JP6312364B2 - 半芳香族ポリアミドおよびその成形体 - Google Patents
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[1]芳香族ジカルボン酸成分、脂肪族ジアミン成分およびモノカルボン酸成分からなり、脂肪族ジアミン成分が、1,10−デカンジアミンであり、以下の(a)および(b)を満たすことを特徴とする半芳香族ポリアミド。
(a)96%硫酸中、25℃、濃度1g/dLで測定した場合の相対粘度が1.6以上であり、2.71以下である。
(b)モノカルボン酸成分として、脂肪族モノカルボン酸、脂環族モノカルボン酸、芳香族モノカルボン酸のうちの少なくとも1種であり、分子量が140以上のモノカルボン酸を含有する。
[2]モノカルボン酸成分を、半芳香族ポリアミドを構成する全モノマーに対して、0.3モル%以上含有することを特徴とする[1]記載の半芳香族ポリアミド。
[3]モノカルボン酸成分が、ステアリン酸であることを特徴とする[2]記載の半芳香族ポリアミド。
[4]芳香族ジカルボン酸成分が、テレフタル酸であることを特徴とする[1]〜[3]いずれかに記載の半芳香族ポリアミド。
[5]半芳香族ポリアミドの融点が、300℃以上であることを特徴とする[1]〜[4]いずれかに記載の半芳香族ポリアミド。
[6][1]〜[5]いずれかに記載の半芳香族ポリアミドと繊維状強化材からなることを特徴とする樹脂組成物。
[7][1]〜[5]いずれかに記載の半芳香族ポリアミドまたは[6]記載の樹脂組成物を成形してなることを特徴とする成形体。
1.分析方法
半芳香族ポリアミドの物性測定は以下の方法によりおこなった。
(1)融点
パーキンエルマー社製示差走査型熱量計DSC−7を用い、昇温速度20℃/分で350℃まで昇温した後、350℃で5分間保持し、降温速度20℃/分で25℃まで降温した。25℃で5分間保持後、再び昇温速度20℃/分で昇温測定した際の吸熱ピークのトップを融点とした。
96%硫酸を溶媒とし、濃度1g/dL、25℃で、相対粘度を測定した。
半芳香族ポリアミドを十分に乾燥した後、東芝機械社製射出成形機EC100を用いて射出成形をおこない、127mm×12.7mm×3.2mmの成形体を作製した。シリンダー温度は、用いる半芳香族ポリアミドの(融点+30℃)とした。また、射出圧力は100MPa、射出時間は10秒、取り出し時間は5秒とした。
得られた成形体を用いて、ASTM D790に従って、曲げ強度を測定した。
上記(3)で作製した成形体を用いて、ASTM D648に準拠し、荷重1.8MPaで荷重たわみ温度を測定した。
東芝機械社製射出成形機EC−100を用いて、シリンダー温度を(融点+25℃)、金型温度を(融点−185℃)で設定した後、射出圧力100MPa、射出時間10秒、取出し時間5秒で、成形体(127mm×12.7mm×10mm)を作製した。その際、突出ピンで成形体に対し変形を与えないで容易に取出しが可能な最短の冷却時間を計測した。ここで成形サイクルとは、同じ射出条件で連続して成形した際、1ショット目の成形体の射出が開始してから、2ショット目の成形体の射出が開始するまでの時間をいう。すなわち、一つの成形体を成形するのに要する時間(射出時間+冷却時間+取出し時間の合計)をいう。成形サイクルは、30秒以下が好ましく、20秒以下がより好ましい。
島津製作所社製フローテスターCFT−500を用い、用いる半芳香族ポリアミドの(融点+30℃)の温度に加熱したシリンダーに試料を入れ、2分間予熱した後、直径1mm、長さ1mmのダイより押出した。この測定を種々の荷重でおこない、せん断速度と溶融粘度との両対数プロットにおいて、5以上の測定点から得られる直線を用いて、せん断速度1000s−1での溶融粘度を算出した。
各実施例、比較例の半芳香族ポリアミドのモノカルボン酸成分の種類を安息香酸に変更し、相対粘度が同じ値になるように固相重合の時間を変更した以外は、各実施例、比較例の半芳香族ポリアミドを製造する際と同様の操作をおこなって半芳香族ポリアミドを作製した。
得られた半芳香族ポリアミドを用いて、(6)と同様に、せん断速度1000s−1での溶融粘度を算出した。
用いた原材料を以下に示す。
(1)芳香族ジカルボン酸成分
・TPA:テレフタル酸
・IPA:イソフタル酸
・DDA:1,10−デカンジアミン
・HMDA:1,6−ヘキサンジアミン
・NDA:1,9−ノナンジアミン
・STA:ステアリン酸(分子量:284)
・CP:カプリル酸(分子量:144)
・LA:ラウリン酸(分子量:200)
・LBA:4−ラウリル安息香酸(分子量:290)
・BHA:ベヘン酸(分子量:341)
・BA:安息香酸(分子量:122)
・CA:カプロン酸(分子量:116)
・GF−1:ガラス繊維、旭ファイバーグラス社製03JAFT692、平均繊維径:10μm、平均繊維長:3mm
・GF−2:ガラス繊維、日東紡社製CS3G225S、平均繊維径:9.5μm、平均繊維長:3mm
・PA−1:テトラキス、2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4−ビフェニリレンジフォスファイト(クラリアントジャパン社製ホスタノックスP−EPQ
・PA−2:ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、アデカ社製アデカスタブPEP−36
芳香族ジカルボン酸成分の粉末状のテレフタル酸(TPA)11.72kg、モノカルボン酸成分として分子量284のステアリン酸(STA)0.83kgおよび、重合触媒の次亜リン酸ナトリウム一水和物49gを、リボンブレンダー型の反応容器に入れ、窒素雰囲気下、回転数35rpmで撹拌しながら160℃に加熱した。その後、温度を160℃、回転数を35rpmに保ちつつ、液注装置にて、脂肪族ジアミン成分として105℃に加温した1,10−デカンジアミン(DDA)12.40kgを、3.5時間かけて連続的(連続液注方式)に添加し反応物を得た。なお、原料モノマーのモル比は、TPA:DDA:STA=48.5:49.5:2.0であった。
続いて、得られた反応物を、同じ反応容器中で、窒素気流下、250℃、回転数25rpmで10.5時間加熱して重合し、半芳香族ポリアミドの粉末を作製した。
半芳香族ポリアミドの粉末を払出し、二軸混練機を用いてストランド状とし、ストランドを水槽に通して冷却固化し、それをペレタイザーでカッティングして半芳香族ポリアミド(P−1)ペレットを得た。
樹脂組成を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様の操作をおこなって半芳香族ポリアミドのペレットを得た。
半芳香族ポリアミド(P−1)100質量部を、クボタ社製ロスインウェイト式連続定量供給装置CE−W−1を用いて計量し、スクリュー径37mm、L/D40の同方向二軸押出機(東芝機械社製TEM37BS)の主供給口に供給し、サイドフィーダーより繊維状強化材(GF−1)30質量部を供給し、溶融混練をおこなった。押出機のシリンダー温度は用いる半芳香族ポリアミドの(融点+30℃)、スクリュー回転数は250rpm、吐出量は35kg/時間であった。
次いで、溶融樹脂組成物をダイスからストランド状に引き取った後、水槽に通して冷却固化し、それをペレタイザーでカッティングして半芳香族ポリアミド樹脂組成物のペレットを得た。
樹脂組成物の組成を表2に示すように変更した以外は、実施例13と同様の操作をおこなって半芳香族ポリアミド樹脂組成物ペレットを得た。
また、実施例1、3〜5、7〜10の半芳香族ポリアミドに繊維状強化材を配合した実施例13、15〜17、19〜24、27〜28の樹脂組成物も、比較例1、2の半芳香族ポリアミドに繊維状強化材を配合した比較例5、6の樹脂組成物と比較して、成形サイクルが短縮されていた。
比較例3の半芳香族ポリアミドは、用いるモノカルボン酸の分子量が本発明で規定する好ましい範囲でなかったため、溶融粘度の低下効果が小さかった。そのため、成形サイクルの短縮効果も小さかった。
比較例4の半芳香族ポリアミドは、用いるモノカルボン酸の含有量が本発明で規定する好ましい範囲でなかったため、溶融粘度の低下効果が小さかった。そのため、成形サイクルの短縮効果も小さかった。
Claims (7)
- 芳香族ジカルボン酸成分、脂肪族ジアミン成分およびモノカルボン酸成分からなり、脂肪族ジアミン成分が、1,10−デカンジアミンであり、以下の(a)および(b)を満たすことを特徴とする半芳香族ポリアミド。
(a)96%硫酸中、25℃、濃度1g/dLで測定した場合の相対粘度が1.6以上であり、2.71以下である。
(b)モノカルボン酸成分として、脂肪族モノカルボン酸、脂環族モノカルボン酸、芳香族モノカルボン酸のうちの少なくとも1種であり、分子量が140以上のモノカルボン酸を含有する。 - モノカルボン酸成分を、半芳香族ポリアミドを構成する全モノマーに対して、0.3モル%以上含有することを特徴とする請求項1記載の半芳香族ポリアミド。
- モノカルボン酸成分が、ステアリン酸であることを特徴とする請求項2記載の半芳香族ポリアミド。
- 芳香族ジカルボン酸成分が、テレフタル酸であることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の半芳香族ポリアミド。
- 半芳香族ポリアミドの融点が、300℃以上であることを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の半芳香族ポリアミド。
- 請求項1〜5いずれかに記載の半芳香族ポリアミドと繊維状強化材からなることを特徴とする樹脂組成物。
- 請求項1〜5いずれかに記載の半芳香族ポリアミドまたは請求項6記載の樹脂組成物を成形してなることを特徴とする成形体。
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