JPH0450230A - ポリアミド樹脂およびその製造方法 - Google Patents

ポリアミド樹脂およびその製造方法

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JPH0450230A
JPH0450230A JP2159186A JP15918690A JPH0450230A JP H0450230 A JPH0450230 A JP H0450230A JP 2159186 A JP2159186 A JP 2159186A JP 15918690 A JP15918690 A JP 15918690A JP H0450230 A JPH0450230 A JP H0450230A
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dicarboxylic acid
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Toshimasa Takada
高田 敏正
Akio Ikeda
秋夫 池田
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 本発明は、ポリアミド樹脂およびこのポリアミド樹脂を
製造する方法に関する。さらに詳しくは本発明は、結晶
性、耐熱特性および機械的特性などの緒特性に優れたポ
リアミド樹脂およびこのポリアミド樹脂を製造する方法
に関する。
発明の技術的背景 芳香族ジカルボン酸成分単位と脂肪族系アルキレンジア
ミン成分単位とから形成される溶融成形可能なポリアミ
ドが数多く提案されている。例えば本出願人は、特開昭
59−53536号公報において、芳香族ジカルボン酸
成分単位と脂肪族系アルキレンジアミン成分単位とから
形成される結晶性ポリアミドを開示している。この結晶
性ポリアミドは、従来のポリアミドに比べて著しく耐熱
特性、機械的強度および化学的物理的特性に優れている
。しかし、利用分野によってはさらに高い結晶性が必要
とされる分野があり、このような分野においては、さら
に高い結晶性を有するポリアミドの出現が望まれている
また、特開昭59−155426号公報には、芳香族ジ
カルボン酸成分単位およびアジピン酸成分単位と、ヘキ
サメチレンジアミン成分単位とからなる結晶性ポリアミ
ドが開示されている。このポリアミドは、優れた結晶性
を有しているが、ガラス転移温度(Tg)が低く、高温
時の剛性が不充分である等、耐熱性については改善の余
地があった。さらに、このポリアミドには、融点(Tm
)と熱分解温度との差が小さいため、成形可能な温度範
囲が狭いという問題もあった。
発明の目的 本発明は、上記のような従来技術に伴う問題点を解消し
ようとするものであって、結晶性、耐熱特性及び機械的
特性に優れた新規なポリアミド樹脂およびこのポリアミ
ド樹脂を製造する方法を提供することを目的としている
発明の概要 本発明に係るポリアミド樹脂は、 ジカルボン酸成分単位(a)が、テレフタル酸成分単位
、50〜90モル%および4.4′−ビフェニルジカル
ボン酸:50〜10モル%からなり、ジアミン成分単位
(b)が、炭素原子数4〜25の脂肪族ジアミン成分単
位からなり、かつ、濃硫酸中30℃で測定した極限粘度
[V]が、0.5〜30dl/gの範囲内にあることを
特徴としている。
また、本発明に係るポリアミド樹脂の製造方法は、 テレフタル酸、50〜90モル%および4.4°−ビフ
ェニルジカルボン酸;50〜10モル%からなるジカル
ボン酸成分(ao)と、炭素原子数4〜25の脂肪族ジ
アミン成分(b゛)とから形成されるオリゴマー ある
いは上記ジカルボン酸成分(ao)とジアミン成分(b
゛)とから形成される塩を反応型押出機を用いて重縮合
することを特徴としている。
そして、この反応型押出機として、ベント付き二軸押出
機を使用することが特に好ましい。
本発明のポリアミド樹脂は特性の成分単位から構成され
ているので、特に結晶性が高く、さらに耐熱特性および
機械的特性に優れている。そして、このポリアミド樹脂
は、ジカルボン酸成分とジアミン成分とから形成される
オリゴマーあるいはこれらの塩を反応型押出機を用いて
溶融重縮合させているため、短時間で所望の分子量を有
するポリアミド樹脂を製造することができる。しかも、
この方法を採用することにより、得られるポリアミド樹
脂の品質が非常に安定する。
発明の詳細な説明 以下、本発明に係るポリアミド樹脂およびその製造方法
について具体的に説明する。
本発明に係るポリアミド樹脂は、ジカルボン酸成分単位
(a)とジアミン成分単位(b)とから形成されている
。ジカルボン酸成分単位(a)は、特定の芳香族ジカル
ボン酸成分単位がらなり、ジアミン成分単位(b)は、
特定の脂肪族系アルキレンジアミン成分単位から形成さ
れている。
本発明のポリアミド樹脂を構成するジカルボン酸成分単
位(a)は、テレフタル酸成分単位および4゜4−ビフ
ェニルジカルボン酸成分単位である。
そして、ジカルボン酸成分単位(a)中におけるテレフ
タル酸成分単位の含有率は、50〜90モル%の範囲内
にあることが必要であり、さらにこの含有率が60〜8
0モル%の範囲内にあることが好ましい。また、ジカル
ボン酸成分単位(b)中における4、4−ビフェニルジ
カルボン酸成分単位の含有率は、50〜10モル%の範
囲内にあることが必要であり、この含有率が40〜20
モル%の範囲内にあることが好ましい。なお、両者の合
計は、100モル%である。
ジカルボン酸成分単位(a)として、テレフタル酸成分
単位および4.4−ビフェニルジカルボン酸成分単位を
上記のような量で含有することにより、本発明のポリア
ミド樹脂は、高い結晶性を示すようになる。さらに、融
点およびガラス転移温度が高くなり、耐熱特性が向上す
ると共に、機械的特性も良好になる。殊に4,4−ビフ
ェニルジカルボン酸成分単位の含有率を50モル%以下
に抑えることにより、ポリアミド樹脂が良好な成形性を
有するようになると共に、結晶性、耐熱特性および機械
的特性とのバランスも良好になる。
本発明のポリアミド樹脂を構成するジアミン成分単位(
b)は、炭素原子数4〜25の脂肪族系ジアミン成分単
位であり、この脂肪族系ジアミン成分単位には、アルキ
レンジアミン成分単位の他、脂環族系ジアミン成分単位
も含まれる。従って、本発明のポリアミド樹脂を構成す
るジアミン成分単位(b)としては、アルキレンジアミ
ン成分単独、アルキレンジアミン成分単位および脂環族
系ジアミン成分単位の混成、ならびに脂環族ジアミン成
分単位単独の場合がある。
アルキレンジアミン成分単位は、直鎖状のアルキレンジ
アミン成分単位であっても、分枝を有する鎖状のアルキ
レンジアミン成分単位であってもよい。このようなアル
キレンジアミン成分単位のうちでは、炭素原子数が4〜
25の直鎖状あるいは分枝を有する鎖状のアルキレンジ
アミン成分単位が好ましく、さらに炭素原子数が6〜1
8の直鎖状あるいは分枝を有する鎖状のアルキレンジア
ミン成分単位が特に好ましい。
このようなアルキレンジアミン成分単位としては、具体
的には、たとえば、 1.4−ジアミノブタン、 1.5〜ジアミノペンタン、 1.6−シアミツヘキサン、 1.7−ジアミノへブタン、 1.8〜ジアミノオクタン、 1.9−ジアミノノナン、 1.10−ジアミノデカン、 1.11−ジアミノウンデカン、 および 1.12−ジアミノドデカンのようなの直鎖状アルキレ
ンジアミンから誘導される成分単位;ならびに 1.4−ジアミノ−1,1−ジメチルブタン、1.4−
ジアミノ−1−エチルブタン、1.4−ジアミノ−1,
2−ジメチルブタン、1.4−ジアミノ−1,3−ジメ
チルブタン、1.4−ジアミノ−1,4−ジメチルブタ
ン、1.4−ジアミノ−2,3−ジメチルブタン、1.
2−ジアミノ−1−ブチルエタン、1.6−ジアミツー
2,5−ジメチルヘキサン、1.6−ジアミツー2.4
−ジメチルヘキサン、1.6−ジアミツー3.3−ジメ
チルヘキサン、1.6−ジアミツー2,2−ジメチルヘ
キサン、1.6−ジアミツー2.2.4−トリメチルヘ
キサン、1.6−ジアミツー2.4.4− )ジメチル
ヘキサン、1.7−ジアミツー2,3−ジメチルへブタ
ン、1.7−ジアミツー2.4−ジメチルへブタン、1
.7−ジアミツー2.5−ジメチルへブタン、1.7−
ジアミツー2,2−ジメチルへブタン、1.8−ジアミ
ノ−1,3−ジメチルオクタン、1.8−ジアミノ−1
,4−ジメチルオクタン、1.8−ジアミノ−2,4−
ジメチルオクタン、1.8−ジアミノ−3,4−ジメチ
ルオクタン、1.8−ジアミノ−4,5−ジメチルオク
タン、1.8−ジアミノ−2,2−ジメチルオクタン、
1.8−ジアミノ−3,3−ジメチルオクタン、1.8
−ジアミノ−4,4−ジメチルオクタン、1.6−ジア
ミツー2,4−ジエチルヘキサン、および 1.9−ジアミノ−5−メチルノナンのようなの分校を
有する鎖状のアルキレンジアミンから誘導される成分単
位を挙げることができる。
このような直鎖状あるいは分校を有する鎖状のアルキレ
ンジアミン成分単位のうちでは、直鎖状のアルキレンジ
アミン成分単位が好ましく、特に1.6−シアミツヘキ
サン、1,8−ジアミノオクタン、1.10−ジアミノ
デカン、1.12−ジアミノドデカンのような直鎖状ア
ルキレンジアミンから誘導される繰り返し単位が単独で
、あるいは組み合わされていることが好ましい。
脂環族ジアミン成分単位は、通常、炭素原子数が6〜2
5程度であり、かつ少なくとも1個の脂環族炭化水素環
を含むジアミンから誘導される成分単位である。
このような脂環族ジアミン成分単位としては、具体的に
は、たとえば、 1.3−ジアミノシクロヘキサン、 1.4−ジアミノシクロヘキサン、 1.3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1.4
−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、イソホロンジ
アミン、 ピペラジン、 2.5−ジメチルピペラジン、 ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(4−
アミノシクロヘキシル)プロパン、4.4°−ジアミノ
−3,3°−ジメチルジシクロヘキシルプロパン、 4.4゛−ジアミノ−3,3′−ジメチルジシクロヘキ
シルメタン、 4.4′−ジアミノ−3,3′−ジメチル−5,5′−
ジメチルジシクロヘキシルメタン、 4.4′−ジアミノ−3,3°−ジメチル−5,5゛−
ジメチルジシクロヘキシルプロパン、 a、a’−ビス(4−アミノシクロヘキシル)−p−ジ
イソプロピルベンゼン、 α、α′−ビス(4−アミノシクロヘキシル) −m−
ジイソプロピルベンゼン、 a、σ゛−ビス4−アミノシクロヘキシル)−1,4−
シクロヘキサン、 および a、α゛−ビス4−アミノシクロヘキシル)−1,3−
シクロヘキサンのような脂環族ジアミンから誘導される
成分単位を挙げることができる。
これらの脂環族ジアミン成分単位のうちでは、ビス(ア
ミノメチル)シクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロ
ヘキシル)メタン、4.4°−ジアミノ3.3°−ジメ
チルジシクロヘキシルメタンから誘導される繰り返し単
位が好ましく、特にビス(4−アミノシクロヘキシル)
メタン、1.3−ビス(アミノシクロヘキシル)メタン
、1.3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン等の脂
環族ジアミンから誘導される成分単位が好ましい。
本発明のポリアミド樹脂を構成するジカルボン酸成分単
位(a)とジアミン成分単位(b)の成分比は通常はモ
ル比で1:0.9〜1:1.1の範囲内にあるが、この
構成成分比と仕込量とは必ずしも一致するものではなく
、得られるポリアミド樹脂の構成成分比が上記の範囲内
になるように仕込み量を調整することができる。そして
、本発明においては、ジカルボン酸成分とジアミン成分
とをモル比で1:0.9〜1 :1.2の範囲内の割合
で仕込むことが好ましい。
本発明に係るポリアミドの製造方法では、テレフタル酸
および4,4°−ビフェニルジカルボン酸とからなるジ
カルボン酸と、脂肪族系アルキレンジアミンとを共重合
させてオリゴマーを調製した後に、このオリゴマーを反
応型押出機を用いて重縮合反応することにより好ましく
製造することができる。
本発明の製造方法において、オリゴマーを調製する方法
としては、ジカルボン酸成分とジアミン成分、ジカルボ
ン酸成分とジアミン成分との塩などを、水およびリン系
化合物の存在下に加熱する方法を利用することができる
ここで使用されるリン系化合物としては、リン酸、その
塩および講ステル化合物、亜リン酸、その塩およびエス
テル化合物、ならびに次亜リン酸およびその塩を使用す
ることができる。
具体的には、リン酸塩の例としては、リン酸カリウム、
リン酸ナトリウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシ
ウム、リン酸マンガン、リン酸ニッケルおよびリン酸コ
バルトを挙げることができる。リン酸エステルの例とし
ては、具体的には、リン酸の、メチルエステル、エチル
エステル、イソプロピルエステル、ブチルエステル、ヘ
キシルエステル、イソデシルエステル、オクタデシルエ
ステル、デシルエステル、ステアリルエステルおよびフ
ェニルエステルを挙げることができる。
また、亜リン酸塩の例としては、亜リン酸カリウム、亜
リン酸ナトリウム、亜リン酸カルシウム、亜リン酸マグ
ネシウム、亜リン酸マンガン、亜リン酸ニッケルおよび
亜リン酸コバルトを挙げることができる。亜リン酸エス
テルの例としては、亜リン酸トリエステルを挙げること
ができ、具体的には、亜リン酸の、メチルエステル、エ
チルエステル、イソプロピルエステル、ブチルエステル
、ヘキシルエステル、イソデシルエステル、オクタデシ
ルエステル、デシルエステル、ステアリルエステルおよ
びフェニルエステルを挙げることかできる。
さらに、亜リン酸塩の例としては、亜リン酸カリウム、
亜リン酸ナトリウム、亜リン酸カルシウム、亜リン酸マ
グネシウム、亜リン酸マンガン、亜リン酸ニッケルおよ
び亜リン酸コバルトを挙げることができる。
また、次亜リン酸塩の例としては、次亜リン酸カリウム
、次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カルシウム、次亜
リン酸バナジウム、次亜リン酸マグネシウム、次亜リン
酸マンガン、次亜リン酸ニッケルおよび次亜リン酸コバ
ルトを挙げることができる。これらのリン酸化合物は、
単独であるいは組み合わせて使用することができる。
このようなリン系化合物は、上記のようなジカルボン酸
成分に対して、通常は0.01〜5モル%、好ましくは
0.02〜2モル%の割合で用いられる。
またオリゴマーを調製するに際しては、上記のようなリ
ン酸化合物以外に、芳香族モノカルボン酸、脂肪族モノ
カルボン酸などの化合物を用いてることもできる。
オリゴマーを調製する際の重合原料であるジカルボン酸
成分(a′)およびジアミン成分(bo)は、水溶液と
して使用することが好ましい。なお、ジカルボン酸成分
およびジアミン成分は、塩の形態で使用することもでき
る。
この水溶液では、水は、重合原料100重量部に対して
5〜40重量部、好ましくは10〜20重量部の割合で
用いられる。
このような水溶液に、次亜リン酸塩などを添加した後、
得られた水溶液を加熱し、上記重合原料を重合させるこ
とにより、オリゴマーが調製される。
このようなオリゴマーの調製は、窒素雰囲気下のような
不活性雰囲気下で行われることが好ましい。
また、オリゴマー調製時の圧力は、通常は、自生圧であ
り、例えば上記のような不活性雰囲気下で、密閉状態で
220〜280℃に加熱することにより反応させるため
、オリゴマー調製時の圧力は加圧状態になる。
またこのような圧力および温度で行われる重合反応は、
通常0.2〜5時間行われる。
このようにして得られたオリゴマーの極限粘度[η]は
、通常0.05〜o、3dl/g、好ましくは0.1〜
0.2dl/gである。
オリゴマーの極限粘度[V]を上記の範囲内に調製する
ことにより、取扱いが容易で、かつ次に行われる溶融重
合工程でのポリマー化が容易となる。
なお、上記のような極限粘度[7]は、濃硫酸中にオリ
ゴマーまたはポリマーを溶解し、30℃の温度で測定し
た粘度から求めた値である。
上記のようにして得られたオリゴマーあるいはその塩を
重縮合することにより、本発明のポリアミド樹脂を製造
することができる。
そして、本発明のポリアミド樹脂は、反応型押出機を用
いて製造することが好ましく、さらに反応型押出機の中
でもベント付き二軸押出機を使用することが特に好まし
い。このような反応型押出機の例としては、ニーダ−ブ
ラベンダーなどを挙げることができる。
上記のような反応型押出機に供給されたオリゴマーある
いはその塩を、加熱溶融することにより重縮合してポリ
アミド樹脂が得られる。この重縮合反応に際して、オリ
ゴマーなどに含まれる水および反応生成水は、通常は、
反応させながら系外に除去される。この水は、例えば押
出機のバレルの一部を不活性ガスパージした大気解放ベ
ントにすることにより除去することができる。
オリゴマーあるいはこの塩を重合させる際の重合温度は
、通常は280〜360℃、好ましくは280〜350
℃である。重合反応時間は、得ようとするポリアミド樹
脂の特性を考慮して適宜設定することができるが、上記
のような重合温度では、通常は1分〜3時間である。
このようにオリゴマーあるいは塩を溶融重縮合させるこ
とにより、色相がよく、高い重合度を有するポリアミド
樹脂を得ることができる。
例えば上記のようにして得られる本発明のポリアミド樹
脂は、濃硫酸中30℃で測定した極限粘度[η]が、0
.5〜3.0dl/gの範囲内にあるものである。そし
て、この極限粘度[η]が、0.7〜2.5 d 1/
gの範囲内にあることが好ましい。
また、このようにして得られたポリアミド樹脂の融点(
Tm)は、通常は270〜370’C1好ましくは30
0〜360℃の範囲内にある。また、ガラス転移温度(
Tg)は、通常は60〜160℃、好ましくは100〜
160℃の範囲内にある。
そして、結晶性、即ち結晶化速度を、融点と降温時の結
晶化温度との差(Tm−Tc)で表すと、本発明のポリ
アミド樹脂におけるTm−Tcの値は、通常は15〜4
0℃、好ましくは15〜35℃の範囲内にある。このT
m−Tcの値が、従来のポリアミドよりも少なくとも5
℃、好ましくは10℃程度低い値を示すということは、
本発明のポリアミド樹脂が高い結晶化速度を有している
ことを示している。従って、本発明のポリアミド樹脂は
、優れた結晶性を有しているということができる。
なお、本発明におけるポリアミド樹脂の融点、ガラス転
移温度および降温時の結晶化温度は、後述するようにD
SCを用いて測定した値を基にして決定される。
上記のようにして製造されたポリアミド樹脂は、そのま
ま使用することもできるが、上記のようにして合成した
ポリアミドをさらに高重合度化することもできる。
この高重合度化には、上記のようにして得られたポリア
ミド樹脂を、例えば200〜300℃の温度範囲で、0
.1−10mmHgの減圧下、あるいは窒素等の不活性
ガス雰囲気下で、通常1〜50時間固相重合する方法が
採用される。
上記のような本発明のポリアミド樹脂は、ポリアミドの
通常の用途に使用できる他、高い結晶性が必要な用途、
例えば、リレーケース、SMT用コネコネクターイルボ
ビン、LCフィルターケース、マイクロモータ一部品、
スウィッチ部品および自動車用コネクター等として特に
好ましく使用される。
さらに、本発明のポリアミド樹脂は、融点と分解温度の
差が、通常20℃以上と大きいため、成形の際に着色な
ど樹脂劣化が起こりにくく、耐熱性を要求される大型の
成形体等を容易に製造することことができる。
旦1セと肱摩 本発明のポリアミド樹脂は特性の成分単位から構成され
ているので、特に結晶性が高く、さらに耐熱特性および
機械的特性に優れている。
そして、このポリアミド樹脂は、ジカルボン酸成分単位
(aとジアミン成分単位(b)とからなるポリアミドオ
リゴマーあるいはこの塩を反応型押出機を用いて溶融重
縮合させているため、短時間で所望の分子量を有するポ
リアミド樹脂を製造することができる。しかも、この方
法を採用することにより、得られるポリアミド樹脂の品
質が非常に安定する。
以下、本発明を実施例を示して説明するが、本発明は、
これら実施例によって限定的に解釈されるべきではない
本発明におけるポリアミド樹脂のガラス転移温度(Tg
)、融点(Tm)、降温時の結晶化温度(Tc)および
極限粘度[η]の測定方法を次に示す。
(1)ガラス転移温度(Tg)、融点(Tm)、降温時
の結晶化温度(Tc) パーキンエルマー社製MODEL DSC−2示差走査
熱量計(DSC)を用いて、毎分10℃の昇降温度で樹
脂の示差熱分析を行って測定値からガラス転移温度(T
g)、融点(Tm)および降温時の結晶化温度(Tc)
を求めた。
また、融点と降温時の結晶化温度との差(Tm−Tc)
を結晶性(結晶化速度)の尺度とした。
(2)極限粘度[lコ ポリアミド樹脂濃度が0.5008/di、0.770
g/diおよび1. OOg/diである96χ濃硫酸
溶液を調製し、これらの溶液について相対粘度をウベロ
ード型粘度計を用いて測定して比粘度を求めた。これら
の値をプロットしたグラフから極限粘度[7]を求めた
実施例1 テレフタル酸169.5 g、  4.4’−ビフェニ
ルジカルボン酸164.7g、  ヘキサメチレンジア
ミン199.9 gおよび次亜リン酸ナトリウム0.3
6gにイオン交換水133.5 gを加えて原料水溶液
を調製した。
次に、この原料水溶液を容量II2のオートクレーブ中
に仕込み、窒素置換を充分に行った後、攪拌しながら2
時間で250℃の温度になるように加熱した。
さらに、この温度で、1時間重合譚料の重合反応を行わ
せてオリゴマーを調製した後、脱圧して反応混合物であ
るオリゴマーを取り出した。
取り出されたオリゴマーを、窒素中、100℃の温度お
よび100 mmHgの圧力下で約12時間乾燥した。
得られたオリゴマーを2 、5 Kg/時間の供給量で
二軸押出機(スクリュー径30mm、 L/D=42、
バレル温度(’C) = 180/290/350/3
50/340/340/330/330/330.第2
、第4および第6ゾーンは大気解放ベント、回転数60
rpm、排気は窒素パージ)に供給して溶融重合させて
ポリアミドを製造した。
得られたポリアミドの極限粘度[V]は1.12di/
gであった。また、DSCで求めた融点(Tm)は34
1℃、降温時の結晶化温度(Tc)は319℃、ガラス
転移温度(Tg)は134℃であり、Tm−Tcの値は
22℃であった。
実施例2 実施例1において、テレフタル酸を232.6g。
4.4°−ビフェニルジカルボン酸を145.3g、 
 ヘキサメチレンジアミンを234.7 g使用し、二
軸押出機のバレル温度を190/290/350/35
0/340/340/330/330/330℃とした
以外は同様にしてポリアミドを製造した。
得られたポリアミドの極限粘度[V]は1.0di/ 
gであった。また、DSCで求めた融点(Tm)は33
0℃、降温時の結晶化温度(Tc)は304℃、ガラス
転移温度(Tg)は135℃であり、Tm−Tcの値は
29℃であった。
実施例3 実施例1において、テレフタル酸を265.8g。
4.4゛−ビフェニルジカルボン酸を96.9g、  
ヘキサメチレンジアミンを234.7g使用し、二軸押
出機のバレル温度を200/300/360/360/
350/350/350/350/350℃とした以外
は同様にしてポリアミドを製造した。
得られたポリアミドの極限粘度[η]は0973di/
gであった。また、DSCで求めた融点(Tm)は34
9℃、降温時の結晶化温度(Tc)は323℃、ガラス
転移温度(Tg)は136℃であり、Tm−Tcの値は
26℃であった。
比較例1 実施例1において、テレフタル酸の使用量を255.8
 gとし、4,4°−ビフェニルジカルボン酸の代わり
にイソフタル酸を109.6g使用し、ヘキサメチレン
ジアミンの使用量を256.4gとし、二軸押出機のバ
レル温度を180/280/345/345/335/
335/320/320/320tとした以外は同様に
してポリアミドを製造した。
得られたポリアミドの極限粘度[V]は0.98di/
 gであった。また、DSCで求めた融点(Tm)は3
25℃、降温時の結晶化温度(Tc)は280℃、ガラ
ス転移温度(Tg)は125℃であり、T m −T 
cの値は45℃であった。
比較例2 実施例1において、テレフタル酸の使用量を255.9
 gとし、4.4’−ビフェニルジカルボン酸の代わり
にアジピン酸を96.5g使用し、ヘキサメチレンジア
ミンの使用量を258.0 gとし、二軸押出機のバレ
ル温度を180/280/345/345/340/3
40/340/340/340℃とした以外は同様にし
てポリアミドを製造した。
得られたポリアミドの極限粘度[ηコは1.19di/
 gであった。また、DSCで求めた融点(Tm)は3
32℃、降温時の結晶化温度(Tc)は294℃、ガラ
ス転移温度(Tg)は87℃であり、Tm−Tcの値は
38℃であった。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)ジカルボン酸成分単位(a)が、テレフタル酸成
    分単位;50〜90モル%および4,4−ビフェニルジ
    カルボン酸:50〜10モル%からなり、ジアミン成分
    単位(b)が、炭素原子数4〜25の脂肪族ジアミン成
    分単位からなり、かつ、 濃硫酸中30℃で測定した極限粘度[η]が、0.5〜
    30dl/gの範囲内にあるポリアミド樹脂。
  2. (2)テレフタル酸;50〜90モル%および4,4−
    ビフェニルジカルボン酸;50〜10モル%からなるジ
    カルボン酸成分(a′)と、炭素原子数4〜25の脂肪
    族ジアミン成分(b′)とから形成されるオリゴマー、
    あるいは上記ジカルボン酸成分(a′)とジアミン成分
    (b′)とから形成される塩を反応型押出機を用いて重
    縮合することを特徴とするポリアミド樹脂の製造方法。
  3. (3)反応型押出機が、ベント付き二軸押出機であるこ
    とを特徴とする請求項第2項記載のポリアミド樹脂の製
    造方法。
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