JP2006282943A - 成形性が改良されたポリアミド樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】
ポリアミド樹脂ペレットを成形する際に、ポリマーが溶融し始めるスクリュー領域に不具合が生じにくい、成形品の生産性に優れるポリアミド樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】
ポリアミド樹脂ペレット100重量部の表面に、融点100〜200℃の脂肪酸金属塩で平均粒径1〜30μmの滑剤、中でもステアリン酸カルシウムからなる滑剤0.01〜0.10重量部が付着していることを特徴とする、ポリアミド樹脂組成物。
【選択図】 なし
Description
本発明は射出成形性に優れたポリアミド樹脂に関するものである。さらに詳しくは、ポリアミド樹脂ペレット100重量部の表面に、融点100〜200℃の高級脂肪酸金属塩で平均粒径1〜30μmの滑剤0.01〜0.10重量部が付着していることを特徴とするポリアミド樹脂組成物に関する。
射出成形加工に使用されるポリアミド樹脂は、生産性、経済性の見地から、連続安定成形および成形サイクルの短縮など成形性の改良が求められている。この要求に対し、脂肪族炭化水素、高級脂肪酸、高級脂肪族アルコール、高級脂肪酸金属塩、高級脂肪酸エステルなどの滑剤が使用されている。従来は大型成形機における多数個取りが生産性の面で有効とされていたが、現在は、従来から更に成形品が小型・精密化しており、射出成形により得られる成形品のキャビティーバラツキを抑える観点から小型の射出成形機を用いることが主流となっている。小型の射出成形機では、滞留時間が短いこと、ヒーター容量が低いことからポリマーが溶融し始めるスクリュー領域に不具合(可塑化時間が長い、可塑化時間が安定しない等の可塑化特性不良)を生じやすく、この改良のため、特許文献1または特許文献2において前記のような滑剤をペレット上に存在させることで、可塑化特性を改善することが試みられているが、充分ではない。
特開平8−157712号公報
特開平4−65464号公報
本発明は、成形性に優れたポリアミド樹脂組成物の提供を課題とするものである。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、融点100〜200℃で、かつ平均粒径1〜30μmである高級脂肪酸金属塩0.01〜0.10重量部をポリアミド樹脂ペレット100重量部の表面に付着させることが極めて有用であることを見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明は、
(1)ポリアミド樹脂ペレット100重量部の表面に、融点100〜200℃の高級脂肪酸金属塩で平均粒径1〜30μmの滑剤0.01〜0.10重量部が付着していることを特徴とするポリアミド樹脂組成物、
(2)前記滑剤がステアリン酸の金属塩であることを特徴とする(1)のポリアミド樹脂組成物、
(3)前記滑剤がステアリン酸カルシウムであることを特徴とする(1)または(2)のポリアミド樹脂組成物、
を提供するものである。
(1)ポリアミド樹脂ペレット100重量部の表面に、融点100〜200℃の高級脂肪酸金属塩で平均粒径1〜30μmの滑剤0.01〜0.10重量部が付着していることを特徴とするポリアミド樹脂組成物、
(2)前記滑剤がステアリン酸の金属塩であることを特徴とする(1)のポリアミド樹脂組成物、
(3)前記滑剤がステアリン酸カルシウムであることを特徴とする(1)または(2)のポリアミド樹脂組成物、
を提供するものである。
本発明によれば、成形の際にポリマーが溶融し始めるスクリュー領域に不具合が生じにくい、成形品の生産性に優れるポリアミド樹脂組成物を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。本発明において[重量]とは、[質量]を意味する。
本発明で使用するポリアミド樹脂としては、アミノ酸、ラクタムあるいはジアミンとジカルボン酸を主たる構成成分とするポリアミドである。その主要構成成分の代表例としては、6−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、パラアミノメチル安息香酸などのアミノ酸、ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタムなどのラクタム、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−/2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、メタキシレンジアミン、パラキシレンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクをロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、アミノエチルピペラジンなどの脂肪族、脂環族、芳香族のジアミン、およびアジピン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2−クロロテレフタル酸、2−メチルテレフタル酸、5−メチルイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸などの脂肪族、脂環族、芳香族のジカルボン酸が挙げられ、本発明においては、これらの原料から誘導されるナイロンホモポリマーまたはコポリマーを各々単独または混合物の形で用いることができる。
本発明において、特に有用なポリアミド樹脂は、150℃以上の融点を有する耐熱性や強度に優れたポリアミド樹脂であり、具体的な例としてはポリカプロアミド(ナイロン6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン46)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン612)、ポリウンデカンアミド(ナイロン11)、ポリドデカンアミド(ナイロン12)、ポリカプロアミド/ポリヘキサメチレンアジパミドコポリマー(ナイロン6/66)、ポリカプロアミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミドコポリマー(ナイロン6/6T)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6T)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミド/ポリカプロアミドコポリマー(ナイロン66/6I/6)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6I)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン6T/6I)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリドデカンアミドコポリマー(ナイロン6T/12)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6T/6I)、ポリキシリレンアジパミド(ナイロンXD6)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリ−2−メチルペンタメチレンテレフタルアミドコポリマー(ナイロン6T/M5T)、ポリノメチレンテレフタルアミド(ナイロン9T)およびこれらの混合物などが挙げられる。
中でもナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン6/66コポリマー、ナイロン66/6Iコポリマー、ナイロン66/6I/6コポリマーが好ましい。また、ポリアミド樹脂は2種類以上併用することも可能である。
これらポリアミド樹脂の重合度には特に制限がないが、サンプル濃度0.01g/mlの98%濃硫酸溶液中、25℃で測定した相対粘度としては、1.5〜7.0の範囲のものが好ましく、特に2.0〜6.0の範囲のポリアミド樹脂が好ましい。
尚、ポリアミド樹脂ペレットの形状は特に規定はないが、長さ1.0〜4.0mm、長径0.7〜3.5mm、短径0.6〜3.0mmであることが好ましく、可塑化特性の向上には小粒ペレットが有効であり、より好ましくは長さ1.0〜3.5mm、長径0.7〜2.8mm、短径0.6〜2.5mmである。
本発明で用いられる滑剤は、融点100〜200℃の高級脂肪酸金属塩が好ましく、具体例としては、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸鉛等のステアリン酸の金属塩であり、中でも、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウムが好ましく、より好ましくはステアリン酸カルシウムである。
更に、本発明では成形時の可塑化特性向上の観点から前記滑剤は平均粒径が1〜30μmであることが好ましく、より好ましくは3〜20μmである。平均粒径1μm未満では成形機ホッパーへの投入時等にて滑剤が粉塵となり舞うことから、規定量添加されず、その効果が低減するばかりか、作業環境が悪化する。また、平均粒径30μmを越えると可塑化特性の向上効果が低減する。
また、成形時の可塑化特性および低アウトガス性の観点から、前記100〜200℃の高級脂肪酸金属塩からなる滑剤の添加量はポリアミド樹脂ペレット100重量部に対して、0.01〜0.10重量部が好ましく、より好ましくは、0.015〜0.08重量部である。ポリアミド樹脂100重量部に対し滑剤の付着量が0.01重量部未満では、可塑化特性の向上効果が不十分であり、また0.10重量部を越えると金型汚染等が酷くなり、金型メンテナン周期が短くなり生産性を低下させることになり好ましくない。
本発明において、ポリアミド樹脂ペレット表面に滑剤を付着させる方法としては、公知のいかなる方法を用いてもさしつかえなく、例えば、タンブラー型のブレンダーあるいは、ヘンシェルミキサーに、該ポリアミド樹脂ペレットと滑剤を投入し、混合して該滑剤を該ポリアミド樹脂ペレット表面に付着させる方法が挙げられる。また、本発明の効果を損なわない範囲で、該滑剤を該ポリアミド樹脂に均一に付着させ、更に付着後再び脱落させないために、あらかじめ該ポリアミド樹脂ペレットの表面に、ミネラルオイル、ポリエチレングリコール等の高沸点を有し常温で粘性を有する液体を均一に付着させておき、次いで該滑剤を均一に付着させる方法を用いても構わない。
本発明ではさらに耐熱性、機械強度等を向上させるためにポリアミド樹脂に無機充填材を添加することが可能である。無機充填材としては、特に限定されるものではないが、繊維状、板状、粉末状、粒状などの充填材を使用することができる。具体的には、ガラス繊維、PAN系やピッチ系の炭素繊維、ステンレス繊維、アルミニウム繊維や黄銅繊維などの金属繊維、芳香族ポリアミド繊維などの有機繊維、石膏繊維、セラミック繊維、アスベスト繊維、ジルコニア繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、酸化チタン繊維、炭化ケイ素繊維、ロックウール、チタン酸カリウムウィスカー、窒化ケイ素ウィスカーなどの繊維状、ウィスカー状充填材、ワラステナイト、セリサイト、カオリン、マイカ、クレー、ベントナイト、アスベスト、タルク、アルミナシリケートなどの珪酸塩、モンモリロナイト、合成雲母などの膨潤性の層状珪酸塩、アルミナ、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化鉄などの金属化合物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイトなどの炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウムなどの硫酸塩、ガラスビーズ、セラミックビーズ、窒化ホウ素、炭化珪素、燐酸カルシウムおよびシリカなどの非繊維状充填材が挙げられる。上記充填材中、ガラス繊維、マイカ、タルク、焼成カオリン、ウォラストナイトおよび導電性が必要な場合にはPAN系の炭素繊維が好ましく使用される。ガラス繊維の種類は、一般に樹脂の強化用に用いるものなら特に限定はなく、例えば長繊維タイプや短繊維タイプのチョップドストランド、ミルドファイバーなどから選択して用いることができる。また、上記の充填材は2種以上を併用して使用することもできる。なお、本発明に使用する上記の充填材はその表面を公知のカップリング剤(例えば、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤など)、その他の表面処理剤および膨潤性の層状珪酸塩では有機化オニウムイオンで予備処理することは、より優れた機械的強度を得る意味において好ましい。また、ガラス繊維はエチレン/酢酸ビニル共重合体などの熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂で被膜あるいは集束されていてもよい。
本発明ではさらに、難燃性を付与するためにポリアミド樹脂に難燃剤および難燃助剤を添加することが可能である。難燃剤としては特に限定されるものでないが、臭素系難燃剤、トリアジン系難燃剤、水和金属系難燃剤等が使用できる。また、難燃助剤としてはアンチモン化合物を使用できる。
臭素系難燃剤とは、芳香族臭素置換体、脂肪族臭素置換体等であり、分子内にリン、窒素等が同時に存在するものであっても差し支えない。例示すれば、テトラブロモジフェニルエーテル、オクタブロモジフェニルエーテル、デカブロモジフェニルエーテル等のジフェニルエーテルの臭素化合物やトリフェニレンオキサイドの臭素化物、テトラブロモビスフェノールA、トリブロモフェノール、トリス(トリブロモフェニル)ホスファイト、ヘキサブロモシクロドデカン、テトラブロモシクロオクタン、テトラブロモ無水フタル酸とジアミンのイミド縮合物、ペンタブロモトルエン、ヘキサブロモベンゼン、トリス(トリブロモフェノキシ)シアヌレート、1,2−ビス(ペンタブロモフェノキシ)エタン等や、さらにはテトラブロモビスフェノールA、ジグリシジルエーテルのポリマーやトリブロモフェノールの付加物、テトラブロモビスフェノールAのポリカーボネート、臭素化ポリスチレン、ポリ臭素化ポリスチレン、臭素化ポリフェニレンオキサイド等の含臭素ポリマーも含まれる。また、難燃助剤として、アンチモン化合物を併用することで、難燃効率が高くなる。難燃助剤としては、三酸化アンチモン、四酸化アンチモン、五酸化アンチモン、トリフェニルアンチモン等が挙げられるが、三酸化アンチモンが好ましい。
トリアジン系難燃剤とは、環内に3個の窒素原子をもつアジンのことをいい、その具体例としては、シアヌル酸メラミン、メラミン、硫酸ジメラミン、リン酸メラミン、ポリリン酸メラミン等のメラミン化合物およびポリリン酸アンモニウムをなどが挙げられる。また、無機系難燃剤とは、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム等がある。
本発明のポリアミド樹脂組成物には、さらに本発明の目的を損なわない範囲で、銅系熱安定剤、ヒンダードフェノール系、リン系およびチオエーテル系などの酸化防止剤、ヒンダードアミン系などの光安定剤、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、シアノアクリレート系、サリシレート系およびセラミックス系などの紫外線吸収剤、帯電防止剤、核剤および染料・顔料を含む着色剤などの通常の添加剤を1種以上添加することができる。
また、本発明のポリアミド樹脂組成物には、さらに本発明の目的を損なわない範囲で、着色剤マスターを1種以上ポリアミド樹脂組成物にブレンドすることができる。
本発明の組成物は、射出成形、押出成形、ブロー成形など各種成形に適用できるが、中でも、射出成形に好適に用いられ、コネクター、ブレーカー、スイッチ、コイルボビン、ホルダー、プラグ、リレー、ターミナル等の電気・電子部品および自動車用各種成形品に成形できる。また射出成形においては、成形性に優れることから生産性が向上するなどのメリットが挙げられる。
以下、実施例、比較例により具体的に説明するが、これらは例示として記載するものであって、本発明はこれらに限定されるものではない。また、以下に説明する実施例および比較例で得られたポリアミド樹脂組成物の性能は、下記(1)〜(5)に記載の測定法により評価した。
(1)可塑化特性
射出成形機(ファナック株式会社製ROBOSHOT S−2000i5A)を用いて下記の条件にて100ショット連続成形時の計量時間を確認した。
成形条件
シリンダー温度(℃) :280−275−275−275−90
金型温度(℃) :80
計量(mm) :25
スクリュー回転数(rpm):100
成形サイクル(sec) :射出/冷却=2/5
成形品形状 :円盤形成形品(直径30mm、厚み1mm)
(2)金型汚染性
射出成形機(住友機械 SE30)を用いて下記の条件にて100ショット連続成形時の金型流動末端部の汚れを目視で確認した。
成形条件
シリンダー温度(℃) :290−280−270−260
金型温度(℃) :80
計量(mm) :30
スクリュー回転数(rpm):150
成形サイクル(sec) :射出/冷却=2/5
射出速度(mm/sec) :100
金型汚染度合いの確認方法 :図1に示す試験片が得られる金型(反ゲート側にガスベントの設置なし)の流動末端部の汚れを100ショット連続成形後に目視で確認。
射出成形機(ファナック株式会社製ROBOSHOT S−2000i5A)を用いて下記の条件にて100ショット連続成形時の計量時間を確認した。
成形条件
シリンダー温度(℃) :280−275−275−275−90
金型温度(℃) :80
計量(mm) :25
スクリュー回転数(rpm):100
成形サイクル(sec) :射出/冷却=2/5
成形品形状 :円盤形成形品(直径30mm、厚み1mm)
(2)金型汚染性
射出成形機(住友機械 SE30)を用いて下記の条件にて100ショット連続成形時の金型流動末端部の汚れを目視で確認した。
成形条件
シリンダー温度(℃) :290−280−270−260
金型温度(℃) :80
計量(mm) :30
スクリュー回転数(rpm):150
成形サイクル(sec) :射出/冷却=2/5
射出速度(mm/sec) :100
金型汚染度合いの確認方法 :図1に示す試験片が得られる金型(反ゲート側にガスベントの設置なし)の流動末端部の汚れを100ショット連続成形後に目視で確認。
(3)相対粘度
JIS−K6810に従って98%硫酸での相対粘度を測定した。
JIS−K6810に従って98%硫酸での相対粘度を測定した。
(4)滑剤の平均粒径
滑剤の平均粒径はJIS K 0069に準拠し、粒度分布から50%径を求め平均粒径とした。
滑剤の平均粒径はJIS K 0069に準拠し、粒度分布から50%径を求め平均粒径とした。
(5)融点
滑剤の融点はPERKIN−ELMER社製DSC7を用い、昇温速度20℃/minで測定した。測定温度範囲は40〜250℃とし、測定温度域内での融解熱量が最大であるピークを融点とした。
滑剤の融点はPERKIN−ELMER社製DSC7を用い、昇温速度20℃/minで測定した。測定温度範囲は40〜250℃とし、測定温度域内での融解熱量が最大であるピークを融点とした。
(6)実施例および比較例で用いた配合材
<ポリアミド>
PA−1:ナイロン66(相対粘度2.5)(東レ(株)製アミラン)
<難燃剤>
難燃剤−1:シアヌル酸メラミン化合物(三菱油化(株)製MCA C−0)
<滑剤>
滑剤−1:ステアリン酸カルシウム、融点125℃、平均粒径10μm
(川村化成工業(株)製ステアリン酸カルシウム)
滑剤−2:ステアリン酸カルシウム、融点124℃、平均粒径23μm
(日本油脂(株)製カルシウムステアレートGF−200)
滑剤−3:ステアリン酸カルシウム、融点122℃、平均粒径93μm
(日本油脂(株)製カルシウムステアレートGP)
滑剤−4:ステアリン酸リチウム、融点220℃、平均粒径12μm
(勝田化工(株)製Li−St)
[実施例1〜3、比較例1〜4]
(6)の材料を表1に示す割合でドライブレンドした後、280℃の押出条件に設定した直径57mmの2軸押出機により溶融混練後ペレタイズした。得られたポリアミド樹脂ペレットにタンブラーを用い滑剤を外添した。その後、前述した方法により射出成形を行い、可塑化特性と金型汚染性を評価した。その結果を表1に示す。
<ポリアミド>
PA−1:ナイロン66(相対粘度2.5)(東レ(株)製アミラン)
<難燃剤>
難燃剤−1:シアヌル酸メラミン化合物(三菱油化(株)製MCA C−0)
<滑剤>
滑剤−1:ステアリン酸カルシウム、融点125℃、平均粒径10μm
(川村化成工業(株)製ステアリン酸カルシウム)
滑剤−2:ステアリン酸カルシウム、融点124℃、平均粒径23μm
(日本油脂(株)製カルシウムステアレートGF−200)
滑剤−3:ステアリン酸カルシウム、融点122℃、平均粒径93μm
(日本油脂(株)製カルシウムステアレートGP)
滑剤−4:ステアリン酸リチウム、融点220℃、平均粒径12μm
(勝田化工(株)製Li−St)
[実施例1〜3、比較例1〜4]
(6)の材料を表1に示す割合でドライブレンドした後、280℃の押出条件に設定した直径57mmの2軸押出機により溶融混練後ペレタイズした。得られたポリアミド樹脂ペレットにタンブラーを用い滑剤を外添した。その後、前述した方法により射出成形を行い、可塑化特性と金型汚染性を評価した。その結果を表1に示す。
表1から明らかなように、本発明の方法によれば、融点100〜200℃で、かつ平均粒径1〜30μmである高級脂肪酸金属塩をポリアミド樹脂ペレット100重量部の表面に0.01〜0.15重量部の範囲で付着させることで小型成形機を用いて成形品を得る場合に、成形性に非常に優れたポリアミド樹脂組成物を得ることができた。
また、本発明の範囲外である比較例1〜4においては、成形性に劣った。
本発明により得られたポリアミド樹脂組成物は、成形性に優れていることから、射出成形用として優れており、その用途例としては、コネクター、ブレーカー、スイッチ、コイルボビン、ホルダー、プラグ、リレー、ターミナル等の電気・電子部品および自動車用各種成形品に成形できる。
Claims (3)
- ポリアミド樹脂ペレット100重量部の表面に、融点100〜200℃の高級脂肪酸金属塩で平均粒径1〜30μmの滑剤0.01〜0.10重量部が付着していることを特徴とするポリアミド樹脂組成物。
- 前記滑剤がステアリン酸の金属塩であることを特徴とする請求項1記載のポリアミド樹脂組成物。
- 前記滑剤がステアリン酸カルシウムであることを特徴とする請求項1または2に記載のポリアミド樹脂組成物。
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2005
- 2005-04-04 JP JP2005107916A patent/JP2006282943A/ja active Pending
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