JP3446768B2 - ポリアミド樹脂組成物 - Google Patents
ポリアミド樹脂組成物Info
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Description
化学的物理的特性及び成形特性のいずれにも優れた性能
を兼ね備えた成形用ポリアミド樹脂組成物に関するもの
である。
脂肪族二塩基酸とから得られるポリアミド樹脂(以下、
MXナイロンと記す)は、械的強度、剛性の高さ、ポリ
アミドの中では低吸水であるため寸法安定性に優れると
いうことから、金属代替材料として広く使用されてい
る。しかし、MXナイロンは結晶化速度が遅いため、射
出成形時の成形サイクルに比較的長時間要するという問
題点があった。MXナイロンの結晶化速度を改良する方
法として、MXナイロンに結晶化速度の速いポリアミド
66、及びタルクのような無機結晶核剤を配合して溶融
・混練することは知られている(特公昭54−3245
8号公報)。
練することは、汎用のポリアミドと比較して吸水特性や
機械的強度、剛性の向上を期待できない場合があり、ま
たタルクのような無機結晶核剤を使用する場合、多量に
配合しなければならず(特開昭53−4066号公
報)、充分な結晶化速度を得ようとすると機械的物性が
低下するという問題点があった。
アミドと比較して機械的強度を低下させないで、更に結
晶化速度を向上させ、成形性に優れた成形用樹脂組成物
を提供することを目的とする。
結果、パラキシリレンジアミンを含有するキシリレンジ
アミンとα、ω−直鎖脂肪族二塩基酸とから得られるポ
リアミド樹脂に、無機結晶核剤として窒化ほう素を配合
してなる樹脂組成物が、高い成形性、特に高い結晶化速
度を有することを見いだし、本発明に到達した。
ミン10〜45モル%とメタキシリレンジアミン90〜
55モル%からなる混合キシリレンジアミンと、α、ω
−直鎖脂肪族二塩基酸とから得られたポリアミド樹脂1
00重量部に対し、成形時の結晶核剤として窒化ほう素
0.001〜10重量部を配合してなる成形用ポリアミ
ド樹脂組成物に関する発明である。
カルボン酸は、α、ω−直鎖脂肪族二塩基酸である。上
記α、ω−直鎖脂肪族二塩基酸の中でも炭素数6〜20
のα、ω−直鎖脂肪族二塩基酸、例えばアジピン酸、セ
バシン酸、スベリン酸、ドデカン二酸、エイコジオン酸
などが好適に使用できる。これらのα、ω−直鎖脂肪族
二塩基酸の中でも成形性、成形物性能などのバランスを
考慮すると、アジピン酸が特に好適である。
シリレンジアミンは、パラキシリレンジアミン10〜4
5モル%とメタキシリレンジアミン90〜45モル%か
らなる混合キシリレンジアミンを使用する(ここで得ら
れたポリアミドを、以下、MPナイロンということがあ
る)場合は、成形に必要な結晶化速度が得られるため、
ポリアミド66を配合する必要はない。混合キシリレン
ジアミン中のパラキシリレンジアミンが上記10モル%
未満では、必要な結晶化速度が得られず、一方、45モ
ル%を超えると得られるポリアミドの融点が高くなり、
重合時、成形加工時に不都合を生ずる。
はないが、その平均粒径は0.005〜10μmの範囲
が好ましい。平均粒径が上記10μmを超えるとその期
待される効果が得られない場合がある。窒化ほう素の配
合割合は、MPナイロン100重量部に対して、0.0
01〜10重量部、好ましくは0.01〜5重量部、特
に好ましくは0.05〜2重量部である。窒化ほう素の
配合量が上記0.001重量部未満であると結晶核剤と
しての効果は充分に発揮されず、また上記10重量部を
越えると成形物の機械的強度などの低下を招き好ましく
ない。
素からなる樹脂組成物に繊維状充填材を材配合して使用
することができる。繊維状充填材としては、ガラス繊
維、チタン酸カリウムや硫酸カルシウムのウィスカー、
カーボン繊維、及びアルミナ繊維などが使用できる。上
記充填材を使用する場合の好ましい配合割合は、MPナ
イロン100重量部に対し、繊維状充填材10〜150
重量部である。繊維状充填材の配合量が上記10重量部
未満の場合は、充分な補強効果が得られず、又、上記1
50重量部を超える場合は、成形加工時、もしくは押出
加工時に不都合を生ずる。
引き起こさない限りにおいて、更に1種または2種以上
の添加剤、例えば、粒状及びフレーク状の無機充填材、
難燃剤、帯電防止剤、滑剤、可塑剤、酸化、熱、及び紫
外線などによる劣化に対する安定剤を配合して使用する
こともできる。
本発明はこれら実施例に限定されるものではない。尚、
実施例中特にことわりのない限り、「部」は重量部をあ
らし、評価は以下に記載の方法によった。 1)曲げ試験 ASTM D790 2)結晶化速度測定 各実施例、比較例に記載の条件で成形した厚さ0.8m
mの試験片から、1cm×1cmの試験片を切り出し、
2枚のカバーグラスにはさみ、実施例1は290℃、比
較例1および2は270℃で3分間溶融後、130℃に
調節した結晶化浴槽に浸漬し、放置時間に対する偏光補
償電圧を測定し、その半波電圧までの到達時間を半結晶
化時間とし、その逆数を結晶化速度とした。尚、結晶か
度の測定は、コタキ製作所製、ポリマー結晶化速度測定
装置MK−701を使用した。
ポリアミド樹脂90部にポリアミド66 10部を混合
してなるポリアミド樹脂100部に対し、窒化ほう素
(平均粒径0.01μm)1部、およびガラス繊維10
0部を配合し、ベント式単軸押出機を用いて、シリンダ
ー温度270℃で溶融混練した後、水冷しペレット化し
た。
シリンダー温度270℃、金型温度130℃、射出圧力
1000kgf/cm2の条件下で、ASTM D79
0曲げ試験用テストピースと、0.8mmUL認定テス
トピースを成形した。成分の配合割合と評価結果を表1
にまとめて示す。
アミン70モル%を溶解し、反応釜中で溶融したアジピ
ン酸に逐次滴下していき、生成物の融点を常に越えるよ
うに反応釜温度を保ちつつ撹拌する。滴下終了後、所定
の粘度に達するまで撹拌、反応を続け、達したところで
取り出し、ペレット化する。上記のように合成したポリ
アミド樹脂100部に対し、窒化ほう素0.1部(平均
粒径0.01μm)、およびガラス繊維100部を配合
し、ベント式単軸押出機(田辺プスチックス機械製、型
式:VS40)を用いて、シリンダー温度290℃で溶
融混練した後、水冷しペレット化した。
リンダー温度290℃、シリンダー温度290℃、及び
射出圧力1000kgf/cm2の射出条件に、AST
MD790曲げ試験用テストピースと、0.8mmUL
認定テストピースを成形した。成分の配合割合と評価結
果を表1にまとめて示す。
アミン70モル%を溶解し、反応釜中で溶融したアジピ
ン酸に逐次滴下していき、生成物の融点を常に越えるよ
うに反応釜温度を保ちつつ撹拌する。滴下終了後、所定
の粘度に達するまで撹拌、反応を続け、達したところで
取り出し、ペレット化する。上記のように合成したポリ
アミド樹脂100部に対し、窒化ほう素(平均粒径0.
01μm)1部、およびガラス繊維100部を配合し、
ベント式単軸押出機を用いて、シリンダー温度290℃
で溶融混練した後、水冷しペレット化した。
て、実施例1と同様の条件下に、ASTM D790曲
げ試験用テストピースと、0.8mmUL認定テストピ
ースを成形した。成分の配合割合と評価結果を表1にま
とめて示す。
ド90部、ポリアミド66、10部を混合するポリアミ
ド樹脂100部に対して、タルク1部、およびガラス繊
維100部を配合し、ベント式単軸押出機を用いて、シ
リンダー温度270℃で溶融混練した後、水冷しペレッ
ト化した。得られたペレットを射出成形機を使用して、
実施例1と同様の射出条件下に、ASTM D790曲
げ試験用テストピースと、0.8mmUL認定テストピ
ースを成形した。成分の配合割合と評価結果を表1にま
とめて示す。
アミド90部と、ポリアミド66、10部からなる混合
ポリアミド樹脂100部に対して、タルク4部、および
ガラス繊維100部を配合し、ベント式単軸押出機を用
いて、シリンダー温度270℃で溶融混練した後、水冷
しペレット化した。得られたペレットを射出成形機を使
用して、実施例1と同様の射出条件下に、ASTM D
790曲げ試験用テストピースと、0.8mmUL認定
テストピースを成形した。成分の配合割合と評価結果を
表1にまとめて示す。
成物を使用すると、結晶化速度が向上するため成形サイ
クルが短くなり、生産性が著しく向上する。
Claims (3)
- 【請求項1】 パラキシリレンジアミン10〜45モル
%とメタキシリレンジアミン90〜55モル%からなる
混合キシリレンジアミンと、α、ω−直鎖脂肪族二塩基
酸とから得られたポリアミド樹脂100重量部に対し、
成形時の結晶核剤として窒化ほう素0.001〜10重
量部を配合してなる成形用ポリアミド樹脂組成物。 - 【請求項2】 パラキシリレンジアミン10〜45モル
%とメタキシリレンジアミン90〜55モル%からなる
混合キシリレンジアミンと、α、ω−直鎖脂肪族二塩基
酸とから得られたポリアミド樹脂100重量部に対し、
成形時の結晶核剤として窒化ほう素0.001〜10重
量部、及び繊維状充填材10〜150重量部を配合して
なる成形用ポリアミド樹脂組成物。 - 【請求項3】 窒化ほう素の形状が鱗片状でかつ平均粒
径が0.005〜10μmである請求項1又は2に記載
の成形用ポリアミド樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18495593A JP3446768B2 (ja) | 1993-07-27 | 1993-07-27 | ポリアミド樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18495593A JP3446768B2 (ja) | 1993-07-27 | 1993-07-27 | ポリアミド樹脂組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH0741670A JPH0741670A (ja) | 1995-02-10 |
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ID=16162278
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP18495593A Expired - Fee Related JP3446768B2 (ja) | 1993-07-27 | 1993-07-27 | ポリアミド樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP2006342278A (ja) * | 2005-06-10 | 2006-12-21 | Mitsubishi Engineering Plastics Corp | ポリアミド樹脂組成物及び成形品 |
EP2025716A4 (en) | 2006-05-30 | 2011-05-18 | Mitsubishi Eng Plastics Corp | POLYAMIDE RESIN COMPOSITION AND FORM BODY |
RU2565069C2 (ru) | 2009-11-27 | 2015-10-20 | Мицубиси Гэс Кемикал Компани, Инк. | Сополимеризованная полиамидная смола, способ ее получения, смоляная композиция и формованное изделие, изготовленное из сополимеризованной полиамидной смолы или смоляной композиции |
JP5625668B2 (ja) * | 2010-09-17 | 2014-11-19 | 三菱瓦斯化学株式会社 | ポリアミド樹脂組成物およびその成形方法 |
-
1993
- 1993-07-27 JP JP18495593A patent/JP3446768B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH0741670A (ja) | 1995-02-10 |
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