JP2018103387A - 表面にメッキ層を有した成形体 - Google Patents

表面にメッキ層を有した成形体 Download PDF

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美穂 中井
頌平 熊澤
Shohei KUMAZAWA
頌平 熊澤
彰太 野口
Shota Noguchi
彰太 野口
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Abstract

【課題】機械的特性に優れ、外観特性にも優れた表面にメッキ層を有する成形体の提供。【解決手段】ポリアミド樹脂100質量部に対して、平均繊維径が10μm以下のセルロース繊維0.01〜50質量部を含有するポリアミド樹脂組成物からなり、表面にメッキ層を有する成形体、および、ポリアミド樹脂がナイロン6である成形体。【効果】、前記成形体は、機械的特性に優れ、外観特性にも優れた表面にメッキ層を有する成形体となる。【選択図】なし

Description

本発明は、機械的特性に優れ、外観特性にも優れた表面にメッキ層を有する成形体に関するものである
ポリアミド樹脂は、耐熱性、耐薬品性、機械的特性等に優れていることから、自動車用途や電子電気用途に広く用いられている。従来から、ポリアミド樹脂は、ガラス繊維、炭素繊維、タルク、クレイ等の無機充填剤を配合して機械的特性を向上させたり、表面にメッキ処理をおこない外観の向上が図られたりしている(特許文献1、2等)。
しかしながら、特許文献1の成形体は、メッキ処理をおこなっても、無機充填材が浮き出し外観特性の向上が不十分であった。
特開2014−214247号公報 国際公開2013/098978号パンフレット
本発明は、上記課題を解決するものであって、機械的特性に優れ、外観特性にも優れた表面にメッキ層を有する成形体を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、このような課題を解決するために鋭意検討の結果、ポリアミド樹脂に特定のセルロース繊維を特定量用いることにより、上記目的を達成することができることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明の要旨は下記の通りである。
(1)ポリアミド樹脂100質量部に対して、平均繊維径が10μm以下のセルロース繊維0.01〜50質量部を含有するポリアミド樹脂組成物からなり、表面にメッキ層を有することを特徴とする成形体。
(2)ポリアミド樹脂がナイロン6であることを特徴とする請求項1に記載の成形体。
本発明によれば、機械的特性に優れ、外観特性にも優れた表面にメッキ層を有する成形体を提供することができる。本発明の成形体は、自動車用途や電気電子用途に好適に用いることができる。
本発明に用いるポリアミド樹脂は、アミノカルボン酸、ラクタム、または、ジアミンとジカルボン酸とから形成されるアミド結合を有する重合体である。
アミノカルボン酸としては、例えば、6−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、パラアミノメチル安息香酸が挙げられる。
ラクタムとしては、例えば、ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタムが挙げられる。
ジアミンとしては、例えば、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−/2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、2,4−ジメチルオクタメチレンジアミン、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、3,8−ビス(アミノメチル)トリシクロデカン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、アミノエチルピペラジンが挙げられる。ジカルボン酸としては、例えば、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、2−クロロテレフタル酸、2−メチルテレフタル酸、5−メチルイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ジグリコール酸が挙げられる。
本発明に用いるポリアミド樹脂の具体例としては、例えば、ポリカプロアミド(ポリアミド6)、ポリテトラメチレンアジパミド(ポリアミド46)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ポリアミド66)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ポリアミド610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ポリアミド612)、ポリウンデカメチレンアジパミド(ポリアミド116)、ポリウンデカンアミド(ポリアミド11)、ポリドデカンアミド(ポリアミド12)、ポリトリメチルヘキサメチレンテレフタルアミド(ポリアミドTMHT)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド(ポリアミド6T)、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド(ポリアミド6I)、ポリヘキサメチレンテレフタル/イソフタルアミド(ポリアミド6T/6I)、ポリビス(4−アミノシクロヘキシル)メタンドデカミド(ポリアミドPACM12)、ポリビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタンドデカミド(ポリアミドジメチルPACM12)、ポリメタキシリレンアジパミド(ポリアミドMXD6)、ポリノナメチレンテレフタルアミド(ポリアミド9T)、ポリデカメチレンテレフタルアミド(ポリアミド10T)、ポリウンデカメチレンテレフタルアミド(ポリアミド11T)、ポリウンデカメチレンヘキサヒドロテレフタルアミド(ポリアミド11T(H))が挙げられる。これらは、共重合体、混合物いずれであってもよい。中でも、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド11、ポリアミド12およびこれらの共重合体、混合物が好ましく、ポリアミド6がより好ましい。
セルロース繊維としては、例えば、木材、稲、綿、ケナフ、バガス、アバカ、麻等の植物に由来するものや、バクテリアセルロース、バロニアセルロース、ホヤセルロース等の生物由来のものや、再生セルロース、セルロース誘導体が挙げられる。
本発明の成形体は、セルロース繊維を含有することによって、機械的特性を向上させることができる。機械的強度を十分に向上させるには、セルロース繊維を凝集させることなく、樹脂中に均一に分散させることが好ましい。セルロース繊維は、ポリアミド樹脂と接するセルロース繊維表面の水酸基が多いほど分散しやすいため、表面積が大きいことが好ましい。このため、セルロース繊維は、できるだけ微細化されたものが好ましい。
本発明の成形体におけるセルロース繊維の平均繊維径は、10μm以下であることが必要で、500nm以下であることが好ましい。平均繊維径が10μmを超える場合、セルロース繊維の表面積が少なくなり、セルロースの分散性が低下し、得られる成形体の機械的特性の向上効果が小さいので好ましくない。一方、平均繊維径の下限は、セルロース繊維の生産性を考慮すると4nm以上とすることが好ましい。なお、溶融重合後や成形体とした場合のセルロース繊維の平均繊維径は、溶融重合や成形によりセルロース繊維に剪断力がかかり、用いたセルロース繊維よりも、小さくなる傾向がある。成形体におけるセルロース繊維の平均繊維径を10μm以下とするには、平均繊維径が10μm以下のセルロース繊維を用いればよい。
平均繊維径が10μm以下のセルロース繊維は、セルロース繊維を引き裂くことによってミクロフィブリル化することによって得ることができる。ミクロフィブリル化する手段としては、ボールミル、石臼粉砕機、高圧ホモジナイザー、ミキサー等各種粉砕装置を用いることができる。上記のミクロフィブリル化したセルロース繊維の水分散液の市販品としては、例えば、ダイセルファインケム社製の「セリッシュ」が挙げられる。
平均繊維径が10μm以下のセルロース繊維としては、バクテリアが産出するバクテリアセルロースも用いることができる。バクテリアセルロースとしては、例えば、アセトバクター属の酢酸菌を生産菌として産出されたものが挙げられる。植物のセルロースは、セルロースの分子鎖が収束したもので、非常に細いミクロフィブリルが束になって形成されているものであるのに対し、酢酸菌より産出されたセルロースはもともと幅20〜50nmのリボン状であり、植物のセルロースと比較すると極めて細い網目状を形成している。バクテリアセルロースは、バクテリアが前記セルロースとともに酢酸を産出するため、酢酸と併存することがある。その場合、溶媒を水に置換して用いることが好ましい。
平均繊維径が10μm以下のセルロース繊維としては、微細化セルロースも用いることができる。微細化セルロースは、例えば、N−オキシル化合物と共酸化剤と臭化アルカリ金属を含む水溶液中で、セルロース繊維を酸化させた後、水洗、解繊をおこなうことにより製造することができる。N−オキシル化合物としては、2,2,6,6−Tetramethylpiperidine−1−oxyl radical等が挙げられ、共酸化剤としては、次亜塩素酸ナトリウムや亜塩素酸ナトリウム等が挙げられる。反応は、水酸化ナトリウム水溶液等のアルカリ性の化合物を添加してpHを10付近としてから、pHの変化が見られなくなるまでおこなう。反応温度としては、常温が好ましい。反応後、系内に残存するN−オキシル化合物や共酸化剤や臭化アルカリ金属を除去することが好ましい。水洗方法としては、ろ過や遠心分離による方法が挙げられる。解繊方法としては、上記のミクロフィブリル化する際に挙げた各種粉砕装置による方法が挙げられる。
本発明の成形体におけるセルロース繊維のアスペクト比(平均繊維長/平均繊維径)は、10以上であることが好ましく、50以上であることがより好ましく、100以上であることがさらに好ましい。アスペクト比を10以上とすることにより、ポリアミド樹脂組成物の機械的強度をより向上させることができる。
本発明の成形体におけるセルロース繊維の含有量は、ポリアミド樹脂100質量部に対して、0.01〜50質量部であることが必要であり、0.05〜30質量部であることが好ましく、0.1〜20質量部であることがより好ましく、0.1〜10質量部であることがさらに好ましい。セルロース繊維の含有量がポリアミド樹脂100質量部に対して0.01質量部未満である場合、得られる成形体の機械的特性の向上効果が小さいため好ましくない。一方、セルロース繊維の含有量がポリアミド樹脂100質量部に対して50質量部を超える場合、セルロース繊維を樹脂組成物中に含有させることが困難となったり、得られる成形体にメッキ処理しても外観特性が向上しない場合があるので好ましくない。
本発明に用いるポリアミド樹脂組成物は、機械的特性の観点から、相対粘度が2.1以上であることが好ましく、2.3以上であることがより好ましい。
本発明に用いるポリアミド樹脂組成物の製造方法は、特に限定されないが、例えば、ポリアミド樹脂を構成するモノマーとセルロース繊維の水分散液とを混合し、必要に応じて触媒を添加して、溶融重合をおこなう方法が挙げられる。
溶融重合に用いるセルロース繊維の水分散液は、精製水とセルロース繊維とをミキサー等で攪拌することにより得ることができる。固形分量は0.01〜50質量%とすることが好ましい。
ポリアミド樹脂組成物を構成するモノマーとセルロース繊維の水分散液との混合液は、ミキサー等で攪拌することにより均一な分散液とすることが好ましい。溶融重合は、前記混合液を加熱し、150〜270℃まで昇温させて攪拌することによりおこなうことができる。このとき、徐々に水蒸気を排出することにより、セルロース繊維の水分散液中の水分を排出することができる。
溶融重合終了後、得られたポリアミド樹脂組成物は、払い出した後、切断してペレットとすることが好ましい。ペレットは、ハンドリングの観点や後述する精練の効率の観点から、直径2〜5mm、長さ3〜6mmとすることが好ましく、直径3〜4mm、長さ4〜5mmとすることがより好ましい。
得られたポリアミド樹脂組成物は、未反応のモノマーやオリゴマーを除去するため、90〜100℃の水に浸漬して、精練することが好ましい。
溶融重合後のポリアミド樹脂組成物、または必要に応じて精練した後のポリアミド樹脂組成物は、さらに重合度を上げるため、不活性ガス流通下または減圧下で、ポリアミド樹脂組成物の融点未満の温度で30分以上加熱して固相重合してもよい。なお、加熱温度が、(ポリアミド樹脂組成物の融点−75℃)未満の場合、反応速度が遅くなる場合があり、ポリアミド樹脂組成物の融点付近では、ポリアミド樹脂組成が融着したり、着色が生じたりする場合がある。
ポリアミド樹脂組成物の製造する際には、重合効率を高めるため、重合触媒を用いてもよい。重合触媒は、溶融重合前、溶融重合中、精練前、精練中いずれの工程で添加してもよいが、溶融重合前に添加することが好ましい。重合触媒としては、ポリアミドの溶融重合に通常用いられるものであれば特に限定されない。中でも、リン系化合物が好ましく、亜リン酸または次亜リン酸ナトリウムを用いることがより好ましい。
上記のように、セルロース繊維を水分散液のまま溶融重合に用いることにより、セルロース繊維同士が凝集せず、その結果、セルロース繊維が良好に分散したポリアミド樹脂組成物を得ることができる。
本発明に用いるポリアミド樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない限りにおいて、顔料、熱安定剤、酸化防止剤、耐候剤、可塑剤、滑剤、離型剤、帯電防止剤、耐衝撃剤、難燃剤、相溶化剤、他の重合体等を含有してもよい。
ポリアミド樹脂組成物を射出成形することにより、成形体とすることができる。射出成形に用いる射出成形機としては、特に限定されないが、例えば、スクリューインライン式射出成形機、プランジャ式射出成形機が挙げられる。射出成形機のシリンダー内で加熱溶融されたポリアミド樹脂組成物は、ショットごとに計量され、金型内に溶融状態で射出され、所定の形状で冷却、固化された後、成形体として金型から取り出される。射出成形時の樹脂温度は、ポリアミド樹脂組成物の融点以上とすることが好ましく、(融点+100℃)未満とすることが好ましい。なお、射出成形に用いるポリアミド樹脂組成物は十分に乾燥していることが好ましい。水分率が高いポリアミド樹脂組成物は、射出成形機のシリンダー内で発泡し、最適な成形体を得ることが困難となることがある。射出成形に用いるポリアミド樹脂組成物の水分率は、0.3質量%未満であることが好ましく、0.1質量%未満であることがより好ましい。
得られた成形体をメッキ処理することにより、表面にメッキ層を有する成形体を得ることができる。メッキ処理の方法としては、無電解メッキ、電気メッキ、ダイレクトプレーティング等の公知の方法を用いることができる。メッキの種類としては、例えば、ニッケルメッキ、クロムメッキ、銅メッキ、スズメッキ、亜鉛メッキ、銀メッキ、金メッキのほか、黄銅メッキ、ブロンズメッキ、はんだメッキ、亜鉛―ニッケル合金、亜鉛―鉄合金、ニッケルーリン合金、ニッケルーホウ素合金、ニッケルータングステン合金、ニッケル―鉄合金等の合金によるメッキ、炭化ケイ素、立方晶炭化ホウ素、ポリテトラフルオロエチレン等をメッキ金属に複合させる複合メッキが挙げられる。
本発明の表面にメッキ層を有する成形体は、機械的特性に優れ、かつ、外観特性にも優れているため、自動車用途や電気電子用途に好適に用いることができる。また、農業・水産用途、医療用機器用途、雑貨等にも好適に用いることができる。
自動車用途としては、例えば、バンパー等のボディ、インストルメントパネル、コンソールボックス、ガーニッシュ、ドアトリム、天井、フロア、ランプリフレクター、ブラッシホルダー、フュエルポンプモジュール部品、デストリビューター、シートリードバルブ、ワイパーモーターギア、スピードメーターフレーム、ソレノイドイグニッションコイル、オルタネーター、スイッチ、センサー部品、タイロットエンドスタビライザー、ECUケーブル、排ガスコントロールバルブ、コネクタ、排気ブレーキの電磁弁、エンジンバルブ、ラジエータファン、スタータ、インジェクタ、エンジン周りのパネル、エンジンカバー、モーターカバーが挙げられる。
電気電子機器用途としては、例えば、パソコン、携帯電話、音楽プレーヤー、カーナビゲーション、SMTコネクタ、ICカードコネクター、光ファイバーコネクター、マイクロスイッチ、コンデンサー、チップキャリア、コイル封止、トランジスター封止、ICソケット、スイッチ、リレー部品、キャパシターハウジング、サーミスタ、各種コイルボビン、FDDメインシャーシ、テープコーダーヘッドマウント、ステッピングモーター、軸受、シェーバ刃台、液晶プロジェクションTVランプハウジング、電子レンジ部品、電磁調理器コイルベース、ドライヤーノズル、スチームドライヤー部品、スチームアイロン部品、DVDピックアップベース、整流子基台、回路基板、IC、液晶冶具、フードカッター、DATシリンダーベース、コピー機用ギア、プリンタ定着ユニット部品、液晶パネル導光板、通信機器(アンテナ)、半導体封止、パワーモジュール、ヒューズホルダー、ウォーターポンプインペラー、半導体製造装置のパイプ、ゲーム機用コネクタ、エアコン用ドレインパン、生ごみ処理機内容器、掃除機モーターファンガイド、電子レンジ用ローラーステイ・リング、キャップスタンモーター軸受、街路灯、水中ポンプ、モーターインシュレータ、モーターブラシホルダー、ブレーカー部品、パソコン筐体、携帯電話筐体、OA機器筐体部品、ガスメーター、電動工具等が挙げられる。
農業、水産用途としては、例えば、コンテナー、栽培容器、浮きが挙げられる。
医療用機器用途としては、例えば、注射器、点滴容器が挙げられる。
雑貨としては、例えば、皿、コップ、スプーン、植木鉢、クーラーボックス、団扇、玩具、ボールペン、定規、クリップ、ドレーン材、フェンス、収納箱、工事用配電盤、給湯機器ポンプケーシング、インペラー、ジョイント、バルブ、水栓器具が挙げられる。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、ポリアミド樹脂組成物の物性測定は以下の方法によりおこなった。
(1)融点
示差走査熱量計(パーキンエルマー社製 DSC−7型)用い、昇温速度20℃/分で350℃まで昇温した後、350℃で5分間保持し、降温速度20℃/分で25℃まで降温し、さらに25℃で5分間保持後、再び昇温速度20℃/分で昇温測定した際の吸熱ピークのトップを融点(Tm)とした。
(2)相対粘度
得られた試験片を削って得られたポリアミド樹脂組成物を96%硫酸に、セルロースを除去後のポリアミドの濃度が1g/dLになるように溶解し、ウベローベ型粘度計を用いて、25℃で測定した。
(3)セルロース繊維の平均繊維径
(3−1)重合反応前のセルロース繊維の平均繊維径
必要に応じて凍結乾燥したセルロース繊維を、電界放射型走査型電子顕微鏡(日立製作所社製S−4000)を用いて観察した。電子顕微鏡(SEM)画像からセルロース繊維(単繊維)の長手方向に対する垂直方向の長さを測定した。このとき、垂直方向の長さのうち最大のものを繊維径とした。同様にして10本のセルロース繊維(単繊維)の繊維径を測定し、10本の平均値を算出したものを平均繊維径とした。
(3−2)試験片中のセルロース繊維の平均繊維径
試験片から、凍結ウルトラミクロトームを用いて厚さ100nmの切片を採取し、OsO(四酸化オスミウム)で切片染色を実施後、透過型電子顕微鏡(日本電子社製JEM−1230)を用いて観察をおこなった。電子顕微鏡画像からセルロース繊維(単繊維)の長手方向に対する垂直方向の長さを測定した。このとき、垂直方向の長さのうち最大のものを繊維径とした。同様にして10本のセルロース繊維(単繊維)の繊維径を測定し、10本の平均値を算出したものを平均繊維径とした。
なお、セルロース繊維の繊維径が大きいものについては、ミクロトームにて10μmの切片を切り出したものか、試験片をそのままの状態で、実体顕微鏡(OLYMPUS SZ−40)を用いて観察をおこない、得られた画像から上記と同様にして繊維径を測定し、平均繊維径を求めた。
(4)引張強度、引張弾性率
得られた試験片を用いて、ISO527−1に準拠して測定をおこなった。
本発明においては、曲げ弾性率が2.5GPa以上の場合、機械的特性が合格と判断した。
(5)外観特性
得られた試験片の表面の浮きの数を、目視で数えた。
×:5個以上
○:4個以下。
本発明においては、「○」以上の場合、外観特性が合格と判断した。
実施例1
[セルロース繊維の水分散液の調整]
セルロース繊維の水分散液として、セリッシュKY100G(ダイセルファインケム社製:平均繊維径が125nmのセルロース繊維が15質量%含有されたもの)を用いて、これに精製水を加えてミキサーで攪拌し、含有量が3質量%のセルロース繊維の水分散液を調製した。
[溶融重合]
得られたセルロース繊維の水分散液70質量部と、ε−カプロラクタム100質量部とを、均一な分散液となるまでさらにミキサーで攪拌、混合した。重合触媒として亜リン酸を0.1質量部添加後、この混合分散液を攪拌し、0.7MPaの圧力に制圧しながら、4時間かけて240℃に昇圧した。そののち大気圧まで放圧し、240℃にて1.0時間溶融重合をおこなった。
溶融重合終了後、ストランド状に引き取った後、水槽に通して冷却固化し、それをペレタイザーでカッティングしてポリアミド樹脂組成物ペレットを得た。
[精練、乾燥]
得られたポリアミド樹脂組成物ペレットを、95℃の熱水で12時間処理し、精練をおこない、100℃で12時間乾燥した。
[射出成形]
乾燥したポリアミド樹脂組成物ペレットを、射出成形機(東芝機械社製、IS−80G型)を用いて成形をおこない、長さ127cm×幅12.7mm×3.2mm(1/8インチ)の試験片を得た。成形温度は、[{(ポリアミド樹脂組成物の融点)−5℃}〜{(ポリアミド樹脂組成物の融点)+15℃}]とした。金型は、ASTM規格の1/8インチ3点曲げ試験片用金型を用いた。
[メッキ処理]
得られた試験片について、250ml/Lの濃塩酸を用いて、40℃で10分間エッチング処理をおこない、さらに60ml/Lの濃塩酸を用いて、25℃で3分間ポストエッチング処理をおこなった。
エッチング後、50ml/Lの濃塩酸、奥野製薬社製TNキャタリスト180g/Lおよび奥野製薬社製キャタリストC15ml/Lを用いて、25℃、2分間キャタリスト処理をおこない、100ml/Lの濃硫酸を用いて40℃で2分間処理し、さらに、水酸化ナトリウムを用いて35℃で2分間で処理した。
その後、ニッケルメッキによる無電解メッキおよび硫酸銅メッキによる金属メッキをおこない、表面にメッキ層を有する試験片を作製した。
実施例2〜4
樹脂組成を表1に記載の樹脂組成になるように、溶融重合において用いるセルロース繊維の水分散液の量を変更する以外は、実施例1と同様に、セルロース繊維の水分散液の調整、溶融重合、精練、乾燥、射出成形、メッキ処理をおこない、表面にメッキ層を有する試験片を作製した。
比較例1
[溶融重合]
ε−カプロラクタム100質量部に、水を3.0質量部添加後、この混合分散液を攪拌し、0.7MPaの圧力に制圧しながら、4時間かけて240℃に昇圧した。その後、大気圧まで放圧し、240℃にて0.1.0時間溶融重合をおこなった。
溶融重合終了後、ストランド状に引き取った後、水槽に通して冷却固化し、それをペレタイザーでカッティングしてポリアミド樹脂ペレットを得た。
[精練、乾燥]
得られたポリアミド樹脂ペレットを用いて、実施例1と同様に、精練、乾燥をおこなった。
[射出成形、メッキ処理]
乾燥したポリアミド樹脂ペレットを用いて、実施例1と同様に、射出成形、メッキ処理をおこない、表面にメッキ層を有する試験片を作製した。
比較例2
[混練、乾燥]
比較例1で溶融重合し、精製、乾燥をおこなって得られたポリアミド樹脂ペレット100質量部を、同方向二軸押出機TEM26SS型(東芝機械社製 TEM26SS型)の主供給口に供給し、途中、サイドフィーダーよりガラス繊維(日本電気硝子社製T−289)30質量部を供給して、溶融混練をおこなった。ダイスからストランド状に引き取った後、水槽に通して冷却固化し、それをペレタイザーでカッティングして溶融混練したポリアミド樹脂組成物ペレットを得た。押出機のバレル温度設定は[{(ポリアミド樹脂組成物の融点)−5℃}〜{(ポリアミド樹脂組成物の融点)+15℃}]とした。
得られたポリアミド樹脂組成物ペレットを100℃で12時間乾燥した。
[射出成形、メッキ処理]
乾燥したポリアミド樹脂組成物ペレットを用いて、実施例1と同様に、射出成形、メッキ処理をおこなって、表面にメッキ層を有する試験片を作製した。
比較例3
樹脂組成を表1に記載の樹脂組成になるように、溶融重合において用いるセルロース繊維の水分散液の量を変更する以外は、実施例1と同様に、セルロース繊維の水分散液の調整、溶融重合したが、重合中にポリアミド樹脂組成物が塊状となり、十分に重合度を上げることができなかった。
比較例4
樹脂組成が表1に記載の樹脂組成になるように、セルロース繊維の水分散液の調整において、セルロース繊維の水分散液として、不織布の製造工程において屑糸として排出されたセルロース繊維に精製水を加えてミキサーで攪拌したものを用いる以外は、実施例1と同様に、セルロース繊維の水分散液の調整、溶融重合、精練、乾燥、射出成形、メッキ処理をおこなって、表面にメッキ層を有する試験片を作製した。
得られた表面にメッキ層を有する成形体について、樹脂組成およびその評価を表1に示す。
実施例1〜4の成形体は、いずれも機械的特性に優れ、外観特性にも優れていた。
比較例1の成形体は、強化材を用いなかったため、曲げ弾性率が低かった。
比較例2の成形体は、ガラス繊維を用いたため、外観特性が悪かった。
比較例4の成形体は、成形体中のセルロース繊維の平均繊維径が大きかったため、外観特性が悪かった。

Claims (2)

  1. ポリアミド樹脂100質量部に対して、平均繊維径が10μm以下のセルロース繊維0.01〜50質量部を含有するポリアミド樹脂組成物からなり、表面にメッキ層を有することを特徴とする成形体。
  2. ポリアミド樹脂がナイロン6であることを特徴とする請求項1に記載の成形体。
JP2016249318A 2016-12-22 2016-12-22 表面にメッキ層を有した成形体 Pending JP2018103387A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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