑性樹脂類、充填材類、各種添加剤類は、振動溶着用ポリアミド樹脂組成物を製造する任意の段階で配合することが可能であり、例えば、ポリアミド樹脂、変性ポリオレフィン樹脂、未変性ポリオレフィン樹脂を配合する際に同時に添加する方法や、溶融混練中にサイドフィード等の手法により添加する方法が挙げられる。
本発明の振動溶着用ポリアミド樹脂組成物は、任意の方法により成形して成形品を得ることが可能であり、成形形状は、任意の形状が可能である。成形方法としては、例えば、押出成形、射出成形、中空成形、カレンダ成形、圧縮成形、真空成形、発泡成形、ブロー成形、回転成形等が挙げられる。成形形状としては、例えば、板状、フィルムまたはシート状、パイプ状、中空状、箱状等の形状が挙げられる。本発明の振動溶着用ポリアミド樹脂組成物は、振動溶着部を有する成形品に適しており、溶着性の観点から本発明の振動溶着用ポリアミド樹脂組成物を成形してなる成形品同士を振動溶着させることが好ましい。本発明の振動溶着部を有する成形品を得るための振動溶着方法としては、常用の方法を用いることができる。
本発明の振動溶着用ポリアミド樹脂組成物を成形してなる成形品は、特に溶着性、軽量性、および耐衝撃性に優れることから、あらゆる用途に適用可能である。例えば、自動車用途としては、エンジンカバー、シリンダーヘッドカバーなどのエンジン部品、インテークマニホールド、ターボチャージャー、エアクリーナー、ターボダクト、EGRバルブなどの吸排気部品、フューエルタンク、フューエルポンプ、インレットチェックバルブ、アウトレットチェックバルブ、燃料ホース用継手、フェールインジェクター、キャニスターなどの燃料装置部品、オイルストレーナ、オイルフィルター、オイルポンプなどの潤滑装置部品、サーモスタットハウジング、ウォータポンプ、リザーバータンクなどの冷却装置部品、トランスミッション周り部品、パワーステアリング周り部品、外装部品、内装部品および電装部品などが挙げられる。また、自動車以外の用途として、内燃機関用途、電動工具ハウジング類、および建材関係部品などが挙げられる。
これらの中でも、熱可塑性樹脂の優れた成形加工性や耐久性を生かし、吸排気部品、燃料装置部品、冷却装置部品、トランスミッション周り部品、パワーステアリング周り部品に好ましく用いられ、吸排気部品、燃料装置部品、冷却装置部品により好ましく用いられる。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例により限定されるものではない。まず、各実施例および比較例における評価方法について説明する。
(1)密度測定
各実施例および比較例で得られたダンベル型試験片について、ISO1183に従い、密度を測定した。
各実施例および比較例で得られたダンベル型試験片について、ISO1183に従い、密度を測定した。
(2)シャルピー衝撃強度測定
各実施例および比較例で得られた衝撃試験片について、ISO179に従い、シャルピー衝撃試験を実施し、衝撃強度を測定した。
各実施例および比較例で得られた衝撃試験片について、ISO179に従い、シャルピー衝撃試験を実施し、衝撃強度を測定した。
(3)溶着性測定
各実施例および比較例により得られた図1、2に示す試験片1、2について、試験片1を振動溶着機の上部に、試験片2を下部に固定し、重ね合わせて振動で摩擦することにより、溶融して接合させて図3に示す成形品3を作製した。なお、試験片1および2の、横の長さ(図1の(1))は148mmであり、縦の長さ(図1の(2))は60mmである。溶着方法は、具体的には、ブランソン社製M−5i2型振動溶着装置を用いて、次の条件で溶着した。
・振動数:240Hz
・加圧力:2.5MPa
・振幅:1.5mm
・溶着代:1.5mm
溶着した成形品について、23℃イワキポンプ社製バースト強度試験機を用いて、図3のAに示す(3)の注入口より速度1.13g/秒の水圧を加え、破裂する際の平均圧力を耐圧強度とし、溶着性の指標とした。
各実施例および比較例により得られた図1、2に示す試験片1、2について、試験片1を振動溶着機の上部に、試験片2を下部に固定し、重ね合わせて振動で摩擦することにより、溶融して接合させて図3に示す成形品3を作製した。なお、試験片1および2の、横の長さ(図1の(1))は148mmであり、縦の長さ(図1の(2))は60mmである。溶着方法は、具体的には、ブランソン社製M−5i2型振動溶着装置を用いて、次の条件で溶着した。
・振動数:240Hz
・加圧力:2.5MPa
・振幅:1.5mm
・溶着代:1.5mm
溶着した成形品について、23℃イワキポンプ社製バースト強度試験機を用いて、図3のAに示す(3)の注入口より速度1.13g/秒の水圧を加え、破裂する際の平均圧力を耐圧強度とし、溶着性の指標とした。
各実施例および比較例に用いた原材料を以下に示す。
ポリアミド樹脂A:DSCを用いて測定した融点225℃、ISO178に準拠して測定した曲げ弾性率が2600MPaであるポリアミド6樹脂。
変性ポリオレフィン樹脂B:無水マレイン酸変性エチレン−ブテン共重合体「“タフマー”(登録商標)MH7020」(三井化学(株)製)。
未変性ポリオレフィン樹脂C−1:ISO178に準拠して測定した曲げ弾性率が120MPaであるエチレン−ヘキセン共重合体「“エボリュー”(登録商標)SP0540」((株)プライムポリマー製)。
未変性ポリオレフィン樹脂C−2:ISO178に準拠して測定した曲げ弾性率が550MPaであるエチレン−ヘキセン共重合体「“エボリュー”(登録商標)SP4030」((株)プライムポリマー製)。
未変性ポリオレフィン樹脂C−3:ISO178に準拠して測定した曲げ弾性率が860MPaである高密度ポリエチレン「“ハイゼックス”(登録商標)2100J」((株)プライムポリマー製)。
ポリアミド樹脂A:DSCを用いて測定した融点225℃、ISO178に準拠して測定した曲げ弾性率が2600MPaであるポリアミド6樹脂。
変性ポリオレフィン樹脂B:無水マレイン酸変性エチレン−ブテン共重合体「“タフマー”(登録商標)MH7020」(三井化学(株)製)。
未変性ポリオレフィン樹脂C−1:ISO178に準拠して測定した曲げ弾性率が120MPaであるエチレン−ヘキセン共重合体「“エボリュー”(登録商標)SP0540」((株)プライムポリマー製)。
未変性ポリオレフィン樹脂C−2:ISO178に準拠して測定した曲げ弾性率が550MPaであるエチレン−ヘキセン共重合体「“エボリュー”(登録商標)SP4030」((株)プライムポリマー製)。
未変性ポリオレフィン樹脂C−3:ISO178に準拠して測定した曲げ弾性率が860MPaである高密度ポリエチレン「“ハイゼックス”(登録商標)2100J」((株)プライムポリマー製)。
(実施例1〜6、比較例1〜6)
上記に示したポリアミド樹脂、変性ポリオレフィン樹脂、未変性ポリオレフィン樹脂を表1、2に示した配合組成で混合し、真空ポンプによる揮発分の除去を行いながら、スクリュー径37mmの2軸押出機(東芝機械社製、TEM37)を使用し、バレル設定温度240〜260℃で溶融押出した。吐出量は70kg/hr、スクリュー回転速度は300回/分であった。吐出樹脂をストランド状に引いて冷却バスを通過させて冷却し、ペレタイザーにより引取りながら裁断することにより、振動溶着用ポリアミド樹脂組成物のペレットを得た。
上記に示したポリアミド樹脂、変性ポリオレフィン樹脂、未変性ポリオレフィン樹脂を表1、2に示した配合組成で混合し、真空ポンプによる揮発分の除去を行いながら、スクリュー径37mmの2軸押出機(東芝機械社製、TEM37)を使用し、バレル設定温度240〜260℃で溶融押出した。吐出量は70kg/hr、スクリュー回転速度は300回/分であった。吐出樹脂をストランド状に引いて冷却バスを通過させて冷却し、ペレタイザーにより引取りながら裁断することにより、振動溶着用ポリアミド樹脂組成物のペレットを得た。
前記振動溶着用ポリアミド樹脂組成物のペレット(実施例1〜6、比較例2〜6)およびポリアミド樹脂のペレット(比較例1)を、日精樹脂工業社製NEX1000成形機を用いて、成形温度260℃、金型温度80℃、射出速度20mm/秒、スクリュー回転数100rpmの条件で射出成形することにより、ISO20753に準拠した長さ170mm、平行部が幅10mm、厚み4mmのダンベル型試験片を得た。得られたダンベル型試験片の平行部から長さ80mmに切り出し、ノッチ加工を行うことにより衝撃試験片を作製した。また、前述と同様の条件で射出成形することにより、図1、2に示す試験片1、2を作製した。
実施例1〜6は、比較例1〜6に比べて、ポリアミド樹脂、変性ポリオレフィン樹脂および未変性ポリオレフィン樹脂を特定量含有するため、優れた溶着性を満足しつつ、軽量性、耐衝撃性に優れた樹脂組成物およびその成形体を得ることができた。
比較例1は、変性ポリオレフィン樹脂および未変性ポリオレフィン樹脂を未配合であるため、溶着性、軽量性、耐衝撃性全てが劣った。比較例2は、変性ポリオレフィン樹脂および未変性ポリオレフィン樹脂の配合量が少ないため、軽量性、耐衝撃性が劣った。比較例3は、未変性ポリオレフィン樹脂の配合量が少ないため、軽量性、耐衝撃性が劣った。比較例4は、変性ポリオレフィン樹脂の配合量が少ないため、溶着性、耐衝撃性が劣った。比較例5は、未変性ポリオレフィン樹脂の配合量が多いため、溶着性が劣った。比較例6は、変性ポリオレフィン樹脂および未変性ポリオレフィン樹脂の配合量が多いため、溶着性が劣った。
Claims (4)
- ポリアミド樹脂(A)100重量部に対して、変性ポリオレフィン樹脂(B)8重量部以上17重量部以下と、未変性ポリオレフィン樹脂(C)21重量部以上50重量部以下を含有する、振動溶着用ポリアミド樹脂組成物。
- 変性ポリオレフィン樹脂(B)に対する未変性ポリオレフィン樹脂(C)の重量比率(C/B)が1.2以上3.0以下であることを特徴とする請求項1に記載の振動溶着用ポリアミド樹脂組成物。
- 請求項1または2に記載の振動溶着用ポリアミド樹脂組成物を含む成形品。
- 請求項3に記載の成形品同士を振動溶着した成形品。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017157729A JP2019035042A (ja) | 2017-08-18 | 2017-08-18 | 振動溶着用ポリアミド樹脂組成物 |
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Cited By (2)
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WO2020050326A1 (ja) * | 2018-09-07 | 2020-03-12 | 株式会社クラレ | 熱可塑性樹脂組成物 |
WO2021015098A1 (ja) * | 2019-07-24 | 2021-01-28 | 東レ株式会社 | 樹脂組成物およびその樹脂組成物からなる樹脂成形品 |
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2017
- 2017-08-18 JP JP2017157729A patent/JP2019035042A/ja active Pending
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WO2021015098A1 (ja) * | 2019-07-24 | 2021-01-28 | 東レ株式会社 | 樹脂組成物およびその樹脂組成物からなる樹脂成形品 |
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