JP2015212342A - 高圧水素に触れる成形品用のポリアミド樹脂組成物およびそれを用いた成形品 - Google Patents

高圧水素に触れる成形品用のポリアミド樹脂組成物およびそれを用いた成形品 Download PDF

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Abstract

【課題】耐衝撃性に優れ、高圧水素の充填、放圧を繰り返しても欠陥点の発生が抑制された成形品を得ることのできるポリアミド樹脂組成物を提供する。【解決手段】ポリアミド樹脂(A)およびポリエーテルアミドエラストマー(B)を配合してなる、高圧水素に触れる成形品用のポリアミド樹脂組成物。ポリアミド樹脂(A)とポリエーテルアミドエラストマー(B)との合計100重量部に対して、ポリアミド樹脂(A)50〜95重量部およびポリエーテルアミドエラストマー(B)5〜50重量部を配合してなるポリアミド樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリアミド樹脂とポリエーテルアミドエラストマーを配合してなる、高圧水素に触れる成形品用のポリアミド樹脂組成物およびそれを成形してなる成形品に関するものである。
近年、石油燃料の枯渇の課題や、有害ガス排出量の削減の要請に対応するために、水素と空気中の酸素を電気化学的に反応させて発電する燃料電池を自動車に搭載し、燃料電池が発電した電気をモータに供給して駆動力とする燃料電池電気自動車が注目されてきている。水素は分子サイズが小さいため、比較的分子サイズの大きい天然ガスなどに比べ、樹脂中を透過し易いこと、高圧水素は常圧の水素に比べ、樹脂中に蓄積される量が多くなることなどから、これまでの樹脂製タンクでは、高圧水素の充填、放圧を繰り返すと、変形や破壊が起こる課題があった。
燃料電池電気自動車の水素ガスなどの加圧流体の貯蔵に用いられるタンクとしては、例えば、金属製端部品と、端部品を包囲したポリアミド樹脂製のライナ、ライナを包囲する熱硬化性樹脂を含浸させた繊維の構造用層とを備えるタンクが検討されている(例えば、特許文献1参照)。また、水素タンクライナーとして、例えば、ポリアミド6、共重合ポリアミド、および耐衝撃材を含むポリアミド樹脂組成物からなる水素タンクライナー用材料を成形してなる水素タンクライナーが検討されている(例えば、特許文献2参照)。
特表2011−505523号公報 特開2009−191871号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたタンクは、使用過程で強い衝撃が加わった際に割れ等が発生する可能性があり、耐衝撃性の改善が望まれていた。一方、特許文献2に記載された水素タンクライナーは、耐衝撃性に優れるものの、高圧水素の充填、放圧を繰り返すと、水素タンクライナーに欠陥点が生じる課題があり、高圧水素の充填、放圧を繰り返した際の欠陥点の抑制が望まれていた。
本発明は、上記従来技術の課題に鑑み、耐衝撃性に優れ、高圧水素の充填、放圧を繰り返しても欠陥点の発生が抑制された成形品を得ることのできるポリアミド樹脂組成物を提供することを課題とする。
上記目的を達成するために、本発明は以下の構成を有するものである。
(1)ポリアミド樹脂(A)およびポリエーテルアミドエラストマー(B)を配合してなる、高圧水素に触れる成形品用のポリアミド樹脂組成物、
(2)ポリアミド樹脂(A)とポリエーテルアミドエラストマー(B)との合計100重量部に対して、ポリアミド樹脂(A)50〜95重量部およびポリエーテルアミドエラストマー(B)5〜50重量部を配合してなる、(1)記載の高圧水素に触れる成形品用のポリアミド樹脂組成物、
(3)(1)〜(2)のいずれかに記載の高圧水素に触れる成形品用のポリアミド樹脂組成物を成形してなる、高圧水素に触れる成形品。
本発明の高圧水素に触れる成形品用のポリアミド樹脂組成物によれば、耐衝撃性に優れ、高圧水素の充填、放圧を繰り返しても欠陥点の発生が抑制された成形品を提供することができる。本発明の成形品は、耐衝撃性に優れ、高圧水素の充填、放圧を繰り返しても欠陥点が発生しにくい特徴を活かして、高圧水素に触れる用途に用いられる成形品として有用に展開することが可能となる。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明の高圧水素に触れる成形品用のポリアミド樹脂組成物(以下、「ポリアミド樹脂組成物」と記載する場合がある)は、少なくともポリアミド樹脂(A)とポリエーテルアミドエラストマー(B)を配合してなる。ポリアミド樹脂(A)は、成形性、ガスバリア性に優れ、耐衝撃性に優れるポリエーテルアミドエラストマー(B)と組み合わせることで、成形性に優れ、さらに、耐衝撃性に優れ、高圧水素の充填、放圧を繰り返しても欠陥点が発生しにくい成形品を得ることができるポリアミド樹脂組成物を提供することができる。
本発明に用いられるポリアミド樹脂(A)とは、アミド結合を有する高分子のことである。ポリアミド樹脂(A)は、一般的に、アミノ酸、ラクタムあるいはジアミンとジカルボン酸を主たる原料として得ることができる。その原料の代表例としては、例えば、6−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、パラアミノメチル安息香酸などのアミノ酸、ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタムなどのラクタム、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−/2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミンなどの脂肪族ジアミン、メタキシレンジアミン、パラキシリレンジアミンなどの芳香族ジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、アミノエチルピペラジンなどの脂環族ジアミン、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸などの脂肪族ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2−クロロテレフタル酸、2−メチルテレフタル酸、5−メチルイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸などが挙げられる。本発明においては、これらの原料から誘導されるポリアミドホモポリマーまたはコポリマーを用いることができる。かかるポリアミド樹脂を2種以上配合してもよい。
本発明において好ましく用いられるポリアミド樹脂(A)の具体的な例としては、ポリカプロアミド(ナイロン6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリペンタメチレンアジパミド(ナイロン56)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン46)、ポリテトラメチレンセバカミド(ナイロン410)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン610)、ポリペンタメチレンセバカミド(ナイロン510)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン612)、ポリウンデカンアミド(ナイロン11)、ポリドデカンアミド(ナイロン12)、ポリデカメチレンテレフタルアミド(ナイロン10T)、ポリカプロアミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミドコポリマー(ナイロン6/6T)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6T)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6I)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミド/ポリカプロアミドコポリマー(ナイロン66/6I/6)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン6T/6I)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリドデカンアミドコポリマー(ナイロン6T/12)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6T/6I)、ポリキシリレンアジパミド(ナイロンXD6)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリ−2−メチルペンタメチレンテレフタルアミドコポリマー(ナイロン6T/M5T)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリペンタメチレンテレフタルアミドコポリマー(ナイロン6T/5T)およびこれらの共重合体などが挙げられる。これらを2種以上配合してもよい。
ポリアミド樹脂(A)の重合度には特に制限がないが、樹脂濃度0.01g/mlの98%濃硫酸溶液中、25℃で測定した相対粘度が、1.5〜7.0の範囲であることが好ましい。相対粘度が1.5以上であれば、ポリアミド樹脂組成物の粘度が適度に高くなり、成形時の空気の巻き込みを抑制し、成形性をより向上させることができる。相対粘度は1.8以上がより好ましい。一方、相対粘度が7.0以下であれば、ポリアミド樹脂組成物の粘度が適度に低くなり、成形性をより向上させることができる。なお、ポリアミド樹脂(A)を2種以上配合する場合は、複数のポリアミド樹脂全体としての相対粘度が上記範囲にあることが好ましい。
本発明に用いられるポリエーテルアミドエラストマー(B)とは、ポリアミドブロックとポリエーテルブロックを有するエラストマーを指す。主鎖中にエステル結合を含まないことが好ましく、成形品の加水分解を抑制することができる。ポリエーテルアミドエラストマー(B)は、ポリエーテルジアミン化合物、ジカルボン酸化合物およびポリアミド形成性モノマーを重合することにより得ることができる。
ポリエーテルジアミン化合物としては、下記一般式(1)で表されるトリブロックエーテルジアミン化合物が好ましい。これらを2種以上用いてもよい。
Figure 2015212342
上記一般式(1)中、xは1〜20の範囲、yは4〜50の範囲、zは1〜20の範囲を表す。xは1〜12の範囲がより好ましく、yは8〜30の範囲がより好ましく、zは1〜12の範囲がより好ましい。
ジカルボン酸化合物としては、下記一般式(2)で表される化合物が好ましい。これらを2種以上用いてもよい。
Figure 2015212342
上記一般式(2)中、Rは炭化水素鎖を含む連結基を表し、mは0または1を表す。Rの炭素原子数は1〜12が好ましく、4〜10がより好ましい。
上記一般式(2)で表されるジカルボン酸化合物としては、例えば、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸などの炭素数2〜25の直鎖脂肪族ジカルボン酸、トリグリセリドの分留により得られる不飽和脂肪酸を二量化した炭素数2〜500の二量化脂肪族ジカルボン酸(ダイマー酸)やこれらの水素添加物(水添ダイマー酸)などの脂肪族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸などを挙げることができる。
ポリアミド形成性モノマーとしては、例えば、アミノカルボン酸化合物、ラクタム化合物、ジアミンとジカルボン酸との反応物またはそれらの塩などが挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。これらの中でも、下記一般式(3)で表されるアミノカルボン酸化合物または(4)で表されるラクタム化合物が好ましい。
Figure 2015212342
上記一般式(3)中、Rは炭化水素鎖を含む連結基を表す。Rの炭素原子数は2〜20が好ましく、5〜11がより好ましい。上記一般式(4)中、Rは炭化水素鎖を含む連結基を表す。Rの炭素原子数は3〜20が好ましく、5〜11がより好ましい。
上記一般式(3)で表されるアミノカルボン酸化合物としては、例えば、6−アミノカプロン酸、7−アミノヘプタン酸、8−アミノオクタン酸、10−アミノカプリン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸などの炭素数5〜20の脂肪族ω−アミノカルボン酸などを挙げることができる。
上記一般式(4)で表されるラクタム化合物としては、例えば、ε−カプロラクタム、ω−エナントラクタム、ω−ウンデカラクタム、ω−ドデカラクタム、2−ピロリドンなどの炭素数5〜20の脂肪族ラクタムなどを挙げることができる。
ジアミンとジカルボン酸との反応物またはそれらの塩において、ジアミンとしては、例えば、脂肪族ジアミン、脂環式ジアミン、芳香族ジアミン、これらの誘導体などを挙げることができる。ジカルボン酸としては、脂肪族ジカルボン酸、脂環式ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、これらの誘導体などを挙げることができる。特に、脂肪族ジアミンおよび/またはその誘導体と、脂肪族ジカルボン酸および/またはその誘導体とを組み合わせることにより、低比重で、引張り伸びが大きく、耐衝撃性に優れ、溶融成形性が良好なポリエーテルアミドエラストマーを得ることができる。
脂肪族ジアミンの具体例としては、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、3−メチルペンタメチレンジアミンなどの炭素数2〜20の脂肪族ジアミンを挙げることができる。
脂肪族ジカルボン酸の具体例としては、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸などの炭素数2〜20の脂肪族ジカルボン酸を挙げることができる。
ジアミンとジカルボン酸との反応物またはそれらの塩において、ジアミンとジカルボン酸とのモル比(ジアミン/ジカルボン酸)は、0.9〜1.1の範囲が好ましく、容易に高分子量化することができる。ジアミンとジカルボン酸とのモル比(ジアミン/ジカルボン酸)は0.93以上がより好ましく、0.95以上がさらに好ましく、0.97以上がさらに好ましい。一方、1.07以下がより好ましく、1.05以下がさらに好ましく、1.03以下がさらに好ましい。
ポリエーテルアミドエラストマー(B)を構成する全成分に対する、ポリエーテルジアミン化合物の割合は、2〜87重量%が好ましい。ポリエーテルアミドエラストマーを構成する全成分に対するポリエーテルジアミン化合物の割合が2重量%以上であれば、エラストマーとしての特性が十分に発現され、成形品の靭性を向上させることができる。7重量%以上がより好ましい。一方、ポリエーテルアミドエラストマーを構成する全成分に対するポリエーテルジアミン化合物の割合が87重量%以下であれば、ポリアミドに特徴的な優れた力学的強度が発現され、成形品の強度を向上させることができる。78重量%以下がより好ましい。
また、ポリエーテルアミドエラストマー(B)を構成する全成分に対する、ポリアミド形成性モノマーの割合は、10〜95重量%が好ましい。ポリエーテルアミドエラストマーを構成する全成分に対するポリアミド形成性モノマーの割合が10重量%以上であれば、ポリアミド構造の高い結晶性により、成形品の強度、弾性率などの機械特性を向上させることができる。15重量%以上がより好ましい。一方、ポリエーテルアミドエラストマーを構成する全成分に対するポリアミド形成性モノマーの割合が95重量%以下であれば、成形品のゴム弾性や柔軟性などのエラストマーとしての機能、性能をより向上させることができる。
ポリエーテルアミドエラストマー(B)は、前述のポリエーテルジアミン化合物、ジカルボン酸化合物およびポリアミド形成性モノマーに加え、必要に応じてその他の成分を重合してもよい。
ポリエーテルアミドエラストマー(B)の硬度(ショアD)は、15〜70の範囲が好ましい。なお、本発明において、硬度(ショアD)は、JIS K6253−1997に準拠して測定することができる。
ポリエーテルアミドエラストマー(B)の相対粘度(ηr)は、1.2〜2.0の範囲にあることが好ましい。なお、本発明において、相対粘度は、0.5質量/容量%メタクレゾール溶液を用いて、25℃で測定した値をいう。
ポリエーテルアミドエラストマー(B)の製造方法としては、例えば、前記トリブロックポリエーテルジアミン化合物、ジカルボン酸化合物、ポリアミド形成性モノマーおよび必要に応じてその他の成分を、加圧および/または常圧下で溶融重合し、必要に応じさらに減圧下で溶融重合する方法を挙げることができる。トリブロックポリエーテルジアミン化合物、ジカルボン酸化合物およびポリアミド形成性モノマーを同時に重合してもよいし、ポリアミド形成性モノマーとジカルボン酸化合物を先に重合させ、ついで、トリブロックポリエーテルジアミン化合物を重合してもよい。
ポリエーテルアミドエラストマー(B)の製造において、原料を仕込む方法は、特に制限はないが、トリブロックポリエーテルジアミン化合物とジカルボン酸化合物は、トリブロックポリエーテルジアミン化合物のアミノ基とジカルボン酸のカルボキシ基がほぼ等モルになるように仕込むことが好ましい。
重合温度は、150〜300℃が好ましい。重合温度が150℃以上であれば、重合反応を効率よく進行させることができる。160℃以上がより好ましく、180℃以上がさらに好ましい。一方、重合温度が300℃以下であれば、熱分解が抑えられ、良好な物性のポリエーテルアミドエラストマー(B)を得ることができる。280℃以下がより好ましく、250℃以下がさらに好ましい。
ポリエーテルアミドエラストマー(B)は、ポリアミド形成性モノマーとしてアミノカルボン酸を使用する場合、常圧溶融重合または常圧溶融重合とそれに続く減圧溶融重合により製造することができる。一方、ポリアミド形成性モノマーとしてラクタム化合物、またはジアミンとジカルボン酸との反応物またはそれらの塩を用いる場合には、適量の水を共存させ、0.1〜5MPaの加圧下での溶融重合とそれに続く常圧溶融重合および/または減圧溶融重合により製造することができる。
重合時間は、通常0.5〜30時間である。重合時間が0.5時間以上であれば、重合度を高め、前述の相対粘度を有するポリエーテルアミドエラストマー(B)を容易に得ることができる。一方、重合時間が30時間以下であれば、熱分解による着色などが抑えられ、所望の物性を有するポリエーテルアミドエラストマー(B)を得ることができる。
ポリエーテルアミドエラストマー(B)の製造は、回分式でも、連続式でも実施することができる。また、重合装置としては、バッチ式反応釜、一槽式ないし多槽式の連続反応装置、管状連続反応装置などを挙げることができる。これらを2種以上組みあわせてもよい。
ポリエーテルアミドエラストマー(B)を製造する際に、必要に応じて、ラウリルアミン、ステアリルアミンなどのモノアミン、ヘキサメチレンジアミン、メタキシリレンジアミンなどのジアミン、酢酸、安息香酸、ステアリン酸などのモノカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸などのジカルボン酸などを添加してもよく、分子量を所望の範囲に調節したり、成形加工時の溶融粘度をより安定化することができる。これらを2種以上添加してもよい。これらの添加量は、得られるポリエーテルアミドエラストマー(B)の特性を阻害しない範囲とすることが好ましい。
ポリエーテルアミドエラストマー(B)を製造する際に、必要に応じて、リン酸、ピロリン酸、ポリリン酸、亜リン酸、次亜リン酸、およびこれらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩などの無機系リン化合物を触媒として添加することができる。これらを2種以上添加してもよい。亜リン酸、次亜リン酸、およびこれらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩などの無機系リン化合物は、触媒として作用することに加え、耐熱剤としても作用する。これら触媒の添加量は、通常、仕込み原料に対して50〜3000ppmである。
本発明におけるポリエーテルアミドエラストマー(B)の例としては、市販品として、“UBESTA”(登録商標)XPA 9035X1、同9035F1、同9040X1、同9040F1、同9048X1、同9048F1、同9055X1、同9055F1、同9063X1、同9063F1、同9068X1、同9068F1、同9040X2、同9048X2、同9040F2、同9048F2、同9068TF1、同9063TF1、同9055TF1、同9048TF1(いずれも宇部興産(株)製)などを挙げることができる。
本発明のポリアミド樹脂組成物におけるポリアミド樹脂(A)とポリエーテルアミドエラストマー(B)との配合量には特に制限はないが、ポリアミド樹脂(A)とポリエーテルアミドエラストマー(B)との合計100重量部に対して、ポリアミド樹脂(A)を50〜95重量部、ポリエーテルアミドエラストマー(B)を5〜50重量部配合してなることが好ましい。ポリアミド樹脂(A)の配合量を50重量部以上、ポリエーテルアミドエラストマー(B)の配合量を50重量部以下とすることにより、より高圧の水素で充填、放圧を繰り返しても、欠陥点の発生をより抑制することができる。一方、ポリアミド樹脂(A)の配合量を95重量部以下、ポリエーテルアミドエラストマー(B)の配合量を5重量部以上とすることにより、成形品の耐衝撃性をより向上させることができる。
本発明のポリアミド樹脂組成物には、その特性を損なわない範囲で、必要に応じて、前記(A)および(B)以外のその他の成分を配合しても構わない。その他の成分としては、例えば、充填材、前記(A)および(B)以外の熱可塑性樹脂類、ゴム類、各種添加剤類などを挙げることができる。
例えば、充填材を配合することにより、成形品の強度および寸法安定性等を向上させることができる。充填材の形状は、繊維状であっても非繊維状であってもよく、繊維状充填材と非繊維状充填材を組み合わせて用いてもよい。繊維状充填材としては、例えば、ガラス繊維、ガラスミルドファイバー、炭素繊維、チタン酸カリウムウィスカ、酸化亜鉛ウィスカ、硼酸アルミニウムウィスカ、アラミド繊維、アルミナ繊維、炭化珪素繊維、セラミック繊維、アスベスト繊維、石コウ繊維、金属繊維などが挙げられる。非繊維状充填材としては、例えば、ワラステナイト、ゼオライト、セリサイト、カオリン、マイカ、クレー、パイロフィライト、ベントナイト、アスベスト、タルク、アルミナシリケートなどの珪酸塩、アルミナ、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化鉄などの金属酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイトなどの金属炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウムなどの金属硫酸塩、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウムなどの金属水酸化物、ガラスビーズ、セラミックビーズ、窒化ホウ素および炭化珪素など剤が挙げられ、これらは中空であってもよい。また、これら繊維状および/または非繊維状充填材を、カップリング剤で予備処理して使用することは、より優れた機械特性を得る意味において好ましい。カップリング剤としては、例えば、イソシアネート系化合物、有機シラン系化合物、有機チタネート系化合物、有機ボラン系化合物、エポキシ化合物などが挙げられる。
熱可塑性樹脂類としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ乳酸樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリスルホン樹脂、四フッ化ポリエチレン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリチオエーテルケトン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂やABS樹脂等のスチレン系樹脂、ポリアルキレンオキサイド樹脂等が挙げられる。かかる熱可塑性樹脂類を2種以上配合することも可能である。
ゴム類としては、例えば、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエンのランダム共重合体およびブロック共重合体、該ブロック共重合体の水素添加物、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ブタジエン−イソプレン共重合体などのジエン系ゴム、エチレン−プロピレンのランダム共重合体およびブロック共重合体、エチレン−ブテンのランダム共重合体およびブロック共重合体、エチレンとα−オレフィンとの共重合体、エチレン−アクリル酸、エチレン−メタクリル酸などのエチレン−不飽和カルボン酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル、エチレン−メタクリル酸エステルなどのエチレン−不飽和カルボン酸エステル共重合体、不飽和カルボン酸の一部が金属塩である、エチレン−アクリル酸−アクリル酸金属塩、エチレン−メタクリル酸−メタクリル酸金属塩などのエチレン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸金属塩共重合体、アクリル酸エステル−ブタジエン共重合体ブチルアクリレート−ブタジエン共重合体などのアクリル系弾性重合体、エチレン−酢酸ビニルなどのエチレンと脂肪酸ビニルとの共重合体、エチレン−プロピレン−エチリデンノルボルネン共重合体、エチレン−プロピレン−ヘキサジエン共重合体などのエチレン−プロピレン非共役ジエン3元共重合体、ブチレン−イソプレン共重合体、塩素化ポリエチレンおよびそれらの変性物などが好ましい例として挙げられる。かかるゴム類を2種以上配合することも可能である。
各種添加剤類としては、例えば、結晶核剤、着色防止剤、ヒンダードフェノール、ヒンダードアミンなどの酸化防止剤、エチレンビスステアリルアミドや高級脂肪酸エステルなどの離型剤、可塑剤、熱安定剤、滑剤、紫外線防止剤、着色剤、難燃剤、発泡剤などが挙げられる。
本発明のポリアミド樹脂組成物には、ポリアミド樹脂(A)とともに銅化合物を配合することが好ましく、長期耐熱性を向上させることができる。銅化合物としては、例えば、塩化第一銅、塩化第二銅、臭化第一銅、臭化第二銅、ヨウ化第一銅、ヨウ化第二銅、硫酸第二銅、硝酸第二銅、リン酸銅、酢酸第一銅、酢酸第二銅、サリチル酸第二銅、ステアリン酸第二銅、安息香酸第二銅および前記無機ハロゲン化銅とキシリレンジアミン、2−メルカプトベンズイミダゾール、ベンズイミダゾールなどの錯化合物などが挙げられる。これらを2種以上配合してもよい。なかでも1価の銅化合物、とりわけ1価のハロゲン化銅化合物が好ましく、酢酸第1銅、ヨウ化第1銅などが好ましい。銅化合物の配合量は、ポリアミド樹脂(A)100重量部に対して0.01重量部以上が好ましく、0.015重量部以上がより好ましい。一方、成形時の金属銅の遊離に起因する着色を抑制する観点から、2重量部以下が好ましく、1重量部以下がより好ましい。
また、銅化合物とともにハロゲン化アルカリを配合してもよい。ハロゲン化アルカリ化合物としては、例えば、塩化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム、塩化カリウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム、臭化ナトリウムおよびヨウ化ナトリウムなどを挙げることができる。これらを2種以上配合してもよい。ヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウムが特に好ましい。
本発明のポリアミド樹脂組成物は、高圧水素に触れる成形品用に用いられる。
ここでいう高圧水素に触れる成形品とは、常圧以上の圧力の水素に触れる成形品である。高圧水素の充填、放圧を繰り返したときの欠陥点の発生を抑制する効果を奏することから、20MPa以上の水素に触れる成形品用途に好ましく用いられ、30MPa以上の水素に触れる成形品用途により好ましく用いられる。一方、200MPa以下の水素に触れる成形品用途に好ましく用いられ、150MPa以下の水素に触れる成形品用途により好ましく用いられ、100MPaの水素に触れる成形品用途にさらに好ましく用いられる。高圧水素に触れる成形品としては、例えば、高圧水素用開閉バルブ、高圧水素用逆止弁、高圧水素用減圧弁、高圧水素用圧力調整弁、高圧水素用シール、高圧水素用ホース、高圧水素用タンク、高圧水素用ライナー、高圧水素用パイプ、高圧水素用パッキン、高圧水素用圧力センサ、高圧水素用ポンプ、高圧水素用チューブ、高圧水素用レギュレーター、高圧水素用フィルム、高圧水素用シート、高圧水素用繊維、高圧水素用継ぎ手等が挙げられる。
次に、本発明のポリアミド樹脂組成物の製造方法について説明する。本発明のポリアミド樹脂組成物の製造方法には特に制限はなく、例えば、ポリアミド樹脂(A)とポリエーテルアミドエラストマー(B)および必要に応じてその他成分を一括混練する方法、いずれかを溶融した後に残る成分を混練する方法などが挙げられる。混練装置としては、例えば、バンバリーミキサー、ロール、押出機等の公知の混練装置を採用することができる。本発明のポリアミド樹脂組成物にゴム類、各種添加剤類などのその他成分を配合する場合、これらを任意の段階で配合することができる。例えば、二軸押出機により本発明のポリアミド樹脂組成物を製造する場合、ポリアミド樹脂(A)とポリエーテルアミドエラストマー(B)を配合する際にその他成分を同時に配合する方法や、ポリアミド樹脂(A)とポリエーテルアミドエラストマー(B)を溶融混練中にサイドフィード等の手法によりその他成分を配合する方法や、予めポリアミド樹脂(A)とポリエーテルアミドエラストマー(B)を溶融混練した後にその他成分を配合する方法や、予めポリアミド樹脂(A)またはポリエーテルアミドエラストマー(B)にその他成分を配合して溶融混練した後、残りのポリアミド樹脂(A)またはポリエーテルアミドエラストマー(B)を配合する方法などが挙げられる。
本発明のポリアミド樹脂組成物は、任意の方法により成形して成形品を得ることが可能であり、成形形状は、任意の形状が可能である。成形方法としては、例えば、押出成形、射出成形、中空成形、カレンダ成形、圧縮成形、真空成形、発泡成形、ブロー成形、回転成形等が挙げられる。成形形状としては、例えば、ペレット状、板状、繊維状、ストランド状、フィルムまたはシート状、パイプ状、中空状、箱状等の形状が挙げられる。
本発明の成形品は、耐衝撃性に優れ、高圧水素の充填、放圧を繰り返しても欠陥点の発生が抑制される優れた特徴を活かして、高圧水素用開閉バルブ、高圧水素用逆止弁、高圧水素用減圧弁、高圧水素用圧力調整弁、高圧水素用シール、高圧水素用ホース、高圧水素用タンク、高圧水素用ライナー、高圧水素用パイプ、高圧水素用パッキン、高圧水素用圧力センサ、高圧水素用ポンプ、高圧水素用チューブ、高圧水素用レギュレーター、高圧水素用フィルム、高圧水素用シート、高圧水素用繊維、高圧水素用継ぎ手等に好適に用いることができる。
以下、実施例を挙げて本発明の効果をさらに具体的に説明する。なお、本発明は、下記実施例に限定されるものではない。各実施例および比較例における評価は、次の方法で行った。
(1)耐衝撃性:Izod衝撃強度
各実施例および比較例により得られたペレットから、住友重機械工業(株)製射出成形機(SG−75H−MIV)を用いて、金型温度80℃、射出速度10mm/秒、保圧10MPa、保圧時間10秒、冷却時間20秒の成形条件で、1/8インチIzod衝撃試験片を射出成形した。なお、射出成形機の温度は、ホッパ下から先端に向かって、220℃−225℃−230℃−230℃に設定した。
得られた1/8インチIzod衝撃試験片についてASTM D256に従い23℃にて耐衝撃性(ノッチ付きIzod衝撃強度)を測定した。7本測定した平均値をIzod衝撃強度とした。Izod衝撃強度が500J/m以上のものを○、500J/mより低いものを×とした。
(2)高圧水素の充填、放圧繰り返し特性:欠陥点
各実施例および比較例により得られたペレットから、住友重機械工業(株)製射出成形機(SG−75H−MIV)を用いて、金型温度80℃、射出速度10mm/秒、保圧10MPa、保圧時間10秒、冷却時間20秒の成形条件で、63.5mm×12.6mm×12.6mmの角柱試験片を射出成形した。なお、射出成形機の温度は、ホッパ下から先端に向かって、220℃−225℃−230℃−230℃に設定した。
得られた63.5mm×12.6mm×12.6mmの角柱試験片をフライス加工により5mm×5mm×5mmの立方体に加工した。加工した試験片について、ヤマト科学(株)製TDM1000−ISにてX線CT解析を行い、欠陥点の有無を観察した。欠陥点のない試験片をオートクレーブに入れた後、オートクレーブ中に水素ガスを20MPaまで5分間かけて注入し、1時間保持した後、5分間かけて常圧になるまで減圧し、これを1サイクルとして100サイクル繰り返した。100サイクル繰り返し後の試験片について、ヤマト科学(株)製TDM1000−ISにてX線CT解析を行い、1μm以上の欠陥点の有無を観察し、欠陥点のないものを○、あるものを×とした。
各実施例および比較例に用いた原料と略号を以下に示す。
ポリアミド樹脂(A)
PA6:ポリアミド6樹脂(融点223℃、樹脂濃度0.01g/mlの98%濃硫酸溶液中25℃における相対粘度2.75)
PA6/66:ポリアミド6/66樹脂「“UBEナイロン”(登録商標)5034B」(宇部興産(株)製)
ポリエーテルアミドエラストマー(B)
TPA:ポリエーテルアミドエラストマー「“UBESTA”(登録商標)9040X1」(宇部興産(株)製)
その他添加剤
耐衝撃剤1:無水マレイン酸変性EBR「“タフマー”(登録商標)MH5020」(三井化学(株)製)
耐衝撃剤2:アイオノマー樹脂「“ハイミラン”(登録商標)1706」(デュポン(株)製)
[実施例1、比較例1〜3]
表1記載の各原料を、シリンダー温度を240℃に設定し、ニーディングゾーンを2つ設けたスクリューアレンジとし、スクリュー回転数を200rpmとした2軸スクリュー押出機(JSW社製TEX30XSSST)(L/D=45.5(なお、ここでのLは原料供給口から吐出口までの長さ、Dはスクリュー径である。))に供給して溶融混練し、ダイから吐出したガットを5℃に温調した水を満たした冷却バス中を20秒間かけて通過させることで急冷した後、ストランドカッターでペレタイズし、ペレットを得た。得られたペレットを用いて、前述の方法により評価した結果を表1に記載した。
Figure 2015212342
以上の結果から、ポリアミド樹脂(A)とポリエーテルアミドエラストマー(B)を配合して得られたポリアミド樹脂組成物を成形して得られる成形品は、耐衝撃性に優れ、高圧水素の充填、放圧を繰り返しても欠陥点の発生が抑制されていることがわかった。
本発明のポリアミド樹脂組成物によれば、耐衝撃性に優れ、高圧水素の充填、放圧を繰り返しても欠陥点の発生が抑制された成形品を得ることができる。本発明のポリアミド樹脂組成物を成形してなる成形品は、これらの特性を活かして高圧水素に触れる成形品に広く用いることができる。

Claims (3)

  1. ポリアミド樹脂(A)およびポリエーテルアミドエラストマー(B)を配合してなる、高圧水素に触れる成形品用のポリアミド樹脂組成物。
  2. ポリアミド樹脂(A)とポリエーテルアミドエラストマー(B)との合計100重量部に対して、ポリアミド樹脂(A)50〜95重量部およびポリエーテルアミドエラストマー(B)5〜50重量部を配合してなる、請求項1記載の高圧水素に触れる成形品用のポリアミド樹脂組成物。
  3. 請求項1〜2のいずれかに記載の高圧水素に触れる成形品用のポリアミド樹脂組成物を成形してなる、高圧水素に触れる成形品。
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