JP6022832B2 - 半芳香族ポリアミド樹脂組成物およびそれを成形してなる成形体 - Google Patents
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Description
(A)/(B)=95/5〜50/50 (1)
{(A)+(B)}/(C)=100/10〜100/160 (2)
(2)非晶性ポリアリレート樹脂(B)が二価フェノール成分と芳香族ジカルボン酸成分からなり、二価フェノール成分が2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンであり、ジカルボン酸成分がテレフタル酸およびイソフタル酸であることを特徴とする(1)に記載のポリアミド樹脂組成物。
(3)非晶性ポリアリレート樹脂(B)のテレフタル酸とイソフタル酸の比率(質量比)が80/20〜20/80であることを特徴とする(2)に記載のポリアミド樹脂組成物。
(4)半芳香族ポリアミド樹脂(A)が、テレフタル酸を主成分とするジカルボン酸成分と、脂肪族ジアミン成分からなり、脂肪族ジアミン成分が、1,8−オクタンジアミン、1,10−デカンジアミン、1,12−ドデカンジアミンからなる群から選ばれる1種以上であることを特徴とする(1)〜(3)いずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
(5)半芳香族ポリアミド樹脂(A)の脂肪族ジアミン成分が、1,10−デカンジアミンであることを特徴とする(4)に記載のポリアミド樹脂組成物。
(6)半芳香族ポリアミド樹脂(A)中のジアミン単位に対するトリアミン単位が、0.3モル%以下であることを特徴とする(1)〜(5)いずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
(7)半芳香族ポリアミド樹脂(A)の示差走査型熱量計を用いて測定される過冷却度が40℃以下であることを特徴とする(1)〜(6)いずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
(8)繊維状強化材がガラス繊維、炭素繊維、金属繊維から選ばれる1種以上であることを特徴とする(1)〜(7)いずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
(9)クリープ変形率が20%以下である(1)〜(8)いずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
(10)(1)〜(9)いずれかに記載のポリアミド樹脂組成物を成形してなる成形体。
(1)ポリアミド樹脂の相対粘度
ポリアミド樹脂を96質量%硫酸に溶解し、濃度1g/dLの試料溶液を作製した。続いて、ウベローデ型粘度計を用い、25℃の温度にて試料溶液および溶媒の落下時間を測定し、以下の式を用いて相対粘度を求めた。
相対粘度=(試料溶液の落下時間/溶媒のみの落下時間)/樹脂濃度(g/dL)
(2)ポリアミド樹脂の重量平均分子量
東ソー社製ゲル浸透クロマトグラフィ装置を用い、下記条件で調製した試料溶液にてGPC分析をおこなった後、ポリメチルメタクリレート(ポリマーラボラトリーズ社製)を標準試料として作成した検量線を用いて、重量平均分子量を求めた。
<試料調製>
ポリアミド樹脂5mgに10mMトリフルオロ酢酸ナトリウム含有ヘキサフルオロイソプロパノール2mLを加えて溶解後、ディスクフィルターで濾過した。
<条件>
・検出器:示差屈折率検出器RI−8010型(東ソー社製)
・溶離液:10mMトリフルオロ酢酸ナトリウム含有ヘキサフルオロイソプロパノール
・流速:0.4mL/分
・温度:40℃
パーキンエルマー社製示差走査型熱量計DSC−7型を用い、昇温速度20℃/分で350℃まで昇温した後、350℃で5分間保持し、降温速度20℃/分で25℃まで降温した際の発熱ピークのトップを与える温度を降温結晶化温度、さらに25℃で5分間保持後、再び昇温速度20℃/分で昇温測定した際の吸熱ピークのトップを融点とした。融点と降温結晶化温度の差を過冷却度とした。
(4)ポリアミド樹脂中のトリアミンの定量
ポリアミド樹脂10mgに47%臭化水素酸を3mL加え、130℃で20時間加熱後、蒸発乾固し、さらに80℃2時間減圧乾燥する。これにピリジン2mL、N,O−ビス(トリメチルシリル)トリフルオロアセトアミド1mLを加え、90℃で30分加熱する。冷却後、メンブランフィルターでろ過した溶液を、質量分析計を備えたガスクロマトグラフィー装置で分析した。別に測定した標準物質のジアミンとトリアミンにより得た検量線を用いてポリアミド樹脂中のジアミンとトリアミンを定量し、ジアミンに対するトリアミンのモル比を算出した。トリアミンの標準物質は、酸化パラジウムを触媒として用いて、オートクレーブ中にてジアミンを240℃で3時間加熱撹拌して反応させて得たトリアミン化合物を用いた。
ポリアリレート樹脂をフェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン(6/4(質量比))に溶解し、濃度1g/dLの試料溶液を作製した。続いて、ウベローデ型粘度計を用い、25℃の温度にて試料溶液および溶媒の落下時間を測定し、以下の式を用いてインヘレント粘度を求めた。
インヘレント粘度=ln[(試料溶液の落下時間/溶媒のみの落下時間)/樹脂濃度(g/dL)]
(6)ポリアリレート樹脂のカルボキシル価
ポリアリレート樹脂0.15gを精秤し、ベンジルアルコール5mLに加熱溶解した。さらに、クロロホルム10mLを混合した後、フェノールレッドを指示薬として加え、攪拌しながら0.1NKOHベンジルアルコール溶液で中和滴定してカルボキシル価を求めた。
ポリアミド樹脂組成物を、東芝機械社製射出成形機EC100を用いて射出成形し、幅10mm、厚さ4mmのダンベル試験片を作製した。なお、実施例1〜19、比較例1〜4、7〜9は、シリンダー温度340℃、金型温度130℃とした。比較例5、6は、シリンダー温度280℃、金型温度100℃とした。
得られた試験片を用いて、ISO 527に準拠して、引張強度と引張破断伸度を測定した。
ポリアミド樹脂組成物を、東芝機械社製射出成形機EC100を用いて射出成形し、125×12.7×1.6mmの試験片を作製した。なお、実施例1〜19、比較例1〜4、7〜9は、シリンダー温度340℃、金型温度130℃とした。比較例5、6は、シリンダー温度280℃、金型温度100℃とした。
得られた試験片を用いて、水平に並べた4つの円柱型拘束治具の上に試験片を置いて厚みhを測定した(図1(A))。次に、拘束治具に試験片を曲げた状態で固定し、拘束治具から試験片中央部の高さyを測定した(図1(B))。その後、試験片を80℃の恒温熱風炉に入れ、24時間の熱処理をおこなってから取り出し、外側2つの拘束治具を取り外した(図1(C))。そのまま常温で1週間放置したのち、拘束治具から試験片中央部の高さkを測定し、次式によりクリープ変形率を算出した。
クリープ変形率(%)=拘束解放後変位量/拘束時変位量×100=(k−h)/(y−h)×100
一般にプラスチック材料は弾性変形した状態を続けるとクリープして元の形状に戻らなくなる。耐クリープ変形性がよいとは、上式で算出されるクリープ変形率が小さいことを表す。実用上、20%以下であることが好ましい。
実施例および比較例で用いた原料を以下に示す。
<半芳香族ポリアミド樹脂(A)>
半芳香族ポリアミド樹脂は、以下の方法により合成したものを用いた。
半芳香族ポリアミド樹脂(A−1)
[工程(i)]
ジアミン成分として1,10−デカンジアミン(5050質量部)、粉末状テレフタル酸(4870質量部)、末端封鎖剤として安息香酸(72質量部)、重合触媒として次亜リン酸ナトリウム一水和物(6質量部)をオートクレーブに入れ、100℃に加熱後、ダブルヘリカル型の攪拌翼を用いて回転数28rpmで撹拌を開始し、1時間加熱した。原料モノマーのモル比は、1,10−デカンジアミン:テレフタル酸=50:50であった。この混合物を、回転数を28rpmに保ったまま230℃に昇温し、その後230℃で3時間加熱した。塩と低重合体の生成反応と破砕を同時におこなった。反応により生じた水蒸気を放圧後、得られた反応物を取り出した。
[工程(ii)]
工程(i)で得られた反応物を、乾燥機中、常圧窒素気流下、230℃で5時間加熱して重合し、半芳香族ポリアミド樹脂を作製した。
[工程(i)]
粉末状テレフタル酸粉末(4870質量部)、重合触媒としての次亜リン酸ナトリウム(6質量部)、末端封鎖剤としての安息香酸(72質量部)からなる混合物を、リボンブレンダー式の反応装置に供給し、窒素密閉下、ダブルヘリカル型の攪拌翼を用いて回転数30rpmで撹拌しながら170℃に加熱した。その後、温度を170℃に保ち、かつ回転数を30rpmに保ったまま、液注装置を用いて、100℃に加温したデカンジアミン(5050質量部、100質量%)を、28質量部/分の速度で、3時間かけて連続的(連続液注方式)にテレフタル酸粉末に添加し反応物を得た。
[工程(ii)]
工程(i)で得られた反応物を、引き続き工程(i)で用いたリボンブレンダー式の反応装置内で、窒素気流下、230℃に昇温し、230℃で5時間加熱して重合し半芳香族ポリアミド樹脂を作製した。
使用するモノマーの種類、製造条件を表1のように変更する以外は、半芳香族ポリアミド樹脂(A−2)を作製した際と同様の操作をおこなって半芳香族ポリアミド樹脂を作製した。
[工程(i)]
ジアミン成分として1,10−デカンジアミン(5050質量部)、粉末状テレフタル酸(4870質量部)、末端封鎖剤として安息香酸(72質量部)、重合触媒として次亜リン酸ナトリウム一水和物(6質量部)、蒸留水600質量部(原料モノマーの合計量100質量部に対して、6質量部)をオートクレーブに入れ、100℃に加熱後、回転数28rpmで撹拌を開始し、1時間加熱した。この混合物を、回転数を28rpmに保ったまま230℃に昇温し、その後230℃で3時間加熱した。塩と低重合体の生成反応をおこないながら、得られた固形物を破砕した。水蒸気を放圧後、得られた反応物を取り出した。
[工程(ii)]
工程(i)で得られた反応物を、乾燥機中、常圧窒素気流下、230℃で5時間加熱して重合し半芳香族ポリアミド樹脂を作製した。重合は、原料モノマーの合計量100質量部に対して、蒸留水を6質量部用いた。そのため、蒸留水の添加の有無以外が同条件で作製した半芳香族ポリアミド樹脂(A−1)と比較して、重量平均分子量はやや低めであり、トリアミン量が多かった。
1,6−ヘキサンジアミン、イソフタル酸、テレフタル酸からなる半芳香族ポリアミド樹脂(三井化学社製、アーレンA335)、融点320℃
E2000:ポリアミド66(ユニチカ社製E2000)、相対粘度2.7
A1030:ポリアミド6(ユニチカ社製A1030BRF−BA)、相対粘度3.1
非晶性ポリアリレート樹脂(B−1)
水冷用ジャケットと攪拌装置を備えた反応容器中に、水酸化ナトリウム3.1質量部をイオン交換水に溶解し、ついで2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(BPA)8.3質量部およびp−tertブチルフェノール(PTBP)0.29質量部を溶解した。別の容器でテレフタル酸ジクロリド(TPC)3.8質量部、イソフタル酸ジクロリド(IPC)3.8質量部をジクロロメタンに溶解した(BPA:TPC:IPC:PTBP:NaOH=100:51:51:5:213(モル比))。それぞれの液を20℃になるよう調節した後、反応槽で前記水溶液を攪拌したところへ、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライドの50%水溶液を0.09質量部添加し、さらに前記ジクロロメタン溶液を全量投入し、6時間攪拌を続けた後、攪拌機を停止した。静置分離後に水相を抜き出し、残ったジクロロメタン相に酢酸0.25質量部を添加した。その後、イオン交換水を投入し、20分間攪拌してから再度静置して水相を抜き出した。この水洗操作を水相が中性になるまで繰り返した後、ジクロロメタン相をホモミキサーを装着した容器に入った50℃の温水中に投入して塩化メチレンを蒸発させ、粉末状ポリアリレートを得た。この粉末状ポリアリレートを脱水した後、真空乾燥機を使用して、減圧下120℃で24時間乾燥してポリアリレート樹脂を得た。この樹脂のインヘレント粘度は0.53dL/g、カルボキシル価は15当量/トンであった。DSCを用いて測定しても、結晶融解ピークは見られなかった。
水冷用ジャケットと攪拌装置を備えた反応容器中に、水酸化ナトリウム3.1質量部をイオン交換水に溶解し、ついでBPA8.46質量部およびPTBP0.15質量部を溶解した。別の容器でTPC3.8質量部、IPC3.8質量部をジクロロメタンに溶解した(BPA:TPC:IPC:PTBP:NaOH=100:50:50:3:209(モル比))。それぞれの液を20℃になるよう調節した後、反応槽で前記水溶液を攪拌したところへ、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライドの50%水溶液を0.09質量部添加し、さらに前記ジクロロメタン溶液を全量投入し、6時間攪拌を続けた後、攪拌機を停止した。静置分離後に水相を抜き出し、残ったジクロロメタン相に酢酸0.25質量部を添加した。その後、イオン交換水を投入し、20分間攪拌してから再度静置して水相を抜き出した。この水洗操作を水相が中性になるまで繰り返した後、ジクロロメタン相をホモミキサーを装着した容器に入った50℃の温水中に投入して塩化メチレンを蒸発させ、粉末状ポリアリレートを得た。この粉末状ポリアリレートを脱水した後、真空乾燥機を使用して、減圧下120℃で24時間乾燥して非晶性ポリアリレート樹脂を得た。この樹脂のインヘレント粘度は0.72dL/g、カルボキシル価は15当量/トンであった。DSCを用いて測定しても、結晶融解ピークは見られなかった。
水冷用ジャケットと攪拌装置を備えた反応容器中に、水酸化ナトリウム3.25質量部をイオン交換水に溶解し、ついでBPA8.46質量部およびPTBP0.15質量部を溶解した。別の容器でTPC3.83質量部、IPC3.83質量部をジクロロメタンに溶解した(BPA:TPC:IPC:PTBP:NaOH=100:51:51:3:219(モル比))。それぞれの液を20℃になるよう調節した後、反応槽で前記水溶液を攪拌したところへ、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライドの50%水溶液を0.09質量部添加し、さらに前記ジクロロメタン溶液を全量投入し、6時間攪拌を続けた後、攪拌機を停止した。静置分離後に水相を抜き出し、残ったジクロロメタン相に酢酸0.25質量部を添加した。その後、イオン交換水を投入し、20分間攪拌してから再度静置して水相を抜き出した。この水洗操作を水相が中性になるまで繰り返した後、ジクロロメタン相をホモミキサーを装着した容器に入った50℃の温水中に投入して塩化メチレンを蒸発させ、粉末状ポリアリレートを得た。この粉末状ポリアリレートを脱水した後、真空乾燥機を使用して、減圧下120℃で24時間乾燥して非晶性ポリアリレート樹脂を得た。この樹脂のインヘレント粘度は0.51dL/g、カルボキシル価は40当量/トンであった。DSCを用いて測定しても、結晶融解ピークは見られなかった。
水冷用ジャケットと攪拌装置を備えた反応容器中に、水酸化ナトリウム3.03質量部をイオン交換水に溶解し、ついでBPA8.3質量部およびPTBP0.29質量部を溶解した。別の容器でTPC3.83質量部、IPC3.83質量部をジクロロメタンに溶解した(BPA:TPC:IPC:PTBP:NaOH=100:51:51:5:208(モル比))。それぞれの液を20℃になるよう調節した後、反応槽で前記水溶液を攪拌したところへ、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライドの50%水溶液を0.09質量部添加し、さらに前記ジクロロメタン溶液を全量投入し、6時間攪拌を続けた後、攪拌機を停止した。静置分離後に水相を抜き出し、残ったジクロロメタン相に酢酸0.25質量部を添加した。その後、イオン交換水を投入し、20分間攪拌してから再度静置して水相を抜き出した。この水洗操作を水相が中性になるまで繰り返した後、ジクロロメタン相をホモミキサーを装着した容器に入った50℃の温水中に投入して塩化メチレンを蒸発させ、粉末状ポリアリレートを得た。この粉末状ポリアリレートを脱水した後、真空乾燥機を使用して、減圧下120℃で24時間乾燥して非晶性ポリアリレート樹脂を得た。この樹脂のインヘレント粘度は0.54dL/g、カルボキシル価は4当量/トンであった。DSCを用いて測定しても、結晶融解ピークは見られなかった。
水冷用ジャケットと攪拌装置を備えた反応容器中に、水酸化ナトリウム3.03質量部をイオン交換水に溶解し、ついでBPA8.3質量部およびPTBP0.29質量部を溶解した。別の容器でTPC3.83質量部、IPC3.83質量部をジクロロメタンに溶解した(BPA:TPC:IPC:PTBP:NaOH=100:51:51:5:210(モル比))。それぞれの液を20℃になるよう調節した後、反応槽で前記水溶液を攪拌したところへ、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライドの50%水溶液を0.09質量部添加し、さらに前記ジクロロメタン溶液を全量投入し、6時間攪拌を続けた後、攪拌機を停止した。静置分離後に水相を抜き出し、残ったジクロロメタン相に酢酸0.25質量部を添加した。その後、イオン交換水を投入し、20分間攪拌してから再度静置して水相を抜き出した。この水洗操作を水相が中性になるまで繰り返した後、ジクロロメタン相をホモミキサーを装着した容器に入った50℃の温水中に投入して塩化メチレンを蒸発させ、粉末状ポリアリレートを得た。この粉末状ポリアリレートを脱水した後、真空乾燥機を使用して、減圧下120℃で24時間乾燥して非晶性ポリアリレート樹脂を得た。この樹脂のインヘレント粘度は0.52dL/g、カルボキシル価は10当量/トンであった。DSCを用いて測定しても、結晶融解ピークは見られなかった。
・GF:ガラス繊維(日本電気硝子社製T−289)、平均繊維径13μm、平均繊維長3mm
・偏平GF:偏平ガラス繊維(日東紡社製CSG3PA820S)、長径28μm×短径7μm、平均繊維長3mm
・CF:炭素繊維(東邦テナックス社製HTA−C6−NR)、平均繊維径7μm、平均繊維長6mm
・GB:ガラスビーズ(ポッターズ・バロティーニ社製EGB731)、平均粒径20μm
製造例1で得た半芳香族ポリアミド樹脂(A−1)80質量部および非晶性ポリアリレート樹脂(B−1)20質量部をクボタ社製ロスインウェイト式連続定量供給装置CE−W−1型を用いて計量し、スクリュー径37mm、L/D40の同方向二軸押出機(東芝機械社製TEM37BS型)の主供給口に供給し、溶融混練をおこなった。途中、サイドフィーダーより(A−1)と(B−1)の合計100質量部に対し、GFを42質量部供給しさらに混練をおこなった。ダイスからストランド状に引き取った後、水槽に通して冷却固化し、それをペレタイザーでカッティングしてポリアミド樹脂組成物ペレットを得た。なお、押出機のバレル温度設定は320℃〜340℃、スクリュー回転数は250rpm、吐出量は35kg/時間とした。
樹脂の種類および配合比率を変更した以外は、実施例1と同様の操作をおこなってポリアミド樹脂組成物を得た。
GFを、(A−1)と(B−1)の合計100質量部に対し、200質量部供給した以外は、実施例1と同様の操作をおこなった。しかしながら、押出機内で樹脂が剪断発熱により熱分解して発泡したため、ダイスからストランドを引き取ることができなかった。
実施例1〜17の樹脂組成物は、非晶性ポリアリレート樹脂のカルボキシル基が12当量/トン以上であったため、半芳香族ポリアミド樹脂(A)に非晶性ポリアリレート樹脂(B)を添加した際の機械的特性の低下が抑制されていた。
比較例3の樹脂組成物は、繊維状強化材を配合しなかったため、クリープ変形率が高かった。
比較例5、6の樹脂組成物は、半芳香族ポリアミド樹脂の代わりに脂肪族ポリアミド樹脂を配合したため、クリープ変形率が高かった。
比較例9の樹脂組成物は、繊維状強化材の代わりにガラスビーズを配合したため、クリープ変形率が高かった。
(B)試験片を拘束して曲げた状態
(C)熱処理後に外側拘束治具だけを外した状態
1 試験片
2 拘束用治具(内側)
3 拘束用治具(外側)
Claims (10)
- 半芳香族ポリアミド樹脂(A)、非晶性ポリアリレート樹脂(B)および繊維状強化材(C)からなる樹脂組成物であって、非晶性ポリアリレート樹脂(B)のカルボキシル価が15当量/トン以上、かつ、(A)〜(C)の配合比率(質量比)が下記式(1)および(2)を満たすことを特徴とするポリアミド樹脂組成物。
(A)/(B)=95/5〜50/50 (1)
{(A)+(B)}/(C)=100/10〜100/160 (2) - 非晶性ポリアリレート樹脂(B)が二価フェノール成分と芳香族ジカルボン酸成分からなり、二価フェノール成分が2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンであり、ジカルボン酸成分がテレフタル酸およびイソフタル酸であることを特徴とする請求項1に記載のポリアミド樹脂組成物。
- 非晶性ポリアリレート樹脂(B)のテレフタル酸とイソフタル酸の比率(質量比)が80/20〜20/80であることを特徴とする請求項2に記載のポリアミド樹脂組成物。
- 半芳香族ポリアミド樹脂(A)が、テレフタル酸を主成分とするジカルボン酸成分と、脂肪族ジアミン成分からなり、脂肪族ジアミン成分が、1,8−オクタンジアミン、1,10−デカンジアミン、1,12−ドデカンジアミンからなる群から選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
- 半芳香族ポリアミド樹脂(A)の脂肪族ジアミン成分が、1,10−デカンジアミンであることを特徴とする請求項4に記載のポリアミド樹脂組成物。
- 半芳香族ポリアミド樹脂(A)中のジアミン単位に対するトリアミン単位が、0.3モル%以下であることを特徴とする請求項1〜5いずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
- 半芳香族ポリアミド樹脂(A)の示差走査型熱量計を用いて測定される過冷却度が40℃以下であることを特徴とする請求項1〜6いずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
- 繊維状強化材がガラス繊維、炭素繊維、金属繊維から選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1〜7いずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
- クリープ変形率が20%以下である請求項1〜8いずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
- 請求項1〜9いずれかに記載のポリアミド樹脂組成物を成形してなる成形体。
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