JPH10147710A - ポリアミド樹脂組成物及びその製造方法、並びにこれを用いてなる自動車用部品 - Google Patents

ポリアミド樹脂組成物及びその製造方法、並びにこれを用いてなる自動車用部品

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JPH10147710A
JPH10147710A JP30601996A JP30601996A JPH10147710A JP H10147710 A JPH10147710 A JP H10147710A JP 30601996 A JP30601996 A JP 30601996A JP 30601996 A JP30601996 A JP 30601996A JP H10147710 A JPH10147710 A JP H10147710A
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polyamide resin
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nylon
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Yoshiteru Nagai
善照 永井
Kazuyuki Wakamura
和幸 若村
Takashi Saitou
尚示 斉藤
Tadashi Osawa
正 大澤
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Unitika Ltd
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Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 曲げ強度、曲げ弾性率、耐衝撃性等の機械的
特性および耐久性に優れ、かつ成形品に反りやうねりの
ない外観性に優れたポリアミド樹脂組成物およびその製
造方法、およびそれを成形して得られる自動車用部品を
提供する。 【解決手段】 相対粘度が2.0〜2.5でアミノ末端
基濃度が40mmol/kg以下であるポリアミド樹脂
100重量部と、繊維径が9μm以上で繊維長が5.0
mm以下であるガラス繊維155〜400重量部とから
なる。まず、これらポリアミド樹脂100重量部とガラ
ス繊維0〜100重量部とを押し出し機の第1供給口に
投入する。前記ポリアミド樹脂を溶融した後、残りのガ
ラス繊維を押し出し機の第2供給口(サイドフィーダ
ー)から投入する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、強度や弾性率や耐
衝撃性等の機械的特性および耐久性に優れたポリアミド
樹脂組成物とその製造方法、およびそれを成形して得ら
れる自動車のインテークマニホールドやエンジンロッカ
ーカバーやドアミラーやドアチェッカーケースやペダル
類やギアチェンジレバー構成部品等の自動車用部品に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車業界では車体の軽量化や防
錆や防音等を目的に、従来の金属部品を樹脂に代替する
傾向がある。中でもポリアミド樹脂は機械的特性や耐熱
性や耐薬品性に優れているため、自動車部品の金属代替
品としてすでに相当の実績をあげている。しかしながら
このようなポリアミド樹脂組成物は、耐熱性や耐薬品性
は優れているものの、強度や剛性や耐衝撃性等の機械的
特性の面で金属部品の代替として使用するには十分とは
言えず、部品によっては金属から樹脂への代替化の障害
となっていた。
【0003】ポリアミド樹脂組成物の機械的特性を向上
させるために、ポリアミド樹脂をガラス繊維や炭素繊維
等の繊維状強化材で補強した樹脂組成物が公知となって
いる。ところが、このような樹脂組成物では、通常はポ
リアミド樹脂として相対粘度が2.5より大きく、かつ
アミノ末端基濃度が40mmol/kgを超えるものを
用いているため、強化材を多くすると樹脂組成物の成形
時に強化材が金型内での流動方向に配向するため、成形
収縮率のバランスが崩れて成形品に反り変形が発生し、
しかも成形した際に強化材が成形品表面に浮き出してし
まい、成形品表面にうねりが生じ外観不良になるという
問題がある。したがってポリアミド樹脂に添加する繊維
状強化材の配合割合は高々60重量%止まりで、金属部
品の代替となる程の機械的特性は持ち合わせなかった。
【0004】このような成形品の反り変形を緩和させる
ために、ポリアミド樹脂に繊維状強化材とともにマイカ
等の鉱石粉末の無機充填剤を配合する方法(特開昭59
−168059号公報等)が開示されている。しかしな
がらこのようなポリアミド樹脂組成物は、繊維状強化材
の配向が緩和されて成形品の反りは小さくなるものの、
繊維状強化材の配合割合が少なくなって機械的特性に劣
り、金属部品の代替とはなり得ない。
【0005】また特公平6−13641号公報には、ナ
イロン46と特定構造の脂肪族ポリアミドとガラス繊維
とを溶融混練したポリアミド樹脂組成物が開示されてい
るが、強度、剛性、耐衝撃性、耐久性等は従来品に比べ
変わるものではなかった。 従って、金属部品の代替と
成る程の機械的強力を与えるために繊維状強化材を多く
配合した、具体的には強化材の混合割合を61重量%以
上と多量に配合した樹脂組成物であり、しかも繊維状強
化材の配向による成形品の反り変形がなく、強化材の浮
き出しによる成形品表面のうねりのない、外観性に優れ
た樹脂組成物が要望されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記問題を解
決し、曲げ強度、曲げ弾性率、耐衝撃性等の機械的特性
および耐久性に優れ、しかも成形品に反りやうねりがな
く外観性に優れたポリアミド樹脂組成物およびその製造
方法を提供するものである。またこのポリアミド樹脂組
成物を成形して得られる自動車のインテークマニホール
ドやエンジンロッカーカバーやドアミラーやドアチェッ
カーケースやペダル類やギアチェンジレバー構成部品等
の自動車用部品を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、本発明に至っ
たものである。すなわち本発明は、相対粘度が2.0〜
2.5でアミノ末端基濃度が40mmol/kg以下で
あるポリアミド樹脂100重量部と、繊維径が9μm以
上で繊維長が5.0mm以下であるガラス繊維155〜
400重量部とからなることを特徴とするポリアミド樹
脂組成物であることを要旨とするものである。
【0008】このように本発明によれば、ポリアミド成
分として相対粘度が2.0〜2.5と低粘度なポリアミ
ド樹脂を用いることで、ポリアミド樹脂100重量部に
対しガラス繊維を155〜400重量部、すなわち樹脂
組成物全体に対しガラス繊維を61〜80重量%加えて
も、混練性や成形加工時の流動性の低下がなく、成形
性、加工性に優れたポリアミド樹脂組成物が得られる。
【0009】またアミノ末端基濃度が40mmol/k
g以下であるポリアミド樹脂を用いることで、ガラス繊
維との相溶性が良くなり、機械的特性に優れ、さらに、
艶があり外観性に優れたポリアミド樹脂組成物を得るこ
とができる。
【0010】また繊維径が9μm以上で繊維長が5.0
mm以下であるガラス繊維を用いることで、良好な混練
性や成形性が得られる。このように上記のような相対粘
度およびアミノ末端基濃度を持つポリアミド樹脂と、上
記のようなガラス繊維とを用いることによって、ガラス
繊維を樹脂組成物全体に対し61重量%以上加えても、
ガラス繊維による配向性が緩和されて成形品に反り変形
がなく、またガラス繊維の浮き出しによる成形品表面の
うねりのない外観性の良いポリアミド樹脂組成物を得る
ことができる。
【0011】また本発明によれば、上記のようなポリア
ミド樹脂組成物を製造するに際し、あらかじめ0〜10
0重量部のガラス繊維と100重量部のポリアミド樹脂
とを押し出し機の第1供給口から投入して、前記ポリア
ミド樹脂を溶融した後、残りのガラス繊維を押し出し機
の第2供給口(サイドフィーダー)から投入して最終的
にガラス繊維の配合量が155〜400重量部となるよ
うに溶融混練するスプリットフィルールド法を行う。こ
の方法は一括してガラス繊維をポリアミド樹脂と溶融混
練する方法に比べて、ガラス繊維が折れる割合が小さく
なり、その結果ポリアミド樹脂組成物の強度を上げるこ
とができる。また本発明のように多量にガラス繊維を加
える樹脂組成物を製造する際の、生産性を向上させるこ
とができる。
【0012】また本発明においては、上述のようにあら
かじめ0〜100重量部のガラス繊維と100重量部の
ポリアミド樹脂とを押し出し機内の第1供給口から投入
し、その後残りのガラス繊維を押し出し機のサイドフィ
ーダーから投入して最終的なガラス繊維の配合量を15
5〜400重量部とすればよいが、1回目と2回目のガ
ラス繊維の投入割合を1:10〜2:1の割合とするこ
とが好ましく、1:3〜1:5の割合とすることがさら
に好ましい。
【0013】このように本発明によれば、強度、剛性、
耐衝撃性等の機械的特性や耐久性に優れ、反りやうねり
がなくて外観性に優れた、自動車のインテークマニホー
ルドやドアミラーやエンジンロッカーカバーやドアチェ
ッカーケースやペダル類やギアチェンジレバー構成部品
等の自動車用金属部品の代替として使用できるポリアミ
ド樹脂組成物を提供できる。またこのようなポリアミド
樹脂組成物は金属部品の代替となるほど強度や剛性、耐
衝撃性、耐久性等に優れているので強度を必要とする建
材にも適したものとなっている。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の組成物におけるポリアミ
ド樹脂としては、以下のような物が挙げられる。すなわ
ち、ポリカプロアミド(ナイロン6)、ポリヘキサメチ
レンアジパミド(ナイロン66)、ポリテトラメチレン
アジパミド(ナイロン46)、ポリウンデカミド(ナイ
ロン11)、ポリドデカミド(ナイロン12)、ポリト
リメチルヘキサメチレンテレフタルアミド(ナイロンT
MDT)、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド(ナイ
ロン6I)、ポリヘキサメチレンテレフタル/イソフタ
ルアミド(ナイロン6T/6I)、ポリメタキシリレン
アジパミド(ナイロンMXD6)、ポリヘキサメチレン
セバカミド(ナイロン610)、ポリヘキサメチレンド
デカミド(ナイロン612)、ポリウンデカメチレンア
ジパミド(ナイロン116)、ポリビス(4−アミノシ
クロヘキシル)メタンドデカミド(ナイロンPACM1
2)、ポリビス(3−メチル−4アミノシクロヘキシ
ル)メタンドデカミド(ナイロンジメチルPACM1
2)、ポリウンデカメチレンテレフタルアミド(ナイロ
ン11T)、ポリウンデカメチレンヘキサヒドロテレフ
タルアミド(ナイロン11T(H))、及びこれらの共
重合物、混合物である。中でも特に、ナイロン6、ナイ
ロン66及びナイロン6とナイロン66との共重合物、
混合物が特に好ましい。
【0015】また、本発明の樹脂組成物は、上記ポリア
ミド樹脂100重量部とガラス繊維が155〜400重
量部とからなるものである。したがって、上記ポリアミ
ド樹脂の樹脂組成物全体に対する配合比は、39〜20
重量%となる。ポリアミド樹脂の配合比が20重量%よ
り少ないと平面平滑性が失われ外観性が必要な用途に用
いることができない。39重量%を超えるとガラス繊維
の割合が61%より少なくなるため、機械的特性の改善
効果が少なくなる。
【0016】本発明に用いるポリアミド樹脂の相対粘度
は2.0〜2.5である。相対粘度は、JIS−K68
10に従い、溶媒として96%濃硫酸を用いて温度が2
5℃で濃度が1g/dlの条件で測定する。相対粘度が
2.0より小さいとあまりにも低粘度のため、溶融混練
後の引き取り性が困難となり組成物に所望の物性が得ら
れず、成形品としたときの機械的性能が低下するので好
ましくない。また相対粘度が2.5より大きいと、高粘
度のため成形加工時の流動性が悪くなり、十分な射出圧
力がかからないため、部品としての性能が得られず、樹
脂組成物の成形性が急速に低下するので好ましくない。
【0017】本発明おけるアミノ末端基濃度は40mm
ol/kg以下である。アミノ末端基濃度が40mmo
l/kg以下のポリアミド樹脂とは、ポリマーの末端基
滴定より求められたアミノ基の含有量が1kg当たり4
0mmol以下のものであり、通常、このようなポリア
ミド樹脂を得るには、ポリアミド樹脂を形成するモノマ
ー(アミノカルボン酸、ラクタムあるいはジアミンとジ
カルボン酸)に対して過剰のジカルボン酸を添加して重
合するか、少量のモノカルボン酸を添加して重合すれば
よい。
【0018】アミノ末端基濃度が40mmol/kgを
超えると、成形加工時におけるガラス繊維との相溶性が
悪くなり、機械的物性に悪影響を及ぼす。アミノ末端基
濃度は40mmol/kg以下であればよいが、艶等の
外観性を考慮すると1mmol/kgよりは高いことが
好ましい。
【0019】本発明に用いるガラス繊維は、繊維径が9
μm以上のものである。繊維径が9μm未満の場合に
は、繊維の本数が増えるため嵩高となり、溶融混練時の
混練性が悪くなって所望の物性が得られない。繊維径は
9μm以上であれば良いが、あまり太すぎるとポリアミ
ド樹脂との混練性が悪くなり、機械的特性が低下するの
で9〜13μmのものが好ましい。
【0020】また本発明に用いるガラス繊維は、繊維長
が5.0mm以下のものである。繊維長が5.0mmを
超えると長すぎて繊維どうしが絡みあうため、混練性が
悪くなって所望の物性が得られない。繊維長は5.0m
m以下であれば良いが混練性や外観性を考慮すると、
0.1〜5.0mmのものが好ましい。
【0021】本発明の樹脂組成物は、ポリアミド樹脂1
00重量部に対してガラス繊維155〜400重量部か
らなるものである。したがって、上記ガラス繊維の樹脂
組成物全体に対する配合比は、61〜80重量%とな
る。ガラス繊維の配合比が155重量部より少ない、す
なわち61重量%より少ないと、曲げ強度、曲げ弾性
率、耐衝撃性、耐久性のいずれかの物性に劣ることとな
る。また400重量部より多いと、すなわち80重量%
より多いと押し出し混練性が急激に悪化すると同時に成
形加工時の流動性が悪くなり、所望の性能を有する成形
品が得られない。
【0022】本発明のポリアミド樹脂組成物の成形方法
としては、押出成形、射出成形、プレス成形等の従来公
知の成形法が適用されるが、射出成形が特に好ましい。
また、本発明のポリアミド樹脂組成物には各種添加剤、
例えば離型剤、耐熱剤、難燃剤、無機物、顔料、染料、
発泡剤、膨潤性鉱物等を併用することができる。
【0023】また樹脂組成物としての性能は、曲げ強度
が350MPa以上、曲げ弾性率が20GPa以上、ノ
ッチ付きアイゾット衝撃強度が15J/m以上であり、
繰り返し疲労試験での性能が107 回以上の耐久性試験
に対し40MPa以上の曲げ応力を有し、これら全ての
条件を満たす場合に、得られたポリアミド樹脂組成物は
多くの自動車金属部品の代替として使用できるものとな
る。このような機械的物性値を持つポリアミド樹脂組成
物は、自動車が使用される環境下においてそれぞれの部
品が瞬間的および長期的負荷に対して充分に耐えうるレ
ベルであり、金属部品の代替品として充分な機能を果た
す。また、このような機械的特性を持つポリアミド樹脂
組成物は、曲げ強度、曲げ弾性率、衝撃強度等の機械的
特性および耐久性や反りやうねりのない優れた外観性を
必要とする建材分野においても、金属部品の代替として
適用できる。
【0024】
【実施例】次に実施例に基づき本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるもので
はない。なお、実施例における各種物性値の測定は、以
下の方法により実施した。
【0025】(1)曲げ強度(MPa):ASTM−D
790に記載の方法に準じて測定した。
【0026】(2)曲げ弾性率(GPa):ASTM−
D790に記載の方法に準じて測定した。
【0027】(3)アイゾット衝撃強度(J/m):A
STM−D256に記載の方法に準じて測定した。
【0028】(4)繰り返し疲労試験での曲げ応力(M
Pa):ASTM−D671B法に記載の方法に準じ
て、上下振幅回数と曲げ応力との関係をプロットし、上
下振幅107 回行っても破壊されない曲げ応力を繰り返
し疲労試験の指標とした。すなわち繰り返し疲労試験で
の曲げ応力が大きいものほど耐久性に優れたものとな
る。
【0029】(5)アミノ基末端濃度(mmol/k
g):試料0.5gを精秤し、20mlのm−クレゾー
ルに加熱して溶解し、1/10規定のp−トルエンスル
ホン酸のm−クレゾール/メタノール混合溶液(m−ク
レゾール/メタノールの体積比、7/3)で滴定した。
【0030】実施例1〜4、比較例1〜10 表1に示す種類及び組成のポリアミド樹脂(ナイロン
6:ユニチカ社製A1030BRL,ナイロン66:デ
ュポン社製ザイテル101)とガラス繊維(日本電気硝
子社製T−259)とを表1に示す配合比で2軸押し出
し機(東芝TEM50)を用いて溶融混練した。
【0031】
【表1】
【0032】ガラス繊維は全体の約1/5程度をあらか
じめポリアミド樹脂とともに押し出し機の第1供給口か
ら投入して、前記ポリアミド樹脂を溶融した後、残りの
ガラス繊維を押し出し機のサイドフィーダーから投入し
て溶融混練した。押し出し条件はポリアミド樹脂として
ナイロン6を用いた場合はシリンダー温度を250〜2
80℃とし、ナイロン66を用いた場合はシリンダー温
度を260〜290℃とした。またスクリュー回転数は
200rpmとし吐出量は150kg/hrとした。押
し出し直後のストランドは水冷によりペレタイザーにて
ペレット化した。
【0033】得られたペレットを射出成形機(東芝IS
100)に供給して成形加工した。その際、ポリアミド
樹脂としてナイロン6を用いた場合はシリンダー温度を
250〜280℃とし、ナイロン66を用いた場合はシ
リンダー温度を260〜290℃として射出圧力を80
0kg/cm2 、射出速度を100mm/sec、金型
温度を80℃とした。得られた樹脂組成物の性能等を表
2に示す。
【0034】
【表2】
【0035】実施例1〜4では、ガラス繊維の樹脂組成
物全体に対する配合比が60重量%以上と多いためいず
れも曲げ強度、曲げ弾性率、衝撃強度等の機械的特性
や、繰り返し疲労試験での曲げ応力で示される耐久性に
優れていた。またガラス繊維は繊維径が9μm以上であ
り、繊維長が5.0mm以下であるため繊維どうしの絡
まりが少なく混練性に優れたものであった。またポリア
ミド樹脂の相対粘度が2.0〜2.5の範囲内と低いた
め混練性が良く、成形加時の流動性も良いため成形加工
性に優れていた。またアミノ末端基濃度が40mmol
/kg以下であるため、ガラス繊維との相溶性に優れ外
観性の良いものが得られた。
【0036】実施例1〜4で得られたポリアミド樹脂組
成物は全て、曲げ強度が350MPa以上であり、曲げ
弾性率が20GPa以上でノッチ付きアイゾット衝撃強
度が15J/m以上であり、さらに繰り返し疲労試験で
の性能が107 回以上の耐久性試験に対し40MPa以
上の曲げ応力を有していたため、自動車部品や建材の金
属代替部品として使用できるものであった。
【0037】比較例1はポリアミド樹脂の相対粘度が低
すぎ、また比較例5、6、7、9、10はポリアミド樹
脂の相対粘度が高すぎたため、押し出し混練性および成
形性や加工性に劣るものとなった。
【0038】比較例2はアミノ末端基濃度が高すぎたた
め、加工性及び外観性も劣っていた。比較例4、6はガ
ラス繊維の繊維径が細すぎて繊維どうしが絡みあい嵩高
となったため溶融混練性が悪くなり、成形加工性や外観
性にも劣るものとなった。
【0039】比較例3、7はガラス繊維の繊維長が長す
ぎて繊維どうしが絡み合い、嵩高となったため溶融混練
性が悪くなり、成形加工性や外観性にも劣るものとなっ
た。
【0040】比較例1、2、6、8、9はガラス繊維の
配合比が低いため、機械的特性に劣るものとなった。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、相対粘度が2.0〜
2.5と低粘度でかつアミノ末端基濃度が40mmol
/kg以下であるポリアミド樹脂を用いることで、ガラ
ス繊維を61重量%以上加えても、ガラス繊維による配
向性が緩和されて成形品の反りがなくなり、ガラス繊維
の浮き出しによる成形品表面のうねりもなくなるため、
外観性の良いポリアミド樹脂組成物を得ることができ
る。またガラス繊維を61重量%以上加えることで、強
度、剛性、耐衝撃性等の機械的特性や耐久性に優れたポ
リアミド樹脂組成物を得ることができる。したがって、
外観性に優れ、金属部品の代替として使用できる自動車
部品用のポリアミド樹脂組成物が得られる。また繊維径
が9μm以上で繊維長が5.0mm以下であるガラス繊
維を用いることで、溶融混練時の混練性や成形性の良い
ポリアミド樹脂組成物が得られる。
【0042】また本発明によれば、上記のようなポリア
ミド樹脂組成物を製造するに際し、まずポリアミド樹脂
と最終的な配合量よりも少ない量のガラス繊維とを押し
出し機の第1供給口から投入して、前記ポリアミド樹脂
を溶融した後、残りのガラス繊維をサイドフィーダーか
ら投入して溶融混練することで、一括してガラス繊維を
ポリアミド樹脂と溶融混練する方法に比べて、ガラス繊
維が折れる割合が小さいため、ポリアミド樹脂組成物の
強度の低下が小さくなる。
【0043】そのため自動車のインテークマニホールド
やエンジンロッカーカバーやドアミラーやドアチェッカ
ーケースやペダル類やギアチェンジレバー構成部品等の
自動車用部品に適したポリアミド樹脂組成物を提供でき
る。またこのようなポリアミド樹脂組成物は金属部品の
代替となるほど強度や剛性、耐衝撃性、耐久性等に優れ
ているので強度を必要とする建材にも適したポリアミド
樹脂組成物を提供できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大澤 正 京都府宇治市宇治樋ノ尻31−3 ユニチカ 株式会社宇治プラスチック工場内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相対粘度が2.0〜2.5でアミノ末端
    基濃度が40mmol/kg以下であるポリアミド樹脂
    100重量部と、繊維径が9μm以上で繊維長が5.0
    mm以下であるガラス繊維155〜400重量部とから
    なることを特徴とするポリアミド樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 ポリアミド樹脂が、ナイロン6又はナイ
    ロン66又はナイロン6とナイロン66との混合物であ
    ることを特徴とする請求項1記載のポリアミド樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】 相対粘度が2.0〜2.5でアミノ末端
    基濃度が40mmol/kg以下であるポリアミド樹脂
    100重量部と、繊維径が9μm以上で繊維長が5.0
    mm以下であるガラス繊維0〜100重量部とを押し出
    し機の第1供給口から投入して、前記ポリアミド樹脂を
    溶融した後、残りのガラス繊維を押し出し機の第2供給
    口から投入して、最終的にガラス繊維の配合量が155
    〜400重量部となるように溶融混練することを特徴と
    する請求項1および2記載のポリアミド樹脂組成物の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜2のいずれか1項に記載のポ
    リアミド樹脂組成物を用いてなる自動車用部品。
JP30601996A 1996-11-18 1996-11-18 ポリアミド樹脂組成物及びその製造方法、並びにこれを用いてなる自動車用部品 Pending JPH10147710A (ja)

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Cited By (4)

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