JP2016094508A - 半芳香族ポリアミドおよびそれからなる成形体 - Google Patents
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Abstract
【課題】他の樹脂との相溶性が改善され、酸変性ポリオレフィンとアロイ化した場合には耐衝撃強度が向上し、酸変性ポリオレフィンとアロイ化した場合には外観が改善し、曲げ強度や荷重たわみ温度が向上する半芳香族ポリアミドを提供する。【解決手段】テレフタル酸と1,10−デカンジアミンを主成分とする半芳香族ポリアミドであって、炭素数が15以上の脂肪族モノカルボン酸を0.6〜5.0モル%含有し、以下の式を満足する半芳香族ポリアミド。1≦[−NH2]/[−COOH]<6(1)[(1)式において、[−NH2]はアミノ基末端基濃度を示し、[−COOH]はカルボン酸末端基濃度を示す。]【選択図】なし
Description
本発明は、他の樹脂とのアロイ化に適した半芳香族ポリアミドに関する。
半芳香族ポリアミドは、機械的特性や耐熱性に優れていることから、電気電子分野や自動車用途に広く用いられている。耐熱性の高い樹脂材料としては一般に結晶性の高いものが好適であるが、結晶性が高いことによって、射出成形する場合に、金型への転写性が悪くなり、成形品の外観不良が起こりやすくなる。そこで、特許文献1のように高耐熱性ポリアミドに非晶性のポリアミドや、結晶性が比較的低いポリアミド等をアロイ化することにより、外観を改良することがおこなわれている。しかしながら、相溶性が悪いと、外観が向上しないばかりか、強度が低下する問題があった。また、特許文献2にように、ポリアミドに可撓性や耐衝撃性を付与するため、ポリオレフィン樹脂等の柔軟成分をアロイ化することがおこなわれている。しかしながら、相溶性が悪いと、耐衝撃改良効果が不十分なばかりか、強度が低下する問題があった。
他の樹脂との相溶性を向上させた半芳香族ポリアミドとしては、例えば、特許文献3に、末端アミノ基量を60〜120μ当量/gとし、末端アミノ基量/末端カルボキシル基量の値を6以上と調整したものが開示されている。
本発明は、他の樹脂との相溶性が改善され、従来技術におけるアロイ時の問題を解決することができる半芳香族ポリアミドを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記のような問題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定のモノカルボン酸を特定量含み、アミノ基末端とカルボキシル基末端の比率を特定の範囲としたポリアミド10Tを用いることにより、上記目的を達成できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、以下の構成を要旨とするものである。
(1)テレフタル酸と1,10−デカンジアミンを主成分とする半芳香族ポリアミドであって、炭素数が15以上の脂肪族モノカルボン酸を0.6〜5.0モル%含有し、以下の式を満足する半芳香族ポリアミド。
1≦[−NH2]/[−COOH]<6 (1)
[(1)式において、[−NH2]はアミノ基末端基濃度を示し、[−COOH]はカルボン酸末端基濃度を示す。]
(2)(1)に記載の半芳香族ポリアミドと低結晶性ポリアミドからなる樹脂組成物。
(3)(1)に記載の半芳香族ポリアミドと酸変性ポリオレフィンからなる樹脂組成物。
(4)(1)に記載の半芳香族ポリアミド、または、(2)もしくは(3)に記載の樹脂組成物を成形してなる成形体。
(1)テレフタル酸と1,10−デカンジアミンを主成分とする半芳香族ポリアミドであって、炭素数が15以上の脂肪族モノカルボン酸を0.6〜5.0モル%含有し、以下の式を満足する半芳香族ポリアミド。
1≦[−NH2]/[−COOH]<6 (1)
[(1)式において、[−NH2]はアミノ基末端基濃度を示し、[−COOH]はカルボン酸末端基濃度を示す。]
(2)(1)に記載の半芳香族ポリアミドと低結晶性ポリアミドからなる樹脂組成物。
(3)(1)に記載の半芳香族ポリアミドと酸変性ポリオレフィンからなる樹脂組成物。
(4)(1)に記載の半芳香族ポリアミド、または、(2)もしくは(3)に記載の樹脂組成物を成形してなる成形体。
本発明の半芳香族ポリアミドは、他の樹脂との相溶性が改善されているため、酸変性ポリオレフィンとアロイ化した場合には耐衝撃強度が向上し、酸変性ポリオレフィンとアロイ化した場合には外観が改善し、曲げ強度や荷重たわみ温度が向上するという顕著な効果を奏する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の半芳香族ポリアミドは、テレフタル酸と1,10−デカンジアミンを主成分とするポリアミド10Tである。
テレフタル酸は、ジカルボン酸成分において、95モル%以上含有することが好ましく、100モル%含有することが、耐熱性の観点から好ましい。
半芳香族ポリアミドには、テレフタル酸以外の他の芳香族ジカルボン酸や脂肪族ジカルボン酸や脂環式ジカルボン酸を含んでいてもよい。他の半芳香族ジカルボン酸としては、例えば、フタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸が挙げられる。脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸が挙げられる。脂環式ジカルボン酸としては、例えば、シクロヘキサンジカルボン酸が挙げられる。
1,10−デカンジアミンは、脂肪族ジアミン成分において、95モル%以上含有することが好ましく、100モル%含有することが、耐熱性の観点から好ましい。
半芳香族ポリアミドには、1、10−デカンジアミン以外の他の脂肪族ジアミンや芳香族ジアミンや脂環式ジアミンを含んでいてもよい。他の脂肪族ジアミンとしては、例えば、1,2−エタンジアミン、1,3−プロパンジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,5−ペンタンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、1,7−ヘプタンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,9−ノナンジアミン、1,11−ウンデカンジアミン、1,12−ドデカンジアミンが挙げられる。芳香族ジアミンとしては、例えば、キシリレンジアミン、ベンゼンジアミンが挙げられる。脂環式ジアミンとしては、例えば、シクロヘキサンジアミンが挙げられる。
本発明の半芳香族ポリアミドは、必要に応じて、カプロラクタムやラウロラクタム等のラクタム類、アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸等のω−アミノカルボン酸を用いてもよい。
本発明の半芳香族ポリアミドには、炭素数15以上の脂肪族モノカルボン酸を、半芳香族ポリアミドを構成する全モノマーに対して0.6〜5.0モル%含有することが必要である。脂肪族モノカルボン酸の炭素数は、18〜29とすることが好ましく、その含有量は1.0〜3.0モル%とすることが好ましい。脂肪族モノカルボン酸の炭素数が14以下の場合、他の樹脂との相溶性が低下し、比較的結晶性が低いポリアミド(以下、「低結晶性ポリアミド」と略称する。)とアロイ化した時に、外観の改善効果が小さく、曲げ強度や荷重たわみ温度の向上効果が小さく、また、酸変性ポリオレフィンとアロイ化した時に、耐衝撃強度の向上効果が小さいので好ましくない。さらに半芳香族ポリアミドの流動性が低下するために、成形サイクルも長くなる。また、脂肪族モノカルボン酸の含有量が0.6モル%未満の場合、低結晶性ポリアミドをアロイ化した時も、荷重たわみ温度の向上効果が小さい。また、脂肪族モノカルボン酸の含有量が5.0モル%を超える場合、低結晶性ポリアミドとアロイ化した時に、曲げ強度の向上効果が小さく、酸変性ポリオレフィンとアロイ化した時に、耐衝撃強度の向上効果が小さいので好ましくない。
炭素数が15以上の脂肪族モノカルボン酸としては、例えば、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マーガリン酸、ステアリン酸、ノナデシル酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸、メリシン酸が挙げられる。中でも、汎用性が高いことから、ステアリン酸、ベヘン酸、モンタン酸が好ましい。
本発明の半芳香族ポリアミドは、従来から知られている加熱重合法や溶液重合法の方法を用いて製造することができる。中でも、工業的に有利である点から、加熱重合法が好ましく用いられる。加熱重合法としては、芳香族ジカルボン酸と、脂肪族ジアミンと、モノカルボン酸とから反応物を得る工程(i)と、得られた反応物を重合する工程(ii)とからなる方法が挙げられる。
工程(i)としては、例えば、ジカルボン酸粉末とモノカルボン酸とを混合し、予めジアミンの融点以上、かつジカルボン酸の融点以下の温度に加熱し、この温度のジカルボン酸粉末とモノカルボン酸とに、ジカルボン酸の粉末の状態を保つように、実質的に水を含有させずに、ジアミンを添加する方法が挙げられる。あるいは、別の方法としては、溶融状態のジアミンと固体の芳香族ジカルボン酸とモノカルボン酸からなる懸濁液を攪拌混合し、混合液を得た後、最終的に生成する半芳香族ポリアミドの融点未満の温度で、ジカルボン酸とジアミンとモノカルボン酸の反応による塩の生成反応と、生成した塩の重合による低重合物の生成反応とをおこない、塩および低重合物の混合物を得る方法が挙げられる。この場合、反応をさせながら破砕をおこなってもよいし、反応後に一旦取り出してから破砕をおこなってもよい。工程(i)としては、反応物の形状の制御が容易な前者の方が好ましい。
工程(ii)としては、例えば、工程(i)で得られた反応物を、最終的に生成する半芳香族ポリアミドの融点未満の温度で固相重合し、所定の分子量まで高分子量化させ、半芳香族ポリアミドを得る方法が挙げられる。固相重合は、温度180〜270℃、反応時間0.5〜10時間で、窒素等の不活性ガス気流中でおこなうことが好ましい。
また、加熱重合法における加熱の方法として、特に限定されないが、水、蒸気、熱媒油等の媒体にて反応容器を加熱する方法、電気ヒーターで反応容器を加熱する方法、攪拌により発生する攪拌熱等内容物の運動に伴う摩擦熱を利用する方法が挙げられる。また、これらの方法を組み合わせてもよい。
半芳香族ポリアミドの製造において、重合の効率を高めるため重合触媒を用いてもよい。重合触媒としては、例えば、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸またはそれらの塩が挙げられる。重合触媒の添加量は、通常、原料モノマーの総モル数に対して、2モル%以下で用いることが好ましい。
本発明の半芳香族ポリアミドの末端基比([−NH2]/[−COOH])は、1以上6未満であることが必要であり、3以上6未満であることが好ましい。ここで、[−NH2]は、アミノ基末端基濃度を示し、[−COOH]は、カルボン酸末端基濃度を示す。末端基比が1未満の場合、他の樹脂との相溶性が低いので、低結晶性ポリアミドとアロイ化した時に、外観の改善効果が小さく、曲げ強度や荷重たわみ温度の向上効果が小さく、酸変性ポリオレフィンとアロイ化した時に、耐衝撃強度の改善効果が小さいので好ましくない。一方、末端基比が6以上の場合、荷重たわみ温度の向上効果が小さいので好ましくない。
本発明の半芳香族ポリアミドは、96%硫酸中、25℃、濃度1g/dLで測定した場合の相対粘度が、1.8以上であることが好ましく、1.8〜2.6であることがより好ましく、1.9〜2.4であることがさらに好ましい。相対粘度が1.8未満の場合、曲げ強度や衝撃強度等の機械的特性が低くなる場合がある。なお、相対粘度は、分子量の指標とすることもできる。
本発明の半芳香族ポリアミドは、融点が300℃以上であることが好ましく、320℃以上であることがより好ましい。
本発明の半芳香族ポリアミドは、低結晶性ポリアミドを配合することにより、機械的強度や外観や荷重たわみ温度を向上させることができる。なお、低結晶性ポリアミドとは、示差走査熱量計(DSC)を用いて窒素雰囲気下で16℃/分の昇温速度により測定される融解熱量が4J/g以下のポリアミドのことを指す。
低結晶性ポリアミドの中でも、上記融解熱量がゼロである非晶性ポリアミドが好ましい。非晶性ポリアミドとしては、例えば、イソフタル酸/テレフタル酸/1,6−ヘキサンジアミン/ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタンの重縮合体、テレフタル酸/2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン/2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミンの重縮合体、イソフタル酸/ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン/ω−ラウロラクタムの重縮合体、イソフタル酸/テレフタル酸/1,6−ヘキサンジアミンの重縮合体、イソフタル酸/2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン/2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミンの重縮合体、イソフタル酸/テレフタル酸/2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン/2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミンの重縮合体、イソフタル酸/ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン/ω−ラウロラクタムの重縮合体、イソフタル酸/テレフタル酸/その他のジアミンの重縮合体が挙げられる。
低結晶性ポリアミドを配合する場合、その含有量は、半芳香族ポリアミド100質量部に対し、10〜100質量部とすることが好ましく、10〜30質量部とすることがより好ましい。
本発明の半芳香族ポリアミドは、酸変性ポリオレフィンを配合することにより、衝撃強度を向上させることができる。
酸変性ポリオレフィンとは、ポリオレフィン系重合体を変性して、官能基を導入したものである。ポリオレフィン系重合体としては、(エチレンおよび/またはプロピレン)・α−オレフィン系共重合体、(エチレンおよび/またはプロピレン)・(α,β−不飽和カルボン酸および/または不飽和カルボン酸エステル)系共重合体、アイオノマ−重合体等が挙げられる。官能基としては、例えば、カルボン酸基、カルボン酸無水物基、カルボン酸エステル基、カルボン酸金属塩基、カルボン酸イミド基、カルボン酸アミド基、エポキシ基が挙げられる。
酸変性ポリオレフィンを配合する場合、その含有量は、半芳香族ポリアミド100質量部に対し、10〜100質量部とすることが好ましく、10〜30質量部とすることがより好ましい。
本発明の半芳香族ポリアミドには、必要に応じて、低結晶性ポリアミドや酸変性ポリオレフィン以外の各種添加剤を配合してもよい。添加剤としては、例えば、繊維状強化材、板状強化材、耐衝撃改良材、帯電防止剤、導電付与剤、熱伝導性充填材、熱安定剤、光安定剤、摺動性改良材、難燃剤、難燃助剤、顔料が挙げられる。添加剤は、上記のうち1種を単独で用いてもよいし、複数種を併用してもよい。
繊維状強化材としては、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、ボロン繊維、アスベスト繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、全芳香族ポリアミド繊維、ポリベンズオキサゾール繊維、ポリテトラフルオロエチレン繊維、ケナフ繊維、竹繊維、麻繊維、バガス繊維、高強度ポリエチレン繊維、アルミナ繊維、炭化ケイ素繊維、チタン酸カリウム繊維、黄銅繊維、ステンレス繊維、スチール繊維、セラミックス繊維、玄武岩繊維、セピオライト、パリゴルスカイトが挙げられる。繊維状強化材は、上記のうち1種を単独で用いてもよいし、複数種を併用してもよい。繊維状強化材を添加することで、機械的特性を向上させることができる。中でも、耐熱性が高く、入手しやすいことからガラス繊維、炭素繊維、金属繊維が好ましい。繊維状強化材は、シランカップリング剤で表面処理されていてもよい。シランカップリング剤としては、例えば、ビニルシラン系、アクリルシラン系、エポキシシラン系、アミノシラン系が挙げられ、半芳香族ポリアミドとの密着性が高いことから、アミノシラン系カップリング剤が好ましい。繊維状強化材を用いる場合、その含有量は、半芳香族ポリアミド100質量部に対し、5〜200質量部とすることが好ましく、10〜180質量部とすることがより好ましく、20〜150質量部とすることがさらに好ましく、30〜130質量部とすることが最も好ましい。
一般に、半芳香族ポリアミドに、低結晶性ポリアミドや酸変性ポリオレフィンや各種添加剤を配合した場合、成形時の流動性が低下する傾向がある。特に繊維状強化材を添加した場合、流動性の低下は著しい。しかし、本発明の半芳香族ポリアミドはそもそも流動性に優れているため、繊維状強化材を加えた場合であっても流動性の低下が小さい。
本発明において、低結晶性ポリアミドや酸変性ポリオレフィンや上記添加剤の添加方法は特に限定されないが、二軸混練機を用いた溶融混練法が好適に用いられる。混練温度は、半芳香族ポリアミドの融点以上とすることが好ましく、(融点+100℃)未満とすることがより好ましい。混練温度を半芳香族ポリアミドの融点以上、(融点+100℃)未満とすることにより、混練機が過負荷となり、ベントアップすることを抑制しながらも、半芳香族ポリアミドの分解、黄変を抑制することができる。混練したものはストランドとし、ペレット化することが好ましい。
本発明の半芳香族ポリアミドは、射出成形することにより、成形体とすることができる。射出成形に用いる射出成形機としては、特に限定されないが、例えば、スクリューインライン式射出成形機、プランジャ式射出成形機が挙げられる。射出成形機のシリンダー内で加熱溶融された半芳香族ポリアミドは、ショットごとに計量され、金型内に溶融状態で射出され、所定の形状で冷却、固化された後、成形体として金型から取り出される。射出成形時の樹脂温度は、半芳香族ポリアミドの融点以上とすることが好ましく、(融点+100℃)未満とすることがより好ましい。なお、射出成形に用いる半芳香族ポリアミドは十分に乾燥していることが好ましい。水分率が高い半芳香族ポリアミドは、射出成形機のシリンダー内で発泡し、最適な成形体を得ることが困難となることがある。射出成形に用いる半芳香族ポリアミドの水分率は、0.3質量%未満であることが好ましく、0.1質量%未満であることがより好ましい。
本発明の半芳香族ポリアミドは、他の樹脂との相溶性が高いため、アロイ化した場合、外観の改善効果が高く、曲げ強度や衝撃強度や荷重たわみ温度がいずれも高く、自動車部品、電気・電子部品、雑貨部品、土木建築用品等の広範な用途に用いることができる。
自動車部品用途としては、例えば、エンジンカバー、エアインテークマニホールド、スロットルボディ、エアインテークパイプ、ラジエタータンク、ラジエターサポート、ラジエータホース、ラジエターグリル、タイミングベルトカバー、ウォーターポンプインレット、ウォーターポンプアウトレット、クーリングファン、ファンシュラウド、エンジンマウント等のエンジン周辺部品、プロペラシャフト、スタビライザーバーリンケージロッド、アクセルペダル、ペダルモジュール、シールリング、ベアリングリテーナー、ギア、ドリブンギア、電動パワステアリングギア等の機構部品、オイルパン、オイルフィルターハウジング、オイルフィルターキャップ、オイルレベルゲージ、燃料タンク、燃料チューブ、フューエルカットオフバルブ、キャニスター、フューエルデリバリーパイプ、フューエルフィラーネック、フューエルセンダーモジュール、燃料配管用継手等の燃料・配管系部品、ワイヤーハーネス、リレーブロック、センサーハウジング、エンキャプシュレーション、イグニッションコイル、ディストリビューター、サーモスタットハウジング、クイックコネクター、ランプリフレクタ、ランプハウジング、ランプエクステンション、ランプソケット、ホーン用ボビン等の電装系部品、マフラーカバー、吸気ダクト、リアスポイラー、ホイールカバー、ホイールキャップ、カウルベントグリル、エアアウトレットルーバー、エアスクープ、フードバルジ、フェンダー、バックドア、シフトレバーハウジング、ウインドーレギュレータ、ドアロック、ドアハンドル、アウトサイドドアミラーステー等の各種内外装部品で好適に用いることができる。
電気・電子部品用途としては、コネクタ、LEDリフレクタ、スイッチ、センサー、ソケット、コンデンサー、ジャック、ヒューズホルダー、リレー、コイルボビン、抵抗器、IC、LEDのハウジング、各種筐体、3Dプリンタの造形用樹脂等が挙げられる。
雑貨部品用途においては、樹脂ネジ、時計枠、ファスナー等が挙げられる。
電気・電子部品用途としては、コネクタ、LEDリフレクタ、スイッチ、センサー、ソケット、コンデンサー、ジャック、ヒューズホルダー、リレー、コイルボビン、抵抗器、IC、LEDのハウジング、各種筐体、3Dプリンタの造形用樹脂等が挙げられる。
雑貨部品用途においては、樹脂ネジ、時計枠、ファスナー等が挙げられる。
また、本発明の半芳香族ポリアミドは、Tダイ押出、インフレーション成形等の公知の製膜方法により、フィルムやシートに成形することができる。本発明の半芳香族ポリアミドやその樹脂組成物を成形してなるフィルムやシートは、例えば、スピーカー振動板、フィルムコンデンサの用途に用いることができる。
また、本発明の半芳香族ポリアミドは、溶融紡糸法、フラッシュ紡糸法、エレクトロスピニング法等の公知の紡糸方法により、各種繊維に成形することができる。本発明の半芳香族ポリアミドやその樹脂組成物を成形してなる繊維は、例えば、エアーバッグ基布、耐熱フィルター、ラジエータホース用補強用繊維、ブラシ用ブリッスル、釣糸、タイヤコード、人工芝、絨毯、魚網、ロープ、フィルター用繊維、座席シート用繊維の用途に用いることができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
1.評価方法
半芳香族ポリアミドの物性測定は以下の方法によりおこなった。
(1)融点
パーキンエルマー社製示差走査型熱量計DSC−7を用い、昇温速度20℃/分で350℃まで昇温した後、350℃で5分間保持し、降温速度20℃/分で25℃まで降温した。25℃で5分間保持後、再び昇温速度20℃/分で昇温測定した際の吸熱ピークのトップを融点とした。
半芳香族ポリアミドの物性測定は以下の方法によりおこなった。
(1)融点
パーキンエルマー社製示差走査型熱量計DSC−7を用い、昇温速度20℃/分で350℃まで昇温した後、350℃で5分間保持し、降温速度20℃/分で25℃まで降温した。25℃で5分間保持後、再び昇温速度20℃/分で昇温測定した際の吸熱ピークのトップを融点とした。
(2)相対粘度
96%硫酸を溶媒とし、濃度1g/dL、25℃で、測定した。
96%硫酸を溶媒とし、濃度1g/dL、25℃で、測定した。
(3)[−NH2]/[−COOH]
高分解能核磁気共鳴装置(日本電子社製ECA500NMR、分解能:500MHz、溶媒:トリフルオロ酢酸、温度:25℃)を用いて、1H−NMR分析することにより、ピーク強度面積から、末端アミノ基量([−NH2])、末端カルボキシ基量([−COOH])を求め、[−NH2]/[−COOH]を計算した。
高分解能核磁気共鳴装置(日本電子社製ECA500NMR、分解能:500MHz、溶媒:トリフルオロ酢酸、温度:25℃)を用いて、1H−NMR分析することにより、ピーク強度面積から、末端アミノ基量([−NH2])、末端カルボキシ基量([−COOH])を求め、[−NH2]/[−COOH]を計算した。
(4)曲げ強度
半芳香族ポリアミドを52.5質量部、低結晶性ポリアミドを12.5質量部、ガラス繊維を30質量部の割合で、東芝機械社製二軸押出機を使用して330℃で溶融混練をおこなった。その後、ストランド状に引き取った後、水槽に通して冷却固化し、それをペレタイザーでカッティングして樹脂組成物のペレットを得た。半芳香族ポリアミドと低結晶性ポリアミドは、トップフィードして押出機の根本から添加し、ガラス繊維は、サイドフィードして、押出機途中から添加した。
得られたペレットを、射出成形機S2000i−100B型(ファナック社製)を用いて射出成形し、試験片(ダンベル片)を作製した。シリンダー温度は330℃、金型温度は135℃でおこなった。
得られたダンベル片を用いて、ISO178に準拠して測定した。
半芳香族ポリアミドを52.5質量部、低結晶性ポリアミドを12.5質量部、ガラス繊維を30質量部の割合で、東芝機械社製二軸押出機を使用して330℃で溶融混練をおこなった。その後、ストランド状に引き取った後、水槽に通して冷却固化し、それをペレタイザーでカッティングして樹脂組成物のペレットを得た。半芳香族ポリアミドと低結晶性ポリアミドは、トップフィードして押出機の根本から添加し、ガラス繊維は、サイドフィードして、押出機途中から添加した。
得られたペレットを、射出成形機S2000i−100B型(ファナック社製)を用いて射出成形し、試験片(ダンベル片)を作製した。シリンダー温度は330℃、金型温度は135℃でおこなった。
得られたダンベル片を用いて、ISO178に準拠して測定した。
(5)外観評価
(4)で得られたダンベル片の表面を、光沢度計(日本電色社製 グロスメーターVG7000型)を用いて60度入射角におけるグロス値を測定した。
○:グロス値が70以上である。
×:グロス値が70未満である。
(4)で得られたダンベル片の表面を、光沢度計(日本電色社製 グロスメーターVG7000型)を用いて60度入射角におけるグロス値を測定した。
○:グロス値が70以上である。
×:グロス値が70未満である。
(6)荷重たわみ温度
(4)で得られたダンベル片を用いて、ISO75−1、2に準拠して、荷重1.8MPa下で測定した。
(4)で得られたダンベル片を用いて、ISO75−1、2に準拠して、荷重1.8MPa下で測定した。
(7)シャルピー衝撃強度
半芳香族ポリアミドを80質量部、酸変性ポリオレフィンを20質量部の割合で、東芝機械社製二軸押出機を用いて330℃で溶融混練おこなった。その後、ストランド状に引き取った後、水槽に通して冷却固化し、それをペレタイザーでカッティングして樹脂組成物のペレットを得た。原料はすべてトップフィードして押出機の根元から添加した。
得られたペレットを、射出成形機S2000i−100B型(ファナック社製)を用いて射出成形し、V字型切込み付き試験片(シャルピー試験片)を作製した。シリンダー温度は330℃、金型温度は135℃でおこなった。
得られたシャルピー試験片を用いて、ISO179に準拠して測定した。
半芳香族ポリアミドを80質量部、酸変性ポリオレフィンを20質量部の割合で、東芝機械社製二軸押出機を用いて330℃で溶融混練おこなった。その後、ストランド状に引き取った後、水槽に通して冷却固化し、それをペレタイザーでカッティングして樹脂組成物のペレットを得た。原料はすべてトップフィードして押出機の根元から添加した。
得られたペレットを、射出成形機S2000i−100B型(ファナック社製)を用いて射出成形し、V字型切込み付き試験片(シャルピー試験片)を作製した。シリンダー温度は330℃、金型温度は135℃でおこなった。
得られたシャルピー試験片を用いて、ISO179に準拠して測定した。
(8)成形サイクル
(7)の射出成形時に、突出ピンで試験片に対し変形を与えないで容易に取出しが可能な最短の冷却時間を計測した。ここで成形サイクルとは、同じ射出条件で連続して成形した際、1ショット目の試験片の射出を開始してから、2ショット目の試験片の射出を開始するまでの時間をいう。すなわち、一つの試験片を成形するのに要する時間(射出時間+冷却時間+取出し時間の合計)をいう。
(7)の射出成形時に、突出ピンで試験片に対し変形を与えないで容易に取出しが可能な最短の冷却時間を計測した。ここで成形サイクルとは、同じ射出条件で連続して成形した際、1ショット目の試験片の射出を開始してから、2ショット目の試験片の射出を開始するまでの時間をいう。すなわち、一つの試験片を成形するのに要する時間(射出時間+冷却時間+取出し時間の合計)をいう。
2.原材料
用いた原材料を以下に示す。
(1)芳香族ジカルボン酸成分
・TPA:テレフタル酸
(2)脂肪族ジアミン成分
・DDA:1,10−デカンジアミン
・NDA:1,9−ノナンジアミン
(3)脂肪族モノカルボン酸成分
・STA:ステアリン酸(脂肪族モノカルボン酸、炭素数18)
・BA:安息香酸(芳香族モノカルボン酸)
用いた原材料を以下に示す。
(1)芳香族ジカルボン酸成分
・TPA:テレフタル酸
(2)脂肪族ジアミン成分
・DDA:1,10−デカンジアミン
・NDA:1,9−ノナンジアミン
(3)脂肪族モノカルボン酸成分
・STA:ステアリン酸(脂肪族モノカルボン酸、炭素数18)
・BA:安息香酸(芳香族モノカルボン酸)
(4)ガラス繊維
・ガラス繊維、日東紡社製 CS3G225S(平均繊維径9.5μm、平均繊維長3mm)
(5)低結晶性ポリアミド
・イソフタル酸/テレフタル酸/ヘキサメチレンジアミンの重縮合体、DSM社製X21(ガラス転移温度125℃、相対粘度2.0、融解熱量0.4J/g)
(6)酸変性ポリオレフィン
・無水マレイン酸変性エチレン・1−ブテン共重合体、三井化学社製タフマーMH5020
・ガラス繊維、日東紡社製 CS3G225S(平均繊維径9.5μm、平均繊維長3mm)
(5)低結晶性ポリアミド
・イソフタル酸/テレフタル酸/ヘキサメチレンジアミンの重縮合体、DSM社製X21(ガラス転移温度125℃、相対粘度2.0、融解熱量0.4J/g)
(6)酸変性ポリオレフィン
・無水マレイン酸変性エチレン・1−ブテン共重合体、三井化学社製タフマーMH5020
(7)半芳香族ポリアミド
・半芳香族ポリアミドハイポリマー(P−1)
芳香族ジカルボン酸成分として粉末状のテレフタル酸(TPA)4.61kgと、脂肪族モノカルボン酸成分として分子量284のステアリン酸(STA)0.43kgと、重合触媒として次亜リン酸ナトリウム一水和物9.3gとを、リボンブレンダー式の反応装置に入れ、窒素密閉下、回転数30rpmで撹拌しながら170℃に加熱した。その後、温度を170℃に保ち、かつ回転数を30rpmに保ったまま、液注装置を用いて、脂肪族ジアミン成分として100℃に加温した1,10−デカンジアミン(DDA)4.96kgを、2.5時間かけて連続的(連続液注方式)に添加し反応物を得た。なお、原料モノマーのモル比は、TPA:DDA:STA=47.8:49.6:2.6(原料モノマーの末端基の当量比率は、TPA:DDA:STA=48.4:50.3:1.3)であった。得られた反応物を、同じ反応装置で、窒素気流下、250℃、回転数30rpmで8時間加熱して重合し、粉末状の半芳香族ポリアミドハイポリマー(P−1)を得た。
・半芳香族ポリアミドハイポリマー(P−1)
芳香族ジカルボン酸成分として粉末状のテレフタル酸(TPA)4.61kgと、脂肪族モノカルボン酸成分として分子量284のステアリン酸(STA)0.43kgと、重合触媒として次亜リン酸ナトリウム一水和物9.3gとを、リボンブレンダー式の反応装置に入れ、窒素密閉下、回転数30rpmで撹拌しながら170℃に加熱した。その後、温度を170℃に保ち、かつ回転数を30rpmに保ったまま、液注装置を用いて、脂肪族ジアミン成分として100℃に加温した1,10−デカンジアミン(DDA)4.96kgを、2.5時間かけて連続的(連続液注方式)に添加し反応物を得た。なお、原料モノマーのモル比は、TPA:DDA:STA=47.8:49.6:2.6(原料モノマーの末端基の当量比率は、TPA:DDA:STA=48.4:50.3:1.3)であった。得られた反応物を、同じ反応装置で、窒素気流下、250℃、回転数30rpmで8時間加熱して重合し、粉末状の半芳香族ポリアミドハイポリマー(P−1)を得た。
・半芳香族ポリアミドハイポリマー(P−2)
芳香族ジカルボン酸成分として粉末状のテレフタル酸(TPA)4.66kgと、脂肪族モノカルボン酸成分として分子量284のステアリン酸(STA)0.35kgと、重合触媒として次亜リン酸ナトリウム一水和物9.3gとを、リボンブレンダー式の反応装置に入れ、窒素密閉下、回転数30rpmで撹拌しながら170℃に加熱した。その後、温度を170℃に保ち、かつ回転数を30rpmに保ったまま、液注装置を用いて、脂肪族ジアミン成分として100℃に加温した1,10−デカンジアミン(DDA)4.99kgを、2.5時間かけて連続的(連続液注方式)に添加し反応物を得た。なお、原料モノマーのモル比は、TPA:DDA:STA=48.2:49.7:2.1(原料モノマーの末端基の当量比率は、TPA:DDA:STA=48.7:50.2:1.1)であった。得られた反応物を、同じ反応装置で、窒素気流下、250℃、回転数30rpmで8時間加熱して重合し、粉末状の半芳香族ポリアミド(P−2)を得た。
芳香族ジカルボン酸成分として粉末状のテレフタル酸(TPA)4.66kgと、脂肪族モノカルボン酸成分として分子量284のステアリン酸(STA)0.35kgと、重合触媒として次亜リン酸ナトリウム一水和物9.3gとを、リボンブレンダー式の反応装置に入れ、窒素密閉下、回転数30rpmで撹拌しながら170℃に加熱した。その後、温度を170℃に保ち、かつ回転数を30rpmに保ったまま、液注装置を用いて、脂肪族ジアミン成分として100℃に加温した1,10−デカンジアミン(DDA)4.99kgを、2.5時間かけて連続的(連続液注方式)に添加し反応物を得た。なお、原料モノマーのモル比は、TPA:DDA:STA=48.2:49.7:2.1(原料モノマーの末端基の当量比率は、TPA:DDA:STA=48.7:50.2:1.1)であった。得られた反応物を、同じ反応装置で、窒素気流下、250℃、回転数30rpmで8時間加熱して重合し、粉末状の半芳香族ポリアミド(P−2)を得た。
・半芳香族ポリアミドハイポリマー(P−3)〜(P−9)
表1に記載された樹脂組成になるように原料モノマーの種類及び含有量を変更する以外は、半芳香族ポリアミドハイポリマー(P−1)と同様の操作をおこなって、半芳香族ポリアミドハイポリマー(P−3)〜(P−9)を得た。
表1に記載された樹脂組成になるように原料モノマーの種類及び含有量を変更する以外は、半芳香族ポリアミドハイポリマー(P−1)と同様の操作をおこなって、半芳香族ポリアミドハイポリマー(P−3)〜(P−9)を得た。
・解重合された半芳香族ポリアミド(TP−1)
半芳香族ポリアミドハイポリマー(P−2)の重合後、払い出さずに、反応装置に1,10−デカンジアミン(DDA)150gを添加し、250℃にて8時間加熱撹拌し、粉末状の解重合された半芳香族ポリアミド(TP−1)を得た。
半芳香族ポリアミドハイポリマー(P−2)の重合後、払い出さずに、反応装置に1,10−デカンジアミン(DDA)150gを添加し、250℃にて8時間加熱撹拌し、粉末状の解重合された半芳香族ポリアミド(TP−1)を得た。
・解重合された半芳香族ポリアミド(TP−2)〜(TP−11)
解重合剤と反応装置に添加した量を表2に記載された添加量に変更する以外は、解重合された半芳香族ポリアミド(TP−1)と同様の操作をおこなって、半芳香族ポリアミドハイポリマー(TP−2)〜(TP−11)を得た。
解重合剤と反応装置に添加した量を表2に記載された添加量に変更する以外は、解重合された半芳香族ポリアミド(TP−1)と同様の操作をおこなって、半芳香族ポリアミドハイポリマー(TP−2)〜(TP−11)を得た。
実施例1〜6、比較例1〜6
表3に記載された半芳香族ポリアミドを用いて、それぞれ評価をおこなった。樹脂組成および評価結果を表3に示す。
表3に記載された半芳香族ポリアミドを用いて、それぞれ評価をおこなった。樹脂組成および評価結果を表3に示す。
実施例1〜6の半芳香族ポリアミドは、[−NH2]/[−COOH]が1未満の半芳香族ポリアミドと比較して、低結晶性ポリアミドとガラス繊維と配合した場合、外観が良好で、曲げ強度や荷重たわみ温度が高く、酸変性ポリオレフィンと配合した場合、シャルピー衝撃強度が高かった。
比較例1の半芳香族ポリアミドは、[−NH2]/[−COOH]が1未満であったため、他の樹脂との相溶性が低く、低結晶性ポリアミドとガラス繊維と配合しても、外観が不良で、曲げ強度や荷重たわみ温度が低く、酸変性ポリオレフィンと配合しても、シャルピー衝撃強度が低かった。
比較例2の半芳香族ポリアミドは、[−NH2]/[−COOH]が6以上であったため、低結晶性ポリアミドとガラス繊維と配合しても、荷重たわみ温度が低かった。
比較例3の半芳香族ポリアミドは、テレフタル酸と1,9−ノナンジアミンからなるものであったため、低結晶性ポリアミドとガラス繊維と配合しても、外観が不良で、曲げ強度や荷重たわみ温度が低く、酸変性ポリオレフィンと配合しても、シャルピー衝撃強度が低かった。
比較例4の半芳香族ポリアミドは、炭素数が15以上の脂肪族モノカルボン酸を含有していなかったため、他の樹脂との相溶性が低く、低結晶性ポリアミドとガラス繊維と配合しても、外観が不良で、曲げ強度や荷重たわみ温度が低く、酸変性ポリオレフィンと配合しても、シャルピー衝撃強度が低かった。
比較例5の半芳香族ポリアミドは、炭素数が15以上の脂肪族モノカルボン酸の含有量が少なかったため、他の樹脂との相溶性が低く、低結晶性ポリアミドとガラス繊維と配合しても、荷重たわみ温度が低かった。
比較例6の半芳香族ポリアミドは、炭素数が15以上の脂肪族モノカルボン酸の含有量が多かったため、他の樹脂との相溶性が低く、低結晶性ポリアミドとガラス繊維と配合しても、曲げ強度が低く、酸変性ポリオレフィンと配合しても、シャルピー衝撃強度が低かった。
比較例2の半芳香族ポリアミドは、[−NH2]/[−COOH]が6以上であったため、低結晶性ポリアミドとガラス繊維と配合しても、荷重たわみ温度が低かった。
比較例3の半芳香族ポリアミドは、テレフタル酸と1,9−ノナンジアミンからなるものであったため、低結晶性ポリアミドとガラス繊維と配合しても、外観が不良で、曲げ強度や荷重たわみ温度が低く、酸変性ポリオレフィンと配合しても、シャルピー衝撃強度が低かった。
比較例4の半芳香族ポリアミドは、炭素数が15以上の脂肪族モノカルボン酸を含有していなかったため、他の樹脂との相溶性が低く、低結晶性ポリアミドとガラス繊維と配合しても、外観が不良で、曲げ強度や荷重たわみ温度が低く、酸変性ポリオレフィンと配合しても、シャルピー衝撃強度が低かった。
比較例5の半芳香族ポリアミドは、炭素数が15以上の脂肪族モノカルボン酸の含有量が少なかったため、他の樹脂との相溶性が低く、低結晶性ポリアミドとガラス繊維と配合しても、荷重たわみ温度が低かった。
比較例6の半芳香族ポリアミドは、炭素数が15以上の脂肪族モノカルボン酸の含有量が多かったため、他の樹脂との相溶性が低く、低結晶性ポリアミドとガラス繊維と配合しても、曲げ強度が低く、酸変性ポリオレフィンと配合しても、シャルピー衝撃強度が低かった。
Claims (4)
- テレフタル酸と1,10−デカンジアミンを主成分とする半芳香族ポリアミドであって、炭素数が15以上の脂肪族モノカルボン酸を0.6〜5.0モル%含有し、以下の式を満足する半芳香族ポリアミド。
1≦[−NH2]/[−COOH]<6 (1)
[(1)式において、[−NH2]はアミノ基末端基濃度を示し、[−COOH]はカルボン酸末端基濃度を示す。] - 請求項1に記載の半芳香族ポリアミドと低結晶性ポリアミドからなる樹脂組成物。
- 請求項1に記載の半芳香族ポリアミドと酸変性ポリオレフィンからなる樹脂組成物。
- 請求項1に記載の半芳香族ポリアミド、または、請求項2もしくは3に記載の樹脂組成物を成形してなる成形体。
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- 2014-11-12 JP JP2014229896A patent/JP2016094508A/ja active Pending
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