JP2022550416A - ポリアミド組成物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、- 0~30質量%の少なくとも1種のポリアミド[ポリアミド(A)]と、- ポリアミド(A)とは異なる30超~99.99質量%の少なくとも1種の分岐ポリアミドとを含むポリアミド組成物[組成物(C)]に関するものである。

Description

本発明は、老化耐性挙動及び疲労などの周期的な応力への耐性挙動、又は圧力脈動への耐性が改善されたポリアミド組成物の分野に関するものである。
ポリアミドは、成形部品及び射出部品を含む多様な造形物品の製造に広く使用されている合成ポリマーであり、ハイエンドの電気、電子、及び自動車産業用にしばしば提案される。
これらの使用分野において、成形ポリアミド物品は、その通常の有用寿命の間、100℃を大きく超える温度に頻繁に到達する及び/又はより長期間にわたって到達する熱源と接触している。熱源は、発熱装置又は加熱された装置であり得、又は成形物品が配置される周囲環境であり得る。加熱された装置又は発熱装置の例として、エンジン又はその要素、及び電気装置と電子装置、例えば回路遮断器、コネクタ、インバータ、LEDなどが挙げられる。自動車セグメントでの高温使用用途は、いわゆるフード下又はボンネット下の用途でよく見られ、本明細書では高温自動車用途と呼ぶ。従って、本発明は特に、電気、電子、及び自動車産業で使用するための成形物品の製造に適したポリアミドに関するものである。
電気、電子、自動車産業用の成形物品及びポリアミドをベースとした成形組成物は一般に、複雑な特性プロファイルに準拠しなければならない。この特性プロファイルには、成形されたままの組成物についての、良好な寸法安定性、高い熱変形温度(HDT)、及び良好な機械的特性、例えば高い引張強さ、引張弾性率及び疲労などが含まれる。ポリアミド材料は一般に、ポリマーの熱劣化による機械的特性の低下を示す傾向がある。この影響は熱老化と呼ばれる。この影響は、好ましくない程度まで発生することがある。特に、熱可塑性ポリマーとしてのポリアミドの場合、高温への曝露による劣化の影響が非常に大きい可能性がある。
熱老化特性を改善する試みにおいて、ポリアミド組成物に熱安定剤を添加することが従来の慣例である。熱安定剤の機能は、成形物品が高温に曝露された際に組成物の特性をより良好に保持することである。熱安定剤を使用した場合、材料の種類、使用条件及び熱安定剤の種類と量に応じて、成形材料の有用寿命を大幅に延ばすことができる。ポリアミドに典型的に使用される熱安定剤の例としては、フェノール系酸化防止剤及び芳香族アミンのような有機安定剤、及びヨウ化カリウム又は臭化カリウムと組み合わせた銅塩の形態か、又は元素銅の形態の銅、及び金属粉末、特に鉄粉が挙げられる。
既存の技術では、長期間の熱老化耐性は向上するものの、それにもかかわらず、より高温への曝露を伴うさらに要求の厳しい用途には不十分であり、多くの用途では、160℃、又はさらに180~200℃以上もの高温に長期間曝露された後の機械的特性の保持が、基本要件となる。熱老化特性が改善された組成物を必要とする特殊な用途の数も増えてきている。
このシナリオの中で、US4,945,129は、(i)アミン末端ポリアミド(これは好ましくはポリカプロラクタム型のものであり、且つJeffamine製品(すなわちプロピレンオキシドトリアミン)、又はトリ-及びテトラ-官能性エチレンアミンなどの分岐材料を含むことができる)、(ii)別の追加のポリアミド及び(iii)オレフィン反応性コポリマーを含むポリアミド組成物を開示している。この組成物は、安定剤及び酸化劣化、熱劣化及びUV光劣化の阻害剤をさらに含むことができ、I族金属ハロゲン化物及びハロゲン化第一銅の組合せが挙げられる。そのような組成物は、特に低温で、改善された衝撃強度を有することが示されている。
さらに、WO2013/004531は、以下、
- 多官能性モノマーとAA/BBモノマー及びABモノマーの混合物との重縮合から得られ、600~3500g/モルの分子量を有するプレポリマーYであって、前記プレポリマーは、好ましくはアンバランスの末端基、及び特に過剰のアミン末端基を有する、プレポリマーY、
- AA-BB繰返し単位から主になる第1の直鎖プレポリアミドX1、及び
- AB繰返し単位から主になる第2の直鎖プレポリアミドX2
を含むポリアミド組成物を開示している。この組成物は、通常の添加剤、例えば熱安定剤及び酸化防止剤をさらに含むことができる。上記組成物は、溶融状態で混合され、反応押出によって高分子量分岐ポリアミドを提供し、ここでアミン及びカルボン酸末端基の間の濃度差(AEG-CEG)が一般に0~35meq/kgの範囲である(すなわち、アミン末端基のわずかな過剰を提供する)。
同様に、WO2013/004548は、以下、
- 多官能性モノマーとAA/BBモノマーの混合物との重縮合から得られ、600~3500g/モルの分子量を有するプレポリマーYであって、前記プレポリマーは、好ましくはアンバランスの末端基、及び特に過剰のアミン末端基を有する、プレポリマーY、
- AA-BB繰返し単位からなる直鎖プレポリアミドX
を含むポリアミド組成物を開示している。この組成物は、通常の添加剤、例えば熱安定剤及び酸化防止剤をさらに含むことができる。上記組成物は、溶融状態で混合され、反応押出によって高分子量分岐ポリアミドを提供し、ここでアミン及びカルボン酸末端基の間の濃度差(AEG-CEG)が一般に0~35meq/kgの範囲である(すなわち、アミン末端基のわずかな過剰を提供する)。
US9,856,375は、以下、
- 20~95質量%の少なくとも1種のポリアミド[ポリアミド(A)]と、
- ポリアミド(A)とは異なる1~30質量%の少なくとも1種の分岐ポリアミドであって、前記分岐ポリアミドが、
- 式-NH-の第2級アミン基及び式-NHの第1級アミン基からなる群から選択される少なくとも3つのアミン官能基を含む、少なくとも1種のポリアミンモノマー[モノマー(FN)]、及び
- ε-カプロラクタム(又はその誘導体)
を含む混合物[混合物(B)]の重縮合から誘導される繰返し単位を含み、
前記分岐ポリアミドが、差AEG-CEGが少なくとも100meq/kgである、アミン末端基(AEG)の濃度及びカルボキシル末端基CEG)の濃度を有する、分岐ポリアミド[ポリアミド(B)]と、
- 0.01~3.5質量%の少なくとも1種の熱安定剤[安定剤(S)]とを含むポリアミド組成物[組成物(C)]を開示している。このポリアミド組成物は、熱老化に対する優れた耐性を示す一方で、特定の用途では、その機械的耐久性及び疲労特性を改善する必要性が依然として存在することがある。
US4,945,129 WO2013/004531 WO2013/004548 US9,856,375
従って本発明の目的は、既知の組成物よりも優れた熱老化特性及び改善された疲労特性を有するポリアミド組成物を提供し、それによって、既知の組成物を用いて調製した成形物品よりも高い連続使用温度で使用することができ、且つ高温での使用中に傑出した機械的挙動を有する成形物品を作製する可能性を提供することである。
本発明者らは、ポリアミドをベースとする化合物に、カルボン酸末端基よりも過剰なかなりの量のアミン末端基を含む特定の分岐ポリアミドを、十分に定義した量で組み込むことが、傑出した相乗的熱老化安定効果をもたらし、特に200℃もの高温に長期間曝露された後でも傑出した機械的特性を保持し、同時に、例えば圧力脈動条件下での優れた疲労特性をもたらすのに効果的であることを見出した。
よって本発明は、
- 0~30質量%の少なくとも1種のポリアミド[ポリアミド(A)]と、
- ポリアミド(A)とは異なる30超~99.99質量%の少なくとも1種の分岐ポリアミド[ポリアミド(B)]であって、その分岐ポリアミドが、
(i)式-NH-の第2級アミン基及び式-NHの第1級アミン基からなる群から選択される少なくとも3つのアミン官能基を含む、少なくとも1種のポリアミンモノマー[モノマー(FN)]、及び
(ii)ε-カプロラクタム(又はその誘導体)
を含む混合物[混合物(B)]の重縮合から誘導される繰返し単位を含み、
前記分岐ポリアミドが、差AEG-CEGが少なくとも80meq/kgである、アミン末端基(AEG)の濃度及びカルボキシル末端基(CEG)の濃度を有する、分岐ポリアミド[ポリアミド(B)]と、
- 0.01~3.5質量%の少なくとも1種の熱安定剤[安定剤(S)]と、
- 場合により、0~60質量%の少なくとも1種のフィラー[フィラー(F)]と、
- 場合により、0~30質量%の少なくとも1種の衝撃改質ゴム[ゴム(I)]と、
- 場合により、0~10質量%の他の従来の添加剤と、
を含むポリアミド組成物[組成物(C)]に関するものであり、上記質量%は、組成物(C)の合計質量に対するものである。
驚くべきことに、本発明者らは、上記の詳細な量の熱安定剤と、実質的にアミン末端の分岐ポリアミドとを同時に組み込むことが、予想外なことに、傑出した熱老化安定性をもたらし、200℃もの高温での熱老化性能を改善し、機械的特性を確実に傑出して保持し、熱安定剤のみ、又はより少量の分岐ポリアミドを含むポリアミド化合物よりも実質的に良好な性能をもたらすのに効果的であることを見出した。
好ましい実施形態では、本発明のポリアミド組成物は、
- 0~30質量%の少なくとも1種のポリアミド[ポリアミド(A)]と、
- ポリアミド(A)とは異なる30超~99.99質量%の少なくとも1種の分岐ポリアミド[ポリアミド(B)]であって、前記分岐ポリアミドが、
- 式-NH-の第2級アミン基及び式-NHの第1級アミン基からなる群から選択される3つ又は4つのアミン官能基を含む、少なくとも1種の三官能性又は四官能性ポリアミンモノマー[モノマー(FN)]、及び
- ε-カプロラクタム(又はその誘導体)
を含む混合物[混合物(B)]の重縮合から誘導される繰返し単位を含み、
モノマー(FN)が三官能性ポリアミンモノマーである場合、前記モノマー(FN)は、モノマー(FN)/ε-カプロラクタム(又はその誘導体)のモル比が少なくとも0.002でありかつ最大でも0.030である量で使用され、そして、
モノマー(FN)が四官能性ポリアミンモノマーである場合、前記モノマー(FN)は、モノマー(FN)/ε-カプロラクタム(又はその誘導体)のモル比が少なくとも0.001でありかつ最大でも0.030である量で使用され、
前記分岐ポリアミドが、差AEG-CEGが少なくとも100meq/kgでありかつ最大でも300meq/kgである、アミン末端基(AEG)の濃度及びカルボキシル末端基(CEG)の濃度を有する、分岐ポリアミド[ポリアミド(B)]と、
- 0.01~3.5質量%の少なくとも1種の熱安定剤[安定剤(S)]と、
- 場合により、0~60質量%の少なくとも1種のフィラー[フィラー(F)]と、
- 場合により、0~30質量%の少なくとも1種の衝撃改質ゴム[ゴム(I)]と、
- 場合により、0~10質量%の他の従来の添加剤と、
を含み、上記質量%は、組成物(C)の合計質量に対するものである。
本記載において、要素又は組成物が、明示された要素又は成分の列挙に含まれる及び/又はそこから選択されると言う場合、ここで明示的に企図される関連する実施形態において、要素又は成分は、個々の明示された要素又は成分のうちの任意の1つであってよく、又は明示的に挙げられた要素又は成分のうちの任意の2つ以上からなる群から選択してもよいことが、理解されるべきである。
「含む」という用語には、「本質的に…からなる」及び「…からなる」が含まれる。
「%」又は「質量%」という符号は、他に明記のない限り、「質量パーセント」を指す。
本明細書において、下限値又は上限値、又は下限値と上限値とによって定義される、ある変数の値の範囲についての記載には、その変数が値の範囲内で、下限値を除いて又は上限値を除いて、又は下限値と上限値とを除いてそれぞれ選ばれる実施形態も含まれる。
本明細書において、要素又は組成物が、明示された要素又は成分の列挙に含まれる及び/又はそこから選択されると言う場合、ここで明示的に企図される関連する実施形態において、要素又は成分は、個々の明示された要素又は成分のうちの任意の1つであってよく、又は明示的に挙げられた要素又は成分のうちの任意の2つ以上からなる群から選択できることが、理解されるべきである。
例えば、実施形態において、ある要素群からの要素の選択が記載されている場合、以下の要素もまた明示的に記載される:
- 群から2つ以上の要素を選択すること、
- 1つ以上の要素が取り除かれている要素群からなる要素のサブグループから要素を選択すること。
本明細書中の単数形「a」又は「one」の使用は、他に明記のない限り、複数形を含む。
加えて、定量値の前に「約」という用語が用いられる場合、他に明記のない限り、本教示には具体的な定量値自体も含まれる。本明細書中で使用される用語「約」は、他に明記のない限り、公称値から±10%の変動を指す。
ポリアミド(A)
「ポリアミド(A)」という表現は、
- 少なくとも1つのジカルボン酸成分(又はその誘導体)及び少なくとも1種のジアミン成分(又はその誘導体)の重縮合反応から、及び/又は
- 少なくとも1つのアミノカルボン酸及び/又は少なくとも1つのラクタムの重縮合反応から
誘導される繰返し単位を含む任意のポリマーを示すことが意図されている。
前記繰返し単位に加えて、ポリアミド(A)は、ジオール、多価アルコール、又はO、P、Sなどのヘテロ原子を含む他の官能性化合物から誘導される繰返し単位を含んでもよい。
或る好ましい実施形態では、本発明のポリアミド(A)は、このような繰返し単位を少なくとも50モル%、好ましくは少なくとも60モル%、より好ましくは少なくとも70モル%、なおより好ましくは少なくとも80モル%、及び最も好ましくは少なくとも90モル%含む。ポリアミド(A)が本質的に前記繰返し単位からなる場合に優れた結果が得られたが、他のモノマー(例えば多官能性モノマー)から誘導される少量(例えば0.5モル%未満)の繰返し単位が、ポリアミド(A)の熱性能を変えることなく依然として存在し得ることが理解される。
より正確には、ポリアミド(A)は、以下、
- 少なくとも二酸[酸(DA)](又はその誘導体)及び少なくともジアミン[アミン(NN)](又はその誘導体)を含む混合物(M1)、
- 少なくともラクタム[ラクタム(L)]を含む混合物(M2)、
- 少なくともアミノカルボン酸[アミノ酸(AN)]を含む混合物(M3)、及び
- これらの組み合わせ
から選択される少なくとも1つの混合物の縮合反応によって得られてよい。
酸(DA)誘導体には、アミド基を形成することができる、とりわけ塩、無水物、エステル及び酸ハロゲン化物が含まれ、同様に、アミン(NN)誘導体には、同じようにアミド基を形成することができる、とりわけそれらの塩が含まれる。
前記酸(DA)は、2つの反応性カルボン酸基を含む芳香族ジカルボン酸[酸(AR)]又は2つの反応性カルボン酸基を含む脂肪族又は脂環式ジカルボン酸[酸(AL)]であってよい。本発明の目的において、ジカルボン酸は、1つ又は複数の芳香族基を含む場合、「芳香族」とみなされる。
酸(AR)の非限定的な例として、とりわけフタル酸が挙げられ、イソフタル酸(IA)及びテレフタル酸(TA)、2,5-ピリジンジカルボン酸、2,4-ピリジンジカルボン酸、3,5-ピリジンジカルボン酸、2,2-ビス(4-カルボキシフェニル)プロパン、ビス(4-カルボキシフェニル)メタン、2,2-ビス(4-カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス(4-カルボキシフェニル)ケトン、ビス(4-カルボキシフェニル)スルホン、2,2-ビス(3-カルボキシフェニル)プロパン、ビス(3-カルボキシフェニル)メタン、2,2-ビス(3-カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス(3-カルボキシフェニル)ケトン、ビス(3-カルボキシフェノキシ)ベンゼン、ナフタレンジカルボン酸を含み、2,6-ナフタレンジカルボン酸、2,7-ナフタレンジカルボン酸、1,4-ナフタレンジカルボン酸、2,3-ナフタレンジカルボン酸、1,8-ナフタレンジカルボン酸、1,2-、1,3-又は1,4-シクロヘキサンジカルボン酸も含む。
酸(AL)のうち、とりわけシュウ酸(HOOC-COOH)、マロン酸(HOOC-CH-COOH)、コハク酸[HOOC-(CH-COOH]、グルタル酸[HOOC-(CH-COOH]、2,2-ジメチル-グルタル酸[HOOC-C(CH-(CH-COOH]、アジピン酸[HOOC-(CH-COOH]、2,4,4-トリメチル-アジピン酸[HOOC-CH(CH)-CH-C(CH-CH-COOH]、ピメリン酸[HOOC-(CH-COOH]、スベリン酸[HOOC-(CH-COOH]、アゼライン酸[HOOC-(CH-COOH]、セバシン酸[HOOC-(CH-COOH]、ウンデカン二酸[HOOC-(CH-COOH]、ドデカン二酸[HOOC-(CH10-COOH]、テトラデカン二酸[HOOC-(CH12-COOH]、オクタデカン二酸[HOOC-(CH16-COOH]を挙げることができる。
好ましくは、ポリアミド(A)の製造に使用される酸(DA)は、上に詳述した酸(AL)であり、上に詳述した酸(AR)を少量組み合わせることもある。
アミン(NN)は、一般に、脂肪族及び脂環式アルキレンジアミン、芳香族ジアミン、及びそれらの混合物からなる群から選択される。
前記脂肪族アルキレンジアミンは、典型的には、2~18個の炭素原子を有する脂肪族アルキレンジアミンである。
前記脂環式アルキレンジアミンは、典型的には、5~18個の炭素原子を有する脂環式アルキレンジアミンである。
前記脂肪族アルキレンジアミンは、有利には、1,2-ジアミノエタン、1,2-ジアミノプロパン、プロピレン-1,3-ジアミン、1,3-ジアミノブタン、1,4-ジアミノブタン、1,5-ジアミノペンタン、1,5-ジアミノ-2-メチル-ペンタン、1,4-ジアミノ-1,1-ジメチルブタン、1,4-ジアミノ-1-エチルブタン、1,4-ジアミノ-1,2-ジメチルブタン、1,4-ジアミノ-1,3-ジメチルブタン、1,4-ジアミノ-1,4-ジメチルブタン、1,4-ジアミノ-2,3-ジメチルブタン、1,2-ジアミノ-1-ブチルエタン、1,6-ジアミノヘキサン、1,7-ジアミノヘプタン、1,8-ジアミノ-オクタン、1,6-ジアミノ-2,5-ジメチルヘキサン、1,6-ジアミノ-2,4-ジメチルヘキサン、1,6-ジアミノ-3,3-ジメチルヘキサン、1,6-ジアミノ-2,2-ジメチルヘキサン、1,9-ジアミノノナン、1,8-ジアミノ-2-メチルオクタン、1,6-ジアミノ-2,2,4-トリメチルヘキサン、1,6-ジアミノ-2,4,4-トリメチルヘキサン、1,7-ジアミノ-2,3-ジメチルヘプタン、1,7-ジアミノ-2,4-ジメチルヘプタン、1,7-ジアミノ-2,5-ジメチルヘプタン、1,7-ジアミノ-2,2-ジメチルヘプタン、1,10-ジアミノデカン、1,8-ジアミノ-1,3-ジメチルオクタン、1,8-ジアミノ-1,4-ジメチルオクタン、1,8-ジアミノ-2,4-ジメチルオクタン、1,8-ジアミノ-3,4-ジメチルオクタン、1,8-ジアミノ-4,5-ジメチルオクタン、1,8-ジアミノ-2,2-ジメチルオクタン、1,8-ジアミノ-3,3-ジメチルオクタン、1,8-ジアミノ-4,4-ジメチルオクタン、1,6-ジアミノ-2,4-ジエチルヘキサン、1,9-ジアミノ-5-メチルノナン、1,11-ジアミノウンデカン、1,12-ジアミノドデカン、及び1,13-ジアミノトリデカンからなる群から選択される。
脂肪族アルキレンジアミンは、好ましくは、1,6-ジアミノヘキサン、1,8-ジアミノ-オクタン、1,10-ジアミノデカン、1,12-ジアミノドデカン及びそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種のジアミンを含む。より好ましくは、脂肪族アルキレンジアミンは、1,6-ジアミノヘキサン、1,10-ジアミノデカン及びそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種のジアミンを含む。
脂環式ジアミンの例は、イソホロンジアミン、1,2-、1,3-、1,4-ジアミノシクロヘキサン、4,4’-ジアミノジシクロヘキシルメタン、及び(4,4’-ビス(アミノシクロヘキシル)メタンである。
芳香族ジアミンは、好ましくは、メタ-キシリレンジアミン及びパラ-キシリレンジアミンからなる群から選択される。
好ましくは、ポリアミド(A)の製造に使用されるアミン(NN)は、上に詳述した脂肪族アルキレンジアミンであり、上に詳述した芳香族ジアミンを少量組み合わせることもある。
好ましい混合物(M1)は、
- アジピン酸と1,6-ジアミノヘキサンとの混合物、
- アジピン酸とテレフタル酸と1,6-ジアミノヘキサンとの混合物、
- セバシン酸と1,6-ジアミノヘキサンとの混合物、
- テレフタル酸と1,10-ジアミノデカンとの混合物、
- アジピン酸とテレフタル酸と1,10-ジアミノデカンとの混合物、
- アジピン酸と1,10-ジアミノデカンとの混合物
である。
ポリアミド(A)の製造に使用するのに適したラクタム(L)は、β-ラクタム又はε-カプロラクタムの任意であってよい。
好ましい混合物(M2)は、ε-カプロラクタムを含む。
ポリアミド(A)の製造に使用するのに適したアミノ酸(AN)は、6-アミノ-ヘキサン酸、9-アミノノナン酸、10-アミノデカン酸、11-アミノウンデカン酸、12-アミノドデカン酸からなる群から選択することができる。
2つを超えるカルボン酸基及びアミン基を含む1つ又は複数の多官能性酸/アミンモノマー、例えば3つ以上のカルボン酸基を有するポリカルボン酸、3つ以上のアミン基を有するポリアミン、2つのカルボキシル基及び1つ以上のアミン基を含む多官能性二酸、2つのアミン基及び1つ以上のカルボン酸基を含む多官能性ジアミンの、混合物(M1)、(M2)、(M3)及びそれらの組み合わせの任意への添加は、依然として本発明の範囲内である。前記多官能性酸/アミンモノマーの組み込みは一般に、例えばとりわけWO97/24388及びWO99/64496に記載されたものなどの、星状又は樹状の分岐構造をもたらす。
ポリアミド(A)の製造のため、本発明の範囲から逸脱することなく、1つ又は複数のエンドキャッピング剤[試剤(M)]を混合物(M1)、(M2)、(M3)、及びそれらの組み合わせの任意に添加できることも、さらに理解される。試剤(M)は一般に、1つの反応性カルボン酸基のみを含む酸[酸(MA)]、及び1つの反応性アミン基のみを含むアミン[試剤(MN)]からなる群から選択される。
酸(MA)は、好ましくは、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ステアリン酸、シクロヘキサンカルボン酸、安息香酸からなる群から、好ましくは酢酸及び安息香酸から選択される。
アミン(MN)は、好ましくは、メチルアミン、エチルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、ベンジルアミン、ドデシルアミン、シクロヘキシルアミンからなる群から選択される。
前記ポリアミド(A)は一般に、式(I)又は式(II)の任意の繰返し単位[繰返し単位(RPA)]:
式(I):-NH-R-CO-
式(II):-NH-R-NH-CO-R-CO-
(式中、
- Rは、各場合において互いに等しいか又は異なり、3~17個の炭素原子を有する2価の炭化水素基であり、
- Rは、各場合において互いに等しいか又は異なり、2~18個の炭素原子を有する2価の炭化水素基であり、そして
- Rは、各場合において互いに等しいか又は異なり、結合又は1~16個の炭素原子を有する2価の炭化水素基である)
を(ポリアミド(A)の繰返し単位の総モルに対して)少なくとも50モル%含む。
ポリアミド(A)組成物は、好ましくは脂肪族ポリアミドであり、すなわち、R、R及びRは脂肪族基である。
ポリアミド(A)の繰返し単位(RPA)の例として、とりわけ:
(j) -NH-(CH-CO-、すなわち、ε-カプロラクタムの重縮合反応を介してとりわけ得ることができる繰返し単位[繰返し単位(R)]、
(jj) -NH-(CH-CO-、すなわち、9-アミノノナン酸の重縮合反応を介してとりわけ得ることができる繰返し単位[繰返し単位(R)]、
(jjj) -NH-(CH-CO-、すなわち、10-アミノデカン酸の重縮合反応を介してとりわけ得ることができる繰返し単位[繰返し単位(R10)]、
(jv) -NH-(CH10-CO-、すなわち、11-アミノウンデカン酸の重縮合反応を介してとりわけ得ることができる繰返し単位[繰返し単位(R11)]、
(v) -NH-(CH11-CO-、すなわち、ラウロラクタムの重縮合反応を介してとりわけ得ることができる繰返し単位[繰返し単位(R12)]、
(vj) -NH-(CH-NH-CO-(CH-CO-、すなわち、ヘキサメチレンジアミン及びアジピン酸の重縮合反応を介してとりわけ得ることができる繰返し単位[繰返し単位(R6,6)]、
(vjj) -NH-(CH-NH-CO-(CH10-CO-、すなわち、ヘキサメチレンジアミン及びドデカン二酸の重縮合反応を介してとりわけ得ることができる繰返し単位[繰返し単位(R6,12)]、
(vjjj) -NH-(CH-NH-CO-(CH12-CO-、すなわち、ヘキサメチレンジアミン及びテトラデカン二酸の重縮合反応を介してとりわけ得ることができる繰返し単位[繰返し単位(R6,14)]、
(jx) -NH-(CH10-NH-CO-(CH10-CO-、すなわち、デカメチレンジアミン及びドデカン二酸の重縮合反応を介してとりわけ得ることができる繰返し単位[繰返し単位(R10,12)]、
(x) -NH-(CH-NH-CO-(CH-CO-、すなわち、ヘキサメチレンジアミン及びアゼライン酸(そうではない場合ノナン二酸として知られている)の重縮合反応を介してとりわけ得ることができる繰返し単位[繰返し単位(R6,9)]、
(xj) -NH-(CH12-NH-CO-(CH10-CO-、すなわち、ドデカメチレンジアミン及びドデカン二酸の重縮合反応を介してとりわけ得ることができる繰返し単位[繰返し単位(R12,12)]、
(xjj) -NH-(CH10-NH-CO-(CH-CO-、すなわち、デカメチレンジアミン及びデカン二酸の重縮合反応を介してとりわけ得ることができる繰返し単位[繰返し単位(R10,10)]、
(xjjj) -NH-(CH-NH-CO-(CH-CO-、すなわち、1,4-ブタンジアミン及びアジピン酸の重縮合反応を介してとりわけ得ることができる繰返し単位[繰返し単位(R4,6)]、
(xjv) -NH-(CH-NH-CO-(CH-CO-、すなわち、1,4-ブタンジアミン及びセバシン酸の重縮合反応を介してとりわけ得ることができる繰返し単位[繰返し単位(R4,10)]、
(xv) -HN-(CH-NH-CO-(CH-CO-、すなわち、1,6-ヘキサメチレンジアミン及びセバシン酸の重縮合反応を介してとりわけ得ることができる繰返し単位[繰返し単位(R6,10)]、
(xvi) -HN-(CH10-NH-CO-(CH-CO-、すなわち、1,10-デカメチレンジアミン及びアジピン酸の重縮合反応を介してとりわけ得ることができる繰返し単位[繰返し単位(R10,6)]
が挙げられる。
ポリアミド(A)の繰返し単位の50モル%超、好ましくは60モル%超、さらにより好ましくは70モル%超が、上に詳述した繰返し単位(RPA)である。
ポリアミド(A)の繰返し単位(RPA)は、ポリアミド(A)がホモポリアミドであるようにすべて同じでよく、又はポリアミド(A)がコポリアミドであるように異なる種類であってもよい。
或る好ましい実施形態によれば、ポリアミド(A)は、上に詳述した繰返し単位(R6,6)から本質的になり、すなわち、ポリアミド(A)はホモ-ポリアミドPA66であり、末端鎖、欠陥及び他の不規則性がポリアミド(A)鎖に存在する場合があるが、これはその特性に影響を及ぼさないと理解される。
ポリアミド(A)の末端基は、非官能性(エンドキャップ)末端基、カルボン酸末端基(CEG)及びアミン末端基(AEG)を含む、任意の種類であってよい。
それにもかかわらず、好ましい実施形態によれば、ポリアミド(A)は、アミン末端基の濃度を超えるカルボン酸末端基の濃度を含むことが一般に理解される。
この目的のために、ポリアミド(A)は、好ましくは、モノマー混合物中の過剰のカルボン酸基の存在下での重縮合反応によって製造することができ、この過剰は一般に、2つ又は2つを超えるカルボン酸基、好ましくは2つを超えるカルボン酸基を含む少なくとも1つのカルボン酸を過剰に使用する形態である。
組成物(C)は一般に、組成物(C)の合計質量に対して、最大で30質量%、好ましくは25質量%未満、より好ましくは20質量%未満、さらにより好ましくは15質量%未満、さらにより好ましくは10質量%未満、そして最も好ましくは5質量%未満の、上に詳述したポリアミド(A)を含む。
ポリアミド(B)
述べたように、組成物(C)は、ポリアミド(A)とは異なる、30質量%超(好ましくは、40質量%超、50質量%超、60質量%超、70質量%超、80質量%超、又は90質量%超)から99.99質量%の少なくとも1つの分岐ポリアミドを含み、前記分岐ポリアミドは、以下:
-上記で定義した少なくとも1種のモノマー(FN)、及び
-ε-カプロラクタム(又はその誘導体)
を含む混合物[混合物(B)]の重縮合から誘導される繰返し単位を含み、前記分岐ポリアミドは、差AEG-CEGが少なくとも80meq/kgであるAEG及びCEGを有する[ポリアミド(B)]。
好ましい実施形態では、ポリアミド(B)の質量パーセントは、組成物(C)中のポリアミド(A)及びポリアミド(B)の合計質量に対して、少なくとも70質量%、好ましくは少なくとも75質量%、より好ましくは少なくとも80質量%、及びさらにより好ましくは少なくとも90質量%、例えば100質量%である。
モノマー(FN)は、好ましくは、上に詳述した3つのアミン基を含む三官能性ポリアミンモノマー、又は上に詳述した4つのアミン基を含む四官能性ポリアミンモノマーである。
モノマー(FN)の例として、トリス(アミノアルキル)アミン、例えばトリス(2-アミノエチル)アミン(TREN)、
ポリオキシアルキレントリアミン、例えばHuntsman社のJeffamine T(登録商標)(Jeffamine T403(登録商標)を含む)(ポリオキシプロピレントリアミン)、
ポリアルキレンポリアミン、例えば、可変の分子量を有利に有し得るポリエチレンイミン、1,8-ジアミノ-4-アミノメチル-オクタン(TAN)、及びジアルキレントリアミン、例えばジエチレントリアミン(DETA)、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン(BHT)、及びシクロヘキサン-1,3,5-トリアミン、及び2,2,6,6-テトラキス(2-アミノエチル)シクロヘキサノン
が挙げられる。
好ましい多官能性モノマーは、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン(BHT)、トリス(2-アミノエチル)アミン(TREN)、1,8-ジアミノ-4-アミノメチル-オクタン(TAN)及びそれらの組み合わせである。
「その誘導体」という表現は、「ε-カプロラクタム」という表現と組み合わせて使用される場合、重縮合条件で反応を受けてアミド結合を生じるいずれかの誘導体を示すことを意図している。アミド形成誘導体の例には、対応するアミノ酸直鎖化合物、モノアルキルエステル、例えばそのモノ-メチル、エチル又はプロピルエステル;そのモノ-アリールエステル;そのモノ-酸ハロゲン化物;そのモノ-酸アミド、そのモノ-カルボキシレート塩及びモノ-アンモニウム塩が含まれる。そのような誘導体の例は、アミノウンデカン酸(PA11)、アミノドデカン酸(PA12)及びラウリルラクタム、及びそれらのコポリマーである。
それにもかかわらず、ε-カプロラクタムは、ポリマー(B)の製造においてそのものとして使用されるのが好ましいことが、一般に理解される。
モノマー(FN)の量は特に制限されないが、AEG-CEG値が特許請求される限度内であるように、適切なAEG及びCEGをもたらすのにとりわけ寄与できることが条件である。当業者は、モノマー(FN)のアミン基の数及びポリマー(B)に求められる最終的な分子特性をとりわけ考慮に入れて、所定の実験に従って必要な量を決定するであろう。
それにもかかわらず、モノマー(FN)は、モノマー(FN)/ε-カプロラクタム(又はその誘導体)のモル比が、少なくとも0.001でありかつ/又は最大でも0.1、好ましくは最大でも0.040である量で使用されることが、一般に理解される。
モノマー(FN)が三官能性ポリアミンモノマーである場合、前記モノマー(FN)は、モノマー(FN)/ε-カプロラクタム(又はその誘導体)のモル比が、少なくとも0.002、好ましくは少なくとも0.003、より好ましくは少なくとも0.004及び/又は最大でも0.040、より好ましくは最大でも0.030、さらにより好ましくは最大でも0.020である量で使用してよい。
モノマー(FN)が四官能性ポリアミンモノマーである場合、前記モノマー(FN)は、モノマー(FN)/ε-カプロラクタム(又はその誘導体)のモル比が少なくとも0.001、好ましくは少なくとも0.002、及び/又は最大でも0.003でありかつ/又は最大でも0.030、好ましくは最大でも0.020、より好ましくは最大でも0.015である量で使用される。
特に好ましいのは、モノマー(FN)/ε-カプロラクタム(又はその誘導体)のモル比が、三官能性ポリアミンモノマーについては0.002~0.030の範囲、四官能性ポリアミンモノマーについては0.001~0.030の範囲である。
重縮合によってポリマー(B)をもたらす混合物(B)は、ポリマー(A)について上に詳述した少なくとも1種の二酸[酸(DA)]、及び/又はポリマー(A)について上に詳述した少なくとも1種のジアミン[アミン(NN)]をさらに含むことができる。好ましくは、混合物(B)は、上に詳述したような如何なるアミン(NN)も含まない。
好ましい実施形態は、前記混合物(B)が少なくとも1つの酸(DA)、好ましくはアジピン酸を、場合により少なくとも1つの前記アミン(NN)と組み合わせて含むものであるが、それにもかかわらず、混合物(B)は好ましくはアミン(NN)を含まないと理解される。
いかなる理論にも拘束されることなく、本発明者らの見解では、前記混合物(B)中の前記酸(DA)が、ポリマー(B)の溶融粘度を調節するのに有益であり得、それ故ポリマー(B)は重合反応器から溶融状態でより容易に回収され、その後の配合でより容易に処理されるであろう。
混合物(B)において使用される酸(DA)は、上に詳述した酸(AL)又は酸(AR)であってよい。好ましくは、混合物(B)において使用される酸(DA)は、上に詳述した酸(AR)を少量組み合わせた、上に詳述した酸(AL)であろう。混合物(B)が酸(DA)としてアジピン酸を含む場合に最良の結果が得られた。
ポリアミド(B)の製造のための混合物(B)中に存在する場合、酸(DA)は、酸(DA)/モノマー(FN)のモル比が限度0.44+1/xを超えない量で使用してよく、ここでxは、モノマー(FN)中の前記アミン基の数である。
よってモノマー(FN)が3つの前記アミン基を含む三官能性ポリアミンモノマーである場合、酸(DA)/モノマー(FN)のモル比は、限度0.44+1/3、すなわち0.7733を好ましくは超えない。
酸(DA)の最小量は特に重要ではなく、好ましくは、標的分子量の関数として、すなわち、数平均分子量が少なくとも10000g/モルのポリマー(B)を得ることができるように、当業者によって好ましくは選択されるであろう。
存在する場合、酸(DA)は、酸(DA)のカルボキシル基の合計数が、モノマー(FN)のアミン基の合計数よりも少ない量で、そしてより正確には、差AEG-CEGが少なくとも80meq/kgである量で存在するであろうことが、さらに理解される。
ポリマー(B)をもたらす混合物(B)の重合は、PA6及び/又はPA66の製造のための当技術分野で知られている標準的な技術に従って実現することができる。そのような技術は、とりわけ連続重合プロセス又は非連続重合プロセスを伴ってよい。
ポリマー(B)では、差AEG-CEGは、有利には少なくとも100meq/kgである。差AEG-CEGは、好ましくは最大でも300meq/kg、より好ましくは最大でも200meq/kgである。差AEG-CEGの好ましい範囲は80meq/kg~300meq/kg、より好ましくは100meq/kg~300meq/kgである。
ポリマー(B)は、有利には、半結晶性であり、すなわち、それは識別可能な融点を有する。ポリマー(B)は、有利には、150~250℃の範囲に含まれる融点を有する。
ポリマー(B)は、有利には、250℃で測定した場合、100s-1のせん断速度で10~5000Paxsの溶融粘度を有する。
ポリマー(B)は、有利には、少なくとも10000g/モル、好ましくは少なくとも12000g/モル、より好ましくは少なくとも14000g/モルの数平均分子量を有する。
ポリマー(B)は、有利には、最大でも5、好ましくは最大でも4、より好ましくは最大でも3の分散性(IP)を有する。
数平均分子量(Mn)及び分散度(IP)は、式(I)及び(II):
Figure 2022550416000001
によって決定され、
式中、Rは、酸(DA)/モノマー(FN)のモル比、Co及びCEGは、それぞれポリマー(B)中のモノマー(FN)及びカルボキシル末端基のmeq/kg単位の濃度、fは、モノマー(FN)の官能価である。
熱安定剤
組成物(C)は、1つ又は複数の熱安定剤又は酸化防止剤[安定剤(S)]を、上記の量で含む。
本発明の組成物(C)には、1つ又は複数の安定剤(S)を使用することができる。
ポリアミドの熱安定化のための当技術分野で周知の熱安定剤(S)を効果的に使用することができる。
組成物(C)に使用される安定剤(S)は一般に、銅含有安定剤、ヒンダードアミン化合物、ヒンダードフェノール化合物、多価アルコール(PHA)、及びリン化合物からなる群から選択される。
銅含有安定剤
安定剤(S)は、好ましくは、少なくとも1つの銅含有安定剤を含む。これらの銅含有安定剤は、組成物(C)において単独で使用することができ、上記の代替安定剤(S)の1つ以上と組み合わせてこれを使用してもよい。
それにもかかわらず、好ましい実施形態は、銅含有安定剤が単独で使用されるもの、すなわち、安定剤(S)が銅含有安定剤であるものである。
本発明の実施に有用な銅含有安定剤は、銅化合物[化合物(Cu)]及びアルカリ金属ハロゲン化物[ハロゲン化物(M)]を含むものとして特徴付けられる。より詳細には、銅含有安定剤は、酸化銅(I)、酸化銅(II)、銅(I)塩、例えば酢酸第一銅、ステアリン酸第一銅、第一銅有機複合化合物、例えばアセチルアセトナート銅、ハロゲン化第一銅などからなる群から選択される銅化合物[化合物(Cu)]と、アルカリ金属ハロゲン化物[ハロゲン化物(M)]とから本質的になる。或る好ましい実施形態によれば、銅含有安定剤は、ヨウ化銅及び臭化銅から選択される銅ハロゲン化物から本質的になり、そしてアルカリ金属ハロゲン化物は、好ましくは、リチウム、ナトリウム及びカリウムのヨウ化物及び臭化物から選択される。
特に好ましい組み合わせは、CuIとKIの組み合わせである。別の非常に有利な組み合わせは、CuOとKBrの混合物である。
銅含有安定剤は、好ましくは、銅化合物[化合物(Cu)](好ましくは酸化状態+Iの銅を有する)と、アルカリ金属ハロゲン化物[ハロゲン化物(M)]とからなり、ここで原子質量比Cu:ハロゲン化物、すなわち、化合物(Cu)の全体的な銅含有量と、ハロゲン化物(M)及びおそらく化合物(Cu)(後者がハロゲンを含む場合)の全体的なハロゲン含有量との間の質量比は、1:99~30:70、好ましくは5:95~20:80である。特に効果的であることが見出されたCu:ハロゲン化物の質量比は、約0.15(すなわち、約13:87に対応する)である。
組成物(C)中の化合物(Cu)及びハロゲン化物(M)の、すなわち銅含有安定剤の総合質量は、組成物(C)の合計質量に基づいて、約0.01~約3質量%、好ましくは約0.02~約2.5質量%、より好ましくは約0.1~約1.5質量%の量となるであろう。
銅含有安定剤中の化合物(Cu)の量は一般に、組成物(C)中に約25~約1000ppm、好ましくは約50~約500ppm、より好ましくは約75~約150ppmの銅のレベルを提供するのに十分であろう。
ヒンダードアミン化合物
「ヒンダードアミン化合物」という表現は、この分野での慣用的な意味に従って使用され、当該分野で周知の2,2,6,6-テトラメチルピペリジンの誘導体を表すことが一般に意図される(例えば、Plastics Additives Handbook、第5版、Hanser、2001年を参照)。本発明による組成物のヒンダードアミン化合物は、低分子量又は高分子量のいずれであってもよい。
低分子量のヒンダードアミン化合物は、典型的には、最大でも900g/モル、好ましくは最大でも800g/モル、より好ましくは最大でも700g/モル、なおより好ましくは最大でも600g/モル、及び最も好ましくは最大でも500g/モルの分子量を有する。
低分子量のヒンダードアミン化合物の例を、以下の表1に列挙する。
Figure 2022550416000002

Figure 2022550416000003

Figure 2022550416000004
これらの低分子量化合物の中で、ヒンダードアミンは、好ましくは、式(a1)、(a2)、(a11)及び(a12)に対応するものからなる群から選択される。より好ましくは、ヒンダードアミンは、式(a1)、(a2)、及び(a12)に対応するものからなる群から選択される。なおより好ましくは、ヒンダードアミンは、式(a2)に対応するものである。
高分子量のヒンダードアミン化合物は、典型的にはポリマーであり、そして典型的には少なくとも1000g/モル、好ましくは少なくとも1100g/モル、より好ましくは少なくとも1200g/モル、なおより好ましくは少なくとも1300g/モル、及び最も好ましくは少なくとも1400g/モルの分子量を有する。
高分子量のヒンダードアミン化合物の例を、以下の表2に列挙する。
Figure 2022550416000005

Figure 2022550416000006
表2の式(b1)~(b6)における「n」は、ポリマー中の繰り返し単位の数を示し、通常は4以上の整数である。
それらの高分子量化合物のうち、ヒンダードアミンは、好ましくは、式(b2)及び(b5)に対応するものからなる群から選択される。より好ましくは、高分子量のヒンダードアミンは、式(b2)に対応するものである。
使用される場合、ヒンダードアミン化合物は、典型的には、組成物の合計質量に基づいて、有利には少なくとも0.01質量%、より好ましくは少なくとも0.05質量%、なおより好ましくは少なくとも0.1質量%の量で存在する。
同様に、存在する場合、ヒンダードアミン化合物はまた、典型的には、組成物の合計質量に基づいて、有利には最大でも3.5質量%、好ましくは最大でも3質量%、より好ましくは最大でも2.5質量%、なおより好ましくは最大でも2.0質量%、さらにより好ましくは最大でも0.8質量%、及び最も好ましくは最大でも0.6質量%の量で存在する。
ヒンダードフェノール化合物
「ヒンダードフェノール化合物」という表現は、この分野での慣用的な意味に従って使用され、当該分野で周知のオルト置換フェノールの誘導体、特にジ-tert-ブチル-フェノール誘導体(ただしこれに限らない)を表すことが一般に意図される。
ヒンダードフェノール化合物の例を、以下の表3に列挙する。
Figure 2022550416000007

Figure 2022550416000008

Figure 2022550416000009
組成物(C)において特に有効であることが判明しているヒンダードフェノール化合物は、上記で特定した式(d4)のN,N’-ヘキサン-1,6-ジイルビス(3-(3,5-ジ-tert.-ブチル-4-ヒドロキシフェニルプロピオンアミド)である。
使用される場合、ヒンダードフェノール化合物は、典型的には、組成物の合計質量に基づいて、有利には少なくとも0.01質量%、より好ましくは少なくとも0.05質量%、なおより好ましくは少なくとも0.1質量%の量で存在する。
同様に、存在する場合、ヒンダードフェノール化合物は、典型的には、組成物の合計質量に基づいて、有利には最大でも3.5質量%、好ましくは最大でも3質量%、より好ましくは最大でも2.5質量%、なおより好ましくは最大でも2.0質量%、さらにより好ましくは最大でも0.8質量%、及び最も好ましくは最大でも0.6質量%の量でも存在する。
多価アルコール
安定剤(S)は、少なくとも1種の多価アルコール(PHA)であってよい。
「多価アルコール」及び「PHA」という表現は、本発明の文脈内で、分子中に3つ以上のヒドロキシル基を含有する有機化合物を示すために使用される。PHAは、脂肪族、脂環式、アリール脂肪族又は芳香族化合物でよく、N、S、O、ハロゲン及び/又はPを含む1つ又は複数のヘテロ原子を含んでもよく、そしてエーテル、アミン、カルボン酸、アミド又はエステル基などの追加の官能基(ヒドロキシル基以外)を含むことができる。
好ましい実施形態によれば、安定剤(S)として使用される場合、PHAは、式R-(OH)(I)に従い、
式中、
- nは、3~8、好ましくは4~8の整数であり、そして
- Rは、C~C36炭化水素ラジカルである。
一般に、PHAのヒドロキシル基は脂肪族炭素原子に結合しており、換言すれば、PHAは一般に、フェノール型化合物ではない。
さらに、一般に、前記ヒドロキシル基は、立体障害されていないことが好ましい。この目的のために、ヒドロキシル基をもたらす脂肪族炭素に対してアルファ位の炭素原子は一般に、立体障害されている置換基を含まず、そしてより具体的には、分岐状の脂肪族基を含まない。
本発明の枠内で安定剤(S)として使用するのに特に適したPHA化合物は、とりわけ、以下が挙げられる:
- グリセロール、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、2,3-ジ(2’-ヒドロキシエチル)-シクロヘキサン-1-オール、ヘキサン-1,2,6-トリオール、1,1,1-トリス(ヒドロキシメチル)エタン、3-(2’-ヒドロキシエトキシ)プロパン-1,2-ジオール、3-(2’-ヒドロキシプロポキシ)-プロパン-1,2-ジオール、2-(2’-ヒドロキシエトキシ)-ヘキサン-1,2-ジオール、6-(2’ヒドロキシプロポキシ)-ヘキサン-1,2-ジオール、1,1,1-トリス-[(2’-ヒドロキシエトキシ)-メチルエタン、1,1,1-トリス-[(2’-ヒドロキシプロポキシ)-メチル-プロパン、1,1,1-トリス-(4’-ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,1-トリス-(ヒドロキシフェニル)-プロパン、1,1,5-トリス-(ヒドロキシフェニル)-3-メチルペンタン、トリメチロールプロパンエトキシレート、トリメチロールプロパンプロポキシレート、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、N-(2-ヒドロキシ-1,1-ビス(ヒドロキシメチル)エチル)グリシン(トリシンとしても知られる)、及びそれらの塩からなる群から特に選択される、トリオール、
- ジグリセロール、ジ(トリメチロールプロパン)、ペンタエリスリトール、1,1,4-トリス-(ジヒドロキシフェニル)-ブタンからなる群から特に選択される、テトラオール、
- 5つのヒドロキシル基を含むポリオール、特にトリグリセロール、
- 6つのヒドロキシル基を含むポリオール、特にジペンタエリスリトール、
- 8つのヒドロキシル基を含むポリオール、特にトリペンタエリスリトール、
- シクロデキストリン、D-マンノース、グルコース、ガラクトース、スクロース、フルクトース、アラビノース、D-マンニトール、D-ソルビトール、D-又はL-アラビトール、キシリトール、イジトール、タリトール、アルトリトール、グリトール、エリスロール、スレイトール、D-グロノ-1,4-ラクトンからなる群から特に選択される、サッカリド型のポリオール。
本発明の枠内で特に良好な結果を提供することが見出されたPHAは、ジグリセロール、トリグリセロール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール(DPE)、トリペンタエリスリトール(TPE)及びジ(トリメチロールプロパン)であり、ジペンタエリスリトール(DPE)及びトリペンタエリスリトール(TPE)が好ましく、そしてジペンタエリスリトール(DPE)が特に好ましい。
前記PHAはポリアミド(A)及び/又はポリアミド(B)と反応し得ることがさらに理解される。
よって、安定剤がPHAであるか又はPHAを含む場合、前記PHAの少なくとも或る割合がポリアミド(A)及び/又はポリアミド(B)に結合している実施形態は、依然として本発明の範囲内であることが、一般に理解される。
これらの後者の実施形態によれば、ポリアミド分子にこのように結合することができるPHAの割合は、使用されるPHAの合計モル数に対して、少なくとも50モル%、好ましくは少なくとも70モル%、さらにより好ましくは少なくとも80モル%である。
安定剤(S)として使用する場合、PHAは、ポリアミド(A)の質量に対して、少なくとも0.1質量%、好ましくは少なくとも0.5質量%、さらにより好ましくは少なくとも0.75質量%、及び最大でも3.5質量%、好ましくは最大でも3質量%、さらにより好ましくは最大でも2.5質量%の量で存在する。
PHAの少なくとも一部がポリアミド(A)及び/又はポリアミド(B)に化学的に結合している場合、組成物(C)は、化学的結合していないPHAを、あったとしても、組成物(C)の合計質量に対して、2質量%未満、好ましくは1.5質量%未満、より好ましくは1質量%未満の量で含むであろうことが認められる。
リン化合物
安定剤(S)は、アルカリ又はアルカリ土類金属次亜リン酸塩、ホスファイトエステル、ホスホナイト及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種のリン化合物でよい。
ナトリウム及びカルシウム次亜リン酸塩が、好ましいアルカリ又はアルカリ土類金属次亜リン酸塩である。
ホスファイトエステルは式P(OR)で表されてよく、一方でホスホナイトは式P(OR)Rで表されてよく、式中、各Rは、同一又は異なっていてよく、典型的には独立して、C1~20アルキル、C3~22アルケニル、C6~40シクロアルキル、C7~40シクロアルキレン、アリール、アルカリール又はアリールアルキル部分からなる群から選択される。
ホスファイトエステルの例を以下の表4に示す:
Figure 2022550416000010

Figure 2022550416000011

ホスホナイトの例を以下の表5に示す:
Figure 2022550416000012
組成物(C)に使用する場合、リン化合物は、組成物の合計質量に基づいて、少なくとも0.01質量%、より好ましくは少なくとも0.05質量%の量で好ましくは存在する。
リン化合物はまた、好ましくは、組成物の合計質量に基づいて、最大でも1質量%、より好ましくは最大でも0.5質量%、なおより好ましくは最大でも0.25質量%の量で存在する。
フィラー(F)
組成物は場合により、0~60質量%、好ましくは10~50質量%の、1種又は複数のフィラー(F)を含む。
前記フィラー(F)は、任意の強化剤であってよいが、好ましくは、炭酸カルシウム、ガラス繊維、ガラスフレーク、ガラスビーズ、炭素繊維、タルク、マイカ、ウォラストナイト、焼成クレイ、カオリン、珪藻土、硫酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、ナトリウムアルミニウムカーボネート、バリウムフェライト、カリウムチタネートからなる群から選択される。
それ故フィラー(F)は、形態学的観点から、繊維状フィラー及び粒子状フィラーから選択することができる。
好ましくは、フィラーは繊維状フィラーから選択される。繊維状フィラーの中でもガラス繊維が好ましく、これにはチョップドストランドA-、E-、C-、D-、S-及びR-ガラス繊維が含まれる。円形及び非円形の断面を有するガラス繊維を使用することができる。「非円形の断面を有するガラス繊維」という表現は、本明細書において、その通常の意味に従って用いられ、すなわち、ガラス繊維の長手方向に対して垂直であり、且つ断面の最長直線距離に対応する長軸と、長軸に対して垂直方向の断面の直線距離に対応する短軸とを有する断面を有するガラス繊維を指すことを意図している。繊維の非円形断面は、繭型形状、直方体形状、楕円形状、多角形状、長円形状を含む様々な形状を有していてよい(この列挙は網羅的なものではない)。長軸の短軸に対する長さの比は、好ましくは約1.5:1~約6:1、より好ましくは約2:1~約5:1、なおより好ましくは約3:1~約4:1の間である。
好ましい実施形態では、ガラス繊維、及びより詳細には円形断面のガラス繊維をフィラー(F)として使用する。
組成物(C)は、組成物(C)の合計質量に対して、好ましくは少なくとも15質量%、より好ましくは少なくとも20質量%の、上に詳述したフィラー(F)を含む。
なお、組成物(C)は、組成物(C)の合計質量に対して、通常は最大でも60質量%、好ましくは最大でも55質量%、さらにより好ましくは最大でも50質量%の、上に詳述したフィラー(F)を含む。
特に良好な結果は、組成物(C)が、組成物(C)の合計質量に対して、約10~約40質量%の、上に詳述したフィラー(F)を含む場合に得られている。
ゴム(I)
組成物(C)は、場合により、0~30質量%、好ましくは0~20質量%の少なくとも1種の衝撃改質ゴム[ゴム(I)]を含む。
組成物(C)での使用に適したゴム(I)は一般に、ポリアミド(A)と、より詳細にはポリアミド(A)のアミン又はカルボン酸末端基と反応することができる少なくとも1つの官能基を含む[官能化ゴム(IF)]。
官能化ゴム(IF)の官能基は一般に、カルボン酸基及びその誘導体(とりわけ塩及びエステルを含む);エポキシ基;無水物基、オキサゾリン基、マレイミド基又はそれらの混合物から選択される。
官能化ゴム(IF)は、オリゴマー又はポリマー化合物であってよく、官能基は、衝撃改質剤骨格の重合中に官能性モノマーを共重合することにより、又は予め形成されたポリマー骨格のグラフト化により、組み込むことができる。
前記官能化ゴム(IF)は一般に、以下のモノマー:エチレン;プロピレン、ブテン、オクテンを含む高級アルファオレフィン;ブタジエン及びイソプレンを含むジエン;アクリレート、スチレン、アクリロニトリル;(メタ)アクリル酸及びエステルを含むその誘導体;酢酸ビニルを含むビニルモノマー、及び他のビニルエステルの少なくとも1種から誘導される繰り返し単位を含む。官能化ゴム(IF)の構造には、他のモノマーも等しく含まれていてよい。
官能化ゴム(IF)のポリマー骨格は一般に、ポリエチレン及びそのコポリマー、例えばエチレン-ブテン;エチレン-オクテン;ポリプロピレン及びそのコポリマー;ポリブテン;ポリイソプレン;エチレン-プロピレン-ゴム(EPR);エチレン-プロピレン-ジエンモノマーゴム(EPDM);エチレン-アクリレートゴム;ブタジエン-アクリロニトリルゴム、エチレン-アクリル酸(EAA)、エチレン-ビニル酢酸(EVA);アクリロニトリル-ブタジエン-スチレンゴム(ABS)、ブロックコポリマースチレンエチレンブタジエンスチレン(SEBS);ブロックコポリマースチレンブタジエンスチレン(SBS);メタクリレート-ブタジエン-スチレン(MBS)タイプのコア-シェルエラストマー、又は上記の1種以上の混合物を含むエラストマー骨格から選択される。
前記ポリマー骨格に官能基が含まれていない場合、官能化ゴム(IF)は、共重合又はグラフト化によって、カルボン酸基及びその誘導体(とりわけ塩及びエステルを含む);エポキシ基;無水物基、オキサゾリン基、マレイミド基又はそれらの混合物の任意を含む官能性モノマーからの残基を、さらに組み込むであろうことが理解される。さらに、前記官能性モノマーは、既に官能基を含んでいてよい骨格をさらに修飾するために使用されてもよいことが想定される。
官能化ゴム(IF)の具体例は、とりわけ、エチレン、アクリル酸エステル及びグリシジルメタクリレートのターポリマー、エチレン及びブチルエステルアクリレートのコポリマー;エチレン、ブチルエステルアクリレート及びグリシジルメタクリレートのコポリマー;エチレン-無水マレイン酸コポリマー;無水マレイン酸でグラフトしたEPR;無水マレイン酸でグラフトしたスチレン-マレイミドコポリマー;無水マレイン酸でグラフトしたSEBSコポリマー;無水マレイン酸でグラフトしたスチレン-アクリロニトリルコポリマー;無水マレイン酸でグラフトしたABSコポリマーが挙げられる。
本発明の枠内で特に有効であることが見出された官能化ゴム(IF)は、無水マレイン酸でグラフトしたエチレン非晶質コポリマーである。
存在する場合、前記ゴム(I)の量は一般に、組成物(C)の合計質量に対して、少なくとも1質量%、好ましくは2質量%、より好ましくは少なくとも3質量%、より好ましくは少なくとも4質量%の量である。さらに、その量は一般に、組成物(C)の合計質量に対して、最大でも30質量%、好ましくは最大でも15質量%、より好ましくは最大でも10質量%、及びさらにより好ましくは最大でも8質量%である。
他の原料
組成物(C)は、潤滑剤、可塑剤、着色剤、顔料、帯電防止剤、難燃剤、核剤、触媒など、当技術分野で一般的に使用される他の従来の添加剤も含んでよい。存在する場合、これらの原料は、組成物(C)の合計質量に対して、最大でも30質量%、好ましくは最大でも20質量%、より好ましくは最大でも10質量%、及びさらにより好ましくは最大でも8質量%の量で存在する。典型的な量は、組成物(C)中に組み込むために選択された特定の従来の添加剤に依存し、当業者により一般的な慣行に従って選択される。
組成物(C)の製造
本発明はさらに、上に詳述した組成物(C)の製造方法に関するものであり、前記方法は、ポリアミド(A)、ポリアミド(B)、安定剤(S)、及び任意の他の任意選択の原料を溶融混合することを含む。
本発明のポリマー原料と非ポリマー原料との混合には、任意の溶融混合方法を用いてよい。例えば、ポリマー原料と非ポリマー原料を溶融ミキサー、例えば単軸押出機又は二軸押出機、撹拌機、単軸又は二軸ニーダー、又はバンバリーミキサーに投入し、そして添加工程は、全原料を一度に添加、又はバッチで徐々に添加するもので良い。ポリマー原料及び非ポリマー原料をバッチで徐々に添加する場合、ポリマー原料及び/又は非ポリマー原料の一部をまず添加し、そしてその後に添加する残りのポリマー原料及び非ポリマー原料との溶融混合を、十分に混合された組成物が得られるまで行う。強化フィラーが長い物理的形状を呈する場合(例えば、長いガラス繊維)、強化組成物を調製するために延伸押出成形を使用してよい。
組成物(C)の使用
組成物(C)は、上記に開示したように、それから作られた成形物品又は押出物品の高温での長期熱安定性を高め、疲労特性を向上させるのに有用である。物品の長期熱安定性は、厚さ4mmの試験サンプルを、オーブン中様々な試験温度で様々な試験時間、曝露(空気オーブン老化)することによって評価できる。本明細書に開示した組成物のオーブン試験温度は、200℃及び最大で2000時間までの試験期間を含む。空気オーブン老化後の試験サンプルは、ISO527-2/1A試験法に従って、引張弾性率、破断時引張強さ、及び破断伸びについて試験し;そして同一の組成及び形状を有する曝露していない対照、すなわち成形したままのものと比較する。成形したままの対照との比較により、引張強さの保持率及び/又は破断伸びの保持率が得られ、よって種々の組成物の長期熱安定性性能に関して評価できる。
組成物(C)から作られた物品の機械的耐久性は、以下の実施例に記載した熱風圧力パルス試験により評価できる。
様々な実施形態において、組成物(C)は、成形したままの曝露していない対照との比較に基づき、少なくとも60%、好ましくは少なくとも70%の引張強さの200℃/1000時間保持率を有する。
別の側面において、本発明は、上記に開示した組成物(C)の高温用途のための使用に関するものである。
さらに別の側面では、本発明は、本発明の組成物(C)を造形して物品を製造するための方法に関する。物品の例として、フィルム、糸、繊維、積層体、自動車部品、又はエンジン部品、又は電気/電子部品が挙げられる。「造形する(shaping)」とは、任意の造形技術、例えば押出、射出成形、熱成形、圧縮成形又はブロー成形を意味する。好ましくは、物品は、射出成形又はブロー成形によって造形される。
本明細書に開示した成形又は押出熱可塑性プラスチック物品は、以下の要件:高衝撃要件;(例えば、従来の金属よりも)著しい質量低減;高温に対する耐性;油環境に対する耐性;冷却剤などの化学試剤に対する耐性;及び騒音低減の1つ以上を満たす多くの車両部品における用途を有し、よりコンパクトで統合されたデザインを可能にする。具体的な成形又は押出熱可塑性プラスチック物品は、給気冷却器(CAC);シリンダーヘッドカバー(CHC);オイルパン;サーモスタット及びヒーターハウジング及び冷却剤ポンプを含むエンジン冷却システム;マフラーと触媒コンバータ用ハウジングを含む排気システム;空気吸入マニホールド(AIM);及びタイミングチェーンベルトフロントカバーからなる群から選択される。長期高温曝露に対する所望の機械的耐性の例示として、給気冷却器を挙げることができる。給気冷却器は、エンジンの燃焼効率を向上させる自動車のラジエーターの一部である。給気冷却器は、給気温度を低下させ、ターボチャージャー中で圧縮後の空気の密度を高め、このようにしてより多くの空気をシリンダーに入り込ませて、エンジン効率を向上させる。給気冷却器に流入するときに空気の温度は200℃を超える場合があるので、この部品は、高温下で長時間良好な機械的特性を維持する組成で作られていることが要求される。
参照により本明細書に組み込まれる特許、特許出願、及び刊行物の開示が、用語を不明確にし得る程度に本願明細書と矛盾する場合には、本明細書が優先するものとする。
本発明を、以下の実施例によってさらに説明する。以下の実施例は、説明のためのものであり、本発明をこれに限定するために使用されるものではないことを理解されたい。
分析方法
ISO307規格に従い、ギ酸中の溶液で粘度数(VN)(単位:mL/g)を測定した。
カルボン酸末端基(CEG)濃度及びアミン末端基(AEG)濃度を、電位差滴定法により測定した(単位:meq/kg)。
融点(T)及びエンタルピー(ΔH)、結晶化温度(T)は、Mettler DSC3を用いて、10℃/分で示差走査熱量計(DSC)により測定した。
実施例1
機械的攪拌機を備えたステンレス鋼クレーブ中、ε-カプロラクタムを、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン、水(30質量%)の存在下、以下のモル比:n(ビス(ヘキサメチレン)トリアミン)/n(ε-カプロラクタム)=0.0042、R=0で重合させることによって、本発明によるポリマー(B)を合成した。混合物を最大で245℃まで17.5バールで徐々に加熱し、一方で水は蒸留した。次に、大気圧になるまで圧力を徐々に除去した。次に、圧力を45分で徐々に500ミリバールに設定し、温度を245℃に維持した。次に、真空を破ってポリマーを押出し、水浴で冷却してペレット化した。オリゴマーの除去は、カプロラクタムの残留含有量が0.3質量%未満になるように、熱水中で数回洗浄することによって行った。最後に、分析前にペレットを乾燥させた。
この分岐ポリアミドは、以下の特性を有していた:
VN=108mL/g、AEG=154meq/kg、及びCEG=38meq/kg;それ故、AEG-CEG値は116meq/kgであった。対応するMn=12700g/モル、及びIP=1.7であった。溶融温度Tm=221℃であった。
実施例2
機械的攪拌機を備えたステンレス鋼クレーブ中、ε-カプロラクタムを、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン、触媒としてのH3PO4(モノマーの混合物の370ppm)、水(30質量%)の存在下、以下のモル比:n(ビス(ヘキサメチレン)トリアミン)/n(ε-カプロラクタム)=0.0042、R=0で重合させることによって、本発明によるポリマー(B)を合成した。混合物を最大で250℃まで17.5バール未満で徐々に加熱し、一方で水は蒸留した。次に、大気圧になるまで圧力を徐々に除去し、温度を260℃に上げ、それから撹拌しながら1時間維持した。次に、ポリマーを押出し、水浴で冷却してペレット化した。オリゴマーの除去は、カプロラクタムの残留含有量が0.3質量%未満になるように、熱水中で数回洗浄することによって行った。最後に、分析前にペレットを乾燥させた。
この分岐ポリアミドは、以下の特性を有していた:
VN=117mL/g、AEG=138meq/kg、及びCEG=20meq/kg;それ故、AEG-CEG値は119meq/kgであった。対応するMn=16500g/モル、及びIP=1.6であった。溶融温度Tm=220℃であった。
実施例3
実施例2と同様に、ε-カプロラクタムを、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン、アジピン酸、触媒としてのH3PO4(モノマーの混合物の370ppm)、水(30質量%)の存在下、以下のモル比:
n(ビス(ヘキサメチレン)トリアミン)/n(ε-カプロラクタム)=0.008、R=n(アジピン酸)/n(ビス(ヘキサメチレン)トリアミン)=0.5
で重合させることによって、本発明によるポリマー(B)を合成した。
この分岐ポリアミドは、以下の特性を有していた:
VN=146mL/g、AEG=163meq/kg、及びCEG=20meq/kg;それ故、AEG-CEG値は144meq/kgであった。対応するMn=20700g/モル、及びIP=3.0であった。溶融温度Tm=216℃であった。
実施例4
実施例2と同様に、ε-カプロラクタムを、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン、アジピン酸、触媒としてのH3PO4(モノマーの混合物の370ppm)、水(30質量%)の存在下、以下のモル比:
n(ビス(ヘキサメチレン)トリアミン)/n(ε-カプロラクタム)=0.014、R=n(アジピン酸)/n(ビス(ヘキサメチレン)トリアミン)=0.5
で重合させることによって、本発明によるポリマー(B)を合成した。
この分岐ポリアミドは、以下の特性を有していた:
VN=100mL/g、AEG=273meq/kg、及びCEG=15meq/kg;それ故、AEG-CEG値は257meq/kgであった。対応するMn=13600g/モル、及びIP=2.8であった。溶融温度Tm=215℃であった。
実施例5
実施例2と同様に、ε-カプロラクタムを、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン、アジピン酸、触媒としてのH3PO4(モノマーの混合物の370ppm)、水(30質量%)の存在下、以下のモル比:
n(ビス(ヘキサメチレン)トリアミン)/n(ε-カプロラクタム)=0.020、R=n(アジピン酸)/n(ビス(ヘキサメチレン)トリアミン)=0.7
で重合させることによって、本発明によるポリマー(B)を合成した。ここで、周囲圧力、260℃での最終工程を、撹拌しながら30分間維持した。
この分岐ポリアミドは、以下の特性を有していた:
VN=105mL/g、AEG=298meq/kg、及びCEG=18meq/kg;それ故、AEG-CEG値は280meq/kgであった。対応するMn=16500g/モル、及びIP=4.7であった。溶融温度Tm=213℃であった。
実施例6
実施例2と同様に、ε-カプロラクタムを、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン、アジピン酸、触媒としてのH3PO4(モノマーの混合物の370ppm)、水(30質量%)の存在下、以下のモル比:
n(ビス(ヘキサメチレン)トリアミン)/n(ε-カプロラクタム)=0.020、R=n(アジピン酸)/n(ビス(ヘキサメチレン)トリアミン)=0.7
で重合させることによって、本発明によるポリマー(B)を合成した。ここで、260℃での最終工程を、真空下60ミリバールで行い、撹拌しながら30分間維持した。
この分岐ポリアミドは、以下の特性を有していた:
VN=168mL/g、AEG=288meq/kg、及びCEG=3meq/kg;それ故、AEG-CEG値は285meq/kgであった。対応するMn=17800g/モル、及びIP=4.5であった。溶融温度Tm=215℃であった。
比較例1
この分岐状のPA6は、実施例1と同様に、ε-カプロラクタムを、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン、アジピン酸、触媒としてのH3PO4(モノマーの混合物の370ppm)、水(30質量%)の存在下、以下のモル比:n(ビス(ヘキサメチレン)トリアミン)/n(ε-カプロラクタム)=0.040、R=n(アジピン酸)/n(ビス(ヘキサメチレン)トリアミン)=0.75で重合させることによって合成した。ここで、最終工程を周囲圧力で、245℃で1時間行った。
この分岐ポリアミドは、以下の特性を有していた:
VN=119mL/g、AEG=491meq/kg、及びCEG=10meq/kg;それ故、AEG-CEG値は481meq/kgであった。対応するMn=11200g/モル、及びIP=5.4であった。溶融温度Tm=210℃であった。
化合のための追加の原材料
ポリアミド化合物は、以下の原料を用いて製造した:
PA6S27、エンドキャッピング剤としての酢酸の存在下でε-カプロラクタムを重合し、続いて水中で洗浄することでオリゴマーを除去することによって合成されたSolvay社製の直鎖状PA6であり、VN=142mL/g、AEG=37meq/kg、及びCEG=54meq/kg;それ故、-17meq/kgのAEG-CEG値を有していた。
Solvay社製の酸分岐状のPA6 SX16、分岐剤としての2,2,6,6-テトラキス(カルボキシエチル)シクロヘキサノンの存在下でε-カプロラクタムを重合し、続いて水中で洗浄することでオリゴマーを除去することによって合成された分岐状PA6であり、VN=104mL/g、AEG=16meq/kg、及びCEG=180meq/kg;それ故、-164meq/kgのAEG-CEG値を有していた。
Owens Corning社製の直径10μmのガラス繊維(OCV990)。
1.76%のCu2O、24.56%のKBr、23.68%のカーボンブラック、23.68%のニグロシン及び26.32%の潤滑剤LT107を含有する安定剤パッケージ。
化合物の押出の一般的な手順
化合の前に、ポリアミドのペレットを乾燥させて、水分含有量を1500ppm未満に減少させた。選択した原料をWerner&Pleifeder ZSK40二軸押出機で、以下のパラメータを用いて溶融混合することによって、組成物を得た:35kg/時間、毎分230回転、5つの加熱ゾーン:235、240、245、250、255℃。すべての原料を押出機の最初に供給した。押出機ストランドを水浴中で冷却し、その後ペレット化して、得られたペレットをアルミニウムで裏打ちされた袋に密閉して保管し、水分の吸着を防いだ。表6に化合物の組成を示す。
Figure 2022550416000013
耐熱老化性を評価する手順
DEMAG H270.50射出成形機を用いて、250℃前後のバレル温度で、型温度を85℃に設定し、4mm厚のISO527試験片を作製した。老化前の初期機械特性(引張弾性率(E)、破断時引張強さ(TS)、破断時伸び)は、ISO527/1Aに従って23℃及び170℃で引張測定を行い、その特性を評価した。5個の試験片から平均値を求めた。
次に、200℃に設定した再循環空気オーブン(Heraeus TK62210)内で、試験片を熱老化させた。1000時間及び2000時間の老化処理の後、試験片をオーブンから取り出し、室温まで冷やして、試験の準備が整うまでアルミニウムで裏打された袋に密封して入れた。その後、ISO527/1Aに従って、23℃及び170℃で機械的特性を測定した。表7は、CE4及びE7が、CE2及びCE3と比較すると、熱老化に対してより高い耐性を呈することを示す。
Figure 2022550416000014
熱風圧力パルス試験の内容
Ferromatik K-Tec200射出成形機を用いて、255℃前後のバレル温度で、型温度を85℃に設定し、箱型部品を射出成形した。その後、部品を130℃に設定したオーブンに入れ、箱型部品の内部を熱風圧力パルス(空気温度220℃、及び1Hzで0.1~2.3バールの間で正弦波状に変化させた圧力)に供した。部品が破損するまで熱風圧力パルスを繰り返し、破損時のサイクル数を材料の機械的耐久性の指標とした。各製品からの3個の部品について、再現性を試験した。
表7及び表8のデータから、E7のみが耐熱老化性及び圧力パルス試験耐性の両方を兼ね備えていることが示される。
Figure 2022550416000015

Claims (13)

  1. ポリアミド組成物[組成物(C)]であって、
    そのポリアミド組成物が、
    - 0~30質量%の少なくとも1種のポリアミド[ポリアミド(A)]と、
    - ポリアミド(A)とは異なる30超~99.99質量%の少なくとも1種の分岐ポリアミド[ポリアミド(B)]であって、その分岐ポリアミドが、
    - 式-NH-の第2級アミン基及び式-NHの第1級アミン基からなる群から選択される3つ又は4つのアミン官能基を含む、少なくとも1種の三官能性又は四官能性ポリアミンモノマー[モノマー(FN)]、及び
    - ε-カプロラクタム(又はその誘導体)
    を含む混合物[混合物(B)]の重縮合から誘導される繰返し単位を含み、
    前記モノマー(FN)が三官能性ポリアミンモノマーである場合、前記モノマー(FN)は、モノマー(FN)/ε-カプロラクタム(又はその誘導体)のモル比が少なくとも0.002でありかつ最大でも0.030である量で使用され、そして、
    前記モノマー(FN)が四官能性ポリアミンモノマーである場合、前記モノマー(FN)は、モノマー(FN)/ε-カプロラクタム(又はその誘導体)のモル比が少なくとも0.001でありかつ最大でも0.030である量で使用され、
    前記分岐ポリアミドが、差AEG-CEGが少なくとも100meq/kgでありかつ最大でも300meq/kgである、アミン末端基(AEG)の濃度及びカルボキシル末端基(CEG)の濃度を有する、分岐ポリアミド[ポリアミド(B)]と、
    - 0.01~3.5質量%の少なくとも1種の熱安定剤[安定剤(S)]と、
    - 場合により、0~60質量%の少なくとも1種のフィラー[フィラー(F)]と、
    - 場合により、0~30質量%の少なくとも1種の衝撃改質ゴム[ゴム(I)]と、
    - 場合により、0~10質量%の他の従来の添加剤と、
    を含み、
    上記質量%が、組成物(C)の合計質量に対するものである、ポリアミド組成物。
  2. 前記ポリアミド(A)が、
    - 少なくとも二酸[酸(DA)](又はその誘導体)及び少なくともジアミン[アミン(NN)](又はその誘導体)を含む混合物(M1)、
    - 少なくともラクタム[ラクタム(L)]を含む混合物(M2)、
    - 少なくともアミノカルボン酸[アミノ酸(AN)]を含む混合物(M3)、及び
    - これらの組み合わせ
    から選択される少なくとも1つの混合物の縮合反応によって得られたものである、請求項1に記載の組成物(C)。
  3. 前記ポリアミド(A)が、
    - アジピン酸と1,6-ジアミノヘキサンとの混合物、
    - アジピン酸とテレフタル酸と1,6-ジアミノヘキサンとの混合物、
    - セバシン酸と1,6-ジアミノヘキサンとの混合物、
    - テレフタル酸と1,10-ジアミノデカンとの混合物、
    - アジピン酸とテレフタル酸と1,10-ジアミノデカンとの混合物、
    - アジピン酸と1,10-ジアミノデカンとの混合物
    からなる群から選択される少なくとも1つの混合物(M1)の縮合反応によって得られたものである、請求項2に記載の組成物。
  4. 前記モノマー(FN)が、トリス(アミノアルキル)アミン、例えばトリス(2-アミノエチル)アミン(TREN)、ポリオキシアルキレントリアミン、例えばHuntsman社製の、Jeffamine T403(登録商標)(ポリオキシプロピレントリアミン)を含むJeffamine T(登録商標)、ポリアルキレンポリアミン、例えば、可変の分子量を有利に有し得るポリエチレンイミン、1,8-ジアミノ-4-アミノメチルオクタン(TAN)及びジアルキレントリアミン、例えばジエチレントリアミン(DETA)、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン(BHT)、及びシクロヘキサン-1,3,5-トリアミンからなる群から選択され、そして好ましくは、前記モノマー(FN)が、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン(BHT)、トリス(2-アミノエチル)アミン(TREN)、1,8-ジアミノ-4-アミノメチル-オクタン(TAN)及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物(C)。
  5. 前記混合物(B)が、少なくとも1種の二酸[酸(DA)]及び/又は少なくとも1種のジアミン[アミン(NN)]をさらに含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物(C)。
  6. 前記混合物(B)が、如何なるジアミン[アミン(NN)]も含まない、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物(C)。
  7. 酸(DA)が混合物(B)中に、酸(DA)/モノマー(FN)のモル比が限度0.44+1/xを超えない量で存在し、xが前記モノマー(FN)中の前記アミン基の数である、請求項5又は6に記載の組成物(C)。
  8. 前記安定剤(S)が、銅含有安定剤、ヒンダードアミン化合物、ヒンダードフェノール化合物、多価アルコール(PHA)、及びリン化合物からなる群から選択される、請求項1から7のいずれか一項に記載の組成物(C)。
  9. 前記安定剤(S)が少なくとも1種の銅含有安定剤を含み、好ましくは、前記銅含有安定剤が銅化合物[化合物(Cu)]及びアルカリ金属ハロゲン化物[ハロゲン化物(M)]を含む、請求項7に記載の組成物(C)。
  10. 前記銅含有安定剤が、銅化合物[化合物(Cu)]及びアルカリ金属ハロゲン化物[ハロゲン化物(M)]を、Cu:ハロゲン化物の原子質量比1:99~30:70、好ましくは5:95~20:80で含む、請求項9に記載の組成物(C)。
  11. 前記ポリアミド(A)、前記ポリアミド(B)、前記熱安定剤、及び任意の他の任意選択の原料の溶融混合を含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の組成物(C)の製造方法。
  12. 押出、射出成形、熱成形、圧縮成形及びブロー成形からなる群から好ましくは選択される任意の造形技術による、請求項1から10のいずれか一項に記載の組成物(C)を造形することによる、物品の製造方法。
  13. 前記物品が、フィルム、糸、繊維、積層体、自動車部品、エンジン部品、及び電気/電子部品の任意である、請求項12に記載の方法。
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