JP2007092004A - ポリアミド樹脂組成物、および構造体 - Google Patents

ポリアミド樹脂組成物、および構造体 Download PDF

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【課題】本発明はポリアミド樹脂、および繊維状強化材からなり、溶着に好適に用いることができるポリアミド樹脂組成物、およびそれからなる構造体を提供することを課題とする。
【解決手段】アミノ基濃度が4.0×10−5〜5.7×10−5eq/gであり、かつISO307に準拠したポリアミド樹脂の粘度数が110〜160ml/g以下であるポリアミド樹脂(a)90〜40重量%、繊維状強化材(b)10〜60重量%からなるポリアミド樹脂組成物であって、290℃雰囲気下で30分間処理した時の粘度数の変化度合いが、処理前の粘度数に対して95〜110%である溶着用ポリアミド樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明はポリアミド樹脂、および繊維状強化材からなり、溶着に好適に用いることができるポリアミド樹脂組成物、およびそれからなる構造体に関する。
近年、環境問題に対する意識の高まりから車体の軽量化への要求が高まっており、金属から樹脂への置き換えが進んでいる。樹脂への置き換えが進む他の理由として、形状自由度の高さが挙げられる。
形状自由度の優位性をさらに高めるため、複数成形品を組み合わせて(溶着して)中空体を成形することが行われている。このような組み合わせ(溶着)の工法として、振動溶着、熱板溶着、ダイスライド・インジェクションなどの射出溶着などが知られている。
最近ではこれら工法による適用範囲を一層拡大すべく、溶着強度をさらに向上するための技術が提案されている。
例えば、アミノ基濃度がポリマー1kgあたり60ミリ当量以上であるポリアミド樹脂と非晶性部分芳香族共重合ポリアミドからなる組成物によって射出溶着強度を向上させる技術が提案されている(例えば特許文献1、2)。しかしながら、高アミノ基濃度のポリアミド樹脂組成物は滞留時に増粘が起こりやく、その結果成形性などの点で不具合を引き起こす可能性がある。
また、逆に滞留時の増粘挙動抑制のためポリアミド樹脂にカルボキシル基またはアミノ基含有化合物を添加する技術が提案されている(例えば特許文献3〜5)。しかしながら、これら公知例には初期のポリアミド樹脂の末端基量の記載がない。すなわちカルボキシル基またはアミノ基含有化合物を添加することにより粘度上昇抑制は可能だが、初期のポリアミド樹脂の末端基量によっては粘度低下を引き起こし、その結果振動溶着などによる溶着強度が低下する問題がある。
特開2002−30214号公報([0013]〜[0015]段落) 特開2002−30215号公報([0012]〜[0014]段落) 特開平8−151517号公報([0015]〜[0017]段落) 特開平10−323901号公報([0013]〜[0019]段落) 特開平10−323902号公報([0013]〜[0017]段落)
本発明はポリアミド樹脂、および繊維状強化材からなり、溶着に好適に用いることができるポリアミド樹脂組成物、およびそれからなる構造体を提供することを課題とする。
上記課題は主として、
(1)アミノ基濃度が4.0×10−5〜5.7×10−5eq/gであり、かつISO307に準拠したポリアミド樹脂の粘度数が110〜160ml/gであるポリアミド樹脂(a)90〜40重量%、繊維状強化材(b)10〜60重量%からなるポリアミド樹脂組成物であって、290℃雰囲気下で30分間処理した時の粘度数の変化度合いが、処理前の粘度数に対して95〜110%である溶着用ポリアミド樹脂組成物、
(2)ポリアミド樹脂(a)がポリアミド6であることを特徴とする上記(1)記載の溶着用ポリアミド樹脂組成物、
(3)繊維状強化材(b)がガラス繊維であることを特徴とする(1)または(2)記載の溶着用ポリアミド樹脂組成物、
(4)上記(1)〜(3)のいずれかに記載の溶着用ポリアミド樹脂組成物を振動溶着、超音波溶着、スピン溶着、射出溶着から選ばれる1種以上の方法を用いて溶着したポリアミド樹脂構造体、
(5)中空部を有することを特徴とする上記(4)記載のポリアミド樹脂構造体、
によって解決できる。
本発明により、従来のポリアミド樹脂組成物よりも溶着強度に優れたポリアミド樹脂組成物を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
本発明で用いるポリアミド樹脂(a)とは、アミノ酸、ラクタムあるいはジアミンとジカルボン酸を主たる構成成分とするポリアミドである。その主要構成成分の代表例としては、6−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、パラアミノメチル安息香酸などのアミノ酸、ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタムなどのラクタム、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−/2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、アミノエチルピペラジンなどの脂肪族、脂環族、芳香族のジアミン、およびアジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2−クロロテレフタル酸、2−メチルテレフタル酸、5−メチルイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸などの脂肪族、脂環族、芳香族のジカルボン酸が挙げられ、本発明においては、これらの原料から誘導されるナイロンホモポリマーまたはコポリマーを各々単独または混合物の形で用いることができる。
本発明において、特に有用なポリアミド樹脂(a)の具体的な例としてはポリカプロアミド(ナイロン6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン46)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン612)、ポリウンデカンアミド(ナイロン11)、ポリドデカンアミド(ナイロン12)、ポリカプロアミド/ポリヘキサメチレンアジパミドコポリマー(ナイロン6/66)、ポリカプロアミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミドコポリマー(ナイロン6/6T)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6T)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミド/ポリカプロアミドコポリマー(ナイロン66/6I/6)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6I)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン6T/6I)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリドデカンアミドコポリマー(ナイロン6T/12)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6T/6I)、ポリキシリレンアジパミド(ナイロンXD6)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリ−2−メチルペンタメチレンテレフタルアミドコポリマー(ナイロン6T/M5T)、ポリノナメチレンテレフタルアミド(ナイロン9T)、およびこれらの混合物、ないし共重合体などが挙げられる。
中でもナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン6/66コポリマー、ナイロン66/6Iコポリマー、ナイロン66/6I/6コポリマーが好ましく、特にナイロン6が機械特性や溶着特性などの点で好ましい。
ポリアミド樹脂(a)の含有量は、機械特性や流動性の点で90〜40重量%であり、好ましくは85〜55重量%である。
ポリアミド樹脂(a)のアミノ基濃度は、溶着強度や滞留時の流動性変化などの点で4.0×10−5〜5.7×10−5eq/gであることが必要であり、好ましくは4.3×10−5〜5.5×10−5eq/gである。ここで言うアミノ基濃度は、フェノール/エタノールを83.5/16.5(体積比)で混合した溶液25ccにペレット0.5gを溶解し、0.02N塩酸を用いて滴定することにより測定することができる。4.0×10−5eq/g未満では滞留により流動性が向上(粘度が低下)し、その結果振動溶着や熱板溶着などの溶着強度が低下する。5.7×10−5eq/gを越えると滞留により流動性が低下(粘度が増大)し、その結果射出溶着強度が低下し、また成形性の不具合(ショートショットや反り)が発生する。
また、ポリアミド樹脂(a)の重合度、すなわち溶媒として96%硫酸を使用したISO307に準拠して測定した粘度数としては、機械特性や流動性の点で110〜160ml/gの範囲である必要があり、特に120〜150ml/gのものが好ましい。粘度数が110以下の場合、靭性および振動溶着や熱板溶着などの溶着強度に劣り、160以上の場合、流動性および射出溶着強度に劣る。
さらにポリアミド樹脂組成物を290℃雰囲気下で30分処理した時の粘度数の変化度合いが、処理前の粘度数の95〜110%であることが流動性や溶着強度の点で必要である。すなわち、大型成形品を成形する場合など滞留時間が長くなることがあるが、その際粘度数の変化度合いが95%未満まで大幅に低下すると振動溶着や熱板溶着などの溶着強度の低下を招く。逆に、粘度数の変化度合いが110%を越えて大幅に増大すると流動性が低下するため射出溶着強度の低下を招き、また安定した品質の成形品を得ることが困難になる。
なお、一般にポリアミド樹脂組成物中のポリアミド樹脂は加熱によって分解と後重合の反応が起こり、分解が支配的であれば粘度数が小さくなり、後重合が支配的であれば粘度数が大きくなる。従って、本発明におけるポリアミド樹脂組成物を290℃雰囲気下で30分処理した時の粘度数の変化度合いは、滞留前後の滞留安定性の指標とすることができる。また290℃雰囲気下で30分処理する方法は、充分に乾燥したポリアミド樹脂組成物を290℃に昇温したメルトフローインデックス内で30分間放置した後、吐出する方法を採用することができる。
本発明のポリアミド樹脂組成物には、長期耐熱性を向上させるために銅化合物が好ましく用いられる。銅化合物の具体的な例としては、塩化第一銅、塩化第二銅、臭化第一銅、臭化第二銅、ヨウ化第一銅、ヨウ化第二銅、硫酸第二銅、硝酸第二銅、リン酸銅、酢酸第一銅、酢酸第二銅、サリチル酸第二銅、ステアリン酸第二銅、安息香酸第二銅および前記無機ハロゲン化銅とキシリレンジアミン、2−メルカプトベンズイミダゾール、ベンズイミダゾールなどの銅化合物などが挙げられる。なかでも1価のハロゲン化銅化合物が好ましく、酢酸第1銅、ヨウ化第1銅などを特に好適な銅化合物として例示できる。銅化合物の添加量は、通常ポリアミド樹脂100重量部に対して0.01〜2重量部であることが好ましく、さらに0.015〜1重量部の範囲であることが好ましい。添加量が多すぎると溶融成形時に金属銅の遊離が起こり、着色により製品の価値を減ずることになる。本発明では銅化合物と併用する形でハロゲン化アルカリを添加することも可能である。このハロゲン化アルカリ化合物の例としては、塩化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム、塩化カリウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム、臭化ナトリウムおよびヨウ化ナトリウムを挙げることができ、ヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウムが特に好ましい。
本発明に用いる繊維状強化材(b)としては、特に限定されるものではないが、ガラス繊維、PAN系やピッチ系の炭素繊維、ステンレス繊維、アルミニウム繊維や黄銅繊維などの金属繊維、芳香族ポリアミド繊維などの有機繊維、石膏繊維、セラミック繊維、アスベスト繊維、ジルコニア繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、酸化チタン繊維、炭化ケイ素繊維、ロックウール、チタン酸カリウムウィスカー、窒化ケイ素ウィスカーなどが挙げられる。中でも機械特性などの点でガラス繊維や炭素繊維が好ましく、より好ましくはガラス繊維である。
本発明に用いる繊維状強化材(b)は機械特性や溶着特性の点で、10〜60重量%含有され、好ましくは15〜45重量%含有される。
また、上記の繊維状強化材(b)は2種以上を併用して使用することもできる。なお、本発明に使用する繊維状強化材(b)はその表面を公知のカップリング剤(例えば、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤など)、その他の表面処理剤で処理することは、より優れた機械的強度を得る意味において好ましい。
本発明のポリアミド樹脂組成物中には本発明の効果を損なわない範囲で他の成分、例えば酸化防止剤や耐熱安定剤(ヒンダードフェノール系、ヒドロキノン系、ホスファイト系およびこれらの置換体等)、耐候剤(レゾルシノール系、サリシレート系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ヒンダードアミン系等)、離型剤および滑剤(モンタン酸およびその金属塩、そのエステル、そのハーフエステル、ステアリルアルコール、ステアラミド、各種ビスアミド、ビス尿素およびポリエチレンワックス等)、顔料(硫化カドミウム、フタロシアニン、カーボンブラック等)、染料(ニグロシン等)、結晶核剤(タルク、シリカ、カオリン、クレー等)、可塑剤(p−オキシ安息香酸オクチル、N−ブチルベンゼンスルホンアミド等)、帯電防止剤(アルキルサルフェート型アニオン系帯電防止剤、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレートのような非イオン系帯電防止剤、ベタイン系両性帯電防止剤等)、難燃剤(例えば、赤燐、メラミンシアヌレート、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の水酸化物、ポリリン酸アンモニウム、臭素化ポリスチレン、臭素化ポリフェニレンエーテル、臭素化ポリカーボネート、臭素化エポキシ樹脂あるいはこれらの臭素系難燃剤と三酸化アンチモンとの組み合わせ等)、他の重合体を添加することができる。
本発明のポリアミド樹脂組成物の製造方法としては特に限定されるものではなく、公知の方法を用いることができる。例えば、押出機にポリアミド樹脂(a)と繊維状強化材(b)を供給し溶融混練する方法や、連続した繊維状強化材(b)の周囲にポリアミド樹脂(a)を被覆した後、10mm程度の長さに切断する方法などを採用することができる。
本発明のポリアミド樹脂構造体は、ポリアミド樹脂組成物を成形して得られる構造体を振動溶着、超音波溶着、スピン溶着、熱板溶着、射出溶着から選ばれる1種以上の方法を用いて得られるものである。また、これらの方法は一般に中空体を成形する工法であり、本発明の溶着用ポリアミド樹脂組成物からなるポリアミド樹脂構造体は中空部を有する構造を持つことができる。
ポリアミド樹脂組成物を成形する方法としては、例えば、押出成形、射出成形、射出圧縮成形、ブロー成形、プレス成形などが挙げられ、特に限定されないが、生産性などの点から射出成形や射出圧縮成形が好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明の骨子は以下の実施例にのみ限定されるものではない。
(1)原材料
下記参考例に従い、作成したポリアミド6樹脂を使用した。
参考例1
カプロラクタム10kgおよび水0.2kg、酢酸12gを30Lオートクレーブに仕込み、2時間かけて温度200℃、圧力10kg/cmとした。10kg/cmに制圧しながら2時間かけて250℃に昇温した。この制圧時間中に生成してくる水を徐々に留去した。この後、2時間かけて放圧し、更に250℃で2時間重合反応を行った。その後内容物をストランドとして取出し、ペレタイザーにかけてペレット化した。得られたペレットを沸騰水で10時間抽出した後、80℃で24時間の真空乾燥を行った。得られたペレットの粘度数は132ml/g、アミノ基濃度は4.4×10−5eq/gであった。
参考例2
参考例1とは酢酸の添加量を1gに変えたこと、250℃・2時間の重合反応後に250℃・−300Torrの状態で2時間の重合反応を追加したこと以外は同様の方法でポリアミドを重合した。得られたペレットの粘度数は155ml/g、アミノ基濃度は4.3×10−5eq/gであった。
参考例3
参考例1とは酢酸の添加量を2gに変えた以外は同様の方法でポリアミドを重合した。得られたペレットの粘度数は120ml/g、アミノ基濃度は5.5×10−5eq/gであった。
参考例4
参考例1とは酢酸の添加量を20gに変えた以外は同様の方法でポリアミドを重合した。得られたペレットの粘度数は105ml/g、[NH]アミノ基濃度は4.4×10−5eq/gであった。
参考例5
参考例1とは酢酸の添加量を0gに変えたこと、250℃・2時間の重合反応後に250℃・−300Torrの状態で2時間の重合反応を追加したこと以外は同様の方法でポリアミドを重合した。得られたペレットの粘度数は165ml/g、[NH]アミノ基濃度は4.1×10−5eq/gであった。
参考例6
参考例1とは酢酸の添加量を16gに変えた以外は同様の方法でポリアミドを重合した。得られたペレットの粘度数は120ml/g、[NH]アミノ基濃度は3.8×10−5eq/gであった。
<繊維状強化材>
ガラス繊維:T249(繊維径13μm、繊維長3mmチョップドストランド)(日本電気硝子社製)。
(2)コンパウンド
日本製鋼所製TEX30に、上記ポリアミド樹脂を元込めし、繊維状強化材をサイドフィードして混練、ペレット化した(組成比は表1参照)。
(3)成形、振動溶着
得られたペレットを日本製鋼所社製J220EII−2M成形機を使用し、図1、2に示す成形品を成形した。得られた成形品をBRANSON社製2850を使用し振動溶着した。
溶着条件:振幅1.5mm、溶着深さ1.5mm、加圧力0.7MPa。
(4)射出溶着
得られたペレットを日本製鋼所社製J220EII−2M成形機を使用し、図3に示す成形品をDSI(ダイスライド・インジェクション)成形法によって得た。
(5)溶着強度(バースト強度)
振動溶着および射出溶着にて得た成形品については、イワキポンプ社製バースト強度試験機を用いてバースト強度を測定した。
(6)滞留試験(滞留安定性)
東洋精機製メルトインデクサーを用いて290℃で30分間処理した後吐出し、得られたサンプルの粘度数(ISO307準拠、96%硫酸使用)を測定した。未処理ペレットの粘度数も測定し、ペレットの粘度数に対する変化度合いを求めた。
(7)引張、曲げ、シャルピー衝撃
ISO1874−2に準拠し試験片を成形した。各特性は引張(ISO527−1,2)、曲げ(ISO178)、ノッチ付きシャルピー衝撃(ISO179)に従い、測定した。
実施例1〜5、比較例1〜5
表1に示す組成比にてコンパウンドし、各特性を評価した。表1に結果も併せて示す。
Figure 2007092004
実施例および比較例より本発明のポリアミド樹脂組成物、およびそれからなる構造体は良好な溶着特性を有している。
振動溶着試験片(アッパーピース) 振動溶着試験片(ロアピース) 射出溶着試験片
符号の説明
1 溶着部
2 2次材

Claims (5)

  1. アミノ基濃度が4.0×10−5〜5.7×10−5eq/gであり、かつISO307に準拠したポリアミド樹脂の粘度数が110〜160ml/g以下であるポリアミド樹脂(a)90〜40重量%、繊維状強化材(b)10〜60重量%からなるポリアミド樹脂組成物であって、290℃雰囲気下で30分間処理した時の粘度数の変化度合いが、処理前の粘度数に対して95〜110%である溶着用ポリアミド樹脂組成物。
  2. ポリアミド樹脂(a)がポリアミド6であることを特徴とする請求項1記載の溶着用ポリアミド樹脂組成物。
  3. 繊維状強化材(b)がガラス繊維であることを特徴とする請求項1または2記載の溶着用ポリアミド樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の溶着用ポリアミド樹脂組成物を振動溶着、超音波溶着、スピン溶着、熱板溶着、射出溶着から選ばれる1種以上の方法を用いて溶着したポリアミド樹脂構造体。
  5. 中空部を有することを特徴とする請求項4記載のポリアミド樹脂構造体。
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