JP2013060534A - ポリアミド樹脂組成物およびそれを成形してなる成形体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】テレフタル酸を主成分とするジカルボン酸成分と脂肪族ジアミン成分とからなる半芳香族ポリアミド樹脂(A)と脂肪族ポリアミド樹脂(B)と繊維状強化材を含有してなるポリアミド樹脂組成物であって、前記半芳香族ポリアミド樹脂(A)を構成するジアミン成分が1,8−オクタンジアミン、1,10−デカンジアミン、1,12−ドデカンジアミンのいずれかであり、用いるポリアミド(A)のDSCを用いて測定される過冷却度△Tが40℃以下であることを特徴とするポリアミド樹脂組成物。
【選択図】なし
Description
一方、ポリイミド、液晶ポリエステルに代表される高耐熱材料は、電気、電子部品の基板材料として用いられている。しかしながら、このような材料は、性能面で非常に優れるものの、非常に高価であり加工適性に劣るため、前記半芳香族ポリアミドをこのような用途で用いることが検討されている。
ポリアミド6Tは、そのホモポリマーの融点が370℃と高すぎるため、溶融加工時のポリアミド6Tの熱分解を抑制することができなくなってしまう。そのため、ポリアミド6Tは、共重合成分を多く導入することにより、融点を十分に下げた状態で使用されている。しかし、このような共重合されたポリアミド6Tは、結晶性が損なわれ、振動疲労強度を高めることはできなかった。
一方、特許文献2には、ポリアミド9Tよりも結晶性を高めながら、優れた成形加工性を有するポリアミド10Tを用いたポリアミド成形体を開示している。しかしながら、これら材料であっても、常温および高温雰囲気下ともに優れた振動疲労強度を有するポリアミドは得られていなかった。
(2)半芳香族ポリアミド樹脂(A)のDSCを用いて測定される過冷却度△Tが40℃以下であることを特徴とする(1)のポリアミド樹脂組成物。
(3)半芳香族ポリアミド樹脂(A)のジアミン成分が、1,10−デカンジアミンであることを特徴とする(1)または(2)のポリアミド樹脂組成物。
(4)半芳香族ポリアミド樹脂(A)中のジアミン単位に対するトリアミン単位が0.3モル%以下であることを特徴とする(1)〜(3)のポリアミド樹脂組成物。
(5)脂肪族ポリアミド樹脂(B)がポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド46あることを特徴とする(1)〜(4)のポリアミド樹脂組成物。
(6)繊維状強化材がガラス繊維、炭素繊維、金属繊維から選ばれる1種以上であることを特徴とする(1)〜(5)のポリアミド樹脂組成物。
(7)(1)〜(6)のポリアミド樹脂組成物を成形してなる成形体。
テレフタル酸は、芳香族ジカルボン酸の中でも化学構造の対称性が高く、高い結晶性を有する半芳香族ポリアミド樹脂(A)を得る上で最も好ましい。
半芳香族ポリアミド樹脂(A)を構成する脂肪族ジアミン成分は、1,8−オクタンジアミン、1,10−デカンジアミン、1,12−ドデカンジアミンのいずれかである。上記直鎖脂肪族ジアミンは、化学構造の対称性が高いため、高い結晶性を有する半芳香族ポリアミド樹脂(A)を得る上で好ましい。
ΔT=Tm−Tcc
上記式においては、示差走査熱量計(DSC)を用いて、不活性ガス雰囲気下、当該半芳香族ポリアミド樹脂(A)を溶融状態から20℃/分の降温速度で25℃まで降温した後、20℃/分の昇温速度で昇温した場合に現れる吸熱ピークの温度を融点(Tm)と定義する。また、同様に溶融状態から20℃/分の降温速度で25℃まで降温した場合に現れる発熱ピークの温度を降温結晶化温度(Tcc)と定義する。このΔTが小さい程、ポリマー溶融状態からの結晶化が速いことを示す。
半芳香族ポリアミド樹脂(A)と脂肪族ポリアミド樹脂(B)を併用し、後述する繊維状強化材と組み合わせることによって、高温雰囲気にも耐えられる耐熱性と、常温から高温までの幅広い温度域での柔軟性を得ることができるため、すぐれた振動疲労強度を達成できることができる。
ポリアミド樹脂とガラス繊維または炭素繊維との密着効果を得やすい点で、アミノシラン系カップリング剤が特に好ましい。
成形サイクルとは、同じ射出条件で連続して成形した際、1ショット目の成形体の射出が開始してから、2ショット目の成形体の射出が開始するまでの時間をいう。すなわち、一つの成形体を成形するのに要する時間(射出時間+冷却時間+取出し時間の合計)をいう。成形サイクルの短縮とは、上記一つの成形体を成形するのに要する時間中、特に冷却時間の短縮を意味する。
中でも、繊維状強化材による補強効果を生かして、耐久消費財用途で用いることが可能であり、自動車部品、電気電子部品に好適に用いることができる。
自動車部品用途においては、エンジンカバー、エアインテークマニホールド、スロットルボディ、エアインテークパイプ、ラジエタータンク、ラジエターサポート、ラジエターホース、ラジエターグリル、タイミングベルトカバー、ウォーターポンプレンレット、ウォーターポンプアウトレット、クーリングファン、ファンシュラウド、エンジンマウント等のエンジン周辺部品、プロペラシャフト、スタビライザーバーリンケージロッド、アクセルペダル、ペダルモジュール、シールリング、ベアリングリテーナー、ギア等の機構部品、オイルパン、オイルフィルターハウジング、オイルフィルターキャップ、オイルレベルゲージ、燃料タンク、燃料チューブ、フューエルカットオフバルブ、キャニスター、フューエルデリバリーパイプ、フューエルフィラーネック、フューエルセンダーモジュール、燃料配管用継手等の燃料・配管系部品、ワイヤーハーネス、リレーブロック、センサーハウジング、エンキャプシュレーション、イグニッションコイル、ディストリビューター、サーモスタットハウジング、クイックコネクター、ランプリフレクタ、ランプハウジング、ランプエクステンション、ランプソケット等の電装系部品、リアスポイラー、ホイールカバー、ホイールキャップ、カウルベントグリル、エアアウトレットルーバー、エアスクープ、フードバルジ、フェンダー、バックドア、シフトレバーハウジング、ウインドーレギュレータ、ドアロック、ドアハンドル、アウトサイドドアミラーステー等の各種内外装部品等で好適に用いることができる。
電気電子部品用途においては、コネクタ、LEDリフレクタ、スイッチ、センサー、ソケット、コンデンサー、ジャック、ヒューズホルダー、リレー、コイルボビン、抵抗器、IC、LEDのハウジング等が挙げられる。
これら自動車部品、電気電子部品は、主に射出成形、ブロー成形により成形されるため、本発明のポリアミド樹脂組成物を用いた場合には、成形サイクルを短縮し、樹脂劣化物、分解ガスの混入を抑制し、外観に優れた成形体を得ることができる。また、成形サイクルを短縮しているため、量産性に優れ、品質を均一にして大量に生産を行うような部品の成形においては、顕著に優れた成形性を有する。
以下のような方法にしたがって、樹脂特性の測定、成形体の性能評価を行った。
96質量%硫酸を溶媒とし、濃度1g/dL、25℃で測定した。
東ソー社製ゲル浸透クロマトグラフィ装置を用い、下記条件で調製した試料溶液にてGPC分析を行った後、ポリメチルメタクリレート(ポリマーラボラトリーズ社製)を標準試料として作成した検量線を用いて、重量平均分子量を求めた。
<試料調製>
ポリアミド樹脂5mgに10mMトリフルオロ酢酸ナトリウム含有ヘキサフルオロイソプロパノール2mlを加えて溶解後、ディスクフィルターで濾過した。
<条件>
・検出器:示差屈折率検出器RI−8010型(東ソー社製)
・溶離液:10mMトリフルオロ酢酸ナトリウム含有ヘキサフルオロイソプロパノール
・流速:0.4ml/min
・温度:40℃
パーキンエルマー社製示差走査型熱量計DSC−7型を用い、昇温速度20℃/分で350℃まで昇温した後、350℃で5分間保持し、降温速度20℃/分で25℃まで降温した際の発熱ピークのトップを与える温度を降温結晶化温度(Tcc)、さらに25℃で5分間保持後、再び昇温速度20℃/分で昇温測定した際の吸熱ピークのトップを融点(Tm)とした。融点と降温結晶化温度の差(Tm−Tcc)を過冷却度(ΔT)とした。
ポリアミド樹脂10mgに47%臭化水素酸を3mL加え、130℃で20時間加熱後、蒸発乾固し、さらに80℃2時間減圧乾燥する。これにピリジン2mL、N,O−ビス(トリメチルシリル)トリフルオロアセトアミド1mLを加え、90℃で30分加熱する。冷却後、メンブランフィルターでろ過した溶液を、質量分析計を備えたガスクロマトグラフィー装置で分析した。別に測定した標準物質のジアミンとトリアミンにより得た検量線を用いてポリアミド樹脂中のジアミンとトリアミンを定量し、ジアミンに対するトリアミンのモル比を算出した。トリアミンの標準物質は、酸化パラジウムを触媒として用いて、オートクレーブ中にてジアミンを240℃で3時間加熱撹拌して反応させて得たトリアミン化合物を用いた。
JIS K7210に従い、ポリアミド樹脂組成物ペレットを用い、340℃、1.2kgfの荷重で測定した。単位はg/10分である。
試験条件は振動疲労試験機(東洋精機製作所製)を用い、引張荷重制御、チャック間距離:25mm、雰囲気温度:30℃または120℃、周波数:30Hz、応力モード:引張、の条件下で測定を行った。所定の応力を負荷し、試験片が破壊するまでの応力負荷回数を計測した。試験片は、JIS K7160の2形試験片を用いた。
応力負荷回数の多いほど、振動疲労特性に優れると判断した。また、試験片破壊までの応力負荷回数が、100万回以上であることが実用的に好ましい。
実施例および比較例で用いた原料を以下に示す。
(1)ジカルボン酸成分
・テレフタル酸
・イソフタル酸
(2)ジアミン成分
・1,8−オクタンジアミン
・1,9−ノナンジアミン
・1,10−デカンジアミン
・1,12−ドデカンジアミン
(3)脂肪族ポリアミド樹脂
B−1:ポリアミド66(ユニチカ社製E2000)、相対粘度2.7
B−2:ポリアミド6(ユニチカ社製A1030BRF−BA)、相対粘度3.1
B−3:ポリアミド46(DSM社製TW300)、相対粘度3.4
(4)強化材
・GF:ガラス繊維(日本電気硝子社製T−262H)、平均繊維径10μm、平均繊維長3mm
・偏平GF:偏平ガラス繊維(日東紡社製CSG3PA820S)、長径28μm×短径7μm、平均繊維長3mm
・CF:炭素繊維(東邦テナックス社製HTA−C6−NR)、平均繊維径7μm、平均繊維長6mm
・GB:ガラスビーズ(ポッターズ・バロティーニ社製EGB731)、平均粒径20μm
[工程(i)]
ジアミン成分として1,10−デカンジアミン(5050質量部)、平均粒径80μmの粉末状テレフタル酸(4870質量部)、末端封鎖剤として安息香酸(72質量部)、重合触媒として次亜リン酸ナトリウム一水和物(6質量部)をオートクレーブに入れ、100℃に加熱後、ダブルヘリカル型の攪拌翼を用いて回転数28rpmで撹拌を開始し、1時間加熱した。原料モノマーのモル比は、1,10−デカンジアミン:テレフタル酸=50:50であった。この混合物を、回転数を28rpmに保ったまま230℃に昇温し、その後230℃で3時間加熱した。塩と低重合体の生成反応と破砕を同時に行った。反応により生じた水蒸気を放圧後、得られた反応物を取り出した。
工程(i)で得られた反応物を、乾燥機中、常圧窒素気流下、230℃で5時間加熱して重合し半芳香族ポリアミド樹脂(P−1)を得た。得られた半芳香族ポリアミド樹脂(P−1)について、相対粘度、重量平均分子量、融点、降温結晶化温度、過冷却度△T、トリアミン量の測定を行った。その結果を表1に示す。
[工程(i)]
体積平均粒径80μmのテレフタル酸粉末(4870質量部)、重合触媒としての次亜リン酸ナトリウム(6質量部)、末端封鎖剤としての安息香酸(72質量部)からなる混合物を、リボンブレンダー式の反応装置に供給し、窒素密閉下、ダブルヘリカル型の攪拌翼を用いて回転数30rpmで撹拌しながら170℃に加熱した。その後、温度を170℃に保ち、かつ回転数を30rpmに保ったまま、液注装置を用いて、100℃に加温したデカンジアミン(5050質量部、100質量%)を、28質量部/分の速度で、3時間かけて連続的(連続液注方式)にテレフタル酸粉末に添加し反応物を得た。
工程(i)で得られた反応物を、引き続き工程(i)で用いたリボンブレンダー式の反応装置内で、窒素気流下、230℃に昇温し、230℃で5時間加熱して重合し半芳香族ポリアミド樹脂(P−2)を得た。得られた半芳香族ポリアミド樹脂(P−2)について、相対粘度、重量平均分子量、融点、降温結晶化温度、過冷却度△T、トリアミン量の測定を行った。その結果を表1に示す。
使用するモノマーの種類、製造条件を表1のように変更する以外は、実施例2と同様にして半芳香族ポリアミド樹脂(P−3)〜(P−5)および(P−7)を得、各特性の測定を行った。その結果を表1に示す。
[工程(i)]
ジアミン成分として1,10−デカンジアミン(5050質量部)、平均粒径80μmの粉末状テレフタル酸(4870質量部)、末端封鎖剤として安息香酸(72質量部)、重合触媒として次亜リン酸ナトリウム一水和物(6質量部)、蒸留水400質量部(原料モノマーの合計量100質量部に対して、4質量部)をオートクレーブに入れ、100℃に加熱後、回転数28rpmで撹拌を開始し、1時間加熱した。この混合物を、回転数を28rpmに保ったまま230℃に昇温し、その後230℃で3時間加熱した。塩と低重合体の生成反応を行ないながら、得られた固形物を破砕した。水蒸気を放圧後、得られた反応物を取り出した。
工程(i)で得られた反応物を、乾燥機中、常圧窒素気流下、230℃で5時間加熱して重合し半芳香族ポリアミド樹脂(P−6)を得た。得られた半芳香族ポリアミド樹脂(P−6)について、相対粘度、重量平均分子量、融点、降温結晶化温度、過冷却度△T、トリアミン量の測定を行った。その結果を表1に示す。なお、半芳香族ポリアミド樹脂(P−6)を得るにあたり、原料モノマーの合計量100質量部に対して、蒸留水を4質量部用いて重合を行ったため、蒸留水の添加の有無以外が同条件である製造例1に比べ、重量平均分子量はやや低めであり、トリアミン量は多かった。
[工程(i)]
ジアミン成分として1,10−デカンジアミン(5050質量部)、平均粒径80μmの粉末状テレフタル酸(4870質量部)、末端封鎖剤として安息香酸(72質量部)、重合触媒として次亜リン酸ナトリウム一水和物(6質量部)、蒸留水9200質量部(原料モノマーの合計量100質量部に対して、92質量部)をオートクレーブに入れ、100℃に加熱後、回転数28rpmで撹拌を開始し、1時間加熱した。この混合物を、回転数を28rpmに保ったまま230℃に昇温し、その後230℃で3時間加熱した。塩と低重合体の生成反応を行ないながら、得られた固形物を破砕した。水蒸気を放圧後、得られた反応物を取り出した。
工程(i)で得られた反応物を、乾燥機中、常圧窒素気流下、230℃で5時間加熱して重合し半芳香族ポリアミド樹脂(P−8)を得た。得られた半芳香族ポリアミド樹脂(P−8)について、相対粘度、重量平均分子量、融点、降温結晶化温度、過冷却度△T、トリアミン量の測定を行った。その結果を表1に示す。なお、半芳香族ポリアミド樹脂(P−8)を得るにあたり、原料モノマーの合計量100質量部に対して、蒸留水を92質量部用いて重合を行ったため、蒸留水の添加の有無以外が同条件である製造例1に比べ、重量平均分子量は顕著に低めであり、トリアミン量は顕著に多かった。
[工程(i)]
ジアミン成分として1,10−デカンジアミン(5050質量部)、平均粒径80μmの粉末状テレフタル酸(4870質量部)、末端封鎖剤として安息香酸(72質量部)、重合触媒として次亜リン酸ナトリウム一水和物(6質量部)、蒸留水600質量部(原料モノマーの合計量100質量部に対して、6質量部)をオートクレーブに入れ、100℃に加熱後、回転数28rpmで撹拌を開始し、1時間加熱した。この混合物を、回転数を28rpmに保ったまま230℃に昇温し、その後230℃で3時間加熱した。塩と低重合体の生成反応を行ないながら、得られた固形物を破砕した。水蒸気を放圧後、得られた反応物を取り出した。
工程(i)で得られた反応物を、乾燥機中、常圧窒素気流下、230℃で5時間加熱して重合し半芳香族ポリアミド樹脂(P−9)を得た。得られた半芳香族ポリアミド樹脂(P−9)について、相対粘度、重量平均分子量、融点、降温結晶化温度、過冷却度△T、トリアミン量の測定を行った。その結果を表1に示す。なお、半芳香族ポリアミド樹脂(P−9)を得るにあたり、原料モノマーの合計量100質量部に対して、蒸留水を6質量部用いて重合を行ったため、蒸留水の添加の有無以外が同条件である製造例1に比べ、重量平均分子量はやや低めであり、トリアミン量は多かった。
用いる末端封鎖剤の配合量を変更する以外は、実施例1と同様にして半芳香族ポリアミド樹脂(P−10)、(P−11)を得、各特性の測定を行った。その結果を表1に示す。
製造例1で得た半芳香族ポリアミド樹脂(P−1)85質量部および脂肪族ポリアミド樹脂(B−1)15質量部の合計100質量部をクボタ社製ロスインウェイト式連続定量供給装置CE−W−1型を用いて計量し、スクリュー径37mm、L/D40の同方向二軸押出機(東芝機械社製TEM37BS型)の主供給口に供給し、溶融混練を行った。途中、サイドフィーダーより(P−1)、(B−1)の合計100質量部に対し、ガラス繊維(GF)を30質量部供給しさらに混練を行った。最後にダイスからストランド状に引き取った後、水槽に通して冷却固化し、それをペレタイザーでカッティングしてポリアミド樹脂組成物ペレットを得た。なお、押出機のバレル温度設定は、320℃〜340℃、スクリュー回転数250rpm、吐出量35kg/hとした。
用いる脂肪族ポリアミド樹脂(B)の種類および強化材の種類をそれぞれに変更した以外は、実施例1と同様にしてポリアミド樹脂組成物ペレットを得た後、射出成形して試験片を得、各種評価試験を行った。その結果を表2に示す。
用いる半芳香族ポリアミド樹脂(A)の種類をそれぞれに変更した以外は、実施例1と同様にしてポリアミド樹脂組成物ペレットを得た後、射出成形して試験片を得、各種評価試験を行った。その結果を表3に示す。
実施例17については半芳香族ポリアミド樹脂(P−1)および脂肪族ポリアミド樹脂(B−1)の混合物100質量部、比較例5については半芳香族ポリアミド樹脂(P−1)100質量部、比較例6については脂肪族ポリアミド樹脂(B−1)100質量部のそれぞれに対し、強化材を5質量部配合した以外は、実施例1と同様にしてポリアミド樹脂組成物ペレットを得た後、射出成形して試験片を得、各種評価試験を行った。その結果を表4に示す。
なお、比較例6は、半芳香族ポリアミド樹脂(P−1)を配合しなかったため、溶融混錬持の押出機のバレル温度設定を280℃〜300℃とし、射出成形機のシリンダー温度を300℃、金型温度を100℃とした。
強化材の配合を160質量部とした以外は、実施例17、比較例5、6と同様にしてポリアミド樹脂組成物ペレットを得た後、射出成形して試験片を得、各種評価試験を行った。その結果を表5に示す。
強化材の配合を200質量部とした以外は、実施例17、比較例5、6と同様にしてポリアミド樹脂組成物ペレットを得た後、射出成形して試験片を得、各種評価試験を行った。その結果を表6に示す。
比較例11については半芳香族ポリアミド樹脂(P−1)および脂肪族ポリアミド樹脂(B−1)の混合物100質量部、比較例12については半芳香族ポリアミド樹脂(P−1)100質量部、比較例13については脂肪族ポリアミド樹脂(B−1)100質量部を用い、実施例1と同様にしてポリアミド樹脂組成物ペレットを得た後、射出成形して試験片を得、各種評価試験を行った。その結果を表7に示す。
なお、実施例19は繊維状強化材の配合量が実施例18よりも多いが、振動疲労強度はわずかに低下する結果となった。
Claims (7)
- テレフタル酸を主成分とするジカルボン酸成分と脂肪族ジアミン成分とからなる半芳香族ポリアミド樹脂(A)、脂肪族ポリアミド樹脂(B)および繊維状強化材を含有してなるポリアミド樹脂組成物であって、前記半芳香族ポリアミド樹脂(A)を構成するジアミン成分が1,8−オクタンジアミン、1,10−デカンジアミン、1,12−ドデカンジアミンのいずれかであるポリアミド樹脂組成物。
- 半芳香族ポリアミド樹脂(A)のDSCを用いて測定される過冷却度△Tが40℃以下であることを特徴とする請求項1に記載のポリアミド樹脂組成物。
- 半芳香族ポリアミド樹脂(A)のジアミン成分が、1,10−デカンジアミンであることを特徴とする請求項1または2に記載のポリアミド樹脂組成物。
- 半芳香族ポリアミド樹脂(A)中のジアミン単位に対するトリアミン単位が0.3モル%以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
- 脂肪族ポリアミド樹脂(B)がポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド46あることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
- 繊維状強化材がガラス繊維、炭素繊維、金属繊維から選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
- 請求項1〜6のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物を成形してなる成形体。
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